半導体集積回路、及び半導体集積回路のレイアウト方法
【課題】ロジックセルを配置するためのスペースを十分に確保することのできる、半導体集積回路、半導体集積回路のレイアウト方法、半導体集積回路のレイアウトプログラム、及び半導体集積回路のレイアウト装置を提供する。
【解決手段】自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線をレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線をレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップとを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる。
【解決手段】自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線をレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線をレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップとを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路、半導体集積回路のレイアウト方法、半導体集積回路のレイアウトプログラム、及び半導体集積回路のレイアウト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波環境保護の重要性が高まっている。EMI(電磁障害)ノイズ発生を抑制するために、電子機器に搭載される半導体集積回路自体に、キャパシタが配置されるようになってきている。
【0003】
EMI対策用のキャパシタが配置された半導体集積回路を設計する場合には、まず、論理素子を示すロジックセルが、自動配置配線ツールにより、配置される。次いで、ロジックセルとは別の領域に、キャパシタを示す容量セルが多数配置される。
【0004】
一般的に、多数の容量セルにおける全体の容量値Cが大きい程、EMI対策としては優れていると考えられる。しかし、容量値Cとパッケージ等で形成されるインダクタンスLとによって、共振周波数f(=1/(2π√LC))が生じることがある。共振周波数fに動作周波数のn(nは整数)倍が重なると、共振によりEMIが増幅される。
【0005】
動作周波数が一定である場合は、共振が回避されるように、容量値Cを決定することができる。しかし、半導体集積回路として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などが用いられる場合、設計及び製造後に、ユーザ側の都合によって動作周波数が変更されることがある。ユーザ側では、共振が起こらないように、動作条件(周波数)を設定しなければならない。
【0006】
そこで、可変容量セルを用いることが考えられる。
【0007】
関連技術として、特許文献1(特開昭62−156853)に記載されたMOS型可変容量回路が挙げられる。このMOS型可変容量回路は、半導体基板と、この半導体基板上に形成されたMOS型トランジスタと、前記半導体基板にバックゲート電圧を印加する手段と、前記MOS型トランジスタのソースとドレインとを接続し、その接続点に制御電圧を印加する制御手段とを備える。このMOS型可変容量回路では、前記制御電圧を可変して前記MOS型トランジスタのゲートと前記ソース又はドレインとの間の容量を可変にする。
【0008】
他の関連技術として、特許文献2(特開2007−250604)に記載された半導体集積回路が挙げられる。この半導体集積回路は、複数のコンデンサを含むコンデンサ群と、前記コンデンサ群の中から選択された1個以上のコンデンサを電源配線とグランド配線との間に挿入するためのスイッチ回路とを備える。
【0009】
更に他の関連技術として、特許文献3(特開2007−157892)に記載された半導体集積回路が挙げられる。特許文献3にも、電源とグランドとの間にデカップリング容量としてキャパシタを設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭62−156853号公報
【特許文献2】特開2007−250604号公報
【特許文献3】特開2007−157892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
可変容量セルには、容量を制御するための制御配線が接続される。半導体集積回路のレイアウトを決定する場合には、まず、所定領域(レイアウト領域)内において、ロジックセルの配置が決定される。その後、可変容量セルが、レイアウト領域内の空き領域に、配置される。空き領域の位置はロジックセルの位置次第である。従って、可変容量セルはランダムな位置にレイアウトされる。制御配線は、ランダムな位置に配置される可変容量セルに接続される必要がある。
【0012】
そこで、制御配線をレイアウト領域内に満遍なく配置することにより、可変容量セルと制御配線とを容易に結線することが考えられる。
【0013】
図1は、半導体集積回路のレイアウトの一例を示す図である。図1に示される半導体集積回路は、周囲領域102、ロジックセル領域103、及び複数の可変容量セル101を備えている。図1には、X方向及びY方向が定義されている。ロジックセル領域103には、多数のロジックセル(図示せず)が配置される。周囲領域102は、ロジックセル領域103を取り囲むように配置されている。周囲領域102には、IOバッファ、電源VDDの周回線、グランドGNDの周回線、及び制御配線Vcbの周回線が配置されている。図1には、一部に、電源配線(VDD線)、グランド配線(GND線)、及び制御配線(Vcb線)が示されている。電源配線及びグランド配線は、ロジックセル領域103に含まれる全てのロジックセルに接続されるように、満遍なく配置されている。具体的には、電源配線は、Y方向に伸びる多数のY方向VDD線、及びX方向に伸びる多数のX方向VDD線を備えている。グランド配線は、Y方向に伸びる多数のY方向GND線、及びX方向に伸びる多数のX方向GND線を備えている。すなわち、電源配線及びグランド配線は、それぞれ、メッシュ(格子)状に配置されている。電源配線及びグランド配線が満遍なく配置されているため、全てのロジックセル及び可変容量セル101は、最寄の電源配線及びグランド配線に容易に接続される。ここで、制御配線Vcbも、電源配線及びグランド配線と同様に、満遍なく配置されている。すなわち、制御配線Vcbは、X方向に沿って伸びる多数のX方向Vcb線(制御配線要素)を備えている。これにより、各可変容量セル101は、どこに配置されていても、最寄の制御配線Vcbと容易に接続される。
【0014】
しかしながら、図1に示されるように、制御配線Vcbが満遍なく配置されている場合、制御配線Vcbにより、ロジックセルを配置するためのスペースが制限される。その結果、ロジックセルをレイアウトする際の自動配置配線が難しくなる。また、搭載可能な論理素子の量が制限されてしまう。それにより、半導体集積回路の価格が高くなってしまう、といった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る半導体集積回路のレイアウト方法は、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトを決定し、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトを決定し、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップとを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる。
【0016】
この発明によれば、制御配線は、自動配置配線ツールを用いてレイアウトされる。従って、制御配線は、満遍なくレイアウトされるのではなく、必要な位置にだけ配置される。これにより、制御配線に要するスペースを必要最小限に抑えることができ、ロジックセルを配置するスペースが十分に確保される。
【0017】
