説明

画面形成システム、画面形成方法及びプログラム

【課題】表示部の応答性を確実に向上させることができるようにする。
【解決手段】車両状況を判定する車両状況判定処理手段と、前記車両状況、及び車両状況に基づいて現画面の次に形成される可能性が高い画面を表す候補画面が互いに対応させて記録された候補画面マップと、該候補画面マップを参照して、車両状況に対応する候補画面を取得する候補画面取得処理手段と、表示部35に現画面が形成されている間に、取得された候補画面を裏画面として描画する裏画面描画処理手段と、操作者による現画面からの画面変更指示に基づいて前記表示部35に裏画面を形成する画面形成処理手段とを有する。候補画面マップが参照されて、判定された車両状況に対応する候補画面が取得され、取得された候補画面が裏画面として描画されるので、表示部35の応答性を確実に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面形成システム、画面形成方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、操作者である運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて、経路探索処理が行われ、地図データに基づいて現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路が、表示部に形成された地図画面に、車両の現在地を表す自車位置と共に表示され、探索経路の案内、すなわち、経路案内が行われる。また、地図画面上の探索経路の表示のほかに、音声出力による経路案内も行われる。
【0003】
したがって、運転者は表示された探索経路に沿って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置においては、表示部の応答性を向上させるために、表示部に所定の画面が現画面として形成されている間に裏画面が描画され、画面が切り換わるまでの時間を短くするようにしている。そのために、車両が一つ目の交差点に近づいた場合、表示部に形成される画面が地図画面から一つ目の交差点の交差点拡大図に変更されるが、二つ目の交差点についても交差点拡大図を形成することが分かる場合には、二つ目の交差点の交差点拡大図をあらかじめ裏画面として描画し、車両が一つ目の交差点を通過した後に、表示部に形成される画面を一つ目の交差点の交差点拡大図から二つ目の交差点の交差点拡大図に変更するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−66574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、次に形成されることが分かっている画面があらかじめ裏画面として描画されるようになっているが、次に形成されることが分かっていない画面については、あらかじめ裏画面として描画することができない。
【0006】
したがって、表示部の応答性を確実に向上させることができない。
【0007】
本発明は、前記従来のナビゲーション装置の問題点を解決して、表示部の応答性を確実に向上させることができる画面形成システム、画面形成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画面形成システムにおいては、車両状況を判定する車両状況判定処理手段と、前記車両状況、及び車両状況に基づいて現画面の次に形成される可能性が高い画面を表す候補画面が互いに対応させて記録された候補画面マップと、該候補画面マップを参照して、判定された車両状況に対応する候補画面を取得する候補画面取得処理手段と、表示部に現画面が形成されている間に、取得された候補画面を裏画面として描画する裏画面描画処理手段と、操作者による現画面からの画面変更指示に基づいて前記表示部に裏画面を形成する画面形成処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、候補画面マップが参照されて、判定された車両状況に対応する候補画面が取得され、表示部に現画面が形成されている間に、取得された候補画面が裏画面として描画されるので、表示部の応答性を確実に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画面形成システムとしてのナビゲーションシステムについて説明する。
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【0012】
図において、14は情報端末、例えば、車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置、63はネットワーク、51は情報提供者としての情報センタであり、前記ナビゲーション装置14、ネットワーク63、情報センタ51等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0013】
前記ナビゲーション装置14は、自車位置、及び車両の方位を表す自車方位を検出する現在地検出部としてのGPSセンサ15、地図データのほかに各種の情報が記録された情報記録部としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいてナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、操作者である運転者が操作することによって所定の入力を行うための第1の入力部としての操作部34、図示されない画面に表示された画像によって各種の表示を行い、運転者に対して通知を行うための第1の出力部としての表示部35、音声によって所定の入力を行うための第2の入力部としての音声入力部36、音声によって各種の表示を行い、運転者に対して通知を行うための第2の出力部としての音声出力部37、及び通信端末として機能する送受信部としての通信部38を備え、前記ナビゲーション処理部17に、GPSセンサ15、データ記録部16、操作部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。また、前記ナビゲーション処理部17には、車速を検出する車速検出部としての車速センサ44が接続される。なお、本実施の形態においては、GPSセンサ15によって自車方位を検出するようになっているが、自車方位を検出するために方位検出部としての方位センサを独立させて配設することができる。また、前記GPSセンサ15は、自車位置及び自車方位と併せて時刻を検出する。
