説明

電気用積層板組成物における使用のためのコア/シェルゴム

エポキシ樹脂、硬化剤及びシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを含む組成物、熱硬化性組成物及びこれらを形成する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の実施形態は、エポキシ組成物に関する。より具体的には、本明細書に開示の実施形態は、電気用積層板において有用なエポキシ組成物に関する。より具体的には、本明細書に開示の実施形態は、エポキシ樹脂及びコア/シェル強化剤、例えばシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムから形成された低い誘電率のエポキシ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能電気用途、例えば高温回路基板において有用な熱硬化性組成物は、一連の厳しい特性要求に適合しなければならない。例えば、このような材料は、最適には、良好な高温特性、例えば高いガラス転移点(例えば200℃超)及び高温での低い吸水率(例えば4%未満の水吸着率)を有する。電気用積層板の調製は、慣用的に、熱硬化性樹脂の溶液による多孔質ガラスウェブの含浸を含むので、このような材料は、有機溶媒、例えばアセトン中での安定な溶解性も示さなければならない。複合部品用プリプレグの調製における加工を簡略化するため、未硬化材料は、理想的には、低い融点(例えば120℃未満)及び広い温度範囲の加工可能な粘度(広い「プロセシングウインドウ(processing window)」)を有する。
【0003】
エポキシ樹脂は、最も広く使用されているエンジニアリング樹脂の1つであり、電気用積層板におけるこれらの使用は周知である。エポキシ樹脂は、これらの耐熱性、耐薬品性、絶縁特性、寸法安定性、接着性などにおける優位性のため、電気/電子機器用の材料、例えば電気用積層板用の材料として使用されている。
【0004】
鉛不含はんだへの工業的な切り替えとして、改善された熱特性(例えば、より高いガラス転移点(T)及びより高い5%分解点(T))を有するプリント回路基板用の樹脂の要求が増加している。プリント回路基板を作製するために使用される最も一般的な樹脂であるエポキシ樹脂について、一般的な方針は、高い架橋密度をもたらすエポキシ組成物を使用して所望の熱特性を達成することである。残念ながら、このようなアプローチは、得られた材料の脆性の不所望な増加をもたらし得る。この脆性は、プリント回路基板の製造及び使用の間に種々の問題を引き起こし得る。1つの特定の問題は、孔開けの間に起こる。樹脂の脆性は、繊維−樹脂界面における破壊をもたらし得、粗面を有するドリル孔をもたらす。このことにより、今度は、銅によりめっきして導電バイアスを形成することが困難になり、最終的には、再処理又は廃棄しなければならない非機能基板をもたらす。
【0005】
第2の傾向は、電子デバイスの速度が増加していることである。シグナル損失及び隣接基板間での「クロストーク」を低減させるため、改善された誘電特性(例えば、より低い誘電率(D)及び誘電正接(D))を有するプリント回路基板が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、電気用積層板において有用な、所望の靱性、誘電特性及び熱特性を有する組成物が継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態において、エポキシ樹脂;硬化剤;及びシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを含む、これらからなる、又は実質的にこれらからなる組成物が開示される。
【0008】
本発明の別の実施形態において、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを溶媒中に分散させること;分散させたシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムをエポキシ樹脂並びにハードナー、触媒及び追加の溶媒の1つ又はそれ以上と混合して硬化性組成物を形成することを含む、これらからなる、又は実質的にこれらからなる方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示の実施形態は、エポキシ組成物に関する。より具体的には、本明細書に開示の実施形態は、電気用積層板において有用なエポキシ組成物に関する。より具体的には、本明細書に開示の実施形態は、エポキシ樹脂及びコア/シェル強化剤、例えばシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムから形成された低い誘電率のエポキシ組成物に関する。
【0010】
本明細書に開示の組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのハードナー又は硬化剤及びシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を含むことができる。このような組成物は、例えば所望の電気特性及び耐衝撃性を含む物理特性を有する、得られる熱硬化性樹脂に起因して電気用積層板において有用である。
【0011】
いくつかの実施形態においては、硬化性組成物は、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を液体エポキシ樹脂中に分散させることにより形成することができる。他の実施形態においては、硬化性組成物は、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を溶媒中に分散させ、次いで分散液をエポキシ樹脂並びにハードナー、触媒及び追加の溶媒の1つ又はそれ以上と混合して硬化性組成物を形成することにより形成することができる。
【0012】
熱硬化性組成物は、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つのハードナー及びシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを含む上記硬化性組成物の反応生成物として形成することができる。このような熱硬化性組成物は、電気用積層板、とりわけ電気用途において有用である。
【0013】
上記のとおり、本明細書に開示の実施形態は、エポキシ樹脂、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム及びハードナーを含む種々の構成成分を含む。本明細書に記載の組成物の実施形態は、触媒及び種々の添加剤を含むこともできる。これらの構成成分のそれぞれの例を、以下により詳細に説明する。
【0014】
エポキシ樹脂
本明細書に開示の実施形態において使用されるエポキシ樹脂は変動してよく、例えばとりわけノボラック樹脂、イソシアネート改質エポキシ樹脂及びカルボキシレート付加物を含む、2つ又はそれ以上の単独で、又は組合せで使用することができる慣用の市販のエポキシ樹脂を含むことができる。本明細書に開示の組成物のためのエポキシ樹脂を選択するにあたり、最終生成物の特性だけでなく、粘度及び樹脂組成物の加工に影響を及ぼし得る他の特性も考慮すべきである。
【0015】
エポキシ樹脂構成成分は、本明細書において「エポキシ基」又は「エポキシ官能基」と称される1つ又はそれ以上の反応性オキシラン基を含有する任意の材料を含む、組成物の成形において有用な、任意のタイプのエポキシ樹脂であってよい。本明細書に開示の実施形態において有用なエポキシ樹脂は、モノ官能性エポキシ樹脂、多官能性又はポリ官能性エポキシ樹脂及びこれらの組合せを含むことができる。モノマー及びポリマーエポキシ樹脂は、脂肪族、環式脂肪族、芳香族又は複素環式エポキシ樹脂であってよい。ポリマーエポキシは、末端エポキシ基を有する直鎖ポリマー(例えばポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、ポリマー骨格オキシラン単位を有するポリマー(例えばポリブタジエンポリエポキシド)及びペンダントエポキシ基を有するポリマー(例えばグリシジルメタクリレートポリマー又はコポリマーなど)を含む。エポキシは、純粋な化合物であってよいが、一般に、1分子当たり1、2又はそれ以上のエポキシ基を含有する混合物又は化合物である。いくつかの実施形態において、エポキシ樹脂は、追加の架橋をもたらすため、より高温において無水物、有機酸、アミノ樹脂、フェノール樹脂又はエポキシ基(触媒する場合)と反応することができる反応性−OH基を含むこともできる。
【0016】
