最適化された感度を有する圧力測定デバイス
【課題】最適化された感度を有するMEMSおよび/またはNEMS圧力測定デバイスを提供する。
【解決手段】基板2上で懸架された変形可能な膜4であって、膜の面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、歪みゲージを備え、膜4の変形を検出する手段であって、基板2上に形成される検出手段6と、膜4の変形を増幅された形で検出手段6に伝達する変形不能なアーム14とを備え、アーム14が、膜4の面にほぼ平行な軸線Yの周りで回転可能に基板2にヒンジ留めされ、膜4の変形を増幅された形で検出手段6に伝達するように膜と一体である。
【解決手段】基板2上で懸架された変形可能な膜4であって、膜の面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、歪みゲージを備え、膜4の変形を検出する手段であって、基板2上に形成される検出手段6と、膜4の変形を増幅された形で検出手段6に伝達する変形不能なアーム14とを備え、アーム14が、膜4の面にほぼ平行な軸線Yの周りで回転可能に基板2にヒンジ留めされ、膜4の変形を増幅された形で検出手段6に伝達するように膜と一体である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適化された感度を有する圧力センサであって、MEMS(微小電気機械システム)および/またはNEMS(ナノ電気機械システム)タイプのものであるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、従来、その2つの面の間に掛けられる圧力差を受けて変形することができる、埋込み膜で作られる。絶対圧力センサの場合、膜が、真空下の基準体積を測定される外部媒体から分離する。次に、膜は、外圧に応じて多少変形する。
【0003】
膜の変形は様々な技術によって検出し測定することができる。
【0004】
それらの1つは容量型である。膜のたわみは、膜とそれに面する固定対向電極との間に形成されたコンデンサの容量の変動を測定することによって決定される。膜は第1の基板上に作られ、対向電極は第2の基板上に形成され、次に、両方の基板は真空下で封止される。したがって、コンデンサエアギャップ距離は、封止するエアギャップによって決定されるが、これを完全に制御することは難しい。
【0005】
別の検出技術は圧電抵抗ゲージを実装するものであり、ゲージは次に、膜上に直接設けられ、膜は次に、膜の変形によって直接変形される。
【0006】
別の検出技術は、例えば懸架ビームまたは音叉タイプのものである共振器を実装するものである。この技術は、共振器の共振周波数の変動を測定するものである。圧力の影響による膜のたわみは、膜に直接取り付けられた共振器に対する歪みを生成し、その結果、その共振周波数が変化する。したがって、周波数オフセットの測定によって圧力を取得することができる。
【0007】
使用される検出技術にかかわらず、圧力センサは最適化された感度を提供しない。さらに、それらは容易な差動検波を可能にしない。
【0008】
さらに、製造方法の観点から見て、MEMS圧力センサを作るのに実施される技術は、一般に、表面技術において慣性センサを作るのに使用されるものとは大きく異なる。その結果、これら2つのタイプのセンサを融合することはほぼ不可能である。
【0009】
特許文献1は、測定ゲージが形成される余分な厚さを備えた懸架膜を備え、それらゲージが2つの独立した要素上で固着されていない、圧力センサについて記載している。余分な厚さは膜とともに変形した屈曲であり、それによってゲージが変形する。ゲージは回転軸上に設けられる。このセンサは最適化された感度を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0143738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、最適化された感度を可能にするMEMSおよび/またはNEMSタイプの圧力測定デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的は、基板とともにキャビティを画定する膜と、基板の第1の端部に膜にほぼ平行な軸線の周りで移動可能かつ回転可能に取り付けられ、第2の端部で膜と一体的に作られた、膜の変形を伝達する素子と、伝達素子の第1の端部に設けられた伝達素子の回転移動を検出する1つまたは複数の検出器であって、容量型もしくは共振型の懸架歪みゲージタイプのもの(つまり、その2つの端部によって空間に懸架されたゲージ)であり得る1つまたは複数の検出器とを備える、MEMSおよび/またはNEMSタイプの圧力測定デバイスによって達成される。伝達素子はレバーアームを形成し、したがって1つまたは複数の検出器に対する影響は増幅され、それによって圧力センサの感度を最適化することができる。このように作られたセンサは、性能が改善されるか、または等しい性能でサイズを低減させることができる。
【0013】
さらに、膜および1つまたは複数の検出器は分断され、1つまたは複数の検出器は膜の直上になく、したがって膜および1つまたは複数の検出器を別個に最適化することが可能になる。
【0014】
さらに、使用される検出器タイプにかかわらず、差動測定を行うのは比較的簡単である。
【0015】
換言すれば、膜によって検出器(1つまたは複数)に出力される信号を伝達し増幅することができ、膜および1つまたは複数の検出器を位置的および機械的に分断することができるレバーアームが使用される。
【0016】
したがって、本発明による圧力センサは、表面技術におけるMEMSまたはNEMS慣性センサの製造技術を用いて作ることができ、それにより、異なるタイプのセンサを単一の基板上で関連付けることが容易になる。
【0017】
したがって、本発明の1つの主題は、基板上で懸架された少なくとも1つの変形可能な膜であって、膜の面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、膜の変形を検出する手段であって、少なくとも部分的に基板上に設けられる検出手段と、膜の変形を検出手段に伝達する手段とを備え、前記伝達手段が変形不能であり、前記伝達手段が膜の上方で懸架され、前記伝達手段が、膜の面にほぼ平行な軸線の周りで回転可能に基板にヒンジ留めされ、測定される圧力を受けるように意図される面とは反対側の膜の面に面して設けられて、少なくとも所与の圧力を超えて前記伝達手段および膜が互いに一体的に移動可能であり、前記伝達手段が、膜の変形による変形または応力を増幅された形で検出手段に伝達する、MEMSおよび/またはNEMS圧力測定デバイスである。
【0018】
「変形不能な伝達手段」によって、膜および検出手段の剛性の少なくとも10〜100倍の剛性を有する伝達手段、例えばビームを意味する。
【0019】
さらに、膜の変位は、圧力の影響下でのその変形に相当する。
【0020】
回転によって、例えばねじれ付勢ビーム(torsion biased beam)によって得られる、ねじれによって生じるアームの移動、または例えば屈曲ビーム、前記アームの回転の一部に追随するビームの屈曲による、屈曲によって生じるアームの移動を意味する。
【0021】
一実施形態では、伝達手段は、有利には膜の最大変形範囲で膜と一体的である。
【0022】
別の実施形態では、所与の圧力よりも低い圧力の場合、アームの第2の端部と膜との間に間隔が設けられる。
【0023】
例えば、伝達手段は、検出手段が位置する少なくとも1つの第1の端部とアームが膜と一体である別の端部とを備える少なくとも1つの長手方向のアームを備える。
【0024】
例示的な一実施形態では、長手方向のアームは、アームの長手方向軸線に沿って可撓性であり、膜の変形の軸線に沿って剛性であるリンクを通して膜と一体である。
【0025】
一実施形態によれば、伝達手段は、長手方向のアームの第1の端部を検出手段に接続し、長手方向のアームに直交する少なくとも1つのねじれビームを備え、回転軸は、一方ではアームの第1の端部に、他方では基板および検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成される。
【0026】
ねじれビームは可変の断面を有することができる。有利には、ねじれビームの断面は、検出手段に対する固着部分の近傍では、基板に対する固着部分の近傍よりも大きく、それによって前記固着を剛性化することができる。
【0027】
別の実施形態では、伝達手段は、長手方向のアームにほぼ平行な少なくとも1つの屈曲ビームを備え、屈曲軸は、一方では長手方向のアームに、他方では基板に固定される前記屈曲ビームによって形成される。有利には、屈曲ビームの断面は伝達アームよりも狭い。
【0028】
特に興味深い例示的な一実施形態では、長手方向のアームは「U」字パターンを有し、前記パターンは、アームの前記第1の端部に対応する2つの端部を備え、前記第1の端部はそれぞれ横延長ビームを通して検出手段に接続される。
【0029】
屈曲ビームは、単一の横延長ビームを備えた単一の第1の端部を備えるものと予期することができる。
【0030】
付加的な特性によれば、デバイスは、膜を剛性化する手段を備えることができる。例えば、剛性化手段は、例えば放射方向でまたはハニカムとして設けられる、膜上の余分な厚さ範囲を形成する。
【0031】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、アームの第1の端部でアームに取り付けられた釣合い重りを備えることができる。
【0032】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、同じ圧力を受ける複数の変形可能な膜を備えることができ、伝達手段はすべての膜と一体である。
【0033】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、膜の変形を制限するように、圧力を受ける膜の面に対向して膜に面して設けられる停止部を備えることができる。
【0034】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、測定される圧力を受ける面に対向して膜の周りにキャビティを画定する、基板上のキャップを備えることができる。
【0035】
例えば、測定される圧力を受ける膜の面、および圧力が測定される環境は、キャップを通して、かつ/またはキャップと基板との間で連通することができる。
【0036】
一実施形態によれば、検出手段は、一端によって固定パッドを通して基板に、また別の端部によってねじれビームまたは伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備える。
【0037】
例えば、歪みゲージは、圧電抵抗ゲージ、圧電ゲージ、および共振器と呼ばれる共振ゲージから選択される。
【0038】
例示的な一実施形態では、検出手段は、そのどちらかの面では一端によってねじれビームに、また別の端部によって固定パッドを通して基板に取り付けられる、2つの歪みゲージを備えることができる。有利には、これらのゲージは、伝達アームに対して対称的に設けられる。あるいは、ゲージを同じ面に設けることもできる。
【0039】
別の例示的な実施形態では、検出手段は、そのどちらかの面ではねじり軸の近傍で、かつ好ましくは可能な限りそれに近接して、一方では伝達アームの第1の端部の少なくとも1つに、また別の端部では固定パッドによって基板に取り付けられる、2つの歪みゲージを備える。
【0040】
有利には、固定パッドは電気接点を備える。
【0041】
別の実施形態では、検出手段は、第1の端部によってねじれビームに、また別の端部によって基板上の固定パッドに接続される少なくとも1つの共振器と、共振器を励起する手段と、共振器の共振周波数を検出する手段とを備える。
【0042】
別の実施形態では、検出手段は可変容量タイプのものである。例えば、検出手段は、基板上の少なくとも1つの第1の固定電極と、伝達手段と一体であって固定電極に面する少なくとも1つの第1の可動電極とを備える。
【0043】
圧力測定デバイスは、第2の固定電極および第2の可動電極を備えることができ、差動測定デバイスを形成するように、前記第2の電極は回転軸に対して第1の電極に対向して位置する。
【0044】
例示的な一実施形態では、キャビティは緊密である。例えば、前記緊密なキャビティで真空が作られて、絶対圧力センサを形成する。ゲッター材料は、膜の上方および/またはキャップに面する基板上に位置するキャップ範囲で、キャップ上に堆積させることができる。
【0045】
別の例示的な実施形態では、キャビティは外部環境に接続されて、相対圧力センサまたはマイクロホンが形成される。キャビティと外部環境との間の接続は、キャップを通してまたはキャップと基板との間に形成されるベントによって作ることができる。
【0046】
本発明の1つの主題は、また、本発明による少なくとも1つの圧力測定デバイスと、同じ基板の上または中に作られた少なくとも1つの慣性センサとを備える、MEMSおよび/またはNEMSアセンブリを提供することである。
【0047】
本発明の別の主題は、
a)基板上の堆積およびエッチングによって、キャップを除くセンサの様々な素子を作成するステップと、
b)基板上にキャップを作成するか、または基板上にキャップを移送および封止するステップと、
c)膜を解放するステップとを含む、本発明による圧力測定デバイスを製造する方法である。
【0048】
基板上のキャップの封止は、例えば真空下で行われる。
【0049】
ステップa)またはb)の間、方法は、キャップおよび/または基板の内面にゲッター材料を堆積するサブステップを含むことができる。
【0050】
再接続は、例えば、前面および/または裏面のビアを用いて成される。
【0051】
本発明の別の主題は、本発明による方法のステップを含む一連のセンサの製造方法であり、ステップa)において、少なくとも1つの慣性センサが同時に作成される。
【0052】
本発明は、以下の記載および添付図面を使用してより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A−1B】図1Aは、本発明による懸架歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。図1Bは、本発明による懸架歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の線A−Aに沿った断面図である。
【図1A.】回転可能なヒンジが屈曲変形可能なビームによって作られた、図1Aの代替実施形態を示す図である。
【図1B.】軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アームとの間の軸線Zに沿って剛性であるヒンジが作られた、図1A’の代替実施形態の斜視図である。
【図2A】本発明による容量性検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。
【図2B】本発明による容量性検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の長手方向断面図である。
【図3】差動容量性測定を実行する圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。
【図4】複数の膜を備える歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図5A−5B】図5Aは、センサを損傷することがある過剰圧力リスクを制限することができる機械的停止部を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。図5Bは、センサを損傷することがある過剰圧力リスクを制限することができる機械的停止部を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の線B−Bに沿った断面図である。
【図6A−6B】図6Aは、変形可能な膜の局所的な剛性化を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。図6Bは、変形可能な膜の局所的な剛性化を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の線C−Cに沿った断面図である。
