説明

有機絶縁膜用樹脂組成物及びその製造方法、前記樹脂組成物を含む表示板

【課題】耐熱性が強化された有機絶縁膜を提供する。
【解決手段】不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物5乃至35重量%、スチレン系化合物5乃至40重量%、エポキシ系化合物5乃至40重量%、イソボルニル系化合物0.1乃至10重量%及びジシクロペンタジエン系化合物20乃至40重量%を重合して製造される有機絶縁膜用樹脂組成物及びその製造方法と前記樹脂組成物で形成された絶縁膜を含む表示板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機絶縁膜用樹脂組成物及びその製造方法、前記樹脂組成物を含む表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)または有機発光表示装置(OLED)などの平板表示装置は、複数の導電層または半導体層と、これらを絶縁するための絶縁膜を含む。
絶縁膜は有機または無機物質で構成でき、このうちの有機絶縁膜は無機絶縁膜より透過率を高めることができて、表示装置で視野角を広くして輝度を向上できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、有機絶縁膜は耐熱性が弱い。そのために高温で行われる後続工程で絶縁膜の透過率及び接着性が悪くなるだけではなく、有機絶縁膜から昇華した気体の噴出によって残像のような表示特性不良が現れる。また、昇華した気体は他の層に影響を与えて、悪臭及び装備の劣化を起こす。
本発明が目的とする技術的課題は、前記の問題を解決するため有機絶縁膜の耐熱性を強化することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明1による有機絶縁膜用樹脂組成物は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物5乃至35重量%、スチレン系化合物5乃至40重量%、エポキシ系化合物5乃至40重量%、イソボルニル系化合物0.1乃至10重量%及びジシクロペンタジエン系化合物20乃至40重量%を重合して製造される。
これにより、有機絶縁膜の耐熱性を強化して、後続工程で絶縁膜が損傷されることを防止できる。よって、有機絶縁膜の透過率及び接着性を強化して絶縁膜で昇華された気体の噴出によって発生する残像のような表示特性不良が防止できる。
【0005】
なお、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物は、固形分の総含量に対して5乃至35重量%に含まれている場合、共重合反応性及びアルカリ水溶液に対する溶解性側面から好ましい。また、スチレン系化合物は、固形分の総含量に対して5乃至40重量%に含まれている場合、共重合反応性側面から好ましい。また、エポキシ系化合物は、固形分の総含量に対して5乃至40重量%に含まれている場合、共重合反応成果パターンの接着性及び耐熱性を高めることができる。また、イソボルニル系化合物は、固形分の総含量に対して0.1乃至10重量%に含まれていることが好ましく、10重量%を超える場合温度上昇によって多量の昇華物が発生する。また、ジシクロペンタジエン系化合物は、固形分の総含量に対して20乃至40重量%に含まれている場合、耐熱性を高めることができて好ましい。
【0006】
発明2は、発明1において、前記不飽和カルボン酸は、アクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(metacrylic acid)、クロトン酸(crotonic acid)、イタコン酸(itaconic acid)、マレイン酸(maleic acid)、フマル酸(fumaric acid)、シトラコン酸(citraconic acid)及びメサコン酸(mesaconic acid)または桂皮酸(cinnamic acid)より選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0007】
発明3は、発明1において、前記スチレン系化合物は、スチレン(styrene)、α-メチルスチレン(α-methyl styrene)、m-メチルスチレン(m-methyl styrene)、p-メチルスチレン(p-methyl styrene)及びビニルトルエン(vinyl toluene)より選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0008】
発明4は、発明1において、前記エポキシ系化合物は、グリシジル(メタ)アクリレート、α-n-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-n-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp-ビニルベンジルグリシジルエーテルより選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0009】
発明5は、発明1において、前記イソボルニル系化合物は、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートより選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0010】
発明6は、発明1において、前記ジシクロペンタジエン系化合物は、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリス-2-アクリロオキシエチルイソシアヌレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)クリレート及びエチレンオキシドビスフェノールA(メタ)クリレートより選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0011】