本発明に係る半導体集積回路のレイアウト装置は、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトを決定し、ロジックセルレイアウトデータを生成する、ロジックセルレイアウト部と、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトを決定し、可変容量セルレイアウトデータを生成する、可変容量セルレイアウト部と、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成する、レイアウトデータ生成部とを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータ部は、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトする。
【0018】
本発明に係る半導体集積回路は、論理機能を実現する論理素子を含む、ロジック部と、前記ロジック部に接続される信号配線と、可変容量素子と、前記可変容量素子の容量を制御する制御配線とを具備する。前記信号配線と前記制御配線とは、単位長あたりの抵抗が同じである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ロジックセルを配置するためのスペースを十分に確保することのできる、半導体集積回路、半導体集積回路のレイアウト方法、半導体集積回路のレイアウトプログラム、及び半導体集積回路のレイアウト装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】半導体集積回路のレイアウトの一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す図である。
【図3】第1の実施形態における各可変容量セルを示す概略図である。
【図4】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト装置を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る半導体集積回路を示すレイアウト図である
【図7】第2の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【図8】ステップS52の動作を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態における各可変容量セルを示す図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す図である。半導体集積回路1は、少なくとも一層の配線層を備えている。半導体集積回路1がASICである場合、配線層の数は、例えば、5〜6層である。図2には、一層の配線層のレイアウトが示されている。図2に示されるように、半導体集積回路1は、中央領域8及び周囲領域6を有している。
【0022】
中央領域8には、多数のロジックセル(図示せず)が配置され、ロジックセル領域3が形成されている。また、中央領域8において、ロジックセルが配置されていない領域(空き領域)には、複数の可変容量セル2が配置されている。
【0023】
周囲領域6は、中央領域8を取り囲むように配置されている。図示していないが、周囲領域6には、IOバッファ、電源周回線、及びグランド周回線などが配置される。
【0024】
図2では示されていないが、図1に示した例と同様に、中央領域8には、電源配線及びグランド配線がそれぞれメッシュ状に配置されている。ロジックセル領域3に配置された各ロジックセルは、最寄の電源配線及びグランド配線に接続されている。また、電源配線及びグランド配線は、それぞれ、周囲領域6において、電源周回線及びグランド周回線に接続されている。電源周回線及びグランド周回線は、外部電源7に接続されている。すなわち、各ロジックセルに対しては、外部電源7から、電源周回線及び電源配線を介して、電源電圧が供給される。また、各ロジックセルに対しては、外部電源7から、グランド周回線及びグランド配線を介して、グランド電圧が供給される。
【0025】
図示されていないが、中央領域8には、ロジックセルに接続される信号配線が設けられている。電源配線の配線幅は、電圧及び電流を安定的に供給するために、広く設定されている。一方、信号配線の配線幅は、信号配線の本数を増やしてより多くの信号を入出力可能にするために、狭く設定されている。その結果、同一配線層内においては、信号配線の単位長当たりの抵抗値は、電源配線のそれよりも、大きくなっている。例えば、信号配線の単位長当たりの抵抗値は10〜100(mΩ/mm)であり、電源配線のそれは100〜1000(mΩ/mm)である。また、信号配線は、自動配置配線ツール(詳細は後述)によりレイアウトされる。自動配置配線ツールは、複数の信号配線を、所定の間隔(配線ピッチ)でレイアウトする。従って、信号配線は、メッシュ状ではなく、所定のピッチで配置されている。
【0026】
中央領域8には、更に、制御配線4が設けられている。制御配線4は、各可変容量セル2に接続されている。制御配線4は、各可変容量セル2の容量を制御するための制御電圧を、各可変容量セル2に供給する。尚、周囲領域6には、Vcb周回線5が配置されており、制御配線4はVcb周回線5に接続されている。Vcb周回線5は、外部電源7に接続されている。すなわち、各可変容量セル2に対しては、外部電源7、Vcb周回線5、及び制御配線4を介して、制御電圧が供給される。
【0027】
ここで、制御配線4は、中央領域8に満遍なく配置されているわけではない。制御配線4は、複数の制御配線要素41を備えている。複数の制御配線要素41の各々は、1つ以上の可変容量セル2に接続されている。各制御配線要素41は、各可変容量セル2に接続されるにあたって必要な位置にだけ、配置されている。また、各制御配線要素41は、信号配線と同一構造である。すなわち、同一配線層内において、制御配線4における単位長当たりの抵抗値は、信号配線のそれと同じであり、電源配線のそれよりも大きい。また、同一配線層内において、制御配線4の配線幅(各制御配線要素の配線幅)は、個々の信号配線の配線幅と同じであり、電源配線の配線幅よりも小さい。更に、同一配線層内において、制御配線4の配線ピッチ(隣接する制御配線要素41間の間隔)は、信号配線の配線ピッチと等しい。
【0028】
上述のように、制御配線4が必要な位置にだけ配置されていることにより、ロジックセル及び信号配線を配置するスペースを十分に確保することが可能である。
【0029】
続いて、各可変容量セル2の構成について説明する。
【0030】
図3は、各可変容量セル2を示す概略図である。図3に示されるように、各可変容量セル2は、N型MOSトランジスタにより形成される容量素子tnc、電源端子T1、グランド端子T2、及び制御端子T3を有している。電源端子T1は電源配線に接続される。グランド端子T2は、グランド配線に接続される。制御端子T3は、制御配線4に接続される。容量素子tncのゲートは、電源端子T1に接続されている。容量素子tncのバックゲートは、グランド端子T2に接続されている。容量素子tncのソース及びドレインは、制御端子T3に接続されている。
【0031】
ここで、各可変容量セル2において電源VDDとグランドGNDとの間に形成される容量値Cgbに注目する。容量値Cgbは、制御電圧としてグランド電圧が供給されたときに最大値になる。また、容量値Cgbは、制御電圧として電源電圧が供給されたときに、最小値になる。従って、制御電圧のレベルにより、各可変容量セル2に形成される容量を制御することが可能である。すなわち、制御電圧は、電源電圧VDDとグランド電圧GNDとの間で可変である。
【0032】
次いで、上述のような構成を有する半導体集積回路を設計するためのレイアウト装置、及びその動作方法について説明する。
【0033】
図4は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト装置10を示すブロック図である。この半導体集積回路のレイアウト装置10は、基準電圧配線レイアウト部13、ロジックセルレイアウト部14、可変容量セルレイアウト部15、レイアウトデータ生成部16、及び自動配置配線ツール12を備えている。このうち、基準電圧配線レイアウト部13、ロジックセルレイアウト部14、可変容量セルレイアウト部15、及びレイアウトデータ生成部16は、半導体集積回路のレイアウトプログラム11により実現される。半導体集積回路のレイアウトプログラム11及び自動配置配線ツール12は、記録媒体からコンピュータにインストールされる。
【0034】
図5は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS1;基準電圧配線のレイアウト
