説明

露光装置、露光方法、及び表示用パネル基板の製造方法

【課題】光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きとヘッド部の傾きとを容易に判別して、光ビームの歪みを抑制し、描画精度を向上させる。
【解決手段】光ビーム照射装置20から照射される光ビームを受光する受光装置51をチャック10に設け、光ビーム照射装置20のヘッド部20aを回転する回転機構28を設ける。回転機構28によりヘッド部20aを回転する前と回転した後に、光ビーム照射装置20から照射された光ビームを受光装置51により受光する。ヘッド部20aを回転する前後の、受光装置51により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置20の空間的光変調器25の傾きとヘッド部20aの傾きとを判別し、判別結果に基づき、空間的光変調器の傾き又はヘッド部20aの傾きを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置、露光方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、従来、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがあった。
【0003】
近年、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置が開発されている。光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを直接描画するため、高価なマスクが不要となる。また、描画データ及び走査のプログラムを変更することにより、様々な種類の表示用パネル基板に対応することができる。この様な露光装置として、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−44318号公報
【特許文献2】特開2010−60990号公報
【特許文献3】特開2010−102084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ビームにより基板にパターンを描画する際、光ビームの変調には、DMD(Digital Micromirror Device)等の空間的光変調器が用いられる。DMDは、光ビームを反射する複数の微小なミラーを二方向に配列して構成され、駆動回路が描画データに基づいて各ミラーの角度を変更することにより、光源から供給された光ビームを変調する。DMDにより変調された光ビームは、光ビーム照射装置の投影レンズ等の照射光学系を含むヘッド部から基板へ照射される。
【0006】
光ビーム照射装置内において、光ビームの光路にずれが生じると、光ビーム照射装置から照射される光ビームに歪みが発生する。特に、光ビームを変調する空間的光変調器や、空間的光変調器により変調された光ビームを照射するヘッド部が傾いて設置されると、光ビーム照射装置から照射される光ビームに歪みが生じ、光ビームにより描画されるパターンに歪みが発生する。従来、この様なパターンの歪みの検査は、実際に露光を行った基板を分析して行われていた。しかしながら、パターンの歪みが、空間的光変調器の傾きによるものか、ヘッド部の傾きによるものか、あるいは投影レンズ等の光学部品の歪みによるものか判別が難しく、光ビームの歪みの修正には、多くの時間と手間が掛かっていた。
【0007】
本発明の課題は、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きとヘッド部の傾きとを容易に判別して、光ビームの歪みを抑制し、描画精度を向上させることである。また、本発明の課題は、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを抑制して、描画精度を向上させることである。さらに、本発明の課題は、高品質な表示用パネル基板を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の露光装置は、フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置と、チャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、移動手段によりチャックと光ビーム照射装置とを相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、チャックに設けられ、光ビーム照射装置から照射される光ビームを受光する受光装置と、光ビーム照射装置のヘッド部を回転する回転機構と、光ビーム照射装置の空間的光変調器の角度を調節する第1の調節装置と、光ビーム照射装置のヘッド部の角度を調節する第2の調節装置と、回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、受光装置により受光された光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別する制御手段とを備え、制御手段の判別結果に基づき、第1の調節装置又は第2の調節装置により、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正したものである。
【0009】
また、本発明の露光方法は、フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、チャックと、光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、光ビーム照射装置から照射される光ビームを受光する受光装置をチャックに設け、光ビーム照射装置のヘッド部を回転する回転機構を設け、回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前に、光ビーム照射装置から照射された光ビームを受光装置により受光し、回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転した後に、光ビーム照射装置から照射された光ビームを受光装置により受光し、光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、受光装置により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別し、判別結果に基づき、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正するものである。
【0010】
回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前と回転した後に、光ビーム照射装置から照射された光ビームを受光装置により受光すると、光ビーム照射装置のヘッド部が傾いていない場合、ヘッド部を回転する前後で、受光装置により受光した光ビームの位置は変化せず、ヘッド部が傾いている場合、ヘッド部を回転する前後で、受光装置により受光した光ビームの位置が変化する。光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、受光装置により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別するので、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとが容易に判別される。そして、判別結果に基づき、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正するので、光ビーム照射装置から照射される光ビームの歪みが抑制され、描画精度が向上する。
【0011】
