説明

ナビゲーション装置とカーナビゲーション用プログラムと記録媒体とカーナビゲーション装置制御方法

【課題】カーナビゲーション機能を持つ携帯電話を自動車で利用する。
【解決手段】自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話11を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を有する電話機ホルダ12と、電話機ホルダ12に携帯電話11が装着されているときに装着検出信号を出力する装着検出部14と、装着検出信号を取得して起動し、携帯電話11から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を自動車のカーナビゲーションに使用することを可能にした、ナビゲーション装置とカーナビゲーション用プログラムと記録媒体とカーナビゲーション装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話は、通話機能やメール送受信機能を有するが、小型のために操作性が悪いという難点がある。そこで、携帯電話を装着して音を拡大したり、大画面のディスプレイに画像を表示する技術も開発されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−352373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯電話の多機能化により、携帯電話を音楽プレーヤや道案内用として利用するケースも増えている。例えば、ジャイロセンサを内蔵した携帯電話は高い精度で道案内をすることができ、既存のカーナビゲーションやそれを上回る性能を持つものもある。しかし、安全上、携帯電話にそのまま自動車の運転の道案内をさせることはできない。本発明はこの課題を解決する。本発明はカーナビゲーション機能を持つ携帯電話を自動車で簡単に利用できるようにした、ナビゲーション装置とカーナビゲーション用プログラムと記録媒体とカーナビゲーション装置制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の構成は上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、上記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出部と、上記装着検出信号を取得して起動し、上記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【0005】
ナビゲーション機能を有する携帯電話をそのまま自動車の運転に利用する。自動車に電話機ホルダを取り付けて、携帯電話の機能を利用して簡単にカーナビゲーションシステムを構築することができる。
【0006】
〈構成2〉構成1に記載のナビゲーション装置において、上記ナビ出力制御手段は、上記装着検出手段が上記装着検出信号を出力したとき、上記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出することを特徴とするナビゲーション装置。
【0007】
電話機ホルダに携帯電話を装着すると、モード設定処理無しにただちにカーナビゲーションモードになる。
【0008】
〈構成3〉構成1乃至2のいずれかに記載のナビゲーション装置において、上記ナビ出力制御手段の出力する案内音声信号をスピーカに伝送する状態と、上記携帯電話の着信音を上記スピーカに伝送する状態との切り替えを行うスイッチと、上記携帯電話の着信を検出したとき、上記スイッチを切り替えて、上記携帯電話の着信音を上記スピーカに伝送する状態にする着信検出部と、上記着信検出部が上記携帯電話のメールの着信を検出したとき、当該メールを読み上げて、この読み上げ音を上記スピーカに伝送するメール読み上げ手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【0009】
携帯電話に着信があると、携帯電話の着信音をスピーカに伝送する。携帯電話のメールの着信を検出したときには、そのメールの読み上げ処理を実行する。読み上げ音を前記スピーカに伝送する。この制御により、携帯電話のハンズフリー通話や着信メールの聞き取りが可能になる。
【0010】
〈構成4〉構成1乃至3のいずれかに記載のナビゲーション装置において、上記携帯電話から出力されるナビゲーションデータを受信して、運行記録データを生成し、記憶装置に記憶させるとともに、当該運行記録データの外部への読み出し制御をする運行記録手段を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【0011】
携帯電話から、ナビゲーション音声データのほか、地図データや時刻毎の位置データが受信できる。これらのデータを運行記録データとし、記憶装置に蓄積する。運行記録データは、パーソナルコンピュータにより読み出して解析することもできる。
【0012】
〈構成5〉構成1乃至4のいずれかに記載のナビゲーション装置において、上記携帯電話の記憶装置の指定された領域に記憶されたデータをダウンロードして、記憶装置に記憶させて外部への読み出し制御をするダウンローダを備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【0013】