まず、基準電圧配線レイアウト部13が、レイアウト領域として、中央領域8を設定する。そして、中央領域8に、電源配線及びグランド配線をレイアウトする。電源配線及びグランド配線は、メッシュ状にレイアウトされる。基準電圧配線レイアウト部13は、電源配線及びグランド配線の位置を示す、基準電圧線レイアウトデータを生成する。
【0036】
ステップS2;ロジックセル配置配線
また、ロジックセルレイアウト部14が、予め準備された設計データ(論理回路の接続関係などを示すデータ)を取得する。そして、ロジックセルレイアウト部14は、自動配置配線ツール12を用い、中央領域8に複数のロジックセルをレイアウトする。更に、自動配置配線ツール12により、複数のロジックセル間で信号の入出力を行うための信号配線がレイアウトされる。ロジックセルレイアウト部14は、複数のロジックセル及び信号配線のレイアウトを示す、ロジックセルレイアウトデータを生成する。
【0037】
ステップS3、4;タイミング検証、判定
次いで、ロジックセルレイアウト部14は、ロジックセルレイアウトデータに基づいて、タイミング検証を行う(ステップS3)。タイミング検証の結果、所望する特性が得られていた場合には、次のステップS5の処理が実行される。一方、所望する特性が得られない場合には、ステップS2に戻り、ロジックセルの配置配線がやり直される。
【0038】
ステップS5;可変容量セル配置配線
次に、可変容量セルレイアウト部15が、中央領域8におけるロジックセルの空き領域に、複数の可変容量セルをレイアウトする。更に、可変容量セルレイアウト部15は、各可変容量セル2に接続される制御配線4をレイアウトする。これにより、可変容量セルレイアウトデータが生成される。
【0039】
ここで、可変容量セルレイアウト部15は、ステップS2における動作と同様に、自動配置配線ツール12を用いて、各可変容量セル及び制御配線4をレイアウトする。その結果、制御配線4は、中央領域8に満遍なくレイアウトされるのではなく、必要な位置にだけレイアウトされる。また、制御配線4は、複数のロジックセル間を接続する信号配線と同一の構造を有することになる。すなわち、同一配線層内において、制御配線4における単位長当たりの抵抗値は、信号配線のそれと同じであり、電源配線のそれよりも大きくなる。また、同一配線層内において、制御配線4の配線幅(各制御配線要素の配線幅)は、個々の信号配線の配線幅と同じであり、電源配線の配線幅よりも小さくなる。更に、同一配線層内において、制御配線4の配線ピッチ(隣接する制御配線要素41間の間隔)は、信号配線の配線ピッチと等しくなる。
【0040】
ステップS6;レイアウトデータ生成
次に、レイアウトデータ生成部16が、基準電圧線レイアウトデータ、ロジックセルレイアウトデータ、及び可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路の全体のレイアウトを示す、レイアウトデータを生成する。レイアウトデータは、レイアウト結果として、出力される。
【0041】
以上のステップS1〜S6までの処理により、本実施形態に係る半導体集積回路がレイアウトされる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、各可変容量セル2及び制御配線4が、自動配置配線ツール12を利用してレイアウトされる。そのため、制御配線4が必要な位置にだけ配置される。その結果、制御配線4によってロジックセル領域3のスペースが制限されることがなく、ロジックセルを高密度で配置することが可能になる。
【0043】
尚、本実施形態では、各可変容量セルに対し、電源配線よりも配線幅が狭い制御配線要素41により、制御電圧が供給される。すなわち、電源配線と比べると高抵抗である制御配線4によって、制御電圧が供給される。一本の制御配線4が複数の可変容量セルに接続される場合、各可変容量セルに流れるリーク電流が懸念される。その結果、制御配線4に電圧降下が生じ、制御可能な電圧範囲が狭くなってしまうことが懸念される。
【0044】
そこで、一般的に使用される150nmクラスのASICのパラメータを用いて、制御配線4における電圧降下値を試算してみる。通常、電源配線の抵抗値は、10〜100mΩ/mmである。一方、信号配線(制御配線4)の抵抗値は、100Ω/mm以上である。また制御配線4から各可変容量セル2へのリーク電流は、数nA/個〜数10nA/個である。1本の制御配線要素41に接続される可変容量セル2の数を制限することにより、制御配線4全体(全ての制御配線要素41)で生じるリーク電流の総量を制御可能である。例えば、リーク電流の総量が最大でも1000nAになるように制御することは、自動配置配線ツール12のファンナウト制約のルールを適用すれば、容易に実現できる。また、制御配線4の配線長も、自動配置配線ツール12により、容易に管理可能である。そこで、一本の制御配線要素41の配線抵抗が最悪でも10KΩであるものとする。更に、リーク電流の総量が最悪でも1000nAであるものとする。更に、全ての容量可変セル2が各制御配線要素41の末端に接続されているものとする。この場合、各制御配線要素41の電圧降下値ΔVの最大値(ΔV(Max))は、次の式により求められる。
(数式);「ΔV(Max) = 1000nA × 10KΩ = 0.01V」
ここで、150nmASICにおけるVDD−GND間電圧差が、1.5Vであるものとする。すなわち、制御電圧の制御範囲幅は、1.5Vであるものとする。このとき、各制御配線要素41における電圧降下値ΔV(max)は、制御電圧の範囲の1%以下であり、無視できるほど小さい。すなわち、リーク電流及び一本の制御配線要素41に接続される可変容量セル2の数を自動配置配線ツール12により制御することにより、制御配線4が信号配線と同一構造であったとしても、動作特性に問題は生じない。
【0045】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図6は、本実施形態に係る半導体集積回路1を示すレイアウト図である。本実施形態では、中央領域8に固定容量セル9がレイアウトされている点で、第1の実施形態とは異なっている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
第1の実施形態では、まずロジックセル及び信号配線がレイアウトされる。その後、可変容量セル2及び制御配線4がレイアウトされる。ロジックセル及び信号配線が密にレイアウトされた場合、一部の可変容量セル2に制御配線4を接続することができなくなることがある。このような場合、再びロジックセルの配置配線をやり直すことが考えられる。しかし、ロジックセルの配置配線をやり直すことは、設計期間の延長を招く。また、所望する特性が得られるようにロジックセルを配置することが困難になることもある。
【0047】
複数の可変容量セル2は、半導体集積回路の製造後に共振帯域を変更可能にするために、設けられる。従って、複数の可変容量セル2の全体の容量が可変であればよく、必ずしも全ての容量セルの容量が可変である必要はない。変更する共振帯域にもよるが、複数の容量セルのうちの50%が可変容量セルであれば、十分である。
【0048】
そこで、本実施形態では、図6に示されるように、複数の可変容量セル2の一部が、固定容量セル9に置換されている。固定容量セル9は、制御配線4とは接続されていない。
【0049】
図7は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。ステップS1〜S5までの動作は、第1の実施形態と同様である。従って、詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施形態では、ステップS5において可変容量セルレイアウトデータが生成された後、可変容量セルレイアウト部15が、全ての可変容量セル2に対して制御配線4が結線されているか否かを確認する(ステップS51)。全ての可変容量セル2に対して制御配線4が結線されている場合には、ステップS6へ進み、レイアウトデータが生成される。
【0051】
一方、制御配線4が結線されていない可変容量セル2(未結線可変容量セル)が存在する場合、可変容量セルレイアウト部15は、未結線可変容量セルを、固定容量セル9に置換する(ステップS52)。
【0052】
