説明

画像形成装置

【課題】現像剤又は現像ローラと規制部材との摩擦により現像剤が過剰に昇温することを抑え、現像剤の流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られるとともに、現像剤の昇温を抑えるのに、簡単な構成で、ロータリー型現像装置に組み付けるための煩わしい作業を省略し、部品点数を削減した画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、規制部材55を固設する取り付け部66aと現像器16の外周に露出した接触部66bとが形成された熱伝導率の大きい材料からなる支持部材66と、この支持部材66の接触部66bに接触可能である可撓性を有し、かつ熱伝導率の大きいブラシ72とを備える。現像器16が現像位置から回転させられて、次の停止する位置にあるときに、接触部66bがブラシ72に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、又はこれらの複合機等の画像形成装置に関し、特に所謂ロータリー型現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カラー画像形成装置において、1成分現像剤を用いて、各色の現像器を回転可能に構成した円筒状のロータリーラックに支持して、各色の現像器の現像ローラを、感光体ドラム等の像担持体に順次対向させて現像を行う所謂ロータリー型現像装置が用いられることがある。各色の現像器は、現像剤を帯電させるために現像剤を撹拌混合する撹拌部材と、撹拌部材から現像ローラに現像剤を供給する供給ローラと、現像剤を担持する現像ローラと、現像ローラ上の現像剤の層厚を規制する規制部材を備えている。このような現像器において、現像剤の層厚を規制するために、現像ローラが規制部材に当接しながら回転すると、規制部材と現像ローラで摩擦が起こり、摩擦熱が発生する。この発熱により現像剤が昇温すると、現像剤の流動性が悪くなる。現像剤の流動性が悪化すると、現像剤の性能が劣化したり、溶融したトナーが規制部材や現像剤担持体に付着したりすることで、地汚れやスジ等の現像ムラ等が生じ、現像性能が低下するという不具合がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、ロータリー型現像装置を備えた画像形成装置において、色の異なるトナーを収容した複数の現像器がロータリーラックに設けられ、各色の現像器を順次感光体ドラムに対向させるように、ロータリーラックを回転させる。感光体ドラムに対向する位置で、現像器の現像ローラから感光体ドラムにトナーを供給し、感光体ドラムに形成された潜像にトナーを担持させ、このトナーを感光体ドラムから転写ベルトを介して用紙に転写・定着している。このような各色の現像器のハウジングに空気流通部が形成され、この空気流通部は、ハウジングの外周面に形成された連通孔に、空気が流通可能であるがトナーが通過できない微孔を有するシールが貼付された構成にされている。
【0004】
これによって、ハウジング内に収容したトナーの近くに熱発生源が存在する場合でも、この空気流通部から外部へ空気が排出される。
【0005】
また、特許文献2では、現像剤を担持して搬送する現像ローラと、この現像ローラに当接するように設けられ、現像ローラに担持された現像剤の層厚を規制する規制部材と、この規制部材の近傍の位置で、現像ローラに対向するように設けられ、現像剤の放熱を行うためのヒートシンクとを備え、このヒートシンクが、現像ローラに対向して現像剤から吸熱する対向部と、この対向部の熱を放熱するための放熱部とを有する現像装置の技術が開示されている。
【0006】
これによって、現像剤が規制部材との摩擦で十分に帯電されるとともに、対向部により、摩擦により発生する熱が直接吸熱され、放熱部により、吸熱された熱が現像装置外に放熱されるので、現像剤が過剰に昇温することが防止されている。
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1では、色の異なるトナーを収容した複数の現像器に空気流通部を形成することになり、現像装置が大型化し、また、各色の現像器にシールを貼り付けるので、部品点数が多くなり、組立に時間が掛かるという不都合があった。また、定着装置等の他の熱源による熱が画像形成装置内部に滞留すると、この熱が空気流通部を介して、現像器内に流通して、現像剤が昇温するというおそれがあった。
【0008】
また、特許文献2では、色の異なるトナーを収容した複数の現像器にヒートシンクを設けることになり、現像装置が大型化し、また、複数の現像器にヒートシンクを取り付けるので、部品点数が多くなり、組立に時間が掛かるという不都合があった。
【特許文献1】特開2004−287055号公報(段落[0038]、[0039]、図13)
【特許文献2】特開2006−139045号公報(段落[0061]、[0062]、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、現像剤又は現像ローラと規制部材との摩擦により現像剤が過剰に昇温することを抑え、現像剤の流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られるとともに、現像剤の昇温を抑えるのに、簡単な構成で、ロータリー型現像装置に組み付けるための煩わしい作業を省略し、部品点数を削減した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、周方向の異なる位置に複数の現像器が設けられたロータリーラックと、現像剤を担持し像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラに当接して現像剤の層厚を規制する規制部材と、前記現像ローラが順次前記像担持体に対向する現像位置に前記ロータリーラックを回転させる駆動部材とを備えた画像形成装置において、前記規制部材を固設する取り付け部と前記現像器の外周に露出した接触部とが形成された熱伝導性材料からなる支持部材と、前記接触部に接触可能である冷却部材とを備え、前記接触部は、前記現像器の所定位置で前記冷却部材に接触することを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、現像ローラが規制部材に当接しながら回転するときに発生する摩擦により、摩擦熱が規制部材に蓄積されるが、現像器の所定位置において、規制部材を固設した支持部材が熱伝導率の大きい冷却部材に接触すると、規制部材の熱が冷却部材に移動する。
