説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置における画像形成の速度を速くしても、現像剤の帯電性を変えることなく、かつ、定着装置における離型性の良く、トナーのオフセットを抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体40の線速は135〜300mm/secの範囲であって、現像装置4で使用されるトナーは、少なくともバインダ樹脂、着色剤、ワックスとを含んで構成され、トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))が0.4〜10重量%の範囲にある画像形成装置100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスによって記録媒体
上に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体である感光体の表面に放電によって電荷を与える帯電工程と、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、感光体表面に形成された静電潜像の極性と逆の極性を有するトナーを供給して現像する現像工程とを経て感光体上にトナー像が形成される。感光体上に形成されたトナー像は、その後、一旦中間転写体に転写され、中間転写体から紙等の記録部材に転写されるか、あるいは感光体から記録部材に直接転写される転写工程を経て、転写された記録部材上のトナー像に熱と圧をかけて定着させる定着工程によって記録部材上に固定される。
この定着工程では、内部にヒータを有するローラ状あるいはベルト状の一対の定着部材により、記録部材を挟み込んで、トナーを加熱溶融すると共に圧力をかけて記録部材上に定着させる。このとき、加熱温度が低すぎるとトナーが十分に溶融せず定着が不十分になる問題が発生する。定着が不十分であると、出力画像におけるトナーの定着強度が弱く、摺擦すると剥離するといった不具合が発生する。
トナーの定着強度を高めるためには、定着の際の加熱温度を高くすることが考えられるが、加熱温度が高すぎると、トナーが過剰に溶融して、定着部材に融着する問題(ホットオフセット)が発生する。ホットオフセットの発生を抑えつつ、トナーの定着強度を高めるための手段として、例えば定着装置においては、定着領域におけるニップ圧力、ニップ通過時間を大きくすることが考えられる。
これにより、定着強度を高めつつ、加熱温度を高くした場合のように、消費電力が多くなることでランニングコストが高くなるという不具合が生じるのも避けることができ、さらに、画像形成速度を早くするというニーズにも応えることができる。
また、トナーでは、低温で定着可能な1/2流出開始温度を低くすることが考えられるが、トナーの低温における溶融粘度を低くすることにより、ホットオフセットの発生が起こり易くなるため好ましくない。
このため、従来は、定着部材表面にシリコーンオイルなどを塗布することが行われてきた。シリコーンオイルを塗布することにより、定着部材の表面温度をある程度高くしても、トナーの離型性が保たれ、定着を十分に行いながら、オフセットの発生を防止することができる。しかしながら、定着部材にシリコーンオイルを塗布するためには、オイルタンク、オイル塗布装置が必要であり、定着装置が複雑、大型となる。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1では、トナーが結着樹脂、着色剤及びワックスを含有してなり、トナー表面のワックス露出量が15〜40重量%であり、さらに、ワックス量をYとした時に、トナー表面のワックス露出量X(重量%)との関係が、40<X×Y<240である静電潜像現像剤が開示されている。また、特許文献2では、未定着画像を作成し、その未定着画像を23℃、60%RH環境下においてヘキサン中に浸漬させた場合のワックスの溶出量をC(N)、該トナーにより作製した未定着画像を100℃で2分加熱した後、23℃、60%RH環境下においてヘキサン中に浸漬させた場合のワックスの溶出量をC(H)とした場合、1.10≦C(H)/C(N)≦5.00の関係が成り立つ非磁性一成分接触現像用トナーが開示されている。特許文献3では、結着樹脂が結晶性ポリエステル(樹脂A)と非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリエステルポリアミド(樹脂B)とを主成分とする結着樹脂を含有し、トナー表面の高温オフセット向上のためのワックス露出量が15〜40重量%である電子写真用トナーが開示されている。
また、特許文献4では、回転加熱部材の発熱層の厚さが1〜200μm、弾性層の厚さが10〜500μm、離型層の厚さが1〜100μmであり、該回転加熱部材と回転加圧部材により形成されるニップ幅が5〜15mmであり、且つ、該回転加熱部材を記録材を介して面圧9000〜500000N/mで該回転加圧部材を押圧しながら定着スピード300mm/秒以下でトナー画像を加熱加圧定着する画像形成方法が開示されている。
【0004】
また、現像工程では、トナーを現像装置内部から現像スリーブで、感光体と対向する現像領域に搬送して、現像バイアスを印加して現像する。
画像形成時においては、画像形成装置の現像プロセス条件と、帯電量等のトナー条件を合わせて現像条件を決定しているが、このときに、現像剤中のトナーは、適正な帯電量になっていないと、異常画像が表れる。例えば、トナーの帯電量が低い場合には、プロセス条件が適正なトナー帯電量時における条件のままであると、現像プロセス条件によっては現像過多になり、地肌かぶりが発生することがある。また、トナーの帯電量が高い場合には、プロセス条件が適正なトナー帯電量時における条件のままであると、現像プロセス条件によっては現像過少になり、濃度低下が発生することがある。また、最悪の場合は、地肌かぶりと濃度低下が同時に起こることがある。
特に近年は、画像形成速度の高速化が要求されているが、画像形成速度を早くすると、現像領域の存在する現像幅が同じであっても、この現像幅を通過する時間が少なくなり、現像されるトナー量が少なくなるが、これに伴って生じる不具合を避けるために、現像バイアスを大きくすると、現像過多になり、現像装置内に補給されたトナーが短時間で現像に供給される。このとき、逐次現像装置内に補給されるトナーの、混合・攪拌が不十分な状態となりやすく、現像装置内から現像領域に搬送されるトナーの帯電量分布が広くなって、地肌かぶりと濃度低下が同時に起こることが多くなる。
これに対して、これまで、トナーの帯電立ち上がりを速くすることで高速の現像装置を有する画像形成装置に対処している。例えば、特許文献5では、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有する乾式トナーであって、トナーがさらに所定の化合物を含有する乾式トナーが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−131416号公報
【特許文献2】特開2003−207925号公報
【特許文献3】特開2003−270852号公報
【特許文献4】特開2002−091078号公報
【特許文献5】特開2001−183872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1ないし3では、トナー表面にワックスを露出させると、二成分現像剤では、キャリアとの混合・撹拌時に表面のワックスがキャリアに移行して、帯電性が変化し、特に、トナーの帯電立ち上がりが低下して、画像濃度の低下又は地肌カブリの発生という問題が生ずる。
また、特許文献4では、定着領域のニップ幅を広くして、定着領域の面圧を高くすると、定着ローラ等の金属製の肉厚を厚くしなければならず、そのために、ウォーミングアップ時間を短縮することができない。また、定着装置に係る荷重が大きくなるために、クリープ現象でローラが変形するという問題が生ずる。
また、特許文献5では、これらの化合物が長期的にはキャリアに移行し、帯電性が変わって、異常画像を発生するという問題が生ずる。
さらに問題点を詳述すると、線速の大きい高速画像形成装置では、低速の画像形成装置とは異なる現像剤、トナー特性が要求される。特に、現像工程においては、トナーの速い帯電立ち上がり性能が要求される。トナーの帯電量の絶対値が大きくとも、補給から現像されるまでの時間の短い高速機では、速い時間で適正帯電量に到達しなければ、高速画像形成装置に用いることができない。