発明7は、発明1において、前記樹脂組成物は、総固形分に対して0.01乃至15重量%の重合開始剤をさらに含むことができる。
発明8は、発明7において、前記重合開始剤は、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4-メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)及びジメチル2,2´−アゾビスイソブチルレートより選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0012】
本発明9による有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物5乃至40重量%、スチレン系化合物5乃至40重量%、エポキシ系化合物5乃至40重量%、イソボルニル系化合物0.1乃至10重量%、ジシクロペンタジエン系化合物20乃至40重量%、そして重合開始剤0.01乃至15重量%を重合して共重合体溶液を製造する段階、そして前記共重合体溶液を精製して共重合体樹脂を製造する段階を含む。
【0013】
発明10は、発明9において、前記共重合体溶液を製造する段階は、前記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、前記スチレン系化合物、前記エポキシ系化合物、前記イソボルニル系化合物、前記ジシクロペンタジエン系化合物及び前記重合開始剤を含有した溶液を製造する段階、そして前記溶液を加温する段階を含むことができる。
【0014】
発明11は、発明10において、前記溶液を加温する段階は、40乃至80℃で行うことができる。
発明12は、発明11において、前記溶液を加温する段階は、4乃至48時間の間、100乃至500rpmの速度で行うことができる。
発明13は、発明10において、前記溶液を加温する段階後に、重合禁止剤0.001乃至1重量%を添加して前記重合を完了する段階をさらに含むことができる。固形分の総含量に対して0.001乃至1重量%程度添加する場合変色性、熱安定性及び保管安定性側面から好ましい。
【0015】
発明14は、発明13において、前記重合禁止剤は、フェノール基を有しないラクトン、ホスファート及びホスホナイトより選択された少なくとも1種を含むことができる。
発明15は、発明9において、前記共重合体樹脂を製造する段階後に、前記共重合体樹脂を溶剤に溶解する段階をさらに含むことができる。
発明16は、発明15において、前記溶剤はプロピオネート、メタノール、プロピレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルプロピオネート、ブチルアセテート、乳酸エチル、カルビトール及びプロピレングリコールメチルエチルエーテルより選択された少なくとも1種を含むことができる。
【0016】
本発明17による表示板は基板、前記基板上に形成されている複数の薄膜パターン及び前記薄膜パターン上に形成されている絶縁膜を含み、前記絶縁膜は総固形分に対して5乃至35重量%の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、5乃至40重量%のスチレン系化合物、5乃至40重量%のエポキシ系化合物、0.1乃至10重量%のイソボルニル系化合物及び20乃至40重量%のジシクロペンタジエン系化合物を重合して形成された共重合体樹脂を含む。
【0017】
発明18は、発明17において、前記薄膜パターンはゲート電極を含むゲート線、前記ゲート線上に形成されているゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上の所定領域に形成されている半導体層、前記ゲート絶縁膜及び半導体層上に形成されていてソース電極を含むデータ線、及び前記ソース電極と所定間隔で対向しているドレイン電極を含むことができる。
発明19は、発明18において、前記絶縁膜上に前記ドレイン電極と連結されている画素電極をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、有機絶縁膜の耐熱性を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態1による有機絶縁膜用樹脂組成物に対して詳細に説明する。
本発明の実施形態1による樹脂組成物はアクリル系共重合体樹脂を含む。
アクリル系共重合体樹脂は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、スチレン系化合物、エポキシ系化合物、イソボルニル系化合物、及びジシクロペンタジエン系化合物を重合して得ることができる。
【0020】
これらの中で不飽和カルボン酸または、不飽和カルボン酸無水物にはアクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(metacrylic acid)、クロトン酸(crotonic acid)、イタコン酸(itaconic acid)、マレイン酸(maleic acid)、フマル酸(fumaric acid)、シトラコン酸(citraconic acid)、メサコン酸(mesaconic acid)及び桂皮酸(cinnamic acid)が含まれて、この中で選択された1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
この中で、アクリル酸、メタクリル酸、または無水マレイン酸を使用するのが好ましい。
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物は、固形分の総含量に対して5乃至35重量%に含まれている場合、共重合反応性及びアルカリ水溶液に対する溶解性側面から好ましい。
