画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法
【課題】 検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査において、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥を低減する。
【解決手段】 画像欠陥検査装置を、検査対象上の所定の大きさの領域毎にこれら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて参照値をそれぞれ決定する参照値決定部21と、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部22と、を備えて構成し、マクロ領域において算出された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【解決手段】 画像欠陥検査装置を、検査対象上の所定の大きさの領域毎にこれら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて参照値をそれぞれ決定する参照値決定部21と、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部22と、を備えて構成し、マクロ領域において算出された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に関する。特に、半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出するために、半導体回路ウエハ表面を撮像してその撮像画像と参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法を対象とする。ここでは半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出する外観検査装置(インスペクションマシン)を例として説明を行なうが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0003】
一般の外観検査装置は、対象表面を垂直方向から照明してその反射光の像を捕らえる明視野検査装置であるが、照明光を直接捕らえない暗視野検査装置も使用されている。暗視野検査装置の場合、対象表面を斜め方向又は垂直方向から照明して正反射は検出しないようにセンサを配置し、照明光の照射位置を順次走査することにより対象表面の暗視野像を得る。従って、暗視野装置ではイメージセンサを使用しない場合もあるが、これも当然発明の対象である。このように、本発明は、同一であるべき2つの画像(信号)の対応する部分を比較して、差が大きな部分を欠陥と判定する画像処理方法及び装置であれば、どのような方法及び装置にも適用可能である。
【0004】
半導体製造工程では、半導体ウエハ上に多数のチップ(ダイ)を形成する。各ダイには何層にも渡ってパターンが形成される。完成したダイは、プローバとテスタにより電気的な検査が行われ、不良ダイは組み立て工程から除かれる。半導体製造工程では、歩留まりが非常に重要であり、上記の電気的な検査の結果は製造工程にフィードバックされて各工程の管理に使用される。しかし、半導体製造工程は多数の工程で形成されており、製造を開始してから電気的な検査が行われるまで非常に長時間を要するため、電気的な検査により工程に不具合があることが判明した時には既に多数のウエハは処理の途中であり、検査の結果を歩留まりの向上に十分に生かすことができない。そこで、途中の工程で形成したパターンを検査して欠陥を検出するパターン欠陥検査が行われる。全工程のうちの複数の工程でパターン欠陥検査を行なえば、前の検査の後で発生した欠陥を検出することができ、検査結果を迅速に工程管理に反映することができる。
【0005】
図1に、本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置のブロック図を示す。図示するように、2次元又は3次元方向に自在に移動可能なステージ1の上面に試料台(チャックステージ)2が設けられている。この試料台の上に、検査対象となる半導体ウエハ3を載置して固定する。ステージの上部には1次元又は2次元のCCDカメラなどを用いて構成される撮像装置4が設けられており、撮像装置4は半導体ウエハ3上に形成されたパターンの画像信号を発生させる。
【0006】
図2に示すように、半導体ウエハ3上には、複数のダイ3aが、X方向とY方向にそれぞれ繰返し、マトリクス状に配列されている。各ダイには同じパターンが形成されるので、隣接するダイの対応する部分の画像を比較するのが一般的である。両方のダイに欠陥がなければグレイレベル差は小さく、一方に欠陥があればグレイレベル差は閾値より大きくなるため、このグレイレベル差を所定の検出閾値と比べることで欠陥を検出する(シングルディテクション)。これではどちらのダイに欠陥があるか分からないので、更に異なる側に隣接するダイとの比較を行ない、同じ部分のグレイレベル差が閾値より大きくなればそのダイに欠陥があることが分かる(ダブルディテクション)。
【0007】
撮像装置4は、TDI撮像素子などで実現される1次元のCCDカメラを備え、カメラが半導体ウエハ3に対してX方向又はY方向に一定速度で相対的に移動(スキャン)するようにステージ1を移動する。1回の主走査方向での走査によって、図3の(A)に点線で区切って示される、撮像装置4の撮像幅Wsと同じ幅の帯状の領域(スォッス:swathと呼ばれる)を撮像した画像信号80が撮像装置4から出力され、この画像信号は多値のディジタル信号(グレイレベル信号)に変換されて画像記憶部5に記憶される。
【0008】
その後走査を続けて、ダイ3aから隣のダイ3bの分までグレイレベル信号(検査画像信号)が生成されると、差分検出部6は、図3の(B)に示すような隣り合った2つのダイ3a及び3bのそれぞれの同じ部分の小さな部分画像81及び82(ロジカルフレームと呼ばれる)のグレイレベル信号(基準画像信号)を画像記憶部5から読み出して、差分検出部6に入力する。実際には微小な位置合わせ処理などが行われるがここでは詳しい説明は省略する。
【0009】
差分検出部6には隣接する2個のダイ3a及び3bの同じ部分の部分画像81及び82のグレイレベル信号が入力され、その一方を検査部分画像とし他方を参照画像として、各々の対応する画素同士のグレイレベル信号の差(グレイレベル差)が演算されて検出閾値計算部7と欠陥検出部8に出力される。検出閾値計算部7は、グレイレベル差の分布に応じて自動的に検出閾値を決定し、欠陥検出部8に出力する。欠陥検出部8は、グレイレベル差を決定された閾値と比較し、欠陥かどうかを判定する。そして欠陥検出部8は、欠陥と判定された部分について、各欠陥毎に、その欠陥の位置やグレイレベル差、検出時の検出閾値やこの検出閾値を決定する際に使用される欠陥検出パラメータなどを含む欠陥情報を出力する。
【0010】
その後、欠陥と判定された部分を更に詳細に調べるため、欠陥情報は自動欠陥分類(ADC)装置に供される(図示せず)。自動欠陥分類装置では、欠陥と判定された部分が歩留に影響する真の欠陥であるか、それとも撮像画像のノイズなどの影響によって誤検出した疑似欠陥であるか、またはどのような種類の欠陥(配線ショート、パターン欠損もしくはパーティクル等)であるかを判定する欠陥分類処理を行っている。
この欠陥分類処理では、欠陥の部分を詳細に調べる必要があるため長い処理時間を必要とする。そのため、欠陥を判定する場合には、真の欠陥は漏らさず、且つ真の欠陥以外はできるだけ欠陥と判定しないことが要求される。
【0011】
そこで、閾値の設定が大きな問題になる。閾値を小さくすると欠陥と判定される画素(ピクセル)が増加し、真の欠陥でない部分まで欠陥と判定されることになり、その結果として欠陥分類処理に要する時間が長くなるという問題を生じる。逆に、閾値を大きくしすぎると真の欠陥まで欠陥でないと判定されることになり、検査が不充分になるという問題を生じる。
【0012】
本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置では、検出閾値計算部7は、検査部分画像と参照画像の対応する画素同士のグレイレベル差の分布に応じて検出閾値を決定する。
検出閾値計算部7は、差分検出部6から、対比される2個の部分画像81及び82に含まれる各画素のグレイレベル差信号を入力すると、図4の(A)に示すようなヒストグラムを作成する。そして図4の(B)に示すような累積頻度を算出し、このグレイレベル差の分布が所定の分布に従っているとの仮定の下で、累積頻度がグレイレベル差に対してリニアな関係になるように変換した変換累積頻度を算出する(図4の(C)参照)。
【0013】
その後、この変換累積頻度の近似直線を算出して、この算出した近似直線に基づいて所定の累積頻度の値から所定の算出方法に従って閾値を決定する。例えば図4の(C)の例では、算出された近似曲線の傾きをaとし、縦軸に対する近似曲線の切片(すなわちグレイレベル差が0となる累積頻度)をbとすると(これら傾きa及び切片bを欠陥検出パラメータとよぶことがある)、閾値Tは、次式(1)により算出される。
T=(P1−b+VOP)/a+HO (1)
ここで、P1は所定の累積確率(p)に対応する累積頻度であり、VOP、HOは所定の感度設定パラメータである。
【0014】
【特許文献1】特開2004−177397号公報
【特許文献2】特開平4−107946号公報
【特許文献3】特許第2996263号公報
【特許文献4】特開2002−22421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
半導体ウエハ表面を撮像した実際の検査画像では、同じプロセスによって形成されたウエハを同じ状態で撮像した検査画像であっても、異なる明度(グレイレベル値)の画像となったり、また1つのウエハ内においても、本来同じ明度で撮像されるべき領域が異なる明度で撮像されるといった、いわゆる「色ムラ」が発生することがある。
このように色ムラがある検査画像を用いて欠陥検査を行うと、本来欠陥でない部分までグレイレベル差が大きくなって欠陥として検出され疑似欠陥の増大を招く。
【0016】
ところが、半導体ウエハ表面の撮像画像に生じる色ムラの場合には、ウエハ表面上の位置の違いに対する明度の変動が、欠陥検査を行う画像の単位であるロジカルフレームの大きさに比較して緩やかであるため、1つのロジカルフレーム内におけるグレイレベル値の変動を観察しても色ムラの有無を検出することができなかった。
【0017】
上記問題点に鑑み、本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査において、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明では、検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて定まる参照値を決定し、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定し、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【0019】
また、本発明では、検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において検査対象に関する所定の測定値を測定し、測定された前記所定の測定値に応じて定まる参照値をそれぞれ決定し、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【発明の効果】
【0020】
検査対象上の所定の大きさの領域毎に取得された画素値や検査対象の測定値に基づいて決定される参照値について、この所定の大きさの領域よりも広いマクロ領域における分布情報を算出することによって、検査対象を撮像した撮像画像の広い範囲に生じる色ムラを検出することが可能となる。
そして算出された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことによって、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図5は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第1実施例のブロック図である。図5に示す画像欠陥検査装置10は、図1を参照して説明した従来の外観検査装置10に類似する構成を有しており、したがって同一の構成要素には同じ参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0022】
検査対象である半導体ウエハ3を乗せたステージ1を移動させることによって、TDI撮像素子などで実現される1次元のCCDカメラを備えた撮像装置4を、半導体ウエハ3に対してX方向又はY方向に一定速度で相対的に走査させると、1回の主走査方向での走査によって、図3の(A)に点線で区切って示されるような撮像装置4の撮像幅Wsと同じ幅の帯状の領域を撮像した検査画像が得られ、この検査画像は多値のディジタル信号(グレイレベル信号)に変換されてから画像記憶部5に記憶される。
図5に戻り、そのまま走査を続行すると、ダイ3aから隣のダイ3bの分までグレイレベル信号(検査画像信号)が生成される。差分検出部6は、図3の(B)に示すような隣り合った2つのダイ3a及び3bのそれぞれの同じ部分の小さな部分画像(ロジカルフレーム)81及び82のグレイレベル信号(基準画像信号)を画像記憶部5から読み出して、差分検出部6に入力する。
【0023】
差分検出部6には隣接する2個のダイ3a及び3bの同じ部分の部分画像81及び82のグレイレベル信号が入力され、その一方を検査部分画像とし他方を参照画像として、各々の対応する画素同士のグレイレベル信号の差(グレイレベル差)を演算して、検出閾値計算部7と欠陥検出部8に出力する。
【0024】
ここに、部分画像81は、図6において点線で挟まれた領域の間に示される幅Wsの帯状の検査画像80(スォッス)を、一点鎖線で示すように複数に分割して切り出される。このため、これら部分画像81は、本発明の特許請求の範囲に係る検査部分画像を成す。また部分画像81と比較される部分画像82は、検査部分画像と比較される参照画像を成す。
また、部分画像81は、検査対象である半導体ウエハ3を所定の大きさの領域毎に撮像した画像であるから、本発明の特許請求の範囲に係る、検査対象上の所定の大きさの領域毎にこれら各領域を撮像した画像を成す。
また、部分画像81は、検査画像を所定の大きさ毎に分割して切り出されるため、これらは本発明の特許請求の範囲に係る画像ブロックを成す。
【0025】
なお、本実施例の画像欠陥検査装置10では、隣り合った2つのダイのロジカルフレームの一方を参照画像として使用する。しかし、これに代えて過去に撮像した理想的なウエハ3の撮像画像のサンプルを参照画像として使用してもよく、また複数のウエハ3の撮像画像のサンプルを、例えば各画素毎に平均する等して作成されるサンプル(いわゆる「ゴールデンイメージ」)を参照画像として使用してもよく、または半導体ウエハ3の表面に形成されるパターンの設計データ(例えばCADデータ)などから、シミュレーションによって理想的に作成された画像を参照画像として使用してもよい。
【0026】
検出閾値計算部7は、欠陥検出条件である検出閾値を、グレイレベル差の分布に応じて自動的に決定し、欠陥検出部8に出力する。
検出閾値計算部7による検出閾値の決定は、図4の(A)〜図4の(C)を参照して説明したように、差分検出部6から対比される2個の部分画像81及び82に含まれる各画素のグレイレベル差信号を入力してそのヒストグラム(図4の(A)参照)を作成し、続いてその累積頻度を算出し(図4の(B)参照)、入力されたグレイレベル差の分布が所定の分布に従っているとの仮定の下で累積頻度がグレイレベル差に対してリニアな関係になるように変換した変換累積頻度を算出し(図4の(C)参照)、その後、この変換累積頻度の近似直線を算出して(すなわち欠陥検出パラメータである近似曲線の傾きa及び切片bを算出して)、この算出した近似直線に基づいて所定の累積頻度の値から上記のような所定の算出方法に従って閾値を決定する。
【0027】
欠陥検出部8は、グレイレベル差を決定された閾値と比較し、欠陥かどうかを判定する。そして欠陥検出部8は、欠陥と判定された部分について、各欠陥毎に、その欠陥の位置やグレイレベル差、検出時の検出閾値や欠陥検出パラメータなどを含む欠陥情報を出力する。
【0028】
画像欠陥検査装置10は、図6に示すように、検査画像80を所定の大きさ毎に分割した画像ブロックでもある部分画像(ロジカルフレーム)81毎に、これら部分画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部21を備える。
参照値決定部21は、例えば、画像ブロックである各部分画像81に含まれる複数の画素の平均値、分散値、最大値、又は最小値を参照値として決定してよい。または、参照値決定部21は、例えば、各部分画像81に含まれる全ての画素の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよい。
また参照値決定部21は、画像ブロックである各部分画像81に含まれる全ての画素のうち部分画像81内の所定の範囲に存在する画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよく、部分画像81内の所定の位置に存在する画素の画素値を参照値として定めてもよい。
さらに参照値決定部21は、各部分画像81及びこれらと差分検出部6において比較されるべき参照画像との差画像に含まれる全ての画素の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよく、このような差画像のうち所定の範囲に存在する画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてもよい。
【0029】
図5に戻り、さらに画像欠陥検査装置10は、参照値を算出する単位である画像ブロック(上記の例では部分画像81)を複数含んで構成される所定のマクロ領域について、マクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の分布情報を算出する分布情報決定部22を備える。
ここで、上記マクロ領域は、例えば図7において二点鎖線で示すような、複数の部分画像81を含んで構成される領域としてよい。分布情報決定部22は、あるマクロ領域に関する分布情報を、このマクロ領域に含まれる複数の画像ブロック(すなわち部分画像81)毎に決定された参照値の集合として決定する。またこれら複数の参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定してもよい。
【0030】
またさらに、画像欠陥検査装置10は、各マクロ領域において決定された分布情報に応じて各マクロ領域における欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、マクロ領域において欠陥検出部8により検出された欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定する欠陥出力可否判定部23を備える。
欠陥出力可否判定部23は、例えば、欠陥検出部8において検出された各欠陥に係る欠陥情報を入力して、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる検出閾値を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正することによって再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、グレイレベル差が検出閾値を超える場合に当該欠陥情報を真の欠陥であるとして出力を許可する。反対にグレイレベル差が検出閾値を超えない場合には当該欠陥情報を疑似欠陥であったとして出力を禁止する。
【0031】
また、欠陥出力可否判定部23は、例えば、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる欠陥検出パラメータ(例えば上記近似直線の傾きaや切片b)を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正し、補正された近似曲線によって検出閾値を再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、当該欠陥情報の出力可否を判定してもよい。
このように、欠陥検出部8において検出された各欠陥を、欠陥出力可否判定部23が再設定した欠陥検出条件の下で再度検出することにより、各マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件が変更される。
【0032】
あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、欠陥出力可否判断部23は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定する。例えば、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。
欠陥出力可否判断部23は、例えば、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。そして、これらの参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定してよい。
あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定される場合には、欠陥出力可否判定部23は、分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を再設定する。
【0033】
なお、上記又は下記の説明において、参照値を算出する単位である検査画像を分割した画像ブロックの単位を、差分検出部6が1回の画像比較を行う単位である部分画像(ロジカルフレーム)としたが、これ以外にも画像ブロックの大きさ(単位)は自由に定めてよい。
例えば、上記画像ブロックは、半導体ウエハ表面に形成されたチップ(ダイ)3aの1つ分を撮像した画像を一単位として(すなわち、1つのチップ3aを撮像した画像を1つの画像ブロックとするように)画像ブロックの単位を定めてもよい。緩やかに明度差が変化するような色ムラが発生している場合には、検査画像中の広い範囲で分布情報を取得する必要があるが、このように比較的大きな画像ブロックを設定することによって、参照値の計算量を節約することができる。
このようにチップ1つ分を撮像した画像毎に各画像ブロックを定めるとすると、各チップを撮像した画像は本来同一であると予定されるので、各画像ブロックが本来同じ画像となるように画像ブロックを定めたり、各画像ブロックについて決定する参照値が本来同一となるように参照値の決定方法を定めることが可能であるため、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0034】
また、検査対象である半導体ウエハ表面に形成されるパターンが光学又は電子ビームによる露光工程(リソグラフィ工程)で形成される場合には、パターンを半導体ウエハ表面上に露光する際にウエハ表面上で露光パターンが結像しない状態(デフォーカス状態)で露光されて不良品を生ずることがある。このようなデフォーカス状態で露光されパターンが形成された半導体ウエハの場合、その表面の撮像画像にも色ムラが観測される。この色ムラは、1回のレチクルショットで露光される範囲毎に(すなわち1枚の露光マスクで同時に露光される範囲毎に)明度差が変わる態様で発生するため、1回のレチクルショットで複数のチップ(ダイ)が露光される場合には、さらに広い範囲で分布情報を取得する必要がある。
