説明

車両事故救助支援システム及び緊急通報装置及び救助支援装置

【課題】 車両に事故が発生した場合に、自動的に救助要請信号を通報することに加え、事故が発生した車両の乗員を特定するシステムを提供する。
【解決手段】 緊急通報装置100aは、車両103に事故が発生したかどうかを自動で判断し、事故が発生したと判断した場合、救助要請信号(f1)を送信する。救助要請信号(f1)には、車両103の位置情報と、車両103の乗員のクレジット情報が含まれている。第1基地局200に設置された救助支援装置201は、位置情報とクレジット情報とを含む救助要請信号(f1)を受信する。救助支援装置201は、救助要請信号(f1)の位置情報から車両103の位置を特定するとともに、救助要請信号(f1)に含まれるクレジット情報をもとにクレジット会社300に、そのクレジット情報を所有する者の照合を依頼し、結果を受信する。このようにクレジット情報により車両103の乗員を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に事故が発生した場合に救助を求める救助要請信号を送信する緊急通報装置、及び事故を起こした車両の救助を支援する車両事故救助支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術においては、自動車の事故発生を認識して、事故発生を前記自動車の位置情報と共に警察や消防等の緊急通報部署に通報する緊急通報装置に関する技術の開示が有る(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、自動車事故が発生した場合、通報を受ける警察や消防等の緊急通報部署の側では、事故を起こした自動車の乗員が誰であるかを特定したいという要請がある。また、自動車の乗員の側も、事故が発生した場合には自分が乗車していることを特定して欲しいという要請もある。
【特許文献1】特開2002−298269号公報
【特許文献2】特開2003−187395号公報
【特許文献3】特開平7−55484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の技術(特許文献1)には、事故を起こした自動車に乗車しているのは誰なのかを特定する技術の開示はない。
【0005】
そこで、本発明は、車両に事故が発生した場合に自動的に救助要請信号を通報することに加え、事故が発生した車両の乗員を特定するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の車両事故救助支援システムは、
車両に搭載され救助を要請する救助要請信号を送信する緊急通報装置と、前記緊急通報装置から救助要請信号を受信して前記車両の救助を支援する救助支援装置とを備えた車両事故救助支援システムにおいて、
前記緊急通報装置は、
現在の位置を位置データとして検出する位置検出部と、
事故が発生したかどうかを判定するための信号として予め設定された複数の事故判定用信号に基づいて事故が発生したかどうかを判定し、事故が発生したと判定した場合に事故発生信号を生成する事故判定部と、
前記車両の少なくとも一人の乗員を特定可能な個人情報を記憶する記憶媒体から個人情報を読み取る個人情報読取部と、
前記位置検出部が検出した位置データと、前記事故判定部が生成した事故発生信号と、前記個人情報読取部が読み取った個人情報とを含む救助要請信号を前記救助支援装置に送信する送信部と
を備え、
前記救助支援装置は、
救助要請信号を受信する救助要請信号受信部と、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる個人情報を用いて、個人情報の所有者を特定する個人特定部と、
前記個人特定部による特定結果と、前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる位置データとに基づいて、所定の救助指令を発する救助指令部と
を備えたことを特徴とする車両事故救助支援システム。
【0007】
この発明の緊急通報装置は、
車両に搭載され救助を要請する救助要請信号を送信する緊急通報装置において、
現在の位置を位置データとして検出する位置検出部と、
事故が発生したかどうかを判定するための信号として予め設定された複数の事故判定用信号に基づいて事故が発生したかどうかを判定し、事故が発生したと判定した場合に事故発生信号を生成する事故判定部と、
前記車両の少なくとも一人の乗員を特定可能な個人情報を記憶する記憶媒体から個人情報を読み取る個人情報読取部と、
前記位置検出部が検出した位置データと、前記事故判定部が生成した事故発生信号と、前記個人情報読取部が読み取った個人情報とを含む救助要請信号を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明の救助支援装置は、
