説明

画像形成装置

【課題】液体現像剤の液体キャリアを利用して、転写ローラ上の紙紛、ほこり、残留トナー等の異物および転写ローラに堆積し付着する同様の異物を効果的に除去する。
【解決手段】前の紙16と次の紙との紙間距離Sが二次転写ローラ46の外周の周長より長く設定されているとともに、複数枚の紙16への連続画像形成時に二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47に対して異物除去モードが実行される。この異物除去モードでは、前の紙16と次の紙との紙間が中間転写ベルト10と二次転写ローラ46との当接部に位置するとき、不揮発性の液体キャリアを中間転写ベルト10から二次転写ローラ46に通常の画像形成時に付着する量より多量に付着させる。この二次転写ローラ46上の多量の液体キャリアが、二次転写ローラ46に圧接された二次転写ローラクリーナ47によって異物とともに除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像をトナーと液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して得られたトナー像を例えば紙等の転写材に、この液体現像剤像を担持する、例えば感光体、中間転写ベルト、中間転写ローラ等のトナー像担持体に当接する転写ローラにより、転写して画像を得る、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の画像形成装置には、イエローY、マゼンタM、シアンC、およびブラックKの各潜像担持体を中間転写ベルトに沿ってタンデムに配置して、各潜像担持体上の静電潜像を液体キャリアにトナーが分散されてなる液体現像剤により現像してトナー像を形成し、各潜像担持体と中間転写ベルトとの間に転写電界を形成して、各潜像担持体上の各色のトナー像を形成するトナー粒子を液体キャリア中で電気泳動させて中間転写ベルトに色重ねして一次転写することでフルカラーのトナー像を形成し、更に、この中間転写ベルト上のトナー像を転写材に、中間転写ベルトに当接する二次転写ローラで二次転写することでフルカラーの画像を得る画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−318507号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示の画像形成装置においては、画像形成時に各潜像担持体および中間転写ベルトのトナー像が形成されない非画像部にも液体キャリアが付着するようになる。このため、中間転写ベルトに当接する二次転写ローラに、例えば転写材である紙の側縁から脱落する紙紛が中間転写ベルトの非画像部の液体キャリアを媒介として付着してしまう。また、非画像部の液体キャリアに混在するトナー粒子や装置内のほこりも二次転写ローラに付着するようになる。そして、これらの紙紛、トナー粒子、およびほこり等の異物が二次転写ローラへ付着すると、長時間経過後にこの二次転写ローラ上に堆積してしまう。このように異物が二次転写ローラへ付着、堆積すると、新たに画像形成を行ったとき、この二次転写ローラ上の異物が紙の裏に付着して、新たに画像が形成された紙を汚してしまう。特に、通常の画像形成時に多く用いられる紙の横幅より大きな横幅の紙を用いて画像形成を行った場合、この紙の汚れが顕著に表れる。また、両面画像形成において、紙の裏面に画像を形成すると、最初に紙の表面に画像を形成したときに紙の裏面に二次転写ローラから付着した異物に画像が形成されてしまい、後日、この紙の裏面の画像が剥がれることで異物の上の画像も一緒に剥がれ、画像抜けを生じるようになる。
【0004】
そこで、二次転写ローラに、例えばクリーニングブレード等の二次転写ローラクリーナを当接させることで、この二次転写ローラに付着、堆積した異物を除去して画質を向上させることが考えられる。しかし、今度はこの二次転写ローラクリーナに異物が付着、堆積して、二次転写ローラクリーナによる二次転写ローラのクリーニングを効果的に行うことができなくなり、画質向上を十分に図ることができないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、現像に用いる液体現像剤の液体キャリアを利用することで、転写ローラ上の紙紛、ほこり、残留トナー等の異物および転写ローラに堆積し付着する同様の異物を効果的に除去することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像をトナーと不揮発性の液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して潜像担持体上に現像剤像を形成する現像装置と、画像形成時に前記潜像担持体に当接する転写ローラにより前記潜像担持体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に転写する転写装置とを少なくとも備える画像形成装置において、前記転写装置は、前記転写ローラに当接してこの転写ローラをクリーニングする転写ローラクリーニング部材を備えており、複数枚の前記転写材に対する連続画像形成動作時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記転写ローラに付着する前記異物および前記転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、前記潜像担持体と前記転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記潜像担持体から前記転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記転写装置、および前記転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
更に、請求項3の発明は、前記転写装置と前記現像装置との間に、前記潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記潜像担持体上の現像剤像をスクイーズする潜像担持体スクイーズ部材を備えており、前記異物除去モード実行時に前記潜像担持体スクイーズ部材に前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴としている。
【0009】
更に、請求項4の発明は、静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像をトナーと不揮発性の液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して潜像担持体上に現像剤像を形成する現像装置と、前記潜像担持体上の現像剤像を中間転写媒体に一次転写させる一次転写装置と、画像形成時に前記中間転写媒体に当接する二次転写ローラにより前記中間転写媒体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に二次転写する二次転写装置とを少なくとも備える画像形成装置において、前記二次転写装置が、前記二次転写ローラに当接してこの二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラクリーニング部材を備えており、複数枚の前記転写材に対する連続画像形成時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記二次転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴としている。
【0010】
更に、請求項5の発明は、前記二次転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記二次転写ローラに付着する前記異物および前記二次転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、前記中間転写媒体と前記二次転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記中間転写媒体から前記二次転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記一次転写装置、前記中間転写媒体、前記二次転写装置、および前記二次転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0011】
更に、請求項6の発明は、前記一次転写装置と前記現像装置との間に、前記潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記潜像担持体上の現像剤像をスクイーズする潜像担持体スクイーズ部材を備えているとともに、前記一次転写装置と前記二次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の現像剤像をスクイーズする中間転写媒体スクイーズ部材を備えており、前記異物除去モード実行時に、前記潜像担持体スクイーズ部材および前記中間転写媒体スクイーズ部材にそれぞれ前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴としている。
【0012】
更に、請求項7の発明は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各静電潜像がそれぞれ形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体と、前記イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各静電潜像をそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各トナーと不揮発性の液体キャリアとからなるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの液体現像剤でそれぞれ現像してイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体上にイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各現像剤像を形成するイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各現像装置と、前記イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体上の各現像剤像をそれぞれ中間転写媒体に一次転写させるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各一次転写装置と、画像形成時に前記中間転写媒体に当接する二次転写ローラにより前記中間転写媒体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に二次転写する二次転写装置とを少なくとも備え、前記各潜像担持体が前記中間転写媒体に沿って任意の順にタンデムに配置されて、前記中間転写媒体に順次色重ねされてフルカラーの現像剤像を形成する画像形成装置において、前記二次転写装置が、前記二次転写ローラに当接してこの二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラクリーニング部材を備えており、複数枚の前記転写材に対する連続画像形成動作時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記二次転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴としている。
【0013】
更に、請求項8の発明は、前記二次転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記二次転写ローラに付着する前記異物および前記二次転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、前記中間転写媒体と前記二次転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記中間転写媒体から前記二次転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記一次転写装置、前記中間転写媒体、前記二次転写装置、および前記二次転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
更に、請求項9の発明は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各一次転写装置とイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各前記現像装置との間に、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記各潜像担持体上の現像剤像をそれぞれスクイーズするイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体スクイーズ部材を備えているとともに、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各一次転写装置のうち、前記中間転写媒体の回転方向で最も上流側に位置する第1色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で次に上流側に位置する第2色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第1色の現像剤像をスクイーズする第1の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第2色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で更に次に上流側に位置する第3色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第2色の現像剤像をスクイーズする第2の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第3色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で更に次に上流側に位置する第4色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第3色の現像剤像をスクイーズする第3の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第4色の一次転写装置と前記二次転写ローラとの間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第4色の現像剤像をスクイーズする第4の中間転写媒体スクイーズ部材とを備えており、前記異物除去モード実行時に、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各潜像担持体スクイーズ部材と前記第1ないし第4の中間転写媒体スクイーズ部材との少なくとも1つにそれぞれ前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
このように構成された本発明に係る画像形成装置によれば、複数枚の転写材への連続画像形成動作時に、前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離を、転写材に現像剤像を転写させる転写ローラの周長より長く設定しているので、前の転写材と次の転写材との転写材間で常に不揮発性の液体キャリアをこの転写ローラの全周に付着させることができる。これにより、この転写ローラへの液体キャリアの付着頻度が高くなるので、転写ローラおよび転写ローラクリーニング部材に付着する紙粉、トナー粒子やほこり等の異物の付着力を小さくして異物を浮き上がらせて除去し、この液体キャリアとともに回収することができ、良好な画質を得ることができる。特に、液体キャリアに不揮発性の液体キャリアを用いているので、より多くの量の液体キャリアを転写ローラに付着させることができ、液体キャリアによる転写ローラおよび二次転写ローラクリーニング部材をより効果的にクリーニングすることができる。
【0016】
また、異物除去モードを実行することで、前の転写材と次の転写材との転写材間で転写ローラに通常の画像形成動作時に比べてはるかに多量の液体キャリアを付着させるとともに、転写ローラクリーニング部材で転写ローラに付着した多量の液体キャリアを回収しているので、多量の液体キャリアによって付着力が低下して浮き上がった転写ローラ上の異物を転写ローラクリーニング部材によって効果的に掻き取り除去することができるとともに、転写ローラクリーニング部材に付着、堆積する同様の異物も多量の液体キャリアで効果的に洗い流して除去することができる。これにより、転写ローラクリーニング部材の転写ローラに対する密着性が長時間にわたって保持することができるので、転写ローラおよび転写ローラクリーニング部材を長期間効果的にクリーニングすることができ、良好な画質を長期にわたって得ることができる。
【0017】
更に、トナーと同じ極性の順バイアスが印加されて潜像担持体の現像剤像をスクイーズする潜像担持体スクイーズ部材およびトナーと同じ極性の順バイアスが印加されて中間転写媒体上の現像剤像をスクイーズする中間転写媒体スクイーズ部材に、それぞれ、異物除去モードの実行時にトナーの極性と逆極性の逆バイアスを印加しているので、潜像担持体および中間転写媒体に付着される各液体キャリアにトナー粒子が含まれていても、それらのトナー粒子を対応する潜像担持体スクイーズ部材および中間転写媒体スクイーズ部材によって効果的に除去することができるとともに液体キャリアの除去を抑制できる。これにより、多量のよりきれいな液体キャリアで転写ローラおよび転写ローラクリーニング部材の異物をそれぞれ除去することができ、これらのクリーニング効果を向上することができる。
【0018】
更に、現像装置に用いられている不揮発性の液体キャリアを転写ローラおよび転写ローラクリーニング部材における異物の除去にクリーニング剤として用いるとともに、画像形成装置の白ベタ画像形成動作によってこれらの異物の除去を行っているので、クリーニングのための専用のクリーニング剤および専用のクリーニング装置を不要にできる。これにより、画像形成装置の構造を簡単にできるとともにコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、潜像担持体として、イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの感光体ドラムからなる感光体2Y,2M,2C,2Kを備えている。ここで、感光体2Y,2M,2C,2Kにおいて、2Yはイエローの感光体、2Mはマゼンタの感光体、2Cはシアンの感光体、2Kはブラックの感光体を表し、他の部材についても同じである。
【0020】
これらの感光体2Y,2M,2C,2Kは、いずれも作動時に矢印で示すように時計回りに回転するようにされている。各感光体2Y,2M,2C,2Kの周囲には、それぞれ、回転方向上流側から順に、帯電装置3Y,3M,3C,3K、露光装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6K、一次転写装置7Y,7M,7C,7K、除電装置8Y,8M,8C,8K、および感光体クリーニング装置9Y,9M,9C,9Kが配設されている。
【0021】
また、画像形成装置1は、中間転写媒体である無端状の中間転写ベルト10を備えている。この中間転写ベルト10は互いに離間して配設された一対の駆動ローラ11および従動ローラ12に張架されて図1において反時計回りに回転可能に設けられているとともに、各感光体2Y,2M,2C,2Kにそれぞれそれらの一次転写装置7Y,7M,7C,7Kにおいて当接されている。中間転写ベルト10は、ポリイミドからなる基材層(例、厚さ100μm)、ウレタンゴム(硬度JIS−A30°)からなる弾性層(例、厚さ200μm)、フッ素樹脂からなるコート層(例、厚さ10μm)の3層構成からなっていて、一次転写によりコート層上に像が形成される。
【0022】
そして、各感光体2Y,2M,2C,2Kおよび各現像装置5Y,5M,5C,5Kが中間転写ベルト10に沿って中間転写ベルト10の回転方向上流側からこれらの順にタンデムに配置されている。しかし、これに限定されることはなく、各感光体2Y,2M,2C,2Kおよび各現像装置5Y,5M,5C,5Kの配置順は任意に設定することができる。
【0023】
各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kより中間転写ベルト10の回転方向下流側の各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kの近傍には、それぞれ、中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13Kが配設されている。更に、中間転写ベルト10の駆動ローラ11側には二次転写装置14が設けられ、また中間転写ベルト10の従動ローラ12側には中間転写ベルトクリーニング装置15が設けられている。
【0024】
更に、画像形成装置1は、転写材である例えば紙16を収納する転写材収納カセット等からなる転写材収納装置17と、この転写材収納装置17より転写材搬送方向下流側にレジストローラ対18を備えている。更に、レジストローラ対18と二次転写装置14との間の転写材搬送経路52aに、液体塗布装置19が配設されている。
なお、図示しないが、この例の画像形成装置1は、従来の一般的な画像形成装置と同様に二次転写装置14より転写材搬送方向下流側に定着装置および排紙トレイを備えている。
【0025】
各帯電装置3Y,3M,3C,3Kは、それぞれ通常の画像形成動作時に図示しない電源装置から液体現像剤のトナー粒子の帯電極性と同極性のバイアス(順バイアス)を印加され、対応する感光体2Y,2M,2C,2Kを帯電させるようになっている。また、各露光装置4Y,4M,4C,4Kは、それぞれ、対応する帯電された感光体2Y,2M,2C,2K上に例えばレーザ走査光学系等からレーザ光を照射することによって潜像を形成するようになっている。
【0026】
各現像装置5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ、現像剤供給部20Y,20M,20C,20Kと、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと、現像ローラ帯電器22Y,22M,22C,22Kと、現像ローラクリーナ23Y,23M,23C,23Kと、現像ローラクリーナ回収液貯留部24Y,24M,24C,24Kとから構成されている。
【0027】
また、各現像剤供給部20Y,20M,20C,20Kは、それぞれ、トナー粒子と不揮発性の液体キャリアとからなる液体現像剤25Y,25M,25C,25Kを収納する現像剤容器26Y,26M,26C,26Kと、ならしローラ27Y,27M,27C,27Kと、現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kと、現像剤規制ブレード29Y,29M,29C,29Kとからなっている。