したがって、参照値決定部21は、検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、画像ブロックの単位として定めるようにしてもよい。
このように1回のレチクルショットで露光される範囲の画像毎に各画像ブロックを定めると、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像は本来同一となると予定されるので、各画像ブロックが本来同じ画像となるように画像ブロックを定めたり、各画像ブロックについて決定する参照値が本来同一となるように参照値の決定方法を定めることが可能であるため、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0035】
図8は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第2実施例のブロック図である。本実施例に係る画像欠陥検査装置10では、参照値決定部21は、各画像ブロック毎に、それぞれの画像ブロック内における欠陥検出で使用された欠陥検出条件である検出閾値を参照値として決定する。
上述の通り検出閾値計算部7は、各検査部分画像81に含まれる各画素の画素値、基準画像の各画素の画素値とのグレイレベル差の分布に応じて検出閾値を定めるので、かかる検出閾値の分布状態を参照しても、検査画像に生じる色ムラを検出することができる。
そのため、図8に示す例では、参照値決定部21は、画像ブロックである各検査部分画像81で検出される欠陥情報を欠陥検出部8から入力して、各々の欠陥情報に含まれる当該欠陥の検出時に使用された検出閾値を参照値として決定する。
【0036】
または、参照値決定部21は、各画像ブロック毎に、それぞれの画像ブロック内における欠陥検出で使用された欠陥検出条件である検出閾値を決定する際に使用された欠陥検出パラメータ(図4を参照して説明した検出閾値決定方法の例では、近似直線の傾きaや切片b)を参照値として決定してもよい。
この場合、図8に示す例では、参照値決定部21は、画像ブロックである各検査部分画像81で検出される欠陥検出パラメータを欠陥検出部8から入力して、各々の欠陥情報に含まれる当該欠陥の検出時に使用された欠陥検出パラメータを参照値として決定する。
【0037】
図9は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第3実施例のブロック図である。図5及び図8に示した実施例では、検出閾値計算部7が自動的に検出閾値を算出して、欠陥検出部8は決定した検出閾値の下で欠陥検出を行っておき、その後に欠陥出力可否判断部23において検出閾値を再設定して、検査結果として出力する欠陥か否かを再度判定した。
本実施例に係る画像欠陥検査装置10では、欠陥検出部8による欠陥検出に先だって、分布情報決定部22が上述した分布情報を決定しておき、かかる分布情報に基づいて検出閾値計算部7が欠陥検出条件である検出閾値を決定してから欠陥検出部8による欠陥検出を行う。
【0038】
ここで、検出閾値計算部7は上記分布情報のみに基づいて検出閾値や上記欠陥検出パラメータを決定してもよく、または図4を参照して上述した検出閾値の算出方法に従って検出閾値の初期値を定めておき分布情報に応じてこれを補正してもよい。
このとき、あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を設定する。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。また、あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定される場合には、検出閾値計算部7は、分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を設定する。
ここで、参照値を決定する一単位である画像ブロックが、検査部分画像(ロジカルフレーム)のようにチップ1つを撮像した画素数よりも小さな画素数の画像ブロックとして定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの画像ブロックについてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。
また、画像ブロックが、チップ1つを撮像した画像毎、あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲の画像の1つを撮像した画像毎に定められる場合には、各画像ブロックが本来同一の画像となるようにブロックを定めたり、各ブロックについて決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、各画像ブロックについてぞれぞれ決定される参照値は同じ値となると予定することができる。
【0039】
分布情報決定部22により取得すべき分布情報は、検査対象の比較的広い範囲における明度差の分布を示すものであるから、参照値決定部21が参照値を決定するために必要とする画像解像度は、欠陥検出部8が欠陥検出を行うために必要とする画像解像度よりも低いもので足りる。したがって、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像と異なる画像であってよい。
すなわち、参照値決定部21は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像と異なる、半導体ウエハ3の撮像画像の画素の画素値に応じて参照値を決定することとしてよい。
【0040】
例えば、図9に示す例では、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を第1の画像記憶部5に記憶するとともに、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像を第2の画像記憶部25に記憶する。そして第2の画像記憶部25には、撮像装置4から出力される画像信号のうち、所定のピッチで画素を間引いた撮像画像を記憶する。または、第2の画像記憶部25を第1の画像記憶部5と別個に設けることなく、参照値決定部21は第1の画像記憶部5に記憶された画像信号を、所定のピッチで画素を間引いて入力してもよい。
また例えば、第2の画像記憶部25には、撮像装置4を使用して、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を撮像するときよりも、高速かつ低倍率で撮像した撮像画像を記憶してもよい。
【0041】
図10は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第4実施例のブロック図である。本実施例による画像欠陥検査装置10は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を撮像する第1の撮像装置4とは別個に、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像を撮像する第2の画像記憶部24を備える。
すなわち、参照値決定部21は、検査画像を得る第1の撮像装置4とは別個に、半導体ウエハ3を撮像するために設けられた、第2の撮像装置24によって撮像された撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて参照値を決定する。
【0042】
検査画像を撮像する第1の撮像装置4とは別個に第2の撮像装置24を設けることにより、参照値決定部21及び分布情報決定部22が、欠陥検出部8による欠陥検出と平行して、それぞれ参照値及び分布情報を決定するように、画像欠陥検査装置10を構成することが容易となる。また上述した理由により、第2の撮像装置24は第1の撮像装置4よりも低い解像度や低い倍率で撮像する撮像装置であってよい。
【0043】
図11は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第1実施例のブロック図である。参照値決定部21及び分布情報決定部22がそれぞれ参照値及び分布情報を決定するために使用する撮像画像は、画像欠陥検査装置10に設けられた撮像装置によって撮像されたものに限定される必要はない。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10に設けられた撮像装置とは別に用意された撮像装置によって半導体ウエハ3を撮像した撮像画像を使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0044】
このため、図11に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、この画像欠陥検査装置10とは別個に、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3の撮像画像を取得する撮像装置50と、を備える。
撮像装置50は、検査対象である半導体ウエハ3を撮像する撮像装置51と、撮像装置51によって撮像された撮像画像などのデータを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部52を備える。
【0045】
一方で、画像欠陥検査装置10には、撮像装置50から出力された撮像画像データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。撮像装置50側のデータ出力部52と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、有線又は無線の信号伝達経路を経由したオンライン方式で行われてよく、または、フレキシブルディスク、CD−ROM、リムーバブルメディアなどの情報記憶媒体を介したオフライン方式で行うこととしてよい。
【0046】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、撮像装置50がこれら各領域を撮像した撮像画像に含まれる画素値に応じて、上述と同様に参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像した画像についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域を撮像した画像が本来同一の画像となるように上記所定の大きさの領域を定めたり、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0047】
図12は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第2実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、撮像装置51がこれら各領域を撮像した撮像画像に含まれる画素値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部53を、撮像装置50側に設ける。
そしてデータ出力部52は、撮像画像データに代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に撮像装置50側の参照値決定部53が決定した参照値の分布情報を決定する。そして、検出閾値計算部7は、図11を参照して上記説明した方法と同様に、決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0048】
図13は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第3実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部54を、撮像装置50側に設ける。
そしてデータ出力部52は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、図11を参照して上記説明した方法と同様に、撮像装置50から入力した分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0049】
図14は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第4実施例のブロック図である。
半導体ウエハ3を撮像した検査画像に生じる色ムラは、半導体ウエハ3表面に形成された絶縁層などの透明又は半透明な膜の膜厚の変動によって生じるので、半導体ウエハ3表面に形成された膜の膜厚をウエハ3の各箇所で測定し、この測定値を参照値としてその分布情報を作成することによっても、色ムラを検出することが可能である。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10とは別に用意された膜厚測定装置によって測定された半導体ウエハ3各箇所の膜厚データを使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0050】
このため、図14に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3表面に形成された膜厚の膜厚値を測定する膜厚測定装置60と、を備える。
膜厚測定装置60は、検査対象である半導体ウエハ3の表面に形成された絶縁層などの透明又は半透明な膜の膜厚を測定する膜厚測定部61と、この膜厚測定データを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部62を備える。
【0051】
一方で、画像欠陥検査装置10には、膜厚測定装置60から出力された膜厚測定データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。膜厚測定装置60側のデータ出力部62と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、上記例示したオンライン方式またはオフライン方式で行うこととしてよい。
【0052】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、膜厚測定装置60がこれら各領域において測定した膜厚測定値に応じて、上述のように参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一箇所で測定した測定値についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域内で測定した測定値が本来同一の測定値となるように各領域における測定箇所を定めたり(例えば、各チップや各レチクルショット内の同じ位置同士で測定する等)、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0053】
図15は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第5実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、膜厚測定部61がこれら各領域において測定した膜厚測定値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部63を、膜厚測定装置60側に設ける。
そしてデータ出力部62は、膜厚測定値データに代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に撮像装置60側の参照値決定部63が決定した参照値の分布情報を決定する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、決定した分布情報に応じて図14を参照して上記説明したように欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0054】
図16は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第6実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部64を、膜厚測定装置60側に設ける。
そしてデータ出力部62は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、膜厚測定装置60から入力した分布情報に応じて図14を参照して上記説明したように欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0055】
図17は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第7実施例のブロック図である。半導体ウエハ3表面を撮像した撮像画像に明度差(色ムラ)が生じる場合には、半導体ウエハ3上に形成されたパターンの最小寸法のクリティカルディメンジョン(critical dimensions)にもバラツキが発生するため、半導体ウエハ3表面の各箇所に形成されたクリティカルディメンジョンの寸法を走査型電子顕微鏡などで測定し、この測定値を参照値としてその分布情報を作成することによっても、色ムラを検出することが可能である。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10とは別に用意された走査型電子顕微鏡装置によって測定された半導体ウエハ3各箇所のクリティカルディメンジョン測定値を使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0056】
このため、図17に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョン寸法を測定する走査型電子顕微鏡装置70と、を備える。
【0057】
走査型電子顕微鏡装置70は、検査対象である半導体ウエハ3に照射する電子ビームEBを発生させる電子銃71と、電子ビームEBを半導体ウエハ3上で走査するための偏向器72と、半導体ウエハ3上で反射した電子ビームEBを検出する電子検出器73と、電子ビームEBを検出した電子検出器73の電流強度信号をディジタル形式の強度信号に変換する信号処理回路74と、この強度信号と電子ビームEBの走査位置に基づいて、半導体ウエハ3表面の高倍率画像を生成する画像生成部75と、画像生成部75が生成した画像に現れるパターンのクリティカルディメンジョンを測定するCD測定部76と、このクリティカルディメンジョン測定値データを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部77を備える。
【0058】
一方で、画像欠陥検査装置10には、膜厚測定装置60から出力されたクリティカルディメンジョン測定値データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。走査型電子顕微鏡装置70側のデータ出力部77と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、上記例示したオンライン方式またはオフライン方式で行うこととしてよい。
【0059】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、走査型電子顕微鏡装置70がこれら各領域において測定したクリティカルディメンジョン測定値に応じて、上述のように参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一箇所で測定した測定値についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域内で測定した測定値が本来同一の測定値となるように各領域における測定箇所を定めたり(例えば、各チップや各レチクルショット内の同じ位置同士で測定する等)、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0060】
図18は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第8実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、走査型電子顕微鏡装置70がこれら各領域において測定したクリティカルディメンジョン測定値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部78を、走査型電子顕微鏡装置70に設ける。
そしてデータ出力部77は、クリティカルディメンジョン測定値に代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に走査型電子顕微鏡装置70側の参照値決定部78が決定した参照値の分布情報を決定する。
【0061】
図19は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第9実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部79を、走査型電子顕微鏡装置70側に設ける。
そしてデータ出力部77は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、膜厚測定装置60から入力した分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0062】
図20は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第5実施例のブロック図である。
本実施例による画像欠陥検査装置10では、まず、欠陥検出部8により検出された欠陥のそれぞれについて、欠陥情報作成部9が欠陥情報を予め定められた形式で作成する。
ここで、この欠陥情報の形式を、検出位置(欠陥位置)や欠陥位置における検査部分画像と基準画像とのグレイレベル差や、検査部分画像のうち欠陥の位置の画素を含む部分画像や、欠陥を検出する際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータといった、検出された欠陥に関する情報を含むように定めておく。このような部分画像や、検出閾値や欠陥検出パラメータは、検査画像80上の各箇所(この例では欠陥が検出された箇所)に対応して定まる画素や画像の画素値に応じて決定することができ、また検査画像80上の各箇所に対応して定めた画素や画像の画素値に応じて変動する情報であるため、以下本明細書において「画素値関連情報」と示す。
そして、この画素値関連情報に基づいて欠陥情報のそれぞれについて所定の参照値を決定し、さらに、各マクロ領域における参照値の分布情報を決定して、分布情報に応じて各マクロ領域における欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、各マクロ領域において検出された各欠陥情報の出力可否を判定する。
【0063】
参照値は、それぞれ検査画像上の複数箇所の画素値を反映するので、もし検査画像のほぼ全域に亘って欠陥情報が作成されれば、ある程度の広さを有するマクロ領域における参照値の分布情報を決定することにより、ある程度の広さの範囲内における画素値(グレイレベル値)の変動を観察して、色ムラの有無を検出することが可能となる。
そして、この分布情報に応じて変化するように欠陥検出条件を再設定して(分布のバラツキが大きい色ムラの大きなマクロ領域では欠陥検出感度が比較的低い欠陥検出条件を設定し、色ムラの小さなマクロ領域では欠陥検出感度が比較的高い欠陥検出条件を設定するなど)、再設定された欠陥検出条件の下で欠陥情報の出力可否を判定することによって、色ムラにより生じた疑似欠陥の出力を防止することが可能となる。