【図7】加速に対する感度を低減させた、歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図8】共振圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図9】ゲッター層を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的な実施形態の縦断面図である。
【図10】ベントを備え、歪みゲージ検出を含む本発明による相対圧力測定デバイスまたはマイクロホンの代替実施形態の縦断面図である。
【図11】ベントを備え、歪みゲージ検出を含む本発明による相対圧力測定デバイスまたはマイクロホンの代替実施形態の縦断面図である。
【図12A−12B】図12Aは、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの代替実施形態の平面図である。図12Bは、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの代替実施形態の線D−Dに沿った断面図である。
【図13】歪みゲージ検出および慣性センサを含む本発明による圧力測定デバイスを一体化するアセンブリの縦断面図である。
【図14】ここでは膜と反対側を貫通する電気接点を備えた、図13のアセンブリの代替実施形態の縦断面図である。
【図15A】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15B】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15C】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの縦断面図である。
【図15D】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15E】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15F】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15G】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15H】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの縦断面図である。
【図16】圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。
【図17A−17B】図17Aは、圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。図17Bは、圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの断面E−Eに沿った縦断面図である。
【図17A.】圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの縦断面図である。
【図18A】受動静圧補償手段を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。
【図18B】受動静圧補償手段を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの断面E−Eに沿った縦断面図である。
【図19】圧電測定を実行し、軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アームとの間の軸線Zに沿って剛性であるヒンジを備える、圧力測定デバイスの例示的な実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の記載では、センサはMEMSおよび/またはNEMSタイプのものであるが、単純にするため、単に「センサ」という用語によって指定される。
【0055】
同じ機能および同じ形状を有する要素および部分は同じ参照番号によって指定される。
【0056】
図1Aおよび1Bはそれぞれ、基板2と、基板上で懸架される膜4であって、その両面の圧力差の作用を受けて変形する膜4と、基板上に位置する膜の変形を検出する手段6と、膜4の変形を検出手段6に伝達することができる手段とを備える、圧力センサの例示的な一実施形態の平面図および断面図である。
【0057】
本出願では、単純にするため、「基板」によって、支持基板2と、例えば膜および伝達手段が作られる層(1つもしくは複数)など、この支持基板上に設けられる層とを意図する。
【0058】
膜4は、その面の1つ4.1において、測定することが望ましい圧力Pを受け、図1Bの図面では、これは膜の下面である。他の面4.2は、膜4とキャップ12との間に形成されるキャビティ10で作られる基準圧力を受ける。絶対圧力センサの場合、真空がキャビティ10に作られる。キャップ12は、漏止めビード13を用いて、またはビードがないタイプの直接封止によって、基板2上に封止される。
【0059】
図示される実施例では、膜4はディスク形状(図1Aの点線内)であるが、正方形、六角形などの任意の他の形状を有することができる。
【0060】
膜4の変形を検出手段6に伝達する手段は、長手方向軸線Xを有し、第1の長手方向端部14.1で基板に対して移動可能かつ回転可能に取り付けられたアーム14によって形成され、回転軸Yは、膜および基板の面にほぼ平行である。さらに、アーム14はその第2の長手方向端部14.2で膜と一体的に移動可能に作られる。アームは変形不能であり、つまり、膜および伝達手段の剛性の少なくとも10〜100倍の剛性を有する。アーム14は膜4の上方で懸架され、すなわち膜の上方に位置し、アーム14と膜との間にエアギャップが存在し、アーム14と膜4との唯一の接触はアーム14の第2の長手方向端部14.2である。
【0061】
アームは、図示される実施例では、断面が長方形の剛性ビームの形状を有する。あるいは、ビームは台形を有することができる。
【0062】
好ましくは、アーム14の第2の長手方向端部14.2は、最大変形を有する範囲において、またはその近傍で膜と一体である。したがって、検出手段によって見出される回転軸Yを中心にしたアームの移動は最大であり、したがってセンサ感度が最適化される。
【0063】
当然ながら、膜と一体のアーム14の部分は、第1の長手方向端部14.1と第2の長手方向端部14.2との間の、第2の長手方向端部14.2とは別の部分であることができる。
【0064】
検出手段6は、アームの第1の長手方向端部14.1の移動を検出するように基板上に設けられ、この移動は膜4の変形幅に比例する。アーム14はレバーアームを形成するので、検出手段6によって見出される応力は膜変形に対して増幅される。ゲージ測定の場合、レバーアームはゲージに掛けられる応力を増加させるが、運動量保存の法則により、膜の変形幅に対する変形幅を減少させる。
【0065】
図1Aに示される一実施形態では、軸線Yの枢動リンクは、軸線Yを中心にして付勢される軸線Yのねじれを伴ってビーム18によって形成される。ビームは、基板上でその端部それぞれにおいて固着される。以下の記載では、ビーム18は「ねじり軸18」と指定される。有利には、このビーム18は、応力すべてを伝達し、ゲージがその上に取り付けられる、軸線Xに沿った屈曲剛性部(flexure rigid part)と、やはり応力の軸線Xに沿って屈曲剛性である、その端部で一部を形成するねじり軸線とを備える。
【0066】
別の実施形態では、また図1A’および1B’に示されるように、アーム14の軸線に平行な軸線を有する1つまたは複数の屈曲付勢ビーム118によって回転ヒンジを形成することができる。図1B’では、ビーム118は屈曲状態で見ることができ、さらにこの代替例では、軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アーム14との間の軸線Zに沿って剛性であるリンク15は、図3の実施形態と同様に機能する。好ましくは、伝達素子は、ほぼU字形であり、U字の底部は膜4と一体に作られ、2つの分岐の自由端は第1の端部を形成し、検出手段を付勢する。
【0067】
図1Aおよび1Bならびに1A’および1B’に示されるデバイスでは、検出手段6は、第1の端部16.1によってねじり軸18上に、また第2の端部16.2によって基板2に対する固定パッド20にそれぞれ取り付けられた、2つの懸架歪みゲージ16によって形成される。その結果、アーム14によって増幅された応力は、ゲージの長手方向端部に加えられる。
【0068】
軸線Yに対する横断方向でのビーム18の剛性は、好ましくは、ゲージ(1つまたは複数)の圧縮状態での剛性の少なくとも10倍超過であり、それによって、ビーム18の変形とビームに伝達される変形の低減が回避される。
【0069】
ゲージ16は、回転軸およびアーム14のどちらかの側に設けられる。
【0070】
検出手段は単一の歪みゲージのみを備えてもよい。2つの歪みゲージを実装することによって差動測定を行うことが可能になって、デバイスの感熱性が低くなる。
【0071】
ゲージの固定パッド上には電気接点22、24が形成される。パッド20の1つには、電気接点24が基板2の裏面の変形可能な膜の側に作られ、歪みゲージ16を付勢するのに使用することができる。接点は、ビアまたはTSV(貫通シリコンビア(Through Silicon Vias))を用いて、または固定パッド20を通してゲージに接続される。
【0072】
歪みゲージは、圧電材料または圧電抵抗材料のものであり得る。
【0073】
ゲージは、それらの受感軸がリンクアームにほぼ平行であるように、したがってリンクアームの回転軸にほぼ直交するように方向付けられる。それに加えて、各ゲージの中立線は、伝達アームの回転軸の上方または下方に設けられる。これについて、ゲージはねじれビームおよび/または屈曲ビームよりも薄い厚さを有することができる。例えば、このより薄い厚さを同じ層から得るため、余分な厚さを前記ビームに堆積させることができる。
【0074】
次に、図1Aおよび1Bの圧力センサの動作について説明する。
【0075】
基準圧力であるキャビティ10の内部と接触している膜4の面4.2と、圧力を測定することが望ましい環境と接触している膜の面4.1との間に圧力差が現れると、膜は変形する。変形は、測定される圧力の基準圧力に対する値に応じて、キャビティから内側に、あるいはキャビティから外側に生じる。
【0076】
この変形は、膜と一体のアーム14に対する力を誘発し、その結果、歪みゲージ16に応力が生成される。この応力は、アームおよびその軸線Yを中心にした枢動によって増幅される。次に、例えば、圧電抵抗ゲージの場合はゲージの電気抵抗の変動を測定することによって、ゲージ16が受けた応力が測定される。その結果、これらの測定によって、膜および環境圧力で見出される圧力差を決定することができる。
【0077】
膜による力の作用点と回転軸Yとの間のアーム長さが長くなるので、レバーアームによる応力の増幅はすべてより高くなり、回転軸はゲージに対する応力の作用点に近接する。ゲージの断面(厚さ、幅)が小さくなるので、応力はやはりすべてより高くなる。
【0078】
したがって、センサの感度が増加される。したがって、例えば膜の面積を低減させる一方で同じ性能を保存することによって、より効率的なセンサを提供するか、または結果としてセンサのサイズを低減することができる。
【0079】
図2Aおよび2Bでは、検出が容量性手段によって行われる、本発明による圧力センサを見ることができる。
【0080】
検出手段6’は容量型のものであり、つまり、コンデンサ25の容量の変動の測定を通して検出が得られる。検出手段6’は、基板2上に位置する固定電極26と、アーム14と一体であり、固定電極26に面する可動電極28とを備える。可動電極28は、アーム14の第1の端部14.1に取り付けられる。固定電極26は接点30に接続され、可動電極は、ねじり軸18の固定パッドの1つに形成された電気接点に接続される。
【0081】
膜4が変形されると、アーム14は可動電極28をともに駆動し、それによって固定電極26に対して移動させる。両方の電極26、28の間のエアギャップ距離が変動するが、この変動は、膜4の変形を、またしたがって環境圧力を表す。
【0082】
アーム14を実装したおかげで、可動電極28の変位を膜4の変位に対して増幅することができる。したがって、所与の圧力に対して、容量の変動が増加する。圧力センサの感度はこのように増加される。
【0083】
図3では、容量検出を含み、差動測定を可能にする圧力センサの例示的な一実施形態を見ることができる。
【0084】
このセンサは、第2の容量変動を測定できるようにするため、少なくとも1つの付加的な可変容量コンデンサ32を備えるという点で、図2Aおよび2Bのものとは異なる。図示される実施例では、2つの付加的なコンデンサ32があり、したがって、可動電極34はねじり軸18と膜4との間に位置し、アーム14のどちらかの側でねじり軸18に接続される。固定電極36(点線で表される)は、基板2上の可動電極34に面して位置する。固定電極36は接点パッド37および30に接続される。
【0085】
コンデンサ25の容量が増加すると、付加的なコンデンサ32の容量が減少することに留意されたい。好ましくは、ねじり軸18と電極28との間の距離は、増幅を同じにするように、ねじり軸と電極34との間の距離と同じである。差動測定を得るため、電極28の面積は両方の電極34の面積の合計と等しいように選択される。
【0086】
図4では、複数の膜4を備え、アーム14が膜4それぞれに接続され、図示される実施例では、2つの膜が軸線Xのそれぞれの側に設けられ、アームが、アーム39のそれぞれの側で延在し、それらの端部の近傍で膜4に接続される、2つの平行な横断素子39を備える、図1Aおよび1Bの圧力センサの代替実施形態を見ることができる。
【0087】
4つの膜4の変形はアーム14に歪みを加えるが、4つの膜の合計面積は単一の膜の合計面積よりも大きく、アームに加えられる力およびしたがってゲージに加えられる力が増加する。この実施形態は、圧電抵抗または共振ゲージなどの歪みゲージセンサに関して特に興味深い。
【0088】
図5Aおよび5Bでは、図1Aおよび1Bの圧力センサの別の代替実施形態を見ることができる。センサは、膜4とキャップとの間に設けられる停止手段38を備える。
【0089】
停止部38は、膜4の移動を、また結果としてアーム14の移動を制限して、ゲージ16を保護するのに使用される。実際に、圧力チョックの場合、膜によって見出される圧力は製造中に与えられる測定範囲外にある場合があり、膜4は、アーム14を介して、ゲージ(1つまたは複数)16が抵抗できる応力よりも高い応力を加える可能性がある。
【0090】
停止部38を、最大変形を有する膜の範囲に多少近接させて位置付けることによって、膜の移動およびしたがってアームの移動が制限され始める圧力レベルを単純に設定することができる。
【0091】
例えば、停止部がキャップ12によって直接、またはアームの上方でキャップ上に作られる場合、停止部がアームの上方にあり、アームの停止部を直接形成することを予期することができる。
【0092】
停止部の電位を制御するため、電気接点40を停止部の固定パッドに付加することができ、例えば、停止部は膜の電位にあることができ、それによって、膜が停止部と接触している場合の短絡のリスク、および停止部に対する膜の寄生静電引力のリスクを回避することができる。
【0093】
図6Aおよび6Bでは、図1Aおよび1Bの圧力センサの別の代替実施形態を見ることができる。膜4’は、アーム14およびゲージ(1つまたは複数)16に加えられる応力の利益のために膜4の変形を低減するため、局所的に増加した剛性を有する。
【0094】
図示される実施例では、膜4は、傘の骨に類似した構造を有する放射方向の余分な厚さ41を膜4に付加することによって、局所的に剛性化される。ハニカム構造、ならびに膜の剛性を増加させる他の任意の手段も適切であり得る。剛性化のレベルは、センサが加速に対して敏感になりすぎるのを回避するために選択される。
【0095】
図7では、ねじり軸18とアーム14の第1の長手方向端部14.1との間でアーム14に取り付けられ、アーム14および/または膜4の重量を補償する釣合い重り42を備える、図1Aおよび1Bのセンサの別の代替実施形態を見ることができる。
