説明

アライメントシステム、アライメントシステムの制御方法、プログラム及び測定装置

【課題】短時間で簡単かつ高精度に被検レンズの透過波面を測定することが可能な測定装置、それに使用されるアライメントシステム、アライメントシステムの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】干渉計20を有して被検レンズ10の透過波面を測定する測定装置1に使用され、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとを位置合わせするアライメントシステム40は、被検レンズ10を載置するステージ25を移動する移動部50とコンピュータ60を有し、設定された移動方向と移動量に基づいて移動部50を制御する移動制御モジュール70と、方向判断モジュール64が、実際には、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bから離れる方向に移動していると判断した場合に、設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向にステージ25が移動するように移動部50を制御する移動制御モジュール70を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアライメントシステム、アライメントシステムの制御方法、プログラム及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、その図10において、被検レンズの透過波面を測定するフィゾー型の干渉計を開示し、測定前には、干渉縞を得るために、その図7〜図9に示す調整と、反射型球面原器の位置調整が必要であると述べている。
【0003】
また、特許文献2は、干渉縞が見える程度に作業者が被検レンズを三軸方向に手動で粗動した後で計算機が干渉縞の解析結果に基づいて被検レンズを三軸方向に自動的に微動するフィゾー干渉計を開示している。被検レンズは微動動作において、参照面と被検レンズの位置ずれがなくなるように、粗動動作よりも高精度に位置決めされる。
【0004】
なお、一旦干渉縞が得られた後では、その位置(例えば、最も濃い干渉縞の位置)を調節する2段階自動合焦方法は特許文献3にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−201703号公報
【特許文献2】特開2005−265586号公報
【特許文献3】特開平09−120006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の図7〜図9に示す調整と反射型球面原器の位置調整は煩雑であり、これらの調整に加えて実際には被検レンズの光軸に垂直な方向の位置調整も必要である。これらの調整は熟練者が経験により手動で行っており、調整、ひいては波面収差の測定に時間がかかっていた。また、熟練者の経験による具体的な調整方法(例えば、どのような情報に基づいてどの部材をどの方向にどれだけ移動すれば良いか)は知られていなかった。このため、再現性や精度が悪く、その後の干渉縞の解析に時間がかかったり、測定誤差を招いたりした。あるいは、特許文献2であれば、干渉縞の解析に時間がかかったり、微動調節に時間がかかったりしていた。
【0007】
そこで、本発明は、短時間で簡単かつ高精度に被検レンズの透過波面を測定することが可能な測定装置、それに使用されるアライメントシステム、アライメントシステムの制御方法及びプログラムを提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としてのアライメントシステムは、光源からの光が被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計を有して前記被検レンズの透過波面を測定する測定装置に使用され、前記被検レンズの集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせするアライメントシステムであって、前記被検レンズを載置するステージを移動する移動部と、前記移動部による前記ステージの移動を制御するコンピュータと、を有し、前記コンピュータは、前記撮像デバイスの前記干渉縞を検出する検出領域内において、閾値以上の輝度を有し、前記被検レンズの面積よりも小さい明暗領域を認識する明暗領域認識モジュールと、前記ステージが移動すべき移動方向と移動量を設定し、設定された前記移動方向と前記移動量に基づいて前記移動部を制御する移動制御モジュールと、設定された位置が前記検出領域の中心に近づいているか離れているかを判断する方向判断モジュールと、前記移動制御モジュールが前記設定された移動方向に従って前記ステージを移動した結果、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると前記方向判断モジュールが判断した場合、前記移動制御モジュールは、前記設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に従って前記移動部を制御することを特徴とする。
【0009】
本発明の別の側面としてのプログラムは、上述のコンピュータを、明暗領域認識手段、移動制御手段、方向判断手段として機能させると共に、前記移動制御手段が前記設定された移動方向に従って前記ステージを移動した結果、実際には、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると前記方向判断手段が判断した場合、前記移動制御手段は、前記設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に従って前記移動部を制御するように機能させる。
【0010】
本発明の別の側面としてのアライメントシステムの制御方法は、光源からの光が被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計を有して前記被検レンズの透過波面を測定する測定装置に使用され、前記被検レンズによって集光される集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせするアライメントシステムの制御方法であって、前記撮像デバイスの撮像面の前記干渉縞を検出する検出領域内において、閾値以上の輝度を有し、前記被検レンズよりも小さい明暗領域の中心が前記撮像面において前記検出領域の中心に近づくように移動方向を設定して、前記被検レンズを載置するステージを移動する移動部を制御するステップと、前記制御ステップの結果、実際に前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心に近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断するステップと、前記判断ステップが、実際には、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると判断した場合に、前記設定された移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に基づいて前記移動部を制御するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の別の側面としての測定装置は、被検レンズの透過波面を測定する測定装置であって、光源からの光が前記被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計と、前記被検レンズの集光される集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせする上述のアライメントシステムと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、短時間で簡単かつ高精度に被検レンズの透過波面を測定することが可能な測定装置、それに使用されるアライメントシステム、アライメントシステムの制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施例の測定装置のブロック図である。
