説明

センサーを製作するための方法

【課題】サイズが小さく、大量に効果的に生産できる高感度圧力センサを製造するための方法を提供する。
【解決手段】第1のデバイスウエハーをエッチングされた第2のデバイスウエハーに接合して架設された構造を作る、センサー10を製作するための方法が、開示され、その構造のたわみは、第1のデバイスウエハーのデバイス層110に埋め込まれた相互接続部400を通じてセンサー10の外面と電気的に連通する埋め込まれた感知素子310によって決定される。架設された構造は、封鎖物500によって封入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は一般に、機械的応力、化学機械的応力、熱応力、電磁場、および同様のものから生成される小さな力またはたわみを検出するために使用できる、半導体微小電気機械システム(MEMS)に基づくセンサー構成に関する。より詳しくは、本明細書で開示される主題は、MEMSに基づく圧力センサーおよび前述のものを製作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体マイクロエレクトロニクスおよびMEMSに基づくセンサーの進歩は、そのようなセンサーのサイズおよびコストを低減するのに大いに役立った。シリコンマイクロセンサーの電気的および機械的特性は、十分に記録にとどめられた。シリコン微細加工および半導体マイクロエレクトロニクス技術は、多数の実際的用途を持つ活気あるセンサー産業へと開花した。例えば、微細加工されたシリコン圧力センサー、加速度センサー、流量センサー、湿度センサー、マイクロフォン、機械的振動子、光およびRFのスイッチおよびアッテネーター、マイクロバルブ、インクジェット印刷ヘッド、原子間力顕微鏡チップならびに同様のものは、大量の医療用、航空宇宙用、工業用および自動車用市場でさまざまな用途に入り込んでいることが広く知られている。シリコンの高い降伏強度、室温での弾性、および硬度の特性は、シリコンを例えば電子周波数制御またはセンサー構造体に有用なこともある共鳴構造体のための理想的なベース材料にする。時計、スキューバダイビング機器および携帯型タイヤ圧力計などの消費財でさえ、シリコン微細加工センサーを組み込むこともある。
【0003】
絶えず拡大する使用分野でのシリコンセンサーに対する需要は、特定の環境および用途のために最適化される新しくかつ異なるシリコンマイクロセンサー形状および構成の必要性を刺激し続ける。あいにく、伝統的なバルクシリコン微細加工技術の欠点は、結果として得られるシリコン微細構造体の輪郭および形状が製作方法によって著しく制限されているということであった。例えば、シリコン構造体を従来のエッチング技術でエッチングすることは、ある程度は、シリコン基板の結晶方位によって制約され、それは、多くの所望の構造体の形状および小型化の努力を制限する。
【0004】
圧力を測定するためにマイクロセンサーを使用することの増加は、例えばコンデンサとしておよび静電気力を生じさせるために使用される小さなシリコン平板構造体の開発を促した。例えば、互いにかみ合ったポリシリコン平板の配列を使用して静電容量を測定するマイクロセンサーが存在する。同様に、層状平板の配列を使用して静電気力を生じさせるマイクロセンサーが存在する。さらに、圧力または加速度などの力に応答してシリコン構造体のたわみまたは曲げを測定するマイクロセンサーが存在する。
【0005】
一般に微小電気機械デバイスおよび特に圧力センサーについての使用分野の拡大は、ますます小さくなるデバイスに対する需要を生み出した。あいにく、圧力の小さな変化にもまた著しく敏感であるより小さなデバイスを生産する困難があった。デバイスの小さなサイズおよび使用される形状の薄い性質のために、従来技術が所要の厳しい公差を維持することは困難である。
【0006】
サイズが小さいだけでなく、大量に効果的に生産できる高感度圧力センサーを製造するための方法を提供することは、有利なことになる。
【発明の概要】
【0007】
