説明

圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計

【課題】マスクの位置合わせの作業性を向上させつつ、位置合わせの精度を高め、容易に、かつ高精度に圧電板や電極を形成することができる圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計を提供する。
【解決手段】ウエハ側マーク群71と、電極マスク側マーク群52とを検出する電極マーク群検出工程と、ウエハ側マーク群71と電極マスク側マーク群52とを位置合わせしながらウエハに電極膜用マスクを配置する電極マスク配置工程とを有し、ウエハ側マーク群71、および電極マスク側マーク群52は、それぞれ互いに大きさの異なるマーク51a〜71dにより構成され、それぞれ最も小さいウエハ側マーク71d、および電極マスク側マーク52dを互いのマークの位置合わせ用として利用し、これ以外のウエハ側マーク71a〜71c、および電極マスク側マーク52a〜52cを、電極マーク群検出工程に利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動片を有する圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動片としては、圧電材料からなる圧電板と、電圧が印加されたときに圧電板を振動させる電極部とを備えている。ここで、圧電振動片は、圧電材料の水晶からなるウエハを利用して一度に複数個製造される。
【0003】
より具体的には、まずウエハの表裏面に保護膜の上からレジスト膜を塗布し、このレジスト膜上に圧電板の外形形状を形成するためのマスクを配置する。次に、このマスクを介してレジスト膜に紫外線を照射し、レジスト膜にエッチングパターン(レジストパターン)を露光する。マスクを取り外した後、レジスト膜を現像して露光部分を除去し、その後メタルエッチングを行って露光部分から露出された保護膜を除去する。さらに、レジスト膜を除去すると共に、水晶エッチングを行って保護膜の除去部分から露出されたウエハをエッチングし、その後保護膜を除去することで圧電板の外形形状が形成される。
【0004】
次に、圧電板の外形形状が形成されたウエハに電極材料を蒸着、スパッタリング等することにより電極膜を成膜し、その上にレジスト膜を形成する。そして、このレジスト膜の上に所望の電極、および配線パターンが形成されたマスクを配置し、紫外線を照射してレジスト膜にエッチングパターン(レジストパターン)を露光する。その後、レジスト膜を現像して露光部分を除去し、電極膜の表面を露出させ、かつその露出面をエッチングしてウエハの表面を露出させることにより電極膜を分極し、所望の電極、および配線を得る。
【0005】
ここで、ウエハの表裏面に配置されるマスクは、それぞれに形成されているエッチングパターンが完全に重なるように目視で確認しながら位置合わせを行う。このとき、各マスクのエッチングパターンが全く同じなので、両マスク間で位置ズレが生じ易い。このため、各マスクに同一形状のアライメントマークを複数形成し、互いのアライメントマークを位置合わせすることで、各マスク間の位置ズレを防止しようとする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−186210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アライメントマークを利用してマスクの位置ズレを防止しようとする場合、アライメントマークの大きさが位置合わせの作業性や位置合わせの精度に影響を及ぼす。
すなわち、アライメントマークが大きい場合、この分作業者はアライメントマークを特定し易く、位置合わせの作業性が向上するが、位置合わせの精度が低下してしまう。一方、アライメントマークが小さい場合、この分位置合わせの精度を高めることができるが、作業者がアライメントマークを特定しにくくなってしまい、位置合わせの作業性が低下してしまう。
【0008】
また、このことは、圧電板に電極を形成する場合に利用されるマスクの位置合わせにも同様のことがいえる。すなわち、電極を形成するためのマスクとウエハとにそれぞれアライメントマークを形成してもこのアライメントマークの大きさによって、位置合わせの作業性が低下したり、位置合わせの精度が悪化したりしてしまう。
【0009】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、マスクの位置合わせの作業性を向上させつつ、位置合わせの精度を高め、容易に、かつ高精度に圧電板や電極を形成することができる圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る圧電振動片の製造方法は、圧電板と、電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部とを備えた圧電振動片の製造方法において、圧電材料からなるウエハの両面に、圧電板形成用マスク材を塗布した後、前記圧電板の形成用に用意された一対の外形マスクを配置し、その後、これら外形マスクを介して光を照射して前記圧電板の外形を形成する外形形成工程と、前記圧電板の外形形状が形成された前記ウエハに電極膜マスク材を塗布した後、電極膜用に用意された電極膜用マスクを配置し、その後、前記電極膜用マスクを介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程とを有し、前記レジストパターン形成工程は、前記ウエハに形成されたウエハ側マーク群と、前記電極膜用マスクに形成された電極マスク側マーク群とを検出する電極マーク群検出工程と、前記ウエハ側マーク群と前記電極マスク側マーク群とを位置合わせしながら前記ウエハに前記電極膜用マスクを配置する電極マスク配置工程とを有し、前記ウエハ側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つのウエハ側マークにより構成され、前記電極マスク側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つの電極マスク側マークにより構成され、それぞれ最も小さいウエハ側マーク、および電極マスク側マークを互いのマークの位置合わせ用として利用し、最も小さいウエハ側マーク、および電極マスク側マークを除いた全てのウエハ側マーク、および電極マスク側マークを、前記電極マーク群検出工程に利用することを特徴とする。
【0011】
このような方法とすることで、最も大きいウエハ側マーク、および最も大きい電極マスク側マークから順に特定していくことで、最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを速やかに特定することができる。また、最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを利用して各マスクの位置合わせを行うことにより、この位置合わせを高精度に行うことができる。このため、レジストパターン形成工程を、容易、かつ高精度に行うことが可能になる。
【0012】
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、各ウエハ側マーク、および各電極マスク側マークは、それぞれ所定の配列パターンで配置されていることを特徴とする。
