サンプル媒体上のレチクルマークを用いて、希少細胞のスキャナ画像座標を顕微鏡座標に変換する方法
【課題】物体の位置を取得する方法を提供する。
【解決手段】画像形成システムの第1座標空間が定められ、該第1座標空間における座標が指定される。第2の画像形成システムの第2座標空間が定められ、該第2座標空間における座標が指定される。第1座標空間の指定された座標を用いることにより、座標変換パラメータが計算される。その後、第1座標空間において少なくとも1つの物体の座標が指定され、該物体の第1座標空間座標が第2座標空間における独自の座標に変換される。
【解決手段】画像形成システムの第1座標空間が定められ、該第1座標空間における座標が指定される。第2の画像形成システムの第2座標空間が定められ、該第2座標空間における座標が指定される。第1座標空間の指定された座標を用いることにより、座標変換パラメータが計算される。その後、第1座標空間において少なくとも1つの物体の座標が指定され、該物体の第1座標空間座標が第2座標空間における独自の座標に変換される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、画像形成技術に関し、区別できる画像形成システムにわたる血液塗抹標本、生物学的検定法などにおける低密度及び高密度の細胞検出、位置決め、及び識別に関連して特に用途があり、それに関して具体的に説明する。しかしながら、この例示的な実施形態は、さらに、種々の実質的に平坦な表面及びサンプルにおける他の種類の低密度又は高密度特徴の画像形成、位置決め、及び識別、例えば、半導体ウエハの画像形成、流体又は固体薄膜における粒状汚染物の画像形成などに用途があり、そのような画像形成は、印刷技術、電子技術、医療技術その他の科学的及び工学的領域において特に用途が見出されることを理解されたい。
【0002】
本明細書は、2002年10月15日に出願された米国特許連続番号第10/271,347号の一部継続出願である、2003年7月9日に出願された米国特許連続番号第10/616,366号の一部継続出願である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
物体の位置を取得する方法が提供される。画像形成システムの第1座標空間が定められ、該第1座標空間における座標が指定される。第2の画像形成システムの第2座標空間が定められ、該第2座標空間における座標が指定される。第1座標空間の指定された座標を用いることにより、座標変換パラメータが計算される。その後、第1座標空間において少なくとも1つの物体の座標が指定され、該物体の第1座標空間座標が第2座標空間における独自の座標に変換される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】画像形成装置を示す。
【図2】変形された光ファイバー束を示す。
【図3】変形された光ファイバー束の拡大端面図を示す。
【図4A】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図4B】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図4C】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図5】2つの座標空間の間におけるデータの転送を示す。
【図6】フローチャートを示す。
【図7】フローチャートを示す。
【図8】識別された、可能性のある希少細胞を示す。
【図9】付加的な、可能性のある希少細胞を識別する。
【図10】付加的な制御ボックスを示す。
【図11A】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11B】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11C】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11D】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図12】図11とは逆方向のFASTスキャナ座標変換出力を与える。
【図13】マーキングシステムが、直接、マーキング材料をスライドに適用する実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1を参照すると、画像形成装置すなわちイメージャ10が、スライド16の表面の少なくとも一部の上に配設された生物学的塗抹標本14のようなサンプル12を検査する。画像形成装置すなわちイメージャ10は、微小な又は微視的な物質を検出するために設計されたものである。
【0006】
サンプル12は、該サンプル12を支持する線状に並進可能なトラック22を含むイメージャ並進ステージ20(部分的に示す)上に装着される。モータ24は、歯車機構26によりトラック22と連結して、該トラック22及び支持されたサンプル12をy軸方向(矢印28により示す)及びx軸方向(矢印29により示す)に沿って並進させる。
【0007】
引き続き図1を、さらに図2及び図3と関連して参照すると、光ファイバー束40は、サンプル12に対して近位にある第1端部42と、該サンプル12から遠位にある第2端部44とを含む。第1端部42は、長辺がx軸方向と一致したほぼ線状の又は高アスペクト比の長方形の入射側アパーチャ48を定めるように、互いにほぼ平行に配置された複数の第1ファイバー端部46を含む(図3において概略的に最もよく見られる)。入射側アパーチャ48は、大きな数の第1光ファイバー端部を含むことが好ましい。1つの適当な実施形態において、各々がおおよそ50ミクロンの直径を有する40,000本のファイバーが用いられ、長辺がおおよそ5cm、短辺が約0.2cmで、アスペクト比25:1に相当する。第1ファイバー端部46は、図3に示すように、規則的なパターンで配置することができる。或いは、第1ファイバー端部を不規則な又は非周期的なアレイに配置し、これは50ミクロンより大きいか又はこれより小さい直径を有するものとすることができる。第1ファイバー端部46は、生物学的塗抹標本14を視認するように、該塗抹標本14の平面に対してほぼ直角に配向される。
【0008】
光ファイバー束40は、第1端部42と第2端部44との間で断面の寸法及び形状を「変形」又は変化させて、該第2端部44において、複数の第2ファイバー端部50がコンパクトでほぼ円形の出射側アパーチャ52を定めるようにする(図2において概略的に最もよく見られる)。第1ファイバー端部46と第2ファイバー端部50との間には、1対1の対応があり、各々の該第1ファイバー端部が、自身の導波被覆を有する個々の区別できるファイバーにより、該第2ファイバー端部に連結されることが好ましい。或いは、各々のファイバーは、光透過性のファイバーコアだけを含むことができ、周囲/コアの界面は、光を導波するように機能する。
【0009】
適当な実施形態における走査用放射線(光)源60は、生物学的塗抹標本14に印をつける際に用いられる物質を励起するように選択された波長又は波長範囲の励起光(放射線ビーム)64を生成するレーザー62を含む。励起光64は、電気入力に応答して回転する(曲線の矢印68により示される)反射面を有する検流計66により角度方向に走査される。任意の合焦レンズ70は、角度方向に走査された励起光64をサンプル12上に、より具体的には、生物学的塗抹標本14の上に合焦する。検流計66により生成された角度方向の走査は、入射側アパーチャ48の下に、該入射側アパーチャ48の長辺と平行に配置された線状の軌道74に沿って、生物学的塗抹標本14上で励起光を線状に掃引又は走査(矢印72で示される)するように並進する。
【0010】
電子制御ユニット80は、検流計66及び並進ステージ20と通信して、放射線ビーム64の線状の掃引又は走査72を調整する。
【0011】
放射線ビーム64の入射角が入射側アパーチャ42の収集角θより大きいため、鏡面反射放射線は、該入射側アパーチャ42によっては収集されない。
【0012】
励起ビーム64が入射側アパーチャ48に平行で、典型的には該入射側アパーチャ48の下にある軌道74に沿って掃引するのに伴い、近位にある1つ又は数個の第1ファイバー端部46が、光ファイバー束40によりコンパクトな出射側アパーチャ52に通された特性ルミネセンスを収集する。
【0013】
1つの適当な実施形態においては、遮断フィルタ94は、放射線ビーム64の中心波長と一致する反射ピークが用いられた干渉フィルタである。この構成された実施形態においては、第1レンズ92は、出射側アパーチャ52から放射する光を±10°内の角発散にまでコリメートするという周知の光学設計方法を用いて設計されたレンズの組み合わせを含む。
【0014】
第2レンズ96は、コリメートされた収集光を光検出器装置98の上に合焦する。コンパクトな出射側アパーチャ52を合焦光学系92、96、光検出器98と組み合わせることにより、空間的に分配された線状の入射側アパーチャ48のための信号検出がもたらされる。
【0015】
電子制御ユニット80は検流計66及び並進顕微鏡ステージ20と通信して、サンプルを横切る放射線ビーム64をラスタリングする。特性ルミネセンスは入射側アパーチャ48により収集され、光学ファイバー束40により出射側アパーチャ52に通され、信号検出器90により検出される。電子制御ユニット80は、検出された信号を光検出器98から受信し、該検出された信号をサンプル12上の放射線ビーム64の位置座標と相関させる。
【0016】
電子制御ユニット80は、ビームの掃引位置をx軸方向における第1座標として識別し、並進顕微鏡ステージ20の位置をy軸方向における第2直角座標として識別して、収集された特性ルミネセンスの強度がサンプル12上の位置の関数として空間的に図示されるようにする。
【0017】
イメージャ10は、希少細胞の識別には関連のない画像データを蓄積することがある。時々、このノイズは「偽陽性」と考慮することができる。したがって、フィルタ処理手順を、電子制御ユニット80及び/又はシステム10の他の要素により実施して、希少細胞とは関係ない情報を排除することができる。
【0018】
一実施形態においては、画像事象は、調査中の画像事象のピクセル数を数えることにより、非希少細胞の又は希少細胞の画像事象として分類することができる。
【0019】
別のフィルタ処理の実施形態においては、画像事象の形状を用いて、関連のない情報をフィルタ処理する。
【0020】
さらに別のフィルタ処理方法は、調査中の画像事象の強度を追跡することである。
【0021】
上記は、サンプルの走査及び希少細胞の検出を達成することができる速度を増加させるファイバーアレイ走査技術(FAST)について述べている。大きなサンプルを走査する利点は、偽陽性結果の可能性が特別な関心事である、希少細胞の調査と特に関連する。偽陽性結果は、特定の種類の細胞が、実際には存在する場合であっても、これが見出されなかった場合を示す。
【0022】
図4Aないし図4Cに注目すると、図4Aは、スライド16’’の表面の少なくとも一部の上に配設された生物学的塗抹標本14’’のようなサンプル12’’が、図1の入射側アパーチャ48のような入射側アパーチャを形成する第1端部42’’より広いことを示している。
【0023】
スライド16’’は、識別されて保存されるべき検出された希少細胞の位置情報を取得するのを助ける位置合わせマーク130を含む。
【0024】
並進ステージが矢印132(すなわち、図1の矢印28)の方向に移動されると、第1端部42’’の入射側アパーチャは、前述されたレーザー走査工程と併せて、サンプル12’’の第1部分134内の蛍光細胞を検出して識別するように働く。並進ステージは、第1部分134の全面積が図4Bに示されるように走査されるまで継続する。
【0025】
この工程に基づいて、細胞135、136、138、139が検出される。並進ステージが、サンプル12’’を図4Bに示される位置まで移動させると、該並進ステージ20’は、x軸方向(矢印140)に移動されて、サンプルの第2部分142が、図4Bに示されるように、第1端部42NNの入射側アパーチャの下になるように該サンプルを調整する。その後、並進ステージ20’は、矢印144により示される方向に移動されて、第2部分142を走査する。
【0026】
幾つかの場合においては、走査されたサンプルは、関心のある細胞の識別及び局部化に続いて処理を必要とすることがある。この時点では、サンプルは、これらの付加的な動作のために除去されることがある。
【0027】
他の場合においては、さらに別の調査を画像形成システム自体の一部として担うという利点が存在する。したがって、本適用例のシステムは、図4Cに示されるように、制御装置80は、サンプル細胞135ないし139の場所又は位置情報を、自動蛍光顕微鏡のような自動高解像度装置146に与えるというさらに別の実施形態を含む。走査工程が完了すると(又はこの工程中に)、自動高解像度装置146には、細胞の位置情報が与えられ、該装置は移動して、この細胞をより詳細に調査するように作動させられる。
【0028】
幾つかの適用例においては、FAST走査方法を用いることは、蛍光顕微鏡のような高解像度視認装置によって、さらに調査されるべき、可能性のある希少細胞を取得する際に利点を有する。このような装置は、FAST走査システムの中に組み込むことができる。或いは、より高い解像度の装置を、別の場所で見出すことができ、したがって、サンプル12’’(12)は、さらに別の調査のために、物理的に移動されることになる。
【0029】
独自の区別できる座標空間を有する画像形成システム間でデータを転送する問題を、さらに具体的に示すために、図5に注目されたい。レチクルマークは、源レチクルマーク150a、y軸レチクルマーク150b、及びx軸レチクルマーク150cを含む。これらのマークは、直角三角形のおおよそ頂点に配置される。FAST走査システム10は、次いで、その走査工程を行い、物体152(可能性のある希少細胞)を検出する。その後、レチクルマーク150aないし150b及び物体152の位置情報が取得される。例えば、物体152は、この第1座標空間においては、位置(a,b)として求めることができる。この工程に続いて、サンプル12は、図4Cの顕微鏡146のような高解像度システムに移動される。第2の座標空間へのこの移動中に、サンプル12は、回転されて、異なる尺度で表示され、シフトされ、歪められ、或いは別の方法で移動により影響されることになる。
【0030】
