説明

半導体装置

【課題】モールドストレスによる絶縁ゲート型電界効果トランジスタの特性変動を抑制する。
【解決手段】半導体基板上に設けられた絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の高不純物濃度層と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ及び前記高不純物濃度層上の一面に、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線とを具備することを特徴とする半導体装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に係り、特に絶縁ゲート型電解効果トランジスタが内蔵され、樹脂封止された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に多数の能動素子や受動素子が形成され、モールド樹脂で樹脂封止された半導体装置が種々の分野に使用される。このような半導体装置では、樹脂封止時に発生するモールドストレスにより半導体装置に搭載されるトランジスタの特性変動が発生する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などに記載される半導体装置では、内部にペアー特性の精度が要求される差増増幅回路、カレントミラー回路、カスケード接続回路などのアナログ回路が搭載される場合、ダイソータで良品と判定された製品がモールドストレスの影響によりこのアナログ回路に特性変動が発生し、樹脂封止後のテスト歩留が低下するという問題点がある。絶縁ゲート型電界効果トランジスタでは、樹脂中のフィラー(SiO)がゲート電極膜の真上にあると絶縁膜を介して絶縁ゲート型電界効果トランジスタにストレスが印加され特性変動や特性劣化が発生する。
【0004】
また、閾値電圧の絶対値が比較的小さく、高速動作するロジック回路では、モールドストレスにより閾値変動が発生し、リーク電流の増大や動作速度の劣化など発生する場合がある。
【特許文献1】特開2000−252282号公報(頁4、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、モールドストレスによる絶縁ゲート型電界効果トランジスタの特性変動を抑制することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の半導体装置は、半導体基板上に設けられた絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の高不純物濃度層と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ及び前記高不純物濃度層上の一面に、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線とを具備することを特徴とする。
【0007】
更に、本発明の他態様の半導体装置は、半導体基板上に設けられた第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記半導体基板上に設けられ、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一チャネル型で、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタに隣接配置される第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の第1の高不純物濃度層と、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の第2の高不純物濃度層と、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、前記第1の高不純物濃度層、及び前記第2の高不純物濃度層上の一面に、前記第1及び第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記第1及び第2の高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モールドストレスによる絶縁ゲート型電界効果トランジスタの特性変動を抑制することができる半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、本発明の実施例1に係る半導体装置について、図面を参照して説明する。図1は半導体装置を示す回路図、図2は図1の領域1の概略平面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB−B線に沿う断面図である。本実施例では、モールドストレスによる特性変動を抑制するために、差動増幅回路の差動対をなすNch MOSトランジスタの上部一面を最上層配線で覆っている。
【0011】
図1に示すように、半導体装置50は、入出力部に差動増幅回路41が設けられたLSIである。半導体装置50は、モールド樹脂で樹脂封止される。
【0012】
差動増幅回路41には、電流源42、Nch MOSトランジスタNMT1、Nch MOSトランジスタNMT2、抵抗R1、及び抵抗R2が設けられる。
【0013】
ここで、MOSトランジスタは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)とも呼称される。MISトランジスタはMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタとも呼称される。MOSトランジスタ及びMISトランジスタは、絶縁ゲート型電界効果トランジスタと呼称される。
【0014】
