配信システム、車載器及びセンター装置
【課題】ユーザに対しコンテンツ情報の配信状況についての情報提供をする。
【解決手段】コンテンツ情報を配信するセンター装置と、車載器と、を含む配信システムにおいて、前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し(ステップS11)、前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する(ステップS12)。
【解決手段】コンテンツ情報を配信するセンター装置と、車載器と、を含む配信システムにおいて、前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し(ステップS11)、前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する(ステップS12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、車載器及びセンター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置のような車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して路上に設置された路側無線装置と狭域無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から情報提供を受けることが可能となっている(例えば、特許文献1、2参照)。すなわち、車両が路側無線装置の通信範囲内にある間のみ、車両の車載器と路側無線装置との双方向通信が可能となり、この間にセンター装置が路側無線装置を介して、広告情報等の各種コンテンツ情報を配信するのである。
【特許文献1】特開2001−101578号公報
【特許文献2】特開2004−279509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記コンテンツ情報の配信システムでは、路側無線装置の通信エリアに進入した車載器に対し、センター装置側から一方的にコンテンツ情報を配信する。車載器側では配信されたコンテンツ情報を受信するのみであるので、どれだけのコンテンツ情報が配信され、その配信にどのぐらいの時間を要するのか、車載器側では配信状況を把握することができなかった。よって、ユーザは全ての配信が終了するまでどの程度の時間がかかるのかを把握できず、待機すべきか否か、その判断が難しかった。
【0004】
本発明の課題は、ユーザに対しコンテンツ情報の配信状況についての情報提供をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の配信時に当該配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する配信システムが提供される。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、受信中のコンテンツ情報の情報量又は受信中のコンテンツ情報のうち受信を終えた分のコンテンツ情報の受信済み情報量の情報を含み、
前記車載器は、前記センター装置から既に受信を終えたコンテンツ情報の受信済み情報量を算出し、配信状況を示す情報として、受信中のコンテンツ情報について前記センター装置から受信したコンテンツ情報の情報量又は算出した受信済み情報量の情報を表示する請求項1に記載の配信システムが提供される。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を含み、
前記車載器は、受信中のコンテンツ情報の受信速度を算出するとともに、算出した受信速度と、前記受信したコンテンツ情報の情報量を示す情報とに基づいて、受信中のコンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間を算出し、配信状況を示す情報として算出した残り時間の情報を表示する請求項1又は2に記載の配信システムが提供される。
【0008】
請求項4に記載の発明によれば、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の情報量を示す情報を、当該コンテンツ情報のヘッダ部に付加して送信し、
前記車載器は、前記サーバからコンテンツ情報を受信すると、当該コンテンツ情報のヘッダ部から当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を取得する請求項1〜3の何れか一項に記載の配信システムが提供される。
【0009】
請求項5に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、コンテンツ情報を配信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置から受信したコンテンツ情報の配信状況を示す情報を表示する配信システムが提供される。
【0010】
請求項6に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち送信を終えた分のコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量を算出し、算出した総情報量又は送信済み情報量の情報を前記車載器に送信する請求項5に記載の配信システムが提供される。
【0011】
請求項7に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報を送信し終えるのに要する時間の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を算出するとともに、コンテンツ情報の送信速度を算出し、算出した情報量及び送信速度を用いてコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出し、当該残り時間の情報を前記車載器に送信する請求項5又は6に記載の配信システムが提供される。
【0012】
請求項8に記載の発明によれば、
前記センター装置は、前記配信状況を示す情報を含む通知用のコンテンツ情報を作成し、前記車載器に送信する請求項5〜7の何れか一項に記載の配信システムが提供される。
【0013】
請求項9に記載の発明によれば、
センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、
センター装置から配信されるコンテンツ情報及び当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を受信する通信手段と、
表示手段と、
前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記表示手段に表示する制御手段と、
を備える車載器が提供される。
【0014】
請求項10に記載の発明によれば、
車載器にコンテンツ情報を配信するセンター装置において、
車載器にコンテンツ情報を送信する通信手段と、
前記コンテンツ情報を送信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザに対し、コンテンツ情報の配信状況についての情報提供を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〈第1実施形態〉
第1実施形態では、車載器においてコンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する例を説明する。
【0017】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における配信システム100を示す。
配信システム100は、図1に示すように車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成されている。路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続され、路側無線装置20と車両CとはDSRC通信が可能である。配信システム100では、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。コンテンツ情報については後述する。
【0018】
以下、各構成装置について説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は道路脇や道路上方に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して路側無線装置20近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。
【0019】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0020】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の上方のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10に転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータを適用することができる。なお、ここでは本体装置20aはセンター装置30と別体として説明したが、本体装置20aがセンター装置30の一部又は全部の機能を兼ね備えるようにしてもよい。
【0021】
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electric Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール2、DSRC部3、制御部4、IP通信部5を備えて構成されている。
【0022】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、DSRC部3のDSRC通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。その他、センター装置30から受信したコンテンツ情報やVICSモジュール2を介して受信した交通情報等の保存、再生制御等を行う。
また、制御部4は、CPUのクロックを利用して計時が可能であり、内部タイマーとしての機能を有する。
【0023】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1fを備えて、車両Cを案内経路へ誘導する等のナビゲーションに係る処理を行う。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図DB(データベース)等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図DBを用いて算出した案内経路を含む地図画面を作成し、表示部1eにより表示させる。
【0024】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車両Cの加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行って車両Cの絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両Cの現在地を示す現在地の情報(緯度、経度等)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図DB、駐車場DB、VICSモジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。地図DBは、表示用の地図画像、経路探索用の情報、施設や公園等の地点の情報等を含んでいる。地点の情報は、例えば地点の名称、緯度経度、住所、電話番号等である。駐車場DBは、各駐車場に個々に割り振られたID(以下、駐車場IDという)、駐車場名称、駐車場の位置する緯度経度、住所、駐車場の営業所等の電話番号、駐車場での車両制限(車幅や車高、重量等の制限)、駐車場の営業時間、料金、特典等を含んでいる。
【0026】
入力部1dは、操作キーや表示部1eのモニタと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
表示部1eはモニタを備え、制御部4やカーナビ制御部1aの表示制御に従って各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fはメモリから構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは車両情報を記憶している。車両情報は車両Cに関する情報であり、例えば車両Cの車幅、車高、重量、排気量等である。
また、記憶部1fはセンター装置30から受信したコンテンツ情報を記憶する。
【0028】
VICSモジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、VICSセンターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール2はVICSセンターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。
【0029】
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、DSRC通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F3fを備えて構成されている。