さらに、本発明の露光装置は、制御手段が、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、受光装置が、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを複数箇所で受光し、制御手段が、受光装置により受光された光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、光ビーム照射装置のヘッド部が、制御手段が検出した光ビームの歪みに応じて、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、回転機構により回転されたものである。
【0012】
また、本発明の露光方法は、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて、光ビーム照射装置のヘッド部を、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、回転機構により回転するものである。
【0013】
本発明で光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き及び光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正した後は、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みだけが残る。検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを検出する。そして、光ビーム照射装置のヘッド部を、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、回転機構により回転するので、投影レンズ等の照射光学系を含むヘッド部が、光ビームの歪みが最小となる方向に配置され、描画精度がさらに向上する。
【0014】
さらに、本発明の露光装置は、制御手段が、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、受光装置が、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを複数箇所で受光し、制御手段が、受光装置により受光された光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給するものである。
【0015】
また、本発明の露光方法は、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給するものである。
【0016】
本発明で光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き及び光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正した後は、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みだけが残る。検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを検出する。そして、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給するので、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みが抑制され、描画精度がさらに向上する。
【0017】
さらに、本発明の露光装置は、光ビーム照射装置に対するチャックの位置を検出する第1の検出手段と、受光装置により受光した光ビームの受光装置上の位置を検出する第2の検出手段とを備え、制御手段が、第1の検出手段により検出した光ビーム照射装置に対するチャックの位置と、第2の検出手段により検出した光ビームの受光装置上の位置とから、受光装置により受光された光ビームの位置を複数箇所で検出するものである。
【0018】
また、本発明の露光方法は、光ビーム照射装置に対するチャックの位置を検出し、受光装置が受光した光ビームの受光装置上の位置を検出し、光ビーム照射装置に対するチャックの位置と、光ビームの受光装置上の位置とから、受光装置により受光した光ビームの位置を複数箇所で検出するものである。
【0019】
光ビーム照射装置から照射される光ビームの照射領域に対して、チャックに設けた受光装置の視野が狭い場合、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により光ビームの照射領域内の複数箇所で受光するためには、光ビーム照射装置とチャックとを相対的に移動する必要がある。その場合、光ビーム照射装置に対するチャックの位置を検出し、受光装置が受光した光ビームの受光装置上の位置を検出し、光ビーム照射装置に対するチャックの位置と、光ビームの受光装置上の位置とから、受光装置により受光した光ビームの位置を複数箇所で検出すると、光ビーム照射装置とチャックとの相対的な位置が変化しても、受光装置により受光した各光ビームの位置を検出することができる。
【0020】
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかの露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うものである。上記の露光装置又は露光方法を用いることにより、光ビーム照射装置から照射される光ビームの歪みが抑制され、描画精度が向上するので、高品質な表示用パネル基板が製造される。
【発明の効果】
【0021】
本発明の露光装置及び露光方法によれば、光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、受光装置により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別することにより、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを容易に判別することができる。そして、判別結果に基づき、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正することにより、光ビーム照射装置から照射される光ビームの歪みを抑制して、描画精度を向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明の露光装置及び露光方法によれば、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて、光ビーム照射装置のヘッド部を、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、回転機構により回転することにより、投影レンズ等の照射光学系を含むヘッド部を、光ビームの歪みが最小となる方向に配置して、描画精度をさらに向上させることができる。
【0023】
さらに、本発明の露光装置及び露光方法によれば、検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給することにより、投影レンズ等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを抑制して、描画精度をさらに向上させることができる。
【0024】
さらに、本発明の露光装置及び露光方法によれば、光ビーム照射装置に対するチャックの位置を検出し、受光装置が受光した光ビームの受光装置上の位置を検出し、光ビーム照射装置に対するチャックの位置と、光ビームの受光装置上の位置とから、受光装置により受光した光ビームの位置を複数箇所で検出することにより、光ビーム照射装置から照射される光ビームの照射領域に対して、チャックに設けた受光装置の視野が狭い場合に、光ビーム照射装置とチャックとを相対的に移動して、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により光ビームの照射領域内の複数箇所で受光し、受光装置により受光した各光ビームの位置を検出することができる。
【0025】
