説明

誘電膜の原子層堆積のための化学物質の光励起のための方法および装置

本発明は一般的に、材料の堆積のための方法を提供し、さらに詳細には、本発明の実施形態は、障壁層、シード層、導電材料および誘電材料を堆積するために、光励起技術を利用する化学気相堆積処理および原子層堆積処理に関する。本発明の実施形態は一般的に、支援型処理の方法および装置を提供し、支援型処理は、均一に堆積される材料を提供するために行われてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は一般的に、材料の堆積のための方法に関し、さらに詳細には、本発明の実施形態は、障壁層、シード層、導電材料および誘電材料を堆積するために、光励起技術を利用する化学気相堆積処理および原子層堆積処理に関する。
【0002】
関連技術の詳細
[0002]基板製作処理は、2つの関連する重要な要因、すなわち、デバイス歩留まりおよび所有コスト(COO)によって評価されることが多い。COOは、複数の要因によって影響されるが、時間当たりに処理される基板の数、すなわち、製作処理の処理能力および処理材料のコストによって著しく影響される。バッチ処理は、処理能力を増大させるための試みにおいて、前途有望であることが分かっている。しかし、増大した数の基板に関して処理状態を均一に提供することは、難題である。
【0003】
[0003]さらに、プラズマ支援型ALD処理またはCVD処理、UV支援型(光支援型)ALD処理またはCVD処理、および処理エリアに対してイオンによる支援を直接的に有するALD処理またはCVD処理は、いくつかの堆積処理に対して有益であることが示されている。たとえば、UV支援型処理およびプラズマ支援型処理は、デバイススケールが65nm未満の用途に対処する場合にますます必要とされる高k誘電体に関して良好な膜品質を提供することが実証されている。プラズマ支援型ALDまたはCVDもまた、類似の熱支援型処理に比べて、熱量および処理時間の要件を低減することが実証されている。
【0004】
[0004]さらなる支援処置が、プラズマ支援型ALD処理またはCVD処理、UV支援型(光支援型)ALD処理またはCVD処理、および処理領域に対してイオンによる支援を直接的に有するALD処理またはCVD処理に関して上述した処理に加えられる場合には、増大した数の基板に関して均一な処理状態を提供することは、さらに一層困難である。
【0005】
[0005]プラズマ支援型ALD処理は、バッチチャンバ内の均一なプラズマ状態に基板を曝す試みに対して、遠隔プラズマ生成を使用している。プラズマは、バッチツールのガス送出システムなどの送出システムによって導入される。しかし、この処理は、処理領域に入る前にプラズマの緩和を被る可能性がある。
【0006】
[0006]したがって、UV支援によるバッチツールにおいて、ALD処理またはCVD処理中に、材料を均一かつ効果的に堆積するための方法に対する需要がある。
【発明の開示】
【0007】
[0007]本発明は一般的に、材料の堆積のための方法を提供し、さらに詳細には、本発明の実施形態は、障壁層、シード層、導電材料および誘電材料を堆積するために、光励起技術を利用する化学気相堆積処理および原子層堆積処理に関する。本発明の実施形態は一般的に、支援型処理の方法および装置を提供し、支援型処理は、均一に堆積される材料を提供するために行われてもよい。
【0008】
[0008]一実施形態によれば、基板の上に金属窒化物を形成するための方法が、提供される。方法は、処理チャンバ内に基板を位置決めすることと、前駆物質を含有する金属および前駆物質を含有する窒素を含む堆積ガスに基板を曝すことと、処理チャンバ内でUV源から抽出されたエネルギビームに堆積ガスを曝すことと、基板上に金属窒化物を堆積することと、を備える。一実施形態において、基板は、金属窒化物の堆積前に前処置処理中にエネルギビームに曝されるか、または基板は、金属窒化物の堆積後に後処置処理中にエネルギビームに曝される。
【0009】
[0009]別の実施形態によれば、基板上に金属酸化物を形成する方法が、提供される。方法は、処理チャンバ内に基板を位置決めすることと、前駆物質を含有する金属および前駆物質を含有する酸素を含む堆積ガスに基板を曝すことと、処理チャンバ内でUV源から抽出されたエネルギビームに堆積ガスを曝すことと、基板上に金属酸化物を堆積することと、を備える。一実施形態において、基板は、金属酸化物の堆積前に前処置処理中にエネルギビームに曝される。また一実施形態において、基板は、金属酸化物の堆積後に後処置処理中に後でエネルギビームに曝される。
【0010】
[0010]別の実施形態によれば、基板上に金属層を形成する方法が、提供される。方法は、処理チャンバ内に基板を位置決めすることと、前駆物質を含有する金属および還元ガスを含む堆積ガスに基板を曝すことと、処理チャンバ内でUV源から抽出されたエネルギビームに堆積ガスを曝すことと、基板上に金属層を堆積することと、を備える。一実施形態において、基板は、金属酸化物の堆積前に前処置処理中にエネルギビームに曝される。また一実施形態において、基板は、金属酸化物の堆積後に後処置処理中に後でエネルギビームに曝される。
【0011】
[0011]本発明の上記に記載した特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に概要を述べた本発明のさらに具体的な説明は、実施形態を参照して行われてもよく、実施形態の一部は添付図面に図示される。しかし、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示しており、したがって、本発明は、他の等しく効果的な実施形態を認めてもよいことから、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないことに留意されたい。
【詳細な説明】
【0012】
[0026]本発明は一般的に、生成イオンによる処理を支援するためのアセンブリを備えたバッチにおいて半導体基板を処理するための装置および方法を提供する。本発明の一実施形態において、バッチ処理チャンバハウジング内に位置決めされる励起アセンブリを備えたバッチ処理チャンバが、提供される。本明細書に記載される一実施形態に関する有用である可能性があるバッチ処理チャンバの実施例は、カリフォルニア州サンタクララに位置するApplied Materials Inc.から入手可能なFLEXSTAR(登録商標)システムである。
【0013】
[0027]一般的に、処理ガスの励起種は、本明細書において記載されているように、ALD処理またはCVD処理を支援するために生成されてもよい。これらの種は、プラズマ支援、UV支援(光支援)、イオン支援(たとえば、イオン源によって生成されるイオン)またはその組み合わせによって励起されてもよい。種は、イオンがバッチ処理チャンバの処理領域に達する前に、励起状態の緩和を回避するために、チャンバハウジング内の処理領域またはその付近で励起される。
【0014】
[0028]「基板」としては、本明細書において言及されるとき、半導体ウェーハ、半導体加工物および他の加工物、たとえば、光学厚板、メモリディスクなどが挙げられるが、これに限定されるわけではない。本発明の実施形態は、本明細書に記載される方法によって材料が堆積される任意の一般的に平坦な加工物に適用されてもよい。
【0015】
[0029]「垂直方向」および「水平方向」は、相対的な方向を表すものとして理解されるべきである。このように、水平方向は、垂直方向に対して実質的に垂直であるものとして理解されるべきであり、これはその逆についても当てはまる。にもかかわらず、記載された実施形態および態様は、垂直方向として言及される次元が水平に向けられ、同時に、水平方向として言及される次元が垂直に向けられるように、全体として回転されうることは本発明の範囲内である。
【0016】
[0030]本明細書に記載される実施形態に関して有用なALD処理またはCVD処理のためのバッチ処理チャンバは、2005年10月13日出願の「Reaction Chamber with Opposing Pockets for Gas Injection and Exhaust」という名称の同一出願人による米国特許出願第11/249,555号に記載され、チャンバ、加熱システム、ガス送出システムおよび排気管システムのさらなる詳細を提供するために、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0017】
ハードウェア
[0031]図1は、内部チャンバ101(たとえば、石英チャンバ)と、制御された注入および排気管と、を有するバッチ処理チャンバの一実施形態を図示する。典型的に、注入器アセンブリ150および排気管アセンブリ170は、処理ガスの凝縮を回避するために制御された温度である。図1は、バッチ処理チャンバ100の断面側面図である。バッチ処理チャンバ100は一般的に、基板ボート120に積層された基板121のバッチに適応するように構成された処理領域117を画定する内部チャンバ101を含有する。基板は、ALD処理またはCVD処理などの種々の堆積処理によって処理されることになっている処理領域に提供される。一般的に、1つまたは複数の加熱器ブロック(図示せず)は、内部チャンバ101の周囲に配列され、処理領域117に提供される基板121を加熱するように構成される。一実施形態において、内部チャンバ101は、たとえば、石英チャンバであってもよい。外部チャンバ113は一般的に、内部チャンバ101の周囲に配置される。外部チャンバを冷却状態で維持するために、1つまたは複数の断熱体(図示せず)は、外部チャンバ113と任意の加熱器との間に提供されてもよい。
【0018】
[0032]図1に示される実施形態において使用されてもよい加熱器ブロックおよび断熱体の実施例が、図2の実施形態に示されている。図2は、内部チャンバ201の周囲に配列され、処理領域に提供される基板を加熱するように構成される1つまたは複数の加熱器ブロック211を示す。外部チャンバ213は一般的に、内部チャンバ201の周囲に配置される。一実施形態において、内部チャンバ201は、たとえば、石英チャンバであってもよい。図2において、外部チャンバを冷却状態で維持するために、断熱体212は、外部チャンバ213と任意の加熱器との間に提供される。
【0019】
[0033]図1は、下部に開口部を有するチャンバ本体と、チャンバ本体の一方の側に形成される注入器ポケットと、注入器ポケットの対向する側でチャンバ本体に形成される排気管ポケットと、を一般的に含有する内部チャンバ101、たとえば、石英チャンバを示す。内部チャンバ101は、基板ボート120の形状に類似の円筒形形状を有する。それにより、処理領域117は、小さい状態で維持されてもよい。削減された処理領域は、バッチ当たりの処理ガスの量を削減し、バッチ処理中の滞留時間を短くする。
【0020】
[0034]一実施形態において、排気管ポケット103および注入器ポケット104は、内部チャンバ101のチャンバ本体上に圧延されるスロットを用いて適所で溶接されてもよい。一実施形態によれば、注入器ポケットおよび排気管ポケットは、一端がチャンバ本体上で溶接され、一端が開放される平坦な石英チューブである。注入器ポケット104および排気管ポケット103は、注入器アセンブリ150および排気管アセンブリ170を収容するように構成される。参照によって本明細書に組み込まれる、上記2005年10月13日出願の「Reaction Chamber with Opposing Pockets for Gas Injection and Exhaust」という名称の米国特許出願第11/249,555号(上記を参照によって組み込まれるものとする)にさらに詳細に記載されたように、注入器アセンブリ150および排気管アセンブリ170は典型的に、温度制御されてもよい。さらに、内部(石英)チャンバを支持するための支持プレートは、内部チャンバ101の下部開口部の下に位置決めされるロードロックにさらに接続される。基板ボート120は、ロードロックを通じて装填および解放されてもよい。基板ボート120は、内部チャンバの下部で開口部を介して処理領域117とロードロックとの間で、垂直に並進されてもよい。
【0021】
[0035]バッチ処理チャンバにおいて本明細書に記載される処理中に使用されてもよい基板ボートの実施例は、2005年8月31日出願の「Batch Deposition Tool and Compressed Boat」という名称の米国特許出願第11/216,969号にさらに記載され、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。バッチ処理において使用される、基板ボートの装填および解放のための方法および装置の実施例は、2005年9月30日出願の「Batch Wafer Handling System」という名称の米国特許出願第11/242,301号にさらに記載され、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0022】
[0036]加熱器ブロックは、注入器ポケット104および排気管ポケット103の付近以外の内部チャンバ101の外周の周囲に一般的に巻き付けられる。別の実施形態によれば(図示せず)、加熱器ブロック211は、注入器ポケット104および/または排気管ポケット103の周囲に巻きつけられてもよい。基板121は、内部チャンバ101を通って加熱器ブロックによって適切な温度まで加熱される。加熱器は、基板の均一な加熱を達成するように制御される。一実施形態において、バッチ処理において基板121上の点は、同一の設定点温度±1℃に達する。バッチ処理チャンバ100の構造は、バッチ処理における温度均一性を改善する。たとえば、内部チャンバ101の円筒形形状は、内部チャンバから均等に離隔される基板121の縁を結果として生じる。また、加熱器は、領域間の温度の変動を調整するために、複数の制御可能なゾーンを有してもよい。加熱器ブロックは、複数の垂直ゾーンにおいて配列される抵抗加熱器から構成されてもよい。一実施例において、加熱器ブロックは、セラミック抵抗加熱器であってもよい。
【0023】
[0037]図1は、注入器ポケット104が、処理領域117と連通する注入容積を画定するチャンバ本体の側で溶接されてもよいことを図示する。基板ボートが処理位置にあるときに、注入容積は典型的に、基板ボート120の高さ全体に沿って延在する。このように、注入器ポケットに配置される注入器アセンブリ150は、あらゆる基板121に対して処理ガスの水平流れを提供してもよい。
【0024】
[0038]凹部は、注入器ポケット104の壁を保持するように形成される。注入器アセンブリは、たとえば、シール154によって熱的に分離される。シール154は、Oリングまたは他の適切な要素であってもよく、内部チャンバ101における圧力を制御するために、真空シールも提供する。注入器アセンブリの熱的分離は、注入器の温度を独立に制御するために所望であってもよい。
【0025】
[0039]処理領域117および注入器容積は通常、処理中の真空状態で保持されるため、内部チャンバ101とチャンバ113との間の外部容積もまた、排出されてもよい。低減した圧力下で、外部容積を維持することは、内部チャンバ101において圧力生成応力を低減してもよい。Oリングなどのさらなる真空シールは、処理領域117の圧力、内部チャンバ101に印加される真空/圧力応力を制御するために、処理領域に向かってのみ挿入される処理ガスのガス流を制御するために、チャンバ100の適切な部品間に配置されてもよい。さらに、内部チャンバ101における圧力を制御するために、1つまたは複数の真空ポンプは、直接的であってもよく、または内部チャンバに接続されるさらなる排気管プレナム(図示せず)を介してもよい。
【0026】
[0040]特に堆積処理がバッチ処理チャンバで行われることになっている場合に、バッチ処理チャンバにおける種々の構成要素の温度は、独立に制御可能である。注入器アセンブリの温度が低すぎる場合には、注入されるガスは、凝縮され、注入器アセンブリの表面に残っていてもよく、粒子を生成してチャンバ処理に影響を及ぼすことができる。注入器アセンブリの温度が注入器アセンブリの経路を「詰まらせる」可能性がある気相分解および/または表面分解を引き起こすほど十分に高い場合には、バッチ処理チャンバの注入器アセンブリは、注入されているガスの分解温度より低く、ガスの凝縮温度より高い温度まで加熱される。注入器アセンブリの温度は一般的に、処理領域における処理温度とは異なる。一実施例において、基板は、約600℃まで加熱されてもよいが、注入器アセンブリの温度は、原子層堆積処理中、約80℃である。したがって、注入器アセンブリの温度は、独立に制御される。
【0027】
[0041]図1は、排気管ポケット103が、処理領域117と連通する排気管容積を画定するチャンバ本体の側に溶接されてもよいことを図示する。排気管容積は典型的に、基板ボートが処理位置にあるとき、排気管ポケットに配置された排気管アセンブリが、あらゆる基板121に対して処理ガスの水平流れを提供してもよいようになっている場合に、基板ボート120の高さ全体を覆う。
【0028】
[0042]凹部は、排気管ポケット103の壁を保持するように形成される。排気管アセンブリは、たとえば、シール174によって熱的に分離される。シール174は、Oリングまたは他の適切な要素であってもよく、内部チャンバ101における圧力を制御するために、真空シールも提供する。排気管アセンブリの熱的分離は、排気管の温度を独立に制御するために所望であってもよい。
【0029】
[0043]処理領域117および排気管容積は通常、処理中の真空状態で保持されるため、内部チャンバ101とチャンバ113との間の外部容積もまた、排出されてもよい。真空化された外部容積を維持することにより、内部チャンバ101において圧力生成応力を低減することができる。Oリングなどのさらなる真空シールは、処理領域117の圧力、内部チャンバ101に印加される真空/圧力応力を制御するために、処理領域に向かってのみ挿入される処理ガスのガス流を制御するために、チャンバ100の適切な部品間に配置されてもよい。さらに、内部チャンバ101における圧力を制御するために、1つまたは複数の真空ポンプは、直接的であってもよく、または内部チャンバに接続されるさらなる排気管プレナム(図示せず)を介してもよい。
【0030】
[0044]特に堆積処理がバッチ処理チャンバで行われることになっている場合に、バッチ処理チャンバにおける種々の構成要素の温度は、独立に制御可能である。一方では、堆積反応が排気管アセンブリで生じないように、排気管アセンブリの温度を処理チャンバにおける温度より低く維持することが望ましい。他方では、排気管アセンブリを通過する処理ガスが凝縮されず、粒子汚染を生じる表面に残っているように、排気管アセンブリを加熱することが望ましい。排気管アセンブリにおける反応副生成物の堆積が生じる場合には、排気管アセンブリの高温は、堆積が良好な接着を有することを保証してもよい。したがって、排気管アセンブリは、処理領域とは独立に加熱されてもよい。
【0031】
[0045]図1は、その上、ガス源159が提供されることを図示する。ガス源159は、前駆物質ガスまたは堆積ガスのような処理ガス、処置ガス、キャリアガスおよびパージガスを、弁158および入口チャネル156を介して、注入器アセンブリの垂直チャネル155に提供する。垂直チャネル155はまた、プレナム155またはキャビティ155として表示されてもよい。処理ガスは、注入器アセンブリの開口部153を通して処理領域117に入る。プレートおよび開口部は、基板ボート120における基板121の上へのガスを均一な分散を有するように、フェースプレート152を形成する。
【0032】
[0046]一般的に、キャリアガスおよびパージガスは、処理ガスとして使用されてもよく、N、H、Ar、He、その組み合わせなどを含む。前処理ステップ中、H、NH、B、Si、SiH、HO、HF、HCl、O、O、Hまたは他の周知のガスが、処理ガスとして使用されてもよい。一実施形態において、堆積ガスまたは前駆物質ガスは、ハフニウム前駆物質、ケイ素前駆物質またはその組み合わせを含有してもよい。
【0033】
[0047]例示のハフニウム前駆物質は、ハロゲン化物、アルキルアミノ、シクロペンタジエニル、アルキル、アルコキシド、その誘導体またはその組み合わせなどの配位子を含有するハフニウム化合物を含む。ハフニウムを含有する材料を堆積するのに有用なハフニウム前駆物質は、HfCl、(EtN)Hf、(MeN)Hf、(MeEtN)Hf、(BuCHfCl、(CHfCl、(EtCHfCl、(MeHfCl、(Me)HfCl、(PrCHfCl、(PrC)HfCl、(BuCHfMe、(acac)Hf、(hfac)Hf、(tfac)Hf、(thd)Hf、(NOHf、(BuO)Hf、(PrO)Hf、(EtO)Hf、(MeO)Hfまたはその誘導体を含む。例示のケイ素前駆物質は、SiH、Si、TDMAS、Tris−DMAS、TEOA、DCS、SiCl、BTBASまたはその誘導体を含む。
【0034】
[0048]本明細書に記載される気相堆積処理中に使用される別法の金属前駆物質は、ZrCl、CpZr、(MeN)Zr、(EtN)Zr、TaF、TaCl、(BuO)Ta、(MeN)Ta、(EtN)Ta、(MeN)Ta(NBu)、(EtN)Ta(NBu)、TiCl、TiI、(PrO)Ti、(MeN)Ti、(EtN)Ti、AlCl、MeAl、MeAlH、(AMD)La、((MeSi)(Bu)N)La、((MeSi)N)La、(BuN)La、(PrN)La、その誘導体またはその組み合わせを含む。
【0035】
[0049]たとえ図1が、唯一のガス源を示しているとしても、当業者には、複数のガス源、たとえば、第1の前駆物質用の1つのガス源、第2の前駆物質用の1つのガス源およびキャリアガスおよびパージガス用の1つのガス源が、バッチ処理チャンバ100に連結されてもよいことが認識されよう。異なるガスからのガス流は、処理のための所望の必要性に応じて、オンおよびオフを切り換えてもよい。それにより、3方弁または4方弁が、入口チャネル156に異なるガスを提供するために使用されてもよい。あるいは、2つ、3つまたはそれ以上の入口チャネル156が、注入器アセンブリ150にわたって水平に圧延されてもよく、複数の垂直チャネル155が処理領域に異なる処理ガスを挿入するために提供されてもよい。
【0036】
[0050]実施例として、注入器アセンブリ250は、2つ以上の入口チャネル、たとえば、図2に図示されているように、3つの入口チャネル256を有する。一実施形態において、3つの入口チャネル256のそれぞれは、処理領域117に互いとは異なる処理ガスを供給するように構成される。各入口チャネル256は、垂直チャネル255に接続される。垂直チャネル255はまた、キャビティ255またはプレナム255と表示されてもよい。垂直チャネル255はさらに、複数の均等に分散された水平孔253に接続され、注入器アセンブリ250の中心部分に垂直フェースプレートを形成する。