【0030】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、DSRC通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに記憶されている情報を、DSRC通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、DSRC通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0031】
DSRC通信部3bは、車両Cのダッシュボート上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0032】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報が記憶される。
【0033】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10に個々に割り振られたID(以下、車載器IDという)、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、対応可能な著作権管理技術、表示部1eのモニタの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応性、コンテンツ情報の蓄積可能記憶容量等の項目の情報が含まれる。
【0034】
アップリンク情報とは、センター装置30において配信するコンテンツ情報を選択するために用いる情報である。アップリンク情報には、ユーザがコンテンツ情報の配信について契約をしたサービス事業者の特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、受信再生履歴情報等が含まれる。アップリンク情報は、制御部4によってサービス事業者に応じた内容でサービス事業者毎に生成され、最新の内容となるように制御部4が常に更新を行っている。
【0035】
サービス事業者の特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約したサービス事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(起動)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0036】
嗜好情報は、センター装置30においてユーザの嗜好に応じたコンテンツ情報を選択するのに用いる情報である。嗜好情報は、コンテンツ情報を分類する複数のカテゴリ毎にユーザが好むか好まないかを示す情報を含む。このカテゴリは、「暮らし」、「買い物」等のようにコンテンツ情報の分類を示すものであり、サービス事業者が任意に設定できるものである。
【0037】
受信再生履歴情報は、センター装置30から配信されたコンテンツ情報に付与されている情報コード及びその再生の履歴の情報である。履歴の情報は、受信したコンテンツ情報のうち、実際に表示部1eに表示される等して再生されたコンテンツ情報の情報コードがあり、再生時の緯度経度情報や時刻情報等が含まれることもある。
【0038】
ETC処理部3eは、ICカードI/F3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eとの間で情報のやりとりを仲介する。
【0039】
IP通信部5は、携帯電話等の無線通信デバイス40を用いるPDC(Personal Digital Cellular)、CDMA(Code Division Multiple Access)の他、WiMAX(World wide Interoperability for Microwave Access)等によるIP通信が可能な通信モジュールを備えて、センター装置30とIP通信を行う。
【0040】
次に、センター装置30について説明する。
センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、センター装置30はコンテンツ情報を配信するサービス事業者毎に備えられるものである。
図4に、センター装置30の機能的構成を示す。
図4に示すように、センター装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0041】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部を集中制御する。
【0042】
入力部32はキーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0043】
記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うので、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報を記憶する他、ユーザが所有する車載器10の車載器ID、ユーザの嗜好情報等の情報をユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0044】
また、記憶部34は配信すべきコンテンツ情報を記憶している。
コンテンツ情報とは、店舗の広告や駐車場、医療施設の案内等のコンテンツ(テキスト情報、画像情報、音情報)だけではなく、コンテンツを提供するサービス事業者の情報等の他の配信すべき情報を含めたひとまとまりの情報をいう。
コンテンツ情報は、図5に示すようにヘッダ部H1と、実情報部H2とから構成されている。実情報部H2にはコンテンツ情報の実体的な情報(以下、実情報という)が格納され、ヘッダ部H1には実情報に付加する情報が格納される。一例として、図6にヘッダ部H1のフォーマットを示し、図7に実情報部H2のフォーマットを示す。
【0045】
図6に示すように、ヘッダ部H1には情報コード、実情報量の情報が含まれる。情報コードはコンテンツ情報を識別するために付与されるものであり、実情報の情報提供(ID=02)に含まれる情報コードと同じである。実情報量は実情報部H2に格納される全実情報の情報量をいう。つまり、ヘッダ部H1に書き込まれる実情報量は、1つのコンテンツ情報に含まれる実情報の情報量である。
【0046】
図7に示すように、実情報部H2には、個々にIDが付された情報、例えば構成ID、事業者、情報提供、再生条件、有効期限、時間提供、対象地点、情報提供地点、遷移情報、駐車場情報、運転支援情報、嗜好情報等が含まれている。
【0047】
ID=00の構成IDの情報は、コンテンツ情報内に含まれる情報のIDの一覧を表す情報である。ID=00の構成IDを参照することによりコンテンツ情報内にどの情報が含まれているかを判断することができる。
ID=01の事業者の情報は、サービス事業者を特定するための情報であり、例えば事業者コード等である。
ID=02の情報提供はコンテンツ情報に関する詳細な情報であり、例えばサービス事業者がコンテンツ情報に対し個別に割り付けた情報コード、コンテンツ情報が属する嗜好情報のカテゴリ等である。
【0048】
ID=03の再生条件はコンテンツ情報の再生条件に関する情報であり、例えば即時/蓄積コード等である。即時/蓄積コードとは受信完了後即時に再生するコンテンツであるか、受信したコンテンツ情報を相互通信エリアZ外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するかを表す識別子である。
【0049】
ID=04の有効期限はコンテンツの再生についての有効期限を示す情報であり、有効期限の開始時期及び終了時期を示す日時で表される。
ID=05の時間提供は対象地点においてサービスを提供できる営業時間等の情報である。
【0050】
対象地点とはサービスの提供を行う店舗や施設等をいい、ID=10の対象地点の情報としては、例えば対象地点の位置を示す対象地点座標(緯度経度)、対象地点名称等を示す対象地点表示用テキスト、対象地点の説明や広告、お知らせ等の情報提供すべきコンテンツであるテキスト、画像、音声、対象地点の情報をIP通信により提供する際のURL、対象地点を地図上に表示する際に使用されるアイコン画像、提携駐車場情報等からなる。提携駐車場情報とは、対象地点において提携指定されている駐車場に関する情報であり、例えば提携指定されている駐車場を示す駐車場IDの情報である。
【0051】
ID=20の情報提供地点の情報はコンテンツを再生させたい情報提供エリアに関する情報である。蓄積されたコンテンツについては、情報提供エリア内にある道路である方向から車両Cが進入した際にコンテンツがあることを通知するポップアップ通知を行い、そこで再生の指示がなされるとコンテンツの再生を行う。ID=20の情報提供地点は、このときのポップアップ通知やコンテンツ再生等を行う際の条件を指定する情報である。例えば、情報提供エリアの中心座標(緯度経度)、半径、車両Cの進入方向を示す方向コード、道路種別、ポップアップ通知用の表示画像、音声等からなる。つまり、実際にポップアップされてユーザに通知される内容はID=20の画像や音声等である。
【0052】
ID=30の遷移情報は、ID=20の対象地点のコンテンツに画像が含まれるコンテンツ情報が複数あり、各コンテンツ情報の画像を遷移させて表示する場合に用いる情報である。遷移情報は、例えば次の遷移先の情報コードを示す次再生情報コード等からなる。
【0053】
ID=50の駐車場情報は、センター装置30において予め登録されている駐車場に関する情報である。駐車場情報は、例えばセンター装置において予め登録されている駐車場の駐車場ID、満空情報の他、車両制限、予約可否、料金、特記事項等である。満空情報とは満車、空車の状況を示す情報をいう。また、特記事項には「雨よけ」等の情報を含ませることができるので、この特記事項の情報を参照することにより雨に濡れない駐車場等、ユーザの要望に応じた駐車場を選択することが可能となる。
【0054】
ID=60の運転支援情報は、駐車場の出入口付近や駐車場内の合流分岐、速度案内等、敷地内の運転に関して運転の補助となる情報である。運転支援情報は、例えば運転支援のための画像、当該コンテンツ情報を受信した際に情報の内容を発話することによりユーザに知らせるための音声案内を行うのに用いられる表音文字列、圧縮音声、音声の再生順の情報等である。
【0055】
ID=80の嗜好情報は、上述したように配信するコンテンツ情報の選択に用いる情報である。嗜好情報は、例えば嗜好情報のバージョン、そのバージョンで定められているカテゴリの名称を示す表示用テキスト、表音文字列、カテゴリの詳細情報等からなる。
【0056】
コンテンツ情報は上記各IDの情報を含めて予め作成されたものを記憶部34に保存しておき、配信時に、これらコンテンツ情報のうち配信するコンテンツ情報を制御部31が選択する。なお、各IDの情報は必要に応じてコンテンツ情報に含められ、常に全てのIDの情報がコンテンツ情報に含まれているわけではない。例えば、対象地点において提携指定されている提携駐車場が無ければ、ID=10の対象地点に提携駐車場情報は含まれないことになる。
【0057】
通信部35は、路側無線装置20とDSRC通信又はIP通信を行うための通信用インターフェイスを備え、制御部31の通信制御に従って通信処理を実行する。
【0058】
次に、動作について説明する。
図8を参照して、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを説明する。
図8に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS2)。特性情報は、制御部4が表示部1eや記憶部1f等の各部に問い合わせるか、或いは予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
【0059】
その後、車両Cが走行を開始、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、路側無線装置20からDSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。なお、DSRC接続時には、車載器10の記憶部3c等に記憶されている車載器10を識別するための車載器IDがセンター装置30に対して送信されている。
【0060】
次いで、路側無線装置20が車載器10のDSRC部3に対し、特性情報の送信要求を行うと、DSRC部3は記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
【0061】
センター装置30は、受信した特性情報に含まれる車載器IDを元に車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かの認証を行った後、デフォルトのコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS6)。デフォルトのコンテンツ情報とは図9に示すように会員向けのウェルカム画面であったり、非会員にも提供される電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。認証は会員データベースに登録されている車載器IDと一致するかどうかで判断し、会員であると認証された場合にはデフォルトのコンテンツ情報に加えて配信事業者の事業者コードの通知情報を車載器10に送信する。車載器10ではデフォルトのコンテンツ情報が記憶部1fに保存される。
【0062】
