説明

機能性を有する層、及びそれを有する可撓性基板の形成方法、並びに半導体装置の作製方法

【課題】導電層や着色層を含む機能性を有する層、及び機能性を有する層を有する可撓性基板を歩留まり高く形成方法を提供する。また、小型化、薄型化、及び軽量化された半導体装置の作製方法を提供する。
【解決手段】耐熱性を有する基板上にシランカップリング剤を塗布した後、機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、基板から機能性を有する層を剥離する。また、耐熱性を有する基板上にシランカップリング剤を塗布した後、機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、基板から機能性を有する層を剥離し、機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性を有する層及びそれを有する可撓性基板の作製方法に関する。また、機能性を有する層を有する半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可撓性基板上にアンテナ、画素電極、配線等として機能する導電層を形成する方法として、スクリーン印刷法により金属元素を有する粒子を含む組成物を可撓性基板上に印刷した後、組成物を加熱し焼成して導電層を形成する方法や、メッキ法を用いて可撓性基板上に導電層を形成する方法がある。
【特許文献1】特開2004−310502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
金属元素を有する粒子を含む組成物を用いて抵抗の低い導電層を形成するためには、高温、代表的には200℃以上で加熱し焼成することが好ましい。しかしながら、可撓性基板は材質によりガラス転移温度が低く、金属元素を有する粒子を含む組成物の焼成温度より低いものもある。このため、可撓性基板上に金属元素を有する粒子を含む組成物を直接印刷し、加熱し焼成して抵抗の低い導電層を形成すると、可撓性基板が変形してしまうという問題があった。
【0004】
一方、メッキ法は焼成工程を必要とせず、室温〜100度程度の比較的低温で低抵抗の導電層を形成することが可能である。しかしながら、メッキ法は、硫酸、塩酸、シアン化合物等の危険な薬品を使用する問題や、廃液が公害となる問題があった。
【0005】
同様に、従来のカラーフィルターは、着色樹脂、顔料分散樹脂等を用いて形成するが一般的である。しかしながら、これらを硬化するためには、可撓性基板のガラス転移温度よりも高い温度の加熱工程が必要である。このため、可撓性基板上に直接着色層を形成することが困難であった。
【0006】
以上のことを踏まえ、本発明は、導電層や着色層を含む機能性を有する層、及び機能性を有する層を有する可撓性基板を歩留まり高く形成方法を提供する。また、小型化、薄型化、及び軽量化された半導体装置の作製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、耐熱性を有する基板上にシランカップリング剤を塗布した後、機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、基板から機能性を有する層を剥離することを要旨とする。
【0008】
また、本発明は、基板上に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層上に機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層において、基板から機能性を有する層を剥離することを要旨とする。
【0009】
また、本発明は、耐熱性を有する基板上にシランカップリング剤を塗布した後、機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、基板から機能性を有する層を剥離し、機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせることを要旨とする。
【0010】
また、本発明は、耐熱性を有する基板上に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層上に機能性を有する層を形成し、機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層において基板から機能性を有する層を剥離し、機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせることを要旨とする。
【0011】
また、本発明は、上記機能性を有する層、または上記機能性を有する層を有する基板を有する半導体装置を要旨とする。
【0012】
なお、機能性を有する層を剥離した後、機能性を有する層の一表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を除去してもよい。また、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を除去した後、機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせてもよい。
【0013】
機能性を有する層としては、配線、電極、画素電極、アンテナ等として機能する導電層と、該導電層を覆う絶縁層が挙げられる。なお、導電層の一面は、作製工程において、シランカップリング剤と接する面であり、導電層のその他の面は絶縁層と接する。
【0014】
また、機能性を有する層としては、着色層と、該着色層を覆う絶縁層が挙げられる。なお、着色層の一面は、作製工程においてシランカップリング剤と接し、着色層のその他の面は絶縁層と接する。
【0015】
また、機能性を有する層として、複数の導電層や、複数の着色層を有する場合、絶縁層は、すべての導電層や着色層を覆う。
【0016】
また、機能性を有する層の絶縁層は、導電層や着色層の劣化や酸化を防止する保護膜として機能することが好ましい。また、導電層や着色層の凹凸を緩和する平坦化層として機能することが好ましい。
【0017】
機能性を有する層の形成方法としては、液滴吐出法や、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、又はグラビア印刷等の印刷法等がある。また、メタルマスクを用いた蒸着法、CVD法、スパッタリング法等がある。更には、当該方法を複数用いることもできる。
【0018】
組成物を用いて機能性を有する層を形成する場合、加熱温度は、200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下が望ましい。組成物の加熱温度が200℃より低いと、組成物の焼成が不十分である。また、350℃より高い温度で加熱すると、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層が反応してしまい、後に基板から機能層を容易に剥離することが困難となる。
【0019】
機能性を有する層がアンテナとして機能する導電層を有する場合、半導体装置の代表例としては、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置がある。また、機能性を有する層が画素電極を有する層である場合、半導体装置の代表例としては表示装置がある。また、機能性を有する層が着色層である場合、半導体装置の代表例としては、表示装置がある。
【発明の効果】
【0020】
酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層は、物理的力で分離されやすいため、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層上の機能性を有する層を、基板から剥離することができる。このため、耐熱性を有する基板上で形成した機能性を有する層を基板から剥離し、機能性を有する層を容易に形成することが可能である。
【0021】
また、当該機能性を有する層を耐熱性の低い可撓性基板に貼り付けて、機能性を有する層を有する可撓性基板を形成することができる。このため、形成工程において可撓性基板のガラス転移温度以上の焼成が必要な組成物を用いて、機能性を有する層を、歩留まり高く形成することが可能である。また、金属元素を有する粒子を含む組成物を用いる場合、抵抗の低い導電層を有する可撓性基板を、歩留まり高く形成することが可能である。
【0022】
また、表面エネルギーの低い酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層上に印刷法により組成物を塗布することで、印刷された組成物の側面のうねりを低減することができる。また、組成物の幅を制御することが可能であり、細線化が可能である。このため、幅や隣接間隔が均一な層を形成することができる。また、従来の印刷法で形成される層より、微細な幅な層を形成することができる。
【0023】
このような層をアンテナに用いることで、インダクタンスのばらつきの少ないアンテナを形成することが出来る。また、起電力の高いアンテナを形成することができる。また、このような層を配線、画素電極、着色層等に用いることで、歩留まり高く半導体装置を作製することが可能である。さらには、このような層を有する可撓性基板を用いることで、半導体装置の小型化、薄型化、及び軽量化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる形態で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、容易に機能性を有する層を形成する方法の一形態について図1、2、7、及び15を用いて説明する。なお、図1は、機能性を有する層を形成する工程の断面図を示し、図2は、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置(RFID(Radio Frequency Identification)タグ、ICチップ、ICタグ、IDチップ、IDタグ、RFチップ、RFタグ、無線チップ、無線タグとも呼ばれる。)の断面図を示し、図7は図1(A)の上面図を示す。図1の断面図A−Bは、図7の上面図のA−Bの領域に対応する。また、本実施の形態では、機能性を有する層として、導電層を有する層を用いて説明する。また、ここでの導電層は、アンテナとして機能する。なお、本実施の形態は、機能性を有する層として、導電層以外にも着色層を有する層の形成する方法に適用することができる。また、導電層として、アンテナ以外の画素電極、配線、電極等の形成する方法に適用することができる。
【0026】
図1(A)に示すように、基板101上にシランカップリング剤を塗布して酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に導電層103を形成し、導電層103を覆う絶縁層104を形成する。なお、導電層103及び絶縁層104により、機能性を有する層(以下、機能層105という。)を構成することができる。また、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層は剥離層として機能する。