1つの例示的な実施形態においては、サンプル上の位置合わせ(レチクル)マークを用いて、希少細胞のスキャナ画像座標を、高解像度装置(例えば、顕微鏡)座標に変換する方法及びシステムが述べられる。変換工程は、周知の非線形欠陥を変換することを含む線形手順である。この方法の一般化された作動フローは、図6のフローチャート160により示される。ステップ162において、レチクルマーク及び生物学的塗抹標本を含むサンプルが、図1ないし図3のFAST走査システムのような希少細胞走査システムの中に搭載される。FAST走査システムの作動は、レチクルマーク及び可能性のある希少細胞を含む画像を生成する。この時点において、このシステムの作動は、識別された、可能性のある希少細胞の位置情報、並びに、サンプルの源及びx、yレチクルについての位置情報を生成する、164。任意的に、生成された画像は、後の使用のために、希少細胞(サンプルとも呼ばれる)画像ファイルとして格納することができる。
【0031】
次に、ユーザは、画像データ情報をスキャナ座標空間から高解像度座標空間に変換する工程を始める座標変換手順を開始する、166。一実施形態においては、ステップ166の座標変換手順は、ユーザが変換プロセスと対話することを可能にするインターフェースを有するコンピュータ装置上のソフトウェアの一部として実施される。ステップ168においては、スキャナ座標空間の画像ピクセル空間におけるサンプルの源及びx、yレチクルマークに対する場所が指定される。
【0032】
サンプル又は希少細胞画像ファイルは、FAST走査システムから高解像度装置、すなわち顕微鏡に転送される、170。転送が行われると、高解像度装置に対する周知の位置検出工程は、高解像度座標空間内のサンプルの源及びx、yレチクルマークの場所を指定する、172。
【0033】
FAST走査工程は、ここで、スキャナ座標空間から高解像度装置座標空間への変換のために座標変換パラメータを計算する。具体的には、システムは、スキャナ座標空間の場所及び高解像度座標空間におけるサンプルのx軸及びy軸のずらされたシフト、回転、歪みその他の位置的な差異のすべてを求める、174。スキャナ座標空間からの情報を用いることにより、可能性のある希少細胞の場所が指定される、176。この情報が、FASTスキャナの座標変換工程の中に入射される。その後、このシステムは、前にステップ174において求められた座標変換パラメータを適用して、このスキャナ座標を高解像度装置座標に変換する、178。この情報を用いることにより、高解像度装置のx−yステージを、対応する疑わしい希少細胞の顕微鏡座標まで並進させる、180。
【0034】
ステップ176ないし180は、複数の可能性のある希少細胞に対して繰り返すことができる。或いは、この工程は、ステップ176において複数の場所を一度に指定して、178における座標変換工程の適用がすべての指定された場所を処理するように設計することができる。その後、顕微鏡ステージの並進は、可能性のある希少細胞の場所を一度に1つずつ指定する必要なしで、第1の検出場所から次の検出場所まで自動的に移動する。
【0035】
図7を参照すると、サンプル画像の生成、及び源、x、yレチクルマーク、及び可能性のある希少細胞の位置決めを含む、図6のステップ164に関連する、より詳細なものが示される。ユーザには、画像のカスタマイズ化を可能にするインターフェースが与えられる、190。ステップ192においては、ユーザはシステムが受け取るデータを定める。例えば、走査速度、及び検出器により受け取られることになる光の程度について定めることができる。ユーザは、次いで、ステップ194において、表示されるべき画像のしきい値及び/又はコントラストを定めることができる。画像が表示されると、ユーザには、マーキング機構が与えられ、196、したがって、関心のある、可能性のある希少細胞が電子的に印付けされることになる。ステップ198においては、ユーザは、後に再検査するため、及び/又は、高解像度の視認工程において用いるために、画像を画像ファイルとして格納するという選択肢を有する。
【0036】
図8及び図9は、図1ないし図3のFAST走査システムにより生成された、表示された、関心のある、可能性のある希少細胞の例示的な画像を示す。図8は、ユーザが様々な細胞を識別し、マーキング機構、すなわち、マウスのようなものであるか、又はその他の周知の指示及びマーキング機構を用いた画像200を示す。このシステムは、関心のある細胞の周りに円202を生成し、その細胞を識別するために関連のある番号をさらに付ける。一実施形態においては、ユーザは、番号及び/又は円のカラー符号化を用いることができることが興味深い。例えば、細胞1、13、及び15ないし18は、赤色の円で指定され、細胞4及び12は緑色の円で指定され、細胞14は青色で指定される。色は、あらゆる識別特性を表すことができる。一例においては、赤色が最も関心のあるものであり、緑色が二次的なものであり、青色が最低の関心のものとすることができる。
【0037】
図9を参照すると、第1の画像と同様な画像206が示されている。これにおける主な違いは、コントラストレベルを増加させた結果が示されていることであり、したがって、より激しい光が蛍光結合により生成される。ページの底部近くにおいて、物体208は、さらに別の調査に指定されていないことに注目されたい。
【0038】
図10を参照すると、図7のインターフェース制御システムに用いることができるユーザインターフェース210の前面が示されている。具体的には、ユーザは、光が獲得される場所、すなわち、メインチャネル212、サイドチャネル214、又はこれら2つの組み合わせ216から選択することができる。さらに、スライドバー218、220、及び22が与えられて、他にも項目はあるが、選択されたしきい値及びコントラストレベルに応じて、戻された画像をカスタマイズする能力をユーザに与える。強度、大きさ、2チャンネルの強度比などは、制御装置を開発することができる他の特性である。
【0039】
画像が検出され格納されると、画像ファイル(すなわち、サンプル画像)を、図7のステップ198におけるように保存することができる。この画像ファイル(例えば、希少細胞の画像ファイル)は、次に、顕微鏡システムに用いることができるようになる。
【0040】
図11Aないし図11D、及び関連する説明は、希少細胞スキャナ画像座標のような第1座標から、顕微鏡座標のような第2座標に変換するのに用いることができる座標変換システム230を述べる。しかしながら、述べられるプロセスは、画像データが、区別できる座標空間を有する画像形成システム間で転送される他の適用例にも適用可能であることを理解されたい。
【0041】
座標変換システム230は、様々な入力ブロック及び出力ブロックを含み、これらの機能は、以下により詳細に述べられる。図1の上方においては、スキャナ入力ブロック232、スキャナパラメータブロック234、236、顕微鏡入力ブロック238、及び顕微鏡パラメータブロック240、242、244が示される。座標変換システム230の下方部分は、スキャナ画像ヒットデータブロック246、シフトされたスキャナ座標ブロック248、及び回転されたスキャナ座標ブロック250を含む。さらに、前のブロックからデータを受け取るように構成された独立座標ブロック252が含まれる。その後、独立座標ブロック252は、歪められ換算された顕微鏡座標ブロック254、及び変換された顕微鏡座標ブロック258についての位置データを生成するように機能する回転された顕微鏡座標ブロック256を含む顕微鏡ブロックにより用いられる。前述のブロック部品246ないし258の下の最初の3行は、システムの適切な作動の視覚的な検証のために与えられることが理解される。具体的には、入力ブロック232の中に挿入される値は、画像ヒットデータブロック246の最初の3行のものと同じ値になる。その後、すべてのパラメータ及び値が入れられ、システムがその作動を行ったときには、変換された顕微鏡座標ブロック258の最初の3行におけるデータは、顕微鏡入力ブロック238におけるものと同じになり、適切な変容工程を確実にする。
【0042】
画像ヒットデータブロック246の入力部260及び262は、ユーザがスキャナの作業空間に位置データを入れることを可能にし、次いで、システムの作動を通して、顕微鏡座標空間における位置データを生成する。この工程の詳細は、以下の段落において展開される。
【0043】
図11Aに示されるように、部品の特定の配置は、これらの例示的な実施形態の概念に対する限定因子として意図されるものではないことが理解される。それどころか、このシステムは、図11Aとは異なる構成で設計することができ、さらに図11Aの表現を変更することもできる。
【0044】
図11Aを続けて参照すると、座標変換システム230には、如何なる値も入れられていない。しかしながら、入力ブロック232は、(i)源レチクル(origin)、(ii)yレチクル(yreticle)、(iii)xレチクル(xreticle)、及び(iv)サンプルの大きさ(slide.mm)について希少細胞スキャナから取得されるx座標及びy座標(値)を受け取るように設計される。この情報を挿入すると、座標変換システム230は、入力ブロック232の希少細胞スキャナの位置情報を、独立座標システムの位置情報に変換するパラメータ値を生成する。具体的には、ブロック234において、スキャナベースの座標空間内のサンプルのx位置及びy位置におけるあらゆるシフトを識別するパラメータは、以下により見出される。
(1)yshift(x)=yrecticle x−origin x
(2)yshift−(y)=yrecticle y−origin y
(3)xshift(x)=xrecticle x−origin x
(4)xshift(y)=xrecticle y−origin y(例えば、ブロック234の−10、1250、−390、10)
【0045】
サンプルがシフトした角度は、ラジアンで、以下により見出され、
(5)ang=−ATAN2(xshft x,xshft y)、(例えば、ブロック234の−3.11596)
ラジアン角度シフトは、以下により度に変換される。
(6)ang=DEGREES(ang)、(例えば、ブロック234の−178.531)
【0046】
xレチクル及びyレチクルに対する回転パラメータは、角度の正規化(「nrmiz」)及びスキャナシステムにおけるサンプルのあらゆる歪みの解消(「dsqu」)と併せて、ブロック236におけるパラメータを通して与えられる。これらのパラメータは、
(7)ry(x)=yreticle x−origin x*(COS(ang))−yreticle y−origin y*(SIN(ang))
(8)ry(y)=yreticle x−origin x*(SIN(ang))−yreticle y−origin y*(COS(ang))、(例えば、ブロック236の42.03747、−1249.33)
により、x軸方向におけるyレチクルの回転(ry(x))及びy軸方向におけるyレチクルの回転(ry(y))を定める。
【0047】
x軸方向におけるxレチクルの回転(rx(x))及びy軸方向におけるxレチクルの回転(rx(y))は、
(9)rx(x)=xreticle x−origin x*(COS(ang))−xreticle y−origin y*(SIN(ang))、
(10)rx(y)=xreticle x−origin x*(SIN(ang))+xreticle y−origin y*(COS(ang))、(例えば、ブロック236の390.1282、1.21E−13)
により見出される。
x軸方向におけるサンプル(slide.mm)の正規化(nrmiz)は、
(11)nrmiz(x)=slide.mm x/rx’x’
により求められ、y軸方向におけるスライドの正規化は、
(12)nrmiz(y)=slide.mm y/ry’y’(例えば、ブロック236の0.097404、0.014808)
により求められる。
【0048】
上述のパラメータ値が求められると、これらは、入力部260、262で入射される値に対して、座標変換システム230の繰り返される作動全体を通して用いられる。サンプルの歪みの解消は、以下により求められる。
(13)dsqu(x)=ry’x’/ry’y’(例えば、ブロック236の−0.03365)
【0049】
図11Bに示されるように、特定の値(例えば、origin(x)=850、origin(y)=150など)が入力ブロック232に入れられたときには、このシステムは、パラメータ値(例えば、yshift(x)−10、yshift(y)=1250を生成して、スキャナ空間における座標を独立座標空間に変容させる。画像ヒットデータブロック246を見ると、x及びyの位置データ(値)は、入力ブロック232と同じであり(例えば、850、150など)、これは、レチクルがスキャナ座標空間内に位置している場所を定める。シフトされたスキャナ座標ブロック248は、スキャナシステム(図1の10)におけるサンプルがシフトされたかどうかを示す。この情報は、前述されたパラメータを用いることにより取得される。より具体的には、源レチクル(origin)のx位置及びy位置に対するシフトされたスキャナ座標(shift−scan)は、以下により求められる。
(14)shift−scan origin(x)=origin x−origin x
(15)shift−scan origin(y)=origin y−origin y(例えば、ブロック248の最初の行、0、_0)
【0050】
yレチクルに対して何らかのシフトが生じたかどうかを求めるためには、以下の関係が用いられる。
(16)shift−scan y−reticle(x)=yreticle x−origin x
(17)shift−scan y−reticle(y)=yreticle y−origin y(例えば、ブロック248の2行目、−10、1250)
同様に、xレチクルのシフトは、以下により求められる。
(18)shift−scan x−reticle(x)=xreticle x−origin x
(19)shift−scan x−reticle(y)=xreticle y−origin x(例えば、ブロック248の3行目、−390、10)
回転されたスキャナ座標ブロック250においては、スキャナ座標システム内にある間のサンプルの回転(rotate−scan)は、x軸方向及びy軸方向における源レチクル(origin)に対して、以下により求められ、
(20)rotate−scan origin(x)=shift−scan origin(x)*(COS(ang))−shift−scan origin(y)*(SIN(ang))
(21)rotate−scan origin(y)=shift−scan origin(x)*(SIN(ang))−shift−scan origin(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の最初の行、0、_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により求められ、
(22)rotate−scan y−reticle(x)=shift−scan y−reticle(x)*(COS(ang))−shift−scan y−reticle(y)*(SIN(ang))