【0014】
前記データ記録部16には地図データが記録され、該地図データには、交差点に関する交差点データ、ノードに関するノードデータ、道路リンクに関する道路データ、探索用に加工された探索データ、施設に関する施設データ等が含まれる。また、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するためのデータ、統計データ、走行履歴データ等が記録される。
【0015】
前記データ記録部16は、前記各種のデータを記録するために、ハードディスク、CD、DVD、光ディスク等の図示されないディスクを備えるほかに、各種のデータを読み出したり、書き込んだりするための読出・書込ヘッド等の図示されないヘッドを備える。なお、前記データ記録部16にメモリカード等を使用することができる。
【0016】
また、前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほかに、目的地までの経路の探索、探索経路の案内、すなわち、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、各種のデータ、プログラム等を記録するために使用される図示されないフラッシュメモリ等を備える。
【0017】
前記操作部34は、運転者が操作することによって、ナビゲーション装置14において各種の機能を実現させるためのものであり、ナビゲーション装置14とは独立させて配設されたリモコン、キーボード、マウス等のほかに、ナビゲーション装置14の筐体等に操作要素(操作部品)として形成されたスイッチ、ボタン、キー、ボタン、ダイヤル等を有する。また、前記表示部35としてはディスプレイが使用される。なお、表示部35として、操作部の機能を併せて有するタッチパネルを使用することができ、該タッチパネルにおいては、画面に画像による操作要素としてのキー、スイッチ、ボタン等が表示され、キー、スイッチ、ボタン等をタッチすることによって、所定の入力操作を行うことができる。
【0018】
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から各種の情報が音声で出力される。
【0019】
前記通信部38は、情報提供者としてのVICS(登録商標)センタ等の図示されない道路交通情報センタ等から送られた交通情報、一般情報等の各種の情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するためのビーコンレシーバ、ラジオ局を介してラジオ放送、例えば、FM多重放送を受信するためのラジオ受信機等を備える。なお、前記交通情報には、渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況情報等が含まれ、一般情報には、ニュース、天気情報(天気予報)等が含まれる。なお、前記通信部38は、前記情報センタ51から交通情報、一般情報等の各種の情報を受信することもできる。そのために、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された通信部57及び情報記録部としてのデータベース(DB)58等を備え、前記サーバ53は、制御装置としての、かつ、演算装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。
【0020】
なお、前記ナビゲーションシステム、ナビゲーション処理部17、CPU31、54、サーバ53等は、各種のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。また、データ記録部16、RAM32、55、ROM33、56、データベース58、フラッシュメモリ等によって記録媒体が構成される。そして、演算装置として、CPU31、54に代えてMPU等を使用することもできる。
【0021】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの基本動作について説明する。
【0022】
まず、運転者によって操作部34が操作され、ナビゲーション装置14が起動されると、CPU31の図示されない初期化処理手段は、初期化処理を行い、GPSセンサ15によって検出された自車位置及び自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。また、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた自車位置の軌跡、及び自車位置の周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、自車位置がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、自車位置を特定する。
【0023】
続いて、CPU31の図示されない基本情報取得処理手段は、基本情報取得処理を行い、前記地図データを、データ記録部16から読み出して取得するか、又は通信部38を介して情報センタ51等から受信して取得する。
【0024】
そして、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位を表示する。したがって、運転者は、前記自車位置、自車位置の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0025】
また、運転者が操作部34を操作して目的地を入力すると、CPU31の図示されない目的地設定処理手段は、目的地設定処理を行い、目的地を設定する。なお、必要に応じて出発地を入力し、設定することもできる。また、あらかじめ所定の地点を登録しておき、登録された地点を目的地として設定することができる。続いて、運転者が操作部34を操作して探索条件を入力すると、CPU31の図示されない経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記自車位置、目的地、探索条件等を読み込むとともに、データ記録部16から探索データ等を読み出し、自車位置、目的地及び探索データに基づいて、自車位置で表される出発地から目的地までの経路を前記探索条件で探索し、探索経路を表す経路データを出力する。この場合、各道路リンクごとに付与されたリンクコストの合計が最も小さい経路が探索経路とされる。