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、光ビーム照射装置から照射される光ビームの歪みを抑制して、描画精度を向上させることができるので、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による露光装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。
【図4】光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。
【図5】DMDのミラー部の一例を示す図である。
【図6】レーザー測長系の動作を説明する図である。
【図7】描画制御部の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。
【図9】本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。
【図10】本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。
【図11】図11(a)は光ビーム照射装置の筐体部、ベアリング、調節用リング、及びヘッド部の側面図、図11(b)はベアリング、調節用リング、及びヘッド部の分解した状態の斜視図である。
【図12】DMDホルダの斜視図である。
【図13】検査用パターンの例を示す図である。
【図14】光ビームの位置の変化を説明する図である。
【図15】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図16】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図17】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図18】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図19】液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図20】液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。また、図2は本発明の一実施の形態による露光装置の側面図、図3は本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック10、ゲート11、光ビーム照射装置20、リニアスケール31,33、エンコーダ32,34、レーザー測長系、レーザー測長系制御装置40、画像処理装置50、CCDカメラ51、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70を含んで構成されている。なお、図2及び図3では、レーザー測長系のレーザー光源41、レーザー測長系制御装置40、画像処理装置50、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70が省略されている。露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
【0028】
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
【0029】
図1及び図2において、チャック10は、基板1の受け渡しを行う受け渡し位置にある。受け渡し位置において、図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10へ搬入され、また図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10から搬出される。チャック10は、基板1の裏面を真空吸着して支持する。基板1の表面には、フォトレジストが塗布されている。
【0030】
基板1の露光を行う露光位置の上空に、ベース3をまたいでゲート11が設けられている。ゲート11には、複数の光ビーム照射装置20が搭載されている。なお、本実施の形態は、8つの光ビーム照射装置20を用いた露光装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の数はこれに限らず、本発明は1つ又は2つ以上の光ビーム照射装置を用いた露光装置に適用される。
【0031】
図4は、光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。光ビーム照射装置20は、光ファイバー22、レンズ23、ミラー24、DMD(Digital Micromirror Device)25、投影レンズ26、及びDMD駆動回路27を含んで構成されている。光ファイバー22は、レーザー光源ユニット21から発生された紫外光の光ビームを、光ビーム照射装置20内へ導入する。光ファイバー22から射出された光ビームは、レンズ23及びミラー24を介して、DMD25へ照射される。DMD25は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成された空間的光変調器であり、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する。DMD25により変調された光ビームは、照射光学系の投影レンズ26を含むヘッド部20aから照射される。DMD駆動回路27は、主制御装置70から供給された描画データに基づいて、DMD25の各ミラーの角度を変更する。
【0032】
図2及び図3において、チャック10は、θステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。Xステージ5、Yステージ7、及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60により駆動される。
【0033】
θステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1は、直交する二辺がX方向及びY方向へ向く様に回転される。Xステージ5のX方向への移動により、チャック10は、受け渡し位置と露光位置との間を移動される。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームが、基板1をX方向へ走査する。また、Yステージ7のY方向への移動により、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームによる基板1の走査領域が、Y方向へ移動される。図1において、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、θステージ8のθ方向へ回転、Xステージ5のX方向への移動、及びYステージ7のY方向への移動を行う。
【0034】
図5は、DMDのミラー部の一例を示す図である。光ビーム照射装置20のDMD25は、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査方向(X方向)に対して、所定の角度θだけ傾いて配置されている。DMD25を、走査方向に対して傾けて配置すると、直交する二方向に配列された複数のミラー25aのいずれかが、隣接するミラー25a間の隙間に対応する箇所をカバーするので、パターンの描画を隙間無く行うことができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行っているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行ってもよい。また、本実施の形態では、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更しているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更してもよい。
【0036】