【0064】
以下、本実施例による画像欠陥検査装置10の各部の動作を詳述する。なお、本実施例による画像欠陥検査装置10は、図5を参照して上述した画像欠陥検査装置に類似する構成を有しているため、同様の構成要素には同じ参照番号を付することとし同じ参照番号を付せられた構成要素に関する同様の動作についての説明を省略する。
【0065】
欠陥検出部8は、差分検出部6から出力されるグレイレベル差と検出閾値計算部7から出力される検出閾値とを比較することにより欠陥を検出して、検出位置(欠陥位置)や欠陥位置における検査部分画像と基準画像とのグレイレベル差などの、検出された欠陥に関する情報を欠陥情報作成部9に出力する。欠陥情報作成部9は、検出された欠陥に関する情報を利用する自動欠陥分類装置や、表示装置、サーバーなどの他の装置へ、入力された欠陥に関する情報を出力するために、この情報を含む欠陥情報を、予め定められたフォーマットにしたがって欠陥毎に作成する。
【0066】
この欠陥情報のフォーマットは、自動欠陥分類装置による欠陥分類に使用するための様々な情報を欠陥情報に含めるように定義することが可能である。例えば、欠陥情報に検査部分画像81のうち欠陥の位置の画素を含む部分画像や、欠陥を検出する際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータといった上述の画素値関連情報も含められる。
欠陥情報に含めることができる画素値関連情報は、例えば、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81や、検査部分画像81に対応する参照画像82のうちこの欠陥の位置の画素を含む部分画像としてよい。また、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81や、この検査部分画像81に対応する参照画像82を画素値関連情報としてよい。
【0067】
また、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像を画素値関連情報としてもよく、欠陥が検出された検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像を画素値関連情報としてもよい。さらに、欠陥情報に示された欠陥が検出される際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータを含めてもよい。欠陥情報作成部9は、このような画素値関連情報を含めた欠陥情報を参照値決定部21に出力する。
【0068】
参照値決定部21は、欠陥情報に含められた画素値関連情報に応じて、欠陥情報毎に、すなわち画素値関連情報毎に、所定の参照値を決定する。
例えば参照値決定部21は、画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81や、検査部分画像81に対応する参照画像82のうちこの欠陥の位置の画素を含む部分画像が与えられた場合には、これらの部分画像のどちらか一方または両方に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、参照値決定部21は、検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0069】
画素値関連情報として、検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像が与えられた場合には、参照値決定部21は、この差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81や、この検査部分画像81に対応する参照画像82が与えられた場合には、これらの画像のどちらか一方または両方の画像内の所定の位置の画素値や、これらの画像のどちらか一方または両方の画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0070】
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像が与えられた場合には、差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥が検出される際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータが与えられた場合には、これら検出閾値や欠陥検出パラメータを参照値として決定してよい。
【0071】
参照値の決定に際して、参照値決定部21は、各検査部分画像81毎、あるいは検査画像を所定の画素数毎に区分けした部分画像毎に、1つの参照値を決定してもよい。このようが参照値を決定する単位となる部分画像を、本明細書において「参照値決定単位画像」と示すことがある。例えば、参照値決定部21は、ある参照値決定単位画像において複数の欠陥が検出された場合には、これらの欠陥のうちのいずれかに関して決定された参照値を代表値として、参照値決定単位画像毎の参照値を決定してよい。または参照値決定単位画像内の欠陥のそれぞれに関して決定された参照値同士の所定の演算値を求めて参照値決定単位画像毎の参照値としてよい。
【0072】
図20に戻り、分布情報決定部22は、半導体ウエハ3を撮像した検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域(マクロ領域)について、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81において検出された各欠陥に関して決定された参照値の分布情報を決定する。マクロ領域についての説明は上記に例示したとおりである。
分布情報決定部22は、マクロ領域に関する参照値の分布情報として、あるマクロ領域に含まれる複数の検査部分画像81毎に、この検査部分画像81において検出された各欠陥のいずれかに関して決定された参照値の分散値を決定してもよい。または、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81のそれぞれにおいて検出された欠陥に関して決定された参照値の集合を分布情報として決定してよい。
【0073】
また、上述のように参照値決定単位画像毎に参照値を決定した場合には、マクロ領域を1つの参照値決定単位画像よりも大きな領域として定め、このマクロ領域における、参照値決定単位画像毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
さらに、欠陥出力可否判定部23は、マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件としての検出閾値を再設定し、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81において検出された欠陥情報の出力可否を、再設定した欠陥検出条件の下で判定する。
欠陥出力可否判定部23は、例えば、欠陥検出部8において検出された各欠陥に係る欠陥情報を入力して、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる検出閾値を、この欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正することによって再設定し、また欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、グレイレベル差が検出閾値を超える場合に当該欠陥情報を真の欠陥であるとして出力を許可する。反対にグレイレベル差が検出閾値を超えない場合には当該欠陥情報を疑似欠陥であったとして出力を禁止する。
【0074】
また、欠陥出力可否判定部23は、例えば、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる欠陥検出パラメータ(例えば上記近似直線の傾きaや切片b)を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正し、補正された近似曲線によって検出閾値を再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、当該欠陥情報の出力可否を判定してもよい。
このように、欠陥検出部8において検出された各欠陥を、欠陥出力可否判定部23が再設定した欠陥検出条件の下で再度検出することにより、マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件が変更される。
【0075】
あるマクロ領域に関する分布情報が、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、欠陥出力可否判断部23は、分布情報に含まれる各参照値のうち本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定する。例えば、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。
欠陥出力可否判断部23は、例えば、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81(上述の参照値決定単位画像でもよい)についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。そして、これらの参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定してよい。
また、あるマクロ領域に関する分布情報が、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81毎に決定された参照値の分散値として決定される場合には、欠陥出力可否判定部23は、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定された分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を再設定する。
【0076】
このように、本画像欠陥検査装置10によれば、欠陥検出のための画像比較を行う画像の単位である検査部分画像81(ロジカルフレーム)よりも大きな(広い)マクロ領域毎に、検査部分画像81や参照画像に含まれる画素値の平均値等の分布情報を得ることができるため、広いマクロ領域におけるグレイレベル値の変動を観察して、色ムラの有無を検出することを可能とする。
そして、このような分布情報に従って欠陥検出条件を再設定して、再設定した欠陥検出条件の下で欠陥情報の出力可否を判定することにより、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥の出力を防止することが可能となる。
【0077】
なお、図4の(A)〜図4の(C)を参照して上述した通り、検出閾値計算部7は、検出閾値や欠陥検出パラメータを、検査部分画像81及び参照画像の画素値に基づいて計算する。したがって、これら検出閾値や欠陥検出パラメータの分布情報もまた、検査画像の色ムラの検出に利用することが可能である。このとき、欠陥出力可否判定部23は、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81について算出した検出閾値又は欠陥検出パラメータを、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。
【0078】
ところで、欠陥情報作成部9は、検査画像80上の予め定められた複数の箇所毎に、各箇所における欠陥の有無に関わらずに上記の画素値関連情報を定めて、この画素値関連情報を含むダミーの欠陥情報を作成することとしてよい。これにより参照値決定部21は、欠陥の有無に関わらずに検査画像80上の予め定められた複数の箇所毎の参照値を決定することが可能となる。例えば検査画像全体に均一に分散する定点を画素値関連情報を定める箇所として定めておけば、検査画像80全体に均一に分散する定点における参照値の分布情報を取得することが可能となる。
【0079】
このとき欠陥情報作成部9は、画素値関連情報として、例えば、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81やこのこれに対応する参照画像82を欠陥情報に含めてもよく、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像を含めてもよい。または欠陥情報作成部9は、画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81について決定した検出閾値や欠陥検出パラメータを欠陥情報に含めてもよい。
【0080】
そして参照値決定部21は、画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81やこのこれに対応する参照画像82が与えられた場合には、これらの画像のどちらか一方または両方の画像内の所定の位置の画素値や、これらの画像のどちらか一方または両方の画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0081】
画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像が与えられた場合には、差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81について決定した検出閾値や欠陥検出パラメータが与えられた場合には、これら検出閾値や欠陥検出パラメータを参照値として決定してよい。
【0082】
このとき、例えばダミーの欠陥情報、すなわち1つの画素値関連情報や参照値を作る位置は、半導体ウエハ3上に複数形成されたチップ(ダイ)3a内の所定の位置を撮像した位置としてよい。緩やかに明度差が変化するような色ムラが発生している場合には、検査画像中の広い範囲で分布情報を取得する必要があるが、このように比較的大きな範囲毎に参照値を決定することによって、参照値の計算量を節約することができる。
このように参照値を作成する画素値等の所得位置を各チップの同じ位置と定めると、各チップを撮像した画像は本来同一であると予定されるので、参照値を作成する基となる画素値関連情報も本来同じ値を有すると予定することができ、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0083】
また、検査対象である半導体ウエハ3表面に形成されるパターンが光学又は電子ビームによる露光工程(リソグラフィ工程)で形成される場合には、欠陥情報作成部9がダミーの欠陥情報、すなわち1つの画素値関連情報や参照値を作る位置は、検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲内の所定の位置を撮像した位置としてもよい。
このように参照値を作成する画素値等の所得位置を各レチクルショットで露光される範囲の同じ位置と定めると、各レチクルショットで露光される範囲を撮像した画像は本来同一であると予定されるので、参照値を作成する基となる画素値関連情報も本来同じ値を有すると予定することができ、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に利用可能である。特に、半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出するために、半導体回路ウエハ表面を撮像してその撮像画像と参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来の半導体回路用の外観検査装置のブロック図である。
【図2】半導体ウエハ上のダイの配列を示す図である。
【図3】(A)は図1の撮像装置をウエハに対して相対的に走査したときに得られる撮像画像の説明図であり、(B)は画像欠陥検査において比較される検査部分画像と参照画像を説明する図である。
【図4】従来の画像欠陥検査方法を説明する図である。
【図5】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第1実施例のブロック図である。
【図6】ロジカルフレームの説明図である。
【図7】マクロ領域を説明する図である。
【図8】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第2実施例のブロック図である。
【図9】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第3実施例のブロック図である。
【図10】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第4実施例のブロック図である。
【図11】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第1実施例のブロック図である。
【図12】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第2実施例のブロック図である。
【図13】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第3実施例のブロック図である。
【図14】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第4実施例のブロック図である。
【図15】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第5実施例のブロック図である。
【図16】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第6実施例のブロック図である。
【図17】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第7実施例のブロック図である。
【図18】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第8実施例のブロック図である。
【図19】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第9実施例のブロック図である。
【図20】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第5実施例のブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ステージ
2 試料台
3 半導体ウエハ
4 撮像装置
5 画像記憶部
6 差分検出部
7 検出閾値計算部
8 欠陥検出部
10 画像欠陥検査装置
21 参照値決定部
22 分布情報決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に関する。特に、半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出するために、半導体回路ウエハ表面を撮像してその撮像画像と参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法を対象とする。ここでは半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出する外観検査装置(インスペクションマシン)を例として説明を行なうが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0003】
一般の外観検査装置は、対象表面を垂直方向から照明してその反射光の像を捕らえる明視野検査装置であるが、照明光を直接捕らえない暗視野検査装置も使用されている。暗視野検査装置の場合、対象表面を斜め方向又は垂直方向から照明して正反射は検出しないようにセンサを配置し、照明光の照射位置を順次走査することにより対象表面の暗視野像を得る。従って、暗視野装置ではイメージセンサを使用しない場合もあるが、これも当然発明の対象である。このように、本発明は、同一であるべき2つの画像(信号)の対応する部分を比較して、差が大きな部分を欠陥と判定する画像処理方法及び装置であれば、どのような方法及び装置にも適用可能である。
【0004】
半導体製造工程では、半導体ウエハ上に多数のチップ(ダイ)を形成する。各ダイには何層にも渡ってパターンが形成される。完成したダイは、プローバとテスタにより電気的な検査が行われ、不良ダイは組み立て工程から除かれる。半導体製造工程では、歩留まりが非常に重要であり、上記の電気的な検査の結果は製造工程にフィードバックされて各工程の管理に使用される。しかし、半導体製造工程は多数の工程で形成されており、製造を開始してから電気的な検査が行われるまで非常に長時間を要するため、電気的な検査により工程に不具合があることが判明した時には既に多数のウエハは処理の途中であり、検査の結果を歩留まりの向上に十分に生かすことができない。そこで、途中の工程で形成したパターンを検査して欠陥を検出するパターン欠陥検査が行われる。全工程のうちの複数の工程でパターン欠陥検査を行なえば、前の検査の後で発生した欠陥を検出することができ、検査結果を迅速に工程管理に反映することができる。
【0005】
図1に、本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置のブロック図を示す。図示するように、2次元又は3次元方向に自在に移動可能なステージ1の上面に試料台(チャックステージ)2が設けられている。この試料台の上に、検査対象となる半導体ウエハ3を載置して固定する。ステージの上部には1次元又は2次元のCCDカメラなどを用いて構成される撮像装置4が設けられており、撮像装置4は半導体ウエハ3上に形成されたパターンの画像信号を発生させる。
【0006】
図2に示すように、半導体ウエハ3上には、複数のダイ3aが、X方向とY方向にそれぞれ繰返し、マトリクス状に配列されている。各ダイには同じパターンが形成されるので、隣接するダイの対応する部分の画像を比較するのが一般的である。両方のダイに欠陥がなければグレイレベル差は小さく、一方に欠陥があればグレイレベル差は閾値より大きくなるため、このグレイレベル差を所定の検出閾値と比べることで欠陥を検出する(シングルディテクション)。これではどちらのダイに欠陥があるか分からないので、更に異なる側に隣接するダイとの比較を行ない、同じ部分のグレイレベル差が閾値より大きくなればそのダイに欠陥があることが分かる(ダブルディテクション)。
【0007】
撮像装置4は、TDI撮像素子などで実現される1次元のCCDカメラを備え、カメラが半導体ウエハ3に対してX方向又はY方向に一定速度で相対的に移動(スキャン)するようにステージ1を移動する。1回の主走査方向での走査によって、図3の(A)に点線で区切って示される、撮像装置4の撮像幅Wsと同じ幅の帯状の領域(スォッス:swathと呼ばれる)を撮像した画像信号80が撮像装置4から出力され、この画像信号は多値のディジタル信号(グレイレベル信号)に変換されて画像記憶部5に記憶される。
【0008】
その後走査を続けて、ダイ3aから隣のダイ3bの分までグレイレベル信号(検査画像信号)が生成されると、差分検出部6は、図3の(B)に示すような隣り合った2つのダイ3a及び3bのそれぞれの同じ部分の小さな部分画像81及び82(ロジカルフレームと呼ばれる)のグレイレベル信号(基準画像信号)を画像記憶部5から読み出して、差分検出部6に入力する。実際には微小な位置合わせ処理などが行われるがここでは詳しい説明は省略する。
【0009】