【図2】図1に示す測定装置の明暗領域認識モジュールの輝度による明暗領域の認識について説明する図である。
【図3】図1に示す測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に示すS200の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図5】図3に示すS208のYesの状態を示す図である。
【図6】図3に示すS210の状態を示す図である。
【図7】図3に示すS212の状態を示す図である。
【図8】図3に示すS208のNoの状態を示す図である。
【図9】図3に示すS214の状態を示す図である。
【図10】図3に示すS222のYesの状態を示す図である。
【図11】図3に示すS224の状態を示す図である。
【図12】図3に示すS226の状態を示す図である。
【図13】図3に示すS230の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1に示す反射型球面原器の球心と被検レンズの集光点との位置関係を示す断面図である。
【図15】図13に示すS240のYesの状態を示す図である。
【図16】図13に示すS244の状態を示す図である。
【図17】図13に示すS246の状態を示す図である。
【図18】図13に示すS248の状態を示す図である。
【図19】図13に示すS258のYesの状態を示す図である。
【図20】図4に示すS212により、図1に示す被検レンズが移動する移動量を示す断面図である。
【図21】図4に示すS212により、図1に示す被検レンズが移動する移動量を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施例の測定装置1のブロック図である。測定装置1は、被検レンズ10の透過波面を測定し、干渉計20と、干渉計20を操作する端末35と、アライメントシステム40と、を有する。図1において、Z方向は、被検レンズ10の光軸にほぼ平行な方向、干渉計20の後述する結像レンズ28の光軸の方向、後述する参照面24aに垂直な方向、又は、後述する参照光が向かう方向に設定されている。
【0015】
被検レンズ10は、透過波面(波面収差又は光学性能)が測定される対象の透過型光学素子である。被検レンズ10は、結像作用を有する光学部11と、光学部11の周りに設けられたフランジ(コバ)12を有する。フランジ12は、結像作用を有しない平面部材である。
【0016】
干渉計20は、本実施例ではフィゾー干渉計として構成され、レーザー光源21、コリメータレンズ22、ビームスプリッタ23、透過型平面原器24、ステージ25、補正板26、反射型球面原器27、結像レンズ28、撮像デバイス29を有する。なお、干渉計20は、フィゾー干渉計に限定されず、例えば、特許文献1の図6に示すようなトワイマン・グリーン型であってもよい。
【0017】
干渉計20は、干渉縞を動かすことによる干渉縞の位相測定により高精度な波面測定が可能である。測定により、波面の傾きを表すTILT X及びTILT Y、被検レンズ10の集光点と反射型球面原器27の球心の非合致量を表すパワー、代表的な波面を表す、ゼルニケ係数(フォーカス、非点収差、コマ収差、球面収差を含む)が得られる。
【0018】
なお、図1の被検レンズ10は実際より大きく図示されており、反射型球面原器27は実際よりも小さく図示されている。
【0019】
レーザー光源21はレーザーの種類は問わず、本実施例では光ファイバを介してレーザー光を導光するが、導光手段は問わない。
【0020】
コリメータレンズ22は、レーザー光源21から光ファイバを介して導光された発散光としてのレーザー光を平行光に変換する。
【0021】
ビームスプリッタ23は、コリメータレンズ22からの光の一部を被検レンズ10側(+Z方向)に反射すると共に残りを透過する。
【0022】
透過型平面原器24は参照面(参照平面)24aを有する。参照面24aを反射してビームスプリッタ23側(−Z方向)に向かう光は参照光と呼ばれる。
【0023】
ステージ25は、被検レンズ10のフランジ12を載置する。ステージ25は、後述するアライメントシステム40の移動部50によって5軸方向に移動可能である。
【0024】
補正板26はガラス板であり、光路長を調節するために、必要に応じて被検レンズ10と反射型球面原器27との間に挿入される。
【0025】
反射型球面原器27は理想球面波の光を生成する。透過型平面原器24を透過して被検レンズ10を透過し、補正板26を透過し、反射型球面原器27で反射された光が再度、補正板26を透過し、被検レンズ10を透過するとその透過光は被検レンズ10の波面を反映した測定光となる。
【0026】
結像レンズ28は、ビームスプリッタ23を通過した測定光と参照光を結像する。
【0027】
撮像デバイス29は、本実施例ではCCDカメラから構成され、測定光と参照光とによって形成される干渉縞を検出する。
【0028】
上述したように、測定光は、レーザー光源21からの光が被検レンズ10を通過して反射型球面原器27によって反射されて再び被検レンズ10を通過することによって生成される。また、参照光は、レーザー光源21からの光が被検レンズ10を通過して透過型平面原器24の参照面24aによって反射されることによって生成される。
【0029】
端末35は、干渉計20を制御するコンピュータであり、後述するアライメントシステム40のコンピュータ60に接続されている。端末35は、CPU(制御部)、動作に必要なプログラムや情報を格納する記憶部(RAM、ROM、ハードディスク装置など)、外部装置と通信するための通信アダプタ、入力部、出力部(プリンタや表示部)を有する。
【0030】
アライメントシステム40は、被検レンズ10の集光点(後述するCP)と反射型球面原器27の球心(後述するO)とを位置合わせする。図1では、両者が一致した状態を示している。
【0031】
アライメントシステム40は、移動部50と、遮光板55と、遮光板駆動部56と、コンピュータ60と、を有する。本実施例のアライメントシステム40は、移動部50、遮光板55、遮光板駆動部56が干渉計20に搭載され、コンピュータ60がネットワーク(通信回線)を介して干渉計20及び端末35に接続されている。しかし、本発明はかかる実施例に限定されず、コンピュータ60は、端末35や干渉計20と一体であってもよい。
【0032】
移動部50は、ステージ25を移動する。移動部50は、X軸、Y軸、Z軸の3つに加え、ステージ25の傾き(TILT)を調整する2つの合計5つのステッピングモータを有する。なお、ステッピングモータに代えてDCモータを用いてもよい。
【0033】
遮光板55は、光を遮蔽する板である。
【0034】
遮光板駆動部56は、遮光板55を反射型球面原器27(又は補正板26)と被検レンズ10との間の光路に挿脱可能に移動する。遮光板駆動部56は、X軸、Y軸、Z軸の3つに加え、傾き(TILT)を調整する2つの合計5つのステッピングモータを有する。
【0035】
コンピュータ60は、移動部50によるステージ25の移動と遮光板駆動部56による遮光板を制御する。コンピュータ60も、端末35と同様に、CPU(制御部)、動作に必要なプログラムや情報を格納する記憶部(RAM、ROM、ハードディスク装置など)、外部装置と通信するための通信アダプタ、入力部、出力部(プリンタや後述する表示部80)を有する。
【0036】
コンピュータ60のCPUは、図1に示すように、複数のモジュール(手段)を有する。これらのモジュールは、フランジ認識モジュール61、フランジ傾斜角度算出モジュール62、明暗領域認識モジュール63、方向判断モジュール64、認識率算出モジュール66、水平方向位置合わせ判断モジュール68、移動制御モジュール70を含む。
【0037】
フランジ認識モジュール61は、被検レンズ10のフランジ12を認識する。フランジ認識モジュール61による認識は、後述する明暗領域認識モジュール63と同様に、輝度に基づいて行う。なお、フランジ認識モジュール61の機能は、明暗領域認識モジュール63が兼ねてもよい。
【0038】