車載器10では、路側無線装置20を介して事業者コードの通知情報が受信されると、車載器10の制御部4は記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードと、通知された事業者コードとを照合し、一致する場合には正規の配信事業者であると判断し、制御部4は当該事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS7)。前述のようにアップリンク情報は各配信事業者に応じて制御部4が生成し、更新を行っているので、配信事業者に応じた内容かつ最新の内容となっている。なお、照合した事業者コードが一致しない場合にはアップリンク情報の書込は行わずに処理を終了する。
【0063】
センター装置30は、デフォルトのコンテンツ情報を送信後、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS8)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。
車載器10のDSRC部3は、センター装置30からのポーリングに応じてアップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS9)。
【0064】
センター装置30は、アップリンク情報を受信すると、当該アップリンク情報及び先に受信している特性情報に基づいて、車載器10に配信するコンテンツ情報を選択する(ステップS10)。例えば、特性情報に含まれる対応できる言語の情報が「日本語」であり、アップリンク情報に含まれる嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」等であれば、日本語対応であって嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」であるコンテンツ情報を選択する。
【0065】
次いで、センター装置30は選択したコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS11)。車載器10ではセンター装置30からコンテンツ情報の受信を開始すると、配信状況表示処理を実行する(ステップS12)。配信状況表示処理については後述する。また、車載器10は受信を終了したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS13)。
【0066】
センター装置30では、配信すべきコンテンツ情報を全て配信すると配信終了を通知するメッセージ情報を制御部31が生成して車載器10に送信する(ステップS14)。この配信終了のメッセージ情報はユーザに対しエリアアウトを促すためのものであり、車載器10は受信したメッセージ情報を表示する。その後、一定時間路側無線装置20との通信が途絶えると、車載器10の制御部4は配信を終了したと判断してアップリンク情報を削除する制御を行う(ステップS15)。この制御に応じて、DSRC制御部3aはアップリンク情報記憶領域M内のアップリンク情報を削除する。
【0067】
次に、図10を参照して車載器10が実行する配信状況表示処理について説明する。配信状況表示処理は、コンテンツ情報を1つ受信する毎に実行し、受信中の1つのコンテンツ情報についての配信状況を示す処理である。
図10に示すように、車載器10においてコンテンツ情報の受信を開始すると、制御部4が内部タイマーによる計時を開始する(ステップa1)。次いで、制御部4は受信中のコンテンツ情報のヘッダ部H1を参照し、コンテンツ情報の実情報量を取得する(ステップa2)。なお、ヘッダ部H1には格納されている実情報量は、そのヘッダ部H1に係るコンテンツ情報の実情報量である。よって、センター装置30から例えば5つのコンテンツ情報が配信される場合であっても、ここで取得するのはコンテンツ情報5つ分の実情報量ではなく、5つのうち現在受信中の1つのコンテンツ情報の実情報量である。
【0068】
次いで、制御部4はコンテンツ情報の受信を開始してから現時点まで経過した時間を、内部タイマーから取得する(ステップa3)。そして、制御部4は現時点までに受信し終えた分のコンテンツ情報の情報量(以下、受信済み情報量という)を算出する。算出方法は公知の技術を用いればよい。例えば、コンテンツ情報はパケット配信されるので、DSRC通信部3bにおいて受信カウンタを設けて受信するパケット毎の受信量を求めればよい。そして、現時点での受信済み情報量と取得した経過時間とから下記式により受信速度を算出する(ステップa4)。
受信速度=受信済み情報量/経過時間
【0069】
また、制御部4は取得したコンテンツ情報の実情報量と、算出した受信速度とから、コンテンツ情報を受信し終えるまでに要する総時間を下記式により算出する(ステップa5)。
総時間=実情報量/受信速度
【0070】
さらに、制御部4は算出した総時間と、取得した経過時間とから、受信中のコンテンツ情報を受信し終えるまでの残り時間を下記式により算出する(ステップa6)。
残り時間=総時間/経過時間
【0071】
算出を終えると、制御部4は配信状況を示す表示画面を作成し、表示部1eに表示させる(ステップa7)。
図11は、受信状況を示す表示画面の一例である。
図11に示すように、制御部4は図9に示したウェルカム画面d1上に配信状況を示す情報を表示した表示画面d2を作成する。表示画面d2において配信状況を示す情報として算出した残り時間d21を表示させるとともに、受信中のコンテンツ情報の実情報量d22(△△MB)に対して受信済み情報量d23(○○MB)を示す情報を表示させる。また、その割合を示すインジケータd24を作成して表示させる。このインジケータd24の全体の長さは受信中のコンテンツ情報の実情報量を示し、そのうち受信済み情報量を目盛りで表している。
【0072】
表示後、制御部4は受信中のコンテンツ情報を全て受信し終えたかどうかを判断する(ステップa8)。受信を終えていない場合にはステップa3の処理に戻り、配信状況を示す情報の表示を繰り返し行う。すなわち、1つのコンテンツ情報の受信を完了すると、次に受信するコンテンツ情報について配信状況を示す情報の表示を繰り返す。
【0073】
全て受信し終えた場合は(ステップa8;Y)、受信状況を示す表示画面を非表示とする(ステップa9)。また、内部タイマーによる計時を停止し、計時していた経過時間をリセットすると(ステップa10)、本処理を終了する。受信し終えたコンテンツ情報は記憶部1fに保存される(図8のステップS13)。
【0074】
以上のように、第1実施形態によれば、センター装置30が配信対象であるコンテンツ情報毎の実情報量の情報をヘッダ部H1に書き込んで付加し、車載器10に送信する。車載器10では、受信中の各コンテンツ情報のヘッダ部H1から得られる実情報量の情報に基づいて、受信中の各コンテンツ情報について配信状況を示す情報を作成し、表示する。これにより、ユーザに対しコンテンツ情報の配信状況について情報提供することができる。
【0075】
車載器10は、配信状況を示す情報として、コンテンツ情報のヘッダ部H1から取得した実情報量の情報を表示する。これにより、ユーザはどのくらいの大きさのコンテンツ情報を受信するのかを知ることができ、受信に要する時間を推測することができる。
【0076】
また、車載器10は、既に受信済み情報量を判断し、配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザはどのくらい受信が終了したのかを知ることができ、あとどれぐらいで終了するのかを推測することができる。
【0077】
車載器10は、コンテンツ情報の受信速度を算出し、算出した受信速度と、コンテンツ情報の実情報量とから、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を算出し、配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザはあとどのぐらい待機すればいいのかを用意に把握することができる。
【0078】
なお、上記第1実施形態では、車載器10において受信中のコンテンツ情報のヘッダ部H1に格納されている実情報量に基づき、個々のコンテンツ情報についての配信状況を示す例を示した。これによれば、配信されるコンテンツ情報が複数ある場合でも、個々のコンテンツ情報についての配信状況のみ示すことになるが、これに限らず、配信される全コンテンツ情報についての配信状況を示す構成としてもよい。例えば、センター装置30においてアップリンク情報等に基づき配信対象のコンテンツ情報を選択した後、選択した全コンテンツ情報の総情報量を算出する。そして、この総情報量の情報を、配信する先頭のコンテンツ情報のヘッダ部H1に追記して車載器10に送信する。車載器10では先頭のコンテンツ情報から総情報量の情報を取得し、配信される全コンテンツ情報の総情報量を配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザは個々のコンテンツ情報についての配信状況のみならず、配信される全てのコンテンツ情報がどのぐらいの情報量であるのか把握することができ、どれだけ時間を要するのかを推測することができる。
【0079】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、センター装置において配信状況を示す情報を作成し、車載器が表示する例を説明する。
第2実施形態に係る配信システムの構成は第1実施形態と同一であり、動作が異なるのみである。よって、同一の構成部には同一の符号を付し、異なる動作部分のみ説明する。
【0080】
図12は、コンテンツ情報を配信する際のセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すステップS1〜S10、S13〜S15の処理は、第1実施形態において図8を参照して説明したステップS1〜S10、S13〜S15と同一の処理である。よって、ステップS1〜S10、S13〜S15の処理については説明を省略し、第2実施形態に特徴的な図12のステップS21、S22についてのみ説明する。
【0081】
すなわち、図12に示すようにセンター装置30においてコンテンツ情報の選択がなされると(ステップS10)、センター装置30ではコンテンツ情報送信処理を実行する(ステップS21)。
図13を参照してコンテンツ情報送信処理について説明する。この処理はコンテンツ情報を送信するとともに、配信する一又は複数のコンテンツ情報についての配信状況を示す情報を作成して送信する処理である。
【0082】
図13に示すように、センター装置30では制御部31が配信するものとして選択されたコンテンツ情報の編集を行う(ステップb1)。編集とは情報の変更、追加、削除をいう。選択したものによって情報に不整合が生じる等し、情報の編集が必要になる場合があるからである。
【0083】
例えば、編集が必要なものとしてID=30の遷移情報に含まれる次再生情報コードが挙げられる。コンテンツ情報には他のコンテンツ情報と関連して再生するものがあり、他のコンテンツ情報と階層構造を形成する。例えば、「エンターテイメント」のカテゴリのコンテンツ情報を頂点として、「映画」、「音楽」、「ゲーム」等のカテゴリのコンテンツ情報が従属し、「映画」のカテゴリにはさらに「邦画」、「洋画」、「アニメ」等のカテゴリのコンテンツ情報が従属している。次再生情報コードはこのような階層構造において次に再生すべきコンテンツ情報の情報コードを示す情報である。
【0084】
センター装置30ではコンテンツ情報を配信する際、アップリンク情報に含まれる嗜好カテゴリに応じたコンテンツ情報を選択する。上記の例でいえば、嗜好情報カテゴリが「洋画」である場合、「エンターテイメント」、「映画」、「洋画」のコンテンツ情報が選択される。しかし、「映画」のコンテンツ情報には次再生情報コードとして「邦画」のコンテンツ情報の情報コードも含まれているはずである。よって、この場合は「映画」のコンテンツ情報の次再生情報コードから「邦画」の情報コードを削除する編集を行う。このように、次再生情報コードだけでなく、他の情報においても配信時に調整する必要がある場合があるので、ここで情報の編集を行う。
【0085】
次に、制御部31は選択した全コンテンツ情報の総情報量を算出する(ステップb2)。制御部31は編集後の個々のコンテンツ情報の実情報量を算出し、その総和を総情報量とする。算出式は下記式で表される。
総情報量=Σ(各コンテンツ情報の情報量)
【0086】
次いで、制御部31は各コンテンツ情報の構成IDの情報を書き込む(ステップb3)。すなわち、構成ID(ID=00)の領域に、編集後のコンテンツ情報に含まれる項目情報のIDを書き込む。また、ヘッダ部H1にコンテンツ情報の実情報量を書き込み、付加させる。書込を終えると、制御部31は通信部35によるコンテンツ情報の送信を開始させる(ステップb4)。また、送信の開始と同時に内部タイマーによる計時を開始する(ステップb5)。
【0087】
コンテンツ情報の送信を開始後、制御部31は内部タイマーにより取得した経過時間の情報を取得する(ステップb6)。次いで、制御部31は既に送信した分のコンテンツ情報の情報量(以下、送信済み情報量という)を判断し、この送信済み情報量と、送信開始からの経過時間とから、下記式によりコンテンツ情報の送信速度を算出する(ステップb7)。
送信速度=送信済み情報量/経過時間
【0088】
また、制御部31は配信する全てのコンテンツ情報の総情報量と、算出した送信速度とから、全てのコンテンツ情報を送信し終えるまでに要する総時間を算出する(ステップb8)。算出式は下記の通りである。
総時間=総情報量/送信速度
【0089】