車両に搭載されることにより車両への救助を要請する緊急通報装置からの救助の要請に応答して救助を支援する救助支援装置において、
前記緊急通報装置が救助を要請するために送信する信号であって、前記車両の位置データと、前記車両に事故が発生したことを示す事故発生信号と、前記車両の少なくとも一人についての個人情報とを含む救助要請信号を受信する救助要請信号受信部と、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる個人情報を用いて、個人情報の所有者を特定する個人特定部と、
前記個人特定部による特定結果と、前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる位置データとに基づいて、所定の救助指令を発する救助指令部と
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記緊急通報装置の前記個人情報読取部は、
前記車両の乗員のクレジット情報を記憶したクレジットカードから前記クレジット情報を個人情報として読み取り、
前記救助支援装置の前記個人特定部は、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれるクレジット情報を用いて、クレジット情報の所有者を特定することを特徴とする。
【0010】
前記緊急通報装置は、さらに、
要請する救助内容を示す複数の救助要請項目のうち所定の救助要請項目について前記車両の乗員による選択を受け付け、受け付けた救助要請項目に対応する選択信号を出力する選択受付部を備え、
前記送信部は、
前記選択受付部が出力した選択信号を入力し、入力した選択信号と前記位置検出部が検出した位置データとを含む信号を選択要求信号として送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、事故が発生した自動車に乗車している者が誰であるかを特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1〜図4を用いて、実施の形態1に係る車両事故救助支援システム1000aを説明する。図1は、車両事故救助支援システム1000aの構成を示す図である。
【0013】
まず、図1を用いて、車両事故救助支援システム1000aの構成を説明する。車両事故救助支援システム1000aは、車両103に搭載される緊急通報装置100aと第1基地局200に設置される救助支援装置201とから構成される。第1基地局200は、クレジット会社300とネットワーク400を介して接続している。
【0014】
緊急通報装置100aは、GPS(Global Positioning System)衛星501〜504等の送信するGPS信号を受信して現在の位置を検出する。緊急通報装置100aは、車両103に事故が発生した場合に、第1基地局200に向けて、救助を要請する救助要請信号を送信する。
【0015】
第1基地局200は、自己の備える救助支援装置201により緊急通報装置100aの送信した救助要請信号を受信する。後述のように、救助要請信号は、GPS信号に基づく車両103の位置データと、例えばクレジットナンバーのような個人情報とを含む。救助支援装置201は、クレジットナンバーをクレジット会社300に照会して、クレジットナンバーの所有者を特定する。本システムでは、クレジットナンバーのような個人情報をもとに、車両103の乗員を特定できる点が特徴である。救助支援装置201は、位置データとクレジットナンバーの所有者の特定結果とから、車両103の救助する所定の救助指令を発する。
【0016】
なお、本システムにおいて、救助支援装置201が設置される第1基地局200は、個人情報にアクセスすることが認められた救助機関を想定している。例えば、警察や消防である。
【0017】
次に、図2を用いて、緊急通報装置100aと救助支援装置201との構成を説明する。図2は、緊急通報装置100a、救助支援装置201のブロック図である。
【0018】
緊急通報装置100aは、車両103に事故が発生したかどうかを判定する事故判定部110、信号を送信する基準信号発生部1を備える発振部120(送信部の一例)、第1増幅部130、混合部140、第2増幅部150、クレジット情報及び車両情報(例えば、車両ナンバー)等を記憶した記憶媒体であるETCカード161(Electronic Toll Collection System カード)からクレジット情報と車両情報を読み取るカード情報読取部160(個人情報読取部の一例)、GPS信号を受信するGPS・ANT101(GPSアンテナ)、前記GPS・ANT101からのGPS信号を入力して位置データを検出するGPS受信部180(位置検出部の一例)、カード情報読取部160の読み取ったクレジット情報及び車両情報と、GPS受信部180が検出した位置データとを加算するデータ加算部170を備える。