【0026】
なお、前記情報センタ51において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31は自車位置、自車方位、目的地、探索条件等をネットワーク63を介して情報センタ51に送信する。該情報センタ51が前記自車位置、自車方位、目的地、探索条件等を受信すると、CPU54の図示されない経路探索処理手段は、CPU31と同様の経路探索処理を行い、データベース58から探索データ等を読み出し、自車位置、自車方位、目的地、探索条件等に基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、探索経路を表す経路データを出力する。次に、CPU54の図示されない送信処理手段は、送信処理を行い、前記経路データをネットワーク63を介してナビゲーション装置14に送信する。
【0027】
続いて、前記CPU31の図示されない案内処理手段は、案内処理を行い、経路案内を行う。そのために、前記案内処理手段の経路表示処理手段は、経路表示処理を行い、前記経路データを読み込み、該経路データに従って前記地図画面に探索経路を表示する。この場合、必要に応じて、前記案内処理手段の音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、音声出力部37から探索経路を音声で出力して経路案内を行う。
【0028】
また、前記案内処理手段の案内地点拡大図形成処理手段は、案内地点拡大図形成処理を行い、車両が案内交差点に到達する前に、地図画面の所定の領域に案内交差点の拡大図、すなわち、案内地点拡大図としての交差点拡大図を形成し、該交差点拡大図による経路案内を行う。そのために、探索経路上の前記案内交差点より手前(自車位置側)の、設定された距離だけ離れた箇所に、案内地点拡大図表示地点が設定され、車両が案内地点拡大図表示地点に到達すると、表示部35に前記交差点拡大図が形成される。
【0029】
この場合、交差点拡大図に、前記案内交差点の周辺の地図、探索経路、案内交差点において目印になる施設等の陸標が表示される。
【0030】
また、前記表示処理手段は、通信部38を介して交通情報を受信すると、交通情報を交通状況指標としての渋滞帯に変換し、該渋滞帯を前記地図画面上の道路に沿って表示する。この場合、渋滞帯は、渋滞の始点から終点にかけて表示され、かつ、渋滞の度合いに応じて赤、橙(だいだい)、緑等の色で表示される。このようにして、運転者は、車両を走行させる予定の経路、探索経路等における道路の渋滞状況を知ることができる。
【0031】
ところで、前記構成のナビゲーション装置14においては、表示部35の応答性を向上させるために、表示部35に所定の画面が現画面として形成されている間に、次に形成される可能性が高い画面(次に形成されることが想定される画面)を裏画面として描画することによって、画面が切り換わるまでの時間を短くするようにしている。
【0032】
図2は本発明の第1の実施の形態における表示処理手段の動作を示すフローチャート、図3は本発明の第1の実施の形態における画面遷移の例を示す図、図4は本発明の第1の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【0033】
この場合、前記表示部35に現画面が形成されている間に、次に形成される可能性が高い画面を選択する必要があるが、次に形成される可能性が高い画面は、表示部35に現画面が形成されているときの、次の総称的画面が表示部35に形成される要因となる車両(ナビゲーション装置14、音響機器、エアコン等の補機も含む。)の置かれた状況、すなわち、車両状況によって異なる。
【0034】
本実施の形態において、車両状況は、走行中の車両の状態を表す車両の走行状態、車両自体の状態を表す車両状態、車両の周囲の環境を表す車両環境状態、補機の操作状態等に分類することができる。
【0035】
そこで、前記表示処理手段の車両状況判定処理手段は、車両状況判定処理を行い、表示部35に現画面が形成されている間の車両状況、本実施の形態においては、車両の走行状態を判定する。
【0036】
そのために、前記車両状況判定処理手段は、車速センサ44によって検出された車速、図示されない変速指示装置としてのシフトレバーによって所定のレンジが選択されたときの変速指示信号、図示されないブレーキペダルが踏み込まれたときのブレーキ信号、図示されないエンジンが始動されたときの始動信号等を読み込み、車速、変速指示信号、ブレーキ信号、始動信号等に基づいて車両の走行状態を判定する。車速センサ44、シフトレバー、ブレーキペダル、エンジン等によって車両状況判定指標発生部が、車速、変速指示信号、ブレーキ信号、始動信号等によって車両状況判定指標が構成される。
【0037】
なお、シフトレバーによって選択されるレンジには、前進レンジ、後進レンジ、ニュートラルレンジ、パーキングレンジ等があり、前進レンジ、後進レンジ等によって走行レンジが、ニュートラルレンジ、パーキングレンジ等によって非走行レンジが構成される。
【0038】
本実施の形態において、走行状態は、中速又は高速で走行していることを表す通常走行中、低速で走行していることを表す低速走行中、ブレーキを掛けて一時的に停車していることを表す短時間停車中、非走行レンジとしてのパーキングレンジが選択された状態で長時間にわたり停車していることを表す長時間停車中、及びエンジンを始動した直後の状態を表すエンジン始動直後に分けられる。
【0039】
前記車両の走行状態が判定されると、前記表示処理手段の候補画面取得処理手段は、候補画面取得処理を行い、RAM32にあらかじめ設定された候補画面マップを参照し、車両の走行状態に対応する候補画面があるかどうかを判断し、車両の走行状態に対応する候補画面がある場合、該候補画面を読み出して取得する。
【0040】
そのために、現画面が表示されている間に、想定される各走行状態において、次に形成される可能性が高い画面が候補画面として選択され、各走行状態及び候補画面が互いに対応させて、マトリックス構造で候補画面マップに記録される。
【0041】