【0022】
他の成分であるスチレン系化合物にはスチレン(styrene)、α-メチルスチレン(α-methyl styrene)、m-メチルスチレン(m-methyl styrene)、p-メチルスチレン(p-methyl styrene)及びビニルトルエン(vinyl styrene)などが含まれて、この中で選択された1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
スチレン系化合物は、固形分の総含量に対して5乃至40重量%に含まれている場合、共重合反応性側面から好ましい。
他の成分であるエポキシ系化合物には、グリシジル(メタ)アクリレート、α-n-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-n-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp-ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが含まれて、この中で選択された1種または2種以上を混合して使用できる。
【0024】
エポキシ系化合物は、固形分の総含量に対して5乃至40重量%に含まれている場合、共重合反応成果パターンの接着性及び耐熱性を高めることができる。
他の成分であるイソボルニル系化合物には、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが含まれて、この中で選択された1種または2種以上を混合して使用できる。
【0025】
イソボルニル系化合物は、固形分の総含量に対して0.1乃至10重量%に含まれていることが好ましく、10重量%を超える場合温度上昇によって多量の昇華物が発生する。
他の成分であるジシクロペンタジエン系化合物には、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリス-2-アクリロオキシエチルイソシアヌレート、ペンタメチルピぺリジル(メタ)クリレート及びエチレンオキシドビスフェノールA(メタ)クリレートより選択された少なくとも1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
ジシクロペンタジエン系化合物は、固形分の総含量に対して20乃至40重量%に含まれている場合、耐熱性を高めることができて好ましい。
前述した不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、スチレン系化合物、エポキシ系化合物、イソボルニル系化合物、及びジシクロペンタジエン系化合物は重合開始剤によって重合を開始する。
【0027】
重合開始剤には過酸化物またはアゾ系化合物が含まれて、このうちのアゾ系化合物には2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)及び2,2’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)及びジメチル2,2’-アゾビスイソブチルレートが含まれることができる。
【0028】
重合開始剤は、固形分の総含量に対して0.01乃至15重量%に含まれていることが好ましく、0.01重量%未満である場合分子量が大き過ぎて、15重量%を超える場合分子量が小さ過ぎてパターン形状が不良になって現象性及び残膜率が低下する。
前述した不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、スチレン系化合物、エポキシ系化合物、イソボルニル系化合物、ジシクロペンタジエン系化合物及び重合開始剤は溶媒に溶解された溶液状態で製造する。
【0029】
この時使用することができる溶媒には、例えば、メタノール、テトラハイドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエチルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ4-メチル2-ペンタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3-ヒドロキシプロピオン酸メチル、3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、3-ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3-ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2-ヒドロキシ3-メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-メトキシプロピオン酸ブチル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸ブチル、2-ブトキシプロピオン酸メチル、2-ブトキシプロピオン酸エチル、2-ブトキシプロピオン酸プロピル、2-ブトキシプロピオン酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸プロピル、3-エトキシプロピオン酸ブチル、3-プロポキシプロピオン酸メチル、3-プロポキシプロピオン酸エチル、3-プロポキシプロピオン酸プロピル、3-プロポキシプロピオン酸ブチル、3-ブトキシプロピオン酸メチル、3-ブトキシプロピオン酸エチル、3-ブトキシプロピオン酸プロピル、3-ブトキシプロピオン酸ブチルなどが含まれて、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0030】
前記溶媒の含量は特に限定されないが、固形分の総含量に対して1乃至10倍程度含まれてもよい。