【0037】
[0051]注入器アセンブリ150から内部チャンバ101の対向する端部で、排気管ポケット103が、チャンバ101に提供される。排気管ポケットは、排気管アセンブリ170を受け入れる。排気管ポート176は、中心部分付近で、排気管アセンブリ170にわたって水平に形成される。排気管ポート176は、中心部分に形成される垂直区画175に通じている。垂直区画175はさらに、処理領域117に通じている複数の水平スロット173に接続される。処理領域117が弁178を介して真空ポンプ179からポンプで送り込まれているとき、処理ガスは、最初に複数の水平スロット173を通して処理領域117から垂直区画175へ流れる。処理ガスは次に、排気管ポート176を介して排気管システム内に流れ込む。一態様において、基板ボート120にわたって上部から下部へのさらなる引き込みを提供するために、水平スロット173は、特定の水平スロット173と排気管ポート176との間の距離に応じて、サイズが変化してもよい。
【0038】
[0052]上記でさらに詳細に記載したように、前駆物質ガス、堆積ガス、処置ガス、パージガスまたはキャリアガスなどの処理ガスは、注入器アセンブリおよび排気管アセンブリによって処理領域117に送出されたり、処理領域117から送出される。各基板121にわたる均一なガス流のほか、基板ボート120において垂直に整列されるすべての基板にわたる均一なガス流が、所望である。しかし、非均一性は、ウェーハ縁でガス流における不規則性によって生じる可能性がある。これらの不規則性は、注入器と基板ボートとの間に、拡散体169を提供することによって、防いでもよい。拡散体160は、ガス流に基板の縁における直接的な影響が及ばないようにしてもよい。拡散体160は、V字形の形態を有してもよく、基板に沿って接線方向に入口からガスを指向してもよい。
【0039】
[0053]拡散体は、種々の形状および位置に提供されてもよい。一般的に、拡散体は、注入器アセンブリのフェースプレートと基板ボートとの間に提供されてもよい。それにより、拡散体は、基板アセンブリに一体化されてもよく、および/または内部チャンバ101の注入器ポケットに位置決めされてもよい。チャンバにおいて使用されてもよい拡散体の種々の実施形態および用途の方法は、本願と同日に出願された「Batch Processing Chamber with Diffuser Plate and Injector Assembly」という名称の米国特許出願(米国特許出願第11/381,966号)にさらに詳細に記載され、参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0040】
[0054]改善した均一性を有するガス流は、前駆物質ガスまたはキャリアガスまたはパージガスなどの処理ガスのイオン化された種を搬送する。ガス流の均一性はまた、イオン化された種の均一性を改善し、プラズマ支援型処理、UV支援型処理またはイオン支援型処理を提供するために使用される。一般的に、プラズマ、UV、イオン生成による処理支援は、導入ガスの励起としてまたは導入ガスのイオン化によって特徴付けられることができる。処理領域117に処理ガス流を提供する構成要素は、各基板にわたっておよび基板ボートにおける基板にわたって均一に堆積される材料を形成するように構成される。
【0041】
[0055]プラズマ支援型バッチ処理は、遠隔プラズマ源によってこれまでは行われていた。しかし、遠隔プラズマは、処理領域に関してより大きな距離で生成される。このように、プラズマが処理領域に入るときには、プラズマ内で励起される種の数は既に、相当減少されていた。遠隔プラズマ源は、プラズマが処理領域に入る前にプラズマの緩和を結果として生じる。
【0042】
[0056]本発明は一般的に、バッチツールにおいて半導体基板を処理するための装置および方法を提供し、たとえば、基板のプラズマ支援型処理用のプラズマは、処理領域の中または処理領域付近または隣接位置に提供される。処理領域付近または隣接位置は、処理領域に直接的に隣接する位置、または少なくとも内部チャンバ、注入器ポケットまたは注入器アセンブリの中にプラズマ生成を有するものとして理解されるべきである。
【0043】
[0057]図1に図示される実施形態は、拡散体160および注入器アセンブリ150のフェースプレート152に接続されるプラズマを生成するための電源180を含む。プラズマは、拡散体160と注入器アセンブリ150のフェースプレート152との間に生成される。注入器面は、陽極として使用され、拡散体は、陰極として使用されて、その間にプラズマを生成する。プラズマを生成するために印加される電力は、所望の用途に適合されることができ、処理領域に流れ込む処理ガスにおける特定の種をイオン化するために必要なエネルギに左右されてもよい。結果として、プラズマ電力は、現在行われる処理ステップに応じて変化してもよい。たとえば、プラズマ支援型ALD処理の場合には、異なる電力が、第1の前駆物質のガス流中、第1の前駆物質を除去するためのパージ中またはポンピング中、第2の前駆物質のガス流中または第2の前駆物質を除去するためのパージ中またはポンピング中に印加されてもよい。あるいは、処理ステップの一部が、類似のプラズマ電力でまたはプラズマ支援を受けることなく行われてもよい。たとえば、パージステップは、同一の電力でまたは電力がない状態で行われてもよいのに対して、前駆物質が処理領域に提供される時間の場合には、第1の前駆物質および第2の前駆物質にそれぞれ適合されるプラズマ電力が印加される。
【0044】
[0058]上記で既に述べたように、障壁シール154が、注入器ポケット104と注入器アセンブリ150との間に配置され、障壁シール174が、排気管ポケット103と排気管アセンブリ170との間に配置される。それにより、処理化学物質が、バッチ処理チャンバにおける任意の望ましくないエリアに入らないようにする。さらに、石英チャンバ用の真空シールが、シール154、174によって提供されてもよい。その上、Oリングなどの形態で提供されてもよいシールは、チャンバ内で異なる構成要素を互いから電気的に絶縁することができる。これは、電源180によって提供される電力が増大するにつれてますます関係する。電極、たとえば、注入器アセンブリに印加されるより高い電圧は、注入器アセンブリの改善した電気絶縁を必要とする可能性がある。
【0045】
[0059]図1に示される実施形態の中で、プラズマは、注入器アセンブリ150の面と拡散体160との間に閉じ込められてもよい。それにより、プラズマに対する基板の直接的な曝露が、回避されてもよい。これは、基板の表面に対するプラズマ損傷を防止するために、望ましい場合がある。それゆえ、拡散体は、プラズマから基板を遮蔽する。
【0046】
[0060]図1を参照しながら記載された実施形態において、プラズマは、水平方向に生成される。プラズマは、拡散体160および注入器アセンブリ150の垂直方向に沿って延在する。このように、水平プラズマは、処理領域117の垂直方向に沿って延在する。基板ボート120における基板121は、基板の全体的な積層に沿ってプラズマに曝露される。前に記載した均一なガス流は、ウェーハにわたるプラズマのイオン化された種の均一な分散を提供する。
【0047】
[0061]図2は、内部チャンバ201と、制御された注入器および排気管と、を有するバッチ処理チャンバのさらなる実施形態を図示する。典型的に、注入器アセンブリ250および排気管アセンブリ270は、処理ガスの凝縮を回避するように制御された温度である。図2は、バッチ処理チャンバ200の断面平面図である。バッチ処理チャンバ200は一般的に、基板ボート220に積層された基板のバッチに適応するように構成された処理領域217を画定する内部チャンバ201を含有する。基板は、ALD処理またはCVD処理などの種々の堆積処理によって処理されることになっている処理領域に提供される。一般的に、1つまたは複数の加熱器ブロック211は、内部チャンバ201の周囲に配列され、処理領域に提供される基板を加熱するように構成される。外部チャンバ213は一般的に、内部チャンバ201の周囲に配置される。図2において、外部チャンバを冷却状態で維持するために、断熱体212が、外部チャンバ213と任意の加熱器との間に提供される。
【0048】
[0062]内部チャンバ201、たとえば、石英チャンバは一般的に、下部に開口部を有するチャンバ本体と、チャンバ本体の一方の側に形成される注入器ポケットと、注入器ポケットの対向する側でチャンバ本体に形成される排気管ポケットと、を備える。内部チャンバ201は、基板ボート220の形状に類似の円筒形形状を有する。それにより、処理領域117は、比較的小さい状態で維持される。削減された処理領域は、バッチ当たりの処理ガスの量を削減し、バッチ処理中の滞留時間を短くする。
【0049】
[0063]排気管ポケット203および注入器ポケット204は、チャンバ本体上に圧延されるスロットを用いて適所で溶接されてもよい。別法の実施形態によれば、排気管ポケットは、垂直区画275と処理領域を接続する垂直に整列された管の形態で提供されてもよい。一実施形態によれば、注入器ポケット204および排気管ポケット203は、一端がチャンバ本体上で溶接され、一端が開放される平坦な石英チューブである。注入器ポケット204および排気管ポケット203は、注入器アセンブリ250および排気管アセンブリ270を収容するように構成される。注入器アセンブリ250および排気管アセンブリ270は典型的に、温度制御される。
【0050】
[0064]図2に図示される実施形態は、拡散体260および注入器アセンブリ250のフェースプレート252に接続されるプラズマを生成するための電源280を含む。プラズマは、拡散体260と注入器アセンブリの面との間に生成される。注入器面は、陽極として使用され、拡散体は、陰極として使用されてその間にプラズマを生成する。プラズマを生成するために印加される電力は、所望の用途に適合されることができ、処理領域に流れ込む処理ガスにおける特定の種をイオン化するために必要なエネルギに左右されてもよい。結果として、プラズマ電力は、現在行われる処理ステップに応じて変化してもよい。たとえば、プラズマ支援型ALD処理の場合には、異なる電力が、第1の前駆物質のガス流中、第1の前駆物質を除去するためのパージ中またはポンピング中、第2の前駆物質のガス流中または第2の前駆物質を除去するためのパージ中またはポンピング中に印加されてもよい。
【0051】
[0065]あるいは、処理ステップの一部が、類似のプラズマ電力でまたはプラズマ支援を受けることなく行われてもよい。たとえば、パージステップは、同一の電力でまたは電力がない状態で行われてもよいのに対して、第1の前駆物質および第2の前駆物質にそれぞれ適合されるプラズマ電力がそれぞれの前駆物質ガスの注入中に印加される。
【0052】
[0066]一実施形態において、図2に示されているように、プラズマは、注入器アセンブリ250の面と拡散体260との間に閉じ込められてもよい。それにより、プラズマに対する基板の直接的な曝露が、回避されてもよい。これは、基板の表面に対するプラズマ損傷を防止するために、望ましい場合がある。それゆえ、拡散体は、プラズマから基板を遮蔽する。
【0053】
[0067]図2を参照しながら記載された実施形態において、プラズマは、水平方向に生成される。プラズマは、拡散体および注入器アセンブリの垂直方向に沿って延在する。このように、水平プラズマは、処理領域217の垂直方向に沿って延在する。基板ボート220における基板は、基板の全体的な積層に沿ってプラズマに曝露される。前に記載した均一なガス流は、ウェーハにわたるプラズマのイオン化された種の均一な分散を提供する。
【0054】
[0068]バッチ処理チャンバ200は、外部チャンバ213と、断熱体212によって外部チャンバから分離される加熱器ブロック211と、を含む。注入器ポケット204および排気管ポケット203または排気管を含む内部チャンバ201は、処理領域に位置している基板ボート220を包囲する。注入器アセンブリ250は、3つの入口チャネル256を有する。処理ガスは、チャネルを通って垂直チャネル255に提供されることができ、注入器アセンブリ250の面における開口部253を通って処理位置に入る。排気管アセンブリ270は、排気管ポート176、垂直区画275および水平スロット273を含む。
【0055】
[0069]さらに、V字形の拡散体260が、示されている。図1と同様に、電源は、注入器アセンブリを介して注入器の面および拡散体に連結されて注入器の面と拡散体との間にプラズマを生成する。図2はさらに、拡散体と注入器の面との間の間隙にプラズマをさらに閉じ込める導電メッシュ261を図示する。拡散体はその上、プラズマを閉じ込めてエネルギ粒子からの基板の保護を改善するために透過性に構成されてもよい。透過性拡散体は、ウェーハにわたって、ガス流の均一性を改善してもよい。透過性拡散体の場合には、拡散体は、メッシュの形態で提供されてもよい。別の実施形態(図示せず)によれば、メッシュ261および透過性メッシュ拡散体260は、陰極を提供し、この陰極と陽極として作用する注入器アセンブリの面との間にプラズマを閉じ込めるために、1つのユニットとして提供されてもよい。プラズマの閉じ込めは、所望であれば、注入器アセンブリとメッシュまたは拡散体との間の間隙を最小限に抑えることによって、または間隙を排除することによって改善されてもよい。にもかかわらず、隣接要素が陽極と、プラズマ点火および保守点検用の陰極と、を形成する場合には、断熱が提供されてもよいことを理解すべきである。
【0056】
[0070]導電メッシュおよび透過性メッシュ、拡散体および注入器アセンブリの面は、基板が基板ボートにおいて互いに積層される方向に沿って延在する。本明細書において示される実施形態において、この方向は、垂直方向である。基板は、垂直に積層される。プラズマが、処理領域の高さ全体に沿って、処理領域に隣接して生成されるため、一方では、処理領域における均一なプラズマ支援型処理状態を提供することを可能にする。他方では、プラズマが、処理領域に隣接して生成されるため、励起種が処理領域における基板と接触するまで、励起の緩和はほとんど生じない。
【0057】
[0071]図3は、プラズマ支援型ALD処理、プラズマ支援型CVD処理または他のプラズマ支援型処理が行われてもよいバッチ処理チャンバ300の別の実施形態を図示する。図3の中で、図1の実施形態と同一である要素は、同一の参照符号で表示される。あるいは、これらの要素は、図2に示される実施形態においても同一であってもよい。これらの要素および関連する目的または用途の説明の繰り返しは、簡単にするために省略される。
【0058】
[0072]電源380は、注入器アセンブリ350および排気管アセンブリ370に接続され、注入器の面と排気管の対向するポートとの間にプラズマを生成する。
【0059】
[0073]プラズマは、基板の表面に平行である水平方向に生成される。プラズマは、内部チャンバ101の処理領域117に沿って延在する。排気管ポートは、陰極として使用されてもよく、注入器アセンブリの面は、陽極として使用されてもよい。陽極と陰極との間の増大される距離に照らして、陰極と陽極との間の電源によって提供される電圧は、処理ガスの種に作用する同一の電界を提供するために、増大されなければならない。増大された電位差の結果として、荷電された構成要素は、周囲の構成要素からのさらなる電気的絶縁を必要とする可能性がある。図3において、これは、注入器アセンブリ350と内部チャンバ101の注入器ポケットとの間の増大された間隙によって表される。さらに、排気管アセンブリ370の間隙が、増大される。シール354および374はまた、さらなる電気的絶縁を表すために、サイズにおいて増大される。たとえ、石英チャンバの場合には、注入器アセンブリの面と排気管アセンブリのポートの絶縁が、非導電性内部チャンバによって部分的に提供されてもよいとしても、処理領域にわたってプラズマを作成するほど十分に高い電位は、バッチ処理チャンバ300における構成要素のさらなる絶縁を必要とする可能性がある。
【0060】
[0074]プラズマ支援型処理を行うオプションを提供するバッチ処理チャンバ400のさらなる実施形態が、図4に示されている。図4の中で、図1の実施形態または他の前の実施形態と同一である要素は、同一の参照符号で表示される。あるいは、これらの要素は、図2に示される実施形態においても同一であってもよい。これらの要素および関連する目的または用途の説明の繰り返しは、簡単にするために省略される。
【0061】
[0075]図4の中で、図3のチャンバ300と比べると、電極470が、内部チャンバ101に位置決めされる。1つまたは複数の電極470は、排気管アセンブリに隣接するチャンバキャビティ内に配置されるロッドの形態で提供されてもよい。電源480は、電極470および注入器アセンブリ350に接続される。注入器アセンブリのフェースプレートは、電極として作用する。図4に示される実施形態の中で、プラズマは、基板ボートにおける基板の基板表面に平行に水平に生成される。生成されたプラズマは、処理領域にわたって延在し、基板に暴露される。
【0062】
[0076]図4は、プラズマ生成のための電極として3つのロッド470を示す。あるいは、1つまたは2つの垂直ロッドが、電極として使用されてもよい。さらに、4つまたはそれ以上のロッドが、電極として使用されてもよい。電極の数および配列は、基板にわたって均一なプラズマを提供し、処理ガスのガス流の均一性を妨げることなく適合されるべきである。
【0063】
[0077]別の実施形態(図示せず)によれば、ロッドはまた、注入器アセンブリの面と基板ボートとの間に位置決めされてもよい。それにより、図1に匹敵するプラズマ生成が、生じてもよい。プラズマは、たとえば、石英チャンバなどの内部チャンバ101内部の基板ボートに隣接して生成される。プラズマは、注入器アセンブリの垂直に延在する面と、ロッドの垂直に延在する集合との間で、水平に生成される。それにより、プラズマに対する基板の直接的な曝露が、低減されてもよい。しかし、プラズマによって励起されている処理ガスの種は、基板表面と接触する前に緩和する時間がほとんどない。さらなる別法(図示せず)として、電極はまた、内部チャンバ101における他の位置に配置されてもよい。
【0064】
[0078]図5および図6は、さらなる実施形態を図示する。図1の実施形態または他の前の実施形態と同一である要素は、同一の参照符号で表示される。あるいは、これらの要素は、図2に示される実施形態においても同一であってもよい。これらの要素および関連する目的または用途の説明の繰り返しは、簡単にするために省略される。
【0065】
[0079]図5および図6の実施形態の場合には、プラズマは、注入器アセンブリにおいて生成されてもよい。一実施形態において、プラズマは、注入器アセンブリの内側の垂直チャネルに生成されてもよい。また、垂直チャネルは、プレナムまたはキャビティとして表示されてもよい。
【0066】
[0080]図5は、バッチ処理チャンバ500を示す。注入器アセンブリ550は、絶縁体部品559によって互いから断熱される垂直ロッド553を含む。あるいは、注入器550は、絶縁材料から形成されてもよい。プラズマ電源580は、上部ロッド553および下部ロッド553に接続される。一実施形態によれば、上部ロッドは、陰極であり、下部ロッドは、陰極であってもよいのに対して、別の実施形態によれば、上部ロッドは、陰極であるのに対して、下部ロッドは陽極であってもよい。ロッドは、プラズマの生成用の電極を形成する。生成されるプラズマは、垂直に延在するチャネル555に閉じ込められる。プラズマは、垂直に生成され、処理ガスの励起種は、注入器アセンブリのフェースプレートにおける開口部を通って水平方向に処理領域に入る。
【0067】
[0081]別法の実施形態によれば、注入器のフェースプレートは、垂直チャネル内のプラズマの閉じ込めを改善するために、導電材料から構成されてもよい。図5に関して記載された実施形態は、図5に示され、図1および図2に関してさらに詳細に記載されるように、拡散体160を任意に含んでもよい。
【0068】
[0082]図6に示された実施形態はまた、注入器アセンブリ650の垂直チャネルにプラズマを提供するプラズマ生成要素を含む。プラズマが、垂直チャネルの壁の間に生成される。1つの壁は、開口部153を含むフェースプレート152である。他の壁は、電極652であり、注入器アセンブリ650の本体651に提供される。電極652は、フェースプレート152に対向する垂直チャネルの壁を形成する。電源680に接続される2つの電極は、絶縁体要素659によって分離される。
【0069】
[0083]別法の実施形態(図示せず)によれば、注入器アセンブリの本体651は、プラズマを生成するために、電極の1つを形成してもよい。注入器は、導電材料から形成され、非分離電極652を必要としなくてもよい。この実施形態によれば、対向する電極を形成するフェースプレートはまた、絶縁体要素659によって本体651に接続されることになる。図6に関して記載した実施形態は、図5に示され、図1および図2に関してさらに詳細に記載されているように、拡散体160を任意に含んでもよい。
【0070】
[0084]図1から図6に関して本明細書に記載される実施形態は、たとえば、ALD処理またはCVD処理などのプラズマ支援型処理中に使用されてもよいバッチ処理チャンバを図示する。そのとき、プラズマ支援は、チャンバ内、処理領域またはその付近に処理ガスのイオン化された種を提供する。処理領域または処理領域付近におけるプラズマの存在は、励起状態の緩和を低減する。プラズマ支援は、基板表面に対して処理ガスのイオン化された種を提供するため、プラズマ支援型処理は、処理ガスの励起種に基づき、処理の1つの形態を考慮することができる。
【0071】
[0085]以下では、励起種の支援を用いた処理の別の形態およびチャンバのそれぞれの実施形態が、記載される。ALD処理またはCVD処理などの処理は、UV放射線によって支援される。UV光は、処理ガスの種を励起および/またはイオン化するために、またはたとえば、所望のレベルにO濃度を維持するために、使用されてもよい。処理ガスの種の励起に照らして、すなわち、電子がより高い励起レベルに励起されるとき、バッチ処理中のUV支援もまた、励起種によって支援される処理の1つの形態を考慮してもよい。
【0072】
[0086]UV光を用いた処理ガスの放射時に、処理ガスの種は、基底状態より上に励起される。励起は、UV光の波長に左右される。波長は、126nm〜400nmの範囲にあってもよい。励起種は、前駆物質の表面反応またはリアクタンスを開始または強化することによって、ALD処理またはCVD処理を支援する。強化は、露光時間の削減を結果として生じ、このように、処理能力を増大してもよい。その上、前駆物質のより完全な反応のために、膜品質が、改善されてもよい。
