説明

液処理装置、液処理方法および記憶媒体

【課題】液処理工程中に基板を上方から支持する基板支持部、あるいは基板とともに回転する天板を基板へ供給されるリンス液を用いて洗浄する。
【解決手段】液処理装置100はウエハWを上方から支持する回転自在の基板支持部10と、基板支持部10の回転中心に設けられ少なくともリンス液をウエハWに対して供給するトッププレートノズル10nとを備えている。トッププレートノズル10nは基板支持部10に対して上下方向に移動可能となっており、トッププレートノズル10nを基板支持部10から離間した状態でトッププレートノズル10nからリンス液をウエハWに対して供給する。トッププレートノズル10nを基板支持部10に接近させた状態で、トッププレートノズル10nからリンス液を基板支持部10の下面に供給して洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハなどの基板を水平方向に保持した状態で回転させながら基板に処理液を供給することにより基板に洗浄処理やエッチング処理等の所定の液処理を行なう液処理装置、液処理方法および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハやフラットパネルディスプレイ用ガラス基板などを製造する工程では、基板処理として、基板に対して液体を用いた液処理が行われる場合がある。
【0003】
基板を基板支持部により支持するとともに、基板上に基板を覆って回転し、基板から振り切られた処理液のミストの飛散を防止するために天板が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−176795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この場合基板の液処理工程において、天板にミストが付着するおそれがある。液処理工程後の工程において、天板に付着したミストが基板上に落下するとパーティクルの原因となる。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、液処理工程中に基板を上方から支持する基板支持部あるいは基板とともに回転する天板を基板のリンス液を用いて洗浄することができる液処理装置、液処理方法および記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板を上方から覆う天板と、前記天板を回転させる天板回転機構と、天板の回転中心部に設けられ、基板に向ってリンス液を供給する第1噴出口と、天板に向ってリンス液を供給する第2噴出口と、を有するノズルと、前記ノズルを天板に対して上昇位置と下降位置に移動させる天板駆動部とを備え、前記ノズルは、上昇位置にて第2噴出口より天板に向ってリンス液を供給し、下降位置にて第1噴出口より基板に向ってリンス液を供給することを特徴とする液処理装置である。
【0008】
本発明は、上記記載の基板処理装置の基板処理方法において、天板を天板回転機構により回転させる工程と、ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口から基板に対してリンス液を供給する工程と、ノズルを天板に対して上昇させ、上昇したノズルの第2噴出口から天板に対してリンス液を供給する工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法である。
【0009】
本発明は、コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、この液処理方法は、上記記載の基板処理装置の基板処理方法において、天板を天板回転機構により回転させる工程と、ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口から基板に対してリンス液を供給する工程と、ノズルを天板に対して上昇させ、上昇したノズルの第2噴出口から天板に対してリンス液を供給する工程と、を備えたことを特徴とする記憶媒体である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、液処理工程中天板を効果的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の第1の実施形態による液処理装置を示す概略断面図である。
【図2】図2は本実施形態の液処理方法を説明するフローチャートである。
【図3】図3は本実施形態において実施されるウエハの搬入を説明する説明図である。
【図4】図4は本実施形態において実施されるSPMの処理を説明する説明図である。
【図5】図5は本実施形態におけるベースプレート部材を示す平面図である。
【図6】図6は本実施形態において実施されるHDIWの処理を説明する説明図である。
【図7】図7は本実施形態において実施されるSC1の処理を説明する説明図である。
【図8】図8は本実施形態において実施されるCDIWの処理を説明する説明図である。
【図9】図9は本実施形態において実施される乾燥処理を説明する説明図である。
【図10】図10(a)(b)はトッププレート部材とトッププレートノズルを示す詳細図である。
【図11】図11はトッププレートノズルからのCD1Wによりトッププレート部材を洗浄する状態を示す図である。
【図12】図12はトッププレートノズルからのN2によりウエハを乾燥させる状態を示す図である。
【図13】図13は本発明による第2の実施の形態による液処理装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の実施の形態
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
(基板処理装置の構成)