【0096】
好ましくは、また図7に示されるように、釣合い重り42はアーム14の第1の端部14.1に取り付けられる。釣合い重り42は、釣合い重り42が付加される膜4とアーム14のアセンブリの重心を、回転軸Yに可能な限り近接するように、またはさらには回転軸Y上に来るように、回転軸Yに向かって移動させる。
【0097】
したがって、圧力センサは、面外加速(off−plane acceleration)に対して、つまり膜をたわませる傾向がある加速に対して低感度であるか、またはさらには非感受性である。
【0098】
図8では、検出手段6’’が共振型のものである、本発明による圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。検出手段6’’は、ねじり軸18と電気接点を保持する固定パッド46との間で懸架される共振器44と、共振器44を励起する手段48と、共振器44の共振周波数の変動を、つまりその共振周波数を検出する手段50とを備える。励起手段48および検出手段50は、例えば容量型のものであり、電極によって形成される。共振器は圧電型であり得る。したがって、励起および検出は共振器に設けられる電極によって達成される。第2の共振器を軸線Yの反対側に設けることもできる。
【0099】
共振器は、アーム14の面外移動に敏感であるようにするため、ねじり軸18に対して低減された厚さを有する。
【0100】
このセンサの動作は次のとおりである。膜4が変形すると、それによってアーム14に応力が加わり、それが共振器44に伝達される。共振器44は励起手段48によって励起され、共振して振動する。それに加わる応力によって、共振周波数が変動し、その変動が次に検出手段50によって測定される。結果として、膜変形およびしたがって環境圧力を取得することができる。
【0101】
図9では、例えばキャビティ10内部に位置するキャップの面上に堆積される、キャビティ10に設けられたゲッター材料層51を備える、絶対圧力センサのさらに別の代替実施形態を見ることができる。この層51によって、キャビティ10内で真空を安定化および/または改善することができ、それによってセンサの信頼性および性能が改善される。
【0102】
図10および11では、基準キャビティが大気圧に接続される場合の、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの別の代替例を見ることができる。
【0103】
図10では、ベント52は、例えばエッチングまたはレーザー穿孔によって、キャップ12を貫通して優先的に直接作られる。
【0104】
図11では、ベント52’は、例えば漏止めビードによって、キャップ12と基板4との間で横方向に形成される。
【0105】
これらのデバイスは相対圧力センサまたはマイクロホンを形成することができる。
【0106】
図12Aおよび12Bでは、膜4の下面4.2が、基板の面に平行に基板に形成されたダクト54、およびキャップの面に垂直にキャップ12を通って、かつセンサの前面に開口して形成されたダクト55によって測定される圧力と接触する、図1Aおよび1Bの圧力センサのさらに別の代替実施形態を見ることができる。ダクト54は、チップを、例えば鋸またはレーザーを用いて作られる切断線を製造するときに作ることができる。
【0107】
図13では、本発明による圧力センサと慣性センサとの例示的な一体化を見ることができる。この一体化は、本発明による圧力センサPSを、加速度計またはジャイロメータなどの慣性センサ技術を用いて作ることができるという事実によって可能になる。
【0108】
図13では、圧力センサPS(図13の図面の右側)、ならびに圧力センサと同じ基板に作られたインターデジタル構造の容量性コーム(capacitive combs)56を備える慣性センサIS(図13の図面の左側)を見ることができる。
【0109】
図示される実施例では、慣性センサISの封入は、キャビティ58を圧力センサのキャビティ10と区別することによって達成され、漏止めビード60がそれらを分離する。しかし、閉じたキャビティ10の場合、センサPSおよびIS両方に対して単一のキャビティを考慮することができる。
【0110】
図14でも、圧力センサPSおよび慣性センサISの例示的な一体化を見ることができ、他の実施例のように基板を通る裏面ではなく、キャップの前面を通るビア(またはTSV)によって前面で再接続が行われる。
【0111】
図16では、別の例示的な実施形態を見ることができる。センサの構造は、図1Aのセンサの構造に近い。膜変形の検出は圧電ゲージによって達成される。
【0112】
図示される実施例では、圧力センサは、圧力センサの静圧および/または自己校正および/または自己診断補償を備える。
【0113】
センサは、容量性作動(capacitive actuation)を有する二対の電極66.1、66.2を備え、第1のもの66.1は回転軸Yと膜4とのリンクとの間に位置し、他方のもの66.2は回転軸Yの他方に位置する。各対の上部電極と呼ばれる電極はアーム上に位置し、各対の下部電極と呼ばれる電極は基板上に位置するが、基板から電気的に絶縁される。下部電極は点線で表される。
【0114】
各対の上部電極は、アーム14およびパッド19を通して電気的に接続される。接続パッド68は対66.1の下部電極の作動を担保し、接続パッド70は対66.2の下部電極の作動を担保する。
【0115】
電極66.1、66.2を作動させると、下部電極と上部電極との間に静電力が現れる。
【0116】
図16の図面では、電極66.1の作動によってアームが上向きに移動することができ、電極66.2の作動によってアームが上向きに移動することができ、それによって膜変形に作用することができる。
【0117】
電極66.1の作動によって、アーム14が時計方向に枢動し、膜が基板2に向かって移動し、それによって、この静圧から来る膜変形のすべてまたは一部を相殺して、この圧力周辺での圧力の変動のみを測定することができる。
【0118】
例えば、気圧の約0.5倍を相殺するように要求することができる。
【0119】
これは、静圧値周辺での圧力の非常に小さな変動を測定しなければならない圧力センサの場合に特に興味深い。
【0120】
電極66.2の作動によって、アームが反時計方向に枢動し、膜が基板2から離れる方向に移動する。
【0121】
作動電極66.2の作動によって自己診断を行うことができる。その結果、電極対66.2の静電作動手段によって膜4を上向きに変形させることによって、また検出手段がこの誘発された変形に感度を持つことを検査することによって、センサの滑らかな動作を検査することができる。
【0122】
作動電極66.2の作動によって自己校正も行うことができる。この場合、圧力センサは、作動電極66.2の間に既知の電圧を印加し、基準圧力を「シミュレート」する膜の変形を誘発し、結果としてセンサからの出力信号をリセットできるようにすることによって校正される。
【0123】
検出手段、例えば圧電抵抗ゲージは、この補償された静圧周辺での圧力の変動を測定するのに使用される。
【0124】
自己診断および/または自己校正手段あるいは静圧相殺手段のみを備える圧力センサは、本発明の範囲外ではない。
【0125】
これらの電極を実装することによって、特に容量性検出の場合に、アームおよび膜の位置を制御可能にすることができる。
【0126】
有利な形では、電極対66.1は膜4に対して回転軸Yの反対側に位置する。
【0127】
図17では、圧力センサの静圧および/または自己校正および/または自己診断補償手段を備える圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。
【0128】
この実施例では、作動電極は膜に直接作用することができるようなものである。
【0129】
図17Aおよび17Bでは、作動電極69は膜の上方に位置し、これはMEMS層に作られる。電極69は、長手方向軸Xに垂直に延在するビームの形態である。図示された実施例では、ビームはその端部の一方では埋め込まれ、埋込み部71は電気接続も形成する。あるいは、電極69は膜の表面全体に延在することができる。有利な形では、作動電極はその両端で埋め込まれる。
【0130】
別の実施例では、作動電極70’は、基板の一部を使用することによって膜14の下方に位置することができる。これについて、圧力取込み開口部の断面は低減され、それによって基板の一部が膜に面することができる。この実施例は図17A’に示される。
【0131】
図18Aおよび18Bでは、受動静圧補償手段を備える圧力センサの特に興味深い一実施形態を見ることができる。
【0132】
この例示的な実施形態では、膜変形の初期段階においてアーム14の作用を伴わずに膜が変形できるようにするため、膜とレバーアーム14の端部との間に間隔72が設けられる。間隔72は、補償される静圧の割合に応じて決定される。例えば、この静圧の90%を補償するのが望ましい場合があり、したがって、ゲージは補償される静圧の90%を上回って加えられる圧力を超える応力のみを確かめる。
【0133】
この実施形態のおかげで、圧力センサの分解能を5〜10倍に増加させることができる。
【0134】
あるいは、圧力センサは、間隔72に加えて、膜と増幅アームとの間の可撓性の機械的なリンクを備えることができる。この可撓性のリンクは、膜が増幅アーム14と直接機械的に接触しない限り、ゲージに対して実質的に応力を伝達しないように寸法決めされる。この可撓性の機械的リンクによって、膜およびアーム14が圧力にかかわらず同じ電位にあることが可能になる。可撓性のリンクは、例えば可撓性のビームまたはバネによって形成される。
【0135】
図19では、有利には膜4とアーム14との間に可撓性のヒンジ115を備える、圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。このヒンジはバネまたは屈曲ビームタイプのものである。図19では、これは屈曲ビーム116であり、それによって、膜変形によって誘発されるZ軸線に沿った歪みを完全に伝達するとともに、この変形によるアーム14の軸線に沿うX軸線に沿った寄生歪みを制限することが可能になる。このリンクは、膜変形を妨害しないように軸線Xに沿ってある程度の可撓性を有し、変形全体を膜からアームに伝達するためある程度の剛性を有する。
【0136】
歪みゲージ検出を含む圧力センサに関して代替実施形態を記載してきたが、図4、5A、5B、6A、6B、7、9、10、11、12A、12B、13〜19の代替例は、図2A、2B、3、および8それぞれに示される容量検出を含む圧力センサまたは共振圧力センサに適用可能である。
【0137】
膜の周りに設けられる個別の検出手段に変形をそれぞれ伝達し、レバーアームが放射方向に延在する、複数のレバーアームの実装を考慮することができる。
【0138】
さらに、本発明の範囲から逸脱することなく異なる代替例を組み合わせることができる。
【0139】
本発明のおかげで、膜および検出手段は分断され、それによってそれらを別個に最適化することができる。
【0140】
さらに、共振センサの場合または歪みゲージ検出を含む場合の応力の増幅、および容量検出センサの場合の移動の増幅は、高感度利得をもたらし、圧力センサをより効率的にすることができるか、あるいはそのサイズを低減することができる。
【0141】
それに加えて、本発明のおかげで、圧電抵抗検出手段ならびに容量または共振検出手段両方の使用する場合において、差動測定圧力センサの製造は技術的に単純化される。この差動測定によって、信号/雑音比を増加させ、センサの感熱性を制限することができる。
【0142】
さらに、本発明による圧力センサの製造技術は、表面技術におけるMEMSおよび/またはNEMS慣性センサの製造技術に非常に近く、したがって、既存の方法のほとんどを組み合わせることが可能である。また、その結果、図13および14に示されるこれらの様々なセンサを融合することが可能である。
【0143】
歪みゲージ検出の特定の場合では、ゲージはナノメートル規模の断面のものであることができ、それによって高い応力集中が担保され、感度が増加する。さらに、ゲージはキャップによって外部媒体から保護される。
【0144】
容量性検出の場合、キャビティ10の体積は膜と固定電極との間の静電エアギャップに干渉しない。その結果、真空下で高い体積を有するキャビティ10を作ることができ、それによって、従来のセンサよりも安定し、かつより高い傾向にある基準真空を得ることができる。
【0145】
さらに、膜と固定電極との間にある静電エアギャップは、犠牲層によって画定されるため、良好に制御される。
【0146】
キャビティの真空閉止(vacuum closing)は、例えば、共融、陽極、SDB(シリコンダイレクトボンディング)、または直接封止によって、封止中に作られる。この場合、封止は、両方の基板の付着を担保する表面力を使用し、このタイプの閉止によって、蒸着プラギング(deposition plugging)を用いて得られるよりも信頼性の高い、良好な真空の質を得ることができる。
【0147】
それに加えて、製造方法によって、ゲッター材料を真空キャビティ10に挿入することが可能になり、これは、特に低圧力感受性のセンサを作るため、時間に伴って高く安定した基準真空が望ましい場合に特に興味深い。
【0148】
最後に、センサの感受性部分の表面技術によって製造方法に一体化されるTSV(貫通シリコンビア)タイプの技術を使用して、膜および基板の電気的再接続を単純化することができ、センサの前面または裏面のどちらかによる再接続が可能になる。
【0149】
次に、図1Aおよび1Bの歪みゲージ検出を含む圧力センサを製造する例示的な方法を、素子の平面図および断面図をそれぞれ示す図15A〜15Hを使用して記載する。
【0150】
図示される異なるステップで作られている圧力センサの様々な部品の位置は、これらの部品の参照番号によって指定される。
【0151】
ベース基板上に薄層を連続的に堆積させ機械加工することによる、表面技術における製造方法に関する。
【0152】
最初に、厚さ1μmのBOX(「埋込み酸化物」)および厚さ0.2μmの能動シリコン層で作られてもよい、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板100がある。第2の層は、エピタキシーまたはシリコンもしくはSiGeの堆積によって得ることができる。
【0153】
シリコン上部層102は、数十nmと数μmとの間の厚さを有する。SOI基板の酸化物層は101として指定される。
【0154】
歪みゲージ、ねじり軸、膜4の縁部、ゲージの接点および埋込みの範囲の縁部、ならびに裏面のねじり軸および再接続の開口部を画定するため、リソグラフィステップが行われる。図15Aでは、埋込みパッドの接点における開口部が作られ、それによって、これら開口部の酸化物エッチングに続いて、エピタキシーステップ中に基板100と能動層102との間で電気接点を取得することが可能になる。
【0155】
次に、酸化物層101上で終わるシリコン層のエッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。
【0156】
図15Aに示される素子が得られる。
【0157】
次に続くステップ中、SiO2層106の堆積が行われる。
【0158】
次に、歪みゲージ、膜4を保護するため、またゲージおよびねじり軸の接点範囲と埋込みパッドの開口部と、膜4に対するアーム14の固着範囲64の開口部を画定するため、リソグラフィが行われる。
【0159】
次に、層102のシリコンおよびSOI基板のシリコン上で終わる層101および106の酸化物エッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。このようにして得られる素子は図15Bに見ることができる。
【0160】
次に続くステップ中、例えばエピタキシーによって、一般的に1μmと数十μmとの間の厚さを有する、単結晶シリコン層または多結晶シリコン層108の堆積が行われる。層108のメカノケミカルポリシングを行うことができる。得られる素子は図15Cに見ることができる。
【0161】
次に続くステップ中、膜4の開口部範囲およびゲージ16の開口部範囲を画定し、アーム14および接点隔離範囲を画定するため、層108に対してリソグラフィが行われる。次に、SiO2層106および101で終わる層108のエッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。得られる素子は図15Dに見ることができる。