また、高速画像形成装置では、定着装置を通過する時間が早くなり、定着ニップ幅内で加熱及び加圧を受ける時間が短くなることで、トナーを十分溶融できなくなる。そのために、定着強度が弱く、摺擦すると剥離することがあり、定着工程では定着強度の高いトナーが要求される。特に、定着強度・温度を単純に大きくするだけでは、トナーがオフセットして、定着画像を汚すことがある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、画像形成装置における画像形成の速度を速くしても、現像剤の帯電立ち上がりが速く高品位の画像を得ることができ、かつ、定着装置における離型性が良く、トナーのオフセット、定着剥離を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴的要点を以下に挙げる。
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体で搬送されたトナーで可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、前記像担持体の線速は135〜300mm/secの範囲であって、前記現像装置で使用されるトナーは、少なくともバインダ樹脂、着色剤、ワックスとを含んで構成され、トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))が0.4〜10重量%の範囲にあることを特徴とする。
さらに、本発明の画像形成装置は、定着装置は、定着部材の線速が像担持体の線速に対して0.9〜1.1倍の範囲にあって、かつ、記録媒体通過時における定着部材の定着幅が5〜15mmであって、ニップ圧が5〜20N/cmであることを特徴とする。また、現像装置は、現像剤担持体の線速が像担持体の線速に対して1.1〜5.0倍の範囲であって、かつ、現像剤によって形成される現像幅が1〜5mmの範囲にあることを特徴とする。
【0009】
本発明は、高速画像形成装置における定着性、現像性が、共に表面近傍にあるワックス量に相関することを実験データによる検証から発見するに至り、従来の問題点であるトナー表面近傍に存在するワックスによって生ずる像担持体、キャリアへの移行を抑えながら、定着性を確保するものである。
また、このトナー表面近傍のワックスは、トナーの帯電立ち上がりに影響する。ワックスの感光体、キャリアへの移行によるスペントを抑え、滑り性を高めることができるワックスの好適範囲にする。とくに、外添剤を添加したときに、外添剤の遊離、埋没を抑えるワックス量にすることで、さらに、トナーの帯電立ち上がりをよくすることができる。
すなわち、本発明の画像形成装置は、高速画像形成装置で問題となる、定着性における定着トナーの強度確保と、現像性におけるトナーの帯電立ち上がり性確保という別々の工程における高速対応の課題を、トナー表面近傍のワックス量を最適化することで、全く異なる視点からの効果発現により、キャリアへのワックス移行によるフィルミング発生という二律背反を抑えながら、高速画像形成を達成することができたものである。
【発明の効果】
【0010】
上記解決するための手段によって、本発明の画像形成装置では、定着におけるトナーの剥離がなく強固に記録媒体上にトナーを定着させ、オフセットによる異常画像の発生がなく、さらに、トナーがワックスを含有していてもキャリアへの移行が無く、キャリアの帯電性を変えることがないので高品位の画像が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれる。
【0012】
図1は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各装置を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
【0013】
また、感光体40と現像装置4、共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
【0014】
ここで、本発明の画像形成装置における感光体40は、線速が135〜300mm/secの範囲にする。感光体40の線速が、画像形成の速度を決定し、ほぼ定着装置等の各プロセスの速度を決定する。例えば、現像装置4では、感光体40が潜像を形成する速度に合わせてトナーを供給する必要がある。また、定着装置25では、感光体40が画像形成した速度で記録媒体である記録紙が搬送されることから、定着ローラ等をこれに合わせる必要がある。
感光体40の線速が135mm/sec未満では、各カラー用の感光体を並列配置するタンデム型画像形成装置であっても、A4記録紙を毎分25枚以上にはできず、多数の枚数の画像形成では時間がかかるし、そもそも低速画像形成装置では、高速化に対応するオフセットが発生しないため、定着強度のある定着性能や、速い帯電立ち上がり性能が要求されない。また、インクジェットプリンタ等の低コストの画像形成装置と同等の画像形成速度になり、電子写真方式の利点がなくなる。感光体40の線速が300mm/secを越えると、画像形成装置の駆動部品に大きなストレスがかかり摩耗が大きくなる。このために、摩耗を抑えるために部品コストが高くなり、また、定着装置、現像装置等が大型化する等の不具合が生ずる。
【0015】
このような、感光体40の線速を有する本発明の画像形成装置では、トナーを、少なくともバインダ樹脂、着色剤、ワックスとを含んで構成され、トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))が0.4〜10重量%の範囲にする。
トナー表面近傍とは、トナー表面から0.3μmの範囲内で、トナー表面に露出・非露出のいずれでもよい。ワックスの存在量を0.4〜10重量%の範囲にすることで、定着におけるオフセットの発生を防止し、かつ、キャリアへの移行を抑え帯電性が変わるのを防止することができる。このワックスの存在量が0.4重量%未満では、定着におけるオフセットの発生を防止することができない。また、ワックスの存在量が10重量%を越えると、キャリアの帯電性が変わり異常画像が発生する。
とくに、感光体40の線速が135mm/sec未満では、トナーが消費される速度が遅く、現像装置4内に長期に渡って留まるために、撹拌・混合等の加圧によるストレスでワックスがトナー表面にしみ出して、キャリアに移行してキャリアの帯電性を阻害する。
また、線速が300mm/secを越えると、トナーが消費される速度が速く、現像装置4内における帯電立ち上がりを速くしなければならず、混合・撹拌の加圧する力が強く、ワックスがトナー表面にしみ出して、キャリアに移行してキャリアの帯電性を阻害する。従って、ワックスを用いるトナーでは、二成分現像剤のキャリアとの関係で適正な線速がある。
【0016】
ここで、ワックスの存在量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法で、バインダー樹脂とワックスの強度比から算出した。FTIR−ATR法は、測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナー粒子の表面から0.3μmの深さ領域における相対的なワックスの含有重量を求めることができる。測定方法は以下の通りである。先ず、試料として、バインダー樹脂とワックスを瑪瑙乳鉢で混合して、3gを取り、自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製 Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。
このときに、基地になる結着樹脂、測定目的のワックス等のそれぞれの材料を特定でき、重複しない波長を選択する。なお、それぞれの材料に関しては後述する。ここでは、例としてあげるが、得られたワックス由来のピークPwax(例えば、カルナバワックスに対しては2850cm−1)と結着樹脂由来のピークPresin(例えば、ポリエステル樹脂に対して828cm−1)とを選択し、低分子ポリエステル中にカルナバワックスを1、3、5、8、10wt%混合し、瑪瑙乳鉢で十分に均一分散させたものを薄層ペレットにし、ATR法より表面WAX量を測定して検量線を作成しておき、この強度比(Pwax/Presin)からトナー粒子表面近傍の相対的なワックスの重量含有量を測定した。値は測定場所を変えて3回測定した後の平均値を用いた。
【0017】