図8は、ステップS52の動作を説明するための図である。図8に示されるように、可変容量セルレイアウト部15は、未結線可変容量セルにおいて、制御端子T3とグランド端子T2間を短絡させる。これにより、未結線可変容量セルが、固定容量セル9に置換される。固定容量セル9では、制御電圧Vcbとしてグランド電圧GNDが供給される。その結果、固定容量セル9の容量値Cgbは、最大値に固定される。
【0053】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、各可変容量セル2の構成が変更されている。また、制御配線4は、第1制御配線要素4−1、及び第2制御配線要素4−2を有している。第1制御配線要素4−1と第2制御配線要素4−2とは、別々の電圧を各可変容量セル2に供給する。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0054】
図9は、本実施形態における各可変容量セル2を示す図である。既述の実施形態では、各可変容量セル2に含まれるトランジスタが、N型トランジスタである場合について説明した。これに対して、本実施形態では、各可変容量セル2に、N型トランジスタtncとP型トランジスタtpcとが含まれている。P型トランジスタtpcのゲートは、グランド端子T2に接続されている。P型トランジスタtpcのバックゲートは、電源端子T1に接続されている。N型トランジスタtpcのソース及びドレインは、第1制御端子T3−1に接続されている。第1制御端子T3−1は、第1制御配線要素4−1に接続される。N型トランジスタtncのゲートは、電源端子T1に接続されている。N型トランジスタtncのバックゲートは、グランド端子T2に接続されている。N型トランジスタtncのソース及びドレインは、第2制御端子T3−2に接続されている。第2制御端子T3−2は、第2制御配線要素4−2に接続される。
【0055】
本実施形態では、N型トランジスタtncの容量値は、第1制御配線要素4−1から供給される電圧(第1制御電圧)がグランド電圧であるときに最大値になる。また、この容量値は、第1制御電圧が電源電圧である場合に、最小値になる。一方、P型トランジスタtpcの容量値は、第2制御配線要素4−2から供給される電圧(第2制御電圧)が電源電圧である場合に最大となり、第2制御電圧がグランド電圧である場合に最小値になる。すなわち、N型トランジスタとP型トランジスタとでは、制御電圧による容量変移傾向が逆である。
【0056】
本実施形態によれば、各可変容量セルに二つのトランジスタが含まれているため、各可変容量セルの容量を大きくすることができる。
【0057】
以上、本発明について、第1乃至第3の実施形態により詳細に説明した。但し、これら実施形態は互いに独立するものではなく、矛盾のない範囲内で組み合わせて使用することも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 半導体集積回路
2 可変容量セル
3 ロジックセル領域
4 制御配線
4−1 第1制御配線
4−2 第2制御配線
5 Vcb周回線
6 周囲領域
7 外部電源
8 中央領域
9 固定容量セル
10 半導体集積回路のレイアウト装置
11 半導体集積回路のレイアウトプログラム
12 自動配置配線ツール
13 基準電圧配線レイアウト部
14 ロジックセルレイアウト部
15 可変容量セルレイアウト部
16 レイアウトデータ生成部
41 制御配線要素
100 半導体集積回路
101 可変容量セル
102 周囲領域
103 ロジックセル領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路、半導体集積回路のレイアウト方法、半導体集積回路のレイアウトプログラム、及び半導体集積回路のレイアウト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波環境保護の重要性が高まっている。EMI(電磁障害)ノイズ発生を抑制するために、電子機器に搭載される半導体集積回路自体に、キャパシタが配置されるようになってきている。
【0003】
EMI対策用のキャパシタが配置された半導体集積回路を設計する場合には、まず、論理素子を示すロジックセルが、自動配置配線ツールにより、配置される。次いで、ロジックセルとは別の領域に、キャパシタを示す容量セルが多数配置される。
【0004】
一般的に、多数の容量セルにおける全体の容量値Cが大きい程、EMI対策としては優れていると考えられる。しかし、容量値Cとパッケージ等で形成されるインダクタンスLとによって、共振周波数f(=1/(2π√LC))が生じることがある。共振周波数fに動作周波数のn(nは整数)倍が重なると、共振によりEMIが増幅される。
【0005】
動作周波数が一定である場合は、共振が回避されるように、容量値Cを決定することができる。しかし、半導体集積回路として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などが用いられる場合、設計及び製造後に、ユーザ側の都合によって動作周波数が変更されることがある。ユーザ側では、共振が起こらないように、動作条件(周波数)を設定しなければならない。
【0006】
そこで、可変容量セルを用いることが考えられる。
【0007】
関連技術として、特許文献1(特開昭62−156853)に記載されたMOS型可変容量回路が挙げられる。このMOS型可変容量回路は、半導体基板と、この半導体基板上に形成されたMOS型トランジスタと、前記半導体基板にバックゲート電圧を印加する手段と、前記MOS型トランジスタのソースとドレインとを接続し、その接続点に制御電圧を印加する制御手段とを備える。このMOS型可変容量回路では、前記制御電圧を可変して前記MOS型トランジスタのゲートと前記ソース又はドレインとの間の容量を可変にする。
【0008】
他の関連技術として、特許文献2(特開2007−250604)に記載された半導体集積回路が挙げられる。この半導体集積回路は、複数のコンデンサを含むコンデンサ群と、前記コンデンサ群の中から選択された1個以上のコンデンサを電源配線とグランド配線との間に挿入するためのスイッチ回路とを備える。
【0009】
更に他の関連技術として、特許文献3(特開2007−157892)に記載された半導体集積回路が挙げられる。特許文献3にも、電源とグランドとの間にデカップリング容量としてキャパシタを設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭62−156853号公報
【特許文献2】特開2007−250604号公報
【特許文献3】特開2007−157892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
可変容量セルには、容量を制御するための制御配線が接続される。半導体集積回路のレイアウトを決定する場合には、まず、所定領域(レイアウト領域)内において、ロジックセルの配置が決定される。その後、可変容量セルが、レイアウト領域内の空き領域に、配置される。空き領域の位置はロジックセルの位置次第である。従って、可変容量セルはランダムな位置にレイアウトされる。制御配線は、ランダムな位置に配置される可変容量セルに接続される必要がある。
【0012】
そこで、制御配線をレイアウト領域内に満遍なく配置することにより、可変容量セルと制御配線とを容易に結線することが考えられる。
【0013】
図1は、半導体集積回路のレイアウトの一例を示す図である。図1に示される半導体集積回路は、周囲領域102、ロジックセル領域103、及び複数の可変容量セル101を備えている。図1には、X方向及びY方向が定義されている。ロジックセル領域103には、多数のロジックセル(図示せず)が配置される。周囲領域102は、ロジックセル領域103を取り囲むように配置されている。周囲領域102には、IOバッファ、電源VDDの周回線、グランドGNDの周回線、及び制御配線Vcbの周回線が配置されている。図1には、一部に、電源配線(VDD線)、グランド配線(GND線)、及び制御配線(Vcb線)が示されている。電源配線及びグランド配線は、ロジックセル領域103に含まれる全てのロジックセルに接続されるように、満遍なく配置されている。具体的には、電源配線は、Y方向に伸びる多数のY方向VDD線、及びX方向に伸びる多数のX方向VDD線を備えている。グランド配線は、Y方向に伸びる多数のY方向GND線、及びX方向に伸びる多数のX方向GND線を備えている。すなわち、電源配線及びグランド配線は、それぞれ、メッシュ(格子)状に配置されている。電源配線及びグランド配線が満遍なく配置されているため、全てのロジックセル及び可変容量セル101は、最寄の電源配線及びグランド配線に容易に接続される。ここで、制御配線Vcbも、電源配線及びグランド配線と同様に、満遍なく配置されている。すなわち、制御配線Vcbは、X方向に沿って伸びる多数のX方向Vcb線(制御配線要素)を備えている。これにより、各可変容量セル101は、どこに配置されていても、最寄の制御配線Vcbと容易に接続される。