【0013】
このような方法とすることで、最も大きいウエハ側マーク、および最も大きい電極マスク側マークを特定した時点で最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークの位置を容易に予測することができるので、最も大きいウエハ側マーク、および最も大きい電極マスク側マークを特定してから最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを特定するまでの作業効率をさらに向上させることができる。
【0014】
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、各ウエハ側マークは、最も大きいウエハ側マークの形成範囲内に、他のウエハ側マークが配置されていると共に、各電極マスク側マークは、最も大きい電極マスク側マークの形成範囲内に、他の電極マスク側マークが配置されていることを特徴とする。
【0015】
このような方法とすることで、さらに最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを特定し易くすることができる。このため、さらに各マスクの位置合わせの作業性を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、圧電板と、電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部とを備えた圧電振動片の製造方法において、圧電材料からなるウエハの両面に、圧電板形成用マスク材を塗布した後、前記圧電板の形成用に用意された一対の外形マスクを配置し、その後、これら外形マスクを介して光を照射して前記圧電板の外形を形成する外形形成工程と、前記圧電板の外形形状が形成された前記ウエハに電極膜マスク材を塗布した後、電極膜用に用意された電極膜用マスクを配置し、その後、前記電極膜用マスクを介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程とを有し、前記外形形成工程は、各外形マスクに形成された外形マスク側マーク群を検出する外形マーク群検出工程と、各外形マスクの外形マスク側マーク群の位置を合わせながら前記ウエハに各外形マスクを配置する外形マスク配置工程とを有し、前記外形マスク側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つの外形マスク側マークにより構成され、各外形マスクに形成されている最も小さい外形マスク側マークを、互いのマークの位置合わせ用として利用し、最も小さい外形マスク側マークを除いた全ての外形マスク側マークを、前記外形マーク群検出工程に利用することを特徴とする。
【0017】
このような方法とすることで、最も大きい外形マスク側マークから順に特定していくことで、最も小さい外形マスク側マークを速やかに特定することができる。また、最も小さい外形マスク側マークを利用して各マスクの位置合わせを行うことにより、この位置合わせを高精度に行うことができる。このため、外形形成工程を、容易、かつ高精度に行うことが可能になる。
【0018】
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、各外形マスク側マークは、それぞれ所定の配列パターンで配置されていることを特徴とする。
【0019】
このような方法とすることで、最も大きい外形マスク側マークを特定した時点で最も小さい外形マスク側マークの位置を容易に予測することができるので、最も大きい外形マスク側マークを特定してから最も小さい外形マスク側マークを特定するまでの作業効率をさらに向上させることができる。
【0020】
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、各外形マスク側マークは、最も大きい外形マスク側マークの形成範囲内に、他の外形マスク側マークが配置されていることを特徴とする。
【0021】
このような方法とすることで、さらに最も小さい外形マスク側マークを特定し易くすることができる。このため、さらに各マスクの位置合わせの作業性を向上させることができる。
【0022】
本発明に係る圧電振動子は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の圧電振動片の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
【0023】
このように構成することで、各マスクの位置合わせの作業性を向上させつつ、位置合わせの精度を高め、容易に、かつ高精度に圧電板や電極を形成することが可能な圧電振動子を提供できる。
【0024】
本発明に係る発振器は、請求項7に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0025】
このように構成することで、高品質な発振器を効率よく製造することができ、この発振器の低コスト化を図ることが可能になる。
【0026】
本発明に係る電子機器は、請求項7に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0027】
このように構成することで、高品質な電子機器を効率よく製造することができ、この電子機器の低コスト化を図ることが可能になる。
【0028】
本発明に係る電波時計は、請求項7に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0029】
このように構成することで、高品質な電波時計を効率よく製造することができ、この電波時計の低コスト化を図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、最も大きいウエハ側マーク、および最も大きい電極マスク側マークから順に特定していくことで、最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを速やかに特定することができる。また、最も小さいウエハ側マーク、および最も小さい電極マスク側マークを利用して各マスクの位置合わせを行うことにより、この位置合わせを高精度に行うことができる。このため、レジストパターン形成工程を、容易、かつ高精度に行うことが可能になる。
【0031】
また、最も大きい外形マスク側マークから順に特定していくことで、最も小さい外形マスク側マークを速やかに特定することができる。また、最も小さい外形マスク側マークを利用して各マスクの位置合わせを行うことにより、この位置合わせを高精度に行うことができる。このため、外形形成工程を、容易、かつ高精度に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態における圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるリッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図である。
【図3】図2のA−A線に沿う圧電振動子の断面図である。
【図4】本発明の実施形態における圧電振動子の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における圧電振動片の上面図である。