(23)rotate−scan y−reticle(y)=shift−scan y−reticle(x)*(SIN(ang))−shift−scan y−reticle(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の2行目における42.03747、−1249.33)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により求められる。
(24)rotate−scan y−reticle(x)=shift−scan x−reticle(x)*(COS(ang))−shift−scan x−reticle(y)*(SIN(ang))
(25)rotate−scan x−reticle(y)=shift−scan x−reticle(x)*(SIN(ang))+shift−scan x−reticle(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の3行目における390.1282、1.21E−13)
【0051】
ブロック234及び236のパラメータ値を、あらゆるシフトされたスキャナ座標248又は回転されたスキャナ座標250の位置と併せて求めることにより、システムは、次いで、以下の関係を用いて、独立座標ブロック252において述べられたように、独立座標の位置決め(inde−scan)を生成できるようになる。具体的には、独立座標空間内のx軸方向及びy軸方向における源レチクル(origin)は、以下により見出され、
(26)inde−scan origin(x)=rotate−scan origin(x)−(dsqu*rotate−scan origin(y))*nrmiz’x’
(27)inde−scan origin(y)=rotate−scan origin(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の最初の行における0,_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは以下により見出され、
(28)inde−scan y−reticle(x)=rotate−scan y−reticle(x)−(dsqu*rotate−scan y−reticle(y))*nrmiz’x’
(29)inde−scan y−reticle(y)=rotate−scan y−reticle(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の2行目における0,−18.5)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(30)inde−scan x−reticle(x)=rotate−scan x−reticle(x)−(dsqu*rotate−scan x−reticle(y))*nrmiz’x’
(31)inde−scan x−reticle(y)=rotate−scan x−reticle(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の3行目における38,1.79E−15)
【0052】
先の作動は、スキャナ座標空間とは別個の独立座標空間(すなわち、独立座標ブロック252)に対する座標値を生成する。この設計は、これらの独立座標を、次いで、顕微鏡座標空間に変容させることを可能にする。図11Bから分かるように、入力区域238には、まだ顕微鏡座標空間の源レチクル、及びxレチクル及びyレチクルの指定された場所が与えられていない。この情報が与えられると、システムは、次いで、ブロック252の独立座標情報を始点として用いて、歪められ換算された顕微鏡座標(すなわちブロック254)と、回転された顕微鏡座標(すなわちブロック256)とを生成し、シフトされて(すなわちブロック258)、変換された顕微鏡座標ブロック258に対する顕微鏡座標パラメータを生成する。
【0053】
独立空間においては、レチクルの座標は、互いに丁度直角であり、完全な大きさを有し、シフトはされていない。これらの特性は、入力空間又は出力空間のいずれにおいても、必ずしも存在しなければいけないものではない。
【0054】
図11Cを参照すると、入力ブロックは、源レチクル(origin)、yレチクル(yreticle)、xレチクル(xreticle)及びサンプルの大きさ(slide.mm)に対して、顕微鏡システムから取得されたx座標及びy座標を受け取るようにされている。この情報を用いることにより、パラメータの組の式240を用いて、x、y軸方向におけるデルタyレチクル(dltaYret)及び角度の斜辺(r)が、以下を解くことにより求められ、
(32)dltaYret(x)=(yret x)−(orig x)
(33)dltaYret(y)=(yret y)−(orig y)
(34)dltaYret(r)=SQRT(SUMSQ(dltaYret x,dltaYret y))(例えば、ブロック240の5,1840,1840.007)デルタxレチクル(dltaXret)が、以下を解くことにより求められる。
(35)dltaXret(x)=(xret x)−(orig x)
(36)dltaXret(y)=(yret y)−(orig y)
(37)dltaXret(r)=SQRT(SUMSQ(dltaXret x,dltaYret y))(例えば、ブロック240の3775,−10,3775.013)
【0055】
その後、源、yレチクル及びxレチクルにより、ラジアン及び度で形成された線角であるアルファ、ベータ、及びガンマ値が以下により見出され、
(38)alpha(rad)=ATAN2(dltaXret x,dltaXret y)
(39)alpha(deg)=DEGREES(alpha rad)
(40)beta(rad)=0.5*π+ATAN2(dltaYret x,dltayret y)
(41)beta(deg)=DEGREES(beta rad)
(42)gama(rad)=alpha rad)−(beta rad)
(43)gama(deg)=DEGREES(’gama’ rad)(例えば、ブロック242の−0.00265、−0.15178、3.138875、179.8443、−3.14152、−179.996)ここで、dltaXretはxレチクルのデルタを表わし、dltaYretはyレチクルのデルタを表す。
【0056】
さらにパラメータに注目すると、顕微鏡座標変換に対するサンプルの水平方向の換算(horiz scale)、垂直方向の換算(vert scale)、tanGama方向の換算(tanGama scale)は、以下により見出される。
(44)horiz scale=(dltaXret’r’)/slide.mmX (45)vert scale(dltaYret’r’)*COS(’gama’rad)/slide.mmX
(46)tanGama scale=TAN(’gama’rad)(例えば、ブロック244の99.34245、−99.4598、6.84E−05)
【0057】
続けて図11Cに注目すると、顕微鏡入力部分238の中に値を挿入することにより、独立座標空間の特定の座標点の変換に用いられるべき対応するパラメータが、ここで、顕微鏡座標空間への転送のために取得されることになる。
【0058】
この情報を用いることにより、システムは、次いで、歪められ換算された顕微鏡座標ブロック254の歪められ換算された顕微鏡座標に対する値、回転された顕微鏡座標ブロック256における回転された顕微鏡座標に対する値、及び変換された顕微鏡座標ブロック258におけるシフトされた顕微鏡座標パラメータに対する値を生成する。
【0059】
ブロック254に注目すると、座標変容工程に用いられるべきサンプルの歪められ換算された顕微鏡座標(sk/scl−scope)は、以下によりx軸方向及びy軸方向における源レチクルに対して見出され、
(47)sk/scl−scope origin(x)=(inde−scan origin(x)*horiz scale+inde−scan origin(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(48)sk/scl−scope origin(y)=inde−scan origin(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の最初の行における0,_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により見出され、
(49)sk/scl−scope y−reticle(x)=inde−scan y−reticle(x)*(horiz scale)+inde−scan y−reticle(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(50)sk/scl−scope y−reticle(y)=inde−scan y−reticle(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の2行目における0.12583、1840.0)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(51)sk/scl−scope x−reticle(x)=inde−scan x−reticle(x)*(horiz scale)+(inde−scan x−reticle(y)*(vert scale)*(tanGama scale)) (52)sk/scl−scope x−reticle(y)=inde−scan x−reticle(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の3行目における3775.01、−1.8E−13)
【0060】
顕微鏡座標空間におけるサンプルの回転を求めるために(rotate−scope)(ブロック256)、以下の式が適用され、ここでは、x軸方向及びy軸方向における源レチクルは、以下により見出され、
(53)rotate−scope origin(x)=sk/scl−scope origin(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope origin(y)*(SIN(alpha rad)
(54)rotate−scope origin(y)=sk/scl−scope origin(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope origin(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の最初の行における0,0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により見出され、
(55)rotate−scope y−reticle(x)=sk/scl−scope y−reticle(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope y−reticle(y)*(SIN(alpha rad)
(56)rotate−scope y−reticle(y)=sk/scl−scope y−reticle(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope y−reticle(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の2行目の5、1840)
最後に、x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(57)rotate−scope x−reticle(x)=sk/scl−scope x−reticle(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope x−reticle(y)*(SIN(alpha rad)
(58)rotate−scope x−reticle(y)=sk/scl−scope x−reticle(y)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope x−reticle(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の3行目の3775、−10)
【0061】
このデータを用いることにより、x軸方向及びy軸方向における変換された顕微鏡座標パラメータ(convert−scope)(ブロック258)を、以下により、x軸方向及びy軸方向における源レチクルに対して取得することができ、
(59)convert−scope origin(x)=rotate−scope origin(x)+(orig x)
(60)convert−scope origin(y)=rotate−scope origin(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の最初の行の−705、1090)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により取得することができ、
(61)convert−scope y−reticle(x)=rotate−scope y−reticle(x)+(orig x)
(62)convert−scope y−reticle(y)=rotate−scope y−reticle(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の2行目の−700、2930)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により取得することができる。
(63)convert−scope x−reticle(x)=rotate−scope x−reticle(x)+(orig x)
(64)convert−scope x−reticle(y)=rotate−scope x−reticle(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の3行目の3070、1080)
【0062】
上述の座標変換パラメータが取得されたことにより、ユーザは、次に、直接であるか又は自動的に、図9及び図10に示されるもののような物体(例えば、可能性のある希少細胞)に対する希少細胞スキャナ座標を入射することができる。これらの物体に対するx座標及びy座標は、それぞれ、図11Dの列260、262の中に入れられる。このシステムは、次いで、或る物体のx及びyの希少細胞スキャナ座標(例えば、x=1000、y=2132)を独立座標空間座標(例えば、x=−16.1636、y=−29.3966)に変換し、その後、顕微鏡座標空間座標(例えば、x=−2302.79、y=4018.019)に変換する。