さらに、制御部31は算出した総時間と、取得した経過時間とから、全てのコンテンツ情報を送信し終えるまでの残り時間を算出する(ステップb9)。算出式は下記の通りである。
残り時間=総時間−経過時間
【0090】
以上を算出すると、制御部31はコンテンツ情報の配信状況を示す静止画のコンテンツを作成する。そして、このコンテンツを含む通知用のコンテンツ情報を作成し、当該コンテンツ情報の情報提供(ID=02)の項目において、即時再生を示すコードを書き込んで当該コンテンツ情報が即時型であることを指定する(ステップb10)。
【0091】
図14に、配信状況を示す静止画のコンテンツ例を示す。なお、ここでは静止画のコンテンツを作成する例を説明するが、文字や音声、動画等の他のコンテンツやこれらを組合せて作成してもよい。
図14に示す静止画d3の内容は、第1実施形態において図11を参照して説明した内容と基本的に同じである。つまり、静止画d3には制御部31が算出した残り時間d31、全てのコンテンツ情報の総情報量d32に対する送信済み情報量d33を示す割合、その割合を図示したインジケータd34が含まれる。第1実施形態と異なるのは、第1実施形態では表示するコンテンツ情報の情報量が受信した個々のコンテンツ情報の情報量であるのに対し、第2実施形態では配信するコンテンツ情報全てを総和した情報量であることである。
【0092】
第1実施形態では車載器10側でコンテンツ情報の情報量をコンテンツ情報のヘッダ部H1の情報から判断しているため、個々のコンテンツ情報の情報量しか判断できない。よって、複数のコンテンツ情報が配信された場合でも車載器10において示される配信状況は個々のコンテンツ情報についての配信状況となる。一方、第2実施形態では、センター装置30側で配信対象の全コンテンツ情報を把握することができるため、配信対象が複数ある場合には全コンテンツ情報についての配信状況を示すことができる。この点が第1実施形態とは異なる点となる。
【0093】
次いで、制御部31は通知用のコンテンツ情報を送信可能なタイミングかどうかを判断する(ステップb11)。例えば、あるコンテンツ情報を送信中に割り込んで配信することがないよう、1つのコンテンツ情報を送信し終えるタイミングも判断する。また、所定時間毎に送信する、コンテンツ情報を1つ送信する毎に送信する等、送信するタイミングが予め定められている場合には、そのタイミングかどうかを判断する。送信するタイミング自体は適宜設定できることとする。通知用のコンテンツ情報は送信する頻度が多すぎると、車載器10側で表示が見づらくなること等も考えられるので、必要性を考慮してタイミングを設定すればよい。
【0094】
送信可能なタイミングであると判断した場合には(ステップb11;Y)、通信部35により通知用のコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップb12)。車載器10送信後、制御部31は配信するものとして選択した全てのコンテンツ情報を送信し終えたか否かを判断する(ステップb13)。未送信のものがあれば(ステップb13;N)、ステップb6の処理に戻り、通知用のコンテンツ情報の作成を繰り返す。すなわち、現時点での送信状況に応じて、残り時間や送信済み情報量等を算出し直して通知用のコンテンツ情報を作成する。
【0095】
一方、全てのコンテンツ情報を送信し終えた場合(ステップb13;Y)、制御部31は内部タイマーによる計時を停止し、リセットして(ステップS14)、本処理を終了する。
【0096】
以上の処理により送信されるコンテンツ情報と通知用のコンテンツ情報とを、図15に示す。
図15において符号C1〜C3で示すのは配信対象として選択されたコンテンツ情報であり、符号E1、E2で示すのは通知用のコンテンツ情報である。図15では、コンテンツ情報C1〜C3を配信する毎に、通知用のコンテンツ情報E1、E2を配信する例を示している。すなわち、コンテンツ情報E1は未送信のコンテンツ情報C2、C3を送信するのに要する残り時間、コンテンツ情報C1〜C3の総情報量、既に送信を終えたコンテンツ情報C1の送信済み情報量等を示すコンテンツを含んでいる。同様に、コンテンツ情報E2のコンテンツには未送信のコンテンツ情報C3を送信するのに要する残り時間と、コンテンツ情報C1〜C3の総情報量、既に送信を終えたコンテンツ情報C1、C2の送信済み情報量等が含まれることとなる。
【0097】
本来ならば、コンテンツ情報C1〜C3は、コンテンツ情報C1、C2、C3の順に送信されるところ、通知用のコンテンツ情報E1、E2が割込みで送信されることとなる。よって、図15に示すように、コンテンツ情報C1、E1、C2、E2、C3の順に送信が行われる。通知用のコンテンツ情報E1、E2は前述のように即時再生の指定がなされているので、車載器10側では通知用のコンテンツ情報E1、E2の受信を完了した時点で当該通知用のコンテンツ情報E1、E2を即時に再生する。
【0098】
以上のように、第2実施形態によれば、センター装置30はコンテンツ情報を送信する際に、配信対象の全コンテンツ情報についての配信状況を示す情報を作成し、車載器10に送信し、車載器10がこれを表示する。これにより、ユーザにコンテンツ情報の配信状況についての情報提供を行うことができる。
【0099】
センター装置30は配信状況を示す情報として、配信するコンテンツ情報の総情報量の情報を送信するので、ユーザは配信されるコンテンツ情報がどのぐらいの大きさなのかを把握することができ、受信にどの程度の時間がかかるのかを推測することができる。
【0100】
センター装置30は、配信状況を示す情報として、既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を送信するので、ユーザは配信がどの程度終えたのかを把握することができる。
【0101】
また、センター装置30はコンテンツ情報の送信速度を算出し、送信速度とコンテンツ情報の総情報量とからコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出して、これを配信状況を示す情報として送信する。これにより、ユーザはあとどのぐらいで配信が終了するのかを容易に把握することができる。
【0102】
また、センター装置30は配信状況を示す情報を、コンテンツ情報として作成して車載器10に送信するので、車載器10はコンテンツ情報として再生することにより配信状況を示す情報を表示することができる。
【0103】
なお、上記第1及び第2実施形態は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、センター装置30ではコンテンツ情報は予め作成しておいたものを保有し、配信時にはその中から選択したコンテンツ情報を送信する例を説明したが、これに限らず、配信時にコンテンツ情報を作成することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施形態における配信システムを示す図である。
【図2】図1の路側無線装置の相互通信エリアを説明する図である。
【図3】図1の車載器の機能的構成を示す図である。
【図4】図1のセンター装置の機能的構成を示す図である。
【図5】コンテンツ情報の構成を示す図である。
【図6】コンテンツ情報のヘッダ部の例を示す図である。
【図7】コンテンツ情報の実情報部の例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際の処理の流れを説明する図である。
【図9】デフォルトのコンテンツ情報を再生したときの表示画面例である。
【図10】車載器で実行される配信状況表示処理の流れを示す図である。
【図11】受信状況を示す表示画面例である。
【図12】第2実施形態に係る配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際の処理の流れを説明する図である。
【図13】センター装置で実行されるコンテンツ情報送信処理の流れを示す図である。
【図14】送信状況を示す静止画例である。
【図15】配信されるコンテンツ情報及び通知用のコンテンツ情報を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
100 配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1e 表示部
1f 記憶部
3 DSRC部
3b DSRC通信部
3c 記憶部
5 IP通信部
M アップリンク情報記憶領域
4 制御部
20 路側無線装置
30 センター装置
31 制御部
34 記憶部
35 通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、車載器及びセンター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置のような車載器では、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して路上に設置された路側無線装置と狭域無線通信を行い、当該路側無線装置を介してセンター装置から情報提供を受けることが可能となっている(例えば、特許文献1、2参照)。すなわち、車両が路側無線装置の通信範囲内にある間のみ、車両の車載器と路側無線装置との双方向通信が可能となり、この間にセンター装置が路側無線装置を介して、広告情報等の各種コンテンツ情報を配信するのである。
【特許文献1】特開2001−101578号公報
【特許文献2】特開2004−279509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記コンテンツ情報の配信システムでは、路側無線装置の通信エリアに進入した車載器に対し、センター装置側から一方的にコンテンツ情報を配信する。車載器側では配信されたコンテンツ情報を受信するのみであるので、どれだけのコンテンツ情報が配信され、その配信にどのぐらいの時間を要するのか、車載器側では配信状況を把握することができなかった。よって、ユーザは全ての配信が終了するまでどの程度の時間がかかるのかを把握できず、待機すべきか否か、その判断が難しかった。
【0004】
本発明の課題は、ユーザに対しコンテンツ情報の配信状況についての情報提供をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の配信時に当該配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する配信システムが提供される。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、受信中のコンテンツ情報の情報量又は受信中のコンテンツ情報のうち受信を終えた分のコンテンツ情報の受信済み情報量の情報を含み、
前記車載器は、前記センター装置から既に受信を終えたコンテンツ情報の受信済み情報量を算出し、配信状況を示す情報として、受信中のコンテンツ情報について前記センター装置から受信したコンテンツ情報の情報量又は算出した受信済み情報量の情報を表示する請求項1に記載の配信システムが提供される。
【0007】
請求項3に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を含み、
前記車載器は、受信中のコンテンツ情報の受信速度を算出するとともに、算出した受信速度と、前記受信したコンテンツ情報の情報量を示す情報とに基づいて、受信中のコンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間を算出し、配信状況を示す情報として算出した残り時間の情報を表示する請求項1又は2に記載の配信システムが提供される。
【0008】
請求項4に記載の発明によれば、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の情報量を示す情報を、当該コンテンツ情報のヘッダ部に付加して送信し、
前記車載器は、前記サーバからコンテンツ情報を受信すると、当該コンテンツ情報のヘッダ部から当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を取得する請求項1〜3の何れか一項に記載の配信システムが提供される。
【0009】
請求項5に記載の発明によれば、
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、コンテンツ情報を配信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置から受信したコンテンツ情報の配信状況を示す情報を表示する配信システムが提供される。
【0010】
請求項6に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち送信を終えた分のコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量を算出し、算出した総情報量又は送信済み情報量の情報を前記車載器に送信する請求項5に記載の配信システムが提供される。
【0011】
請求項7に記載の発明によれば、
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報を送信し終えるのに要する時間の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を算出するとともに、コンテンツ情報の送信速度を算出し、算出した情報量及び送信速度を用いてコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出し、当該残り時間の情報を前記車載器に送信する請求項5又は6に記載の配信システムが提供される。