【0027】
基板101としては、導電層103の焼成温度に耐えうる耐熱性を有する基板が好ましく、代表的には、ガラス基板、石英基板、セラミック基板、金属基板、シリコンウェハ等を用いることができる。
【0028】
酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102としては、基板101との密着性が高く、且つ表面エネルギーが後に塗布される組成物と比較して小さい層を形成することが好ましい。酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102は、シランカップリング剤を用いて形成される。シランカップリング剤とは、R−Si−X(4−n)(n=1、2、3)(Rは、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種の官能基、Xは、アルコキシ基)で示される珪素化合物である。また、シランカップリング剤を用いて形成した層は、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層となる。
【0029】
代表的なアルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、代表的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。
【0030】
アルコキシ基の数は1〜3のモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシランである。
【0031】
Rとしてアルキル基を有する珪素化合物の代表例としては、炭素数2〜30のアルキル基を有するアルコキシシランが好ましく、代表的には、エチルトリエトキシシラン、プロピルエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)、エイコシルトリエトキシシラン、トリアコンチルトリエトキシシランなどがある。
【0032】
Rとしてアリール基を有するアルコキシシランとしては、炭素数6〜8のアリール基を有するアルコキシシランが好ましく、代表的には、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、トルイルトリエトキシシランなどがある。
【0033】
Rとしてフルオロアルキル基を有するアルコキシシランとしては、炭素数3〜12のフルオロアルキル基が好ましく、代表的には、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(ヘニコサフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシランなどがある。
【0034】
Rとしてフルオロアリール基を有するアルコキシシランとしては、炭素数6〜9のフルオロアリール基を有するアルコキシシランが好ましく、代表的には、ペンタフルオリフェニルトリエトキシシラン、(ペンタフルオロフェニル)プロピルトリエトキシシランなどがある。
【0035】
なお、シランカップリング剤を溶媒に溶解した溶液を用いて、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成してもよい。このときの溶媒は、トルエン、キシレン、ヘキサデカン等の炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール等がある。
【0036】
酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の形成方法としては、液滴吐出法や、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、またはグラビア印刷等の印刷法等を用いることができる。また、真空蒸着法、蒸着法、CVD法、スパッタリング法等を用いることができる。なお、ここでは、液滴吐出法とは組成物の液滴を微細な孔から吐出して所定の形状のパターンを形成する方法である。
【0037】
導電層103は、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に組成物を塗布法により塗布し、組成物を加熱して金属元素を有する粒子を焼成して形成する。塗布法としては、液滴吐出法や、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、又はグラビア印刷等の印刷法等を用いることができる。また、メタルマスクを用いた蒸着法、CVD法、スパッタリング法等を用いることができる。更には、当該方法を複数用いることもできる。また、組成物は、金属元素を有する粒子、及び金属元素を有する粒子を分散させる溶媒で構成される。
【0038】
組成物の加熱温度は、200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下が望ましい。組成物の加熱温度が200℃より低いと、金属元素を有する粒子の焼成が不十分であり、抵抗の高い導電層が形成されてしまう。また、350℃より高い温度で加熱すると、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層が反応してしまい、後に基板から機能層を容易に剥離することが困難となる。
【0039】
金属元素を有する粒子としては、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al、Ta、Mo、Cd、Zn、Fe、Ti、Zr、及びBaのいずれか一つ以上の導電性粒子、または当該元素を有する化合物粒子を適宜用いることができる。
【0040】
また、金属元素を有する粒子として、In、Ga、Al、Sn、Ge、Sb、Bi、及びZnのいずれか一つ以上の元素を有する導電性粒子、または化合物粒子を二つ以上有する組成物を加熱し焼成することで透光性を有する導電層を形成することができる。
【0041】
上記金属元素を有する化合物粒子としては、金属ハロゲン化合物、金属硫酸化合物、金属硝酸化合物、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸化合物などの無機塩粒子、金属酢酸化合物、金属シュウ酸化合物、金属酒石酸化合物などの有機塩粒子を適宜用いることができる。
【0042】
金属元素を有する粒子の径は、1nm〜10μm、1〜5μm、1〜100nm、2〜50nm、更には3〜20nmであることが好ましい。このように粒径の小さな粒子を用いることで、後に形成される導電層の抵抗値を低減させることが可能である。
【0043】
さらには、金属元素を有する粒子の他に、炭素、珪素、ゲルマニウム等の粒子を適宜用いても良い。
【0044】
金属元素を有する粒子を分散させる溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等、エポキシ樹脂、珪素樹脂(シリコーン)等の有機樹脂を適宜用いる。
【0045】
導電層103は、アンテナ、配線、画素電極、電極等として機能する導電層を適宜形成することができる。
【0046】
ここで、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に塗布される組成物の形状について図15を用いて説明する。図15(A)は、図1(A)の基板101、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102、及び導電層103の接する領域を拡大したモデル図であり、図15(B)は、図1(C)の酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離し、基板と、導電層103とが剥離される領域の拡大図である。
【0047】
図15(A)において、基板101、ここではガラス基板表面では、ガラス基板表面の酸素と、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の珪素とが結合され、当該珪素とアルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種の官能基Rが結合している。また、隣接する珪素は酸素を介して結合している。なお、ここでは、官能基Rの一部である置換基をCH基として示し、官能基Rと珪素の間に図示している。なお、官能基Rの一部であれば、CH基に限られず様々な置換基が示される。
【0048】
また、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の表面は、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種の官能基Rが露出している。また、官能基Rに接して導電層103が形成されている。
【0049】
酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の表面には、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種に代表される不活性な官能基Rが露出しているため、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の表面における表面エネルギーは、相対的に小さくなる。
【0050】
また、官能基の炭素鎖長が長いほど、接触角が大きくなり、表面エネルギーが相対的に小さくなる。このため、表面エネルギーの異なる組成物は、当該層上で弾かれやすくなり、組成物は表面エネルギーの小さな膜の表面を流動し、安定な形状となってとどまる。
【0051】
即ち、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層に塗布される組成物は、組成物の表面エネルギーが安定化するような形状となる。このため、塗布された組成物の側面のうねりが低減される。このようなペーストを乾燥・焼成することで、側面のうねりが緩和された導電層を形成することが可能である。
【0052】
導電層103を覆う絶縁層104は、塗布法で絶縁性の組成物を酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102及び導電層103の露出部に塗布し、加熱し焼成して形成する。塗布法としては、導電層103の塗布法を適宜適用することができる。また、絶縁性の組成物としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の有機化合物、シリカガラスに代表されるシロキサンポリマー、又はアルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマー等を適宜用いることができる。
【0053】
本発明においては、図7に示すように、絶縁層104は、導電層103が形成される領域(図7の破線内側)の外側まで形成されることが好ましい。即ち、導電層の側面の一部が絶縁層から露出されることなく、導電層のすべてを覆うように絶縁層104を形成することが好ましい。この結果、導電層103は絶縁層104に封止されるため、導電層の酸化や不純物の混入を防止することが可能であり、導電層の劣化を抑制することが可能である。また、導電層のすべてを覆うように絶縁層が形成されているため、後の剥離工程において、機能層が分断されることなく一つの層として剥離することが可能である。