携帯電話は、画像ディスプレイやオーディオプレーヤに使用されることも多い。これらのデータの記憶領域を指定しておく。ダウンローダは、これらの画像データやオーディオデータを、自動的にダウンロードすることができる。これらのデータは、車中で車に備え付けのディスプレイに表示したり、カーオーディオで再生したりすることができる。
【0014】
〈構成6〉構成1乃至5のいずれかに記載のナビゲーション装置において、上記電話機ホルダの所定位置に保持された携帯電話の電池を充電する充電用電源部を設けたことを特徴とするナビゲーション装置。
【0015】
電話機ホルダ上の携帯電話を充填する充電用電源部を設けたので、カーナビゲーションとして使用している間の電力を確保できる。
【0016】
〈構成7〉構成6に記載のナビゲーション装置において、上記充電用電源部の電源は、自動車の運転を終了した状態でオフされる配線に結線されており、上記装着検出部が装着検出信号を出力している状態で充電用電源部の電源がオフされたとき警報を鳴らす置き忘れ警報手段を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【0017】
運転を終了してもなお電話機ホルダに携帯電話が乗っているとき、警報を出力でき、携帯電話の置き忘れを防止できる。この警報装置は自動車の制御システムとは独立して自由に設計できる。
【0018】
〈構成8〉自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、上記制御のためのコンピュータを、上記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出手段と、上記装着検出信号を取得して起動し、上記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、上記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段、として機能させるカーナビゲーション用プログラム。
【0019】
〈構成9〉自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、上記制御のためのコンピュータを、上記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出手段と、上記装着検出信号を取得して起動し、上記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、上記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段、として機能させるカーナビゲーション用プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0020】
〈構成10〉自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、装着検出手段が、上記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力するステップと、ナビ出力制御手段が、上記装着検出信号を取得して起動し、上記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、上記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するステップ、とを含むカーナビゲーション装置制御方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明では、自動車内に携帯電話を保持することができる電話機ホルダを設ける。装置本体部は、携帯電話の装着検出信号を取得して起動する。さらに、ナビゲーション音声や文字データを受信する。ナビゲーション音声は、スピーカから出力する。ナビゲーション用の文字データは読み上げ処理によりスピーカから出力する。このように、自動車に電話機ホルダを取り付けると、携帯電話の機能を利用して簡単にカーナビゲーションシステムを構築することができる。以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は実施例1のナビゲーション装置を示す斜視図である。
ナビゲーション装置5は、電話機ホルダ12とナビゲーション装置本体10と電源コード6を備えている。ナビゲーション装置5は自動車の運転台1の適当な箇所に固定され、電源コード6はシガーライタ7等の電源端子に接続されて、電源の供給を受ける。携帯電話11はナビゲーション機能を有するものである。即ち、図示しないジャイロセンサ等で自己位置認識処理をして、そのディスプレイに地図画像を表示して道案内をする機能を持つ。電話機ホルダ12は、この携帯電話11を自動車内の所定位置に保持する保持機構を有する。ナビゲーション装置本体10の内部には、装着検出部14とナビ出力制御手段16とスピーカ38等が組み込まれている。装着検出部14は、電話機ホルダ12に携帯電話11が装着されているときに、装着検出信号を出力する機能を有する。ナビ出力制御手段16は、装着検出信号を取得して起動し、携帯電話11から出力されるナビゲーション音声や文字データを受信して、スピーカ38を駆動して案内音声信号を出力する機能を有するものである。電話機ホルダ12には、携帯電話11とナビゲーション装置本体10との間のデータ送受信等や携帯電話の充電のためにコネクタ13が設けられている。コネクタ13には装着検出部14とナビ出力制御手段16のほかに充電用電源部40(図2)が接続されている。充電用電源部40は、電話機ホルダ12上の携帯電話を充填する機能を持つ。これにより、カーナビゲーションとして使用している間の電力を確保できる。このようにして、自動車に電話機ホルダ12を取り付けると、携帯電話の機能を利用して簡単にカーナビゲーションシステムを構築することができる。