図1及び図2において、ベース3には、X方向へ伸びるリニアスケール31が設置されている。リニアスケール31には、Xステージ5のX方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。また、Xステージ5には、Y方向へ伸びるリニアスケール33が設置されている。リニアスケール33には、Yステージ7のY方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。
【0037】
図1及び図3において、Xステージ5の一側面には、リニアスケール31に対向して、エンコーダ32が取り付けられている。エンコーダ32は、リニアスケール31の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。また、図1及び図2において、Yステージ7の一側面には、リニアスケール33に対向して、エンコーダ34が取り付けられている。エンコーダ34は、リニアスケール33の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。主制御装置70は、エンコーダ32のパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量を検出し、エンコーダ34のパルス信号をカウントして、Yステージ7のY方向への移動量を検出する。
【0038】
図6は、レーザー測長系の動作を説明する図である。なお、図6においては、図1に示したゲート11、光ビーム照射装置20、及び画像処理装置50が省略されている。レーザー測長系は、公知のレーザー干渉式の測長系であって、レーザー光源41、レーザー干渉計42,44、及びバーミラー43,45を含んで構成されている。バーミラー43は、チャック10のY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。また、バーミラー45は、チャック10のX方向へ伸びる一側面に取り付けられている。
【0039】
レーザー干渉計42は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー43へ照射し、バーミラー43により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー43により反射されたレーザー光との干渉を測定する。この測定は、Y方向の2箇所で行う。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計42の測定結果から、チャック10のX方向の位置及び回転を検出する。
【0040】
一方、レーザー干渉計44は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー45へ照射し、バーミラー45により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー45により反射されたレーザー光との干渉を測定する。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計44の測定結果から、チャック10のY方向の位置を検出する。
【0041】
図4において、主制御装置70は、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ描画データを供給する描画制御部を有する。図7は、描画制御部の概略構成を示す図である。描画制御部71は、メモリ72,76、バンド幅設定部73、中心点座標決定部74、座標決定部75、描画データ作成部77、及び座標演算部78を含んで構成されている。
【0042】
メモリ76には、設計値マップが格納されている。設計値マップには、描画データがXY座標で示されている。描画データ作成部77は、メモリ76に格納された設計値マップから、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する露光用の描画データを作成する。メモリ72は、描画データ作成部77が作成した露光用の描画データを、そのXY座標をアドレスとして記憶する。また、メモリ72は、後述する光ビームの歪みを検出するための検査用の描画データを格納している。
【0043】
バンド幅設定部73は、メモリ72から読み出す描画データのY座標の範囲を決定することにより、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームのY方向のバンド幅を設定する。
【0044】
レーザー測長系制御装置40は、露光位置における基板1の露光を開始する前のチャック10のXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長系制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置から、基板1の露光を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1において、光ビーム照射装置20からの光ビームにより基板1の走査を行う際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動させる。基板1の走査領域を移動する際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。図7において、中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量を検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。
【0045】
座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する露光用の描画データのXY座標を決定する。メモリ72は、座標決定部75が決定したXY座標をアドレスとして入力し、入力したXY座標のアドレスに記憶された露光用の描画データを、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ出力する。
【0046】
以下、本発明の一実施の形態による露光方法について説明する。図8〜図10は、本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。なお、図9は図8に示したチャックの拡大図であり、図8及び図9においては、図1に示したゲート11及び光ビーム照射装置20が省略され、光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。また、図10では、ゲート11が省略されている。
【0047】
図9及び図10において、チャック10には切り欠き部10aが設けられており、切り欠き部10aには2つのCCDカメラ51が設置されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aは、Y方向に等間隔で配置されており、2つのCCDカメラ51は、チャック10に、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aの間隔の整数倍の間隔で設けられている。各CCDカメラ51の焦点は、チャック10に搭載される基板の表面の高さに合っている。なお、本実施の形態では、チャック10に2つのCCDカメラ51が設けられているが、チャック10に3つ以上のCCDカメラ51を設けてもよい。
【0048】
図10において、各光ビーム照射装置20の筐体部とヘッド部20aとの間には、ベアリング28及び調節用リング53がそれぞれ設けられている。図11(a)は、光ビーム照射装置の筐体部、ベアリング、調節用リング、及びヘッド部の側面図である。図11(a)において、光ビーム照射装置20のヘッド部20aは、ベアリング28、及び調節用リング53を介して、光ビーム照射装置20の筐体部20bの下面に取り付けられている。
【0049】