フランジ傾斜角度算出モジュール62は、被検レンズ10のフランジ12の干渉縞13を干渉計20により検出した結果からフランジ12の傾斜角度を算出する。この場合、遮光板駆動部56を介して遮光板55を補正板26と被検レンズ10との間の光路に挿入することが好ましい。なお、補正板26がない場合は、反射型球面原器27と被検レンズ10との間の光路に遮光板駆動部56を介して遮光板55を挿入することが好ましい。
【0039】
明暗領域認識モジュール63は被検レンズ10の光学部11の明暗領域16を認識する。図2(a)は、撮像デバイス29が撮像した被検レンズ10の画像を表示する表示部80の画面の模式図である。
【0040】
ここで、「明暗領域」とは、撮像デバイス29の干渉縞を検出する検出領域(マスク円)29a内において、閾値以上の輝度を有する部分である明領域と、この明領域よりも暗い部分である暗領域とを有する領域であり、被検レンズ10の面積よりも小さい。この場合、明暗の縞の間隔が撮像デバイス29の横方向分解能より十分に狭いために、撮像デバイス29は干渉縞を認識することができない。
【0041】
本実施例では、明暗領域16の範囲は、検出領域29aの90%以下の同心円の範囲であるが、その範囲は干渉縞を認識できない範囲であれば足りる。また、90%以下の範囲は任意に設定することが可能である。
【0042】
図2(b)は、図2(a)に示す矢印Pに沿った輝度変化を示すグラフである。横軸は検出領域29aの中心を通る矢印Pに沿った位置であり、縦軸は輝度である。輝度Bは明暗領域を検出するために明暗領域認識モジュール63が使用する閾値である。輝度Bは飽和状態を検出する閾値である。
【0043】
検出領域29aの輪郭は飽和しているため、輝度Bよりも高い輝度変化領域Dは検出領域29aであると認識することができる。また、輝度Bよりも高く輝度Bよりも低い輝度変化領域Dは明暗領域16であると認識することができる。
【0044】
なお、明暗領域16の大きさによって、実際には図5に記載されているような細かい干渉縞模様が表示される場合があるが図2の他、後述する図9、図10、図15、図19においても干渉縞模様は省略している。
【0045】
方向判断モジュール64は、設定された位置(例えば、後述する明暗領域16の中心17やフランジ12の中心14)が目標位置(例えば、検出領域29aの中心29b)に近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断する。なお、図2(a)においては、明暗領域16の中心17と検出領域29aの中心29bが一致している状態を示している。
【0046】
認識率算出モジュール66は、明暗領域16の面積に対する検出領域29aの面積の比で表わされる認識率を算出する。
【0047】
水平方向位置合わせ判断モジュール68は、干渉計20の光軸方向(Z方向)に垂直な平面(XY平面)において、設定された位置と目標位置(例えば、検出領域29aの中心29b)との距離が許容範囲内であるかどうかを判断する。
【0048】
上述したように、設定された位置は、例えば、明暗領域16の中心17やフランジ12の中心14である。水平方向位置合わせ判断モジュール68は、撮像デバイス29の画像データに基づいてこれを判断し、具体的には、画面における中心距離に対応する画素数を距離に変換した値の絶対値が許容範囲内にあるかどうかを判断する。
【0049】
移動制御モジュール70は、移動部50の移動方向と移動量(必要があれば、これらに加えて移動速度や移動加速度)を設定し、これらの設定された情報に基づいて移動部50を制御する。
【0050】
方向判断モジュール64が、実際には、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bから離れていると判断した場合に、移動制御モジュール70は、設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に基づいて移動部50を制御する。これにより、明暗領域16が、撮像デバイス29の視野から外れることを防止し、外れても迅速に元に戻すことができる。
【0051】
また、移動制御モジュール70は、移動方向を再設定する際に、移動量を前回の移動量の2倍に設定してもよい。これにより、明暗領域16の中心17を迅速に検出領域29aの中心29bに近づけることができる。
【0052】
移動制御モジュール70は、認識率算出モジュール66が算出した認識率に応じて移動量を設定することも可能である。例えば、認識率が小さい場合は移動量を大きくし、認識率が大きくなるのに従って移動量を小さくするような移動量テーブル(認識率の百分率と移動量との関係)をコンピュータ60の不図示のハードディスクに予め記憶しておく。そして、移動量テーブルをRAMにロードすることによって、移動制御モジュール70が移動量テーブルの認識率に対応する移動量を読み出して移動部50の移動量を制御する。
【0053】
また、移動制御モジュール70は、水平移動制御モジュール71、垂直移動制御モジュール72、回転移動制御モジュール73、初期距離設定モジュール74、第1移動量設定モジュール75、第2移動量設定モジュール76を含む。
【0054】
水平移動制御モジュール71は、ステージ25が干渉計20の光軸方向(Z方向)に直交する方向(即ち、撮像面に対応するXY平面内で)に移動するように移動部50を制御する。
【0055】
垂直移動制御モジュール72は、ステージ25が干渉計20の結像レンズ28の光軸方向(Z方向、即ち、XY平面に垂直な方向)に移動するように移動部50を制御する。
【0056】
回転移動制御モジュール73は、ステージ25が干渉計20の結像レンズ28の光軸方向(Z方向、撮像面に対応するXY平面に垂直な方向)を回転軸として回転するように移動部50を制御する。
【0057】
初期距離設定モジュール74は、集光点CPが初期状態において干渉計20の結像レンズ28の光軸方向(本実施例では−Z方向)又は光路に沿って反射型球面原器27から離れる初期距離を設定する。初期距離(デフォーカス量)は、本実施例では100μm〜300μmである。これにより、撮像デバイス29の広い視野を確保することができる。
【0058】
第1移動量設定モジュール75は、撮像デバイス29の撮像面において設定された位置(例えば、明暗領域16の中心17やフランジ12の中心14)と検出領域29aの中心29bとの距離以下の第1移動量(本実施例では、中心距離の半分)を設定する。
【0059】
本実施例では、第1移動量は画素数で表される。また、第1移動量設定モジュール75は、設定された位置が明暗領域16の中心17である場合に、認識率算出モジュール66が算出した認識率が高いほど(即ち、明暗領域16の面積が大きいほど)第1移動量を小さく設定する。
【0060】
第2移動量設定モジュール76は、第1移動量設定モジュール75が設定した第1移動量だけ明暗領域16の中心17が移動するような移動部50によるステージ25の第2移動量を第1移動量から設定する。
【0061】
本実施例では、第2移動量設定モジュール76は、第1移動量である画素数が何μmに相当するかを算出し、これを移動部50のステッピングモータの回転角度に更に変換することによって第2移動量を設定する。
【0062】
なお、コンピュータ60をこれらのモジュール(手段)として機能させるためのプログラムも本発明の一側面を構成する。かかるプログラムは、上述したコンピュータ60の不図示の記憶部に格納される。
【0063】
以下、図3〜図19を参照して、測定装置1の動作について説明する。図中、「S」はステップの略である。図3は、測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0064】
まず、アライメントシステム40は、フランジ12の傾斜角度を補正する(S200)。これは、通常、フランジ12の傾斜角度がゼロの状態で被検レンズ10は製品に載置されるため、実際の使用される姿勢と同じ姿勢で被検レンズ10の透過波面を測定するためである。
【0065】
ここで、フランジ12の傾斜角度は、干渉計20の結像レンズ28の光軸方向(Z方向)に垂直な平面(XY平面)とフランジ12とのなす角度である。