抵抗R1は、一端が高電位側電源VDDに接続され、他端がノードN1に接続される。抵抗R2は、一端が高電位側電源VDDに接続され、他端がノードN2に接続される。ここでは、抵抗R1及びR2を用いているが、代わりにPch MOSトランジスタからなるカレントミラー回路を用いてもよい。
【0015】
Nch MOSトランジスタNMT1は、ドレインがノードN1(抵抗R1の他端)に接続され、ゲートに入力信号Sin1が入力され、ソースがノードN3に接続される。Nch MOSトランジスタNMT2は、ドレインがノードN2(抵抗R2の他端)に接続され、ゲートに入力信号Sin2が入力され、ソースがノードN3に接続される。Nch MOSトランジスタNMT1とNch MOSトランジスタNMT2は差動対を構成する。
【0016】
Nch MOSトランジスタNMT1のドレイン(ノードN1)側から増幅された出力信号Sout1が出力され、Nch MOSトランジスタNMT2のドレイン(ノードN2)側から増幅された出力信号Sout2が出力される。
【0017】
電流源42は、一端がノードN3(Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2のソース)に接続され、他端が低電位側電源(接地電位)VSSに接続される。電流源42は、バイアス電流Ibを低電位側電源(接地電位)VSS側に流す。
【0018】
図2に示すように、差動増幅回路41の領域1では、Nch MOSトランジスタNMT1とNch MOSトランジスタNMT2が左右対称に配置形成される。
【0019】
Nch MOSトランジスタNMT1には、ソース、ドレイン、及びゲートが設けられる素子形成部SDG1の周囲に、一定距離離間したボディコンタクト部BC1が配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT1には、ゲート電極部GPOLY1が素子形成部SDG1と交差し、オーバーラップして配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT2には、ソース、ドレイン、及びゲートが設けられる素子形成部SDG2の周囲に、一定距離離間したボディコンタクト部BC2が配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT2には、ゲート電極部GPOLY2が素子形成部SDG2と交差し、オーバーラップして配置形成される。
【0020】
素子形成部SDG1と素子形成部SDG2、ゲート電極部GPOLY1とゲート電極部GPOLY2、ボディコンタクト部BC1とボディコンタクト部BC2は、それぞれ同一形状を有する。
【0021】
Nch MOSトランジスタNMT1には、素子形成部SDG1のドレインと電気的に接続される下層配線であるドレイン引き出し配線がボディコンタクト部BC1の左側と交差するように配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT1には、ゲート電極部GPOLY1と電気的に接続される下層配線であるゲート引き出し配線がボディコンタクト部BC1の上側と交差するように配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT1には、素子形成部SDG1のソースと電気的に接続される下層配線であるソース引き出し配線がボディコンタクト部BC1の右側と交差するように配置形成される。
【0022】
Nch MOSトランジスタNMT2には、素子形成部SDG2のドレインと電気的に接続される下層配線であるドレイン引き出し配線がボディコンタクト部BC2の右側と交差するように配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT2には、ゲート電極部GPOLY2と電気的に接続される下層配線であるゲート引き出し配線がボディコンタクト部BC2の上側と交差するように配置形成される。Nch MOSトランジスタNMT2には、素子形成部SDG2のソースと電気的に接続される下層配線であるソース引き出し配線がボディコンタクト部BC2の左側と交差するように配置形成される。
【0023】
素子形成部SDG1、ボディコンタクト部BC1、ゲート電極部GPOLY1、素子形成部SDG2、ボディコンタクト部BC2、及びゲート電極部GPOLY2の上部一面に、素子形成部SDG1、ゲート電極部GPOLY1、素子形成部SDG2、及びゲート電極部GPOLY2を覆うように、最上層配線からなるプレート部が設けられ、プレート部は低電位側電源(接地電位)VSSに接続される。
【0024】
図3に示すように、Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2には、P型シリコン基板である半導体基板1の表面にシャロートレンチアイソレーション(STI)4が設けられる。
【0025】
Nch MOSトランジスタNMT1の素子形成部SDG1及びNch MOSトランジスタNMT2の素子形成部SDG2には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、ソースとドレインとなるN型高不純物濃度層であるN層6が設けられる。Nch MOSトランジスタNMT1のボディコンタクト部BC1及びNch MOSトランジスタNMT2のボディコンタクト部BC2には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、半導体基板1と同じ導電型のP型高不純物濃度層であるP層5が設けられる。
【0026】
ソースであるN層6とドレインであるN層6の間の半導体基板1上には、N層6とオーバーラップするようにゲート絶縁膜(図示せず)とゲート電極7が積層形成される。
【0027】
シャロートレンチアイソレーション(STI)4、P層5、N層6、及び積層形成されたゲート絶縁膜とゲート電極7上には、層間絶縁膜である絶縁膜8が設けられ、N層6上の絶縁膜8には開口部KC1が設けられ、開口部KC1にはN層6に接続されるビア9が埋設される。