前記溶液は、所定温度で溶液重合してアクリル系共重合体溶液を得ることができる。
溶液重合は、開始剤であるアゾ系化合物の10時間半減期温度より高い温度で実施する場合、高い収率を得ることができて、好ましくは40乃至80℃、さらに好ましくは45乃至70℃で行うことができる。この時、溶液重合は4乃至48時間の間、好ましくは100乃至500rpm、さらに好ましくは150乃至400rpmの反応速度で行うことができる。
【0031】
溶液重合は、重合禁止剤の添加によって終了できる。重合禁止剤は、フェノール基を有しないラクトン(lactone)、ホスファイト(phosphite)またはホスホナイト(phosphonite)等から選択できて、固形分の総含量に対して0.001乃至1重量%程度添加する場合変色性、熱安定性及び保管安定性側面から好ましい。
前記条件で溶液重合時、アクリル系共重合体溶液の重合転換率は45乃至80重量%程度でありうる。
【0032】
前記のように重合されたアクリル系共重合体溶液は、精製して最終アクリル系共重合体樹脂で製造できる。
精製は、アクリル系共重合体溶液中に未反応単量体、重合開始剤及び有機溶媒などを高真空下で揮発させる方法、有機酸貨物係ラジカル開始剤と反応させる方法または多量の不溶性溶媒中に共重合体溶液を滴下して抽出する方法などで行うことができる。このうちの多量の不溶性溶媒中に共重合体溶液を滴下して抽出する方法が好ましく、これは共重合体溶液をヘキサン、ヘプタン、メタノール、水などのような不溶性溶媒に滴下して重合体を抽出する段階、ろ過分別する段階及び必要に応じて溶剤に溶解する段階に行うことができる。このような精製によってアクリル系共重合体溶液中に残留する未反応単量体及び重合開始剤などを除去して収率を高めることができる。
【0033】
アクリル系共重合体樹脂は、例えばプロピオネート、メタノール、プロピレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルプロピオネート、ブチルアセテート、乳酸エチル、カルビトール及びプロピレングリコールメチルエチルエーテルより選択された一つ以上の溶剤に溶解して溶液状態のアクリル系共重合体樹脂を完成する。
以下、本発明の理解のために実験例及び実施形態を提示するが、これは本発明を例示するだけで、本発明の範囲を限定することはない。
[実験例]
[実験例1]
反応器と冷却器を有する1L(リットル)の容器にメタクリル酸35重量%、スチレン5重量%、グリシジルメタクリレート30重量%、イソボルニルメタクリレート1重量%、ジシクロペンテニルオキシアクリル酸エチル29重量%及び前記固形分100重量部に対して400重量部のテトラヒドロフラン(溶媒)を含んだ溶液を投入した。前記溶液を容器で400rpmの速度で十分に混合した後、ここに開始剤に2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を前記固形分総含量対比15重量%を添加した。
【0034】
前記混合溶液が含んだ容器を58℃までゆっくり昇温させてこの温度を28時間維持しながら共重合体溶液を製造した。
次に、重合禁止ゼロホスファート500ppmを添加して重合を完了した。
次に、前記共重合体溶液にヘキサン5、000重量部を滴下して抽出して、ろ過分離した次に、ここにプロピオネート100重量部を入れて30℃まで加熱してアクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0035】
ガラス基板上に前記で製造されたアクリル系共重合体樹脂を塗布して100℃で1分間、前硬化(prebake)して溶媒を除去した。次に所定パターンのマスクを利用して365nmでの照度パワーが15mW/cmの紫外線を15秒間照射し、220℃で60分間オーブンで加熱処理して絶縁膜を得た。

[実験例2]
実験例1の組成物でイソボルニルメタクリレート5重量%及びジシクロペンテニールオキシエチルアクリレート25重量%含有したことを除くと、実験例1と同様な方法でアクリル系共重合体樹脂を製造して絶縁膜を得た。
【0036】

[実験例3]
実験例1の組成物でイソボルニルメタクリレート15重量%及びジシクロペンテニールオキシエチルアクリレート15重量%含有したことを除くと、実験例1と同様な方法でアクリル系共重合体樹脂を製造して絶縁膜を得た。
【0037】

[実験例4]
実験例1の組成物でイソボルニルメタクリレート20重量%及びジシクロペンテニールオキシエチルアクリレート10重量%含有したことを除くと、実験例1と同様な方法でアクリル系共重合体樹脂を製造して絶縁膜を得た。
【0038】

[実験例5]
実験例1の組成物でイソボルニルメタクリレート25重量%及びジシクロペンテニールオキシエチルアクリレート5重量%含有したことを除くと、実験例1と同様な方法でアクリル系共重合体樹脂を製造して絶縁膜を得た。
【0039】

[実験例6]
実験例1の組成物でイソボルニルメタクリレート30重量%を含んでジシクロペンテニールオキシエチルアクリレートを除いたことを除くと、実験例1と同様な方法でアクリル系共重合体樹脂を製造して絶縁膜を得た。
【0040】
前述した実験例1乃至6で各成分の含量比は表1のとおりである。

【0041】
【表1】

*単位:固形分の総含量に対する重量%

前述した実験例1及び2は、本発明による樹脂組成物を含む絶縁膜であり、実験例3乃至6は比較例である。
【0042】
実験例1乃至6で形成された絶縁膜の気体噴出量を次のような方法で測定した。
まず、実験例1乃至6で形成された各々の最終膜をカッタで剥がして30mgずつ試料を得た。得られた試料を、熱重量分析装置(TGA)を使用して220℃で60分間等温条件で重量減量を測定した。この時発生した重量減量が0.5重量%未満である場合○、0.5乃至1.5重量%である場合△、1.5重量%を超える場合×で各々示した。
【0043】