【図6】本発明の実施形態における圧電振動片の下面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】本発明の実施形態における外形マスクの概略平面図である。
【図9】本発明の実施形態における電極膜用マスクの概略平面図である。
【図10】本発明の実施形態におけるワークステージの概略平面図である。
【図11】本発明の実施形態における各マーク群の詳細図である。
【図12】本発明の実施形態における圧電振動片の製造方法のフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態における外形形成工程におけるレジストパターン形成工程の工程図である。
【図14】本発明の実施形態における外形マスク側マーク群の作業工程図であって、(a)〜(d)は各工程の挙動を示す。
【図15】本発明の実施形態における外形形成工程が終了したウエハの平面図である。
【図16】本発明の実施形態におけるレジストパターン形成工程の工程図であって、(a)〜(c)は、各工程の挙動を示す。
【図17】本発明の実施形態におけるウエハ側マーク群に、電極マスク側マーク群の位置合わせを行うための作業工程図である。
【図18】本発明の実施形態における発振器の構成図である。
【図19】本発明の実施形態における携帯情報機器の構成図である。
【図20】本発明の実施形態における電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【図21】本発明の実施形態における各マーク群の他の実施形態の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(圧電振動子)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、圧電振動子をリッド基板側から見た外観斜視図、図2は、圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態で圧電振動片を上方から見た図、図3は、図2のA−A線に沿う圧電振動子の断面図、図4は、圧電振動子の分解斜視図である。
図1〜図4に示すように、圧電振動子1は、ベース基板2とリッド基板3とが接合材35を介して陽極接合された箱状のパッケージ5を有し、このパッケージ5の内部のキャビティC内に圧電振動片4が封止された表面実装型の圧電振動子である。なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17、および重り金属膜21の図示を省略している。
【0034】
図5は、圧電振動子を構成する圧電振動片の上面図、図6は、圧電振動片の下面図、図7は、図5のB−B線に沿う断面図である。
図5〜図7に示すように、圧電振動片4は、所定の電圧が印加されたときに振動するものであって、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の圧電板24を備えている。
【0035】
この圧電板24は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、を有している。また、圧電板24の外表面上には、一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13、および第2の励振電極14からなる励振電極15と、第1の励振電極13、および第2の励振電極14に電気的に接続されたマウント電極16,17とが設けられている。
また、圧電板24には、一対の振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向に沿ってそれぞれ形成された溝部18が形成されている。この溝部18は、振動腕部10,11の基端側から略中間付近に至る間に形成されている。
【0036】
第1の励振電極13、第2の励振電極14からなる励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近または離間する方向に所定の周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、一方の振動腕部10の溝部18上と、他方の振動腕部11の両側面上とに、第1励振電極13が主に形成されている。また、一方の振動腕部10の両側面上と、他方の振動腕部11の溝部18上とに、第2励振電極14が主に形成されている。
【0037】
さらに、第1の励振電極13、および第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。圧電振動片4は、このマウント電極16,17を介して電圧が印加されるようになっている。
【0038】
また、一対の振動腕部10,11の外表面には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように周波数調整用の重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、例えば銀(Ag)や金(Au)により形成されたものであって、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a、および微調膜21bの重量を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの目標周波数の範囲内に収めることができる。
【0039】
このように構成された圧電振動片4は、図3、図4に示すように、金等のバンプBを利用して、ベース基板2の上面にバンプ接合されている。より具体的には、ベース基板2の上面にパターニングされた後述する引き回し電極36,37上に形成された2つのバンプB上に、一対のマウント電極16,17がそれぞれ接触した状態でバンプ接合されている。
これにより、圧電振動片4は、ベース基板2の上面から浮いた状態で支持されるとともに、マウント電極16,17と引き回し電極36,37とがそれぞれ電気的に接続された状態となっている。
【0040】
図1、図3、図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板であって、板状に形成されている。ベース基板2が接合される接合面側には、圧電振動片4が収まる矩形状の凹部3aが形成されている。この凹部3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、圧電振動片4を収容するキャビティCとなるキャビティ用の凹部である。
【0041】
リッド基板3の下面全体には、陽極接合用の接合材35が形成されている。具体的に、接合材35は、ベース基板2との接合面、および凹部3aの内面全体に亘って形成されている。本実施形態の接合材35はSi膜で形成されているが、接合材35をAlで形成することも可能である。なお接合材として、ドーピング等により低抵抗化したSiバルク材を可能することも可能である。そして、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態で、接合材35とベース基板2とが陽極接合されることで、キャビティCが気密封止されている。
【0042】