はじめに、図1を参照しながら、本発明の実施形態による液処理装置について説明する。本実施形態においては、処理する基板として、半導体ウエハ(以下、ウエハという。)を用いる。図1に示すとおり、液処理装置100は、回路パターン形成面(パターン面)が下方に向いたウエハWを上方から支持する基板支持部(上方基板支持部)10と、支持されたウエハWの下面(回路パターン形成面(パターン面))に対向するように設けられた貯留部材底部20と、貯留部材底部20の外周側に貯留部材底部20を囲むように設けられた貯留部材堰部21と、基板支持部10と貯留部材底部20との離間距離を調整するプレート駆動部30aとを備えている。また、貯留部材堰部21の周囲に、ウエハWに供給された液体を回収し、後述する第1の液収納部40aと第2の液収納部40bへ液体を排出するカップ部40が設けられている。
【0014】
基板支持部10は、ウエハWを上方から支持する上方基板支持部として機能するとともに、ウエハWを上方から覆う天板としても機能する。このような基板支持部10は中央部にトッププレートノズル10nを含む円環形状のトッププレート部材10aと、トッププレート部材10aの外周に位置する円筒形状の円周部(図示せず)と、ウエハWを加熱する加熱部10Lとを有する。
【0015】
トッププレート部材10aは、ウエハWのパターン面が下方に向いた姿勢で、ウエハWを支持する。またトッププレートノズル10nからは、ウエハWの上面(パターン面の反対面)に液体が供給される。円周部10bは、ウエハWの外径よりもわずかに大きい内径を有し、円周部10bから中心方向に延びる爪部10sが所定の間隔で設けられている。この場合、円周部に、3個の爪部10sを等間隔で設けることができる。爪部10sは、ウエハWがトッププレートノズル10nの下方に位置した状態でウエハWを挟持する。また加熱部10Lは、トッププレート部材10a上に設けられ、ウエハW表面上においてウエハW上の液体の温度を均一に保つため、ウエハWを所定の温度に加熱する。加熱部10Lは例えばLEDを用いることができる。
【0016】
貯留部材底部20は、その中心部にベースプレートノズル20nと中心部から周縁部に向けて配置された複数の吐出口20m(図4)とを含む円環形状のベースプレート部材20aを有する。また、ベースプレート部材20aは、後述する超音波振動板20s(図5)を有する。ベースプレートノズル20n及び吐出口20mは、ウエハWの下面に液体を供給する。
【0017】
貯留部材堰部21は、ベースプレート部材20aの外周側を囲むように設けられた円筒形状の部材である。貯留部材堰部21は、ベースプレート部材20aと相対的な位置関係を変化させるように移動することができる。ベースプレート部材20aの上端より、貯留部材堰部21の上端の位置を高くした場合に、ベースプレート部材20aと貯留部材堰部21とによって、液体を貯留することができる貯留槽20Aを形成する。このとき、貯留槽20Aに貯留された液体がベースプレート部材20aと貯留部材堰部21との間隙から漏洩するのを防止するため、ベースプレート部材20aと貯留部材堰部21との摺動部に例えばOリングなどのシール部材23が設けられている。ここで、ベースプレート部材20aと貯留部材堰部21との相対的な位置関係を変化させる方法は、ベースプレート部材20a若しくは貯留部材堰部21のいずれか一方を駆動機構24により移動させる方法、または、ベースプレート部材20a及び貯留部材堰部21の両方を図示しない駆動機構により相対的に移動させる方法でもよい。
【0018】
また基板支持部10のトッププレート部材10aは、トッププレート部材10aを回転可能に支持するモータ30Mを介して連結部材31により支持され、この連結部材31は上述したプレート駆動部30aに連結され、このプレート駆動部30aによって基板支持部10を、後述する搬送機構61によってウエハを受け渡す受け渡し位置とウエハを液処理する処理位置との間で移動させることができる。またモータ30Mは、連結部材31に対してトッププレート部材10aを回転させ、このことによりトッププレート部材10aに支持されたウエハWも回転する。
【0019】
また上述のようにプレート駆動部30aは、基板支持部10と貯留部材底部20との離間距離を減少させることができる。このとき、基板支持部10のトッププレート部材10aに支持されたウエハWは、貯留槽20Aに貯留された液体(洗浄液など)の液層に浸漬される。
【0020】
カップ部40は、環状の第1の液収容部40aと、第1の液収容部40aより外周側に設けられた環状の第2の液収容部40bと、第1の液収容部40aと第2の液収容部40bとを仕切る可動式の仕切りガイド40gとを有する。仕切りガイド40gはガイド駆動部40sにより上下方向に駆動される。また、カップ部40の第1の液収容部40aに流入した液体は、排液口40cから排出され、第2の液収容部40bに流入した液体は排液口40dから排出される。また液処理装置100内の雰囲気ガスはカップ部40に設けられた排気口41eにより排出される。ここで、仕切りガイド40gは、上方のガイド位置Gup(図1で実線で示す位置)をとるとき、排液口41cに液体を案内し、下方のガイド位置Gdw(図1で破線で示す位置)をとるとき、排液口41dに液体を案内することができる。
【0021】
またベースプレートノズル20nに液体供給源50が接続される。液体供給源50は、本実施形態では、4本の配管51〜54を有する。供給する液体(処理液)は、洗浄液として配管52からSC1が供給され、リンス液として配管51から常温の脱イオン水(CDIW)及び配管53から高温の脱イオン水(HDIW)が供給され、レジスト剥離の処理液として配管54からの硫酸(HSO)が供給される。また、配管51〜54に対して、集合弁56が設けられている。集合弁56の入口は配管51〜54に接続され、集合弁56の出口は供給管57に接続される。また、集合弁56には、配管51〜54に対応して三方弁が設けられている。
【0022】
