説明

PPAR活性促進剤並びに美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬

【課題】優れたPPAR活性促進作用を有し、かつ、副作用の少ないPPAR活性促進剤並びに美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬を提供すること。
【解決手段】構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたPPAR活性促進作用を有し、かつ、副作用の少ないPPAR活性促進剤並びに美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
ペルオキシソ−ム増殖剤応答性受容体(Peroxisome Proliferator Activated Recepter:以下、「PPAR」と称する。)は核内受容体の1種であり、脂肪分解に関与する細胞内小器官であるペルオキシソ―ムを増加させる作用を仲介するタンパクとして同定された。
【0003】
なお、前記核内受容体とは、脂溶性シグナル伝達分子と結合し、核内でDNAの転写の活性化あるいは抑制を起こす受容体である。また、前記ペルオキシソームとは、はほぼ全ての真核細胞が持つ細胞小器官で、多様な物質の酸化反応を行っている。ペルオキシソームは、一重の生体膜に包まれた直径0.1−2マイクロメートルの器官で、多くは球形を成し、哺乳類の細胞では数百から数千個が一細胞内に存在する。ペルオキシソームの関わる代謝経路には、長鎖脂肪酸のベータ酸化、コレステロールや胆汁酸の合成、アミノ酸やプリンの代謝等が知られている。
【0004】
PPARは、これまでに、3つのサブタイプ(α、σ/β、γ)が同定され、なかでもPPARαとγについては研究が進んでいる。PPARは、脂肪酸代謝や糖代謝との密接な関連が明らかとなり、最近では炎症の制御、脂肪細胞の分化調節等多岐にわたる役割が解明されつつある(非特許文献1)。
したがって、PPARの活性を促進することができれば、前記した脂肪酸代謝や糖代謝、炎症の制御、脂肪細胞の分化調節等の作用を促進することができ、前記作用に関連する様々な疾患を予防乃至治療できることが期待される。
【0005】
従来、PPARの活性を促進する化合物としては、例えば、クロフィブラート(Clofibrate)、シグリタゾン(Ciglitazone)などが報告されている。
クロフィブラートは、分子量242.7のタンパク質であり、PPARαのリガンドとして作用し、一連の脂質代謝関連遺伝子の発現を調節することが知られている。クロフィブラートは、フィブラート系抗高脂血症薬として利用されている。副作用として横紋筋融解症があることが知られている。
また、シグリタゾンは、分子量333.5のタンパク質であり、選択的PPARγアゴニストとして作用することが知られている。シグリタゾンは、強力なチアゾリンジオン(TDZ)型血糖降下剤として利用されている。
【0006】
しかしながら、現在までのところ、優れたPPAR活性促進作用を有し、副作用が少なく、美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬に広く使用可能なPPAR活性促進剤は未だ提供されておらず、その速やかな提供が求められているのが現状である。
【0007】
【非特許文献1】Cell 80:1147−1156,1995
【非特許文献2】Terrie−Anne Cockら、EMBO report.,VOL 5/NO 10:1007−1012,2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたPPAR活性促進作用を有し、副作用が少ないPPAR活性促進剤並びに美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、下記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格として含む化合物について、PPAR活性の促進作用を検討したところ、優れたPPAR活性促進作用を奏することを知見した。
【化64】

[但し、前記構造式(1)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表す。]
【化65】

【化66】

【化67】

更に前記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物は、優れたPPAR活性促進作用を有するとともに、副作用が少ないので、美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬の有効成分として、好適に利用できることを知見した。
【0010】
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤である。
【化68】

[但し、前記構造式(1)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表す。]
<2> 下記構造式(2)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤である。
【化69】

<3> 下記構造式(3)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤である。
【化70】

<4> 下記構造式(4)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤である。
【化71】

<5> <1>から<4>のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む美容用飲食品である。
<6> <1>から<4>のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む皮膚外用剤である。
<7> <1>から<4>のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む医薬である。
なお、前記構造式(1)〜(4)で表される化合物の詳細な構造については、本明細書中で開示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、従来技術における前記諸問題を解決することができ、優れたPPAR活性促進作用を有し、副作用が少ないPPAR活性促進剤並びに美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(PPAR活性促進剤)
本発明のPPAR活性促進剤は、下記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物のうち少なくとも1つを含み、必要に応じてその他の成分を含む。
【化72】