一般に、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテル、環式脂肪族樹脂、エポキシ化油などであってよい。本明細書に開示の実施形態において有用な、実例となるポリエポキシド化合物は、クレイトン A.メイ(Clayton A.May)による「エポキシ樹脂(「Epoxy Resins」)」第2章、1988年出版、マーセル・デッカー有限会社、ニューヨーク(Marcel Dekker,Inc.,New York)及び米国特許第4,066,628号に記載されている。グリシジルエーテルは、エピクロロヒドリン及びフェノール又はポリフェノール化合物、例えばビスフェノールA(The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから、D.E.R.(商標)383又はD.E.R.(商標)330として市販されている);ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(又はビスフェノールF)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン(又はビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及びトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;上記ジフェノールの塩素化又は臭素化生成物、例えばテトラブロモビスフェノールAの反応生成物であることが多い。当分野において周知のとおり、このような材料は、典型的には、フェノール出発材料のグリシジルエーテル生成物との縮合から誘導される少量のオリゴマーを含有する。「アドバンスト」樹脂は、ポリエポキシドをポリフェノールと反応させることにより調製される。このようなオリゴマーは、有用なレオロジー及び硬化特性を達成するための配合において有用である。具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAとの縮合生成物又はテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテルとビスフェノールA若しくはテトラブロモビスフェノールAとの縮合生成物が挙げられる。さらに、芳香族イソシアネート、例えばメチレンジイソシアネート又はトルエンジイソシアネートを、これらのアドバンスメント反応の間に添加してオキサゾリジノン複素環を鎖の骨格中に含有するオリゴマーを生じさせることができる。市販品の例としては、D.E.R.(商標)592及びD.E.R.(商標)593であり、それぞれThe Dow Chemical Company,Midland Michiganから入手可能である。ホルムアルデヒド又は他のアルデヒドとフェノールとの縮合から誘導されるポリフェノールであるノボラックのグリシジルエーテルを添加することは一般的である。具体例としては、フェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、p−ヒドロキシビフェニル、ナフトール及びブロモフェノールのノボラックが挙げられる。
【0017】
他のエポキシ樹脂は、典型的には過酸又は過酸化水素によるオレフィンのエポキシ化から誘導される。オレフィンは、直鎖又は環式鎖内に含有されてよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルタイプ;グリシジル−エステルタイプ;脂環式タイプ;複素環式タイプ及びハロゲン化エポキシ樹脂などを含むことができる。好適なエポキシ樹脂の非限定的な例としては、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、ヒドロキノンエポキシ樹脂、スチルベンエポキシ樹脂並びにこれらの混合物及び組合せを挙げることができる。
【0019】
好適なポリエポキシ化合物は、レゾルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン)、トリグリシジルp−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)メタン)、メタ−及び/又はパラ−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)並びにテトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4’−ジアミノジフェニルメタン)並びに2つ又はそれ以上のポリエポキシ化合物の混合物を含むことができる。確認された有用なエポキシ樹脂のより広汎なリストは、リー,H.及びネビル,K.によるエポキシ樹脂ハンドブック(Handbook of Epoxy Resins)、マグロウヒル・ブック・カンパニー(McGraw-Hill Book Company)(1982年再発行)で確認することができる。
【0020】
他の好適なエポキシ樹脂は、芳香族アミン及びエピクロロヒドリンを主成分とするポリエポキシ化合物、例えばN,N’−ジグリシジル−アニリン;N,N’−ジメチル−N,N’−ジグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;N−ジグリシジル−4−アミノフェニルグリシジルエーテル;及びN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−プロピレンビス−4−アミノベンゾエートを含む。エポキシ樹脂は:芳香族ジアミン、アニリン及び置換誘導体、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸の1つ又はそれ以上のグリシジル誘導体を含むこともできる。
【0021】
有用なエポキシ樹脂は、例えば多価ポリオール、例えばエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのポリグリシジルエーテル;脂肪族及び芳香族ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び二量体化リノール酸などのポリグリシジルエーテル;ポリフェノール、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン及び1,5−ジヒドロキシナフタレンなどのポリグリシジルエーテル;アクリレート又はウレタン部分を有する改質エポキシ樹脂;グリシジルアミンエポキシ樹脂;並びにノボラック樹脂を含む。
【0022】
エポキシ化合物は、環式脂肪族又は脂環式エポキシドであってよい。環式脂肪族エポキシドの例としては、ジカルボン酸の環式脂肪族エステルのジエポキシド、例えばビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレート;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;リモネンジエポキシド;ジシクロペンタジエンジエポキシドなどが挙げられる。ジカルボン酸の環式脂肪族エステルの他の好適なジエポキシドは、例えば米国特許第2,750,395号に記載されている。
【0023】
他の環式脂肪族エポキシドは、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレートなどを含む。他の好適な3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートは、例えば米国特許第2,890,194号に記載されている。
【0024】
特に有用であるさらなるエポキシ含有材料は、グリシジルエーテルモノマーを主成分とする材料を含む。例としては、多価フェノールと過剰なクロロヒドリン、例えばエピクロロヒドリンとの反応により得られる多価フェノールのジ−又はポリグリシジルエーテルである。このような多価フェノールは、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールFとして公知である)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールAとして公知である)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジブロモフェニル)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(4’−ヒドロキシ−フェニル)エタン又は酸性条件下で得られるフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物、例えばフェノールノボラック及びクレゾールノボラックを含む。このタイプのエポキシ樹脂の例としては、米国特許第3,018,262号に記載されている。他の例としては、多価アルコール、例えば1,4−ブタンジオール又はポリアルキレングリコール、例えばポリプロピレングリコールのジ−又はポリグリシジルエーテル及び環式脂肪族ポリオール、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのジ−又はポリグリシジルエーテルが挙げられる。他の例としては、モノ官能性樹脂、例えばクレシルグリシジルエーテル又はブチルグリシジルエーテルである。
【0025】
別のクラスのエポキシ化合物は、多価カルボン酸、例えばフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はヘキサヒドロフタル酸のポリグリシジルエステル及びポリ(ベータ−メチルグリシジル)エステルである。さらなるクラスのエポキシ化合物は、アミン、アミド及び複素環式窒素塩基のN−グリシジル誘導体、例えばN,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルビス(4−アミノフェニル)メタン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N’−ジグリシジルエチルウレア、N,N’−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン及びN,N’−ジグリシジル−5−イソプロピルヒダントインである。
【0026】
さらに他のエポキシ含有材料は、グリシドールのアクリル酸エステル、例えばグリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレートと1つ又はそれ以上の共重合性ビニル化合物とのコポリマーである。このようなコポリマーの例は、1:1スチレン−グリシジルメタクリレート、1:1メチルメタクリレートグリシジルアクリレート及び62.5:24:13.5メチルメタクリレート−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートである。
【0027】
