説明

low−k誘電体膜を処理するためのイオン注入を使用する方法およびとシステム。

【課題】 low−k誘電体膜を処理するためのイオン注入を使用するための方法とシステム。
【解決手段】 基板上の機械的に強化されたlow−k誘電体膜を形成するシステムおよび方法は、基板上にlow−k誘電体膜を形成するスピオン誘電体(SOD)技術か、化学的気相成長のいずれか使用することを含む。low−k誘電体膜の上部表面は、そこで、膜の機械的強度を増やすか、またはその誘電率を低下させるために処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年6月2日に出願された米国仮出願番号60/474,673号の「low−k誘電体膜の機械的安定度を増やすためのイオン注入を使用する方法およびシステム(Method and system for using ion implantation for increasing the mechanical stability of a low−k dielectric film)」、および2003年7月23日に出願された米国仮出願番号第60/489,099号の「low−k誘電体膜を処理するためのイオン注入を使用する方法およびシステム(Method and system for using ion implantation for treating a low−k dielectric film)」に関するものであり、優先権を主張するものである。これらの出願の全体の内容は、参照によって、この本願明細書の中に引用したものとする。
【0002】
本発明は、low−k誘電体膜を処理するための方法とシステムに関するものであり、より詳しくは、本発明は、low−k誘電体膜を処理するためにイオン注入を使用する方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
半導体技術の当業者に既に知られているように、相互接続(interconnect)遅延は、集積回路(IC)の速度およびパーフォーマンスを向上させるドライブの主要制限因子である。相互接続遅延を最小化する一つの方法は、ICの生産において、低い誘電率(low−k)材料を使用することにより相互接続キャパシタンスを低下させることである。したがって、近年、low−k材料は、二酸化珪素のような相対的に高い誘電率絶縁体を置き換えるために開発され、半導体デバイスの金属層間の層間(inter−level)、および同層間(intra−level)誘電層に対して利用されている。このようなlow−k材料は、フォトレジストのアプリケーションと同様のスピンオン法誘電体(SOD)方法によって、または化学気相成長(CVD)によって堆積することができる。したがって、low−k材料の使用は、プロセスを製造している既存の半導体に、容易に適応できる。
【0004】
しかしながら、半導体製造において、low−k膜を使用することに対する1つの欠点は、このような膜が低い機械的強度を示しているということである。化学的機械研摩(chemical−mechanical polishing:CMP)の間のような下流(downstream)のプロセスステップにおいて、これは、膜をダメージに影響されやすくさせることとなり、低い製品歩留まり、および/または低下したデバイス信頼性の結果となっている。low−k膜のこの低い機械的強度は、デバイス製造業者によって、それらを広範囲にわたる受容を受けることから回避させられた。したがって、low−k膜を使用することへのパーフォーマンス効果は、主に実現されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題のいくつかまたは全てを、低下させ、または取り除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の別の目的は、low−k誘電体膜の機械的安定度(mechanical stability)を増やすことである。
【0007】
さらに、本発明の別の目的は、膜の本来の誘電率に実質的に等しいか、またはより少ない誘電率を達成するのと共に、low−k誘電体膜の機械的安定度を増やすことである。
【0008】
本発明の別の目的は、low−k誘電体膜の誘電率を低下させることである。
【0009】
low−k誘電体膜を形成するシステム及び方法と同様に、本発明のこれらまたは他の目的は、low―k誘電体膜によって提供される。基板上のlow−k誘電体膜を生成する発明の方法は、low−k誘電体膜を基板上に形成することと、low−k誘電体膜上の硬化した表面層を形成するためにlow−k誘電体膜の表面上にイオン注入プロセスを実行することとを含む。low−k誘電体膜は、SiOの誘電率を下回る公称(nominal)誘電率を有する。加えて、イオン注入プロセスは、low−k誘電体膜の公称誘電率と実質的に同じ誘電率か、または低い誘電率を維持する。
【0010】
発明の、硬化したlow−k誘電体膜は、SiOの誘電率未満の公称誘電率を有するlow−k誘電体膜、およびlow−k誘電体膜上の硬化した表面層を含む。硬化した表面層は、イオン注入プロセスにlow−k誘電体膜の表面をさらさせることによって形成される。加えて、硬化した表面層を有するlow−k誘電層は、実質的に硬化した表面層のないlow−k誘電体膜の公称誘電率以下の誘電率を維持する。
【0011】
硬化したlow−k誘電体膜を形成する発明の処理システムは、基板上にlow−k誘電体膜を形成するように構成された膜形成システムと、この膜形成システムに組み合わせられ、low−k誘電体膜において硬化した表面層を形成するためにlow−k誘電体膜を処理するように構成されたイオンインプラントシステムとを含む。コントローラは、膜形成システムと、イオンインプラントシステムとに組み合わせられ、low−k誘電体膜を形成し、イオン注入を使用してlow−k誘電体膜を処理するために、プロセスを制御するように構成される。
【0012】
加えて、基板上にlow−k誘電体膜を形成する発明の方法は、基板上に、SiOの誘電率未満の公称誘電率を有するlow−k誘電体膜を形成することと;公称誘電率未満の誘電率を有する処理されたlow−k誘電体膜を形成するためにlow−k誘電体膜上にイオン注入プロセスを実行することとを含む。
【0013】
発明の、処理されたlow−k誘電体膜は、不活性イオンを有するlow−k誘電体膜を含み、そこにおいて、不活性イオンは、イオン注入プロセスにlow−k誘電体膜をさらさせることによって注入される。
【0014】
処理されたlow−k誘電体膜を形成する発明の処理システムは、基板上にlow−k誘電体膜を形成するように構成された膜形成システムと、この膜形成システムに組み合わせられ、low−k誘電体膜の誘電率を低下させるためにlow−k誘電体膜を処理するように構成されたイオンインプラントシステムとを含む。コントローラは、膜形成システムと、イオンインプラントシステムとに組み合わせられ、low−k誘電体膜を形成し、イオン注入を使用してlow−k誘電体膜を処理するためにプロセスを制御するように構成された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
