説明

圧電デバイスおよびその製造方法

【課題】圧電振動片が収容されたパッケージ内の真空度の低下を抑制できる圧電デバイスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る圧電デバイス100は、パッケージベース12と、パッケージベース12の第1キャビティーに収容された圧電振動片70と、第1キャビティーに収容され圧電振動片70を支持するリード31,32,33,34,35,36と、第1キャビティーを封止するリッドと、を含み、圧電振動片70に形成された振動片端子81,82,83,84,85,86と、リード31,32,33,34,35,36とは、金属間接合されており、リード31,32,33,34,35,36と、パッケージベース12に形成されたパッケージベース端子21,22,23,24,25,26とは、金属間接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転系の回転角速度を検出するための角速度センサーとして、圧電振動片をパッケージ内に収容した振動型圧電ジャイロスコープが利用されてきた。振動型圧電ジャイロスコープは、カーナビゲーションや、スチルカメラの手振れの検出などに利用されている。
【0003】
パッケージ内に収容された圧電振動片の支持構造として、例えば、特許文献1には、圧電振動片を基板から延びるボンディングワイヤに接合し、当該基板をパッケージの基部に導電性接着剤を用いて接着して圧電振動片を支持する構造が記載されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の支持構造では、基板とパッケージの基部との接着に導電性接着剤を用いているため、この導電性接着剤から放出されるガスによりパッケージ内の真空度が低下してしまう場合がある。このようなパッケージ内の真空度の低下は、例えば圧電振動片の性能の低下につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−105963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、圧電振動片が収容されたパッケージ内の真空度の低下を抑制できる圧電デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0008】
〔適用例1〕
パッケージベースと、
前記パッケージベースの第1キャビティーに収容された圧電振動片と、
前記第1キャビティーに収容され前記圧電振動片を支持するリードと、
前記第1キャビティーを封止するリッドと、
を含み、
前記圧電振動片に形成された振動片端子と、前記リードとは、金属間接合されており、
前記リードと、前記パッケージベースに形成されたパッケージベース端子とは、金属間接合されている、圧電デバイス。
【0009】
このような圧電デバイスによれば、前記リードと前記パッケージベース端子とが金属間接合されていることができる。さらに、前記リードと前記振動片端子とが金属間接合されていることができる。したがって、減圧空間においてガスの放出量が多い導電性接着剤や樹脂などを用いることなく、前記圧電振動片の支持および前記振動片端子と前記パッケージベース端子との電気的な接続ができる。すなわち、前記第1キャビティーが減圧空間においてガスの放出量が多い物質を収容しないため、前記第1キャビティー内の真空度の低下を抑制することができる。
【0010】
〔適用例2〕
適用例1において、
さらに、前記第1キャビティーの外であって前記パッケージベースの第2キャビティー内に実装されたICチップを含む、圧電デバイス。
【0011】
このような圧電デバイスによれば、前記ICチップが、前記圧電振動片が収容された前記第1キャビティーとは異なる前記第2キャビティーに収容されていることができる。したがって、例えば、前記ICチップの実装に、銀ペーストや樹脂などの減圧空間においてガスの放出量が多い材料を用いても、前記第1キャビティー内の真空度を低下させないことができる。したがって、前記ICチップの実装方法の選択の自由度を高めることができる。
【0012】
〔適用例3〕
適用例1において、
さらに、前記第1キャビティー内であって前記パッケージベースにフリップチップ実装されたICチップを含む、圧電デバイス。
【0013】
このような圧電デバイスによれば、前記ICチップの前記パッケージベースへの実装に減圧空間においてガスの放出量の多い材料を用いないため、前記ICチップを前記圧電振動片が収容された前記第1キャビティー内に収容することができる。したがって、前記パッケージベースに複数のキャビティーを形成しなくてもよいため、パッケージベースの製造工程を簡素化することができる。
【0014】
〔適用例4〕
適用例1ないし3のいずれか1例において、
前記パッケージベースは、前記第1キャビティーを区画する第1側面と、前記第1側面と対向し、前記第1キャビティーを区画する第2側面と、を有し、
前記パッケージベース端子は、前記第1面側側に配置され、かつ接地電位を有し、
前記リードには、前記圧電振動片の外縁の外側を、前記第1側面側から前記第2側面側まで延びるシールド部が一体的に形成されている、圧電デバイス。
【0015】
このような圧電デバイスによれば、前記シールド部が、電磁シールドとして機能するため、前記圧電振動片を電磁波から遮蔽することができる。
【0016】
〔適用例5〕
適用例4において、
前記シールド部の厚さは、前記リードの厚さと比べて大きい、圧電デバイス。