【0054】
次に、図1(B)に示すように、絶縁層104の表面、代表的には絶縁層104の表面の一部または全部に粘着部材106を貼りあわせた後、粘着部材106を用いて物理的に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を分離する。代表的には、粘着部材106を、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102または絶縁層104の表面に角度θで引っ張る。角度θは水平以外の方向、具体的には、0°<θ<180°、好ましくは、30°≦θ≦160°、より好ましくは60°≦θ≦120°である。この結果、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離され、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102において、基板101から機能層105が剥離される。このとき、基板101上には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102bが残存し、機能層105には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aが残存する。
【0055】
さらに、粘着部材106上にローラーを配置し、ローラーの回転によって基板から物理的に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を分離する場合、角度θは0°<θ<90°、好ましくは0°<θ<45°である。この結果、機能層105にクラックが入るのを防ぎながら、基板101から機能層105を剥離することができる。
【0056】
ここで、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離し、基板101と機能層105とが剥離される原理について、図15(B)を用いて説明する。図1(B)に示すように、粘着部材106を引き上げると、基板101表面と酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102との密着性や、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102と導電層103との密着性と比較して、不活性な基内部の結合力が低い。即ち、基板101上の酸素と珪素の結合力や、導電層103と酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102との密着性と比較して、不活性な基内部の結合力が弱い。このため、図15(B)に示すように、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種の官能基Rの結合の一部が切断され、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層が分断される。この結果、基板101から機能層105を剥離することができる。
【0057】
なお、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基から選ばれた少なくとも一種の官能基Rの結合の一部が切断さるため、基板表面においては、アルキル基、アリール基、フルオロアルキル基、フルオロアリール基の残存部が残る。このため、分離された酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102b表面においても、接触角が大きく、表面エネルギーが相対的に小さい。このため、表面エネルギーの異なる組成物は、当該層上で弾かれやすくなり、組成物は表面エネルギーの小さな膜の表面を流動し、安定な形状にとどまる。この結果、分離された酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102bを有する基板101を、再度機能層を形成するために用いることができる。
【0058】
ここでは、粘着部材106として、光可塑型粘着フィルム、熱可塑型粘着フィルム等を用いることができる。尚、フィルムの代わりに、テープ、シート、基板等を適宜用いることができる。さらには、粘着部材の代わりに、静電気力や吸着力により絶縁層104の表面に部材を着設してもよい。
【0059】
次に、図1(D)に示すように、導電層103と機能層105の表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aを除去してもよい。酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部は、水素、希ガス、窒素等のプラズマの照射や、400℃以上での加熱処理により除去することができる。以上の工程により、機能層を容易に形成することができる。また、側面のうねりが低減された導電層、または細線化された導電層を有する機能層を容易に形成することができる。
【0060】
次に、図1(E)に示すように、開口部111を有する可撓性基板112を機能層105に貼り付ける。可撓性基板112としては、代表的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド等からなる基板、繊維質な材料からなる紙と、接着性有機樹脂(アクリル系有機樹脂、エポキシ系有機樹脂等)とが積層された基板を用いることができる。上記基板を用いる場合、図示しないが、機能層105と可撓性基板112とは、接着性有機樹脂層を介して接着される。
【0061】
又、可撓性基板112として、熱圧着により、被処理体と接着処理が行われる接着層を有するフィルム(ラミネートフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる))を用いてもよい。ラミネートフィルムは、最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着することで、被処理体にフィルムを接着することが可能である。
【0062】
可撓性基板112に形成される開口部111は、可撓性基板にレーザ光を照射し可撓性基板の一部を溶融して形成することができる。また、可撓性基板を機械的に穴あけして開口部を形成することができる。
【0063】
以上の工程により、機能層を有する可撓性基板を歩留まり高く形成することができる。また、十分な温度での加熱が行えるため、抵抗の低い導電層を有する可撓性基板を、歩留まり高く形成することが可能である。また、側面のうねりが低減された導電層、または細線化された導電層を有する機能層を有する可撓性基板を、歩留まり高く形成することが可能である。さらには、これらの導電層を用いてアンテナを形成する場合、同時に形成される複数のアンテナにおいてインダクタンスのばらつきの少ないアンテナを有する基板を形成することが出来る。また、起電力のばらつきの少ないアンテナを有する基板を形成することができる。
【0064】
次に、図2に示すように、機能層を有する可撓性基板113をシリコンチップ121に貼りあわせることで、半導体装置を作製することができる。
【0065】
代表的には、複数の素子が形成されるシリコンチップ121の接続端子123、124と、機能層の導電層103とを、異方性導電接着剤125に含まれる導電性粒子126で接続することにより、MOSトランジスタ122と導電層103とを電気的に接続させる。複数の素子としては、MOSトランジスタ、容量素子、抵抗等がある。ここでは、複数の素子としてMOSトランジスタ122を示す。シリコンチップの厚さは0.1〜20μm、さらには1〜5μmであることが好ましい。
【0066】
接続端子123、124は、印刷法、電解めっき法、無電解めっき法、スパッタリング法等で、チタン、ニッケル、金、銅等を適宜用いて形成することができる。
【0067】
異方性導電接着剤125の代表例としては、分散した導電性粒子126(粒径が、数nm〜数十μm、好ましくは3〜7μm程度)を含有する接着性樹脂であり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、導電性粒子126は、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される。また、これらの元素の多層構造を有する粒子でも良い。更には、樹脂で形成された粒子の表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される薄膜が形成された導電性粒子を用いてもよい。
【0068】
また、異方性導電接着剤の代わりに、異方性導電フィルムの圧着や半田バンプを用いたリフロー処理等の手法により、接続端子123、124と導電層103とを接続してもよい。
【0069】
以上の工程により、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置を歩留まり高く作製することができる。
【0070】
(実施の形態2)
本実施の形態では、容易に機能性を有する層を形成する方法の一形態について図3、4を用いて説明する。なお、図3は、機能性を有する層を形成する工程の断面図を示し、図4は、半導体装置として表示装置を用い、表示装置として液晶表示装置の断面図を示す。また、本実施の形態では、機能性を有する層として、画素電極として機能する導電層を有する層を用いて説明する。
【0071】
図3(A)に示すように、基板101上に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に導電層131を形成し、導電層131を覆う絶縁層132を形成する。なお、導電層131及び絶縁層132により、機能層133を構成することができる。
【0072】
基板101、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102は実施の形態1と同様に形成することができる。
【0073】
導電層131は、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に金属元素を有する粒子を含む組成物を塗布し、200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下で加熱して金属元素を有する粒子を焼成して形成する。塗布法としては、液滴吐出法や、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、又はグラビア印刷等の印刷法等を用いることができる。また、メタルマスクを用いた蒸着法、CVD法、スパッタリング法等を用いることができる。更には、当該方法を複数用いることもできる。また、金属元素を有する粒子を含む組成物としては、透光性を有する導電層を形成するための組成物を用いることが好ましく、代表的には、In、Ga、Al、Sn、Ge、Sb、Bi、及びZnのいずれか一つ以上の元素を有する導電性粒子、または化合物粒子を二つ以上有する組成物を用いることができる。
【0074】