【0162】
次に続くステップ中、例えば蒸気フッ化水素酸を用いて、アーム14、ねじり軸、およびゲージがエッチングによって解放される。このステップ中、層106全体ならびにSOI基板のSiO2の一部がエッチングされる。このステップ中、膜4はまだ解放されない。得られる素子は図15Eに見ることができる。
【0163】
次に続くステップ中、ビード13を用いてキャップの真空封止が行われる。あるいは、封止は、例えば共融タイプ、またはガラスキャップの場合は陽極タイプ、つまりビードがないものであることができ、封止は表面12および108両方を直接付着することによって達成される。キャビティは、少なくとも可動部品の上方で、封止の前にキャップに前もって作られる。
【0164】
キャップは前もって準備したものであることができる。キャップの準備は、キャビティを作るステップ、ゲッターを堆積させるステップ、共融封止の場合は電気的またはさらには電子的な(CMOS融合)経路を作るステップを含むことができる。
【0165】
このようにして膜の周りの緊密なキャビティ10が形成される。
【0166】
次に、例えば、裏面の研磨または「裏面研削」およびメカノケミカルポリシングによって、基板の薄化が行われる。得られる素子は図15Fに見ることができる。
【0167】
次に続くステップ中、裏面の接点を作るため、基板の裏面に金属層の堆積が行われる。
【0168】
次に、裏面の接点を結合するためにこの層のリソグラフィが行われ、最終的に金属層のエッチングが行われる。残っている金属層上の樹脂が除去される。
【0169】
接点隔離範囲と膜4の開口部の境界を定めるため、裏面で新たなリソグラフィが行われるとともに、例えばSOI基板の酸化物層101で終わる深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によって、基板のエッチングが裏面で行われる。残っている樹脂が除去される。
【0170】
得られる素子は図15Gに見ることができる。
【0171】
最後に、SOI基板の酸化物層の裏面のエッチングが行われる。膜が解放される。慣性センサの機械加工は、層101で終わるMEMS部品のエッチング(図15D)と同時に行われ、ステップ15E中に慣性センサが解放される。
【0172】
得られる素子は図15Hに見ることができる。
【0173】
あるいは、例えば酸化物の犠牲層が上に堆積されており、かつ第1のポリシリコンまたはSiGe−ポリ層が堆積されている、SOI基板の代わりに標準基板を使用することが予期される。以下のステップは、SOI基板から始まる上述のステップに類似している。
【0174】
厚さ値は単に一例として与えられる。一般に、(酸化物)犠牲層は数十nmと数ミクロンの間であり、Si、SiGeなどの能動層は数十nmと数十μmの間である。
【0175】
本発明による圧力測定デバイスは、圧力測定が求められる任意の分野で、例えば自動車分野、医療分野、航空電子工学分野で、かつ消費者用途に使用することができる。
【0176】
さらに、このセンサは、例えば携帯電話などに見られるような、消費者用途向けのマイクロホンを作るのに、または医療分野では補聴器を作るのに使用することができる。
【符号の説明】
【0177】
2 基板
4 膜
4.1、4.2 膜の面
6 検出手段
10 キャビティ
12 キャップ
14 アーム
14.1 第1の長手方向端部
14.2 第2の長手方向端部
16 歪みゲージ
16.1 第1の端部
16.2 第2の端部
18 ビーム
19 パッド
20 固定パッド
22、24 電気接点
P 圧力
X 長手方向軸線
Y 回転軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適化された感度を有する圧力センサであって、MEMS(微小電気機械システム)および/またはNEMS(ナノ電気機械システム)タイプのものであるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、従来、その2つの面の間に掛けられる圧力差を受けて変形することができる、埋込み膜で作られる。絶対圧力センサの場合、膜が、真空下の基準体積を測定される外部媒体から分離する。次に、膜は、外圧に応じて多少変形する。
【0003】
膜の変形は様々な技術によって検出し測定することができる。
【0004】
それらの1つは容量型である。膜のたわみは、膜とそれに面する固定対向電極との間に形成されたコンデンサの容量の変動を測定することによって決定される。膜は第1の基板上に作られ、対向電極は第2の基板上に形成され、次に、両方の基板は真空下で封止される。したがって、コンデンサエアギャップ距離は、封止するエアギャップによって決定されるが、これを完全に制御することは難しい。
【0005】
別の検出技術は圧電抵抗ゲージを実装するものであり、ゲージは次に、膜上に直接設けられ、膜は次に、膜の変形によって直接変形される。
【0006】
別の検出技術は、例えば懸架ビームまたは音叉タイプのものである共振器を実装するものである。この技術は、共振器の共振周波数の変動を測定するものである。圧力の影響による膜のたわみは、膜に直接取り付けられた共振器に対する歪みを生成し、その結果、その共振周波数が変化する。したがって、周波数オフセットの測定によって圧力を取得することができる。
【0007】
使用される検出技術にかかわらず、圧力センサは最適化された感度を提供しない。さらに、それらは容易な差動検波を可能にしない。
【0008】
さらに、製造方法の観点から見て、MEMS圧力センサを作るのに実施される技術は、一般に、表面技術において慣性センサを作るのに使用されるものとは大きく異なる。その結果、これら2つのタイプのセンサを融合することはほぼ不可能である。
【0009】
特許文献1は、測定ゲージが形成される余分な厚さを備えた懸架膜を備え、それらゲージが2つの独立した要素上で固着されていない、圧力センサについて記載している。余分な厚さは膜とともに変形した屈曲であり、それによってゲージが変形する。ゲージは回転軸上に設けられる。このセンサは最適化された感度を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0143738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の1つの目的は、最適化された感度を可能にするMEMSおよび/またはNEMSタイプの圧力測定デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的は、基板とともにキャビティを画定する膜と、基板の第1の端部に膜にほぼ平行な軸線の周りで移動可能かつ回転可能に取り付けられ、第2の端部で膜と一体的に作られた、膜の変形を伝達する素子と、伝達素子の第1の端部に設けられた伝達素子の回転移動を検出する1つまたは複数の検出器であって、容量型もしくは共振型の懸架歪みゲージタイプのもの(つまり、その2つの端部によって空間に懸架されたゲージ)であり得る1つまたは複数の検出器とを備える、MEMSおよび/またはNEMSタイプの圧力測定デバイスによって達成される。伝達素子はレバーアームを形成し、したがって1つまたは複数の検出器に対する影響は増幅され、それによって圧力センサの感度を最適化することができる。このように作られたセンサは、性能が改善されるか、または等しい性能でサイズを低減させることができる。
【0013】
さらに、膜および1つまたは複数の検出器は分断され、1つまたは複数の検出器は膜の直上になく、したがって膜および1つまたは複数の検出器を別個に最適化することが可能になる。
【0014】
さらに、使用される検出器タイプにかかわらず、差動測定を行うのは比較的簡単である。
【0015】
換言すれば、膜によって検出器(1つまたは複数)に出力される信号を伝達し増幅することができ、膜および1つまたは複数の検出器を位置的および機械的に分断することができるレバーアームが使用される。
【0016】
したがって、本発明による圧力センサは、表面技術におけるMEMSまたはNEMS慣性センサの製造技術を用いて作ることができ、それにより、異なるタイプのセンサを単一の基板上で関連付けることが容易になる。
【0017】
したがって、本発明の1つの主題は、基板上で懸架された少なくとも1つの変形可能な膜であって、膜の面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、膜の変形を検出する手段であって、少なくとも部分的に基板上に設けられる検出手段と、膜の変形を検出手段に伝達する手段とを備え、前記伝達手段が変形不能であり、前記伝達手段が膜の上方で懸架され、前記伝達手段が、膜の面にほぼ平行な軸線の周りで回転可能に基板にヒンジ留めされ、測定される圧力を受けるように意図される面とは反対側の膜の面に面して設けられて、少なくとも所与の圧力を超えて前記伝達手段および膜が互いに一体的に移動可能であり、前記伝達手段が、膜の変形による変形または応力を増幅された形で検出手段に伝達する、MEMSおよび/またはNEMS圧力測定デバイスである。
【0018】
「変形不能な伝達手段」によって、膜および検出手段の剛性の少なくとも10〜100倍の剛性を有する伝達手段、例えばビームを意味する。
【0019】
さらに、膜の変位は、圧力の影響下でのその変形に相当する。
【0020】
回転によって、例えばねじれ付勢ビーム(torsion biased beam)によって得られる、ねじれによって生じるアームの移動、または例えば屈曲ビーム、前記アームの回転の一部に追随するビームの屈曲による、屈曲によって生じるアームの移動を意味する。
【0021】
一実施形態では、伝達手段は、有利には膜の最大変形範囲で膜と一体的である。
【0022】
別の実施形態では、所与の圧力よりも低い圧力の場合、アームの第2の端部と膜との間に間隔が設けられる。
【0023】
例えば、伝達手段は、検出手段が位置する少なくとも1つの第1の端部とアームが膜と一体である別の端部とを備える少なくとも1つの長手方向のアームを備える。
【0024】
例示的な一実施形態では、長手方向のアームは、アームの長手方向軸線に沿って可撓性であり、膜の変形の軸線に沿って剛性であるリンクを通して膜と一体である。
【0025】
一実施形態によれば、伝達手段は、長手方向のアームの第1の端部を検出手段に接続し、長手方向のアームに直交する少なくとも1つのねじれビームを備え、回転軸は、一方ではアームの第1の端部に、他方では基板および検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成される。
【0026】
ねじれビームは可変の断面を有することができる。有利には、ねじれビームの断面は、検出手段に対する固着部分の近傍では、基板に対する固着部分の近傍よりも大きく、それによって前記固着を剛性化することができる。
【0027】
別の実施形態では、伝達手段は、長手方向のアームにほぼ平行な少なくとも1つの屈曲ビームを備え、屈曲軸は、一方では長手方向のアームに、他方では基板に固定される前記屈曲ビームによって形成される。有利には、屈曲ビームの断面は伝達アームよりも狭い。
【0028】
特に興味深い例示的な一実施形態では、長手方向のアームは「U」字パターンを有し、前記パターンは、アームの前記第1の端部に対応する2つの端部を備え、前記第1の端部はそれぞれ横延長ビームを通して検出手段に接続される。
【0029】
屈曲ビームは、単一の横延長ビームを備えた単一の第1の端部を備えるものと予期することができる。
【0030】
付加的な特性によれば、デバイスは、膜を剛性化する手段を備えることができる。例えば、剛性化手段は、例えば放射方向でまたはハニカムとして設けられる、膜上の余分な厚さ範囲を形成する。
【0031】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、アームの第1の端部でアームに取り付けられた釣合い重りを備えることができる。
【0032】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、同じ圧力を受ける複数の変形可能な膜を備えることができ、伝達手段はすべての膜と一体である。
【0033】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、膜の変形を制限するように、圧力を受ける膜の面に対向して膜に面して設けられる停止部を備えることができる。
【0034】
別の付加的な特性によれば、デバイスは、測定される圧力を受ける面に対向して膜の周りにキャビティを画定する、基板上のキャップを備えることができる。
【0035】
例えば、測定される圧力を受ける膜の面、および圧力が測定される環境は、キャップを通して、かつ/またはキャップと基板との間で連通することができる。
【0036】
一実施形態によれば、検出手段は、一端によって固定パッドを通して基板に、また別の端部によってねじれビームまたは伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備える。
【0037】
例えば、歪みゲージは、圧電抵抗ゲージ、圧電ゲージ、および共振器と呼ばれる共振ゲージから選択される。
【0038】
例示的な一実施形態では、検出手段は、そのどちらかの面では一端によってねじれビームに、また別の端部によって固定パッドを通して基板に取り付けられる、2つの歪みゲージを備えることができる。有利には、これらのゲージは、伝達アームに対して対称的に設けられる。あるいは、ゲージを同じ面に設けることもできる。
【0039】
別の例示的な実施形態では、検出手段は、そのどちらかの面ではねじり軸の近傍で、かつ好ましくは可能な限りそれに近接して、一方では伝達アームの第1の端部の少なくとも1つに、また別の端部では固定パッドによって基板に取り付けられる、2つの歪みゲージを備える。
【0040】
有利には、固定パッドは電気接点を備える。
【0041】
別の実施形態では、検出手段は、第1の端部によってねじれビームに、また別の端部によって基板上の固定パッドに接続される少なくとも1つの共振器と、共振器を励起する手段と、共振器の共振周波数を検出する手段とを備える。
【0042】
別の実施形態では、検出手段は可変容量タイプのものである。例えば、検出手段は、基板上の少なくとも1つの第1の固定電極と、伝達手段と一体であって固定電極に面する少なくとも1つの第1の可動電極とを備える。
【0043】
圧力測定デバイスは、第2の固定電極および第2の可動電極を備えることができ、差動測定デバイスを形成するように、前記第2の電極は回転軸に対して第1の電極に対向して位置する。
【0044】
例示的な一実施形態では、キャビティは緊密である。例えば、前記緊密なキャビティで真空が作られて、絶対圧力センサを形成する。ゲッター材料は、膜の上方および/またはキャップに面する基板上に位置するキャップ範囲で、キャップ上に堆積させることができる。
【0045】
別の例示的な実施形態では、キャビティは外部環境に接続されて、相対圧力センサまたはマイクロホンが形成される。キャビティと外部環境との間の接続は、キャップを通してまたはキャップと基板との間に形成されるベントによって作ることができる。
【0046】
本発明の1つの主題は、また、本発明による少なくとも1つの圧力測定デバイスと、同じ基板の上または中に作られた少なくとも1つの慣性センサとを備える、MEMSおよび/またはNEMSアセンブリを提供することである。
【0047】
本発明の別の主題は、
a)基板上の堆積およびエッチングによって、キャップを除くセンサの様々な素子を作成するステップと、
b)基板上にキャップを作成するか、または基板上にキャップを移送および封止するステップと、
c)膜を解放するステップとを含む、本発明による圧力測定デバイスを製造する方法である。
【0048】
基板上のキャップの封止は、例えば真空下で行われる。
【0049】
ステップa)またはb)の間、方法は、キャップおよび/または基板の内面にゲッター材料を堆積するサブステップを含むことができる。
【0050】
再接続は、例えば、前面および/または裏面のビアを用いて成される。
【0051】
本発明の別の主題は、本発明による方法のステップを含む一連のセンサの製造方法であり、ステップa)において、少なくとも1つの慣性センサが同時に作成される。