【0013】
前記構造式(1)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表す。
【0014】
【化73】

【0015】
【化74】

【0016】
【化75】

【0017】
前記構造式(1)で表される構造を基本骨格とする化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(5)で表される構造を基本骨格とする化合物が好ましい。
【0018】
【化76】

【0019】
前記構造式(5)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、カルボキシル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。
中でも、前記Rnとしては、下記構造式(6)〜(11)、(15)及び水素原子のうちいずれかがより好ましい。
中でも、前記構造式(5)中のAとしては、酸素原子、ケトン基、エーテル基、C1−5アルキル基又はC2−5アルケニル基がより好ましい。
【0020】
【化77】

【0021】
前記構造式(6)中、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaは、炭素原子を表し、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Ca、Ca、Ca、Ca及びCaの中でも、結合部位がCaであることがより好ましい。
【0022】
【化78】

【0023】
前記構造式(7)中、Cb、Cb及びCbは、炭素原子を表し、Cb、Cb及びCbのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Cb、Cb及びCbの中でも、結合部位がCbであることがより好ましい。
【0024】
【化79】

【0025】
前記構造式(8)中、Ya及びYbは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcは、炭素原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Cc、Cc、Cc及びCcの中でも、結合部位がCc又はCcであることがより好ましい。
【0026】
【化80】

前記構造式(9)中、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdは、炭素原子を表し、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdの中でも、結合部位がCdであることがより好ましい。
【0027】
【化81】

【0028】
前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Ce、Ce及びYcの中でも、結合部位がCeであることがより好ましい。
【0029】
【化82】

【0030】
前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Cf、Cf、Yg及びYhの中でも、結合部位がYhであることがより好ましい。
【0031】
【化83】

【0032】
前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Cg、Cg及びYkの中でも、結合部位がCgであることがより好ましい。
【0033】
【化84】

【0034】
前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Ch、Ch、Ch、Ch及びChの中でも、結合部位がChであることがより好ましい。
【0035】
【化85】

【0036】
前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。
前記Ci、Ci及びCiの中でも、結合部位がCiであることがより好ましい。
【0037】
【化86】

【0038】
前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。
【0039】
前記構造式(2)で表される構造を基本骨格とする化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(16)及び構造式(17)で表される構造を基本骨格とする化合物が好ましい。
【0040】
【化87】

【0041】
前記構造式(16)中、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、前記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。
【0042】
【化88】

【0043】
前記構造式(17)中、Aは、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、前記構造式(10)〜(13)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。
中でも、前記構造式(17)中のAとしては、酸素原子、ケトン基、エーテル基、C1−5アルキル基又はC2−5アルケニル基がより好ましい。
【0044】
前記構造式(3)で表される構造を基本骨格とする化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(18)及び構造式(20)で表される構造を基本骨格とする化合物が好ましい。
【0045】
【化89】

【0046】
前記構造式(18)中、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、前記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基又は下記構造式(19)を表す。
【0047】
【化90】

【0048】
【化91】

【0049】
前記構造式(20)中、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、前記構造式(12)、(14)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基又は前記構造式(19)を表す。
中でも、前記構造式(20)中のAとしては、酸素原子、ケトン基、エーテル基、カルボキシル基、C1−5アルキル基又はC2−5アルケニル基がより好ましい。
【0050】
前記構造式(4)で表される構造を基本骨格とする化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記構造式(21)及び構造式(22)で表される構造を基本骨格とする化合物が好ましい。
【0051】
【化92】

【0052】
前記構造式(21)中、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、前記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。
【0053】
【化93】