結果は表2のとおりである。
【0044】
【表2】

表2のように、実験例1及び2による樹脂組成物は、気体噴出程度が良好であって、実験例3乃至6による樹脂組成物は気体噴出程度の大きいことが確認された。
【0045】
また、前述した実験例1、3及び5によって製造された絶縁膜を含む表示板を下記の実施形態によって形成し、この表示板で発生する残像を測定した。
残像は次のような方法で試験する。まず、実験例1、3及び5によって製造された絶縁膜を含む試験用表示板を用意する。試験用表示板には複数の画素がマトリックス模様に配置されている。まず、試験用表示板にホワイトまたはブラックが出ない中間階調のデータ電圧を印加して画面の輝度を測定する。次に、複数の画素のうちの横及び縦に交互に配置された一部画素にはブラックを表示して、残り画素にはホワイトを表示した後、10時間程度おく。次に、最初に印加した中間階調のデータ電圧を印加して画面の輝度を測定して残像程度を確認した。
【0046】
このような時間による残像の発現程度は、所定の公式に代入して数値を得ることができて、その結果は表3のとおりである。
【0047】
【表3】

前記数値が低いほどガス噴出量が少ないのであって、絶縁膜として有利であることを示す。従って、表3によれば、本発明による実験例1の適合性が確認された。
[実施形態]
以下、添付図を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な形態に実現できて、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0048】
本実施形態では前述した樹脂組成物で構成される絶縁膜を含む薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法について図1乃至図15を参照して例として説明する。
まず、図1乃至図3を参照して本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の構造について簡単に説明する。
図1は本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図であり、図2及び図3は図1の薄膜トランジスタ表示板をII-II線及びIII-III線に沿って切断した断面図である。
【0049】
透明なガラスまたはプラスチックなどで形成された絶縁基板110上に複数のゲート線121及び複数の維持電極線131が形成されている。
ゲート線121は、ゲート信号を伝達して、図1中、主に横方向に延在している。各ゲート線121は図1中、下に突出した複数のゲート電極124と他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含む。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)は、基板110上に付着される可撓性印刷回路膜(図示せず)上に装着されたり、基板110上に直接装着されたり、基板110に集積できる。ゲート駆動回路が基板110上に集積されている場合ゲート線121が延長されて直接連結される。
【0050】
維持電極線131は、所定の電圧を印加されて、ゲート線121と平行に並んだ幹線とこれから分かれた複数対の維持電極133a、133bを含む。各々の維持電極線131は隣接した二つのゲート線121の間に位置し、幹線は、図1に示される二つのゲート線121のうちの下側に近い位置に配置されている。各々の維持電極133a、133bは、幹線と連結された固定端とその反対側の自由端を有している。一方、維持電極133bの固定端は面積が広く、その自由端は直線部分と屈曲した部分の二つに分かれる。しかし、維持電極線131のパターン及び配置は多様に変更できる。
【0051】
ゲート線121及び維持電極線131は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金など銀系金属、銅(Cu)や銅合金など銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などモリブデン系金属、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)などで形成できる。
ゲート線121及び維持電極線131の側面は、基板110の上面に対し傾いて、その傾斜角は約30゜乃至約80゜であるのが好ましい。このように側面が傾斜しているとその上部の膜を平坦化し易く、また上部の配線の断線を防止することができる。
【0052】
ゲート線121及び維持電極線131上には、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などで形成されたゲート絶縁膜140が形成されている。
ゲート絶縁膜140上には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon、非晶質シリコンはa-Si)または多結晶シリコンなどで形成された複数の線状半導体151が形成されている。線状半導体151は図1中、主に縦方向に延びていて、ゲート電極124に向かって伸びた複数の突出部154を含む。線状半導体151は、ゲート線121及び維持電極線131付近で幅が広くなりこれらを幅広く覆っている。
【0053】
半導体151上には複数の線状及び島型抵抗性接触部材161、165が形成されている。抵抗性接触部材161、165はリン(P)などのn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で形成できるが、シリサイドでも形成できる。線状抵抗性接触部材161は、複数の突出部163を有し、この突出部163と島型抵抗性接触部材165は対をなして半導体151の突出部154上に配置されている。
【0054】