【0028】
絶縁膜8及びビア9上には、下層配線である1層目配線10が設けられる。Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2では、ビア9を介してドレインのN層6に接続されるドレイン引き出し配線(1層目配線10を使用)が設けられ、ビア9を介してソースのN層6に接続されるソース引き出し配線(1層目配線10を使用)が設けられる。
【0029】
絶縁膜8及び1層目配線10上には、層間絶縁膜である絶縁膜11が設けられ、絶縁膜11上には、最上層配線である2層目配線12のプレート部がNch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上部一面を覆うように平坦状に配置形成される。ここで、1層目配線10及び2層目配線12にはモース硬度2.9である低硬度のアルミニウム(AL)を主成分とする金属を用いているが、モース硬度3.0である低硬度の銅(Cu)やモース硬度2.5である金(Au)を主成分とする金属などを用いてもよい。
【0030】
絶縁膜11及び2層目配線12上には、層間絶縁膜である絶縁膜13が設けられ、絶縁膜13上にはモールド樹脂14が形成される。モールド樹脂14には、例えばエポキシ樹脂が使用される。
【0031】
図4に示すように、Nch MOSトランジスタNMT2のボディコンタクト部BC2には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、半導体基板1と同じ導電型のP型高不純物濃度層であるP層5が設けられる(Nch MOSトランジスタNMT1も同様)。
【0032】
シャロートレンチアイソレーション(STI)4及びP層5上には、絶縁膜8が設けられる。P層5上のドレイン引き出し配線が設けられない領域の絶縁膜8には、複数の開口部KC1が設けられ、開口部KC1にP層5に接続されるビア9が埋設される。絶縁膜8、ビア9上には、下層配線である1層目配線10(ボディコンタクト部BC2、ドレイン引き出し配線)が設けられる。
【0033】
絶縁膜8及び1層目配線10には、絶縁膜11が設けられる。1層目配線10上には開口部KC1の真上の位置に対応する開口部KC2が設けられ、1層目配線10に接続されるビア15が埋設される。絶縁膜11及びビア15上には、ビア15に接続される最上層配線である2層目配線12のプレート部がNch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上部一面を覆うように平坦状に配置形成される。絶縁膜11及び2層目配線12上には、絶縁膜13が設けられ、絶縁膜13上にはモールド樹脂14が形成される。
【0034】
上述したように、本実施例の半導体装置では、入出力部に差動増幅回路41が設けられる。半導体装置50は、モールド樹脂で樹脂封止される。差動増幅回路41には、電流源42、Nch MOSトランジスタNMT1、Nch MOSトランジスタNMT2、抵抗R1、及び抵抗R2が設けられ、Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2は差動対を構成する。Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2では、ソース引き出し配線、ゲート引き出し配線、及びドレイン引き出し配線以外の部分のボディコンタクト部BC1及びBC2に、ビア9、1層目配線10、ビア15、及び2層目配線12(プレート部)が積層形成され、Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上側面部分を覆っている。また、Nch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上部一面を2層目配線12(プレート部)が覆っている。
【0035】
このため、モールドストレスの原因となるモールド樹脂14中のフィラー(SiO)などがNch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上部に存在しても、モールドストレスが緩和され、差動対をなすNch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の特性変動を大幅に抑制することができる。また、差動対をなすNch MOSトランジスタNMT1及びNMT2の上側面及び上面を低電位側電源(接地電位)VSSに接続される配線及びビアで覆っているので、電位が固定され寄生容量の変動による差動増幅回路41の特性変動を抑制することができる。
【0036】
なお、本実施例では、差動増幅回路41をMOSトランジスタで構成しているが、代わりにMISトランジスタを用いてもよい。また、プレート部に最上層配線を使用しているが、代わりに硬度が低くモールドストレスを緩和することができる導電性樹脂フィルムなどを使用してもよい。更に、最上層配線に2層目配線を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではない。n(ただし、nは3以上の整数)層目配線を最上層配線として用いてもよい。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明の実施例2に係る半導体装置について、図面を参照して説明する。図5は半導体装置を示す回路図、図6は図5の領域2の概略平面図、図7は図6のC−C線に沿う断面図、図8は図6のD−D線に沿う断面図である。本実施例では、モールドストレスによる特性変動を抑制するために、差動増幅回路の差動対をなすPch MOSトランジスタの上部一面を最上層配線で覆っている。
【0038】
図5に示すように、半導体装置51は、入出力部に差動増幅回路43が設けられたLSIである。半導体装置51は、モールド樹脂で樹脂封止される。