容易に入手可能なエポキシ化合物は、オクタデシレンオキシド;グリシジルメタクリレート;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル;The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能なD.E.R.(商標)331(ビスフェノールA液体エポキシ樹脂)及びD.E.R.(商標)332(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル);ビニルシクロヘキセンジオキシド;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート;ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル;ポリプロピレングリコールにより改質された脂肪族エポキシ;ジペンテンジオキシド;エポキシ化ポリブタジエン;エポキシ官能基を含有するシリコーン樹脂;難燃性エポキシ樹脂(例えばThe Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能な、商標名D.E.R.(商標)592として入手可能な臭素化エポキシ樹脂又は商標名D.E.R.(商標)560として入手可能な臭素化ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂);フェノール−ホルムアルデヒドノボラックの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えばThe Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能な、商標名D.E.N.(商標)431及びD.E.N.(商標)438として入手可能なもの);並びにレゾルシノールジグリシジルエーテルを含む。具体的には述べないが、The Dow Chemical Companyから入手可能な商標名称D.E.R.(商標)及びD.E.N.(商標)の他のエポキシ樹脂を使用することもできる。
【0028】
エポキシ樹脂は、イソシアネート改質エポキシ樹脂を含むこともできる。イソシアネート又はポリイソシアネート官能基を有するポリエポキシドポリマー又はコポリマーは、エポキシ−ポリウレタンコポリマーを含むことができる。これらの材料は、1,2−エポキシ官能基を生じさせるための1つ又はそれ以上のオキシラン環を有し、さらにジヒドロキシル含有化合物がジイソシアネート又はポリイソシアネートと反応するためのヒドロキシル基として有用である開環オキシランを有するポリエポキシドプレポリマーを使用することにより形成することができる。イソシアネート部分はオキシラン環を開環し、この反応は第1級又は第2級ヒドロキシル基とのイソシアネート反応として継続する。ポリエポキシド樹脂上には、有効なオキシラン環を依然として有するエポキシポリウレタンコポリマーの生成を可能にするために十分なエポキシ官能基が存在する。直鎖ポリマーは、ジエポキシド及びジイソシアネートの反応を介して生成することができる。ジ−又はポリイソシアネートは、いくつかの実施形態において芳香族又は脂肪族であってよい。
【0029】
無論、上記列記のエポキシ樹脂のいずれかの混合物を使用することもできる。
【0030】
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤は、エポキシ樹脂が硬化したときに本明細書に開示の複合材料が脆性になるのを防止するために使用することができる。いくつかの実施形態において、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤は、シリコーンゴムコア及びアクリレートポリマーシェルを含むゴム化合物であってよい。
【0031】
理論により拘束されるものではないが、本明細書に開示の実施形態において使用されるシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤は、エポキシポリマーマトリックス内に二次相を形成することにより機能すると考えられている。この二次相はゴム状であり、したがって、亀裂成長を停止させることができ、靱性の改善を提供する。
【0032】
本明細書に開示の実施形態において有用なシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムは、0.1から3ミクロン、特に0.1から1ミクロンの平均直径(d50)及び60重量%超、特に80重量%超のゲル含有率の粒子状の高度に架橋したシリコーンゴム粒子を含有することができる(粒子サイズは光散乱技術により計測されたものであり、ゲル含有率は溶媒溶解技術により計測されたものである)。シリコーンゴム粒子上にグラフトされたアクリレートゴムは、好ましくは50重量%以下の量、特に30から5重量%の量でシリコーン/アクリレートコア/シェルゴム中に存在し、>70重量%、特に>85重量%のゲル含有率を有することができる。シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムのアクリレートゴム部分は、シリコーンゴム粒子上に重合されており;したがって以下のものを形成することができる:シリコーンゴム及びアクリレートゴムの共有化合物の意味のグラフトポリマー、事実上機械的にゴム粒子を包む架橋アクリレートゴム部分並びに場合により少量の可溶性アクリレートゴム。本明細書において使用されるとおり、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムは、実際のグラフト化度に関係なくシリコーンゴム粒子の存在下でのアクリレートの重合により得られる反応生成物を意味する。シリコーンゴム骨格は、いくつかの実施形態において、架橋シリコーンゴムであってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、シリコーンゴムは、ラジカル付加又は転移反応を可能にすることができる基を含有する。このような基は、ラジカルRに基づき計算して2から10モル%の量のビニル、アリル、クロロアルキル及びメルカプト基を含むことができる。
【0034】
シリコーンゴムコアa)にグラフト化されたアクリレートゴムポリマーb)は、架橋したアクリレートゴムから高度に架橋したアクリレートゴムを部分的に表し、100から60重量パーセントのアルキルアクリレート、アルキルアクリレートと共重合可能な60から0重量パーセントの他のモノマー並びに必要に応じてアルキルアクリレート及び他のモノマーの合計に基づき計算して0.1から10重量パーセントの、少なくとも2つのビニル及び/又はアリル基を分子中に有する架橋性モノマーのポリマーである。
【0035】
アルキルアクリレートは、CからC14アルキルアクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、オクチル及び2−エチルヘキシルアクリレートなど、クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェネチルアクリレート、例えばブチルアクリレートを含むCからCアルキルエステルを含むことができる。アルキルアクリレートと共重合可能なモノマーは、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ハロスチレン、メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキル基が官能基、例えばヒドロキシル、エポキシ又はアミン基により場合により置換されていてよいCからCアルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸(エステル)、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート又は(メタ)アクリルアミドのN−メチロール化合物を含むことができる。
【0036】
架橋性モノマーは、ポリオールを有する不飽和カルボン酸のエステル(好ましくは、エステル基中に2から20の炭素原子)、例えばエチレングリコールジメタクリレート、不飽和アルコールを有するポリ官能性カルボン酸のエステル(好ましくは、エステル基中に8から30の炭素原子)、例えばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート;ジビニル化合物、例えばジビニルベンゼン;不飽和アルコールを有する不飽和カルボン酸のエステル(好ましくは、エステル基中に6から12の炭素原子)、例えばアリルメタクリレート;リン酸エステル、例えばトリアリルホスフェート及び1,3,5−トリアクリロリルヘキサヒドロ−s−トリアジンを含むことができる。
【0037】
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムは、例えば水性エマルション中で以下の様式において調製することができる:第1の段階において、シリコーンゴム、すなわちコアa)を、最初にシリコーンオリゴマーのエマルション重合により調製する。
【0038】
第2の段階において、次いで、アクリレートゴムb)を形成するモノマー(アルキルアクリレート、場合により架橋性モノマー及び場合によりさらなるモノマー)を、第1の段階のシリコーンゴムエマルションの存在下でグラフト重合させる。新たな粒子の形成は、このグラフト重合の間に可能な限り抑制すべきである。エマルション安定剤は、粒子の表面を被覆するのに必要な量で存在する。グラフト重合は、好ましくは、30℃から90℃の温度範囲内で実施し、公知のラジカル開始剤、例えばアゾ開始剤、ペルオキシド、ペルエステル、ペルスルフェート、ペルホスフェート又はレドックス開始剤系により開始する。シリコーンゴム粒子a)へのb)のグラフト重合後、通常、20から50重量%の範囲内のポリマー固体含有率を有するシリコーンゴム/アクリレートゴム粒子の安定な水性エマルションが生じる。
【0039】
本明細書に記載の硬化性組成物中に使用されるシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤の量は、ポリマーの当量及び組成物から作製される生成物の所望の特性を含む種々の要因に依存し得る。一般に、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムの量は、硬化性組成物の全重量に基づきいくつかの実施形態においては0.1重量パーセントから30重量パーセント、他の実施形態においては0.5重量パーセントから10重量パーセント、さらに他の実施形態においては1重量パーセントから5重量パーセントの範囲の量で使用することができる。