半導体151と抵抗性接触部材161、165の側面も基板110の上面に対して傾いて、傾斜角は30゜乃至80゜程度である。
抵抗性接触部材161、165及びゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171と複数のドレイン電極175が形成されている。
データ線171はデータ信号を伝達して、図1中、主に縦方向に伸びてゲート線121と交差する。各データ線171はまた、維持電極線131と交差しており、隣接した維持電極133a、133b間に形成される。各データ線171はゲート電極124に向かって伸びた複数のソース電極(source electrode)173と他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い終端部179を含む。
【0055】
ドレイン電極175は、データ線171と分離されていて、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向する。各ドレイン電極175は面積が広い一側端部と棒状である他側端部を有している。広い端部は、維持電極線131と重なって、棒状端部はU字型に屈曲したソース電極173によりその一部が取り囲まれるように配置されている。
一つのゲート電極124、一つのソース電極173及び一つのドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に一つの薄膜トランジスタ(TFT)をなし、薄膜トランジスタのチャンネルはソース電極173とドレイン電極175の間の突出部154に形成される。
【0056】
データ線171及びドレイン電極175は、ゲート線121と同様に多様な金属または導電体で形成できる。
データ線171及びドレイン電極175も、その側面が基板110の上面に対し30゜乃至80゜程度の傾斜角に傾いたのが好ましい。
データ線171、ドレイン電極175及び露出された半導体154部分上には保護膜180が形成されている。
【0057】
保護膜180は前述したアクリル系共重合体樹脂で形成され、保護膜180の表面は平坦でありえる。しかし、保護膜180は有機膜の優れた絶縁特性を生かしながらも露出された半導体151部分に損傷を与えないように、下部無機膜と上部有機膜の二重膜構造を有することができる。
保護膜180にはデータ線171の端部179とドレイン電極175を各々露出する複数の接触孔182、185が形成されており、保護膜180とゲート絶縁膜140にはゲート線121の端部129を露出する複数の接触孔181、維持電極133b、固定端付近の維持電極線131一部を露出する複数の接触孔183a、183bが形成されている。
【0058】
保護膜180上には複数の画素電極191、複数の連結橋83及び複数の接触補助部材81、82が形成されている。
画素電極191は接触孔185を通してドレイン電極175と物理的・電気的に連結されており、ドレイン電極175からデータ電圧を印加される。
画素電極191は、維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131と重畳する。画素電極191及びこれと電気的に連結されたドレイン電極175が維持電極線131と重なって構成する蓄電器を維持蓄電器として、維持蓄電器は液晶蓄電器の電圧維持能力を強化する。
【0059】
接触補助部材81、82は各々接触孔181、182を通じてゲート線121の端部129及びデータ線171の端部179と連結される。接触補助部材81、82はデータ線171及びゲート線121の端部179、129と外部装置との接着性を補完してこれらを保護する。
連結橋83はゲート線121を横切って、ゲート線121を間に置いて反対側に位置する接触孔183a、183bを通じて維持電極線131の露出された部分と維持電極133b)自由端の露出された端部に連結されている。維持電極133a、133bをはじめとする維持電極線131は、連結橋83と共にゲート線121やデータ線171または薄膜トランジスタの欠陥を修理するのに用いられる。
【0060】
次に、図1乃至図3に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について図4乃至図15を参照して詳細に説明する。
図4、図7、図10及び図13は、本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示した配置図であり、図5及び図6は、図4の薄膜トランジスタ表示板をV−V線及びVI−VI線に沿って切断した断面図であり、図8及び図9は図7の薄膜トランジスタ表示板をVIII−VIII線及びIX−IX線に沿って切断した断面図であり、図11及び図12は図10の薄膜トランジスタ表示板をXI−XI線及びXII−XII線に沿って切断した断面図であり、図14及び図15は図13の薄膜トランジスタ表示板をXIV−XIV線及びXV-XV線に沿って切断した断面図である。
【0061】
まず、図4乃至図6に示したように、絶縁基板110上にスパッタリングで金属層を積層して写真エッチングしてゲート電極124及び端部129を含むゲート線121及び維持電極133a、133bを含む維持電極線131を形成する。
次に、図7乃至図9に示したように、ゲート電極124及び端部129を含むゲート線121及び維持電極133a、133b上にゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン(a-Si)層及び不純物がドーピングされた非晶質シリコン(n+a-Si)層を化学気相蒸着(PECVD)で連続蒸着した後、乾式エッチングして半導体層154及び不純物がドーピングされた半導体層164を形成する。
【0062】
次に、図10乃至図12に示したように、ゲート絶縁膜140及び不純物がドーピングされた半導体層164上にスパッタリングで金属層を形成して写真エッチングしてソース電極173及び端部179を含むデータ線171、ドレイン電極175を形成する。
