説明

車載器、表示方法及びプログラム

【課題】車載器を搭載した車両が高速道路を走行中である場合には、当該高速道路に付帯した駐車場のみの動的情報の提供を可能とすること。
【解決手段】表示部1eと、センター装置とデータを送受信するDSRC部3又はIP通信部5と、現在の位置情報を取得する現在地検出部1bと、道路情報と施設の情報を含む地図DBを記憶する地図記憶部1cと、現在の位置情報と地図DBとに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた駐車場動的情報を受信すると、当該駐車場動的情報から進行方向前方に存在する高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出し、当該抽出した動的情報を表示部1eに表示させる制御部4と、を備える車載器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置のような車載器は、目的地までの誘導経路の表示機能、目的地に至るまでの道路周辺の駐車場や指定された駐車場の検索機能、駐車場の営業時間、駐車可能な車両制限情報、駐車料金等の駐車場に関する静的情報の表示機能、指定された駐車場の混雑状況の情報(動的情報)の表示機能等を備えたものがある。
【0003】
このような車載器において、当該車載器を搭載した車両が高速道路(高速自動車道や、自動車専用道路等)の走行中の場合、高速道路に付帯した駐車場(サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA))等の施設の情報を表示するハイウェイモードの機能を有するものがある。
【0004】
例えば、ハイウェイモードの場合、車両位置がSA/PA等の施設に所定範囲まで接近すると、記憶手段から当該施設の設備のレイアウトを表示すると共に、当該施設の駐車場の各ブロックの混雑状況を、混み具合に応じて異なる態様で表示させるナビゲーション装置が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−108937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、駐車場の混雑状況を示す動的情報の取得については詳細に記載されていない。例えば、車載器がレイアウトを表示する施設の駐車場を指定し、当該指定した駐車場に対する動的情報を取得する場合、駐車場の動的情報を配信するセンター装置は、指定された駐車場の動的情報のみを送信する必要がある。この場合、駐車場の指定として、当該駐車場の位置を示す緯度経度を用いられていると、高速道路と並行しているSAやPA以外の一般道沿いの駐車場が検索され、当該駐車場の動的情報が送信されてしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、車載器を搭載した車両が高速道路を走行中である場合には、当該高速道路に付帯した駐車場のみの動的情報の提供を可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、表示手段と、センター装置とデータを送受信する通信手段と、現在の位置情報を取得する現在地検出手段と、道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報を記憶する記憶手段と、前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段が受信すると、当該検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出し、当該抽出した動的情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、を備える車載器であることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載器において、前記制御手段は、前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、当該高速道路の進行方向前方に存在する前記施設の情報を含む検索情報を前記通信手段により前記センター装置に送信させること、を特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車載器において、前記施設の情報は、前記施設に設けられた駐車場の位置情報であること、を特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の車載器において、前記施設の情報は、前記施設に設けられた駐車場を個別に識別する識別情報であること、を特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、現在の位置情報を取得する現在地検出工程と、前記現在地検出工程により取得された現在の位置情報と記憶手段に記憶されている道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報とに基づいて高速道路を走行中であるか否かを判別する判別工程と、前記判別工程が前記高速道路を走行中であると判別した場合、当該高速道路の進行方向前方に存在する前記施設の情報を含む検索情報を通信手段によりセンター装置に送信させる送信工程と、前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段により受信する受信工程と、前記受