説明

電気光学装置用基板、実装構造体及び電子機器

【課題】電気光学装置を構成する電気光学パネルのパネル基板と電子部品との実装構造において、安定した導電接続状態を実現し、電気光学装置の電気的信頼性を向上させることのできる実装構造を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置用基板は、電気光学装置を構成するためのパネル基板111と、該パネル基板上において凸状に形成された弾性変形可能な樹脂コア層116a及び該樹脂コア層の少なくとも頂部を被覆する電極層116bを備えた突起電極116と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気光学装置用基板、実装構造体及び電子機器に係り、特に、電気光学装置のパネル基板の表面構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示体などの電気光学装置としては、電気光学パネルのパネル基板上に複数の電極端子を形成するとともに、これらの電極端子上に集積回路チップやフレキシブル配線基板を実装してなる実装構造を具備するものがある。このような電気光学装置では、従来、微細な導電性粒子を樹脂基材中に分散させてなる異方性導電膜(ACF)を介した実装構造が一般的に用いられていた。ところが、近年の装置の小型化・薄型化に伴う端子の狭ピッチ化によって、上記導電性粒子による隣接端子間のショート不良の虞が高まってきている。このようなショート不良を回避するためには導電性粒子の小径化を図ることが考えられたが、これにより異方性導電膜のコストが増大するとともに、弾性変形量を確保できなくなるため、安定した導電接続状態を得ることができなくなることが予想される。
【0003】
そこで、たとえば、2つの基板上の一方に弾性樹脂よりなる樹脂コア層を含む突起電極を設け、この樹脂コア層が弾性変形して突起電極とパネル基板上の電極端子とが導電接続された導電接続状態を、パネル基板と電子部品の接着固定によって維持する方法が提案されている(たとえば、以下の特許文献1参照)。また、半導体素子の能動面上に、樹脂製の突出体上に複数の導電体をまたがった状態で配設してなる外部接続突起構造も提案されている(以下の特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5−160536号公報
【特許文献2】特開2001−110831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述の実装構造を採用した電気光学装置においては、一般的に集積回路チップ上に形成された通常の突起電極(バンプ電極)を上記の樹脂コア層を備えた突起電極に置き換えることで対応していた。すなわち、集積回路チップ上に樹脂コア層を有する突起電極を設けて、これをパネル基板上の電極端子上に実装した構造が採用されていた。
【0005】
しかしながら、上記の実装構造では、ガラス等の硬質素材よりなるパネル基板上の電極端子として、配線層を被覆する絶縁膜の一部を開口させて配線層の一部を露出させ、当該露出した部分をITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体で被覆したものが用いられていたために電極端子の硬度が高く変形しにくいことから、集積回路チップの突起電極とパネル基板上の電極端子の間に接着用の樹脂が一部残存したり、接触面積が十分に確保できなかったりすることにより、接触抵抗がばらつき、安定した導電接続状態を得ることが難しいといった問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、電気光学装置を構成する電気光学パネルのパネル基板と電子部品との実装構造において、安定した導電接続状態を実現し、電気光学装置の電気的信頼性を向上させることのできる実装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる実情に鑑み、本発明の電気光学装置用基板は、電気光学装置を構成するためのパネル基板と、該パネル基板上において凸状に形成された弾性変形可能な樹脂コア層及び該樹脂コア層の少なくとも頂部を被覆する電極層を備えた突起電極と、を具備することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、パネル基板上に凸状の樹脂コア層を備えた突起電極を設けることで、当該パネル基板上に電子部品を実装する際に、パネル基板側が凸状でしかも変形しやすい電極となることから、電極間(突起電極と電子部品の部品側端子との間)に接着用の樹脂が残存しにくくなったり十分な接触面積を確保することが容易になったりするため、安定した導電接続状態を得ることができ、実装部の電気的信頼性を高めることができる。