参照番号がいくつかの図の全体にわたって同一であるか対応する部分を示すように、図面をここで参照する。図1Aから図1Dは、本発明の1つの実施形態に係る、low−k誘電体膜を形成し、膜の機械的強度を向上させるように膜を処理する方法の概略の表現を示す。図1Aおよび図1Bに示すように、low−k誘電体膜20は、追加の層を含むことがありえるかまたは含むことはありえない基板10の上部表面の上に形成される。基板10は、半導体、金属導体、またはlow−k膜が上部に形成され得る他のいかなる基板でもあり得る。low−k誘電体膜は、ほぼ4(例えば、熱二酸化珪素のための誘電率は、3.8から3.9まで変動することができる)のSiOの誘電率を下回る公称誘電率値を有する。より詳しくは、low−k誘電体膜20は、3.0未満の誘電率か、または1.6から2.7の範囲の誘電率を有することがあり得る。
【0016】
low−k誘電体膜20は、有機、無機、および無機―有機のハイブリッド材料の少なくとも1つを含むことがあり得る。加えて、low−k誘電体膜20は、多孔性(ポーラス:porous)であり得るか、無孔(ノンポーラス:non−porous)であり得る。例えば、low−k誘電体膜は、無機の、CVD技術を使用して堆積されたオルガノシランを酸化(または有機金属シロキサン(organo siloxane))させたようなシリケートベースの材料を含むことがあり得る。このような膜の実施例は、アプライド・マテリアルズ社(Applied Materials, Inc.,)から市販されているBlack Diamond(登録商標)CVD有機珪酸塩ガラス(OSG)膜、またはノベラスシステム(Novellus Systems)から市販されているCoral(登録商標)CVD膜を含む。別の形態として、low−k誘電体膜20は、無機の、SOD技術を使用して堆積させたhydrogen silsesquioxane(HSQ)またはmethyl silsesquioxane(MSQ)のようなシリケートベースの材料を含むことがあり得る。このような膜の実施例は、ダウコーニングから市販されているFOx HSQと、ダウコーニングから市販されているXLKポーラスHSQと、JSRマイクロエレクトロニクスから市販されているJSR LKD−5109とを含む。まだあるいは、low−k誘電体膜20は、SOD技術を使用して堆積された有機材料であり得る。このような膜の実施例は、ダウケミカルから市販されているSiLK―I、SiLK−J、SiLK−H、SiLK−D、およびポーラスSiLK半導体誘電体樹脂と、ハネウェルから市販されている、FLARE(登録商標)およびナノ−ガラスとを含む。
【0017】
一旦、low−k誘電体膜20が準備されると、膜20は、イオン注入プロセス25に照射されることによって処理され、そこにおいて、low−k誘電体膜の上部表面は、図1Cに示すようにイオン衝撃にさらされる。注入プロセスのために使用されるイオンは、前記注入プロセスがlow−k誘電体膜20の公称誘電率の値の実質的な増加を生じさせないように、好ましくは選ばれる。例えば、イオン化希ガス(例えばアルゴン)のような不活性イオンは、膜20にイオンの化学的ボンディングを最小化するように、注入プロセスで使用されることがあり得る。しかしながら、low−k誘電体膜20の誘電率の実質的な増加が生じない何らかのイオンは、使用されることがあり得る。ここで使用しているように、言葉「実質的な増加」は、4.0または好ましくは3.5の誘電率より不変に高い膜の誘電率に結果としてなる増加を意味する。図1Dに示すように、イオン注入にlow−k誘電体膜20をさらさせることは、イオンの局所的なエネルギをlow−k誘電体膜に与えているために、膜20の上部表面に、「硬い表面(crust)」または硬化した層30を形成する。不活性イオンは、硬化した層の一部として、存在することがありえるか、または存在することはありえない。本発明の発明者は、この硬化した表面30を形成することがlow−k誘電体膜20の全体の機械的強度を増やすということが判った。したがって、硬化した表面30は、low−k膜20が基板および膜の更なるプロセスの間、ダメージを受けるという可能性を低下させる。さらに、注入プロセスが実質的にlow−k膜20の誘電率を変化させないので、機械的に強化された膜は、膜が使用されるICおよび他のデバイスに、性能の向上特性を今まで通り提供する。
【0018】
硬化した表面層30に加えて、本発明の発明者は、また、図1Cのイオン注入プロセスが低下した誘電率を有する、図1Dのlow−k膜20に結果としてなることがあり得るということが判った。減少した誘電率low−k膜を形成するイオン注入プロセスは、後述するように、機械的強度を向上させることに役立つ硬化した表面層の形成を生じ得るか、または生じ得ない。注入プロセスのために使用されるイオンは、好ましくは、増加した機械的強度特徴に関して上で記載されたイオン化希ガス(例えばアルゴン)のような不活性イオンである。しかしながら、注入プロセスによってlow−k誘電体膜20の公称誘電率の値の減少が生じるように、イオンが選ばれることは、充分である。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る、膜の機械的強度を増やすためにlow−k誘電体膜を形成する方法を示しているフローチャート100である。図2に示すように、フローチャート100は、ステップ110で示すように、low−k誘電体膜を基板の上に形成することにより開始する。上記の如く、low−k誘電体膜は、公称誘電率を有し、有機、無機、および無機−有機のハイブリッド材料を含むことがあり得る。low−k誘電体膜は、CVD技術、または東京エレクトロン株式会社(TEL)から市販されているClean Track ACT 8 SODおよびACT 12 SODコーティングシステムで提供されるようなSOD技術を使用して形成されることができる。Clean Track ACT 8(200mm)、および、ACT 12(300mm)コーティングシステムは、SOD材料に対する、コーティング、ベーキング、およびキュアツールを提供する。low−k誘電体膜を基板上に形成する他のシステムおよび方法は、スピンオン誘電体技術およびCVD誘電体技術の当業者にとって周知である。
【0020】
low−k誘電体膜20を基板10の上に形成した後に、ステップ120で示すように、low−k誘電体膜は、硬化した表面層30を形成することと、または誘電率の全体の値を減少させるように、実質的に全体のlow−k誘電体膜20を処理することとの少なくとも1つを実行するために、イオン注入にさらされる。例えば、イオン注入は、市販のイオン注入ツール、例えばAxcelis Technologies, Inc.、によって提供されるAxcelis GSD 200, GSD 200 HE, GSD 200 EE, HC3, GSD III/LED, MC3, and HE3、バリアン半導体製造装置アソシエイトによって提供されるVarianES00、VarianVllSta 80、810HP VllSta、VIISta 3000で、およびバリアンVIISion;またはアプライドマテリアルズ社によって提供されるAMAT xR120で実行されることがあり得る。上記の如く、注入プロセスで使用されるイオンは、好ましくは、硬化した表面層を形成するときにlow−k誘電体膜の誘電特性の変化を最小にするかまたは低下させか、または、膜を処理するときに、low−k誘電体膜の誘電率を低下させる、不活性イオンである。
【0021】