【0066】
図4は、S200の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0067】
まず、移動制御モジュール70の垂直移動制御モジュール72が初期距離設定モジュール74によって設定された初期距離だけ被検レンズ10を載置したステージ25を干渉計20の光軸方向(−Z方向)に移動して光路に配置する。そして、この状態で撮像デバイス29により撮像する(S202)。
【0068】
次に、明暗領域認識モジュール63が光学部11の明暗領域16があるかどうかを判断する(S204)。このように、明暗領域認識モジュール63は、移動制御モジュール70が初期距離設定モジュール74によって設定された初期距離だけ移動部50を移動した状態で認識を開始する。
【0069】
明暗領域認識モジュール63が明暗領域16がないと判断すると(S204のNo)、移動制御モジュール70は明暗領域認識モジュール63が明暗領域16を認識するまでステージ25を移動する(S206)。代替的に、S206は作業者にエラー表示をしてもよい。
【0070】
次に、フランジ認識モジュール61がフランジ12の干渉縞13を認識できる場合には(S208のYes)、S210に進む。図5(a)は、この状態で、撮像デバイス29に接続される表示部80に表示される図である。図5(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。図5(a)に示すように、表示部80には、光学部11の透過波面を反映した明暗領域16と、フランジ12の干渉縞13が表示される。
【0071】
次に、遮光板駆動部56が遮光板55を補正板26と被検レンズ10の間の光路に挿入する(S210)。図6(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図6(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。遮光板55を挿入することで測定光と補正板26からの反射光を遮り、被検レンズ10のフランジ12からの反射光による干渉縞13を観察することができる。
【0072】
次に、干渉計20により、フランジ12の干渉縞13を位相測定した結果として、TILT XとTILT Yの値を得る。予めオペレーターによって設定される係数と干渉計20の測定結果であるTILT XとTILT Yによってフランジ12の傾斜角度を減少する(ゼロにする)ためのステージ25の回転角度が算出される。移動制御モジュール70では、この回転角度に従って回転移動制御モジュール73がステージ25を回転移動する(S212)。
【0073】
図20は、S212の結果、被検レンズ10が移動する移動量を説明するXZ断面図である。S212でステージ25を回転した結果、被検レンズ10が実線位置から点線位置に移動したとする。ここで、移動部50は、XYZステージ51と回転ステージ52を有するものとする。また、C1はステージ25をXZ平面上で回転移動する回転ステージ52の曲率中心、θはステージ25のXZ平面における回転角度、Lは曲率中心C1から被検レンズ10の特定位置までの直線距離であるものとする。
【0074】
この時、被検レンズ10がX方向に移動した移動量ΔXはL(1−cosθ)、被検レンズ10がZ方向に移動した移動量ΔZは−Lsinθとなる。
【0075】
同様に、図21は、S212の結果、被検レンズ10が移動する移動量を説明するYZ断面図である。S212でステージ25を回転した結果、被検レンズ10が実線位置から点線位置に移動したとする。
【0076】
ここで、C2はステージ25をYZ平面上で回転移動する回転ステージ52の曲率中心であり、θ2はステージ25のXZ平面における回転角度、Lは曲率中心C2から被検レンズ10の特定位置までの直線距離であるとする。
【0077】
この時、被検レンズ10がY方向に移動した移動量ΔYはLsinθ、被検レンズ10がZ方向に移動した移動量ΔZはLcosθとなる。
【0078】
S212の後で、XYZステージ51によってΔX、ΔY及びΔZを相殺するようにステージ25をXYZ方向に移動することによってS212の後もXYZの座標を維持することができる。
【0079】
この場合、S212によって生じる被検レンズ10の、撮像面に対応するXY平面における方向及びそれに垂直なZ方向における移動量の少なくとも一つを補正するように移動制御モジュール70は移動部50を制御すれば足りる。この場合、移動制御モジュール70の水平移動制御モジュール71及び/又は垂直移動制御モジュール72が使用されることになる。
【0080】
なお、上述の被検レンズ10の移動量の算出方法は限定されず、他の既知の技術を適用することもできる。
【0081】
図7(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図7(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。次いで処理をS213に進める。
【0082】
S213ではフランジが回転移動して傾斜角度が所定値以下まで減少したかを判定する。傾斜角度の所定値は、通常、0.0001°程度である。傾斜角度が所定値まで減少していないと判定した場合、処理をS212に戻す。他方、傾斜角度が所定値まで減少したと判定した場合、フランジ12の傾斜角度の補正が終了する。
【0083】
一方、フランジ認識モジュール61がフランジ12の干渉縞13を認識できない場合には(S208のNo)、S214に進む。図8(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図8(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。図8(a)及び図8(b)に示すように、被検レンズ10が大きく傾斜していてフランジ12の反射光が干渉計20に戻らない場合、干渉縞13の測定ができない。
【0084】
この場合、明暗領域認識モジュール63が傾斜した状態の被検レンズ10の明暗領域16を認識する(S214)。図9(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図9(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0085】
次に、移動制御モジュール70の水平移動制御モジュール71は、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づくように移動方向を設定して設定された移動方向にステージ25を移動する(S216)。
【0086】
次に、方向判断モジュール64が、S216の結果、実際に明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断する(S218)。
【0087】
そして、方向判断モジュール64が、実際には、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bから離れる方向に移動していると判断する場合がある(S218のNo)。この場合、移動制御モジュール70は、設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向にステージ25が移動するように移動部50を制御する(S220)。
【0088】
次に、S218のYesの場合は、水平方向位置合わせ判断モジュール68は、明暗領域16の中心17と検出領域29aの中心29bとの中心距離が許容範囲内であるかどうかを判断する(S222)。
【0089】
水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内でないと判断すれば(S222のNo)、S216に帰還する。即ち、水平移動制御モジュール71は、水平位置合わせ判断モジュール68が中心距離が許容範囲内であると判断するまで移動部50の移動を継続する。
【0090】