ここで、三方弁とは、択一的に弁を開閉することによって、所望の液体を供給管57に択一的に供給するものである。具体的には、三方弁51aが開くと、配管51を流れる脱イオン水(CDIW)が供給管57に流入する。一方、閉まっている他の三方弁においては、対応する配管52〜54を流れる液体は、そのまま配管52〜54を流れ、供給管57には流入しない。
【0023】
なお、このような構成を有する集合弁56の代わりに複数の個別の弁を配管51〜54に設けることにより、液体を択一的に供給管57に供給する構成としても良い。
【0024】
供給管57は、図示しない流量制御器及び供給弁を介して、ベースプレートノズル20nに接続されている。また、供給管57は図示しないドレイン管に接続されている。ドレイン管は開閉弁を有する。さらに、供給管57には、後述する乾燥工程(図9(b))で使用する不活性ガスとして、窒素ガスを供給する配管が開閉弁を介して接続されている。
【0025】
一方、ベースプレート部材20aには、中心部から周縁部に向けて複数の吐出口20mが配置され、この複数の吐出口20m(図5)からは、開閉弁を介して後述するSPMの処理(図4)で使用する処理液として、過酸化水素水が吐出される。
【0026】
また基板支持部のトッププレートノズル10nに液体供給源50Aが接続される。液体供給源50Aは、配管51A、52A、53Aを有する。そして洗浄液として配管52AからSC1が供給され、リンス液として配管51Aから常温の脱イオン水(CDIW)及び配管53Aから高温の脱イオン水(HDIW)が供給される。また、配管51A〜53Aに対して、集合弁56Aが設けられている。集合弁56Aの入口は配管51A〜53Aに接続され、集合弁56Aの出口は供給管57Aに接続される。また、集合弁56Aには、配管51A〜53Aに対応して三方弁が設けられている。
【0027】
ここで、三方弁とは、択一的に弁を開閉することによって、所望の液体を供給管57Aに択一的に供給するものである。具体的には、三方弁51aが開くと、配管51Aを流れる脱イオン水(CDIW)が供給管57Aに流入する。一方、閉まっている他の三方弁においては、対応する配管52A〜53Aを流れる液体は、そのまま配管52A〜53Aを流れ、供給管57Aには流入しない。
【0028】
なお、このような構成を有する集合弁56Aの代わりに複数の個別の弁を配管51A〜53Aに設けることにより、液体を択一的に供給管57Aに供給する構成としても良い。
【0029】
供給管57Aは、図示しない流量制御器及び供給弁を介して、トッププレートノズル10nに接続されている。また、供給管57Aは図示しないドレイン管に接続されている。ドレイン管は開閉弁を有する。さらに、供給管57Aには、後述する乾燥工程(図9)で使用する不活性ガスとして、窒素ガスを供給する配管が開閉弁を介して接続されている。
【0030】
次に図10(a)(b)乃至図12により、トッププレートノズル10nについて更に説明する。図10(a)(b)乃至図12に示すように、トッププレートノズル10nは基板支持部10のトッププレート部材10aに対して上下方向に移動自在に設けられている。具体的にはトッププレートノズル10nは連結部材31上方に設けられたノズル駆動部10Mにより上下方向に駆動される。
【0031】
またトッププレートノズル10nは、円柱体の形状を有し、回転することはない。またトッププレートノズル10nはその下端部(底部)10Eに液体、例えばリンス液をウエハWに向って下方へ供給する第1噴出口11と、リンス液をトッププレート部材10aに沿って側方へ供給する第2噴出口12とが設けられている。第1噴出口11に連通する第1流路11aと、第2噴出口12に連通する第2流路12aとがトッププレートノズル10n内に互いに独立して延びている。
【0032】
なお、図10(a)(b)および図12において、第1噴出口11および第1流路11aのみが示され、第2噴出口12および第2流路12aは便宜上示されておらず、図11において、第2噴出口12および第2流路12aのみが示され、第1噴出口11および第1流路11aは便宜上示されていない。
【0033】
また、図1に示すように、液処理装置100は、その全体の動作を統括制御するコントローラ(制御部)200を有している。コントローラ200は、液処理装置100の全ての機能部品(例えば、プレート駆動部30a、モータ30M、集合弁56、56A、ガイド駆動部40s等)の動作を制御する。コントローラ200は、ハードウエアとして例えば汎用コンピュータと、ソフトウエアとして当該コンピュータを動作させるためのプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエアは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記憶媒体に格納されるか、あるいはCD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記憶媒体に格納される。このような記憶媒体が図1において参照符号201で示されている。プロセッサ202は必要に応じて図示しないユーザーインターフェースからの指示等に基づいて所定の処理レシピを記憶媒体201から呼び出して実行させ、これによってコントローラ200の制御の下で液処理装置100の各機能部品が動作して所定の処理が行われる。
【0034】
(液処理方法)
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0035】
図2は、本実施形態の液処理方法を説明するフローチャートである。図3〜図9は、実施される液処理方法の各工程を説明する説明図である。図2を参照しながら、図3〜図9の各工程について説明する。
【0036】