図1〜図4に示すように、ベース基板2は、リッド基板3と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板であって、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさで板状に形成されている。このベース基板2には、ベース基板2を貫通する一対のスルーホール30,31が形成されている。この際、一対のスルーホール30,31は、キャビティC内に収まるように形成されている。
【0043】
より詳しくは、スルーホール30,31のうち、一方のスルーホール30は、マウントされた圧電振動片4の基部12側に対応した位置に形成されている。また、他方のスルーホール31は、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に形成されている。また、これらスルーホール30,31は、ベース基板2の下面から上面に向かって漸次径が縮径した断面テーパ状に形成されている。
なお、本実施形態では、各スルーホール30,31が断面テーパ状に形成されている場合について説明したが、これに限られるものではなく、ベース基板2を真っ直ぐに貫通するスルーホールでもよい。いずれにしても、ベース基板2を貫通していればよい。
【0044】
そして、これら一対のスルーホール30,31には、各スルーホール30,31を埋めるように形成された一対の貫通電極32,33が形成されている。
図3に示すように、これら貫通電極32,33は、焼成によってスルーホール30,31に対して一体的に固定された筒体6、および芯材部7によって形成されたものである。各貫通電極32,33は、スルーホール30,31を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持しているとともに、後述する外部電極38,39と引き回し電極36,37とを導通させる役割を担っている。
【0045】
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で、かつベース基板2と略同じ厚みの円筒状に形成されている。そして、筒体6の中心には、芯材部7が筒体6を貫通するように配されている。また、本実施形態ではスルーホール30,31の形状に合わせて、筒体6の外形が円錐状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、この筒体6は、スルーホール30,31内に埋め込まれた状態で焼成されており、これらスルーホール30,31に対して強固に固着されている。
【0046】
芯材部7は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に両端が平坦で、かつベース基板2の厚みと略同じ厚さとなるように形成されている。芯材部7は、筒体6の中心孔6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着される。また、貫通電極32,33は、導電性の芯材部7を通して電気導通性が確保されている。
【0047】
図1〜4に示すように、ベース基板2の上面側(リッド基板3が接合される接合面側)には、導電性材料(例えば、アルミニウム)により、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。一対の引き回し電極36,37は、一対の貫通電極32,33のうち、一方の貫通電極32と圧電振動片4の一方のマウント電極16とを電気的に接続するとともに、他方の貫通電極33と圧電振動片4の他方のマウント電極17とを電気的に接続するようにパターニングされている。
【0048】
より詳しくは、一方の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12の真下に位置するように一方の貫通電極32の真上に形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿ってこれら振動腕部10,11の先端側に引き回された後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。
【0049】
そして、これら一対の引き回し電極36,37上にそれぞれバンプBが形成されており、このバンプBを利用して圧電振動片4がマウントされている。これにより、一方の貫通電極32に、圧電振動片4の一方のマウント電極16が一方の引き回し電極36を介して導通される。また、他方の貫通電極33に、他方のマウント電極17が他方の引き回し電極37を介して導通される。
【0050】
図1、図3、図4に示すように、ベース基板2の下面には、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38,39が形成されている。つまり、一方の外部電極38は、一方の貫通電極32、および一方の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。
また、他方の外部電極39は、他方の貫通電極33、および他方の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
【0051】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13、および第2の励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことができ、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0052】
(圧電振動子の製造方法)
次に、圧電振動片4を、圧電材料からなるウエハS(図11参照)を用いて形成する方法について説明する。
はじめに、図8〜図11に基づいて、この製造方法に用いる圧電振動片の製造装置40について、説明する。
図8は、外形マスクの概略平面図、図9は、電極膜用マスクの概略平面図、図10は、ワークステージの概略平面図である。
【0053】
図8〜図10に示すように、製造装置40は、ウエハSに圧電板24(図5、図6参照)の外形形状を形成するための外形マスク41と、圧電板24上に励振電極15(図5、図6参照)を形成するための電極膜用マスク42と、ウエハSを載置するワークステージ43とを備えている。
これらのマスク41,42は、それぞれ内部が露光領域41a,42aとされた枠状部41b,42bと、露光領域41a,42aに配置されると共に図示しない連結部を介して枠状部41b,42bに連結された複数の被覆部41c,42cとを備えている。なお、図8以降に図示される各被覆部41c,42cは、図面を見易くするために形状や数を簡略化している。
【0054】
ここで、外形マスク41の枠状部41bには、2つの外形マスク側マーク群51が外形マスク41の中央部を挟んで両側に位置するように形成されている。一方、電極膜用マスク42の枠状部42bには、2つの電極マスク側マーク群52が電極膜用マスク42の中央部を挟んで両側に位置するように形成されている。すなわち、各マーク群51,52は、互いに対応する位置に形成されている。これらマーク群51,52は、それぞれ対応するマスク41,42の位置合わせに利用されるアライメントマークである(詳細は後述する)。
【0055】