センサーを製作するための方法が、開示され、一実施形態では、第1のデバイスウエハーの第1のデバイス層の上面に相互接続窓を形成するステップであって、第1のデバイスウエハーは、第1のデバイス層、第1の絶縁体層、および第1のハンドル層を備え、第1の絶縁体層は、第1のデバイス層と第1のハンドル層との間に位置する、ステップと、第1のデバイス層に相互接続部を配置するステップであって、相互接続部は、第1のデバイスウエハーの上面に隣接して第1のデバイス層に沿って延びる間隔を介した内側および外側相互接続部、相互接続窓の一部分に隣接して位置する下部相互接続部、内側相互接続部および下部相互接続部を接続する相互接続フィードスルー、ならびに外側相互接続部および下部相互接続部を接続する外側相互接続フィードスルーを備える、ステップと、第2のデバイスウエハーの第2のデバイス層の上面に隔膜空洞を形成するステップと、前記第1のデバイス層の上面を第2のデバイス層の上面に接合して、隔膜空洞を覆って隔膜を形成するステップと、第1のハンドル層および第1の絶縁体層を第1のデバイスウエハーから除去するステップと、隔膜のたわみを感知するために隔膜に隣接して第1のデバイス層に感知素子を配置するステップと、内側および外側相互接続部間で隔膜を覆って封鎖物を接合するステップとを含む。
【0008】
本発明の特徴が理解できるように、本発明の詳細な記述は、ある実施形態を参照することによってなされてもよく、それのいくつかは、付随する図面で例示される。しかしながら、本発明の範囲は、他の同等に効果的な実施形態を包含するので、図面は、この発明のある実施形態を例示するだけであり、従ってこの発明の範囲を限定すると考えるべきでないことに留意すべきである。図面は、必ずしも一定の縮尺でなく、一般に本発明のある実施形態の特徴を例示することに重きが置かれている。それ故に、本発明のさらなる理解のために、図面に関連して読まれる次の詳細な記述が、参照されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態での例となるセンサーの横断面図である。
【図2】本発明の一実施形態でのセンサーを製作するために使用される2つの例となるシリコンオンインシュレータデバイスウエハーの横断面図である。
【図3】本発明の一実施形態でのセンサーを製作するための例となるプロセスの流れ図である。
【図4】本発明の一実施形態でのエッチングされたパッシベーション層を備える第1のデバイスウエハーの例となる横断面図である。
【図5】本発明の一実施形態での相互接続窓を備える第1のデバイスウエハーの例となる横断面図である。
【図6】本発明の一実施形態での相互接続窓、下部相互接続部、ならびに内側および外側下部相互接続フィードスルーを備える第1のデバイスウエハーの例となる横断面図である。
【図7】本発明の一実施形態での隔膜空洞を備える第2のデバイスウエハーの例となる横断面図である。
【図8】本発明の一実施形態での第2のデバイスウエハーの第2のデバイス層に接合された第1のデバイスウエハーの例となる第1のデバイス層の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この書かれた記述は、例を使用してベストモードを含む本発明を開示し、またどの当業者も任意のデバイスまたはシステムを作り、使用しかつ任意の組み込まれた方法を行うことを含む本発明を実施することを可能にもする。本発明の特許を受けることができる範囲は、クレームによって規定され、当業者には思い当たる他の例を含んでもよい。そのような他の例は、もしそれらがクレームの文字通りの言葉と異ならない構造要素を有するならば、またはもしそれらがクレームの文字通りの言葉とごくわずかしか違わない同等の構造要素を含むならば、クレームの範囲内であることを意図している。
【0011】
例となる微細加工圧力センサーは、シリコン構造体内に空洞および空洞に隣接して隔膜を形成することによって作ることができる。選択された基準圧力に関して測定が行われる、絶対圧力センサーの実施形態では、空洞は、真空にまたは選択された内部圧力に保持されてもよい。圧力センサーは、隔膜のたわみ、例えば隔膜の裏面に作用する圧力が、隔膜を覆って配置された封鎖物によって形成される基準圧力を有する圧力室の方へ隔膜をどの程度片寄らせるかを感知することによって圧力を測定する。隔膜のエッジの近くに形成される1つまたは複数の感知素子は典型的には、隔膜のたわみまたは片寄りを感知する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態でのセンサー10の例となる横断面図である。センサー10は、処理され、一緒に接合される2つのウエハー、例えば2つのシリコンオンインシュレータ(SOI)半導体ウエハー、SOIウエハーおよび両面研磨(DSP)半導体ウエハー、または1つがエピウエハーである2つのDSPウエハーを使用して製造できる。図2は、本発明の一実施形態での2つの例となる出発ウエハーを示す。第1および第2のデバイスウエハー100および200はそれぞれ、第1および第2のデバイス層110および210、第1および第2の絶縁体層120および220、ならびに第1および第2のハンドル層130および230をそれぞれ有するSOIウエハーとすることができる。