水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内であると判断すれば(S222のYes)、S224に移行する。図10(a)は、S222でYesの場合に表示部80に表示される図である。図10(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0091】
次に、垂直移動制御モジュール72は、明暗領域16が検出領域内の設定範囲まで干渉縞18として認識される程度に拡大されるようにステージ25を干渉計20の光軸方向(Z方向)に移動する(S224)。本実施例では、検出領域内の設定範囲は、検出領域29aの90%程度の同心円の範囲であり、この90%程度の比率は任意に設定することが可能である。図11(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図11(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0092】
なお、S216〜S226は、後述するS234〜S242と同様であり、後述するS234〜S242において、より詳しく説明する。
【0093】
次に、回転移動制御モジュール73は、光学部11の干渉縞18を撮像デバイス29により撮像した結果から被検レンズ10の傾斜角度が減少する(好ましくはゼロになる)ようにステージ25を回転移動する(S226)。
【0094】
この結果、フランジ12の傾斜角度は減少し、図8(b)の状態から図5(b)の状態になっている可能性が高いため、フローはS208に帰還する。図12(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。フランジ12の干渉縞13が確認できることが理解される。図12(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0095】
このように、フランジ認識モジュール61がフランジ12を認識できない場合には、傾斜した状態の被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとの位置合わせを行う。そして、その状態で干渉計20から得られた被検レンズ10の透過波面の波面収差の情報(例えば、コマ収差)から回転移動制御モジュール73が被検レンズ10の傾斜角度が減少するように移動部50を制御する。これにより、フランジ12の干渉縞13を利用して回転移動制御モジュール73による移動部50の制御を行える状態となる。
【0096】
次に、図3に戻って、アライメントシステム40は、被検レンズ10の集光点CPを反射型球面原器27の球心Oに位置合わせする(S230)。
【0097】
このように、コンピュータ60は、フランジ傾斜角度算出モジュール62が算出したフランジの傾斜角度が減少するように回転移動制御モジュール73が移動部50を制御した後で集光点CPと球心Oとの位置合わせを行う。この結果、実際に設置される状態で被検レンズ10の透過波面を測定することができる。
【0098】
前述したフランジの傾斜角を調整するS200とこのS230の、アライメントシステム40によるラフアライメント(精度があまり高くない粗い位置合わせ)の工程が完了し、被検レンズの干渉縞を測定するS270の実行が可能になる。
【0099】
図13は、S230の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0100】
まず、明暗領域認識モジュール63が光学部11の明暗領域16を認識できるかどうかを判断する(S232)。認識できる場合(S232のYes)、移動制御モジュール70の水平移動制御モジュール71は、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づくように移動方向を設定して設定された移動方向にステージ25を移動する(S234)。
【0101】
図14(a)は、反射型球面原器27の球心Oと被検レンズ10の集光点CPとが一致している状態を示す断面図である。図14(b)と図14(c)は、反射型球面原器27の球心Oと被検レンズ10の集光点CPとがずれている場合の断面図であり、矢印P1、P2は被検レンズ10を移動すべき方向を示している。S234においては、移動制御モジュール70の水平移動制御モジュール71は、図14(b)に示す矢印P1のように移動方向を設定する。
【0102】
次に、方向判断モジュール64は、S234の結果、実際に明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断する(S236)。
【0103】
移動制御モジュール70は移動方向を設定する場合、被検レンズ10の集光点CPが、図14(b)に示すように、反射型球面原器27の球心Oを通るXY平面Mの下側(マイナス側)にあると仮定している。これは、初期距離設定モジュール74がそのように被検レンズ10を配置するためである。
【0104】
しかし、静電気の影響や異物などの混入が原因で、レンズの載置の際やアライメントシステム40による位置合わせ動作中に、被検レンズ10のステージ25に対する位置が理想位置から僅かにずれる場合がある。これにより、被検レンズ10の集光点CPが、図14(c)に示すように、平面Mの上側(プラス側)に移動してしまう。
【0105】
このような場合、移動制御モジュール70が、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づくように移動しても、実際には中心17が中心29bから離れるという問題が発生する。これは、位置合わせを自動化した場合に発生する特有の問題である。そこで、本実施例はS236やS218を設けている。
【0106】
そして、方向判断モジュール64が、実際には、中心17が中心29bから離れる方向に移動していると判断した場合には(S236のNo)、移動制御モジュール70は、設定した移動方向を反対方向に再設定する。そして、再設定された移動方向にステージ25が移動するように移動部50を制御する(S238)。
【0107】
このように、移動制御モジュール70が設定された移動方向に従ってステージ25を移動した結果、実際には、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bから離れる方向に移動していると方向判断モジュール64が判断する場合がある。この場合、集光点CPが平面Mの下側にあるという仮定が間違っていることになる。そこで、移動制御モジュール70は、設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に従って移動部50を制御する。この結果、調整時間を短くすることができる。
【0108】
S236のYesの場合は、水平方向位置合わせ判断モジュール68は、明暗領域16の中心17と検出領域29aの中心29bとの中心距離が許容範囲内であるかどうかを判断する(S240)。水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内でないと判断すれば(S240のNo)、S232に帰還する。即ち、水平移動制御モジュール71は、水平位置合わせ判断モジュール68が中心距離が許容範囲内であると判断するまで移動部50の移動を継続する。
【0109】
水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内であると判断すれば(S240のYes)、S242に移行する。図15(a)は、S240でYesの場合に表示部80に表示される図である。図15(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0110】
次に、垂直移動制御モジュール72は、明暗領域16が検出領域内の設定範囲まで干渉縞18として認識される程度に拡大されるようにステージ25を干渉計20の光軸方向(Z方向)に移動する(S242)。本実施例では、検出領域内の設定範囲は、検出領域29aの90%程度の同心円の範囲であり、この90%程度の比率は任意に設定することが可能である。図16(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図16(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0111】