【0063】
或る物体(object 1−object+n)の入れられた座標(x=1000及びy=2132)値(value(x)、value(y))の変換を達成する方法が、ここで、以下により詳細に述べられる。これらの値に対して列260及び262に挿入されたシフトされたスキャナ座標(shift−scan)は、以下によるものである。
(65)shift−scan(object 1)(x)=value(x)−origin x
(66)shift−scan(object 1)(y)=value(y)−origin y
【0064】
x軸方向及びy軸方向における物体の回転されたスキャナ座標(rotate−scan)は、以下により見出される。
(67)rotate−scan(object 1)(x)=shift−scan(object 1)(x)*(COS(ang))−shift−scan(object 1)(y)*(SIN(ang))
(68)rotate−scan(object 1)(y)=shift−scan(object 1)(x)*(SIN(ang))−shift−scan(object 1)(y)*(COS(ang))
【0065】
与えられた関係を用いることにより、x軸方向及びy軸方向における入れられた座標の独立座標(inde−scan)は、以下により見出される。
(69)inde−scan(object 1)(x)=rotate−scan(object 1)(x)−(dsqu*rotate−scan(object 1)(y))*nrmiz’x’
(70)inde−scan(object 1)(y)=rotate−scan(object 1)(y)*nrmiz’y’
【0066】
取得された独立座標から、列260及び262に入射されたx座標及びy座標に対する歪められ換算された顕微鏡座標(sk/scl−scope)が以下により見出される。
(71)sk/scl−scope(object 1)(x)=inde−scan(object 1)(x)*horiz scale+(inde−scan(object1)(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(72)sk/scl−scope(object 1)(y)=inde−scan(object 1)(y)*(vert scale)
その後、列260及び262におけるx値及びy値に対する回転された顕微鏡座標(rotate−scope)が、以下により求められる。
(73)rotate−scope(object 1)(x)=sk/scl−scope(object 1)(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope(object 1)(y)*(SIN(alpha rad))
(74)rotate−scope(object 1)(y)=sk/scl−scope(object 1)(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope(object 1)(y)*(COS(alpha rad))
【0067】
最後に、列260及び262からの値が、以下により、最終的に、x軸方向及びy軸方向における顕微鏡座標空間に変換される(convert−scope)。
(75)convert−scope(object 1)(x)=rotate−scope(object 1)(x)+(orig x)
(76)convert−scope(object 1)(y)=rotate−scope(object 1)(y)+(orig y)
【0068】
したがって、上述の方法は、第1座標空間における座標点を第2座標空間における座標点に変容させることを可能にする。上の説明は、希少細胞画像スキャナから顕微鏡座標空間への変容に着目されたが、座標変換システム230は、この実施に限定されるものではない。それどころか、このシステムは、区別できる画像形成システムの座標空間の間での変換に用いることができる一般化された平坦な物体位置の位置決め工程を教示するように考慮される。
【0069】
述べられたシステムは、直角三角形のほぼ頂点に配置されたレチクルマークのような少なくとも3つのマークをもつ物体ホルダ(例えば、スライド/サンプル)を利用する。第1の画像形成装置は、次いで、第1座標空間を定め、該第1座標空間におけるレチクルマークが指定される。次に、サンプル又はサンプル画像が、第2の座標空間を定める第2の画像形成装置に与えられ、レチクルマークがこの第2座標空間に指定される。第1座標空間及び第2座標空間からのこれらの指定されたレチクルマークの座標を用いることにより、座標変換パラメータに対する値が計算されて、変容工程を行うのに用いられる。開示される機構は、異なる、おそらくは不完全な座標空間をもつ2つの装置の走査速度がこれらの工程方向に対して垂直ではなくても、及び物体ホルダが不注意に回転されるか、歪められるか、或いは別の方法により動かされたとしても、これらが共に作動することを可能にする。
【0070】
上の説明においては、源レチクル及びxレチクルを用いて水平方向軸を定め、該源レチクル及びyレチクルを用いて水平方向軸を定めた。もちろん、この説明は、この設計に限定されるものではなく、他の軸構成を用いることができる。述べられたステップは、第1座標空間の位置情報の独立座標空間に対するシフトの解消、回転の解消、及び歪みの解消を含むように挙げられた。このシステムは、次いで、独立座標空間の情報を、顕微鏡(又は目標)座標空間に歪め、回転し、かつシフトする。これらのステップは、述べられた順番で行う必要はなく、他のステップを用いてサンプルの位置を求めることもできる。
【0071】
システム230は、図12に示されるように、逆方向で作動するように十分にモジュール化される。具体的には、或る物体の座標が第2座標空間(すなわち、顕微鏡ヒットデータブロック)に配置され、図11Aないし図11Dに関連して前述されたように、座標情報の挿入により、この工程は、この情報を第1座標空間(すなわち、変換された画像座標ブロック)に戻すように変換する。
【0072】
図12におけるような逆方向における工程を可能にするこのシステムのモジュール性をより完全に説明するために、図11A及び図12の間の比較をする。図12においては、種々の入力ブロックの識別がわずかに変化されている。具体的には、「スキャナ」ブロックであったものが、ここでは、「顕微鏡」情報を保持するか又は生成するように識別されている。したがって、これらのブロックは、「素数(N)」として識別される。例えば、図11Aにおいては、入力ブロック232は、(i)源レチクル、(ii)yレチクル、(iii)xレチクル、及び(iv)サンプルの大きさに対して、希少細胞(FAST)スキャナから取得されたx座標及びy座標を保持するか又はこれが入射されたとして識別される。図12におけるブロック232Nは、同様の情報を保持するが、これは顕微鏡座標システムからのものである。この情報は、図11Aのパラメータブロック234及び236に述べられた、述べられた関係により用いられる。同じ関係が用いられるため、ブロック234及び236は、図12におけるものと同じように番号が付けられることに注意されたい。図12の入力ブロック238Nは、図11Aの238と同じ入力区域を含むが、これは、スキャナ画像座標システムに関連するデータに対するものである。この情報は、図11Aないし図11Dと関連して述べられたものと同じ関係を含むパラメータブロック240、242、及び244に用いられる。
【0073】
同様に、図12のブロック246N、248N、及び250Nは、図11Aないし図11Dのスキャナ列246、248、及び250と相関する顕微鏡座標システム列である。列248及び250においては、この関係は、図11Aないし図11Dの説明に述べられたものと同じであるが、入射される値は、列246Nの顕微鏡ヒットデータ値になることに注意されたい。
【0074】
図12の独立座標列252Nは、さらに、図11Aないし図11Dの独立座標列252と対応する。ここでも、与えられる値は、顕微鏡座標システムからのものであるという区別がある。前述の列に関する説明におけるように、歪められ換算された画像座標列254N、及び回転された画像座標列256Nに対しても同様の観察がなされる。最後に、列258Nは、スキャナ座標空間における変換された画像座標を示す。
【0075】
したがって、このモジュール化システムは、ユーザに対して、単一方向における変容を可能にするだけではなく、2つの座標空間での伝達を可能にする。
【0076】
図11Aないし図11D及び図12のシステム230は、ほぼ自動化された作動として設計される。ユーザは、座標情報をブロック232及び238に入射して、その後、関心のある物体の位置情報を列260及び262に入れるだけでよい。その後、システムは、自動的に、変換された顕微鏡座標データを与える。
【0077】
述べられたシステムは、情報の入力を完全に自動化するように設計できることを認識されたい。具体的には、サンプルを画像形成システムに入力することは、該画像形成システムが、ブロック232に対する座標位置に関する情報を取得して、自動的にこの情報をソフトウェアプログラムの中に挿入することを可能にする。その後、例えば、図4Aないし図4Cに示されるような通常の伝送工程により、サンプルは、自動的に、顕微鏡システムのようなより高い解像度の装置に移動され、顕微鏡環境における位置が自動的に求められ、さらに、ブロック238の中に入れられる。その後、関心のある物体の位置データが、自動的に、ブロック260、262に与えられる。
【0078】
さらに、図8及び図9に関する実施形態に戻ると、円形の画像202が電子スクリーン画像上に示される。本実施形態においては、さらに、サンプル自体上の物理的なマーキングを表すことが意図されることを認識されたい。具体的には、図13に示されるように、自動マーキングシステム260は、スライド264上に直接マーク262(円形その他の形態で)を与えるように移動されて位置させられる。マークは、関心のある物体266と関連して置かれる。このシステムを用いることにより、関心のある物体の位置に関する恒久的な記録が取得される。顕微鏡システムによる物体の位置決めに対して述べられたものと同じ方法により、印刷のための場所が印刷装置において求められる。マーキングシステムは、十分に小さい量を、ガラスのような適切な基板上に印刷することができるあらゆる周知のマーキングシステムとすることができる。適切なマーキングシステムの例は、とりわけ、圧電プリンタ、音響プリンタ、又はレーザプリンタとすることができる。この印刷工程を用いる利点は、サンプルが、印刷に続いて、物体の場所のデータファイルを伴う必要がないことである。このことは、自動化されていない臨床環境において有益性が見出される実施とすることができる。
【0079】
本実施形態の別の態様は、スキャナにおけるあらゆる周知の(固定された)非線形欠陥を変換工程に含むことである(すなわち、走査の非線形)。リアルタイムの非線形欠陥は、さらに、述べられた位置測定システムがリアルタイムの位置測定を行うようにすることにより、変換工程において対処することができる。
【符号の説明】
【0080】
10:イメージャ
12:サンプル
14:生物学的塗抹標本
16:スライド
20:ステージ
24:モータ
40:光ファイバー束
48:入射側アパーチャ
52:出射側アパーチャ
60:走査用放射線源
80:電子制御ユニット
90:信号検出器
98:光検出器
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、画像形成技術に関し、区別できる画像形成システムにわたる血液塗抹標本、生物学的検定法などにおける低密度及び高密度の細胞検出、位置決め、及び識別に関連して特に用途があり、それに関して具体的に説明する。しかしながら、この例示的な実施形態は、さらに、種々の実質的に平坦な表面及びサンプルにおける他の種類の低密度又は高密度特徴の画像形成、位置決め、及び識別、例えば、半導体ウエハの画像形成、流体又は固体薄膜における粒状汚染物の画像形成などに用途があり、そのような画像形成は、印刷技術、電子技術、医療技術その他の科学的及び工学的領域において特に用途が見出されることを理解されたい。
【0002】
本明細書は、2002年10月15日に出願された米国特許連続番号第10/271,347号の一部継続出願である、2003年7月9日に出願された米国特許連続番号第10/616,366号の一部継続出願である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
物体の位置を取得する方法が提供される。画像形成システムの第1座標空間が定められ、該第1座標空間における座標が指定される。第2の画像形成システムの第2座標空間が定められ、該第2座標空間における座標が指定される。第1座標空間の指定された座標を用いることにより、座標変換パラメータが計算される。その後、第1座標空間において少なくとも1つの物体の座標が指定され、該物体の第1座標空間座標が第2座標空間における独自の座標に変換される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】画像形成装置を示す。
【図2】変形された光ファイバー束を示す。
【図3】変形された光ファイバー束の拡大端面図を示す。
【図4A】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図4B】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図4C】より高い解像度の調査に対する実施形態を示す。
【図5】2つの座標空間の間におけるデータの転送を示す。
【図6】フローチャートを示す。
【図7】フローチャートを示す。
【図8】識別された、可能性のある希少細胞を示す。
【図9】付加的な、可能性のある希少細胞を識別する。
【図10】付加的な制御ボックスを示す。
【図11A】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11B】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11C】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図11D】FASTスキャナ座標変換工程の作動を述べるのに用いられる。
【図12】図11とは逆方向のFASTスキャナ座標変換出力を与える。