そして、図4に示される候補画面マップにおいては、車両の走行状態が通常走行中である場合、次画面案内、例えば、次に通過する交差点の交差点拡大図が候補画面として記録され、車両の走行状態が低速走行中である場合、道路が渋滞中であると推定されるので、交通情報を表示する交通情報画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が短時間停車中である場合、音響機器を操作するためのオーディオ操作画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が長時間停車中である場合、及び車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、目的地が設定される可能性が高いことから目的地設定画面が候補画面として記録される。
【0042】
車両の走行状態に対応する候補画面が取得されると、前記表示処理手段の裏画面描画処理手段は、裏画面描画処理を行い、取得された候補画面を裏画面(二次画面)として描画する。
【0043】
続いて、前記表示処理手段の画面変更指示判定処理手段は、画面変更指示判定処理を行い、運転者によって操作部34が操作されて、現画面から画面を変更する指示、すなわち、画面変更指示がされたかどうかを判断する。
【0044】
画面変更指示がされた場合、前記表示処理手段の画面判定処理手段は、画面判定処理を行い、指示がされた画面、すなわち、指示画面と描画された裏画面とが一致するかどうかを判断する。指示画面と描画された裏画面とが一致する場合、前記表示処理手段の画面形成処理手段は、画面形成処理を行い、表示部35に裏画面を形成し、指示画面と描画された裏画面とが一致しない場合、前記画面形成処理手段は、指示画面を描画し、表示部35に形成する。
【0045】
例えば、図3に示されるように、表示部35に地図画面g1が現画面として形成されている場合、前記車両状況判定処理手段が、車両の走行状態が長時間停車中であると判断すると、前記候補画面取得処理手段は、候補画面マップを参照し、車両の走行状態に対応する候補画面、この場合、目的地設定画面があると判断する。すなわち、運転者によって目的地が設定される可能性が高いと判断される。そこで、前記裏画面描画処理手段は、目的地設定画面を読み出し、該目的地設定画面を裏画面として描画する。
【0046】
続いて、画面変更指示判定処理手段は、運転者によって操作部34が操作されて、画面変更指示がされたかどうかを判断する。
【0047】
画面変更指示がされた場合、前記画面判定処理手段は、指示画面と描画された裏画面g2とが一致するかどうかを判断する。指示画面が目的地設定画面である場合、目的地設定画面と裏画面g2とが一致するので、前記画面形成処理手段は、表示部35に目的地設定画面g3を裏画面g2として形成する。
【0048】
なお、前記次案内画面は、運転者の操作によるものではなく、車両が案内地点拡大図表示地点に到達したときに前記案内地点拡大図形成処理手段によって交差点拡大図が形成される前に、前記裏画面描画処理手段によって交差点拡大図が裏画面として形成される。
【0049】
このようにして目的地設定画面g3が形成されると、目的地設定画面g3が現画面となる。続いて、車両状況判定処理手段が、表示部35に目的地設定画面g3が形成されている間の車両状況、この場合、ナビゲーション装置14の操作状態を判定する。ナビゲーション装置14の操作状態が目的地の設定であると判断されると、前記候補画面取得処理手段は、図示されないナビゲーション装置14の操作用の候補画面マップ、すなわち、画面遷移用の候補画面マップを参照し、ナビゲーション装置14の操作状態に対応する候補画面があるかどうかを判断する。
【0050】
そのために、前記画面遷移用の候補画面マップに、ナビゲーション装置14の操作状態に対応させて、次に形成される可能性が高い画面が候補画面としてあらかじめ設定され、互いに対応させて記録される。
【0051】
なお、目的地を設定する場合、目的地の名称、目的地の電話番号、目的地の住所等で目的地を検索したり、あらかじめ登録された地点を表すメモリ地点で検索したり、自宅を指定したりすることができ、表示部35に、目的地の名称で目的地を検索するために名称入力画面が、目的地の電話番号で目的地を検索するために電話番号入力画面が、目的地の住所で目的地を検索するために住所入力画面が、メモリ地点で目的地を検索するためにメモリ地点表示画面が形成されるが、本実施の形態においては、画面遷移用の候補画面マップに、名称入力画面が、目的地の設定に対応する候補画面として記録される。
【0052】
したがって、前記候補画面取得処理手段は名称入力画面があると判断する。すなわち、運転者によって目的地の名称が入力される可能性が高いと判断する。
【0053】
そして、前記裏画面描画処理手段は、名称入力画面を読み出し、該名称入力画面を裏画面g4として描画する。
【0054】
続いて、画面変更指示判定処理手段は、運転者によって操作部34が操作されて画面変更指示がされたかどうかを判断する。
【0055】
画面変更指示がされた場合、前記画面判定処理手段は、指示画面と描画された裏画面g4とが一致するかどうかを判断する。指示画面が名称入力画面である場合、名称入力画面と裏画面g4とが一致するので、前記画面形成処理手段は、表示部35に裏画面g4である目的地設定画面g5を形成する。
【0056】
このように、本実施の形態においては、表示部35に所定の画面が形成されている間に、車両状況に対応させて取得された候補画面があらかじめ裏画面として描画されるので、次に形成されることが分かっていない画面についても裏画面として描画することができる。したがって、表示部35の応答性を確実に向上させることができる。
【0057】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 走行状態を判定する。
ステップS2 候補画面があるかどうかを判断する。候補画面がある場合はステップS3に進み、ない場合はステップS1に戻る。
ステップS3 裏画面を描画する。
ステップS4 画面変更指示がされたかどうかを判断する。画面変更指示がされた場合はステップS5に進み、されていない場合はステップS1に戻る。
ステップS5 指示画面と裏画面とが一致するかどうかを判断する。指示画面と裏画面とが一致する場合はステップS6に進み、一致しない場合はステップS7に進む。
ステップS6 裏画面を形成し、処理を終了する。
ステップS7 指示画面を描画し、形成し、処理を終了する。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0059】
図5は本発明の第2の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【0060】
