説明

樹脂封止方法

【課題】 簡略な工程で電子部品を樹脂封止できる樹脂封止方法の提供。
【解決手段】 固定型及び可動型を備えた金型を用い、インサート成形法を適用し、平板状ワークの所要部分を被覆する樹脂封止方法であり、
固定型及び可動型を貫通して設けられた一対以上の突出ピンを両方向から突き出すことにより、金型内のキャビティに装填された平板状ワークを両面側から支持した後、樹脂を充填すると共に、充填完了直前に突出ピンを引き抜くことにより、平板状ワークの両面を被覆する樹脂封止方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気又は電子部品等の平板状ワークを樹脂で被覆する方法として適した樹脂封止方法及び前記方法で得られた電気又は電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
IC素子等の電子部品等を酸素や湿気から保護するため、樹脂で封止する手段が広く採用されている。従来、この封止方法としては、IC素子等を2枚の外装品間に配置し、前記外装品の合わせ目を超音波溶接等で張り合わせる方法が知られている。しかし、この封止方法は、工程が複雑で製品歩留まりが悪く、張り合わせ面から湿気、埃等が侵入して故障を引き起こすこともある。更に、張り合わせ面から2枚の外装品を引き剥がし、IC素子等を改造した後、再度張り合わせる、偽造行為を誘因する恐れもある。
【0003】
他の樹脂封止方法として、特開平6−91694号公報、同11−58444号公報、同11−254476号公報、同11−254477号公報、特開2000−133665号公報が提案されているが、製造工程の簡略化、製品歩留まりの向上、製品の品質等の点で改善の余地がある。
【特許文献1】特開平6−91694号公報
【特許文献2】特開平11−58444号公報
【特許文献3】特開平11−254476号公報
【特許文献4】特開平11−254477号公報
【特許文献5】特開2000−133665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、IC素子等の電気又は電子部品を樹脂で封止する方法として適した樹脂封止方法、前記樹脂封止方法を適用して得られる電気又は電子部品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、固定型と可動型に設けた1又は2以上のキャビティを適宜組み合わせる際、前記組み合わせの選択手段として、固定型又は可動型の移動を採用したことにより、封止対象となる電気又は電子部品のような平板状ワークを金型から取り出すことなく、歩留まり良く、迅速に封止することができるものである。
【0006】
請求項1に係わる発明は、上記課題の別の解決手段として、固定型及び可動型を備えた金型を用い、インサート成形法を適用し、平板状ワークの所要部分を被覆する樹脂封止方法であり、
固定型及び可動型を貫通して設けられた一対以上の突出ピンを両方向から突き出すことにより、金型内のキャビティに装填された平板状ワークを両面側から支持した後、樹脂を充填すると共に、充填完了直前に突出ピンを引き抜くことにより、平板状ワークの両面を被覆する樹脂封止方法を提供する。
【0007】
本発明の樹脂封止方法を適用する際には、ワークの機能、構造等に応じて、所要部分(全部又は一部)を被覆すればよい。
【0008】
本発明における「ワーク(工作物、加工物)」とは、様々な目的で樹脂封止する必要があるものを意味し、例えば、電気絶縁性、酸化防止性、防湿性、断熱性、緩衝性、保温性、耐擦傷性、制振性(振動減衰性)、耐光性等を付与する目的で樹脂封止する必要があるものを意味する。このようなワークとしては、電気又は電子部品を挙げることができ、電気又は電子部品としては、例えば、IC、LSI、コンデンサー、アンテナ、LED、トランジスタ、ダイオード、ソレノイドコイル、バイメタル、アンテナ、水晶振動子等を挙げることができる。
【0009】
また、本発明の樹脂封止方法は、平板状のワークに対して適しているが、円柱状、角柱状、球状、立方体状、不定形等のワークに対しても適用できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂封止方法を適用すれば、簡略化された方法により、所望のワークを連続的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1(a)〜(d)により、本発明の一実施形態を説明する。図1(a)〜(d)は、樹脂封止方法の工程を示す概念図である。
【0012】
金型は、固定型10と可動型40とからなり、固定型10は、押出成形機や射出成形機等の樹脂充填手段50に接続された固定板20と、固定板20と可動型40の間に配置される中間板30からなっている。
【0013】
固定板20は、スプルー21と樹脂分配空間22を有しており、樹脂分配空間22は、中間板30に設けられた2つのスプルー35、36又は37、38に樹脂を供給する機能を有している。
【0014】
中間板30は、2つのスプルー35、36に連結された第1のキャビティ31と、前記第1のキャビティ31とは間隔をおいて配置された、2つのスプルー37、38に連結された第3のキャビティ32を有している。そして、中間板30は、図1(a)〜(d)に示すとおり、正逆方向にスライドさせることができる。なお、第1のキャビティ31をなす窪み部分を平面にすることもできる。可動型40は、第2のキャビティ41を有している。
【0015】