【図13】マーキングシステムが、直接、マーキング材料をスライドに適用する実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1を参照すると、画像形成装置すなわちイメージャ10が、スライド16の表面の少なくとも一部の上に配設された生物学的塗抹標本14のようなサンプル12を検査する。画像形成装置すなわちイメージャ10は、微小な又は微視的な物質を検出するために設計されたものである。
【0006】
サンプル12は、該サンプル12を支持する線状に並進可能なトラック22を含むイメージャ並進ステージ20(部分的に示す)上に装着される。モータ24は、歯車機構26によりトラック22と連結して、該トラック22及び支持されたサンプル12をy軸方向(矢印28により示す)及びx軸方向(矢印29により示す)に沿って並進させる。
【0007】
引き続き図1を、さらに図2及び図3と関連して参照すると、光ファイバー束40は、サンプル12に対して近位にある第1端部42と、該サンプル12から遠位にある第2端部44とを含む。第1端部42は、長辺がx軸方向と一致したほぼ線状の又は高アスペクト比の長方形の入射側アパーチャ48を定めるように、互いにほぼ平行に配置された複数の第1ファイバー端部46を含む(図3において概略的に最もよく見られる)。入射側アパーチャ48は、大きな数の第1光ファイバー端部を含むことが好ましい。1つの適当な実施形態において、各々がおおよそ50ミクロンの直径を有する40,000本のファイバーが用いられ、長辺がおおよそ5cm、短辺が約0.2cmで、アスペクト比25:1に相当する。第1ファイバー端部46は、図3に示すように、規則的なパターンで配置することができる。或いは、第1ファイバー端部を不規則な又は非周期的なアレイに配置し、これは50ミクロンより大きいか又はこれより小さい直径を有するものとすることができる。第1ファイバー端部46は、生物学的塗抹標本14を視認するように、該塗抹標本14の平面に対してほぼ直角に配向される。
【0008】
光ファイバー束40は、第1端部42と第2端部44との間で断面の寸法及び形状を「変形」又は変化させて、該第2端部44において、複数の第2ファイバー端部50がコンパクトでほぼ円形の出射側アパーチャ52を定めるようにする(図2において概略的に最もよく見られる)。第1ファイバー端部46と第2ファイバー端部50との間には、1対1の対応があり、各々の該第1ファイバー端部が、自身の導波被覆を有する個々の区別できるファイバーにより、該第2ファイバー端部に連結されることが好ましい。或いは、各々のファイバーは、光透過性のファイバーコアだけを含むことができ、周囲/コアの界面は、光を導波するように機能する。
【0009】
適当な実施形態における走査用放射線(光)源60は、生物学的塗抹標本14に印をつける際に用いられる物質を励起するように選択された波長又は波長範囲の励起光(放射線ビーム)64を生成するレーザー62を含む。励起光64は、電気入力に応答して回転する(曲線の矢印68により示される)反射面を有する検流計66により角度方向に走査される。任意の合焦レンズ70は、角度方向に走査された励起光64をサンプル12上に、より具体的には、生物学的塗抹標本14の上に合焦する。検流計66により生成された角度方向の走査は、入射側アパーチャ48の下に、該入射側アパーチャ48の長辺と平行に配置された線状の軌道74に沿って、生物学的塗抹標本14上で励起光を線状に掃引又は走査(矢印72で示される)するように並進する。
【0010】
電子制御ユニット80は、検流計66及び並進ステージ20と通信して、放射線ビーム64の線状の掃引又は走査72を調整する。
【0011】
放射線ビーム64の入射角が入射側アパーチャ42の収集角θより大きいため、鏡面反射放射線は、該入射側アパーチャ42によっては収集されない。
【0012】
励起ビーム64が入射側アパーチャ48に平行で、典型的には該入射側アパーチャ48の下にある軌道74に沿って掃引するのに伴い、近位にある1つ又は数個の第1ファイバー端部46が、光ファイバー束40によりコンパクトな出射側アパーチャ52に通された特性ルミネセンスを収集する。
【0013】
1つの適当な実施形態においては、遮断フィルタ94は、放射線ビーム64の中心波長と一致する反射ピークが用いられた干渉フィルタである。この構成された実施形態においては、第1レンズ92は、出射側アパーチャ52から放射する光を±10°内の角発散にまでコリメートするという周知の光学設計方法を用いて設計されたレンズの組み合わせを含む。
【0014】
第2レンズ96は、コリメートされた収集光を光検出器装置98の上に合焦する。コンパクトな出射側アパーチャ52を合焦光学系92、96、光検出器98と組み合わせることにより、空間的に分配された線状の入射側アパーチャ48のための信号検出がもたらされる。
【0015】
電子制御ユニット80は検流計66及び並進顕微鏡ステージ20と通信して、サンプルを横切る放射線ビーム64をラスタリングする。特性ルミネセンスは入射側アパーチャ48により収集され、光学ファイバー束40により出射側アパーチャ52に通され、信号検出器90により検出される。電子制御ユニット80は、検出された信号を光検出器98から受信し、該検出された信号をサンプル12上の放射線ビーム64の位置座標と相関させる。
【0016】
電子制御ユニット80は、ビームの掃引位置をx軸方向における第1座標として識別し、並進顕微鏡ステージ20の位置をy軸方向における第2直角座標として識別して、収集された特性ルミネセンスの強度がサンプル12上の位置の関数として空間的に図示されるようにする。
【0017】
イメージャ10は、希少細胞の識別には関連のない画像データを蓄積することがある。時々、このノイズは「偽陽性」と考慮することができる。したがって、フィルタ処理手順を、電子制御ユニット80及び/又はシステム10の他の要素により実施して、希少細胞とは関係ない情報を排除することができる。
【0018】
一実施形態においては、画像事象は、調査中の画像事象のピクセル数を数えることにより、非希少細胞の又は希少細胞の画像事象として分類することができる。
【0019】
別のフィルタ処理の実施形態においては、画像事象の形状を用いて、関連のない情報をフィルタ処理する。
【0020】
さらに別のフィルタ処理方法は、調査中の画像事象の強度を追跡することである。
【0021】
上記は、サンプルの走査及び希少細胞の検出を達成することができる速度を増加させるファイバーアレイ走査技術(FAST)について述べている。大きなサンプルを走査する利点は、偽陽性結果の可能性が特別な関心事である、希少細胞の調査と特に関連する。偽陽性結果は、特定の種類の細胞が、実際には存在する場合であっても、これが見出されなかった場合を示す。
【0022】
図4Aないし図4Cに注目すると、図4Aは、スライド16’’の表面の少なくとも一部の上に配設された生物学的塗抹標本14’’のようなサンプル12’’が、図1の入射側アパーチャ48のような入射側アパーチャを形成する第1端部42’’より広いことを示している。
【0023】
スライド16’’は、識別されて保存されるべき検出された希少細胞の位置情報を取得するのを助ける位置合わせマーク130を含む。
【0024】
並進ステージが矢印132(すなわち、図1の矢印28)の方向に移動されると、第1端部42’’の入射側アパーチャは、前述されたレーザー走査工程と併せて、サンプル12’’の第1部分134内の蛍光細胞を検出して識別するように働く。並進ステージは、第1部分134の全面積が図4Bに示されるように走査されるまで継続する。
【0025】
この工程に基づいて、細胞135、136、138、139が検出される。並進ステージが、サンプル12’’を図4Bに示される位置まで移動させると、該並進ステージ20’は、x軸方向(矢印140)に移動されて、サンプルの第2部分142が、図4Bに示されるように、第1端部42NNの入射側アパーチャの下になるように該サンプルを調整する。その後、並進ステージ20’は、矢印144により示される方向に移動されて、第2部分142を走査する。
【0026】
幾つかの場合においては、走査されたサンプルは、関心のある細胞の識別及び局部化に続いて処理を必要とすることがある。この時点では、サンプルは、これらの付加的な動作のために除去されることがある。
【0027】
他の場合においては、さらに別の調査を画像形成システム自体の一部として担うという利点が存在する。したがって、本適用例のシステムは、図4Cに示されるように、制御装置80は、サンプル細胞135ないし139の場所又は位置情報を、自動蛍光顕微鏡のような自動高解像度装置146に与えるというさらに別の実施形態を含む。走査工程が完了すると(又はこの工程中に)、自動高解像度装置146には、細胞の位置情報が与えられ、該装置は移動して、この細胞をより詳細に調査するように作動させられる。
【0028】
幾つかの適用例においては、FAST走査方法を用いることは、蛍光顕微鏡のような高解像度視認装置によって、さらに調査されるべき、可能性のある希少細胞を取得する際に利点を有する。このような装置は、FAST走査システムの中に組み込むことができる。或いは、より高い解像度の装置を、別の場所で見出すことができ、したがって、サンプル12’’(12)は、さらに別の調査のために、物理的に移動されることになる。
【0029】
独自の区別できる座標空間を有する画像形成システム間でデータを転送する問題を、さらに具体的に示すために、図5に注目されたい。レチクルマークは、源レチクルマーク150a、y軸レチクルマーク150b、及びx軸レチクルマーク150cを含む。これらのマークは、直角三角形のおおよそ頂点に配置される。FAST走査システム10は、次いで、その走査工程を行い、物体152(可能性のある希少細胞)を検出する。その後、レチクルマーク150aないし150b及び物体152の位置情報が取得される。例えば、物体152は、この第1座標空間においては、位置(a,b)として求めることができる。この工程に続いて、サンプル12は、図4Cの顕微鏡146のような高解像度システムに移動される。第2の座標空間へのこの移動中に、サンプル12は、回転されて、異なる尺度で表示され、シフトされ、歪められ、或いは別の方法で移動により影響されることになる。
【0030】
1つの例示的な実施形態においては、サンプル上の位置合わせ(レチクル)マークを用いて、希少細胞のスキャナ画像座標を、高解像度装置(例えば、顕微鏡)座標に変換する方法及びシステムが述べられる。変換工程は、周知の非線形欠陥を変換することを含む線形手順である。この方法の一般化された作動フローは、図6のフローチャート160により示される。ステップ162において、レチクルマーク及び生物学的塗抹標本を含むサンプルが、図1ないし図3のFAST走査システムのような希少細胞走査システムの中に搭載される。FAST走査システムの作動は、レチクルマーク及び可能性のある希少細胞を含む画像を生成する。この時点において、このシステムの作動は、識別された、可能性のある希少細胞の位置情報、並びに、サンプルの源及びx、yレチクルについての位置情報を生成する、164。任意的に、生成された画像は、後の使用のために、希少細胞(サンプルとも呼ばれる)画像ファイルとして格納することができる。
【0031】
次に、ユーザは、画像データ情報をスキャナ座標空間から高解像度座標空間に変換する工程を始める座標変換手順を開始する、166。一実施形態においては、ステップ166の座標変換手順は、ユーザが変換プロセスと対話することを可能にするインターフェースを有するコンピュータ装置上のソフトウェアの一部として実施される。ステップ168においては、スキャナ座標空間の画像ピクセル空間におけるサンプルの源及びx、yレチクルマークに対する場所が指定される。
【0032】
サンプル又は希少細胞画像ファイルは、FAST走査システムから高解像度装置、すなわち顕微鏡に転送される、170。転送が行われると、高解像度装置に対する周知の位置検出工程は、高解像度座標空間内のサンプルの源及びx、yレチクルマークの場所を指定する、172。
【0033】
FAST走査工程は、ここで、スキャナ座標空間から高解像度装置座標空間への変換のために座標変換パラメータを計算する。具体的には、システムは、スキャナ座標空間の場所及び高解像度座標空間におけるサンプルのx軸及びy軸のずらされたシフト、回転、歪みその他の位置的な差異のすべてを求める、174。スキャナ座標空間からの情報を用いることにより、可能性のある希少細胞の場所が指定される、176。この情報が、FASTスキャナの座標変換工程の中に入射される。その後、このシステムは、前にステップ174において求められた座標変換パラメータを適用して、このスキャナ座標を高解像度装置座標に変換する、178。この情報を用いることにより、高解像度装置のx−yステージを、対応する疑わしい希少細胞の顕微鏡座標まで並進させる、180。
【0034】
ステップ176ないし180は、複数の可能性のある希少細胞に対して繰り返すことができる。或いは、この工程は、ステップ176において複数の場所を一度に指定して、178における座標変換工程の適用がすべての指定された場所を処理するように設計することができる。その後、顕微鏡ステージの並進は、可能性のある希少細胞の場所を一度に1つずつ指定する必要なしで、第1の検出場所から次の検出場所まで自動的に移動する。
【0035】
図7を参照すると、サンプル画像の生成、及び源、x、yレチクルマーク、及び可能性のある希少細胞の位置決めを含む、図6のステップ164に関連する、より詳細なものが示される。ユーザには、画像のカスタマイズ化を可能にするインターフェースが与えられる、190。ステップ192においては、ユーザはシステムが受け取るデータを定める。例えば、走査速度、及び検出器により受け取られることになる光の程度について定めることができる。ユーザは、次いで、ステップ194において、表示されるべき画像のしきい値及び/又はコントラストを定めることができる。画像が表示されると、ユーザには、マーキング機構が与えられ、196、したがって、関心のある、可能性のある希少細胞が電子的に印付けされることになる。ステップ198においては、ユーザは、後に再検査するため、及び/又は、高解像度の視認工程において用いるために、画像を画像ファイルとして格納するという選択肢を有する。
【0036】
図8及び図9は、図1ないし図3のFAST走査システムにより生成された、表示された、関心のある、可能性のある希少細胞の例示的な画像を示す。図8は、ユーザが様々な細胞を識別し、マーキング機構、すなわち、マウスのようなものであるか、又はその他の周知の指示及びマーキング機構を用いた画像200を示す。このシステムは、関心のある細胞の周りに円202を生成し、その細胞を識別するために関連のある番号をさらに付ける。一実施形態においては、ユーザは、番号及び/又は円のカラー符号化を用いることができることが興味深い。例えば、細胞1、13、及び15ないし18は、赤色の円で指定され、細胞4及び12は緑色の円で指定され、細胞14は青色で指定される。色は、あらゆる識別特性を表すことができる。一例においては、赤色が最も関心のあるものであり、緑色が二次的なものであり、青色が最低の関心のものとすることができる。