差分検出部6には隣接する2個のダイ3a及び3bの同じ部分の部分画像81及び82のグレイレベル信号が入力され、その一方を検査部分画像とし他方を参照画像として、各々の対応する画素同士のグレイレベル信号の差(グレイレベル差)が演算されて検出閾値計算部7と欠陥検出部8に出力される。検出閾値計算部7は、グレイレベル差の分布に応じて自動的に検出閾値を決定し、欠陥検出部8に出力する。欠陥検出部8は、グレイレベル差を決定された閾値と比較し、欠陥かどうかを判定する。そして欠陥検出部8は、欠陥と判定された部分について、各欠陥毎に、その欠陥の位置やグレイレベル差、検出時の検出閾値やこの検出閾値を決定する際に使用される欠陥検出パラメータなどを含む欠陥情報を出力する。
【0010】
その後、欠陥と判定された部分を更に詳細に調べるため、欠陥情報は自動欠陥分類(ADC)装置に供される(図示せず)。自動欠陥分類装置では、欠陥と判定された部分が歩留に影響する真の欠陥であるか、それとも撮像画像のノイズなどの影響によって誤検出した疑似欠陥であるか、またはどのような種類の欠陥(配線ショート、パターン欠損もしくはパーティクル等)であるかを判定する欠陥分類処理を行っている。
この欠陥分類処理では、欠陥の部分を詳細に調べる必要があるため長い処理時間を必要とする。そのため、欠陥を判定する場合には、真の欠陥は漏らさず、且つ真の欠陥以外はできるだけ欠陥と判定しないことが要求される。
【0011】
そこで、閾値の設定が大きな問題になる。閾値を小さくすると欠陥と判定される画素(ピクセル)が増加し、真の欠陥でない部分まで欠陥と判定されることになり、その結果として欠陥分類処理に要する時間が長くなるという問題を生じる。逆に、閾値を大きくしすぎると真の欠陥まで欠陥でないと判定されることになり、検査が不充分になるという問題を生じる。
【0012】
本特許出願の出願人が、特願2003−188209(下記特許文献1)にて提案する外観検査装置では、検出閾値計算部7は、検査部分画像と参照画像の対応する画素同士のグレイレベル差の分布に応じて検出閾値を決定する。
検出閾値計算部7は、差分検出部6から、対比される2個の部分画像81及び82に含まれる各画素のグレイレベル差信号を入力すると、図4の(A)に示すようなヒストグラムを作成する。そして図4の(B)に示すような累積頻度を算出し、このグレイレベル差の分布が所定の分布に従っているとの仮定の下で、累積頻度がグレイレベル差に対してリニアな関係になるように変換した変換累積頻度を算出する(図4の(C)参照)。
【0013】
その後、この変換累積頻度の近似直線を算出して、この算出した近似直線に基づいて所定の累積頻度の値から所定の算出方法に従って閾値を決定する。例えば図4の(C)の例では、算出された近似曲線の傾きをaとし、縦軸に対する近似曲線の切片(すなわちグレイレベル差が0となる累積頻度)をbとすると(これら傾きa及び切片bを欠陥検出パラメータとよぶことがある)、閾値Tは、次式(1)により算出される。
T=(P1−b+VOP)/a+HO (1)
ここで、P1は所定の累積確率(p)に対応する累積頻度であり、VOP、HOは所定の感度設定パラメータである。
【0014】
【特許文献1】特開2004−177397号公報
【特許文献2】特開平4−107946号公報
【特許文献3】特許第2996263号公報
【特許文献4】特開2002−22421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
半導体ウエハ表面を撮像した実際の検査画像では、同じプロセスによって形成されたウエハを同じ状態で撮像した検査画像であっても、異なる明度(グレイレベル値)の画像となったり、また1つのウエハ内においても、本来同じ明度で撮像されるべき領域が異なる明度で撮像されるといった、いわゆる「色ムラ」が発生することがある。
このように色ムラがある検査画像を用いて欠陥検査を行うと、本来欠陥でない部分までグレイレベル差が大きくなって欠陥として検出され疑似欠陥の増大を招く。
【0016】
ところが、半導体ウエハ表面の撮像画像に生じる色ムラの場合には、ウエハ表面上の位置の違いに対する明度の変動が、欠陥検査を行う画像の単位であるロジカルフレームの大きさに比較して緩やかであるため、1つのロジカルフレーム内におけるグレイレベル値の変動を観察しても色ムラの有無を検出することができなかった。
【0017】
上記問題点に鑑み、本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査において、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明では、検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて定まる参照値を決定し、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定し、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【0019】
また、本発明では、検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において検査対象に関する所定の測定値を測定し、測定された前記所定の測定値に応じて定まる参照値をそれぞれ決定し、この所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、マクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行う。
【発明の効果】
【0020】
検査対象上の所定の大きさの領域毎に取得された画素値や検査対象の測定値に基づいて決定される参照値について、この所定の大きさの領域よりも広いマクロ領域における分布情報を算出することによって、検査対象を撮像した撮像画像の広い範囲に生じる色ムラを検出することが可能となる。
そして算出された分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことによって、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図5は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第1実施例のブロック図である。図5に示す画像欠陥検査装置10は、図1を参照して説明した従来の外観検査装置10に類似する構成を有しており、したがって同一の構成要素には同じ参照符号を付して示し、説明を省略する。
【0022】
検査対象である半導体ウエハ3を乗せたステージ1を移動させることによって、TDI撮像素子などで実現される1次元のCCDカメラを備えた撮像装置4を、半導体ウエハ3に対してX方向又はY方向に一定速度で相対的に走査させると、1回の主走査方向での走査によって、図3の(A)に点線で区切って示されるような撮像装置4の撮像幅Wsと同じ幅の帯状の領域を撮像した検査画像が得られ、この検査画像は多値のディジタル信号(グレイレベル信号)に変換されてから画像記憶部5に記憶される。
図5に戻り、そのまま走査を続行すると、ダイ3aから隣のダイ3bの分までグレイレベル信号(検査画像信号)が生成される。差分検出部6は、図3の(B)に示すような隣り合った2つのダイ3a及び3bのそれぞれの同じ部分の小さな部分画像(ロジカルフレーム)81及び82のグレイレベル信号(基準画像信号)を画像記憶部5から読み出して、差分検出部6に入力する。
【0023】
差分検出部6には隣接する2個のダイ3a及び3bの同じ部分の部分画像81及び82のグレイレベル信号が入力され、その一方を検査部分画像とし他方を参照画像として、各々の対応する画素同士のグレイレベル信号の差(グレイレベル差)を演算して、検出閾値計算部7と欠陥検出部8に出力する。
【0024】
ここに、部分画像81は、図6において点線で挟まれた領域の間に示される幅Wsの帯状の検査画像80(スォッス)を、一点鎖線で示すように複数に分割して切り出される。このため、これら部分画像81は、本発明の特許請求の範囲に係る検査部分画像を成す。また部分画像81と比較される部分画像82は、検査部分画像と比較される参照画像を成す。
また、部分画像81は、検査対象である半導体ウエハ3を所定の大きさの領域毎に撮像した画像であるから、本発明の特許請求の範囲に係る、検査対象上の所定の大きさの領域毎にこれら各領域を撮像した画像を成す。
また、部分画像81は、検査画像を所定の大きさ毎に分割して切り出されるため、これらは本発明の特許請求の範囲に係る画像ブロックを成す。
【0025】
なお、本実施例の画像欠陥検査装置10では、隣り合った2つのダイのロジカルフレームの一方を参照画像として使用する。しかし、これに代えて過去に撮像した理想的なウエハ3の撮像画像のサンプルを参照画像として使用してもよく、また複数のウエハ3の撮像画像のサンプルを、例えば各画素毎に平均する等して作成されるサンプル(いわゆる「ゴールデンイメージ」)を参照画像として使用してもよく、または半導体ウエハ3の表面に形成されるパターンの設計データ(例えばCADデータ)などから、シミュレーションによって理想的に作成された画像を参照画像として使用してもよい。
【0026】
検出閾値計算部7は、欠陥検出条件である検出閾値を、グレイレベル差の分布に応じて自動的に決定し、欠陥検出部8に出力する。
検出閾値計算部7による検出閾値の決定は、図4の(A)〜図4の(C)を参照して説明したように、差分検出部6から対比される2個の部分画像81及び82に含まれる各画素のグレイレベル差信号を入力してそのヒストグラム(図4の(A)参照)を作成し、続いてその累積頻度を算出し(図4の(B)参照)、入力されたグレイレベル差の分布が所定の分布に従っているとの仮定の下で累積頻度がグレイレベル差に対してリニアな関係になるように変換した変換累積頻度を算出し(図4の(C)参照)、その後、この変換累積頻度の近似直線を算出して(すなわち欠陥検出パラメータである近似曲線の傾きa及び切片bを算出して)、この算出した近似直線に基づいて所定の累積頻度の値から上記のような所定の算出方法に従って閾値を決定する。
【0027】
欠陥検出部8は、グレイレベル差を決定された閾値と比較し、欠陥かどうかを判定する。そして欠陥検出部8は、欠陥と判定された部分について、各欠陥毎に、その欠陥の位置やグレイレベル差、検出時の検出閾値や欠陥検出パラメータなどを含む欠陥情報を出力する。
【0028】
画像欠陥検査装置10は、図6に示すように、検査画像80を所定の大きさ毎に分割した画像ブロックでもある部分画像(ロジカルフレーム)81毎に、これら部分画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部21を備える。
参照値決定部21は、例えば、画像ブロックである各部分画像81に含まれる複数の画素の平均値、分散値、最大値、又は最小値を参照値として決定してよい。または、参照値決定部21は、例えば、各部分画像81に含まれる全ての画素の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよい。
また参照値決定部21は、画像ブロックである各部分画像81に含まれる全ての画素のうち部分画像81内の所定の範囲に存在する画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよく、部分画像81内の所定の位置に存在する画素の画素値を参照値として定めてもよい。
さらに参照値決定部21は、各部分画像81及びこれらと差分検出部6において比較されるべき参照画像との差画像に含まれる全ての画素の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてよく、このような差画像のうち所定の範囲に存在する画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、又はこれら最大値と最小値との中間値若しくは差を参照値として定めてもよい。
【0029】
図5に戻り、さらに画像欠陥検査装置10は、参照値を算出する単位である画像ブロック(上記の例では部分画像81)を複数含んで構成される所定のマクロ領域について、マクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の分布情報を算出する分布情報決定部22を備える。
ここで、上記マクロ領域は、例えば図7において二点鎖線で示すような、複数の部分画像81を含んで構成される領域としてよい。分布情報決定部22は、あるマクロ領域に関する分布情報を、このマクロ領域に含まれる複数の画像ブロック(すなわち部分画像81)毎に決定された参照値の集合として決定する。またこれら複数の参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定してもよい。
【0030】
またさらに、画像欠陥検査装置10は、各マクロ領域において決定された分布情報に応じて各マクロ領域における欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、マクロ領域において欠陥検出部8により検出された欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定する欠陥出力可否判定部23を備える。
欠陥出力可否判定部23は、例えば、欠陥検出部8において検出された各欠陥に係る欠陥情報を入力して、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる検出閾値を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正することによって再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、グレイレベル差が検出閾値を超える場合に当該欠陥情報を真の欠陥であるとして出力を許可する。反対にグレイレベル差が検出閾値を超えない場合には当該欠陥情報を疑似欠陥であったとして出力を禁止する。
【0031】
また、欠陥出力可否判定部23は、例えば、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる欠陥検出パラメータ(例えば上記近似直線の傾きaや切片b)を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正し、補正された近似曲線によって検出閾値を再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、当該欠陥情報の出力可否を判定してもよい。
このように、欠陥検出部8において検出された各欠陥を、欠陥出力可否判定部23が再設定した欠陥検出条件の下で再度検出することにより、各マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件が変更される。
【0032】
あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、欠陥出力可否判断部23は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定する。例えば、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。
欠陥出力可否判断部23は、例えば、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。そして、これらの参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定してよい。
あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定される場合には、欠陥出力可否判定部23は、分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を再設定する。
【0033】
なお、上記又は下記の説明において、参照値を算出する単位である検査画像を分割した画像ブロックの単位を、差分検出部6が1回の画像比較を行う単位である部分画像(ロジカルフレーム)としたが、これ以外にも画像ブロックの大きさ(単位)は自由に定めてよい。
例えば、上記画像ブロックは、半導体ウエハ表面に形成されたチップ(ダイ)3aの1つ分を撮像した画像を一単位として(すなわち、1つのチップ3aを撮像した画像を1つの画像ブロックとするように)画像ブロックの単位を定めてもよい。緩やかに明度差が変化するような色ムラが発生している場合には、検査画像中の広い範囲で分布情報を取得する必要があるが、このように比較的大きな画像ブロックを設定することによって、参照値の計算量を節約することができる。
このようにチップ1つ分を撮像した画像毎に各画像ブロックを定めるとすると、各チップを撮像した画像は本来同一であると予定されるので、各画像ブロックが本来同じ画像となるように画像ブロックを定めたり、各画像ブロックについて決定する参照値が本来同一となるように参照値の決定方法を定めることが可能であるため、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0034】
また、検査対象である半導体ウエハ表面に形成されるパターンが光学又は電子ビームによる露光工程(リソグラフィ工程)で形成される場合には、パターンを半導体ウエハ表面上に露光する際にウエハ表面上で露光パターンが結像しない状態(デフォーカス状態)で露光されて不良品を生ずることがある。このようなデフォーカス状態で露光されパターンが形成された半導体ウエハの場合、その表面の撮像画像にも色ムラが観測される。この色ムラは、1回のレチクルショットで露光される範囲毎に(すなわち1枚の露光マスクで同時に露光される範囲毎に)明度差が変わる態様で発生するため、1回のレチクルショットで複数のチップ(ダイ)が露光される場合には、さらに広い範囲で分布情報を取得する必要がある。
したがって、参照値決定部21は、検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、画像ブロックの単位として定めるようにしてもよい。
このように1回のレチクルショットで露光される範囲の画像毎に各画像ブロックを定めると、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像は本来同一となると予定されるので、各画像ブロックが本来同じ画像となるように画像ブロックを定めたり、各画像ブロックについて決定する参照値が本来同一となるように参照値の決定方法を定めることが可能であるため、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0035】
図8は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第2実施例のブロック図である。本実施例に係る画像欠陥検査装置10では、参照値決定部21は、各画像ブロック毎に、それぞれの画像ブロック内における欠陥検出で使用された欠陥検出条件である検出閾値を参照値として決定する。
上述の通り検出閾値計算部7は、各検査部分画像81に含まれる各画素の画素値、基準画像の各画素の画素値とのグレイレベル差の分布に応じて検出閾値を定めるので、かかる検出閾値の分布状態を参照しても、検査画像に生じる色ムラを検出することができる。
そのため、図8に示す例では、参照値決定部21は、画像ブロックである各検査部分画像81で検出される欠陥情報を欠陥検出部8から入力して、各々の欠陥情報に含まれる当該欠陥の検出時に使用された検出閾値を参照値として決定する。
【0036】
または、参照値決定部21は、各画像ブロック毎に、それぞれの画像ブロック内における欠陥検出で使用された欠陥検出条件である検出閾値を決定する際に使用された欠陥検出パラメータ(図4を参照して説明した検出閾値決定方法の例では、近似直線の傾きaや切片b)を参照値として決定してもよい。
この場合、図8に示す例では、参照値決定部21は、画像ブロックである各検査部分画像81で検出される欠陥検出パラメータを欠陥検出部8から入力して、各々の欠陥情報に含まれる当該欠陥の検出時に使用された欠陥検出パラメータを参照値として決定する。
【0037】
図9は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第3実施例のブロック図である。図5及び図8に示した実施例では、検出閾値計算部7が自動的に検出閾値を算出して、欠陥検出部8は決定した検出閾値の下で欠陥検出を行っておき、その後に欠陥出力可否判断部23において検出閾値を再設定して、検査結果として出力する欠陥か否かを再度判定した。
本実施例に係る画像欠陥検査装置10では、欠陥検出部8による欠陥検出に先だって、分布情報決定部22が上述した分布情報を決定しておき、かかる分布情報に基づいて検出閾値計算部7が欠陥検出条件である検出閾値を決定してから欠陥検出部8による欠陥検出を行う。
【0038】
ここで、検出閾値計算部7は上記分布情報のみに基づいて検出閾値や上記欠陥検出パラメータを決定してもよく、または図4を参照して上述した検出閾値の算出方法に従って検出閾値の初期値を定めておき分布情報に応じてこれを補正してもよい。
このとき、あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を設定する。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。また、あるマクロ領域に関する分布情報が、分布情報決定部22によってこのマクロ領域に含まれる画像ブロック毎に決定された各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定される場合には、検出閾値計算部7は、分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を設定する。
ここで、参照値を決定する一単位である画像ブロックが、検査部分画像(ロジカルフレーム)のようにチップ1つを撮像した画素数よりも小さな画素数の画像ブロックとして定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの画像ブロックについてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。
また、画像ブロックが、チップ1つを撮像した画像毎、あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲の画像の1つを撮像した画像毎に定められる場合には、各画像ブロックが本来同一の画像となるようにブロックを定めたり、各ブロックについて決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、各画像ブロックについてぞれぞれ決定される参照値は同じ値となると予定することができる。
【0039】
分布情報決定部22により取得すべき分布情報は、検査対象の比較的広い範囲における明度差の分布を示すものであるから、参照値決定部21が参照値を決定するために必要とする画像解像度は、欠陥検出部8が欠陥検出を行うために必要とする画像解像度よりも低いもので足りる。したがって、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像と異なる画像であってよい。
すなわち、参照値決定部21は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像と異なる、半導体ウエハ3の撮像画像の画素の画素値に応じて参照値を決定することとしてよい。
【0040】
例えば、図9に示す例では、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を第1の画像記憶部5に記憶するとともに、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像を第2の画像記憶部25に記憶する。そして第2の画像記憶部25には、撮像装置4から出力される画像信号のうち、所定のピッチで画素を間引いた撮像画像を記憶する。または、第2の画像記憶部25を第1の画像記憶部5と別個に設けることなく、参照値決定部21は第1の画像記憶部5に記憶された画像信号を、所定のピッチで画素を間引いて入力してもよい。