導電層131は、ここでは、画素電極として機能する導電層を適宜形成する。代表的には、縞状の導電層131を形成する。
【0075】
導電層131を覆う絶縁層132は、塗布法で絶縁性の組成物を酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102及び導電層131の露出部に塗布し、加熱し焼成して形成する。塗布法としては、導電層131の塗布法を適宜適用することができる。また、絶縁性の組成物としては、アクリル樹脂、ポリイミド等を適宜用いることができる。ここでは、絶縁層132は、導電層131の保護層として機能することが好ましく、さらには配向膜として機能することが好ましい。このため、絶縁層132をラビング処理しても良い。
【0076】
以上の工程により、画素電極として機能する導電層を有する機能層133を形成することができる。
【0077】
次に、図3(B)に示すように、実施の形態1と同様にして、絶縁層132の表面、代表的には絶縁層132の表面の一部または全部に粘着部材106を貼りあわせた後、粘着部材106を引っ張る。この結果、図3(C)に示すように、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離し、基板101から機能層133が剥離される。このとき、基板101上には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102bが残存し、機能層133には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aが残存する。
【0078】
次に、図3(D)に示すように、実施の形態1と同様に、導電層131と機能層133の表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aを除去してもよい。以上の工程により、機能層133を容易に形成することができる。
【0079】
次に、図3(E)に示すように、可撓性基板112を機能層133に貼り付ける。
【0080】
以上の工程により、機能層として画素電極を有する可撓性基板134を歩留まり高く形成することができる。
【0081】
次に、同様に機能層を有する可撓性基板135を形成する。一方の機能性を有する可撓性基板において、機能層133が形成されていない領域に、シール材を塗布し、シール材の内側に液晶材料を塗布する。次に、可撓性基板134上に形成される導電層131と、可撓性基板135上に形成される導電層136が90度に交差するように配置し、減圧しながら貼りあわせる。なお、導電層136は対向電極として機能する。この結果、可撓性基板134、135を封止するシール材141、可撓性基板134、135、及びシール材で囲まれる領域に形成される液晶層142を有するパッシブマトリクス型の液晶表示装置が作製される。以上の工程により、液晶表示装置を歩留まり高く作製することができる。また、小型化、薄型化、及び軽量化された液晶表示装置を作製方法することができる。
【0082】
(実施の形態3)
本実施の形態では、容易に機能性を有する層を形成する方法の一形態について図5、6を用いて説明する。なお、図5は、機能性を有する層を形成する工程の断面図を示す。また、本実施の形態では、機能性を有する層として、着色層、色変換フィルター、フォログラムカラーフィルター等光学的に機能する層が挙げられる。ここでは、光学的に機能する層として、着色層を用いて説明する。
【0083】
図5(A)に示すように、基板101上に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に着色層を形成し、着色層を覆う絶縁層158を形成する。ここでは、着色層として、遮光層151〜154、赤色の着色層155、青色の着色層156、及び緑色の着色層157を示す。なお、着色層及び絶縁層158により、機能層159を構成することができる。
【0084】
着色層の形成方法としては、着色樹脂を用いたエッチング法、カラーレジストを用いたカラーレジスト法、染色法、電着法、ミセル電解法、電着転写法、フィルム分散法、インクジェット法(液滴吐出法)などを適宜用いることができる。
【0085】
ここでは、顔料が分散された感光性樹脂を用いたエッチング法によって、カラーフィルターを形成する。はじめに、黒色顔料が分散された感光性アクリル樹脂を塗布法により酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に塗布する。次に、アクリル樹脂を乾燥し、仮焼きした後、露光及び現像し、200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下、ここでは220℃の加熱によりアクリルを硬化し、膜厚0.5〜1.5μmの遮光層151〜154を形成する。
【0086】
次に、赤色顔料、緑色顔料、又は青色顔料が分散された感光性アクリル樹脂を塗布法によりそれぞれ塗布し、遮光層151〜154と同様の工程によって、それぞれ膜厚1.0〜2.5μmの赤色の着色層155、青色の着色層156、緑色の着色層157を形成する。
【0087】
以上の工程により、着色層を容易に形成することができる。
【0088】
なお、ここでは、赤色の着色層は赤色の光(650nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層であり、緑色の着色層は緑色の光(550nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層であり、青色の着色層は青色の光(450nm付近にピーク波長をもつ光)を透過する着色層を指す。
【0089】
着色層を覆う絶縁層158は、塗布法で絶縁性の組成物を酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102、着色層155〜157、及び遮光層151〜154の露出部に塗布し加熱し焼成することにより形成される。絶縁層158は実施の形態1で示される絶縁層132と同様の手法及び材料により形成することができる。また、絶縁層158は、着色層の保護層として機能する。
【0090】
以上の工程により、着色層として機能する機能層159を歩留まり高く形成することができる。
【0091】
次に、図5(B)に示すように、実施の形態1と同様にして、絶縁層158の表面の一部または全部に粘着部材106を貼りあわせた後、粘着部材106を引き上げる。
【0092】
この結果、図5(C)に示すように、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離され、基板101から機能層159を剥離する。このとき、基板101上には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102bが残存し、機能層159には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aが残存する。
【0093】
次に、図5(D)に示すように、実施の形態1と同様に、着色層と機能層159の表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aを除去してもよい。
【0094】
次に、図5(E)に示すように、可撓性基板112を機能層159に貼り付ける。
【0095】
以上の工程により、機能層159を有する可撓性基板を歩留まり高く形成することができる。
【0096】
(実施の形態4)
本実施の形態では、液晶表装置の作製方法の一形態について図6を用いて説明する。なお、図6は、液晶表装置を作製する工程の断面図を示す。
【0097】
図6(A)に示すように、実施の形態3の図5(A)に示す工程により、基板101上に酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102を形成し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102上に、遮光層151〜154、赤色の着色層155、青色の着色層156、及び緑色の着色層157で構成される着色層を形成し、着色層を覆う絶縁層158を形成する。
【0098】
次に、絶縁層158上に対向電極160を形成し、対向電極160上に配向膜として機能する絶縁層161を形成する。
【0099】
対向電極160は、絶縁層158及び酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102の露出部に形成する。形成方法及び材料は、実施の形態2の画素電極として機能する導電層131と同様に用いることができる。また、スパッタリング法を用いて対向電極160を形成してもよい。
【0100】
絶縁層161は、実施の形態2の絶縁層132と同様の材料及び手法を適宜用いて形成することができる。
【0101】
以上の工程により、機能層162を形成することができる。
【0102】
次に、図6(B)に示すように、実施の形態1と同様にして、絶縁層161の表面、代表的には絶縁層161の表面の一部または全部に粘着部材106を貼りあわせた後、θの方向に粘着部材106を引き上げる。
【0103】
この結果、図6(C)に示すように、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層102が分離され、基板101から機能層162が剥離される。このとき、基板101上には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102bが残存し、機能層162には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aが残存する。この後、実施の形態1と同様に、着色層と機能層162の表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部102aを除去してもよい。
【0104】
次に、図6(D)に示すように、可撓性基板112を機能層162に貼り付ける。
【0105】
以上の工程により、機能層162を有する可撓性基板を形成することができる。
【0106】
次に、図6(E)に示すように、基板172上に絶縁層173が形成され、絶縁層173上に薄膜トランジスタ174及び薄膜トランジスタ174を構成する導電層を絶縁する層間絶縁層175、薄膜トランジスタ174を覆う層間絶縁層176、及び層間絶縁層176上に形成されると共に薄膜トランジスタ174に接続する画素電極177が形成され画素電極177及び層間絶縁層176上に形成される配向膜として機能する絶縁層178を有するアクティブマトリクス基板171と、シール材141及び液晶材料が塗布された機能層162を有する可撓性基板112を減圧下で貼りあわせることで液晶表示装置を作製することができる。即ち、機能層162を有する可撓性基板112と、シール材141と、アクティブマトリクス基板171、及び液晶層142を有するアクティブマトリクス型の液晶表示装置が作製される。
【0107】
以上の工程により、液晶表示装置を歩留まり高く作製することができる。また、小型化、薄型化、及び軽量化された液晶表示装置を作製方法することができる。
【実施例1】
【0108】