このワックスとしては、脱遊離脂肪酸カルナウバワックス、ライスワックス、モンタン系ワックス、及びエステルワックスのいずれか、もしくはこれらのいずれかの組み合わせである。カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。モンタン系ワックスは、鉱物から抽出されるワックスである。エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。これらのワックスは他のワックスに比べ、黒色酸化鉄化合物を用いたトナーで優れた粉砕性を示す。理由は明確ではないが、ワックスが結着樹脂と着色剤の界面に存在し、粉砕助剤的な働きをするものと考えられ、したがって、着色剤との界面からしみ出しやすいものと考えられる。これらのワックス成分は単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。また、本発明では、他のワックス成分も併せて使用可能である。例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のようなポリオレフィンワックスなどである。しかし、ワックスの主体は、脱遊離脂肪酸カルナウバワックス、ライスワックス、モンタン系ワックス、及びエステルワックスであり、他のワックス成分はこれらのワックス量より多くすることができない。とくに、他のワックス成分はキャリア、感光体40への移行しやすく、高速画像形成装置では、定着不良、異常画像が発生する。
【0018】
また、定着装置は、定着部材の線速が像担持体の線速に対して0.9〜1.1の範囲にあって、かつ、記録媒体通過時における定着部材の定着幅が5〜15mmであって、ニップ圧が5〜20N/cmである。
図2は、本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の一実施形態の構成を示す概略図である。ここでは、定着ローラと加熱ローラとで構成されている定着部材で説明する。
定着装置25は、図2に示すように、定着ローラ251は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周に、加圧ローラ252とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層を備える。弾性層の表層には、転写紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。
離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂からなる耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ251の芯金中には定着ローラ251の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ等の熱源が配設される。
加圧ローラ252は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層を適度な厚みで備え、定着ローラ251と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ252は、定着ローラ251に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を弾性変形させることにより定着ローラ251との間で、一定時間トナーを加圧及び/又は加熱できる定着領域であるニップ部を形成する。
【0019】
定着ローラ251、加圧ローラ252の線速を、感光体40の線速に対して0.9〜1.1倍にする。定着ローラ251等の線速は、感光体40の画像形成する線速に合わせなければいけないが、完全に一致させなくともよい。感光体40の潜像を形成するときに、次の潜像との間に間隔をあけることで定着ローラ251等の線速を感光体40の線速以上にすることができる。また、未定着画像が転写された記録紙を搬送するために、転写装置と定着装置との間に搬送装置を設けることで定着ローラ251等の線速を感光体40の線速以下にすることができる。
しかし、定着ローラ251等の線速が0.9倍未満になると搬送装置が大型化し、画像形成装置の小型化が困難になる。さらに、この定着ローラ251等の線速では、ニップ時間を長くすることができ、トナーは十分な加圧、加熱を受けることができるので、トナー表面近傍におけるワックスの存在量を限定しなくとも、摺擦による剥離のない十分な定着強度を得ることができ、さらに、オフセットによって記録紙を汚すことがない。
また、定着ローラ251等の線速が1.1倍を越えると潜像間隔があき、高速化に対して不利になる。さらに、本発明におけるトナー表面近傍におけるワックスの存在量では、摺擦による剥離のない十分な定着強度を得ることができず、オフセットの発生を防止することが困難である。
【0020】
また、弾性層の厚み、加圧部材による圧力で、ニップ部に形成されるニップ幅を5〜15mm、ニップ圧を5〜20N/cmにする。
記録媒体に対するトナーの定着性は、ニップ幅とニップ圧とに大きく影響される。とくに、ここで用いるトナーは、ニップ部の加圧及び/又は加熱で、トナー表面近傍に存在するワックスがトナー表面にしみ出してくる。このために、感光体40の線速が135mm/sec以上で定着装置の定着ローラ等の線速も同様であっても、ニップ幅5〜15mmと通常用いられるよりも長くして、トナーが加熱される時間を長くすることで、ワックスのしみ出しを促進して、オフセットを防止する。しかし、ニップ幅が5mm未満では、トナーへの加熱が不十分で未定着のトナーが発生する。この定着が不十分な場合、定着画像を手又は服地で擦ると剥離して、手等を汚してしまう。ニップ幅が15mmを越えると、定着ローラが大きくなり、画像形成装置の小型化が困難になる。
さらにニップ圧を、通常用いられる範囲よりも低い、5〜20N/cmとする。ニップ圧は低くても、トナー表面近傍に存在するワックスがトナー表面にしみ出させれば足りるので、ニップ圧を大きくしなくともオフセットを防止することができる。しかし、ニップ圧が5N/cm未満では、定着が不十分で、定着画像を手又は服地で擦ると剥離して、手等を汚してしまう。また、ニップ圧が20N/cmを越えると、加圧部材が大きくなり、また、定着ローラ等を軸支する枠体を強固かつ大きくなってしまうので、画像形成装置の小型化が困難になる。
【0021】
なお、定着ローラ251にトナーとの離型性を良くしてオフセットの発生を防止するために、離型性を向上させるシリコーンオイル等のオイルを塗布する塗布ローラ255、定着ローラ251に付着したトナー、紙粉をクリーニングするクリーニング部材としてクリーニングローラ256を設ける。また、加圧ローラ252にも紙粉と記録しないときに接する定着ローラ251からトナーが付着することから、加圧ローラ252にクリーニングローラ257を設ける。さらに、定着ローラ251、加圧ローラ252等の定着装置25における部材のヒータを制御するために、各部材の温度を検知するためにサーミスタ等の温度センサ258を設ける。
【0022】
また、本発明の画像形成装置では、発熱体を具備する加熱体と、この加熱体と接触するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する定着装置を用いることができる。
図3は、本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の一実施形態の構成を示す概略図である。定着装置25は、図3に示すように、定着フィルム26を回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説すると、定着フィルム26はエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、フィルムの支持回転体である駆動ローラ25cと、従動ローラ25bと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体25fと、に懸回張設してある。
従動ローラ25bは定着フィルム26のテンションローラを兼ね、定着フィルム26は駆動ローラ25cの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラ27と定着フィルム26が接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルム26の速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラ27はシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルム26は、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm 以下、好ましくは40μm 以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm 厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