第1のデバイス層110は、一実施形態では、n型ドーピングを有し、センサー10の動作的および物理的設計特性を満たすように適切な厚さとすることができる単結晶シリコン基板とすることができる。第2のデバイス層210は、一実施形態では、特定の設計仕様を満たすように選択された厚さとすることができ、n型またはp型ドーピングを有することができる単結晶シリコン基板とすることができる。SOIウエハーのさまざまな層の厚さは、従来のSOIチップ製造技術を使用して正確に設定でき、以下で述べるように、層の正確な厚さがセンサー10のその後の動作的および物理的特性を決定するように選択できる。第1および第2の絶縁体層120および220は、一実施形態では、二酸化シリコンとすることができ、センサー10の製造および設計要件を満たすように適切な厚さとすることができる。第1および第2のハンドル層130および230は、製造プロセスの間に第1および第2のデバイスウエハー100および200をそれぞれ把持するために使用でき、第1および第2の絶縁体層120および220が第1および第2のデバイス層110および210と第1および第2のハンドル層130および230との間にそれぞれ位置決めされるように配置できる。第1および第2のハンドル層130および230は、例えばn型またはp型シリコンで構成されてもよく、センサー10の設計および製造要件を満たすように適切な厚さとすることができる。一実施形態では、第2のデバイスウエハー200は、両面研磨シリコンウエハーとすることができ、それは、一実施形態では、n型またはp型ドーピングを有してもよく、センサー10の設計および製造要件を満たすように適切な厚さとすることができる。一緒にして、センサー10を構成するさまざまな層の厚さは、デバイスの全体の厚さがセンサー10の動作的および物理的設計特性を満たすように選択できる。
【0013】
図1を再度参照すると、センサー10は、第1のデバイス層110および第2のデバイス層210で構成できる。1つまたは複数の感知素子310、例えばp型ピエゾ抵抗感知素子は、シリコン構造体、特にセンサー10内の開いた隔膜空洞240を覆って架設された隔膜300のたわみを感知するために第1のデバイス層110内に戦略的に注入されるまたは拡散されてもよい。センサー10はまた、例えば二酸化シリコン層、窒化シリコン層、または両方の組合せで構成されてもよいセンサーパッシベーション層180および上部デバイスパッシベーション層160を含むこともできる。センサーパッシベーション層180は、製造および動作の間に電気絶縁および保護をセンサー10に提供することができる。第1のデバイス層110に形成される1つまたは複数の相互接続部400は、1つまたは複数の感知素子310をセンサー10の外面に電気的に結合することができ、一方1つまたは複数の金属化層600は、相互接続部400とセンサー10の外部コンタクトとの間の電気的接続性を提供することができ、その結果センサー10は、例えばリード線取り付け具を通じて他のデバイスまたは接続部に電気的に結合できる。相互接続窓350内に位置する上部デバイスパッシベーション層160の一部分は、以下で述べるように、製造の間に下部相互接続部420となる第1のデバイス層110のそれらの部分を守る働きをすることができる。第1のデバイス層110に接合された封鎖物500は、隔膜300の上に圧力室510を形成し、それの内側の圧力は、設計および性能仕様を満たすように任意に選択できる。
【0014】
図1を参照して、例となるセンサー10およびそれの動作が、本発明の一実施形態で述べられる。センサー10は、第1のデバイス層110に接合できる第2のデバイス層210に形成される隔膜空洞240を覆って第1のデバイス層110に形成される薄層化構造体すなわち隔膜300のたわみを測定することにより動作することができる。隔膜300は、センサー10でたわみ構造体としての役割を果たすことができる。隔膜300の下方の圧力が変化すると、隔膜300は、圧力室510内の圧力に関して隔膜空洞240の方へまたはそれから離れてたわむことになる。隔膜300は、隔膜300に働く圧力から予測できるように隔膜空洞240に関してたわむことになる。隔膜300のたわみは、隔膜300のエッジでまたはその近くで第1のデバイス層110に形成される1つまたは複数の感知素子310によって検出できる。ピエゾ抵抗感知素子を使用する一実施形態では、感知素子310の抵抗は、1つまたは複数の金属化層600に取り付けられた1つまたは複数の相互接続部400を使用して相互接続されるホイートストンブリッジ回路または同様のものなどの回路を用いて決定できる。電気的インターフェースまたは他のそのようなデバイスが、別のデバイスと電気的に連通するセンサー10を配置するために金属化層600の端部に取り付けられてもよい。ピエゾ抵抗感知素子310の抵抗は、隔膜300のたわみによって変化する。それ故に、感知素子310のピエゾ抵抗性抵抗の測定結果は、隔膜300のたわみ量を決定し、それによってセンサーに働く圧力を決定するために使用できる。