【0054】
前記構造式(22)中、Aは、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、前記構造式(12)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。
中でも、前記構造式(22)中のAとしては、ケトン基、エーテル基、C1−5アルキル基又はC2−5アルケニル基がより好ましい。
【0055】
前記「ハロゲン原子」としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0056】
前記「C1−10アルキル基」とは、炭素数が1乃至10の直鎖又は分岐状アルキル基
、及び炭素数が3ないし10の環状アルキル基のいずれかを示す。前記「C1−10アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数が1ないし5個の直鎖または分枝状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0057】
前記「C2−10アルケニル基」とは、炭素数が2乃至10の直鎖又は分岐状アルケニル基、及び炭素数が3ないし10の環状アルケニル基のいずれかを示す。前記「C2−10アルケニル基」としては、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基;メタクリル基;等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数が2ないし5個の直鎖または分枝状アルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。
【0058】
なお、前記PPAR活性促進剤には、その有効成分として、前記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物そのものが含まれていてもよく、又は、その薬理学上許容される塩が含まれていてもよい。また、前記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物は、置換基の種類により1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、いずれの不斉炭素の立体配置も特に限定されない。前記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物が、任意の塩、不斉炭素に基づく光学活性体やジアステレオ異性体等の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体等の場合にも、いずれも本発明の範囲に包含される。また、前記PPAR活性促進剤には、その有効成分として、前記構造式(1)〜(4)で表される構造を基本骨格とする化合物又はその薬理学上許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。
【0059】
前記薬理学上許容される塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、硫酸水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、スルファミン酸塩、マンデル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ステアリン酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、パモン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、スルファニル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、エタンジスルホン酸塩、シュウ酸塩、イセチオン酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アスパラギン酸塩、アジピン酸塩、ヨウ化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩等が挙げられる。
【0060】
前記PPAR活性促進剤の有効成分である各化合物の入手方法としては、特に制限はなく、公知の化学合成法による合成、天然物からの抽出により入手することができる。前記各化合物は、例えば、重松貿易株式会社より購入することが可能である。
【0061】
本発明のPPAR活性促進剤における「PPAR」とは、ペルオキシソ−ム増殖剤応答性受容体(Peroxisome Proliferator Activated Recepter)である。PPARは、核内受容体の一種であり、同じく核内受容体に属するRXRとヘテロ二量体を形成し、特異的な遺伝子配列PPREを認識結合することでPPARの標的遺伝子群の転写を制御する。PPARは3種のサブタイプ(α、σ/β、γ)が同定されている。
【0062】
本発明の前記PPAR活性促進剤は、優れたPPAR活性促進作用を有しているので、前記PPAR活性促進剤は、例えば、生化学的分析や動物実験において、PPARの機能を研究するための試薬として好適に利用することができる。
前記PPAR活性促進剤は、優れたPPAR活性促進作用を介して、例えば、インスリン抵抗性改善、血圧降下、脂質の代謝、血管内皮機能改善、サイトカインの産生抑制、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制、アミロイドβの蓄積抑制、心肥大・心不全抑制、胃粘膜保護等を促進することができ、副作用が少ないので、美容用飲食品、皮膚外用剤、医薬品等の有効成分として好適に利用できる。
なお、前記PPAR活性促進剤は、前記した用途に限定されず、PPAR活性を促進することに意義のある全ての用途に使用することができる。
【0063】
(美容用飲食品)
本発明の美容用飲食品は、本発明のPPAR活性促進剤を有効成分として含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
ここで、前記美容用飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、等の区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものを意味する。
【0064】
本発明の前記美容用飲食物は、PPAR活性促進剤を、その活性を妨げないように任意の飲食物に配合したものであってもよいし、PPAR活性促進剤を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0065】
前記美容用飲食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康食品や栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品等が挙げられる。
【0066】
前記その他の成分としては、前記美容用飲食品を製造するに当たって通常用いられる補助的原料又は添加物、等が挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、等が挙げられる。
【0067】
前記美容用飲食品における本発明のPPAR活性促進剤の添加量は、対象となる美容用飲食品の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、美容用飲食品本来の味を損なわない範囲で添加すればよく、各種対象美容用飲食品に対し、0.001質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。また、顆粒、錠剤又はカプセル形態の美容用飲食品の場合には、0.001質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
【0068】
本発明の美容用飲食品は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるPPAR活性促進剤の働きによって、例えば、インスリン抵抗性改善作用、血圧降下作用、脂質の代謝作用、血管内皮機能改善作用、サイトカインの産生抑制作用、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制作用、アミロイドβの蓄積抑制作用、心肥大・心不全抑制作用、胃粘膜保護作用のうち少なくとも一つを極めて効果的に発揮させることができる。