【0012】
請求項8に記載の発明によれば、
前記センター装置は、前記配信状況を示す情報を含む通知用のコンテンツ情報を作成し、前記車載器に送信する請求項5〜7の何れか一項に記載の配信システムが提供される。
【0013】
請求項9に記載の発明によれば、
センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、
センター装置から配信されるコンテンツ情報及び当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を受信する通信手段と、
表示手段と、
前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記表示手段に表示する制御手段と、
を備える車載器が提供される。
【0014】
請求項10に記載の発明によれば、
車載器にコンテンツ情報を配信するセンター装置において、
車載器にコンテンツ情報を送信する通信手段と、
前記コンテンツ情報を送信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザに対し、コンテンツ情報の配信状況についての情報提供を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〈第1実施形態〉
第1実施形態では、車載器においてコンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する例を説明する。
【0017】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における配信システム100を示す。
配信システム100は、図1に示すように車両Cに搭載された車載器10、路側無線装置20、センター装置30を含んで構成されている。路側無線装置20はネットワークNを介してセンター装置30と接続され、路側無線装置20と車両CとはDSRC通信が可能である。配信システム100では、センター装置30が路側無線装置20を介して車載器10にコンテンツ情報を配信する。コンテンツ情報については後述する。
【0018】
以下、各構成装置について説明する。
路側無線装置20は、図2に示すように本体装置20aとアンテナ20bとから構成されている。路側無線装置20は道路脇や道路上方に設置されたアンテナ20bから、到達距離が限定されたDSRCの電波を放射して路側無線装置20近傍に相互通信エリアZを形成する。この相互通信エリアZ内にある車両Cの車載器10とだけ双方向狭域無線通信が可能となる。
【0019】
DSRCは5.8GHz帯域の電波を使った通信方式であり、その通信範囲は例えば数メートルから数十メートルである。路側無線装置20からのDSRCの送信出力は何れも同じ程度に設定されているので、複数の路側無線装置20がそれぞれ形成する相互通信エリアZは設置場所に関係なく、ほぼ一定である。
【0020】
本体装置20aは、車載器10とセンター装置30間の上方のやりとりを仲介するための処理を行う。すなわち、アンテナ20bを介して車載器10から受信された情報をセンター装置30に転送し、センター装置30から送信されたコンテンツ情報を車載器10に転送する。本体装置20aは、情報処理や通信制御を行う制御部、記憶部等を備えたコンピュータを適用することができる。なお、ここでは本体装置20aはセンター装置30と別体として説明したが、本体装置20aがセンター装置30の一部又は全部の機能を兼ね備えるようにしてもよい。
【0021】
車載器10は、車両Cに搭載され、案内経路への誘導のための処理等を行うナビゲーション機能の他、DSRCによるETC(Electric Toll Collection System)利用のための処理を行う機能等を有している。
車載器10は、図3に示すように、カーナビ部1、VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール2、DSRC部3、制御部4、IP通信部5を備えて構成されている。
【0022】
制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部1fに記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部の集中制御を行う。
例えば、DSRC部3のDSRC通信動作を制御する。なお、DSRC部3の制御にあたってはDSRC部3のDSRC制御部3aとの協働により制御を行う。その他、センター装置30から受信したコンテンツ情報やVICSモジュール2を介して受信した交通情報等の保存、再生制御等を行う。
また、制御部4は、CPUのクロックを利用して計時が可能であり、内部タイマーとしての機能を有する。
【0023】
カーナビ部1は、カーナビ制御部1a、現在地検出部1b、地図記憶部1c、入力部1d、表示部1e、記憶部1fを備えて、車両Cを案内経路へ誘導する等のナビゲーションに係る処理を行う。
カーナビ制御部1aは、現在地検出部1bから取得した現在地の情報及び地図記憶部1cに記憶された地図DB(データベース)等に基づいて、車両Cの現在地から入力部1dを介して設定された目的地までの案内経路を算出する。そして、地図記憶部1cに記憶されている地図DBを用いて算出した案内経路を含む地図画面を作成し、表示部1eにより表示させる。
【0024】
現在地検出部1bは、GPSアンテナ、角度センサ、方位センサ、距離センサ等の各種センサを備え、これらセンサによる検出結果に基づいて車両Cの現在地を検出する。GPSアンテナは、GPS衛星から送信されるGPS信号を検出する。また、角度センサは移動方向の変化量を示す車両Cの加速度(単位時間あたりの水平方向への回転速度)を検出し、方位センサは地磁気の検出を行って車両Cの絶対方位を検出する。現在地検出部1bは、これらセンサから取得した各検出結果に基づいて車両Cの現在地を示す現在地の情報(緯度、経度等)を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
【0025】
地図記憶部1cは、メモリやDVD等の記録媒体から構成され、案内表示に必要な地図DB、駐車場DB、VICSモジュール2を介して受信されるガイド情報(道路情報、渋滞情報等)等を記憶している。地図DBは、表示用の地図画像、経路探索用の情報、施設や公園等の地点の情報等を含んでいる。地点の情報は、例えば地点の名称、緯度経度、住所、電話番号等である。駐車場DBは、各駐車場に個々に割り振られたID(以下、駐車場IDという)、駐車場名称、駐車場の位置する緯度経度、住所、駐車場の営業所等の電話番号、駐車場での車両制限(車幅や車高、重量等の制限)、駐車場の営業時間、料金、特典等を含んでいる。
【0026】
入力部1dは、操作キーや表示部1eのモニタと一体に構成されるタッチパネル等から構成されている。入力部1dは、これらの操作に対応する操作信号を生成し、カーナビ制御部1aに出力する。
表示部1eはモニタを備え、制御部4やカーナビ制御部1aの表示制御に従って各種情報を表示する。例えば、設定画面や地図画面、センター装置30から受信したコンテンツ情報の表示画面等である。
【0027】
記憶部1fはメモリから構成され、制御部4やカーナビ制御部1aにより実行される制御プログラム、プログラムの実行に必要なパラメータやデータ等を記憶している。
また、記憶部1fは車両情報を記憶している。車両情報は車両Cに関する情報であり、例えば車両Cの車幅、車高、重量、排気量等である。
また、記憶部1fはセンター装置30から受信したコンテンツ情報を記憶する。
【0028】
VICSモジュール2は、光通信用、FM通信用、2.4GHz電波通信用のアンテナをそれぞれ備え、VICSセンターと光通信、FM通信、電波通信を行う。VICSモジュール2はVICSセンターから渋滞情報や道路交通情報等を受信し、制御部4に出力する。
【0029】
DSRC部3は、DSRCによるETC利用のための処理や、センター装置30からコンテンツ情報を受信するための通信処理等を行う。
DSRC部3は、図3に示すようにDSRC制御部3a、DSRC通信部3b、記憶部3c、ETC処理部3e、ICカードI/F3fを備えて構成されている。
【0030】
DSRC制御部3aは、CPU、RAM等から構成され、記憶部3cに記憶されている制御プログラムとの協働によりDSRC部3の各部の動作を制御する。
例えば、ETCによる決済を行う際には、DSRC通信部3bの通信動作を制御してETC基地局(ETC決済を行うためにETCゲート付近等に設けられる無線基地局)と決済情報の送受信を行わせる。また、ETC処理部3eにより決済情報の書込処理を行わせる。
また、センター装置30からコンテンツ情報を受信する際には、制御部4の指示に従って記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに記憶されている情報を、DSRC通信部3bにより路側無線装置20に送信させる一方、DSRC通信部3bにより路側無線装置20を介してコンテンツ情報を受信した場合にはこれを制御部4に出力する。
【0031】
DSRC通信部3bは、車両Cのダッシュボート上でフロントガラス近傍に固設されたアンテナを備え、このアンテナを介して路側無線装置20やETC基地局等と、DSRCの電波の送受信を行う。
【0032】
記憶部3cは、DSRC制御部3aにより実行される制御プログラム等を記憶している。
また、記憶部3cにはアップリンク情報記憶領域Mが設けられている。アップリンク情報記憶領域Mは、センター装置30に情報を提供するために専用に設けられた記憶領域であり、アップリンク情報の他、車載器10の特性情報が記憶される。
【0033】
特性情報とは、車載器10の機器特性に関する情報をいう。特性情報には、車載器10に個々に割り振られたID(以下、車載器IDという)、車載器10が対応できる言語、地図の測地系、対応可能な著作権管理技術、表示部1eのモニタの解像度、SVG(Scalable Vector Graphics)の対応性、コンテンツ情報の蓄積可能記憶容量等の項目の情報が含まれる。
【0034】
アップリンク情報とは、センター装置30において配信するコンテンツ情報を選択するために用いる情報である。アップリンク情報には、ユーザがコンテンツ情報の配信について契約をしたサービス事業者の特定情報、車両Cの目的地情報、経由地情報、累計走行距離情報、過去の立ち寄り地情報、ユーザの嗜好情報、受信再生履歴情報等が含まれる。アップリンク情報は、制御部4によってサービス事業者に応じた内容でサービス事業者毎に生成され、最新の内容となるように制御部4が常に更新を行っている。
【0035】
サービス事業者の特定情報は、ユーザが予めコンテンツ情報の配信について契約したサービス事業者を特定する情報であり、例えば事業者コード、事業者名等である。
車両Cの目的地情報は、カーナビ部1で設定された目的地の緯度、経度の情報であり、経由地情報はカーナビ部1で設定された目的地までの誘導経路において経由する地点の緯度、経度の情報である。また、累計走行距離情報はDSRC部3のセットアップ(起動)時点から現在までの車両Cの累計走行距離の情報であり、過去の立ち寄り地情報は過去に車両Cが停車した(つまり車載器10の電源がON又はOFFされた)地点の緯度、経度の情報及び時刻情報である。
【0036】
嗜好情報は、センター装置30においてユーザの嗜好に応じたコンテンツ情報を選択するのに用いる情報である。嗜好情報は、コンテンツ情報を分類する複数のカテゴリ毎にユーザが好むか好まないかを示す情報を含む。このカテゴリは、「暮らし」、「買い物」等のようにコンテンツ情報の分類を示すものであり、サービス事業者が任意に設定できるものである。
【0037】
受信再生履歴情報は、センター装置30から配信されたコンテンツ情報に付与されている情報コード及びその再生の履歴の情報である。履歴の情報は、受信したコンテンツ情報のうち、実際に表示部1eに表示される等して再生されたコンテンツ情報の情報コードがあり、再生時の緯度経度情報や時刻情報等が含まれることもある。
【0038】
ETC処理部3eは、ICカードI/F3fに挿抜されるIC付きクレジットカード又はデビットカード等に対して決済情報等の読み書きを行う。
ICカードI/F3fは、上記クレジットカード等のスロットを備え、このスロットに挿入されたクレジットカード等のICとETC処理部3eとの間で情報のやりとりを仲介する。
【0039】
IP通信部5は、携帯電話等の無線通信デバイス40を用いるPDC(Personal Digital Cellular)、CDMA(Code Division Multiple Access)の他、WiMAX(World wide Interoperability for Microwave Access)等によるIP通信が可能な通信モジュールを備えて、センター装置30とIP通信を行う。
【0040】
次に、センター装置30について説明する。
センター装置30は、コンテンツ情報を記憶し、これを車載器10に配信する。なお、図1では1台のセンター装置30のみ示したが、センター装置30はコンテンツ情報を配信するサービス事業者毎に備えられるものである。
図4に、センター装置30の機能的構成を示す。
図4に示すように、センター装置30は制御部31、入力部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成されている。