【0023】
図2はナビゲーション装置の実施例回路ブロック図である。
この図と図1を参照しながら説明を進める。携帯電話11は、例えば、ジャイロセンサを内蔵し、自己位置認識処理をして高い精度のナビゲーションをする。これをそのまま自動車の運転に利用する。電話機ホルダ12は、この携帯電話11を自動車内の所定位置に保持する。装着検出部14は、電話機ホルダ12に携帯電話が装着されている状態と装着されていない状態とを区別する信号を出力する。例えば、コネクタ13のいずれかの接点を通じて携帯電話11の接続を検出するとよい。感圧スイッチ等により実現してもよい。ナビ出力制御手段16は、装着検出信号を取得して起動する。ナビ出力制御手段16は出力切り替え手段36を介して接続されたスピーカ38を駆動する。
【0024】
ナビゲーション装置本体10は、制御スイッチ18とオーディオ再生手段20とメール読み上げ手段22と着信検出手段24と記憶装置25を備える。ナビゲーション装置本体10に機能ブロックで図示した各手段は、コンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムモジュールである。この装置は、ほぼ全自動で動作する。携帯電話11を電話機ホルダ12に装着すると、自動的にナビ出力制御手段16の出力が、出力切り替え手段36を通じてスピーカ38を駆動する。ここで、着信検出手段24が携帯電話11の着信を検出したときには、自動的に出力が切り替えられて、着信検出手段24で受信した音声が出力切り替え手段36を通じてスピーカ38を駆動する。例えば、メールを受信したときは、着信検出手段24が記憶装置25にメールデータ30を記憶させる。そして、メール読み上げ手段22がメールデータ30を読み上げ、その出力が出力切り替え手段36を通じてスピーカ38を駆動する。
【0025】
ナビゲーション装置本体10は、携帯電話11の機能をさらに高度に利用するために、ダウンローダ26と運行記録手段34と充電用電源部40と置き忘れ警報手段42と汎用インタフェース43を備える。制御スイッチ18を操作したとき、ダウンローダ26は、写真等の画像データやカーオーディオ用のオーディオデータを携帯電話11からダウンロードする機能を有する。これもコンピュータプログラムモジュールである。ナビゲーション装置5の記憶装置25には、ダウンロードした用途別データ28が記憶される。用途別データは、例えば、デジカメで撮影した画像データ、携帯電話のディスプレイに表示して楽しむための画像データや動画データ、オーディオ用のオーディオデータ等を含む。これらは、用途別に所定のデータ形式で保存される。そして、汎用インタフェース43を通じて図示しない外部装置へ読み出すことができる。また、例えば、オーディオデータはオーディオ再生手段20により再生される。オーディオ再生手段20の出力は、出力切り替え手段36を通じてスピーカ38を駆動する。運行記録手段34は、携帯電話11から出力されるナビゲーションデータを受信し、運行記録データ32を生成して記憶装置25に記憶させる機能を持つ。充電用電源部40は、電話機ホルダ12上に置いた携帯電話11を、コネクタ13を通じて充電する機能を有する。置き忘れ警報手段42は後で説明するように、携帯電話11を電話機ホルダ12上に置いたまま自動車を離れると警告を発する機能を持つ。
【0026】
図3は、ナビゲーション装置のハードウエアブロック図である。
上記のナビゲーション装置は、例えば、この図のようなハードウエア構成で実現する。この装置は、演算処理回路100により制御される。CPU111はマイクロプロセッサである。CPU111には、バスライン110を介してROM112、RAM113、入出力ポート114、汎用インタフェース43が接続されている。ROM112は、CPU111に演算処理を実行させるためのコンピュータプログラムを記憶した、リードオンリメモリである。ここに例えば、上記のプログラムモジュール全体を記憶する。RAM113は、図2に示した記憶装置25の役割をする、ランダムアクセスメモリである。入出力ポート114は、装置各から制御用信号を受け入れたり、制御用信号を出力するポートである。汎用インタフェース43は、携帯電話11から出力されるデータを受け入れたり携帯電話にコマンドを送信するシリアルインタフェースである。汎用インタフェース43とコネクタ13との間は複数本の信号線19により接続されている。
【0027】
入出力ポート114に接続された信号線116は、例えば、コネクタ13に携帯電話11が接続されたときに携帯電話内部の回路115を通じて接地される。このレベル変化が装着検出信号として、装着検出部14に検出される。また、入出力ポート114からは5本の信号線35が出力切り替え手段36の端子に接続されている。これらはいずれも、スピーカ38を駆動するための信号線である。これらのいずれかが出力切り替え手段36により選択されてスピーカ38に接続される。例えば、切り替え制御は破線で示した制御線を通じて行われる。
【0028】