【0069】
(皮膚外用剤)
本発明の皮膚外用剤は、本発明のPPAR活性促進剤を有効成分として含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
【0070】
ここで、前記皮膚外用剤の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンス、等が挙げられる。
【0071】
本発明のPPAR活性促進剤の、前記皮膚外用剤全体における配合量は、皮膚外用剤の種類等によって適宜調整することができるが、0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.001質量%〜1質量%がより好ましい。
【0072】
前記皮膚外用剤は、更に必要に応じて本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲で、化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他の成分を添加することができる。
前記その他の成分としては、本発明のPPAR活性促進作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、等が挙げられる。これらの成分は、前記PPAR活性促進剤と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
【0073】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に使用した場合に高い安全性を有し、優れたPPAR活性促進作用を介して、例えば、インスリン抵抗性改善作用、血圧降下作用、脂質の代謝作用、血管内皮機能改善作用、サイトカインの産生抑制作用、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制作用、アミロイドβの蓄積抑制作用、心肥大・心不全抑制作用、胃粘膜保護作用のうち少なくとも一つを極めて効果的に発揮させることができる。
【0074】
(医薬)
本発明の医薬は、前記した本発明のPPAR活性促進剤のうち少なくとも1つを有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0075】
前記PPAR活性促進剤としては、前記した本発明のPPAR活性促進剤の項目に記載した通りである。
前記医薬における、前記PPAR活性促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、医薬に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、前記医薬は、前記PPAR活性促進剤そのものであってもよい。
【0076】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬的に許容され得る担体等が挙げられる。前記担体としても、特に制限はなく、例えば、前記医薬の剤型等に応じて適宜選択することができる。また、前記医薬中の前記その他の成分の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0077】
前記医薬の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散剤等が挙げられる。
【0078】
前記経口固形剤としては、例えば、前記PPAR活性促進剤に、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。前記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0079】
前記経口液剤としては、例えば、前記PPAR活性促進剤に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
【0080】
前記注射剤としては、例えば、前記PPAR活性促進剤に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
【0081】
前記軟膏剤としては、例えば、前記PPAR活性促進剤に、公知の基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を配合し、常法により混合し、製造することができる。
前記基剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。前記保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0082】
前記貼付剤としては、例えば、公知の支持体に前記軟膏剤としてのクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等を、常法により塗布し、製造することができる。前記支持体としては、例えば、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム、発泡体シート等が挙げられる。
【0083】
前記医薬は、優れたPPAR活性促進作用を介して、例えば、インスリン抵抗性改善作用、血圧降下作用、脂質の代謝作用、血管内皮機能改善作用、サイトカインの産生抑制作用、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制作用、アミロイドβの蓄積抑制作用、心肥大・心不全抑制作用、胃粘膜保護作用のうち少なくとも一つを極めて効果的に発揮させることができるので、例えば、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、動脈硬化、膵炎、気管支炎、喘息、間接リウマチ、接触性皮膚炎、膵癌、肝癌、大腸癌、アルツハイマー、多発性硬化症、心疾患、潰瘍性大腸炎等の予防乃至治療に好適である。
【0084】
前記医薬は、経口又は非経口で投与することができ、その投与量としては、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができる。
また、前記医薬の投与回数としても、特に制限はなく、投与対象である患者の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて、適宜選択することができる。
【0085】
前記医薬の投与時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記疾患に対して、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。中でも、前記医薬は、優れたPPAR活性促進作用を介して、例えば、インスリン抵抗性改善作用、血圧降下作用、脂質の代謝作用、血管内皮機能改善作用、サイトカインの産生抑制作用、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制作用、アミロイドβの蓄積抑制作用、心肥大・心不全抑制作用、胃粘膜保護作用のうち少なくとも一つに優れ、かつ、副作用が少ないことから、前記疾患の出来る限り早期の段階に投与されることが望ましいと考えられる。
【0086】
前記美容用飲食品、皮膚外用剤及び医薬の対象動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ、サル、イヌ、ネコ等が挙げられるが、これらの中でも、ヒトが特に好ましい。
【実施例】
【0087】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0088】
(実施例1〜22及び比較例1〜5)
−PPAR活性促進剤の調製−
表1に示す処方に従い、被験化合物A〜X(重松貿易株式会社より購入した。)、クロフィブラート(SIGMA社製)及びシグリタゾン(Cayman Chemical社製)を、DMSO(ジメチルスルフォキシド)に溶解し、実施例1〜22及び比較例1〜5のPPAR活性促進剤を調製した。被験化合物A〜Xの構造式は、以下の通りである。
【0089】
【化94】