図11(b)は、ベアリング、調節用リング、及びヘッド部の分解した状態の斜視図である。図11(b)において、ベアリング28の中央部には、光ビームを通過させるための空間が、図面上下方向に設けられている。ベアリング28の上輪28a及び下輪28bは、ベアリング28の内部に環状に配置した複数のボールにそれぞれ接触して、上輪28aと下輪28bが相対的に矢印で示す方向へ回転可能となっている。上輪28aは、筐体部20bの下面に固定され、下輪28bは、調節用リング53を介してヘッド部20aに取り付けられている。下輪28bを回転することにより、ヘッド部20aが回転する。
【0050】
ベアリング28の下輪28bとヘッド部20aとの間に挿入された調節用リング53は、薄い環状の板で、厚さが均一ではなくテーパ状に変化しており、厚さの変化量が異なるものが、複数種類用意されている。調節用リング53を回転し、または調節用リング53を厚さの変化量が異なるものに交換することにより、ヘッド部20aの筐体部20bに対する取り付け角度が調節される。
【0051】
図4において、DMD25は、図示しないDMDホルダにより保持されている。図12は、DMDホルダの斜視図である。DMDホルダ54は、支持板54a、本体54b、引張コイルバネ54c、及びピエゾ素子54dを含んで構成されている。DMD25は、裏面が支持板54aに取り付けられて、支持板54aにより支持されている。支持板54aと本体54bとの間の四隅には、引張コイルバネ54cが取り付けられており、支持板54aは、4本の引張コイルバネ54cにより、本体54bの方向へ付勢されている。また、支持板54aと本体54bとの間の三箇所には、ピエゾ素子54dが設けられており、3つのピエゾ素子54d先端が支持板54aに三箇所で接触して、支持板54aと本体54bとの間隔を保っている。各ピエゾ素子54dは、ピエゾ素子駆動回路55により駆動されて、先端が上下方向へ移動する。各ピエゾ素子54dを駆動することにより、支持板54aに支持されたDMD25の取り付け角度が調節される。
【0052】
本実施の形態では、基板の露光を開始する前に、チャック10に設けられたCCDカメラ51を用いて、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームを受光し、受光した光ビームから、予め、各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの歪みを検出する。図8において、主制御装置70は、チャック10に基板が搭載されていない状態で、レーザー測長系制御装置40の検出結果に基づき、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5及びYステージ7によりチャック10を移動させ、チャック10に取り付けられたCCDカメラ51を、光ビームの歪みを検出する光ビーム照射装置20のヘッド部20aの真下に位置させる。図8〜図10は、CCDカメラ51が、光ビームの歪みを検出する光ビーム照射装置20のヘッド部20aの真下にある状態を示している。
【0053】
この状態で、主制御装置70は、描画制御部71から、検査用の描画データを、光ビームの歪みを検出する光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する。検査用の描画データが供給された光ビーム照射装置20は、そのヘッド部20aから、検査用パターンを描画する光ビームを照射する。図13は、検査用パターンの例を示す図である。図13(a),(b)において、破線で示す大きい四角26aは、DMD25により変調されて投影レンズ26から照射される光ビームの照射領域を示している。また、破線で示す小さい四角51aは、CCDカメラ51の視野の大きさを示している。
【0054】
図13(a)は、光ビームの長方形の照射領域26aの長辺方向の歪みを検出する際に使用する検査用パターン2aを示している。また、図13(b)は、光ビームの長方形の照射領域26aの短辺方向の歪みを検出する際に使用する検査用パターン2bを示している。図13(a),(b)は、光ビームの照射領域26aに、15個の検査用パターン2a,2bが投影された例を示している。本例の各検査用パターン2a,2bは、所定の幅の複数の線を光ビームの歪みを検出する方向に等間隔で並べた、ラインアンドスペースとなっている。
【0055】
ベアリング28により光ビーム照射装置20のヘッド部20aを回転する前に、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5及びYステージ7によりチャック10を移動させ、図13(a)に示す様に、光ビームの照射領域26aの中心に配置された検査用パターン2aを、CCDカメラ51の視野51a内に入れる。CCDカメラ51は、チャック10に支持される基板の表面の高さに焦点を合わせて、検査用パターン2aに対応する部分に照射された光ビームを受光する。図8において、レーザー測長系制御装置40は、このときの光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置を検出する。CCDカメラ51は、受光した光ビームの画像信号を、画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50は、CCDカメラ51の画像信号を処理し、CCDカメラ51により受光した光ビームのCCDカメラ51上の位置を検出する。図7において、描画制御部71の座標演算部78は、レーザー測長系制御装置40により検出した光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置と、画像処理装置50により検出した光ビームのCCDカメラ51上の位置とから、CCDカメラ51により受光された光ビームの中心点のXY座標を検出する。
【0056】
続いて、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5及びYステージ7によりチャック10を移動させ、図13(a)に示す様に、光ビームの照射領域26aの両脇に配置された検査用パターン2aを、CCDカメラ51の視野51a内に入れる。CCDカメラ51は、チャック10に支持される基板の表面の高さに焦点を合わせて、各検査用パターン2aに対応する部分に照射された各光ビームを受光する。図8において、レーザー測長系制御装置40は、このときの光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置を検出する。CCDカメラ51は、受光した各光ビームの画像信号を、画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50は、CCDカメラ51の画像信号を処理し、CCDカメラ51により受光した各光ビームのCCDカメラ51上の位置を検出する。図7において、描画制御部71の座標演算部78は、レーザー測長系制御装置40により検出した光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置と、画像処理装置50により検出した各光ビームのCCDカメラ51上の位置とから、CCDカメラ51により受光された各光ビームの中心点のXY座標を検出する。
【0057】
ベアリング28により光ビーム照射装置20のヘッド部20aを180度回転した後、上記と同様にして、光ビームの照射領域26aの中央及び両脇に配置された各検査用パターン2aについて、CCDカメラ51により、各検査用パターン2aに対応する部分に照射された各光ビームを受光し、CCDカメラ51により受光された各光ビームの位置を検出する。このとき、ヘッド部20aを回転する前後の、CCDカメラ51により受光された各光ビームの位置の変化は、ヘッド部20aの傾きに依存する。
【0058】
図14は、光ビームの位置の変化を説明する図である。図14(a),(b)は、DMD25が傾いておらず、ヘッド部20aが傾いている場合を示し、図14(c),(d)は、ヘッド部20aが傾いておらず、DMD25が傾いている場合を示している。また、図14(a),(c)は、ヘッド部20aを回転する前を示し、図14(b),(d)は、ヘッド部20aを180度回転した後を示している。図14(a),(b),(c),(d)において、dL,dRは、光ビームの照射領域26aの中央に配置された検査用パターン2aについて検出された光ビームの位置と、光ビームの照射領域26aの両脇に配置された検査用パターン2aについて検出された光ビームの位置との間隔を示している。