充電用電源部40は、プラグ120を図示しない自動車の電源端子に接続しダイオード121を通じて電源の供給を受ける。電池122はダイオード121の出力により充電される。ダイオード121はダイオード123を通じて演算処理回路100に接続され、演算処理回路100を駆動する電力を供給する。電池122は、プラグ120からの電力供給が遮断されても、演算処理回路100の動作を暫く継続させる機能を持つ。携帯電話11の置き忘れ警報手段42の動作にも利用される。DC/DCコンバータ124はダイオード123の出力を携帯電話11の充電用電圧に変換するための既知の電圧変換器である。その出力はコネクタ13を通じて携帯電話11に供給される。携帯電話11をコネクタ13に接続するとすぐに充電が開始される。
【実施例2】
【0029】
図4はナビゲーション装置のメイン動作フローチャートである。
上記のナビ出力制御手段16は、装着検出部14が装着検出信号を出力したとき、自動的に携帯電話11をカーナビゲーション用として利用するように、以下の制御をする。一般に、携帯電話は、通話モード、メール送受信モード、ウェブ閲覧モード等の各種のモードで動作する。電話機ホルダ12に携帯電話を装着する第1の目的はカーナビゲーションへの利用である。従って、携帯電話を装着したとき、携帯電話を強制的にナビゲーションモードに切り替えることが好ましい。そこで、携帯電話に対して自動的に強制的にナビゲーション動作を要求するためのコマンドを送出するようにした。これで、モード設定処理やモードの切り替え処理が不要になる。
【0030】
また、図2に示した運行記録手段34は、携帯電話11から出力されるナビゲーションデータを受信して運行記録データ32を生成し、記憶装置に記憶させる機能を持つ。ジャイロセンサを内蔵した携帯電話からは、ナビゲーション音声データのほか、地図データや時刻毎の自動車の位置データが受信できる。これらのデータを記憶装置に蓄積すると、その後パーソナルコンピュータ等で解析可能な運行記録が得られる。運行記録データ32は、解析し易いように編集されていてもよいし、単なるデータ群でも構わない。運行記録データ32は、例えば、ナビゲーション開始から終了までの、自動車の位置と通過時刻とを順次記録したデータであればよい。運行記録手段34は汎用インタフェース43を通じて、パーソナルコンピュータ等の外部装置に運行記録データ32を読み出させる。汎用インタフェース43は、例えば、USBインタフェースからなる。以下、上記の処理を図4に示したフローチャートを参照して説明する。
【0031】
まず、ステップS11で装着検出部14が携帯電話11の装着を検出する。携帯電話11がコネクタ13に接続されると、ナビ出力制御手段16はステップS12で、携帯電話11に対してコマンドを送出し、ナビゲーションモードへの切り替え要求をする。携帯電話11が当初からナビゲーションモードである場合も通話モード等の場合も、強制的にナビゲーションモードの設定が行なわれる。従って、設定処理に要する時間だけ待機してステップS13でモード設定の終了を確認する。ステップS14では、ナビ出力制御手段16が出力切り替え手段36に対してナビ検出信号を出力する。ステップS15では、出力切り替え手段36が出力の切り替え制御をする。即ち、ナビ出力制御手段16の出力でスピーカ38を駆動するように出力先を切り替える。ステップS16以下で、ナビゲーション動作が開始される。即ち、ナビゲーション出力の制御を開始する。
【0032】
ステップS17で、ナビ出力制御手段16は、ナビゲーション音声出力を受信したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS18の処理に移行し、ノーのときはステップS19の処理に移行する。ステップS18では、音声出力でスピーカを駆動する。ステップS19では、ナビ出力制御手段16が、文字データを受信したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS20の処理に移行し、ノーのときはステップS21の処理に移行する。ステップS20では、入力した文字データの読み上げ処理を実行する。この読み上げデータでスピーカを駆動する。一方、運行記録手段34は、ステップS21でナビゲーションデータを受信する。ステップS22で、運行記録手段34は運行記録データ32を生成する。ステップS23では、運行記録データ32を記憶装置25に記憶する。ステップS21からステップS23までの処理は、実際にナビゲーションを開始してから終了するまでの間だけ実行するとよい。
【実施例3】
【0033】
図5は実施例3のナビゲーション装置動作フローチャートである。
図2において、着信検出手段24は携帯電話11の着信を検出する機能を持つ。着信を検出したときは、出力切り替え手段36の接続を切り替える。また、携帯電話11のメール着信を検出したときにも、出力切り替え手段36の接続を切り替える。即ち、携帯電話に着信があると、通話もしくはメールの受信が自動的に開始される。例えば、応答は自動留守電メッセージでよい。ドライバは、これで、携帯電話の着信を確実に認識できる。この動作のために、ナビ出力制御手段16の出力する案内音声信号をスピーカ38に伝送する状態から、携帯電話11の出力をスピーカ38に伝送する状態に切り替える。携帯電話のメールについては、読み上げ処理を実行する。以下、その動作を図5に示したフローチャートで説明する。
【0034】