【0015】
図1で例示されるものに似たシリコンセンサーを製作するための例となるプロセスは、図1から8を参照して説明される。図3は、本発明の一実施形態でのセンサー10を製作するための例となるプロセスの流れ700である。図3および4を参照して、図3のステップ701では、上部および下部デバイスパッシベーション層140および150がそれぞれ、製作プロセスの間にデバイスウエハー100を保護し、絶縁するために、例えば二酸化シリコン層、窒化シリコン層、または両方の組合せを使用してデバイスウエハー100の上部および下部表面に堆積されてもよい。次に、ステップ705では、開いていることができる相互接続窓350が、上部パッシベーション層140に形成され、第1のデバイス層110に延びてもよい。一実施形態では、相互接続窓350は、乾式または湿式エッチング技術、例えばDRIE、KOHもしくはTMAHでの湿式エッチング、または他のシリコンエッチャントもしくは同様のものを使用することによって上部パッシベーション層140および第1のデバイス層110の両方に形成されてもよい。他の実施形態では、相互接続窓350は、後に所望の深さまでの第1のデバイス層110の湿式または乾式酸化が続く、上部パッシベーション層140の湿式または乾式エッチングによって形成されてもよい。酸化の間に成長する酸化物は、その後に湿式または乾式除去技術を使用して除去できる。次に、ステップ710では、上部および下部デバイスパッシベーション層140および150が、乾式または湿式エッチング技術を使用して除去されてもよい。
【0016】
図3および5を参照して、図3のステップ715では、上部および下部デバイスパッシベーション層160および170がそれぞれ、例えば二酸化シリコン層、窒化シリコン層、または両方の組合せを使用してデバイスウエハー100の上部および下部表面に堆積されてもよい。図5で示されるように、パッシベーション層160はまた、相互接続窓350の内面に堆積されてもよい。
【0017】
図3および6を参照して、ステップ720では、下部相互接続部420、内側下部相互接続フィードスルー440、および外側下部相互接続フィードスルー445が両方とも、一実施形態では、高濃度ドープp型ドーパントを第1のデバイス層110に拡散させまたは注入し、その後に800から1200℃でアニールすることによって形成されてもよい。一実施形態では、下部相互接続部420、内側下部相互接続フィードスルー440および外側下部相互接続フィードスルー445は、単一プロセスを使用して形成され、一方他の実施形態では、それらは、個別のステップおよび技術を使用して形成されてもよい。次に、ステップ725では、下部デバイスパッシベーション層170および相互接続窓350の外側に位置する上部デバイスパッシベーション層160の部分が、湿式または乾式エッチング技術を使用して除去されてもよい。
【0018】
図3および7を参照して、ステップ730では、隔膜空洞240が、第2のデバイス層210の上面にエッチングされる。隔膜空洞240は、DRIE、KOHもしくはTMAHでの湿式エッチング、または他のシリコンエッチャントもしくは同様のものを使用して第2のデバイス層210に直接エッチングされてもよい。隔膜空洞240は、さまざまな形状、例えば正方形、長方形または円形を有することができ、センサー10の物理的および動作的設計要件を満たすように任意の所要の深さを有することができ、その設計要件は、センサー10が使用される特定の用途および/または第2のデバイス層210の選ばれた厚さに依存する可能性がある。隔膜空洞240の表面は、裸のシリコン、酸化されたシリコン、ドープされたシリコンとするか、またはその後のウエハー接合および処理の温度に耐える能力がある任意の他の薄膜で被覆されてもよい。
【0019】