図1(a)において、第1のキャビティ31に、電気又は電子部品等の図2に示すような平板状ワーク60を装填する。この平板状ワーク60の径又は面積は、第1のキャビティ31の径又は面積よりも小さい。なお、第1のキャビティ31の部分を平面にしたときは、平板状ワーク60を吸引手段等により保持する。
【0016】
その後、図1(b)に示すとおり、第1のキャビティ31と第2のキャビティ41とが相対するように合わせた状態で、固定型10と可動型40とを、型締装置により型締する。
【0017】
次に、樹脂充填手段50から溶融樹脂を供給し、スプルー21、樹脂分配空間22、スプルー35、36を経て、第1のキャビティ31と第2のキャビティ41からなる空間内に樹脂55を充填する。このとき、図1(a)、(b)に示すとおり、第2のキャビティ41の径又は面積の方が第1のキャビティ31の径又は面積よりも大きく設定されているため、ワーク60の一面60a側(可動型40側)が樹脂により被覆され、図2(a)に示すような一次成形品61が得られる。
【0018】
次に、図1(c)のとおり、型開したとき、一次成形品61は、第2のキャビティ41に移行している。その後、中間板30を矢印方向にスライド移動させ、第3のキャビティ32と第2のキャビティ41とが相対するように合わせた後、再度型締する。そして、第3のキャビティ32と第2のキャビティ41からなる空間内に、スプルー21、樹脂分配空間22、スプルー37、38を経て、樹脂を充填する。このとき、第3のキャビティ32と第2のキャビティ41とは、同径又は同面積に設定されているので、図2(b)のとおり、図2(a)の一次成形品61の他面61bが樹脂で被覆された、二次成形品62となる。
【0019】
その後、図1(a)のとおりに型開し、二次成形品62を取り出す。なお、図1(d)において、第1のキャビティ31に新たなワーク60を装填し、更に同様にして図1(a)〜(d)の工程を順次繰り返すことにより、連続的に二次成形品を得ることができる。この二次成形品は、そのまま又は更に印刷等の必要な処理をした後、最終製品として提供することができる。
【0020】
次に、図3(a)、(b)により、本発明の他の実施形態を説明する。図3(a)、(b)は、樹脂封止方法の工程を示す概念図である。
【0021】
金型は、固定型100と可動型140とからなり、固定型100は、押出成形機や射出成形機等の樹脂充填手段50、51に接続された固定板120と、固定板120と可動型140の間に配置される中間板130からなっている。
【0022】
固定板120は、樹脂充填手段50と接続されるスプルー121と、樹脂充填手段51と接続されるスプルー122、樹脂分配空間123を有している。樹脂分配空間123は、中間板130に設けられたスプルー136と、スプルー138のみに樹脂を供給する機能を有している。
【0023】
中間板130は、第1のキャビティ131と、第1のキャビティ131とは間隔をおいて配置された第3のキャビティ132を有している。そして、中間板130は、回転軸150により回転自在に支持されており、正逆方向に回転させることができる。
【0024】
可動型140は、第2のキャビティ141と第4のキャビティ142を有しており、回転軸150が貫通されているが、それ自体は回転しない。
【0025】
図3(a)において、可動型140の第2のキャビティ141に、平板状ワーク60を装填する。その後、図3(b)に示すとおり、固定型100と可動型140とを、第1のキャビティ131と第2のキャビティ141とが相対するように合わせた状態で、型締装置により型締する。
【0026】
次に、樹脂充填手段50から溶融樹脂を供給し、スプルー121、スプルー135を経て、第1のキャビティ131と第2のキャビティ141からなる空間内に樹脂を充填する。このとき、図3(a)に示すとおり、第1のキャビティ131の径又は面積の方が第2のキャビティ141の径又は面積よりも大きく設定されているため、図2(a)によれば、ワーク60の一面60b側(固定板120側)が樹脂により被覆された一次成形品61が得られる。
【0027】
次に、図3(a)のとおりに型開し、回転軸150を基点に中間板130を180°回転させ、第1のキャビティ131と、第4のキャビティ142とが相対するように合わせた後、再度型締する。なお、このとき第2のキャビティ141に新たなワークを装填する。
【0028】
そして、スプルー122、樹脂分配空間123、スプルー138を経て、樹脂を充填する。このとき、スプルー138と、第4のキャビティ142と隣接し、かつ連結された樹脂流入孔145の作用により、一次成形品61の樹脂で被覆されていない面が樹脂で被覆された、二次成形品62が得られる。
【0029】
その後、図3(a)のとおりに型開し、二次成形品62を取り出す。この工程を繰り返すことにより、二次成形品を連続的に製造することができる。この二次成形品は、そのまま又は更に印刷等の必要な処理をした後、最終製品として提供することができる。
【0030】
図4(a)、(b)により、本発明の他の実施形態を説明する。図4(a)、(b)は、樹脂封止方法の工程を示す概念図である。
【0031】
金型は、固定型200と可動型240とからなり、固定型200は、押出成形機や射出成形機等の樹脂充填手段50、51に接続固定される。固定型200は、互いに分離して配置された2つの樹脂充填機構を有している。
【0032】