【0052】
本発明は、以下の記載および添付図面を使用してより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A−1B】図1Aは、本発明による懸架歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。図1Bは、本発明による懸架歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の線A−Aに沿った断面図である。
【図1A.】回転可能なヒンジが屈曲変形可能なビームによって作られた、図1Aの代替実施形態を示す図である。
【図1B.】軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アームとの間の軸線Zに沿って剛性であるヒンジが作られた、図1A’の代替実施形態の斜視図である。
【図2A】本発明による容量性検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。
【図2B】本発明による容量性検出を含む圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の長手方向断面図である。
【図3】差動容量性測定を実行する圧力測定デバイスの例示的な一実施形態の平面図である。
【図4】複数の膜を備える歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図5A−5B】図5Aは、センサを損傷することがある過剰圧力リスクを制限することができる機械的停止部を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。図5Bは、センサを損傷することがある過剰圧力リスクを制限することができる機械的停止部を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の線B−Bに沿った断面図である。
【図6A−6B】図6Aは、変形可能な膜の局所的な剛性化を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。図6Bは、変形可能な膜の局所的な剛性化を有する、本発明による歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の線C−Cに沿った断面図である。
【図7】加速に対する感度を低減させた、歪みゲージ検出を含む圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図8】共振圧力測定デバイスの別の例示的な実施形態の平面図である。
【図9】ゲッター層を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的な実施形態の縦断面図である。
【図10】ベントを備え、歪みゲージ検出を含む本発明による相対圧力測定デバイスまたはマイクロホンの代替実施形態の縦断面図である。
【図11】ベントを備え、歪みゲージ検出を含む本発明による相対圧力測定デバイスまたはマイクロホンの代替実施形態の縦断面図である。
【図12A−12B】図12Aは、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの代替実施形態の平面図である。図12Bは、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの代替実施形態の線D−Dに沿った断面図である。
【図13】歪みゲージ検出および慣性センサを含む本発明による圧力測定デバイスを一体化するアセンブリの縦断面図である。
【図14】ここでは膜と反対側を貫通する電気接点を備えた、図13のアセンブリの代替実施形態の縦断面図である。
【図15A】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15B】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15C】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの縦断面図である。
【図15D】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15E】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15F】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15G】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの平面図および縦断面図である。
【図15H】本発明による圧力測定デバイスを製造するステップの縦断面図である。
【図16】圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。
【図17A−17B】図17Aは、圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。図17Bは、圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの断面E−Eに沿った縦断面図である。
【図17A.】圧力センサの静圧補償および/または自己校正および/または自己診断を可能にする、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの縦断面図である。
【図18A】受動静圧補償手段を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの平面図である。
【図18B】受動静圧補償手段を備える、歪みゲージ検出を含む本発明による別の例示的なセンサの断面E−Eに沿った縦断面図である。
【図19】圧電測定を実行し、軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アームとの間の軸線Zに沿って剛性であるヒンジを備える、圧力測定デバイスの例示的な実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の記載では、センサはMEMSおよび/またはNEMSタイプのものであるが、単純にするため、単に「センサ」という用語によって指定される。
【0055】
同じ機能および同じ形状を有する要素および部分は同じ参照番号によって指定される。
【0056】
図1Aおよび1Bはそれぞれ、基板2と、基板上で懸架される膜4であって、その両面の圧力差の作用を受けて変形する膜4と、基板上に位置する膜の変形を検出する手段6と、膜4の変形を検出手段6に伝達することができる手段とを備える、圧力センサの例示的な一実施形態の平面図および断面図である。
【0057】
本出願では、単純にするため、「基板」によって、支持基板2と、例えば膜および伝達手段が作られる層(1つもしくは複数)など、この支持基板上に設けられる層とを意図する。
【0058】
膜4は、その面の1つ4.1において、測定することが望ましい圧力Pを受け、図1Bの図面では、これは膜の下面である。他の面4.2は、膜4とキャップ12との間に形成されるキャビティ10で作られる基準圧力を受ける。絶対圧力センサの場合、真空がキャビティ10に作られる。キャップ12は、漏止めビード13を用いて、またはビードがないタイプの直接封止によって、基板2上に封止される。
【0059】
図示される実施例では、膜4はディスク形状(図1Aの点線内)であるが、正方形、六角形などの任意の他の形状を有することができる。
【0060】
膜4の変形を検出手段6に伝達する手段は、長手方向軸線Xを有し、第1の長手方向端部14.1で基板に対して移動可能かつ回転可能に取り付けられたアーム14によって形成され、回転軸Yは、膜および基板の面にほぼ平行である。さらに、アーム14はその第2の長手方向端部14.2で膜と一体的に移動可能に作られる。アームは変形不能であり、つまり、膜および伝達手段の剛性の少なくとも10〜100倍の剛性を有する。アーム14は膜4の上方で懸架され、すなわち膜の上方に位置し、アーム14と膜との間にエアギャップが存在し、アーム14と膜4との唯一の接触はアーム14の第2の長手方向端部14.2である。
【0061】
アームは、図示される実施例では、断面が長方形の剛性ビームの形状を有する。あるいは、ビームは台形を有することができる。
【0062】
好ましくは、アーム14の第2の長手方向端部14.2は、最大変形を有する範囲において、またはその近傍で膜と一体である。したがって、検出手段によって見出される回転軸Yを中心にしたアームの移動は最大であり、したがってセンサ感度が最適化される。
【0063】
当然ながら、膜と一体のアーム14の部分は、第1の長手方向端部14.1と第2の長手方向端部14.2との間の、第2の長手方向端部14.2とは別の部分であることができる。
【0064】
検出手段6は、アームの第1の長手方向端部14.1の移動を検出するように基板上に設けられ、この移動は膜4の変形幅に比例する。アーム14はレバーアームを形成するので、検出手段6によって見出される応力は膜変形に対して増幅される。ゲージ測定の場合、レバーアームはゲージに掛けられる応力を増加させるが、運動量保存の法則により、膜の変形幅に対する変形幅を減少させる。
【0065】
図1Aに示される一実施形態では、軸線Yの枢動リンクは、軸線Yを中心にして付勢される軸線Yのねじれを伴ってビーム18によって形成される。ビームは、基板上でその端部それぞれにおいて固着される。以下の記載では、ビーム18は「ねじり軸18」と指定される。有利には、このビーム18は、応力すべてを伝達し、ゲージがその上に取り付けられる、軸線Xに沿った屈曲剛性部(flexure rigid part)と、やはり応力の軸線Xに沿って屈曲剛性である、その端部で一部を形成するねじり軸線とを備える。
【0066】
別の実施形態では、また図1A’および1B’に示されるように、アーム14の軸線に平行な軸線を有する1つまたは複数の屈曲付勢ビーム118によって回転ヒンジを形成することができる。図1B’では、ビーム118は屈曲状態で見ることができ、さらにこの代替例では、軸線Xに沿って可撓性であり、膜と伝達アーム14との間の軸線Zに沿って剛性であるリンク15は、図3の実施形態と同様に機能する。好ましくは、伝達素子は、ほぼU字形であり、U字の底部は膜4と一体に作られ、2つの分岐の自由端は第1の端部を形成し、検出手段を付勢する。
【0067】
図1Aおよび1Bならびに1A’および1B’に示されるデバイスでは、検出手段6は、第1の端部16.1によってねじり軸18上に、また第2の端部16.2によって基板2に対する固定パッド20にそれぞれ取り付けられた、2つの懸架歪みゲージ16によって形成される。その結果、アーム14によって増幅された応力は、ゲージの長手方向端部に加えられる。
【0068】
軸線Yに対する横断方向でのビーム18の剛性は、好ましくは、ゲージ(1つまたは複数)の圧縮状態での剛性の少なくとも10倍超過であり、それによって、ビーム18の変形とビームに伝達される変形の低減が回避される。
【0069】
ゲージ16は、回転軸およびアーム14のどちらかの側に設けられる。
【0070】
検出手段は単一の歪みゲージのみを備えてもよい。2つの歪みゲージを実装することによって差動測定を行うことが可能になって、デバイスの感熱性が低くなる。
【0071】
ゲージの固定パッド上には電気接点22、24が形成される。パッド20の1つには、電気接点24が基板2の裏面の変形可能な膜の側に作られ、歪みゲージ16を付勢するのに使用することができる。接点は、ビアまたはTSV(貫通シリコンビア(Through Silicon Vias))を用いて、または固定パッド20を通してゲージに接続される。
【0072】
歪みゲージは、圧電材料または圧電抵抗材料のものであり得る。
【0073】
ゲージは、それらの受感軸がリンクアームにほぼ平行であるように、したがってリンクアームの回転軸にほぼ直交するように方向付けられる。それに加えて、各ゲージの中立線は、伝達アームの回転軸の上方または下方に設けられる。これについて、ゲージはねじれビームおよび/または屈曲ビームよりも薄い厚さを有することができる。例えば、このより薄い厚さを同じ層から得るため、余分な厚さを前記ビームに堆積させることができる。
【0074】
次に、図1Aおよび1Bの圧力センサの動作について説明する。
【0075】
基準圧力であるキャビティ10の内部と接触している膜4の面4.2と、圧力を測定することが望ましい環境と接触している膜の面4.1との間に圧力差が現れると、膜は変形する。変形は、測定される圧力の基準圧力に対する値に応じて、キャビティから内側に、あるいはキャビティから外側に生じる。
【0076】
この変形は、膜と一体のアーム14に対する力を誘発し、その結果、歪みゲージ16に応力が生成される。この応力は、アームおよびその軸線Yを中心にした枢動によって増幅される。次に、例えば、圧電抵抗ゲージの場合はゲージの電気抵抗の変動を測定することによって、ゲージ16が受けた応力が測定される。その結果、これらの測定によって、膜および環境圧力で見出される圧力差を決定することができる。
【0077】
膜による力の作用点と回転軸Yとの間のアーム長さが長くなるので、レバーアームによる応力の増幅はすべてより高くなり、回転軸はゲージに対する応力の作用点に近接する。ゲージの断面(厚さ、幅)が小さくなるので、応力はやはりすべてより高くなる。
【0078】
したがって、センサの感度が増加される。したがって、例えば膜の面積を低減させる一方で同じ性能を保存することによって、より効率的なセンサを提供するか、または結果としてセンサのサイズを低減することができる。
【0079】
図2Aおよび2Bでは、検出が容量性手段によって行われる、本発明による圧力センサを見ることができる。
【0080】
検出手段6’は容量型のものであり、つまり、コンデンサ25の容量の変動の測定を通して検出が得られる。検出手段6’は、基板2上に位置する固定電極26と、アーム14と一体であり、固定電極26に面する可動電極28とを備える。可動電極28は、アーム14の第1の端部14.1に取り付けられる。固定電極26は接点30に接続され、可動電極は、ねじり軸18の固定パッドの1つに形成された電気接点に接続される。
【0081】
膜4が変形されると、アーム14は可動電極28をともに駆動し、それによって固定電極26に対して移動させる。両方の電極26、28の間のエアギャップ距離が変動するが、この変動は、膜4の変形を、またしたがって環境圧力を表す。
【0082】
アーム14を実装したおかげで、可動電極28の変位を膜4の変位に対して増幅することができる。したがって、所与の圧力に対して、容量の変動が増加する。圧力センサの感度はこのように増加される。
【0083】
図3では、容量検出を含み、差動測定を可能にする圧力センサの例示的な一実施形態を見ることができる。
【0084】
このセンサは、第2の容量変動を測定できるようにするため、少なくとも1つの付加的な可変容量コンデンサ32を備えるという点で、図2Aおよび2Bのものとは異なる。図示される実施例では、2つの付加的なコンデンサ32があり、したがって、可動電極34はねじり軸18と膜4との間に位置し、アーム14のどちらかの側でねじり軸18に接続される。固定電極36(点線で表される)は、基板2上の可動電極34に面して位置する。固定電極36は接点パッド37および30に接続される。
【0085】
コンデンサ25の容量が増加すると、付加的なコンデンサ32の容量が減少することに留意されたい。好ましくは、ねじり軸18と電極28との間の距離は、増幅を同じにするように、ねじり軸と電極34との間の距離と同じである。差動測定を得るため、電極28の面積は両方の電極34の面積の合計と等しいように選択される。
【0086】
図4では、複数の膜4を備え、アーム14が膜4それぞれに接続され、図示される実施例では、2つの膜が軸線Xのそれぞれの側に設けられ、アームが、アーム39のそれぞれの側で延在し、それらの端部の近傍で膜4に接続される、2つの平行な横断素子39を備える、図1Aおよび1Bの圧力センサの代替実施形態を見ることができる。
【0087】