図3および8を参照して、ステップ735では、第1のデバイス層110の露出上面が、従来のシリコン溶融接合技術を使用して第2のデバイス層210の露出上面に接合される。1つの例となる溶融接合技術では、対向する表面は、親水性にされてもよく、すなわち、表面は、水がそれらに付着する結果をもたらす強い酸化剤で処理されてもよい。2つのウエハーは次いで、接合を形成するために高温環境に置かれてもよく、その接合の品質は、ウエハーが高温環境にさらされる時間によって決定できる。上で述べたシリコン溶融接合技術は、単結晶シリコンウエハーと異なる熱膨張係数を有する可能性がある中間接着材料を使用することなく第1および第2のデバイス層110および210をそれぞれ一緒に接合する。酸化物層がウエハーの1つまたは両方の接合面に形成される溶融接合がまた、行われてもよい。接合された構成では、相互接続窓350および相互接続窓350内のパッシベーション層160の部分は、相互接続部400を第2のデバイス層210から絶縁するように働くことができる。
【0020】
次に、ステップ740では、デバイスウエハー100の第1のハンドル層130が、第1の絶縁体層120で止まるKOHまたはTMAHなどの湿式エッチャントを使用して除去されてもよい。加えて、第1の絶縁体層120は、湿式または乾式エッチング技術を使用して除去されてもよく、接合された第1のデバイス層110だけを残し、それの非接合上面が、今では露出される。他の実施形態では、第1のハンドル層130および第1の絶縁体層120が両方とも、研削などの物理的に薄くする技術を使用して除去されかつ/または薄くされてもよい。加えて、ステップ745では、上部および下部センサーパッシベーション層180および190(190は図示されず)が、例えば二酸化シリコン層、窒化シリコン層、または両方の組合せを使用して第1のデバイス層110の非接合上面および第2のハンドル層230の露出底面に堆積されてもよい。
【0021】
図1および3を参照して、ステップ750では、内側上部相互接続フィードスルー430および外側上部相互接続フィードスルー435が、一実施形態では、高濃度ドープp型ドーパントを第1のデバイス層110に拡散させまたは注入し、その後に800から1200℃でアニールすることによって形成されてもよい。一実施形態では、内側上部相互接続フィードスルー430、外側上部相互接続フィードスルー435、内側下部相互接続フィードスルー440および外側下部相互接続フィードスルー445は、内側相互接続部410および外側相互接続部450と一緒に、単一プロセスを使用して形成され、一方他の実施形態では、それらは、個別ステップおよび技術を使用して形成されてもよい。
【0022】
ステップ755では、1つまたは複数の感知素子310が、ピエゾ抵抗感知素子を使用する一実施形態では、低濃度ドープp型材料をn型ドープの第1のデバイス層110に隔膜300に対して所定の位置に拡散させるまたはイオン注入することによって第1のデバイス層110に配置されてもよく、それは、第1のデバイス層110の一部として形成されてもよい。例えば、ボロン注入および高温での拡散が、第1のデバイス層110内にピエゾ抵抗感知素子310を形成してもよい。感知素子310は、隔膜300のたわみを感知するように位置決めされてもよい。任意の数の感知素子310が用いられてもよく、隔膜300に対するそれらの正確な位置決めは、特定の用途、予想される圧力、感度要件、および同様のものに応じて異なってもよいことに留意すべきである。加えて、感知素子310に電気伝導性を提供することができる1つまたは複数の内側および外側相互接続部410および450はそれぞれ、高濃度ドープp型材料をn型ドープの第1のデバイス層110に拡散させるまたはイオン注入することによって追加されてもよい。内側相互接続部410は、感知素子310と重なり合う構成で配置されてもよい。ステップ755で拡散されるまたは注入される構成要素は、単一プロセスを使用して行われてもよくまたは多重プロセスを使用して別々に注入されるもしくは拡散されてもよい。一緒にして、内側相互接続部410、下部相互接続部420、内側上部相互接続フィードスルー430、外側上部相互接続フィードスルー435、内側下部相互接続フィードスルー440、外側下部相互接続フィードスルー445、および外側相互接続部450は、互いに電気的に連通することができ、相互接続部400を構成することができる。いくつかの実施形態では、相互接続部400を一緒に構成する個別の構成要素は、組み合わされ、単一の構成要素として製作されてもよい。例えば、内側上部相互接続フィードスルー430および内側下部相互接続フィードスルー440は、単一の構成要素として製作されて単一の内側相互接続フィードスルーを形成してもよく、一方外側上部相互接続フィードスルー435および外側下部相互接続フィードスルー445は、単一の構成要素として製作されて単一の外側相互接続フィードスルーを形成してもよい。一実施形態では、相互接続部400を一緒に構成する異なる構成要素は、図3を参照して述べたような一連の連続しないステップを通じて第1のデバイス層110内に配置されてもよい。他の実施形態では、相互接続部400を一緒に構成する構成要素は、1つまたは複数の連続するステップを通じて第1のデバイス層110内に配置されてもよい。