この場合、前記表示処理手段の車両状況判定処理手段は、第1の出力部としての表示部35に現画面が形成されている間の車両状況、本実施の形態においては、車両環境状態を判定する。
【0061】
そのために、前記車両状況判定処理手段は、現在地検出部としてのGPSセンサ15によって検出された自車位置、通信部38を介して受信された交通情報、通信部38を介して受信された天気情報、車室内に配設された温度検出部としての図示されない温度センサによって検出された車室内の温度等を読み込み、自車位置、交通情報、天気情報、車室内の温度等に基づいて車両環境状態を判定する。GPSセンサ15、通信部38、温度センサ等によって車両状況判定指標発生部が、自車位置、交通情報、天気情報、車室内の温度等によって車両状況判定指標が構成される。
【0062】
本実施の形態において、車両環境状態は、自車位置が自宅の周辺にあることを表す自宅周辺、自車位置が自宅の周辺にあり、かつ、交通情報センタから交通情報のうちの渋滞情報が受信されたことを表す自宅周辺渋滞中、雪が降っていることを表す降雪中、及び気温が高いか又は低いかを表す高温下・低温下に分けられる。
【0063】
前記車両環境状態が判定されると、前記候補画面取得処理手段は、RAM32にあらかじめ設定された候補画面マップを参照し、車両環境状態に対応する候補画面があるかどうかを判断し、車両環境状態に対応する候補画面がある場合、該候補画面を読み出すことによって取得する。
【0064】
そのために、現画面が表示されている間に、想定される各車両環境状態において、次に形成される可能性が高い画面が候補画面として選択され、各車両環境状態及び候補画面が互いに対応させて、マトリックス構造で候補画面マップに記録される。
【0065】
例えば、図5に示される候補画面マップにおいては、車両環境状態が自宅周辺である場合、目的地を設定するための目的地設定画面が候補画面として記録され、車両環境状態が自宅周辺渋滞中である場合、交通情報(渋滞の状況)を表示する交通情報画面が候補画面として記録され、車両環境状態が降雪中である場合、交通情報(降雪による道路の状況)を表示する交通情報画面が候補画面として記録され、車両環境状態が高温下・低温下である場合、エアコンが使用される可能性が高いことから、エアコンを操作するためのエアコン操作画面が候補画面として記録される。
【0066】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0067】
図6は本発明の第3の実施の形態における画面変更指示テーブルの記録内容の例を示す図、図7は本発明の第3の実施の形態における更新された候補画面マップを示す図である。
【0068】
この場合、第1の実施の形態と同様に、画面変更指示判定処理手段は、運転者によって第1の入力部としての操作部34が操作されて、画面変更指示がされたかどうかを判断する。画面変更指示がされた場合、前述されたように、前記画面判定処理手段は、指示画面と裏画面とが一致するかどうかを判断する。指示画面と描画された裏画面とが一致する場合、前記画面形成処理手段は、第1の出力部としての表示部35に裏画面を形成し、指示画面と描画された裏画面とが一致しない場合、前記画面形成処理手段は、指示画面を描画し、表示部35に形成する。
【0069】
このとき、前記表示処理手段の学習処理手段は、学習処理を行い、車両がどのような走行状態にあるときに、どの画面への変更が運転者によって指示されたかを学習する。そのために、RAM32に、図6に示される学習記録部としての画面変更指示テーブルが設定される。該画面変更指示テーブルは、マトリックス構造を有し、各走行状態及び各候補画面に対応させて、変更が指示された回数(以下「指示回数」という。)が、学習結果を表す学習値として記録される。したがって、学習処理手段は、現画面が形成されている状態から画面変更指示がされるたびに、画面変更指示テーブルに記録された指示回数をインクリメントする。
【0070】
また、前記表示処理手段の更新判定処理手段は、更新判定処理を行い、画面変更指示テーブルの各指示回数を読み出し、指示回数が閾(しきい)値以上であるかどうかを判断する。指示回数が閾値以上である場合、前記更新判定処理手段は、指示回数が閾値以上になった車両の走行状態及び候補画面の組合せを更新対象の組合せとし、例えば、図4に示されるような初期状態の候補画面マップ、又は現在の候補画面マップの車両の走行状態及び候補画面の組合せを更新前の組合せとして、更新対象の組合せと更新前の組合せとが異なるかどうかを判断する。そして、更新対象の組合せと更新前の組合せとが異なる場合、前記更新判定処理手段は、候補画面マップを更新する必要があると判断する。
【0071】
続いて、前記表示処理手段の候補画面マップ設定処理手段としての更新処理手段は、候補画面マップ設定処理としての更新処理を行い、前記候補画面マップに更新対象の組合せを記録することによって候補画面マップを設定する。このようにして、候補画面マップを更新し、図7に示されるような候補画面マップを設定することができる。
【0072】
本実施の形態においては、車両を低速で走行させている場合に、音響機器を操作することが多く、エンジンを始動した直後において、エアコンを操作することが多い場合に、図7に示されるような候補画面マップが設定される。
【0073】
すなわち、該候補画面マップにおいては、車両の走行状態が通常走行中である場合、次案内画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が低速走行中である場合、及び車両の走行状態が短時間停車中である場合、オーディオ操作画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が長時間停車中である場合、目的地を設定するための目的地設定画面が候補画面として記録され、車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、エアコン操作画面が候補画面として記録される。
【0074】
なお、学習処理手段は、車両の走行状態以外の車両状況についても、運転者によってどの画面への変更が指示されたかを学習することができる。その場合、画面変更指示テーブルには、車両の走行状態以外の各車両状況、及び各候補画面に対応させて指示回数が記録される。そして、更新処理手段は、前記指示回数に基づいて前記候補画面マップを更新する。