本実施例では、機能層を有する可撓性基板において、機能層がアンテナとして機能する導電層及び絶縁層を有する層であり、当該導電層を形成する焼成温度と、導電層の抵抗値と、剥離が可能な確率について図8及び表1を用いて示す。
【0109】
基板表面に紫外線プラズマを照射して基板表面の汚染物を除去した。次に、基板上にシランカップリング剤を蒸着した後、エタノール及び純水でシランカップリング剤の表面を洗浄し、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成した。次に、金属元素を有する粒子を含む組成物をコイル状に塗布し、焼成して導電層を形成した。次に、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層及び導電層上に絶縁層を形成した。次に、粘着部材を用いて、導電層及び絶縁層で構成される機能層を剥離した。
【0110】
ここでは、シランカップリング剤としてフルオロアルキルシランを用いた。また、基板を170℃で10分間加熱して基板表面にフルオロアルキルシランを蒸着したのち、エタノール及び純水で洗浄して数nm〜数十nmの酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成した。
【0111】
また、金属元素を有する粒子を含む組成物としては、銀粒子を含む組成物を用い、印刷法により塗布し、160℃、200℃、300℃、350℃、または400℃で30分加熱して膜厚30μmの導電層を形成した。
【0112】
絶縁層としては、エポキシ樹脂を印刷法により塗布し、160℃で30分加熱して膜厚30μmのエポキシ樹脂を焼成した。
【0113】
粘着部材としては、粘着テープを用いた。
【0114】
なお、銀粒子を含む組成物の焼成温度が160℃の基板をPEN基板とし、銀粒子を含む組成物の焼成温度が200〜400℃の基板をガラス基板とした。また、各加熱温度において試料数を10として、実験を行った。
【0115】
このときの焼成温度に対する導電層の抵抗値の平均値、及び剥離が可能な確率を表1に示すと共に、焼成温度と導電層の抵抗値の関係を示したグラフを図8に示した。
【表1】

【0116】
表1より剥離可能な焼成温度は、400℃未満、好ましくは350℃以下であった。また、図8よりアンテナとして機能する導電層の抵抗値は30Ω以下となる温度は200℃以上であった。このことから、アンテナとして機能する導電層を有する機能層を剥離することが可能な加熱温度範囲は200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下であることが、本実施例から分かった。
【0117】
即ち、耐熱性を有する基板上で200℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下で加熱して形成した機能性を有する層を基板から剥離することで、機能性を有する層を容易に形成することが可能である。
【実施例2】
【0118】
本実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の作製工程を図9〜11を用いて説明する。
【0119】
図9(A)に示すように、基板201上に剥離層202を形成し、剥離層202上に絶縁層203を形成し、絶縁層203上に薄膜トランジスタ204及び薄膜トランジスタを構成する導電層を絶縁する層間絶縁層205を形成し、薄膜トランジスタの半導体層に接続するソース電極及びドレイン電極206を形成する。次に、薄膜トランジスタ204、層間絶縁層205、ソース電極及びドレイン電極206を覆う絶縁層207を形成し、絶縁層207を介してソース電極またはドレイン電極206に接続する導電層208を形成する。
【0120】
基板201としては、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。上記に挙げた基板201には、大きさや形状に制約がないため、例えば、基板201として、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。この利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
【0121】
剥離層202は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
【0122】
剥離層202が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
【0123】
剥離層202が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
【0124】
剥離層202として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。さらには、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、NOプラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステンを含む層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成するとよい。
【0125】
タングステンの酸化物は、WOxで表される。Xは、2≦x≦3の範囲内にあり、xが2の場合(WO)、xが2.5の場合(W)、xが2.75の場合(W11)、xが3の場合(WO)などがある。
【0126】
また、上記の工程によると、基板201に接するように剥離層202を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。基板201に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層202を設けてもよい。
【0127】
絶縁層203は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、無機化合物を用いて単層又は積層で形成する。無機化合物の代表例としては、珪素酸化物又は珪素窒化物が挙げられる。
【0128】
さらには、絶縁層203を積層構造としても良い。例えば、無機化合物を用いて積層してもよく、代表的には、酸化珪素、窒化酸化珪素、及び酸化窒化珪素を積層して形成しても良い。
【0129】
薄膜トランジスタ204は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル形成領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、並びにゲート電極で構成される。
【0130】
半導体層は、結晶構造を有する半導体で形成される層であり、非単結晶半導体若しくは単結晶半導体を用いることができる。特に、加熱処理により結晶化させた結晶性半導体、加熱処理とレーザ光の照射を組み合わせて結晶化させた結晶性半導体を適用することが好ましい。加熱処理においては、シリコン半導体の結晶化を助長する作用のあるニッケルなどの金属元素を用いた結晶化法を適用することができる。また、シリコン半導体の結晶化工程における加熱により、剥離層202及び絶縁層203の界面において、剥離層の表面を酸化して金属酸化物層を形成することが可能である。
【0131】
加熱処理に加えてレーザ光を照射して結晶化する場合には、連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射することによって、結晶性半導体が溶融した溶融帯を、当該レーザ光の照射方向に連続的に移動させながら結晶化を行うことができる。このような結晶化法により、大粒径であって、結晶粒界が一方向に延びる結晶性半導体を得ることができる。キャリアのドリフト方向を、この結晶粒界が延びる方向に合わせることで、トランジスタにおける電界効果移動度を高めることができる。例えば、400cm/V・sec以上を実現することができる。
【0132】
上記結晶化工程を、ガラス基板の耐熱温度(約600℃)以下の結晶化プロセスを用いる場合、大面積ガラス基板を用いることが可能である。このため、基板あたり大量の半導体装置を作製することが可能であり、低コスト化が可能である。
【0133】
また、ガラス基板の耐熱温度以上の加熱により、結晶化工程を行い、半導体層を形成してもよい。代表的には、基板201に石英基板を用い、非晶質若しくは微結晶質の半導体を700℃以上で加熱して半導体層を形成する。この結果、結晶性の高い半導体を形成することが可能である。このため、応答速度や移動度などの特性が良好で、高速な動作が可能な薄膜トランジスタを提供することができる。
【0134】
ゲート絶縁層は、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンなどの無機絶縁物で形成する。
【0135】
ゲート電極は金属又は一導電型の不純物を添加した多結晶半導体で形成することができる。金属を用いる場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)などを用いることができる。また、金属を窒化させた金属窒化物を用いることができる。或いは、当該金属窒化物からなる第1層と当該金属から成る第2層とを積層させた構造としても良い。積層構造とする場合には、第1層の端部が第2層の端部より外側に突き出した形状としても良い。このとき第1層を金属窒化物とすることで、バリアメタルとすることができる。すなわち、第2層の金属が、ゲート絶縁層やその下層の半導体層に拡散することを防ぐことができる。
【0136】
半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極などを組み合わせて構成される薄膜トランジスタは、シングルドレイン構造、LDD(低濃度ドレイン)構造、ゲートオーバーラップドレイン構造など各種構造を適用することができる。ここでは、シングルドレイン構造の薄膜トランジスタを示す。さらには、等価的には同電位のゲート電圧が印加されるトランジスタが直列に接続された形となるマルチゲート構造、半導体層の上下をゲート電極で挟むデュアルゲート構造、絶縁層203上にゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層、半導体層が形成される逆スタガ型薄膜トランジスタ等を適用することができる。
【0137】
ソース電極及びドレイン電極206は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造、モリブデン(Mo)とアルミニウム(Al)との積層構造など、アルミニウム(Al)のような低抵抗材料と、チタン(Ti)やモリブデン(Mo)などの高融点金属材料を用いたバリアメタルとの組み合わせで形成することが好ましい。
【0138】
層間絶縁層205及び絶縁層207は、ポリイミド、アクリル、またはシロキサンポリマーを用いて形成する。
【0139】
さらには、薄膜トランジスタ204の代わりにスイッチング素子として機能し得る半導体素子であれば、どのような構成で設けてもよい。スイッチング素子の代表例としては、MIM(Metal−Insulator−Metal)、ダイオード等が挙げられる。