【0059】
DMD25が傾いておらず、ヘッド部20aが傾いている場合、図14(a)に示したヘッド部20aを回転する前と、図14(b)に示したヘッド部20aを180度回転した後とで、dL,dRは大きさが両者反対となる。一方、ヘッド部20aが傾いておらず、DMD25が傾いている場合、図14(c)に示したヘッド部20aを回転する前と、図14(d)に示したヘッド部20aを180度回転した後とで、dL,dRは変化しない。
【0060】
本実施の形態では、ヘッド部20aを回転する前のdL,dRと、ヘッド部20aを180度回転した後のdL,dRとから、dL,dRがヘッド部20aの回転の前後で変化する場合は、ヘッド部20aが傾いていると判定し、dL,dRがヘッド部20aの回転の前後で変化しない場合は、DMD25が傾いていると判定する。そして、ヘッド部20aが傾いていると判定した場合は、図11(b)において、調節用リング53を回転し、または調節用リング53を厚さの変化量が異なるものに交換して、ヘッド部20aの傾きを補正する。一方、DMD25が傾いていると判定した場合は、図12において、DMDホルダ54のピエゾ素子54dを駆動することにより、DMD25の傾きを補正する。
【0061】
光ビーム照射装置20のヘッド部20aを回転する前後の、CCDカメラ51により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置20のDMD25の傾きとヘッド部20aの傾きとを判別するので、DMD25の傾きとヘッド部20aの傾きとが容易に判別される。そして、判別結果に基づき、DMD25の傾き又はヘッド部20aの傾きを補正するので、光ビーム照射装置20から照射される光ビームの歪みが抑制され、描画精度が向上する。
【0062】
光ビーム照射装置20のDMD25の傾き及びヘッド部20aの傾きを補正した後は、投影レンズ26等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みだけが残る。本実施の形態では、光ビーム照射装置20のDMD25の傾き及びヘッド部20aの傾きを補正した後に、投影レンズ26等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを検出する。
【0063】
主制御装置70は、描画制御部71から、図13(a)に示す検査用パターン2aを描画する検査用の描画データを、DMD25の傾き及びヘッド部20aの傾きを補正した光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する。続いて、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5及びYステージ7によりチャック10を移動させ、図13(a)に示す各検査用パターン2aを、CCDカメラ51の視野51a内に入れる。CCDカメラ51は、チャック10に支持される基板の表面の高さに焦点を合わせて、各検査用パターン2aに対応する部分に照射された各光ビームを受光する。図8において、レーザー測長系制御装置40は、このときの光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置を検出する。CCDカメラ51は、受光した各光ビームの画像信号を、画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50は、CCDカメラ51の画像信号を処理し、CCDカメラ51により受光した各光ビームのCCDカメラ51上の位置を検出する。図7において、描画制御部71の座標演算部78は、レーザー測長系制御装置40により検出した光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置と、画像処理装置50により検出した各光ビームのCCDカメラ51上の位置とから、CCDカメラ51により受光された各光ビームの中心点のXY座標を検出する。そして、座標演算部78は、検出した15個の検査用パターン2aについての光ビームの位置から、光ビーム照射装置20から照射された光ビームの、長方形の照射領域26aの長辺方向の歪みを検出する。
【0064】
次に、主制御装置70は、描画制御部71から、図13(b)に示す検査用パターン2bを描画する検査用の描画データを、DMD25の傾き及びヘッド部20aの傾きを補正した光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する。続いて、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5及びYステージ7によりチャック10を移動させ、図13(b)に示す各検査用パターン2bを、CCDカメラ51の視野51a内に入れる。CCDカメラ51は、チャック10に支持される基板の表面の高さに焦点を合わせて、各検査用パターン2bに対応する部分に照射された各光ビームを受光する。図8において、レーザー測長系制御装置40は、このときの光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置を検出する。CCDカメラ51は、受光した各光ビームの画像信号を、画像処理装置50へ出力する。画像処理装置50は、CCDカメラ51の画像信号を処理し、CCDカメラ51により受光した各光ビームのCCDカメラ51上の位置を検出する。図7において、描画制御部71の座標演算部78は、レーザー測長系制御装置40により検出した光ビーム照射装置20に対するチャック10のXY方向の位置と、画像処理装置50により検出した各光ビームのCCDカメラ51上の位置とから、CCDカメラ51により受光された各光ビームの中心点のXY座標を検出する。そして、座標演算部78は、検出した15個の検査用パターン2bについての光ビームの位置から、光ビーム照射装置20から照射された光ビームの、長方形の照射領域26aの短辺方向の歪みを検出する。
【0065】
本実施の形態では、光ビームの長方形の照射領域26aの長辺方向の歪みが、短辺方向の歪みより大きい場合、ベアリング28によりヘッド部20aを90度回転して、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域26aの長辺方向となる様にする。投影レンズ等の照射光学系を含むヘッド部20aが、光ビームの歪みが最小となる方向に配置され、描画精度がさらに向上する。
【0066】
同様にして、主制御装置70は、CCDカメラ51を、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aの真下に順番に位置させて、各光ビーム照射装置20のDMD25の傾き及びヘッド部20aの傾きの補正と、各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの歪みの検出とを行う。
【0067】
図7において、描画制御部71の描画データ作成部77は、座標演算部78の光ビームの歪みの検出結果に基づき、メモリ72に記憶された露光用の描画データのXY座標を補正する。基板1の露光を行う際、描画制御部71は、座標を補正した露光用の描画データを各ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する。各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの歪みの検出結果に基づき、露光用の描画データの座標を補正して、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給するので、各光ビーム照射装置20から照射される光ビームの歪みが抑制され、描画精度がさらに向上する。