始めに、図2のステップS101(及び図3)において、搬送機構61(図3)により、液処理装置100内にパターン面を下方に向けた状態でウエハWが搬入され、ウエハWは基板支持部10のトッププレート部材10a下方に受渡される。すなわち、まず図示しない受け渡し機構により、搬送機構61からトッププレート部材10a下方に位置する円周部にウエハWが受け渡され、円周部の爪部10s(スピンチャック)によってウエハWを支持する。このとき、ウエハWは、パターン面を下方に向けて支持される。その後、ステップS102に進む。
【0037】
図2のステップS102(及び図4)において、ウエハWの表面に形成されているレジストが剥離される。
【0038】
具体的には、まず、図4において、プレート駆動部30aにより、トッププレート部材10aに支持されたウエハWを、カップ部40に向けて下方に移動する(M1)。また、モータ30Mにより、ウエハWを、所定の回転速度(例えば、500rpm)で回転させる。
【0039】
次に、配管54の三方弁を開き、ベースプレートノズル20nからウエハWに向けて硫酸(HSO)が吐出される。また、吐出口20mからウエハWに向けて過酸化水素水(H)が吐出される。このとき、硫酸および過酸化水素水の混合液が生成され、混合液において硫酸と過酸化水素水との化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じ、強い酸化力を有するHSOを含むSPMが生成される。
【0040】
ウエハWのパターン面に噴出された硫酸と過酸化水素水は、ウエハWの回転による遠心力を受け、ウエハWのパターン面中央から外周縁に向けて拡がり、その表面上にSPMの液膜を形成する。このため、ウエハWの表面に残存している不要なレジストを、SPMの酸化作用により、剥離することができる。また、ウエハW表面上のSPMの温度は、ウエハWの外周に向かって低下する。そのため、加熱部10Lにより、ウエハWの表面上の液温を均一に保つように制御する。さらに、ウエハWの表面上のSPMの液膜が遠心力によりウエハWの外周縁から飛散し、この飛散したSPMはカップ部40の第1の液収容部40aにより収納されて、排液口40cから排出される。
【0041】
ここで、図5に過酸化水素水を吐出する吐出口20mの位置を説明する平面図を示す。本実施形態では、5つの吐出口(20m〜20m)を有する。吐出口(20m〜20m)は、ベースプレート部材20aの円形表面の中心部から螺旋状に配置することができる。吐出口20mから吐出する過酸化水素水は、図示しない開閉弁により、その流量が制御される。
【0042】
以上より、ウエハWのパターン面に形成されているレジストを剥離する基板処理をする完了すると、ステップS103に進む。
【0043】
図2のステップS103(及び図6)において、ウエハWをHDIW(リンス液)に浸漬する浸漬処理が施される。
【0044】
具体的には、まず、ベースプレート部材20aが降下して(M1)、貯留部材堰部21の上端の位置をベースプレート部材20aの上端の位置より高くし、液体を貯留することができる貯留槽20Aを形成する。次に、配管53の三方弁を開き、ベースプレートノズル20nからHDIWを供給し、貯留槽にHDIWの液層を生成する。また、ガイド駆動部40sにより仕切りガイドが駆動され、仕切りガイド40gの位置が下方に移動(M2)し、排液口40cに液体を排液するようにする。
【0045】
次に、プレート駆動部30aにより、基板支持部10のトッププレート部材10a下方に移動し(M3)、貯留槽20Aに生成されたHDIWの液層にウエハWを浸漬し、所定の時間、浸漬処理を行う。ここで、浸漬処理では、連続的にHDIWを供給し、排液口40cに液体を排液しながら洗浄(オーバーフロー洗浄)する。このようなDIP処理により、ウエハWの表面を均一に洗浄することができる。また、浸漬処理中にステップS102及びS103において使用した処理液(SPM等)が付着したベースプレート部材20aを同時に洗浄することができる。なお、浸漬処理中に、モータ30Mにより、ウエハWおよびトッププレート部材10aを低回転の回転速度で回転してもよい。
【0046】
以上より、浸漬処理が完了すると、ステップS104に進む。
【0047】
図2のステップS104(及び図7)において、ウエハWを回転しながら、ウエハWをSC1で洗浄(回転洗浄)する処理を施す。
【0048】
具体的には、まず、プレート駆動部30aにより、基板支持部10のトッププレート部材10aを上方に移動し(M1)、貯留槽20AのHDIWの液層からウエハWを離間する。また、ベースプレート部材20aが上昇して(M2)、貯留部材堰部21の上端の位置をベースプレート部材20aの上端の位置より低くし、ステップS103において用いたHDIWを第1の液収容部40aの排液口40cから排液する。このとき、ステップS103の浸漬処理において使用したHDIWの液層の排出と後述の回転洗浄を同時にすることができ、基板処理装置100の浸漬処理に係る時間を削減することができる。
【0049】
次に、モータ30Mにより、ウエハWおよびトッププレート部材10aが、所定の回転速度で回転し、回転しているウエハWに対してトッププレートノズル10n及びベースプレートノズル20nからSC1を吐出する。このとき、ウエハWの表裏面上に吐出されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受け、ウエハWの表面上に液膜を形成する。そのため、ウエハWの表面に残存している不要な前処理の処理液を洗浄することができる。また、ウエハWの表面上のSC1の液膜が遠心力によりウエハWの外周縁から飛散する。この飛散したSC1はカップ部40の第2の液収容部40bにより収納され、飛散したSC1は排液口40dから排出される。
【0050】
以上より、ウエハWの回転洗浄をする完了すると、ステップS105に進む。
【0051】
図2のステップS105(及び図8)において、SC1の回転洗浄の後処理として、ウエハWをCDIWで洗浄する処理が施される。
【0052】