一方の樹脂充填機構は、樹脂充填手段50と樹脂分配空間202とを連結するスプルー201と、樹脂分配空間202と第1のキャビティ210とを連結する2つのスプルー203、204とからなる。他方の樹脂充填機構は、樹脂充填手段51と樹脂分配空間212とを連結するスプルー211と、樹脂分配空間212と第3のキャビティ220とを連結する2つのスプルー213、214とからなる。
【0033】
可動型240は、互いに分離配置された第2のキャビティ241と、第4のキャビティ242を有しており、必要に応じて取り付けられた回転軸等の作用により、正逆方向に回転自在にされている。
【0034】
図4(a)において、第1のキャビティ210に、電気又は電子部品等の平板状ワーク60を装填する。その後、図4(b)に示すとおり、固定型200と可動型240とを、第1のキャビティ210と第2のキャビティ241とが相対するようにして合わせた後、型締装置により型締する。
【0035】
次に、樹脂充填手段50から溶融樹脂を供給し、スプルー201、樹脂分配空間202、スプルー203、204を経て、第1のキャビティ210と第2のキャビティ241からなる空間内に樹脂を充填する。このとき、図4(b)に示すとおり、第2のキャビティ241の径又は面積の方が第1のキャビティ210の径又は面積よりも大きく設定されているため、ワーク60の一面60a側(可動型240側)が樹脂により被覆された、図2(a)に示すような一次成形品61が得られる。
【0036】
次に、図4(a)に示すとおりに型開したとき、一次成形品61は、第1のキャビティ210から第2のキャビティ241に移行している。その後、可動型240を180°回転させ、固定型200と可動型240とを、第3のキャビティ220と一次成形品が存在する第2のキャビティ241とが相対するよう合わせた後、図4(b)に示すように再度型締する。
【0037】
そして、スプルー211、樹脂分配空間212、スプルー213、214を経て、樹脂を充填する。このとき、第3のキャビティ220と第2のキャビティ241とは、同径又は同面積に設定されているので、一次成形品61の他面61bが樹脂で被覆された、図2(b)に示すような二次成形品62となる。
【0038】
その後、図4(a)のとおりに型開し、二次成形品62を取り出す。なお、図4(a)において、二次成形を行う前に、第1のキャビティ210に新たなワークを装填し、更に同様にして図4(b)、(a)の工程を順次繰り返すことにより、連続的に二次成形品を得ることができる。この二次成形品は、そのまま又は更に印刷等の必要な処理をした後、最終製品として提供することができる。
【0039】
また、本発明の樹脂封止方法を適用する際は、図5(a)に示すように、平板状ワーク60として1又は2以上の貫通孔65を有するものを用いることができる。このようなワーク60を用いることにより、図5(b)に示すように、一次成形品は、貫通孔65から樹脂が突出して突出部66が形成された状態で一面側が被覆されたものとなり、二次成形品62は、前記突出部66を含んだ状態で他面側が樹脂で被覆されたものとなる。このため、貫通孔65が一次成形品を得る際の樹脂の充填圧を緩和するように作用し、かつ突出部66が両面を被覆する樹脂を結合させるように作用する。
【0040】
図6(a)、(b)により、本発明の他の実施形態を説明する。図6(a)、(b)は、樹脂封止方法の工程を示す概念図である。
【0041】
金型は、固定型300と可動型310とからなり、可動型310はスライド移動できるコア311を備えている。
【0042】
固定型300は、樹脂充填手段と連結された第1スプルー320と第2スプルー321を有しており、第1スプルー320は、固定型300に設けられたピンポイントゲート325に接続されている。また第2スプルー321の先端は、可動型310に設けられた樹脂流入空間330に接続されている。
【0043】
固定型300と可動型310との合わせ面(PL面)にはキャビティ340が形成され、前記キャビティ340内にはワーク341が装填されている。キャビティ340は、固定型300の凹部面300aと可動型310(コア311)の平面311aから形成されている。
【0044】
コア311の平面311aにワークを置いた後、コア311を矢印方向に上昇させることにより、固定型300の凹部内にワークを装填し、更に型締装置で型締する。そして、樹脂充填手段から溶融樹脂を供給し、スプルー320、ピンポイントゲート325からキャビティ340内に樹脂を充填し、ワークの一面側(固定型300側)を樹脂で被覆する。
【0045】
その後、コア311を下降させ、ワークの他面側(コア311側)に、樹脂が充填されていない新たなキャビティを形成させる。そして、スプルー321、樹脂流入空間330から溶融樹脂を新たなキャビティに充填し、樹脂で被覆されていないワークの他面側も被覆して封止する。
【0046】
図7(a)、(b)により、本発明の他の実施形態を説明する。図7(a)、(b)は、樹脂封止方法の工程を示す概念図である。
【0047】
金型は、固定型300と可動型310とからなり、固定型300と可動型310との合わせ面(PL面)には、キャビティ340が形成されており、前記キャビティ340にはワーク341が装填されている。
【0048】
固定型300は、樹脂充填手段と連結された第1スプルー320を有しており、第1スプルー320はピンポイントゲート325に接続されている。可動型310は、樹脂充填手段と連結された第2スプルー321を有しており、第2スプルー320はピンポイントゲート326に接続されている。
【0049】