【0017】
このような圧電デバイスによれば、前記リードの振動が前記シールド部に伝わりにくいため、前記圧電振動片の振動が前記リードおよび前記シールド部を介して外部へ伝わることを抑制することができる。
【0018】
〔適用例6〕
リードと、前記リードを保持するための保持部と、を有するリードフレームを用意する工程と、
前記リードと圧電振動片に形成された振動片端子とを金属間接合する工程と、
前記リードと前記パッケージベースに形成されたパッケージベース端子を金属間接合して、前記圧電振動片および前記リードフレームをパッケージベースのキャビティーに収容する工程と、
前記キャビティーをリッドにより封止する工程と、
を含む、圧電デバイスの製造方法。
【0019】
このような圧電デバイスの製造方法によれば、前記リードと前記パッケージベース端子とを金属間接合することができる。さらに、前記リードと前記振動片端子とを金属間接合することができる。したがって、減圧空間においてガスの放出量が多い導電性接着剤や樹脂などを用いることなく、前記圧電振動片の支持および前記振動片端子と前記パッケージベース端子との電気的な接続ができる。すなわち、前記第1キャビティーが減圧空間においてガスの放出量が多い物質を収容しないため、前記第1キャビティー内の真空度の低下を抑制することができる。
【0020】
〔適用例7〕
適用例6において、
前記リードと前記パッケージベース端子を金属間接合する工程の後に、前記保持部を切断する工程を含み、
前記リードフレームは、複数の前記リードを有し、
複数の前記リードのうちの接地リードは、前記圧電振動片に接地電位を供給し、
複数の前記リードのうちの信号リードは、前記圧電振動片に駆動信号を入力し、または前記圧電振動片からの検出信号を出力し、
前記接地リードと前記信号リードとは、前記保持部によって連結され、
前記保持部を切断する工程において、
前記保持部の切断位置は、前記信号リード側である、圧電デバイスの製造方法。
【0021】
このような圧電デバイスの製造方法によれば、前記接地リードと電気的に接続する前記保持部の切断痕が、前記信号リードと電気的に接続する前記保持部の切断痕よりも長くなるように切断することができる。これにより、前記接地リードと比べて容量の変化に敏感な前記信号リードに、余分な容量を持たせないことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す平面図。
【図2】第1実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す断面図。
【図3】第1実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す断面図。
【図4】第1実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す断面図。
【図5】第1実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す断面図。
【図6】第1実施形態に係る圧電デバイスの圧電振動片の動作を説明するための図。
【図7】第1実施形態に係る圧電デバイスの圧電振動片の動作を説明するための図。
【図8】第1実施形態に係る圧電デバイスの製造工程を模式的に示す断面図。
【図9】第1実施形態に係る圧電デバイスの製造工程を模式的に示す平面図。
【図10】第1実施形態に係る圧電デバイスの製造工程を模式的に示す断面図。
【図11】第1実施形態に係る圧電デバイスの製造工程を模式的に示す平面図。
【図12】第1実施形態に係る圧電デバイスの製造工程を模式的に示す断面図。
【図13】第2実施形態に係る圧電デバイスを模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
1. 第1実施形態
1.1. 第1実施形態に係る圧電デバイス
まず、第1実施形態に係る圧電デバイスについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る圧電デバイス100を模式的に示す平面図である。図2は、圧電デバイス100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、圧電デバイス100を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。図4は、圧電デバイス100を模式的に示す図1のIV−IV線断面図である。図5は、圧電デバイス100を模式的に示す図1のV−V線断面図である。なお、図1では、便宜上、リッド14の図示を省略している。
【0025】
圧電デバイス100は、図1〜図5に示すように、パッケージ10と、リード(第1リード31,第2リード32,第3リード33,第4リード34,第5リード35,第6リード36)と、物理量検出素子80と、を含む。圧電デバイス100は、さらに、第1シールド部40と、第2シールド部42と、ICチップ90と、を含むことができる。
【0026】
パッケージ10は、図2〜図5に示すように、第1キャビティー1および第2キャビティー2を有するパッケージベース12と、第1キャビティー1および第2キャビティー2の各々を封止するリッド14と、を有する。パッケージベース12の第1キャビティー1には、物理量検出素子80、リード31,32,33,34,35,36、およびシールド部40,42が収容され、第2キャビティー2には、ICチップ90が収容されている。第1キャビティー1の平面形状は、図1に示すように、例えば四角形である。第1キャビティー1の平面形状は、特に限定されず、多角形であってもよい。パッケージベース12の材質としては、例えば、セラミック、ガラスなどを挙げることができる。