【0014】
しかしながら、図1に示されるように、制御配線Vcbが満遍なく配置されている場合、制御配線Vcbにより、ロジックセルを配置するためのスペースが制限される。その結果、ロジックセルをレイアウトする際の自動配置配線が難しくなる。また、搭載可能な論理素子の量が制限されてしまう。それにより、半導体集積回路の価格が高くなってしまう、といった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る半導体集積回路のレイアウト方法は、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトを決定し、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトを決定し、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップとを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる。
【0016】
この発明によれば、制御配線は、自動配置配線ツールを用いてレイアウトされる。従って、制御配線は、満遍なくレイアウトされるのではなく、必要な位置にだけ配置される。これにより、制御配線に要するスペースを必要最小限に抑えることができ、ロジックセルを配置するスペースが十分に確保される。
【0017】
本発明に係る半導体集積回路のレイアウト装置は、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトを決定し、ロジックセルレイアウトデータを生成する、ロジックセルレイアウト部と、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトを決定し、可変容量セルレイアウトデータを生成する、可変容量セルレイアウト部と、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成する、レイアウトデータ生成部とを具備する。前記可変容量セルレイアウトデータ部は、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトする。
【0018】
本発明に係る半導体集積回路は、論理機能を実現する論理素子を含む、ロジック部と、前記ロジック部に接続される信号配線と、可変容量素子と、前記可変容量素子の容量を制御する制御配線とを具備する。前記信号配線と前記制御配線とは、単位長あたりの抵抗が同じである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ロジックセルを配置するためのスペースを十分に確保することのできる、半導体集積回路、半導体集積回路のレイアウト方法、半導体集積回路のレイアウトプログラム、及び半導体集積回路のレイアウト装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】半導体集積回路のレイアウトの一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す図である。
【図3】第1の実施形態における各可変容量セルを示す概略図である。
【図4】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト装置を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る半導体集積回路を示すレイアウト図である
【図7】第2の実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【図8】ステップS52の動作を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態における各可変容量セルを示す図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウトを示す図である。半導体集積回路1は、少なくとも一層の配線層を備えている。半導体集積回路1がASICである場合、配線層の数は、例えば、5〜6層である。図2には、一層の配線層のレイアウトが示されている。図2に示されるように、半導体集積回路1は、中央領域8及び周囲領域6を有している。
【0022】
中央領域8には、多数のロジックセル(図示せず)が配置され、ロジックセル領域3が形成されている。また、中央領域8において、ロジックセルが配置されていない領域(空き領域)には、複数の可変容量セル2が配置されている。
【0023】
周囲領域6は、中央領域8を取り囲むように配置されている。図示していないが、周囲領域6には、IOバッファ、電源周回線、及びグランド周回線などが配置される。
【0024】
図2では示されていないが、図1に示した例と同様に、中央領域8には、電源配線及びグランド配線がそれぞれメッシュ状に配置されている。ロジックセル領域3に配置された各ロジックセルは、最寄の電源配線及びグランド配線に接続されている。また、電源配線及びグランド配線は、それぞれ、周囲領域6において、電源周回線及びグランド周回線に接続されている。電源周回線及びグランド周回線は、外部電源7に接続されている。すなわち、各ロジックセルに対しては、外部電源7から、電源周回線及び電源配線を介して、電源電圧が供給される。また、各ロジックセルに対しては、外部電源7から、グランド周回線及びグランド配線を介して、グランド電圧が供給される。
【0025】
図示されていないが、中央領域8には、ロジックセルに接続される信号配線が設けられている。電源配線の配線幅は、電圧及び電流を安定的に供給するために、広く設定されている。一方、信号配線の配線幅は、信号配線の本数を増やしてより多くの信号を入出力可能にするために、狭く設定されている。その結果、同一配線層内においては、信号配線の単位長当たりの抵抗値は、電源配線のそれよりも、大きくなっている。例えば、信号配線の単位長当たりの抵抗値は10〜100(mΩ/mm)であり、電源配線のそれは100〜1000(mΩ/mm)である。また、信号配線は、自動配置配線ツール(詳細は後述)によりレイアウトされる。自動配置配線ツールは、複数の信号配線を、所定の間隔(配線ピッチ)でレイアウトする。従って、信号配線は、メッシュ状ではなく、所定のピッチで配置されている。
【0026】
中央領域8には、更に、制御配線4が設けられている。制御配線4は、各可変容量セル2に接続されている。制御配線4は、各可変容量セル2の容量を制御するための制御電圧を、各可変容量セル2に供給する。尚、周囲領域6には、Vcb周回線5が配置されており、制御配線4はVcb周回線5に接続されている。Vcb周回線5は、外部電源7に接続されている。すなわち、各可変容量セル2に対しては、外部電源7、Vcb周回線5、及び制御配線4を介して、制御電圧が供給される。
【0027】
ここで、制御配線4は、中央領域8に満遍なく配置されているわけではない。制御配線4は、複数の制御配線要素41を備えている。複数の制御配線要素41の各々は、1つ以上の可変容量セル2に接続されている。各制御配線要素41は、各可変容量セル2に接続されるにあたって必要な位置にだけ、配置されている。また、各制御配線要素41は、信号配線と同一構造である。すなわち、同一配線層内において、制御配線4における単位長当たりの抵抗値は、信号配線のそれと同じであり、電源配線のそれよりも大きい。また、同一配線層内において、制御配線4の配線幅(各制御配線要素の配線幅)は、個々の信号配線の配線幅と同じであり、電源配線の配線幅よりも小さい。更に、同一配線層内において、制御配線4の配線ピッチ(隣接する制御配線要素41間の間隔)は、信号配線の配線ピッチと等しい。
【0028】
上述のように、制御配線4が必要な位置にだけ配置されていることにより、ロジックセル及び信号配線を配置するスペースを十分に確保することが可能である。
【0029】
続いて、各可変容量セル2の構成について説明する。
【0030】