【0009】
本発明において、前記パネル基板上に形成された配線層と、該配線層を被覆する絶縁層とをさらに具備し、前記樹脂コア層が前記絶縁層上に形成され、前記電極層が前記絶縁層に設けられた開口部を通して前記配線層に導電接続されていることが好ましい。これによれば、従来のパネル基板上の電極端子構造をそのまま利用して樹脂コア層を有する突起電極を形成することができる。
【0010】
本発明において、前記パネル基板上に形成された配線層と、該配線層を被覆する絶縁層とをさらに具備し、前記樹脂コア層の上に前記配線層の一部が乗り上げることで前記電極層として構成され、前記絶縁層に形成された開口部内に前記突起電極が形成されていることが好ましい。これによれば、配線層の一部がそのまま突起電極を構成する電極層となることから、電極層を形成する工程を別途設ける必要がなくなり工数を低減できるとともに、配線層と電極層の導電接続構造を別途設ける必要もなくなるので、狭ピッチ化により対応しやすい構造となる。
【0011】
本発明において、前記電極層の表面上に透明導電膜よりなる表面保護層が形成されることが好ましい。これによれば、透明導電膜よりなる表面保護層を形成することで、電極層の腐食や汚染等を回避することができる。この透明導電膜による表面保護層は、電気光学パネルに形成される透明電極の形成工程において同時に形成することができる。
【0012】
次に、本発明の実装構造体は、パネル基板を含む電気光学パネルと、前記パネル基板上に実装された電子部品とを具備する実装構造体であって、前記パネル基板上において凸状に形成された弾性変形可能な樹脂コア層及び該樹脂コア層の少なくとも頂部を被覆する電極層を備えた突起電極を有し、前記電子部品に設けられた部品側端子に前記電極層が導電接続され、前記樹脂コアが圧縮変形された状態で前記パネル基板と前記電子部品が接着されていることを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記部品側端子は、前記突起電極に対する接触面よりも広い端子表面を備えていることが好ましい。部品側端子が突起電極に対する接触面よりも広い端子表面を備えていることで、突起電極と部品側端子との間に接着用樹脂が残存することをさらに確実に防止できる。
【0014】
次に、本発明の電子機器は、上記に記載の実装構造体を搭載したことを特徴とする。電子機器に搭載する実装構造体としては、電気光学パネルに集積回路チップやフレキシブル配線基板等の電子部品を搭載してなる電気光学装置が挙げられる。特に、当該電気光学装置を表示体として備えた表示部を有する電子機器、たとえば、携帯電話、携帯型情報端末、電子時計、テレビジョン受像機、カーナビゲーションシステムなどが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、第1実施形態の電気光学装置100の全体構成を示す概略平面図である。本実施形態は、電気光学パネル110と、該電気光学パネル110を構成する一方のパネル基板111上に実装された集積回路チップ(半導体)120と、パネル基板111上に実装されたフレキシブル配線基板130とを有する。
【0016】
電気光学パネル110は、たとえば液晶表示パネルであり、ガラスやプラスチック等よりなるパネル基板111と112を図示しないシール材等を介して貼り合わせ、その間に液晶等の電気光学物質を配置したものである。両基板に挟まれた表示領域100A内には多数のサブ画素が形成され、これらのサブ画素はそれぞれ対向配置される電極等よりなる電極印加構造(図示せず)によって独立して制御可能に構成されている。
【0017】
一方のパネル基板111は他方のパネル基板112より外側に張り出した基板張り出し部111Tを備え、この基板張り出し部111T上には、上記表示領域100A内から引き出された複数の配線層113と、基板張り出し部の端縁部に配置された複数の入力配線層114とが形成されている。配線層113は上記集積回路チップ120の端子と導電接続され、入力配線層114は集積回路チップ120とフレキシブル配線基板130とを導電接続するように両者間に接続されている。配線113及び入力配線114はそれぞれアルミニウム、チタン、クロム等の金属又は合金よりなる金属膜で構成される。
【0018】
図2は集積回路チップ120の実装前における、基板張り出し部111T上の配線層113の端部に形成された突起電極と、集積回路チップ120の端子とを対応させて示す拡大部分平面図、図3はその拡大部分断面図である。
【0019】