一対の突出ピン350、351と一対の突出ピン360、361は、キャビティ340内においてワーク341を支持するためのものであり、それぞれ固定型300と可動型310を貫通し対向して設けられ、それらの長さ方向(図中の矢印方向)に移動自在に取り付けられている。
【0050】
図7(a)に示すように、ワーク341をキャビティ340内に入れ、固体型300と可動型310を型締した後、それぞれ一対ずつの突出ピン350、351と突出ピン360、361との突き出し位置を調整することにより、キャビティ340内においてワーク341を支持固定する。
【0051】
その後、図7(b)に示すように、樹脂充填手段から溶融樹脂を供給し、スプルー320とスプルー321から樹脂を充填し、樹脂の充填完了直前に全ての突出ピンを引き抜くことにより、平板状ワークの両面を被覆して封止する。
【0052】
以上の樹脂封止方法を適用する際、ワークの損傷を防止する観点から、樹脂充填時における金型内の最大圧力が、スプルーから25mm離れた位置で、好ましくは100MPa未満、より好ましくは80MPa未満、更に好ましくは40MPa未満であることが望ましい。このような樹脂の充填圧力は、好適な樹脂を選択することにより達成できる。
【0053】
本発明の樹脂封止方法では、封止樹脂として熱可塑性樹脂を用いることができ、この熱可塑性樹脂としては、樹脂充填手段として成形機を適用するとき、シリンダーの設定温度が300℃以下で充填できるものが好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、封止用の樹脂が、樹脂充填手段として成形機を適用するとき、シリンダー設定温度250℃、射出速度1m/分、射出圧力75MPaにおける2mm厚みの流動長が100mm以上のものが好ましい。
【0054】
このような熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、液晶ポリマーから選ばれる1又は2以上が好ましい。
【0055】
ポリアミド系樹脂としては、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるポリアミド樹脂及びそれらの共重合体、例えば、ナイロン66、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリドデカメチレンドデカナミド(ナイロン1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)及びこれらの混合物や共重合体;ナイロン6/66、6T成分が50モル%以下であるナイロン66/6T(6T:ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、6I成分が50モル%以下であるナイロン66/6I(6I:ポリヘキサメチレンイソフタラミド)、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/6I/610等の共重合体;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタラミド(ナイロンM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)イソフタラミド(ナイロンM5I)等の芳香族ポリアミド樹脂、ナイロン6T/6I,ナイロン6T/M5T等の共重合体から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
【0056】
また、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物及びこれらの成分からなる共重合体、例えば、ナイロン6、ポリ−ω−ウンデカナミド(ナイロン11)、ポリ−ω−ドデカナミド(ナイロン12)等の脂肪族ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体;ジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドとの共重合体、例えば、ナイロン6T/6、ナイロン6T/11、ナイロン6T/12、ナイロン6T/6I/12、ナイロン6T/6I/610/12から選ばれる1又は2以上を挙げることができる。
【0057】
ポリカーボネート系樹脂は、エステル交換法、溶融重合法等の周知の製造法を適用して得られるものであるが、好適には2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法で反応させて製造したものである。
【0058】
好ましい2価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げることができる。特に好ましい2価フェノールは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノールAを主原料とするものである。
【0059】
また、好ましいカーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエステル又はハロホルメート等を挙げることができ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメート及びそれらの混合物を挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂の製造には、上記2価フェノールの1種以上を使用することができ、このようにして得られたポリカーボネート系樹脂の2以上を混合して使用してもよい。