ステップS105において、ウエハWに対してCDIW(リンス液)が供給されてリンス処理が施される。このCDIWによる処理工程について図10(a)(b)により説明する。
【0053】
まず、モータ30MによりウエハWおよびトッププレート部材10aが所定の回転速度で回転し、回転しているウエハWに対してトッププレートノズル10nおよびベースプレートノズル20nからCDIWが供給される。
【0054】
この場合のトッププレートノズル10n側における処理工程について、以下説明する。
【0055】
ステップS105を開始する際、トッププレートノズル10n側では、トッププレートノズル10nが連結部材31上方に配置されたノズル駆動部10Mによりトッププレート部材10aに対して降下しており、トッププレートノズル10nの下端部10Eはトッププレート部材10aから離間し、ウエハWの上面に近接している。
【0056】
この状態でトッププレートノズル10nの第1流路11aを経て第1噴出口11からCDIWが下方に向けてウエハWの中央部に供給される。
【0057】
この間、ウエハWのパターン面に対してはベースプレートノズル20nからもウエハWに対してCDIWが供給される。
【0058】
次に図11に示すようにトッププレートノズル10nおよびベースプレートノズル20nからのCDIWの供給が停止し、ノズル駆動部10Mによってトッププレートノズル10nがトッププレート部材10aに対して上昇し、トッププレートノズル10nの下端部10Eがトッププレート部材10aに接近する。
【0059】
この状態でトッププレート部材10aおよびウエハWを回転させながら、天板10nの第2流路12aを経て第2噴出口12からCDIWが側方に向ってトッププレート部材10a下面に沿って供給される。このように第2噴出口12からトッププレート部材10aの下面に沿ってCDIWが供給されることにより、トッププレート部材10aの下面をCDIWにより効果的に洗浄することができる。
【0060】
すなわちトッププレート部材10aの下面には、ステップS101において使用したSPMおよびステップ104において使用したSC1が付着していることがあるが、トッププレート部材10aの下面にCDIWを供給することにより、これらSPMおよびSC1をトッププレート部材10aの下面から効果的に除去することができる。
【0061】
以上より、リンス処理をする完了すると、ステップS106に進む。
【0062】
図2のステップS106(及び図9)において、ウエハWを回転しながら、ウエハWを乾燥する処理が施される。
【0063】
具体的には、まず、トッププレートノズル10n及びベースプレートノズル20nからのCDIWの吐出を停止する。また、プレート駆動部30aにより基板支持部10のトッププレート部材10aが更に上方に移動(M1)する。次に、トッププレートノズル10n及びベースプレートノズル20nから開閉弁58及び58Aを開くことにより、不活性ガス(N2ガス)が放出される。このとき、トッププレート部材10aおよびウエハWは回転を続け、ウエハWの表面上に残存したCDIWは乾燥し、ウエハWの表面は乾燥する。
【0064】
次にトッププレートノズル10n側における乾燥工程について、以下詳述する。
【0065】
図12に示すように、トッププレートノズル10nからN2ガスを供給する場合、トッププレートノズル10nは予めノズル駆動部10Mによりトッププレート部材10aに対して下降し、トッププレートノズル10nの下端部10Eはトッププレート部材10aから離間している。
【0066】
この状態でトッププレートノズル10nの第1噴出口11から下方に向けてウエハWの中央部に対して開閉弁58Aを開くことによりN2ガスが供給され、第2噴出口12からウエハWの表面に沿ってN2ガスが供給される。
【0067】
このようにトッププレートノズル10nの第1噴出口11からウエハWの中央部に向ってN2ガスが供給され、第2噴出口12からウエハWの表面に沿ってN2ガスが供給され、このようにしてウエハW表面に残存するCDIWが除去される。
【0068】
この場合、トッププレートノズル10nはトッププレート部材10aに対して下降し、ウエハWに対して接近しているため、トッププレートノズル10nの第1噴出口11および第2噴出口12からウエハWの表面にN2ガスを供給することにより、トッププレートノズル10n自体もN2ガスにより乾燥する。
【0069】
以上より、乾燥する処理をする完了すると、ステップS107に進む。
【0070】
図2のステップS110において、搬送機構61(図3)により、処理済みのウエハWを基板処理装置100外に搬出する。搬出方法は、ステップS101の逆手順と同様のため、説明を省略する。搬出を完了すると、図中の「END」に進み、基板処理の動作を終了する。
【0071】
上述の実施形態においては、ウエハを基板処理する場合を例に説明したが、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板などの基板を製造する工程で、基板に対して液処理する場合においても、本発明を用いることができる。
【0072】
以上のように本実施の形態によれば、液処理工程中にトッププレート部材10aを効果的に洗浄することができる。
【0073】
第2の実施の形態
次に図13により本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0074】
図13に示す第2の実施の形態は、トッププレート部材10aを有する上方基板支持部10を設ける代わりに、トッププレート部材10aと同様の位置に、トッププレート(天板)70を配置するとともに、ウエハWを下方基板支持部60により支持する点が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図12に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0075】