本実施形態において、パネル基板111の基板張り出し部111T上には、上記のように複数の配線層113が配列し、これらの配線層113上を酸化シリコン、窒化シリコン等よりなる絶縁層115が被覆している。絶縁層115上にはアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の(後述する実装時に印加される応力で弾性変形可能な)弾性樹脂よりなる凸状の樹脂コア層116aと、該樹脂コア層116aの少なくとも頂部上に形成された電極層116bとを含む突起電極116が形成されている。電極層116bはアルミニウム、チタン、クロム等の金属若しくは合金よりなる金属膜で構成されている。この電極層116bはITO等の透明導電体よりなる表面保護層116cで被覆されている。
【0020】
電極層116は樹脂コア層116a上から所定方向(図示例では配線層113に沿った方向)に延在した帯状に構成され、樹脂コア層116aの形成されていない領域で上記絶縁層115に形成された開口部115aを介して配線層113の一部と導電接続されている。
【0021】
一方、集積回路チップ120の基板121の表面(能動面)上には配線層122が形成され、この配線層122上に絶縁層123が形成されている。絶縁層123には開口部123aが設けられ、この開口部123a内において露出した配線層122上に端子124が形成されている。ここで、端子124は従来の突起電極ではなく、絶縁層123の開口部123a内に露出した平坦な導電体で構成される。端子124は上記突起電極116の頂部の面積よりも広い端子面積を有している。
【0022】
図4は上記集積回路チップ120をパネル基板111の基板張り出し部111T上に実装した後の状態を示す拡大部分断面図である。図3に示す状態において、たとえば熱硬化性樹脂よりなる未硬化樹脂フィルムをパネル基板111と集積回路チップ120の間に配置し、集積回路チップ120を加熱しながら(さらには必要に応じてパネル基板111も加熱しながら)、パネル基板111に集積回路チップ120を押し付け、加圧する。これによって未硬化樹脂は一時的に軟化し、上記端子124は突起電極116に押し付けられる。ここで、突起電極116は軟化した樹脂125を周囲に押し分けながら最終的に端子124に当接し、上記の加圧力によって樹脂コア層116aが変形した状態となる。通常、樹脂コア層116aは弾性変形し、その弾性復元力によってコンタクト圧が維持された状態で端子124と突起電極116とが導電接続される。そして、この状態で一時的に軟化した樹脂125が硬化することにより、集積回路チップ120がパネル基板111上に接着固定される。
【0023】
図4に示すように、実装後においては、端子124は突起電極116の頂部と当接し、導電接続された状態とされるが、突起電極116が凸状に構成されているので、上記樹脂125が端子124と突起電極116の間に残存しにくくなり、接続不良や接触抵抗のばらつきなどを低減することができる。端子124の端子面は突起電極116に対する接触面より広い端子面積を有し、図示のように、当該接触面の全周に突起電極116に接触していない領域を備えていることが好ましい。このように構成すると、端子124の端子面と突起電極116との間に樹脂125がさらに残存しにくくなり、実装部分の導電接続状態の確実性及び再現性を高めることができるので、電気的信頼性を向上させることができる。
【0024】
なお、本実施形態では、配線層113を被覆する絶縁層115上に上記樹脂コア層116aを形成しているが、パネル基板111又は配線層113上に樹脂コア層116aを形成し、その後に絶縁層115を形成しても構わない。また、突起電極116は配線層113の端部近傍に設けられたものとして説明してきたが、これと同様に、入力配線114の出力端の近傍にも同様に集積回路チップ120の端子に導電接続されるべき突起電極を上記と同様の構造で形成することができる。
【0025】
次に、図5及び図6を参照して本実施形態におけるパネル基板111とフレキシブル配線基板130との実装構造について説明する。図5は、フレキシブル配線基板130の実装前における、基板張り出し部111T上の入力配線層114の端部に形成された突起電極117と、フレキシブル配線基板130の端子とを対応させて示す拡大部分平面図、図6はその拡大部分断面図である。
【0026】
この実装構造においても、パネル基板111上には突起電極117が形成され、この突起電極117は、上記入力配線層114の入力端子として構成されている。突起電極117は、上記絶縁層115上に形成された樹脂コア層117aと、入力配線層114に対して絶縁層115の開口部115bを通して導電接続されるとともに、上記樹脂コア層117aの少なくとも頂部上まで延在する帯状の電極層117bと、この電極層117b上を被覆する表面保護層117cとを備えている。
【0027】