【0040】
溶媒
本明細書に開示の組成物に添加することができる別の構成成分は、溶媒又は溶媒のブレンドである。エポキシ樹脂組成物中に使用される溶媒は、樹脂組成物中の他の構成成分と混和性であってよい。使用される溶媒は、電気用積層板の作製において典型的に使用されるものから選択することができる。本発明において用いられる好適な溶媒の例としては、例えばケトン、エーテル、アセテート、芳香族炭化水素、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、グリコールエーテル及びこれらの組合せが挙げられる。
【0041】
触媒及び阻害剤用の溶媒は、極性溶媒を含むことができる。1から20の炭素原子を有する低級アルコール、例えばメタノールなどは、良好な溶解性及びプリプレグが形成されたときの樹脂マトリックスからの除去のための良好な揮発性を提供する。他の有用な溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、DOWANOL PMA、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール及びグリセリンを含むことができる。
【0042】
硬化性エポキシ樹脂組成物中に使用される溶媒の全量は、一般に、いくつかの実施形態においては約1から約65重量パーセントの範囲であってよい。他の実施形態においては、溶媒の全量は、他の実施形態においては2から60重量パーセント;他の実施形態においては3から50重量パーセント;さらに他の実施形態においては5から40重量パーセントの範囲であってよい。
【0043】
上記溶媒の1つ又はそれ以上の混合物を使用することもできる。
【0044】
触媒
場合により、触媒を上記硬化性組成物に添加することができる。触媒は、1分子当たり1つのイミダゾール環を有する化合物を含むイミダゾール化合物、例えばイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1)’]−エチル−s−トリアジン、2−メチル−イミダゾリウム−イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリウム−イソシアヌル酸付加物、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなど;並びに1分子当たり2つ又はそれ以上のイミダゾール環を含有し、上記ヒドロキシメチル含有イミダゾール化合物、例えば2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシ−メチルイミダゾールなどを脱水することにより得られる化合物;並びにこれらをホルムアルデヒドと縮合することにより得られる化合物、例えば4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)などを含むことができる。
【0045】
他の実施形態において、好適な触媒はアミン触媒、例えばN−アルキルモルホリン、N−アルキルアルカノールアミン、N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミン及びアルキルアミン(アルキル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル及びこれらの異性形態である)並びに複素環式アミンなどを含むことができる。
【0046】
非アミン触媒を使用することもできる。ビスマス、鉛、スズ、チタン、鉄、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン及びジルコニウムの有機金属化合物を使用することができる。説明としての例には、硝酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、酢酸第一スズ、オクタン酸第一スズ及び2−エチルヘキサン酸第一スズが挙げられる。使用することができる他の触媒は、例えば全体が参照により組み込まれるPCT国際公開WO00/15690号に開示されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、好適な触媒は、求核性のアミン及びホスフィン、特に窒素複素環、例えばアルキル化イミダゾール;2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール;他の複素環、例えばジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロオクテン、ヘキサメチレンテトラミン、モルホリン、ピペリジン;トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン、ベンジルジメチルアミン;ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリエチルホスフィン;第四級塩、例えばトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアセテート、トリフェニルホスホニウムアセテート及びトリフェニルホスホニウムヨージドなどを含むことができる。
【0048】
上記触媒の1つ又はそれ以上の混合物を使用することもできる。
【0049】
エポキシハードナー/硬化剤
ハードナー又は硬化剤を、熱硬化組成物を形成するための樹脂組成物の架橋を促進するために提供することができる。このようなハードナー及び硬化剤は個々に、又は2つ若しくはそれ以上の混合物として使用することができる。いくつかの実施形態において、ハードナーは、ジシアンジアミド(dicy)硬化剤又はフェノール硬化剤、例えばノボラック、レゾール、ビスフェノールを含むことができる。他のハードナーは、アドバンスト(オリゴマー)エポキシ樹脂を含むことができ、これらの一部が上記開示されている。アドバンストエポキシ樹脂ハードナーの例としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル(又はテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル)及び過剰なビスフェノール又は(テトラブロモビスフェノール)から調製されたエポキシ樹脂を挙げることができる。無水物、例えばポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)を使用することもできる。
【0050】
硬化剤は、第一級及び第二級ポリアミン並びにこれらの付加物、無水物並びにポリアミドを含むこともできる。例えば、ポリ官能性アミンは、脂肪族アミン化合物、例えばジエチレントリアミン(D.E.H.(商標)20、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能)、トリエチレンテトラミン(D.E.H.(商標)24、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能)、テトラエチレンペンタミン(D.E.H.(商標)26、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能)及び上記アミンとエポキシ樹脂、希釈剤又は他のアミン反応性化合物との付加物を含むことができる。芳香族アミン、例えばメタフェニレンジアミン及びジアミンジフェニルスルホン、脂肪族ポリアミン、例えばアミノエチルピペラジン及びポリエチレンポリアミン並びに芳香族ポリアミン、例えばメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン及びジエチルトルエンジアミンを使用することもできる。
【0051】
無水物硬化剤は、例えばとりわけ無水ナドメチル酸(nadic methyl anhydride)、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ドデセニルコハク酸、無水フタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸及び無水メチルテトラヒドロフタル酸を含むことができる。
【0052】
ハードナー又は硬化剤は、フェノール誘導性又は置換フェノール誘導性のノボラック又は無水物を含むことができる。好適なハードナーの非限定的な例としては、フェノールノボラックハードナー、クレゾールノボラックハードナー、ジシクロペンタジエンビスフェノールハードナー、リモネンタイプハードナー、無水物及びこれらの混合物が挙げられる。
【0053】
いくつかの実施形態において、フェノールノボラックハードナーはビフェニル又はナフチル部分を含有することができる。フェノールヒドロキシ基は、化合物のビフェニル又はナフチル部分に結合していてよい。ビフェニル部分を含有するハードナーを調製する1つの方法は、フェノールをビスメトキシ−メチレンビフェニルと反応させることにより調製することができる。
【0054】
他の実施形態において、硬化剤は、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素モノエチルアミン及びジアミノシクロヘキサンを含むことができる。硬化剤は、イミダゾール、これらの塩及び付加物を含むこともできる。これらのエポキシ硬化剤は、典型的には、室温において固体である。好適なイミダゾール硬化剤の例としては、限定されるものではないが、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、4−(ヒドロキシメチル)イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ベンジル−4−メチルイミダゾール及びベンゾイミダゾールが挙げられる。他の硬化剤は、フェノール化合物、ベンゾオキサジン、芳香族アミン、アミドアミン、脂肪族アミン、無水物及びフェノールを含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、硬化剤は、1アミノ基当たり最大500の分子量を有するポリアミド又はアミノ化合物、例えば芳香族アミン又はグアニジン誘導体であってよい。アミノ硬化剤の例としては、4−クロロフェニル−N,N−ジメチル−ウレア及び3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル−ウレアが挙げられる。