信工程により受信された前記検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出する抽出工程と、前記抽出工程により前記抽出された動的情報を表示手段に表示させる表示工程と、を含む表示方法であることを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、コンピュータを、センター装置とデータを送受信する通信手段、現在の位置情報を取得する現在地検出手段、道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報を記憶する記憶手段、前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段が受信すると、当該検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出し、当該抽出した動的情報を表示手段に表示させる制御手段、として機能させるためのプログラムであること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車載器を搭載した車両が高速道路を走行中である場合には、当該高速道路に付帯した駐車場のみの動的情報の提供を可能とすることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における配信システム100の構成図を示す。
配信システム100は、図1に示すように、車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20A、20B、無線通信アクセスポイント20C、センター装置30を含んで構成されている。配信システム100は、センター装置30から車載器10に各種情報を配信するものである。
【0015】
図1に示すように、センター装置30は、DSRC専用のネットワークN1を介して路上や駐車場、道の駅等に複数設置された路側無線装置20A、20Bと接続されている。各路側無線装置20A、20Bは、DSRC通信機能を備えた車載器10と無線通信可能に構成され、車載器10と通信が確立すると、その旨をセンター装置30に通知し、センター装置30から各種情報を受信して車載器10に送信する。路側無線装置20Aは、DSRC専用の独自プロトコルにより車載器10及びセンター装置30と通信(DSRC非IP通信という)を行う。路側無線装置20Bは、インターネットプロトコル(IP)により車載器10及びセンター装置30と通信(DSRCIP通信という)を行う。
【0016】
また、センター装置30は、外部ネットワークN2、N3に接続されており、無線通信アクセスポイント20Cを介して車載器10との間でIP(Internet Protocol)通信による相互通信も可能となっている。センター装置30は、外部ネットワークN2、N3を介して車載器10からの各種情報の取得要求を受信すると、要求された情報を車載器10に送信する。
【0017】
IP通信の方式としては、携帯電話等の無線通信デバイスを用いるPDC(Personal Digital Cellular)、CDMA(Code Division Multiple Access)、PHS(Personal Handyphone System)の他、IEEE802.11a/b/g/h等の無線LAN(Local Area Network)、IEEE802.16a/e/hのWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等、何れの方式を用いてもよい。無線通信アクセスポイント20Cは適用する通信方式に応じてネットワークN2、N3に接続できる携帯電話の基地局や、ホストサーバ、アンテナを備えた無線LANルータ等であり、ネットワークN2、N3は専用ネットワークやインターネットである。
【0018】
IP通信を行う場合の例としては、DSRC通信による専用の通信だけでなく一般的なIP通信にも対応可能な路側無線装置20Bを設け、この路側無線装置20Bを介してセンター装置30と車載器10とがIP通信を行う方法がある。また、図1に示すように車載器10から、各地に設けられている無線通信アクセスポイント20Cに接続し、この無線通信アクセスポイント20CからネットワークN2、N3を介してセンター装置30とIP通信を行う方法もある。
【0019】
以下、各構成装置について説明する。
図2に、路側無線装置及び路側エリアを説明するための図を示す。
路側無線装置20A、20Bは、図2に示すように本体装置21とアンテナ22とから構成されている。路側無線装置20A、20Bは、道路脇や道路上方に設置されたアンテナ22から、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して、路側無線装置20A、20B近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。
【0020】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20A、20BからのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20A、20Bがそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0021】