【0012】
この構成によれば、ロータリーラックが回転すると、複数の現像器の各支持部材が、順次、現像器外に設けた冷却部材に接触する。
【0013】
また、本発明は、上記の構成の画像形成装置において、前記冷却部材は、可撓性を有し熱伝導性材料からなるブラシで形成されることを特徴としている。この構成によれば、ロータリーラックが回転して、現像器が所定位置にくると、その現像器の支持部材がブラシに接触する。
【0014】
また、本発明は、上記の構成の画像形成装置において、ファンとダクト管とを有する送風機構と、前記冷却部材を固設する一端部と前記ダクト管に対向する他端部とが形成されるとともに前記現像器の長手方向に延在した放熱板とを備え、前記送風機構は、前記放熱板の近傍の空気を流通させることを特徴としている。この構成によれば、規制部材に蓄積された摩擦熱は、支持部材及び冷却部材を介して、放熱板に移動する。放熱板から放熱された熱気は、ダクト管内を流通し、ファンにより送風される。
【0015】
また、本発明は、上記の構成の画像形成装置において、前記所定位置は、前記ロータリーラックが停止した位置であることを特徴としている。この構成によれば、現像器が停止位置にあるときに、支持部材が冷却部材に接触する。
【0016】
また、本発明は、上記の構成の画像形成装置において、前記現像器が現像剤を収容する収容部を備え、前記ロータリーラックの回転により前記現像剤が前記収容部内で流動し、前記所定位置は、前記現像剤が前記規制部材から最も離間した位置であることを特徴としている。この構成によれば、収容部内で流動する現像剤が規制部材から最も離間した位置であるときに、支持部材が冷却部材に接触する。
【0017】
また、本発明は、上記の構成の画像形成装置において、前記所定位置は、現像位置の次の停止位置であることを特徴としている。この構成によれば、現像器が現像位置から回転させられて、次の停止する位置にあるときに、支持部材が冷却部材に接触する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、現像器の所定位置において、規制部材を固設した支持部材が熱伝導率の大きい冷却部材に接触すると、現像ローラとの摩擦により規制部材に蓄積された摩擦熱は、冷却部材に移動するので、現像剤が過剰に昇温することを抑え、現像剤の流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られる。
【0019】
また、請求項1に記載の発明によれば、ロータリーラックが回転すると、複数の現像器の各支持部材が、順次、現像器外に設けた冷却部材に接触するので、複数の現像器に冷却部材を設ける必要がなく、装置が簡単な構成になり、現像器に組み付けるための煩わしい作業を省略し、部品点数を削減することができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、ロータリーラックが回転して、現像器が所定位置にくると、その現像器の支持部材が可撓性を有するブラシに接触するので、ロータリーラックの回転トルクが大きくなるおそれがなく、また、ロータリーラックの回転中にブラシが現像ローラに接触しても、現像ローラの表面を損傷するおそれがない。
【0021】
また、請求項3に記載の発明によれば、規制部材に蓄積された熱は、支持部材及び冷却部材を介して、放熱板に移動する。放熱板から放熱された熱気は、ダクト管内を流通し、ファンにより送風されるので、現像剤が過剰に昇温することを抑え、また、画像形成装置内に熱気が滞留するおそれがない。
【0022】
また、請求項4に記載の発明によれば、現像器が停止位置にあるときに、支持部材が冷却部材に接触するので、停止中の長い期間をかけて、現像ローラとの摩擦により規制部材に蓄積された摩擦熱が、支持部材を介して冷却部材に移動するために、規制部材に蓄積された熱を確実に取り除くことができる。
【0023】
また、請求項5に記載の発明によれば、収容部内で流動する現像剤が規制部材から最も離間した位置であるときに、支持部材が冷却部材に接触する。この状態では、現像ローラとの摩擦により規制部材に蓄積された摩擦熱が、収容部内に収容された現像剤に移動することがなく、支持部材を介して冷却部材に移動する。従って、トナーが過剰に昇温することを抑え、トナーの流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られる。
【0024】
また、請求項6に記載の発明によれば、現像器が現像位置から回転させられて、次の停止する位置にあるときに、支持部材が冷却部材に接触するので、現像ローラと規制部材の摩擦により、規制部材に摩擦熱が蓄積された現像直後において、つまり、規制部材の摩擦による熱量が大きい状態において、規制部材の熱が支持部材を介してブラシに移動するために、規制部材の蓄積された熱を確実に取り除くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を説明するための模式断面図である。