【0039】
差動増幅回路43には、電流源44、Nch MOSトランジスタNMT3、Nch MOSトランジスタNMT4、Pch MOSトランジスタPMT1、及びPch MOSトランジスタPMT2が設けられる。
【0040】
電流源44は、一端が高電位側電源VDDに接続され、他端がノードN11に接続され、ノードN11側にバイアス電流Ibを流す。Pch MOSトランジスタPMT1は、ソースがノードN11(電流源44の他端)に接続され、ゲートに入力信号Sin1が入力され、ドレインがノードN12に接続される。Pch MOSトランジスタPMT2は、ソースがノードN11(電流源44の他端)に接続され、ゲートに入力信号Sin2が入力され、ドレインがノードN13に接続される。
【0041】
Pch MOSトランジスタPMT1とPch MOSトランジスタPMT2は、差動対を構成する。Pch MOSトランジスタPMT1のドレイン(ノードN12)側から増幅された出力信号Sout1が出力される。Pch MOSトランジスタPMT2のドレイン(ノードN13)側から増幅された出力信号Sout2が出力される。
【0042】
Nch MOSトランジスタNMT3は、ドレインがノードN12に接続され、ゲートがNch MOSトランジスタNMT4のゲートに接続され、ソースが低電位側電源(接地電位)VSSに接続される。Nch MOSトランジスタNMT4は、ドレインがノードN13に接続され、ゲートがドレインに接続され、ソースが低電位側電源(接地電位)VSSに接続される。Nch MOSトランジスタNMT3とNch MOSトランジスタNMT4はカレントミラー回路を構成する。
【0043】
図6に示すように、差動増幅回路43の領域2では、Pch MOSトランジスタPMT1とPch MOSトランジスタPMT2が左右対称に配置形成される。
【0044】
Pch MOSトランジスタPMT1には、ソース、ドレイン、及びゲートが設けられる素子形成部SDG11の周囲に、一定距離離間したボディコンタクト部BC11が配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT1には、ゲート電極部GPOLY11が素子形成部SDG11と交差し、オーバーラップして配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT2には、ソース、ドレイン、及びゲートが設けられる素子形成部SDG12の周囲に、一定距離離間したボディコンタクト部BC12が配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT2には、ゲート電極部GPOLY12が素子形成部SDG12と交差し、オーバーラップして配置形成される。
【0045】
素子形成部SDG11と素子形成部SDG12、ゲート電極部GPOLY11とゲート電極部GPOLY12、ボディコンタクト部BC11とボディコンタクト部BC12は、それぞれ同一形状を有する。
【0046】
Pch MOSトランジスタPMT1には、素子形成部SDG11のドレインと電気的に接続される下層配線であるドレイン引き出し配線がボディコンタクト部BC11の左側と交差するように配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT1には、ゲート電極部GPOLY11と電気的に接続される下層配線であるゲート引き出し配線がボディコンタクト部BC11の上側と交差するように配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT1には、素子形成部SDG11のソースと電気的に接続される下層配線であるソース引き出し配線がボディコンタクト部BC11の右側と交差するように配置形成される。
【0047】
Pch MOSトランジスタPMT2には、素子形成部SDG12のドレインと電気的に接続される下層配線であるドレイン引き出し配線がボディコンタクト部BC12の右側と交差するように配置形成される。Pch MOSトランジスタPMT2には、ゲート電極部GPOLY12と電気的に接続される下層配線であるゲート引き出し配線がボディコンタクト部BC12の上側と交差するように配置形成される。Pch MOSトランジスタMT2には、素子形成部SDG12のソースと電気的に接続される下層配線であるソース引き出し配線がボディコンタクト部BC12の左側と交差するように配置形成される。
【0048】
素子形成部SDG11、ボディコンタクト部BC11、ゲート電極部GPOLY11、素子形成部SDG12、ボディコンタクト部BC12、及びゲート電極部GPOLY12の上部一面に、素子形成部SDG11、ゲート電極部GPOLY11、素子形成部SDG12、及びゲート電極部GPOLY12を覆うように、最上層配線からなるプレート部が設けられ、プレート部は高電位側電源VDDに接続される。
【0049】
図7に示すように、Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2には、P型シリコン基板である半導体基板1の表面にPch MOSトランジスタPMT1及びPMT2のボディ部としてのNウエル層2が設けられ、Nウエル層2の表面にシャロートレンチアイソレーション(STI)4が設けられる。
【0050】
Pch MOSトランジスタPMT1の素子形成部SDG11及びPch MOSトランジスタPMT2の素子形成部SDG12には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、ソースとドレインとなるP型高不純物濃度層であるP層22が設けられる。Pch MOSトランジスタPMT1のボディコンタクト部BC11及びPch MOSトランジスタPMT2のボディコンタクト部BC12には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、Nウエルト層2と同じ導電型のN型高不純物濃度層であるN層21が設けられる。