【0023】
図3において、加熱体25fは平面基板25eおよび定着ヒータ25aから構成されており、平面基板25eは、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルム26と接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータ25aを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータ25aは、例えばAg/Pd、Ta2N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータ25aの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、前記基板の定着ヒータ25aが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサ25dが設けられている。定着温度センサ25dによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータ25aに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
【0024】
また、画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。
図4は、現像装置の構成を示す概略図である。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ローラ48が感光体40に近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成される。現像ローラ48では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ46が回転駆動機構によって回転されるようになっている。また、感光体40と現像スリーブ46との間隔である現像ギャップが設定されている。現像剤の搬送方向における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ46上の現像剤量を規制するドクタブレード47が設置されている。このドクタブレード47と現像スリーブ46との間隔であるドクタギャップが設定されている。現像ローラ48の感光体40とは反対側領域には、現像装置4内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ46へ汲み上げるための混合・撹拌スクリュー45が設置されている。
この現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像するが、その際に、交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の画像形成装置における現像装置4は、現像スリーブの線速が感光体40の線速に対して1.1〜5.0、好ましくは、1.1〜3.0、の範囲であって、かつ、現像剤によって形成される現像幅が1〜5mmである。
現像剤担持体である現像スリーブは、現像装置4内にあるトナーと混合している現像剤を感光体40に供給する。高速画像形成装置では、画像形成の速度が速いことから、多量のトナーを供給しなければならず、現像スリーブを感光体の線速以上にする。特に、現像スリーブの線速は、感光体の線速の1.1〜5.0倍にする。さらに、好ましくは、現像スリーブの線速は、感光体の線速の1.1〜3.0倍にする。
高速画像形成装置では、現像領域に多くのトナーを供給しなければならず、補給されたトナーが十分帯電できない場合がある。本発明においては、このトナーが適正に帯電するように、トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))が0.4〜10重量%の範囲にする。これによって、トナー表面からキャリアへのワックスの移行を抑えることができる。
【0026】
従来、現像装置内の混合・撹拌スクリュー等を速く回転させると、キャリアとトナーとを激しく混合・撹拌することになり、トナー表面に存在するワックスがキャリアに移行して、キャリアの帯電性が変わる。このとき、ワックスの帯電性がトナーの帯電量の絶対値を大きくするものであっても、小さくするものであっても異常画像になる。画像形成装置では、感光体40の帯電電位、トナーの帯電量、現像スリーブの線速、現像スリーブに印加する電位等を含めて決定している。このために、トナーの帯電量の絶対値が大きくなると画像濃度が低下する。フルカラー画像では、各色の濃度バランスが崩れ色再現ができなくなる。また、トナーの帯電量の絶対値が小さくなると低帯電量・逆帯電量のトナーが増加することから地肌かぶりが生じ、さらに、フルカラー画像では、各色の濃度バランスが崩れ色再現ができなくなる。
このために、トナー表面近傍のワックス量を規定することで、ワックスによる滑り性によってキャリアとトナーとの混合性が増し、素早く混合されることで帯電立ち上がりを速くすることができる。さらに、外添剤を添加したときに、外添剤による帯電量制御に影響のない外添剤量が埋没するワックス量にする。一度埋没した部分には再度外添剤が埋没することが少なく、帯電量を安定させることができる。また、外添剤の埋没が少ないことで、流動性が高く帯電立ち上がりも速いまま維持することができる。
【0027】
現像スリーブの線速が1.1倍未満では、供給されるトナーが少なく画像濃度が低い。特に、現像スリーブの線速が同速だと、感光体がうける圧力が最大になり、感光体のスムーズな回転が妨げられ、濃淡が交互に表れる異常画像になる。また、このときに、現像スリーブの線速が5.0倍を越えると、キャリアが形成する磁気ブラシの摺擦する回数が多くなり、ハーフトーン等の中間濃度の画像でブラシで掃いた跡のようなスジが表れる。また、縦の細線と横の細線の太さが異なってくるので、高品位の画像が得られない。このときに、現像スリーブ上での磁気的撹拌でトナーはストレスを受けるために、現像スリーブの回転数が速いほど、キャリアへのワックスの移行、外添剤の埋没が激しくなるために、とくに、3.0倍以下にすることが好ましい。
【0028】
また、現像剤が感光体40と接触して摺擦する幅である現像幅が1〜5mmの範囲にある。この現像幅が長いほど、トナーが現像電界を受ける時間が長くなり、現像されるトナー量を多くすることができる。この現像幅を1mm未満にすると、現像されるトナー量が少なくなり、画像濃度が低下する。このときに、現像電界を大きくして現像されるトナー量を増やすと、地肌かぶりが生じ異常画像になる。また、現像幅が5mmを越えると地肌かぶりが多くなり、さらに、ハーフトーン画像でブラシで掃いた跡のようなスジが表れる。
【0029】
また、本発明の画像形成装置では、印加する現像バイアスにより生ずる現像電界は、直流と交流を重畳させて発生させる交互電界を用いても良い。帯電したトナーは、現像スリーブと感光体40との間に印加された交互電界により現像される。さらに、交互電界が印加されていることにより、現像されて感光体40上にあるトナーが振動するように運動し、次第に静電潜像に忠実に揃えられ高品位の画像を得ることができる。また、感光体40に磁気ブラシの穂が近接していると磁性キャリアによって強調された電界が生ずるために、この部分でトナーが振動するようにより激しく運動し、さらに、潜像Lに忠実に揃えられ高品位の画像を得ることができる。
【0030】
また、本発明の画像形成装置に用いられる感光体40としては、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体40(以下、「a−Si系感光体」と称する。)を用いることが出来る。なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
アモルファスシリコン感光体500の層構成は例えば以下のようなものである。