図3は、各可変容量セル2を示す概略図である。図3に示されるように、各可変容量セル2は、N型MOSトランジスタにより形成される容量素子tnc、電源端子T1、グランド端子T2、及び制御端子T3を有している。電源端子T1は電源配線に接続される。グランド端子T2は、グランド配線に接続される。制御端子T3は、制御配線4に接続される。容量素子tncのゲートは、電源端子T1に接続されている。容量素子tncのバックゲートは、グランド端子T2に接続されている。容量素子tncのソース及びドレインは、制御端子T3に接続されている。
【0031】
ここで、各可変容量セル2において電源VDDとグランドGNDとの間に形成される容量値Cgbに注目する。容量値Cgbは、制御電圧としてグランド電圧が供給されたときに最大値になる。また、容量値Cgbは、制御電圧として電源電圧が供給されたときに、最小値になる。従って、制御電圧のレベルにより、各可変容量セル2に形成される容量を制御することが可能である。すなわち、制御電圧は、電源電圧VDDとグランド電圧GNDとの間で可変である。
【0032】
次いで、上述のような構成を有する半導体集積回路を設計するためのレイアウト装置、及びその動作方法について説明する。
【0033】
図4は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト装置10を示すブロック図である。この半導体集積回路のレイアウト装置10は、基準電圧配線レイアウト部13、ロジックセルレイアウト部14、可変容量セルレイアウト部15、レイアウトデータ生成部16、及び自動配置配線ツール12を備えている。このうち、基準電圧配線レイアウト部13、ロジックセルレイアウト部14、可変容量セルレイアウト部15、及びレイアウトデータ生成部16は、半導体集積回路のレイアウトプログラム11により実現される。半導体集積回路のレイアウトプログラム11及び自動配置配線ツール12は、記録媒体からコンピュータにインストールされる。
【0034】
図5は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。
【0035】
ステップS1;基準電圧配線のレイアウト
まず、基準電圧配線レイアウト部13が、レイアウト領域として、中央領域8を設定する。そして、中央領域8に、電源配線及びグランド配線をレイアウトする。電源配線及びグランド配線は、メッシュ状にレイアウトされる。基準電圧配線レイアウト部13は、電源配線及びグランド配線の位置を示す、基準電圧線レイアウトデータを生成する。
【0036】
ステップS2;ロジックセル配置配線
また、ロジックセルレイアウト部14が、予め準備された設計データ(論理回路の接続関係などを示すデータ)を取得する。そして、ロジックセルレイアウト部14は、自動配置配線ツール12を用い、中央領域8に複数のロジックセルをレイアウトする。更に、自動配置配線ツール12により、複数のロジックセル間で信号の入出力を行うための信号配線がレイアウトされる。ロジックセルレイアウト部14は、複数のロジックセル及び信号配線のレイアウトを示す、ロジックセルレイアウトデータを生成する。
【0037】
ステップS3、4;タイミング検証、判定
次いで、ロジックセルレイアウト部14は、ロジックセルレイアウトデータに基づいて、タイミング検証を行う(ステップS3)。タイミング検証の結果、所望する特性が得られていた場合には、次のステップS5の処理が実行される。一方、所望する特性が得られない場合には、ステップS2に戻り、ロジックセルの配置配線がやり直される。
【0038】
ステップS5;可変容量セル配置配線
次に、可変容量セルレイアウト部15が、中央領域8におけるロジックセルの空き領域に、複数の可変容量セルをレイアウトする。更に、可変容量セルレイアウト部15は、各可変容量セル2に接続される制御配線4をレイアウトする。これにより、可変容量セルレイアウトデータが生成される。
【0039】
ここで、可変容量セルレイアウト部15は、ステップS2における動作と同様に、自動配置配線ツール12を用いて、各可変容量セル及び制御配線4をレイアウトする。その結果、制御配線4は、中央領域8に満遍なくレイアウトされるのではなく、必要な位置にだけレイアウトされる。また、制御配線4は、複数のロジックセル間を接続する信号配線と同一の構造を有することになる。すなわち、同一配線層内において、制御配線4における単位長当たりの抵抗値は、信号配線のそれと同じであり、電源配線のそれよりも大きくなる。また、同一配線層内において、制御配線4の配線幅(各制御配線要素の配線幅)は、個々の信号配線の配線幅と同じであり、電源配線の配線幅よりも小さくなる。更に、同一配線層内において、制御配線4の配線ピッチ(隣接する制御配線要素41間の間隔)は、信号配線の配線ピッチと等しくなる。
【0040】
ステップS6;レイアウトデータ生成
次に、レイアウトデータ生成部16が、基準電圧線レイアウトデータ、ロジックセルレイアウトデータ、及び可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路の全体のレイアウトを示す、レイアウトデータを生成する。レイアウトデータは、レイアウト結果として、出力される。
【0041】
以上のステップS1〜S6までの処理により、本実施形態に係る半導体集積回路がレイアウトされる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、各可変容量セル2及び制御配線4が、自動配置配線ツール12を利用してレイアウトされる。そのため、制御配線4が必要な位置にだけ配置される。その結果、制御配線4によってロジックセル領域3のスペースが制限されることがなく、ロジックセルを高密度で配置することが可能になる。
【0043】
尚、本実施形態では、各可変容量セルに対し、電源配線よりも配線幅が狭い制御配線要素41により、制御電圧が供給される。すなわち、電源配線と比べると高抵抗である制御配線4によって、制御電圧が供給される。一本の制御配線4が複数の可変容量セルに接続される場合、各可変容量セルに流れるリーク電流が懸念される。その結果、制御配線4に電圧降下が生じ、制御可能な電圧範囲が狭くなってしまうことが懸念される。
【0044】
そこで、一般的に使用される150nmクラスのASICのパラメータを用いて、制御配線4における電圧降下値を試算してみる。通常、電源配線の抵抗値は、10〜100mΩ/mmである。一方、信号配線(制御配線4)の抵抗値は、100Ω/mm以上である。また制御配線4から各可変容量セル2へのリーク電流は、数nA/個〜数10nA/個である。1本の制御配線要素41に接続される可変容量セル2の数を制限することにより、制御配線4全体(全ての制御配線要素41)で生じるリーク電流の総量を制御可能である。例えば、リーク電流の総量が最大でも1000nAになるように制御することは、自動配置配線ツール12のファンナウト制約のルールを適用すれば、容易に実現できる。また、制御配線4の配線長も、自動配置配線ツール12により、容易に管理可能である。そこで、一本の制御配線要素41の配線抵抗が最悪でも10KΩであるものとする。更に、リーク電流の総量が最悪でも1000nAであるものとする。更に、全ての容量可変セル2が各制御配線要素41の末端に接続されているものとする。この場合、各制御配線要素41の電圧降下値ΔVの最大値(ΔV(Max))は、次の式により求められる。
(数式);「ΔV(Max) = 1000nA × 10KΩ = 0.01V」
ここで、150nmASICにおけるVDD−GND間電圧差が、1.5Vであるものとする。すなわち、制御電圧の制御範囲幅は、1.5Vであるものとする。このとき、各制御配線要素41における電圧降下値ΔV(max)は、制御電圧の範囲の1%以下であり、無視できるほど小さい。すなわち、リーク電流及び一本の制御配線要素41に接続される可変容量セル2の数を自動配置配線ツール12により制御することにより、制御配線4が信号配線と同一構造であったとしても、動作特性に問題は生じない。
【0045】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。図6は、本実施形態に係る半導体集積回路1を示すレイアウト図である。本実施形態では、中央領域8に固定容量セル9がレイアウトされている点で、第1の実施形態とは異なっている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