【0027】
画像形成装置1は、画像形成部10、トナー補給装置20、中間転写部24、給紙部30、用紙搬送部35、2次転写部45及び定着装置47等から構成される。
【0028】
図1に示すように、画像形成部10は、ロータリー式現像ユニット2、感光体ドラム11、帯電ローラ12、ドラムクリーニング装置13及びレーザユニット14等を備える。
【0029】
感光体ドラム11は、像担持体として表面に静電潜像が形成されるものであり、画像形成装置1のほぼ中央で回転駆動される(回転方向を矢印で図示)。その回転軸(不図示)は、図1の紙面に対して垂直に延びて設けられる。又、感光体ドラム11は、アモルファスシリコンやOPC感光体等の感光層を有するように形成される。
【0030】
帯電ローラ12は、感光体ドラム11の上部に設けられる。又、帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させるため、感光体ドラム11と接しており、回転可能に支持される。帯電ローラ12の上部には、帯電ローラ12に付着している付着物をクリーニングするクリーナー12aが設けられる。
【0031】
ドラムクリーニング装置13は、図1における感光体ドラム11の右側方に設けられていて、感光体ドラム11の表面に残留したトナー(現像剤)や付着物を清掃するためのものである。
【0032】
ロータリー式現像ユニット2は、感光体ドラム11に形成された静電潜像を各色のトナーによって現像するためのものであり、図1における感光体ドラム11の左側方に隣接して設けられる。又、ロータリー式現像ユニット2は、ロータリーラック15と、ロータリーラック15に支持された4つの現像器16B(ブラック)、16Y(イエロー)、16C(シアン)、16M(マゼンタ)とを有し、回転軸15aを中心として回転自在な円筒形状である。回転軸15aは、ロータリーラック15の中心を通り、その軸線方向は、感光体ドラム11の回転軸の軸線方向と平行である。
【0033】
ロータリーラック15は、回転軸15aの中心から放射状に延びる仕切り枠15bによって円周方向に4等分された4つの区画を有している。各区画には、ブラック、イエロー、シアン及びマゼンタの4つのトナー色に対応した現像器16B、16Y、16C、16Mが配置され、各現像器16B、16Y、16C、16Mは、それぞれ同様の構成である。そして、ロータリー式現像ユニット2が回転すると、各現像器16B、16Y、16C、16Mの現像ローラ53が、感光体ドラム11に所定の隙間を有しつつ対向する。尚、ロータリーラック15及び各現像器16B、16Y、16C、16Mの詳細な構成については、後述する。
【0034】
レーザユニット14は、外部のコンピュータ等からの画像情報に基づいて、感光体ドラム11を走査露光するためのものであり、ロータリー式現像ユニット2の上方に設けられる。レーザユニット14にレーザ光14Lを出力させるためのデータは、画像情報を受け付けるデータ処理部17により作成される。そして、レーザユニット14からはレーザ光14Lが、発射される。そして、レーザ光14Lの光路上には反射ミラー18が設けられ、レーザ光14Lはこの反射ミラー18により感光体ドラム11の表面に照射される(2点鎖線にてレーザ光14Lを図示)。尚、レーザユニット14は、その内部の構成として、レーザ光源、ポリゴンミラー及びポリゴンミラー駆動用モータ等を有している(不図示)。
【0035】
トナー補給装置20は、トナー収納容器21及びトナー補給部材22等から構成される。トナー収納容器21は、感光体ドラム11及び中間転写ベルト25の上方に設けられ、各色のトナーに対応して、図1の紙面垂直方向に並べて4つ配置されている。各トナー収納容器21はロータリー式現像ユニット2の各現像器16B、16Y、16C、16Mに対して補給するトナーを収納する部分である。即ち、各トナー収納容器21は、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのいずれかの色のトナーを収容する。尚、トナー収納容器21は、図1では、1つのトナー収納容器21以外は不可視となっている。
【0036】
トナー補給部材22は、感光体ドラム11の上方において、レーザユニット14とトナー収納容器21との間のスペースに配置されていて、上下動可能に構成され、各色に対応して4本設けられる。各トナー補給部材22は、対応するトナー収納容器21とパイプやホース等で接続され、トナー収納容器21に収容された各色のトナーを対応する各現像器16B、16Y、16C、16Mに供給する。
【0037】
中間転写部24は、感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が順次転写される中間転写ベルト25と、中間転写ベルト25を張架し回転駆動させるための駆動ローラ26と、テンションローラ27と、感光体ドラム11と中間転写ベルト25を介して対向する1次転写ローラ28と、1次転写ローラ28の近傍であって駆動ローラ26と1次転写ローラ28との間に設けられた従動ローラ28aと、中間転写ベルト25を清掃するためのベルトクリーニング装置29等から構成されている。各ローラに張架された中間転写ベルト25は、回転して感光体ドラム11と1次転写ローラ28のニップを通過し、各色のトナー像が順次1次転写され、この1次転写されたトナー像を2次転写部45で用紙Pに転写する。
【0038】