図5は、本発明の画像形成装置に用いられる感光体の層構成を示す概略図である。(a)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上にa−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層502が設けられている。(b)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503とから構成されている。(c)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層502と、アモルファスシリコン系表面層503と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層504とから構成されている。(d)に示す電子写真用感光体500は、支持体501の上に、光導電層502が設けられている。光導電層502はa−Si:H,Xからなる電荷発生層505ならびに電荷輸送層506とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層503が設けられている。
【0031】
感光体500の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体501も用いることができる。
支持体501の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状、無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体500を形成し得るように適宜決定するが、感光体500としての可撓性が要求される場合には、支持体501としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0032】
このアモルファスシリコン感光体500には、必要に応じて導電性支持体501と感光層502との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層504を設けるのがいっそう効果的である((c))。すなわち、電荷注入阻止層504は光導電層502が一定極性の帯電処理をその自由表面に受けた際、支持体501側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能が発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層504には伝導性を制御する原子を光導電層502に比べ比較的多く含有させる。
電荷注入阻止層504の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
光導電層502は必要に応じて下引き層上に形成され、光導電層502の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
【0033】
電荷輸送層は、光導電層502を機能分離した場合の電荷を輸送する機能を主として奏する層である。この電荷輸送層は、その構成要素として少なくともシリコン原子と炭素原子と弗素原子とを含み、必要であれば水素原子、酸素原子を含むa−SiC(H、F、O)からなり、所望の光導電特性、特に電荷保持特性、電荷発生特性および電荷輸送特性を有する。本発明においては酸素原子を含有することが特に好ましい。
電荷輸送層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果などの点から適宜所望にしたがって決定され、電荷輸送層については、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、最適には20〜30μmとされるのが望ましい。
電荷発生層は、光導電層を機能分離した場合の電荷を発生する機能を主として奏する層である。この電荷発生層は、構成要素として少なくともシリコン原子を含み、実質的に炭素原子を含まず、必要であれば水素原子を含むa−Si:Hから成り、所望の光導電特性、特に電荷発生特性、電荷輸送特性を有する。
【0034】
電荷発生層の層厚は所望の電子写真特性が得られることおよび経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μm、最適には1〜5μmとされる。
本発明に用いることが出来るアモルファスシリコン感光体には必要に応じて、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を設けることが出来、アモルファスシリコン系の表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の課題を達成するために設けられる。
本発明における表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性低下がみられる。
【0035】
図6は、本発明の画像形成装置に用いられる接触式の帯電装置の構成を示す概略図である。感光体は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。
この感光体に接触させた帯電部材である帯電ローラ60aは芯金60cとこの芯金60cの外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層60dを基本構成とし、芯金60cの両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させると供に、不図示の加圧手段によって感光体40に所定の加圧力で押圧させており、この帯電ローラ60aは感光体40の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ60aは、直径9mmの芯金60c上に100000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して直径16mmに形成されている。
帯電ローラ60aの芯金60cと図示の電源60fとは電気的に接続されており、電源60fにより帯電ローラ60aに対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体40の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシを用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
【0036】
本発明の画像形成装置に用いるトナーは、少なくとも結着樹脂、有彩色の着色剤、ワックスとからなり、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の製造方法があるが、これらの製造方法に限るものではない。本発明のトナーは、高画質高精細の画像を出力させるべく、小粒径で球形に近いトナーであることが好ましい。このようなトナーの製造方法としては、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。以下、これらのトナー製造方法、及び該製造方法において用いる材料、添加剤等について説明する。
【0037】
(懸濁重合法)
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、ワックス等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化法によって乳化分散する。このときに、ワックスを分散させる撹拌速度、温度等の条件によってワックス粒径を制御する。その後、重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えば良い。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
【0038】
(乳化重合凝集法)
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途、着色剤、粒径を制御したワックス等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後に、無機微粒子の湿式処理を行えば良い。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
【0039】
(ポリマー懸濁法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、粒径を制御したワックス、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。
水系媒体中に、トナー組成物からなる油相を界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。その後に後述する無機微粒子の湿式処理を行えば良い。