一方、明暗領域認識モジュール63が明暗領域16を認識できない場合(S232のNo)、遮光板駆動部56が遮光板55を補正板26と被検レンズ10との間の光路に挿入してフランジ12の中心を取得する(S246)。
【0112】
図17(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図17(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。フランジ認識モジュール61は、フランジ12の外周部を最低3点認識する。この認識結果に基づいて、フランジ12の中心14を算出する。なお、フランジ12の中心14とは、フランジ12の外周部の3点を通る円の中心である。
【0113】
次に、移動制御モジュール70の水平移動制御モジュール71は、フランジ12の中心14が検出領域29aの中心29bに近づくように移動部50を介してステージ25を移動する(S248)。図18(a)は、この状態で表示部80に表示される図である。図18(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0114】
次に、方向判断モジュール64が、S250の結果、実際にフランジ12の中心14が検出領域29aの中心29bに近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断する(S250)。
【0115】
そして、方向判断モジュール64が、実際には、フランジ12の中心14が検出領域29aの中心29bから離れる方向に移動していると判断した場合がある(S250のNo)。この場合、移動制御モジュール70は、設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向にステージ25が移動するように移動部50を制御する(S252)。
【0116】
次に、S250のYesの場合は、水平方向位置合わせ判断モジュール68は、フランジ12の中心14と検出領域29aの中心29bとの中心距離が許容範囲内であるかどうかを判断する(S254)。
【0117】
水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内でないと判断すれば(S254のNo)、S248に帰還する。水平方向位置合わせ判断モジュール68は中心距離が許容範囲内であると判断すれば(S254のYes)、遮光板駆動部56が遮光板55を補正板26と被検レンズ10との間の光路から退避させる(S256)。
【0118】
次に、明暗領域認識モジュール63が明暗領域16を検出領域内で認識できるかどうかを判断する(S258)。認識できない場合にはエラー表示をし(S260)、認識できればS234に移行する。図19(a)は、S258でYesの場合に表示部80に表示される図である。図19(b)は、この時の反射型球面原器27近傍の拡大断面図である。
【0119】
上述したように、フランジ傾斜角度算出モジュール62が算出したフランジ12の傾斜角度が減少するように回転移動制御モジュール73が移動部50を制御した後で明暗領域認識モジュール63が光学部11の明暗領域16を認識できない場合がある。この場合、本実施例によれば、移動制御モジュール70が、フランジ認識モジュール61を介して取得したフランジ12の中心14が検出領域29aの中心29bに近づくようにステージ25を移動する。この結果、明暗領域16を検出領域29a内で認識できる可能性が高くなる。
【0120】
再び図3に戻って、続いて、被検レンズ10の干渉縞18を干渉計20によって測定する(S270)。そして、アライメントシステム40は、干渉計20による測定結果に基づいて被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとの間の高精度な位置合わせ(ファインアライメント)を行う(S272)。
【0121】
この時、干渉計20の位相測定結果としてTILT X、TILT Y、パワー、又はフォーカスの値を得る。被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心OとがXY平面で一致しない場合にTILTの値が絶対値として大きくなる。被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心OとがZ方向で一致しない場合にパワー又はフォーカスの値が絶対値として大きくなる。
【0122】
移動制御モジュール70はこれら測定結果を干渉計20より通信により受信する。そして、移動制御モジュール70は、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oが一致するように被検レンズ10の種類によって決定される係数と干渉計20の測定結果から算出される移動量と移動方向に基づいて移動部50をXYZ方向に制御する。
【0123】
干渉計20の測定結果から算出される移動制御を、移動制御モジュールで予め設定されている、TILT X、TILT Y、パワー又はフォーカスの閾値に達するまで繰り返す。この閾値はオペレーターによって設定されるべき値であり、任意に変更する事が可能である。
【0124】
閾値まで位置合わせされた被検レンズ10の干渉縞18を干渉計20によって測定する(S274)。この干渉計20の測定結果から得られる透過波面が被検レンズ10の最終結果である。
【0125】
干渉計20は、レーザー光源21からのレーザー光をビームスプリッタ23で分割し、その反射光束を透過型平面原器24の参照面24aで反射したものを参照光とする。透過型平面原器24を通過した測定光は被検レンズ10を通過した後に反射型球面原器27で反射されて再度、被検レンズ10と透過型平面原器24を通過する。そして、参照光と測定光のうちビームスプリッタ23を透過したそれぞれの光束の干渉縞を撮像デバイス29で観察する。
【0126】
被検レンズ10がブルーレイ等の高密度の光ディスク用の駆動装置の対物レンズの場合、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心OとがXY平面で一致しないとコマ収差を発生する。また、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心OとがZ方向で一致しないと球面収差を発生する。この場合、高精度な測定とは言えない。
【0127】
本実施例では、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとが高精度に位置合わせされているので、被検レンズ10の透過波面を高精度に測定することができる。
【0128】
また、本実施例では、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとが自動的に位置合わせされるので、作業者の負担が軽減すると共に調整時間、ひいては測定時間が短縮される。また、方向判断モジュール64が実際に設定された位置が目標位置に近づいているか離れているかを判断してその結果に応じて移動方向を反転して再設定するためにいつまでも調整に時間がかかることを防止することができる。
【0129】
本実施例では、被検レンズ10のフランジ12の干渉縞13の認識制御によってXY平面において被検レンズ10の理想測定位置からの距離が100μm〜2mmの範囲内で位置合わせすることができる。また、被検レンズ10の光学部11の干渉縞18の認識制御によって被検レンズ10の理想測定位置(XYZ位置)からの距離が10μm〜300μmの範囲内で位置合わせすることができる。
【0130】
ファインアライメントではXY平面において被検レンズ10の理想測定位置からの距離が50nm〜20μm、Z方向において25nm〜20μmの範囲内で位置合わせをすることができる。例えば、被検レンズ10がブルーレイ等の高密度の光ディスク用の駆動装置の対物レンズの場合、反射型球面原器27の球心Oと被検レンズ10の集光点CPの位置ずれは50nm以下に調整しなければならないが、本実施例はこの要請を満足するものである。
【0131】