給紙部30は、給紙カセット31、手差しトレイ32等から構成される。画像形成装置1の底部には、用紙Pが載置される載置板31aを有する給紙カセット31が設けられる。又、給紙部30は、載置板31a上の用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すために給紙カセット31の右上部にピックアップローラ33と、ピックアップローラ33の右方に重送防止ローラ対34を有する。更に、装置右側面には、別途給紙できるように手差しトレイ32が設けられる。そして、手差しトレイ32にも用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路に送り出すためのピックアップローラ33が設けられる。
【0039】
用紙搬送部35は、画像形成装置1内で用紙Pを搬送するためのものである。用紙搬送部35は、給紙部30から後述する2次転写ローラ46に至る第1搬送路36と、2次転写ローラ46から定着装置47を経て画像形成済みの用紙Pを排出するための用紙排出口42に至る第2搬送路37と、定着装置47よりもシート搬送方向下流側における第2搬送路37の途中から第1搬送路36の途中をつなぐように設けられる反転搬送路38等から構成される。第2搬送路37の最後端には、排出された用紙Pを受け止めるための排出トレイ43が設けられる。尚、用紙搬送方向は、矢印で図示している。
【0040】
湾曲部39が、給紙カセット31から送り出された用紙Pの搬送方向を逆にするため第1搬送路36に設けられる。又、湾曲部39上部では、手差しトレイ32からの搬送路が合流する。2次転写ローラ46の手前には、用紙Pの搬送タイミングを制御するためのレジストローラ対40が配置される。これら要素が設けられる搬送路には、搬送ローラ対41が複数設けられ、又、用紙Pを案内するガイド板(不図示)も適宜設けられる。
【0041】
2次転写部45は、2次転写ローラ46及び駆動ローラ26から構成される。2次転写ローラ46は、中間転写ベルト25に転写されたトナー像を、2次転写ローラ46と中間転写ベルト25の間に挟まれるように搬送される用紙Pに転写するためのものである。そのため、2次転写ローラ46は、駆動ローラ26と中間転写ベルト25を介してニップを形成するように、回転可能かつ中間転写ベルト25と接離自在に支持される。又、この2次転写ローラ46には、電圧印加手段(不図示)によって、所定のタイミングで用紙Pにトナーが転写されるようにするための電圧が印加される。
【0042】
定着装置47は、用紙Pに転写されたトナーを溶融定着させるためのものであり、第2搬送路37の途中であって、ロータリー式現像ユニット2の下方に設けられる。この定着装置47は、ヒータを内蔵する加熱ローラ48とこれに圧接する加圧ローラ49とを有し、両ローラ間に用紙Pを挟持して搬送する。トナーは加熱・加圧され用紙Pに定着する。
【0043】
次に、画像形成動作について説明する。この画像形成装置1は、入力された画像データに基づき、以下のように画像形成動作を実行する。
【0044】
まず、帯電ローラ12により感光体ドラム11が帯電される。この感光体ドラム11に対して、画像データが入力されたデータ処理部17からのデータに従い、レーザユニット14が感光体ドラム11の表面の走査露光を行い、感光体ドラム11には静電潜像が形成される。次に、ロータリー式現像ユニット2が図1中の反時計方向に回転され、対応する色の現像器16のいずれかが感光体ドラム11に対向する。この状態で、感光体ドラム11の静電潜像が対応する色のトナー供給によって現像される。現像されたトナー像は、中間転写ベルト25に転写される。感光体ドラム11上に転写後に残留したトナー等は、ドラムクリーニング装置13により清掃される。以上の動作を各色順次繰り返し、中間転写ベルト25上にはフルカラーのトナー像が形成される。
【0045】
一方で、給紙部30において、給紙カセット31又は手差しトレイ32から1枚の用紙Pがピックアップローラ33により取り出され、レジストローラ対40まで搬送される。その後、用紙Pは、レジストローラ対40から中間転写ベルト25上のトナー像にタイミングを合わせて搬送され、2次転写部45に案内される。2次転写ローラ46は、中間転写ベルト25に当接しつつ所定の電圧が印加され、中間転写ベルト25上のトナー像が用紙Pに転写される。この用紙Pは第2搬送路37により定着装置47に案内され、この定着装置47により用紙Pにトナー像が定着する。定着された用紙Pが分岐爪44を経て、用紙排出口42から排出トレイ43に排出される。
【0046】
(第1実施形態)
次に、ロータリー式現像ユニット2に支持される各現像器16B、16Y、16C、16Mについて、図2を参照しつつ説明する。ここで、各現像器16B、16Y、16C、16Mの有する構成は同様であるから、以下の説明及び図面の符号については、特に示さない限り、B、Y、C、Mの符号を省略し現像器16と統一して説明する。従って以下の説明は、特に説明がない限り現像器16B、16Y、16C、16Mに共通して適用される。
【0047】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る現像器16の概略構成を示す断面図である。尚、図2における現像器16は、その現像ローラ53が感光体ドラム11と対向する現像位置にある状態を示している。
【0048】
現像器16は、枠体51、仕切り部材52、現像ローラ53、供給ローラ54、規制部材55、撹拌部材56及び支持部材66等により構成される。
【0049】
枠体51は、現像器16の底部である、図2に示す下側の内壁部分51aと、図2に示す上側の内壁部分51b等で現像器16の外殻を構成するものである。この内部に各部材が備え付けられ、トナーを収容している。
【0050】