【0027】
第1キャビティー1は、パッケージベース12の第1〜第4側面1a,1b,1c,1d、パッケージベース12の第1底面4および第2底面6によって区画されている。第1側面1aと第2側面1bとは、対向する面である。第3側面1cと第4側面1dとは、対向する面である。第1底面4は、第2底面6に比べて高い位置(+Z方向側)にある。第1キャビティー1は、リッド14によって気密に封止されている。第1キャビティー1内は、減圧空間、より好ましくは真空である。
【0028】
第1底面4には、8個のパッケージベース端子(第1端子21,第2端子22,第3端子23,第4端子24,第5端子25,第6端子26,第7端子27,第8端子28)が形成されている。第1側面1a側の第1〜第3端子21,22,23は、第1側面1a(Y軸)に沿って配列されている。第2側面1b側の第4〜第8端子24,25,26,27,28は、第2側面1b(Y軸)に沿って配列されている。第1〜第6端子21,22,23,24,25,26の各々は、配線(図示しない)によって、ICチップ90と電気的に接続されていることができる。また、第7端子27および第8端子28は、接地されていることができる。
【0029】
第2キャビティー2内には、ICチップ90が実装されている。第2キャビティー2は、減圧空間であってもよい。第2キャビティー2内は、第1キャビティー1内とは連続しない別の空間である。第2キャビティー2は、リッド14によって封止されている。
【0030】
リッド14は、キャビティー1,2を封止することができる。リッド14の材質としては、例えば、コバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミック、ガラスなどを挙げることができる。
【0031】
リード31〜36は、後述する圧電振動片70を保持できる程度の剛性を備えた導体機能を有する線材または板材であり、第1キャビティー1に収容されている。リード31〜36の具体的な材質としては、例えば、金属であり、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)、銅、金、ニッケル、または、これらの合金などを挙げることができる。
【0032】
第1リード31は、第1端子21と物理量検出素子80の第1検出接地端子81とを電気的に接続している。第1リード31は、第1検出接地端子81に接地電位を供給するためのリードであることができる。第1リード31の一方の端部は、第1端子21と金属間接合されている。第1リード31の他方の端部は、第1検出接地端子81と金属間接合されている。
【0033】
第2リード32は、第2端子22と物理量検出素子80の駆動信号端子82とを電気的に接続している。第2リード32は、駆動信号端子82にICチップ90の駆動回路からの駆動信号を入力するためのリードであることができる。第2リード32の一方の端部は、第2端子22と金属間接合されている。第2リード32の他方の端部は、駆動信号端子82と金属間接合されている。
【0034】
第3リード33は、第3端子23と物理量検出素子80の第2検出接地端子83とを電気的に接続している。第3リード33は、第2検出接地端子83に接地電位を供給するためのリードであることができる。第3リード33の一方の端部は、第3端子23と金属間接合されている。第3リード33の他方の端部は、第2検出接地端子83と金属間接合されている。
【0035】
第4リード34は、第4端子24と物理量検出素子80の第1検出信号端子84とを電気的に接続している。第4リード34は、第4端子24に物理量検出素子80からの検出信号を出力するためのリードであることができる。第4リード34の一方の端部は、第4端子24と金属間接合されている。第4リード34の他方の端部は、第1検出信号端子84と金属間接合されている。
【0036】
第5リード35は、第5端子25と物理量検出素子80の駆動接地端子85とを電気的に接続している。第5リード35は、駆動接地端子85に接地電位を供給するためのリードであることができる。第5リード35の一方の端部は、第5端子25と金属間接合されている。第5リード35の他方の端部は、駆動接地端子85と金属間接合されている。
【0037】
第6リード36は、第6端子26と物理量検出素子80の第2検出信号端子86とを電気的に接続している。第6リード36は、物理量検出素子80からの検出信号を第6端子26に出力するためのリードであることができる。第6リード36の一方の端部は、第6端子26と金属間接合されている。第6リード36の他方の端部は、第2検出信号端子86と金属間接合されている。
【0038】
リード31〜36と第1〜第6端子31〜36との金属間接合は、例えば、銅からなるリード31〜36の一方の端部にニッケルおよび金を積層し、当該一方の端部の各々と、対応する第1〜第6端子21〜26に形成された金バンプ3とを熱圧着することにより行うことができる。また、リード31〜36と物理量検出素子80の端子81〜86との金属間接合は、同様に、例えば、銅からなるリード31〜36の他方の端部にニッケルおよび金を積層し、当該他方の端部の各々と、対応する物理量検出素子80の端子81〜86に形成された金バンプ3とを熱圧着することにより行うことができる。
【0039】