【0037】
図9を参照すると、第1の画像と同様な画像206が示されている。これにおける主な違いは、コントラストレベルを増加させた結果が示されていることであり、したがって、より激しい光が蛍光結合により生成される。ページの底部近くにおいて、物体208は、さらに別の調査に指定されていないことに注目されたい。
【0038】
図10を参照すると、図7のインターフェース制御システムに用いることができるユーザインターフェース210の前面が示されている。具体的には、ユーザは、光が獲得される場所、すなわち、メインチャネル212、サイドチャネル214、又はこれら2つの組み合わせ216から選択することができる。さらに、スライドバー218、220、及び22が与えられて、他にも項目はあるが、選択されたしきい値及びコントラストレベルに応じて、戻された画像をカスタマイズする能力をユーザに与える。強度、大きさ、2チャンネルの強度比などは、制御装置を開発することができる他の特性である。
【0039】
画像が検出され格納されると、画像ファイル(すなわち、サンプル画像)を、図7のステップ198におけるように保存することができる。この画像ファイル(例えば、希少細胞の画像ファイル)は、次に、顕微鏡システムに用いることができるようになる。
【0040】
図11Aないし図11D、及び関連する説明は、希少細胞スキャナ画像座標のような第1座標から、顕微鏡座標のような第2座標に変換するのに用いることができる座標変換システム230を述べる。しかしながら、述べられるプロセスは、画像データが、区別できる座標空間を有する画像形成システム間で転送される他の適用例にも適用可能であることを理解されたい。
【0041】
座標変換システム230は、様々な入力ブロック及び出力ブロックを含み、これらの機能は、以下により詳細に述べられる。図1の上方においては、スキャナ入力ブロック232、スキャナパラメータブロック234、236、顕微鏡入力ブロック238、及び顕微鏡パラメータブロック240、242、244が示される。座標変換システム230の下方部分は、スキャナ画像ヒットデータブロック246、シフトされたスキャナ座標ブロック248、及び回転されたスキャナ座標ブロック250を含む。さらに、前のブロックからデータを受け取るように構成された独立座標ブロック252が含まれる。その後、独立座標ブロック252は、歪められ換算された顕微鏡座標ブロック254、及び変換された顕微鏡座標ブロック258についての位置データを生成するように機能する回転された顕微鏡座標ブロック256を含む顕微鏡ブロックにより用いられる。前述のブロック部品246ないし258の下の最初の3行は、システムの適切な作動の視覚的な検証のために与えられることが理解される。具体的には、入力ブロック232の中に挿入される値は、画像ヒットデータブロック246の最初の3行のものと同じ値になる。その後、すべてのパラメータ及び値が入れられ、システムがその作動を行ったときには、変換された顕微鏡座標ブロック258の最初の3行におけるデータは、顕微鏡入力ブロック238におけるものと同じになり、適切な変容工程を確実にする。
【0042】
画像ヒットデータブロック246の入力部260及び262は、ユーザがスキャナの作業空間に位置データを入れることを可能にし、次いで、システムの作動を通して、顕微鏡座標空間における位置データを生成する。この工程の詳細は、以下の段落において展開される。
【0043】
図11Aに示されるように、部品の特定の配置は、これらの例示的な実施形態の概念に対する限定因子として意図されるものではないことが理解される。それどころか、このシステムは、図11Aとは異なる構成で設計することができ、さらに図11Aの表現を変更することもできる。
【0044】
図11Aを続けて参照すると、座標変換システム230には、如何なる値も入れられていない。しかしながら、入力ブロック232は、(i)源レチクル(origin)、(ii)yレチクル(yreticle)、(iii)xレチクル(xreticle)、及び(iv)サンプルの大きさ(slide.mm)について希少細胞スキャナから取得されるx座標及びy座標(値)を受け取るように設計される。この情報を挿入すると、座標変換システム230は、入力ブロック232の希少細胞スキャナの位置情報を、独立座標システムの位置情報に変換するパラメータ値を生成する。具体的には、ブロック234において、スキャナベースの座標空間内のサンプルのx位置及びy位置におけるあらゆるシフトを識別するパラメータは、以下により見出される。
(1)yshift(x)=yrecticle x−origin x
(2)yshift−(y)=yrecticle y−origin y
(3)xshift(x)=xrecticle x−origin x
(4)xshift(y)=xrecticle y−origin y(例えば、ブロック234の−10、1250、−390、10)
【0045】
サンプルがシフトした角度は、ラジアンで、以下により見出され、
(5)ang=−ATAN2(xshft x,xshft y)、(例えば、ブロック234の−3.11596)
ラジアン角度シフトは、以下により度に変換される。
(6)ang=DEGREES(ang)、(例えば、ブロック234の−178.531)
【0046】
xレチクル及びyレチクルに対する回転パラメータは、角度の正規化(「nrmiz」)及びスキャナシステムにおけるサンプルのあらゆる歪みの解消(「dsqu」)と併せて、ブロック236におけるパラメータを通して与えられる。これらのパラメータは、
(7)ry(x)=yreticle x−origin x*(COS(ang))−yreticle y−origin y*(SIN(ang))
(8)ry(y)=yreticle x−origin x*(SIN(ang))−yreticle y−origin y*(COS(ang))、(例えば、ブロック236の42.03747、−1249.33)
により、x軸方向におけるyレチクルの回転(ry(x))及びy軸方向におけるyレチクルの回転(ry(y))を定める。
【0047】
x軸方向におけるxレチクルの回転(rx(x))及びy軸方向におけるxレチクルの回転(rx(y))は、
(9)rx(x)=xreticle x−origin x*(COS(ang))−xreticle y−origin y*(SIN(ang))、
(10)rx(y)=xreticle x−origin x*(SIN(ang))+xreticle y−origin y*(COS(ang))、(例えば、ブロック236の390.1282、1.21E−13)
により見出される。
x軸方向におけるサンプル(slide.mm)の正規化(nrmiz)は、
(11)nrmiz(x)=slide.mm x/rx’x’
により求められ、y軸方向におけるスライドの正規化は、
(12)nrmiz(y)=slide.mm y/ry’y’(例えば、ブロック236の0.097404、0.014808)
により求められる。
【0048】
上述のパラメータ値が求められると、これらは、入力部260、262で入射される値に対して、座標変換システム230の繰り返される作動全体を通して用いられる。サンプルの歪みの解消は、以下により求められる。
(13)dsqu(x)=ry’x’/ry’y’(例えば、ブロック236の−0.03365)
【0049】
図11Bに示されるように、特定の値(例えば、origin(x)=850、origin(y)=150など)が入力ブロック232に入れられたときには、このシステムは、パラメータ値(例えば、yshift(x)−10、yshift(y)=1250を生成して、スキャナ空間における座標を独立座標空間に変容させる。画像ヒットデータブロック246を見ると、x及びyの位置データ(値)は、入力ブロック232と同じであり(例えば、850、150など)、これは、レチクルがスキャナ座標空間内に位置している場所を定める。シフトされたスキャナ座標ブロック248は、スキャナシステム(図1の10)におけるサンプルがシフトされたかどうかを示す。この情報は、前述されたパラメータを用いることにより取得される。より具体的には、源レチクル(origin)のx位置及びy位置に対するシフトされたスキャナ座標(shift−scan)は、以下により求められる。
(14)shift−scan origin(x)=origin x−origin x
(15)shift−scan origin(y)=origin y−origin y(例えば、ブロック248の最初の行、0、_0)
【0050】
yレチクルに対して何らかのシフトが生じたかどうかを求めるためには、以下の関係が用いられる。
(16)shift−scan y−reticle(x)=yreticle x−origin x
(17)shift−scan y−reticle(y)=yreticle y−origin y(例えば、ブロック248の2行目、−10、1250)
同様に、xレチクルのシフトは、以下により求められる。
(18)shift−scan x−reticle(x)=xreticle x−origin x
(19)shift−scan x−reticle(y)=xreticle y−origin x(例えば、ブロック248の3行目、−390、10)
回転されたスキャナ座標ブロック250においては、スキャナ座標システム内にある間のサンプルの回転(rotate−scan)は、x軸方向及びy軸方向における源レチクル(origin)に対して、以下により求められ、
(20)rotate−scan origin(x)=shift−scan origin(x)*(COS(ang))−shift−scan origin(y)*(SIN(ang))
(21)rotate−scan origin(y)=shift−scan origin(x)*(SIN(ang))−shift−scan origin(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の最初の行、0、_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により求められ、
(22)rotate−scan y−reticle(x)=shift−scan y−reticle(x)*(COS(ang))−shift−scan y−reticle(y)*(SIN(ang))
(23)rotate−scan y−reticle(y)=shift−scan y−reticle(x)*(SIN(ang))−shift−scan y−reticle(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の2行目における42.03747、−1249.33)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により求められる。
(24)rotate−scan y−reticle(x)=shift−scan x−reticle(x)*(COS(ang))−shift−scan x−reticle(y)*(SIN(ang))
(25)rotate−scan x−reticle(y)=shift−scan x−reticle(x)*(SIN(ang))+shift−scan x−reticle(y)*(COS(ang))(例えば、ブロック250の3行目における390.1282、1.21E−13)
【0051】
ブロック234及び236のパラメータ値を、あらゆるシフトされたスキャナ座標248又は回転されたスキャナ座標250の位置と併せて求めることにより、システムは、次いで、以下の関係を用いて、独立座標ブロック252において述べられたように、独立座標の位置決め(inde−scan)を生成できるようになる。具体的には、独立座標空間内のx軸方向及びy軸方向における源レチクル(origin)は、以下により見出され、
(26)inde−scan origin(x)=rotate−scan origin(x)−(dsqu*rotate−scan origin(y))*nrmiz’x’
(27)inde−scan origin(y)=rotate−scan origin(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の最初の行における0,_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは以下により見出され、
(28)inde−scan y−reticle(x)=rotate−scan y−reticle(x)−(dsqu*rotate−scan y−reticle(y))*nrmiz’x’
(29)inde−scan y−reticle(y)=rotate−scan y−reticle(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の2行目における0,−18.5)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(30)inde−scan x−reticle(x)=rotate−scan x−reticle(x)−(dsqu*rotate−scan x−reticle(y))*nrmiz’x’
(31)inde−scan x−reticle(y)=rotate−scan x−reticle(y)*nrmiz’y’(例えば、ブロック252の3行目における38,1.79E−15)
【0052】
先の作動は、スキャナ座標空間とは別個の独立座標空間(すなわち、独立座標ブロック252)に対する座標値を生成する。この設計は、これらの独立座標を、次いで、顕微鏡座標空間に変容させることを可能にする。図11Bから分かるように、入力区域238には、まだ顕微鏡座標空間の源レチクル、及びxレチクル及びyレチクルの指定された場所が与えられていない。この情報が与えられると、システムは、次いで、ブロック252の独立座標情報を始点として用いて、歪められ換算された顕微鏡座標(すなわちブロック254)と、回転された顕微鏡座標(すなわちブロック256)とを生成し、シフトされて(すなわちブロック258)、変換された顕微鏡座標ブロック258に対する顕微鏡座標パラメータを生成する。
【0053】
独立空間においては、レチクルの座標は、互いに丁度直角であり、完全な大きさを有し、シフトはされていない。これらの特性は、入力空間又は出力空間のいずれにおいても、必ずしも存在しなければいけないものではない。
【0054】
図11Cを参照すると、入力ブロックは、源レチクル(origin)、yレチクル(yreticle)、xレチクル(xreticle)及びサンプルの大きさ(slide.mm)に対して、顕微鏡システムから取得されたx座標及びy座標を受け取るようにされている。この情報を用いることにより、パラメータの組の式240を用いて、x、y軸方向におけるデルタyレチクル(dltaYret)及び角度の斜辺(r)が、以下を解くことにより求められ、