【0056】
本明細書に開示の実施形態において有用な硬化剤の他の例としては、3,3’−及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホン;メチレンジアニリン;EPON1062としてShell Chemical Co.から入手可能であるビス(4−アミノ−3,5−ジメチル−フェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン;及びEPON1061としてHexion Chemical Co.から入手可能であるビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンが挙げられる。
【0057】
エポキシ化合物用のチオール硬化剤を使用することもできる。本明細書において使用されるとおり、「チオール」は、ポリチオール又はポリメルカプタン硬化剤も含む。説明としてのチオールは、脂肪族チオール、例えばメタンジチオール、プロパンジチオール、シクロヘキサンジチオール、2−メルカプトエチル−2,3−ジメルカプト−スクシネート、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリトリトールテトラ(メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラ(チオグリコレート)、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(ベータ−チオプロピオネート)、プロポキシ化アルカンのトリ−グリシジルエーテルのトリス−メルカプタン誘導体及びジペンタエリトリトールポリ(ベータ−チオプロピオネート);脂肪族チオールのハロゲン置換された誘導体;芳香族チオール、例えばジ−、トリス−又はテトラ−メルカプトベンゼン、ビス−、トリス−又はテトラ−(メルカプトアルキル)ベンゼン、ジメルカプトビフェニル、トルエンジチオール及びナフタレンジチオール;芳香族チオールのハロゲン置換された誘導体;複素環含有チオール、例えばアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、アルコキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、アリールオキシ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン及び1,3,5−トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート;複素環含有チオールのハロゲン置換された誘導体;少なくとも2つのメルカプト基を有し、メルカプト基の他に硫黄原子を含有するチオール化合物、例えばビス−、トリス−又はテトラ(メルカプトアルキルチオ)ベンゼン、ビス−、トリス−又はテトラ(メルカプトアルキルチオ)アルカン、ビス(メルカプトアルキル)ジスルフィド、ヒドロキシアルキルスルフィドビス(メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシアルキルスルフィドビス(メルカプトアセタート)、メルカプトエチルエーテルビス(メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(メルカプトアセテート)、チオジグリコール酸ビス(メルカプトアルキルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトアルキルエステル)、4,4−チオ酪酸ビス(2−メルカプトアルキルエステル)、3,4−チオフェンジチオール、ビスマスチオール及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールを含む。
【0058】
硬化剤は求核性物質、例えばアミン、第三級ホスフィン、求核性アニオンとの第四級アンモニウム塩、求核性アニオンとの第四級ホスホニウム塩、イミダゾール化合物、求核性アニオンとの第三級アルセニウム塩及び求核性アニオンとの第三級スルホニウム塩であってもよい。
【0059】
エポキシ樹脂、アクリロニトリル又はメタクリレートによる付加により改質された脂肪族ポリアミンを硬化剤として利用することもできる。さらに、種々のマンニッヒ塩基を使用することができる。アミン基が芳香族環に直接に結合している芳香族アミンを使用することもできる。
【0060】
本明細書に開示の実施形態において硬化剤として有用な求核性アニオンとの第四級アンモニウム塩は、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウムアセテート、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムシアニド、セチルトリエチルアンモニウムアジド、N,N−ジメチルピロリジニウムイソシアネート、N−メチルピリジニウムフェノレート、N−メチル−o−クロロピリジニウムクロライド、メチルビオロゲンジクロライドなどを含むことができる。
【0061】
本明細書における使用のための硬化剤の好適性は、製造業者の仕様書を参照することにより、又は定型的な実験により決定することができる。製造業者の仕様書は、液体又は固体のエポキシと混合するための所望温度において硬化剤が非晶質固体又は結晶性固体であるかを決定するために使用することができる。或いは、固体硬化剤は、固体硬化剤の非晶質又は結晶性及び液体若しくは固体形態の樹脂組成物と混合するための硬化剤の好適性を決定するために、示差走査熱量測定(DSC)を使用して試験することができる。
【0062】
上記エポキシハードナー及び硬化剤の1つ又はそれ以上の混合物を使用することもできる。
【0063】
難燃性添加剤
上記のとおり、本明細書に記載の硬化性組成物は、臭素化及び非臭素化難燃剤を含むハロゲン化及び非ハロゲン化難燃剤を含有する配合物中に使用することができる。臭素化添加剤の具体例としては、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)及びTBBAから誘導された材料;TBBA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールA又はTBBAとTBBA−ジグリシジルエーテルとの反応生成物及びビスフェノールAジグリシジルエーテルとTBBAとの反応生成物を含む。
【0064】
非臭素化難燃剤は、DOP(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシド)から誘導された種々の材料、例えばDOP−ヒドロキノン(10−(2’,5’−ジヒドロキシフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン10−オキシド)、DOPとノボラックのグリシジルエーテル誘導体との縮合生成物及び無機難燃剤、例えばアルミニウムトリハイドレート及びアルミニウムホスフィナイトを含む。
【0065】
上記難燃性添加剤の1つ又はそれ以上の混合物を使用することもできる。
【0066】
他の添加剤
本明細書に開示の組成物は、相乗剤並びに慣用の添加剤及びフィラーを場合により含むことができる。相乗剤は、例えばマグネシウムハイドロオキサイド、ジンクボレート及びメタロセン)、溶媒、(例えばアセトン、メチルエチルケトン及びDOWANOL(商標)PMA)を含むことができる。添加剤及びフィラーは、例えばシリカ、ガラス、タルク、金属粉末、チタニウムジオキサイド、湿潤剤、顔料、着色剤、離型剤、カップリング剤、イオンスカベンジャー、UV安定剤、可撓性付与剤及び粘着付与剤を含むことができる。添加剤及びフィラーは、とりわけヒュームドシリカ、骨材、例えばガラスビーズ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、グラファイト、モリブデンジスルフィド、研磨性顔料、粘度降下剤、ボロンニトライド、マイカ、核剤及び安定剤を含むこともできる。フィラーは、5nmから100ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有することができる官能性又は非官能性粒子状フィラーを含むことができ、例えばアルミナトリハイドレート、アルミニウムオキサイド、アルミニウムハイドロオキサイドオキサイド、金属酸化物及びナノチューブ)を含むことができる。フィラー及び改質剤は、予熱してエポキシ樹脂組成物への添加前に湿分を追い出すことができる。さらに、これらの任意選択の添加剤は、硬化前及び/又は硬化後に組成物の特性に対する影響を有することがあり、これらは組成物及び所望の反応生成物を配合する場合に考慮しなければならない。
【0067】
他の実施形態において、本明細書に開示の組成物は、追加の強化剤を含むことができる。強化剤は、ポリマーマトリックス内に二次相を形成することにより機能する。この二次相はゴム状であり、したがって亀裂成長を停止させることができ、衝撃靱性の改善を提供する。強化剤は、ポリスルホン、シリコーン含有エラストマーポリマー、ポリシロキサン及び当分野において公知の他のゴム強化剤を含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、少量の高分子量の比較的非揮発性のモノアルコール、ポリオール及び他のエポキシ−又はイソシアナト−反応性希釈剤を、所望により、本明細書に開示の硬化性及び熱硬化性組成物中で可塑剤として機能させるために使用することができる。例えば、イソシアネート、イソシアヌレート、シアネートエステル、アリル含有分子又は他のエチレン性不飽和化合物及びアクリレートをいくつかの実施形態において使用することができる。例示的な非反応性熱可塑性樹脂は、ポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニリデンフロライド、ポリエーテルイミド、ポリフタルイミド、ポリベンゾイミダゾール、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂及びウレタン樹脂を含む。他の実施形態において、本明細書に開示の組成物は、接着促進剤、例えば改質オルガノシラン(エポキシ化、メタクリル、アミノ)、アセチルアセトネート及び硫黄含有分子を含むこともできる。