堅くなっている表面層を達成するために、イオン注入プロセスは、膜20の誘電率の変化を最小化するか、または膜20の誘電率を低下させるために、比較的低いエネルギ、および、高いフラックスで好ましくは実行される。イオンビームエネルギーは、例えば、0.2〜200keVまたは5〜50keVの範囲であり得て、好ましくは、10〜20keVの範囲であり得る。加えて、イオンビームのドーズ量は、5x1012〜1x1016atoms/cm、または0.5x1015〜1x1016atoms/cmの範囲であり得て、好ましくは1x1015〜1x1016atoms/cmの範囲であり得る。しかしながら、low−k誘電体膜20の誘電率の永続的な、および実質的な増加が生じない何らかのエネルギおよびドーズ量は、本発明によれば使用されることがあり得る。イオンタイプ、エネルギ、およびドーズ量以外の注入プロセスパラメータは、このような変動(variance)がlow−k誘電体膜20の誘電率の永続的な、および実質的な増加を生じない限り、また、変化することがあり得る。
【0022】
硬化した表面層のないlow−k膜20の低下した誘電率を達成するために、イオン注入プロセスは、low−k膜20内に深く不活性イオンを注入するように、比較的高いエネルギおよび低いフラックスで不活性イオンによって好ましくは実行される。例えば、イオンビームエネルギは、0.2〜200keVの範囲で、および50keV、好ましくは50keVを超え、より好ましくは、100 50keVを超えるものである。加えて、イオンビームドーズ量は、5x1012〜1x1016atoms/cm、および、より好ましくは、5x1012〜1x1015atoms/cmの範囲であり得る。しかしながら、low−k誘電体膜20の誘電率の減少が生じる何らかのエネルギおよびドーズ量は、本発明によれば使用されることがあり得る。このような変動がlow−k膜20の誘電率を減少させる効果をこわさない限り、イオンタイプ、エネルギ、およびドーズ量以外の注入プロセスパラメータは、また、変化することがあり得る。
【0023】
したがって、本発明の発明者は、0.2〜200keVのビームエネルギ範囲内で、5x1012〜1x1016atoms/cmのイオンビームドーズ量範囲内で、イオン注入を提供することがlow−k膜の硬化した表面層を形成し、実はlow−k誘電体膜の誘電率を低下させることができると認識した。すなわち、表面層の硬化と、誘電率の低下とは、本発明のイオン注入プロセスに対し、両立しないものではない。上記の好適なビーム、およびエネルギ範囲によって示されるように、本発明の発明者は、0.2〜200keVのビームエネルギ範囲、および5x1012〜1x1016atoms/cmのイオンビームドーズ量範囲内で、ビームエネルギーが減少し、および、ビームドーズ量が増加するとき、硬化した表面層の形成が増強され、low−k誘電率の低下は増強されないと理解された。逆にいえば、この同じ範囲内で、ビームエネルギーが増加し、ビームドーズ量は減少するとき、low−k誘電率の減少は増強され、硬化した表面層の形成は増強されない。
【0024】
この認識に基づいて、単一のイオン注入プロセスステップのプロセスパラメータは、表面硬化処理の所望のレベル、および低下したlow−k膜の誘電率を提供するように選ばれることができる。しかしながら、範囲の極端な終点で実行されるプロセスは、実際に役立たない、硬化または低下した誘電特性に結果としてなることがあり得る。これ、および他の状況において、単一のイオン注入ステップは好ましくなく、low−k誘電体膜は、各々、所望の特性を増強するために理想的なパラメータを有している2以上のステップを有するイオン注入プロセスで扱われることがあり得る。イオン注入プロセスの正確なパラメータは、low−k膜の所望の特性に依存し、どのようにプロセスパラメータが表面硬化処理および誘電率特徴に影響を及ぼすかの発明者の具現化の利益を有する当業者によって容易に決定可能であり、および、各々の特徴に対して好適なパラメータ範囲が上記にて記載された。
【0025】
図3は、図2の成形工程110を実行するために使用されることがあり得るSODプロセス300の実施例を示す。図3に示すように、必要に応じて、プロセスは、基板10に接着プロモータの適用を有するステップ310にて始まる。例えば、SiLKベースのlow−k誘電体膜を形成するときに、接着プロモータは推奨される。ステップ320において、もし接着プロモータが適用されるならば、基板は150〜300℃でベーキングされる。ステップ330で示すように、一旦接着プロモータが適用され、そしてベーキングされるならば、基板10は、low−k誘電体膜20でスピンコートされる。ステップ340において、low−k誘電体膜20が150〜300℃の温度でベーキングされ、そしてステップ350において、low−k誘電体膜が炉またはホットプレートベーキングツールで400〜450℃でキュアされる。1つの実施形態において、イオン注入プロセスは、キュアステップ350に続いて実行される。代わりの実施形態では、イオン注入プロセスは、キュアステップ350に先だって実行される。
【0026】
図4は、膜を処理するためにlow−k誘電体膜を形成するための処理システムのブロックダイヤグラムである。この図に示すように、処理システム1は、膜形成システム210と、この膜形成システム210に組み合わせられたイオンインプラントシステム220とを含む。コントローラ230は、プロセスレシピに係る各々のシステムのオペレーションを制御するのと同様に、データおよび情報をこれらのシステムと交換するように、膜形成システム210およびイオンインプラントシステム220に組み合わせられる。膜形成システム210と、イオンインプラントシステム220とが互いに直接組み合わせられることがあり得て、または、各システムがクラスターツールの基板移送構成から、またはシリアルツール基板移送構成から追加される処理モジュールを構成することができる。
【0027】
上述の通り、膜形成システム210は、スピンオン誘電体システムまたは化学気相成長システムであり得る。CVDシステムは、プロセス中、プラズマを使用することがあるか、または使用しない場合がある。例えば、SODシステムは、東京エレクトロン株式会社(TEL)から市販されているClean Track ACT 8 SODまたはACT 12 SODコーティングシステムを含むことができる。さらにまた、イオン注入システム220は、イオン源と、磁気フィルタと、イオンビーム中和器と、真空系とのような従来の特徴を含むことがあり得て、イオンインプラントシステム設計の当業者に各々が理解される。例えば、イオンインプラントシステム220は、0.2〜200keVの範囲であるイオンビームエネルギ、および5x1012〜1x1016atoms/cmの範囲であるイオンビームドーズ量が可能であり得る。
【0028】
コントローラ230は、マイクロプロセッサ、メモリ、および膜形成システム210およびイオンインプラントシステム220へ通信し、入力を起動させるために足りる制御電圧を生成し、同様にこれらのシステムからの出力をモニタすることが可能なデジタルI/Oポート(潜在的に、D/Aおよび/またはA/Dコンバータを含む)とを含む。メモリーに格納されたプログラムは、保存されたプロセスレシピに係るシステム210および220と対話するように利用される。コントローラ230の1つの実施例は、デルプレシジョンWORKSTATION530TMである。そして、デル社、オースティン、テキサスから入手可能である。コントローラ230は、また、図9に記載したようなコンピュータのような汎用コンピュータとして実施されることがあり得る。