【0073】
[0087]UV支援型膜堆積処理に関して、励起種の緩和時間は、処理ガスが処理領域に達する時間までに、遠隔で励起された処理ガスが緩和された範囲にあってもよい。たとえば、遠隔位置で励起される場合に、O濃度は、堆積チャンバの処理領域に達する時間までに減少される可能性がある。O濃度は、チャンバ内でOを活性化することによって、より高く維持されてもよい。
【0074】
[0088]UV支援を用いたバッチ処理チャンバ700の実施形態が、図7に示されている。図7の中で、図1の実施形態または他の前の実施形態と同一である要素は、同一の参照符号で表示される。あるいは、これらの要素は、図2に示される実施形態においても同一であってもよい。これらの要素および関連する目的または用途の説明の繰り返しは、簡単にするために省略される。
【0075】
[0089]図7は、注入器アセンブリ750の垂直チャネル755の内部で垂直にUV光を放射するための実施形態を図示する。UV源790は、垂直チャネル755の上端部で提供され、UV源は、垂直チャネルの下端部で提供される。各源は、ランプ792と、垂直チャネルに面する窓793と、を含む。窓材料は、UV波長に基づいて選択されることができる。たとえば、石英窓は、約180nm〜220nmまでの波長の場合に使用されてもよい。より短い波長の場合には、サファイア、フッ化マグネシウムまたはフッ化カルシウムの窓が、窓793として使用されてもよい。
【0076】
[0090]UV光は、垂直チャネル755に沿って垂直に延在し、処理領域に入る前に注入器アセンブリにおいて処理ガスの種を励起する。図7に示される実施形態の中で、重水素放電管またはHgまたはXeを用いて充填されたアーク灯などのUVランプが、使用されてもよい。垂直チャネルにおいて励起される処理ガスの種は、注入器アセンブリ、排気管アセンブリおよび任意に拡散体によって生成される均一なガス流を用いて均一に提供され、ガス流は、図1に関してさらに詳細に記載される。
【0077】
[0091]図8は、注入器アセンブリ850を用いたバッチ処理チャンバ800の別の実施形態を示す。実施形態は、UV支援型処理のために使用されてもよい。図8の中で、図1の実施形態または他の前の実施形態と同一である要素は、同一の参照符号で表示される。あるいは、これらの要素は、図2に示される実施形態においても同一であってもよい。これらの要素および関連する目的または用途の説明の繰り返しは、簡単にするために省略される。
【0078】
[0092]図8は、注入器アセンブリが、基板ボートに積層される基板の基板表面に水平かつ平行にフェースプレートの開口153を通してUV光を放つことを図示する。UV光は、垂直チャネル855の中で希ガスを用いてグロー放電と衝突させることによって、垂直チャネル855に生成される。フェースプレートの注入器面852は、陽極として構成される。注入器の本体851は、陽極から絶縁体859によって電気的に絶縁される。垂直チャネル855は、中空の陰極として機能する。
【0079】
[0093]図2に関して前に記載したように、注入器アセンブリは、複数の垂直チャネルを有してもよい。垂直チャネルのうちの唯一の垂直チャネルまたは複数の垂直チャネルは、チャンバの内側にUV光を提供するために、中空の陰極として使用されてもよい。
【0080】
[0094]注入器における電界が、グロー放電に衝突させるには小さすぎる場合には、先端854が注入器に取り付けられることができる。それにより、先端付近の電界強度が、増大され、グロー放電が、印加されるより小さな電圧を用いて点火されることができる。別の実施形態(図示せず)によれば、十分な電力が、垂直チャネルにおいてグロー放電に衝突するように電源880によって提供される場合には、先端854は、省略されてもよい。
【0081】
[0095]図9は、注入器アセンブリの別の実施形態を示す。図8に示された実施形態に比べて、分離した導電要素950が、陰極として垂直チャネル955の後端部で提供される。陰極950には、複数の小さなキャビティが備わっている。これらのキャビティは、1mm〜12mmの範囲の小さな直径を有する円筒の形態であり、さらなる中空の陰極のアレイとして提供される。それにより、垂直チャネル955におけるガスおよび/または陰極材料に対応する波長を有するUV光を提供する中空の陰極の効果が、倍増される。結果として、垂直チャネル955と、基板が処理される処理領域と、における光子密度を増大することができる。中空の陰極とフェースプレート孔との間の整列により、処理領域への透過が最適化されることを保証する。
【0082】
[0096]先端954は、中空の陰極に提供されてもよい。先端は、先端の小さな曲率のために電界強度を増大し、より低い電圧レベルでグロー放電の衝突を改善するために、使用されてもよい。
【0083】
[0097]別の実施形態(図示せず)によれば、グロー放電はまた、拡散体と、フェースプレートの一方の側である注入器の面との間に生成されてもよい。それにより、拡散体は、陽極として提供され、注入器の面は、陰極である。
【0084】
[0098]グロー放電がUV発生のために注入器のプレナムに含有されるすべての実施形態の場合には、差分ポンピングが、使用されてもよい(図示せず)。一部の場合には、基板における処理圧力は、UV発生のために使用されるグロー放電によって必要とされる圧力より低い可能性がある。この場合には、グロー放電のために使用されるガスは、処理チャンバからそらされてもよい。
【0085】
[0099]グロー放電がUV発生のために注入器のプレナムに含有されるすべての実施形態の場合には、UV光透過性膜は、注入器フェースプレート(図示せず)の反応炉側に固定されてもよい。一部の場合には、基板における処理圧力は、UV発生のために使用されるグロー放電によって必要とされる圧力より高い可能性がある。この場合には、処理からのガスは、グロー放電のために使用されるガスから障壁によって分離される。障壁はUV光透過性であるため、UVは、基板に透過される。障壁は、UV透過を強化するために薄いが、約10トールまでの処理圧力に対応するのに十分であるほど厚い。
【0086】
[00100]一般的に、UV支援型バッチ処理チャンバの場合には、光子エネルギであるUV放射線の波長は、中空の陰極において使用されるガスに基づいて選択されてもよい。励起状態の再結合に基づく、典型的な希ガスおよび対応する放射される光子エネルギは、He(たとえば、21.22eV、40.82eV、40.38eV)、Ne(たとえば、16.85eV、16.67eV、26.9eV)またはAr(たとえば、11.83eV、11.63eV、13.48eV、13.30eV)である。重水素放電管、または他のUV源(たとえば、水銀ランプ)からの広範囲のスペクトルのUVのほか、より弱いUV放射線もまた、適用可能である。
【0087】
[00101]UV支援型バッチ処理チャンバの場合には、炭化ケイ素(SiC)から形成される基板を搬送するためのサセプタは、UV光を反射するように適合されてもよい。サセプタの輪郭および粗さは、基板表面上でUV光を反射によって集束するように適合されてもよい。それにより、UV放射線によって処理ガス種の励起の位置は、基板表面にさらに近い位置であってもよい。内部チャンバ101の円筒形の幾何構成は、UV反射率が法線入射に対して強化される視射角を好む。注入器垂直チャネルにおけるグロー放電を用いて、UV放射線は、グロー放電に関して適切な状態を有する任意の処理ステップ中に提供されてもよい。上述したように、ガス迂回路、障壁または他の測定器が提供される場合には、注入器のプレナムおよび処理領域における状態は、変化してもよい。それにより、グロー放電の場合に適した状態が、チャンバの部品に提供されてもよい。適切な処理状態は、グロー放電の場合に所望であるガスの注入を含んでもよい。Arからの11.63eVおよび11.83eV光子の場合には、グロー放電の最適の圧力は、0.45トールであり、SiCの場合の反射率は、法線入射およびπ/4入射で0.4である。
【0088】
[00102]UV支援を必要とするCVD処理の場合には、予想される負荷サイクルは、連続である。ALD処理の場合には、UV支援が膜特性および/または処理能力のために必要とされる可能性がある複数の場合がある。UV支援は、光子エネルギが前駆物質分子と表面結合場所との間の反応を開始するために必要とされる可能性がある、1つまたはすべての前駆物質の曝露の場合に必要とされる可能性がある。UV支援は、ALDサイクルの終わりでサイクルパージステップ中に、反応副生成物の取り込みが最小限に抑えられるようにするために、表面反応を終わらせるために、必要とされる可能性がある。
【0089】
[00103]以下の実施形態は、図8および図9を参照しながら記載される。上記で記載したように、UV支援型処理には、垂直に延在する陽極および垂直延在する中空の陰極が備わっており、陽極および陰極は、陽極がウェーハ積層を保持する基板ボートにより近くなるように配列される。
【0090】
[00104]プラズマ支援型処理および中空の陰極の効果に関して上記で記載した実施形態はまた、イオン支援型ALDまたはCVDバッチ処理チャンバの場合に利用されてもよい。したがって、一実施形態によれば、拡散体は、陰極であり、注入器面は、陽極となる。別の実施形態によれば、垂直チャネルの注入器面側(垂直チャネルのフェースプレート側)は、陰極となり、注入器アセンブリの本体に向かって位置付けられる注入器の対向する側が、陽極となる。一般的に、電源980は、イオンが処理領域に提供されるように、偏光を用いて前の実施形態のそれぞれの構成要素に接続される。処理ガスの種のイオン化に照らし、バッチ処理中のイオン生成支援はまた、励起種によって支援される処理の1つの形態を考慮してもよい。さらに、拡散体は、中空の陰極効果を提供するように改変されてもよい。
【0091】
[00105]グロー放電において生成されるイオンは次に、処理領域に向かって加速される。イオンおよび中性子は、その中に提供される開口部を通って陰極を通過してもよい。このように、イオンおよび中性子は、処理領域に入り、イオンのエネルギまたは運動量によって処理を支援することができる。イオンおよび中性子の運動エネルギは、約600eVであってもよい。任意に、遅延格子が、イオンエネルギを低減するために使用されてもよい。遅延格子は、遅延格子に印加される電位を用いてメッシュの形態で提供されてもよい。電位は、イオンを減速する。減速されたイオンは、格子における開口部を通過してもよい。注入器とウェーハボートとの間に取り付けられる荷電格子は、このように、エネルギおよび運動量を所望のレベルまで低減することができる。
【0092】
[00106]プラズマ支援型処理、UV支援型処理またはイオン支援型処理に関連する実施形態の場合には、注入器の要素と排気管との間に形成される電極は、接地されてもよいのに対して、他の電極は、偏倚される。注入器または排気管アセンブリの要素は、プラズマ生成用、UV生成用またはイオン生成用の陽極または陰極であってもよい。一般的に、陽極または陰極のいずれか一方は、接地されてもよいと理解されるべきである。
【0093】
材料を堆積するための処理
[00107]図10〜図13は、本明細書の実施形態によって記載されたように、UV支援型光励起を用いて材料を堆積するための処理1000、1100、1200および1300のフローチャート図を図示する。処理1000、1100、1200および1300は、本明細書の実施例によって記載されたような処理チャンバ600を用いて、または他の適切なチャンバおよび機器によって、行われてもよい。1つのそのような適切なチャンバは、2005年6月21日出願の「METHOD FOR TREATING SUBSTRATES AND FILMS WITH PHOTOEXCITATION」という名称の同時係属中の米国特許出願第11/157,567号に記載されており、現出願と矛盾しない範囲で、本明細書に参照によって組み込まれるものとする。本明細書に記載される処理は、TaおよびTaNなどの障壁材料(図10)、RuO、IrO、Ir、ZrO、HfO、AI、Ta、TiO、RhO、PdO、OsO、PtO、VO、V、V、V11、Ba(Sr)TiO(BST)、Pb(ZrTi)O(PZT)、SrBiTa(SBT)、Lnおよびそれらのケイ酸塩などの誘電体材料(図11)、WN、TiNおよびCuなどの導電材料(図12)およびRu、Ir、W、Ta、TaN、RhおよびPtなどのシード層材料(図13)を堆積するために使用されてもよい。本明細書に記載される前駆物質および処理を使用して堆積されてもよい他の材料は、窒化ホウ素、窒化ハフニウム、窒化アルミニウムおよび窒化ジルコニウムなどの窒化物、ホウ化マグネシウム、ホウ化バナジウム、ホウ化ハフニウム、ホウ化チタン、ホウ化タングステンおよびホウ化タンタルなどの金属ホウ化物を含む。材料は、集積回路などの電子特徴部を形成するために、基板の上に層として堆積されてもよい。
【0094】
障壁材料
[00108]図10は、本明細書の実施形態によって記載したように、障壁材料を堆積するための処理1000の流れ図を描く。基板は、処理チャンバ内に位置決めし(ステップ1010)、任意に前処置処理に曝され(ステップ1020)および所定の温度まで加熱されてもよい(ステップ1030)。続いて、障壁材料は、基板の上に堆積されてもよい(ステップ1040)。基板は、任意に後堆積処置処理に曝され(ステップ1050)、処理チャンバは、任意にチャンバ洗浄処理に曝されてもよい(ステップ1060)。
【0095】
[00109]基板は、ステップ1010中に、処理チャンバ内に位置決めされてもよい。処理チャンバは、1つのウェーハチャンバであってもよく、または複数のウェーハまたは基板(たとえば、25個、50個、100個またはそれ以上)を含有するバッチチャンバであってもよい。基板は、定位置に維持されてもよいが、好ましくは、支持ペデスタルによって回転される。任意に、基板は、処理1000の1つまたは複数のステップ中に割り出されてもよい。
【0096】
[00110]図7に描かれている処理チャンバ600は、処理1000中に、本明細書において実施例によって記載されたように、基板121に障壁材料を堆積するために、使用されてもよい。一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で基板支持ペデスタル上に約120rpm(毎分回転数)までの速度で回転されてもよい。あるいは、基板121は、基板支持ペデスタル上に位置決めされてもよく、堆積処理中に回転されなくてもよい。
【0097】
[00111]一実施形態において、基板121は、ステップ1020中に少なくとも1つの前処置処理に任意に曝される。基板表面は、前処置処理中に除去される自然酸化物を含有してもよい。基板は、ステップ1040中に障壁材料を堆積する前に基板表面から自然酸化物を除去するために、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームを用いて前処置されてもよい。処理ガスは、前処置処理中に、基板に曝されてもよい。処理ガスは、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、フォーミングガスまたはその組み合わせを含有してもよい。光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、前処置処理は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、続いてもよい。また、基板121は、処理1000中の自然酸化物の除去を容易にするために、ステップ1020中に、約100℃〜約800℃の範囲内、好ましくは約200℃〜約600℃、さらに好ましくは約300℃〜約500℃の温度まで加熱されてもよい。
【0098】
[00112]実施例は、基板121がステップ1020中に、ランプ792によって生成されるエネルギビームに曝されてもよいことを提供する。ランプ792は、約2eV〜約10eV、たとえば、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供してもよい。別の実施例において、ランプ792は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線のエネルギビームを提供する。ランプ792は、酸化物を除去するのに十分な期間の間、電圧を印加されてもよい。電圧印加期間は、窓793のサイズおよび幾何構成および基板回転速度に基づいて選択される。一実施形態において、光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、電圧を印加される。一実施例において、基板121は、ステップ1020中に、約100℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施例において、基板121は、ステップ1020中に、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで加熱されてもよく、自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約5分の範囲内の時間期間の間、約2eV〜約10eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供する。一実施例において、エネルギビームは、約3分間、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有する。
【0099】
[00113]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1020で、前処置処理中に、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。エネルギ送出ガスは、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、臭化アルゴン、塩化アルゴン、臭化クリプトン、塩化クリプトン、フッ化クリプトン、フッ化キセノン(たとえば、XeF)、塩化キセノン、臭化キセノン、フッ素、塩素、臭素、それらのエキシマ、それらのラジカル、それらの誘導体またはその組み合わせであってもよい。一部の実施形態において、処理ガスはまた、少なくとも1つのエネルギ送出ガスのほかに、窒素ガス(N)、水素ガス(H)、フォーミングガス(たとえば、N/HまたはAr/H)を含有してもよい。
【0100】
[00114]一実施例において、基板121は、ステップ1020中に、処理チャンバ600の内部チャンバ101に処理ガスを提供することによって、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスに曝されてもよい。エネルギ送出ガスは、ガス源159からフェースプレート152を通して提供されてもよい。基板121に比べて、ランプ792に対する処理ガスの近接性は、その中のエネルギ送出ガスを容易に励起する。エネルギ送出ガスが脱励起し、基板121により近い位置に移動すると、エネルギは、基板121の表面に効率的に移送され、それにより、自然酸化物の除去を容易にする。
【0101】
[00115]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1020で、前処置処理中に有機蒸気を含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。一実施例において、基板は、環状芳香族炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。環状芳香族炭化水素は、UV放射線の存在下にあってもよい。前処置処理中に有用である単環芳香族炭化水素および多環芳香族炭化水素は、キノン、ヒドロキシキノン(ヒドロキノン)、アントラセン、ナフタレン、フェナントラセン、それらの誘導体、またはその組み合わせを含む。別の実施例において、基板は、エチレン、アセチレン(エチン)、プロピレン、アルキル誘導体、ハロゲン化誘導体またはその組み合わせを含む不飽和炭化水素などの、他の炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。別の実施例において、有機蒸気は、ステップ1020で、前処置処理中にアルカン化合物を含有してもよい。
【0102】
[00116]一実施例において、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線は、ステップ1020中にランプによって生成されてもよい。別の実施形態において、多環芳香族炭化水素は、自然酸化物の中の酸素原子と反応することによって、UV放射線の存在下で自然酸化物を除去してもよい。別の実施形態において、自然酸化物は、キノンまたはヒドロキシキノンに基板を曝すことによって除去されてもよく、同時に、誘導体生成物を形成する。誘導体生成物は、真空ポンピング処理中によって処理チャンバから除去されてもよい。
【0103】
[00117]ステップ1030で、基板121は、前処置処理中にまたは前処置処理に続いて、所定の温度まで加熱されてもよい。基板121は、ステップ1040で、障壁材料を堆積する前に加熱される。基板は、基板支持材の中に埋め込まれた加熱素子、エネルギビーム(たとえば、UV源)またはその組み合わせによって加熱されてもよい。一般的に、基板は、約15秒〜約30分、好ましくは約30秒〜約20分、さらに好ましくは約1分〜約10分までの範囲内の時間期間の間などで、所定の温度を得るほど十分に長く加熱される。一実施形態において、基板は、約200℃〜約1,000℃、好ましくは約400℃〜約850℃、さらに好ましくは約550℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施形態において、基板は、約550℃未満の温度、好ましくは約450℃未満の温度に加熱されてもよい。
【0104】
[00118]一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で、所定の温度に加熱されてもよい。所定の温度は、約300℃〜約500℃の範囲内であってもよい。基板121は、電源から加熱素子、たとえば、加熱器ブロック211まで電力を印加することによって加熱されてもよい。
【0105】