【0068】
なお、以上説明した実施の形態では、光ビームの照射領域26a内の15箇所で光ビームの位置を検出していたが、本発明はこれに限らず、光ビームの照射領域26aの他の複数箇所で光ビームの位置を検出して、光ビーム照射装置20から照射された光ビームの歪みを検出してもよい。
【0069】
図15〜図18は、光ビームによる基板の走査を説明する図である。図15〜図18は、8つの光ビーム照射装置20からの8本の光ビームにより、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示している。図15〜図18においては、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームは、Y方向にバンド幅Wを有し、Xステージ5のX方向への移動によって、基板1を矢印で示す方向へ走査する。
【0070】
図15は、1回目の走査を示し、X方向への1回目の走査により、図15に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。1回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図16は、2回目の走査を示し、X方向への2回目の走査により、図16に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。2回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図17は、3回目の走査を示し、X方向への3回目の走査により、図17に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。3回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図18は、4回目の走査を示し、X方向への4回目の走査により、図18に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われ、基板1全体の走査が終了する。
【0071】
複数の光ビーム照射装置20からの複数の光ビームにより基板1の走査を並行して行うことにより、基板1全体の走査に掛かる時間を短くすることができ、タクトタイムを短縮することができる。
【0072】
なお、図15〜図18では、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示したが、走査の回数はこれに限らず、基板1のX方向の走査を3回以下又は5回以上行って、基板1全体を走査してもよい。
【0073】
以上説明した実施の形態によれば、光ビーム照射装置20のヘッド部20aを回転する前後の、CCDカメラ51により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置20のDMD25の傾きとヘッド部20aの傾きとを判別することにより、光ビーム照射装置20のDMD25の傾きとヘッド部20aの傾きとを容易に判別することができる。そして、判別結果に基づき、光ビーム照射装置20のDMD25の傾き又はヘッド部20aの傾きを補正することにより、光ビーム照射装置20から照射される光ビームの歪みを抑制して、描画精度を向上させることができる。
【0074】
さらに、検査用の描画データを光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置20から照射された光ビームを、CCDカメラ51により複数箇所で受光し、CCDカメラ51により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて、光ビーム照射装置20のヘッド部20aを、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域26aの長辺方向となる様に、ベアリング28により回転することにより、投影レンズ26等の照射光学系を含むヘッド20a部を、光ビームの歪みが最小となる方向に配置して、描画精度をさらに向上させることができる。
【0075】
さらに、検査用の描画データを光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給し、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置20から照射された光ビームを、CCDカメラ51により複数箇所で受光し、CCDカメラ51により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給することにより、投影レンズ26等の光学部品の歪みによる光ビームの歪みを抑制して、描画精度をさらに向上させることができる。
【0076】
さらに、光ビーム照射装置20に対するチャック10の位置を検出し、CCDカメラ51が受光した光ビームのCCDカメラ51上の位置を検出し、光ビーム照射装置20に対するチャック10の位置と、光ビームのCCDカメラ51上の位置とから、CCDカメラ51により受光した光ビームの位置を複数箇所で検出することにより、光ビーム照射装置20から照射される光ビームの照射領域26aに対して、チャック10に設けたCCDカメラ51の視野が狭い場合に、光ビーム照射装置20とチャック10とを相対的に移動して、検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置20から照射された光ビームを、CCDカメラ51により光ビームの照射領域26a内の複数箇所で受光し、CCDカメラ51により受光した各光ビームの位置を検出することができる。
【0077】
本発明の露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うことにより、光ビーム照射装置から照射される光ビームの歪みを抑制して、描画精度を向上させることができるので、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
【0078】
例えば、図19は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等によりフォトレジストを塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、露光装置を用いて、フォトレジスト膜にパターンを形成する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
【0079】
また、図20は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法や顔料分散法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
【0080】
図19に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図20に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)及び着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明の露光装置又は露光方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 基板
2a,2b 検査用パターン
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
10 チャック
11 ゲート
20 光ビーム照射装置
20a ヘッド部
21 レーザー光源ユニット
22 光ファイバー
23 レンズ
24 ミラー
25 DMD(Digital Micromirror Device)
26 投影レンズ
27 DMD駆動回路
28 ベアリング
28a 上輪
28b 下輪
31,33 リニアスケール
32,34 エンコーダ
40 レーザー測長系制御装置
41 レーザー光源
42,44 レーザー干渉計