4つの膜4の変形はアーム14に歪みを加えるが、4つの膜の合計面積は単一の膜の合計面積よりも大きく、アームに加えられる力およびしたがってゲージに加えられる力が増加する。この実施形態は、圧電抵抗または共振ゲージなどの歪みゲージセンサに関して特に興味深い。
【0088】
図5Aおよび5Bでは、図1Aおよび1Bの圧力センサの別の代替実施形態を見ることができる。センサは、膜4とキャップとの間に設けられる停止手段38を備える。
【0089】
停止部38は、膜4の移動を、また結果としてアーム14の移動を制限して、ゲージ16を保護するのに使用される。実際に、圧力チョックの場合、膜によって見出される圧力は製造中に与えられる測定範囲外にある場合があり、膜4は、アーム14を介して、ゲージ(1つまたは複数)16が抵抗できる応力よりも高い応力を加える可能性がある。
【0090】
停止部38を、最大変形を有する膜の範囲に多少近接させて位置付けることによって、膜の移動およびしたがってアームの移動が制限され始める圧力レベルを単純に設定することができる。
【0091】
例えば、停止部がキャップ12によって直接、またはアームの上方でキャップ上に作られる場合、停止部がアームの上方にあり、アームの停止部を直接形成することを予期することができる。
【0092】
停止部の電位を制御するため、電気接点40を停止部の固定パッドに付加することができ、例えば、停止部は膜の電位にあることができ、それによって、膜が停止部と接触している場合の短絡のリスク、および停止部に対する膜の寄生静電引力のリスクを回避することができる。
【0093】
図6Aおよび6Bでは、図1Aおよび1Bの圧力センサの別の代替実施形態を見ることができる。膜4’は、アーム14およびゲージ(1つまたは複数)16に加えられる応力の利益のために膜4の変形を低減するため、局所的に増加した剛性を有する。
【0094】
図示される実施例では、膜4は、傘の骨に類似した構造を有する放射方向の余分な厚さ41を膜4に付加することによって、局所的に剛性化される。ハニカム構造、ならびに膜の剛性を増加させる他の任意の手段も適切であり得る。剛性化のレベルは、センサが加速に対して敏感になりすぎるのを回避するために選択される。
【0095】
図7では、ねじり軸18とアーム14の第1の長手方向端部14.1との間でアーム14に取り付けられ、アーム14および/または膜4の重量を補償する釣合い重り42を備える、図1Aおよび1Bのセンサの別の代替実施形態を見ることができる。
【0096】
好ましくは、また図7に示されるように、釣合い重り42はアーム14の第1の端部14.1に取り付けられる。釣合い重り42は、釣合い重り42が付加される膜4とアーム14のアセンブリの重心を、回転軸Yに可能な限り近接するように、またはさらには回転軸Y上に来るように、回転軸Yに向かって移動させる。
【0097】
したがって、圧力センサは、面外加速(off−plane acceleration)に対して、つまり膜をたわませる傾向がある加速に対して低感度であるか、またはさらには非感受性である。
【0098】
図8では、検出手段6’’が共振型のものである、本発明による圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。検出手段6’’は、ねじり軸18と電気接点を保持する固定パッド46との間で懸架される共振器44と、共振器44を励起する手段48と、共振器44の共振周波数の変動を、つまりその共振周波数を検出する手段50とを備える。励起手段48および検出手段50は、例えば容量型のものであり、電極によって形成される。共振器は圧電型であり得る。したがって、励起および検出は共振器に設けられる電極によって達成される。第2の共振器を軸線Yの反対側に設けることもできる。
【0099】
共振器は、アーム14の面外移動に敏感であるようにするため、ねじり軸18に対して低減された厚さを有する。
【0100】
このセンサの動作は次のとおりである。膜4が変形すると、それによってアーム14に応力が加わり、それが共振器44に伝達される。共振器44は励起手段48によって励起され、共振して振動する。それに加わる応力によって、共振周波数が変動し、その変動が次に検出手段50によって測定される。結果として、膜変形およびしたがって環境圧力を取得することができる。
【0101】
図9では、例えばキャビティ10内部に位置するキャップの面上に堆積される、キャビティ10に設けられたゲッター材料層51を備える、絶対圧力センサのさらに別の代替実施形態を見ることができる。この層51によって、キャビティ10内で真空を安定化および/または改善することができ、それによってセンサの信頼性および性能が改善される。
【0102】
図10および11では、基準キャビティが大気圧に接続される場合の、図1Aおよび1Bの圧力測定デバイスの別の代替例を見ることができる。
【0103】
図10では、ベント52は、例えばエッチングまたはレーザー穿孔によって、キャップ12を貫通して優先的に直接作られる。
【0104】
図11では、ベント52’は、例えば漏止めビードによって、キャップ12と基板4との間で横方向に形成される。
【0105】
これらのデバイスは相対圧力センサまたはマイクロホンを形成することができる。
【0106】
図12Aおよび12Bでは、膜4の下面4.2が、基板の面に平行に基板に形成されたダクト54、およびキャップの面に垂直にキャップ12を通って、かつセンサの前面に開口して形成されたダクト55によって測定される圧力と接触する、図1Aおよび1Bの圧力センサのさらに別の代替実施形態を見ることができる。ダクト54は、チップを、例えば鋸またはレーザーを用いて作られる切断線を製造するときに作ることができる。
【0107】
図13では、本発明による圧力センサと慣性センサとの例示的な一体化を見ることができる。この一体化は、本発明による圧力センサPSを、加速度計またはジャイロメータなどの慣性センサ技術を用いて作ることができるという事実によって可能になる。
【0108】
図13では、圧力センサPS(図13の図面の右側)、ならびに圧力センサと同じ基板に作られたインターデジタル構造の容量性コーム(capacitive combs)56を備える慣性センサIS(図13の図面の左側)を見ることができる。
【0109】
図示される実施例では、慣性センサISの封入は、キャビティ58を圧力センサのキャビティ10と区別することによって達成され、漏止めビード60がそれらを分離する。しかし、閉じたキャビティ10の場合、センサPSおよびIS両方に対して単一のキャビティを考慮することができる。
【0110】
図14でも、圧力センサPSおよび慣性センサISの例示的な一体化を見ることができ、他の実施例のように基板を通る裏面ではなく、キャップの前面を通るビア(またはTSV)によって前面で再接続が行われる。
【0111】
図16では、別の例示的な実施形態を見ることができる。センサの構造は、図1Aのセンサの構造に近い。膜変形の検出は圧電ゲージによって達成される。
【0112】
図示される実施例では、圧力センサは、圧力センサの静圧および/または自己校正および/または自己診断補償を備える。
【0113】
センサは、容量性作動(capacitive actuation)を有する二対の電極66.1、66.2を備え、第1のもの66.1は回転軸Yと膜4とのリンクとの間に位置し、他方のもの66.2は回転軸Yの他方に位置する。各対の上部電極と呼ばれる電極はアーム上に位置し、各対の下部電極と呼ばれる電極は基板上に位置するが、基板から電気的に絶縁される。下部電極は点線で表される。
【0114】
各対の上部電極は、アーム14およびパッド19を通して電気的に接続される。接続パッド68は対66.1の下部電極の作動を担保し、接続パッド70は対66.2の下部電極の作動を担保する。
【0115】
電極66.1、66.2を作動させると、下部電極と上部電極との間に静電力が現れる。
【0116】
図16の図面では、電極66.1の作動によってアームが上向きに移動することができ、電極66.2の作動によってアームが上向きに移動することができ、それによって膜変形に作用することができる。
【0117】
電極66.1の作動によって、アーム14が時計方向に枢動し、膜が基板2に向かって移動し、それによって、この静圧から来る膜変形のすべてまたは一部を相殺して、この圧力周辺での圧力の変動のみを測定することができる。
【0118】
例えば、気圧の約0.5倍を相殺するように要求することができる。
【0119】
これは、静圧値周辺での圧力の非常に小さな変動を測定しなければならない圧力センサの場合に特に興味深い。
【0120】
電極66.2の作動によって、アームが反時計方向に枢動し、膜が基板2から離れる方向に移動する。
【0121】
作動電極66.2の作動によって自己診断を行うことができる。その結果、電極対66.2の静電作動手段によって膜4を上向きに変形させることによって、また検出手段がこの誘発された変形に感度を持つことを検査することによって、センサの滑らかな動作を検査することができる。
【0122】
作動電極66.2の作動によって自己校正も行うことができる。この場合、圧力センサは、作動電極66.2の間に既知の電圧を印加し、基準圧力を「シミュレート」する膜の変形を誘発し、結果としてセンサからの出力信号をリセットできるようにすることによって校正される。
【0123】
検出手段、例えば圧電抵抗ゲージは、この補償された静圧周辺での圧力の変動を測定するのに使用される。
【0124】
自己診断および/または自己校正手段あるいは静圧相殺手段のみを備える圧力センサは、本発明の範囲外ではない。
【0125】
これらの電極を実装することによって、特に容量性検出の場合に、アームおよび膜の位置を制御可能にすることができる。
【0126】
有利な形では、電極対66.1は膜4に対して回転軸Yの反対側に位置する。
【0127】
図17では、圧力センサの静圧および/または自己校正および/または自己診断補償手段を備える圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。
【0128】
この実施例では、作動電極は膜に直接作用することができるようなものである。
【0129】
図17Aおよび17Bでは、作動電極69は膜の上方に位置し、これはMEMS層に作られる。電極69は、長手方向軸Xに垂直に延在するビームの形態である。図示された実施例では、ビームはその端部の一方では埋め込まれ、埋込み部71は電気接続も形成する。あるいは、電極69は膜の表面全体に延在することができる。有利な形では、作動電極はその両端で埋め込まれる。
【0130】
別の実施例では、作動電極70’は、基板の一部を使用することによって膜14の下方に位置することができる。これについて、圧力取込み開口部の断面は低減され、それによって基板の一部が膜に面することができる。この実施例は図17A’に示される。
【0131】
図18Aおよび18Bでは、受動静圧補償手段を備える圧力センサの特に興味深い一実施形態を見ることができる。
【0132】
この例示的な実施形態では、膜変形の初期段階においてアーム14の作用を伴わずに膜が変形できるようにするため、膜とレバーアーム14の端部との間に間隔72が設けられる。間隔72は、補償される静圧の割合に応じて決定される。例えば、この静圧の90%を補償するのが望ましい場合があり、したがって、ゲージは補償される静圧の90%を上回って加えられる圧力を超える応力のみを確かめる。
【0133】
この実施形態のおかげで、圧力センサの分解能を5〜10倍に増加させることができる。
【0134】
あるいは、圧力センサは、間隔72に加えて、膜と増幅アームとの間の可撓性の機械的なリンクを備えることができる。この可撓性のリンクは、膜が増幅アーム14と直接機械的に接触しない限り、ゲージに対して実質的に応力を伝達しないように寸法決めされる。この可撓性の機械的リンクによって、膜およびアーム14が圧力にかかわらず同じ電位にあることが可能になる。可撓性のリンクは、例えば可撓性のビームまたはバネによって形成される。
【0135】
図19では、有利には膜4とアーム14との間に可撓性のヒンジ115を備える、圧力センサの別の例示的な実施形態を見ることができる。このヒンジはバネまたは屈曲ビームタイプのものである。図19では、これは屈曲ビーム116であり、それによって、膜変形によって誘発されるZ軸線に沿った歪みを完全に伝達するとともに、この変形によるアーム14の軸線に沿うX軸線に沿った寄生歪みを制限することが可能になる。このリンクは、膜変形を妨害しないように軸線Xに沿ってある程度の可撓性を有し、変形全体を膜からアームに伝達するためある程度の剛性を有する。
【0136】
歪みゲージ検出を含む圧力センサに関して代替実施形態を記載してきたが、図4、5A、5B、6A、6B、7、9、10、11、12A、12B、13〜19の代替例は、図2A、2B、3、および8それぞれに示される容量検出を含む圧力センサまたは共振圧力センサに適用可能である。
【0137】
膜の周りに設けられる個別の検出手段に変形をそれぞれ伝達し、レバーアームが放射方向に延在する、複数のレバーアームの実装を考慮することができる。
【0138】
さらに、本発明の範囲から逸脱することなく異なる代替例を組み合わせることができる。
【0139】
本発明のおかげで、膜および検出手段は分断され、それによってそれらを別個に最適化することができる。
【0140】
さらに、共振センサの場合または歪みゲージ検出を含む場合の応力の増幅、および容量検出センサの場合の移動の増幅は、高感度利得をもたらし、圧力センサをより効率的にすることができるか、あるいはそのサイズを低減することができる。
【0141】
それに加えて、本発明のおかげで、圧電抵抗検出手段ならびに容量または共振検出手段両方の使用する場合において、差動測定圧力センサの製造は技術的に単純化される。この差動測定によって、信号/雑音比を増加させ、センサの感熱性を制限することができる。
【0142】
さらに、本発明による圧力センサの製造技術は、表面技術におけるMEMSおよび/またはNEMS慣性センサの製造技術に非常に近く、したがって、既存の方法のほとんどを組み合わせることが可能である。また、その結果、図13および14に示されるこれらの様々なセンサを融合することが可能である。
【0143】
歪みゲージ検出の特定の場合では、ゲージはナノメートル規模の断面のものであることができ、それによって高い応力集中が担保され、感度が増加する。さらに、ゲージはキャップによって外部媒体から保護される。
【0144】
容量性検出の場合、キャビティ10の体積は膜と固定電極との間の静電エアギャップに干渉しない。その結果、真空下で高い体積を有するキャビティ10を作ることができ、それによって、従来のセンサよりも安定し、かつより高い傾向にある基準真空を得ることができる。
【0145】
さらに、膜と固定電極との間にある静電エアギャップは、犠牲層によって画定されるため、良好に制御される。
【0146】
キャビティの真空閉止(vacuum closing)は、例えば、共融、陽極、SDB(シリコンダイレクトボンディング)、または直接封止によって、封止中に作られる。この場合、封止は、両方の基板の付着を担保する表面力を使用し、このタイプの閉止によって、蒸着プラギング(deposition plugging)を用いて得られるよりも信頼性の高い、良好な真空の質を得ることができる。
【0147】
それに加えて、製造方法によって、ゲッター材料を真空キャビティ10に挿入することが可能になり、これは、特に低圧力感受性のセンサを作るため、時間に伴って高く安定した基準真空が望ましい場合に特に興味深い。
【0148】
最後に、センサの感受性部分の表面技術によって製造方法に一体化されるTSV(貫通シリコンビア)タイプの技術を使用して、膜および基板の電気的再接続を単純化することができ、センサの前面または裏面のどちらかによる再接続が可能になる。
【0149】
次に、図1Aおよび1Bの歪みゲージ検出を含む圧力センサを製造する例示的な方法を、素子の平面図および断面図をそれぞれ示す図15A〜15Hを使用して記載する。
【0150】
図示される異なるステップで作られている圧力センサの様々な部品の位置は、これらの部品の参照番号によって指定される。
【0151】
ベース基板上に薄層を連続的に堆積させ機械加工することによる、表面技術における製造方法に関する。
【0152】