【0028】
各現像剤容器26Y,26M,26C,26K内に収納される液体現像剤25Y,25M,25C,25Kにおいて、トナーとしては、トナーに使用される公知の熱可塑性樹脂中へ同じく公知の顔料等の着色剤を分散させた例えば平均粒径1μmの粒子を用いることができ、また、不揮発性の液体キャリアとしては、低粘性低濃度の液体現像剤の場合は、例えばIsopar(商標:エクソン社)の絶縁性液体キャリアを用いることができ、また、高粘性高濃度の液体現像剤の場合は、例えば、有機溶媒、フェニルメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサンおよびポリジメチルシクロシロキサン等の引火点210℃以上のシリコーンオイル、鉱物油、沸点130℃以上で40℃での粘度が3mPa・sの比較的低粘度の流動パラフィンなどの脂肪族飽和炭化水素、ノルマルパラフィン、植物油、食用油、高級脂肪酸エステル、等の絶縁性液体キャリアを用いることができる。そして、液体現像剤25Y,25M,25C,25Kはトナー粒子を液体キャリアへ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約20%としたものである。
【0029】
各ならしローラ27Y,27M,27C,27Kは、それぞれ、現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kに液体現像剤25Y,25M,25C,25Kを汲み上げる機能および現像剤容器26Y,26M,26C,27K内の現像剤を適正な状態に維持するために撹拌する機能を有するローラである。また、現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kは、いずれも、円筒状の部材で表面に微細かつ一様に螺旋状の溝を形成したアニロクスローラである。溝の寸法は、例えば溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。各ならしローラ27Y,27M,27C,27Kおよび各現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kは、いずれも図1において矢印で示す時計まわりに回転するようにされている。
【0030】
各現像剤規制ブレード29Y,29M,29C,29Kは、それぞれ、現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と該ゴム部を支持する金属等の板とから構成され、現像剤供給ローラ28Y,28M,28C,28Kに残留する液体現像剤を掻き落として除去するためのものである。
【0031】
各現像ローラ21Y,21M,21C,21Kは、いずれも、例えば幅約320mmの円筒状の部材であり、例えば鉄等金属製の内芯の外周部に、導電性ウレタンゴム等の弾性体と樹脂層やゴム層を備えたものである。これらの現像ローラ21Y,21M,21C,21Kは、図1において矢印で示すように反時計まわりに回転するようにされている。
また、現像ローラ帯電器22Y,22M,22C,22Kは、いずれも、例えば圧縮コロナ帯電器等からなり、通常の画像形成動作時にそれぞれ対応する現像ローラ21Y,21M,21C,21Kを液体現像剤のトナー粒子の帯電極性と同極性のバイアス(順バイアス)で帯電するようになっている。この現像ローラ帯電器22Y,22M,22C,22Kによる帯電で、それぞれ、現像ローラ21Y,21M,21C,21K上の液体現像剤25Y,25M,25C,25Kを現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに押し付けている(コンパクションをかけている)。
【0032】
更に、各現像ローラクリーナ23Y,23M,23C,23Kは、それぞれ、対応する現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に当接する例えばゴム等で構成され、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに残留する現像剤を掻き落として除去するためのものである。更に、各現像ローラクリーナ回収液貯留部24Y,24M,24C,24Kは、それぞれ、各現像ローラクリーナ23Y,23M,23C,23Kが現像ローラ21Y,21M,21C,21Kから掻き落とした現像剤を貯留するタンク等の容器である。
【0033】
図2に示すように、更にこの例の画像形成装置1は、それぞれ液体現像剤25Y,25M,25C,25Kを現像剤容器26Y,26M,26C,26Kに補給する現像剤補給装置30Y,30M,30C,30Kを備えている。この現像剤補給装置30Y,30M,30C,30Kは、それぞれ、液体現像剤タンク31Y,31M,31C,31Kと、液体現像剤補給路32Y,32M,32C,32Kと、液体現像剤補給ポンプ33Y,33M,33C,33Kと、液体キャリアタンク34Y,34M,34C,34Kと、液体キャリア補給路35Y,35M,35C,35Kと、液体キャリア補給ポンプ36Y,36M,36C,36Kとからなっている。
【0034】
液体現像剤補給路32Y,32M,32C,32Kと液体現像剤補給ポンプ33Y,33M,33C,33Kとを介して現像剤容器26Y,26M,26C,26Kに接続されている。そして、現像剤容器26Y,26M,26C,26Kにそれぞれ設けられて液体現像剤量を検知する図示しない液体現像剤量検知センサにより、液体現像剤量が所定値以下になったことが検知されたとき、この検知された液体現像剤に対応する液体現像剤補給ポンプ33Y,33M,33C,33Kが駆動されて、液体現像剤が設定量だけ液体現像剤補給路32Y,32M,32C,32Kを介して現像剤容器26Y,26M,26C,26K内に補給されるようになっている。また、現像剤容器26Y,26M,26C,26Kにそれぞれ設けられて液体キャリア量を検知する図示しない液体キャリア量検知センサにより、液体キャリア量が所定値以下になったことが検知されたとき、この検知された液体キャリアに対応する液体キャリア補給ポンプ36Y,36M,36C,36Kが駆動されて、液体キャリアが設定量液体キャリア補給路35Y,35M,35C,35Kを介して現像剤容器26Y,26M,26C,26K内に補給されるようになっている。
【0035】
図1に示すように、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6Kは、それぞれ、本発明の潜像担持体スクイーズ部材である感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kと、スクイーズローラクリーナ38Y,38M,38C,38Kと、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Y,39M,39C,39Kとから構成されている。各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kは、それぞれ、感光体2Y,2M,2C,2Kと現像ローラ21Y,21M,21C,21Kとの当接部(ニップ部)より現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの回転方向下流側に、感光体2Y,2M,2C,2Kに対して圧接離間可能に設置されて、感光体2Y,2M,2C,2Kと逆方向に回転されることで感光体2Y,2M,2C,2K上の液体キャリアを除去するようになっている。各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kには、通常の画像形成動作時に、液体現像剤のトナー粒子と同極性で+300Vないし+500Vのスクイーズバイアス(順バイアス)が印加される。
【0036】
各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kとしては、いずれも、金属製芯金の表面に導電性ウレタンゴム等の弾性部材とフッ素樹脂製表層を配した弾性ローラが好適である。また、各スクイーズローラクリーナ38Y,38M,38C,38Kは、いずれもゴム等の弾性体からなり、対応する感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kに対して離接可能に設けられており、画像形成動作時にそれぞれ対応する感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kの表面に当接され、これらの感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kに残留する液体キャリアを掻き落として除去するものである。更に、各スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Y,39M,39C,39Kは、それぞれ対応するスクイーズローラクリーナ38Y,38M,38C,38Kが掻き落とした現像剤を貯留するタンク等の容器である。
【0037】
各一次転写装置7Y,7M,7C,7Kは、それぞれ、中間転写ベルト10を各感光体2Y,2M,2C,2Kに当接させる一次転写バックアップローラ40Y,40M,40C,40Kを備えている。各バックアップローラ40Y,40M,40C,40Kは、トナー粒子の帯電極性と逆極性の例えば約−200Vが印加されて、各感光体2Y,2M,2C,2K上の現像剤像を中間転写ベルト10に一次転写する。各除電装置8Y,8M,8C,8Kは、それぞれ、一次転写後に各感光体2Y,2M,2C,2Kに残留する電荷を除去するものである。
【0038】
各感光体クリーニング装置9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ、感光体クリーナ41Y,41M,41C,41Kと感光体クリーナ回収液貯留容器42Y,42M,42C,42Kとからなっている。感光体クリーナ41Y,41M,41C,41Kはいずれもゴム等の弾性体からなり、それぞれ対応する感光体2Y,2M,2C,2Kの表面に当接されて感光体2Y,2M,2C,2Kに残存する現像剤を掻き落として除去するものである。また、感光体クリーナ回収液貯留容器42Y,42M,42C,42Kは、それぞれ感光体クリーナ41Y,41M,41C,41Kが感光体2Y,2M,2C,2Kから掻き落とした現像剤を回収して貯留するものである。
【0039】
各中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13Kは、それぞれ、互いに中間転写ベルト10に対して圧接離間可能に設けられかつ本発明の中間転写媒体スクイーズ部材である中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kと、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ44Y,44M,44C,44Kと、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39M,39C,39K,45K(シアン、マゼンタ、およびシアン用は、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39M,39C,39Kと共通)とからなっている。中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kは、それぞれ中間転写ベルト10上の対応する色の液体キャリアを回収するものである。各中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kにも、通常の画像形成動作時に液体現像剤のトナー粒子と同極性で+300Vないし+500Vのスクイーズバイアス(順バイアス)が印加される。また、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ44Y,44M,44C,44Kは、それぞれ対応する中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kに離接可能に設けられており、画像形成動作時に中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kのローラに当接して、それらのローラ上の回収した液体キャリアを掻き取るものである。更に、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39M,39C,39K,45Kは、それぞれ中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ44Y,44M,44C,44Kで掻き取った液体キャリアを回収貯留するものである。