【0029】
コントローラ230は、膜形成システム210およびイオンインプラントシステム220に対して局所的に位置づけられることがあり得て、または、それはインターネットまたはイントラネットを介して膜形成システム210およびイオンインプラントシステム220に対して遠く離れて位置づけられることがあり得る。したがって、コントローラ230は、直接接続、イントラネット、およびインターネットの少なくとも1つを使用して、データを膜形成システム210およびイオンインプラントシステム220と交換することができる。コントローラ230は、顧客サイト(すなわちデバイスメーカーなど)でイントラネットに組み合わせられることがあり得て、またはベンダーサイト(すなわち装置製造業者)で、イントラネットに組み合わせられ得る。さらにまた、他のコンピュータ(すなわちコントローラ、サーバなど)は、直接接続、イントラネット、およびインターネットの少なくとも1つを介してデータを交換するように、コントローラ230にアクセスすることができる。
【0030】
図5Aおよび図5Bは、20keVのアルゴンイオンで515のドーズ量によってイオン注入されたJSR low−k誘電体膜の走査型電子顕微鏡(SEM)図を示す。これらの図に示すように、それぞれ、low−k誘電体膜の硬化した層は、図5Aおよび5Bの約79nmおよび54nmの厚さが得られた。比較のために、図6は、注入のないJSR low−k誘電体膜のSEM図を示す。同様に、図7Aおよび7Bは、20keVのアルゴンイオンで515のドーズ量によってイオン注入されたSiLK D low−k誘電体膜のSEM図を示す。これらの図に示すように、それぞれ、low−k誘電体膜の硬化した層は、図7Aおよび7Bの約82nmおよび80nmの厚さが得られた。比較のために、図8Aおよび8Bは、注入のないSiLK D誘電体膜のSEM図を示す。したがって、本発明のイオン注入プロセスは、市販のlow−k誘電体膜上の別々の硬化した表面層を提供することを示す。
【0031】
図9は、SiLK、および、JSR low−k誘電体膜のための典型的な硬度データを示す。例えば、処理されたSiLK(ソリッドの正方形)の硬度は、未処理のSiLK膜(ソリッドのダイヤモンド型)に対して、ほぼ膜(表面から10nmで0.2〜1.6GPa、および50nmで0.1〜0.6GPa)の上部50nmの6〜8の係数を乗じて増加する。加えて、例えば、処理されたJSR(x)の硬さは、未処理のSiLK膜(ソリッドの三角形)に対して、ほぼ膜(表面から10nmで0.4〜2.3GPa、および50nmで0.3〜0.9GPa)の上部50nmの3〜6のファクタを乗じて増加する。
【0032】
図10は、本発明の実施形態が実施されることがあり得るコンピューターシステム1201を示す。コンピューターシステム1201は、上記コントローラの機能のいずれかまたは全てを実行するコントローラ230として使用することがあり得る。コンピューターシステム1201は、情報を通信するためのバス1202または他の通信機構と、情報を処理するためのバス1202に接続されたプロセッサ1203とを含む。コンピューターシステム1201も、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミック記憶機器(例えばダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、および同期DRAM(SDRAM))のような、プロセッサ1203によって実行される情報および命令を格納するためにバス1202に接続された主メモリ1204を含む。加えて、主メモリ1204は、プロセッサ1203による命令の実行中に、一時的な変数または他の中間情報を格納するために使用されることがあり得る。コンピューターシステム1201は、プロセッサ1203に対する静的情報および命令を格納するためにバス1202に接続された読み出し専用メモリ(ROM)1205または他の静的記憶デバイス(例えばプログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、および、電気的消去可能PROM(EEPROM))を更に含む。
【0033】
コンピューターシステム1201は、また、磁気ハードディスク1207およびリムーバブルメディアドライブ1208(例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、読取り専用コンパクトディスクドライブ、読込み/書込みコンパクトディスクドライブ、コンパクトディスクジュークボックス、テープドライブ、および取り外し可能な光磁気ドライブ)のような情報および命令を格納するための1つ以上の記憶機器を制御するようにバス1202に接続されたディスクコントローラ1206を含む。記憶機器は、適切なデバイスインタフェース(例えばスモールコンピューターシステムインターフェース(SCSI)、インテグレーティドデバイスエレクトロニックス(IDE)、エンハンストIDE(EIDE)、ダイレクトメモリーアクセス(DMA)またはultra―DMA)を使用してコンピューターシステム1201に加えられ得る。
【0034】
コンピューターシステム1201は、また、専用(special purpose)ロジックデバイス(例えば特定用途向けIC(application specific integrated circuits:ASIC))または設定可能(configurable)ロジックデバイス(例えばシンプルプログラマブルロジックデバイス(SPLDs)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLDs)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs))を含むことがあり得る。
【0035】
コンピューターシステム1201は、また、情報をコンピュータユーザに表示するための陰極線管(CRT)のようなディスプレイ1210を制御するように、バス1202に接続されたディスプレイコントローラ1209を含むことがあり得る。コンピューターシステムは、コンピュータ使用者と対話し、プロセッサ1203に情報を提供するための、キーボード1211およびポインティングデバイス1212のような入力装置を含む。ポインティングデバイス1212は、例えば、プロセッサ1203への指示情報およびコマンド選択を伝達をするための、およびディスプレイ1210上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、またはポインティングスティックであり得る。加えて、プリンタは、コンピューターシステム1201によって格納および/または生成されたデータの印刷リストを提供し得る。
【0036】
コンピューターシステム1201は、主メモリ1204のようなメモリーに含まれた1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ1203に応答して、本発明の処理ステップの一部または全てを実行する。このような命令は、他のコンピュータが読み込み可能なメディア(例えばハードディスク1207またはリムーバブルメディアドライブ1208)から、主メモリ1204に読み込まれることがあり得る。マルチプロセッシング装置の1つ以上のプロセッサは、また、主メモリ1204に含まれた命令のシーケンスを実行するように使用されることがあり得る。代わりの実施形態では、配線による回路は、ソフトウェアの命令の代わりに、またはそれとのコンビネーションとして使用されることがあり得る。このように、実施形態は、ハードウェア回路およびソフトウェアの何らかの特定の組合せに限定されるものではない。