【0140】
次に、図9(B)に示すように、導電層208上に導電層211を形成する。ここでは、印刷法により金粒子を有する組成物を印刷し、200℃で30分加熱して組成物を焼成して導電層211を形成する。
【0141】
次に、図9(C)に示すように、絶縁層207及び導電層211の端部を覆う絶縁層212を形成する。ここでは、エポキシ樹脂をスピンコート法により塗布し、160℃で30分加熱した後、導電層211を覆う部分の絶縁層を除去して、導電層211を露出すると共に、絶縁層212を形成する。ここでは、絶縁層203から絶縁層212までの積層体を素子形成層210とする。
【0142】
次に、図9(D)に示すように、後の剥離工程を容易に行うために、レーザ光213を絶縁層203、205、207、212に照射して、図9(E)に示すような開口部214を形成する。次に、絶縁層212に粘着部材215を貼りあわせる。開口部214を形成するために照射するレーザ光としては、絶縁層203、205、207、212が吸収する波長を有するレーザ光が好ましい。代表的には、紫外領域、可視領域、又は赤外領域のレーザ光を適宜選択して照射する。
【0143】
このようなレーザ光を発振することが可能なレーザ発振器としては、ArF、KrF、XeCl等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF、CO等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶、ガラス、ルビー等の固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波〜第5高調波を適宜適用するのが好ましい。この結果、絶縁層203、205、207、212がレーザ光を吸収し溶融して開口部が形成される。
【0144】
なお、レーザ光を絶縁層203、205、207、212に照射する工程を削除することで、スループットを向上させることが可能である。
【0145】
次に、図10(A)に示すように、剥離層202及び絶縁層203の界面に形成される金属酸化物層において、剥離層を有する基板201及び素子形成層の一部221を物理的手段により剥離する。物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を変化させる手段を指している。物理的手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把持具で引き剥がすことや、ローラーを回転させる分離処理)である。
【0146】
本実施例においては、剥離層と絶縁層の間に金属酸化膜を形成し、当該金属酸化膜において物理的手段により、素子形成層210を剥離する方法を用いたがこれに限られない。基板に透光性を有する基板を用い、剥離層に水素を含む非晶質珪素層を用い、図9(E)の工程の後、基板側からのレーザ光を照射して非晶質珪素膜に含まれる水素を気化させて、基板と剥離層との間で剥離する方法を用いることができる。
【0147】
また、図9(E)の工程の後、基板を機械的に研磨し除去する方法や、基板をHF等の基板を溶解する溶液を用いて基板を除去する方法を用いることができる。この場合、剥離層を用いなくともよい。
【0148】
また、図9(E)において、粘着部材215を絶縁層212に貼りあわせる前に、開口部214にNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層212に粘着部材215を貼りあわせて、基板から素子形成層210を剥離する方法を用いることができる。
【0149】
また、図9(E)において、粘着部材215を絶縁層212に貼りあわせる前に、開口部214にNF、BrF、ClF等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層の一部をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、絶縁層212に粘着部材215を貼りあわせて、基板から素子形成層210を物理的手段により剥離する方法を用いることができる。
【0150】
次に、図10(A)に示すように、剥離層202から素子形成層の一部221を剥離する。
【0151】
次に、図10(B)に示すように、素子形成層の一部221の絶縁層203に、可撓性基板222を貼り付ける。次に、粘着部材215を素子形成層の一部221から剥す。
【0152】
次に、図10(C)に示すように、可撓性基板222をダイシングフレーム232のUVテープ231に貼り付ける。UVテープ231は粘着性を有するため、UVテープ231上に可撓性基板222が固定される。この後、導電層211にレーザ光を照射して、導電層211と導電層208の間の密着性を高めてもよい。
【0153】
次に、図10(D)に示すように、導電層211上に接続端子233を形成する。接続端子233を形成することで、後にアンテナとして機能する導電層との位置合わせ及び接着を容易に行うことが可能である。
【0154】
次に、図11(A)に示すように、素子形成層の一部221を分断する。ここでは、素子形成層の一部221及び可撓性基板222にレーザ光234を照射して、図11(A)に示すような溝241を形成して、素子形成層の一部221を複数に分断する。レーザ光234は、レーザ光213に記載のレーザ光を適宜選択して適用することができる。ここでは、絶縁層203、205、206、212及び可撓性基板222が吸収可能なレーザ光を選択することが好ましい。なお、ここでは、レーザカット法を用いて素子形成層の一部を複数に分断したが、この方法の代わりにダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。この結果分断された素子形成層を薄膜集積回路242a、242bと示す。
【0155】
次に、ダイシングフレーム232のUVシートにUV光を照射して、UVシートの粘着力を低下させた後、薄膜集積回路242a、242bをエキスパンダ枠244の粘着シート243に貼り付ける。このとき、粘着シート243を伸ばしながら薄膜集積回路242a、242bを貼りあわせることで、薄膜集積回路242a、242bの間に形成された溝241の幅を拡大することができる。なお、拡大された溝246は、後に薄膜集積回路242a、242bに貼りあわせられるアンテナ基板の大きさにあわせることが好ましい。
【0156】
次に、アンテナとして機能する導電層を有する可撓性基板を作製する。はじめに図12(A)に示すように、基板250上にシランカップリング剤を塗布して酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層251を形成する。次に、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層251上にアンテナとして機能する導電層252a、252bを形成する。次に、導電層252a、252bを覆う絶縁層253を形成する。
【0157】
ここでは、基板250としてガラス基板を用い、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層251としてフルオロアルキルシランを用い、基板250を170℃で10分間加熱して基板表面にフルオロアルキルシランを蒸着したのち、エタノール及び純水で洗浄して数nm〜数十nmの酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層を形成する。また、導電層252a、252bは、銀粒子を含む組成物を印刷法により塗布し、300℃で30分間加熱し焼成して膜厚30μmの導電層を形成する。絶縁層253としては、エポキシ樹脂を印刷法により塗布し、160℃で30分加熱し焼成して膜厚30μmの絶縁層253を形成する。
【0158】
このときのアンテナとして機能する導電層の形状は、半導体装置における信号の伝送方式が電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、図14(A)に示すように、方形コイル状271や、円形コイル状(例えば、スパイラルアンテナ)とすることができる。また、図14(B)に示すように方形ループ状272や円形ループ状とすることができる。
【0159】
また、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、図14(C)に示すように直線型ダイポール状273や曲線型ダイポール状、面状(例えば、パッチアンテナ)とすることができる。
【0160】
次に、図12(B)に示すように、絶縁層253上に粘着部材254を貼り付けた後、接着部材を引き上げる。この結果、図12(C)に示すように、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層が分離され、基板250と導電層252a、252b及び絶縁層253とを剥離する。このとき、基板250上には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部251bが残存し、導電層252a、252b及び絶縁層253には、酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部251aが残存する。
【0161】
次に、図12(D)に示すように、導電層252a、252b及び絶縁層253の表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ珪素に不活性な基が結合する層の一部を除去した後、開口部255が形成された可撓性基板256に導電層252a、252b及び絶縁層253を貼りあわせる。なお、このとき、開口部255から導電層252a、252bの一部が露出するように、可撓性基板256と導電層252a、252bとを位置合わせする。
【0162】
以上の工程により、アンテナとして機能する導電層252a、252bを有する可撓性基板257を形成する。
【0163】
次に、図13(A)に示すように、アンテナとして機能する導電層252a、252bを有する可撓性基板257と、薄膜集積回路242a、242bとを異方性導電接着剤255a、255bを用いて貼りあわせる。このとき、アンテナとして機能する導電層252a、252bと薄膜集積回路242a、242bの接続端子とが、異方性導電接着剤255a、255bに含まれる導電性粒子254a 、254bとで接続されるように、位置合わせしながら貼りあわせる。
【0164】
ここでは、アンテナとして機能する導電層252aと薄膜集積回路242aとが、異方性導電接着剤255a中の導電性粒子254aによって接続され、アンテナとして機能する導電層252bと薄膜集積回路242bとが、異方性導電接着剤255b中の導電性粒子254bによって接続される。
【0165】
次に、図13(B)に示すように、アンテナとして機能する導電層252a、252bと、薄膜集積回路242a、242bとが形成されない領域において、分断する。ここでは、絶縁層253及び可撓性基板256にレーザ光261を照射するレーザカット法により分断を行う。
【0166】
以上の工程により、図13(C)に示すように、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置262a、262bを作製することができる。