本体装置21は、車載器10とセンター装置30間の情報のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ22を介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信された各種情報を車載器10に転送する。本体装置21は、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータを適用することができる。なお、路側無線装置20Bは、上述のようにDSRC通信による専用の通信だけでなく、DSRC通信を介して一般的なIP通信も可能である。
【0022】
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electric Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
【0023】
図3に、本実施形態における車載器10の構成を示す。
車載器10は、図3に示すように、カーナビゲーション(以下、カーナビと略す)部1、VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール2、DSRC部3、制御部4、IP通信部5を備えて構成されている。
【0024】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1f、音声出力部1g等を備え、車両Cの現在地から目的地までの経路を算出し、当該経路に従って車両Cを目的地へ誘導する等のナビゲーションに係る処理を行う。
【0025】
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから検出した現在地(現在の位置情報)及び地図記憶部1cに記憶された地図DB(データベース)等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図DBを用いて算出した経路へ誘導するための地図画面を生成し、表示部1eにより表示させる。
【0026】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサ等による検出結果や、車両に備えられている速度センサ、走行距離センサ、ブレーキセンサ等の各種センサの検出信号に基づいて車両Cの現在の位置情報(緯度、経度等の情報)を取得する現在地検出手段として機能し、現在の位置情報をカーナビ制御部1aに出力する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信する。角度センサは、移動方向の変化量を示す車両Cの加速度を検出する。方位センサは、地磁気の検出を行って車両Cの絶対方位を検出する。
【0027】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、カーナビゲーションに必要な地図DB、駐車場DB、VICSモジュール2を介して受信されるガイド情報(交通規制情報、渋滞情報等)等を記憶している。地図DBは、表示用の地図画面、経路探索用の情報、施設や公園等の地点の情報等を含んでいる。地点の情報は、例えば、地点の名称、緯度経度、住所、電話番号等である。この地点が高速道路に付帯しているサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等の施設である場合には、SAやPA等の施設の名称、緯度経度、住所等の他に、付帯する設備(トイレ、ガソリンスタンド、レストラン等)の情報が地点の情報となる。即ち、地図記憶部1cは、道路情報と施設の情報(地点の情報)を含む地図情報としての地図DBを記憶する記憶手段として機能する。
【0028】
駐車場DBは、予め登録された各駐車場に関する駐車場静的情報を含んでいる。
図4に、駐車場静的情報の例を示す。
図4に示すように、駐車場静的情報は、駐車場ID、駐車場中心座標、入口情報、駐車場の名称、駐車場の収容台数、駐車場形式、車両制限、営業時間、駐車場の提携店舗、設備状況、駐車料金の決済手段、拡張データ等を含んでいる。
【0029】
駐車場IDは、駐車場それぞれ固有のIDである。駐車場中心座標は、駐車場の代表位置となる位置情報(緯度、経度)を示す。なお、駐車場がSAやPAに設けられている場合には、SAやPAの位置が駐車場中心座標となる。
この駐車場IDと駐車場駐車中心座標とは、駐車場を個別に識別するための識別情報である。
【0030】
入口情報は、駐車場に設けられた各入口の座標を含み、本実施形態では最大15個の入口に関する情報を有する。車両制限は、駐車場に駐車可能な車両の車幅や車高、重量、車種等の制限を示す。営業時間は、駐車場に入庫可能な入庫可能時間、駐車場から出庫可能な出庫可能時間、駐泊可否フラグ等を含む。設備状況は、駐車場内に設けられた身障者スペース、バリアフリー、女性専用スペース、トイレ、バイク等の有無や数等を示す。
【0031】
入力部1dは、操作キーや表示部1eのモニタと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0032】
表示部1eは、モニタを備え、制御部4やカーナビ制御部1a表示制御に従ってモニタ上に各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信した配信情報のコンテンツの画面等を表示する。
【0033】
記憶部1fは、メモリから構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは、センター装置30から受信した各種情報等を記憶する。