【0019】
第1基地局200に設置される救助支援装置201は、救助要請信号を受信する救助要請信号受信部210、救助要請信号に含まれる車両103の位置データからその位置を特定するGPSデータ発信位置特定部220、救助要請信号に含まれるクレジット情報を判読して、クレジット情報の所有者をクレジット会社300に照会するクレジット情報判読部240、クレジット会社300からの回答に基づき、クレジット情報の所有者を特定する運転者特定部250(個人特定部の一例)、GPSデータ発信位置特定部220が特定した位置と、運転者特定部250が特定した特定結果に基づき所定の救助指令を行う救助指令部230を備える。
【0020】
次に、図3を用いて、緊急通報装置100aの動作を説明する。図3は、緊急通報装置100aの動作を示すフローチャートである。
【0021】
S101において、事故判定部110は、事故判定用信号10である次の4つの信号を入力する。これらの事故判定用信号10に基づき、事故の発生を自動的に判定する。後述のように、4つの信号の全てがONとなる場合に、事故判定部110は事故発生と判定する。4つの信号、すなわち、各種のセンサが検出した、「ミリ波レーダ距離信号11」、「エアバッグ動作信号12」、「車速度ゼロ信号13」、「衝撃センサ信号14」の事故判定用信号10を入力する。ここで、「ミリ波レーダ距離信号11」とは、先行車との車間距離を測定する「ミリ波レーダ」の検出した信号である。「エアバッグ動作信号12」とは、車両103に装備されたエアバッグが動作したことを示す信号である。「車速度ゼロ信号13」は、車両103の速度が「ゼロ」(停止状態)であることを示す信号である。「衝撃センサ信号14」は、車両103にある値以上の衝撃が生じた場合にONとなる信号である。これら4つの信号は、予め事故判定用信号10として設定される。なお、これらの事故判定用信号10は、「ミリ波レーダ距離信号11」、「エアバッグ動作信号12」等に限定されない。その他、自由に設定することができる。
【0022】
S102において、事故判定部110は、「ミリ波レーダ距離信号11」から「衝撃センサ信号14」の4つの事故判定用信号10のすべてがONとなった場合に、事故発生と判断し、事故発生信号15を出力する。基準信号発生部1は、事故発生信号15を入力すると作動を開始し、事故発生信号15を含む基準周波数f1を発生する。
【0023】
S103において、データ加算部170は、カード情報読取部160がETCカード161から読み取った車両情報及びクレジット情報と、GPS受信部180の検出した位置データとを加算して混合部140に出力する。すなわち、カード情報読取部160は、クレジット情報と車両情報を記憶したETCカード161から、クレジット情報と車両情報を読み取り、読み取ったクレジット情報と車両情報とをデータ加算部170に出力する。クレジット情報は、乗員を特定するために使用する個人情報の一例である。クレジット情報を記憶したETCカードに限らず、クレジットカードでもよい。また、運転免許証が電子化された場合は、電子化された運転免許証に記憶された個人情報、例えば免許番号、氏名、住所等を読み取っても構わない。一方、GPS受信部180は、GPS・ANT101から受信したGPS信号により位置データを検出し、検出した位置データをデータ加算部170に出力する。データ加算部170は、これらの情報を加算して混合部140へ出力する。
【0024】
S104において、混合部140にて、発振部120の基準信号発生部1の発生した基準周波数f1と、データ加算部170の出力した情報は混合され、周波数がf1である救助要請信号として、送信ANT102を経由して送信される。
【0025】
次に、図4を用いて、救助支援装置201の動作を説明する。図4は、救助支援装置201の動作を示すフローチャートである。
【0026】
S201において、救助支援装置201の救助要請信号受信部210は、緊急通報装置100aの送信した救助要請信号を受信する。
【0027】
S202において、GPSデータ発信位置特定部220は、救助要請信号受信部210が受信した救助要請信号に含まれる車両103の「位置データ」を用いて、車両103の位置を特定し、特定した位置を救助指令部230へ出力する。ここで、GPSデータ発信位置特定部220は、例えば、救助要請信号に含まれる「位置データ」を用いて、地図上に車両103の位置を特定する。