第1シールド部40は、図1に示すように、第1リード31と一体的に形成されている。第1シールド部40は、圧電振動片70の外縁の外側を、第1側面1a側から第2側面1b側まで延びている。第1リード31が接地電位を有するため、第1シールド部40は、物理量検出素子80を電磁波から遮蔽するための電磁シールド機能を補うように働くことが期待できる。
【0040】
第1シールド部40は、第1リード31と接続する第1側面1a側の端部40aから第2側面1b側の端部40bまで、2つの屈曲部41a,41bを介して延びている。具体的には、第1シールド部40は、端部40aから第1屈曲部41aまで第1側面1aに沿って+Y方向に延びる部分と、第1屈曲部41aから第2屈曲部41bまで第3側面1cに沿って+X方向に延びる部分と、第2屈曲部41bから端部40bまで第2側面1bに沿って−Y方向に延びる部分と、で構成されている。
【0041】
第1シールド部40は、第1リード31と第7端子27によって支持されている。第1シールド部40と第7端子27とは、金属間接合されていることができる。第7端子27は、接地されていてもよい。これにより、第1端子21に加えて第7端子27によっても第1検出接地端子81が接地されるのでグランド配線が強化されて第1検出接地端子81とパッケージ10の外表面に形成した接地用の接続端子との間のインピーダンスを小さくすることが可能である。したがって、例えば電磁シールド機能の強化や、ノイズ特性の向上などの効果を期待できる。なお、衝撃が加わった際に、場合によっては第1シールド部40が揺れる可能性がある。そのような揺れの発生を予め抑えておきたい場合は、第1シールド部40とパッケージベース12とを固定する箇所を3以上にすれば良い。即ち、例えば、第1シールド部40を第1端子21と第7端子27とで固定する他に、加えて第1シールド部40を第1端子21と第7端子27との中間の位置とパッケージベース12の例えば第1底面4にパッケージベース端子と同じく金属面を有する端子とを金属間接合した構成とすれば良い。
【0042】
第2シールド部42は、図1に示すように、第3リード33と一体的に形成されている。第2シールド部42は、圧電振動片70の外縁の外側を、第1側面1a側から第2側面1b側まで延びている。第3リード33は接地電位を有するため、第2シールド部42は、物理量検出素子80を電磁波から遮蔽するための電磁シールド機能を補うように働くことが期待できる。
【0043】
第2シールド部42は、第3リード33と接続する第1側面1a側の端部42aから第2側面1b側の端部42bまで、2つの屈曲部43a,43bを介して延びている。具体的には、第2シールド部42は、端部42aから第3屈曲部43aまで第1側面1aに沿って−Y方向に延びる部分と、第3屈曲部43aから第4屈曲部43bまで第4側面1dに沿って+X方向に延びる部分と、第4屈曲部43bから端部42bまで第2側面1bに沿って+Y方向に延びる部分と、で構成されている。
【0044】
第2シールド部42は、第3リード33と第8端子28によって支持されている。第2シールド部42と第8端子28とは、金属間接合されていることができる。第8端子28は、接地されていてもよい。これにより、第3端子23に加えて第8端子28によっても第2検出接地端子83が接地されるのでグランド配線が強化されて第2検出接地端子83とパッケージ10の外表面に形成した接地用の接続端子との間のインピーダンスを小さくすることが可能である。したがって、例えば電磁シールド機能の強化や、ノイズ特性の向上などの効果を期待することができる。なお、衝撃が加わった際に、場合によっては第2シールド部42が揺れる可能性がある。このような揺れの発生を予め抑えておきたい場合は、上述の第2シールド部40の場合と同様に第2シールド部42とパッケージベース12とを固定する箇所を3以上にすれば良い。
【0045】
シールド部40,42の厚さは、リード31〜36の厚さと比べて大きいことができる。シールド部40,42の厚さがリード31〜36の厚さよりも大きい場合、シールド部40,42の厚さがリード31〜36の厚さと同じ場合と比べて、リード31〜36の振動がシールド部40,42に伝わりにくい。したがって、シールド部40,42は、圧電振動片70の振動がリード31〜36およびシールド部40,42を介して外部へ伝わることを抑制することができる。シールド部40,42の厚さは、例えば、100μm程度であり、リード31〜36の厚さは、例えば、10〜30μm程度である。
【0046】
また、シールド部40,42の厚さは、リード31〜36の厚さと同じであってもよい。これにより、後述するリードフレーム50を容易に製造することができる。
【0047】
物理量検出素子80は、図1に示すように、圧電振動片70と、圧電振動片70に形成された電極と、当該電極と電気的に接続され圧電振動片70に形成された振動片端子(第1検出接地端子81,駆動信号端子82,第2検出接地端子83,第1検出信号端子84,駆動接地端子85,第2検出信号端子86)と、を含む。
【0048】
圧電振動片70は、第1キャビティー1に収容されている。圧電振動片70は、図2に示すように、リード31〜36によって、支持されている。圧電振動片70の材質としては、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックなどの圧電材料を用いることができる。また、圧電振動片70は、シリコン半導体の表面の一部に、電極に挟まれた酸化亜鉛、窒化アルミニウム等の圧電薄膜を形成した構造であってもよい。
【0049】