【0023】
次に、ステップ760では、金属化層600が、追加されてもよく、相互接続部400を通じてセンサー10の外面から感知素子310への電気伝導性を提供する。外側相互接続部450へのアクセスを提供するために、開口が、乾式または湿式エッチング技術を使用して上部センサーパッシベーション層180に作られてもよい。金属化層600が次いで、追加され、例えば金またはアルミニウムで形成されてもよく、デバイス設計および製作の要求に適合するように所望の厚さに作られてもよい。
【0024】
ステップ765では、封鎖物500が、相互接続窓350の上方で第1のデバイス層110に接合されてもよい。封鎖物500は、一実施形態では、製作済みのガラスウエハーとすることができる。他の実施形態では、封鎖物500は、シリコンで作られてもよい。封鎖物500は、いろいろな従来の接合技術、例えばシリコンへのガラスの静電接合、共晶接合、またはガラスフリット接合を使用して第1のデバイス層110に接合されてもよい。他の実施形態では、接合エリアを規定するために、1つまたは複数の封鎖物エッチング部520が、湿式または乾式エッチング技術を使用して上部センサーパッシベーション層180に作られて第1のデバイス層110のシリコンを露出させてもよい。この実施形態では、封鎖物500は、上部センサーパッシベーション層180を通って延び、例えば静電接合を使用して第1のデバイス層110に直接接合できる。封鎖物500は、隔膜300の上方に圧力室510を形成することができ、加えて隔膜300を環境危険から保護することができる。
【0025】
最後に、ステップ770では、第2のデバイスウエハー200の第2のハンドル層230が、第2の絶縁体層220で止まるKOHまたはTMAHなどの湿式エッチャントを使用して除去されてもよい。加えて、第2の絶縁体層220が、湿式または乾式エッチング技術を使用して除去されてもよく、第2のデバイス層210の露出した非接合下部表面を残し、隔膜空洞240を露出する。他の実施形態では、第2のハンドル層230および第2の絶縁体層220が両方とも、研削などの物理的に薄くする技術を使用して除去されかつ/または薄くされてもよい。第2のデバイス層210の厚さは、所与の設計仕様を満たすようにさまざまな湿式または乾式エッチング技術または研削を使用してさらに低減されてもよい。
【0026】
本明細書で述べた実施形態を参照すると、センサー10の製作の間に作られる各エッチング部は、任意の選ばれた形状を有することができ、特定の用途に応じて任意の所要の深さを有することができる。加えて、エッチング部は、単一の一様な深さを有する必要はなく、結果として得られるエッチング部は、等方的または異方的であってもよい。各エッチング部の選択された深さおよび形状は、結果として得られるセンサー10の設計特性を変えるように選択されてもよい。例えば、第1のデバイス層110の厚さならびに隔膜空洞240によって決まる隔膜300のサイズおよび形は、結果として得られるセンサー10の感度を決定するように選択されてもよい。SOIウエハーを製造する際に任意に選ぶことができ、正確に制御できる、第1のデバイス層110の選択された厚さは、隔膜300の柔軟性の制御の改善につながり、従って結果として得られるセンサー10の性能特性の制御の改善につながる。加えて、プレーナ製造プロセスは、製造目的にとって理想的であり、製作歩留りだけでなく、結果として得られるデバイスの全体の信頼性および長期性能も高めることができる。それに応じて、センサー10の性能特性の一様な制御が、達成できる。
【0027】
上記の詳細な記述は、例となる実施形態を例示するために提供され、限定することを意図していない。センサーを製作するための方法が、図示され、圧力を測定する実施形態を参照して述べられたけれども、同様の技術は、他のパラメーターを測定する能力があるセンサーを製作するために使用できることが当業者には明らかであろう。例えば、本明細書で述べられた製造の装置および方法は、本明細書で明確に述べられない多種多様な他の用途で有用であることを認識すべきである。本発明の範囲内の多数の変更形態および変形形態が可能であることもまた当業者には明らかであろう。さらに、多数の他の材料およびプロセスが、当業者には認識されることになるように、述べられた例となる方法および構造の範囲内で使用されてもよい。例えば、本明細書で述べられたp型およびn型材料は、例えばp型材料をn型材料と交換することによっておよび逆も同様に代替的に使用されてもよいことを認識すべきである。加えて、さまざまな例となる実施形態で識別され、述べられたステップの順序は、述べられた順序で行う必要はなく、他の実施形態では、さまざまなステップは、組み合わされてもよく、異なる順番で、連続してか、連続せずに、または並行して行われてもよく、なお同じ結果を達成できることが当業者には明らかであろう。