また例えば、第2の画像記憶部25には、撮像装置4を使用して、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を撮像するときよりも、高速かつ低倍率で撮像した撮像画像を記憶してもよい。
【0041】
図10は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第4実施例のブロック図である。本実施例による画像欠陥検査装置10は、欠陥検出部8が欠陥検出を行う際に使用する検査画像を撮像する第1の撮像装置4とは別個に、参照値決定部21が参照値を決定する際に使用する撮像画像を撮像する第2の画像記憶部24を備える。
すなわち、参照値決定部21は、検査画像を得る第1の撮像装置4とは別個に、半導体ウエハ3を撮像するために設けられた、第2の撮像装置24によって撮像された撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて参照値を決定する。
【0042】
検査画像を撮像する第1の撮像装置4とは別個に第2の撮像装置24を設けることにより、参照値決定部21及び分布情報決定部22が、欠陥検出部8による欠陥検出と平行して、それぞれ参照値及び分布情報を決定するように、画像欠陥検査装置10を構成することが容易となる。また上述した理由により、第2の撮像装置24は第1の撮像装置4よりも低い解像度や低い倍率で撮像する撮像装置であってよい。
【0043】
図11は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第1実施例のブロック図である。参照値決定部21及び分布情報決定部22がそれぞれ参照値及び分布情報を決定するために使用する撮像画像は、画像欠陥検査装置10に設けられた撮像装置によって撮像されたものに限定される必要はない。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10に設けられた撮像装置とは別に用意された撮像装置によって半導体ウエハ3を撮像した撮像画像を使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0044】
このため、図11に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、この画像欠陥検査装置10とは別個に、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3の撮像画像を取得する撮像装置50と、を備える。
撮像装置50は、検査対象である半導体ウエハ3を撮像する撮像装置51と、撮像装置51によって撮像された撮像画像などのデータを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部52を備える。
【0045】
一方で、画像欠陥検査装置10には、撮像装置50から出力された撮像画像データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。撮像装置50側のデータ出力部52と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、有線又は無線の信号伝達経路を経由したオンライン方式で行われてよく、または、フレキシブルディスク、CD−ROM、リムーバブルメディアなどの情報記憶媒体を介したオフライン方式で行うこととしてよい。
【0046】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、撮像装置50がこれら各領域を撮像した撮像画像に含まれる画素値に応じて、上述と同様に参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像した画像についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域を撮像した画像が本来同一の画像となるように上記所定の大きさの領域を定めたり、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0047】
図12は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第2実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、撮像装置51がこれら各領域を撮像した撮像画像に含まれる画素値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部53を、撮像装置50側に設ける。
そしてデータ出力部52は、撮像画像データに代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に撮像装置50側の参照値決定部53が決定した参照値の分布情報を決定する。そして、検出閾値計算部7は、図11を参照して上記説明した方法と同様に、決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0048】
図13は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第3実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部54を、撮像装置50側に設ける。
そしてデータ出力部52は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、図11を参照して上記説明した方法と同様に、撮像装置50から入力した分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0049】
図14は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第4実施例のブロック図である。
半導体ウエハ3を撮像した検査画像に生じる色ムラは、半導体ウエハ3表面に形成された絶縁層などの透明又は半透明な膜の膜厚の変動によって生じるので、半導体ウエハ3表面に形成された膜の膜厚をウエハ3の各箇所で測定し、この測定値を参照値としてその分布情報を作成することによっても、色ムラを検出することが可能である。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10とは別に用意された膜厚測定装置によって測定された半導体ウエハ3各箇所の膜厚データを使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0050】
このため、図14に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3表面に形成された膜厚の膜厚値を測定する膜厚測定装置60と、を備える。
膜厚測定装置60は、検査対象である半導体ウエハ3の表面に形成された絶縁層などの透明又は半透明な膜の膜厚を測定する膜厚測定部61と、この膜厚測定データを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部62を備える。
【0051】
一方で、画像欠陥検査装置10には、膜厚測定装置60から出力された膜厚測定データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。膜厚測定装置60側のデータ出力部62と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、上記例示したオンライン方式またはオフライン方式で行うこととしてよい。
【0052】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、膜厚測定装置60がこれら各領域において測定した膜厚測定値に応じて、上述のように参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一箇所で測定した測定値についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域内で測定した測定値が本来同一の測定値となるように各領域における測定箇所を定めたり(例えば、各チップや各レチクルショット内の同じ位置同士で測定する等)、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0053】
図15は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第5実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、膜厚測定部61がこれら各領域において測定した膜厚測定値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部63を、膜厚測定装置60側に設ける。
そしてデータ出力部62は、膜厚測定値データに代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に撮像装置60側の参照値決定部63が決定した参照値の分布情報を決定する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、決定した分布情報に応じて図14を参照して上記説明したように欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0054】
図16は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第6実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部64を、膜厚測定装置60側に設ける。
そしてデータ出力部62は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、膜厚測定装置60から入力した分布情報に応じて図14を参照して上記説明したように欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0055】
図17は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第7実施例のブロック図である。半導体ウエハ3表面を撮像した撮像画像に明度差(色ムラ)が生じる場合には、半導体ウエハ3上に形成されたパターンの最小寸法のクリティカルディメンジョン(critical dimensions)にもバラツキが発生するため、半導体ウエハ3表面の各箇所に形成されたクリティカルディメンジョンの寸法を走査型電子顕微鏡などで測定し、この測定値を参照値としてその分布情報を作成することによっても、色ムラを検出することが可能である。
すなわち、参照値決定部21及び分布情報決定部22は、画像欠陥検査装置10で半導体ウエハ3の外観検査を行う前に、画像欠陥検査装置10とは別に用意された走査型電子顕微鏡装置によって測定された半導体ウエハ3各箇所のクリティカルディメンジョン測定値を使用して、上記参照値及び上記分布情報をそれぞれ決定してもよい。
【0056】
このため、図17に示す画像欠陥検査システムでは、画像欠陥検査装置10と、画像欠陥検査装置10の検出閾値計算部7がその欠陥検出条件を定める際に使用する、上記参照値及上記分布情報を決定するために用いる、半導体ウエハ3表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョン寸法を測定する走査型電子顕微鏡装置70と、を備える。
【0057】
走査型電子顕微鏡装置70は、検査対象である半導体ウエハ3に照射する電子ビームEBを発生させる電子銃71と、電子ビームEBを半導体ウエハ3上で走査するための偏向器72と、半導体ウエハ3上で反射した電子ビームEBを検出する電子検出器73と、電子ビームEBを検出した電子検出器73の電流強度信号をディジタル形式の強度信号に変換する信号処理回路74と、この強度信号と電子ビームEBの走査位置に基づいて、半導体ウエハ3表面の高倍率画像を生成する画像生成部75と、画像生成部75が生成した画像に現れるパターンのクリティカルディメンジョンを測定するCD測定部76と、このクリティカルディメンジョン測定値データを、画像欠陥検査装置10に出力するためのデータ出力部77を備える。
【0058】
一方で、画像欠陥検査装置10には、膜厚測定装置60から出力されたクリティカルディメンジョン測定値データを入力するためのデータ入力部26が設けられる。走査型電子顕微鏡装置70側のデータ出力部77と画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26との間のデータのやりとりは、上記例示したオンライン方式またはオフライン方式で行うこととしてよい。
【0059】
そして、画像欠陥検査装置10に設けられた参照値決定部21は、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、走査型電子顕微鏡装置70がこれら各領域において測定したクリティカルディメンジョン測定値に応じて、上述のように参照値をそれぞれ決定する。
また、分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
そして、検出閾値計算部7は、マクロ領域において決定された分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。このとき検出閾値計算部7は、分布情報に含まれる各参照値のうち、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように検出閾値を変える。例えば、このバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を変える。
ここで、参照値を決定する一単位である上記所定の大きさの領域が、チップ1つよりも小さな領域として定められる場合には、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一箇所で測定した測定値についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。また、上記所定の大きさの領域が、1つのチップの範囲毎あるいは1回のレチクルショットで露光される範囲毎に定められる場合には、上記所定の大きさの領域内で測定した測定値が本来同一の測定値となるように各領域における測定箇所を定めたり(例えば、各チップや各レチクルショット内の同じ位置同士で測定する等)、各領域について決定する参照値が本来同じ値となるようにその決定方法を定めることができるので、これら参照値は、同じ値となると予定することが可能である。
【0060】
図18は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第8実施例のブロック図である。本実施例では、検査対象である半導体ウエハ3上の所定の大きさの領域毎に、走査型電子顕微鏡装置70がこれら各領域において測定したクリティカルディメンジョン測定値に応じて、参照値をそれぞれ決定する参照値決定部78を、走査型電子顕微鏡装置70に設ける。
そしてデータ出力部77は、クリティカルディメンジョン測定値に代えて参照値データを画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の分布情報決定部22は、上記の所定の大きさの領域を複数含むように半導体ウエハ3上に定められるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に走査型電子顕微鏡装置70側の参照値決定部78が決定した参照値の分布情報を決定する。
【0061】
図19は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第9実施例のブロック図である。本実施例では、さらに、上記の所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、このマクロ領域に含まれる上記所定の大きさの領域毎に決定された参照値の分布情報を決定する分布情報決定部79を、走査型電子顕微鏡装置70側に設ける。
そしてデータ出力部77は、この分布情報を画像欠陥検査装置10に出力し、画像欠陥検査装置10側のデータ入力部26はこれを入力する。
画像欠陥検査装置10側の検出閾値計算部7は、膜厚測定装置60から入力した分布情報に応じて欠陥検出条件である検出閾値を変える。
【0062】
図20は、本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第5実施例のブロック図である。
本実施例による画像欠陥検査装置10では、まず、欠陥検出部8により検出された欠陥のそれぞれについて、欠陥情報作成部9が欠陥情報を予め定められた形式で作成する。
ここで、この欠陥情報の形式を、検出位置(欠陥位置)や欠陥位置における検査部分画像と基準画像とのグレイレベル差や、検査部分画像のうち欠陥の位置の画素を含む部分画像や、欠陥を検出する際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータといった、検出された欠陥に関する情報を含むように定めておく。このような部分画像や、検出閾値や欠陥検出パラメータは、検査画像80上の各箇所(この例では欠陥が検出された箇所)に対応して定まる画素や画像の画素値に応じて決定することができ、また検査画像80上の各箇所に対応して定めた画素や画像の画素値に応じて変動する情報であるため、以下本明細書において「画素値関連情報」と示す。
そして、この画素値関連情報に基づいて欠陥情報のそれぞれについて所定の参照値を決定し、さらに、各マクロ領域における参照値の分布情報を決定して、分布情報に応じて各マクロ領域における欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、各マクロ領域において検出された各欠陥情報の出力可否を判定する。
【0063】
参照値は、それぞれ検査画像上の複数箇所の画素値を反映するので、もし検査画像のほぼ全域に亘って欠陥情報が作成されれば、ある程度の広さを有するマクロ領域における参照値の分布情報を決定することにより、ある程度の広さの範囲内における画素値(グレイレベル値)の変動を観察して、色ムラの有無を検出することが可能となる。
そして、この分布情報に応じて変化するように欠陥検出条件を再設定して(分布のバラツキが大きい色ムラの大きなマクロ領域では欠陥検出感度が比較的低い欠陥検出条件を設定し、色ムラの小さなマクロ領域では欠陥検出感度が比較的高い欠陥検出条件を設定するなど)、再設定された欠陥検出条件の下で欠陥情報の出力可否を判定することによって、色ムラにより生じた疑似欠陥の出力を防止することが可能となる。
【0064】
以下、本実施例による画像欠陥検査装置10の各部の動作を詳述する。なお、本実施例による画像欠陥検査装置10は、図5を参照して上述した画像欠陥検査装置に類似する構成を有しているため、同様の構成要素には同じ参照番号を付することとし同じ参照番号を付せられた構成要素に関する同様の動作についての説明を省略する。
【0065】
欠陥検出部8は、差分検出部6から出力されるグレイレベル差と検出閾値計算部7から出力される検出閾値とを比較することにより欠陥を検出して、検出位置(欠陥位置)や欠陥位置における検査部分画像と基準画像とのグレイレベル差などの、検出された欠陥に関する情報を欠陥情報作成部9に出力する。欠陥情報作成部9は、検出された欠陥に関する情報を利用する自動欠陥分類装置や、表示装置、サーバーなどの他の装置へ、入力された欠陥に関する情報を出力するために、この情報を含む欠陥情報を、予め定められたフォーマットにしたがって欠陥毎に作成する。
【0066】
この欠陥情報のフォーマットは、自動欠陥分類装置による欠陥分類に使用するための様々な情報を欠陥情報に含めるように定義することが可能である。例えば、欠陥情報に検査部分画像81のうち欠陥の位置の画素を含む部分画像や、欠陥を検出する際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータといった上述の画素値関連情報も含められる。
欠陥情報に含めることができる画素値関連情報は、例えば、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81や、検査部分画像81に対応する参照画像82のうちこの欠陥の位置の画素を含む部分画像としてよい。また、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81や、この検査部分画像81に対応する参照画像82を画素値関連情報としてよい。
【0067】
また、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像を画素値関連情報としてもよく、欠陥が検出された検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像を画素値関連情報としてもよい。さらに、欠陥情報に示された欠陥が検出される際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータを含めてもよい。欠陥情報作成部9は、このような画素値関連情報を含めた欠陥情報を参照値決定部21に出力する。
【0068】
参照値決定部21は、欠陥情報に含められた画素値関連情報に応じて、欠陥情報毎に、すなわち画素値関連情報毎に、所定の参照値を決定する。
例えば参照値決定部21は、画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥が検出された検査部分画像81や、検査部分画像81に対応する参照画像82のうちこの欠陥の位置の画素を含む部分画像が与えられた場合には、これらの部分画像のどちらか一方または両方に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、参照値決定部21は、検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0069】
画素値関連情報として、検査部分画像81のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像とこの検査部分画像81に対応する参照画像82のうちの欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像が与えられた場合には、参照値決定部21は、この差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81や、この検査部分画像81に対応する参照画像82が与えられた場合には、これらの画像のどちらか一方または両方の画像内の所定の位置の画素値や、これらの画像のどちらか一方または両方の画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0070】
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥を検出した検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像が与えられた場合には、差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、欠陥情報に示された欠陥が検出される際に使用された検出閾値や欠陥検出パラメータが与えられた場合には、これら検出閾値や欠陥検出パラメータを参照値として決定してよい。