物理量検出素子80を有する圧電デバイス100は、物理量に応じて圧電振動片70の周波数が変動することを利用して、その物理量を検出するセンサーとして機能することができる。より具体的には、圧電デバイス100は、加速度によって発生する応力、角速度によって発生するコリオリ力などを検出するジャイロセンサーとして機能することができる。
【0050】
このようなジャイロセンサーに使用される圧電振動片70の態様としては、いわゆるダブルT型振動片、音叉型振動片、AT振動片、ウォーク型振動片などを例示することができる。以下、圧電振動片70を、いわゆるダブルT型振動片として説明する。
【0051】
圧電振動片70は、図1に示すように、基部71と、一対の連結腕72と、一対の検出振動腕73と、一対の第1駆動振動腕74と、一対の第2駆動振動腕75と、を含む。
【0052】
一対の連結腕72は、基部71から、X軸に沿って、互いに反対方向に延出している。一対の検出振動腕73は、基部71から、Y軸に沿って、互いに反対方向に延出している。一対の第1駆動振動腕74は、一対の連結腕72の一方から、Y軸に沿って、互いに反対方向に延出している。一対の第2駆動振動腕75は、一対の連結腕72の他方から、Y軸に沿って、互いに反対方向に延出している。
【0053】
図示の例では、振動腕73,74,75の先端部には、錘部76が形成されている。錘部76の幅(X軸方向の大きさ)は、振動腕73,74,75の幅より大きい。これにより、圧電デバイス100の検出感度を向上させることができる。
【0054】
一対の検出振動腕73の一方には、図示はしないが、側面に第1検出接地電極が形成され、上面および下面に第1検出信号電極が形成されている。一対の検出振動腕73の他方には、図示はしないが、側面に第2検出接地電極が形成され、上面および下面に第2検出信号電極が形成されている。
【0055】
第1検出接地電極は、第1検出接地端子81と電気的に接続されている。第2検出接地電極は、第2検出接地端子83と電気的に接続されている。第1検出信号電極は、第1検出信号端子84と電気的に接続されている。第2検出信号電極は、第2検出信号電極86と電気的に接続されている。
【0056】
第1駆動振動腕74には、図示はしないが、側面に駆動信号電極が形成され、上面および下面に駆動接地電極が形成されている。第2駆動振動腕75には、図示はしないが、側面に駆動接地電極が形成され、上面および下面に駆動信号電極が形成されている。
【0057】
駆動信号電極は、駆動信号端子82に電気的に接続されている。駆動接地電極は、駆動接地端子85に電気的に接続されている。
【0058】
図6および図7は、圧電振動片70の動作を説明するための図である。
【0059】
角速度が加わらない状態において、駆動振動腕74,75に形成された駆動信号電極と駆動接地電極との間に電圧が印加されると、駆動振動腕74,75は、図6に示すように、矢印Aに示す方向に屈曲振動を行う。このとき、第1駆動振動腕74と第2駆動振動腕75とは、圧電振動片70の重心Gを通るY軸方向に沿う線(図示しない)関して線対称の振動を行う。そのため、基部71、連結腕72、および検出用振動腕73は、ほとんど振動しない。
【0060】
駆動振動腕74,75がA方向の駆動振動を行っている状態で、圧電振動片70にZ軸周りの角速度ωが加わると、圧電振動片70は図7に示すような振動を行う。すなわち、駆動振動系を構成する駆動振動腕74,75および連結腕72に矢印B方向のコリオリの力が働き、新たな振動が励起される。この矢印B方向の振動は、重心Gに対して周方向の振動である。また同時に、検出振動腕73は、矢印Bの振動に呼応して、矢印C方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した圧電材料の歪みを、検出振動腕73に形成した第1検出信号電極および第2検出信号電極が検出して角速度が求められる。
【0061】
ICチップ90は、図2に示すように、第2キャビティー2内に実装されている。ICチップ90は、フリップチップ実装されていてもよい。ICチップ90は、図示の例では、パッケージベース12に形成された配線(図示しない)と金バンプ3を介して電気的に接続されている。図示はしないが、ICチップ90は、金や銅などからなるワイヤーによって、パッケージベース12に形成された配線と電気的に接続されていてもよい。
【0062】
ICチップ90は、例えば、パッケージベース12に形成された配線、第1〜第6端子21〜26、およびリード31〜36を介して、物理量検出素子80の端子81〜86と電気的に接続されている。
【0063】
ICチップ90は、圧電振動片70を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに圧電振動片70に生じる検出振動を検出する検出回路と、を有することができる。
【0064】
駆動回路は、パッケージベース12に形成された配線、第2端子22、および第2リード32を介して、駆動信号端子82に検出信号を入力することができる。検出回路には、第1検出信号端子84からの検出信号が、第4リード34、第4端子24、およびパッケージベース12に形成された配線を介して入力される。さらに、検出回路には、第2検出信号端子86からの検出信号が、第6リード36、第6端子26、およびパッケージベース12に形成された配線を介して入力される。
【0065】
圧電デバイス100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0066】