【0040】
二次転写装置14は、中間転写ベルトに対して圧接離間可能に設けられた二次転写ローラ46と、転写ローラクリーニング部材である二次転写ローラクリーナ47と、二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器48とからなっている。二次転写ローラ46は、駆動ローラ11に掛けられた中間転写ベルト10に紙16を当接させて、中間転写ベルト10上の各色のトナー像が合わせられたカラーのトナー像を紙16に転写するものである。その場合、駆動ローラ11は二次転写時のバックアップローラとしても機能する。また、複数枚の紙16に連続して転写する場合には、二次転写ローラ46は、この連続転写中は中間転写ベルト10に常時当接されるようになっている。二次転写ローラクリーナ47はゴム等の弾性体からなる例えばクリーニングブレードとして構成されているとともに二次転写ローラ46に離接可能に設けられ、この二次転写ローラ46に当接して二次転写後に二次転写ローラ46の表面に残留する液体現像剤を掻き落として除去するものである。また、二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器48は、二次転写ローラクリーナ47が二次転写ローラ46から掻き落とした現像剤を回収して貯留するものである。
【0041】
中間転写ベルトクリーニング装置15は、中間転写ベルト10に対して圧接可能に設けられ、例えばクリーニングブレード等からなる中間転写ベルトクリーナ49と中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器50とからなっている。中間転写ベルトクリーナ49はゴム等の弾性体からなり、中間転写ベルト10に当接されて二次転写後に中間転写ベルト10の表面に残留する現像剤を掻き落として除去するものである。その場合、従動ローラ12は中間転写ベルトクリーニング時のバックアップローラとしても機能する。また、中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器50は、中間転写ベルトクリーナ49が中間転写ベルト10から掻き落とした現像剤を回収して貯留するものである。
【0042】
転写材収納装置17は、従来の一般的な画像形成装置と同様にピックアップローラ51を有している。このピックアップローラ51は転写材収納装置17内の紙16を1枚ずつピックアップして転写材搬送経路52を介してレジストローラ対18の方へ送給する。その場合、ピックアップローラ51は、複数枚の紙16への連続画像形成時には、後述するように次の紙16を前の紙16に対して、前の紙16と次の紙16との間の紙間距離(本発明の転写材間距離に相当)が二次転写ローラ46の外周の周長より長くなるようにピックアップする。レジストローラ対18は紙16の斜行と給送タイミングを補正してこの紙16を液体塗布装置19の方へ給送する。
【0043】
この液体塗布装置19は、回転可能にかつ搬送されて来る紙16に圧接離間可能に設けられたスポンジローラ53と、スポンジローラ53との間に紙16を挟圧するバックアップローラ55と、紙16に塗布する塗布液58を収納する塗布液収納容器59とを備えている。
【0044】
スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Yおよび中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器50は回収通路60を介して共通回収通路61に接続され、また、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Mおよび感光体クリーナ回収液貯留容器42Yは回収通路62を介して共通回収通路61に接続され、更に、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Cおよび感光体クリーナ回収液貯留容器42Mは回収通路63を介して共通回収通路61に接続され、更に、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Kおよび感光体クリーナ回収液貯留容器42Cは回収通路64を介して共通回収通路61に接続され、更に、感光体クリーナ回収液貯留容器42Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器45Kは回収通路65を介して共通回収通路61に接続されている。また、共通回収通路61は回収ポンプ66およびフィルタ67を介して回収キャリア収容容器68に接続されている。更に、二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器48は、回収通路69、回収ポンプ66およびフィルタ67を介して回収キャリア収容容器68に接続されている。
【0045】
したがって、スクイーズローラクリーナ回収液貯留容器39Y,39M,39C,39K、感光体クリーナ回収液貯留容器42Y,42M,42C,42K、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ回収液貯留容器45K、および中間転写ベルトクリーナ回収液貯留容器50にそれぞれ回収された現像剤は回収ポンプ66によって吸引されるとともに、フィルタ67によってトナー粒子等の不純物が取り除かれて、純粋な液体キャリアとして回収キャリア収容容器68に収容されるようになっている。
【0046】
更に、回収キャリア収容容器68は共通還元通路70に接続されている。この共通還元通路70は、各還元通路71Y,71M,71C,71Kおよび各還元ポンプ72Y,72M,72C,72Kを介してそれぞれ各現像剤容器26Y,26M,26C,26Kに接続されているとともに、還元通路73および還元ポンプ74を介して塗布液収納容器59に接続されている。したがって、回収キャリア収容容器68内の回収液体キャリアは、各還元ポンプ72Y,72M,72C,72K,74をそれぞれ駆動することで、各現像剤容器26Y,26M,26C,26Kおよび塗布液収納容器59にそれぞれ供給還元されるようになっている。
【0047】
このように構成されたこの例の画像形成装置1においては、画像形成動作が開始されると、まず、イエローYの現像装置5Yにおいて、イエローYの液体現像剤25Yがならしローラ27Yによって現像剤供給ローラ28Yに汲み上げられるとともに、現像剤規制ブレード29Yによって現像剤供給ローラ28Yに適正量付着させる。この現像剤供給ローラ28Y上の液体現像剤25Yは現像ローラ21Y供給されるとともに、現像ローラ21Yによって感光体2Yの方へ搬送される。
【0048】
そして、イエローYの感光体2Yに形成された静電潜像が現像装置5YにおいてイエローYの液体現像剤25Yで現像され、感光体2YにイエローYの液体現像剤像が形成される。現像が終了して現像ローラ21Yに残留する現像剤は、現像ローラクリーナ23Yによって現像ローラ21Yから除去される。感光体2Y上のイエローYの液体現像剤像は、感光体スクイーズローラ37Yにより感光体2Y上の液体キャリアが回収されてイエローYのトナー像とされ、このイエローYのトナー像は一次転写装置7Yで中間転写ベルト10に転写される。中間転写ベルト10上のイエローYのトナー像は、中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yにより中間転写ベルト10上の液体キャリアが回収されながらマゼンタMの一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0049】
次いで、マゼンタMの感光体2Mに形成された静電潜像が現像装置5Mにおいて、イエローYの場合と同様にして搬送されてきたマゼンタMの液体現像剤で現像され、感光体2MにマゼンタMの液体現像剤像が形成される。現像が終了して現像ローラ21Mに残留する現像剤は、現像ローラクリーナ23Mによって現像ローラ21Mから除去される。感光体2M上のマゼンタMの液体現像剤像は、感光体スクイーズローラ37Mにより感光体2M上の液体キャリアが回収されてマゼンタMのトナー像とされ、このマゼンタMのトナー像は一次転写装置7Mで中間転写ベルト10にイエローYのトナー像に色重ねされて転写される。同様にして、色重ねされたイエローYとマゼンタMのトナー像は、中間転写ベルトスクイーズローラ対43Mにより中間転写ベルト10上の液体キャリアが回収されながらシアンCの一次転写装置7Cの方へ搬送される。以下、同様にして、シアンのトナー像およびブラックのトナー像が中間転写ベルト10に順次色重ねされて転写され、中間転写ベルト10にフルカラーのトナー像が形成される。
【0050】
一方、転写材収納装置17から1枚ピックアップされた紙16が、レジストローラ対18で給送タイミングを調整されて液体塗布装置19に給送される。液体塗布装置19は給送されてきた紙16の転写面側に塗布液58を塗布しながら、紙16を二次転写装置14の方へ給送する。このとき、紙16は塗布液58を塗布されることで適度な剛性を有していて、中間転写ベルト10および二次転写ローラ46によって二次転写に適した形状に変形するようになる。
【0051】
次いで、二次転写装置14により、中間転写ベルト10上のカラーのトナー像が、塗布液が塗布されて給送されてきた紙16の転写面に転写される。このとき、紙16が二次転写に適した形状に変形するので、二次転写が良好に行われる。二次転写が終了して中間転写ベルト10上に残留する現像剤は、中間転写ベルトクリーニング装置15によって中間転写ベルト10から除去されるとともに、二次転写ローラ46上に残留する現像剤は、二次転写ローラクリーナ47によって二次転写ローラ46から除去される。最後に、紙16上に転写されたカラーのトナー像は、従来と同様に図示しない定着器によって定着され、フルカラーの定着像が形成された紙16は排紙トレイに搬送されて、カラー画像形成動作が終了する。
【0052】
ところで、前述のように紙16からの紙紛、トナー粒子、および装置内のほこり等の異物が二次転写ローラ46に付着すると、長時間経過後にこの二次転写ローラ46上の異物が二次転写ローラクリーナ47に付着しかつ堆積してしまう。
【0053】
そこで、この例の画像形成装置1では、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47にそれぞれ付着堆積した異物を除去するために、前の紙16と次の紙16との間の紙間距離が所定の大きさに設定されているとともに異物除去モードが設定されている。
【0054】