【0075】
このように、本実施の形態においては、運転者によって画面が変更されたときの実績に基づいて前記候補画面マップが更新されるので、形成する必要性の高い画面を確実に形成することができる。
【0076】
なお、あらかじめ設定された初期状態の候補画面マップを利用することなく、更新処理手段によって候補画面マップを設定し、更新することができる。その場合、更新処理手段は、各車両の走行状態ごとに、画面変更指示テーブルに記録された各候補画面の指示回数を読み出し、各指示回数のうちの最も値が大きい候補画面を選択し、車両の走行状態と選択された候補画面との組合せを更新対象の組合せとし、候補画面マップに記録し、初期状態の候補画面マップを設定する。その後、更新処理手段は、学習結果に基づいて候補画面マップを更新する。
【0077】
ところで、補機の操作状態が変化すると、それに伴って、次に形成される可能性が最も高い画面も変化することがある。その場合、同じ候補画面マップを参照して候補画面を読み出すと、補機の操作状態に応じた適正な裏画面を描画することができなくなってしまう。
【0078】
そこで、補機の操作状態に応じて参照される候補画面マップが変更されるようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0079】
図8は本発明の第4の実施の形態における第1の候補画面マップを示す図、図9は本発明の第4の実施の形態における第2の候補画面マップを示す図、図10は本発明の第4の実施の形態における第3の候補画面マップを示す図、図11は本発明の第4の実施の形態における第4の候補画面マップを示す図である。
【0080】
この場合、補機である車載装置としてのナビゲーション装置14において、前記経路探索処理手段による経路の探索がされていない場合、目的地が設定される可能性が高いのに対して、音響機器が操作される可能性は低い。そこで、図8に示される第1の候補画面マップにおいては、車両の走行状態が通常走行中である場合、オーディオ操作画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が低速走行中である場合、交通情報画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が短時間停車中である場合、オーディオ操作画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が長時間停車中である場合、及び車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、目的地設定画面が候補画面として記録される。
【0081】
これに対して、ナビゲーション装置14において、前記経路探索処理手段による経路の探索がされている場合、目的地が設定される可能性が低いのに対して、音響機器が操作される可能性は高い。そこで、図9に示される第2の候補画面マップにおいては、車両の走行状態が通常走行中である場合、次案内画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が低速走行中である場合、交通情報画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が短時間停車中である場合、車両の走行状態が長時間停車中である場合、及び車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、オーディオ操作画面が候補画面として記録される。
【0082】
また、補機であるエアコンが操作されていない場合、気温が高いか又は低いと、エアコンが使用される可能性が高い。そこで、図10に示される第3の候補画面マップにおいては、車両環境状態が自宅周辺である場合、目的地設定画面が候補画面として記録され、車両環境状態が自宅周辺渋滞中である場合、及び車両環境状態が降雪中である場合、交通情報画面が候補画面として記録され、車両環境状態が高温下・低温下である場合、エアコン操作画面が候補画面として記録される。
【0083】
そして、エアコンが操作されてから一定時間以内である場合、気温が高いか又は低くても、エアコンが再び操作される可能性が低い。そこで、図11に示される第4の候補画面マップにおいては、車両環境状態が自宅周辺である場合、目的地設定画面が候補画面として記録され、車両環境状態が自宅周辺渋滞中である場合、及び車両環境状態が降雪中である場合、交通情報画面が候補画面として記録される。
【0084】
このように、補機の操作状態が変化すると、それに伴って、参照される候補画面マップが変更されるので、補機の操作状態に応じた適正な裏画面を描画することができる。
【0085】
ところで、本発明の第1の実施の形態においては、表示部35に現画面が形成されている間の車両状況が車両の走行状態で表され、図4に示される候補画面マップが参照されて次画面が描画されるようになっていて、本発明の第2の実施の形態においては、表示部35に現画面が形成されている間の車両状況が車両環境状態で表され、図5に示される候補画面マップが参照されて次画面が描画されるようになっている。
【0086】
すなわち、本発明の第1の実施の形態においては、車両環境状態に対応する候補画面に基づいて裏画面を描画することができず、本発明の第2の実施の形態においては、車両の走行状態に対応する候補画面に基づいて裏画面を描画することができないので、多様な車両状況に対応させて裏画面を描画することができず、表示部35の応答性を十分に向上させることができない。
【0087】
そこで、多様な車両状況に対応させて裏画面を描画することができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0088】
図12は本発明の第5の実施の形態における候補画面マップを示す第1の図、図13は本発明の第5の実施の形態における候補画面マップを示す第2の図である。
【0089】
この場合、車両状況が車両の走行状態及び車両環境状態で表され、車両の走行状態が、通常走行中、低速走行中、短時間停車中、長時間停車中及びエンジン始動直後に分けられ、車両環境状態が、自宅周辺、自宅周辺渋滞中、降雪中及び高温下・低温下に分けられる。
【0090】
そして、車両状況が車両の走行状態である場合に、図4の候補画面マップを、車両状況が車両環境状態である場合に、図5の候補画面マップを参照しようとすると、車両状況が、所定の車両の走行状態に該当し、かつ、所定の車両環境状態に該当する場合、二つの異なる候補画面が選択されることがある。