【0069】
さらに他の実施形態において、本明細書に開示の組成物は、湿潤助剤又は分散助剤、例えば改質オルガノシラン、BYK900シリーズ及びW9010並びに改質フルオロカーボンを含むことができる。さらに他の実施形態において、本明細書に開示の組成物は、脱泡添加剤、例えばBYK A530、BYK A525、BYK A555及びBYK A560を含むことができる。本明細書に開示の実施形態は、ポリマー特性を改善するために表面改質剤(例えばスリップ及び光沢添加剤)及び離型剤(例えばワックス)並びに他の官能性添加剤又は予備反応生成物を含むこともできる。
【0070】
いくつかの実施形態は、本明細書に開示の硬化性及び電気用積層板組成物の規定の特性を得るために取り込むことができる他の共反応物質を含むことができる。共反応物質及び/又は上記添加剤の1つ又はそれ以上の混合物を使用することもできる。
【0071】
他の実施形態において、本明細書に開示の熱硬化性組成物は、繊維強化材料、例えば長繊維及び/又は短繊維を含むことができる。繊維強化材料は、ガラス繊維、炭素繊維又は有機繊維、例えばポリアミド、ポリイミド及びポリエステルを含むことができる。熱硬化性組成物の実施形態において使用される繊維補強物の濃度は、組成物の全重量に基づき約1重量パーセントから約95重量パーセント;他の実施形態においては約5重量パーセントから90重量パーセント;他の実施形態においては約10パーセントから80パーセント;他の実施形態においては約20パーセントから70パーセント;さらに他の実施形態においては30パーセントから60パーセントであってよい。
【0072】
他の実施形態において、本明細書に開示の組成物は、ナノフィラーを含むことができる。ナノフィラーは、無機、有機又は金属のものを含むことができ、粉末、ホイスカー、繊維、板又はフィルムの形態であってよい。ナノフィラーは、一般に、約0.1から約100ナノメートルの少なくとも1つの寸法(長さ、幅又は厚さ)を有する任意のフィラー又はフィラーの組合せであってよい。例えば、粉末については、少なくとも1つの寸法を粒径として特性決定することができ;ホイスカー及び繊維については、少なくとも1つの寸法は直径であり;板及びフィルムについては、少なくとも1つの寸法は厚さである。例えば、クレーを、エポキシ樹脂を主成分とするマトリックス中に分散させることができ、クレーを、エポキシ樹脂中に剪断下で分散させたときに極めて薄い連続層に分解することができる。ナノフィラーは、クレー、有機クレー、カーボンナノチューブ、ナノホイスカー(例えばSiC)、SiO、元素、アニオン又は周期表のs、p、d及びf群から選択される1つ又はそれ以上の元素の塩、金属、金属酸化物及びセラミックを含むことができる。
【0073】
上記添加剤のいずれかの濃度は、本明細書に記載の熱硬化性組成物中で使用される場合、組成物の全重量に基づき約1パーセントから95パーセント;他の実施形態においては2パーセントから90パーセント;他の実施形態においては5パーセントから80パーセント;他の実施形態においては10パーセントから60パーセント、さらに他の実施形態においては15パーセントから50パーセントであってよい。
【0074】
組成物
本明細書に開示の硬化性若しくはハードナブル組成物又はこれらから調製されたワニスは、少なくとも1つのエポキシ樹脂、少なくとも1つの硬化剤及び少なくとも1つのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の硬化性組成物及び/又はワニスは、触媒をさらに含むことができる。他の実施形態において、本明細書に開示の硬化性組成物及び/又はワニスは、補強剤を含むことができる。硬化性組成物及び/又はワニスは、いくつかの実施形態において、上記構成成分を混合することにより形成することができる。
【0075】
硬化性組成物及び/又はワニス中のエポキシ樹脂の所望量は、予期される最終使用に依存し得る。さらに、上記に詳述したとおり、補強材料を相当の体積分率において使用することができ;したがって、エポキシ樹脂の所望量は、補強材料が使用されるか否かにも依存し得る。いくつかの実施形態においては、硬化性組成物及び/又はワニスは、約30から約98体積パーセントのエポキシ樹脂を含むことができる。他の実施形態においては、硬化性組成物及び/又はワニスは、65から95体積パーセントのエポキシ樹脂;他の実施形態においては、70から90体積パーセントのエポキシ樹脂;他の実施形態においては、30から65体積パーセントのエポキシ樹脂;さらに他の実施形態においては40から60体積パーセントのエポキシ樹脂を含むことができる。
【0076】
組成物は、いくつかの実施形態においては、約0.1から約30体積パーセントのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を含むことができる。他の実施形態においては、硬化性組成物は、約1から約25体積パーセントのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤;さらに他の実施形態においては、約2から約20体積パーセントのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を含むことができる。
【0077】
組成物中の補強材料の量は、補強材料及び予期される最終生成物のタイプ及び形態に応じて変動し得る。硬化性組成物は、いくつかの実施形態においては、約20から約70体積パーセントの補強材料を含むことができる。他の実施形態においては、硬化性組成物は、約30から約65体積パーセントの補強材料;さらに他の実施形態においては40から60体積パーセントの補強材料を含むことができる。
【0078】
組成物は、いくつかの実施形態においては、約0.1から約50体積パーセントの任意選択の添加剤を含むことができる。他の実施形態においては、硬化性組成物は、約0.1から約5体積パーセントの任意選択の添加剤;さらに他の実施形態においては、0.5から2.5体積パーセントの任意選択の添加剤を含むことができる。
【0079】
使用される触媒の量は、いくつかの実施形態においては、100重量部のエポキシ樹脂当たり0.1から20重量部で変動し得る。他の実施形態においては、触媒は、100重量部のエポキシ樹脂当たり1から15重量部;さらに他の実施形態においては、100重量部のエポキシ樹脂当たり2から10重量部の範囲の量で使用することができる。所与の系に使用される触媒の規定量を実験的に決定して所望される特性の最適性を発現させるべきである。
【0080】
同様に、所与の系に使用される硬化剤の規定量を実験的に決定して所望される特性の最適性を発現させるべきである。硬化剤及び硬化剤の量の選択にあたり考慮すべき可変要素は、例えばエポキシ樹脂組成物(ブレンドの場合)、硬化した組成物の所望の特性(可撓性、電気的特性など)、所望の硬化速度及び1触媒分子当たりの反応基の数、例えばアミン中の活性水素の数を含むことができる。使用される硬化剤の量は、いくつかの実施形態においては、100重量部のエポキシ樹脂当たり0.1から150重量部で変動し得る。他の実施形態においては、硬化剤は、100重量部のエポキシ樹脂当たり5から95重量部の範囲の量で使用することができ;硬化剤は、さらに他の実施形態においては、100重量部のエポキシ樹脂当たり10から90重量部の範囲の量で使用することができる。
【0081】
電気用積層板組成物/ワニス
構成成分の比率は、部分的には、生成すべき電気用積層板組成物又は塗料において所望される特性、組成物の所望の硬化応答及び組成物の所望の貯蔵安定性(所望の貯蔵寿命)に依存し得る。例えば、いくつかの実施形態において、硬化性組成物は、エポキシ化環式脂肪族オレフィンポリマー、1つ又はそれ以上のエポキシ樹脂、1つ又はそれ以上のハードナー及び所望により他の構成成分を混合することにより形成することができ、構成成分の相対量は、電気用積層板組成物の所望の特性に依存し得る。
【0082】
いくつかの実施形態においては、エポキシ化環式脂肪族オレフィンポリマーは、本明細書に開示の硬化性組成物中に、硬化性組成物の0.1から5重量パーセントの範囲の量で存在してよい。他の実施形態においては、エポキシ化環式脂肪族オレフィンポリマーは、本明細書に開示の硬化性組成物中に、硬化性組成物の0.5から2.5重量パーセントの範囲の量で;他の実施形態においては、硬化性組成物の約1.0から2.0重量パーセントの範囲の量で存在してよい。
【0083】
いくつかの実施形態においては、エポキシ樹脂は、硬化性組成物の0.1から99重量パーセントの範囲の量で存在してよい。他の実施形態においては、エポキシ樹脂は、硬化性組成物の5から90重量パーセントの範囲;他の実施形態においては、10から80重量パーセントの範囲;さらに他の実施形態においては、10から50重量パーセントの範囲であってよい。
【0084】
他の構成成分の比率は、部分的には、生成すべき電気用積層板組成物又は塗料において所望される比率にも依存し得る。例えば、硬化剤及び硬化剤の量の選択にあたり考慮すべき可変要素は、エポキシ組成物(ブレンドの場合)、電気用積層板組成物の所望の特性(T、T、可撓性、電気的特性(D、D)など)、所望の硬化速度及び1触媒分子当たりの反応基の数、例えばアミン中の活性水素の数を含むことができる。いくつかの実施形態において、使用される硬化剤の量は、100重量部のエポキシ樹脂当たり0.1から150重量部で変動し得る。他の実施形態においては、硬化剤は、100重量部のエポキシ樹脂当たり5から95重量部の範囲の量で使用することができ;硬化剤は、さらに他の実施形態においては、100重量部のエポキシ樹脂当たり10から90重量部の範囲の量で使用することができる。さらに他の実施形態においては、硬化剤の量は、エポキシ樹脂以外の構成成分に依存し得る。