【0071】
参照値の決定に際して、参照値決定部21は、各検査部分画像81毎、あるいは検査画像を所定の画素数毎に区分けした部分画像毎に、1つの参照値を決定してもよい。このようが参照値を決定する単位となる部分画像を、本明細書において「参照値決定単位画像」と示すことがある。例えば、参照値決定部21は、ある参照値決定単位画像において複数の欠陥が検出された場合には、これらの欠陥のうちのいずれかに関して決定された参照値を代表値として、参照値決定単位画像毎の参照値を決定してよい。または参照値決定単位画像内の欠陥のそれぞれに関して決定された参照値同士の所定の演算値を求めて参照値決定単位画像毎の参照値としてよい。
【0072】
図20に戻り、分布情報決定部22は、半導体ウエハ3を撮像した検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域(マクロ領域)について、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81において検出された各欠陥に関して決定された参照値の分布情報を決定する。マクロ領域についての説明は上記に例示したとおりである。
分布情報決定部22は、マクロ領域に関する参照値の分布情報として、あるマクロ領域に含まれる複数の検査部分画像81毎に、この検査部分画像81において検出された各欠陥のいずれかに関して決定された参照値の分散値を決定してもよい。または、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81のそれぞれにおいて検出された欠陥に関して決定された参照値の集合を分布情報として決定してよい。
【0073】
また、上述のように参照値決定単位画像毎に参照値を決定した場合には、マクロ領域を1つの参照値決定単位画像よりも大きな領域として定め、このマクロ領域における、参照値決定単位画像毎に決定された参照値の分布情報を決定する。
さらに、欠陥出力可否判定部23は、マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件としての検出閾値を再設定し、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81において検出された欠陥情報の出力可否を、再設定した欠陥検出条件の下で判定する。
欠陥出力可否判定部23は、例えば、欠陥検出部8において検出された各欠陥に係る欠陥情報を入力して、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる検出閾値を、この欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正することによって再設定し、また欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、グレイレベル差が検出閾値を超える場合に当該欠陥情報を真の欠陥であるとして出力を許可する。反対にグレイレベル差が検出閾値を超えない場合には当該欠陥情報を疑似欠陥であったとして出力を禁止する。
【0074】
また、欠陥出力可否判定部23は、例えば、それぞれの欠陥の欠陥情報に含まれる欠陥検出パラメータ(例えば上記近似直線の傾きaや切片b)を、当該欠陥が属するマクロ領域について決定された分布情報に応じて補正し、補正された近似曲線によって検出閾値を再設定し、当該欠陥の欠陥情報に含まれているこの欠陥のグレイレベル差と再設定された検出閾値を比較して、当該欠陥情報の出力可否を判定してもよい。
このように、欠陥検出部8において検出された各欠陥を、欠陥出力可否判定部23が再設定した欠陥検出条件の下で再度検出することにより、マクロ領域について決定された分布情報に応じて欠陥検出条件が変更される。
【0075】
あるマクロ領域に関する分布情報が、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81毎に決定された参照値の集合として決定される場合には、欠陥出力可否判断部23は、分布情報に含まれる各参照値のうち本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定する。例えば、本来同じ値となると予定される参照値同士のバラツキが増大するのに応じて増大するように検出閾値を再設定する。
欠陥出力可否判断部23は、例えば、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81(上述の参照値決定単位画像でもよい)についてそれぞれ決定した参照値を、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。そして、これらの参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように欠陥検出条件を再設定してよい。
また、あるマクロ領域に関する分布情報が、このマクロ領域に含まれる検査部分画像81毎に決定された参照値の分散値として決定される場合には、欠陥出力可否判定部23は、本来同じ値となると予定される参照値同士の分散値として決定された分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、欠陥検出条件を再設定する。
【0076】
このように、本画像欠陥検査装置10によれば、欠陥検出のための画像比較を行う画像の単位である検査部分画像81(ロジカルフレーム)よりも大きな(広い)マクロ領域毎に、検査部分画像81や参照画像に含まれる画素値の平均値等の分布情報を得ることができるため、広いマクロ領域におけるグレイレベル値の変動を観察して、色ムラの有無を検出することを可能とする。
そして、このような分布情報に従って欠陥検出条件を再設定して、再設定した欠陥検出条件の下で欠陥情報の出力可否を判定することにより、検査画像に生じる色ムラにより生じる疑似欠陥の出力を防止することが可能となる。
【0077】
なお、図4の(A)〜図4の(C)を参照して上述した通り、検出閾値計算部7は、検出閾値や欠陥検出パラメータを、検査部分画像81及び参照画像の画素値に基づいて計算する。したがって、これら検出閾値や欠陥検出パラメータの分布情報もまた、検査画像の色ムラの検出に利用することが可能である。このとき、欠陥出力可否判定部23は、複数のチップ(ダイ)3aに関してチップ内の同一部分を撮像したそれぞれの部分画像81について算出した検出閾値又は欠陥検出パラメータを、上記の本来同じ値となると予定される参照値としてよい。
【0078】
ところで、欠陥情報作成部9は、検査画像80上の予め定められた複数の箇所毎に、各箇所における欠陥の有無に関わらずに上記の画素値関連情報を定めて、この画素値関連情報を含むダミーの欠陥情報を作成することとしてよい。これにより参照値決定部21は、欠陥の有無に関わらずに検査画像80上の予め定められた複数の箇所毎の参照値を決定することが可能となる。例えば検査画像全体に均一に分散する定点を画素値関連情報を定める箇所として定めておけば、検査画像80全体に均一に分散する定点における参照値の分布情報を取得することが可能となる。
【0079】
このとき欠陥情報作成部9は、画素値関連情報として、例えば、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81やこのこれに対応する参照画像82を欠陥情報に含めてもよく、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像を含めてもよい。または欠陥情報作成部9は、画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81について決定した検出閾値や欠陥検出パラメータを欠陥情報に含めてもよい。
【0080】
そして参照値決定部21は、画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81やこのこれに対応する参照画像82が与えられた場合には、これらの画像のどちらか一方または両方の画像内の所定の位置の画素値や、これらの画像のどちらか一方または両方の画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、参照値として決定してよい。または、検査部分画像81とこの検査部分画像81に対応する参照画像82との間の差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
【0081】
画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81とこれに対応する参照画像82との間の差画像が与えられた場合には、差画像内の所定の位置の画素値や、差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を参照値として決定してよい。
画素値関連情報として、検査画像80上の予め定められた箇所にある検査部分画像81について決定した検出閾値や欠陥検出パラメータが与えられた場合には、これら検出閾値や欠陥検出パラメータを参照値として決定してよい。
【0082】
このとき、例えばダミーの欠陥情報、すなわち1つの画素値関連情報や参照値を作る位置は、半導体ウエハ3上に複数形成されたチップ(ダイ)3a内の所定の位置を撮像した位置としてよい。緩やかに明度差が変化するような色ムラが発生している場合には、検査画像中の広い範囲で分布情報を取得する必要があるが、このように比較的大きな範囲毎に参照値を決定することによって、参照値の計算量を節約することができる。
このように参照値を作成する画素値等の所得位置を各チップの同じ位置と定めると、各チップを撮像した画像は本来同一であると予定されるので、参照値を作成する基となる画素値関連情報も本来同じ値を有すると予定することができ、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【0083】
また、検査対象である半導体ウエハ3表面に形成されるパターンが光学又は電子ビームによる露光工程(リソグラフィ工程)で形成される場合には、欠陥情報作成部9がダミーの欠陥情報、すなわち1つの画素値関連情報や参照値を作る位置は、検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲内の所定の位置を撮像した位置としてもよい。
このように参照値を作成する画素値等の所得位置を各レチクルショットで露光される範囲の同じ位置と定めると、各レチクルショットで露光される範囲を撮像した画像は本来同一であると予定されるので、参照値を作成する基となる画素値関連情報も本来同じ値を有すると予定することができ、参照値が同じ値となると予定することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、検査対象を撮像した検査画像と、この検査画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に利用可能である。特に、半導体製造工程で半導体ウエハ上に形成した半導体回路パターンの欠陥を検出するために、半導体回路ウエハ表面を撮像してその撮像画像と参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置、画像欠陥検査システム及び画像欠陥検査方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】従来の半導体回路用の外観検査装置のブロック図である。
【図2】半導体ウエハ上のダイの配列を示す図である。
【図3】(A)は図1の撮像装置をウエハに対して相対的に走査したときに得られる撮像画像の説明図であり、(B)は画像欠陥検査において比較される検査部分画像と参照画像を説明する図である。
【図4】従来の画像欠陥検査方法を説明する図である。
【図5】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第1実施例のブロック図である。
【図6】ロジカルフレームの説明図である。
【図7】マクロ領域を説明する図である。
【図8】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第2実施例のブロック図である。
【図9】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第3実施例のブロック図である。
【図10】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第4実施例のブロック図である。
【図11】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第1実施例のブロック図である。
【図12】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第2実施例のブロック図である。
【図13】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第3実施例のブロック図である。
【図14】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第4実施例のブロック図である。
【図15】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第5実施例のブロック図である。
【図16】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第6実施例のブロック図である。
【図17】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第7実施例のブロック図である。
【図18】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第8実施例のブロック図である。
【図19】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査システムの第9実施例のブロック図である。
【図20】本発明による半導体回路用の画像欠陥検査装置の第5実施例のブロック図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ステージ
2 試料台
3 半導体ウエハ
4 撮像装置
5 画像記憶部
6 差分検出部
7 検出閾値計算部
8 欠陥検出部
10 画像欠陥検査装置
21 参照値決定部
22 分布情報決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置において、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備え、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項2】
前記参照値決定部は、前記検査画像を所定の大きさ毎に分割した画像ブロック毎に前記参照値をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項3】
前記参照値決定部は、前記画像ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の位置に存在する画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項4】
前記参照値決定部は、前記画像ブロック毎に、当該画像ブロックに含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差、又は当該画像ブロック及びこの画像ブロックと比較されるべき参照画像の間の差画像に含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項5】
前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項6】
前記分布情報決定部によって前記参照値の分散値として決定された前記分布情報に応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項7】
前記欠陥検出条件を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記欠陥検出条件を満たすとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
各前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて各前記マクロ領域における前記欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、当該マクロ領域において前記欠陥検出部により検出された欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定する欠陥出力可否判定部と、
を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項8】
前記欠陥出力可否判定部は、前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項7に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項9】
前記分布情報決定部は、前記分布情報を前記参照値の分散値として決定し、
前記欠陥出力可否判定部は、前記分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項7に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項10】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、を備え、
前記欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の決定方法に従って前記検出閾値を決定し、
前記参照値決定部は、前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項11】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、を備え、
前記欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の算出方法に従って欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
前記参照値決定部は、前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項12】
前記参照値決定部は、画像比較の単位である前記検査部分画像1つ分を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項13】
前記参照値決定部は、前記検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、該半導体ウエハ表面に形成された複数のチップの1つ分の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項14】
前記参照値決定部は、前記検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項15】
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を決定する欠陥検出条件決定部と、
前記検査部分画像及び前記参照画像の比較結果が前記欠陥検出条件を満たすとき、お互いに異なる部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項16】
前記参照値決定部は、前記検査対象の撮像画像であって前記検査画像と異なる撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項15に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項17】
前記撮像画像は、前記検査画像の画素を間引いた画像であることを特徴とする請求項16に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項18】
前記撮像画像は、該検査画像を撮像するよりも低倍率で撮像した画像であることを特徴とする請求項16に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項19】
前記分布情報決定部は、前記欠陥検出部が前記検査対象上の1つの前記マクロ領域について欠陥を検出するのと平行して、他の前記マクロ領域について前記分布情報を決定することを特徴とする請求項15に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項20】
前記検査対象を撮像して前記検査画像を得る第1の撮像部とは別に、前記検査対象を撮像する第2の撮像部をさらに備え、
前記参照値決定部は、前記第2の撮像部によって撮像した撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項19に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項21】
検査画像を複数に分割した検査部分画像と、これら検査部分画像とそれぞれ本来同一であるべき対応する参照画像とを比較して、互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置において、
前記検査部分画像と前記参照画像との比較結果が欠陥検出条件を満たすとき、互いに異なる部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
前記検査画像上の複数箇所のそれぞれについて、各前記箇所に対応して定まる画素の画素値に応じて所定の参照値を決定する参照値決定部と、
前記検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域について、該画像領域内において決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、
前記画像領域について決定された前記分布情報に応じて前記欠陥検出条件を再設定し、該画像領域に含まれる前記検査部分画像において検出された前記欠陥の出力可否を、再設定した前記欠陥検出条件の下で判定する欠陥出力可否判定部と、
を備えることを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項22】
前記参照値決定部は、前記欠陥検出部によって前記欠陥が検出された箇所のそれぞれについて前記参照値を決定することを特徴とする請求項21に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項23】
前記画像領域は、前記検査部分画像よりも大きな領域として定められることを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項24】
前記検査画像は、検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した画像であって、