【0034】
音声出力部1gは、音声処理部、D/A変換器、増幅器、スピーカ等を備えて構成される。音声出力部1gは、制御部4やカーナビ制御部1aから指示された音声データをD/A変換器によりアナログ信号に変換してスピーカにより音声出力する。また、音声出力部1gは、制御部4やカーナビ制御部1aから指示された表音文字列データに基づいて音声処理部により合成音声信号を生成し、スピーカにより音声出力する。
【0035】
VICSモジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、VICSセンターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール2はVICSセンターから渋滞情報や交通規制情報等を受信し、制御部4に出力する。
【0036】
DSRC部3は、DSRC制御部3a、DSRC通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3d、ICカードI/F部3eを備えて構成されており、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30から各種情報を受信するための通信処理等を行い、センター装置とデータ送受信を行う通信手段として機能する。
【0037】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、DSRC通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3dにより決済情報の書込処理を行わせる。
【0038】
また、DSRC制御部3aは、センター装置30から各種情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域3c1に記憶されている情報を、DSRC通信部3bにより路側無線装置20A、20Bに送信させる一方、DSRC通信部3bにより路側無線装置20A、20Bを介して各種情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0039】
DSRC通信部3bは、車両Cのダッシュボード上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20A、20BやETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0040】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。また、記憶部3cには、アップリンク情報記憶領域3c1が設けられている。アップリンク情報記憶領域3c1は、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報が記憶される。
【0041】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10に個々に割り振られたID(以下、車載器IDという)、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、著作権管理技術、表示部1eのモニタの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応性、各種情報を蓄積可能な記憶容量等の情報が含まれる。
【0042】
アップリンク情報とは、センター装置30において配信する各種情報を選択するために用いる情報である。本実施形態におけるアップリンク情報の送信方法には、車載器10が路側無線装置20Aを介してセンター装置30に送信する方法、及び車載器10が外部ネットワークN2、N3を介して、若しくは路側無線装置20Bを介してセンター装置30に送信する方法がある。
なお、アップリンク情報は、制御部4によってサービス事業者に応じた内容でサービス事業者毎に生成され、最新の内容となるように制御部4により常に更新されている。
【0043】
図5に、本実施形態におけるアップリンク情報の例を示す。
図5に示すように、アップリンク情報は、会員情報、検索位置情報、メッシュコード情報、情報更新リクエスト、最新情報形態フラグ、検索条件項目等が含まれる。
【0044】
会員情報は、ユーザが各種情報の配信について契約をしたサービス事業者における会員情報である。検索位置情報には、検索対象となる場所の位置情報(検索地)を示す緯度・経度等が含まれる。メッシュコード情報には、検索地が含まれる3次メッシュコードや3次メッシュコードバージョン等が含まれる。
【0045】
情報更新リクエストは、メッシュ単位での最新の駐車場静的情報を要求するか否かを示す情報である。最新情報形態フラグは、更新する駐車場の駐車場静的情報の更新単位として、メッシュ単位で駐車場静的情報を全て入れ替える一括更新を行うか、バージョン情報に基づいて駐車場静的情報の変更を行なう差分更新を行うかを示す情報である。
【0046】
検索条件項目は、検索する駐車場の条件を示す。この検索条件項目には、検索条件有無フラグ、検索する駐車場の駐車場IDを指定するID指定検索、開始時間・終了時間、駐車する車両情報、その他の検索条件の各種項目が含まれる。
【0047】
ETC処理部3dは、ICカードI/F部3eに挿抜されるIC付きクレジットカード又はETCカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
【0048】