【0037】
上記したように、コンピューターシステム1201は、本発明の教示に係るプログラムされた命令を保持するために、およびデータ構造、テーブル、レコード、またはここに記載された他のデータを含むために、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能なメディアまたはメモリーを含む。コンピュータ読み取り可能なメディアの実施例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAMまたは他のいかなる磁気メディア、コンパクトディスク(例えばCD―ROM)または他のいかなる光メディア、パンチカード、紙テープ、または孔パターンを有する他の物理的なメディア、キャリアウェーヴ(carrier wave)(以下に記載する)、またはコンピュータから読むことができる他のいかなるメディアである。
【0038】
コンピュータ読み取り可能なメディアのどれか1つに、またはその組合せに格納されて、本発明は、コンピューターシステム1201を制御するため、デバイスまたは本発明を実施するためのデバイスを駆動するため、およびコンピューターシステム1201がヒューマンユーザ(例えば、生産担当者にプリントする)と対話することを可能にするためのソフトウェアを含む。このようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、およびアプリケーションソフトを含むが、これに限定されるものではない。このようなコンピュータ読み取り可能なメディアは、本発明を実施する際に実行されたプロセスの全部または一部(プロセスが分散された場合)を実行するための本発明のコンピュータプログラムプロダクトを更に含む。
【0039】
本発明のコンピューターコードデバイスは、スクリプト、解釈可能なプログラム(interpretable programs)、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス、および完全な実行可能プログラムを含む、何らかの解釈可能なまたは実行可能なコードメカニズムであり得るが、これに限られない。さらに、本発明のプロセスの部分は、より十分なパーフォーマンス、信頼性、および/または費用のために分配されることがあり得る。
【0040】
ここで使用された「コンピュータ読み取り可能なメディア」の用語は、プロセッサ1203に実行のための命令を提供するのに関係するどのようなメディアをも指すものである。コンピュータ読み取り可能なメディアは、不揮発性メディア、揮発性メディア、および伝送メディア(transmission media)を含んでいる多くの形態をとることができるが、それに限定されるものではない。不揮発性メディアは、例えば、ハードディスク1207またはリムーバブルメディアドライブ1208のような光学、磁気ディスク、および光磁気ディスクを含む。揮発性メディアは、主メモリ1204のようなダイナミックメモリを含む。伝送メディアは、バス1202を占める配線を含んでいる、同軸ケーブル、銅線、およびファイバーオプティックスを含む。伝送メディアも、また、電波および赤外線通信を通じて生成されるような音響または光波という形をとり得る。
【0041】
コンピュータ読み取り可能なメディアのさまざまな形は、実行に対してプロセッサ1203への1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに含まれることがあり得る。例えば、命令は、まず最初にリモートコンピュータの磁気ディスク上に移されることがあり得る。リモートコンピュータは、本発明の全てまたは一部を実施するための命令を、ダイナミックメモリへ、モデムを使用し電話線路を通して、遠隔でロードすることができ、命令を送ることができる。コンピューターシステム1201へのモデムローカルは、電話線路上のデータを受けることができ、赤外線信号へデータをコンバートするために、赤外線送信機を使用することができる。バス1202に接続された赤赤外線検出器は、赤外線信号で運ばれるデータを受けることができ、データをバス1202に置くことができる。バス1202は、データを主メモリ1204へ送り、そして、そこから、プロセッサ1203は命令を取り出して、そして実行する。主メモリ1204によって受けられた命令は、プロセッサ1203によって実行の前または後に、記憶機器1207または1208に、オプションとして格納されることがあり得る。
【0042】
コンピューターシステム1201も、バス1202に接続された通信インタフェース1213を含む。通信インタフェース1213は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)1215に接続されたネットワークリンク1214に、またはインターネットのような他の通信ネットワーク1216に接続された双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェース1213は、何らかのパケットスイッチされたLANに添付するネットワークインターフェイスカードであり得る。別の例として、通信インタフェース1213は、通信回線の対応するタイプへのデータ通信接続を提供する非対称ディジタル加入者回線(asymmetrical digital subscriber line:ADSL)カード、総合サービスデジタルネットワーク(integrated services digital network:ISDN)カードまたはモデムであり得る。無線リンクは、また、実施されることがあり得る。このようないかなる実行においても、通信インタフェース1213は、様々な形の情報を示すデジタルデータストリームを伝送する、電気的、電磁気的、または光学的信号を送受信する。
【0043】
ネットワークリンク1214は、一般的に他のデータ装置に1つ以上のネットワークを介してデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1214は、ローカルネットワーク1215(例えばLAN)を介して、または通信ネットワーク1216を介して通信サービスを提供するサービスプロバイダによって操作される器材を介して他のコンピュータへの接続を提供することがあり得る。ローカルネットワーク1214および通信ネットワーク1216は、例えば、デジタルデータストリームを移動させる、電気的、電磁気的、または光学的信号、および関連したフィジカルレイヤ(例えばCAT5ケーブル、同軸ケーブル、光ファイバなど)を使用する。デジタルデータをコンピューターシステム1201へ/から移送する、さまざまなネットワークを介した信号、並びにネットワークリンク1214上のおよび通信インタフェース1213を介した信号は、おそらくベースバンド信号または搬送波ベース信号において実施される。ベースバンド信号は、デジタルデータビットの流れ(stream)を記述している(descriptive)調節されていない(unmodulated)電気パルスとして、デジタルデータを伝達し、そこにおいて、用語「ビット」は、平均シンボルに広く解釈されることであり、各々のシンボルは、少なくとも1つ以上の情報ビットを伝達する。