[00119]一実施形態において、障壁材料は、ステップ1040で、堆積処理中に基板の上に堆積される。障壁材料は、たとえば、基板の上に、中でもチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)または窒化タングステン(WN)の1つまたは複数の層を備えてもよい。障壁層材料は、堆積処理中に基板を少なくとも1つの堆積ガスに曝すことによって形成されてもよい。一実施例において、堆積処理は、タンタル前駆物質、チタン前駆物質、またはタングステン前駆物質および窒素前駆物質または両方の源を含有する前駆物質を含有してもよい堆積ガスを有するCVD処理である。CVD技術を利用して、1つまたは複数の障壁層は、上述の前駆物質を熱分解することによって形成されてもよい。あるいは、堆積処理は、基板が、タンタル前駆物質、チタン前駆物質、またはタングステン前駆物質および窒素前駆物質に連続的に曝されるように、少なくとも2つの堆積ガスを有するALD処理であってもよい。堆積処理は、熱処理、ラジカル処理またはその組み合わせであってもよい。たとえば、基板は、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームの存在下で、処理ガスに曝されてもよい。
【0106】
[00120]TiN、TaNまたはWNなどの窒化物に基づく障壁層が、形成されることになっている場合には、窒素(N)ガスが処理チャンバに提供される。Nガスの流速は、約100sccm〜約2000sccmの範囲にあってもよい。ステップ1040で障壁材料を形成するための適切な窒素前駆物質の実施例は、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、有機アミン、有機ヒドラジン、有機ジアジン(たとえば、メチルジアジン((HC)NNH))、アジ化シリル、シリルヒドラジン、アジ化水素(HN)、シアン化水素(HCN)、原子状窒素(N)、窒素(N)、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。窒素前駆物質としての有機アミンは、RNH3−xを含み、各Rは独立にアルキル基またはアリール基であり、xは、1、2または3である。有機アミンの実施例は、トリメチルアミン((CHN)、ジメチルアミン((CHNH)、メチルアミン((CH)NH))、トリエチルアミン((CHCHN)、ジエチルアミン((CHCHNH)、エチルアミン((CHCH)NH))、tert−ブチルアミン(((CHC)NH)、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。窒素前駆物質としての有機ヒドラジンは、R4−xを含み、各Rは独立にアルキル基またはアリール基であり、xは、1、2、3または4である。有機ヒドラジンの実施例は、メチルヒドラジン((CH)N)、ジメチルヒドラジン((CH)、エチルヒドラジン((CHCH)N)、ジエチルヒドラジン((CHCH)、tert−ブチルヒドラジン(((CHC)N)、ジ−tert−ブチルヒドラジン(((CHC))、それらのラジカル、それらのプラズマ、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。
【0107】
[00121]タングステン前駆物質は、六フッ化タングステン(WF)およびカルボニルタングステン(W(CO))から選択されてもよい。タンタル含有前駆物質は、たとえば、中でも、五塩化タンタル(TaCl)、ペンタキス(ジエチルアミド)タンタル(PDEAT)(Ta(Net)、ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル(PEMAT)(Ta(N(Et)(Me)))およびペンタキス(ジメチルアミド)タンタル(PDMAT)(Ta(Nme)の群から選択されてもよい。チタン含有前駆物質は、たとえば、中でも、四塩化チタン(TiCl)、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)(Ti(Net)、テトラキス(エチルメチルアミド)チタン(TEMAT)(Ti(N(Et)(Me)))およびテトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)(Ti(NMe)の群から選択されてもよい。
【0108】
[00122]適切な還元ガスは、従来の還元剤、たとえば、水素(たとえば、Hまたは原子状H)、アンモニア(NH)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ジメチルシラン(SiC)、メチルシラン(SiCH)、エチルシラン(SiC)、クロロシラン(ClSiH)、ジクロロシラン(ClSiH)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、トリエチルボラン(EtB)などのアルキルボラン、それらの誘導体およびその組み合わせを含んでもよい。
【0109】
[00123]一実施例において、障壁材料は、ステップ1040で、堆積処理中に処理チャンバ600内で基板121の上に堆積されてもよい。一実施形態において、基板121は、CVD処理中に、タングステン前駆物質、チタン含有前駆物質またはタンタル含有前駆物質および窒素前駆物質を含有する処理ガスに曝されてもよい。前駆物質は一般的に、フェースプレート152を通ってガス源159から内部チャンバ101に提供される。
【0110】
[00124]一実施形態において、前駆物質は、ステップ1040で処理チャンバ600に導入されてもよく、または従来のCVD処理中などに同時にまたはALD処理中などに連続的に、入口チャネル156によって基板121に曝されてもよい。ALD処理は、タングステン含有前駆物質、チタン含有前駆物質またはタンタル含有前駆物質などの第1の前駆物質および窒素前駆物質などの第2の前駆物質に基板121が連続的に曝されてもよいように、少なくとも2つの堆積ガスに基板121を曝してもよい。タングステン層を堆積する場合には、第1の前駆物質は、WFなどのタングステン含有前駆物質であり、第2の前駆物質は、Bなどの還元ガスであることが想定される。1つの入口チャネル156が示されているが、第1の前駆物質および第2の前駆物質は、別々のガス管路で処理チャンバ600に提供されることが想定される。温度は、各ガス管路に関して制御されてもよい。
【0111】
[00125]改変されてもよい(たとえば、UV放射線源を組み込む)CVDおよびALDの処理および装置、および障壁材料を堆積するために有用である可能性がある化学前駆物質の説明は、同一出願人による2004年12月21日公布の「CYCLICAL DEPOSITION OF TUNGSTEN NITRIDE FOR METAL OXIDE GATE ELECTRODE」という名称の米国特許第6,833,161号、2005年10月4日公布の「FORMATION OF TANTALUM NITRIDE LAYER」という名称の米国特許第6,951,804号、2006年5月23日公布の「INTEGRATION OF ALD TANTALUM NITRIDE FOR COPPER METALLIZATION」という名称の米国特許第7,049,226号、2003年8月19日公布の「COPPER INTERCONNECT BARRIER LAYER STRUCTURE AND FORMATION METHOD」という名称の米国特許第6,607,976号、2005年6月28日公布の「INTEGRATION OF TITANIUM AND TITANIUM NITRIDE LAYERS」という名称の米国特許第6,911,391号、および2003年6月12日公開の「CYCLICAL DEPOSITION OF REFRACTORY METAL SILICON NITRIDE」という名称の米国特許出願第2003−0108674号、2006年1月12日公開の「METHODS FOR DEPOSITING TUNGSTEN LAYERS EMPLOYING ATOMIC LAYER DEPOSITION TECHNIQUES」という名称の米国特許出願第2006−0009034号にさらに開示されており、これらはすべて全体として本明細書に参照によって組み込まれるものとする。
【0112】
[00126]たとえば、チタン含有前駆物質および窒素前駆物質が、処理チャンバにおいて結合される場合には、窒化チタンなどのチタン含有材料が、基板表面上に形成される。堆積される窒化チタン材料は、反射率およびウェットエッチング速度などの良好な膜品質を呈する。一実施形態において、窒化チタン材料は、約10Å/分〜約500Å/分の範囲内の速度で堆積されてもよく、約10Å〜約1,000Åの範囲内の厚さで堆積される。
【0113】
[00127]キャリアガスは、ステップ1040中に、窒素前駆物質およびチタン前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。1つのウェーハ処理チャンバの総内圧は、約100ミリトール〜約740トール、好ましくは約250ミリトール〜約100トール、さらに好ましくは約500ミリトール〜約50トールの範囲内の圧力にあってもよい。一実施例において、処理チャンバの内圧は、約10トール以下、好ましくは約5トール以下、さらに好ましくは約1トール以下に維持される。一部の実施形態において、キャリアガスは、バッチ処理システムのために約100ミリトール〜約1トールの範囲内の窒素前駆物質またはケイ素前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。適切なキャリアガスの実施例は、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、フォーミングガスまたはその組み合わせを含む。
【0114】
[00128]基板、第1の前駆物質および/または第2の前駆物質は、ステップ1040で、堆積処理中に光励起システムによって生成されるエネルギビームまたはエネルギ束に曝されてもよい。エネルギビームの使用は、堆積速度を有利に増大させ、障壁材料内の原子の表面拡散または移動度を改善し、入ってくる反応種のための活性場所を作成する。一実施形態において、ビームは、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内のエネルギを有する。また、エネルギビームは、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有してもよい。
【0115】
[00129]一実施例において、ランプ792は、第1の前駆物質または窒素前駆物質のうちの少なくとも1つの励起エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。速い堆積速度および低い堆積温度は、最小の寄生副反応を用いて調整可能な特性を有する膜を作成する。一実施形態において、エネルギビームまたはエネルギ束は、約4.5eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。
【0116】
[00130]別の実施形態において、障壁材料を含有する基板(ステップ1040において形成される)は、ステップ1050中に後堆積処置処理に曝される。後堆積処置処理は、堆積後に、基板表面のエネルギを増大し、有利に、揮発性および/または他の膜汚染物質(水素成分の還元によるなど)を除去するか、および/または堆積される膜をアニールする。堆積される材料からのより低い濃度の水素は、膜の引張応力を有利に増大する。少なくとも1つのランプ(たとえば、ランプ790)はあるいは、堆積後、基板の表面エネルギを増大し、揮発性および/または他の膜を除去するために、基板に曝されるエネルギ送出ガスに電圧を印加するために利用されてもよい。
【0117】
[00131]任意に、ステップ1050で、エネルギ送出ガスは、処理チャンバ600の内部チャンバ101に提供されてもよい。適切なエネルギ送出ガスの実施例は、窒素、水素、ヘリウム、アルゴンおよびその組み合わせを含む。実施例は、基板121が、ステップ1050中にエネルギビームまたはエネルギ束を用いて処置されることを提供する。一実施例において、ランプ792は、ステップ1050中に基板121の表面エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。別の実施例において、障壁材料をアニールするために、エネルギビームまたはエネルギ束は、約3.53eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。また、ランプ790は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するエネルギビームを作成してもよい。一般的に、ランプ790は、光励起によって後堆積処置を容易にするために、約1分〜約10分の範囲内の時間期間、電圧を印加されてもよい。
【0118】
[00132]一実施例において、揮発性化合物または汚染物質は、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有するランプ790によって生成されるエネルギビームに基板を曝すことによって、堆積される膜表面から除去されてもよく、処理チャンバ600内でラジカルを解離するために利用される。このように、XeBr(283nm/4.41eV)、Br(289nm/4.29eV)、XeCl(308nm/4.03eV)、I(342nm/3.63eV)、XeF(351nm/3.53eV)などのエキシマランプは、TiN、TaNおよびWNネットワークから水素を除去するために、N−H結合を解離するために選択されてもよい。基板の回転速度は、たとえば、前の堆積ステップに対して、ステップ1050における回転速度を増大することによって、変更されてもよいことが想定される。
【0119】
[00133]別の実施形態において、基板121は、処理チャンバ600から除去されてもよく、処理チャンバ600は続いて、ステップ1060中にチャンバ洗浄処理に曝される。処理チャンバは、光励起洗浄剤を使用して洗浄されてもよい。一実施形態において、洗浄剤は、フッ素を含む。実施例は、洗浄剤がランプ790を使用して、処理チャンバ600の中で光励起されてもよいことを提供する。
【0120】
[00134]処理チャンバ600は、堆積性能を強化するために、チャンバ洗浄処理中に洗浄されてもよい。たとえば、チャンバ洗浄処理は、処理チャンバ600の表面上に含有される汚染物質または窓793に含有される汚染物質を除去するために、使用されてもよく、それにより、窓793を通って進むエネルギビームまたはエネルギ束の透過損失を最小限に抑え、ガスおよび表面に移送されるエネルギを最大にする。窓793は、処理チャンバ600より多い頻度で洗浄されてもよく、たとえば、処理チャンバ600は、複数の基板の処理後に洗浄されてもよいのに対して、窓793は、各基板の処理後に洗浄される。適切な洗浄剤は、たとえば、H、HX(X=F、Cl、BrまたはI)、NX(X=FまたはCl)、XF(X=Cl、Br、Iおよびn=1、3、5、7)などのハロゲン間化合物およびその水素化されたハロゲン間化合物、およびXeF、XeF、XeFおよびKrFなどの不活性ガスのハロゲン化物を含む。
【0121】
[00135]ステップ1040中に堆積される障壁材料の元素組成は、化学前駆物質の濃度または流速を制御することによって予め決定されてもよい。膜特性は、障壁材料内のTa、Ti、W、HおよびNの相対的な濃度を制御することによって、特定の用途向けに合わせられてもよい。一実施形態において、Ta、Ti、W、HおよびNの元素濃度は、堆積処理中または堆積処理の次に、UVエネルギの範囲を変化させることによって調整されてもよい。膜特性は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、応力、誘電率などを含む。たとえば、水素成分を還元することによって、堆積される材料は、より高い引張応力を有してもよい。別の実施例において、炭素成分を還元することによって、堆積される材料は、より低い電気抵抗を有してもよい。
【0122】
[00136]本明細書において記載されているように、処理1000中に堆積される障壁材料は、複数の物理特性に起因する電子特徴部/デバイスの全体に使用されてもよい。障壁材料がゲート材料と電極との間、または低誘電率多孔性材料と銅との間などその間に置かれる場合には、障壁特性は、異種材料または元素との間のイオン拡散を抑制する。一実施形態において、障壁材料は、処理1000中に集積回路(図14)などの電子特徴部を形成するために、基板の上に層として堆積されてもよい。
【0123】
誘電体材料
[00137]図11は、本明細書の実施形態によって記載されたように、誘電体材料を堆積するために、処理1100の流れ図を描く。基板は、処理チャンバ内に位置決めし(ステップ1110)、任意に前処置処理に曝され(ステップ1120)および所定の温度まで加熱されてもよい(ステップ1130)。続いて、誘電体材料は、基板の上に堆積されてもよい(ステップ1140)。基板は、任意に後堆積処置処理に曝され(ステップ1150)、処理チャンバは、任意にチャンバ洗浄処理に曝されてもよい(ステップ1160)。
【0124】
[00138]基板は、ステップ1110中に、処理チャンバ内に位置決めされてもよい。処理チャンバは、1つのウェーハチャンバであってもよく、または複数のウェーハまたは基板(たとえば、25個、50個、100個またはそれ以上)を含有するバッチチャンバであってもよい。基板は、定位置に維持されてもよいが、好ましくは、支持ペデスタルによって回転される。任意に、基板は、処理1100の1つまたは複数のステップ中に割り出されてもよい。
【0125】
[00139]図7に描かれている処理チャンバ600は、処理1100中に、本明細書において実施例によって記載されたように、基板121に誘電体材料を堆積するために、使用されてもよい。一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で基板支持ペデスタル上に約120rpm(毎分回転数)までの速度で回転されてもよい。あるいは、基板121は、基板支持ペデスタル上に位置決めされてもよく、堆積処理中に回転されなくてもよい。
【0126】
[00140]一実施形態において、基板121は、ステップ1120中に少なくとも1つの前処置処理に任意に曝される。基板表面は、前処置処理中に除去される自然酸化物を含有してもよい。基板121は、ステップ1140中に誘電体材料を堆積する前に基板表面から自然酸化物を除去するために、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームを用いて前処置されてもよい。処理ガスは、前処置処理中に、基板に曝されてもよい。処理ガスは、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、フォーミングガスまたはその組み合わせを含有してもよい。光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、前処置処理は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、続いてもよい。また、基板121は、処理1100中の自然酸化物の除去を容易にするために、ステップ1120中に、約100℃〜約800℃の範囲内、好ましくは約200℃〜約600℃、さらに好ましくは約300℃〜約500℃の温度まで加熱されてもよい。
【0127】
[00141]実施例は、基板121がステップ1020中に、ランプ792によって生成されるエネルギビームに曝されてもよいことを提供する。ランプ792は、約2eV〜約10eV、たとえば、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供してもよい。別の実施例において、ランプ792は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線のエネルギビームを提供する。ランプ792は、酸化物を除去するのに十分な期間の間、電圧を印加されてもよい。電圧印加期間は、窓793のサイズおよび幾何構成および基板回転速度に基づいて選択される。一実施形態において、光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、電圧を印加される。一実施例において、基板121は、ステップ1020中に、約100℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施例において、基板121は、ステップ1020中に、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで加熱されてもよく、自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約5分の範囲内の時間期間の間、約2eV〜約10eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供する。一実施例において、エネルギビームは、約3分間、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有する。
【0128】
[00142]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1120で、前処置処理中に、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。エネルギ送出ガスは、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、臭化アルゴン、塩化アルゴン、臭化クリプトン、塩化クリプトン、フッ化クリプトン、フッ化キセノン(たとえば、XeF)、塩化キセノン、臭化キセノン、フッ素、塩素、臭素、それらのエキシマ、それらのラジカル、それらの誘導体またはその組み合わせであってもよい。一部の実施形態において、処理ガスはまた、少なくとも1つのエネルギ送出ガスのほかに、窒素ガス(N)、水素ガス(H)、フォーミングガス(たとえば、N/HまたはAr/H)を含有してもよい。
【0129】
[00143]一実施例において、基板121は、ステップ1020中に、処理チャンバ600の内部チャンバ101に処理ガスを提供することによって、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスに曝されてもよい。エネルギ送出ガスは、ガス源159からフェースプレート152を通して提供されてもよい。基板121に比べて、ランプ792に対する処理ガスの近接性は、その中のエネルギ送出ガスを容易に励起する。エネルギ送出ガスが脱励起し、基板121により近い位置に移動すると、エネルギは、基板121の表面に効率的に移送され、それにより、自然酸化物の除去を容易にする。
【0130】