仕切り部材52は、例えば金属や樹脂の板状部材により形成され、トナー供給部58とトナー収容部59とを分離し、第1仕切り部材61と第2仕切り部材62から構成される。そして、第1仕切り部材61は、現像器16の枠体51において、現像ローラ53、供給ローラ54と近接する内壁部分51aから対向する内壁部分51bに向けて設けられる(図2において下方から上方)。一方、第2仕切り部材62は、第1仕切り部材61よりもトナー供給部58側に第1仕切り部材61と対向するように内壁部分51bから第1仕切り61に向かう方向(図2において、上から下に向かう方向)に設けられる。そして、仕切り部材52がトナー供給部58とトナー収容部59に隔てられる。トナー供給部58は、感光体ドラム11にトナーを供給する部分であり、現像ローラ53、供給ローラ54及び規制部材55等が配され、トナー収容部59には、撹拌部材56が配される。第1仕切り部材61と第2仕切り部材62の対向する部分は、トナーがトナー収容部59からトナー供給部58に移動するための通路部64となっている。
【0051】
現像ローラ53は、一部が枠体51から露出し、感光体ドラム11(図2において一部を破線で図示)に一定の隙間を有しつつ、対向配置され軸心53bを中心に回転可能に支持される。そして、ロータリー式現像ユニット2が回転し、各色のトナーの薄層が形成された現像ローラ53が、感光体ドラム11に対向させられ、感光体ドラム11に対しトナーを供給する。尚、現像ローラ53と枠体51の間には、トナーの漏れ出し防止のためシール部材53aが設けられる。
【0052】
供給ローラ54は、現像ローラ53にトナーを供給・搬送するため、現像ローラ53と仕切り部材52の間に現像ローラ53に接するように設けられる。供給ローラ54は回転可能かつ供給ローラ54の軸線54bと現像ローラ53の軸線53bは平行になるように支持される。又、供給ローラ54は、ギア、モータ等から構成される駆動機構(不図示)により、現像ローラ53と同方向に回転される(図2の時計方向)。そして、供給ローラ54は、現像ローラ53と供給ローラ54の接触部分において、図2の上方の接触部分(規制部材55の近傍)では、現像ローラ53にトナーを供給し、図2の下方の接触部分(内壁部分51aの近傍)では、現像に使用されなかったトナーを掻き取るという機能を果たす。
【0053】
規制部材55は、現像ローラ53に当接し、現像ローラ53が回転して、現像ローラ53上にトナーの薄層を形成するためのものであり、更に、摩擦によりトナーを帯電させる機能も有する。規制部材55は、軸線53b方向に延在するフィルム状、又はブレード状に形成され、一端部が現像ローラ53に当接して、他端部が支持部材66に固定保持される。又、規制部材55は、銅、アルミニウム、ステンレス等の熱伝導率の大きい金属で形成され、現像ローラ53との摩擦により、一端部で発生した摩擦熱を温度の低い他端部に移動させる。
【0054】
支持部材66は、内壁部分51bに固定保持され、取り付け部66aと接触部66bが形成される。取り付け部66aには、規制部材55がネジ等により固定保持される。接触部66bは、現像器16外の後述するブラシが接触可能になるように、現像器16の外周に露出し、かつロータリー式現像ユニット2の回転時に感光体ドラム11に接触しないように、回転軸15aの中心からの距離が現像器16の外径と同等以下に形成される。又、支持部材66は、軸線53b方向に延在して、銅、アルミニウム、ステンレス等の熱伝導率の大きい金属で形成される。このことにより、規制部材55に蓄積された摩擦熱は、取り付け部66aに吸熱され、さらに、温度の低い接触部66bに移動させられる。
【0055】
撹拌部材56は、トナー収容部59内のトナーを撹拌するためのものであり、供給ローラ54、現像ローラ53と軸線が平行かつ並列して設けられ、軸部56a及び撹拌羽根56b等により構成される。軸部56aはトナー収容部59内を架け渡されるようにして設けられ回転可能に支持される。図2に示すように、軸部56aは、断面がT字状であり、その軸線方向の端部がギア、モータ(不図示)と接続され回転される。軸部材56aに、例えば、PETのような樹脂で構成されるフィルム状又はシート状の撹拌羽根56bが取り付けられ、撹拌部材56が構成される。
【0056】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るロータリーラック15に設けた現像器16と冷却装置71との構成を示す側面断面図である。図4は、ロータリーラック15に設けた現像器16と冷却装置71との構成を示す平面図である。なお、図3及び図4は、現像器16Bが現像を完了した退避位置の状態を示している。
【0057】
図3に示すように、冷却装置71は、冷却部材としてのブラシ72、放熱板73、ダクト管74及びファン75等により構成される。又、冷却装置71は、ロータリーラック15の上方(図3上の上側)に1つ配置される。
【0058】
ブラシ72は、炭素繊維等の熱伝導率が大きく、可撓性を有する多数の線材を束ねて、回転軸15aの軸線方向に延在して、設けられる。ブラシ72の一端部72aが支持部材66の接触部66bと接触可能であり、その他端部72bが放熱板73に貼り付けて保持される。従って、ブラシ72が支持部材66に接触したときに、支持部材66に蓄積された熱は、接触部66bに接触した一端部72aに吸熱され、さらに、温度の低い他端部72bに移動させられる。
【0059】
放熱板73は、図4に示すように、現像器16の長手方向に延在した矩形状の板で形成され、装置本体1aに固設される。放熱板73の一面73aには、ブラシ72の他端部72bが貼り付けられ、その端面73bが、装置本体1a側でダクト管74に対向するように配設される。又、放熱板73は、銅、アルミニウム、ステンレス等の熱伝導率の大きい金属で形成されるので、ブラシ72に蓄積された熱が、ブラシ72の他端部72bを介して、放熱板73に移動させられる。