図11は、各マーク群の詳細図である。なお、各マーク群51,52は何れも同一形状で構成されているので、各マーク群51,52を同一の図面(図11)を用いて説明する。
同図に示すように、外形マスク側マーク群51は、複数(この実施形態では4つ)の外形マスク側マーク51a〜51dにより構成されている。各マーク51a〜51dは、十字状に形成されており、それぞれ大きさが異なっている。すなわち、最も大きい外形マスク側マーク51aから最も小さい外形マスク側マーク51dに至るまで、この間に存在する外形マスク側マーク51b,51cが順に小さく形成されている。
【0056】
また、最も大きい外形マスク側マーク51aを除いた3つの外形マスク側マーク51b,51c,51dは、最も大きい外形マスク側マーク51aの形成範囲W1内に配置されている。そして、所定の配列パターンで各マーク51a〜51dが配置されている。所定の配列パターンは、所定の規則で配列されていればよく、例えば、図11においては、最も大きい外形マスク側マーク51aから、大きいマークの順に徐々に図11の右下にずれていくように配置されている。
【0057】
一方、電極マスク側マーク群52も外形マスク側マーク群51と同様に構成されている。すなわち、電極マスク側マーク群52は、複数(この実施形態では4つ)の電極マスク側マーク52a〜52dにより構成されており、これら電極マスク側マーク52a〜52dの大きさが互いに異なっている。そして、最も大きい電極マスク側マーク52aを除いた3つの電極マスク側マーク52b,52c,52dは、最も大きい外形マスク側マーク52aの形成範囲W1内に所定の配列パターンで配置されている。
【0058】
次に、このように構成された製造装置40を用いた圧電振動片4を形成する圧電振動片の製造方法について、図12〜図15に基づいて説明する。
図12は、圧電振動片の製造方法のフローチャートである。
図12に示すように、まず、水晶のランバード原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。続いて、このウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハSとする(S10)。
【0059】
次に、研磨後のウエハSに圧電板24の外形形状を複数形成する外形形成工程を行う(S20)。
このとき、まず、ウエハSの両面に、例えばクロム層および金層などが積層されてなる不図示の保護膜を、例えば蒸着法やスパッタリング法等により成膜する(S21)。
次に、保護膜上にフォトレジスト膜(圧電板形成用マスク材)を成膜する(S22)。
続いて、フォトレジスト膜に所望のレジストパターンを形成するためのレジストパターン形成工程を行う(S23)。以下に、外形形成工程におけるレジストパターン形成工程を詳述する。
【0060】
図13は、外形形成工程におけるレジストパターン形成工程の工程図である。
図8、図12、図13に示すように、まず、下側の外形マスク44a(41)上にウエハSを搬送する(S24)。そして、下側の外形マスク44a(41)に対してウエハSの粗位置決めを行う(S25)。ウエハSには、この一側に形成された切り欠き状のオリエンテーションフラット(Orientation Flat)61が設けられているので、このオリエンテーションフラット61を利用して粗位置決めを行ってもよい。
【0061】
粗位置決めを行った後、ウエハSの上面、つまり、下側の外形マスク44aとは反対側の面に上側の外形マスク44bを配置し、上下の外形マスク44a,44bの位置合わせを行う(S26、外形マスク配置工程)。
この位置合わせは、各外形マスク44a,44bに形成されている外形マスク側マーク群51を利用して行われる。すなわち、下側の外形マスク44a上に配置したウエハSは、この上面から下側の外形マスク44aに形成されている外形マスク側マーク群51を視認することが可能である。このため、作業者は、不図示の顕微鏡等を用い、下側の外形マスク44aに形成されている外形マスク側マーク群51に、上側の外形マスク44bに形成されている外形マスク側マーク群51を重ね合わせることにより、両外形マスク44a,44bの位置合わせを行う。
【0062】
図14(a)〜図14(d)は、両外形マスク44a,44bに形成されている外形マスク側マーク群51の位置合わせ方法を示す作業工程図である。
ここで、外形マスク側マーク群51は、複数(この実施形態では4つ)の外形マスク側マーク51a〜51dにより構成されている(図11参照)。このため、まず、図14(a)に示すように、下側の外形マスク44aに形成されている外形マスク側マーク群51における最も大きい外形マスク側マーク51aの位置を特定する(外形マーク群検出工程)。
【0063】
このとき、比較的小さい外形マスク側マーク51c,51dの位置を特定してもよいが、これら外形マスク側マーク51c,51dが小さい分、視認しにくい。このため、最も大きい外形マスク側マーク51aを特定するように作業することで、小さい外形マスク側マーク51c,51dが不図示の顕微鏡の視野H1の範囲外であったとしても最も大きい外形マスク側マーク51aの位置を容易に特定できる。
【0064】
次に、図14(b)に示すように、最も大きい外形マスク側マーク51aの位置から最も小さい外形マスク側マーク51dの位置を特定する。
一方、上側の外形マスク44bに形成されている外形マスク側マーク群51についても、下側の外形マスク44aに形成されている外形マスク側マーク群51と同様の手順で最も小さい外形マスク側マーク51dの位置を特定する。すなわち、まず、最も大きい外形マスク側マーク51aを特定し、この外形マスク側マーク51aから最も小さい外形マスク側マーク51dの位置を特定する。
【0065】
続いて、図14(c)に示すように、下側の外形マスク44aに形成されている最も小さい外形マスク側マーク51dに、上側の外形マスク44aに形成されている最も小さい外形マスク側マーク51dを近づける。
そして、図14(d)に示すように、各外形マスク44a,44bに形成されている最も小さい外形マスク側マーク51d,51d同士の位置を合わせ、上下の外形マスク44a,44bの位置合わせ(S26)が完了する。このように、最も小さい外形マスク側マーク51dを利用することにより、高精度に上下の外形マスク44a,44bの位置合わせを行うことができる。すなわち、最も小さい外形マスク側マーク51dを各マーク群51,51の位置合わせ用として利用し、外形マスク側マーク51dを含む全ての外形マスク側マーク51a〜51dを外形マーク群検出工程に利用している。
【0066】
図12に示すように、ウエハSに外形マスク44a,44bを配置した後、ウエハSの両面に外形マスク44a,44bを介して不図示のフォトレジスト膜にレジストパターンを露光する(S27a)。露光が終了したら外形マスク44a,44bを取り外し、この後フォトレジスト膜の現像を行い、露光部分を除去する(S27b)。
この後、メタルエッチングを行って露光部分から露出された保護膜を除去し、さらにレジスト膜を除去する(S28)。
そして、水晶エッチングを行って保護膜の除去部分から露出されたウエハSをエッチング(S29)し、その後、保護膜を除去することで、外形形成工程(S20)が終了する。
【0067】
図15は、外形形成工程が終了したウエハの平面図である。