【0051】
ソースであるP層22とドレインであるP層22の間の半導体基板1上には、P層22とオーバーラップするようにゲート絶縁膜(図示せず)とゲート電極7が積層形成される。
【0052】
シャロートレンチアイソレーション(STI)4、P層22、N層21、及び積層形成されたゲート絶縁膜とゲート電極7上には、層間絶縁膜である絶縁膜8が設けられ、P層22上の絶縁膜8には開口部KC1が設けられ、開口部KC1にはP層22に接続されるビア9が埋設される。
【0053】
絶縁膜8及びビア9上には、下層配線である1層目配線10が設けられる。Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2では、ビア9を介してドレインのP層22に接続されるドレイン引き出し配線(1層目配線10を使用)が設けられ、ビア9を介してソースのP層22に接続されるソース引き出し配線(1層目配線10を使用)が設けられる。
【0054】
絶縁膜8及び1層目配線10上には、層間絶縁膜である絶縁膜11が設けられ、絶縁膜11上には、最上層配線である2層目配線12のプレート部がPch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の上部一面を覆うように平坦状に配置形成される。
【0055】
絶縁膜11及び2層目配線12上には、層間絶縁膜である絶縁膜13が設けられ、絶縁膜13上にはモールド樹脂14が形成される。
【0056】
図8に示すように、Pch MOSトランジスタPMT2のボディコンタクト部BC12には、シャロートレンチアイソレーション(STI)4の間の半導体基板1の表面に、Nウエル層2と同じ導電型のN型高不純物濃度層であるN層21が設けられる(Pch MOSトランジスタPMT1も同様)。
【0057】
シャロートレンチアイソレーション(STI)4及びN層21上には、絶縁膜8が設けられる。N層21上のドレイン引き出し配線が設けられない領域の絶縁膜8には、複数の開口部KC1が設けられ、開口部KC1にN層21に接続されるビア9が埋設される。絶縁膜8、ビア9上には、1層目配線10(ボディコンタクト部BC12、ドレイン引き出し配線)が設けられる。
【0058】
絶縁膜8及び1層目配線10には、絶縁膜11が設けられる。1層目配線10上には開口部KC1の真上の位置に対応する開口部KC2が設けられ、1層目配線10に接続されるビア15が埋設される。絶縁膜11及びビア15上には、ビア15に接続される最上層配線である2層目配線12のプレート部がPch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の上部一面を覆うように平坦状に配置形成される。絶縁膜11及び2層目配線12上には、絶縁膜13が設けられ、絶縁膜13上にはモールド樹脂14が形成される。
【0059】
上述したように、本実施例の半導体装置では、入出力部に差動増幅回路43が設けられる。半導体装置51は、モールド樹脂で樹脂封止される。差動増幅回路43には、電流源44、Nch MOSトランジスタNMT3、Nch MOSトランジスタNMT4、Pch MOSトランジスタPMT1、及びPch MOSトランジスタPMT2が設けられ、Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2は差動対を構成する。Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2では、ソース引き出し配線、ゲート引き出し配線、及びドレイン引き出し配線以外の部分のボディコンタクト部BC11及びBC12に、ビア9、1層目配線10、ビア15、及び2層目配線12(プレート部)が積層形成され、Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の上側面部分を覆っている。また、Pch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の上部一面を2層目配線12(プレート部)が覆っている。
【0060】
このため、モールド樹脂14によるモールドストレスが緩和され、差動対をなすPch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の特性変動を大幅に抑制することができる。また、差動対をなすPch MOSトランジスタPMT1及びPMT2の上側面及び上面を高電位側電源VDDに接続される配線及びビアで覆っているので、電位が固定され寄生容量の変動による差動増幅回路43の特性変動を抑制することができる。
【0061】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0062】
例えば、実施例では、差動増幅回路を構成する差動対をなすトランジスタに適用しているが、代わりにカレントミラー回路、カスケード接続のトランジスタなどにも適用することができる。また、閾値電圧の絶対値が比較的小さく、閾値変動の許容範囲の小さいトランジスタから構成される高速ロジック部などにも適用することができる。
【0063】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 半導体基板上に設けられた絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の高不純物濃度層と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ及び前記高不純物濃度層上の一面に、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタをメッシュ状に覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線とを具備する半導体装置。