【0060】
ダクト管74とファン75は連結して送風機構を構成し、この送風機構が装置本体1に固設される。開口74aから取り込んだ空気がダクト管74内に送風され、ファン75から画像形成装置1外に排気される。
【0061】
次に、ロータリー式現像ユニット2の回転駆動の構成について説明する。図4に示すように、各現像器16B、16Y、16C、16M(図4では16C、16Mは不可視)を保持したロータリーラック15は、回転軸15aにより装置本体1aに回転可能に軸止され、回転軸15aと同軸のギア81が設けられる。モータ83が装置本体1aに固設され、モータギア82がギア81に噛み合う。モータ83が回転すると、モータギア82、ギア81を介して、ロータリーラック15が回転され、各現像器16B、16Y、16C、16Mが感光体ドラム11に対向して現像する位置と、現像が完了した退避位置とに移動される。ギア81、モータギア82及びモータ83が駆動部材80を構成する。
【0062】
図3に示す状態では、現像器16Bによるブラックの現像が完了し、現像器16Yによる現像が開始される直前の退避位置にある。この状態で現像器16Bの支持部材66の接触部66bが冷却装置71に対向する位置なり、接触部66bがブラシ72の一端部72aに接触する。先の現像器16Bの現像において、現像ローラ53上にトナーの薄層を形成するために、現像ローラ53が規制部材55に当接しながら回転し、規制部材55には摩擦による熱が蓄積しているが、その熱は、支持部材66及びブラシ72を介して、放熱板73に移動する。放熱板73から放熱された熱気は、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0063】
次に、画像形成装置1の現像の動作について説明する。先ず、現像器16Bにより現像が行われる。図2に示すように、撹拌部材56が回転すると、トナーが撹拌されながらトナー収容部59内で跳ね上げられる。跳ね上げられたトナーは、通路部64に入り込み、供給ローラ54を介しトナー供給部58に搬送される。供給ローラ54がさらに回転すると、トナーは現像ローラ53に搬送・保持され、現像ローラ53が規制部材55に当接しながら回転すると、トナーの薄層が現像ローラ53上に形成される。現像ローラ53に電圧が印加されると、現像ローラ53上のトナーは感光体ドラム11に供給され、感光体ドラム11上の静電潜像がトナー像として現像される。現像に用いられず現像ローラ53上に残ったトナーは、現像ローラ53がさらに回転して供給ローラ54に掻きとられて、トナー供給部58内に戻される。
【0064】
現像器16Bによる現像を完了すると、図4に示すように、ロータリーラック15が、駆動部材80により回転させられる。ロータリーラック15が回転すると、図3に示すように、現像器16Bが退避位置に至り、そこで停止する。この退避位置では、現像器16Bの現像ローラ53が感光体ドラム11から離間し、支持部材66がブラシ72に接触する。支持部材66がブラシ72に接触すると、現像時に規制部材55に蓄積された熱は、支持部材66及びブラシ72を介して、放熱板73に移動する。放熱板73から放熱された熱気は、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0065】
次に、イエローの現像において、感光ドラム11は、回転しながら、その表面を帯電させられて、レーザユニットによりイエローの潜像を帯電した領域に形成させられる。イエローの潜像が形成されるとともに、駆動部材80により、ロータリーラック15が図3中の反時計方向に回転させられると、現像器16Yの現像ローラ53が感光体ドラム11に対向する現像位置に移動する。現像器16Bのブラックの現像と同様に、イエローの現像が行われる。現像が完了すると、ロータリーラック15が、駆動部材80により回転させられ、現像器16Yが退避位置に至り、そこで停止する。この退避位置では、現像器16Yの現像ローラ53が感光体ドラム11から離間し、現像器16Yの支持部材66がブラシ72に接触する。この支持部材66がブラシ72に接触すると、現像器16Yの規制部材55に蓄積された熱は、支持部材66及びブラシ72を介して、放熱板73に移動する。放熱板73から放熱された熱気は、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0066】
さらに、マゼンタの現像において、ブラックの現像と同様に、現像後に現像器16Mが退避位置において、現像器16Mの規制部材55に発生する熱が順に支持部材66、ブラシ72、放熱板73に移動して、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0067】
また、シアンの現像において、ブラックの現像と同様に、現像後に現像器16Cが退避位置において、現像器16Cの規制部材55に発生する熱が順に支持部材66、ブラシ72、放熱板73に移動して、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0068】
第1実施形態によると、画像形成装置1は、各現像器16B、16Y、16C、16Mに配設され感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像する現像ローラ53と、現像ローラ53に当接してトナーの層厚を規制する規制部材55と、各現像ローラ53が順次感光体ドラム11に対向する現像位置にロータリーラック15を回転させる駆動部材80とを備える。また、この画像形成装置1は、規制部材55を固設する取り付け部66aと現像器16の外周に露出した接触部66bとが形成された熱伝導率の大きい材料からなる支持部材66と、この支持部材66の接触部66bに接触可能である可撓性を有し、かつ熱伝導率の大きいブラシ72とを備える。現像器16が現像位置から回転させられて、次の停止する位置にあるときに、接触部66bがブラシ72に接触する。