圧電デバイス100によれば、リード31〜36とパッケージベース12に形成された第1〜第6端子21〜26とが金属間接合されていることができる。さらに、リード31〜36と物理量検出素子80の端子81〜86とが金属間接合されていることができる。したがって、減圧空間においてガスの放出量が多い導電性接着剤や樹脂などを用いることなく、物理量検出素子80の支持、および物理量検出素子80の端子81〜86と第1〜第6端子21〜26との電気的な接続ができる。すなわち、第1キャビティー1が減圧空間においてガスの放出量が多い物質を収容しないため、第1キャビティー1内の真空度の低下を抑制することができる。
【0067】
圧電デバイス100によれば、リード31〜36とパッケージベース12に形成された第1〜第6端子21〜26が金属間接合されていることができるため、小型化を図ることができる。例えば、リードとパッケージベースに形成された端子が導電性接着剤で接続されている場合、接続の強度を確保するためには、リードおよびパッケージベースに所定の接着面積を必要とする。圧電デバイス100では、リード31〜36と第1〜第6端子21〜26とが金属間接合されているため、導電性接着剤で接続されている場合と比べて、接続に必要な面積を小さくすることができる。したがって、圧電デバイス100によれば、小型化を図ることができる。
【0068】
圧電デバイス100によれば、ICチップ90が第2キャビティー2に収容されていることができる。したがって、例えば、ICチップ90の実装に、銀ペーストや樹脂などの減圧空間においてガスの放出量が多い材料を用いても、第1キャビティー1内の真空度を低下させないことができる。したがって、ICチップ90の実装方法の選択の自由度を高めることができる。
【0069】
1.2. 第1実施形態に係る圧電デバイスの製造方法
次に、圧電デバイス100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0070】
図8は、圧電デバイス100の製造工程を模式的に示す断面図であり、図2に対応している。図9は、圧電デバイス100の製造工程を模式的に示す平面図である。図10は、圧電デバイス100の製造工程を模式的に示す断面図である。図11は、圧電デバイス100の製造工程を模式的に示す平面図であり、図1に対応している。図12は、圧電デバイス100の製造工程を模式的に示す図11のXII−XII線断面図である。
【0071】
図8に示すように、第2キャビティー2内にICチップ90が実装されたパッケージベース12を用意する。パッケージベース12には、第1〜第8端子21〜28が形成されている。
【0072】
図9に示すように、リードフレーム50を用意する。リードフレーム50は、リード31〜36と、リード31〜36を保持するための保持部52と、で構成されている。リード31〜36の各々は、保持部52により連結されている。リード31〜36と保持部52とは、一体的に形成されている。リードフレーム50は、第1キャビティー1に収容されたときに、保持部52が圧電振動片70の周囲を囲むように形成されていることができる。保持部52は、リードフレーム50を第1キャビティー1内に収容する際にリードフレーム50が撓まない程度の強度を有することが望ましい。保持部52がこのような強度を有するために、例えば、保持部52の厚さを100μm程度の大きさに形成してもよい。
【0073】
リードフレーム50は、例えば、銅箔(または銅板)を、フォトリソグラフィ技術によりエッチングすることで形成することができる。また、ハーフエッチング技術を用いて、リード31〜36の厚さを保持部52の厚さよりも薄くしてもよい。
【0074】
図10に示すように、リード31〜36の各々と、対応する物理量検出素子80の端子81〜86とを金属間接合する。なお、図10では、例として、第2リード32と、対応する駆動信号端子82、および第5リード35と、対応する駆動接地端子85について示した。
【0075】
この金属間接合は、例えば、銅からなるリード31〜36の各々の一方の端部にニッケルおよび金を積層し、当該一方の端部の各々と対応する物理量検出素子80の端子81〜86に形成された金バンプ3とを熱圧着することにより行うことができる。第1〜第6リード31〜36の各々と、対応する物理量検出素子80の端子81〜86との接合は、同時に行ってもよい(ギャングボンディング)。
【0076】
図11および図12に示すように、リード31〜36の各々と、対応する第1〜第6端子21〜26とを金属間接合して、物理量検出素子80およびリードフレーム50をパッケージベース12の第1キャビティー1に収容する。また、保持部52と第7端子27および第8端子28とを金属間接合する。
【0077】
この金属間接合は、例えば、銅からなるリード31〜36の他方の端部にニッケルおよび金を積層し、当該他方の端部の各々と、対応する第1〜第6端子21〜26に形成された金バンプ3とを熱圧着することにより行うことができる。保持部52と第7端子27および第8端子28との金属間接合も同様に行うことができる。
【0078】
図1に示すように、保持部52を切断して、リード31〜36の各々を電気的に分離する。保持部52の切断は、例えば、レーザーによって行うことができる。保持部52の切断により、接地電位を供給するための第1リード31と電気的に接続する保持部52の切断痕が第1シールド部40となり、接地電位を供給するための第3リード33と電気的に接続する保持部52の切断痕が第2シールド部42となることができる。