一方、フレキシブル配線基板130は、ポリイミド樹脂等よりなる基材層131と、この基材層131に沿って形成された複数の配線層132と、配線層132を被覆するカバー層133とを有する。配線層132は基板端部においてカバー層133から露出し、その表面にAuめっき等の表面導電層を備えることで端子134として構成される。この端子134は基材層131の図示下面より突出するとともに、突起電極117の幅よりも少なくとも配線層132の延長方向に広い範囲にわたる端子面を備えている。なお、パネル基板111上に対するフレキシブル配線基板130の実装方法は、上記の集積回路チップ120の実装方法と同様の方法とすることができる。
【0028】
本実施形態において、上記パネル基板111上の突起電極116、117は、パネル基板111上の上記表示領域100A内の構造を形成するための複数の工程と並行して形成することができる。たとえば、配線層113及び入力配線層114の形成工程は、表示領域100A内の電極若しくは配線層と同時に形成することができる。また、絶縁層115は、表示領域100A内の層間絶縁膜と同時に形成することができる。なお、この工程においては開口部115a、115bも同時に形成される。
【0029】
また、樹脂コア層116a、117aの形成工程は、通常、表示領域100A内の構造とは別途の工程で形成するが、たとえば、アクリル樹脂などの透明樹脂層などで構成される平坦化膜、或いは、カラーフィルタの表面保護膜などと同時に形成することもできる。ただし、一般的には、樹脂コア層116a、117aは5〜20μm程度の厚みとされるので、当該厚みを複数の層形成工程で積層させることで得るようにしてもよい。樹脂コア層116a、117aの形成工程では、たとえば、パネル基板上に感光性樹脂層を塗布し、これを露光した後に現像することで形成する方法を用いることが好ましい。
【0030】
[第2実施形態]
次に、図7及び図8を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。図7は第2実施形態の集積回路チップ120の実装前における、基板張り出し部111T上の配線層113′の端部に形成された突起電極116′と、集積回路チップ120の端子とを対応させて示す拡大部分平面図、図8はその拡大部分断面図である。なお、本実施形態において、配線層113′、及び、突起電極116′以外は第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0031】
本実施形態では、パネル基板111の表面上に樹脂コア層116a′が形成され、パネル基板111上に形成された配線層113′の一部が樹脂コア層116a′上に乗り上げた状態とされている。樹脂コア層116a′上に乗り上げた部分は電極層116b′とされ、この電極層116b′は樹脂コア層116a′の少なくとも頂部上に配置されている。また、樹脂コア層116a′上に乗り上げた部分以外の配線層113′上は絶縁層115で被覆されている。
【0032】
電極層116b′はITO等よりなる透明導電体からなる表面保護膜116c′で被覆され、上記樹脂コア層116a′、電極層116b′及び表面保護層116c′によって突起電極116′が構成される。
【0033】
本実施形態では、配線層113′が樹脂コア層116a′上にそのまま乗り上げて電極層116b′を構成している点で先に説明した実施形態とは異なる。そして、絶縁層115に形成された開口部115a内に突起電極116′が形成されている。ここで、配線層113′のパネル基板111上に配置される部分と、電極層116b′を構成する部分とが別々の工程で形成されたものであってもよく、たとえば、パネル基板111上に配線層113′を形成し、その後、配線層113′を形成していないパネル基板111上に樹脂コア層116a′を形成し、その後、電極層116b′を上記配線層113′と一部重なるようにして導電接続させた状態で、樹脂コア層116a′上に形成するといった方法で形成してもよい。このような方法であっても、配線層113′と導電接続された電極層116b′が樹脂コア層116b′上に乗り上げた状態とされ、結果的に上記構造と同じになる。
【0034】
本実施形態では、配線層113′或いはこれと導電接続された電極層116b′が樹脂コア層116a′上に乗り上げた構造を有するため、第1実施形態のように配線層113と電極層116bとを導電接続するための開口部を絶縁層115に設ける必要がなく、したがって、実質的な突起電極116′の占有面積を低減することができるため、狭ピッチの実装構造においても容易に形成することができる。
【0035】
また、上記のように配線層113′の一部が電極層116b′となるように構成することで、電極層116b′の専用の製造工程(成膜段階、マスク形成段階、パターニング段階)が不要になるため、製造コストを低減することができる。