図3は、前の紙と次の紙との間の紙間距離の設定を説明し、(a)は前の紙が中間転写ベルトと二次転写ローラとの当接部に位置している状態を示す図、(b)は前の紙と次の紙との紙間が中間転写ベルトと二次転写ローラとの当接部に位置している状態を示す図である。
図3(a)に示すように、この例の画像形成装置1では、画像形成動作時における転写材収納装置17からの紙16の搬送が、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sが、直径Dの二次転写ローラ46の外周の周長(πD)より長く(S>πD)設定されている。例えば、二次転写ローラ46の直径Dが35mmであるとして、紙間距離Sは110mmに設定される。図3(b)に示すように、中間転写ベルト10と二次転写ローラ46との当接部(ニップ部)において、前の紙16と次の紙16との紙間(本発明の転写材間に相当)の紙なし状態では中間転写ベルト10と二次転写ローラ46とが当接するが、この設定により、前の紙16と次の紙16との間では、二次転写ローラ46の全周が必ず中間転写ベルト10に当接するようにされている。
【0055】
図4は、異物除去モードが設定、実行されるためのフローを示す図である。
図4に示すように、画像形成装置の操作盤のキーあるいはディスプレイ画面上のタッチキーで所望の画像形成枚数が設定されて画像形成操作が行われると、ステップS1で画像形成動作が開始され、ステップS2で所望の画像形成枚数が複数枚設定された複数枚の画像形成動作であるか否かが判断される。ステップS2で画像形成動作が複数枚の画像形成動作でないと判断されると、今回の画像形成動作は1枚の紙16の画像形成動作であるので、そのまま1枚の画像形成動作を行った後、今回の画像形成動作を終了する。
【0056】
ステップS2で複数枚の画像形成動作であると判断されると、ステップS3で今回の画像形成動作が最後の紙16の画像形成動作であるが否かが判断される。ステップS3で画像形成動作が最後の紙の画像形成動作であると判断されると、そのままこの最後の紙への画像形成動作を行った後、今回の画像形成動作を終了する。
ステップS3で今回の画像形成動作が最後の紙の画像形成動作でないと判断されると、ステップS4で異物除去モードが実行される。この異物除去モードはシーケンス制御で実行され、その後、次の紙16への画像形成動作が行われる。
【0057】
図5は、異物除去モードを行うための異物除去モード実行制御手段を説明する図である。
図5に示すように、異物除去モードを行うための異物除去モード実行制御手段75が、画像形成装置1を作動制御するためのコントローラ76に設けられている。この異物除去モード実行制御手段75には、感光体2Y,2M,2C,2K、帯電装置3Y,3M,3C,3K、露光装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6K、一次転写装置7Y,7M,7C,7K、中間転写ベルト10の駆動ローラ11、中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13K、二次転写装置14、二次転写ローラクリーナ47、および画像形成枚数カウンタ77がそれぞれ接続されている。
【0058】
そして、異物除去モード実行制御手段75は、画像形成動作時に画像形成枚数カウンタ77の計数値に基づいてシーケンス制御により、感光体2Y,2M,2C,2K、帯電装置3Y,3M,3C,3K、露光装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6K、一次転写装置7Y,7M,7C,7K、中間転写ベルト10の駆動ローラ11、中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13K、二次転写装置14、および二次転写ローラクリーナ47のそれぞれの駆動、離当接およびバイアス設定をそれぞれ制御することで異物除去モードを実行するようにされている。
【0059】
図6は、異物除去モードにおいて行われるシーケンス制御のタイミングを説明する図である。図6中、一点鎖線Aは前の紙16の後端の移動を示し、また一点鎖線Bは次の紙16の前端の移動を示している。そして、前の紙16の後端と次の紙16の前端との時間軸(図6において右方への横軸)の長さが紙間の時間間隔Tであり、この時間間隔Tは、設定されている紙間の紙間距離Sを紙16の搬送速度Vで除したものである(T=S/V)。
【0060】
画像形成装置1の通常の画像形成操作が行われると、前述のように感光体2Y,2M,2C,2K、帯電装置3Y,3M,3C,3K、露光装置4Y,4M,4C,4K、現像装置5Y,5M,5C,5K、感光体スクイーズ装置6Y,6M,6C,6K、一次転写装置7Y,7M,7C,7K、中間転写ベルト10の駆動ローラ11、中間転写ベルトスクイーズ装置13Y,13M,13C,13K、二次転写装置14、中間転写ベルトクリーニング装置15、二次転写ローラクリーナ47、ピックアップローラ51、レジストローラ対18、および液体塗布装置19がそれぞれコントローラ76によって駆動制御されて、4色色重ねされたフルカラーの画像形成動作が行われる。
【0061】
その場合、図6に示すようにこの例の画像形成装置1では、各露光装置4Y,4M,4C,4Kによる対応する感光体2Y,2M,2C,2Kへのデータ書込みの開始処理および終了処理の各タイミングは、それぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンC、およびブラックKの順に紙16の搬送速度Vと同じ速度の時間差(時間遅れ)で実行されるようになっている。つまり、各感光体2Y,2M,2C,2Kの回転速度はすべて同じであり、紙16の搬送速度Vと等しい周速となる回転速度に設定されている。
【0062】
そして、例えば、イエローYのデータ書込みシーケンスが終了した時点から、各感光体2Y,2M,2C,2Kがそれぞれこの回転速度で回転し所定時間が経過したとき、つまり、所定の時間差(時間遅れ)をもってマゼンタMのデータ書込みシーケンスが終了し、また、マゼンタMのこの終了時点から、各感光体2Y,2M,2C,2Kがそれぞれ同じ所定時間経過したとき、シアンCのデータ書込みシーケンスが終了し、更に、シアンCのこの終了時点から、各感光体2Y,2M,2C,2Kがそれぞれ同じ所定時間経過したとき、ブラックKのデータ書込みシーケンスが終了するように設定されている。イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのデータ書込みシーケンスが開始する時点も終了する時点と同じように設定されている。
【0063】
コントローラ76の異物除去モード実行制御手段75は、画像形成枚数カウンタ77のカウント値に基づいて、前の紙16への画像形成動作が最後の紙16への画像形成動作でないと判断すると、次のシーケンス制御により異物除去モードの各処理を実行する。
まず、各露光装置4Y,4M,4C,4Kによって対応する各感光体2Y,2M,2C,2Kに、それぞれ、イエローY、マゼンタM、シアンC、およびブラックKの各データ書込みシーケンスが前述の所定の時間差(時間遅れ)をもって開始されて静電潜像が形成される。
【0064】
感光体2Y上のイエローYの静電潜像が、現像ローラ帯電器22Yで圧縮されて現像ローラ21Yに押し付けられた液体現像剤25Yにより現像される。現像された感光体2Y上のイエローYの現像剤像が、順バイアスが印加された感光体スクイーズローラ37Yを通過するときこの感光体スクイーズローラ37Yで液体キャリアの大部分が除去される。その後、感光体2Y上のイエローYの現像剤像が一次転写装置7Yの方へ搬送される。
【0065】
一方、イエローYのデータ書込みシーケンスが終了した時点から、感光体2Y上のイエローYの現像剤像が形成される画像形成領域が感光体スクイーズローラ37Yを完全に通過する時間を超えた一定時間経過後に、感光体スクイーズローラ37Yに、トナー粒子と逆の逆バイアスが印加される。また、感光体2Y上のイエローYの現像剤像の画像形成領域外では、露光装置4Yは感光体2Yに静電潜像の書込みを行わない。すなわち、感光体2Yに対して白ベタ画像形成(白ベタ印字)が行われる。すると、現像ローラ21Yから液体キャリアのみが感光体2Yのこの白ベタ画像形成領域に付着され、この感光体2Y上の液体キャリアは、トナーと逆極性の逆バイアスを印加された感光体スクイーズローラ37Yによって、その中に含まれるトナー粒子が効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、多量のきれいな液体キャリアにされて一次転写装置7Yの方へ搬送される。
【0066】
一次転写装置7Yに搬送されてきた感光体2Y上のイエローYの現像剤像および白ベタ画像形成領域の液体キャリアは、順次、この一次転写装置7Yによって中間転写ベルト10に一次転写される。更に、中間転写ベルト10上のイエローYの現像剤像および液体キャリアは、順次、マゼンタMの一次転写装置7Mの方へ搬送される。中間転写ベルト10上のイエローYの現像剤像が、順バイアスが印加された中間転写ベルトスクィーズ装置13Yの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yにより、中間転写ベルト10上のイエローYの現像剤像から残存する液体キャリアが部分的に除去された後、この現像剤像が一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0067】
イエローYのデータ書込みシーケンスが終了した時点から前述の所定時間が経過すると、それまで感光体2Mで続いていたマゼンタMの書込みシーケンスが終了する。これに続いて、中間転写ベルト10上では、白べた画像形成領域の多量の液体キャリアが中間転写ベルトスクィーズ装置13Yに到達する前に、中間転写ベルトスクイーズ装置13Yの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yに逆バイアスが印加され、中間転写ベルト10上の多量の液体キャリアは、この逆バイアスを印加された中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yによって、その中に含まれるトナー粒子が効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、多量のよりきれいな液体キャリアにされて一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0068】
また、感光体2M上のマゼンタMの静電潜像が、現像ローラ帯電器22Mで圧縮されて現像ローラ21Mに押し付けられた液体現像剤25Mにより現像される。現像された感光体2M上のマゼンタMの現像剤像が、順バイアスが印加された感光体スクイーズローラ37Mを通過するときこの感光体スクイーズローラ37Mで液体キャリアの大部分が除去される。その後、感光体2M上のマゼンタMの現像剤像が一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0069】
そして、前述のイエローYの場合と同様にして、このマゼンタMのデータ書込みシーケンスが終了した時点から、感光体2M上のマゼンタMの現像剤像が形成される画像形成領域が感光体スクイーズローラ37Mを完全に通過する時間を超えた一定時間経過後に、感光体スクイーズローラ37Mに逆バイアスが印加される。また、感光体2M上のマゼンタMの現像剤像の画像形成領域外では、露光装置4Mは感光体2Mに静電潜像の書込みを行わない。すなわち、感光体2Mに対して白ベタ画像形成(白ベタ印字)が行われる。すると、現像ローラ21Mから液体キャリアのみが感光体2Mのこの白ベタ画像形成領域に付着され、この感光体2M上の液体キャリアは、トナーと逆極性の逆バイアスを印加された感光体スクイーズローラ37Mによって、その中に含まれるトナー粒子が効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、多量のきれいな液体キャリアにされて一次転写装置7Mの方へ搬送される。