【0041】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、記憶部34に記憶された制御プログラムとの協働により各種演算を行う他、各部を集中制御する。
【0042】
入力部32はキーボード等を備えて操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部31に出力する。
表示部33はディスプレイを備え、制御部31の表示制御に従ってディスプレイ上に各種画面を表示する。
【0043】
記憶部34は、制御部31により実行されるプログラムの他、プログラムの実行に必要な各種データを記憶する。
ユーザはコンテンツ情報の配信サービスに加入する契約を行う際、会員登録を行うので、記憶部34はこの会員登録されたユーザの氏名、住所等の特定情報を記憶する他、ユーザが所有する車載器10の車載器ID、ユーザの嗜好情報等の情報をユーザ毎にデータベース化して記憶する。
【0044】
また、記憶部34は配信すべきコンテンツ情報を記憶している。
コンテンツ情報とは、店舗の広告や駐車場、医療施設の案内等のコンテンツ(テキスト情報、画像情報、音情報)だけではなく、コンテンツを提供するサービス事業者の情報等の他の配信すべき情報を含めたひとまとまりの情報をいう。
コンテンツ情報は、図5に示すようにヘッダ部H1と、実情報部H2とから構成されている。実情報部H2にはコンテンツ情報の実体的な情報(以下、実情報という)が格納され、ヘッダ部H1には実情報に付加する情報が格納される。一例として、図6にヘッダ部H1のフォーマットを示し、図7に実情報部H2のフォーマットを示す。
【0045】
図6に示すように、ヘッダ部H1には情報コード、実情報量の情報が含まれる。情報コードはコンテンツ情報を識別するために付与されるものであり、実情報の情報提供(ID=02)に含まれる情報コードと同じである。実情報量は実情報部H2に格納される全実情報の情報量をいう。つまり、ヘッダ部H1に書き込まれる実情報量は、1つのコンテンツ情報に含まれる実情報の情報量である。
【0046】
図7に示すように、実情報部H2には、個々にIDが付された情報、例えば構成ID、事業者、情報提供、再生条件、有効期限、時間提供、対象地点、情報提供地点、遷移情報、駐車場情報、運転支援情報、嗜好情報等が含まれている。
【0047】
ID=00の構成IDの情報は、コンテンツ情報内に含まれる情報のIDの一覧を表す情報である。ID=00の構成IDを参照することによりコンテンツ情報内にどの情報が含まれているかを判断することができる。
ID=01の事業者の情報は、サービス事業者を特定するための情報であり、例えば事業者コード等である。
ID=02の情報提供はコンテンツ情報に関する詳細な情報であり、例えばサービス事業者がコンテンツ情報に対し個別に割り付けた情報コード、コンテンツ情報が属する嗜好情報のカテゴリ等である。
【0048】
ID=03の再生条件はコンテンツ情報の再生条件に関する情報であり、例えば即時/蓄積コード等である。即時/蓄積コードとは受信完了後即時に再生するコンテンツであるか、受信したコンテンツ情報を相互通信エリアZ外でも利用可能なコンテンツとして蓄積するかを表す識別子である。
【0049】
ID=04の有効期限はコンテンツの再生についての有効期限を示す情報であり、有効期限の開始時期及び終了時期を示す日時で表される。
ID=05の時間提供は対象地点においてサービスを提供できる営業時間等の情報である。
【0050】
対象地点とはサービスの提供を行う店舗や施設等をいい、ID=10の対象地点の情報としては、例えば対象地点の位置を示す対象地点座標(緯度経度)、対象地点名称等を示す対象地点表示用テキスト、対象地点の説明や広告、お知らせ等の情報提供すべきコンテンツであるテキスト、画像、音声、対象地点の情報をIP通信により提供する際のURL、対象地点を地図上に表示する際に使用されるアイコン画像、提携駐車場情報等からなる。提携駐車場情報とは、対象地点において提携指定されている駐車場に関する情報であり、例えば提携指定されている駐車場を示す駐車場IDの情報である。
【0051】
ID=20の情報提供地点の情報はコンテンツを再生させたい情報提供エリアに関する情報である。蓄積されたコンテンツについては、情報提供エリア内にある道路である方向から車両Cが進入した際にコンテンツがあることを通知するポップアップ通知を行い、そこで再生の指示がなされるとコンテンツの再生を行う。ID=20の情報提供地点は、このときのポップアップ通知やコンテンツ再生等を行う際の条件を指定する情報である。例えば、情報提供エリアの中心座標(緯度経度)、半径、車両Cの進入方向を示す方向コード、道路種別、ポップアップ通知用の表示画像、音声等からなる。つまり、実際にポップアップされてユーザに通知される内容はID=20の画像や音声等である。
【0052】
ID=30の遷移情報は、ID=20の対象地点のコンテンツに画像が含まれるコンテンツ情報が複数あり、各コンテンツ情報の画像を遷移させて表示する場合に用いる情報である。遷移情報は、例えば次の遷移先の情報コードを示す次再生情報コード等からなる。
【0053】
ID=50の駐車場情報は、センター装置30において予め登録されている駐車場に関する情報である。駐車場情報は、例えばセンター装置において予め登録されている駐車場の駐車場ID、満空情報の他、車両制限、予約可否、料金、特記事項等である。満空情報とは満車、空車の状況を示す情報をいう。また、特記事項には「雨よけ」等の情報を含ませることができるので、この特記事項の情報を参照することにより雨に濡れない駐車場等、ユーザの要望に応じた駐車場を選択することが可能となる。
【0054】
ID=60の運転支援情報は、駐車場の出入口付近や駐車場内の合流分岐、速度案内等、敷地内の運転に関して運転の補助となる情報である。運転支援情報は、例えば運転支援のための画像、当該コンテンツ情報を受信した際に情報の内容を発話することによりユーザに知らせるための音声案内を行うのに用いられる表音文字列、圧縮音声、音声の再生順の情報等である。
【0055】
ID=80の嗜好情報は、上述したように配信するコンテンツ情報の選択に用いる情報である。嗜好情報は、例えば嗜好情報のバージョン、そのバージョンで定められているカテゴリの名称を示す表示用テキスト、表音文字列、カテゴリの詳細情報等からなる。
【0056】
コンテンツ情報は上記各IDの情報を含めて予め作成されたものを記憶部34に保存しておき、配信時に、これらコンテンツ情報のうち配信するコンテンツ情報を制御部31が選択する。なお、各IDの情報は必要に応じてコンテンツ情報に含められ、常に全てのIDの情報がコンテンツ情報に含まれているわけではない。例えば、対象地点において提携指定されている提携駐車場が無ければ、ID=10の対象地点に提携駐車場情報は含まれないことになる。
【0057】
通信部35は、路側無線装置20とDSRC通信又はIP通信を行うための通信用インターフェイスを備え、制御部31の通信制御に従って通信処理を実行する。
【0058】
次に、動作について説明する。
図8を参照して、コンテンツ情報を配信する際におけるセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを説明する。
図8に示すように、まず車両Cのエンジンが起動し、車載器10の電源が投入されると(ステップS1)、制御部4は車載器10の特性情報を生成し、記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS2)。特性情報は、制御部4が表示部1eや記憶部1f等の各部に問い合わせるか、或いは予め記憶部1fに記憶されている情報を読み出す等して取得し、アップリンク情報記憶領域Mの対応する領域に書き込む。なお、実際には書込を指示する制御情報をDSRC制御部3aに出力し、このDSRC制御部3aがアップリンク情報記憶領域Mに書き込む。
【0059】
その後、車両Cが走行を開始、路側無線装置20の相互通信エリアZに進入すると(エリアイン)、路側無線装置20は車両Cを検出し、車載器10のDSRC部3とDSRC通信による接続処理を開始する(ステップS3a、S3b)。すなわち、路側無線装置20からDSRCの電波を送出し、車載器10からの応答が得られると、通信路を確立する。通信路を確立すると、路側無線装置20はセンター装置30に対し接続が完了した旨の通知情報を送信する(ステップS4a)。一方、車載器10のDSRC部3は制御部4に対し接続が完了した旨の通知情報を出力する(ステップS4b)。なお、DSRC接続時には、車載器10の記憶部3c等に記憶されている車載器10を識別するための車載器IDがセンター装置30に対して送信されている。
【0060】
次いで、路側無線装置20が車載器10のDSRC部3に対し、特性情報の送信要求を行うと、DSRC部3は記憶部3cのアップリンク情報記憶領域Mに書き込まれている特性情報を路側無線装置20に送信する(ステップS5)。特性情報は路側無線装置20を介してセンター装置30に送信される。
【0061】
センター装置30は、受信した特性情報に含まれる車載器IDを元に車載器10のユーザが配信サービスの会員か否かの認証を行った後、デフォルトのコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS6)。デフォルトのコンテンツ情報とは図9に示すように会員向けのウェルカム画面であったり、非会員にも提供される電車の遅延情報、納税通知情報等の公共の広告情報等の一般向けの内容の情報である。認証は会員データベースに登録されている車載器IDと一致するかどうかで判断し、会員であると認証された場合にはデフォルトのコンテンツ情報に加えて配信事業者の事業者コードの通知情報を車載器10に送信する。車載器10ではデフォルトのコンテンツ情報が記憶部1fに保存される。
【0062】
車載器10では、路側無線装置20を介して事業者コードの通知情報が受信されると、車載器10の制御部4は記憶部1fに記憶されているアップリンク情報に含まれる事業者コードと、通知された事業者コードとを照合し、一致する場合には正規の配信事業者であると判断し、制御部4は当該事業者コードに対応するアップリンク情報を記憶部1fから読み出してアップリンク情報記憶領域Mに書き込む(ステップS7)。前述のようにアップリンク情報は各配信事業者に応じて制御部4が生成し、更新を行っているので、配信事業者に応じた内容かつ最新の内容となっている。なお、照合した事業者コードが一致しない場合にはアップリンク情報の書込は行わずに処理を終了する。
【0063】
センター装置30は、デフォルトのコンテンツ情報を送信後、車載器10に対し定期的にポーリングを行って(ステップS8)、アップリンク情報記憶領域Mに書き込まれたアップリンク情報を要求する。
車載器10のDSRC部3は、センター装置30からのポーリングに応じてアップリンク情報記憶領域Mに記憶されているアップリンク情報を、路側無線装置20を介してセンター装置30に送信する(ステップS9)。
【0064】
センター装置30は、アップリンク情報を受信すると、当該アップリンク情報及び先に受信している特性情報に基づいて、車載器10に配信するコンテンツ情報を選択する(ステップS10)。例えば、特性情報に含まれる対応できる言語の情報が「日本語」であり、アップリンク情報に含まれる嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」等であれば、日本語対応であって嗜好情報のカテゴリが「洋画」や「アニメ」であるコンテンツ情報を選択する。
【0065】
次いで、センター装置30は選択したコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップS11)。車載器10ではセンター装置30からコンテンツ情報の受信を開始すると、配信状況表示処理を実行する(ステップS12)。配信状況表示処理については後述する。また、車載器10は受信を終了したコンテンツ情報を記憶部1fに保存する(ステップS13)。
【0066】
センター装置30では、配信すべきコンテンツ情報を全て配信すると配信終了を通知するメッセージ情報を制御部31が生成して車載器10に送信する(ステップS14)。この配信終了のメッセージ情報はユーザに対しエリアアウトを促すためのものであり、車載器10は受信したメッセージ情報を表示する。その後、一定時間路側無線装置20との通信が途絶えると、車載器10の制御部4は配信を終了したと判断してアップリンク情報を削除する制御を行う(ステップS15)。この制御に応じて、DSRC制御部3aはアップリンク情報記憶領域M内のアップリンク情報を削除する。
【0067】
次に、図10を参照して車載器10が実行する配信状況表示処理について説明する。配信状況表示処理は、コンテンツ情報を1つ受信する毎に実行し、受信中の1つのコンテンツ情報についての配信状況を示す処理である。
図10に示すように、車載器10においてコンテンツ情報の受信を開始すると、制御部4が内部タイマーによる計時を開始する(ステップa1)。次いで、制御部4は受信中のコンテンツ情報のヘッダ部H1を参照し、コンテンツ情報の実情報量を取得する(ステップa2)。なお、ヘッダ部H1には格納されている実情報量は、そのヘッダ部H1に係るコンテンツ情報の実情報量である。よって、センター装置30から例えば5つのコンテンツ情報が配信される場合であっても、ここで取得するのはコンテンツ情報5つ分の実情報量ではなく、5つのうち現在受信中の1つのコンテンツ情報の実情報量である。
【0068】