【0085】
いくつかの実施形態においては、上記硬化性組成物から形成された熱硬化性樹脂は、示差走査熱量測定を使用して計測して少なくとも140℃のガラス転移点を有することができる。他の実施形態においては、上記硬化性組成物から形成された熱硬化性樹脂は、示差走査熱量測定を使用して計測して少なくとも145℃;他の実施形態においては、少なくとも150℃;他の実施形態においては、少なくとも175℃;さらに他の実施形態においては、少なくとも200℃のガラス転移点を有することができる。
【0086】
上記硬化性組成物は、基体上に配置させ、又は基体中に含浸させ、硬化させることができる。
【0087】
基体
基体又は対象物は特定の限定を受けない。このようなものとして、基体は、金属、例えばステンレス鋼、鉄、鋼、銅、亜鉛、スズ、アルミニウム、アルマイトなど;このような金属の合金並びにこのような金属によりメッキされた板及びこのような金属の積層板を含むことができる。基体は、ポリマー、ガラス及び種々の繊維、例えば炭素/グラファイト;ホウ素;石英;アルミニウムオキサイド;ガラス、例えばEガラス、Sガラス、S−2 GLASS(登録商標)又はCガラス;及びシリコンカーバイド繊維又はチタンを含有するシリコンカーバイド繊維などを含むこともできる。市販の繊維は、有機繊維、例えばKEVLAR;アルミニウムオキサイド含有繊維、例えば3M製のNEXTEL繊維;シリコンカーバイド繊維、例えばNippon Carbon製のNICALON;及びチタンを含有するシリコンカーバイド繊維、例えばUbe製のTYRRANOを含むことができる。いくつかの実施形態において、基体は、相容化剤により被覆して基体に対する電気用積層板組成物の接着を改善することができる。
【0088】
複合材料及び被覆された構造体
いくつかの実施形態においては、本明細書に開示の電気用積層板組成物を硬化させることにより複合材料を形成することができる。他の実施形態においては、硬化性エポキシ樹脂組成物を、例えば基体又は補強材料を含浸又は塗装することにより基体又は補強材料に適用し、電気用積層板組成物を硬化させることにより複合材料を形成することができる。
【0089】
上記のとおりワニスを生成した後、ワニスを電気用積層板組成物の硬化前、硬化の間又は硬化後に上記の基体上、基体中又は基体間に配置させることができる。
【0090】
例えば、複合材料は、基体をワニスにより塗装することにより形成することができる。塗装は、吹付塗、流し塗、ロールコーター又はグラビアコーターによる塗装、はけ塗及びディッピング塗装又は浸漬塗装を含む種々の手順により実施することができる。
【0091】
種々の実施形態において、基体は単層又は多層であってよい。例えば、基体は、例えばとりわけ2の合金の複合材料、多層化されたポリマー物品及び金属被覆されたポリマーであってよい。他の種々の実施形態において、硬化性組成物の1つ又はそれ以上の層を基体上に配置することができる。基体層及び電気用積層板組成物層の種々の組合せにより形成された他の多層複合材料も、本明細書において想定される。
【0092】
いくつかの実施形態においては、ワニスの加熱を局在化し、例えば温度感受性の基体の過熱を避けることができる。他の実施形態においては、加熱は、基体及び硬化性組成物を加熱することを含むことができる。
【0093】
本明細書に開示の硬化性組成物及び/又はワニスの硬化は、エポキシ樹脂、硬化剤及び使用されるならば触媒に応じて、数分から数時間までの期間、少なくとも約30℃から約250℃までの温度を必要とし得る。他の実施形態においては、硬化を、数分から数時間までの期間、少なくとも100℃の温度において行うことができる。後処理を同様に使用することができ、このような後処理は通常、約100℃から250℃の間の温度におけるものである。
【0094】
いくつかの実施形態において、硬化は、発熱反応に起因する不所望な温度逸脱を防止するために段階化することができる。段階化は、例えば、ある温度において一定期間硬化させた後、より高い温度において一定期間硬化させることを含む。段階化された硬化は2つ又はそれ以上の硬化段階を含むことができ、いくつかの実施形態においては約180℃未満の温度において開始することができ、他の実施形態においては約150℃未満の温度において開始することができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、硬化温度は、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃又は180℃の下限から、250℃、240℃、230℃、220℃、210℃、200℃、190℃、180℃、170℃、160℃の上限までの範囲であってよく、範囲は任意の下限から任意の上限までであってよい。
【0096】
本明細書に開示の硬化性組成物は、高強度フィラメント又は繊維、例えば炭素(グラファイト)、ガラス、ホウ素などを含有する複合材料において有用であり得る。複合材料は、いくつかの実施形態においては、複合材料の全体積に基づき約30%から約70%、他の実施形態においては40%から70%のこれらの繊維を含有することができる。
【0097】
繊維強化複合材料は、例えばホットメルトプリプレグ形成により形成することができる。プリプレグ形成法は、連続繊維の帯又は布を溶融状態の上記熱硬化性組成物により含浸させてプリプレグを生じさせ、レイアップし、硬化させて繊維及びエポキシ樹脂の複合材料を提供することを特徴とする。
【0098】
本明細書に開示の硬化性組成物を含有する電気用積層板複合材料を形成するため、他の加工技術を使用することができる。例えば、フィラメント巻き、溶媒プリプレグ形成及び引抜成形が、硬化性組成物を使用することができる典型的な加工技術である。さらに、束の形態の繊維を硬化性組成物により被覆し、フィラメント巻きによるとおりレイアップし、硬化させて複合材料を形成することができる。
【0099】
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を含有する本明細書に開示の複合材料は、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤を用いずに形成された複合材料よりも高い破壊靱性を有することができ、比較可能な電気及び熱特性を有する。いくつかの実施形態においては、本明細書に開示の実施形態に従って形成された熱硬化性組成物は、示差走査熱量測定を使用して計測して少なくとも165℃のガラス転移点T及びASTM D−5045に従って計測して少なくとも1.0mPam0.5の破壊靱性k1cを有することができる。他の実施形態においては、熱硬化性組成物は、示差走査熱量測定を使用して計測して少なくとも170℃;さらに他の実施形態においては175℃のガラス転移点を有することができる。
【0100】
本明細書に開示の実施形態に従って形成された熱硬化性組成物は、熱重量分析(TGA)を使用して計測して少なくとも365℃の5%分解点Tを有することができる。他の実施形態においては、熱硬化性組成物は、TGAを使用して計測して少なくとも370℃;さらに他の実施形態においては375℃のTを有することができる。
【0101】
本明細書に開示の実施形態による熱硬化性樹脂中に使用されるシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム強化剤は、強化剤中に含有されるシリコーンと添加される難燃剤中に含有される臭素との相乗効果から生じる改善された難燃性をもたらすことができることも見出された。易燃性等級は、定義された材料の試験試料を定義された火炎に規定の時間曝露することを必要とするUL−94のもと試験することにより得られる。フレーム時間、残じん時間及び綿発火滴下物を含む基準の数に従ってV−0、V−1及びV−2の等級が得られる。本明細書に開示の実施形態による熱硬化性樹脂は、V−0のUL−94垂直燃焼等級を有することができ、この等級は、試験片へのそれぞれ10秒間の2回の接炎後に燃焼が10秒以内に停止し、燃焼滴下物を有しないことを示す。いくつかの実施形態においては、第1の燃焼の間、燃焼が停止するのに経過する平均時間(火炎消火時間)は、0.9秒未満;他の実施形態においては0.7秒未満であり得る。
【0102】
本明細書に記載の硬化性組成物及び複合材料は、接着剤、構造及び電気用積層板、塗料、船舶用塗料、複合材料、粉体塗料、接着剤、鋳造品、航空宇宙産業用の構造体として及び電子工学産業用の回路基板などとして有用であり得る。
【0103】
いくつかの実施形態においては、硬化性組成物及び得られた熱硬化性樹脂を、種々の基体上、基体中又は基体間に配置することができる複合材料、塗料、接着剤又はシーラント中で使用することができる。他の実施形態においては、硬化性組成物を、基体に適用してエポキシ樹脂を主成分とするプリプレグを得ることができる。本明細書において使用されているとおり、基体は、例えばガラスクロス、ガラス繊維、研磨紙、紙並びにポリエチレン及びポリプロピレンの同様の基体を含む。得られたプリプレグは、所望のサイズに切断することができる。電導層は、電導性材料により積層板/プリプレグ上に形成することができる。本明細書において使用されているとおり、好適な電導性材料は、電導性金属、例えば銅、金、銀、白金及びアルミニウムを含む。このような電気用積層板は、例えば電気又は電子機器用の多層プリント回路基板として使用することができる。
【実施例】
【0104】
試料試験
以下の試料及び比較試料を、熱的及び機械的特性決定(示差走査熱量測定(DSC)、熱機械分析(TMA)、動的機械熱分析(DMTA)、熱重量分析(TGA)及び機械的試験(破壊靱性及び引張特性)を含む)のために分析する。
【0105】
示差走査熱量測定(DSC)実験は、TA Instruments(New Castle,DE)Q−1000 Calorimeterにより実施する。10℃/分における中間冷却を伴う窒素下での10℃/分における35℃から275℃の平衡化温度からの2回の走査を、開口アルミニウムパン中で各試料について実施する。3回目の走査は、20℃/分の加熱速度において実施する。報告されるガラス転移点(T)値は、2回目の走査による熱容量曲線の変曲点から計測した。