【0060】
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン及びα置換、核置換スチレン等のスチレン誘導体の重合体を挙げることができる。また、これら単量体を主として、これらとアクリロニトリル、アクリル酸並びにメタクリル酸のようなビニル化合物及び/又はブタジエン、イソプレンのような共役ジエン化合物の単量体から構成される共重合体も含まれる。例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリレート共重合体(MS樹脂)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)等を挙げることができる。。
【0061】
また、ポリスチレン系樹脂として、ポリアミド系樹脂との相溶性をあげるためのカルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体を含んでもよい。カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体は、ゴム質重合体の存在下に、カルボキシル基含有不飽和化合物及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を重合してなる共重合体である。成分を具体的に例示すると、
1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマーを必須成分とする単量体あるいは芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を重合して得られたグラフト重合体、
2)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を共重合して得られたグラフト共重合体、
3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されていないゴム強化スチレン系樹脂とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須成分とする単量体の共重合体との混合物、
4)上記1),2)とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須とする共重合体との混合物、
5)上記1)、2)、3)、4)と芳香族ビニルを必須成分とする共重合体との混合物がある。
【0062】
上記1)〜5)において、芳香族ビニルとしてはスチレンが好ましく、また芳香族ビニルと共重合する単量体としてはアクリロニトリルが好ましい。
【0063】
ポリオレフィン系樹脂は、炭素数2〜8のモノオレフィンを主たる単量体成分とする重合体であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1等から選ばれる1又は2以上が挙げられ、これらの中でもポリプロピレンが好ましい。
【0064】
ポリエステル系樹脂は、二価以上のカルボン酸成分又はエステル形成能をもつそれらの誘導体、二価以上のアルコール成分及び/又はフェノール成分、あるいはエステル形成能をもつそれらの誘導体とを公知の方法で重縮合して得られる飽和ポリエステル樹脂である。
【0065】
このようなポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレートを挙げることができる。。また、アルキレンアリレート単位を50重量%以上含むコポリエステルであってもよいし、全体としてアルキレンアリレート単位を50重量%以上含む混合物であってもよい。ポリエステル系樹脂の分子量は、重量平均分子量が好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは15,000〜500,000程度の範囲から選択できる。
【0066】
ポリウレタン系樹脂は、イソシアナート類とアルコール類との反応により得られるものである。
【0067】
イソシアナート類としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キリシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0068】
アルコール類としては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらの変性体等のポリエーテルポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
【0069】
(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂であり、これらはアクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、メタクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステルから選ばれるモノマーを重合して得られるものであり、前記モノマーと共重合可能な他のモノマー、例えばアクリロニトリルとの共重合体でもよい。
【0070】
液晶ポリマーとしては、芳香族−脂肪族ポリエステル、完全芳香族ポリエステル、芳香族ポリアゾメチレン、ポリイミドエステル等を挙げることができ、これらのうち異方性溶融形態を示す化合物が選択される。
【0071】