【0091】
例えば、車両状況が、車両の走行状態における低速走行中であり、車両環境状態における自宅周辺である場合、図4及び5の候補画面マップを参照すると、交通情報画面及び目的地設定画面が候補画面とされてしまう。
【0092】
そこで、本実施の形態においては、車両の走行状態及び車両環境状態を構成する各車両状況に対応する候補画面が比較され、形成される可能性が高い候補画面及び形成される可能性が低い候補画面を設定し、各車両状況ごとに優先度が付与される。
【0093】
本実施の形態においては、車両環境状態が自宅周辺である場合に最も優先度が高くされ、そして、車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、車両の走行状態が長時間停車中である場合、車両の走行状態が短時間停車中である場合、車両の走行状態が通常走行中である場合、車両環境状態が自宅周辺渋滞中である場合、及び車両の走行状態が低速走行中である場合の順に優先度が低くされ、車両環境状態が高温下・低温下である場合に最も優先度が低くされる。図12及び13に示される候補画面マップにおいて、車両状況の優先度が左端側ほど高く、右側ほど低くされる。
【0094】
したがって、車両状況判定処理手段が車両状況を判定し、車両状況が、車両の走行状態における低速走行中であり、車両環境状態における自宅周辺である場合、候補画面取得処理手段は、低速走行中及び自宅周辺のうちの、優先度の高い自宅周辺に対応する目的地設定画面を候補画面として読み出す。
【0095】
このように、本実施の形態においては、各車両状況ごとに優先度が付与されるので、複数の車両状況に基づいて所定の候補画面を容易に読み出すことができる。
【0096】
なお、本実施の形態においては、車両状況が所定の車両の走行状態及び車両環境状態に該当する場合について説明しているが、車両状況が二つ以上の車両の走行状態に該当する場合にも、本発明を適用することができる。
【0097】
例えば、ブレーキが掛けられ、パーキングレンジが選択された状態で車両が停車中である場合、車両状況は車両の走行状態における短時間停車中及び長時間停車中に該当する。したがって、図4の候補画面マップを参照すると、オーディオ操作画面及び目的地設定画面が候補画面とされてしまう
ところが、本実施の形態においては、図12及び13に示される候補画面マップにおいて、各車両状況に優先度が付与されているので、短時間停車中及び長時間停車中のうちの、優先度の高い長時間停車中に対応する目的地設定画面を候補画面として読み出すことができる。
【0098】
なお、本実施の形態においては、図12及び13に示されるように、一つの候補画面マップにおいて各車両状況に優先度が付与されるようになっているが、図4及び5に示されるような候補画面マップをそのままRAM32に配設し、各候補画面マップに優先度を付与することができる。
【0099】
その場合、RAM32において各候補画面マップによって使用されるメモリ容量が大きくなり、表示処理以外の他の処理においてRAM32が使用されると、各候補画面マップを参照するのが困難になってしまう。
【0100】
そこで、一つの候補画面マップに、各車両状況に対応させて複数の候補画面を、優先度を付与して記録し、各候補画面を裏画面として描画しておき、優先度の高い順に表示部35に表示するようにした本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0101】
図14は本発明の第6の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【0102】
この場合、候補画面マップにおいて、車両の走行状態が通常走行中である場合、優先度の高い順に次案内画面及び交通情報画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が低速走行中である場合、優先度の高い順にオーディオ操作画面及び交通情報画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が短時間停車中である場合、車両の走行状態が優先度の高い順にオーディオ操作画面及び目的地設定画面が候補画面として記録され、車両の走行状態が長時間停車中である場合、優先度の高い順に目的地設定画面及びオーディオ操作画面が候補画面として記録され、車両の走行状態がエンジン始動直後である場合、優先度の高い順にエアコン操作画面及び目的地設定画面が候補画面として記録される。
【0103】
そして、車両の走行状態が判定されると、前記候補画面取得処理手段は複数の候補画面を読み出すことによって取得する。
【0104】
続いて、前記裏画面描画処理手段は、取得された複数の候補画面を裏画面として描画する。そして、運転者によって画面変更指示がされると、前記画面判定処理手段は、指示画面と描画された各裏画面とが一致するかどうかを、優先度が高い順に判断する。指示画面と描画された裏画面とが一致すると、前記画面形成処理手段は、一致した裏画面を形成する。
【0105】
ところで、本発明の第1の実施の形態においては、表示部35に目的地設定画面が形成されたときに、画面遷移用の候補画面マップにおいて名称入力画面が候補画面として記録されるようになっているが、画面遷移用の候補画面マップにおける候補画面を学習によって設定することができる。
【0106】
そこで、画面遷移用の候補画面マップにおける候補画面を学習によって設定するようにした本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0107】
図15は本発明の第7の実施の形態における候補画面を学習によって設定する方法を示す図である。
【0108】
この場合、前記学習処理手段は、学習処理を行い、第1の出力部としての表示部35にどのような画面が形成されているときに、どの画面への変更が運転者によって指示されたかを学習する。そのために、RAM32に図15(a)に示される学習記録部としての画面変更指示テーブルが設定される。該画面変更指示テーブルは、画面遷移が行われる前の画面、本実施の形態においては、目的地設定画面に対応させて変更が指示され、所定の画面への画面遷移が行われるごとに指示回数が学習値として記録される。したがって、学習処理手段は、所定の画面が形成されている状態から画面変更指示がされるたびに、画面変更指示テーブルに記録された指示回数をインクリメントする。