次に、図13乃至図15に示したように、ソース電極173及びドレイン電極175で覆われずに露出された不純物半導体層164を除去して複数の突出部163を含む複数の線状抵抗性接触層161と複数の島型抵抗性接触層165を完成する一方、その下の真性半導体154部分を露出させる。この場合、露出された真性半導体154部分の表面を安定化させるために酸素プラズマを実施する。
【0063】
次に、前述したアクリル系共重合体樹脂溶液を塗布して保護膜180を形成し、これを露光及び現像して複数の接触孔181、182、183a、183b、185を形成する。
最後に、図1乃至図3に示したように、保護膜180上にITOなどの透明導電層を形成して写真エッチングして画素電極191、接触補助部材81、82及び連結橋83を形成する。
【0064】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されることはなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者のいろいろな変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属することである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
【図2】図1の薄膜トランジスタ表示板をII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1の薄膜トランジスタ表示板をIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示した配置図である。
【図5】図4の薄膜トランジスタ表示板をV−V線に沿って切断した断面図である。
【図6】図4の薄膜トランジスタ表示板をVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示した配置図である。
【図8】図7の薄膜トランジスタ表市販をVIII−VIII線に沿って切断した断面図である。
【図9】図7の薄膜トランジスタ表市販をIX−IX線に沿って切断した断面図である。
【図10】本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示した配置図である。
【図11】図10の薄膜トランジスタ表示板をXI−XI線に沿って切断した断面図である。
【図12】図10の薄膜トランジスタ表示板をXII−XII線に沿って切断した断面図である。
【図13】本発明の実施形態1による薄膜トランジスタ表示板の製造方法を順に示した配置図である。
【図14】図13の薄膜トランジスタ表示板をXIV−XIV線による断面図である。
【図15】図13の薄膜トランジスタ表示板をXV−XV線による断面図である。
【符号の説明】
【0066】
110 絶縁基板
121 ゲート線
124 ゲート電極
129 ゲート線の端部
140 ゲート絶縁膜
154 半導体層
163、165 抵抗性接触層
164 不純物半導体層
171 データ線
81、82 接触補助部材
173 ソース電極
175 ドレイン電極
179 データ線の端部
180 保護膜
181、182、185 接触孔
191 画素電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物5乃至35重量%、
スチレン系化合物5乃至40重量%、
エポキシ系化合物5乃至40重量%、
イソボルニル系化合物0.1乃至10重量%、そして
ジシクロペンタジエン系化合物20乃至40重量%を重合して製造されることを特徴とする有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項2】
前記不飽和カルボン酸はアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸及びメサコン酸または桂皮酸より選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項3】
前記スチレン系化合物はスチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン及びビニルトルエン(vinyl toluene)より選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ系化合物は、グリシジル(メタ)アクリレート、α-n-プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α-n-ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7-エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp-ビニルベンジルグリシジルエーテルより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項5】
前記イソボルニル系化合物は、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチール(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及び2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項6】
前記ジシクロペンタジエン系化合物は、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリス−2−アクリロオキシエチルイソシアヌレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)クリレート及びエチレンオキシドビスフェノールA(メタ)クリレートより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項7】