芳香族−脂肪族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートと安息香酸との共重合体等を挙げることができる。完全芳香族ポリエステルとしては、パラヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との共重合体;パラヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸及び6−ヒドロキシ−2−ナフトールの共重合体等を挙げることができる。芳香族ポリアゾメチレンとしては、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4−フェニレンニトロエチリデン)等を挙げることができる。ポリイミドポリエステルとしては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸及び4(4−ヒドロキシフタルイミド)フェノールの共重合体、ジフェノールと4−(4−ヒドロキシフタルイミド)安息香酸との共重合体等を挙げることができる。
【0072】
これらの共重合体が液晶ポリマーであるとの判別は、液晶ポリマーが溶融状態で光学的異方性を示すことを確認することにより行う。例えば、偏向顕微鏡の加熱ステージに1mm以下の厚さに調整された試験片をおき、窒素雰囲気下で2℃/分の昇温速度で加熱していく。この状態で偏向顕微鏡の偏向子を直交させ、40倍、又は100倍の倍率で観察することで容易に確認することができる。このような方法では、これら共重合体が液晶相に転移する温度も同時に測定でき、この転移温度は示差走査熱量測定(DSC)によっても測定可能である。
【0073】
本発明で用いる封止用の樹脂としては、ポリアミド系樹脂とABS樹脂の組み合わせ又はポリカーボネート系樹脂とABS樹脂との組み合わせからなるものが好ましい。
【0074】
本発明で用いる封止用の樹脂には、必要に応じて難燃剤、充填剤及び発泡剤から選ばれる1又は2以上を配合することができる。
【0075】
難燃剤としては、リン系難燃剤、無機系難燃剤等から選ばれる1又は2以上の組合せを挙げることができる。。
【0076】
リン系難燃剤はリン原子を有する化合物であれば特に制限されず、有機リン化合物(リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸又はその塩等)、無機系リン酸塩等が等を挙げることができる。。
【0077】
有機リン化合物のうちリン酸エステルは、例えば、脂肪族リン酸エステル(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等)、芳香族リン酸エステル(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェート、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェニルジクレジルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、テトラフェニル−m−フェニレンジホスフェート、テトラフェニル−p−フェニレンジホスフェート、フェニル・レゾルシン・ポリホスフェート、ビスフェノールA・ビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA・ポリフェニルホスフェート、ジピロカテコールハイポジホスフェート等)、脂肪族−芳香族リン酸エステル(ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェート、エチルピロカテコールホスフェート等)の正リン酸エステル及びこれらの縮合物を挙げることができる。。
【0078】
有機リン化合物のうち亜リン酸エステルは、例えば、芳香族ホスファイト(トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、フェニルピロカテコールホスファイト等)、脂肪族ホスファイト(トリストリデシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファイト、メチルネオペンチルホスファイト、ペンタエリスリトールジエチルジホスファイト、ジネオペンチルハイポホスファイト等)の亜リン酸エステル及びこれらの縮合物を挙げることができる。。
【0079】
その他、有機リン化合物は、トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル等も挙げられる。
【0080】
リン系難燃剤としての無機系リン酸塩は、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アミド、ポリリン酸メラミン等を挙げることができる。。
【0081】
リン系難燃剤は赤リンであってもよい。この赤リンは黄リンを転化した後に粉砕したもの、転化前に黄リンの状態で細かく分けて転化したもの等があり、表面が未処理のものや経時変化により黒リンを含有しているものを使用できる。しかし製造時の安全性を考慮すると、表面を金属酸化物や水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムに代表される水和金属酸化物等の無機物、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の有機物で被覆処理され安定化されたもの、赤リンを無電解メッキして金属被膜処理することにより安定化したものが好ましい。