【0028】
S203において、クレジット情報判読部240は、救助要請信号受信部210が受信した救助要請信号に含まれるクレジット情報に基づき、そのクレジット情報を所有する者の特定をクレジット会社300へ照会する。ここで、「クレジット情報」とは、例えば、クレジットナンバーである。クレジット会社300は、「クレジット情報」から特定された個人の特定結果を救助支援装置201に回答する。
【0029】
S204において、運転者特定部250は、クレジット会社300からの個人の特定結果の回答を受信し、受信した特定結果を救助指令部230へ出力する。
【0030】
S205において、救助指令部230は、GPSデータ発信位置特定部220が出力した車両103の位置と、運転者特定部250が出力した特定結果とに基づいて、車両103に対する所定の救助の指令を行う。
【0031】
実施の形態1の車両事故救助支援システムは、緊急通報装置がクレジット情報(個人情報の一例)を含む救助要請信号を送信する。そして、救助支援装置は、救助要請信号を受信し、クレジット情報に基づいて、その所有者を特定する。このため、車両がどこの場所で事故を起こしたのかという位置情報の取得に加えて、事故が発生した車両の乗員が誰であるかを特定することができる。このように、車両の乗員を具体的に特定できるので、警察、消防が事故車両へ救助に向かう場合、事故車両の乗員の家族へ連絡することができる。また、家族から乗員へ携帯電話などにより連絡確認を行うことができる。そして、乗員が応答した場合には、乗員を特定できることで、同乗者の有無を確認することも可能となり、救急車要請への必要事項の連絡、救急病院の指定等を円滑に行うことができる。負傷者数を事前に把握できるので、救命確率を上げることができる。さらに、車両事故が発生した場合、運転者及び家族へ連絡が行われる仕組みを提供するので、車両に乗車する場合の安心感を向上することができる。
【0032】
実施の形態1に係る緊急通報装置は、救助要請信号にクレジット情報を含めて送信するので、事故が発生した車両の乗員を特定することができる。
【0033】
実施の形態1に係る救助支援装置は、クレジット情報を含む救助要請信号を受信し、受信したクレジット情報からそのクレジット情報の所有者を特定するので、事故車両の乗員が誰であるかを特定することができる。
【0034】
実施の形態2.
次に、図5〜図8を用いて、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、事故判定用信号により自動的に事故の発生を検出する実施の形態1の緊急通報装置100aに対して、さらに、車両103の乗員の手動の選択操作により、所定の救助要請項目の選択を受け付ける選択受付部20を備えた構成である。ここで「救助要請項目」とは、例えば、燃料不足のため車両103の位置まで燃料の運搬を要請する「燃料要請」や、手動による救助を求める「救助要請」等を想定している。
【0035】
図5は、実施の形態2に係る車両事故救助支援システム1000bの構成を示す図である。図5は、実施の形態1に係る車両事故救助支援システム1000aを示す図1に対して、車両103の乗員が選択した救助要請項目に対応する選択要求信号(周波数f2)を受信する第2基地局600を備えている。この第2基地局600は、例えば、サービスの提供業務として救助を提供する保険会社、自動車関連サービス会社、あるいはJAF(日本自動車連盟)等を想定する。なお実施の形態1の第1基地局200は、個人情報にアクセスする権限を有する機関を想定したが、第2基地局は、個人情報を受信しないので、そのような権限を有することは特に必要としない。前記の選択要求信号は、実施の形態1で示した、救助要請信号とは周波数が異なる。救助要請信号は周波数がf1であり、選択要求信号は周波数がf2である。f1とf2の周波数は異なる(f1≠f2)。
【0036】
なお、図5において、送信ANT102は、周波数f1の救助要請信号と、周波数f2の選択要求信号のいずれも送信することができる。
【0037】
次に、図6を用いて、実施の形態2に係る緊急通報装置100bの構成を説明する。
図6は、実施の形態2に係る緊急通報装置100b、救助支援装置201、第2基地局600のブロック図である。図6は実施の形態1を示す図2に対して、緊急通報装置100bの構成が異なること、及び第2基地局600を備えたことが相違する。緊急通報装置100bは、実施形態1に係る緊急通報装置100aに対して選択受付部20、及び基準信号発生部2を備えている。基準信号発生部2は、後述の選択要求信号を送信ANT102から送信する。第2基地局600は、選択要求信号を受信する選択要求信号受信部601を備えている。
【0038】