【0070】
一方、イエローYのデータ書込みシーケンスが終了した時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、次の紙16への画像形成のために、露光装置4YによるイエローYのデータ書込みシーケンスが開始される。また、感光体スクイーズローラ37Yへの逆バイアス印加の時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、感光体スクイーズローラ37Yには再び最初の順バイアスが印加される。
【0071】
一次転写装置7Mに搬送されてきた感光体2M上のマゼンタMの現像剤像はこの一次転写装置7Mによって中間転写ベルト10上に、搬送されてきたイエローYの現像剤像と色重ねされて一次転写されるとともに、次いで、白ベタ画像形成領域の液体キャリアが一次転写装置7Mによって中間転写ベルト10に、感光体2Yから一次転写されて搬送されてきた液体キャリアに重ねられて一次転写される。したがって、中間転写ベルト10に比較的多量の液体キャリアが付着される。
【0072】
そして、中間転写ベルト10上のイエローYおよびマゼンタMの現像剤像および多量の液体キャリアは、順次、シアンCの一次転写装置7Cの方へ搬送される。中間転写ベルト10上のイエローYおよびマゼンタMの現像剤像が、順バイアスが印加された中間転写ベルトスクィーズ装置13Mの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Mにより、中間転写ベルト10上のイエローYおよびマゼンタMの現像剤像から残存する液体キャリアが部分的に除去された後、この現像剤像が一次転写装置7Cの方へ搬送される。
【0073】
次に、マゼンタMのデータ書込みシーケンスが終了した時点から、前述の所定の時間差をもってシアンCのデータ書込みシーケンスが終了する。これに続いて、中間転写ベルト10上の白べた画像形成領域の多量の液体キャリアが中間転写ベルトスクィーズ装置13Mに到達する前に、中間転写ベルトスクィーズ装置13Mの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Mに逆バイアスが印加され、中間転写ベルト10上の多量の液体キャリアは、この逆バイアスを印加された中間転写ベルトスクイーズローラ対43Mによって、その中に含まれるトナー粒子が効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、さらに多量のよりきれいな液体キャリアにされて一次転写装置7Cの方へ搬送される。
【0074】
また、感光体2C上のシアンCの静電潜像が、現像ローラ帯電器22Cで圧縮されて現像ローラ21Cに押し付けられた液体現像剤25Cにより現像される。現像された感光体2C上のシアンCの現像剤像が、順バイアスが印加された感光体スクイーズローラ37Cを通過するときこの感光体スクイーズローラ37Cで液体キャリアの大部分が除去される。その後、感光体2C上のシアンCの現像剤像が一次転写装置7Cの方へ搬送される。
【0075】
そして、前述のイエローYの場合と同様にして、このシアンCのデータ書込みシーケンスが終了した時点から、感光体2C上のシアンCの現像剤像が形成される画像形成領域が感光体スクイーズローラ37Cを完全に通過する時間を超えた一定時間経過後に、感光体スクイーズローラ37Cに逆バイアスが印加される。また、感光体2C上のシアンCの現像剤像の画像形成領域外では、露光装置4Cは感光体2Cに静電潜像の書込みを行わない。すなわち、感光体2Cに対して白ベタ画像形成(白ベタ印字)が行われる。すると、現像ローラ21Cから液体キャリアのみが感光体2Cのこの白ベタ画像形成領域に付着され、この感光体2C上の液体キャリアは、トナーと逆極性の逆バイアスを印加された感光体スクイーズローラ37Cによって、その中に含まれるトナー粒子が効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、多量のきれいな液体キャリアにされて一次転写装置7Cの方へ搬送される。
【0076】
一方、マゼンタMのデータ書込みシーケンスが終了した時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、次の紙16への画像形成のために、露光装置4MによるマゼンタMのデータ書込みシーケンスが開始される。また、中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yへの逆バイアス印加の時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、中間転写ベルトスクイーズローラ対43Yには再び最初の順バイアスが印加される。更に、感光体スクイーズローラ37Mへの逆バイアス印加の時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、感光体スクイーズローラ37Mには再び最初の順バイアスが印加される。
【0077】
一次転写装置7Cに搬送されてきた感光体2C上のシアンCの現像剤像はこの一次転写装置7Cによって中間転写ベルト10上に、搬送されてきたイエローYおよびマゼンタMの現像剤像と色重ねされて一次転写されるとともに、次いで、白ベタ画像形成領域の液体キャリアが一次転写装置7Cによって中間転写ベルト10に、各感光体2Y,2Mから一次転写されて搬送されてきた液体キャリアに重ねられて一次転写される。したがって、中間転写ベルト10上の白べた画像形成領域にさらにまた多量の液体キャリアが付着される。
【0078】
そして、中間転写ベルト10上のイエローY、マゼンタMおよびシアンCの現像剤像および多量の液体キャリアは、順次、ブラックKの一次転写装置7Kの方へ搬送される。中間転写ベルト10上のイエローY、マゼンタMおよびシアンCの現像剤像が中間転写ベルトスクィーズ装置13Cを通過する前は、中間転写ベルトスクィーズ装置13Cの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Mに順バイアスが印加され、これらの中間転写ベルトスクイーズローラ対43Cにより、中間転写ベルト10上のイエローY、マゼンタMおよびシアンCの現像剤像から残存する液体キャリアが部分的に除去された後、この現像剤像が一次転写装置7Kの方へ搬送される。また、中間転写ベルト10上の白べた画像領域が続いて一次転写装置7Kの方へ搬送される。
【0079】
以下、同様の処理が各色に対して行われ、中間転写ベルト10上の色重ねされたイエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの現像剤像から残存する液体キャリアが、順バイアスが印加された中間転写ベルトスクイーズローラ対43Kによって部分的に除去されて二次転写装置14の方へ搬送される。また、逆バイアスが印加された中間転写ベルトスクイーズローラ対43Kにより、中間転写ベルト10上の白べた画像領域の液体キャリアは、その中に含まれるトナー粒子が、トナーと逆極性のバイアスを印加された中間転写ベルトスクイーズローラ対43Kによって効果的に除去されるが液体キャリア自体はほとんど除去されず、多量のきれいな液体キャリアにされて二次転写装置14の方へ搬送される。
なお、図6に示すように感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kにそれぞれ逆バイアスを印加する時間は、紙間の時間間隔Tに設定されている。
【0080】
一方、同様にして、次の紙16への画像形成のために、露光装置4C,4KによるシアンCおよびブラックKのデータ書込みシーケンスが順次開始される。また、感光体スクイーズローラ37C,37Kへの逆バイアス印加の時点から紙間の時間間隔Tが経過したとき、感光体スクイーズローラ37C,37Kにはそれぞれ再び最初の順バイアスが印加される。
【0081】
図3(a)に示すように、中間転写ベルト10上に色重ねされたイエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックの現像剤像は二次転写装置14により、搬送されてきた前の紙16に二次転写される。前の紙16に対するフルカラーの現像剤像の二次転写が終了すると、図3(b)に示すように前の紙16の後端Aが中間転写ベルト10と二次転写ローラ46との当接部から脱出する。すると、中間転写ベルト10と二次転写ローラ46は次の紙16の前端Bがこの当接部に進入するまで、直接当接する。
【0082】
この中間転写ベルト10と二次転写ローラ46との当接時に、中間転写ベルト10によって続いて搬送されてくる多量の液体キャリアが二次転写ローラ46に付着する。そして、二次転写ローラ46に付着した液体キャリアは二次転写ローラクリーナ47に搬送されてくると、この二次転写ローラクリーナ47によって除去されて二次転写ローラクリーナ回収液貯留容器48に収納される。このとき、二次転写ローラ46上に付着していた紙紛、残留トナーおよびほこり等の異物および二次転写ローラクリーナ47に付着堆積していた同様の異物が液体キャリアによって付着力を弱められて液体キャリアとともに除去される。
【0083】
ところで、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sが二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定されているとともに、多量の液体キャリアが中間転写ベルト10上に、この中間転写ベルト10の周方向に紙間距離Sと同じ長さの領域にわたって付着されているので、多量の液体キャリアが二次転写ローラ46の全周に付着されてこの全周に付着する異物を除去するようになる。こうして、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sが二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定されるとともに、前の紙16と次の紙16との紙間で異物除去モードが実行されることで、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47がクリーニングされる。
【0084】
この例の画像形成装置1によれば、複数枚の紙16への連続画像形成動作時に、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sを二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定するとともに、前の紙16と次の紙16との紙間で異物除去モードを実行することで、二次転写ローラ46に通常の画像形成動作時に比べてはるかに多量の液体キャリアを付着させるとともに、二次転写ローラクリーナ47で二次転写ローラ46に付着した多量の液体キャリアを回収しているので、多量の液体キャリアによって付着力が低下して浮き上がった二次転写ローラ46上の紙粉やほこり等の異物を二次転写ローラクリーナ47によって効果的に掻き取り除去することができるとともに、二次転写ローラクリーナ47に付着、堆積する紙粉やほこり等の異物も多量の液体キャリアで効果的に洗い流して除去することができる。特に、液体キャリアに不揮発性の液体キャリアを用いているので、より多くの量の液体キャリアを二次転写ローラ46に付着させることができ、液体キャリアによる二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47をより効果的にクリーニングすることができる。これにより、二次転写ローラクリーナ47の二次転写ローラ46に対する密着性が長時間にわたって保持することができるので、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47を長期間効果的にクリーニングすることができ、良好な画質を長期にわたって得ることができる。