【0069】
この構成によれば、規制部材55を固設した支持部材66が熱伝導率の大きいブラシ72に接触するので、現像ローラ53との摩擦により、規制部材55に蓄積された摩擦熱は、ブラシ72に移動するために、トナーが過剰に昇温することを抑え、トナーの流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られる。
【0070】
また、この構成によれば、ブラシ72により冷却部材を構成し、ロータリーラック15が回転すると、ブラシ72が各現像器16B、16Y、16C、16Mの支持部材66に、順次接触するので、規制部材55の熱が支持部材66を介してブラシ72に移動するために、各現像器16B、16Y、16C、16Mに冷却部材を設ける必要がなく、装置が簡単な構成になり、現像器16に組み付けるための煩わしい作業を省略し、部品点数を削減することができる。
【0071】
また、この構成によれば、可撓性を有しかつ熱伝導率の大きいブラシ72により、冷却部材を構成しているので、ロータリーラック15の回転トルクが大きくなるおそれがなく、また、ロータリーラック15の回転中にブラシ72が現像ローラ53に接触しても、現像ローラ53の表面を損傷するおそれがない。
【0072】
また、この構成によれば、現像器16が停止位置にあるときに、支持部材66の接触部66bがブラシ72に接触するので、停止中の長い期間をかけて、現像ローラ53との摩擦により規制部材55に蓄積された摩擦熱が支持部材66を介してブラシ72に移動するために、規制部材55の蓄積された熱を確実に取り除くことができる。
【0073】
また、この構成によれば、現像器16が現像位置から回転させられて、次の停止する位置にあるときに、支持部材66の接触部66bがブラシ72に接触するので、現像ローラ53との摩擦により、規制部材55に摩擦熱が蓄積された現像直後において、つまり、規制部材55の摩擦による熱量が大きい状態において、規制部材55の熱が支持部材66を介してブラシ72に移動するために、規制部材55の蓄積された熱を確実に取り除くことができる。
【0074】
また、第1実施形態によると、ファン75とダクト管74とからなる送風機構と、放熱板73を備える。放熱板73の一面73aにはブラシ72が固設され、放熱板73の端面73bはダクト管74の開口74aに対向して、送風機構は、放熱板73の近傍の空気を吸い込む。
【0075】
この構成によれば、規制部材55に蓄積された熱は、支持部材66及びブラシ72を介して、放熱板73に移動する。放熱板73から放熱された熱気は、ダクト管74の開口74aから管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気されるために、トナーが過剰に昇温することを抑え、また、画像形成装置1内に熱気が滞留するおそれがない。
【0076】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態であるロータリーラック15に設けた各現像器16B、16Y、16C、16Mと冷却装置71との構成を示す側面断面図である。又、図5は、現像器16Bが現像位置、現像器16Cが冷却位置にある状態を示す。第1実施形態と異なる各現像器16B、16Y、16C、16Mのトナーの収容状態について説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0077】
図5に示すように、各現像器16B、16Y、16C、16Mにトナーが十分に収容されているときに、現像器16Bは、現像ローラ53Bが感光体ドラム11に対向する現像位置にある。現像器16Bでは、トナー67Bは、トナー収容部59Bに貯留され、さらに仕切り部材52Bを越えて、トナー供給部58Bには、現像に適切な量が貯留された状態にある。
【0078】
現像終了直後の現像器16Cでは、現像器16Cがロータリーラック15の上方(図5上の上側)に位置するので、トナー67Cは、ロータリーラック15の中心方向に集まり、トナー収容部59C及びトナー供給部58Cに貯留される。しかし、トナー供給部58C内のトナー67Cは、現像器16Bに比べると、規制部材55Cから離れた部分に貯留される。
【0079】
現像器16Mでは、トナー67Mは、トナー収容部59Mからトナー供給部58Mに流れ込み、供給ローラ54M、現像ローラ53Mに貯留され、規制部材55Mに接近する。現像器16Yでは、現像ローラ53Yが図5中の下方に位置するので、トナー67Yは、供給ローラ54Y、現像ローラ53Yに貯留され、規制部材55Yにも貯留される。
【0080】
冷却装置71が図5上の上方にある現像器16Cに対向して、冷却装置71のブラシ72が支持部材66Cに接触する。そうすると、規制部材55Cに蓄積された熱は、支持部材66C及びブラシ72を介して、放熱板73に移動する。放熱板73から放熱された熱気は、ダクト管74の管内に送風され、ファン75により、画像形成装置1外に排気される。
【0081】
第2実施形態によれば、ロータリーラック15の回転により、各現像器16B、16Y、16C、16Mのトナー67が各トナー収容部59内で流動し、現像器16Cがロータリーラック15の上方の位置、つまりトナー67Cが規制部材55Cから最も離間した位置であるときに、支持部材66Cがブラシ72に接触するので、現像ローラ53Cとの摩擦による規制部材55Cの熱が、トナー収容部59Cに収容されたトナー67Cに移動することがなく、支持部材66Cを介してブラシ72に移動する。従って、トナー67Cが過剰に昇温することを抑え、トナーの流動性の悪化を抑制して、良好な現像性能が得られる。