【0028】
この書かれた記述は、例を使用してベストモードを含む本発明を開示し、またどの当業者も任意のデバイスまたはシステムを作り、使用しかつ任意の組み込まれた方法を行うことを含む本発明を実施することを可能にもする。本発明の特許を受けることができる範囲は、クレームによって規定され、当業者には思い当たる他の例を含んでもよい。そのような他の例は、もしそれらがクレームの文字通りの言葉と異ならない構造要素を有するならば、またはもしそれらがクレームの文字通りの言葉とごくわずかしか違わない同等の構造要素を含むならば、クレームの範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0029】
10 センサー
100 第1のデバイスウエハー
110 第1のデバイス層
120 第1の絶縁体層
130 第1のハンドル層
140 上部デバイスパッシベーション層
150 下部デバイスパッシベーション層
160 上部デバイスパッシベーション層
170 下部デバイスパッシベーション層
180 上部センサーパッシベーション層
190 下部センサーパッシベーション層
200 第2のデバイスウエハー
210 第2のデバイス層
220 第2の絶縁体層
230 第2のハンドル層
240 隔膜空洞
300 隔膜
310 感知素子
350 相互接続窓
400 相互接続部
410 内側相互接続部
420 下部相互接続部
430 内側上部相互接続フィードスルー
435 外側上部相互接続フィードスルー
440 内側下部相互接続フィードスルー
445 外側下部相互接続フィードスルー
450 外側相互接続部
500 封鎖物
510 圧力室
520 封鎖物エッチング部
600 金属化層
610 金属化エッチング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサー(10)を製作するための方法であって、
第1のデバイスウエハー(100)の第1のデバイス層(110)の上面に相互接続窓(350)を形成するステップであって、前記第1のデバイスウエハー(100)は、前記第1のデバイス層(110)、第1の絶縁体層(120)、および第1のハンドル層(130)を備え、前記第1の絶縁体層(120)は、前記第1のデバイス層(110)と前記第1のハンドル層(130)との間に位置する、ステップと、
前記第1のデバイス層(110)に相互接続部(400)を配置するステップであって、前記相互接続部(400)は、前記上面の一部分に隣接して前記第1のデバイス層(110)に位置する間隔を介した内側および外側相互接続部(それぞれ410および450)、前記相互接続窓(350)の一部分に隣接して位置する下部相互接続部(420)、前記内側相互接続部(410)および前記下部相互接続部(420)を接続する内側相互接続フィードスルー、ならびに前記外側相互接続部(450)および前記下部相互接続部(420)を接続する外側相互接続フィードスルーを備える、ステップと、
第2のデバイスウエハー(200)の第2のデバイス層(210)の上面に隔膜空洞(240)を形成するステップと、
前記第1のデバイス層(110)の前記上面を前記第2のデバイス層(210)の前記上面に接合して、前記隔膜空洞(240)を覆って隔膜(300)を形成するステップと、
前記第1のハンドル層(130)および前記第1の絶縁体層(120)を前記第1のデバイスウエハー(100)から除去するステップと、
前記隔膜(300)のたわみを感知するために前記隔膜(300)に関して前記第1のデバイス層(110)に感知素子(310)を配置するステップと、
前記隔膜(300)を覆って封鎖物(500)を配置するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデバイス層(110)に相互接続部(400)を配置する前記ステップは、前記内側相互接続部(410)、外側相互接続部(450)、下部相互接続部(420)、内側相互接続フィードスルー、および外側相互接続フィードスルーを配置するための複数の独立した、連続するステップを含む、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項3】