第1の実施形態では、まずロジックセル及び信号配線がレイアウトされる。その後、可変容量セル2及び制御配線4がレイアウトされる。ロジックセル及び信号配線が密にレイアウトされた場合、一部の可変容量セル2に制御配線4を接続することができなくなることがある。このような場合、再びロジックセルの配置配線をやり直すことが考えられる。しかし、ロジックセルの配置配線をやり直すことは、設計期間の延長を招く。また、所望する特性が得られるようにロジックセルを配置することが困難になることもある。
【0047】
複数の可変容量セル2は、半導体集積回路の製造後に共振帯域を変更可能にするために、設けられる。従って、複数の可変容量セル2の全体の容量が可変であればよく、必ずしも全ての容量セルの容量が可変である必要はない。変更する共振帯域にもよるが、複数の容量セルのうちの50%が可変容量セルであれば、十分である。
【0048】
そこで、本実施形態では、図6に示されるように、複数の可変容量セル2の一部が、固定容量セル9に置換されている。固定容量セル9は、制御配線4とは接続されていない。
【0049】
図7は、本実施形態に係る半導体集積回路のレイアウト方法を示すフローチャートである。ステップS1〜S5までの動作は、第1の実施形態と同様である。従って、詳細な説明は省略する。
【0050】
本実施形態では、ステップS5において可変容量セルレイアウトデータが生成された後、可変容量セルレイアウト部15が、全ての可変容量セル2に対して制御配線4が結線されているか否かを確認する(ステップS51)。全ての可変容量セル2に対して制御配線4が結線されている場合には、ステップS6へ進み、レイアウトデータが生成される。
【0051】
一方、制御配線4が結線されていない可変容量セル2(未結線可変容量セル)が存在する場合、可変容量セルレイアウト部15は、未結線可変容量セルを、固定容量セル9に置換する(ステップS52)。
【0052】
図8は、ステップS52の動作を説明するための図である。図8に示されるように、可変容量セルレイアウト部15は、未結線可変容量セルにおいて、制御端子T3とグランド端子T2間を短絡させる。これにより、未結線可変容量セルが、固定容量セル9に置換される。固定容量セル9では、制御電圧Vcbとしてグランド電圧GNDが供給される。その結果、固定容量セル9の容量値Cgbは、最大値に固定される。
【0053】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、既述の実施形態に対して、各可変容量セル2の構成が変更されている。また、制御配線4は、第1制御配線要素4−1、及び第2制御配線要素4−2を有している。第1制御配線要素4−1と第2制御配線要素4−2とは、別々の電圧を各可変容量セル2に供給する。その他の点については、既述の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0054】
図9は、本実施形態における各可変容量セル2を示す図である。既述の実施形態では、各可変容量セル2に含まれるトランジスタが、N型トランジスタである場合について説明した。これに対して、本実施形態では、各可変容量セル2に、N型トランジスタtncとP型トランジスタtpcとが含まれている。P型トランジスタtpcのゲートは、グランド端子T2に接続されている。P型トランジスタtpcのバックゲートは、電源端子T1に接続されている。N型トランジスタtpcのソース及びドレインは、第1制御端子T3−1に接続されている。第1制御端子T3−1は、第1制御配線要素4−1に接続される。N型トランジスタtncのゲートは、電源端子T1に接続されている。N型トランジスタtncのバックゲートは、グランド端子T2に接続されている。N型トランジスタtncのソース及びドレインは、第2制御端子T3−2に接続されている。第2制御端子T3−2は、第2制御配線要素4−2に接続される。
【0055】
本実施形態では、N型トランジスタtncの容量値は、第1制御配線要素4−1から供給される電圧(第1制御電圧)がグランド電圧であるときに最大値になる。また、この容量値は、第1制御電圧が電源電圧である場合に、最小値になる。一方、P型トランジスタtpcの容量値は、第2制御配線要素4−2から供給される電圧(第2制御電圧)が電源電圧である場合に最大となり、第2制御電圧がグランド電圧である場合に最小値になる。すなわち、N型トランジスタとP型トランジスタとでは、制御電圧による容量変移傾向が逆である。
【0056】
本実施形態によれば、各可変容量セルに二つのトランジスタが含まれているため、各可変容量セルの容量を大きくすることができる。
【0057】
以上、本発明について、第1乃至第3の実施形態により詳細に説明した。但し、これら実施形態は互いに独立するものではなく、矛盾のない範囲内で組み合わせて使用することも可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 半導体集積回路
2 可変容量セル
3 ロジックセル領域
4 制御配線
4−1 第1制御配線
4−2 第2制御配線
5 Vcb周回線
6 周囲領域
7 外部電源
8 中央領域
9 固定容量セル
10 半導体集積回路のレイアウト装置
11 半導体集積回路のレイアウトプログラム
12 自動配置配線ツール
13 基準電圧配線レイアウト部
14 ロジックセルレイアウト部
15 可変容量セルレイアウト部
16 レイアウトデータ生成部
41 制御配線要素
100 半導体集積回路
101 可変容量セル
102 周囲領域
103 ロジックセル領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線をレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、
コンピュータが、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線をレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、
コンピュータが、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップと、
を具備し、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線の配線幅が前記信号配線の配線幅と同じになるように、前記制御配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線の配線ピッチが前記信号配線の配線ピッチと同じなるになるように、前記制御配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
更に、
コンピュータが、前記ロジックセルに電源電圧を供給する電源配線、及び前記ロジックセルにグランド電圧を供給するグランド配線をレイアウトし、基準電圧配線データを生成するステップ、
を具備し、
前記レイアウトデータを生成するステップは、前記基準電圧配線データに基づいて、前記レイアウトデータを生成するステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項5】
請求項4に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記基準電圧配線データを生成するステップは、前記電源配線及び前記グランド配線のそれぞれがメッシュ状になるように、前記電源配線及び前記グランド配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記可変容量セルとして、ゲート、グランド端子に接続されるバックゲート、ソース領域、及びドレイン領域を有するトランジスタをレイアウトするステップを含み、
前記ゲートは、前記電源配線及び前記グランド配線の一方に接続され、
前記バックゲートは、前記電源配線及び前記グランド配線の他方に接続され、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記制御配線に接続される
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記可変容量セルとして、Pチャネル型トランジスタ及びNチャネル型トランジスタをレイアウトするステップと、
前記制御配線として、第1制御配線及び第2制御配線をレイアウトするステップを含み、
前記Pチャネル型トランジスタのゲート、及び前記Nチャネル型トランジスタのバックゲートは、前記グランド配線に接続され、