【0082】
更に好ましくは熱可塑性樹脂をベース樹脂にしたマスターバッチとして配合することであり、これにより製造や保管時の安全性が飛躍的に向上する。ただし、成形性や機械的性質を考慮すると、組成物と相溶性に優れている樹脂が好ましい。このことからマスターバッチのベース樹脂は、上記の封止用樹脂から選ばれる1又は2以上組み合わせて使用することが更に好ましい。
【0083】
またリン系難燃剤は、リン原子に直接結合するエステル性酸素原子を少なくとも1つ以上有する有機リン化合物(有機リン酸エステル)又はその縮合体であってもよい。このような有機リン化合物は、熱可塑性樹脂組成物への添加により、難燃性を付与し耐衝撃性も向上させる。特に、リン酸エステルのうち、芳香族リン酸エステル(トリフェニルホスフェート等)又はその縮合体が好ましい。芳香族リン酸エステルにおいては、芳香環に置換した置換基の全炭素数は適当に選択でき、10〜20(例えば、12〜18)程度であってもよい。アルキル基が置換した芳香族リン酸エステルとしては、ビスC5〜C10アルキルフェニル−フェニルホスフェート(ビスノニルフェニルフェニルホスフェート等)等を挙げることができる。。リン酸エステルのうち、ヒドロキシル基を有する芳香族リン酸エステル(例えば、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の芳香族リン酸エステルにおいて、芳香環に少なくとも1つのフェノール性水酸基が置換したリン酸エステル)も好ましい。このようなリン酸エステルには、例えば、レゾルシニルジフェニルホスフェート、ビスフェノールAジフェニルホスフェート等を挙げることができる。。
【0084】
無機系難燃剤としては、種々の金属化合物、例えば、水酸化カルシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等の金属ホウ酸塩、そしてトリアジン系化合物等を挙げることができる。。
【0085】
難燃剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
【0086】
充填剤は、繊維状又は粉末状等の無機充填剤が好ましく、炭素繊維、ホイスカー(ウィスカー)、ガラス繊維等を挙げることができる。が、これらの中でも炭素繊維が好ましい。
【0087】
炭素繊維は、樹脂の流動性に大きな影響を与えるため、重量平均繊維長が0.7mm以下のものが好ましい。重量平均繊維長が0.7mm以下であると、流動性の低下が起こらない。
【0088】
ホイスカーは金属及び非金属のいずれでもよく、硼酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、グラファイト、マグネシア、硫酸カルシウム、リン酸ナトリウムカルシウム、硼酸マグネシウム、2硼化チタン、α−アルミナ、クリソタイル、ワラストナイト等からなるものを挙げることができる。。
【0089】
ガラス繊維は、通常樹脂の強化用に用いられるものであれば特に限定されず、集束剤、カップリング剤等で表面処理されていてもよい。ガラス繊維は、補強効果を高める上からは長い方が好ましいが、外観、混合時の作業性、ペレタイジング等を考慮すると、0.4〜6.0mm程度が好ましく、最終成形品中の長さは0.2〜2mm程度が好ましい。
【0090】
充填剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜70重量部である。
【0091】
発泡剤は、封止後の樹脂部分を1.00〜2.00の範囲の発泡倍率からなる発泡構造にするために配合するものであり、発泡剤を配合すると同等の効果が得られるものであれば発泡剤は使用しなくても良い。よって、化学発泡剤を添加して押出し成形する方法、発泡ガス原料を注入しながら押出し成形する方法、液状の発泡ガス原料を樹脂組成物に含浸させたものを押出し成形する方法等を適用して製造することができる。化学発泡剤や発泡ガス原料としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、液状のプロパン、ブタン等の炭化水素等を挙げることができる。
【0092】
本発明で用いる封止用の樹脂には、必要に応じて、熱、光、酸素に対する安定剤(フェノール系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸フェニル化合物等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系安定剤やスズ化合物、エポキシ化合物等の熱安定剤)、可塑剤、ジメチルポリシロキサン等の摺動性改良剤、陰イオン界面活性剤(例えば、高級脂肪酸塩)等の滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等を添加してもよい。
【実施例】
【0093】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0094】
実施例1〜8、比較例1、2
表1に示すとおり、図1、図3又は図4に示す金型及び手順により、ワーク(ICチップを実装した基板)を樹脂封止した。封止効率は、1時間当たりの封止個数であり、製品歩留まりは、1000個を封止したときの不良品を除いた製品(合格品)の割合である。なお、実施例及び比較例で用いた樹脂の詳細は下記のとおりである。
【0095】
PA:ナイロン樹脂(宇部興産(株),UB1010)
ABS:ABS樹脂(日本A&I(株),サンタックAT08)