干渉計20では、被検レンズ10の透過波面の測定結果として波面形状が得られる。これは、被検レンズ10に光が入射し、透過して出射するまでの光の速さのバラつきに対応する。波面は、XY平面内でZ方向の大きさで表される。仮に波面全体に傾きがあった場合、XY平面内の波面の直径Dと、Z方向における波面の傾き高さの最大値Zから、波面の傾きは、θ=Tan−1(Z/D)によって求められる。これをX方向、Y方向にそれぞれ行うことでTILT XとTILT Yが求められる。この算出方法は既知である。
【0132】
本実施例は、干渉縞のファインアライメント時に、干渉計20の測定結果であるTILT X、TILT Y、パワーという3項目に、予め用意された係数を乗算して移動距離に変換する。そして、被検レンズ10の集光点CPと反射型球面原器27の球心Oとが一致するようにステージ25を駆動する。なお、この技術は既知である。
【0133】
本実施例では、図3のような手順で測定を行うことによって測定時間を最小にすることができる。即ち、被検レンズ10の傾斜角度補正(S200)後に被検レンズ10の透過干渉縞の測定(S270)を行い、干渉計20の測定結果を元に高精度な位置合わせ(S272)を行っている。これにより、最終的にXYZ位置を閾値まで合わせた時の測定波面そのものが、最終測定結果(S274)として使用できる。
【0134】
一方、被検レンズ10の傾斜角度補正(S200)が被検レンズ10の透過干渉縞の測定(S270)によるXYZ位置合わせ(S272)後に行われると、最終的に再度被検レンズ10の透過干渉縞の測定(S274)を行わなければならない。
【0135】
本実施例では、被検レンズ10にフランジ12がある測定の場合について説明しているが、被検レンズにフランジが無いレンズの場合には、被検レンズを載置する前に、ステージ25にフランジ12の代わりに基準平面板を載置すればよい。そして、ステージ25の傾きを図3のS200にて補正した後で基準平面板を取り出し、被検レンズを載置してS230から測定を実施すればよい。
【0136】
また、フランジ面が無いレンズの場合には、図4のS214から開始し、S226で干渉計20から得られるコマ収差の値と予めオペレーターが設定した係数によって算出されるステージ25の傾きがゼロとなるようにすればよい。
【0137】
フランジ面が無いレンズの場合の測定例を応用して、フランジ面があるレンズの測定において、S226を実施し、コマ収差が最小になった時点でS210及びS212の位相測定のみを実施してTILT X及びTILT Yの測定結果を得てもよい。
【0138】
ステージ25を動かさない状態で終了することによって、フランジ面があるレンズにおいて、レンズをXY方向にどの程度傾けると、コマ収差が最小になるかという測定が可能になる。この測定により、レンズが持っている潜在的な光学性能を評価可能となる。
【0139】
以上の実施例として、被検レンズ10の透過波面測定について挙げているが、他の実施例として、被検レンズの反射波面測定についても実施可能である。この場合は、干渉計20に透過型平面原器24に代わり、透過型球面原器を装着し、干渉計本体側からは平行光ではなく、収束/発散光を出射する。
【0140】
ステージ25には球面波面による反射測定評価が必要な被検レンズが載置される。この場合の被検レンズは、凸面球面レンズ、又は凹面球面レンズとなる。被検レンズの反射波面測定では、被検レンズより光軸+方向の光学系は必要なく、補正ガラス26、反射型球面原器27、遮光板55は不要となる。
【0141】
更に他の実施例では、反射型球面原器27の球芯Oよりも被検レンズ10の集光点CPが上にあることを前提として移動制御モジュール70の移動方向を設定する。この場合、集光点CPが、図14(c)に示すように、球心Oを通るXY平面Mの上側(+側)にあると仮定して、移動制御モジュール70が、明暗領域16の中心17が検出領域29aの中心29bに近づくように制御すればよい。
【0142】
複数の被検レンズをトレーに並べて連続して測定を行ってもよい。この場合、事前に複数枚のトレーに、複数の被検レンズを載置してその位置情報(XYZ座標、TILT X及びTILT Y)を移動制御モジュール70に記憶させる。これにより、測定開始から各トレーに並べられた複数のレンズを無人で連続的に測定することができる。また、トレーの製造誤差におけるレンズの位置情報をより正確に登録することができる。
【0143】
測定終了時のXYZ座標、TILT X及びTILT Y位置を、トレー毎に移動制御モジュール70に一時的に記憶させてもよい。これにより、次回の各トレーの測定開始の理想位置を認識することができる。
【産業上の利用可能性】
【0144】
アライメントシステムは干渉計に適用することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 測定装置
10 被検レンズ
12 フランジ
20 干渉計
27 反射型球面原器
40 アライメントシステム
50 移動部
55 遮光板
56 遮光板駆動部
60 コンピュータ
CP 集光点
O 球心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光が被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計を有して前記被検レンズの透過波面を測定する測定装置に使用され、前記被検レンズの集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせするアライメントシステムであって、
前記被検レンズを載置するステージを移動する移動部と、
前記移動部による前記ステージの移動を制御するコンピュータと、
を有し、
前記コンピュータは、
前記撮像デバイスの撮像面の前記干渉縞を検出する検出領域内において、閾値以上の輝度を有し、前記被検レンズの面積よりも小さい明暗領域を認識する明暗領域認識モジュールと、
前記ステージが移動すべき移動方向と移動量を設定し、設定された前記移動方向と前記移動量に基づいて前記移動部を制御する移動制御モジュールと、
設定された位置が前記検出領域の中心に近づいているか離れているかを判断する方向判断モジュールと、
前記移動制御モジュールが前記設定された移動方向に従って前記ステージを移動した結果、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると前記方向判断モジュールが判断した場合、前記移動制御モジュールは、前記設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に従って前記移動部を制御することを特徴とするアライメントシステム。
【請求項2】
前記移動制御モジュールは、前記設定した移動方向を反対方向に再設定する際に、前回の移動量の2倍の移動量を再設定することを特徴とする請求項1に記載のアライメントシステム。
【請求項3】
前記移動制御モジュールは、
前記集光点が初期状態において光路に沿って前記反射型球面原器から離れる初期距離を設定する初期距離設定モジュールと、
前記撮像面において前記設定された位置と前記検出領域の中心との距離以下の第1移動量を設定する第1移動量設定モジュールと、
前記第1移動量設定モジュールが設定した前記第1移動量だけ前記設定された位置が移動するような前記移動部による前記ステージの第2移動量を前記第1移動量から設定する第2移動量設定モジュールと、
を更に有し、
前記明暗領域認識モジュールは、前記移動制御モジュールが前記初期距離設定モジュールによって設定された前記初期距離だけ前記移動部を移動した状態で認識を開始することを特徴とする請求項1に記載のアライメントシステム。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記明暗領域認識モジュールが認識した前記明暗領域の面積に対する前記検出領域の面積の比で表わされる認識率を算出する認識率算出モジュールを更に有し、
前記第1移動量設定モジュールは、前記設定された位置が前記明暗領域の中心である場合に、前記認識率算出モジュールが算出した前記認識率が高いほど前記第1移動量を小さく設定することを特徴とする請求項3に記載のアライメントシステム。