ICカードI/F部3eは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3dとの間で情報のやりとりを仲介する。
【0049】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。例えば、DSRC部3のDSRC通信動作やIP通信部5のIP通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。その他、センター装置30から受信した各種情報やVICSモジュール2を介して受信した交通情報等の保存、再生制御等を行う。
【0050】
また制御部4は、ハイウェイモードの場合には、進行方向前方の高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を示すハイウェイモード画面を表示部1eに表示させるハイウェイモード表示処理を実行する。ハイウェイモードとは、車載器10が搭載されている車両が高速道路(高速自動車道や、自動車専用道路等)を走行中である場合でのカーナビ部1による経路案内モードである。
【0051】
このハイウェイモード表示処理では、現在地検出部1bにより取得された現在の位置情報と地図記憶部1cに記憶されている地図DBとに基づいて、車載器10を搭載した車両が高速道路を走行中であるか否か(ハイウェイモードか否か)が判別される。そして、高速道路を走行中である場合、当該高速道路の進行方向前方に存在する施設の情報を含む検索情報としてのアップリンク情報がDSRC部3又はIP通信部5によりセンター装置に送信される。センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報としての駐車場動的情報がDSRC部3又はIP通信部5により受信されると、受信された駐車場動的情報から進行方向前方に存在する高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報が抽出され、抽出された動的情報を示すハイウェイ画面が表示部1eに表示される。
【0052】
IP通信部5は、携帯電話やPHS、LANカード等の無線通信デバイス40を接続可能に構成され、当該無線通信デバイス40、無線通信アクセスポイント20Cを介してセンター装置30とIP通信を行う。
【0053】
図6に、センター装置30の機能的構成を示す。
センター装置30は、制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35等を備えて構成されている。センター装置30は、車載器10から路側無線装置を介して受信した特性情報、アップリンク情報に応じて、記憶部34に保存されている各駐車場の駐車場動的情報等の駐車場情報を読み出し、車載器10に配信したりする。
【0054】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部を集中制御する。
例えば、制御部31は、通信部35により受信されたアップリンク情報に基づいて駐車場を検索し、検索した駐車場の動的情報を記憶部34から読み出し、車載器10に配信する駐車場検索処理を行う。
【0055】
駐車場検索処理は、アップリンク情報に含まれる検索位置情報(緯度、経度)を中心として予め設定された範囲の駐車場のうち最寄りの最大15箇所までの駐車場を検索したり、検索条件項目のID指定検索に含まれる最大7箇所の駐車場の駐車場IDと同一の駐車場IDの駐車場を検索したりし、検索した駐車場の動的情報を含む駐車場動的情報を検索結果情報として車載器10に配信するものである。
【0056】
入力部32はキーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0057】
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0058】
記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。ユーザは、駐車場情報の配信サービスに加入する契約を行う際に会員登録を行うため、記憶部34にはこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報を記憶する他、ユーザが所有する車載器10の車載器ID等の情報をユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0059】
また、記憶部34は配信すべき駐車場情報を記憶している。
駐車場情報は、駐車場静的情報や駐車場動的情報等から構成されている。
駐車場静的情報はセンター装置30が管理する駐車場の駐車場静的情報である。この駐車場静的情報は、3次メッシュ単位で管理されており、各3次メッシュの情報には、3次メッシュコード、当該3次メッシュのバージョン情報、当該3次メッシュに含まれる駐車場数、各駐車場の駐車場静的情報等が含まれている。この駐車場静的情報は、図4に示す駐車場DB内の各駐車場の静的情報と同様のフォーマットである。
【0060】
図7に駐車場動的情報のフォーマットの一例を示す。
図7に示す駐車場動的情報は、アップリンク情報の検索位置情報(緯度、経度)から最寄りの最大15箇所までの各駐車場の動的情報、又は、ID指定検索に含まれる駐車場IDに対応する最大7箇所の各駐車場の動的情報である。
駐車場動的情報には、最新駐車場情報有無フラグ、駐車場満空情報数、その他の情報有無フラグと、各駐車場の動的情報と、その他の情報と、拡張データ等を含んでいる。