デジタルデータは、また、例えば伝導メディアにわたって伝播させられる振幅、位相および/または周波数シフト鍵のついた信号によって、搬送波を調整するために使用されることがあり得るかまたは伝搬メディアを介して電磁波として伝送されることがあり得る。それで、デジタルデータは、「有線の」通信路を介して調節されていないベースバンドデータとして送られることがあり得て、および/または搬送波を調整することによって、ベースバンドとは異なる所定の周波数帯内で送られることがあり得る。コンピューターシステム1201は、ネットワーク1215および1216、ネットワークリンク1214、および通信インタフェース1213を介して、プログラムコードを含んだデータを伝送および受信することができる。さらに、ネットワークリンク1214は、パーソナル携帯情報機器(personal digital assistant:PDA)、ラップトップコンピュータ、または移動電話(cellular telephone)のようなモバイル機器1217への、LAN1215を介した接続を提供することがあり得る。
【0044】
本発明の特定の例示的実施形態だけが上で詳細に記載されたが、当業者は、本発明の新しい教示および効果から逸脱しない範囲において、具体的な例示的実施形態に基づき多くの変更態様が可能であることを容易に理解する。したがって、全てのこのような変更態様は、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0045】
添付の図面と共に考慮され、上記詳細な説明を参照することで、本発明のより完全な理解と、その多数の効果は、容易に得られ、より十分に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】本発明の実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成し、処理する方法の簡略化された概略表現を示す図である。
【図1B】本発明の実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成し、処理する方法の簡略化された概略表現を示す図である。
【図1C】本発明の実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成し、処理する方法の簡略化された概略表現を示す図である。
【図1D】本発明の実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成し、処理する方法の簡略化された概略表現を示す図である。
【図2】本発明の1つの実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成する方法を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るlow−k誘電体膜を基板上に形成する典型的な方法を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るlow−k誘電体膜を形成するための処理システムを示す図である。
【図5A】本発明の1つの実施形態に係る、20keVのアルゴンイオンで515の量(dose)でイオン注入されたJSR low−k誘電体膜の走査型電子顕微鏡(SEM)図を示す図である。
【図5B】本発明の1つの実施形態に係る、20keVのアルゴンイオンで515の量(dose)でイオン注入されたJSR low−k誘電体膜の走査型電子顕微鏡(SEM)図を示す図である。
【図6】図5Aおよび図5Bと比較のために、注入のないJSR low−k誘電体膜のSEM図を示す図である。
【図7A】本発明の1つの実施形態に係る、20keVのアルゴンイオンで515の量でイオン注入されたSiLK D low−k誘電体膜のSEM図を示す図である。
【図7B】本発明の1つの実施形態に係る、20keVのアルゴンイオンで515の量でイオン注入されたSiLK D low−k誘電体膜のSEM図を示す図である。
【図8A】図7Aおよび図7Bと比較のために、注入のないSiLK D誘電体膜のSEM図を示す図である。
【図8B】図7Aおよび図7Bと比較のために、注入のないSiLK D誘電体膜のSEM図を示す図である。
【図9】処理有り、処理無しの場合の、SiLK誘電体膜と、JSR誘電体膜とに対する硬度データを示す図である。
【図10】本発明の実施形態が実現され得るコンピューターシステムを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のlow−k誘電体膜を形成する方法であって、
3.5未満の公称誘電率を有する前記low−k誘電体膜を前記基板上に形成することと、
前記low−k誘電体膜上に硬化した表面層を形成するために前記low−k誘電体膜の表面にイオン注入プロセスを実行することとを具備し、
前記実行することがlow−k誘電体膜の公称誘電率の実質的な増加を生じないプロセスパラメータで前記イオン注入プロセスを実行することである、方法。
【請求項2】
前記low−k誘電体膜を形成することは、スピンオン誘電体技術と、化学気相成長技術とのうちの少なくとも1つを実行することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項3】
前記low−k誘電体膜を形成することは、ポーラス膜と、ノンポーラス膜とのうちの少なくとも1つを形成することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項4】
前記low−k誘電体膜を形成することは、3.0未満の誘電率を有する膜を形成することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項5】
前記low−k誘電体膜を形成することは、1.6から2.7までの範囲の誘電率を有する膜を形成することを含んでいる請求項4の方法。
【請求項6】
前記low−k誘電体膜を形成することは、有機材料または無機材料のうちの少なくとも1つを含む膜を形成することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項7】
前記無機材料を含む膜を形成することは、無機―有機のハイブリッド材料を含む膜を形成することを含んでいる請求項6の方法、
【請求項8】
前記無機材料を含む膜を形成することは、酸化された有機金属シランを含む膜を形成することを含んでいる請求項6の方法。
【請求項9】
無機材料を含む膜を形成することは、水素silsesquioxaneと、メチルsilsesquioxaneとのうちの少なくとも1つを含む膜を形成することを含んでいる請求項6の方法。
【請求項10】
前記無機材料を含む膜を形成することは、シリケートベースの材料を含む膜を形成することを含んでいる請求項6の方法。
【請求項11】
前記無機材料を含む膜を形成することは、シリコンと、カーボンと、酸素とを含む集合的な膜を形成することを含んでいる請求項6の方法。
【請求項12】
前記に集合的な膜を形成することは、前記集合的な膜に更に水素を含むことを備えている請求項11の方法。
【請求項13】