【0090】
【化95】

【0091】
【化96】

【0092】
[評価]
実施例1〜22及び比較例1〜5のPPAR活性促進剤を用いて、下記の内容により、PPAR活性促進作用の評価を行った。
HeLa細胞(ヒト子宮頸部癌細胞、ヒューマンサイエンス振興財団より購入した。)を、48穴マルチウェルプレート(スミロン;住友ベークライト製)に40,000cells/ウェルで播種し、5%炭酸ガス雰囲気下、37℃で一晩培養した。培地は、濾過滅菌済みDMEM培地(Doulbecco Modified Eagle’s Medium、SIGMA製)を用いた。そこに、pGL3−PPRE(クローニングで取得)、pRL−TK(ウミシイタケルシフェラーゼ発現ベクター;内部標準用、プロメガ社)を、Lipofectamine 2000(Invitrogen社)を用いて6時間トランスフェクションした。
【0093】
各プラスミドの特徴は以下の通りである。
−pGL3−PPRE−
PPAR結合配列(PPRE)をホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流につないだレポーターベクターである。既知情報からPPREをクローニングし、pGL3ベクターに組み込んでいる。
【0094】
−pRL−TK−
内部標準(ベクターが細胞へ取り込まれる割合、発光試薬のロット差の指標)として、ウミシイタケのルシフェラーゼを発現するベクターをpGL3−PPREとともに細胞に取り込ませて使用した。Dual−Luciferase Reporter Assay System(Promega社)を用いることで、2つのルシフェラーゼを区別して発光強度を測定することができる。ウミシイタケルシフェラーゼ発現ベクターとしては、他にもpRL−SV40、pRL−CMVが知られているが、その中でもTKは発現が少ない。
【0095】
そして、トランスフェクション後の培養上清を吸引除去し、実施例1〜22及び比較例1〜5のPPAR活性促進剤を表1に記載の濃度で添加し、24時間培養した。培養上清に放出されるホタルルシフェラーゼ及びウミシイタケルシフェラーゼ(内部標準)の活性を、Dual−Luciferase Reporter Assay System(Promega社)を用いて測定した。得られた測定結果から、下記(1)式及び(2)式によりPPAR活性化率(%)を算出した。結果を表1に示す。
【0096】
PPAR活性=(ホタルルシフェラーゼ活性値)/(内部標準活性値) ・・・(1)
【数1】

[但し、前記(2)式中、
PPAR活性sample:被験化合物を添加した細胞のPPAR活性、
PPAR活性control:溶媒のみを添加した細胞(コントロール細胞)のPPAR活性、
を表す。]
【0097】
なお、本実施例で用いたプラスミド中のPPREは、PPARサブタイプ全てに共通の配列である。したがって、PPARα、σ/β、γのうち少なくとも一つの活性化(または抑制)により、ルシフェラーゼの発光強度が変化する。
【0098】
【表1】