【0061】
各駐車場の動的情報(駐車場1〜駐車場15)としては、駐車場ID、開入口情報、設定情報、入口別満空情報総数、入口別満空情報(入口1満空情報〜入口15満空情報)、情報更新時刻等が含まれている。
【0062】
設定情報には、営業時間、初期料金、追加料金、テキスト情報等が含まれている。営業時間には、入庫可能時間、出庫可能時間が含まれている。テキスト情報には、駐車場の名称や駐車場が設けられている施設の名称等が含まれている。
【0063】
入口別の満空情報は、入口別の駐車領域に駐車している駐車台数に応じた混雑状況(満車、混雑、空車等の状態(満空情報))や空き台数等が含まれている。
なお、満車とは駐車台数が駐車可能台数上限に達している状況、混雑とは駐車台数が駐車可能台数未満であって予め設定された所定台数以上である状況、空車とは駐車台数が所定台数未満である状況を示しており、これらの分類は、駐車場に駐車されている台数や駐車場に占める駐車場に駐車されている台数の割合によるものである。
【0064】
通信部35は、第1通信部と第2通信部を備える。第1通信部は、センター装置30がネットワークN1に接続された路側無線装置20A、20Bとデータ送受信を行うための通信制御を行う。第2通信部は、センター装置30が外部ネットワークN2、N3に接続された車載器10を始めとする外部機器とデータ送受信を行うための通信制御を行う。
【0065】
次に、動作について説明する。
図8に、ハイウェイモード表示処理のフローチャートを示す。
図8に示す処理は、制御部4がカーナビ部1等の各部と協働して実行するものとする。
【0066】
制御部4は、現在地検出部1bから現在の位置情報を取得する(ステップS1)。制御部4は、取得した現在の位置情報と地図DBとに基づいて、車載器10が搭載された車両が高速道路を走行中であるか否かを判別する(ステップS2)。
【0067】
高速道路を走行中でない場合(ステップS2;NO)、制御部4は、ハイウェイモード表示処理を終了する。高速道路を走行中である場合(ステップS2;YES)、制御部4は、車載器10を搭載している車両の進行方向前方の高速道路に付帯する施設(例えば、SA、PA等)に設けられた駐車場の駐車場IDが駐車場DBにあるか否かを判別する(ステップS3)。
【0068】
施設の駐車場IDがある場合(ステップS3;YES)、制御部4は、進行方向前方の施設の駐車場IDを取得する(ステップS4)。ステップS3;YESの場合とは、例えば、駐車場DBにSA、PS等の施設に設けられた駐車場の駐車場静的情報がある場合である。
【0069】
制御部4は、取得した駐車場IDをアップリンク情報のID指定検索に設定し(ステップS5)、アップリンク情報をDSRC部3又はIP通信部5によりセンター装置30に送信させる(ステップS6)。
【0070】
制御部4は、DSRC部3又はIP通信部5によりセンター装置30から駐車場動的情報を受信すると(ステップS7)、当該駐車場動的情報に含まれる各駐車場の動的情報を記憶部1fに保存する(ステップS8)。
【0071】
施設の駐車場IDがない場合(ステップS3;NO)、制御部4は、進行方向前方の施設の緯度、経度を中心とした所定の範囲を指定する(ステップS9)。制御部4は、指定した範囲をアップリンク情報の検索位置情報に設定し(ステップS10)、アップリンク情報をDSRC部3又はIP通信部5によりセンター装置30に送信させる(ステップS11)。
【0072】
制御部4は、DSRC部3又はIP通信部5によりセンター装置30から駐車場動的情報を受信すると(ステップS12)、受信した駐車場動的情報から進行方向前方の施設の名称を設定情報に含む駐車場の動的情報を抽出し、抽出した駐車場の動的情報を記憶部1fに保存する(ステップS13)。
【0073】
なお、抽出した駐車場の動的情報を取得するタイミングは、ここでは問わないが、高速道路走行中に一定時間間隔で動的情報を取得する場合や、高速道路の走行開始時に動的情報を取得するなど、各種タイミングが可能である。
【0074】
制御部4は、ステップS8又はステップS13後、記憶部1fに記憶されている駐車場の動的情報と地図DBに含まれる施設の情報とに基づいて、ハイウェイモード画面を表示部1eに表示させ(ステップS14)、ハイウェイモード表示処理を終了する。
【0075】
図9に、ハイウェイモード画面の例を示す。
図9に示すように、ハイウェイモード画面G1は、案内経路画面G0と共に表示される画面である。図9に示すハイウェイモード画面G1は、案内経路画面G0の上面に表示されているが、これに限らず、案内経路画面G0と並べて表示部1eの表示画面上に2画面で表示されてもよい。
【0076】
案内経路画面G0には、現在走行中の位置と進行方向とが示された地図が表示される。
ハイウェイモード画面G1には、車載器10を搭載した車両が高速道路を走行中に、当該高速道路の案内経路上にある施設の情報が表示される施設案内表示領域E1〜E3が設けられている。
【0077】