【0036】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、端子124の端子面を突起電極116′に対する接触面より広く形成し、特に、突起電極116′に対する接触面の全周に突起電極116′に接触していない部分が存在するように構成することが望ましい。また、第1実施形態と同様に、本実施形態の上記突起電極116′と同じ構造をパネル基板111に対するフレキシブル配線基板130の実装部に(第1実施形態の突起電極117の代わりに)用いることも可能である。
【0037】
図9及び図10は、第1実施形態の突起電極116及び第2実施形態の突起電極116′の変形例を示す拡大部分平面図である。これらの図に示す構成では、上記樹脂コア層116a、116a′が配列された複数の電極端子116、116′に亘って一体に構成されている。すなわち、複数の電極端子116、116′は、配列方向に延在する共通の樹脂コア層116a、116a′上にそれぞれ分離した状態の複数の電極層116b、116b′(さらに表面保護層116c、116c′)が形成された構造を有している。なお、第1及び第2実施形態において、樹脂コア層117aを上記と同様に複数の突起電極117にわたり一体に構成してもよい。
【0038】
[電子機器]
最後に、図11及び図12を参照して、上述した各実施形態に係る電気光学装置を電子機器に搭載してなる実施形態について説明する。この電子機器は、上記電気光学装置100を表示部に搭載してなる電子機器であり、図11は、電子機器における電気光学装置100に対する制御系(表示制御系)の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、表示情報出力源291と、表示情報処理回路292と、電源回路293と、タイミングジェネレータ294と、バックライト140への電力供給を行う光源制御回路295とを含む表示制御回路290を有する。また、電気光学装置(液晶表示装置)100には、上述の構成を有する電気光学パネル110と、この電気光学パネル110を駆動する駆動回路120と、電気光学パネル110を照明するためのバックライト140とが設けられている。この駆動回路120は、上記のように電気光学パネル110に直接実装されている電子部品で構成されるが、上記のような態様の他に、電気光学パネル110の基板表面上に形成された回路パターン、或いは、電気光学パネル110に導電接続された回路基板、上記のフレキシブル配線基板130などの他の電子部品上に実装された半導体ICチップ若しくは回路パターンなどによっても構成することができる。
【0039】
表示情報出力源291は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ294によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路292に供給するように構成されている。
【0040】
表示情報処理回路292は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路120へ供給する。駆動回路120は、走査線駆動回路、信号線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路293は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0041】
光源制御回路295は、電源回路293から供給される電圧に基づいてバックライト140の光源に電力を供給し、所定の制御信号に基づいて光源の点灯の有無及びその輝度等を制御するようになっている。
【0042】
図12は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機200は、複数の操作ボタン、送話口などを備えた操作部201と、受話口などを備えた表示部202とを有し、表示部202の内部に上記の電気光学装置100が組み込まれてなる。そして表示部202の表面(内面)上に電気光学装置100の表示領域100A(図1参照)を視認することができるようになっている。この場合、携帯電話機200の内部には、上記電気光学装置100を制御する上記の表示制御回路290が設けられる。この表示制御回路290は電気光学装置100の表示態様を決定する。
【0043】
また、本発明に係る電子機器としては、図12に示す携帯電話機の他に、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末機などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として本発明に係る液晶表示装置を用いることができる。
【0044】