【0167】
なお、図13(A)において、アンテナとして機能する導電層252a、252bを有する可撓性基板256と、薄膜集積回路242a、242bとを異方性導電接着剤255a、255bを用いて貼りあわせた後、可撓性基板256と薄膜集積回路242a、242bとを封止するように可撓性基板を設けた後、図13(B)のように、アンテナとして機能する導電層252a、252bと、薄膜集積回路242a、242bとが形成されない領域において、レーザ光261照射して、図13(D)に示すような半導体装置264を作製してもよい。この場合、分断された可撓性基板256、263によって、薄膜集積回路が封止されるため、薄膜集積回路の劣化を抑制することが可能である。
【0168】
以上の工程により、薄型化で軽量な半導体装置を歩留まり高く作製することが可能である。
【実施例3】
【0169】
上記実施例の非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の構成について、図16を参照して説明する。
【0170】
本実施例の半導体装置は、大別して、アンテナ部2001、電源部2002、ロジック部2003から構成される。
【0171】
アンテナ部2001は、外部信号の受信とデータの送信を行うためのアンテナ2011からなる。また、半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
【0172】
電源部2002は、アンテナ2011を介して外部から受信した信号により電源を作る整流回路2021と、作りだした電源を保持するための保持容量2022と、各回路に供給する一定電圧を作り出す定電圧回路2023からなる。
【0173】
ロジック部2003は、受信した信号を復調する復調回路2031と、クロック信号を生成するクロック生成・補正回路2032と、各コード認識及び判定回路2033と、メモリからデータを読み出すための信号を受信信号により作り出すメモリコントローラ2034と、符号化した信号を受信信号にのせるための変調回路2035と、読み出したデータを符号化する符号化回路2037と、データを保持するマスクROM2038とを有する。なお、変調回路2035は変調用抵抗2036を有する。
【0174】
各コード認識及び判定回路2033が認識・判定するコードは、フレーム終了信号(EOF、end of frame)、フレーム開始信号(SOF、start of frame)、フラグ、コマンドコード、マスク長(mask length)、マスク値(mask value)等である。また、各コード認識及び判定回路2033は、送信エラーを識別する巡回冗長検査(CRC、cyclic redundancy check)機能も含む。
【0175】
本実施例の半導体装置は、同時に形成される複数のアンテナにおいてインダクタンスのばらつきの少ないアンテナを用いることが出来る。また、起電力の高いアンテナを用いることができる。この結果、バラツキの少ない半導体装置を作製することが可能である。さらには、可撓性基板上に形成される機能層を用いることで、半導体装置の小型化、薄型化、及び軽量化が可能である。
【実施例4】
【0176】
上記実施例に示される非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図17(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図17(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図17(B)参照)、乗物類(自転車等、図17(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図17(E)、図17(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
【0177】
本実施例の半導体装置9210は、プリント基板への実装、表面への貼り付け、埋め込み等により物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本実施例の半導体装置9210は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本実施例の半導体装置9210を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本実施例の半導体装置を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
【実施例5】
【0178】
上記実施の形態2〜4に示される半導体装置を有する電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図18を参照して説明する。
【0179】
図18(A)に示す携帯情報端末は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。表示部9202は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、軽量で小型の携帯情報端末を提供することができる。
【0180】
図18(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含んでいる。表示部9701は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、小型のデジタルビデオカメラを提供することができる。
【0181】
図18(C)に示す携帯端末は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示部9102は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、小型の携帯端末を提供することができる。
【0182】
図18(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含んでいる。表示部9302は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、軽量で小型の携帯型のテレビジョン装置を提供することができる。このようなテレビジョン装置は携帯電話などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広く適用することができる。
【0183】
図18(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んでいる。表示部9402は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、軽量で小型の携帯型のコンピュータを提供することができる。
【0184】
図18(F)に示すテレビジョン装置は、本体9601、表示部9602等を含んでいる。表示部9602は、実施の形態2〜4で示す可撓性基板を用いた表示装置を適用することができる。本発明の一である表示装置を用いることにより、小型のテレビジョン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明の機能層の形成工程を示した断面図である。
【図2】本発明の機能層を有する半導体装置を示した断面図である。
【図3】本発明の機能層の形成工程を示した断面図である。
【図4】本発明の機能層を有する半導体装置を示した断面図である
【図5】本発明の機能層の形成工程を示した断面図である。
【図6】本発明の機能層を有する半導体装置を示した断面図である
【図7】本発明の機能層の形成工程を示した上面図である。
【図8】本発明の導電層の加熱温度及び抵抗値の関係を示した図である。
【図9】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図10】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図11】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図12】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図13】本発明の半導体装置の作製工程を示した断面図である。
【図14】本発明に適用可能なアンテナの構造を示した上面図である。
【図15】本発明の機能層の形成工程を示したモデル図である。
【図16】本発明の半導体装置の構成を示した図である。
【図17】本発明の半導体装置の応用例を示した図である。
【図18】本発明の半導体装置を有する電子機器を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にシランカップリング剤を用いて剥離層を形成した後、機能性を有する層を形成し、
前記機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、前記剥離層において前記基板から前記機能性を有する層を剥離することを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項2】
基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に機能性を有する層を形成し、
前記機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記基板から前記機能性を有する層を剥離することを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項3】
請求項2において、前記機能性を有する層を剥離した後、前記機能性を有する層の一表面に残存する前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を除去することを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記機能性を有する層は、導電層及び前記導電層を覆う絶縁層であることを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項5】
請求項4において、前記導電層は、アンテナとして機能することを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項6】
請求項4において、前記導電層は、画素電極として機能することを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記機能性を有する層は、着色層であることを特徴とする機能性を有する層の形成方法。
【請求項8】
基板上にシランカップリング剤を用いて剥離層を形成した後、機能性を有する層を形成し、
前記機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、前記剥離層において前記基板から前記機能性を有する層を剥離し、前記機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項9】