【0106】
熱機械分析(TMA)実験は、マイクロエクスパンションプローブ(micro-expansion probe)を有するTA Instruments Q−400により実施する。試料を分析前にデシケーター中で一晩乾燥させ、温度を10℃/分において275℃に2回上げる。T及び熱膨張係数(CTE)を、2回目の走査から算出する。
【0107】
「T260」は、積層板が、260℃に加熱されたときに剥離し始めるのに要する時間である。同様の指標は、「T288」であり、288℃における剥離時間を計測する。T260及びT288は、熱重量分析(TMA)によっても測定する。試料を260℃に加熱し、熱分解の結果としての試料の厚さの計測可能な変化が検出されるような時間までその温度を保持する。T288は同一の手法において計測し、但し試料を288℃に加熱する。
【0108】
動的機械熱分析(DMTA)は、環境制御型オーブンチャンバ及び矩形板固定具を備えるARES LSレオメータ(Rheometric Scientific,Piscataway,NJ)により実施する。1.75インチ×0.5インチ×0.125インチの試料について、0.1%の歪を1Hzにおいて適用する一方、3℃/分において250℃に上げる。
【0109】
熱重量分析(TGA)実験は、TA Instruments Q−50により実施する。乾燥試料を、窒素をパージガスとして使用して10℃/分における室温から600℃までの上昇により分析する。分解点(T)は、出発質量の5パーセントが損失した温度により測定する。
【0110】
試料の破壊靱性(k1c及びG1c)試験は、ASTM D−5045に従って実施する。試料は、水ジェットカッターを使用して切断して亀裂及び残留応力を最小化する。最低5回の分析を実施し、平均化する。
【0111】
引張試験は、試料サイズを除いてASTM D638に従って、選択した試料について実施する。これらの試験について、名目上1/8インチ厚熱硬化性プラークを、0.5インチ×2.75インチ片に、1/8インチゲージ幅で切断した。
【0112】
吸水率は、試料粉末(エポキシ樹脂組成物の粉末)を成形して厚さ3mm及び直径50mmの試験片を形成することにより計測する。175℃における硬化後、試験片を定温湿度室中に置き、85℃の温度及び85%の相対湿度に72時間設定した。重量の変動を湿度室の前後で計測して吸水率を算出する。
【0113】
銅剥離強度は、IPC−TM−650−2.4.8に従って計測する。
【0114】
試料の易燃特性は、UL−94Vの垂直燃焼試験に従って計測し、この試験は、少なくとも5つの試験体について実施する。
【0115】
吸湿性の試験準備から生じるはんだ浸漬曝露の間のふくれは、IPC試験法TM−650に従って計測した。
【実施例1】
【0116】
15グラムのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴム(Mitsubishi Rayonから入手可能なMETABLEN SX−006)を、85グラムのメチルエチルケトン(MEK)に添加し、ローター装置を使用して2000rpmにおいて30分間完全に混合する。Table 1に示す配合を有する積層板組成物中に使用される安定な白色分散液が得られる。D.E.N.(商標)438EK85は、約3.6の多エポキシ官能価を有し、1当量当たり約180グラムのエポキシド当量を有するフェノールエポキシノボラック樹脂のMEK中溶液であり、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能である。D.E.R.(商標)560は、1当量当たり約450グラムのエポキシド当量を有するテトラブロモビスフェノールAエピクロロヒドリンタイプの臭素化エポキシ樹脂であり、同様にThe Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能である。ReziCure(商標)3026は、SI Groupから入手可能なフェノールノボラックハードナー(エポキシ硬化性/共反応物質)である。
【表1】

【0117】
Table 1に示す構成成分を、ガラス容器に添加し、シェーカー中で混合し、配合物の粘度がガードナースケールでBになるまでさらなるMEKを添加する。全固体は66.3%である。溶液が均一になった後、2−メチルイミダゾール(0.3重量%)を添加し、溶液を10分間振とうさせる。
【0118】
上記のとおり調製したワニスを使用してハンドペイントを調製する。次いで、これらのハンドペイントプリプレグを使用して積層板をプレスする。実施例1において形成された積層板の特性を、Table 1Aの対照試料(比較例)と比較する。比較例は、Table 1に記載の配合と同一の配合であるが、分散させたMETABLENを有さず、Table 1Aに挙げられた比較例の配合を有する。
【表2】

【実施例2】
【0119】
Table 2に示す配合物を有するワニスを、実施例1と同様の様式において調製する。本実施例に使用される強化剤は、Mitsubishi Rayonから入手可能なMETABLEN SX−005、シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムである。
【表3】

【実施例3】
【0120】
Table 3に示す配合を有するワニスを実施例1に記載の様式と同様の様式において調製する。METABLEN SX−006は、Mitsubishi Rayonから入手可能なシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムである。D.E.R.(商標)592は、1当量当たり約360グラムのエポキシド当量を有する臭素化エポキシ樹脂であり、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganから入手可能である。
【表4】

【0121】
結果
実施例1及び比較例の試験結果をTable 4に挙げる。
【表5】

【0122】
実施例2及び3の試験結果を、Table 5において比較例と比較する。
【表6】

【0123】
易燃性試験測定(垂直燃焼試験)をTable 6に提示する。
【表7】

【0124】
上記のとおり、本明細書に開示の実施形態は、エポキシ樹脂及びコア/シェルゴム強化剤を含む硬化性組成物を提供する。得られた熱硬化性組成物は、高速電子部品、例えばプリント回路基板における使用に好適な誘電特性を有することができる。
【0125】
本発明を説明の目的のために詳細に記載してきたが、本発明はこれにより限定されるものと解釈されるべきではなく、この主旨及び範囲内での全ての変更及び改変を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂;
硬化剤;及び
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴム
を含む組成物。
【請求項2】
硬化性組成物の全重量に基づき0.1から30重量パーセントのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
臭素化難燃剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂が少なくとも1つの臭素化エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
シリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを溶媒中に分散させること;
前記分散させたシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムをエポキシ樹脂並びにハードナー、触媒及び追加の溶媒の1つ又はそれ以上と混合して硬化性組成物を形成すること
を含む方法。
【請求項6】
前記臭素化難燃剤を硬化性組成物と混合することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂が少なくとも1つの臭素化エポキシ樹脂を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化性組成物が、前記硬化性組成物の全重量に基づき0.1から30重量パーセントのシリコーン−アクリレートコア/シェルゴムを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物から生成されたワニス。
【請求項10】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された電気用積層板。
【請求項11】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された回路基板。
【請求項12】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された塗料。
【請求項13】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された複合材料。
【請求項14】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された鋳造品。
【請求項15】
請求項9に記載の前記ワニスから調製された接着剤。

【公表番号】特表2012−532963(P2012−532963A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519713(P2012−519713)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/041311
【国際公開番号】WO2011/005925
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】