【0064】
(付記2) 半導体基板上に設けられた絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の高不純物濃度層と、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ及び前記高不純物濃度層上の一面に、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線と、絶縁膜を介して、前記最上層配線上に設けられるモールド樹脂とを具備する半導体装置。
【0065】
(付記3) 前記最上層配線は、アルミニウム(AL)、銅(Cu)、或いは金(Au)を主成分とする付記1又は2に記載の半導体装置。
【0066】
(付記4) 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース、ドレイン、及びゲートにそれぞれ接続される引き出し配線は、前記最上層配線よりも低位の下層配線から構成される付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体装置を示す回路図。
【図2】図1の領域1の概略平面図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図。
【図5】本発明の実施例2に係る半導体装置を示す回路図。
【図6】図5の領域2の概略平面図。
【図7】図6のC−C線に沿う断面図。
【図8】図6のD−D線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0068】
1 半導体基板
2 Nウエル層
4 シャロートレンチアイソレーション(STI)
5、22 P
6、21 N
7 ゲート電極
8、11、13 絶縁膜
9、15 ビア
10 1層目配線
12 2層目配線
14 モールド樹脂
41、43 差動増幅回路
44 電流源
50、51 半導体装置
BC1、BC2、BC11、BC12 ボディコンタクト部
GPOLY1、GPOLY2、GPOLY11、GPOLY12 ゲート電極部
KC1、KC2 開口部
SDG1、SDG2、SDG11、SDG12 素子形成部
Ib バイアス電流
N1〜N3、N11〜N13 ノード
NMT1〜NMT4 Nch MOSトランジスタ
PMT1、PMT2 Pch MOSトランジスタ
R1、R2 抵抗
Sin1、Sin2 入力信号
Sout1、Sout2 出力信号
VDD 高電位側電源
VSS 低電位側電源(接地電位)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に設けられた絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の高不純物濃度層と、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ及び前記高不純物濃度層上の一面に、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板上に設けられた第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記半導体基板上に設けられ、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同一チャネル型で、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタに隣接配置される第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の第1の高不純物濃度層と、
前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと離間し、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを取り囲むように前記半導体基板の表面に設けられ、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのボディと同じ導電型の第2の高不純物濃度層と、
前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、前記第1の高不純物濃度層、及び前記第2の高不純物濃度層上の一面に、前記第1及び第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを覆うように設けられ、ビア及び下層配線を介して前記第1及び第2の高不純物濃度層と電気的に接続される最上層配線と、
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、差動対、カスケード接続、或いはカレントミラー回路を構成することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、Nch絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記最上層配線は低電位側電源に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、Pch絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、前記最上層配線は高電位側電源に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−141271(P2010−141271A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318886(P2008−318886)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】