【0099】
表1の結果から、実施例1〜22のPPAR活性促進剤は、比較例1〜5のPPAR活性促進剤に比べ、優れたPPAR活性促進作用を有することが示された。
【0100】
(配合例1)
−錠剤状医薬−
下記の混合物を打錠して、錠剤状医薬を製造した。
・被験化合物A・・・0.5質量%
・直打用乳糖・・・60質量%
・結晶性セルロース・・・29質量%
・カルメロース・・・5質量%
・ステアリン酸マグネシウム・・・1質量%
・マンニトール・・・適量
香料・・・適量
【0101】
(配合例2)
−化粧水−
下記組成の化粧水を常法により製造した。
・被験化合物B・・・0.5質量%
・1,3ブチレングリコール・・・5質量%
・グリセリン・・・3質量%
・オレイルアルコール・・・0.1質量%
・POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル・・・0.5質量%
・POE(15)ラウリルアルコールエーテル・・・0.5質量%
・エタノール・・・10質量%
・香料・・・適量
・色剤・・・適量
・パラベン・・・適量
・クエン酸・・・適量
・精製水・・・78.9質量%
【0102】
(配合例3)
−クリーム−
下記組成のクリームを常法により製造した。
・被験化合物K・・・0.5質量%
・ステアリン酸・・・8質量%
・ステアリルアルコール・・・4質量%
・ステアリン酸ブチル・・・6質量%
・プロピレングリコール・・・5質量%
・モノステアリン酸グリセリン・・・2質量%
・水酸化カリウム・・・0.4質量%
・パラベン・・・適量
・ビタミンE・・・適量
・香料・・・適量
・精製水・・・適量
【0103】
(配合例4)
−乳液−
下記組成の乳液を常法により製造した。
・被験化合物T・・・0.5質量%
・ステアリン酸・・・2質量%
・セチルアルコール・・・1.5質量%
・ワセリン・・・4質量%
・スクワラン・・・5質量%
・グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル・・・2質量%
・ソルビタンモノオレイン酸エステル・・・2質量%
・ジプロピレングリコール・・・3質量%
・PEG1500・・・3質量%
・トリエタノールアミン・・・1質量%
・パラベン・・・適量
・香料・・・適量
・精製水・・・74.5質量%
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明のPPAR活性促進剤は、優れたPPAR活性促進作用を介して、例えば、インスリン抵抗性改善、血圧降下、脂質の代謝、血管内皮機能改善、サイトカインの産生抑制、癌細胞の増殖・浸潤・遊走の抑制、アミロイドβの蓄積抑制、心肥大・心不全抑制、胃粘膜保護等を促進することができ、副作用が少ないので、美容用飲食品、皮膚外用剤、医薬品等の有効成分として好適に利用できる。
前記医薬品の対象疾患としては、例えば、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、動脈硬化、膵炎、気管支炎、喘息、間接リウマチ、接触性皮膚炎、膵癌、肝癌、大腸癌、アルツハイマー、多発性硬化症、心疾患、潰瘍性大腸炎等が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式(1)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤。
【化1】

[但し、前記構造式(1)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表す。]
【請求項2】
下記構造式(5)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項1に記載のPPAR活性促進剤。
【化2】

[但し、前記構造式(5)中、Xは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子又は硫黄原子を表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、カルボキシル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。]
【化3】

[但し、前記構造式(6)中、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaは、炭素原子を表し、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化4】

[但し、前記構造式(7)中、Cb、Cb及びCbは、炭素原子を表し、Cb、Cb及びCbのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化5】

[但し、前記構造式(8)中、Ya及びYbは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcは、炭素原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化6】

[但し、前記構造式(9)中、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdは、炭素原子を表し、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化7】

[但し、前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化8】

[但し、前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化9】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化10】

[但し、前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化11】

[但し、前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化12】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【請求項3】
下記構造式(2)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤。
【化13】

【請求項4】
下記構造式(16)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項3に記載のPPAR活性促進剤。
【化14】

[但し、前記構造式(16)中、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。]
【化15】

[但し、前記構造式(6)中、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaは、炭素原子を表し、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化16】

[但し、前記構造式(7)中、Cb、Cb及びCbは、炭素原子を表し、Cb、Cb及びCbのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化17】

[但し、前記構造式(8)中、Ya及びYbは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcは、炭素原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化18】

[但し、前記構造式(9)中、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdは、炭素原子を表し、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化19】

[但し、前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化20】

[但し、前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化21】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化22】

[但し、前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化23】

[但し、前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化24】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【請求項5】
下記構造式(17)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項3に記載のPPAR活性促進剤。
【化25】