(32)dltaYret(x)=(yret x)−(orig x)
(33)dltaYret(y)=(yret y)−(orig y)
(34)dltaYret(r)=SQRT(SUMSQ(dltaYret x,dltaYret y))(例えば、ブロック240の5,1840,1840.007)デルタxレチクル(dltaXret)が、以下を解くことにより求められる。
(35)dltaXret(x)=(xret x)−(orig x)
(36)dltaXret(y)=(yret y)−(orig y)
(37)dltaXret(r)=SQRT(SUMSQ(dltaXret x,dltaYret y))(例えば、ブロック240の3775,−10,3775.013)
【0055】
その後、源、yレチクル及びxレチクルにより、ラジアン及び度で形成された線角であるアルファ、ベータ、及びガンマ値が以下により見出され、
(38)alpha(rad)=ATAN2(dltaXret x,dltaXret y)
(39)alpha(deg)=DEGREES(alpha rad)
(40)beta(rad)=0.5*π+ATAN2(dltaYret x,dltayret y)
(41)beta(deg)=DEGREES(beta rad)
(42)gama(rad)=alpha rad)−(beta rad)
(43)gama(deg)=DEGREES(’gama’ rad)(例えば、ブロック242の−0.00265、−0.15178、3.138875、179.8443、−3.14152、−179.996)ここで、dltaXretはxレチクルのデルタを表わし、dltaYretはyレチクルのデルタを表す。
【0056】
さらにパラメータに注目すると、顕微鏡座標変換に対するサンプルの水平方向の換算(horiz scale)、垂直方向の換算(vert scale)、tanGama方向の換算(tanGama scale)は、以下により見出される。
(44)horiz scale=(dltaXret’r’)/slide.mmX (45)vert scale(dltaYret’r’)*COS(’gama’rad)/slide.mmX
(46)tanGama scale=TAN(’gama’rad)(例えば、ブロック244の99.34245、−99.4598、6.84E−05)
【0057】
続けて図11Cに注目すると、顕微鏡入力部分238の中に値を挿入することにより、独立座標空間の特定の座標点の変換に用いられるべき対応するパラメータが、ここで、顕微鏡座標空間への転送のために取得されることになる。
【0058】
この情報を用いることにより、システムは、次いで、歪められ換算された顕微鏡座標ブロック254の歪められ換算された顕微鏡座標に対する値、回転された顕微鏡座標ブロック256における回転された顕微鏡座標に対する値、及び変換された顕微鏡座標ブロック258におけるシフトされた顕微鏡座標パラメータに対する値を生成する。
【0059】
ブロック254に注目すると、座標変容工程に用いられるべきサンプルの歪められ換算された顕微鏡座標(sk/scl−scope)は、以下によりx軸方向及びy軸方向における源レチクルに対して見出され、
(47)sk/scl−scope origin(x)=(inde−scan origin(x)*horiz scale+inde−scan origin(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(48)sk/scl−scope origin(y)=inde−scan origin(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の最初の行における0,_0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により見出され、
(49)sk/scl−scope y−reticle(x)=inde−scan y−reticle(x)*(horiz scale)+inde−scan y−reticle(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(50)sk/scl−scope y−reticle(y)=inde−scan y−reticle(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の2行目における0.12583、1840.0)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(51)sk/scl−scope x−reticle(x)=inde−scan x−reticle(x)*(horiz scale)+(inde−scan x−reticle(y)*(vert scale)*(tanGama scale)) (52)sk/scl−scope x−reticle(y)=inde−scan x−reticle(y)*(vert scale)(例えば、ブロック254の3行目における3775.01、−1.8E−13)
【0060】
顕微鏡座標空間におけるサンプルの回転を求めるために(rotate−scope)(ブロック256)、以下の式が適用され、ここでは、x軸方向及びy軸方向における源レチクルは、以下により見出され、
(53)rotate−scope origin(x)=sk/scl−scope origin(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope origin(y)*(SIN(alpha rad)
(54)rotate−scope origin(y)=sk/scl−scope origin(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope origin(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の最初の行における0,0)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により見出され、
(55)rotate−scope y−reticle(x)=sk/scl−scope y−reticle(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope y−reticle(y)*(SIN(alpha rad)
(56)rotate−scope y−reticle(y)=sk/scl−scope y−reticle(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope y−reticle(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の2行目の5、1840)
最後に、x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により見出される。
(57)rotate−scope x−reticle(x)=sk/scl−scope x−reticle(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope x−reticle(y)*(SIN(alpha rad)
(58)rotate−scope x−reticle(y)=sk/scl−scope x−reticle(y)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope x−reticle(y)*(COS(alpha rad)(例えば、ブロック256の3行目の3775、−10)
【0061】
このデータを用いることにより、x軸方向及びy軸方向における変換された顕微鏡座標パラメータ(convert−scope)(ブロック258)を、以下により、x軸方向及びy軸方向における源レチクルに対して取得することができ、
(59)convert−scope origin(x)=rotate−scope origin(x)+(orig x)
(60)convert−scope origin(y)=rotate−scope origin(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の最初の行の−705、1090)
x軸方向及びy軸方向におけるyレチクルは、以下により取得することができ、
(61)convert−scope y−reticle(x)=rotate−scope y−reticle(x)+(orig x)
(62)convert−scope y−reticle(y)=rotate−scope y−reticle(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の2行目の−700、2930)
x軸方向及びy軸方向におけるxレチクルは、以下により取得することができる。
(63)convert−scope x−reticle(x)=rotate−scope x−reticle(x)+(orig x)
(64)convert−scope x−reticle(y)=rotate−scope x−reticle(y)+(orig y)(例えば、ブロック258の3行目の3070、1080)
【0062】
上述の座標変換パラメータが取得されたことにより、ユーザは、次に、直接であるか又は自動的に、図9及び図10に示されるもののような物体(例えば、可能性のある希少細胞)に対する希少細胞スキャナ座標を入射することができる。これらの物体に対するx座標及びy座標は、それぞれ、図11Dの列260、262の中に入れられる。このシステムは、次いで、或る物体のx及びyの希少細胞スキャナ座標(例えば、x=1000、y=2132)を独立座標空間座標(例えば、x=−16.1636、y=−29.3966)に変換し、その後、顕微鏡座標空間座標(例えば、x=−2302.79、y=4018.019)に変換する。
【0063】
或る物体(object 1−object+n)の入れられた座標(x=1000及びy=2132)値(value(x)、value(y))の変換を達成する方法が、ここで、以下により詳細に述べられる。これらの値に対して列260及び262に挿入されたシフトされたスキャナ座標(shift−scan)は、以下によるものである。
(65)shift−scan(object 1)(x)=value(x)−origin x
(66)shift−scan(object 1)(y)=value(y)−origin y
【0064】
x軸方向及びy軸方向における物体の回転されたスキャナ座標(rotate−scan)は、以下により見出される。
(67)rotate−scan(object 1)(x)=shift−scan(object 1)(x)*(COS(ang))−shift−scan(object 1)(y)*(SIN(ang))
(68)rotate−scan(object 1)(y)=shift−scan(object 1)(x)*(SIN(ang))−shift−scan(object 1)(y)*(COS(ang))
【0065】
与えられた関係を用いることにより、x軸方向及びy軸方向における入れられた座標の独立座標(inde−scan)は、以下により見出される。
(69)inde−scan(object 1)(x)=rotate−scan(object 1)(x)−(dsqu*rotate−scan(object 1)(y))*nrmiz’x’
(70)inde−scan(object 1)(y)=rotate−scan(object 1)(y)*nrmiz’y’
【0066】
取得された独立座標から、列260及び262に入射されたx座標及びy座標に対する歪められ換算された顕微鏡座標(sk/scl−scope)が以下により見出される。
(71)sk/scl−scope(object 1)(x)=inde−scan(object 1)(x)*horiz scale+(inde−scan(object1)(y)*(vert scale)*(tanGama scale))
(72)sk/scl−scope(object 1)(y)=inde−scan(object 1)(y)*(vert scale)
その後、列260及び262におけるx値及びy値に対する回転された顕微鏡座標(rotate−scope)が、以下により求められる。
(73)rotate−scope(object 1)(x)=sk/scl−scope(object 1)(x)*(COS(alpha rad))−sk/scl−scope(object 1)(y)*(SIN(alpha rad))
(74)rotate−scope(object 1)(y)=sk/scl−scope(object 1)(x)*(SIN(alpha rad))+sk/scl−scope(object 1)(y)*(COS(alpha rad))
【0067】
最後に、列260及び262からの値が、以下により、最終的に、x軸方向及びy軸方向における顕微鏡座標空間に変換される(convert−scope)。
(75)convert−scope(object 1)(x)=rotate−scope(object 1)(x)+(orig x)
(76)convert−scope(object 1)(y)=rotate−scope(object 1)(y)+(orig y)
【0068】
したがって、上述の方法は、第1座標空間における座標点を第2座標空間における座標点に変容させることを可能にする。上の説明は、希少細胞画像スキャナから顕微鏡座標空間への変容に着目されたが、座標変換システム230は、この実施に限定されるものではない。それどころか、このシステムは、区別できる画像形成システムの座標空間の間での変換に用いることができる一般化された平坦な物体位置の位置決め工程を教示するように考慮される。
【0069】
述べられたシステムは、直角三角形のほぼ頂点に配置されたレチクルマークのような少なくとも3つのマークをもつ物体ホルダ(例えば、スライド/サンプル)を利用する。第1の画像形成装置は、次いで、第1座標空間を定め、該第1座標空間におけるレチクルマークが指定される。次に、サンプル又はサンプル画像が、第2の座標空間を定める第2の画像形成装置に与えられ、レチクルマークがこの第2座標空間に指定される。第1座標空間及び第2座標空間からのこれらの指定されたレチクルマークの座標を用いることにより、座標変換パラメータに対する値が計算されて、変容工程を行うのに用いられる。開示される機構は、異なる、おそらくは不完全な座標空間をもつ2つの装置の走査速度がこれらの工程方向に対して垂直ではなくても、及び物体ホルダが不注意に回転されるか、歪められるか、或いは別の方法により動かされたとしても、これらが共に作動することを可能にする。