【0040】
(乾式粉砕法)
粉砕系の一例としては、少なくとも結着剤樹脂、帯電制御剤および着色剤を含む原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、着色剤の分散性を向上させるために着色剤をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。トナーを混練する具体的な装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。
さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5〜20μmに粒度調整される。次いで、外添剤のトナー粒子へ外添が行われるが、トナー粒子と外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー粒子表面に被覆される。
【0041】
この粉砕系トナーでは、公知の結着樹脂を用いることができるが、顔料の分散性を良好にし、より広い色再現域の画像を得る観点からポリエステル樹脂を用いることが好ましい。さらに、結着樹脂であるポリエステル樹脂はTHF不溶解成分を含有しない線状ポリエステルとTHF不溶解成分の非線状ポリエステルからなることによりさらに広い定着温度幅を確保することができる。線状ポリエステルと非線状ポリエステルを含有することにより、線状ポリエステルで低温定着性を改善、非線状ポリエステルで耐ホットオフセット性を改善することができるが、光沢性を損なわないためにはやはりワックスの分散性を良好にしなければならない。ワックスの分散性を良好にするためには一般的には混練時の機械的せん断、分散力の制御により改善できるが、実際はせん断と分散を完全分離して制御することは困難であり、分散を良くしようとすると結果的にせん断も進んでしまい、これによりせん断による低分子量化が進んでしまい非線状ポリエステルによる耐ホットオフセット性が改善できない。しかし、ハイブリッド樹脂を含有することによりワックス、着色剤の分散性が向上するため、分散に対する機械的エネルギーの制御の必要性が低く、せん断のみの制御で良い。これによって、光沢性を損なうことなく、線状ポリエステルで低温定着性を改善、非線状ポリエステルで耐ホットオフセット性を改善することができる。
【0042】
また、ここで、ポリマー縣濁法について詳述する。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、ワックスを有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
とくに、ワックスを有機溶媒中で溶解させて、ここで、撹拌してワックス粒子を形成する。このときの撹拌で、ワックス粒子径を制御することができる。これを結着樹脂等と有機溶媒に投入する。
【0043】
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0044】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナーが得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
【0045】
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0046】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0047】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0048】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
【0049】
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0050】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0051】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0052】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0053】
また、本発明のトナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40以下であると、帯電量分布が広がらず、解像力も向上するため好ましい。
トナーの平均粒径及び粒度分布の測定方法、及び測定装置の詳細については、下記実施例において述べる。
【0054】
また、本発明に係るトナーは、平均円形度が0.93〜1.00の範囲にあることが好ましい。円形度は、以下の式(1)で表され、真球に近いほど1に近い値となる。円形度は、さらに好ましくは、0.94〜0.97である。
円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長) ・・・(1)
平均円形度の高いトナーは、磁性キャリア又は現像スリーブ上において電気力線の影響を受けやすく、静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像される。微小な潜像ドットを再現する際には緻密で均一なトナー配置をとりやすいために細線再現性が高くなる。しかし、平均円形度が1.000を越えると、ブレードクリーニング等を採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルト等における、トナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こすため好ましくない。また、0.930未満では、ドット再現性が悪くなり、また、トナーの感光体への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下するため好ましくない。
この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。具体的な測定方法は後述する。
【0055】
また、本発明の画像形成用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることが好ましい。図7は形状係数SF−1を、図8は形状係数SF−2を、それぞれ説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(2)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(3)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) ・・・式(3)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【0056】
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
尚、形状係数SF−1、SF−2は、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LuzexIII:ニコン社製)に導入して解析して計算した。測定方法については、下記実施例において詳述する。
【0057】
本発明の画像形成装置では、このトナーを、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
【0058】
また、本発明の画像形成装置では、トナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、または、非磁性トナーを用いることができる。
【0059】
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
【0060】
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0061】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
【0062】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。 または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0063】