【0079】
ここで、接地電位を供給するためのリード(接地リード)31,33,35と、検出信号を出力するためのリード(信号リード)34,36または駆動信号を入力するためのリード(信号リード)32と、を連結する保持部52を切断する場合、接地リード31,33,35と電気的に接続する保持部52の切断痕が、信号リード32,34,36と電気的に接続する保持部52の切断痕よりも長くなるように切断することが望ましい。
【0080】
具体的には、第1リード31と検出信号を出力するための第4リード34とを連結する保持部52を切断する場合、第4リード34側(第4リード34の近傍)を切断することが望ましい。同様に、第3リード33と検出信号を出力するための第6リード36とを連結する保持部52を切断する場合、第6リード36側(第6リード36の近傍)を切断することが望ましい。これにより、接地電位を供給するための第1リード31および第3リード33と比べて、容量の変化に敏感な第4リード34および第6リード36に余分な容量を持たせないことができる。さらに、シールド部40,42が物理量検出素子80を囲む領域が多くなるため、より物理量検出素子80を電磁波から遮蔽することができる。
【0081】
なお、シールド部40、42の存在が事実上圧電デバイス100の性能に大きく寄与しない場合は、シールド部40、42をリード31、33から切断しても構わない。更に切断したシールド部40、42をパッケージ10の外へ排除しても構わない。ただしこの場合、シールド部40、42を排除する製造工程上の手間が必要となるため、上記実施例のようにパッケージ10内に収容した構成とした方が構造工程上は効率的である。
【0082】
図2に示すように、第1キャビティー1および第2キャビティー2をリッド14によって封止する。リッド14とパッケージベース12との接着は、例えば、プラズマ溶接、シーム溶接、超音波接合などを用いて行われる。
【0083】
次に、パッケージベース12に形成された貫通孔(図示しない)から第1キャビティー1内を減圧排気し、その後、貫通孔を塞ぐ。これにより、第1キャビティー1内を減圧空間にすることができる。
【0084】
以上の工程により、圧電デバイス100を製造することができる。
【0085】
圧電デバイス100の製造方法によれば、例えば、以下の特徴を有する。
【0086】
圧電デバイス100の製造方法によれば、リード31〜36とパッケージベース12に形成された端子21〜26とを金属間接合することができる。さらに、リード31〜36と物理量検出素子80の端子81〜86とを金属間接合することができる。したがって、減圧空間においてガスの放出量が多い導電性接着材や樹脂などを用いることなく、物理量検出素子80の支持、および物理量検出素子80の端子81〜86と第1〜第6端子21〜26との電気的な接続ができる。すなわち、圧電デバイス100の製造方法によれば、第1キャビティー1内に減圧空間においてガスの放出量が多い物質を収容しないため、第1キャビティー1内の真空度の低下を抑制することができる。
【0087】
さらに、圧電デバイス100の製造方法によれば、第1キャビティー1内に減圧空間においてガスの放出量が多い物質を収容しないため、第1キャビティー1を減圧空間にする前に従来から行われる、導電性接着剤や樹脂からガスを放出させるための真空アニール(例えば減圧排気しながら熱処理を行う)工程を省略することができる。したがって、圧電デバイス100の製造方法によれば、製造工程を簡素化することができる。
【0088】
圧電デバイス100の製造方法によれば、リード31〜36と、リード31〜36を保持するための保持部52と、が全て金属で構成されたリードフレーム50を用いることができる。そのため、例えば、接着材やポリイミドなどで構成されたTAB(Tape Automated Bonding)基板を用いることなく、リード31〜36と、物理量検出素子80の端子81〜86および第1〜第6端子21〜26との接合を行うことができる。したがって、このような場合の圧電デバイス100の製造方法によれば、減圧空間においてガスの放出量が多い接着材やポリイミドを第1キャビティー1内に収容しないため、第1キャビティー1内の真空度の低下を抑制することができる。また、リード31〜36は保持部52にて連結された状態では各リードのX、Y、Z軸方向の位置(姿勢)を適切に保つことが出来る。従って、圧電デバイス100の製造方法によれば、リード31〜36をパッケージ10内へ高い搭載精度をもて固定することが可能であり、これにより製造工程を簡素化しながらリード31〜36の搭載ズレによる歪みが小さく抑えられるので圧電デバイス100の電気的特性のバラツキを抑えることが可能である。なお、この場合、ガスの放出という点について問題とならなければTABにも適用できる。
【0089】
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る圧電デバイスについて説明する。図13は、本実施形態に係る圧電デバイス200を模式的に示す断面図である。なお、図13は、図2に対応している。以下、第2の実施形態に係る圧電デバイス200において、第1の実施形態に係る圧電デバイス100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0090】
図2に示す圧電デバイス100では、第2キャビティー2内にICチップ90が実装されていた。圧電デバイス200では、第1キャビティー1内にICチップ90が実装されていることができる。