尚、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記の実施形態においては、電気光学パネルの例示として液晶表示パネルを備えた液晶表示装置について説明したが、本発明は、液晶表示装置に限らず、有機エレクトロルミネッセンス表示装置や電気泳動表示装置などの他の電気光学装置であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施形態の全体構成を示す概略平面図。
【図2】第1実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応する集積回路チップの端子を示す拡大部分平面図。
【図3】第1実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応する集積回路チップの端子を示す拡大部分縦断面図。
【図4】第1実施形態の実装後のパネル基板上の突起電極及びこれに対応する集積回路チップの端子を示す拡大部分縦断面図。
【図5】第1実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応するフレキシブル配線基板の端子を示す拡大部分平面図。
【図6】第1実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応するフレキシブル配線基板の端子を示す拡大部分縦断面図。
【図7】第2実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応する集積回路チップの端子を示す拡大部分平面図。
【図8】第2実施形態の実装前のパネル基板上の突起電極及びこれに対応する集積回路チップの端子を示す拡大部分縦断面図。
【図9】第1実施形態の突起電極の変形例を示す拡大部分平面図。
【図10】第2実施形態の突起電極の変形例を示す拡大部分平面図。
【図11】電子機器の表示制御系を示す概略構成図。
【図12】電子機器の外観を示す概略斜視図。
【符号の説明】
【0046】
100…電気光学装置、110…電気光学パネル、120…集積回路チップ、130…フレキシブル配線基板、111…パネル基板、111T…基板張り出し部、113、113′…配線層、114…入力配線層、115…絶縁層、116、116′、117…突起電極、116a、116a′117a…樹脂コア層、116b、116b′、117…電極層、116c、116c′、117c…表面保護層、124…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学装置を構成するためのパネル基板と、該パネル基板上において凸状に形成された弾性変形可能な樹脂コア層及び該樹脂コア層の少なくとも頂部を被覆する電極層を備えた突起電極と、を具備することを特徴とする電気光学装置用基板。
【請求項2】
前記パネル基板上に形成された配線層と、該配線層を被覆する絶縁層とをさらに具備し、
前記樹脂コア層が前記絶縁層上に形成され、前記電極層が前記絶縁層に設けられた開口部を通して前記配線層に導電接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板。
【請求項3】
前記パネル基板上に形成された配線層と、該配線層を被覆する絶縁層とをさらに具備し、
前記樹脂コア層の上に前記配線層の一部が乗り上げることで前記電極層として構成され、前記絶縁層に形成された開口部内に前記突起電極が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板。
【請求項4】
前記電極層の表面上に透明導電膜よりなる表面保護層が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板。
【請求項5】
パネル基板を含む電気光学パネルと、前記パネル基板上に実装された電子部品とを具備する実装構造体であって、
前記パネル基板上において凸状に形成された弾性変形可能な樹脂コア層及び該樹脂コア層の少なくとも頂部を被覆する電極層を備えた突起電極を有し、
前記電子部品に設けられた部品側端子に前記電極層が導電接続され、前記樹脂コアが圧縮変形された状態で前記パネル基板と前記電子部品が接着されていることを特徴とする実装構造体。
【請求項6】
前記部品側端子は、前記突起電極に対する接触面よりも広い端子表面を備えていることを特徴とする請求項5に記載の実装構造体。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の実装構造体を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−277646(P2008−277646A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121452(P2007−121452)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】