PC:ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株),タフロンFN1700)
PPS:ポリプラスチックス(株),フォートロン0220A9
PEEK:ICI日本(株),ビクトレックス
難燃剤1:帝人化学(株),ファイヤガード3100
難燃剤2:旭電化工業(株),FP500
無機充填剤:旭ファィバーグラス(株),C503FT606
【0096】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図2】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図3】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図4】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図5】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図6】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【図7】本発明の樹脂封止方法を説明するための工程図。
【符号の説明】
【0098】
10、100、200、300 固定型
40,140,240,310 可動型


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型及び可動型を備えた金型を用い、インサート成形法を適用し、平板状ワークの所要部分を被覆する樹脂封止方法であり、
固定型及び可動型を貫通して設けられた一対以上の突出ピンを両方向から突き出すことにより、金型内のキャビティに装填された平板状ワークを両面側から支持した後、樹脂を充填すると共に、充填完了直前に突出ピンを引き抜くことにより、平板状ワークの両面を被覆する樹脂封止方法。
【請求項2】
樹脂の充填を、固定型又は固定型と可動型に設けられたピンポイントゲートから行う請求項1記載の樹脂封止方法。
【請求項3】
樹脂を充填する際、発泡倍率が1.00〜2.00の範囲で発泡させ、樹脂封止部分を発泡構造とする請求項1又は2記載の樹脂封止方法。
【請求項4】
樹脂を充填するとき、樹脂充填時における金型内の最大圧力が、ゲートから25mm離れた位置で100MPa未満である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項5】
封止用の樹脂として熱可塑性樹脂を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項6】
封止用の樹脂が、樹脂充填手段として成形機を適用するとき、シリンダーの設定温度が300℃以下で充填できるものである請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項7】
封止用の樹脂が、樹脂充填手段として成形機を適用するとき、シリンダー設定温度250℃、射出速度1m/分、射出圧力75MPaにおける2mm厚みの流動長が100mm以上のものである請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項8】
封止用の樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、液晶ポリマーから選ばれる1又は2以上である請求項4〜7のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項9】
封止用の樹脂が、ポリアミド系樹脂とABS樹脂の組み合わせからなるものである請求項4〜7のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項10】
封止用の樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とABS樹脂との組み合わせからなるものである請求項4〜7のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項11】
封止用の樹脂が、難燃剤、充填剤又は発泡剤を含有する請求項4〜10のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項12】
平板状ワークが、電気又は電子部品である請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂封止方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂封止方法を適用して得られた電気又は電子部品。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−111018(P2006−111018A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324684(P2005−324684)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【分割の表示】特願2001−319282(P2001−319282)の分割
【原出願日】平成13年10月17日(2001.10.17)
【出願人】(501041528)ダイセルポリマー株式会社 (144)
【出願人】(000227054)日精樹脂工業株式会社 (293)
【Fターム(参考)】