図13に示す第2の実施の形態において、図1乃至図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0076】
図13に示すように、ウエハWを支持する下方基板支持部60は、回転自在に設けられたプレート部材60aと、ベースプレート部材60a上に等間隔をおいて設けられ、ウエハWを側方から支持するための複数の保持部材65とを有している。
【0077】
またベースプレート部材60aは、その中央部にベースプレートノズル60nが設けられ、このベースプレートノズル60nには液体供給源50が接続されている。また下方基板支持部60を構成するベースプレート部材60aおよび保持部材65の外周にはカップ部40が設けられている。
【0078】
さらにウエハWの上方に設けられたトッププレート70は、液処理中にウエハWから飛散した液体のミストが上方へ飛散することを防止するためのものである。このトッププレート70はモータ30Mを介して連結部材31に連結され、連結部材31はプレート駆動部30aに連結されている。このためプレート駆動部30aにより、連結部材31およびトッププレート70は上下方向に移動することができ、かつトッププレート70はモータ30Mによって回転駆動される。
【0079】
さらにまたトッププレート70の中央部には、ウエハWに対してリンス液等の液体を供給するトッププレートノズル70nが設けられており、このトッププレートノズル70nには液体供給源50Aが接続されている。
【0080】
またトッププレートノズル70nは、トッププレート70に対して上下方向に移動自在に設けられており、具体的にはトッププレートノズル70nは連結部材31上方に設けられたノズル駆動部10Mにより上下方向に駆動される。
【0081】
また図10(a)(b)乃至図12に示すようにトッププレートノズル70nは、その下端部70Eに液体、例えばリンス液をウエハWに向って下方へ供給する第1噴出口11と、リンス液をトッププレート70に沿って側方へ供給する第2噴出口12とが設けられている。すなわち、トッププレートノズル70nの下端部70Eにはリンス液を下方へ向って供給する第1噴出口11と、リンス液を側方へ向って供給する第2噴出口12とが設けられ、第1噴出口11に連通する第1流路11aと、第2噴出口12に連通する第2流路12aとがトッププレートノズル70n内に互いに独立して延びている。
【0082】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0083】
始めに、図2のステップS101において、搬送機構により、液処理装置100内にパターン面を下方に向けた状態でウエハWが搬入され、ウエハWは下方基板支持部60に受渡される。
【0084】
次にステップ102に進み、図2のステップS102において、ウエハWの表面に形成されているレジストが剥離される。
【0085】
具体的には、まず、図13に示すように、プレート駆動部30aにより、連結部材31およびトッププレート70を下方に移動する。また、モータ30Mにより、トッププレート70を所定の回転速度(例えば、500rpm)で回転させる。
【0086】
次に、ベースプレート部材60aが回転し、これに伴ないウエハWも回転する。その後配管54の三方弁を開き、ベースプレートノズル60nからウエハWに向けて硫酸(HSO)が吐出される。また、ベースプレートノズル60nからウエハWに向けて過酸化水素水(H)が吐出される。このとき、硫酸および過酸化水素水の混合液が生成され、混合液において硫酸と過酸化水素水との化学反応(HSO+H→HSO+HO)が生じ、強い酸化力を有するHSOを含むSPMが生成される。
【0087】
ウエハWのパターン面に噴出された硫酸と過酸化水素水は、ウエハWの回転による遠心力を受け、ウエハWのパターン面中央から外周縁に向けて拡がり、その表面上にSPMの液膜を形成する。このため、ウエハWの表面に残存している不要なレジストを、SPMの酸化作用により、剥離することができる。また、ウエハW表面上のSPMの温度は、ウエハWの外周に向かって低下する。そのため、トッププレート70上方の加熱部10Lにより、ウエハWの表面上の液温を均一に保つように制御する。さらに、ウエハWの表面上のSPMの液膜が遠心力によりウエハWの外周縁から飛散し、この飛散したSPMはカップ部40の第1の液収容部40aにより収納されて、排液口40cから排出される。
【0088】
以上より、ウエハWのパターン面に形成されているレジストを剥離する基板処理をする完了すると、ステップS103に進む。
【0089】
図2のステップS103において、ウエハWにHDIW(リンス液)を供給するリンス処理が施される。
【0090】
具体的には、ベースプレート部材60aおよびウエハWを回転させ、トッププレート70を回転させながら、ベースプレートノズル60nおよびトッププレートノズル70nからHDIWがウエハWの表面に供給される。
【0091】
以上より、HDIWによる処理が完了すると、ステップS104に進む。
【0092】
図2のステップS104において、ベースプレート部材60aおよびウエハWを回転させ、トッププレート70を回転させながら、ウエハWをSC1で洗浄(回転洗浄)する処理を施す。
【0093】
具体的には、モータ30Mにより、トッププレート70が回転し、ベースプレート部材60aおよびウエハWが回転する。そして回転しているウエハWに対してトッププレートノズル70nおよびベースプレートノズル60nからSC1を吐出する。このとき、ウエハWの表面上に吐出されたSC1は、ウエハWの回転による遠心力を受け、ウエハWの表面上に液膜を形成する。そのため、ウエハWの表裏面に残存している不要な前処理の処理液を洗浄することができる。また、ウエハWの表面上のSC1の液膜が遠心力によりウエハWの外周縁から飛散する。この飛散したSC1はカップ部40の第2の液収容部40bにより収納され、飛散したSC1は排液口40dから排出される。