前記樹脂組成物は総固形分に対して0.01乃至15重量%の重合開始剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項8】
前記重合開始剤は、2,2´-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2´-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2´-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2´-アゾビス(4-シアノ吉草酸)及びジメチル2,2´-アゾビスイソブチルレートより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物。
【請求項9】
不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物5乃至40重量%、スチレン系化合物5乃至40重量%、エポキシ系化合物5乃至40重量%、イソボルニル系化合物0.1乃至10重量%、ジシクロペンタジエン系化合物20乃至40重量%、そして重合開始剤0.01乃至15重量%を重合して共重合体溶液を製造する段階、そして
前記共重合体溶液を精製して共重合体樹脂を製造する段階を含むことを特徴とする有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項10】
前記共重合体溶液を製造する段階は
前記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、前記スチレン系化合物、前記エポキシ系化合物、前記イソボルニル系化合物、前記ジシクロペンタジエン系化合物及び前記重合開始剤を含有した溶液を製造する段階、そして
前記溶液を加温する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項11】
前記溶液を加温する段階は、40乃至80℃で遂行することを特徴とする請求項10に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項12】
前記溶液を加温する段階は、4乃至48時間の間、100乃至500rpmの速度で遂行することを特徴とする請求項11に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項13】
前記溶液を加温する段階後に、
重合禁止剤0.001乃至1重量%を添加して前記重合を完了する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項14】
前記重合禁止剤は、フェノール基を有しないラクトン、ホスファート及びホスホナイトより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項13に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項15】
前記共重合体樹脂を製造する段階後に、前記共重合体樹脂を溶剤に溶解する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項16】
前記溶剤は、プロピオネート、メタノール、プロピレングリコールモノエチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルプロピオネート、ブチルアセテート、乳酸エチル、カルビトール及びプロピレングリコールメチルエチルエーテルより選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項15に記載の有機絶縁膜用樹脂組成物の製造方法。
【請求項17】
基板、
前記基板上に形成されている複数の薄膜パターン、そして
前記薄膜パターン上に形成されている絶縁膜
を含み、
前記絶縁膜は、総固形分に対して5乃至35重量%の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物またはこれらの混合物、5乃至40重量%のスチレン系化合物、5乃至40重量%のエポキシ系化合物、1乃至10重量%のイソボルニル系化合物及び20乃至40重量%のジシクロペンタジエン系化合物を重合して形成された共重合体樹脂を含むことを特徴とする表示板。
【請求項18】
前記薄膜パターンは、ゲート電極を含むゲート線、前記ゲート線上に形成されているゲート絶縁膜、前記ゲート絶縁膜上の所定領域に形成されている半導体層、前記ゲート絶縁膜及び半導体層上に形成されてソース電極を含むデータ線、及び前記ソース電極と所定間隔で対向しているドレイン電極を含むことを特徴とする請求項17に記載の表示板。
【請求項19】
前記絶縁膜上に前記ドレイン電極と連結されている画素電極をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−224293(P2007−224293A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−14523(P2007−14523)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【出願人】(500013751)東進セミケム株式会社 (72)
【氏名又は名称原語表記】Dongjin Semichem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】472−2 Gajwa−dong,Seo−ku,Incheon−city 404−250,Korea
【Fターム(参考)】