基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に機能性を有する層を形成し、
前記機能性を有する層に粘着部材を貼りつけた後、酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において前記基板から前記機能性を有する層を剥離し、前記機能性を有する層に可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項10】
請求項9において、前記機能性を有する層を剥離した後、前記機能性を有する層の一表面に残存する酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を除去し、前記機能性を有する層に前記可撓性基板を貼りあわせることを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項において、前記機能性を有する層は、導電層及び前記導電層を覆う絶縁層であることを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項12】
請求項11において、前記導電層は、アンテナとして機能することを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項13】
請求項11において、前記導電層は、画素電極として機能することを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項14】
請求項8乃至10のいずれか一項において、前記機能性を有する層は、着色層であることを特徴とする機能性を有する層を有する基板の形成方法。
【請求項15】
基板上にシランカップリング剤を用いて剥離層を形成した後、導電層及び前記導電層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記剥離層において前記基板から前記導電層及び前記導電層を覆う絶縁層を剥離し、
前記導電層と集積回路の接続端子とを電気的に接続すると共に、前記絶縁層及び前記集積回路を接着することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項16】
基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に導電層を形成し、前記導電層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記基板から前記導電層及び前記絶縁層を剥離し、
前記導電層と集積回路の接続端子とを電気的に接続すると共に、前記絶縁層及び前記集積回路を接着することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項17】
基板上にシランカップリング剤を用いて剥離層を形成した後、導電層及び前記導電層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記剥離層において前記基板から前記導電層及び前記絶縁層を剥離し、
前記導電層及び前記絶縁層に開口部を有する可撓性基板を接着し、
前記可撓性基板の開口部において、前記導電層と集積回路の接続端子とを電気的に接続すると共に、前記可撓性基板及び前記集積回路を接着することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項18】
基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に導電層を形成し、
前記導電層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記基板から前記導電層及び前記絶縁層を剥離し、
前記導電層及び前記絶縁層に開口部を有する可撓性基板を接着し、
前記可撓性基板の開口部において、前記導電層と集積回路の接続端子とを電気的に接続すると共に、前記可撓性基板及び前記集積回路を接着することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項19】
基板上にシランカップリング剤を用いて剥離層を形成した後、着色層及び前記着色層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層上に導電層を形成し、
前記導電層上に配向膜として機能する絶縁層を形成し、
前記配向膜として機能する絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記剥離層において前記基板から前記着色層乃至配向膜として機能する絶縁層を剥離し、
前記着色層、前記絶縁層、及び前記導電層の露出部に可撓性基板を貼り付けて第1の基板を形成し、
前記第1の基板上にシール材を形成し、
前記シール材及び前記絶縁層で囲まれる領域に液晶材料を塗布し、
前記第1の基板及びアクティブマトリクス基板を前記シール材により貼りあわせることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項20】
基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に着色層を形成し、
前記着色層を覆う絶縁層を形成し、
前記絶縁層上に導電層を形成し、
前記導電層上に配向膜として機能する絶縁層を形成し、
前記配向膜として機能する絶縁層に粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記基板から前記着色層乃至配向膜として機能する絶縁層を剥離し、
前記着色層、前記絶縁層、及び前記導電層の露出部に第1の可撓性基板を貼り付けて、着色層を有する第1の基板を形成し、
前記着色層を有する第1の基板上にシール材を形成し、
前記シール材及び前記絶縁層で囲まれる領域に液晶材料を塗布し、
前記着色層を有する第1の基板及びアクティブマトリクス基板を前記シール材により貼りあわせることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項21】
第1の基板上にシランカップリング剤を用いて第1の剥離層を形成した後、第1の導電層及び前記第1の導電層を覆う第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層に第1の粘着部材を貼りつけた後、前記第1の剥離層において前記第1の基板から前記第1の導電層及び第1の絶縁層を剥離し、
前記第1の導電層及び第1の絶縁層に第1の可撓性基板を貼り付けて、前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を有する第1の可撓性基板を形成し、
第2の基板上にシランカップリング剤を用いて第2の剥離層を形成した後、第2の導電層及び前記第2の導電層を覆う第2の絶縁層を形成し、
前記第2の絶縁層に第2の粘着部材を貼りつけた後、前記第2の剥離層において前記第2の基板から前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を剥離し、
前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層に第2の可撓性基板を貼り付けて前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を有する第2の可撓性基板を形成し、
前記第1または第2の可撓性基板上にシール材を形成し、
前記シール材及び前記第1または第2の絶縁層で囲まれる領域に液晶材料を塗布し、
前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を有する第1の可撓性基板、及び前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を有する第2の可撓性基板を前記シール材により貼りあわせることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項22】
第1の基板上に第1の酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記第1の酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に、第1の導電層を形成し、
前記第1の導電層を覆う第1の絶縁層を形成し、
前記第1の絶縁層に第1の粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記第1の基板から前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を剥離し、
前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層に第1の可撓性基板を貼り付けて、前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を有する第1の可撓性基板を形成し、
第2の基板上に酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層を形成し、
前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層上に、第2の導電層を形成し、
前記第2の導電層を覆う第2の絶縁層を形成し、
前記第2の絶縁層に第2の粘着部材を貼りつけた後、前記酸素及び珪素が結合し且つ前記珪素に不活性な基が結合する層において、前記第2の基板から前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を剥離し、
前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層に第2の可撓性基板を貼り付けて、前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を有する第2の可撓性基板を形成し、
前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を有する第1の可撓性基板、または前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を有する第2の可撓性基板上にシール材を形成し、
前記シール材及び前記絶縁層で囲まれる領域に液晶材料を塗布し、
前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を有する前記第1の可撓性基板、前記第2の導電層及び第2の絶縁層を有する前記第2の可撓性基板を前記シール材により貼りあわせることを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−152939(P2007−152939A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301045(P2006−301045)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】