次に、図7を用いて緊急通報装置100bの動作を説明する。図7は、緊急通報装置100bが選択要求信号を送信するまでの過程を示すフローチャートである。
【0039】
S301において、車両103の乗員である運転者は、例えば、選択受付部20の備えるディスプレイ(図示していない)に表示された複数の救助要請項目から所定の救助要請項目を操作ボタン(図示していない)により選択する。複数の救助要請項目の中には、前述のように、「燃料要請」や「救助要請」の項目がある。例えば、「燃料要請」が選択された場合には、選択受付部20から燃料不足信号21(選択信号の一例)が出力される。また、「救助要請」が選択された場合は選択受付部20から手動救助依頼信号22(選択信号の一例)が出力される。出力された燃料不足信号21あるいは手動救助依頼信号22は事故判定部110を介して、基準信号発生部2に入力される。
【0040】
S302において、燃料不足信号21あるいは手動救助依頼信号22が入力されると、基準信号発生部2は作動を開始し、燃料不足信号21あるいは手動救助依頼信号22を含む基準周波数f2の信号を発生する。
【0041】
S303において、GPS受信部180は、GPS・ANT101から受信したGPS信号により位置データを検出し、検出した位置データをデータ加算部170に出力する。データ加算部170は、位置データを入力して混合部140へ出力する。
【0042】
S304において、混合部140は、データ加算部170の出力した位置データと、基準周波数f2とを混合する。この混合されたデータを「選択要求信号」という。「選択要求信号」は、第2増幅部150から送信ANT102を介して周波数f2の電波として送信される。
【0043】
次に、図8を用いて、第2基地局600の動作を説明する。図8は、第2基地局600の動作を示すフローチャートである。
【0044】
S401において、第2基地局600は、ANT602を介して、選択要求信号受信部601により選択要求信号(周波数f2)を受信する。
【0045】
S402において、第2基地局600は、選択要求信号に含まれる位置データから、車両103の位置を特定する。また、選択要求信号に含まれる救助要請の内容、すなわち、燃料不足信号21あるいは手動救助依頼信号22等の信号の示す要請に従い、救助の支援を行う。
【0046】
実施の形態2に係る緊急通報装置は、車両の乗員の手動操作により複数の救助要請項目から所定の救助要請項目を受け付ける選択受付部を備えたので、乗員は状況に応じて救助要請を要請することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施の形態1に係る車両事故救助支援システム1000aの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る緊急通報装置100a、救助支援装置201のブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る緊急通報装置100aの動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る救助支援201の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2に係る車両事故救助支援システム1000bの構成を示す図である。
【図6】実施の形態2に係る緊急通報装置100b、救助支援装置201、第2基地局600のブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る緊急通報装置100bの動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2に係る第2基地局600の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1,2 基準信号発生部、10 事故判定用信号、11 ミリ波レーダ距離信号、12 エアバッグ動作信号、13 車速度ゼロ信号、14 衝撃センサ信号、15 事故発生信号、20 選択受付部、21 燃料不足信号、22 手動救助依頼信号、100a,100b 緊急通報装置、101 GPS・ANT、102 送信ANT、103 車両、110 事故判定部、120 発振部、130 第1増幅部、140 混合部、150 第2増幅部、160 カード情報読取部、161 ETCカード、170 データ加算部、180 GPS受信部、200 第1基地局、201 救助支援装置、202 ANT、210 救助要請信号受信部、220 GPSデータ発信位置特定部、230 救助指令部、240 クレジット情報判読部、250 運転者特定部、300 クレジット会社、400 ネットワーク、501,502,503,504 GPS衛星、600 第2基地局、601 選択要求信号受信部、602 ANT、1000a,1000b 車両事故救助支援システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され救助を要請する救助要請信号を送信する緊急通報装置と、前記緊急通報装置から救助要請信号を受信して前記車両の救助を支援する救助支援装置とを備えた車両事故救助支援システムにおいて、