[00144]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1120で、前処置処理中に有機蒸気を含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。一実施例において、基板は、環状芳香族炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。環状芳香族炭化水素は、UV放射線の存在下にあってもよい。前処置処理中に有用である単環芳香族炭化水素および多環芳香族炭化水素は、キノン、ヒドロキシキノン(ヒドロキノン)、アントラセン、ナフタレン、フェナントラセン、それらの誘導体、またはその組み合わせを含む。別の実施例において、基板は、エチレン、アセチレン(エチン)、プロピレン、アルキル誘導体、ハロゲン化誘導体またはその組み合わせを含む不飽和炭化水素などの、他の炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。別の実施例において、有機蒸気は、ステップ1120で、前処置処理中にアルカン化合物を含有してもよい。
【0131】
[00145]一実施例において、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線は、ステップ1120中にランプによって生成されてもよい。別の実施形態において、多環芳香族炭化水素は、自然酸化物の中の酸素原子と反応することによって、UV放射線の存在下で自然酸化物を除去してもよい。別の実施形態において、自然酸化物は、キノンまたはヒドロキシキノンに基板を曝すことによって除去されてもよく、同時に、誘導体生成物を形成する。誘導体生成物は、真空ポンピング処理によって処理チャンバから除去されてもよい。
【0132】
[00146]ステップ1130で、基板121は、前処置処理中にまたは前処置処理に続いて、所定の温度まで加熱されてもよい。基板121は、ステップ1140で、誘電体材料を堆積する前に加熱される。基板は、基板支持材の中に埋め込まれた加熱素子、エネルギビーム(たとえば、UV源)またはその組み合わせによって加熱されてもよい。一般的に、基板は、約15秒〜約30分、好ましくは約30秒〜約20分、さらに好ましくは約1分〜約10分までの範囲内の時間期間の間などで、所定の温度を得るほど十分に長く加熱される。一実施形態において、基板は、約200℃〜約1,000℃、好ましくは約400℃〜約850℃、さらに好ましくは約550℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施形態において、基板は、約550℃未満の温度、好ましくは約450℃未満の温度に加熱されてもよい。
【0133】
[00147]一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で、所定の温度に加熱されてもよい。所定の温度は、約300℃〜約500℃の範囲内であってもよい。基板121は、電源から加熱素子、たとえば、加熱器ブロック211まで電力を印加することによって加熱されてもよい。
【0134】
[00148]一実施形態において、誘電体材料は、ステップ1140で、堆積処理中に基板の上に堆積される。誘電体材料は、堆積処理中に基板を少なくとも1つの堆積ガスに曝すことによって形成されてもよい。一実施例において、堆積処理は、第1の前駆物質および酸素前駆物質または第1の前駆物質および酸素前駆物質の両方を含有する前駆物質を含有してもよい堆積ガスを有するCVD処理である。あるいは、堆積処理は、基板が、第1の前駆物質および酸素前駆物質に連続的に曝されるように、少なくとも2つの堆積ガスを有するALD処理であってもよい。堆積処理は、熱処理、ラジカル処理またはその組み合わせであってもよい。たとえば、基板は、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームの存在下で、処理ガスに曝されてもよい。
【0135】
[00149]誘電体材料は、酸素と、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、ランタン、ルテニウム、アルミニウムまたはその組み合わせなどの少なくとも1つの金属と、を含有する。誘電体材料は、酸化ハフニウム(HfOまたはHfO)、酸窒化ハフニウム(HfOy)、アルミン酸ハフニウム(HfAl)、酸化ランタンハフニウム(HfLa)などのハフニウム含有材料、酸化ジルコニウム(ZrOまたはZrO)、酸窒化ジルコニウム(ZrO)、アルミン酸ジルコニウム(ZrAl)、酸化ランタンジルコニウム(ZrLa)などのジルコニウム含有材料、酸化アルミニウム(AlまたはAlO)、酸窒化アルミニウム(AlO)、酸化アルミニウムランタン(LaAl)、酸化ランタン(LaOまたはLa)などの他のアルミニウム含有材料またはランタン含有材料、それらの誘導体またはその組み合わせを含む組成を有してもよい。他の誘電体材料は、酸化チタン(TiOまたはTiO)、酸窒化チタン(TiO)、酸化タンタル(TaOまたはTa)、酸窒化タンタル(TaO)を含んでもよい。有用な誘電体材料である積層膜は、HfO/Al、La/AlおよびHfO/La/Alを含む。誘電体材料はまた、たとえば、中でも、RuO、IrO、Ir、ZrO、HfO、Al、Ta、TiO、Ba(Sr)TiO(BST)、Pb(ZrTi)O(PZT)、SrBiTa(SBT)、RhO、PdO、OsO、PtO、VO、V、V、V11を含んでもよい。
【0136】
[00150]ステップ1140中に誘電体材料を形成するための適切な酸素前駆物質の実施例は、原子状の酸素(O)、酸素(O)、オゾン(O)、水(HO)、過酸化水素(H)、有機過酸化物、アルコール、亜酸化窒素(NO)、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、五酸化二窒素(N)、それらのプラズマ、それらのラジカル、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。一実施形態において、酸素前駆物質は、強酸化剤を提供するために、オゾンおよび水を化合することによって形成されてもよい。酸素前駆物質は一般的に、強酸化力を有するヒドロキシルラジカル(OH)を含有する。オゾン濃度は、水濃度に対して変化してもよい。オゾン対水のモル比は、約0.01〜約30、好ましくは約0.03〜約3、さらに好ましくは約0.1〜約1の範囲内であってもよい。一実施例において、オゾンを含有する酸素前駆物質を形成するために、UV源から抽出されるエネルギビームは、酸素または酸素/水混合物に曝されてもよい。別の実施形態において、光励起ステップ中のチャンバ内のエネルギ送出ガスおよび/または大気は、酸素および/またはオゾンを含む。
【0137】
[00151]例示のハフニウム前駆物質は、ハロゲン化物、アルキルアミノ、シクロペンタジエニル、アルキル、アルコキシド、それらの誘導体またはその組み合わせなどの配位子を含有するハフニウム化合物を含む。ハフニウム前駆物質として有用なハフニウムハロゲン化物化合物は、HfCl、HfIおよびHfBrを含んでもよい。ハフニウム前駆物質として有用なハフニウムアルキルアミノ化合物は、(RR’N)Hfを含み、RまたはR’は、独立に水素、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。ハフニウム含有材料を堆積するのに有用なハフニウム前駆物質は、(EtN)Hf、(MeN)Hf、(MeEtN)Hf、(BuCHfCl、(CHfCl、(EtCHfCl、(MeHfCl、(Me)HfCl、(PrCHfCl、(PrC)HfCl、(BuCHfMe、(acac)Hf、(hfac)Hf、(tfac)Hf、(thd)Hf、(NOHf、(BuO)Hf、(PrO)Hf、(EtO)Hf、(MeO)Hfまたはその誘導体を含む。好ましくは、本明細書において堆積処理中に使用されるハフニウム前駆物質は、HfCl、(EtN)Hfまたは(MeN)Hfを含む。
【0138】
[00152]別法の実施形態において、種々の金属酸化物または金属酸窒化物は、WVGシステムから抽出された水蒸気を含有する酸化ガスを用いて、金属前駆物質を連続的にパルス化することによって、形成されてもよい。アルミン酸ハフニウム、アルミン酸チタン、酸窒化チタン、酸化ジルコニウム、酸窒化ジルコニウム、アルミン酸ジルコニウム、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化ランタン、酸窒化ランタン、アルミン酸ランタン、それらの誘導体またはその組み合わせなどのさらなる誘電体材料を形成するために、本明細書に開示されるALD処理は、ハフニウム前駆物質を他の金属前駆物質によって置換することによって変質されてもよい。一実施形態において、1つの層を別の層の一番上に堆積するために、2つ以上のALD処理は、一斉に行われる。たとえば、化合処理は、第1の誘電体材料を形成するための第1のALD処理および第2の誘電体材料を形成するための第2のALD処理を含有する。化合処理は、たとえば、ケイ酸アルミニウムハフニウムまたはハフニウムアルミニウムシリコンオキシナイトライドなどの種々のハフニウム含有材料を作成するために、使用されてもよい。一実施例において、誘電体積層材料は、基板の上に第1のハフニウム含有材料を堆積し、続いてその上に第2のハフニウム含有材料を堆積することによって形成される。第1のハフニウム含有材料および第2のハフニウム含有材料は、組成において可変であってもよく、その結果、1つの層が酸化ハフニウムを含有し、他の層がケイ酸ハフニウムを含有してもよい。一態様において、より低い層は、ケイ素を含有する。本明細書に記載されるALD処理中に使用される別法の金属前駆物質は、ZrCl、CpZr、(MeN)Zr、(EtN)Zr、TaF、TaCl、(BuO)Ta、(MeN)Ta、(EtN)Ta、(MeN)Ta(NBu)、(EtN)Ta(NBu)、TiCl、TiI、(PrO)Ti、(MeN)Ti、(EtN)Ti、AlCl、MeAl、MeAlH、(AMD)La、((MeSi)(Bu)N)La、((MeSi)N)La、(BuN)La、(PrN)La、その誘導体またはその組み合わせを含む。
【0139】
[00153]タンタル含有前駆物質は、たとえば、中でも、五塩化タンタル(TaCl)、ペンタキス(ジエチルアミド)タンタル(PDEAT)(Ta(Net)、ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル(PEMAT)(Ta(N(Et)(Me)))およびペンタキス(ジメチルアミド)タンタル(PDMAT)(Ta(Nme)の群から選択されてもよい。チタン含有前駆物質は、たとえば、中でも、四塩化チタン(TiCl)、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)(Ti(Net)、テトラキス(エチルメチルアミド)チタン(TEMAT)(Ti(N(Et)(Me)))およびテトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)(Ti(NMe)の群から選択されてもよい。
【0140】
[00154]適切なロジウム前駆物質は、たとえば、以下のロジウム化合物、すなわち、2,4−ペンタンジオナトジカルボニルロジウム(I)(CRh(CO))、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ロジウム、すなわち、アセチルアセトナートロジウム(III)(Rh(C)およびトリス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)ロジウムを含む。
【0141】
[00155]適切なイリジウム前駆物質は、たとえば、以下のイリジウム化合物、すなわち、(メチルシクロペンタジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)([(CH)C](C12)Ir)およびトリスアリルイリジウム((CIr)を含む。
【0142】
[00156]適切なパラジウム前駆物質は、たとえば、以下のパラジウム化合物、すなわち、Pd(thd)およびビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)パラジウム(Pd(CFCOCHCOCF)を含む。
【0143】
[00157]適切な白金前駆物質は、たとえば、以下の白金化合物、すなわち、白金(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート(Pt(CFCOCHCOCF)、(トリメチル)メチルシクロペンタジエニル白金(IV)((CH(CH)Pt)およびアリルシクロペンタジエニル白金((C)(C)Pt)を含む。
【0144】
[00158]適切な低酸化状態の酸化オスミウム前駆物質は、たとえば、以下のオスミウム化合物、すなわち、ビス(シクロペンタジエニル)オスミウム((COs)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)オスミウム([(CHOs)および酸化オスミウム(VIII)(OsO)を含む。
【0145】
[00159]適切なバナジウム前駆物質は、たとえば、VCl、VOCl、V(CO)およびVOClを含む。
【0146】
[00160]一実施例において、障壁材料は、ステップ1140で、堆積処理中に処理チャンバ600内で基板121の上に堆積されてもよい。一実施形態において、基板121は、CVD処理中に、誘電体材料前駆物質および酸素前駆物質を含有する処理ガスに曝されてもよい。前駆物質は一般的に、フェースプレート152を通ってガス源159から内部チャンバ101に提供される。
【0147】
[00161]一実施形態において、前駆物質は、ステップ140で処理チャンバに導入されてもよく、または従来のCVD処理中などに同時にまたはALD処理中などに連続的に、入口チャネル156によって基板121に曝されてもよい。ALD処理は、第1の前駆物質および酸素前駆物質などの第2の前駆物質に基板が連続的に曝されてもよいように、少なくとも2つの堆積ガスに基板を曝してもよい。1つの入口チャネル156が示されているが、第1の前駆物質および第2の前駆物質は、別々のガス管路で処理チャンバ600に提供されることが想定される。温度は、各ガス管路に関して制御されてもよい。
[00162]改変されてもよい(たとえば、UV放射線源を組み込む)CVDおよびALDの処理および装置、および誘電体材料を堆積するために有用である可能性がある化学前駆物質の説明は、同一出願人による2005年2月22日公布の“SYSTEM AND METHOD FOR FORMING A GATE DIELECTRIC”という名称の米国特許第6,858,547号、2002年9月19日公布の“ALD METAL OXIDE DEPOSITION PROCESS USING DIRECT OXIDATION”という名称の米国特許第7,067,439号、2003年9月16日公布の“PROCESS CONDITIONS AND PRECURSORS FOR ATOMIC LAYER DEPOSITION (ALD) OF Al”という名称の米国特許第6,620,670号、2003年12月18日公開の“SURFACE PRE− TREATMENT FOR ENHANCEMENT OF NUCLEATION OF HIGH DIELECTRIC CONSTANT MATERIALS”という名称の米国特許出願第2003−0232501号、2003年12月8日公開の“APPARATUSES AND METHODS FOR ATOMIC LAYER DEPOSITION OF HAFNIUM−CONTAINING HIGH−K MATERIALS”という名称の米国特許出願第2005−0271813号、2006年1月26日公開の“PLASMA TREATMENT OF HAFNIUM−CONTAINING MATERIALS”という名称の米国特許出願第2006−0019033号、2006年3月23日公開の“VAPOR DEPOSITION OF HAFNIUM SILICATE MATERIALS WITH TRIS(DIMETHYLAMINO)SILANE”という名称の米国特許出願第2006−0062917号にさらに開示されており、これらはすべて全体として本明細書に参照によって組み込まれるものとする。
【0148】
[00163]第1の前駆物質として、たとえば、ハフニウム前駆物質および酸素前駆物質が、処理チャンバで化合され、酸化ハフニウム材料などのハフニウム含有材料が、基板表面上に形成される。堆積される酸化ハフニウム材料は、反射率およびウェットエッチング速度などの良好な膜品質を呈する。一実施形態において、酸化ハフニウム材料は、約10Å/分〜約500Å/分の範囲内の速度で堆積されてもよく、約10Å〜約1,000Åの範囲内の厚さで堆積される。酸化ハフニウム材料は、Hfなどの化学式を有し、酸素:ハフニウム原子の比(Y/X)は、約2以下であり、たとえば、HfOであってもよい。一実施形態において、本明細書において記載されているように形成される材料は、低い水素含有量を呈し、少量の炭素ドーピングを含み、PMOSデバイスにおけるホウ素保持を強化する。
【0149】
[00164]キャリアガスは、ステップ1140中に、酸素前駆物質およびハフニウム前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。1つのウェーハ処理チャンバの総内圧は、約100ミリトール〜約740トール、好ましくは約250ミリトール〜約100トール、さらに好ましくは約500ミリトール〜約50トールの範囲内の圧力にあってもよい。一実施例において、処理チャンバの内圧は、約10トール以下、好ましくは約5トール以下、さらに好ましくは約1トール以下の圧力に維持される。一部の実施形態において、キャリアガスは、バッチ処理システムのために約100ミリトール〜約1トールの範囲内の酸素前駆物質またはハフニウム前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。適切なキャリアガスの実施例は、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、フォーミングガスまたはその組み合わせを含む。
【0150】
[00165]基板、ハフニウム前駆物質および/または酸素前駆物質は、ステップ1140で、堆積処理中に光励起システムによって生成されるエネルギビームまたはエネルギ束に曝されてもよい。エネルギビームの使用は、堆積速度を有利に増大させ、酸化ハフニウム材料内の原子の表面拡散または移動度を改善し、入ってくる反応種のための活性場所を作成する。一実施形態において、ビームは、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内のエネルギを有する。また、エネルギビームは、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有してもよい。
【0151】
[00166]一実施例において、ランプ790は、ハフニウム前駆物質または酸素前駆物質のうちの少なくとも1つの励起エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。速い堆積速度および低い堆積温度は、最小の寄生副反応を用いて調整可能な特性を有する膜を作成する。一実施形態において、エネルギビームまたはエネルギ束は、約4.5eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。基板表面および処理ガスもまた、ランプ790によって励起されてもよい。
【0152】
[00167]別の実施形態において、誘電体材料を含有する基板(ステップ1140において形成される)は、ステップ1150中に後堆積処置処理に曝される。後堆積処置処理は、堆積後に、基板表面のエネルギを増大し、有利に、揮発性および/または他の膜汚染物質(水素成分の還元によるなど)を除去するか、および/または堆積される膜をアニールする。堆積される材料からのより低い濃度の水素は、膜の引張応力を有利に増大する。少なくとも1つのランプ(たとえば、ランプ790)はあるいは、堆積後、基板の表面エネルギを増大し、揮発性および/または他の膜を除去するために、基板に曝されるエネルギ送出ガスに電圧を印加するために利用されてもよい。
【0153】
[00168]任意に、ステップ1150で、エネルギ送出ガスは、処理チャンバ600の内部チャンバ101に提供されてもよい。適切なエネルギ送出ガスの実施例は、窒素、水素、ヘリウム、アルゴンおよびその組み合わせを含む。実施例は、基板121が、ステップ1150中にエネルギビームまたはエネルギ束を用いて処置されることを提供する。一実施例において、ランプ792は、ステップ1150中に基板121の表面エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。別の実施例において、障壁材料をアニールするために、エネルギビームまたはエネルギ束は、約3.53eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。また、ランプ790は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するエネルギビームを作成してもよい。一般的に、ランプ790は、光励起によって後堆積処置を容易にするために、約1分〜約10分の範囲内の時間期間、電圧を印加されてもよい。
【0154】
[00169]一実施例において、揮発性化合物または汚染物質は、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有しランプ790によって生成されるエネルギビームに基板を曝すことによって、堆積される膜表面から除去されてもよく、処理チャンバ600内でハフニウム前駆物質および酸素前駆物質を解離するために利用される。このように、XeBr(283nm/4.41eV)、Br(289nm/4.29eV)、XeCl(308nm/4.03eV)、I(342nm/3.63eV)、XeF(351nm/3.53eV)などのエキシマランプは、HfOネットワークから水素を除去するために選択されてもよい。基板の回転速度は、たとえば、前の堆積ステップに対して、ステップ1150における回転速度を増大することによって、変更されてもよいことが想定される。
【0155】
[00170]別の実施形態において、基板121は、処理チャンバ600から除去されてもよく、処理チャンバ600は続いて、ステップ1160中にチャンバ洗浄処理に曝される。処理チャンバは、光励起洗浄剤を使用して洗浄されてもよい。一実施形態において、洗浄剤は、フッ素を含む。
【0156】