最初に、厚さ1μmのBOX(「埋込み酸化物」)および厚さ0.2μmの能動シリコン層で作られてもよい、SOI(シリコンオンインシュレータ)基板100がある。第2の層は、エピタキシーまたはシリコンもしくはSiGeの堆積によって得ることができる。
【0153】
シリコン上部層102は、数十nmと数μmとの間の厚さを有する。SOI基板の酸化物層は101として指定される。
【0154】
歪みゲージ、ねじり軸、膜4の縁部、ゲージの接点および埋込みの範囲の縁部、ならびに裏面のねじり軸および再接続の開口部を画定するため、リソグラフィステップが行われる。図15Aでは、埋込みパッドの接点における開口部が作られ、それによって、これら開口部の酸化物エッチングに続いて、エピタキシーステップ中に基板100と能動層102との間で電気接点を取得することが可能になる。
【0155】
次に、酸化物層101上で終わるシリコン層のエッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。
【0156】
図15Aに示される素子が得られる。
【0157】
次に続くステップ中、SiO2層106の堆積が行われる。
【0158】
次に、歪みゲージ、膜4を保護するため、またゲージおよびねじり軸の接点範囲と埋込みパッドの開口部と、膜4に対するアーム14の固着範囲64の開口部を画定するため、リソグラフィが行われる。
【0159】
次に、層102のシリコンおよびSOI基板のシリコン上で終わる層101および106の酸化物エッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。このようにして得られる素子は図15Bに見ることができる。
【0160】
次に続くステップ中、例えばエピタキシーによって、一般的に1μmと数十μmとの間の厚さを有する、単結晶シリコン層または多結晶シリコン層108の堆積が行われる。層108のメカノケミカルポリシングを行うことができる。得られる素子は図15Cに見ることができる。
【0161】
次に続くステップ中、膜4の開口部範囲およびゲージ16の開口部範囲を画定し、アーム14および接点隔離範囲を画定するため、層108に対してリソグラフィが行われる。次に、SiO2層106および101で終わる層108のエッチングが行われる。残っている樹脂が除去される。得られる素子は図15Dに見ることができる。
【0162】
次に続くステップ中、例えば蒸気フッ化水素酸を用いて、アーム14、ねじり軸、およびゲージがエッチングによって解放される。このステップ中、層106全体ならびにSOI基板のSiO2の一部がエッチングされる。このステップ中、膜4はまだ解放されない。得られる素子は図15Eに見ることができる。
【0163】
次に続くステップ中、ビード13を用いてキャップの真空封止が行われる。あるいは、封止は、例えば共融タイプ、またはガラスキャップの場合は陽極タイプ、つまりビードがないものであることができ、封止は表面12および108両方を直接付着することによって達成される。キャビティは、少なくとも可動部品の上方で、封止の前にキャップに前もって作られる。
【0164】
キャップは前もって準備したものであることができる。キャップの準備は、キャビティを作るステップ、ゲッターを堆積させるステップ、共融封止の場合は電気的またはさらには電子的な(CMOS融合)経路を作るステップを含むことができる。
【0165】
このようにして膜の周りの緊密なキャビティ10が形成される。
【0166】
次に、例えば、裏面の研磨または「裏面研削」およびメカノケミカルポリシングによって、基板の薄化が行われる。得られる素子は図15Fに見ることができる。
【0167】
次に続くステップ中、裏面の接点を作るため、基板の裏面に金属層の堆積が行われる。
【0168】
次に、裏面の接点を結合するためにこの層のリソグラフィが行われ、最終的に金属層のエッチングが行われる。残っている金属層上の樹脂が除去される。
【0169】
接点隔離範囲と膜4の開口部の境界を定めるため、裏面で新たなリソグラフィが行われるとともに、例えばSOI基板の酸化物層101で終わる深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によって、基板のエッチングが裏面で行われる。残っている樹脂が除去される。
【0170】
得られる素子は図15Gに見ることができる。
【0171】
最後に、SOI基板の酸化物層の裏面のエッチングが行われる。膜が解放される。慣性センサの機械加工は、層101で終わるMEMS部品のエッチング(図15D)と同時に行われ、ステップ15E中に慣性センサが解放される。
【0172】
得られる素子は図15Hに見ることができる。
【0173】
あるいは、例えば酸化物の犠牲層が上に堆積されており、かつ第1のポリシリコンまたはSiGe−ポリ層が堆積されている、SOI基板の代わりに標準基板を使用することが予期される。以下のステップは、SOI基板から始まる上述のステップに類似している。
【0174】
厚さ値は単に一例として与えられる。一般に、(酸化物)犠牲層は数十nmと数ミクロンの間であり、Si、SiGeなどの能動層は数十nmと数十μmの間である。
【0175】
本発明による圧力測定デバイスは、圧力測定が求められる任意の分野で、例えば自動車分野、医療分野、航空電子工学分野で、かつ消費者用途に使用することができる。
【0176】
さらに、このセンサは、例えば携帯電話などに見られるような、消費者用途向けのマイクロホンを作るのに、または医療分野では補聴器を作るのに使用することができる。
【符号の説明】
【0177】
2 基板
4 膜
4.1、4.2 膜の面
6 検出手段
10 キャビティ
12 キャップ
14 アーム
14.1 第1の長手方向端部
14.2 第2の長手方向端部
16 歪みゲージ
16.1 第1の端部
16.2 第2の端部
18 ビーム
19 パッド
20 固定パッド
22、24 電気接点
P 圧力
X 長手方向軸線
Y 回転軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(2)上で懸架された少なくとも1つの変形可能な膜(4、4’)であって、面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、前記膜(4、4’)の変形を検出する検出手段(6、6’、6’’)であって、少なくとも部分的に前記基板(2)上に設けられる検出手段(6、6’、6’’)と、前記膜(4、4’)の変形を前記検出手段(6、6’、6’’)に伝達する伝達手段(14)とを備え、前記伝達手段が変形不能であり、前記伝達手段が前記膜(4)の上方で懸架され、前記伝達手段(14)が、前記膜(4、4’)の面にほぼ平行な軸線(Y)の周りで回転可能に前記基板(2)にヒンジ留めされ、測定される圧力を受けるように意図される面とは反対側の前記膜の面に面して設けられて、少なくとも所与の圧力を超えて前記伝達手段および前記膜が互いに一体的に移動可能であり、前記伝達手段が、前記膜(4、4’)の変形による変形または応力を増幅された形で前記検出手段(6、6’、6’’)に伝達する、MEMSおよび/またはNEMS圧力測定デバイス。
【請求項2】
前記伝達手段(14)および前記膜(4、4’)が、前記膜の最大変形範囲で少なくとも前記所与の圧力を超えて互いに一体的に移動可能である、請求項1に記載の圧力測定デバイス。
【請求項3】
前記伝達手段(14)が、前記検出手段(6、6’、6’’)が位置する少なくとも1つの第1の端部(14.1)と、アーム(14)が少なくとも前記所与の圧力を超えて前記膜(4、4’)と一体的に移動可能である第2の端部(14.2)とを備える、少なくとも1つの長手方向のアームを備える、請求項1または2に記載の圧力測定デバイス。
【請求項4】
前記アームの前記第2の端部が圧力値にかかわらず前記膜と機械的に一体である、請求項3に記載の圧力測定デバイス。
【請求項5】
前記所与の圧力よりも低い圧力の場合、前記アーム(14)の前記第2の端部(14.2)と前記膜との間に間隔が設けられる、請求項3に記載の圧力測定デバイス。
【請求項6】
前記アーム(14)が前記膜に電気的に接続される、請求項5に記載の圧力測定デバイス。
【請求項7】
前記所与の圧力が測定される圧力以下である、請求項5または6に記載の圧力測定デバイス。
【請求項8】
前記長手方向のアーム(14)が、前記アームの長手方向軸線(X)に沿って可撓性であり、前記膜の変形の軸線(Z)に沿って剛性である接続を通して前記膜(4、4’)と一体である、請求項4に記載の圧力測定デバイス。
【請求項9】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームの前記第1の端部を前記検出手段に接続し、前記長手方向のアーム(14)に直交する少なくとも1つのねじれビーム(18)を備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記アームの前記第1の端部に、他方では前記基板および前記検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成される、請求項3から8のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項10】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームにほぼ平行な少なくとも1つの屈曲ビーム(118)をさらに備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記長手方向のアーム(14)に、他方では前記基板に固定される前記屈曲ビーム(118)によって形成される、請求項3から8のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項11】
前記長手方向のアームが「U」字パターンを有し、前記パターンが前記第1の端部に対応する2つの端部を備え、前記第1の端部がそれぞれ横延長ビームを通して前記検出手段に接続される、請求項10に記載の圧力測定デバイス。
【請求項12】
前記膜(4’)を剛性化する手段(41)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項13】
前記膜を剛性化する手段(41)が、例えば放射方向でまたはハニカムとして設けられる、前記膜(4’)上の余分な厚さ範囲を形成する、請求項8に記載の圧力測定デバイス。
【請求項14】
前記伝達手段(14)が、前記検出手段(6、6’、6’’)が位置する少なくとも1つの第1の端部(14.1)と、前記アーム(14)が少なくとも前記所与の圧力を超えて前記膜(4、4’)と一体的である第2の端部(14.2)とを備える、少なくとも1つの長手方向のアームを備え、前記アーム(14)の前記第1の端部(14.1)で前記アーム(14)に釣合い重り(42)が取り付けられる、請求項1から13のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項15】
同じ圧力を受ける複数の変形可能な膜(4)を備え、前記伝達手段(14)およびすべての前記膜が少なくとも前記所与の圧力を超えて互いに一体的に移動可能である、請求項1から14のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項16】
前記膜の変形を制限するように、前記圧力を受ける前記膜の面に対向して前記膜(4)に面して設けられる停止部(38)を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項17】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項18】
測定される圧力を受ける前記膜(4)の面、および圧力が測定される環境が、前記キャップ(12)を通して、および/または前記キャップと前記基板との間で連通される、請求項17に記載の圧力測定デバイス。
【請求項19】
前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項20】
前記歪みゲージが、圧電抵抗ゲージ、圧電ゲージ、および共振器と呼ばれる共振ゲージから選択される、請求項19に記載の圧力測定デバイス。
【請求項21】
前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または前記伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備え、前記検出手段(6)が、そのどちらかの面では一端によって前記ねじれビーム(18)に、また別の端部によって固定パッドを通して前記基板に取り付けられる2つの歪みゲージ(16)を備える、請求項20に記載の圧力測定デバイス。
【請求項22】
前記固定パッドが電気接点を備える、請求項21に記載の圧力測定デバイス。
【請求項23】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームの前記第1の端部を前記検出手段に接続し、前記長手方向のアーム(14)に直交する少なくとも1つのねじれビーム(18)を備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記アームの前記第1の端部に、他方では前記基板および前記検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成され、前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または前記伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備え、前記検出手段(6’’)が、一端によって前記ねじれビーム(18)に、また別の端部によって前記基板上の固定パッドに接続される少なくとも1つの共振器(44)と、前記共振器の励起手段(48)と、前記共振器の共振周波数を検出する手段(50)とを備える、請求項22に記載の圧力測定デバイス。
【請求項24】
前記検出手段(6’)が可変容量タイプのものである、請求項1から18のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項25】
前記検出手段(6’)が、前記基板上の少なくとも1つの第1の固定電極(26、36)と、前記伝達手段(24)と一体であって前記固定電極(28、34)に面する少なくとも1つの第1の可動電極(28、34)とを備える、請求項24に記載の圧力測定デバイス。
【請求項26】
第2の固定電極(36)および第2の可動電極(34)を備え、前記第2の電極(34、36)が、差動測定デバイスを形成するように、回転する前記軸線に対して前記第1の電極に対向して位置する、請求項25に記載の圧力測定デバイス。
【請求項27】
静圧を補償する能動手段を備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項28】
静圧を補償する前記能動手段が一対の電極(66.1)を備え、前記電極の1つが前記伝達手段と一体であり、前記一対の電極が、前記基板および前記膜(4)上で前記伝達手段(14)の回転する前記軸線(Y)に対して前記膜の側に位置する、請求項27に記載の圧力測定デバイス。
【請求項29】
前記静圧を補償する前記能動手段が、前記基板上の前記膜の下方に形成される電極(66.1)を備える、請求項27に記載の圧力測定デバイス。
【請求項30】
自己診断および/または自己校正を行う手段を備える、請求項1から29のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項31】
自己診断および/または自己校正を行う前記手段が一対の電極(66.2)を備え、前記電極の1つが前記伝達手段と一体であり、前記一対の電極(66.2)が、前記基板上で前記伝達手段(14)の回転する前記軸線に対して前記膜に対向する、請求項30に記載の圧力測定デバイス。
【請求項32】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップ(12)を備え、前記キャビティ(10)が緊密である、請求項1から31のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項33】
前記緊密なキャビティで真空が作られて、絶対圧力センサを形成する、請求項28に記載の圧力測定デバイス。
【請求項34】