【0070】
上の説明においては、源レチクル及びxレチクルを用いて水平方向軸を定め、該源レチクル及びyレチクルを用いて水平方向軸を定めた。もちろん、この説明は、この設計に限定されるものではなく、他の軸構成を用いることができる。述べられたステップは、第1座標空間の位置情報の独立座標空間に対するシフトの解消、回転の解消、及び歪みの解消を含むように挙げられた。このシステムは、次いで、独立座標空間の情報を、顕微鏡(又は目標)座標空間に歪め、回転し、かつシフトする。これらのステップは、述べられた順番で行う必要はなく、他のステップを用いてサンプルの位置を求めることもできる。
【0071】
システム230は、図12に示されるように、逆方向で作動するように十分にモジュール化される。具体的には、或る物体の座標が第2座標空間(すなわち、顕微鏡ヒットデータブロック)に配置され、図11Aないし図11Dに関連して前述されたように、座標情報の挿入により、この工程は、この情報を第1座標空間(すなわち、変換された画像座標ブロック)に戻すように変換する。
【0072】
図12におけるような逆方向における工程を可能にするこのシステムのモジュール性をより完全に説明するために、図11A及び図12の間の比較をする。図12においては、種々の入力ブロックの識別がわずかに変化されている。具体的には、「スキャナ」ブロックであったものが、ここでは、「顕微鏡」情報を保持するか又は生成するように識別されている。したがって、これらのブロックは、「素数(N)」として識別される。例えば、図11Aにおいては、入力ブロック232は、(i)源レチクル、(ii)yレチクル、(iii)xレチクル、及び(iv)サンプルの大きさに対して、希少細胞(FAST)スキャナから取得されたx座標及びy座標を保持するか又はこれが入射されたとして識別される。図12におけるブロック232Nは、同様の情報を保持するが、これは顕微鏡座標システムからのものである。この情報は、図11Aのパラメータブロック234及び236に述べられた、述べられた関係により用いられる。同じ関係が用いられるため、ブロック234及び236は、図12におけるものと同じように番号が付けられることに注意されたい。図12の入力ブロック238Nは、図11Aの238と同じ入力区域を含むが、これは、スキャナ画像座標システムに関連するデータに対するものである。この情報は、図11Aないし図11Dと関連して述べられたものと同じ関係を含むパラメータブロック240、242、及び244に用いられる。
【0073】
同様に、図12のブロック246N、248N、及び250Nは、図11Aないし図11Dのスキャナ列246、248、及び250と相関する顕微鏡座標システム列である。列248及び250においては、この関係は、図11Aないし図11Dの説明に述べられたものと同じであるが、入射される値は、列246Nの顕微鏡ヒットデータ値になることに注意されたい。
【0074】
図12の独立座標列252Nは、さらに、図11Aないし図11Dの独立座標列252と対応する。ここでも、与えられる値は、顕微鏡座標システムからのものであるという区別がある。前述の列に関する説明におけるように、歪められ換算された画像座標列254N、及び回転された画像座標列256Nに対しても同様の観察がなされる。最後に、列258Nは、スキャナ座標空間における変換された画像座標を示す。
【0075】
したがって、このモジュール化システムは、ユーザに対して、単一方向における変容を可能にするだけではなく、2つの座標空間での伝達を可能にする。
【0076】
図11Aないし図11D及び図12のシステム230は、ほぼ自動化された作動として設計される。ユーザは、座標情報をブロック232及び238に入射して、その後、関心のある物体の位置情報を列260及び262に入れるだけでよい。その後、システムは、自動的に、変換された顕微鏡座標データを与える。
【0077】
述べられたシステムは、情報の入力を完全に自動化するように設計できることを認識されたい。具体的には、サンプルを画像形成システムに入力することは、該画像形成システムが、ブロック232に対する座標位置に関する情報を取得して、自動的にこの情報をソフトウェアプログラムの中に挿入することを可能にする。その後、例えば、図4Aないし図4Cに示されるような通常の伝送工程により、サンプルは、自動的に、顕微鏡システムのようなより高い解像度の装置に移動され、顕微鏡環境における位置が自動的に求められ、さらに、ブロック238の中に入れられる。その後、関心のある物体の位置データが、自動的に、ブロック260、262に与えられる。
【0078】
さらに、図8及び図9に関する実施形態に戻ると、円形の画像202が電子スクリーン画像上に示される。本実施形態においては、さらに、サンプル自体上の物理的なマーキングを表すことが意図されることを認識されたい。具体的には、図13に示されるように、自動マーキングシステム260は、スライド264上に直接マーク262(円形その他の形態で)を与えるように移動されて位置させられる。マークは、関心のある物体266と関連して置かれる。このシステムを用いることにより、関心のある物体の位置に関する恒久的な記録が取得される。顕微鏡システムによる物体の位置決めに対して述べられたものと同じ方法により、印刷のための場所が印刷装置において求められる。マーキングシステムは、十分に小さい量を、ガラスのような適切な基板上に印刷することができるあらゆる周知のマーキングシステムとすることができる。適切なマーキングシステムの例は、とりわけ、圧電プリンタ、音響プリンタ、又はレーザプリンタとすることができる。この印刷工程を用いる利点は、サンプルが、印刷に続いて、物体の場所のデータファイルを伴う必要がないことである。このことは、自動化されていない臨床環境において有益性が見出される実施とすることができる。
【0079】
本実施形態の別の態様は、スキャナにおけるあらゆる周知の(固定された)非線形欠陥を変換工程に含むことである(すなわち、走査の非線形)。リアルタイムの非線形欠陥は、さらに、述べられた位置測定システムがリアルタイムの位置測定を行うようにすることにより、変換工程において対処することができる。
【符号の説明】
【0080】
10:イメージャ
12:サンプル
14:生物学的塗抹標本
16:スライド
20:ステージ
24:モータ
40:光ファイバー束
48:入射側アパーチャ
52:出射側アパーチャ
60:走査用放射線源
80:電子制御ユニット
90:信号検出器
98:光検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の位置を取得する方法であって、
少なくとも1つの物体を支持し、実質的に直角を形成する位置に配置されたレチクルマークを有するスライドを、第1画像形成システムのスライドホルダに位置決めし、
前記第1画像形成システムの第1座標空間を定義し、
前記第1座標空間において前記レチクルマークの座標を指定し、
第2画像形成システムの第2座標空間を定義し、
前記第2座標空間において前記レチクルマークの座標を指定し、
前記第1座標空間の前記レチクルマークの指定された座標を用いて、座標変換パラメータを計算し、
前記第1座標空間において前記少なくとも1つの物体の座標を指定し、
前記座標変換パラメータを用いて、前記少なくとも1つの物体の前記第1座標空間座標を、前記第2座標空間における独自の座標に変換する
ことからなる方法。
【請求項2】
前記変換が線形法である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の座標空間における前記独自の座標が、x−yステージの運動を制御するのに用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の座標空間における前記独自の座標が、物体ホルダ上に識別マークを位置決めして、前記物体を視覚的に識別するように用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変換が、さらに、前記第2座標空間から前記第1座標空間に進む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
平坦な物体位置の位置決め装置であって、
第1座標空間を有し、画像サンプルの画像の位置データが該第1座標空間の第1座標として定められるようになった第1画像形成システムと、
第2座標空間と、
を備え、
画像形成されたサンプルの画像の位置データが前記第2座標空間の第2座標として定められ、
前記第1座標の位置データを受け取り、該第1座標の位置データに対応する第2座標の位置データを生成するように構成された座標位置変換システムが設けられた、
ことを特徴とする位置決め装置。
【請求項7】
前記第1又は第2の画像形成システムの1つが高速スキャナ走査システムである請求項6に記載の位置決め装置。
【請求項8】
前記高速スキャナシステムが、
生物学的塗抹標本を有するサンプルを支持する並進ステージと、
前記並進ステージ上の前記生物学的塗抹標本を視認する入射側アパーチャを定めるように配置された第1ファイバー端部の近位束端部と、前記入射側アパーチャとは異なる形状に成形され、前記並進ステージから遠い側に配設された出射側アパーチャを定めるように配置された第2ファイバー端部の遠位束端部とを有する光ファイバー束と、
前記入射側アパーチャに対して固定された相対位置に配置され、前記入射側アパーチャの視野領域内にある前記生物学的塗抹標本上で放射線ビームを走査する走査用放射線源と、
を含み、
前記放射線ビームは、前記生物学的塗抹標本と相互作用して、前記入射側アパーチャにより受信され、前記光ファイバー束を介して前記出射側アパーチャに送信される光信号を生成し、
前記遠位束端部において前記光信号を検出するように配置された光検出器と、
前記光検出器により検出された前記光信号を処理して、前記生物学的塗抹標本における希少細胞の存在を識別するようにされたプロセッサと、
が設けられた請求項7に記載の位置決め装置。
【請求項1】
物体の位置を取得する方法であって、
少なくとも1つの物体を支持し、実質的に直角を形成する位置に配置されたレチクルマークを有するスライドを、第1画像形成システムのスライドホルダに位置決めし、
前記第1画像形成システムの第1座標空間を定義し、
前記第1座標空間において前記レチクルマークの座標を指定し、
第2画像形成システムの第2座標空間を定義し、
前記第2座標空間において前記レチクルマークの座標を指定し、
前記第1座標空間の前記レチクルマークの指定された座標を用いて、座標変換パラメータを計算し、
前記第1座標空間において前記少なくとも1つの物体の座標を指定し、
前記座標変換パラメータを用いて、前記少なくとも1つの物体の前記第1座標空間座標を、前記第2座標空間における独自の座標に変換する
ことからなる方法。
【請求項2】
前記変換が線形法である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の座標空間における前記独自の座標が、x−yステージの運動を制御するのに用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の座標空間における前記独自の座標が、物体ホルダ上に識別マークを位置決めして、前記物体を視覚的に識別するように用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記変換が、さらに、前記第2座標空間から前記第1座標空間に進む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
平坦な物体位置の位置決め装置であって、
第1座標空間を有し、画像サンプルの画像の位置データが該第1座標空間の第1座標として定められるようになった第1画像形成システムと、
第2座標空間と、
を備え、
画像形成されたサンプルの画像の位置データが前記第2座標空間の第2座標として定められ、
前記第1座標の位置データを受け取り、該第1座標の位置データに対応する第2座標の位置データを生成するように構成された座標位置変換システムが設けられた、
ことを特徴とする位置決め装置。
【請求項7】
前記第1又は第2の画像形成システムの1つが高速スキャナ走査システムである請求項6に記載の位置決め装置。
【請求項8】
前記高速スキャナシステムが、
生物学的塗抹標本を有するサンプルを支持する並進ステージと、
前記並進ステージ上の前記生物学的塗抹標本を視認する入射側アパーチャを定めるように配置された第1ファイバー端部の近位束端部と、前記入射側アパーチャとは異なる形状に成形され、前記並進ステージから遠い側に配設された出射側アパーチャを定めるように配置された第2ファイバー端部の遠位束端部とを有する光ファイバー束と、
前記入射側アパーチャに対して固定された相対位置に配置され、前記入射側アパーチャの視野領域内にある前記生物学的塗抹標本上で放射線ビームを走査する走査用放射線源と、
を含み、
前記放射線ビームは、前記生物学的塗抹標本と相互作用して、前記入射側アパーチャにより受信され、前記光ファイバー束を介して前記出射側アパーチャに送信される光信号を生成し、
前記遠位束端部において前記光信号を検出するように配置された光検出器と、
前記光検出器により検出された前記光信号を処理して、前記生物学的塗抹標本における希少細胞の存在を識別するようにされたプロセッサと、
が設けられた請求項7に記載の位置決め装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−177697(P2012−177697A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−83670(P2012−83670)
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【分割の表示】特願2004−358696(P2004−358696)の分割
【原出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【出願人】(399038620)ザ スクリプス リサーチ インスティチュート (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月2日(2012.4.2)
【分割の表示】特願2004−358696(P2004−358696)の分割
【原出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【出願人】(399038620)ザ スクリプス リサーチ インスティチュート (51)
【Fターム(参考)】
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