【0091】
ICチップ90は、パッケージベース12に対して、フリップチップ実装されていることができる。具体的には、ICチップ90の表面に形成された電極(図示しない)と、パッケージベース12に形成された電極上の金バンプ3とを密着させて熱圧着することで、ICチップ90を実装することができる。したがって、ワイヤボンディングなどと比べて、減圧空間においてガスの放出量が多い半田(フラックス)や導電性接着剤などを用いないで、ICチップ90を実装することができる。
【0092】
圧電デバイス200によれば、圧電振動片70が収容された第1キャビティー1内に、ICチップ90を実装することができる。したがって、パッケージベース12に複数のキャビティーを形成しなくてもよいため、装置の小型化を図ることができ、かつパッケージベース12の製造工程を簡素化することができる。
【0093】
なお、圧電デバイス200の製造方法は、圧電デバイス100の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0094】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0095】
1 第1キャビティー、2 第2キャビティー、1a 第1側面、1b 第2側面、
1c 第3側面、1d 第4側面、3 金バンプ、4 第1底面、6 第2底面、
10 パッケージ、12 パッケージベース、14 リッド、21 第1端子、
22 第2端子、23 第3端子、24 第4端子、25 第5端子、26 第6端子、
27 第7端子、28 第8端子、31 第1リード、32 第2リード、
33 第3リード、34 第4リード、35 第5リード、36 第6リード、
40 第1シールド部、40a 端部、40b 端部、41a 屈曲部、
41b 屈曲部、42 第2シールド部、42a 端部、42b 端部、
43a 屈曲部、43b 屈曲部、50 リードフレーム、52 保持部、
70 圧電振動片、71 基部、72 連結腕、73 検出振動腕、
74 第1駆動振動腕、75 第2駆動振動腕、76 錘部、80 物理量検出素子、
81 第1検出接地端子、82 駆動信号端子、83 第2検出接地端子、
84 第1検出信号端子、85 駆動接地端子、86 第2検出信号端子、
90 ICチップ、100 圧電デバイス、200 圧電デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージベースと、
前記パッケージベースの第1キャビティーに収容された圧電振動片と、
前記第1キャビティーに収容され前記圧電振動片を支持するリードと、
前記第1キャビティーを封止するリッドと、
を含み、
前記圧電振動片に形成された振動片端子と、前記リードとは、金属間接合されており、
前記リードと、前記パッケージベースに形成されたパッケージベース端子とは、金属間接合されている、圧電デバイス。
【請求項2】
請求項1において、
さらに、前記第1キャビティの外であって前記パッケージベースの第2キャビティー内に実装されたICチップを含む、圧電デバイス。
【請求項3】
請求項1において、
さらに、前記第1キャビティー内であって前記パッケージベースにフリップチップ実装されたICチップを含む、圧電デバイス。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記パッケージベースは、
前記第1キャビティーを区画する第1側面と、
前記第1側面と対向し、前記第1キャビティーを区画する第2側面と、を有し、
前記パッケージベース端子は、前記第1側面側に配置され、かつ接地電位を有し、
前記リードには、前記圧電振動片の外縁の外側を、前記第1側面側から前記第2側面側まで延びるシールド部が一体的に形成されている、圧電デバイス。
【請求項5】
請求項4において、
前記シールド部の厚さは、前記リードの厚さと比べて大きい、圧電デバイス。
【請求項6】
リードと、前記リードを保持するための保持部と、を有するリードフレームを用意する工程と、
前記リードと圧電振動片に形成された振動片端子とを金属間接合する工程と、
前記リードと前記パッケージベースに形成されたパッケージベース端子を金属間接合して、前記圧電振動片および前記リードフレームをパッケージベースのキャビティーに収容する工程と、
前記キャビティーをリッドにより封止する工程と、
を含む、圧電デバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記リードと前記パッケージベース端子を金属間接合する工程の後に、前記保持部を切断する工程を含み、
前記リードフレームは、複数の前記リードを有し、
複数の前記リードのうちの接地リードは、前記圧電振動片に接地電位を供給し、
複数の前記リードのうちの信号リードは、前記圧電振動片に駆動信号を入力し、または前記圧電振動片からの検出信号を出力し、
前記接地リードと前記信号リードとは、前記保持部によって連結され、
前記保持部を切断する工程において、
前記保持部の切断位置は、前記信号リード側である、圧電デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−182306(P2011−182306A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46535(P2010−46535)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】