前記膜(4)の上方および/または前記キャップに面する前記基板上に位置するキャップ範囲で、前記キャップ(12)上に堆積されるゲッター材料(51)を含む、請求項33に記載の圧力測定デバイス。
【請求項35】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップ(12)を備え、前記キャビティが外部環境に接続されて、相対圧力センサまたはマイクロホンを形成する、請求項1から34のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項36】
前記キャビティと前記外部環境との間の接続が、前記キャップ(12)を通してまたは前記キャップ(12)と前記基板(2)との間に形成されるベント(52、52’)によって作られる、請求項35に記載の圧力測定デバイス。
【請求項37】
請求項1から36のいずれか一項に記載の少なくとも1つの圧力測定デバイスと、同じ基板の上または中に作られた少なくとも1つの慣性センサとを備える、MEMSおよび/またはNEMSアセンブリ。
【請求項38】
a)基板上の堆積およびエッチングによって、センサの様々な素子を作成するステップと、
b)膜を解放するステップとを含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の圧力測定デバイスの製造方法。
【請求項39】
ステップa)ではキャップが作成されず、前記方法が、ステップb)に先立って、前記基板上に前記キャップを作成するか、または前記基板上に前記キャップを移送および封止するステップを含む、請求項38に記載の製造方法。
【請求項40】
前記基板上の前記キャップの封止が真空下で行われる、請求項39に記載の製造方法。
【請求項41】
前面および/または裏面のビアを用いて再接続が成される、請求項38、39、または40に記載の製造方法。
【請求項42】
ステップa)において、少なくとも1つの慣性センサが同時に作成される、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法のステップを含む、一連のセンサの製造方法。
【請求項1】
基板(2)上で懸架された少なくとも1つの変形可能な膜(4、4’)であって、面の1つが測定される圧力を受けるように意図された膜と、前記膜(4、4’)の変形を検出する検出手段(6、6’、6’’)であって、少なくとも部分的に前記基板(2)上に設けられる検出手段(6、6’、6’’)と、前記膜(4、4’)の変形を前記検出手段(6、6’、6’’)に伝達する伝達手段(14)とを備え、前記伝達手段が変形不能であり、前記伝達手段が前記膜(4)の上方で懸架され、前記伝達手段(14)が、前記膜(4、4’)の面にほぼ平行な軸線(Y)の周りで回転可能に前記基板(2)にヒンジ留めされ、測定される圧力を受けるように意図される面とは反対側の前記膜の面に面して設けられて、少なくとも所与の圧力を超えて前記伝達手段および前記膜が互いに一体的に移動可能であり、前記伝達手段が、前記膜(4、4’)の変形による変形または応力を増幅された形で前記検出手段(6、6’、6’’)に伝達する、MEMSおよび/またはNEMS圧力測定デバイス。
【請求項2】
前記伝達手段(14)および前記膜(4、4’)が、前記膜の最大変形範囲で少なくとも前記所与の圧力を超えて互いに一体的に移動可能である、請求項1に記載の圧力測定デバイス。
【請求項3】
前記伝達手段(14)が、前記検出手段(6、6’、6’’)が位置する少なくとも1つの第1の端部(14.1)と、アーム(14)が少なくとも前記所与の圧力を超えて前記膜(4、4’)と一体的に移動可能である第2の端部(14.2)とを備える、少なくとも1つの長手方向のアームを備える、請求項1または2に記載の圧力測定デバイス。
【請求項4】
前記アームの前記第2の端部が圧力値にかかわらず前記膜と機械的に一体である、請求項3に記載の圧力測定デバイス。
【請求項5】
前記所与の圧力よりも低い圧力の場合、前記アーム(14)の前記第2の端部(14.2)と前記膜との間に間隔が設けられる、請求項3に記載の圧力測定デバイス。
【請求項6】
前記アーム(14)が前記膜に電気的に接続される、請求項5に記載の圧力測定デバイス。
【請求項7】
前記所与の圧力が測定される圧力以下である、請求項5または6に記載の圧力測定デバイス。
【請求項8】
前記長手方向のアーム(14)が、前記アームの長手方向軸線(X)に沿って可撓性であり、前記膜の変形の軸線(Z)に沿って剛性である接続を通して前記膜(4、4’)と一体である、請求項4に記載の圧力測定デバイス。
【請求項9】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームの前記第1の端部を前記検出手段に接続し、前記長手方向のアーム(14)に直交する少なくとも1つのねじれビーム(18)を備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記アームの前記第1の端部に、他方では前記基板および前記検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成される、請求項3から8のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項10】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームにほぼ平行な少なくとも1つの屈曲ビーム(118)をさらに備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記長手方向のアーム(14)に、他方では前記基板に固定される前記屈曲ビーム(118)によって形成される、請求項3から8のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項11】
前記長手方向のアームが「U」字パターンを有し、前記パターンが前記第1の端部に対応する2つの端部を備え、前記第1の端部がそれぞれ横延長ビームを通して前記検出手段に接続される、請求項10に記載の圧力測定デバイス。
【請求項12】
前記膜(4’)を剛性化する手段(41)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項13】
前記膜を剛性化する手段(41)が、例えば放射方向でまたはハニカムとして設けられる、前記膜(4’)上の余分な厚さ範囲を形成する、請求項8に記載の圧力測定デバイス。
【請求項14】
前記伝達手段(14)が、前記検出手段(6、6’、6’’)が位置する少なくとも1つの第1の端部(14.1)と、前記アーム(14)が少なくとも前記所与の圧力を超えて前記膜(4、4’)と一体的である第2の端部(14.2)とを備える、少なくとも1つの長手方向のアームを備え、前記アーム(14)の前記第1の端部(14.1)で前記アーム(14)に釣合い重り(42)が取り付けられる、請求項1から13のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項15】
同じ圧力を受ける複数の変形可能な膜(4)を備え、前記伝達手段(14)およびすべての前記膜が少なくとも前記所与の圧力を超えて互いに一体的に移動可能である、請求項1から14のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項16】
前記膜の変形を制限するように、前記圧力を受ける前記膜の面に対向して前記膜(4)に面して設けられる停止部(38)を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項17】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項18】
測定される圧力を受ける前記膜(4)の面、および圧力が測定される環境が、前記キャップ(12)を通して、および/または前記キャップと前記基板との間で連通される、請求項17に記載の圧力測定デバイス。
【請求項19】
前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備える、請求項1から18のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項20】
前記歪みゲージが、圧電抵抗ゲージ、圧電ゲージ、および共振器と呼ばれる共振ゲージから選択される、請求項19に記載の圧力測定デバイス。
【請求項21】
前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または前記伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備え、前記検出手段(6)が、そのどちらかの面では一端によって前記ねじれビーム(18)に、また別の端部によって固定パッドを通して前記基板に取り付けられる2つの歪みゲージ(16)を備える、請求項20に記載の圧力測定デバイス。
【請求項22】
前記固定パッドが電気接点を備える、請求項21に記載の圧力測定デバイス。
【請求項23】
前記伝達手段が、前記長手方向のアームの前記第1の端部を前記検出手段に接続し、前記長手方向のアーム(14)に直交する少なくとも1つのねじれビーム(18)を備え、回転する前記軸線(Y)が、一方では前記アームの前記第1の端部に、他方では前記基板および前記検出手段に固定される前記ねじれビームによって形成され、前記検出手段(6)が、一端によって固定パッドを通して前記基板に、また別の端部によって前記ねじれビーム(18)または前記伝達アームに接続される少なくとも1つの懸架歪みゲージを備え、前記検出手段(6’’)が、一端によって前記ねじれビーム(18)に、また別の端部によって前記基板上の固定パッドに接続される少なくとも1つの共振器(44)と、前記共振器の励起手段(48)と、前記共振器の共振周波数を検出する手段(50)とを備える、請求項22に記載の圧力測定デバイス。
【請求項24】
前記検出手段(6’)が可変容量タイプのものである、請求項1から18のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項25】
前記検出手段(6’)が、前記基板上の少なくとも1つの第1の固定電極(26、36)と、前記伝達手段(24)と一体であって前記固定電極(28、34)に面する少なくとも1つの第1の可動電極(28、34)とを備える、請求項24に記載の圧力測定デバイス。
【請求項26】
第2の固定電極(36)および第2の可動電極(34)を備え、前記第2の電極(34、36)が、差動測定デバイスを形成するように、回転する前記軸線に対して前記第1の電極に対向して位置する、請求項25に記載の圧力測定デバイス。
【請求項27】
静圧を補償する能動手段を備える、請求項1から26のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項28】
静圧を補償する前記能動手段が一対の電極(66.1)を備え、前記電極の1つが前記伝達手段と一体であり、前記一対の電極が、前記基板および前記膜(4)上で前記伝達手段(14)の回転する前記軸線(Y)に対して前記膜の側に位置する、請求項27に記載の圧力測定デバイス。
【請求項29】
前記静圧を補償する前記能動手段が、前記基板上の前記膜の下方に形成される電極(66.1)を備える、請求項27に記載の圧力測定デバイス。
【請求項30】
自己診断および/または自己校正を行う手段を備える、請求項1から29のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項31】
自己診断および/または自己校正を行う前記手段が一対の電極(66.2)を備え、前記電極の1つが前記伝達手段と一体であり、前記一対の電極(66.2)が、前記基板上で前記伝達手段(14)の回転する前記軸線に対して前記膜に対向する、請求項30に記載の圧力測定デバイス。
【請求項32】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップ(12)を備え、前記キャビティ(10)が緊密である、請求項1から31のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項33】
前記緊密なキャビティで真空が作られて、絶対圧力センサを形成する、請求項28に記載の圧力測定デバイス。
【請求項34】
前記膜(4)の上方および/または前記キャップに面する前記基板上に位置するキャップ範囲で、前記キャップ(12)上に堆積されるゲッター材料(51)を含む、請求項33に記載の圧力測定デバイス。
【請求項35】
測定される圧力を受ける面に対向して前記膜(4、4’)の周りにキャビティ(10)を画定する、前記基板(2)上のキャップ(12)を備え、前記キャビティが外部環境に接続されて、相対圧力センサまたはマイクロホンを形成する、請求項1から34のいずれか一項に記載の圧力測定デバイス。
【請求項36】
前記キャビティと前記外部環境との間の接続が、前記キャップ(12)を通してまたは前記キャップ(12)と前記基板(2)との間に形成されるベント(52、52’)によって作られる、請求項35に記載の圧力測定デバイス。
【請求項37】
請求項1から36のいずれか一項に記載の少なくとも1つの圧力測定デバイスと、同じ基板の上または中に作られた少なくとも1つの慣性センサとを備える、MEMSおよび/またはNEMSアセンブリ。
【請求項38】
a)基板上の堆積およびエッチングによって、センサの様々な素子を作成するステップと、
b)膜を解放するステップとを含む、請求項1から36のいずれか一項に記載の圧力測定デバイスの製造方法。
【請求項39】
ステップa)ではキャップが作成されず、前記方法が、ステップb)に先立って、前記基板上に前記キャップを作成するか、または前記基板上に前記キャップを移送および封止するステップを含む、請求項38に記載の製造方法。
【請求項40】
前記基板上の前記キャップの封止が真空下で行われる、請求項39に記載の製造方法。
【請求項41】
前面および/または裏面のビアを用いて再接続が成される、請求項38、39、または40に記載の製造方法。
【請求項42】
ステップa)において、少なくとも1つの慣性センサが同時に作成される、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法のステップを含む、一連のセンサの製造方法。
【図1A−1B】
【図1A.】
【図1B.】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A−5B】
【図6A−6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A−12B】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図15G】
【図15H】
【図16】
【図17A−17B】
【図17A.】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図1A.】
【図1B.】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A−5B】
【図6A−6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A−12B】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図15G】
【図15H】
【図16】
【図17A−17B】
【図17A.】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【公開番号】特開2013−15524(P2013−15524A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−148491(P2012−148491)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−148491(P2012−148491)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
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