前記実行することは、5から50keVまでの範囲のイオンエネルギで前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項14】
前記実行することは、0.5x1015から1x1016までの範囲のイオンドーズ量で前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項15】
前記実行することは、アルゴンイオン注入を有する前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項16】
前記イオン注入プロセスを実行することは、ほぼ1から3GPaまでの範囲の硬度を有する前記硬化した表面層を形成することを含んでいる請求項1の方法。
【請求項17】
3.5未満の公称誘電率を有するlow−k誘電体膜と、
前記low−k誘電体膜上に硬化した表面層とを具備し、
前記硬化した表面層がイオン注入プロセスに前記low−k誘電体膜の表面をさらすことにより形成され、前記low−k誘電体膜が前記low−k誘電体膜の公称誘電率の実質的な増加を生じないイオンを含んでいる、硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項18】
前記low−k誘電体膜は、スピンオン誘電体膜と、化学気相成長膜とのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項19】
前記low−k誘電体膜は、ポーラス膜と、ノンポーラス膜とのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項20】
前記low−k誘電体膜は、3.0未満の誘電率を有する請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項21】
前記low−k誘電体膜は、1.6から2.7までの範囲の誘電率を有する請求項20の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項22】
前記low−k誘電体膜は、有機材料と、無機材料とのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項23】
前記low−k誘電体膜は、無機−有機ハイブリッド材料を含んでいる請求項22の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項24】
前記無機材料は、酸化された有機金属シランを含んでいる請求項22の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項25】
前記無機材料は、水素silsesquioxaneと、メチルsilsesquioxaneとのうちの少なくとも1つを含んでいる請求項22の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項26】
前記無機材料は、シリケートベースの材料を含んでいる請求項22の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項27】
前記無機材料は、集合的に、シリコンと、カーボンと、酸素とを含んでいる請求項22の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項28】
前記無機材料は、さらに水素を含んでいる請求項27の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項29】
前記膜は、5から50keVまでの範囲のイオンエネルギで前記イオン注入プロセスによって形成された膜の物理的性質を含んでいる請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項30】
前記膜は、0.5x1015から1x1016の範囲のイオンドーズ量で前記イオン注入プロセスによって形成された膜の物理的性質を含んでいる請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項31】
前記膜は、アルゴンイオン注入から成る請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項32】
前記硬化した表面層は、ほぼ1からほぼ3GPaまでの範囲の硬度を有している請求項17の硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項33】
硬化したlow−k誘電体膜を形成する処理システムであって、
基板上に前記low−k誘電体膜を形成するように構成された膜形成システムと、
前記膜形成システムに組み合わせられ、前記low−k誘電体膜に硬化した表面層を形成するために、前記low−k誘電体膜を処理するように構成されたイオンインプラントシステムと、
前記膜形成システムと、前記イオンインプラントシステムとに組み合わせられ、前記low−k誘電体膜を形成し、イオン注入を使用して前記low−k誘電体膜を処理するためにプロセスを制御するように構成されたコントローラとを具備する処理システム。
【請求項34】
前記膜形成システムは、スピンオン誘電体システムと、化学気相成長システムとのうちの少なくとも1つを備えている請求項33の処理システム。
【請求項35】
前記膜形成システムは、ポーラス膜と、ノンポーラス膜とのうちの少なくとも1つを含むlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項36】
前記膜形成システムは、3.0未満の誘電率を有するlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項37】
前記膜形成システムは、1.6から2.7までの範囲の誘電率を有するlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項36の処理システム。
【請求項38】
前記膜形成システムは、有機材料と、無機材料とのうちの少なくとも1つを含むlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項39】
前記膜形成システムは、無機―有機ハイブリッド材料を含むlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項38の処理システム。
【請求項40】
前記膜形成システムは、酸化された有機金属シランを含む無機材料を有するlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項38の処理システム。
【請求項41】
前記膜形成システムは、水素silsesquioxaneと、メチルsilsesquioxaneとの少なくとも1つを含んでいる無機材料を含むlow−k誘電体膜を形成するように構成されている請求項38の処理システム。
【請求項42】
前記膜形成システムは、シリケートベースの材料を含む無機材料を形成するように構成されている請求項38の処理システム。
【請求項43】
前記膜形成システムは、集合的に、シリコンと、カーボンと、酸素とを含む無機材料を形成するように構成されている請求項38の処理システム。
【請求項44】
前記膜形成システムは、水素を更に含む前記無機材料を形成するように構成されている請求項43の処理システム。
【請求項45】