前記第1のデバイス層(110)に相互接続部(400)を配置する前記ステップは、前記内側相互接続部(410)、外側相互接続部(450)、下部相互接続部(420)、内側相互接続フィードスルー、および外側相互接続フィードスルーを配置するための複数の独立した、連続しないステップを含む、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項4】
前記センサー(10)の外面と前記相互接続部(400)との間の電気的連通を提供する金属化層(600)を形成するステップをさらに含む、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項5】
前記感知素子(310)は、ピエゾ抵抗感知素子である、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項6】
前記第2のデバイスウエハー(200)は、両面研磨半導体ウエハーを備える、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項7】
前記第2のデバイスウエハー(200)は、第2のデバイス層(210)、第2の絶縁体層(220)、および第2のハンドル層(230)を備え、前記第2の絶縁体層(220)は、前記第2のデバイス層(210)と前記第2のハンドル層(230)との間に位置する、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項8】
前記第2のハンドル層(230)および前記第2の絶縁体層(220)を前記第2のデバイスウエハー(200)から除去するステップをさらに含む、請求項7記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項9】
前記センサー(10)は、絶対圧力を測定する、請求項1記載のセンサー(10)を製作するための方法。
【請求項10】
センサーを製作するための方法であって、
第1のデバイスウエハーの第1のデバイス層の上面に相互接続窓を形成するステップであって、前記第1のデバイスウエハーは、前記第1のデバイス層、第1の絶縁体層、および第1のハンドル層を備え、前記第1の絶縁体層は、前記第1のデバイス層と前記第1のハンドル層との間に位置する、ステップと、
前記第1のデバイス層の前記相互接続窓の下方に間隔を介した構成で内側下部相互接続フィードスルーおよび外側下部相互接続フィードスルーを配置するステップと、
前記第1のデバイス層の前記相互接続窓と前記内側および外側下部相互接続フィードスルーとの間に下部相互接続部を配置するステップであって、前記下部相互接続部は、前記内側および外側下部相互接続フィードスルーと電気的に連通する、ステップと、
第2のデバイスウエハーの第2のデバイス層の上面に隔膜空洞を形成するステップと、
前記第1のデバイス層の前記上面を前記第2のデバイス層の前記上面に接合して、前記隔膜空洞を覆って隔膜を形成するステップと、
前記第1のハンドル層および前記第1の絶縁体層を前記第1のデバイスウエハーから除去するステップと、
前記第1のデバイス層の前記上面と前記内側および外側下部相互接続フィードスルーとの間に内側上部相互接続フィードスルーおよび外側上部相互接続フィードスルーを配置するステップであって、前記内側上部相互接続フィードスルーは、前記内側下部相互接続フィードスルーと電気的に連通し、前記外側上部相互接続フィードスルーは、前記外側下部相互接続フィードスルーと電気的に連通する、ステップと、
前記隔膜のたわみを感知するために前記隔膜に関して前記第1のデバイス層に感知素子を配置するステップと、
前記感知素子および前記内側上部相互接続フィードスルーと電気的に連通する内側相互接続部を前記第1のデバイス層に配置するステップと、
前記外側上部相互接続フィードスルーと電気的に連通する外側相互接続部を前記第1のデバイス層に配置するステップと、
前記隔膜を覆って封鎖物を配置するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−127966(P2012−127966A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−273829(P2011−273829)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】