まず、ステップS31で、着信検出手段24が携帯電話11の着信音を検出する。ステップS32では、メール読み上げ手段22が出力切り替え手段36を制御して、出力切り替え処理を実行する。これで、携帯電話11の出力がスピーカ38を駆動する状態になった。ステップS33では、着信検出手段24が音声通話かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS34の処理に移行し、ノーのときはステップS37の処理に移行する。ステップS34では、携帯電話から出力される音声信号をスピーカ38に伝送して出力をする。ステップS35では、音声通話が終了したかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS36の処理に移行し、ノーのときは待機する。音声通話の終了後は、ステップS36で、出力を元の状態に切り替えるようにリセット処理をする。携帯電話11に対して、ナビゲーションモードに戻るようにコマンドを送出する。また、出力切り替え手段36を制御して、ナビ出力制御手段16の出力でスピーカ38を駆動するようにリセットする。
【0035】
一方、ステップS37では、メール着信かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS38の処理に移行し、ノーのときは全ての処理を終了する。ステップS38では、受信したメールデータを、記憶装置25に一時保存する。その後、ステップS39でメール読み上げ手段22がメールの読み上げ処理をする。ステップS40では、読み上げ音声でスピーカ38を駆動する。この処理が終了すると、ステップS41でリセット処理をする。リセット処理方法は、ステップS36の場合と同様である。
【実施例4】
【0036】
図6は実施例4のナビゲーション装置の動作フローチャートである。
図2に示したダウンローダ26は、携帯電話11の記憶装置の指定された領域に記憶されたデータをダウンロードする機能を持つ。携帯電話11には、予め決められた領域に、画像データやオーディオデータが記憶されている。ダウンローダ26はこの領域のアドレスを記憶しておくとよい。そして、例えば、利用者が制御スイッチ18を操作したときに、該当するデータを記憶装置25にダウンロードする。制御スイッチ18が再度操作されたときにはオーディオ再生手段20が記憶装置25からオーディオデータを読み出してスピーカ38を駆動し、音楽再生をするとよい。記憶装置25にダウンロードされた画像データは、汎用インタフェース43を通じてパーソナルコンピュータ等に読み出されて利用されるとよい。以下、その動作を図6に示したフローチャートで説明する。
【0037】
ステップS51で、利用者は制御スイッチ18を操作する。ステップS52ではダウンローダ26がデータ保存場所の認識をする。例えば初期設定で、携帯電話のデータ保存場所をダウンローダ26にセットしておくものとする。ステップS53では、ダウンローダ26がオーディオデータを検索する。ステップS54では、画像データの検索をする。ステップS55では、検索の結果見つかったデータのダウンロード処理をする。ダウンローダ26はステップS56で、記憶装置25にこれらを保存する。ステップS57では、オーディオ再生手段20がオーディオ再生出力かどうかという判断をする。例えば、制御スイッチ18が2回押されたときステップS58に移行する。ノーのときは処理を終了する。ステップS58では、オーディオ再生手段20がオーディオデータを再生し、スピーカ38を駆動する。
【実施例5】
【0038】
図7は実施例5のナビゲーション装置の動作フローチャートである。
図2に示した充電用電源部40の電源は、自動車の運転を終了した状態でオフされる配線に結線されているものとする。置き忘れ警報手段42(図2)は、装着検出部14が装着検出信号を出力している状態で充電用電源部40の電源がオフされたときに警報を鳴らす機能を持つ。警報は出力切り替え手段36を通じてスピーカ38を駆動する。携帯電話を自動車に置き忘れると不便である。しかし、置き忘れ検出を自動車のドアロック制御装置等と連動させるのは容易でない。自動車メーカの設計変更が必要になる。一方、自動車の運転を終了してもオフしない配線とオフされる配線がある、後者のほうに充電用電源部40の電源を接続しておくと、運転を終了してもなお電話機ホルダ12に携帯電話が乗っている状態で警報を出力できる。これにより、携帯電話の置き忘れを防止できる。この警報装置は自動車の制御システムとは独立して自由に設計できるという効果がある。以下、その動作を図7に示したフローチャートで説明する。
【0039】
ステップS61では、自動車のイグニッションキーをオフしたことによって、充電用電源部40の電源がオフされる。なお、この状態で装置はバックアップ用バッテリ等により暫く動作を継続できるものとする。ステップS62で置き忘れ警報手段42が装着検出部14の出力を監視して、装着検出信号があるかどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS63の処理に移行し、ノーのときは処理を終了する。ステップS63ではスピーカ38を駆動して警報を出力する。
【0040】
なお、上記の演算処理装置で実行されるコンピュータプログラムは、機能ブロックで図示した単位でモジュール化されてもよいし、複数の機能ブロックを組み合わせて一体化されてもよい。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1のナビゲーション装置を示す斜視図。