同図に示すように、外形形成工程(S20)が終了したウエハSには、圧電板24の外形形状が形成される。より具体的には、ウエハSの外周部S1の内側に存在する板形成領域S2内に、圧電板24の外形形状が形成されている。
板形成領域S2は、外形マスク41の露光領域41aから露出する部分であり、板形成領域S2では、圧電板24の外形形状、およびこの外形形状と外周部S1とを連結する不図示の連結部を除いた部分が、水晶エッチングにより除去されている。
【0068】
ここで、外形マスク41には、外形マスク側マーク群51が形成されている。このため、ウエハSには、圧電板24の外形形状と同時に、2つの外形マスク側マーク群51に対応する箇所に、ウエハ側マーク群71が形成される。ウエハ側マーク群71も、圧電板24と同様の工程(外形形成工程(S20))を経て形成されているので、外形マスク側マーク群51と同一形状に形成されている。
すなわち、図11に示すように、ウエハ側マーク群71は、十字状に形成され、互いに大きさの異なる複数のウエハ側マーク71a〜71dにより構成されている。また、ウエハ側マーク群71は、ウエハSを厚さ方向に貫通する貫通孔、またはウエハSの表面上に形成される凹部により構成される。
【0069】
図5〜図7、および図12に示すように、外形形成工程(S20)を行った後、一対の振動腕部10,11に溝部18を形成する溝部形成工程(S30)行った後、圧電板24の外形形状が形成されたウエハSに励振電極15、および重り金属膜21を形成する電極形成工程を行う(S40)。
【0070】
このとき、まず、圧電板24上に、電極となる金属膜(不図示)を、例えば蒸着法やスパッタリング法等により成膜する(S41)。
次に、金属膜上にフォトレジスト膜(電極膜マスク材)を成膜する(S42)。
続いて、フォトレジスト膜に電極形状となるレジストパターンを形成するためのレジストパターン形成工程を行う(S43)。以下に、電極形成工程におけるレジストパターン形成工程を詳述する。
【0071】
図16(a)〜図16(c)は、電極形成工程におけるレジストパターン形成工程の工程図である。
図12、図16に示すように、まず、製造装置40のワークステージ43上にウエハSを搬送する(S44、図16(a)、図16(b)参照)。そして、ワークステージ43に対してウエハSの粗位置決めを行う(S45)。このとき、ウエハSに設けられているオリエンテーションフラット61等を利用して粗位置決めを行う。
【0072】
粗位置決めを行った後、ウエハSの上面、つまり、ワークステージ43とは反対側の面に電極膜用マスク42(図9参照)を配置し、この電極膜用マスク42の位置合わせを行う(S46、電極マスク配置工程)。
この位置合わせは、ウエハSに形成されているウエハ側マーク群71と、電極膜用マスク42に形成されている電極マスク側マーク群52とを利用して行われる。ここで、ウエハ側マーク群71と電極マスク側マーク群52との位置合わせは、上述の下側の外形マスク44aに形成された外形マスク側マーク群51と、上側の外形マスク44bに形成された外形マスク側マーク群51との位置合わせと同様である。
【0073】
図17は、ウエハSに形成されているウエハ側マーク群71に、電極膜用マスク42に形成されている電極マスク側マーク群52の位置合わせを行うための作業工程図である。
すなわち、まず、図17(a)に示すように、ウエハ側マーク群71における最も大きいウエハ側マーク71aの位置を特定する(電極マーク群検出工程)。
【0074】
次に、図17(b)に示すように、最も大きいウエハ側マーク71aの位置から最も小さいウエハ側マーク71dの位置を特定する。
一方、電極膜用マスク42に形成されている電極マスク側マーク群52についても、ウエハ側マーク群71と同様の手順で最も小さい電極マスク側マーク52dの位置を特定する。すなわち、まず、最も大きい電極マスク側マーク52aを特定し、この電極マスク側マーク52aから最も小さい電極マスク側マーク52dの位置を特定する。
【0075】
続いて、図14(c)に示すように、最も小さいウエハ側マーク71dに、最も小さい電極マスク側マーク52dを近づける。
そして、図14(d)に示すように、これらウエハ側マーク71dと電極マスク側マーク52dとの位置を合わせ、ウエハSに対する電極膜用マスク42の位置合わせ(S46)が完了する。このように、最も小さいウエハ側マーク71dと最も小さい電極マスク側マーク52dとを利用することにより、高精度に電極膜用マスク42の位置合わせを行うことができる。すなわち、最も小さい電極マスク側マーク52d、およびウエハ側マーク71dを、電極マスク側マーク群52とウエハ側マーク群71との位置合わせ用として利用し、電極マスク側マーク52d、およびウエハ側マーク71dを含む全ての電極マスク側マーク52a〜52d、およびウエハ側マーク71a〜71dを電極マーク群検出工程に利用している。
【0076】
図12に示すように、ウエハSに電極膜用マスク42を配置した後、この電極膜用マスク42を介して不図示のフォトレジスト膜にレジストパターンを露光する(S47a)。露光が終了したら電極膜用マスク42を取り外し、この後フォトレジスト膜の現像を行い、露光部分を除去する(S47b)。
そして、残存したフォトレジスト膜をマスクとしてメタルエッチングを行ってパターニングする。その後マスクとしていたフォトレジスト膜を除去することで、励振電極15、および重り金属膜21が形成され、電極形成工程(S40)が終了する。
【0077】
電極形成工程(S40)を行った後、ウエハSに形成された全ての振動腕部10,11に対して、共振周波数を粗く調整する粗調工程を行う(S51)。
これは、例えば重り金属膜21の粗調膜21a(図5、図6参照)にレーザー光を照射して、一対の振動腕部10,11の先端にかかる重量を軽減させることで、周波数を粗く調整する工程である。
【0078】
次いで、ウエハSと圧電振動片4とを連結していた不図示の連結部を切断して、複数の圧電振動片4をウエハSから切り離して小片化する切断工程を行う(S52)。これにより、ウエハSから、励振電極15、マウント電極16,17、および引き出し電極19,20、および重り金属膜21が形成された圧電振動片4を一度に複数製造することができる。
【0079】
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、外形マスク41の位置合わせに用いるアライメントマークを、複数の外形マスク側マーク51a〜51dからなる外形マスク側マーク群51とし、ウエハSと電極膜用マスク42の位置合わせに用いるアライメントマークを、それぞれ複数のウエハ側マーク71a〜71dからなるウエハ側マーク群71、および複数の電極マスク側マーク52a〜52dからなる電極マスク側マーク群52とし、それぞれ最も大きいマーク51a,52a,71aから最も小さいマーク51d,52d,71dを順に特定していくことで、最も小さいマーク51d,52d,71dを速やかに特定することができる。また、位置合わせに最も小さいマーク51d,52d,71d利用することにより、外形形成工程(S20)や電極形成工程(S40)を、より特定すると、レジストパターン形成工程(S23,S43)を、容易、かつ高精度に行うことが可能になる。
【0080】