[但し、前記構造式(17)中、Aは、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、下記構造式(10)〜(13)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。]
【化26】

[但し、前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化27】

[但し、前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化28】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化29】

[但し、前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化30】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【請求項6】
下記構造式(3)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤。
【化31】

【請求項7】
下記構造式(18)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項6に記載のPPAR活性促進剤。
【化32】

[但し、前記構造式(18)中、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基又は下記構造式(19)を表す。]
【化33】

[但し、前記構造式(6)中、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaは、炭素原子を表し、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化34】

[但し、前記構造式(7)中、Cb、Cb及びCbは、炭素原子を表し、Cb、Cb及びCbのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化35】

[但し、前記構造式(8)中、Ya及びYbは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcは、炭素原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化36】

[但し、前記構造式(9)中、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdは、炭素原子を表し、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化37】

[但し、前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化38】

[但し、前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化39】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化40】

[但し、前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化41】

[但し、前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化42】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【化43】

【請求項8】
下記構造式(20)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項6に記載のPPAR活性促進剤。
【化44】

[但し、前記構造式(20)中、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(12)、(14)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表し、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基、C2−10アルケニル基又は下記構造式(19)を表す。]
【化45】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化46】

[但し、前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化47】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【化48】

【請求項9】
下記構造式(4)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とするPPAR活性促進剤。
【化49】

【請求項10】
下記構造式(21)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項9に記載のPPAR活性促進剤。
【化50】

[但し、前記構造式(21)中、Aは、同一であっても異なっていてもよい、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、同一であっても異なっていてもよい、下記構造式(6)〜(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。]
【化51】

[但し、前記構造式(6)中、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaは、炭素原子を表し、Ca、Ca、Ca、Ca及びCaのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化52】

[但し、前記構造式(7)中、Cb、Cb及びCbは、炭素原子を表し、Cb、Cb及びCbのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化53】

[但し、前記構造式(8)中、Ya及びYbは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcは、炭素原子を表し、Cc、Cc、Cc及びCcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化54】

[但し、前記構造式(9)中、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdは、炭素原子を表し、Cd、Cd、Cd、Cd、Cd及びCdのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化55】

[但し、前記構造式(10)中、Yc及びYdは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Ce及びCeは炭素原子を表し、Ce、Ce及びYcのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化56】

[但し、前記構造式(11)中、Ye、Yf、Yg、Yh及びYiは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cf及びCfは炭素原子を表し、Cf、Cf、Yg及びYhのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化57】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化58】

[但し、前記構造式(13)中、Ch、Ch、Ch、Ch及びChは、炭素原子を表し、Ch、Ch、Ch、Ch及びChのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化59】

[但し、前記構造式(14)中、Ci、Ci及びCiは、炭素原子を表し、Ci、Ci及びCiのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化60】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【請求項11】
下記構造式(22)で表される構造を基本骨格とする化合物及びその薬理学上許容される塩のうち少なくとも1つを有効成分として含むことを特徴とする請求項9に記載のPPAR活性促進剤。
【化61】

[但し、前記構造式(22)中、Aは、単結合、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケトン基、エーテル基、C1−10アルキル基又はC2−10アルケニル基を表し、Rnは、下記構造式(12)、(15)及び水素原子のうちいずれかを表す。]
【化62】

[但し、前記構造式(12)中、Yj及びYkは、同一であっても異なっていてもよい、窒素原子、炭素原子又は硫黄原子を表し、Cg及びCgは炭素原子を表し、Cg、Cg及びYkのうちいずれかがAとの結合部位である。]
【化63】

[但し、前記構造式(15)中、Zは、同一であっても異なっていてもよい、水素原子、窒素原子、炭素原子、硫黄原子、酸素原子又はハロゲン原子を表し、Cjは炭素原子を表し、CjがAとの結合部位である。]
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む美容用飲食品。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む皮膚外用剤。
【請求項14】
請求項1から11のいずれかに記載のPPAR活性促進剤を含む医薬。

【公開番号】特開2009−161449(P2009−161449A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339860(P2007−339860)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】