【0085】
また、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sを二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定することで前の紙16と次の紙16との紙間で常に液体キャリアを二次転写ローラ46の全周に付着させているので、複数枚の連続画像形成時には、最後の紙以外の紙への画像形成時に前の紙16から次の紙16への移行時に常に二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47の異物を除去することができる。これにより、二次転写ローラ46への液体キャリアの付着頻度が高くなるので、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47への異物の付着力を小さくして異物を浮き上がらせることができ、クリーニングをより一層効果的に行うことができる。したがって、異物除去モードを必ずしも設けなくても、前の紙16の後端Aと次の紙16の前端Bとの間の紙間距離Sを二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定して、ある程度の液体キャリアを二次転写ローラ46の全周に付着させるだけでも、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47の異物を所定量除去することができる。もちろん、紙間距離Sを二次転写ローラ46の周長(πD)より長く設定しかつ異物除去モードを実行することが、二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47の異物をより効果的に除去するうえで、望ましい。
【0086】
更に、異物除去モード実行時に、各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kに、それぞれトナーと逆極性の逆バイアスを印加しているので、中間転写ベルト10に付着する液体キャリアにトナー粒子が含まれていても、各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Kによってこのトナー粒子を効果的に除去することができるとともに、液体キャリアの除去を抑制できる。これにより、多量のきれいな液体キャリアで二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47の異物をそれぞれ除去することができ、これらのクリーニング効果を向上することができる。
【0087】
更に、現像装置5Y,5M,5C,5Kに用いられている液体キャリアを二次転写ローラ46および二次転写ローラクリーナ47における異物の除去にクリーニング剤として用いるとともに、画像形成装置1の白ベタ画像形成動作によってこれらの異物の除去を行っているので、クリーニングのための専用のクリーニング剤および専用のクリーニング装置を不要にできる。これにより、画像形成装置1の構造を簡単にできるとともにコストを低減することができる。
【0088】
通常の画像形成動作時よりも多くの量の液体キャリアを転写ローラに付着させることによる異物除去モードの実験をした。実験装置の画像形成装置は実験用に特別に作製し、図1に示すタンデム型のおける画像形成装置ではなく、モノクロの画像形成装置とした。感光体には公知のアモルファスシリコンの感光体を用い、中間転写ベルトには、厚み約10μmのフッ素コートの表層、厚み200μmのポリウレタンの中間層、および厚み80μmのポリイミドの基層からなる3層の弾性中間転写ベルトを用いた。転写ローラとしては、ウレタンゴムの表面にフッ素樹脂をコーティングしたローラを用い、直径は22mmに設定した。これらの転写ローラの実抵抗は、104Ωであった。液体キャリアとしては流動パラフィンを用いた。転写ローラクリーナには、ウレタンゴムからなるクリーニングブレードを用いた。転写ローラに印加した転写バイアスを1kV、転写ローラの転写圧力を1.5kg/cm、クリーニングブレードの転写ローラへの当接圧力を0.2kg/cm、印刷速度を200mm/sec、紙間距離を80mmに設定して実験を行った。異物除去モード実行時に感光体スクイーズローラおよび中間転写ベルトスクイーズローラにそれぞれ、トナーと逆極性の−300Vのバイアスを印加した。使用した紙はカラーレーザ用上質普通紙であり、この紙に線画およびべたパッチの混在したテスト画像を10,000枚連続印刷した。なお、10,000枚の連続印刷は、転写材収納装置17への紙16の補充等により画像形成装置1の印字動作が一時的に中断するが、途中に他の画像の印字動作を行うことなく、トータルとして10,000枚を実質的に連続して同じ印刷動作を行うものであることは言うまでもない。
【0089】
実験の結果、紙間距離を転写ローラの周長より小さく設定しかつ異物除去モードを実行しなかった場合には、2,000枚くらいで転写ローラクリーナに紙紛が堆積し転写むらが生じるとともに、出力画像の粒状性が悪化した。また、不定期にやや大きな紙紛が印刷画像に転写され、特に画像の暗い部分にこの大きな紙紛が転写されたとき、画像の汚れとして認識された。また、紙間距離を転写ローラの周長より長く設定しかつ異物除去モードを実行しなかった場合には、8,000枚印字を行ったとき、紙紛等による画像の汚れが若干観察されたが、実用に供し得る程度のものであった。更に紙間距離を転写ローラの周長より長く設定しかつ異物除去モードを実行した場合には、10,000枚印字を行っても、トナーの粒状性の悪化や紙紛による画像の汚れは観察されなかった。これにより、本発明のように異物除去モードで転写ローラに通常の画像形成動作時よりも多量の液体キャリアを付着することで、長時間にわたって転写ローラの良好なクリーニングを行うことができることが確認できた。
【0090】
なお、前述の例の画像形成装置では、異物除去モード実行時に、すべての感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよびすべての中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kに逆バイアスを印加させて液体キャリアをスクイーズすることで液体キャリアの除去を抑制しているが、二次転写ローラ46の汚れ方等の状況によってはこれらの感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kの少なくとも1つに逆バイアスを印加するようにしてもよい。その場合、液体キャリアの蓄え量の最も多い色の現像装置から液体キャリアを二次転写ローラ46に供給することもできる。このときには、感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kのうち、この色の液体キャリアに供給に関係するスクイーズローラに逆バイアスを印加するようにすればよい。更に、二次転写ローラ46に最も近いスクイーズローラ(前述の例では、ブラックの中間転写ベルトスクイーズローラ対43K)のみに逆バイアスを印加するようにしてもよい。
【0091】
更に、多量の液体キャリアを二次転写ローラ46に供給する方法として、前述のように異物除去モード実行時に逆バイアスを印加する場合には、各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kをそれぞれ対応する感光体2Y,2M,2C,2Kに当接させ、また、各中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kをそれぞれ中間転写ベルト10に当接させるが、異物除去モード実行時に各感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kの少なくとも1つを対応する感光体2Y,2M,2C,2Kから離間させ、あるいは、各中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kの少なくとも1つを中間転写ベルト10から離間させることもできる。このようにすれば、感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kおよび中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kに逆バイアスを印加する必要がないと共に、より多量の液体キャリアを二次転写ローラ46に供給することができる。特に、このスクイーズローラの離間方法では、二次転写ローラ46に供給される液体キャリアの量が逆バイアスの印加に比べて多いので、二次転写ローラ46に最も近い中間転写ベルトスクイーズローラ対(前述の例では、中間転写ベルトスクイーズローラ対43K)のみを中間転写ベルト10から離間させることが望ましい。更に、異物除去モード実行時に各スクイーズローラクリーナ38Y,38M,38C,38Kの少なくとも1つを、それぞれ対応する感光体スクイーズローラ37Y,37M,37C,37Kから離間させてもよいし、また、中間転写ベルトスクイーズローラクリーナ44Y,44M,44C,44Kの少なくとも1つを、それぞれ対応する中間転写ベルトスクイーズローラ対43Y,43M,43C,43Kから離間させてもよい。
【0092】
また、前述の例では、液体塗布装置19を備えるものとしているが、液体塗布装置19は必ずしも必要ではなく、省略することもできる。また、ピックアップローラ51を制御することで紙間距離Sを設定しているが、レジストローラ対18で紙間距離Sを設定することもできる。
【0093】
前述の例では本発明の画像形成装置を、中間転写ベルトを用いたタンデム型のフルカラーの画像形成装置1に適用して説明しているが、本発明はこれに限定されることはなく、トナーと液体キャリアとからなる液体現像剤で現像を行う画像形成装置であれば、モノクロの画像形成装置や中間転写媒体を用いない画像形成装置を始め、他のどのような画像形成装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の画像形成装置は、静電潜像をトナーと液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して得られたトナー像を例えば紙等の転写材に、この液体現像剤像を担持する、例えば感光体、中間転写ベルト、中間転写ローラ等のトナー像担持体に当接する転写ローラにより、転写して画像を得る、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】図1に示す例の画像形成装置における液体キャリアの回収を説明する図である。
【図3】前の紙と次の紙との間の紙間距離の設定を説明し、(a)は前の紙が中間転写ベルトと二次転写ローラとの当接部に位置している状態を示す図、(b)は前の紙と次の紙との紙間が中間転写ベルトと二次転写ローラとの当接部に位置している状態を示す図である。
【図4】図1に示す例の画像形成装置における異物除去モードが設定されるためのフローを示す図である。
【図5】異物除去モードを行うための異物除去モード実行制御手段を説明する図である。
【図6】異物除去モードにおいて行われるシーケンス制御を説明する図である。