また、各マーク51a〜71dは、最も大きいマーク51a〜71aを除いた3つのマーク51b〜71dが、最も大きいマーク51a〜71aの形成範囲W1内に配置されている。これに加え、各マーク51a〜71dは、最も大きいマーク51a〜71aからマークが小さくなるに連れて図11における右下側に順にずれるように所定の配列パターンで配置されている。
このため、最も大きいマーク51a〜71aを特定した時点で最も小さいマーク51d〜71dの位置を容易に予測することができるので、最も大きいマーク51a〜71aを特定してから最も小さいマーク51d〜71dを特定するまでの作業効率を向上させることができる。
【0081】
また、各マーク51a〜71dを十字状に形成することで、最も大きいマーク51a〜71aの形成範囲W1に他のマーク51b〜71dを配置することができる。
すなわち、例えば、各外形マスク側マーク51a〜51dを円形状とした場合、最も大きい外形マスク側マーク51aの円の内側に、他の外形マスク側マーク51b〜51dを形成することが困難になる。このため、複数の外形マスク側マーク51a〜51dを配置する範囲を大きく確保する必要がある。
しかしながら、外形マスク側マーク51a〜51dを十字状に形成することにより、最も大きい外形マスク側マーク51aの形成範囲W1に、他の外形マスク側マーク51b〜51dを形成することができるので、外形マスク側マーク51a〜51dを配置する範囲の省スペース化を図ることができる。これと同様に、各マーク52a〜71dを配置する範囲の省スペース化も図ることができる。
【0082】
(発振器)
次に、図18に基づいて、本発明に係る発振器の一実施形態について説明する。
図18は、発振器の構成図である。
同図に示すように、発振器100は、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101、および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0083】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片4が振動する。この振動は、圧電振動片4が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。
これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0084】
(効果)
したがって、上述の発振器100によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、発振器100自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0085】
(電子機器)
次に、図19に基づいて、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
図19は、電子機器である携帯情報機器の構成図である。
同図に示すように、携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ、およびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化、および軽量化されている。
【0086】
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0087】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信、および受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0088】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路、およびインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片4が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0089】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123、および呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117、または増幅部120から入力された音声信号を符号化、および複号化する。増幅部120は、音声処理部118、または音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0090】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー、およびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0091】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119、および着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0092】
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0093】
(効果)
したがって、上述の携帯情報機器110によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0094】
(電波時計)
次に、図20に基づいて、本発明に係る電波時計の一実施形態について説明する。
図20は、電波時計の一実施形態を示す構成図である。
同図に示すように、本実施形態の電波時計130は、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0095】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz、および60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0096】
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0097】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0098】
(効果)
したがって、上述の電波時計130によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、電波時計自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0099】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、圧電振動子1を製造するにあたって用いられる外形マスク41に、アライメントマークとして外形マスク側マーク群51を形成すると共に、電極膜用マスク42にアライメントマークとして電極マスク側マーク群52を形成し、これらマーク群51,52が十字状のマーク51a〜52dで構成されている場合について説明した。また、各マーク51a〜52dが、図11において、最も大きいマーク51a,52aから、大きいマークの順に徐々に右下にずれていくように配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各マーク群51,52は、大きさの異なる少なくとも2つのマークにより構成されていればよく、十字形状に限られるものでもない。また、各マークが所定の配列パターンで配置されていればよく、各マークの配列パターンは、図11に示す配列パターンに限られるものではない。