次いで、制御部4はコンテンツ情報の受信を開始してから現時点まで経過した時間を、内部タイマーから取得する(ステップa3)。そして、制御部4は現時点までに受信し終えた分のコンテンツ情報の情報量(以下、受信済み情報量という)を算出する。算出方法は公知の技術を用いればよい。例えば、コンテンツ情報はパケット配信されるので、DSRC通信部3bにおいて受信カウンタを設けて受信するパケット毎の受信量を求めればよい。そして、現時点での受信済み情報量と取得した経過時間とから下記式により受信速度を算出する(ステップa4)。
受信速度=受信済み情報量/経過時間
【0069】
また、制御部4は取得したコンテンツ情報の実情報量と、算出した受信速度とから、コンテンツ情報を受信し終えるまでに要する総時間を下記式により算出する(ステップa5)。
総時間=実情報量/受信速度
【0070】
さらに、制御部4は算出した総時間と、取得した経過時間とから、受信中のコンテンツ情報を受信し終えるまでの残り時間を下記式により算出する(ステップa6)。
残り時間=総時間/経過時間
【0071】
算出を終えると、制御部4は配信状況を示す表示画面を作成し、表示部1eに表示させる(ステップa7)。
図11は、受信状況を示す表示画面の一例である。
図11に示すように、制御部4は図9に示したウェルカム画面d1上に配信状況を示す情報を表示した表示画面d2を作成する。表示画面d2において配信状況を示す情報として算出した残り時間d21を表示させるとともに、受信中のコンテンツ情報の実情報量d22(△△MB)に対して受信済み情報量d23(○○MB)を示す情報を表示させる。また、その割合を示すインジケータd24を作成して表示させる。このインジケータd24の全体の長さは受信中のコンテンツ情報の実情報量を示し、そのうち受信済み情報量を目盛りで表している。
【0072】
表示後、制御部4は受信中のコンテンツ情報を全て受信し終えたかどうかを判断する(ステップa8)。受信を終えていない場合にはステップa3の処理に戻り、配信状況を示す情報の表示を繰り返し行う。すなわち、1つのコンテンツ情報の受信を完了すると、次に受信するコンテンツ情報について配信状況を示す情報の表示を繰り返す。
【0073】
全て受信し終えた場合は(ステップa8;Y)、受信状況を示す表示画面を非表示とする(ステップa9)。また、内部タイマーによる計時を停止し、計時していた経過時間をリセットすると(ステップa10)、本処理を終了する。受信し終えたコンテンツ情報は記憶部1fに保存される(図8のステップS13)。
【0074】
以上のように、第1実施形態によれば、センター装置30が配信対象であるコンテンツ情報毎の実情報量の情報をヘッダ部H1に書き込んで付加し、車載器10に送信する。車載器10では、受信中の各コンテンツ情報のヘッダ部H1から得られる実情報量の情報に基づいて、受信中の各コンテンツ情報について配信状況を示す情報を作成し、表示する。これにより、ユーザに対しコンテンツ情報の配信状況について情報提供することができる。
【0075】
車載器10は、配信状況を示す情報として、コンテンツ情報のヘッダ部H1から取得した実情報量の情報を表示する。これにより、ユーザはどのくらいの大きさのコンテンツ情報を受信するのかを知ることができ、受信に要する時間を推測することができる。
【0076】
また、車載器10は、既に受信済み情報量を判断し、配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザはどのくらい受信が終了したのかを知ることができ、あとどれぐらいで終了するのかを推測することができる。
【0077】
車載器10は、コンテンツ情報の受信速度を算出し、算出した受信速度と、コンテンツ情報の実情報量とから、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を算出し、配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザはあとどのぐらい待機すればいいのかを用意に把握することができる。
【0078】
なお、上記第1実施形態では、車載器10において受信中のコンテンツ情報のヘッダ部H1に格納されている実情報量に基づき、個々のコンテンツ情報についての配信状況を示す例を示した。これによれば、配信されるコンテンツ情報が複数ある場合でも、個々のコンテンツ情報についての配信状況のみ示すことになるが、これに限らず、配信される全コンテンツ情報についての配信状況を示す構成としてもよい。例えば、センター装置30においてアップリンク情報等に基づき配信対象のコンテンツ情報を選択した後、選択した全コンテンツ情報の総情報量を算出する。そして、この総情報量の情報を、配信する先頭のコンテンツ情報のヘッダ部H1に追記して車載器10に送信する。車載器10では先頭のコンテンツ情報から総情報量の情報を取得し、配信される全コンテンツ情報の総情報量を配信状況を示す情報として表示する。これにより、ユーザは個々のコンテンツ情報についての配信状況のみならず、配信される全てのコンテンツ情報がどのぐらいの情報量であるのか把握することができ、どれだけ時間を要するのかを推測することができる。
【0079】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、センター装置において配信状況を示す情報を作成し、車載器が表示する例を説明する。
第2実施形態に係る配信システムの構成は第1実施形態と同一であり、動作が異なるのみである。よって、同一の構成部には同一の符号を付し、異なる動作部分のみ説明する。
【0080】
図12は、コンテンツ情報を配信する際のセンター装置30、路側無線装置20、車載器10の処理の流れを示すフローチャートである。
図12に示すステップS1〜S10、S13〜S15の処理は、第1実施形態において図8を参照して説明したステップS1〜S10、S13〜S15と同一の処理である。よって、ステップS1〜S10、S13〜S15の処理については説明を省略し、第2実施形態に特徴的な図12のステップS21、S22についてのみ説明する。
【0081】
すなわち、図12に示すようにセンター装置30においてコンテンツ情報の選択がなされると(ステップS10)、センター装置30ではコンテンツ情報送信処理を実行する(ステップS21)。
図13を参照してコンテンツ情報送信処理について説明する。この処理はコンテンツ情報を送信するとともに、配信する一又は複数のコンテンツ情報についての配信状況を示す情報を作成して送信する処理である。
【0082】
図13に示すように、センター装置30では制御部31が配信するものとして選択されたコンテンツ情報の編集を行う(ステップb1)。編集とは情報の変更、追加、削除をいう。選択したものによって情報に不整合が生じる等し、情報の編集が必要になる場合があるからである。
【0083】
例えば、編集が必要なものとしてID=30の遷移情報に含まれる次再生情報コードが挙げられる。コンテンツ情報には他のコンテンツ情報と関連して再生するものがあり、他のコンテンツ情報と階層構造を形成する。例えば、「エンターテイメント」のカテゴリのコンテンツ情報を頂点として、「映画」、「音楽」、「ゲーム」等のカテゴリのコンテンツ情報が従属し、「映画」のカテゴリにはさらに「邦画」、「洋画」、「アニメ」等のカテゴリのコンテンツ情報が従属している。次再生情報コードはこのような階層構造において次に再生すべきコンテンツ情報の情報コードを示す情報である。
【0084】
センター装置30ではコンテンツ情報を配信する際、アップリンク情報に含まれる嗜好カテゴリに応じたコンテンツ情報を選択する。上記の例でいえば、嗜好情報カテゴリが「洋画」である場合、「エンターテイメント」、「映画」、「洋画」のコンテンツ情報が選択される。しかし、「映画」のコンテンツ情報には次再生情報コードとして「邦画」のコンテンツ情報の情報コードも含まれているはずである。よって、この場合は「映画」のコンテンツ情報の次再生情報コードから「邦画」の情報コードを削除する編集を行う。このように、次再生情報コードだけでなく、他の情報においても配信時に調整する必要がある場合があるので、ここで情報の編集を行う。
【0085】
次に、制御部31は選択した全コンテンツ情報の総情報量を算出する(ステップb2)。制御部31は編集後の個々のコンテンツ情報の実情報量を算出し、その総和を総情報量とする。算出式は下記式で表される。
総情報量=Σ(各コンテンツ情報の情報量)
【0086】
次いで、制御部31は各コンテンツ情報の構成IDの情報を書き込む(ステップb3)。すなわち、構成ID(ID=00)の領域に、編集後のコンテンツ情報に含まれる項目情報のIDを書き込む。また、ヘッダ部H1にコンテンツ情報の実情報量を書き込み、付加させる。書込を終えると、制御部31は通信部35によるコンテンツ情報の送信を開始させる(ステップb4)。また、送信の開始と同時に内部タイマーによる計時を開始する(ステップb5)。
【0087】
コンテンツ情報の送信を開始後、制御部31は内部タイマーにより取得した経過時間の情報を取得する(ステップb6)。次いで、制御部31は既に送信した分のコンテンツ情報の情報量(以下、送信済み情報量という)を判断し、この送信済み情報量と、送信開始からの経過時間とから、下記式によりコンテンツ情報の送信速度を算出する(ステップb7)。
送信速度=送信済み情報量/経過時間
【0088】
また、制御部31は配信する全てのコンテンツ情報の総情報量と、算出した送信速度とから、全てのコンテンツ情報を送信し終えるまでに要する総時間を算出する(ステップb8)。算出式は下記の通りである。
総時間=総情報量/送信速度
【0089】
さらに、制御部31は算出した総時間と、取得した経過時間とから、全てのコンテンツ情報を送信し終えるまでの残り時間を算出する(ステップb9)。算出式は下記の通りである。
残り時間=総時間−経過時間
【0090】
以上を算出すると、制御部31はコンテンツ情報の配信状況を示す静止画のコンテンツを作成する。そして、このコンテンツを含む通知用のコンテンツ情報を作成し、当該コンテンツ情報の情報提供(ID=02)の項目において、即時再生を示すコードを書き込んで当該コンテンツ情報が即時型であることを指定する(ステップb10)。
【0091】
図14に、配信状況を示す静止画のコンテンツ例を示す。なお、ここでは静止画のコンテンツを作成する例を説明するが、文字や音声、動画等の他のコンテンツやこれらを組合せて作成してもよい。
図14に示す静止画d3の内容は、第1実施形態において図11を参照して説明した内容と基本的に同じである。つまり、静止画d3には制御部31が算出した残り時間d31、全てのコンテンツ情報の総情報量d32に対する送信済み情報量d33を示す割合、その割合を図示したインジケータd34が含まれる。第1実施形態と異なるのは、第1実施形態では表示するコンテンツ情報の情報量が受信した個々のコンテンツ情報の情報量であるのに対し、第2実施形態では配信するコンテンツ情報全てを総和した情報量であることである。
【0092】
第1実施形態では車載器10側でコンテンツ情報の情報量をコンテンツ情報のヘッダ部H1の情報から判断しているため、個々のコンテンツ情報の情報量しか判断できない。よって、複数のコンテンツ情報が配信された場合でも車載器10において示される配信状況は個々のコンテンツ情報についての配信状況となる。一方、第2実施形態では、センター装置30側で配信対象の全コンテンツ情報を把握することができるため、配信対象が複数ある場合には全コンテンツ情報についての配信状況を示すことができる。この点が第1実施形態とは異なる点となる。
【0093】
次いで、制御部31は通知用のコンテンツ情報を送信可能なタイミングかどうかを判断する(ステップb11)。例えば、あるコンテンツ情報を送信中に割り込んで配信することがないよう、1つのコンテンツ情報を送信し終えるタイミングも判断する。また、所定時間毎に送信する、コンテンツ情報を1つ送信する毎に送信する等、送信するタイミングが予め定められている場合には、そのタイミングかどうかを判断する。送信するタイミング自体は適宜設定できることとする。通知用のコンテンツ情報は送信する頻度が多すぎると、車載器10側で表示が見づらくなること等も考えられるので、必要性を考慮してタイミングを設定すればよい。
【0094】
送信可能なタイミングであると判断した場合には(ステップb11;Y)、通信部35により通知用のコンテンツ情報を車載器10に送信する(ステップb12)。車載器10送信後、制御部31は配信するものとして選択した全てのコンテンツ情報を送信し終えたか否かを判断する(ステップb13)。未送信のものがあれば(ステップb13;N)、ステップb6の処理に戻り、通知用のコンテンツ情報の作成を繰り返す。すなわち、現時点での送信状況に応じて、残り時間や送信済み情報量等を算出し直して通知用のコンテンツ情報を作成する。
【0095】
一方、全てのコンテンツ情報を送信し終えた場合(ステップb13;Y)、制御部31は内部タイマーによる計時を停止し、リセットして(ステップS14)、本処理を終了する。
【0096】
以上の処理により送信されるコンテンツ情報と通知用のコンテンツ情報とを、図15に示す。
図15において符号C1〜C3で示すのは配信対象として選択されたコンテンツ情報であり、符号E1、E2で示すのは通知用のコンテンツ情報である。図15では、コンテンツ情報C1〜C3を配信する毎に、通知用のコンテンツ情報E1、E2を配信する例を示している。すなわち、コンテンツ情報E1は未送信のコンテンツ情報C2、C3を送信するのに要する残り時間、コンテンツ情報C1〜C3の総情報量、既に送信を終えたコンテンツ情報C1の送信済み情報量等を示すコンテンツを含んでいる。同様に、コンテンツ情報E2のコンテンツには未送信のコンテンツ情報C3を送信するのに要する残り時間と、コンテンツ情報C1〜C3の総情報量、既に送信を終えたコンテンツ情報C1、C2の送信済み情報量等が含まれることとなる。