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【実施例】
【0064】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記において「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
【0065】
(実施例1)
以下に、本発明に係るトナーの具体的に製造について説明する。
<有機微粒子エマルションの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
【0066】
<水相の調製>
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
【0067】
<低分子ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
【0068】
<中間体ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0069】
<ケチミンの合成>
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
【0070】
<マスターバッチの合成>
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
【0071】
<油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク線速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0072】
<乳化>
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
【0073】
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
【0074】
<洗浄・乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
【0075】
<外添剤処理>
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
【0076】
(実施例2)
実施例1の油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製においてカルナバワックスを130部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
【0077】
(実施例3)
実施例1の油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製においてカルナバワックスを90部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
【0078】
(比較例1)
実施例1の油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製においてカルナバワックスを150部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
【0079】
(比較例2)
実施例1の油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製においてカルナバワックスを70部に変えたこと以外は実施例1と同様にして[トナー5]を得た。
【0080】
<現像剤の調整>
また、上記[トナー1]〜[トナー5]5重量%、及びシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなるニ成分現像剤を調製した。
【0081】
上記現像剤を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できる高速画像形成装置のリコー製imagio Neo 450で、感光体の線速220mm/secで連続印刷して、下記の評価方法で評価した。なお、この画像形成装置において、定着装置に関しては改造を行い、定着条件をニップ圧11N/cm、ニップ幅10mmとし、線速を感光体と同じ220mm/secとした。また、現像装置に関しても改造を行い、線速を感光体の2.5倍に当たる550mm/secとした。
【0082】
<評価方法>
(評価項目)
(1)トナー表面におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))
ワックスの存在量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法で、バインダー樹脂とワックスの強度比から算出した。FTIR−ATR法は、測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナー粒子の表面から0.3μmの深さ領域における相対的なワックスの含有重量を求めることができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、試料として、バインダー樹脂とワックスを瑪瑙乳鉢で混合して、3gを取り、自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKINELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。
このときに、基地になる結着樹脂、測定目的のワックス等のそれぞれの材料を特定でき、重複しない波長を選択する。なお、それぞれの材料に関しては後述する。ここでは、例としてあげるが、得られたワックス由来のピークPwax(例えば、カルナバワックスに対しては2850cm−1)と結着樹脂由来のピークPresin(例えば、ポリエステル樹脂に対して828cm−1)とを選択し、低分子ポリエステル中にカルナバワックスを1、3、5、8、10wt%混合し、瑪瑙乳鉢で十分に均一分散させたものを薄層ペレットにし、ATR法より表面WAX量を測定して検量線を作成しておき、この強度比(Pwax/Presin)からトナー粒子表面近傍の相対的なワックスの重量含有量を測定した。値は測定場所を変えて3回測定した後の平均値を用いた。
(2)粒径
体積平均粒径(Dv)および個数平均粒径(Dn)は、コールターカウンター法により測定することができる。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
(3)円形度
円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社株式会社製)を用いて測定することができる。測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器STM社製UH−50で20kHz、50W/10cmの条件で1分間分散処理を行い、さらに、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
(4)形状係数SF−1、SF−2
形状係数SF−1およびSF−2の測定は、例えば、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いて1000倍に拡大した粒径2μm以上のトナー粒子像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報を、インターフェースを介して、例えばニコン社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して解析し、下記式(2)により算出して得られた値を形状係数SF−1と定義し、下記式(3)により算出して得られた値を形状係数
SF−2と定義する。
SF−1=[(MXLNG)/(AREA)]×(π/4)×100・・・(2)
式中、MXLNGは粒子の絶対最大長=外接円の円周、AREAは粒子の投影面積である。
SF−2=[(PERI)/(AREA)]×[1/(4π)]×100・・・(3)
式中、PERIは粒子の周長を示し、AREAは粒子の投影面積である。
(5)帯電立ち上がり性
温度20℃、湿度50%の環境下、上記キャリア100部と本発明のトナー5部を、ステンレス性のポットに仕込み、ボールミル架台上で300rpmにて回転混合させた。回転開始から15秒後に停止させ、得られた現像剤の帯電量を、ブローオフ装置によって測定した。
(6)飽和帯電性
帯電立ち上がりと同様の操作で、10分間経過後の現像剤材料の帯電性を、ブローオフ装置で測定した。