【0100】
より具体的には、例えば、図21に示すようなマーク群81としてもよい。
図21は、各マーク群の他の実施形態の詳細図である。
同図に示すように、マーク群81は、複数(例えば4つ)のマーク81a〜81dにより構成されている。各マーク81a〜81dは、四角形の額縁状に形成されており、それぞれ大きさが異なっている。そして、最も大きいマーク81aから最も小さくマーク81dまで、図21における右方向に向かって順次並んで配置されている。
このように構成されたマーク群81を用いて外形マスク41の位置合わせ、および電極膜用マスク42の位置合わせを行っても、前述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0101】
1 圧電振動子
4 圧電振動片
13 第1の励振電極
14 第2の励振電極
15 励振電極(電極部)
24 圧電板
41 外形マスク
42 電極膜用マスク
51 外形マスク側マーク群
51a 最も大きい外形マスク側マーク
51b,51c 外形マスク側マーク
51d 最も小さい外形マスク側マーク
52 電極マスク側マーク群
52a 最も大きい電極マスク側マーク
52b,52c 電極マスク側マーク
52d 最も小さい電極マスク側マーク
71 ウエハ側マーク群
71a 最も大きいウエハ側マーク
71b,71c ウエハ側マーク
71d 最も小さいウエハ側マーク
81 マーク群
81a 最も大きいマーク
81b,81c マーク
81d 最も小さいマーク
100 発振器
101 集積回路
110 携帯情報機器(電子機器)
113 時計部
130 電波時計
131 フィルタ部
S ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電板と、
電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部とを備えた圧電振動片の製造方法において、
圧電材料からなるウエハの両面に、圧電板形成用マスク材を塗布した後、前記圧電板の形成用に用意された一対の外形マスクを配置し、その後、これら外形マスクを介して光を照射して前記圧電板の外形を形成する外形形成工程と、
前記圧電板の外形形状が形成された前記ウエハに電極膜マスク材を塗布した後、電極膜用に用意された電極膜用マスクを配置し、その後、前記電極膜用マスクを介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程とを有し、
前記レジストパターン形成工程は、
前記ウエハに形成されたウエハ側マーク群と、前記電極膜用マスクに形成された電極マスク側マーク群とを検出する電極マーク群検出工程と、
前記ウエハ側マーク群と前記電極マスク側マーク群とを位置合わせしながら前記ウエハに前記電極膜用マスクを配置する電極マスク配置工程とを有し、
前記ウエハ側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つのウエハ側マークにより構成され、
前記電極マスク側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つの電極マスク側マークにより構成され、
それぞれ最も小さいウエハ側マーク、および電極マスク側マークを互いのマークの位置合わせ用として利用し、最も小さいウエハ側マーク、および電極マスク側マークを除いた全てのウエハ側マーク、および電極マスク側マークを、前記電極マーク群検出工程に利用することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
各ウエハ側マーク、および各電極マスク側マークは、それぞれ所定の配列パターンで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
各ウエハ側マークは、最も大きいウエハ側マークの形成範囲内に、他のウエハ側マークが配置されていると共に、
各電極マスク側マークは、最も大きい電極マスク側マークの形成範囲内に、他の電極マスク側マークが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項4】
圧電板と、
電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部とを備えた圧電振動片の製造方法において、
圧電材料からなるウエハの両面に、圧電板形成用マスク材を塗布した後、前記圧電板の形成用に用意された一対の外形マスクを配置し、その後、これら外形マスクを介して光を照射して前記圧電板の外形を形成する外形形成工程と、
前記圧電板の外形形状が形成された前記ウエハに電極膜マスク材を塗布した後、電極膜用に用意された電極膜用マスクを配置し、その後、前記電極膜用マスクを介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程とを有し、
前記外形形成工程は、
各外形マスクに形成された外形マスク側マーク群を検出する外形マーク群検出工程と、
各外形マスクの外形マスク側マーク群の位置を合わせながら前記ウエハに各外形マスクを配置する外形マスク配置工程とを有し、
前記外形マスク側マーク群は、互いに大きさの異なる少なくとも2つの外形マスク側マークにより構成され、
各外形マスクに形成されている最も小さい外形マスク側マークを、互いのマークの位置合わせ用として利用し、最も小さい外形マスク側マークを除いた全ての外形マスク側マークを、前記外形マーク群検出工程に利用することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項5】
各外形マスク側マークは、それぞれ所定の配列パターンで配置されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項6】
各外形マスク側マークは、最も大きい外形マスク側マークの形成範囲内に、他の外形マスク側マークが配置されていることを特徴とする請求項5に記載の圧電振動片の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載の圧電振動片の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする圧電振動子。
【請求項8】
請求項7に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項9】
請求項7に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項7に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−169863(P2012−169863A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29127(P2011−29127)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】