前記所定の大きさの画像領域は、前記半導体ウエハの全面又は一部を撮像した領域であることを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項25】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像内及び/又はこれに対応する前記参照画像内の所定の位置の画素値、又はこれら画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項26】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像とこれに対応する前記参照画像との間の差画像内の所定の位置の画素値、又は該差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項27】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像及び/又はこれに対応する前記参照画像のうち当該欠陥の位置の画素を含む部分画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項28】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像と該検査部分画像に対応する前記参照画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項29】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部を備え、
該欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて前記検出閾値を決定し、
前記欠陥検出部は、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥とし、
前記参照値決定部は、前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項30】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部を備え、
該欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
前記欠陥検出部は、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥とし、
前記参照値決定部は、前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項31】
前記画像領域において定められた前記各参照値のうち本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えるように前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項21に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項32】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記画像欠陥検査装置は、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において前記測定装置により測定された前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備え、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項33】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記測定装置は、前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定して、前記画像欠陥検査装置に出力し、
前記画像欠陥検査装置は、前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に前記測定装置により決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部を備え、前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項34】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記測定装置は、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備えて、前記分布情報を前記画像欠陥検査装置に出力し、
前記画像欠陥検査装置は、前記測定装置により入力される、前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項35】
前記測定装置は、前記検査対象を撮像した撮像画像を得る撮像部を備え、前記撮像画像の画素値を前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項36】
前記測定装置は、前記検査対象である半導体ウエハ表面に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定部を備え、前記半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した膜厚を、前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項37】
前記測定装置は、前記検査対象である半導体ウエハ表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョンを測定する寸法測定部を備え、前記半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定したクリティカルディメンジョンを、前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項38】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査方法において、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定し、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項39】
前記参照値を、前記検査画像を所定の大きさ毎に分割した画像ブロック毎に決定することを特徴とする請求項38に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項40】
前記参照値を、前記画像ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の位置に存在する画素の画素値に応じて決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項41】
前記画像ブロック毎に、当該画像ブロックに含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差、又は当該画像ブロック及びこの画像ブロックと比較されるべき参照画像の間の差画像に含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項42】
前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項43】
前記参照値の分散値として決定された前記分布情報に応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項44】
前記欠陥検出条件を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記欠陥検出条件を満たすとき当該画素部分を欠陥として検出し、
各前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて各前記マクロ領域における前記欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、当該マクロ領域において検出された前記欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定することを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項45】
前記欠陥検出条件を、前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように再設定することを特徴とする請求項44に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項46】
前記分布情報を前記参照値の分散値として決定し、
前記欠陥検出条件を、前記分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように再設定することを特徴とする請求項44に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項47】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の決定方法に従って決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出し、
前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項48】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の算出方法に従って欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて、前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出し、
前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項49】
画像比較の単位である前記検査部分画像1つ分を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項50】
前記検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、該半導体ウエハ表面に形成された複数のチップの1つ分の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項51】
前記検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項52】
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を決定し、
前記検査部分画像及び前記参照画像の比較結果が前記欠陥検出条件を満たすとき、お互いに異なる部分を欠陥として検出することを特徴とする請求項38に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項53】
前記参照値を、前記検査対象の撮像画像であって前記検査画像と異なる撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて決定することを特徴とする請求項52に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項54】
前記撮像画像は、前記検査画像の画素を間引いた画像であることを特徴とする請求項53に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項55】
前記撮像画像は、該検査画像を撮像するよりも低倍率で撮像した画像であることを特徴とする請求項53に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項56】
前記検査対象上の1つの前記マクロ領域について欠陥を検出するのと平行して、他の前記マクロ領域について前記分布情報を決定することを特徴とする請求項52に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項57】
前記撮像装置を、前記検査画像を撮像した撮像装置とは異なる撮像装置で撮像することを特徴とする請求項56に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項58】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査方法であって、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において前記検査対象に関する所定の測定値を測定し、
測定された前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値を決定し、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項59】
前記検査対象を撮像して、その撮像画像の画素値を前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項60】
前記検査対象である半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、該半導体ウエハ表面に形成された膜の膜厚を測定して、該膜厚値を前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項61】
前記検査対象である半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、該半導体ウエハ表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョンを測定して、該クリティカルディメンジョンを、前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項62】
検査画像を複数に分割した検査部分画像と、これら検査部分画像とそれぞれ本来同一であるべき対応する参照画像とを比較して、互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検出方法において、
前記検査部分画像と前記参照画像との比較結果が欠陥検出条件を満たすとき、互いに異なる部分を欠陥として検出し、
前記検査画像上の複数箇所のそれぞれについて、各前記箇所に対応して定まる画素の画素値に応じて所定の参照値を決定し、
前記検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域について、該画像領域内において決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記画像領域について決定された前記分布情報に応じて前記欠陥検出条件を再設定し、該画像領域に含まれる前記検査部分画像において検出された前記欠陥の出力可否を、再設定した前記欠陥検出条件の下で判定する、
をことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項63】
前記欠陥が検出された箇所のそれぞれについて前記参照値を決定することを特徴とする請求項62に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項64】
前記画像領域は、前記検査部分画像よりも大きな領域として定められることを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項65】
前記検査画像は、検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した画像であって、
前記所定の大きさの画像領域は、前記半導体ウエハの全面又は一部を撮像した領域であることを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項66】
当該欠陥を含む前記検査部分画像内及び/又はこれに対応する前記参照画像内の所定の位置の画素値、又はこれら画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項67】
当該欠陥を含む前記検査部分画像とこれに対応する前記参照画像との間の差画像内の所定の位置の画素値、又は該差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項68】
当該欠陥を含む前記検査部分画像及び/又はこれに対応する前記参照画像のうち当該欠陥の位置の画素を含む部分画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項69】
当該欠陥を含む前記検査部分画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像と該検査部分画像に対応する前記参照画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項70】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて前記検出閾値を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥として検出し、
前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項71】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥として検出し、
前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項72】
前記画像領域において定められた前記各参照値のうち本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えるように前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項62に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項1】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置において、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備え、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項2】
前記参照値決定部は、前記検査画像を所定の大きさ毎に分割した画像ブロック毎に前記参照値をそれぞれ決定することを特徴とする請求項1に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項3】
前記参照値決定部は、前記画像ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の位置に存在する画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項4】
前記参照値決定部は、前記画像ブロック毎に、当該画像ブロックに含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差、又は当該画像ブロック及びこの画像ブロックと比較されるべき参照画像の間の差画像に含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項5】
前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項6】
前記分布情報決定部によって前記参照値の分散値として決定された前記分布情報に応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項7】
前記欠陥検出条件を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記欠陥検出条件を満たすとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
各前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて各前記マクロ領域における前記欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、当該マクロ領域において前記欠陥検出部により検出された欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定する欠陥出力可否判定部と、
を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項8】
前記欠陥出力可否判定部は、前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項7に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項9】
前記分布情報決定部は、前記分布情報を前記参照値の分散値として決定し、
前記欠陥出力可否判定部は、前記分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように、前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項7に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項10】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、を備え、
前記欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の決定方法に従って前記検出閾値を決定し、
前記参照値決定部は、前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項11】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部と、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、を備え、
前記欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の算出方法に従って欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
前記参照値決定部は、前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項12】
前記参照値決定部は、画像比較の単位である前記検査部分画像1つ分を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項13】
前記参照値決定部は、前記検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、該半導体ウエハ表面に形成された複数のチップの1つ分の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項14】
前記参照値決定部は、前記検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項2に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項15】
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を決定する欠陥検出条件決定部と、
前記検査部分画像及び前記参照画像の比較結果が前記欠陥検出条件を満たすとき、お互いに異なる部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項16】