【0094】
以上より、ウエハWの回転洗浄をする完了すると、ステップS105に進む。
【0095】
図2のステップS105において、SC1の回転洗浄の後処理として、ウエハWをCDIWで洗浄する処理が施される。
【0096】
ステップS105において、ウエハWに対してCDIW(リンス液)が供給されてリンス処理が施される。このCDIWによる処理工程について図10(a)(b)により説明する。
【0097】
まず、モータ30Mによりトッププレート70が所定の回転速度で回転し、ウエハWがベースプレート部材60aにより回転する。そして回転しているウエハWに対してトッププレートノズル70nおよびベースプレートノズル60nからCDIWが供給される。
【0098】
この場合のトッププレートノズル70n側における処理工程について、以下説明する。
【0099】
ステップS105を開始する際、トッププレートノズル70n側ではトッププレートノズル70nが、連結部材31上方に配置されたノズル駆動部10Mにより予めトッププレート70に対して降下しており、トッププレート70の下端部70Eは、トッププレート70から離間し、ウエハW上面に近接している。
【0100】
この状態でトッププレートノズル70nの第1流路11aを経て第1噴出口11からCDIWが下方に向けてウエハWの中央部に供給される。
【0101】
この間、ウエハWのパターン面に対してはベースプレートノズル60nからもウエハWに対してCDIWが供給される。
【0102】
次に図11に示すようにトッププレートノズル70nおよびベースプレートノズル60nからのCDIWの供給が停止し、ノズル駆動部10Mによってトッププレートノズル70nがトッププレート部材10aに対して上昇し、トッププレートノズル70nの下端部70Eがトッププレート70に接近する。
【0103】
この状態でトッププレート70およびウエハWを回転させながら、トッププレートノズル70nの第2流路12aを経て第2噴出口12からCDIWが側方に向ってトッププレート70下面に沿って供給される。このように第2噴出口12からトッププレート70下面に沿ってCDIWが供給されることにより、トッププレート70の下面をCDIWにより効果的に洗浄することができる。
【0104】
すなわちトッププレート70の下面には、ステップ101において使用したSPMおよびステップ104において使用したSC1が付着していることがあるが、トッププレート70の下面にCDIWを供給することにより、これらSPMおよびSC1をトッププレート70の下面から効果的に除去することができる。
【0105】
以上より、リンス処理をする完了すると、ステップS106に進む。
【0106】
図2のステップS106において、ウエハWを回転しながら、ウエハWを乾燥する処理が施される。
【0107】
具体的には、まず、トッププレートノズル70n及びベースプレートノズル60nからのCDIWの吐出を停止する。次に、トッププレートノズル70n及びベースプレートノズル60nから開閉弁58及び58Aを開くことにより不活性ガス(N2ガス)が放出される。このとき、トッププレート70およびウエハWは回転を続け、ウエハWの表面上に残存したCDIWは乾燥し、ウエハWの表面は乾燥する。
【0108】
次にトッププレートノズル70n側における乾燥工程について、以下詳述する。
【0109】
図12に示すように、トッププレートノズル70nからN2ガスを供給する場合、トッププレートノズル70nは予めノズル駆動部10Mによりトッププレート70に対して下降し、トッププレートノズル70nの下端部70Eはトッププレート70から離間している。
【0110】
この状態でトッププレートノズル70nの第1噴出口11から下方に向けてウエハWの中央部に対して開閉弁58Aを開くことにより、N2ガスが供給され、第2噴出口12からウエハWの表面に沿ってN2ガスも供給される。
【0111】
このようにトッププレートノズル70nの第1噴出口11からウエハWの中央部に向ってN2ガスが供給され、第2噴出口12からウエハWの表面に沿ってN2ガスが供給され、このようにしてウエハW表面に残存するCDIWが除去される。
【0112】
この場合、トッププレートノズル70nはトッププレート70に対して降下し、ウエハWに対して接近しているため、トッププレートノズル70nの第1噴出口11および第2噴出口12からウエハWの表面にN2ガスを供給することにより、トッププレートノズル70n自体もN2ガスにより乾燥する。
【0113】
以上より、乾燥する処理をする完了すると、ステップS107に進む。
【0114】
図2のステップS110において、搬送機構により、処理済みのウエハWを基板処理装置100外に搬出する。搬出方法は、ステップS101の逆手順と同様のため、説明を省略する。搬出を完了すると、図中の「END」に進み、基板処理の動作を終了する。
【0115】
以上のように本実施の形態によれば、液処理工程中にトッププレート70を効果的に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0116】
100 液処理装置
10 基板支持部
10a トッププレート部材
10s 爪部
10n トッププレートノズル
10L 加熱部
10M ノズル駆動部
11 第1噴出口
12 第2噴出口
20 貯留部材底部(貯留槽)
20a ベースプレート部材
20n ベースプレートノズル
20m 吐出口
21 貯留部材堰部
30M モータ
30a プレート駆動部
40 カップ部
40a 第1の液収容部
40b 第2の液収容部
40g 仕切りガイド
41c 排液口
41d 排液口
41e 排気口
50、50A 液体供給源
51、51A 配管(CDIW)
52、52A 配管(SC1)
53、53A 配管(HDIW)
51a 三方弁(CDIW)
56、56A 集合弁
57、57A 供給管
70 トッププレート(天板)
70n トッププレートノズル