【0109】
そして、前記表示処理手段の候補画面マップ設定処理手段は、候補画面マップ設定処理を行い、画面変更指示テーブルに記録された指示回数が最も大きい画面、例えば、名称入力画面を図15(b)に示される候補画面マップにおいて候補画面として設定する。
【0110】
このように、運転者によってどの画面への変更が指示されたかを学習し、画面遷移を行う際の候補画面を設定することができるので、表示部35の応答性を一層向上させることができる。
【0111】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における表示処理手段の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像遷移の例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における画面変更指示テーブルの記録内容の例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における更新された候補画面マップを示す図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における第1の候補画面マップを示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における第2の候補画面マップを示す図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における第3の候補画面マップを示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における第4の候補画面マップを示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における候補画面マップを示す第1の図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における候補画面マップを示す第2の図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態における候補画面マップを示す図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態における候補画面を学習によって設定する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0113】
14 ナビゲーション装置
51 情報センタ
63 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状況を判定する車両状況判定処理手段と、前記車両状況、及び車両状況に基づいて現画面の次に形成される可能性が高い画面を表す候補画面が互いに対応させて記録された候補画面マップと、該候補画面マップを参照して、判定された車両状況に対応する候補画面を取得する候補画面取得処理手段と、表示部に現画面が形成されている間に、取得された候補画面を裏画面として描画する裏画面描画処理手段と、操作者による現画面からの画面変更指示に基づいて前記表示部に裏画面を形成する画面形成処理手段とを有することを特徴とする画面形成システム。
【請求項2】
前記車両状況は走行に伴う車両の状態を表す車両の走行状態であり、前記候補画面マップに、車両の走行状態及び対応する候補画面が記録される請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項3】
前記車両状況は車両環境であり、前記候補画面マップに、車両の周囲の環境を表す車両環境状態及び対応する候補画面が記録される請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項4】
操作者による画面変更指示について学習をする学習処理手段と、該学習処理手段による学習結果に基づいて候補画面マップを設定する候補画面マップ設定処理手段とを有する請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項5】
前記候補画面マップは補機の操作状態に対応させて設定される請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項6】
前記候補画面マップにおいて前記車両状況に優先度が付与され、前記候補画面取得処理手段は優先度に基づいて候補画面を取得する請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項7】
前記候補画面マップにおいて、前記車両状況に対応させて複数の候補画面が設定され、該各候補画面に優先度が付与され、前記候補画面取得処理手段は、優先度に基づいて候補画面を取得する請求項1に記載の画面形成システム。
【請求項8】
車両状況を判定し、該車両状況、及び車両状況に基づいて現画面の次に形成される可能性が高い画面を表す候補画面を互いに対応させて候補画面マップに記録し、該候補画面マップを参照して、判定された車両状況に対応する候補画面を取得し、表示部に現画面が形成されている間に、取得された候補画面を裏画面として描画し、操作者による現画面からの画面変更指示に基づいて前記表示部に裏画面を形成することを特徴とする画面形成方法。
【請求項9】
コンピュータを、車両状況を判定する車両状況判定処理手段、前記車両状況、及び車両状況に基づいて現画面の次に形成される可能性が高い画面を表す候補画面とが互いに対応させて記録された候補画面マップ、該候補画面マップを参照して、判定された車両状況に対応する候補画面を取得する候補画面取得処理手段、表示部に現画面が形成されている間に、取得された候補画面を裏画面として描画する裏画面描画処理手段、及び操作者による現画面からの画面変更指示に基づいて前記表示部に裏画面を形成する画面形成処理手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−229132(P2009−229132A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72132(P2008−72132)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】