【0097】
本来ならば、コンテンツ情報C1〜C3は、コンテンツ情報C1、C2、C3の順に送信されるところ、通知用のコンテンツ情報E1、E2が割込みで送信されることとなる。よって、図15に示すように、コンテンツ情報C1、E1、C2、E2、C3の順に送信が行われる。通知用のコンテンツ情報E1、E2は前述のように即時再生の指定がなされているので、車載器10側では通知用のコンテンツ情報E1、E2の受信を完了した時点で当該通知用のコンテンツ情報E1、E2を即時に再生する。
【0098】
以上のように、第2実施形態によれば、センター装置30はコンテンツ情報を送信する際に、配信対象の全コンテンツ情報についての配信状況を示す情報を作成し、車載器10に送信し、車載器10がこれを表示する。これにより、ユーザにコンテンツ情報の配信状況についての情報提供を行うことができる。
【0099】
センター装置30は配信状況を示す情報として、配信するコンテンツ情報の総情報量の情報を送信するので、ユーザは配信されるコンテンツ情報がどのぐらいの大きさなのかを把握することができ、受信にどの程度の時間がかかるのかを推測することができる。
【0100】
センター装置30は、配信状況を示す情報として、既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を送信するので、ユーザは配信がどの程度終えたのかを把握することができる。
【0101】
また、センター装置30はコンテンツ情報の送信速度を算出し、送信速度とコンテンツ情報の総情報量とからコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出して、これを配信状況を示す情報として送信する。これにより、ユーザはあとどのぐらいで配信が終了するのかを容易に把握することができる。
【0102】
また、センター装置30は配信状況を示す情報を、コンテンツ情報として作成して車載器10に送信するので、車載器10はコンテンツ情報として再生することにより配信状況を示す情報を表示することができる。
【0103】
なお、上記第1及び第2実施形態は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、センター装置30ではコンテンツ情報は予め作成しておいたものを保有し、配信時にはその中から選択したコンテンツ情報を送信する例を説明したが、これに限らず、配信時にコンテンツ情報を作成することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本実施形態における配信システムを示す図である。
【図2】図1の路側無線装置の相互通信エリアを説明する図である。
【図3】図1の車載器の機能的構成を示す図である。
【図4】図1のセンター装置の機能的構成を示す図である。
【図5】コンテンツ情報の構成を示す図である。
【図6】コンテンツ情報のヘッダ部の例を示す図である。
【図7】コンテンツ情報の実情報部の例を示す図である。
【図8】第1実施形態に係る配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際の処理の流れを説明する図である。
【図9】デフォルトのコンテンツ情報を再生したときの表示画面例である。
【図10】車載器で実行される配信状況表示処理の流れを示す図である。
【図11】受信状況を示す表示画面例である。
【図12】第2実施形態に係る配信システムにおいてコンテンツ情報を配信する際の処理の流れを説明する図である。
【図13】センター装置で実行されるコンテンツ情報送信処理の流れを示す図である。
【図14】送信状況を示す静止画例である。
【図15】配信されるコンテンツ情報及び通知用のコンテンツ情報を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
100 配信システム
10 車載器
1 カーナビ部
1a カーナビ制御部
1e 表示部
1f 記憶部
3 DSRC部
3b DSRC通信部
3c 記憶部
5 IP通信部
M アップリンク情報記憶領域
4 制御部
20 路側無線装置
30 センター装置
31 制御部
34 記憶部
35 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の配信時に当該配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する配信システム。
【請求項2】
前記配信状況を示す情報は、受信中のコンテンツ情報の情報量又は受信中のコンテンツ情報のうち受信を終えた分のコンテンツ情報の受信済み情報量の情報を含み、
前記車載器は、前記センター装置から既に受信を終えたコンテンツ情報の受信済み情報量を算出し、配信状況を示す情報として、受信中のコンテンツ情報について前記センター装置から受信したコンテンツ情報の情報量又は算出した受信済み情報量の情報を表示する請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記配信状況を示す情報は、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を含み、
前記車載器は、受信中のコンテンツ情報の受信速度を算出するとともに、算出した受信速度と、前記受信したコンテンツ情報の情報量を示す情報とに基づいて、受信中のコンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間を算出し、配信状況を示す情報として算出した残り時間の情報を表示する請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の情報量を示す情報を、当該コンテンツ情報のヘッダ部に付加して送信し、
前記車載器は、前記サーバからコンテンツ情報を受信すると、当該コンテンツ情報のヘッダ部から当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を取得する請求項1〜3の何れか一項に記載の配信システム。
【請求項5】
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、コンテンツ情報を配信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置から受信したコンテンツ情報の配信状況を示す情報を表示する配信システム。
【請求項6】
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち送信を終えた分のコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量を算出し、算出した総情報量又は送信済み情報量の情報を前記車載器に送信する請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報を送信し終えるのに要する時間の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を算出するとともに、コンテンツ情報の送信速度を算出し、算出した情報量及び送信速度を用いてコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出し、当該残り時間の情報を前記車載器に送信する請求項5又は6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記センター装置は、前記配信状況を示す情報を含む通知用のコンテンツ情報を作成し、前記車載器に送信する請求項5〜7の何れか一項に記載の配信システム。
【請求項9】
センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、
センター装置から配信されるコンテンツ情報及び当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を受信する通信手段と、
表示手段と、
前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記表示手段に表示する制御手段と、
を備える車載器。
【請求項10】
車載器にコンテンツ情報を配信するセンター装置において、
車載器にコンテンツ情報を送信する通信手段と、
前記コンテンツ情報を送信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置。
【請求項1】
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の配信時に当該配信するコンテンツ情報の情報量を示す情報を前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、表示する配信システム。
【請求項2】
前記配信状況を示す情報は、受信中のコンテンツ情報の情報量又は受信中のコンテンツ情報のうち受信を終えた分のコンテンツ情報の受信済み情報量の情報を含み、
前記車載器は、前記センター装置から既に受信を終えたコンテンツ情報の受信済み情報量を算出し、配信状況を示す情報として、受信中のコンテンツ情報について前記センター装置から受信したコンテンツ情報の情報量又は算出した受信済み情報量の情報を表示する請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記配信状況を示す情報は、コンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間の情報を含み、
前記車載器は、受信中のコンテンツ情報の受信速度を算出するとともに、算出した受信速度と、前記受信したコンテンツ情報の情報量を示す情報とに基づいて、受信中のコンテンツ情報の受信を終えるのに要する残り時間を算出し、配信状況を示す情報として算出した残り時間の情報を表示する請求項1又は2に記載の配信システム。
【請求項4】
前記センター装置は、前記コンテンツ情報の情報量を示す情報を、当該コンテンツ情報のヘッダ部に付加して送信し、
前記車載器は、前記サーバからコンテンツ情報を受信すると、当該コンテンツ情報のヘッダ部から当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を取得する請求項1〜3の何れか一項に記載の配信システム。
【請求項5】
コンテンツ情報を配信するセンター装置と、前記センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器と、を含む配信システムにおいて、
前記センター装置は、コンテンツ情報を配信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記車載器に送信し、
前記車載器は、前記センター装置から受信したコンテンツ情報の配信状況を示す情報を表示する配信システム。
【請求項6】
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち送信を終えた分のコンテンツ情報の送信済み情報量の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の総情報量又は配信するコンテンツ情報のうち既に送信を終えたコンテンツ情報の送信済み情報量を算出し、算出した総情報量又は送信済み情報量の情報を前記車載器に送信する請求項5に記載の配信システム。
【請求項7】
前記配信状況を示す情報は、配信するコンテンツ情報を送信し終えるのに要する時間の情報を含み、
前記センター装置は、配信するコンテンツ情報の情報量を算出するとともに、コンテンツ情報の送信速度を算出し、算出した情報量及び送信速度を用いてコンテンツ情報の送信を終えるのに要する残り時間を算出し、当該残り時間の情報を前記車載器に送信する請求項5又は6に記載の配信システム。
【請求項8】
前記センター装置は、前記配信状況を示す情報を含む通知用のコンテンツ情報を作成し、前記車載器に送信する請求項5〜7の何れか一項に記載の配信システム。
【請求項9】
センター装置から配信されるコンテンツ情報を受信する車載器において、
センター装置から配信されるコンテンツ情報及び当該コンテンツ情報の情報量を示す情報を受信する通信手段と、
表示手段と、
前記センター装置からコンテンツ情報の受信を開始すると、当該コンテンツ情報について前記センター装置から受信した情報量を示す情報に基づいて、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記表示手段に表示する制御手段と、
を備える車載器。
【請求項10】
車載器にコンテンツ情報を配信するセンター装置において、
車載器にコンテンツ情報を送信する通信手段と、
前記コンテンツ情報を送信する際、当該コンテンツ情報の配信状況を示す情報を作成し、前記通信手段により前記車載器に送信する制御手段と、
を備えるセンター装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−231963(P2009−231963A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72271(P2008−72271)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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