【符号の説明】
【0096】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…各色の感光体、5Y,5M,5C,5K…各色の現像装置、6Y,6M,6C,6K…感光体スクイーズ装置、7Y,7M,7C,7K…各色の一次転写装置、10…中間転写ベルト、11…駆動ローラ、13Y,13M,13C,13K…中間転写ベルトスクイーズ装置、14…二次転写装置、15…中間転写ベルトクリーニング装置、16…紙、18…レジストローラ対、19…液体塗布装置、23Y,23M,23C,23K…各色の現像ローラクリーナ、25Y,25M,25C,25K…各色の液体現像剤、37Y,37M,37C,37K…感光体スクイーズローラ、40Y,40M,40C,40K…一次転写ローラ、43Y,43M,43C,43K…中間転写ベルトスクイーズローラ対、46…二次転写ローラ、47…二次転写ローラクリーナ、51…ピックアップローラ、75…異物除去モード実行制御手段、76…コントローラ、77…画像形成枚数カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像をトナーと不揮発性の液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して潜像担持体上に現像剤像を形成する現像装置と、画像形成時に前記潜像担持体に当接する転写ローラにより前記潜像担持体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に転写する転写装置とを少なくとも備える画像形成装置において、
前記転写装置は、前記転写ローラに当接してこの転写ローラをクリーニングする転写ローラクリーニング部材を備えており、
複数枚の前記転写材に対する連続画像形成動作時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記転写ローラに付着する前記異物および前記転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、
前記潜像担持体と前記転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記潜像担持体から前記転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記転写装置、および前記転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写装置と前記現像装置との間に、前記潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記潜像担持体上の現像剤像をスクイーズする潜像担持体スクイーズ部材を備えており、
前記異物除去モード実行時に前記潜像担持体スクイーズ部材に前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
静電潜像が形成される潜像担持体と、前記静電潜像をトナーと不揮発性の液体キャリアとからなる液体現像剤で現像して潜像担持体上に現像剤像を形成する現像装置と、前記潜像担持体上の現像剤像を中間転写媒体に一次転写させる一次転写装置と、画像形成時に前記中間転写媒体に当接する二次転写ローラにより前記中間転写媒体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に二次転写する二次転写装置とを少なくとも備える画像形成装置において、
前記二次転写装置は、前記二次転写ローラに当接してこの二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラクリーニング部材を備えており、
複数枚の前記転写材に対する連続画像形成時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記二次転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記二次転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記二次転写ローラに付着する前記異物および前記二次転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、
前記中間転写媒体と前記二次転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記中間転写媒体から前記二次転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記一次転写装置、前記中間転写媒体、前記二次転写装置、および前記二次転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記一次転写装置と前記現像装置との間に、前記潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記潜像担持体上の現像剤像をスクイーズする潜像担持体スクイーズ部材を備えているとともに、
前記一次転写装置と前記二次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の現像剤像をスクイーズする中間転写媒体スクイーズ部材を備えており、
前記異物除去モード実行時に、前記潜像担持体スクイーズ部材および前記中間転写媒体スクイーズ部材にそれぞれ前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各静電潜像がそれぞれ形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体と、 前記イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各静電潜像をそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各トナーと不揮発性の液体キャリアとからなるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの液体現像剤でそれぞれ現像してイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体上にイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各現像剤像を形成するイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各現像装置と、前記イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体上の各現像剤像をそれぞれ中間転写媒体に一次転写させるイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各一次転写装置と、画像形成時に前記中間転写媒体に当接する二次転写ローラにより前記中間転写媒体上の現像剤像を、搬送されてくる転写材に二次転写する二次転写装置とを少なくとも備え、
前記各潜像担持体が前記中間転写媒体に沿って任意の順にタンデムに配置されて、前記中間転写媒体に順次色重ねされてフルカラーの現像剤像を形成する画像形成装置において、
前記二次転写装置は、前記二次転写ローラに当接してこの二次転写ローラをクリーニングする二次転写ローラクリーニング部材を備えており、
複数枚の前記転写材に対する連続画像形成動作時に、前記転写材のうち前の転写材と次の転写材との間の転写材間距離が前記二次転写ローラの外周の周長より長く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記二次転写ローラに前記液体キャリアを通常の画像形成動作時より多量に付着させることで、前記二次転写ローラに付着する前記異物および前記二次転写ローラクリーニング部材に付着堆積する前記異物をそれぞれ除去する異物除去モードが設定されているとともに、
前記中間転写媒体と前記二次転写ローラとの当接部に、前記前の転写材と前記次の転写材との間の転写材間が位置しているときに、前記中間転写媒体から前記二次転写ローラに多量の液体キャリアを付着させるように前記潜像担持体、前記現像装置、前記一次転写装置、前記中間転写媒体、前記二次転写装置、および前記二次転写ローラクリーニング部材をともに作動制御して前記異物除去モードを実行する異物除去モード実行制御手段が設けられていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各一次転写装置とイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各前記現像装置との間に、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各潜像担持体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記各潜像担持体上の現像剤像をそれぞれスクイーズするイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各潜像担持体スクイーズ部材を備えているとともに、
イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各一次転写装置のうち、前記中間転写媒体の回転方向で最も上流側に位置する第1色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で次に上流側に位置する第2色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第1色の現像剤像をスクイーズする第1の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第2色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で更に次に上流側に位置する第3色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第2色の現像剤像をスクイーズする第2の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第3色の一次転写装置と前記中間転写媒体の回転方向で更に次に上流側に位置する第4色の一次転写装置との間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第3色の現像剤像をスクイーズする第3の中間転写媒体スクイーズ部材と、前記第4色の一次転写装置と前記二次転写ローラとの間に、前記中間転写媒体に当接しかつ前記トナーの極性と同じ極性の順バイアスが印加されて前記中間転写媒体上の前記第4色の現像剤像をスクイーズする第4の中間転写媒体スクイーズ部材とを備えており、
前記異物除去モード実行時に、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの前記各潜像担持体スクイーズ部材と前記第1ないし第4の中間転写媒体スクイーズ部材との少なくとも1つにそれぞれ前記トナーの極性と逆極性の逆バイアスが印加されることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−140346(P2007−140346A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336875(P2005−336875)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】