【請求項5】
前記移動制御モジュールは、
前記ステージが前記撮像面に対応する平面内で移動するように前記移動部を制御する水平移動制御モジュールと、
前記ステージが前記平面に垂直な方向に移動するように前記移動部を制御する垂直移動制御モジュールと、
を有し、
前記コンピュータは、前記平面において前記設定された位置と前記検出領域の中心との距離が許容範囲内であるかどうかを判断する水平方向位置合わせ判断モジュールを更に有し、
前記水平移動制御モジュールは、前記水平方向位置合わせ判断モジュールが前記平面において前記設定された位置と前記検出領域の中心との距離が前記許容範囲内であると判断するまで前記移動部による移動を継続し、
前記水平方向位置合わせ判断モジュールが前記平面において前記設定された位置と前記検出領域の中心との距離が前記許容範囲内であると判断すると、前記垂直移動制御モジュールは、前記明暗領域が前記検出領域内の設定範囲まで前記干渉縞として認識される程度に拡大されるように前記移動部を移動させることを特徴とする請求項1に記載のアライメントシステム。
【請求項6】
前記アライメントシステムは、
遮光板と、
当該遮光板を前記反射型球面原器と前記被検レンズとの間の光路に挿脱可能に移動する遮光板駆動部と、
を更に有し、
前記コンピュータは、
前記被検レンズのフランジを認識するフランジ認識モジュールと、
前記遮光板駆動部が前記遮光板を前記反射型球面原器と前記被検レンズとの間の光路に挿入して前記フランジの干渉縞を前記干渉計により検出した結果から前記フランジの傾斜角度を算出するフランジ傾斜角度算出モジュールと、
を更に有し、
前記移動制御モジュールは、前記撮像面に対応する平面に垂直な方向を回転軸として前記ステージが回転するように前記移動部を制御する回転移動制御モジュールを更に有し、
前記コンピュータは、前記フランジ傾斜角度算出モジュールが算出した前記フランジの傾斜角度が減少するように前記回転移動制御モジュールが前記移動部を制御した後で前記集光点と前記球心との位置合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載のアライメントシステム。
【請求項7】
前記フランジ認識モジュールが前記フランジを認識できない場合には、傾斜した状態の前記被検レンズの前記集光点と前記球心との位置合わせを行って前記干渉計から得られた前記被検レンズの透過波面から前記回転移動制御モジュールが前記被検レンズの傾斜角度が減少するように前記移動部を制御した後で、前記フランジ傾斜角度算出モジュールが算出した前記フランジの傾斜角度が減少するように前記回転移動制御モジュールが前記移動部を制御することを特徴とする請求項6に記載のアライメントシステム。
【請求項8】
前記フランジ傾斜角度算出モジュールが算出した前記フランジの傾斜角度が減少するように前記回転移動制御モジュールが前記移動部を制御した後で前記明暗領域認識モジュールが前記明暗領域を認識できない場合、前記移動制御モジュールは、前記フランジ認識モジュールを介して取得した前記フランジの中心が前記検出領域の中心に近づくように前記ステージを移動することを特徴とする請求項6に記載のアライメントシステム。
【請求項9】
前記移動制御モジュールが前記設定された移動方向に従って前記ステージを移動した結果、実際には、前記フランジの中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると前記方向判断モジュールが判断した場合に、前記移動制御モジュールは、前記設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に基づいて前記移動部を制御することを特徴とする請求項8に記載のアライメントシステム。
【請求項10】
前記フランジの傾斜角度が減少するように前記回転移動制御モジュールが前記移動部を制御することによって生じる前記被検レンズの、前記撮像面に対応する平面における方向及び前記撮像面に対応する平面に垂直な方向における移動量の少なくとも一つを補正するように前記移動制御モジュールは前記移動部を制御することを特徴とする請求項6〜9のうちいずれか一項に記載のアライメントシステム。
【請求項11】
光源からの光が被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計を有して前記被検レンズの透過波面を測定する測定装置に使用され、前記被検レンズによって集光される集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせし、前記干渉計に載置され、前記被検レンズを載置するステージを移動する移動部と、前記干渉計の前記撮像デバイスの出力を参照して、前記移動部による前記ステージの移動を制御するコンピュータと、を有するアライメントシステムの前記コンピュータを、
前記撮像デバイスの前記干渉縞を検出する検出領域内において、閾値以上の輝度を有し、前記被検レンズの面積よりも小さい明暗領域を認識する明暗領域認識手段と、
前記ステージが移動すべき移動方向と移動量を設定し、設定された前記移動方向と前記移動量に基づいて前記移動部を制御する移動制御手段と、
設定された位置が前記検出領域の中心に近づいているか離れているかを判断する方向判断手段と、
して機能させると共に、
前記移動制御手段が前記設定された移動方向に従って前記ステージを移動した結果、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると前記方向判断手段が判断した場合、前記移動制御手段は、前記設定した移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に従って前記移動部を制御するように機能させるためのプログラム。
【請求項12】
光源からの光が被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計を有して前記被検レンズの透過波面を測定する測定装置に使用され、前記被検レンズによって集光される集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせするアライメントシステムの制御方法であって、
前記撮像デバイスの撮像面の前記干渉縞を検出する検出領域内において、閾値以上の輝度を有し、前記被検レンズよりも小さい明暗領域の中心が前記撮像面において前記検出領域の中心に近づくように移動方向を設定して、前記被検レンズを載置するステージを移動する移動部を制御するステップと、
前記制御ステップの結果、実際に前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心に近づく方向に移動しているか離れる方向に移動しているかを判断するステップと、
前記判断ステップが、実際には、前記明暗領域の中心が前記検出領域の中心から離れる方向に移動していると判断した場合に、前記設定された移動方向を反対方向に再設定し、再設定された移動方向に基づいて前記移動部を制御するステップと、
を有することを特徴とするアライメントシステムの制御方法。
【請求項13】
被検レンズの透過波面を測定する測定装置であって、
光源からの光が前記被検レンズを通過して反射型球面原器によって反射されて再び前記被検レンズを通過することによって生成される測定光と、参照面からの参照光と、によって形成される干渉縞を撮像デバイスによって検出する干渉計と、
前記被検レンズの集光される集光点と前記反射型球面原器の球心とを位置合わせする請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のアライメントシステムと、
を有することを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−133939(P2010−133939A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−242790(P2009−242790)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】