[00171]処理チャンバ600は、堆積性能を強化するために、チャンバ洗浄処理中に洗浄されてもよい。たとえば、チャンバ洗浄処理は、処理チャンバ600の表面上に含有される汚染物質または窓793に含有される汚染物質を除去するために、使用されてもよく、それにより、窓793を通って進むエネルギビームまたはエネルギ束の透過損失を最小限に抑え、ガスおよび表面に移送されるエネルギを最大にする。窓793は、処理チャンバ600より多い頻度で洗浄されてもよく、たとえば、処理チャンバ600は、複数の基板の処理後に洗浄されてもよいのに対して、窓793は、各基板の処理後に洗浄される。適切な洗浄剤は、たとえば、H、HX(X=F、Cl、BrまたはI)、NX(X=FまたはCl)、XF(X=Cl、Br、Iおよびn=1、3、5、7)などのハロゲン間化合物およびその水素化されたハロゲン間化合物、およびXeF、XeF、XeFおよびKrFなどの不活性ガスのハロゲン化物を含む。
【0157】
[00172]ステップ1140中に堆積される誘電体材料の元素組成は、化学前駆物質、すなわち、第1の前駆物質および酸素前駆物質の濃度または流速を制御することによって予め決定されてもよい。膜特性は、誘電体材料内の誘電体前駆物質および酸素前駆物質の相対的な濃度を制御することによって、特定の用途向けに合わせられてもよい。一実施形態において、誘電体前駆物質および酸素前駆物質の元素濃度は、堆積処理中または堆積処理の次に、UVエネルギの範囲を変化させることによって調整されてもよい。膜特性は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、応力、誘電率などを含む。たとえば、水素成分を還元することによって、堆積される材料は、より高い引張応力を有してもよい。別の実施例において、炭素成分を還元することによって、堆積される材料は、より低い電気抵抗を有してもよい。
【0158】
[00173]本明細書において記載されているように、処理1100を利用して堆積される誘電体材料は、複数の物理特性に起因する電子特徴部/デバイスの全体に使用されてもよい。一実施形態において、誘電体材料は、処理1100中に集積回路(図14)などの電子特徴部を形成するために、基板の上に層として堆積されてもよい。
【0159】
導電材料
[00174]図12は、本明細書の実施形態によって記載されたように、導電材料を堆積するために、処理1200の流れ図を描く。基板は、処理チャンバ内に位置決めし(ステップ1210)、任意に前処置処理に曝され(ステップ1220)、および所定の温度まで加熱されてもよい(ステップ1230)。続いて、導電材料は、基板の上に堆積されてもよい(ステップ1240)。基板は、任意に後堆積処置処理に曝され(ステップ1250)、処理チャンバは、任意にチャンバ洗浄処理に曝されてもよい(ステップ1260)。
【0160】
[00175]基板は、ステップ1210中に、処理チャンバ内に位置決めされてもよい。処理チャンバは、1つのウェーハチャンバであってもよく、または複数のウェーハまたは基板(たとえば、25個、50個、100個またはそれ以上)を含有するバッチチャンバであってもよい。基板は、定位置に維持されてもよいが、好ましくは、支持ペデスタルによって回転される。任意に、基板は、処理1200の1つまたは複数のステップ中に割り出されてもよい。
【0161】
[00176]図7に描かれている処理チャンバ600は、処理1200中に、本明細書において実施例によって記載されたように、基板121に導電材料を堆積するために、使用されてもよい。一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で基板支持ペデスタル上に約120rpm(毎分回転数)までの速度で回転されてもよい。あるいは、基板121は、基板支持ペデスタル上に位置決めされてもよく、堆積処理中に回転されなくてもよい。
【0162】
[00177]一実施形態において、基板121は、ステップ1220中に少なくとも1つの前処置処理に任意に曝される。基板表面は、前処置処理中に除去される自然酸化物を含有してもよい。基板121は、ステップ1240中に導電材料を堆積する前に基板表面から自然酸化物を除去するために、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームを用いて前処置されてもよい。処理ガスは、前処置処理中に、基板に曝されてもよい。処理ガスは、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、フォーミングガスまたはその組み合わせを含有してもよい。光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、前処置処理は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、続いてもよい。また、基板121は、処理1200中の自然酸化物の除去を容易にするために、ステップ1220中に、約100℃〜約800℃の範囲内、好ましくは約200℃〜約600℃、さらに好ましくは約300℃〜約500℃の温度まで加熱されてもよい。
【0163】
[00178]実施例は、基板121がステップ1220中に、ランプ792によって作成されるエネルギビームに曝されてもよいことを提供する。ランプ792は、約2eV〜約10eV、たとえば、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供してもよい。別の実施例において、ランプ792は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線のエネルギビームを提供する。ランプ792は、酸化物を除去するのに十分な期間の間、電圧を印加されてもよい。電圧印加期間は、窓793のサイズおよび幾何構成および基板回転速度に基づいて選択される。一実施形態において、光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、電圧を印加される。一実施例において、基板121は、ステップ1220中に、約100℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施例において、基板121は、ステップ1220中に、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで加熱されてもよく、自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約5分の範囲内の時間期間の間、約2eV〜約10eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供する。一実施例において、エネルギビームは、約3分間、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有する。
【0164】
[00179]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1220で、前処置処理中に、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。エネルギ送出ガスは、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、臭化アルゴン、塩化アルゴン、臭化クリプトン、塩化クリプトン、フッ化クリプトン、フッ化キセノン(たとえば、XeF)、塩化キセノン、臭化キセノン、フッ素、塩素、臭素、それらのエキシマ、それらのラジカル、それらの誘導体またはその組み合わせであってもよい。一部の実施形態において、処理ガスはまた、少なくとも1つのエネルギ送出ガスのほかに、窒素ガス(N)、水素ガス(H)、フォーミングガス(たとえば、N/HまたはAr/H)を含有してもよい。
【0165】
[00180]一実施例において、基板121は、ステップ1220中に、処理チャンバ600の内部チャンバ101に処理ガスを提供することによって、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスに曝されてもよい。エネルギ送出ガスは、ガス源159からフェースプレート152を通して提供されてもよい。基板121に比べて、ランプ792に対する処理ガスの近接性は、その中のエネルギ送出ガスを容易に励起する。エネルギ送出ガスが脱励起し、基板121により近い位置に移動すると、エネルギは、基板121の表面に効率的に移送され、それにより、自然酸化物の除去を容易にする。
【0166】
[00181]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1220で、前処置処理中に有機蒸気を含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。一実施例において、基板は、環状芳香族炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。環状芳香族炭化水素は、UV放射線の存在下にあってもよい。前処置処理中に有用である単環芳香族炭化水素および多環芳香族炭化水素は、キノン、ヒドロキシキノン(ヒドロキノン)、アントラセン、ナフタレン、フェナントラセン、それらの誘導体、またはその組み合わせを含む。別の実施例において、基板は、エチレン、アセチレン(エチン)、プロピレン、アルキル誘導体、ハロゲン化誘導体またはその組み合わせを含む不飽和炭化水素などの、他の炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。別の実施例において、有機蒸気は、ステップ1220で、前処置処理中にアルカン化合物を含有してもよい。
【0167】
[00182]一実施例において、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線は、ステップ1120中にランプによって生成されてもよい。別の実施形態において、多環芳香族炭化水素は、自然酸化物の中の酸素原子と反応することによって、UV放射線の存在下で自然酸化物を除去してもよい。別の実施形態において、自然酸化物は、キノンまたはヒドロキシキノンに基板を曝すことによって除去されてもよく、同時に、誘導体生成物を形成する。誘導体生成物は、真空ポンピング処理によって処理チャンバから除去されてもよい。
【0168】
[00183]ステップ1230で、基板121は、前処置処理中にまたは前処置処理に続いて、所定の温度まで加熱されてもよい。基板121は、ステップ1240で、誘電体材料を堆積する前に加熱される。基板は、基板支持材の中に埋め込まれた加熱素子、エネルギビーム(たとえば、UV源)またはその組み合わせによって加熱されてもよい。一般的に、基板は、約15秒〜約30分、好ましくは約30秒〜約20分、さらに好ましくは約1分〜約10分までの範囲内の時間期間の間などで、所定の温度を得るほど十分に長く加熱される。一実施形態において、基板は、約200℃〜約1,000℃、好ましくは約400℃〜約850℃、さらに好ましくは約550℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施形態において、基板は、約550℃未満の温度、好ましくは約450℃未満の温度に加熱されてもよい。
【0169】
[00184]一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で、所定の温度に加熱されてもよい。所定の温度は、約300℃〜約500℃の範囲内であってもよい。基板121は、電源から加熱素子、たとえば、加熱器ブロック211まで電力を印加することによって加熱されてもよい。
【0170】
[00185]一実施形態において、導電材料は、ステップ1240で、堆積処理中に基板の上に堆積される。導電材料は、堆積処理中に基板を少なくとも1つの堆積ガスに曝すことによって形成されてもよい。一実施例において、堆積処理は、たとえば、タングステン、チタンまたはその組み合わせなどの金属前駆物質、および窒素前駆物質または金属前駆物質および窒素源の両方を含有する前駆物質を含有してもよい、堆積ガスを有するCVD処理である。あるいは、堆積処理は、基板が、金属前駆物質および窒素前駆物質に連続的に曝されるように、少なくとも2つの堆積ガスを有するALD処理であってもよい。堆積処理は、熱処理、ラジカル処理またはその組み合わせであってもよい。たとえば、基板は、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームの存在下で、処理ガスに曝されてもよい。
【0171】
[00186]一実施形態において、導電材料は、窒素と、タングステン、チタンまたはその組み合わせなどの少なくとも1つの金属と、を含有する。導電材料は、窒化タングステン(WN)などのタングステン含有材料、窒化チタン(TiN)などのチタン含有材料、それらの誘導体またはその組み合わせを含む組成を有してもよい。他の導電材料は、中でも、タングステンおよびアルミニウムを含んでもよい。
【0172】
[00187]ステップ140で導電材料を形成するための適切な窒素前駆物質の実施例は、アンモニア(NH)、ヒドラジン(N)、有機アミン、有機ヒドラジン、有機ジアジン(たとえば、メチルジアジン((HC)NNH))、アジ化シリル、シリルヒドラジン、アジ化水素(HN)、シアン化水素(HCN)、原子状窒素(N)、窒素(N)、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。窒素前駆物質としての有機アミンは、RNH3−xを含み、各Rは独立にアルキル基またはアリール基であり、xは、1、2または3である。有機アミンの実施例は、トリメチルアミン((CHN)、ジメチルアミン((CHNH)、メチルアミン((CH)NH))、トリエチルアミン((CHCHN)、ジエチルアミン((CHCHNH)、エチルアミン((CHCH)NH))、tert−ブチルアミン(((CHC)NH)、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。窒素前駆物質としての有機ヒドラジンは、R4−xを含み、各Rは独立にアルキル基またはアリール基であり、xは、1、2、3または4である。有機ヒドラジンの実施例は、メチルヒドラジン((CH)N)、ジメチルヒドラジン((CH)、エチルヒドラジン((CHCH)N)、ジエチルヒドラジン((CHCH)、tert−ブチルヒドラジン(((CHC)N)、ジ−tert−ブチルヒドラジン(((CHC))、それらのラジカル、それらのプラズマ、それらの誘導体またはその組み合わせを含む。
【0173】
[00188]例示のタングステン前駆物質は、六フッ化タングステン(WF)およびカルボニルタングステン(W(CO))から選択される。チタン含有前駆物質は、たとえば、中でも、四塩化チタン(TiCl)、テトラキス(ジエチルアミド)チタン(TDEAT)(Ti(Net)、テトラキス(エチルメチルアミド)チタン(TEMAT)(Ti(N(Et)(Me)))およびテトラキス(ジメチルアミド)チタン(TDMAT)(Ti(NMe)の群から選択されてもよい。
【0174】
[00189]適切な還元ガスは、従来の還元剤、たとえば、水素(たとえば、Hまたは原子状H)、アンモニア(NH)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ジメチルシラン(SiC)、メチルシラン(SiCH)、エチルシラン(SiC)、クロロシラン(ClSiH)、ジクロロシラン(ClSiH)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、トリエチルボラン(EtB)などのアルキルボラン、それらの誘導体およびその組み合わせを含んでもよい。
【0175】
[00190]一実施例において、導電材料は、ステップ1240で、堆積処理中に処理チャンバ600内で基板121の上に堆積されてもよい。一実施形態において、基板121は、CVD処理中に、タングステン前駆物質またはチタン含有前駆物質および窒素前駆物質などの導電材料前駆物質を含有する処理ガスに曝されてもよい。前駆物質は一般的に、フェースプレート152を通ってガス源159から内部チャンバ101に提供される。
【0176】
[00191]一実施形態において、前駆物質は、ステップ1240で処理チャンバに導入されてもよく、または従来のCVD処理中などに同時にまたはALD処理中などに連続的に、入口チャネル156によって基板121に曝されてもよい。ALD処理は、タングステン含有前駆物質またはチタン含有前駆物質などの第1の前駆物質および窒素を含有する前駆物質などの第2の前駆物質に基板が連続的に曝されてもよいように、少なくとも2つの堆積ガスに基板を曝してもよい。1つの入口チャネル156が示されているが、第1の前駆物質および第2の前駆物質は、別々のガス管路で処理チャンバ600に提供されることが想定される。温度は、各ガス管路に関して制御されてもよい。
【0177】
[00192]改変されてもよい(たとえば、UV放射線源を組み込む)CVDおよびALDの処理および装置、および導電材料を堆積するために有用である可能性がある化学前駆物質の説明は、同一出願人による2004年11月2日公布の“METHOD FOR GROWING THIN FILMS BY CATALYTIC ENHANCEMENT”という名称の米国特許第6,811,814号、2003年9月16日公布の“NITROGEN ANALOGS OF COPPER II B−DIKETONATES AS SOURCE REAGENTS FOR SEMICONDUCTOR PROCESSING”という名称の米国特許第6,620,956号、2004年5月25日公布の“BARRIER FORMATION USING NOVEL SPUTTER DEPOSITION METHOD WITH PVD,CVD,OR ALD”という名称の米国特許第6,740,585号、2004年1月15日公開の“DEPOSITION OF COPPER FILMS”という名称の米国特許出願第2004−0009665号、2005年10月6日公開の「NOBLE METAL LAYER FORMATION FOR COPPER FILM DEPOSITION」という名称の米国特許出願第2005−0220998号、2004年6月3日公開の“RUTHENIUM LAYER FORMATION FOR COPPER FILM DEPOSITION”という名称の米国特許出願第2004−0105934号、2004年12月12日公開の“RUTHENIUM LAYER FORMATION FOR COPPER FILM DEPOSITION”という名称の米国特許出願第2004−0241321号にさらに開示されており、これらはすべて全体として本明細書に参照によって組み込まれるものとする。
【0178】
[00193]第1の前駆物質として、たとえば、タングステン前駆物質および窒素前駆物質が、処理チャンバで化合され、窒化タングステン材料などのタングステン含有材料が、基板表面上に形成される。堆積される窒化タングステン材料は、反射率およびウェットエッチング速度などの良好な膜品質を呈する。一実施形態において、窒化タングステン材料は、約10Å/分〜約500Å/分の範囲内の速度で堆積されてもよく、約10Å〜約1,000Åの範囲内の厚さで堆積される。
【0179】
[00194]キャリアガスは、ステップ1240中に、タングステン前駆物質および窒素前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。1つのウェーハ処理チャンバの総内圧は、約100ミリトール〜約740トール、好ましくは約250ミリトール〜約100トール、さらに好ましくは約500ミリトール〜約50トールの範囲内の圧力にあってもよい。一実施例において、処理チャンバの内圧は、約10トール以下、好ましくは約5トール以下、さらに好ましくは約1トール以下の圧力に維持される。一部の実施形態において、キャリアガスは、バッチ処理システムのために約100ミリトール〜約1トールの範囲内の窒素前駆物質またはタングステン前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。適切なキャリアガスの実施例は、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、フォーミングガスまたはその組み合わせを含む。
【0180】
[00195]基板、タングステン前駆物質および/または窒素前駆物質は、ステップ1240で、堆積処理中に光励起システムによって生成されるエネルギビームまたはエネルギ束に曝されてもよい。エネルギビームの使用は、堆積速度を有利に増大させ、窒化タングステン材料内の原子の表面拡散または移動度を改善し、入ってくる反応種のための活性場所を作成する。一実施形態において、ビームは、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内のエネルギを有する。また、エネルギビームは、約126nm〜約450nmの範囲内の波長を有してもよい。
【0181】
[00196]一実施例において、ランプ790は、タングステン前駆物質または窒素前駆物質のうちの少なくとも1つの励起エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。速い堆積速度および低い堆積温度は、最小の寄生副反応を用いて調整可能な特性を有する膜を作成する。一実施形態において、エネルギビームまたはエネルギ束は、約4.5eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。基板表面および処理ガスもまた、ランプ790によって励起されてもよい。
【0182】
[00197]別の実施形態において、導電材料を含有する基板(ステップ1240において形成される)は、ステップ1250中に後堆積処置処理に曝される。後堆積処置処理は、堆積後に、基板表面のエネルギを増大し、有利に、揮発性および/または他の膜汚染物質(水素成分の還元によるなど)を除去するか、および/または堆積される膜をアニールする。堆積される材料からのより低い濃度の水素は、膜の引張応力を有利に増大する。少なくとも1つのランプ(たとえば、ランプ790)はあるいは、堆積後、基板の表面エネルギを増大し、揮発性および/または他の膜を除去するために、基板に曝されるエネルギ送出ガスに電圧を印加するために利用されてもよい。
【0183】
[00198]任意に、ステップ1250で、エネルギ送出ガスは、処理チャンバ600の内部チャンバ101に提供されてもよい。適切なエネルギ送出ガスの実施例は、窒素、水素、ヘリウム、アルゴンおよびその組み合わせを含む。実施例は、基板121が、ステップ1250中にエネルギビームまたはエネルギ束を用いて処置されることを提供する。一実施例において、ランプ792は、ステップ1250中に基板121の表面エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。別の実施例において、導電材料をアニールするために、エネルギビームまたはエネルギ束は、約3.53eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。また、ランプ790は、約126nm〜約351nmの範囲内の波長を有するエネルギビームを作成してもよい。一般的に、ランプ790は、光励起によって後堆積処置を容易にするために、約1分〜約10分の範囲内の時間期間、電圧を印加されてもよい。