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を上方から覆う天板と、
前記天板を回転させる天板回転機構と、
天板の回転中心部に設けられ、基板に向ってリンス液を供給する第1噴出口と、天板に向ってリンス液を供給する第2噴出口と、を有するノズルと、
前記ノズルを天板に対して上昇位置と下降位置に移動させる天板駆動部とを備え、
前記ノズルは、上昇位置にて第2噴出口より天板に向ってリンス液を供給し、下降位置にて第1噴出口より基板に向ってリンス液を供給することを特徴とする液処理装置。
【請求項2】
前記ノズルの第2噴出口は、天板に向って放射状にリンス液を供給することを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項3】
前記ノズルは円柱体からなり、円柱体の底部に下方を向く第1噴出口が設けられ、円柱体の下方側面に側方を向く第2噴出口が設けられていることを特徴とする請求項2記載の液処理装置。
【請求項4】
前記天板は基板を回転可能に水平に支持する上方基板支持部からなり、
前記上方基板支持部により支持される前記基板の下面に対向するように設けられた貯留部材底部と、
前記貯留部材底部の外周側に、該貯留部材底部を囲むように設けられた貯留部材堰部と、
前記基板支持部と前記貯留部材底部との離間距離を調整する駆動部と、を更に備えたことを特徴とする液処理装置。
【請求項5】
前記貯留部材堰部の外周側に、前記貯留部材堰部を囲むようにカップ部が設けられ、
前記カップ部は、環状の第1の液収容部と、前記第1の液収容部より外周側に設けられた環状の第2の液収容部と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の液処理装置。
【請求項6】
基板を下方から回転自在に支持する下方基板支持部を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の液処理装置。
【請求項7】
下方基板支持部の外周側に、下方基板支持部を囲むようにカップ部が設けられ、
カップ部は環状の第1の液収納部と、第1の液収納部より外周側に設けられた環状の第2の液収納部とを含むことを特徴とする請求項6記載の液処理装置。
【請求項8】
請求項1記載の基板処理装置の基板処理方法において、
天板を天板回転機構により回転させる工程と、
ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口から基板に対してリンス液を供給する工程と、
ノズルを天板に対して上昇させ、上昇したノズルの第2噴出口から天板に対してリンス液を供給する工程と、を備えたことを特徴とする液処理方法。
【請求項9】
ノズルから基板に対してリンス液を供給する際、ノズルに設けられ下方を向く第1噴出口からリンス液を供給し、
ノズルから天板に対してリンス液を供給する際、ノズルに設けられ側方を向く第2噴出口からリンス液を供給することを特徴する請求項8記載の液処理方法。
【請求項10】
前記ノズルは円柱体からなり、円柱体の底部に下方を向く第1噴出口が設けられ、円柱体の下方側面に側方を向く第2噴出口が設けられ、
ノズルから基板に対してリンス液を供給する際、円柱体のノズルの底部に設けられ下方を向く第1噴出口からリンス液を供給し、
ノズルから天板に対してリンス液を供給する際、円柱体のノズルの下方側面に設けられ側方を向く第2噴出口からリンス液を供給することを特徴とする請求項9記載の液処理方法。
【請求項11】
ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口および第2噴出口から不活性ガスを基板に噴出して、不活性ガスによりノズルを乾燥させる工程を更に備えたことを特徴とする請求項9記載の液処理方法。
【請求項12】
コンピュータに液処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
この液処理方法は、
請求項1記載の基板処理装置の基板処理方法において、
天板を天板回転機構により回転させる工程と、
ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口から基板に対してリンス液を供給する工程と、
ノズルを天板に対して上昇させ、上昇したノズルの第2噴出口から天板に対してリンス液を供給する工程と、を備えたことを特徴とする記憶媒体。
【請求項13】
ノズルから基板に対してリンス液を供給する際、ノズルに設けられ下方を向く第1噴出口からリンス液を供給し、
ノズルから天板に対してリンス液を供給する際、ノズルに設けられ側方を向く第2噴出口からリンス液を供給することを特徴する請求項12記載の記憶媒体。
【請求項14】
前記ノズルは円柱体からなり、円柱体の底部に下方を向く第1噴出口が設けられ、円柱体の下方側面に側方を向く第2噴出口が設けられ、
ノズルから基板に対してリンス液を供給する際、円柱体のノズルの底部に設けられ下方を向く第1噴出口からリンス液を供給し、
ノズルから天板に対してリンス液を供給する際、円柱体のノズルの下方側面に設けられ側方を向く第2噴出口からリンス液を供給することを特徴とする請求項13記載の記憶媒体。
【請求項15】
ノズルを天板に対して降下させ、降下したノズルの第1噴出口および第2噴出口から不活性ガスを基板に噴出して、不活性ガスによりノズルを乾燥させる工程を更に備えたことを特徴とする請求項13記載の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98178(P2013−98178A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236354(P2011−236354)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】