前記参照値決定部は、前記検査対象の撮像画像であって前記検査画像と異なる撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項15に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項17】
前記撮像画像は、前記検査画像の画素を間引いた画像であることを特徴とする請求項16に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項18】
前記撮像画像は、該検査画像を撮像するよりも低倍率で撮像した画像であることを特徴とする請求項16に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項19】
前記分布情報決定部は、前記欠陥検出部が前記検査対象上の1つの前記マクロ領域について欠陥を検出するのと平行して、他の前記マクロ領域について前記分布情報を決定することを特徴とする請求項15に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項20】
前記検査対象を撮像して前記検査画像を得る第1の撮像部とは別に、前記検査対象を撮像する第2の撮像部をさらに備え、
前記参照値決定部は、前記第2の撮像部によって撮像した撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて前記参照値を決定することを特徴とする請求項19に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項21】
検査画像を複数に分割した検査部分画像と、これら検査部分画像とそれぞれ本来同一であるべき対応する参照画像とを比較して、互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置において、
前記検査部分画像と前記参照画像との比較結果が欠陥検出条件を満たすとき、互いに異なる部分を欠陥として検出する欠陥検出部と、
前記検査画像上の複数箇所のそれぞれについて、各前記箇所に対応して定まる画素の画素値に応じて所定の参照値を決定する参照値決定部と、
前記検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域について、該画像領域内において決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、
前記画像領域について決定された前記分布情報に応じて前記欠陥検出条件を再設定し、該画像領域に含まれる前記検査部分画像において検出された前記欠陥の出力可否を、再設定した前記欠陥検出条件の下で判定する欠陥出力可否判定部と、
を備えることを特徴とする画像欠陥検査装置。
【請求項22】
前記参照値決定部は、前記欠陥検出部によって前記欠陥が検出された箇所のそれぞれについて前記参照値を決定することを特徴とする請求項21に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項23】
前記画像領域は、前記検査部分画像よりも大きな領域として定められることを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項24】
前記検査画像は、検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した画像であって、
前記所定の大きさの画像領域は、前記半導体ウエハの全面又は一部を撮像した領域であることを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項25】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像内及び/又はこれに対応する前記参照画像内の所定の位置の画素値、又はこれら画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項26】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像とこれに対応する前記参照画像との間の差画像内の所定の位置の画素値、又は該差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項27】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像及び/又はこれに対応する前記参照画像のうち当該欠陥の位置の画素を含む部分画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項28】
前記参照値決定部は、当該欠陥を含む前記検査部分画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像と該検査部分画像に対応する前記参照画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項29】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部を備え、
該欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて前記検出閾値を決定し、
前記欠陥検出部は、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥とし、
前記参照値決定部は、前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項30】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定する欠陥検出条件決定部を備え、
該欠陥検出条件決定部は、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
前記欠陥検出部は、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥とし、
前記参照値決定部は、前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項22に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項31】
前記画像領域において定められた前記各参照値のうち本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えるように前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項21に記載の画像欠陥検査装置。
【請求項32】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記画像欠陥検査装置は、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において前記測定装置により測定された前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備え、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項33】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記測定装置は、前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定して、前記画像欠陥検査装置に出力し、
前記画像欠陥検査装置は、前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に前記測定装置により決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部を備え、前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項34】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査装置と、該画像欠陥検査装置がその欠陥検出条件を定める際に使用する前記検査対象に関する所定の測定値を測定する測定装置と、を備える画像欠陥検査システムであって、
前記測定装置は、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定する参照値決定部と、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定する分布情報決定部と、を備えて、前記分布情報を前記画像欠陥検査装置に出力し、
前記画像欠陥検査装置は、前記測定装置により入力される、前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査システム。
【請求項35】
前記測定装置は、前記検査対象を撮像した撮像画像を得る撮像部を備え、前記撮像画像の画素値を前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項36】
前記測定装置は、前記検査対象である半導体ウエハ表面に形成された膜の膜厚を測定する膜厚測定部を備え、前記半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定した膜厚を、前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項37】
前記測定装置は、前記検査対象である半導体ウエハ表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョンを測定する寸法測定部を備え、前記半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、これら各領域において測定したクリティカルディメンジョンを、前記測定値とすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか一項に記載の画像欠陥検査システム。
【請求項38】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査方法において、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域を撮像した画像に含まれる画素の画素値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値をそれぞれ決定し、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項39】
前記参照値を、前記検査画像を所定の大きさ毎に分割した画像ブロック毎に決定することを特徴とする請求項38に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項40】
前記参照値を、前記画像ブロック毎に、当該画素ブロック内の所定の位置に存在する画素の画素値に応じて決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項41】
前記画像ブロック毎に、当該画像ブロックに含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差、又は当該画像ブロック及びこの画像ブロックと比較されるべき参照画像の間の差画像に含まれる画素の画素値の平均値、分散値、最大値、最小値若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項42】
前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項43】
前記参照値の分散値として決定された前記分布情報に応じて欠陥検出感度を変えることにより、前記欠陥検出条件を変えることを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項44】
前記欠陥検出条件を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記欠陥検出条件を満たすとき当該画素部分を欠陥として検出し、
各前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて各前記マクロ領域における前記欠陥検出条件をそれぞれ再設定し、当該マクロ領域において検出された前記欠陥を再設定された欠陥検出条件の下で出力するか否かを判定することを特徴とする請求項39〜41のいずれか一項に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項45】
前記欠陥検出条件を、前記分布情報に含まれる前記各参照値のうち、本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキが増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように再設定することを特徴とする請求項44に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項46】
前記分布情報を前記参照値の分散値として決定し、
前記欠陥検出条件を、前記分布情報が増大するのに応じて欠陥検出感度が低くなるように再設定することを特徴とする請求項44に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項47】
前記欠陥検出条件としての検出閾値を、前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の決定方法に従って決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出し、
前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項48】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて所定の算出方法に従って欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて、前記欠陥検出条件としての検出閾値を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を欠陥として検出し、
前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項49】
画像比較の単位である前記検査部分画像1つ分を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項50】
前記検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、該半導体ウエハ表面に形成された複数のチップの1つ分の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項51】
前記検査対象であるリソグラフィ工程でパターンが形成された半導体ウエハ表面を撮像した前記検査画像の、1回のレチクルショットで露光される範囲の画像を、前記画像ブロックの単位とすることを特徴とする請求項39に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項52】
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を決定し、
前記検査部分画像及び前記参照画像の比較結果が前記欠陥検出条件を満たすとき、お互いに異なる部分を欠陥として検出することを特徴とする請求項38に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項53】
前記参照値を、前記検査対象の撮像画像であって前記検査画像と異なる撮像画像に含まれる画素の画素値に応じて決定することを特徴とする請求項52に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項54】
前記撮像画像は、前記検査画像の画素を間引いた画像であることを特徴とする請求項53に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項55】
前記撮像画像は、該検査画像を撮像するよりも低倍率で撮像した画像であることを特徴とする請求項53に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項56】
前記検査対象上の1つの前記マクロ領域について欠陥を検出するのと平行して、他の前記マクロ領域について前記分布情報を決定することを特徴とする請求項52に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項57】
前記撮像装置を、前記検査画像を撮像した撮像装置とは異なる撮像装置で撮像することを特徴とする請求項56に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項58】
検査対象を撮像した検査画像を複数に分割した検査部分画像と、該検査部分画像と本来同一であるべき参照画像とを比較して、お互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検査方法であって、
前記検査対象上の所定の大きさの領域毎に、これら各領域において前記検査対象に関する所定の測定値を測定し、
測定された前記所定の測定値に応じて、所定の決定方法に従って定まる参照値を決定し、
前記所定の大きさの領域を複数含んで構成されるマクロ領域について、該マクロ領域に含まれる前記所定の大きさの領域毎に決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記マクロ領域において決定された前記分布情報に応じて欠陥検出条件を変えて欠陥検出を行うことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項59】
前記検査対象を撮像して、その撮像画像の画素値を前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項60】
前記検査対象である半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、該半導体ウエハ表面に形成された膜の膜厚を測定して、該膜厚値を前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項61】
前記検査対象である半導体ウエハの前記所定の大きさの領域毎に、該半導体ウエハ表面に形成されたパターンのクリティカルディメンジョンを測定して、該クリティカルディメンジョンを、前記測定値とすることを特徴とする請求項58に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項62】
検査画像を複数に分割した検査部分画像と、これら検査部分画像とそれぞれ本来同一であるべき対応する参照画像とを比較して、互いに異なる部分を欠陥として検出する画像欠陥検出方法において、
前記検査部分画像と前記参照画像との比較結果が欠陥検出条件を満たすとき、互いに異なる部分を欠陥として検出し、
前記検査画像上の複数箇所のそれぞれについて、各前記箇所に対応して定まる画素の画素値に応じて所定の参照値を決定し、
前記検査画像内に定められる所定の大きさの画像領域について、該画像領域内において決定された前記参照値の分布情報を決定し、
前記画像領域について決定された前記分布情報に応じて前記欠陥検出条件を再設定し、該画像領域に含まれる前記検査部分画像において検出された前記欠陥の出力可否を、再設定した前記欠陥検出条件の下で判定する、
をことを特徴とする画像欠陥検査方法。
【請求項63】
前記欠陥が検出された箇所のそれぞれについて前記参照値を決定することを特徴とする請求項62に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項64】
前記画像領域は、前記検査部分画像よりも大きな領域として定められることを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項65】
前記検査画像は、検査対象である半導体ウエハ表面を撮像した画像であって、
前記所定の大きさの画像領域は、前記半導体ウエハの全面又は一部を撮像した領域であることを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項66】
当該欠陥を含む前記検査部分画像内及び/又はこれに対応する前記参照画像内の所定の位置の画素値、又はこれら画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項67】
当該欠陥を含む前記検査部分画像とこれに対応する前記参照画像との間の差画像内の所定の位置の画素値、又は該差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項68】
当該欠陥を含む前記検査部分画像及び/又はこれに対応する前記参照画像のうち当該欠陥の位置の画素を含む部分画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項69】
当該欠陥を含む前記検査部分画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像と該検査部分画像に対応する前記参照画像のうちの当該欠陥の位置の画素を含む部分画像との間の差画像に含まれる画素値の平均値、分散値、最大値、最小値、若しくはこれら最大値と最小値との中間値や差を、前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項70】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて前記検出閾値を決定し、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥として検出し、
前記検出閾値を前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項71】
前記検査部分画像毎に、当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分の分布に基づいて欠陥検出パラメータを算出して、該欠陥検出パラメータに応じて前記検出閾値を定め、
当該検査部分画像及び前記参照画像の対応する画素同士の画素値の差分を検出して、前記差分が前記検出閾値を超えるとき当該画素部分を前記欠陥として検出し、
前記欠陥検出パラメータを前記参照値として決定することを特徴とする請求項63に記載の画像欠陥検査方法。
【請求項72】
前記画像領域において定められた前記各参照値のうち本来同じ値となると予定される前記参照値同士のバラツキに応じて欠陥検出感度を変えるように前記欠陥検出条件を再設定することを特徴とする請求項62に記載の画像欠陥検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−149837(P2007−149837A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340248(P2005−340248)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
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