【0184】
[00199]一実施例において、揮発性化合物または汚染物質は、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有しランプ790によって生成されるエネルギビームに基板を曝すことによって、堆積される膜表面から除去されてもよく、処理チャンバ600内でタングステンまたはチタン前駆物質および窒素前駆物質を解離するために利用される。このように、XeBr(283nm/4.41eV)、Br(289nm/4.29eV)、XeCl(308nm/4.03eV)、I(342nm/3.63eV)、XeF(351nm/3.53eV)などのエキシマランプは、TiNまたはWNネットワークから水素を除去するために、選択されてもよい。基板の回転速度は、たとえば、前の堆積ステップに対して、ステップ1250における回転速度を増大することによって、変更されてもよいことが想定される。
【0185】
[00200]別の実施形態において、基板121は、処理チャンバ600から除去されてもよく、処理チャンバ600は続いて、ステップ1260中にチャンバ洗浄処理に曝される。処理チャンバは、光励起洗浄剤を使用して洗浄されてもよい。一実施形態において、洗浄剤は、フッ素を含む。
【0186】
[00201]処理チャンバ600は、堆積性能を強化するために、チャンバ洗浄処理中に洗浄されてもよい。たとえば、チャンバ洗浄処理は、処理チャンバ600の表面上に含有される汚染物質または窓793に含有される汚染物質を除去するために、使用されてもよく、それにより、窓793を通って進むエネルギビームまたはエネルギ束の透過損失を最小限に抑え、ガスおよび表面に移送されるエネルギを最大にする。窓793は、処理チャンバ600より多い頻度で洗浄されてもよく、たとえば、処理チャンバ600は、複数の基板の処理後に洗浄されてもよいのに対して、窓793は、各基板の処理後に洗浄される。適切な洗浄剤は、たとえば、H、HX(X=F、Cl、BrまたはI)、NX(X=FまたはCl)、XF(X=Cl、Br、Iおよびn=1、3、5、7)などのハロゲン間化合物およびその水素化されたハロゲン間化合物、およびXeF、XeF、XeFおよびKrFなどの不活性ガスのハロゲン化物を含む。
【0187】
[00202]ステップ1240中に堆積される導電材料の元素組成は、化学前駆物質、すなわち、金属前駆物質および窒素前駆物質の濃度または流速を制御することによって予め決定されてもよい。膜特性は、導電体材料内の金属前駆物質および窒素前駆物質の相対的な濃度を制御することによって、特定の用途向けに合わせられてもよい。一実施形態において、金属前駆物質の元素濃度は、堆積処理中または堆積処理の次に、UVエネルギの範囲を変化させることによって調整されてもよい。膜特性は、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、応力、誘電率などを含む。
【0188】
[00203]本明細書において記載されているように、処理1200を利用して堆積される導電材料は、複数の物理特性に起因する電子特徴部/デバイスの全体に使用されてもよい。一実施形態において、導電材料は、処理1200中に集積回路(図14)などの電子特徴部を形成するために、基板の上に層として堆積されてもよい。
【0189】
[00204]導電層および材料を形成するために使用されてもよい装置および処理は、同一出願人による2003年5月22日出願で、US2005−0220998として公開された米国特許出願第10/443,648号、2003年8月4日出願で、US 2004−0105934として公開された米国特許出願第10/634,662号、2004年3月26日出願で、US 2004−0241321として公開された米国特許出願第10/811,230号、2005年9月6日出願の米国特許出願第60/714580号、同一出願人による米国特許第6,936,538号、米国特許第6,620,723号、米国特許第6,551,929号、米国特許第6,855,368号、米国特許第6,797,340号、米国特許第6,951,804号、米国特許第6,939,801号、米国特許第6,972,267号、米国特許第6,596,643号、米国特許第6,849,545号、米国特許第6,607,976号、米国特許第6,702,027号、米国特許第6,916,398号、米国特許第6,878,206号および米国特許第6,936,906号にさらに記載され、これらはすべて全体として本明細書に参照によって組み込まれるものとする。
【0190】
シード材料
[00205]図12は、本明細書の実施形態によって記載されたように、シード材料を堆積するために、処理1300の流れ図を描く。基板は、処理チャンバ内に位置決めし(ステップ1310)、任意に前処置処理に曝され(ステップ1320)、および所定の温度まで加熱されてもよい(ステップ1330)。続いて、シード材料は、基板の上に堆積されてもよい(ステップ1340)。基板は、任意に後堆積処置処理に曝され(ステップ1350)、処理チャンバは、任意にチャンバ洗浄処理に曝されてもよい(ステップ1360)。
【0191】
[00206]基板は、ステップ1310中に、処理チャンバ内に位置決めされてもよい。処理チャンバは、1つのウェーハチャンバであってもよく、または複数のウェーハまたは基板(たとえば、25個、50個、100個またはそれ以上)を含有するバッチチャンバであってもよい。基板は、定位置に維持されてもよいが、好ましくは、支持ペデスタルによって回転される。任意に、基板は、処理1300の1つまたは複数のステップ中に割り出されてもよい。
【0192】
[00207]図7に描かれている処理チャンバ600は、処理1300中に、本明細書において実施例によって記載されたように、基板121にシード材料を堆積するために、使用されてもよい。一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で基板支持ペデスタル上に約120rpm(毎分回転数)までの速度で回転されてもよい。あるいは、基板121は、基板支持ペデスタル上に位置決めされてもよく、堆積処理中に回転されなくてもよい。
【0193】
[00208]一実施形態において、基板121は、ステップ1320中に少なくとも1つの前処置処理に任意に曝される。基板表面は、前処置処理中に除去される自然酸化物を含有してもよい。基板121は、ステップ1340中にシード材料を堆積する前に基板表面から自然酸化物を除去するために、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームを用いて前処置されてもよい。処理ガスは、前処置処理中に、基板に曝されてもよい。処理ガスは、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素、フォーミングガスまたはその組み合わせを含有してもよい。光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、前処置処理は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、続いてもよい。また、基板121は、処理1300中の自然酸化物の除去を容易にするために、ステップ1320中に、約100℃〜約800℃の範囲内、好ましくは約200℃〜約600℃、さらに好ましくは約300℃〜約500℃の温度まで加熱されてもよい。
【0194】
[00209]実施例は、基板121がステップ1320中に、ランプ792によって生成されるエネルギビームに曝されてもよいことを提供する。ランプ792は、約2eV〜約10eV、たとえば、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供してもよい。別の実施例において、ランプ792は、約123nm〜約500nmの範囲内の波長を有するUV放射線のエネルギビームを提供する。ランプ792は、酸化物を除去するのに十分な期間の間、電圧を印加されてもよい。一実施形態において、光励起処理中に自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約10分の範囲内の時間期間の間、電圧を印加される。一実施例において、基板121は、ステップ1320中に、約100℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施例において、基板121は、ステップ1320中に、約300℃〜約500℃の範囲内の温度まで加熱されてもよく、自然酸化物の除去を容易にするために、ランプ792は、約2分〜約5分の範囲内の時間期間の間、約2eV〜約10eVの範囲内の光子エネルギを有するエネルギビームを提供する。一実施例において、エネルギビームは、約3分間、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有する。
【0195】
[00210]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1320で、前処置処理中に、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。エネルギ送出ガスは、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、臭化アルゴン、塩化アルゴン、臭化クリプトン、塩化クリプトン、フッ化クリプトン、フッ化キセノン(たとえば、XeF)、塩化キセノン、臭化キセノン、フッ素、塩素、臭素、それらのエキシマ、それらのラジカル、それらの誘導体またはその組み合わせであってもよい。一部の実施形態において、処理ガスはまた、少なくとも1つのエネルギ送出ガスのほかに、窒素ガス(N)、水素ガス(H)、フォーミングガス(たとえば、N/HまたはAr/H)を含有してもよい。
【0196】
[00211]一実施例において、基板121は、ステップ1320中に、処理チャンバ600の内部チャンバ101に処理ガスを提供することによって、エネルギ送出ガスを含有する処理ガスに曝されてもよい。エネルギ送出ガスは、ガス源159からフェースプレート152を通して提供されてもよい。基板121に比べて、ランプ792に対する処理ガスの近接性は、その中のエネルギ送出ガスを容易に励起する。エネルギ送出ガスが脱励起し、基板121により近い位置に移動すると、エネルギは、基板121の表面に効率的に移送され、それにより、自然酸化物の除去を容易にする。
【0197】
[00212]別の実施形態において、自然酸化物の除去は、ステップ1320で、前処置処理中に有機蒸気を含有する処理ガスの存在下で、光励起処理によって増大されてもよい。一実施例において、基板は、環状芳香族炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。環状芳香族炭化水素は、UV放射線の存在下にあってもよい。前処置処理中に有用である単環芳香族炭化水素および多環芳香族炭化水素は、キノン、ヒドロキシキノン(ヒドロキノン)、アントラセン、ナフタレン、フェナントラセン、それらの誘導体、またはその組み合わせを含む。別の実施例において、基板は、エチレン、アセチレン(エチン)、プロピレン、アルキル誘導体、ハロゲン化誘導体またはその組み合わせを含む不飽和炭化水素などの、他の炭化水素を含有する処理ガスに曝されてもよい。別の実施例において、有機蒸気は、ステップ1320で、前処置処理中にアルカン化合物を含有してもよい。
【0198】
[00213]一実施例において、約126nm〜約351nmの範囲内の波長を有するUV放射線は、ステップ1320中にランプによって生成されてもよい。別の実施形態において、多環芳香族炭化水素は、自然酸化物の中の酸素原子と反応することによって、UV放射線の存在下で自然酸化物を除去してもよい。別の実施形態において、自然酸化物は、キノンまたはヒドロキシキノンに基板を曝すことによって除去されてもよく、同時に、誘導体生成物を形成する。誘導体生成物は、真空ポンピング処理によって処理チャンバから除去されてもよい。
【0199】
[00214]ステップ1330で、基板121は、前処置処理中にまたは前処置処理に続いて、所定の温度まで加熱されてもよい。基板121は、ステップ1240で、誘電体材料を堆積する前に加熱される。基板は、基板支持材の中に埋め込まれた加熱素子、エネルギビーム(たとえば、UV源)またはその組み合わせによって加熱されてもよい。一般的に、基板は、約15秒〜約30分、好ましくは約30秒〜約20分、さらに好ましくは約1分〜約10分までの範囲内の時間期間の間などで、所定の温度を得るほど十分に長く加熱される。一実施形態において、基板は、約200℃〜約1,000℃、好ましくは約400℃〜約850℃、さらに好ましくは約550℃〜約800℃の範囲内の温度まで加熱されてもよい。別の実施形態において、基板は、約550℃未満の温度、好ましくは約450℃未満の温度に加熱されてもよい。
【0200】
[00215]一実施例において、基板121は、処理チャンバ600内で、所定の温度に加熱されてもよい。所定の温度は、約300℃〜約500℃の範囲内であってもよい。基板121は、電源から加熱素子、たとえば、加熱器ブロック211まで電力を印加することによって加熱されてもよい。
【0201】
[00216]一実施形態において、シード材料は、ステップ1340で、堆積処理中に基板の上に堆積される。シード材料は、堆積処理中に基板を少なくとも1つの堆積ガスに曝すことによって形成されてもよい。一実施例において、堆積処理は、第1の前駆物質および第2の前駆物質、または第1の前駆物質および第2の前駆物質の両方を含有する前駆物質を含有してもよい、堆積ガスを有するCVD処理である。あるいは、堆積処理は、基板が、第1の前駆物質および第2の前駆物質に連続的に曝されるように、少なくとも2つの堆積ガスを有するALD処理であってもよい。堆積処理は、熱処理、ラジカル処理またはその組み合わせであってもよい。たとえば、基板は、直接光励起システムによって生成されるエネルギビームの存在下で、処理ガスに曝されてもよい。
【0202】
[00217]シード材料は、ルテニウム、イリジウム、タングステン、タンタル、白金、銅またはその組み合わせなどの少なくとも1つの金属を含有する。シード材料は、窒化タンタル(TaN)などのタンタル含有材料を含む組成を有してもよい。
【0203】
[00218]ステップ1340でシード層を形成するための適切なルテニウム含有前駆物質の実施例は、少なくとも1つの開鎖ジエニル配位子を含有するルテノセン化合物およびルテニウム化合物を含んでもよい。ルテノセン化合物は、R5−xなどの少なくとも1つのシクロペンチル配位子を含有し、x=0〜5であり、Rは独立に水素またはアルキル基であり、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム化合物、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ルテニウム化合物、ビス(ジアルキルシクロペンタジエニル)ルテニウム化合物およびそれらの誘導体を含み、アルキル基は、独立にメチル、エチル、プロピルまたはブチルであってもよい。ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム化合物は、一般的な化学式(R5−xRuを有し、x=0〜5であり、Rは独立に水素またはメチル、エチル、プロピルまたはブチルなどのアルキル基である。
【0204】
[00219]少なくとも1つの開鎖ジエニル配位子を含有するルテニウム化合物は、CHCRCHCRCHなどの配位子を含有してもよく、Rは独立に水素またはアルキル基である。一部の実施例において、ルテニウム含有前駆物質は、ペンタジエニルまたはヘプタジエニルなどの2つの開鎖ジエニル配位子を有し、ビス(ペンタジエニル)ルテニウム化合物、ビス(アルキルペンタジエニル)ルテニウム化合物およびビス(ジアルキルペンタジエニル)ルテニウム化合物を含んでもよい。ビス(ペンタジエニル)ルテニウム化合物は、一般的な化学式(CHCRCHCRCHRuを有し、Rは独立にアルキル基または水素である。通常、Rは、独立に水素、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。また、ルテニウム含有前駆物質は、1つの開鎖ジエニル配位子およびシクロペンタジエニル配位子の両方を有してもよい。
【0205】
[00220]したがって、本明細書に記載される堆積処理中に有用なルテニウム含有前駆物質の実施例は、ビス(シクロペンタジエニル)ルテニウム(CpRu)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(2,4−ジエチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(2,4−ジイソプロピルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(メチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(エチルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(イソプロピルペンタジエニル)ルテニウム、ビス(tert−ブチルペンタジエニル)ルテニウム、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。一部の実施形態において、他のルテニウム含有化合物は、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム、ジカルボニルペンタジエニルルテニウム、ルテニウムアセチルアセトナート、(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム(シクロペンタジエニル)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム(メチルシクロペンタジエニル)、(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム(シクロペンタジエニル)、(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム(メチルシクロペンタジエニル)、(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム(エチルシクロペンタジエニル)、(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム(エチルシクロペンタジエニル)、(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム(イソプロピルシクロペンタジエニル)、ビス(N,N−ジメチル1,3−テトラメチルジイミナート)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、ビス(N,N−ジメチル1,3−ジメチルジイミナート)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、ビス(アリル)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、(η−C)ルテニウム(1,3−シクロヘキサジエン)、ビス(1,1−ジメチル−2−アミノエトキシラート)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、ビス(1,1−ジメチル−2−アミノエチルアミナート)ルテニウム(1,5−シクロオクタジエン)、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。
【0206】
[00221]他の貴金属含有化合物は、パラジウム、白金、コバルト、ニッケルおよびロジウムを含有する前駆物質などのそれぞれの貴金属層を堆積するために、ルテニウム含有前駆物質の置換物として使用されてもよい。パラジウム含有前駆物質は、たとえば、ビス(アリル)パラジウム、ビス(2−メチルアリル)パラジウムおよび(シクロペンタジエニル)(アリル)パラジウム、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。適切な白金含有前駆物質は、ジメチル(シクロオクタジエン)白金、トリメチル(シクロペンタジエニル)白金、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金、シクロペンタジエニル(アリル)白金、メチル(カルボニル)シクロペンタジエニル白金、トリメチル(アセチルアセトナート)白金、ビス(アセチルアセトナート)白金、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。適切なコバルト含有前駆物質は、ビス(シクロペンタジエニル)コバルト、(シクロペンタジエニル)(シクロヘキサジエニル)コバルト、シクロペンタジエニル(1,3−ヘキサジエニル)コバルト、(シクロブタジエニル)(シクロペンタジエニル)コバルト、ビス(メチルシクロペンタジエニル)コバルト、(シクロペンタジエニル)(5−メチルシクロペンタジエニル)コバルト、ビス(エチレン)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)コバルト、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。適切なニッケル含有前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ニッケルを含み、適切なロジウム含有前駆物質は、ビス(カルボニル)(シクロペンタジエニル)ロジウム、ビス(カルボニル)(エチルシクロペンタジエニル)ロジウム、ビス(カルボニル)(メチルシクロペンタジエニル)ロジウム、ビス(プロピレン)ロジウム、それらの誘導体およびその組み合わせを含む。
【0207】