43,45 バーミラー
50 画像処理装置
51 CCDカメラ
53 調節用リング
54 DMDホルダ
54a 支持板
54b 本体
54c 引張コイルバネ
54d ピエゾ素子
55 ピエゾ素子駆動回路
60 ステージ駆動回路
70 主制御装置
71 描画制御部
72,76 メモリ
73 バンド幅設定部
74 中心点座標決定部
75 座標決定部
77 描画データ作成部
78 座標演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、
光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置と、
前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、
前記移動手段により前記チャックと前記光ビーム照射装置とを相対的に移動し、前記光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、
前記チャックに設けられ、前記光ビーム照射装置から照射される光ビームを受光する受光装置と、
前記光ビーム照射装置のヘッド部を回転する回転機構と、
前記光ビーム照射装置の空間的光変調器の角度を調節する第1の調節装置と、
前記光ビーム照射装置のヘッド部の角度を調節する第2の調節装置と、
前記回転機構により前記光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、前記受光装置により受光された光ビームの位置の変化から、前記光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと前記光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別する制御手段とを備え、
前記制御手段の判別結果に基づき、前記第1の調節装置又は前記第2の調節装置により、前記光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は前記光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正したことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御手段は、検査用の描画データを前記光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
前記受光装置は、検査用の描画データに基づいて前記光ビーム照射装置から照射された光ビームを複数箇所で受光し、
前記制御手段は、前記受光装置により受光された光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、
前記光ビーム照射装置のヘッド部は、前記制御手段が検出した光ビームの歪みに応じて、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、前記回転機構により回転されたことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記制御手段は、検査用の描画データを前記光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
前記受光装置は、検査用の描画データに基づいて前記光ビーム照射装置から照射された光ビームを複数箇所で受光し、
前記制御手段は、前記受光装置により受光された光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを前記光ビーム照射装置の駆動回路へ供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記光ビーム照射装置に対する前記チャックの位置を検出する第1の検出手段と、
前記受光装置により受光した光ビームの前記受光装置上の位置を検出する第2の検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1の検出手段により検出した前記光ビーム照射装置に対する前記チャックの位置と、前記第2の検出手段により検出した光ビームの前記受光装置上の位置とから、前記受光装置により受光された光ビームの位置を複数箇所で検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、
チャックと、光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を含むヘッド部を有する光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、
光ビーム照射装置からの光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、
光ビーム照射装置から照射される光ビームを受光する受光装置をチャックに設け、
光ビーム照射装置のヘッド部を回転する回転機構を設け、
回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前に、光ビーム照射装置から照射された光ビームを受光装置により受光し、
回転機構により光ビーム照射装置のヘッド部を回転した後に、光ビーム照射装置から照射された光ビームを受光装置により受光し、
光ビーム照射装置のヘッド部を回転する前後の、受光装置により受光した光ビームの位置の変化から、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾きと光ビーム照射装置のヘッド部の傾きとを判別し、
判別結果に基づき、光ビーム照射装置の空間的光変調器の傾き又は光ビーム照射装置のヘッド部の傾きを補正することを特徴とする露光方法。
【請求項6】
検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、
受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、
検出した光ビームの歪みに応じて、光ビーム照射装置のヘッド部を、光ビームの歪みの小さい方向が光ビームの長方形の照射領域の長辺方向となる様に、回転機構により回転することを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
【請求項7】
検査用の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給し、
検査用の描画データに基づいて光ビーム照射装置から照射された光ビームを、受光装置により複数箇所で受光し、
受光装置により受光した光ビームの位置の複数箇所での検出結果に基づき、光ビームの歪みを検出し、検出した光ビームの歪みに応じて露光用の描画データの座標を補正し、補正した座標の描画データを光ビーム照射装置の駆動回路へ供給することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の露光方法。
【請求項8】
光ビーム照射装置に対するチャックの位置を検出し、
受光装置が受光した光ビームの受光装置上の位置を検出し、
光ビーム照射装置に対するチャックの位置と、光ビームの受光装置上の位置とから、受光装置により受光した光ビームの位置を複数箇所で検出することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の露光方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
【請求項10】
請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−220618(P2012−220618A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84433(P2011−84433)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】