(7)地汚れ
3万枚のランニングをした後、白紙現像通紙の際、停止させ、感光体上の地汚れ部分をテープに転写させそのIDを測定した。
0.03以上は地汚れ危険領域、0.05以上では地汚れとなり、画像にも現れるレベルである。
(8)トナー流動性
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量から下記式(4)によりトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))
+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))
+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
・・・ (4)
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25
%以上の場合は×とした。
(9)定着性
3万枚通紙後、定着ローラ表面温度を120〜220℃まで変化させてベタ画像を出力し、画像上のトナーをテープ転写して、テープの汚れ具合を4段階で評価した。テープの汚れが基準以下である温度を定着下限温度、ホットオフセットにより画像光沢が減少し始める温度を定着上限温度とし、その差を定着性とした。
温度域が50度以上あれば「○」、35〜50までを「△」、30度以下を「×」とした。(10)フィルミング
3万枚通紙後の、現像スリーブと感光体の汚れ具合により判断した。汚れなしの場合は「○」、汚れはあるものの、画像や帯電性等には影響を与えないレベルのものを「△」、画像に影響を与えるものを「×」とした。
【0083】
上記[トナー1]〜[トナー5]の特性を表1に示し、また、これらトナーの評価結果を表2に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
表2から明らかなように、実施例1ないし3では、帯電立ち上がりが速く、地汚れも小さい値で、目視上全く問題がなかった。
比較例1は、地汚れは少ないが、トナーの流動性が低く、感光体上にフィルミングが発生していた。比較例2は、地汚れが多く、トナーの流動性・感光体上のフィルミングは問題なかったが、定着性が低く、擦ると剥離する状態であった。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成装置に用いられる定着装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図4】現像装置の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成装置に用いられる感光体の層構成を示す概略図である。
【図6】本発明の画像形成装置に用いられる接触式の帯電装置の構成を示す概略図である。
【図7】形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【図8】形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
【符号の説明】
【0088】
4 現像装置
45 スクリュー
46 現像スリーブ
47 ドクタブレード
48 現像ローラ
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
25 定着装置
251 定着ローラ
252 加圧ローラ
255 塗布ローラ
256 定着ローラクリーニングローラ
257 加圧ローラクリーニングローラ
258 温度センサ
259 供給ローラ
260 成形体
25a 定着ヒータ
25b 従動ローラ
25c 駆動ローラ
25d 定着温度センサ
25e 平面基盤
26 定着ベルト(定着フィルム)
27 加圧ローラ
40 感光体(潜像担持体)
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する像担持体と、
像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、
帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、
像担持体表面に形成された静電潜像を現像剤担持体で搬送されたトナーで可視像化する現像装置と、
像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、
記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、
前記像担持体の線速は135〜300mm/secの範囲であって、
前記現像装置で使用されるトナーは、少なくともバインダ樹脂、着色剤、ワックスとを含んで構成され、
トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))が0.4〜10重量%の範囲にある
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記トナーに使用されるワックスは、脱遊離脂肪酸カルナウバワックス、ライスワックス、モンタン系ワックス、及びエステルワックスのいずれか、もしくはこれらのいずれかの組み合わせである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記定着装置は、定着部材の線速が像担持体の線速に対して0.9〜1.1の範囲にあって、
かつ、記録媒体通過時における定着部材の定着幅が5〜15mmであって、ニップ圧が5〜20N/cmである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、この加熱体と接触するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、現像剤担持体の線速が像担持体の線速に対して1.1〜5.0の範囲であって、
かつ、現像剤によって形成される現像幅が1〜5mmである
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において交互電界が印加され、潜像担持体上の静電潜像を現像する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記帯電手段が、像担持体に帯電部材を接触させ、この帯電部材に電圧を印加すること
によって帯電を行なう帯電装置である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記像担持体が、アモルファスシリコン像担持体である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、ワックスとを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、さらに個数平均粒径(Dn)との比Dv/Dnが1.00〜1.40である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、平均円形度が0.93〜1.00である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、形状係数SF−1が110〜140であって、SF−2が、120〜160である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記トナーは、磁性体を含有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、トナーを樹脂で被覆された磁性キャリアとを混合させて用いる ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
少なくとも、静電潜像を担持する像担持体と、
像担持体上の潜像を現像ローラ上のトナーで現像する現像装置と を備え、画像形成装置着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジは、請求項1ないし14のいずれかに記載の画像形成装置に備えられる
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−221149(P2006−221149A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378454(P2005−378454)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】