[00222]適切な還元ガスは、従来の還元剤、たとえば、水素(たとえば、Hまたは原子状H)、アンモニア(NH)、シラン(SiH)、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)、ジメチルシラン(SiC)、メチルシラン(SiCH)、エチルシラン(SiC)、クロロシラン(ClSiH)、ジクロロシラン(ClSiH)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、ボラン(BH)、ジボラン(B)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、トリエチルボラン(EtB)などのアルキルボラン、それらの誘導体およびその組み合わせを含んでもよい。
【0208】
[00223]また、還元ガスは、酸素(たとえば、O)、亜酸化窒素(NO)、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、それらの誘導体およびその組み合わせなどの還元剤として使用される酸素含有ガスを含んでもよい。さらに、従来の還元剤は、還元ガスを形成するために、酸素含有還元剤を用いて化合されてもよい。本発明の実施形態において使用される酸素含有ガスは、従来、酸化剤として化学業界で使用される。しかし、貴金属(たとえば、Ru)を含有する有機金属化合物における配位子は通常、貴金属より酸素含有還元剤に対して高い感受性がある。したがって、配位子は一般的に、金属中心から酸化され、金属イオンは、元素金属を形成するために還元される。一実施例において、還元ガスは、還元剤として周辺酸素を含有する空気である。空気は、周辺水を還元するために篩の上で乾燥されてもよい。
【0209】
[00224]適切なタングステン含有化合物は、六フッ化タングステン(WF)、六塩化タングステン(WCl)、ヘキサカルボニルタングステン(W(CO))、ビス(シクロペンタジエニル)二塩化タングステン(CpWCl)およびメシチレンタングステントリカルボニル(C12W(CO))のほか、それらの誘導体を含む。適切な還元化合物は、シラン化合物、ボラン化合物および水素を含む。シラン化合物は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、クロロシラン、ジクロロシラン、テトラクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、メチルシランおよび他のアルキルシランおよびそれらの誘導体を含み、ボラン化合物は、ボラン、ジボラン、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、トリエチルボランおよび他のアルキルボランおよびそれらの誘導体を含む。好ましい還元化合物および浸漬化合物は、シラン、ジシラン、ジボラン、水素およびその組み合わせを含む。
【0210】
[00225]一実施例において、シード層は、ステップ1340で、堆積処理中に処理チャンバ600内で基板121の上に堆積されてもよい。一実施形態において、基板121は、CVD処理中に、CpRuなどのシード層前駆物質およびBなどの試薬を含有する処理ガスに曝されてもよい。前駆物質は一般的に、流れ制御リングを通ってガスパネルからチャンバ本体651の内部容積に提供される。前駆物質は一般的に、フェースプレート152を通ってガス源159から内部チャンバ101に提供される。
【0211】
[00226]一実施形態において、前駆物質は、ステップ140で処理チャンバ600に導入されてもよく、または従来のCVD処理中などに同時にまたはALD処理中などに連続的に、入口チャネル156によって基板121に曝されてもよい。ALD処理は、CpRuなどの第1の前駆物質およびBなどの第2の前駆物質に基板が連続的に曝されてもよいように、少なくとも2つの堆積ガスに基板を曝してもよい。1つの入口チャネル156が示されているが、第1の前駆物質および第2の前駆物質は、別々のガス管路で処理チャンバ600に提供されることが想定される。温度は、各ガス管路に関して制御されてもよい。
【0212】
[00227]改変されてもよい(たとえば、UV放射線源を組み込む)CVDおよびALDの処理および装置、および導電材料を堆積するために有用である可能性がある化学前駆物質の説明は、同一出願人による2006年6月15日公開の“RUTHENIUM AS AN UNDERLAYER FOR TUNGSTEN FILM DEPOSITION”という名称の米国特許出願第2006−0128150号にさらに開示されており、これは全体として本明細書に参照によって組み込まれるものとする。
【0213】
[00228]第1の前駆物質として、たとえば、CpRuなどのルテニウム含有前駆物質およびBなどの還元剤が、処理チャンバで化合される。ルテニウムは、基板表面上に形成される。
【0214】
[00229]キャリアガスは、ステップ1240中に、第1の前駆物質および第2の前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。1つのウェーハ処理チャンバの総内圧は、約100ミリトール〜約740トール、好ましくは約250ミリトール〜約100トール、さらに好ましくは約500ミリトール〜約50トールの範囲内の圧力にあってもよい。一実施例において、処理チャンバの内圧は、約10トール以下、好ましくは約5トール以下、さらに好ましくは約1トール以下の圧力に維持される。一部の実施形態において、キャリアガスは、バッチ処理システムのために約100ミリトール〜約1トールの範囲内の第1の前駆物質または第2の前駆物質の分圧を制御するために提供されてもよい。適切なキャリアガスの実施例は、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム、フォーミングガスまたはその組み合わせを含む。
【0215】
[00230]基板、第1の前駆物質および/または第2の前駆物質は、ステップ1240で、堆積処理中に光励起システムによって生成されるエネルギビームまたはエネルギ束に曝されてもよい。エネルギビームの使用は、堆積速度を有利に増大させ、ルテニウム材料内の原子の表面拡散または移動度を改善し、入ってくる反応種のための活性場所を作成する。一実施形態において、ビームは、約3.0eV〜約9.84eVの範囲内のエネルギを有する。また、エネルギビームは、約126nm〜約450nmの範囲内の波長を有してもよい。
【0216】
[00231]一実施例において、ランプ790は、前駆物質の少なくとも1つの励起エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。速い堆積速度および低い堆積温度は、最小の寄生副反応を用いて調整可能な特性を有するシード層を作成する。一実施形態において、エネルギビームまたはエネルギ束は、約4.5eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。基板表面および処理ガスもまた、ランプ790によって励起されてもよい。
【0217】
[00232]別の実施形態において、シード層を含有する基板(ステップ1240において形成される)は、ステップ1350中に後堆積処置処理に曝される。後堆積処置処理は、堆積後に、基板表面のエネルギを増大し、有利に、揮発性および/または他の膜汚染物質(水素成分の還元によるなど)を除去するか、および/または堆積される膜をアニールする。堆積される材料からのより低い濃度の水素は、膜の引張応力を有利に増大する。少なくとも1つのランプ(たとえば、ランプ790)はあるいは、堆積後、基板の表面エネルギを増大し、揮発性および/または他の膜を除去するために、基板に曝されるエネルギ送出ガスに電圧を印加するために利用されてもよい。
【0218】
[00233]任意に、ステップ1350で、エネルギ送出ガスは、処理チャンバ600の内部チャンバ101に提供されてもよい。適切なエネルギ送出ガスの実施例は、窒素、水素、ヘリウム、アルゴンおよびその組み合わせを含む。実施例は、基板121が、ステップ1350中にエネルギビームまたはエネルギ束を用いて処置されることを提供する。一実施例において、ランプ792は、ステップ1350中に基板121の表面エネルギを供給するために、エネルギビームを提供する。別の実施例において、障壁材料をアニールするために、エネルギビームまたはエネルギ束は、約3.53eV〜約9.84eVの範囲内の光子エネルギを有してもよい。また、ランプ790は、約126nm〜約351nmの範囲内の波長を有するエネルギビームを作成してもよい。一般的に、ランプ790は、光励起によって後堆積処置を容易にするために、約1分〜約10分の範囲内の時間期間、電圧を印加されてもよい。
【0219】
[00234]一実施例において、揮発性化合物または汚染物質は、約3.2eV〜約4.5eVの範囲内の光子エネルギを有しランプ790によって生成されるエネルギビームに基板を曝すことによって、堆積される膜表面から除去されてもよく、処理チャンバ600内でタングステンまたはチタン前駆物質および窒素前駆物質を解離するために利用される。このように、XeBr(283nm/4.41eV)、Br(289nm/4.29eV)、XeCl(308nm/4.03eV)、I(342nm/3.63eV)、XeF(351nm/3.53eV)などのエキシマランプは、シード層から水素を除去するために、選択されてもよい。基板の回転速度は、たとえば、前の堆積ステップに対して、ステップ1350における回転速度を増大することによって、変更されてもよいことが想定される。
【0220】
[00235]別の実施形態において、基板121は、処理チャンバ600から除去されてもよく、処理チャンバ600は続いて、ステップ1360中にチャンバ洗浄処理に曝される。処理チャンバは、光励起洗浄剤を使用して洗浄されてもよい。一実施形態において、洗浄剤は、フッ素を含む。
【0221】
[00236]処理チャンバ600は、堆積性能を強化するために、チャンバ洗浄処理中に洗浄されてもよい。たとえば、チャンバ洗浄処理は、処理チャンバ600の表面上に含有される汚染物質または窓793に含有される汚染物質を除去するために、使用されてもよく、それにより、窓793を通って進むエネルギビームまたはエネルギ束の透過損失を最小限に抑え、ガスおよび表面に移送されるエネルギを最大にする。窓793は、処理チャンバ600より多い頻度で洗浄されてもよく、たとえば、処理チャンバ600は、複数の基板の処理後に洗浄されてもよいのに対して、窓793は、各基板の処理後に洗浄される。
【0222】
[00237]本明細書において記載されているように、処理1300を利用して堆積されるシード層は、複数の物理特性に起因する電子特徴部/デバイスの全体に使用されてもよい。一実施形態において、シード層は、処理1300中に集積回路(図14)などの電子特徴部を形成するために、基板の上に層として堆積されてもよい。
【0223】
[00238]ALD堆積の場合には、反応ガスを用いて、または反応ガスを用いることのないUVアニール処置は、上述の処理を用いて行われてもよい。このUVアニール処置は一般的に、123nm〜500nmのUVエネルギを使用して30℃〜1000℃の温度範囲で行われる。このアニール処置は、パージサイクル中に、各サイクル終了後に、断続サイクル後に、必要な厚さのためのすべてのサイクルの終了後に、および処理実行の終了後に、行われてもよい。酸素およびオゾンと共に使用される場合には、この処理は、膜における酸素成分を強化し、高k酸化物、窒化物および酸窒化物の層ごとの化学量論を維持するのを助け、炭素および他の不純物を排除し、膜の密度を高くし、漏れ電流を削減する。
【0224】
[00239]図14A〜図14Dは、集積回路の製作シーケンスの概略断面図を図示する。図14Aは、金属接触層1404およびその上に形成される誘電体層1402を有する基板1400の断面図を図示する。基板1400は、たとえば、ケイ素、ゲルマニウムまたはヒ化ガリウムなどの半導体材料を備えてもよい。誘電体層1402は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、SOI、シリコンオキシナイトライドおよび/またはSiOなどの炭素ドープ酸化ケイ素、たとえば、カリフォルニア州サンタクララに位置するApplied Materials,Inc.から入手可能なBLACK DIAMOND(商標)低k誘電体などの絶縁材料を備えてもよい。金属接触層1404は、たとえば、タングステン、銅、アルミニウムおよびその合金などの導電材料を備える。バイアまたはアパーチャー1403は、金属接触層1404の上に開口部を提供するために、誘電体層1402において画定されてもよい。アパーチャー1403は、従来のリソグラフィおよびエッチング技術を用いて、誘電体層1402において画定されてもよい。
【0225】
[00240]障壁層1406は、誘電体層1402の上のほか、アパーチャー1403の中に形成されてもよい。障壁層1406は、たとえば、タンタル、窒化タンタル、窒化ケイ素タンタル、チタン、窒化チタン、窒化ケイ素チタン、窒化タングステン、窒化ケイ素、窒化ルテニウム、それらの誘導体、それらの合金およびその組み合わせなどの1つまたは複数の障壁材料を含んでもよい。障壁層1406は、ALD、CVD、PVDまたは無電解堆積などの適切な堆積処理を使用して形成されてもよい。たとえば、窒化タンタルは、CVD処理またはALD処理を使用して堆積されてもよく、タンタル含有化合物またはタンタル前駆物質(たとえば、PDMAT)および窒素含有化合物または窒素前駆物質(たとえば、アンモニア)が、反応される。一実施形態において、タンタルおよび/または窒化タンタルは、同一出願人による2002年10月25日出願の米国特許第10/281,079号に記載され、本明細書において参照によって組み込まれるものとするようなALD処理によって、障壁層1406として堆積される。一実施例において、Ta/TaN二層は、障壁層1406として堆積されてもよく、タンタル層および窒化タンタル層は、ALD処理、CVD処理および/またはPVD処理によって独立に堆積される。
【0226】
[00241]層1408、たとえば、ルテニウム層は、ALD処理、CVD処理またはPVD処理によって、好ましくはALD処理によって障壁層1406に堆積されてもよい。核生成層1410、たとえば、タングステン核生成層は、図14Cに描かれているように、層1408の上に形成されてもよい。核生成層1410は、ALD、CVDまたはPVDなどの従来の堆積技術を使用することによって堆積される。好ましくは、核生成層1410は、タングステン含有前駆物質および還元化合物を交互に吸収することによるなどALD処理によって堆積される。バルク層1412、たとえば、タングステンバルク層は、核生成層1410の一番上に形成されてもよい。
【0227】
[00242]前述の内容は、本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他の実施形態およびさらなる実施形態は、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく考案されることができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明の例示のバッチ処理チャンバの断面側面図を図示する。
【図2】処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明のバッチ処理チャンバのさらなる実施形態の断面平面図を図示する。
【図3】処理領域内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明のバッチ処理チャンバの実施形態の断面側面図を図示する。
【図4】処理領域内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明のバッチ処理チャンバの別の実施形態の断面側面図を図示する。
【図5】注入器アセンブリ内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明の例示のバッチ処理チャンバの断面側面図を図示する。
【図6】注入器アセンブリ内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明の例示のバッチ処理チャンバの別の実施形態の断面側面図を図示する。
【図7】注入器アセンブリ内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明の例示のバッチ処理チャンバのさらに他の実施形態の断面側面図を図示する。
【図8】注入器アセンブリ内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明の例示のバッチ処理チャンバの別の実施形態の断面側面図を図示する。
【図9】注入器アセンブリ内で処理ガスの種を励起するためのアセンブリを含む本発明のバッチ処理チャンバ用の注入器アセンブリの別の実施形態の断面側面図を図示する。
【図10】本明細書の実施形態によって記載したように、障壁材料を堆積するための処理の流れ図である。
【図11】本明細書の実施形態によって記載したように、誘電体材料を堆積するための処理の流れ図である。
【図12】本明細書の実施形態によって記載したように、導電材料を堆積するための処理の流れ図である。
【図13】本明細書の実施形態によって記載したように、シード層を堆積するための処理の流れ図である。
【図14A】集積回路製作シーケンスの概略断面図を図示する。
【図14B】集積回路製作シーケンスの概略断面図を図示する。
【図14C】集積回路製作シーケンスの概略断面図を図示する。
【図14D】集積回路製作シーケンスの概略断面図を図示する。
【符号の説明】
【0229】
100…バッチ処理チャンバ、101…内部チャンバ、103…排気管ポケット、104…注入器ポケット、113…外部チャンバ、117…処理領域、120…基板ボート、121…基板、150…注入器アセンブリ、152…フェースプレート、153…開口部、154…シール、155…垂直チャネル、156…入口チャネル、158…弁、159…ガス源、160…拡散体、170…排気管アセンブリ、173…水平スロット、174…シール、175…垂直区画、176…排気管ポート、178…弁、179…真空ポンプ、180…電源、200…バッチ処理チャンバ、201…内部チャンバ、203…排気管ポケット、204…注入器ポケット、211…加熱器ブロック、212…断熱体、213…外部チャンバ、217…処理領域、220…基板ボート、250…注入器アセンブリ、252…フェースプレート、253…水平孔、255…垂直チャネル、256…入口チャネル、260…拡散体、261…導電メッシュ、270…排気管アセンブリ、275…垂直区画、280…電源、300…バッチ処理チャンバ、350…注入器アセンブリ、370…排気管アセンブリ、380…電源、400…バッチ処理チャンバ、470…電極、480…電源、500…バッチ処理チャンバ、550…注入器アセンブリ、553…ロッド、555…チャネル、559…絶縁体部品、580…電源、650…注入器アセンブリ、651…本体、652…電極、659…絶縁体要素、680…電源、700…バッチ処理チャンバ、750…注入器アセンブリ、755…垂直チャネル、790…UV源、792…ランプ、793…窓、800…バッチ処理チャンバ、850…注入器アセンブリ、851…注入器本体、852…注入器面、854…先端、855…垂直チャネル、859…絶縁体、880…電源、950…陰極、954…先端、955…垂直チャネル、980…電源、1400…基板、1402…誘電体層、1403…アパーチャー、1404…金属接触層、1406…障壁層、1408…層、1410…核生成層、1412…バルク層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に金属窒化物を形成するための方法であって、
処理チャンバ内に基板を位置決めするステップと、
金属を含有する前駆物質および窒素を含有する前駆物質を含む堆積ガスに前記基板を曝すステップと、
前記処理チャンバ内でUV源から抽出されるエネルギビームに前記堆積ガスを曝すステップと、
前記基板の上に金属窒化物を堆積するステップと、
を備える、形成方法。
【請求項2】
基板の上に金属酸化物を形成するための方法であって、
処理チャンバ内に基板を位置決めするステップと、
金属を含有する前駆物質および酸素を含有する前駆物質を含む堆積ガスに前記基板を曝すステップと、
前記処理チャンバ内でUV源から抽出されるエネルギビームに前記堆積ガスを曝すステップと、
前記基板の上に金属酸化物を堆積するステップと、
を備える、形成方法。
【請求項3】
基板の上に金属層を形成するための方法であって、
処理チャンバ内に基板を位置決めするステップと、
金属を含有する前駆物質および還元ガスを含む堆積ガスに前記基板を曝すステップと、
前記処理チャンバ内でUV源から抽出されるエネルギビームに前記堆積ガスを曝すステップと、
前記基板の上に金属層を堆積するステップと、
を備える、形成方法。
【請求項4】
複数の基板を処理するためのバッチチャンバであって、
処理領域を含有するチャンバハウジングと、
垂直に積層された基板のバッチを保持するための前記処理領域における基板ボートと、
前記処理領域に導入される処理ガスの種を励起するために、前記チャンバハウジング内に位置決めされる励起アセンブリと、
を備え、
前記励起アセンブリが、陽極ユニットおよび陰極ユニットを備え、前記陽極ユニットまたは前記陰極ユニットが、前記基板ボートの垂直方向に沿って延在する、バッチチャンバ。
【請求項5】
複数の基板を処理するためのバッチチャンバであって、
処理領域を含有するチャンバハウジングと、
前記処理領域に処理ガスを注入し、入口チャネルおよびフェースプレートを有する前記チャンバハウジング内の注入器アセンブリと、
基板のバッチを保持するための前記処理領域における基板ボートと、
前記処理ガスの種を励起するために、前記注入器アセンブリに位置決めされる励起アセンブリと、
を備える、バッチチャンバ。
【請求項6】
基板のバッチ処理のための方法であって、
チャンバ内の基板ボートに垂直に積層される基板のバッチを処理するステップと、
処理ガスを前記チャンバに注入するステップと、
前記チャンバの励起領域内で前記処理ガスの種を励起するステップと、を備え、前記励起領域が、前記基板ボート内に積層される基板の前記バッチの垂直寸法に沿って延在する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【公表番号】特表2009−536267(P2009−536267A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510052(P2009−510052)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/068043
【国際公開番号】WO2007/131040
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】