【図2】同ナビゲーション装置の実施例回路ブロック図。
【図3】同ナビゲーション装置のハードウエアブロック図。
【図4】同ナビゲーション装置のメイン動作フローチャート。
【図5】実施例3のナビゲーション装置動作フローチャート。
【図6】実施例4のナビゲーション装置の動作フローチャート。
【図7】実施例5のナビゲーション装置の動作フローチャート。
【符号の説明】
【0042】
1 運転台、5 ナビゲーション装置、6 電源コード、7 シガーライタ、10 ナビゲーション装置本体、11 携帯電話、12 電話機ホルダ、13 コネクタ、14 装着検出部、38 スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、
前記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出部と、
前記装着検出信号を取得して起動し、前記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビ出力制御手段は、前記装着検出手段が前記装着検出信号を出力したとき、前記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記ナビ出力制御手段の出力する案内音声信号をスピーカに伝送する状態と、前記携帯電話の着信音を前記スピーカに伝送する状態との切り替えを行うスイッチと、
前記携帯電話の着信を検出したとき、前記スイッチを切り替えて、前記携帯電話の着信音を前記スピーカに伝送する状態にする着信検出部と、
前記着信検出部が前記携帯電話のメールの着信を検出したとき、当該メールを読み上げて、この読み上げ音を前記スピーカに伝送するメール読み上げ手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記携帯電話から出力されるナビゲーションデータを受信して、運行記録データを生成し、記憶装置に記憶させるとともに、当該運行記録データの外部への読み出し制御をする運行記録手段を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記携帯電話の記憶装置の指定された領域に記憶されたデータをダウンロードして、記憶装置に記憶させて外部への読み出し制御をするダウンローダを備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記電話機ホルダの所定位置に保持された携帯電話の電池を充電する充電用電源部を設けたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記充電用電源部の電源は、自動車の運転を終了した状態でオフされる配線に結線されており、前記装着検出部が装着検出信号を出力している状態で充電用電源部の電源がオフされたとき警報を鳴らす置き忘れ警報手段を備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、前記制御のためのコンピュータを、
前記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出手段と、
前記装着検出信号を取得して起動し、前記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、前記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段、
として機能させるカーナビゲーション用プログラム。
【請求項9】
自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、前記制御のためのコンピュータを、
前記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力する装着検出手段と、
前記装着検出信号を取得して起動し、前記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、前記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するナビ出力制御手段、
として機能させるカーナビゲーション用プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
自己位置認識処理をして地図画像を用いた道案内をするナビゲーション機能を有する携帯電話を、自動車内の所定位置に保持する保持機構を備えた電話機ホルダと、これを制御するナビゲーション装置本体を備えたものにおいて、
装着検出手段が、前記電話機ホルダに携帯電話が装着されているときに、装着検出信号を出力するステップと、
ナビ出力制御手段が、前記装着検出信号を取得して起動し、前記携帯電話に対して、強制的にナビゲーション動作を要求するコマンドを送出するとともに、前記携帯電話から出力されるナビゲーション音声または文字データを受信して、案内音声信号を出力するステップ、
とを含むカーナビゲーション装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−26111(P2008−26111A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198041(P2006−198041)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】