【0082】
尚、上記第1および第2実施形態では、現像器16が停止位置にあるとき、冷却装置71のブラシ72が支持部材66に接触する構成を示したが、本発明はこれに限らず、ロータリーラック15が回転しているときに、ブラシ72が各支持部材66に接触する構成にしてもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、冷却部材をブラシ72で構成したが、本発明はこれに限らず、冷却部材を薄板にしてもよい。この場合、薄板に可撓性を有しない場合には、ロータリーラック15が回転すると、現像ローラ53に接触して損傷させるが、薄板がロータリーラック15の回転に連動して、支持部材66に対向する位置あるときに、薄板が下降して支持部材66に接触する構成にしておくと、現像ローラ53が損傷することがない。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、冷却装置71が1つであるが、本発明はこれに限らず、2つにしてもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、送風機構としてのファン75をダクト管74の後段に設け、放熱板73の熱気を吸引していたが、本発明はこれに限らず、ファンを放熱板73の近傍に配設するようにしてもよい。この場合には、ファンから放熱板73に送風されると、放熱板73の熱気がダクト管74内に流通する。
【0086】
また、上記第1実施形態では、現像完了後の退避位置で支持部材66がブラシ72に接触し、冷却装置が動作する構成であるが、他の色を現像する現像位置で支持部材66がブラシ72に接触し、冷却装置が動作するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、ロータリー型現像装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】は、本発明の実施形態である画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】は、本発明の第1実施形態である現像器の構成を示す側面断面図である。
【図3】は、本発明の第1実施形態であるロータリーラックに設置した現像器と冷却装置との構成を示す側面断面図である。
【図4】は、本発明の第1実施形態であるロータリーラックに設置した現像器と冷却装置との構成を示す平面図である。
【図5】は、本発明の第2実施形態であるロータリーラックに設置した現像器と冷却装置との構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
2 ロータリー式現像ユニット
15 ロータリーラック
15a 回転軸
16、16B、16Y、16C、16M 現像器
51 枠体
53 現像ローラ
53b 軸線
54 供給ローラ
55 規制部材
56 撹拌部材
58 トナー供給部
59 トナー収容部(収容部)
61 第1仕切り部材(仕切り部材52)
62 第2仕切り部材(仕切り部材52)
66 支持部材
67B、67Y、67C、67M トナー
71 冷却装置
72 ブラシ
73 放熱板
74 ダクト管
75 ファン
80 駆動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向の異なる位置に複数の現像器が設けられたロータリーラックと、現像剤を担持し像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像ローラと、前記現像ローラに当接して現像剤の層厚を規制する規制部材と、前記現像ローラが順次前記像担持体に対向する現像位置に前記ロータリーラックを回転させる駆動部材とを備えた画像形成装置において、
前記規制部材を固設する取り付け部と前記現像器の外周に露出した接触部とが形成された熱伝導性材料からなる支持部材と、前記接触部に接触可能である冷却部材とを備え、
前記接触部は、前記現像器の所定位置で前記冷却部材に接触することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記冷却部材は、可撓性を有し熱伝導性材料からなるブラシで形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ファンとダクト管とを有する送風機構と、前記冷却部材を固設する一端部と前記ダクト管に対向する他端部とが形成されるとともに前記現像器の長手方向に延在した放熱板とを備え、
前記送風機構は、前記放熱板の近傍の空気を流通させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定位置は、前記ロータリーラックが停止した位置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像器が現像剤を収容する収容部を備え、前記ロータリーラックの回転により前記現像剤が前記収容部内で流動し、前記所定位置は、前記現像剤が前記規制部材から最も離間した位置であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定位置は、現像位置の次の停止位置であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−8964(P2009−8964A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171389(P2007−171389)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】