前記イオンインプラントシステムは、5から50keVまでの範囲のイオンエネルギを提供するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項46】
前記イオンインプラントシステムは、0.5x1015から1x1016までの範囲のイオンドーズ量を提供するように構成されている請求項33に記載の処理システム。
【請求項47】
前記イオンインプラントシステムは、アルゴンイオン注入を提供するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項48】
前記イオンインプラントシステムは、low−k誘電体膜の公称誘電率の実質的な増加が生じないプロセスパラメータで前記イオン注入プロセスを実行するように構成されている請求項33の処理システム。
【請求項49】
基板上にlow−k誘電体膜を形成する方法であって、
誘電率3.5未満の公称誘電率を有する前記low−k誘電体膜を前記基板の上に形成する工程と、
前記low−k誘電体膜上に硬化した表面層を形成するために前記low−k誘電体膜の表面にイオン注入プロセスを実行する工程とを具備し、
前記イオン注入プロセスを実行するための前記工程が、low−k誘電体膜の公称誘電率の実質的な増加が生じない、方法。
【請求項50】
誘電率3.5未満の公称誘電率を有するlow−k誘電体膜と、
前記low−k誘電体膜の公称誘電率を実質的に増やすことのない前記low−k誘電体膜に機械的強度を提供する手段とを具備する硬化したlow−k誘電体膜。
【請求項51】
基板上にlow−k誘電体膜を形成する方法であって、
SiOの誘電率を下回る公称誘電率を有する前記low−k誘電体膜を前記基板上に形成することと、
前記公称誘電率を下回る誘電率を有する処理されたlow−k誘電体膜を形成するために前記low−k誘電体膜上にイオン注入プロセスを実行することとを具備した方法。
【請求項52】
前記実行することは、不活性イオンを使用して前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項53】
前記実行することは、イオン化希ガスを使用して前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項52の方法。
【請求項54】
前記low−k誘電体膜上に硬化した表面層を形成することを、さらに具備する請求項51の方法。
【請求項55】
前記硬化した表面層を形成することは、ほぼ1から3GPaまでの範囲の硬度を有する硬化した表面層を形成することを含んでいる請求項54の方法。
【請求項56】
前記low−k誘電体膜を形成することは、スピンオン誘電体技術と、化学気相成長技術とのうちの少なくとも1つを実行することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項57】
前記low−k誘電体膜を形成することは、ポーラス膜と、ノンポーラス膜とのうちの少なくとも1つを形成することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項58】
前記low−k誘電体膜を形成することは、3.0未満の誘電率を有する膜を形成することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項59】
前記low−k誘電体膜を形成することは、1.6から2.7までの範囲の誘電率を有する膜を形成することを含んでいる請求項58の方法。
【請求項60】
前記low−k誘電体膜を形成することは、無機材料を含む膜を形成することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項61】
前記無機材料を含んでいる膜を形成することは、無機―有機のハイブリッド材料を含む膜を形成することを含んでいる請求項60の方法。
【請求項62】
前記無機材料を含む膜を形成することは、酸化された有機金属シランを含む膜を形成することを含んでいる請求項60の方法。
【請求項63】
前記無機材料を含む膜を形成することは、水素silsesquioxaneと、メチルsilsesquioxaneとのうちの少なくとも1つのを含む膜を形成することを含んでいる請求項60の方法。
【請求項64】
前記無機材料を含む膜を形成することは、シリケートベースの材料を含む膜を形成することを含んでいる請求項60の方法。
【請求項65】
前記無機材料を含む膜を形成することは、シリコンと、カーボンと、酸素とを集合的に含む膜を形成することを含んでいる請求項60の方法。
【請求項66】
前記集合的な膜を形成することは、水素を前記総体的な膜にさらに含むことを備えている請求項65の方法。
【請求項67】
前記実行することは、0.2から200keVまでの範囲のイオンエネルギと、5x1012から1X1016の範囲のイオンドーズ量とで前記イオン注入プロセスを実行することを含んでいる請求項51の方法。
【請求項68】
前記実行することは、前記low−k誘電体膜上の硬化した表面層の形成を増強するために比較的低いイオンエネルギおよび比較的高いイオンドーズ量で前記イオン注入プロセスを実行することを備えている請求項67の方法。
【請求項69】
前記実行することは、前記low−k誘電体膜の誘電率の減少を増強するために比較的高いイオンエネルギおよび比較的低いイオンドーズ量で前記イオン注入プロセスを実行することを備えている請求項67の方法。
【請求項70】
前記実行することは、約50keVより大きいイオンエネルギで前記イオン注入プロセスを実行することを備えている請求項69の方法。
【請求項71】
前記実行することは、約100keVより大きいイオンエネルギで前記イオン注入プロセスを実行することを備えている請求項70の方法。
【請求項72】
前記実行することは、5x1012から1x1016までの範囲のイオンドーズ量で前記イオン注入プロセスを実行することを備えている請求項69の方法。
【請求項73】
請求項51〜72のどれか1項に係る方法によって形成された、処理されたlow−k誘電体膜。
【請求項74】
処理されたlow−k誘電体膜を形成する処理システムであって、
基板上に前記low−k誘電体膜を形成するように構成された膜形成システムと、
前記膜形成システムに組み合わせられ、前記low−k誘電体膜の誘電率を低下させるために前記low−k誘電体膜を処理するように構成されたイオンインプラントシステムと、
前記膜形成システムと、前記イオンインプラントシステムとに組み合わせられ、前記low−k誘電体膜を形成し、イオン注入を使用して前記low−k誘電体膜を処理するプロセスを制御するように構成されたコントローラとを具備し、
前記処理システムが請求項51−72のどれか1項により前記基板上のlow−k誘電体膜を形成するように構成されている、処理システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−526899(P2006−526899A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514892(P2006−514892)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/015577
【国際公開番号】WO2004/109756
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】