前記Nチャネル型トランジスタのゲート、及び前記Pチャネル型トランジスタのバックゲートは、前記電源配線に接続され、
前記Pチャネル型トランジスタのソース領域及びドレイン領域は、前記第1制御配線に接続され、
前記Nチャネル型トランジスタのソース領域及びドレイン領域は、前記第2制御配線に接続される
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記複数の可変容量セルをレイアウトするステップと、
前記複数の可変容量セルに結線されるように、前記制御配線をレイアウトするステップと、
前記複数の可変容量セルの全てに前記制御配線が結線されたか否かを判定するステップと、
前記複数の可変容量セルにおいて前記制御配線が結線されていないセルが存在した場合に、前記制御配線が結線されないセルを固定容量セルに変更するステップとを備えている
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法を、コンピュータに実行させるための、半導体集積回路のレイアウトプログラム。
【請求項10】
自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトをレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成する、ロジックセルレイアウト部と、
前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトをレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成する、可変容量セルレイアウト部と、
前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成する、レイアウトデータ生成部と、
を具備し、
前記可変容量セルレイアウト部は、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトする
半導体集積回路のレイアウト装置。
【請求項11】
論理機能を実現する論理素子を含む、ロジック部と、
前記ロジック部に接続される信号配線と、
可変容量素子と、
前記可変容量素子の容量を制御する制御配線と、
を具備し、
前記信号配線と前記制御配線とは、同一配線層内において単位長あたりの抵抗が同じである
半導体集積回路。
【請求項1】
コンピュータが、自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線をレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成するステップと、
コンピュータが、前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線をレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成するステップと、
コンピュータが、前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成するステップと、
を具備し、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線の配線幅が前記信号配線の配線幅と同じになるように、前記制御配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変セルレイアウトデータを生成するステップは、前記制御配線の配線ピッチが前記信号配線の配線ピッチと同じなるになるように、前記制御配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
更に、
コンピュータが、前記ロジックセルに電源電圧を供給する電源配線、及び前記ロジックセルにグランド電圧を供給するグランド配線をレイアウトし、基準電圧配線データを生成するステップ、
を具備し、
前記レイアウトデータを生成するステップは、前記基準電圧配線データに基づいて、前記レイアウトデータを生成するステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項5】
請求項4に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記基準電圧配線データを生成するステップは、前記電源配線及び前記グランド配線のそれぞれがメッシュ状になるように、前記電源配線及び前記グランド配線をレイアウトするステップを含んでいる
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記可変容量セルとして、ゲート、グランド端子に接続されるバックゲート、ソース領域、及びドレイン領域を有するトランジスタをレイアウトするステップを含み、
前記ゲートは、前記電源配線及び前記グランド配線の一方に接続され、
前記バックゲートは、前記電源配線及び前記グランド配線の他方に接続され、
前記ソース領域及び前記ドレイン領域は、前記制御配線に接続される
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記可変容量セルとして、Pチャネル型トランジスタ及びNチャネル型トランジスタをレイアウトするステップと、
前記制御配線として、第1制御配線及び第2制御配線をレイアウトするステップを含み、
前記Pチャネル型トランジスタのゲート、及び前記Nチャネル型トランジスタのバックゲートは、前記グランド配線に接続され、
前記Nチャネル型トランジスタのゲート、及び前記Pチャネル型トランジスタのバックゲートは、前記電源配線に接続され、
前記Pチャネル型トランジスタのソース領域及びドレイン領域は、前記第1制御配線に接続され、
前記Nチャネル型トランジスタのソース領域及びドレイン領域は、前記第2制御配線に接続される
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法であって、
前記可変容量セルレイアウトデータを生成するステップは、
前記複数の可変容量セルをレイアウトするステップと、
前記複数の可変容量セルに結線されるように、前記制御配線をレイアウトするステップと、
前記複数の可変容量セルの全てに前記制御配線が結線されたか否かを判定するステップと、
前記複数の可変容量セルにおいて前記制御配線が結線されていないセルが存在した場合に、前記制御配線が結線されないセルを固定容量セルに変更するステップとを備えている
半導体集積回路のレイアウト方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載された半導体集積回路のレイアウト方法を、コンピュータに実行させるための、半導体集積回路のレイアウトプログラム。
【請求項10】
自動配置配線ツールにより、ロジックセル、及び前記ロジックセルに接続される信号配線のレイアウトをレイアウトし、ロジックセルレイアウトデータを生成する、ロジックセルレイアウト部と、
前記自動配置配線ツールにより、可変容量セル及び前記可変容量セルの容量を制御する制御配線のレイアウトをレイアウトし、可変容量セルレイアウトデータを生成する、可変容量セルレイアウト部と、
前記ロジックセルレイアウトデータ及び前記可変容量セルレイアウトデータに基づいて、半導体集積回路のレイアウトデータを生成する、レイアウトデータ生成部と、
を具備し、
前記可変容量セルレイアウト部は、前記制御配線を、同一配線層内で単位長あたりの抵抗が前記信号配線のそれと同じになるように、レイアウトする
半導体集積回路のレイアウト装置。
【請求項11】
論理機能を実現する論理素子を含む、ロジック部と、
前記ロジック部に接続される信号配線と、
可変容量素子と、
前記可変容量素子の容量を制御する制御配線と、
を具備し、
前記信号配線と前記制御配線とは、同一配線層内において単位長あたりの抵抗が同じである
半導体集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−35210(P2011−35210A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181010(P2009−181010)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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