前記緊急通報装置は、
現在の位置を位置データとして検出する位置検出部と、
事故が発生したかどうかを判定するための信号として予め設定された複数の事故判定用信号に基づいて事故が発生したかどうかを判定し、事故が発生したと判定した場合に事故発生信号を生成する事故判定部と、
前記車両の少なくとも一人の乗員を特定可能な個人情報を記憶する記憶媒体から個人情報を読み取る個人情報読取部と、
前記位置検出部が検出した位置データと、前記事故判定部が生成した事故発生信号と、前記個人情報読取部が読み取った個人情報とを含む救助要請信号を前記救助支援装置に送信する送信部と
を備え、
前記救助支援装置は、
救助要請信号を受信する救助要請信号受信部と、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる個人情報を用いて、個人情報の所有者を特定する個人特定部と、
前記個人特定部による特定結果と、前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる位置データとに基づいて、所定の救助指令を発する救助指令部と
を備えたことを特徴とする車両事故救助支援システム。
【請求項2】
車両に搭載され救助を要請する救助要請信号を送信する緊急通報装置において、
現在の位置を位置データとして検出する位置検出部と、
事故が発生したかどうかを判定するための信号として予め設定された複数の事故判定用信号に基づいて事故が発生したかどうかを判定し、事故が発生したと判定した場合に事故発生信号を生成する事故判定部と、
前記車両の少なくとも一人の乗員を特定可能な個人情報を記憶する記憶媒体から個人情報を読み取る個人情報読取部と、
前記位置検出部が検出した位置データと、前記事故判定部が生成した事故発生信号と、前記個人情報読取部が読み取った個人情報とを含む救助要請信号を送信する送信部と
を備えたことを特徴とする緊急通報装置。
【請求項3】
車両に搭載されることにより車両への救助を要請する緊急通報装置からの救助の要請に応答して救助を支援する救助支援装置において、
前記緊急通報装置が救助を要請するために送信する信号であって、前記車両の位置データと、前記車両に事故が発生したことを示す事故発生信号と、前記車両の少なくとも一人についての個人情報とを含む救助要請信号を受信する救助要請信号受信部と、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる個人情報を用いて、個人情報の所有者を特定する個人特定部と、
前記個人特定部による特定結果と、前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれる位置データとに基づいて、所定の救助指令を発する救助指令部と
を備えたことを特徴とする救助支援装置。
【請求項4】
前記緊急通報装置の前記個人情報読取部は、
前記車両の乗員のクレジット情報を記憶したクレジットカードから前記クレジット情報を個人情報として読み取り、
前記救助支援装置の前記個人特定部は、
前記救助要請信号受信部が受信した救助要請信号に含まれるクレジット情報を用いて、クレジット情報の所有者を特定することを特徴とする請求項1記載の車両事故救助支援システム。
【請求項5】
前記緊急通報装置は、さらに、
要請する救助内容を示す複数の救助要請項目のうち所定の救助要請項目について前記車両の乗員による選択を受け付け、受け付けた救助要請項目に対応する選択信号を出力する選択受付部を備え、
前記送信部は、
前記選択受付部が出力した選択信号を入力し、入力した選択信号と前記位置検出部が検出した位置データとを含む信号を選択要求信号として送信することを特徴とする請求項2記載の緊急通報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−11812(P2006−11812A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187935(P2004−187935)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(392036153)菱電湘南エレクトロニクス株式会社 (13)
【Fターム(参考)】