施設案内表示領域E1〜E3には、施設の名称や、施設に設けられている設備、満空表示M1、M2、各施設までの距離、通過予測時刻などが表示されている。満空表示M1、M2は、各施設に設けられた駐車場の動的情報に基づいて、当該駐車場の混雑状況を示す。この満空表示M1、M2は、混雑状況に応じて異なる態様で表示される。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、車載器を搭載した車両が高速道路を走行中である場合でのハイウェイモードの場合、高速道路沿いの施設に設けられた駐車場の動的情報のみが抽出されることとなるため、一般道路沿いの駐車場の動的情報の提供を防止でき、高速道路に付帯した施設(SAやPA等)の駐車場のみの動的情報の提供を可能とすることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、適宜変更可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】配信システムの構成図である。
【図2】路側無線装置及び路側エリアを説明するための図である。
【図3】車載器の構成を示す図である。
【図4】駐車場静的情報の例を示す図である。
【図5】アップリンク情報の例を示す図である。
【図6】センター装置の機能的構成を示す図である。
【図7】駐車場動的情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図8】ハイウェイモード表示処理のフローチャートである。
【図9】ハイウェイモード画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1b 現在地検出部
1c 地図記憶部
1d 入力部
1e 表示部
1f 記憶部
1g 音声出力部
2 VICSモジュール
3 DSRC部
3a DSRC制御部
3b DSRC通信部
3c 記憶部
3c1 アップリンク情報記憶領域
3d ETC処理部
3e ICカードI/F部
4 制御部
5 IP通信部
40 無線通信デバイス
10 車載器
20A、20B 路側無線装置
20C 無線通信アクセスポイント
21 本体装置
22 アンテナ
30 センター装置
31 制御部
32 入力部
33 表示部
34 記憶部
35 通信部
100 配信システム
C 車両
E1〜E3 施設案内表示領域
G0 案内経路画面
G1 ハイウェイモード画面
M1、M2 満空表示
N1、N2、N3 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
センター装置とデータを送受信する通信手段と、
現在の位置情報を取得する現在地検出手段と、
道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報を記憶する記憶手段と、
前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段が受信すると、当該検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出し、当該抽出した動的情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えること、
を特徴とする車載器。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、当該高速道路の進行方向前方に存在する前記施設の情報を含む検索情報を前記通信手段により前記センター装置に送信させること、
を特徴とする請求項1に記載の車載器。
【請求項3】
前記施設の情報は、
前記施設に設けられた駐車場の位置情報であること、
を特徴とする請求項2に記載の車載器。
【請求項4】
前記施設の情報は、
前記施設に設けられた駐車場を個別に識別する識別情報であること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の車載器。
【請求項5】
現在の位置情報を取得する現在地検出工程と、
前記現在地検出工程により取得された現在の位置情報と記憶手段に記憶されている道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報とに基づいて高速道路を走行中であるか否かを判別する判別工程と、
前記判別工程が前記高速道路を走行中であると判別した場合、当該高速道路の進行方向前方に存在する前記施設の情報を含む検索情報を通信手段によりセンター装置に送信させる送信工程と、
前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段により受信する受信工程と、
前記受信工程により受信された前記検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程により前記抽出された動的情報を表示手段に表示させる表示工程と、
を含むこと、
を特徴とする表示方法。
【請求項6】
コンピュータを、
センター装置とデータを送受信する通信手段、
現在の位置情報を取得する現在地検出手段、
道路情報と道路沿いの施設の情報を含む地図情報を記憶する記憶手段、
前記現在地検出手段により取得された現在の位置情報と前記記憶手段に記憶されている地図情報とに基づいて高速道路を走行中であると判別した場合、前記センター装置により複数の駐車場の混雑状況を示す動的情報が含まれた検索結果情報を前記通信手段が受信すると、当該検索結果情報から前記高速道路に付帯する施設の駐車場の動的情報を抽出し、当該抽出した動的情報を表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−145220(P2010−145220A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322345(P2008−322345)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】