説明

パンタグラフのすり板検査装置。

【課題】
従来のカメラによるパンタグラフすり板の検査では、すり板側面の照明を当ててパンタグラフを撮像していたが、この方法では、すり板上面と側面を高精度に分離することが難しかった。
【解決手段】
カメラでパンタグラフを撮像する際に、パンタグラフすり板上面を照射するストロボ照明と、パンタすり板側面を照射するストロボ照明を設け、すり板上面を照射するストロボ光に比べてすり板側面を照射するストロボ光の光量を少なくして撮像する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車の屋根上に取り付けられたパンタグラフのすり板の摩耗量等を検査するパンタグラフのすり板検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパンタグラフの検査装置としては超音波センサを用いて検査する装置や、カメラを用いて検査する検査装置が提案されている。特許文献1の従来技術には、テレビカメラを用いてパンタグラフに撮像時に光を照射して、テレビカメラでパンタグラフをモニタに映し出し、監視員がその画像からパンタグラフの状態を見て以上判断する事が記載されている。なお、本特許文献1では、従来人がパンタグラフの状態を監視していたものを、自動的に、画像処理技術を用いてパンタグラフすり板の厚みを求める測定装置が開示されている。この装置は、周囲の照度を測定する照度計を設置し、パンタグラフをランダムシャッタカメラにて撮像し、その時の周囲の照度に応じて、カメラの輝度を自動調整する物である。
【0003】
【特許文献1】特開平9−265524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、照明はパンタグラフのエッジ検出が出来る照度で、カメラ設置位置付近から光を照射する構成としている。この場合、画像処理を行うための高輝度の照明を当てるため、モニタ画面でパンタグラフの状態を監視するには不向きである。パンタグラフの状態の監視には、画像処理技術を用いて自動的にすり板等の摩耗状態を検出すると共に、異常を検知した場合に、監視者に通報すると共に、監視者がモニタ画面にて、確認出来るようにすることが要求されている。そのため、パンタグラフ周囲の照度と、実際に画像処理する部分の照度を変えてパンタグラフを撮像する必要がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、パンタグラフの二値化等の処理をしてエッジ検出が可能な照明と、モニタ画面に画像を映し出して、監視員が状態を判断できるようにカメラと照明を配置して、パンタグラフの異常を検出できる装置を適用する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、車両の進入を検知する進入検知センサと、パンタグラフが撮像領域に進入してきたことを検出するパンタグラフ検知センサと、パングラフ検知センサがパンタグラフを検知するとパンタグラフすり板上面に光りを照射する上面照射用フラッシュ照明と、撮像用カメラ側に設置されパンタグラフすり板側面側を照射用のフラッシュ照明を照射し同時にカメラを動作させてパンタグラフを撮像するように構成し、前記すり板上面を照射するフラッシュ光に対してパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ光の光量を小さくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
パンタグラフのすり板の上面と側面を夫々照射する光量を変えて撮像することによって、エッジを確実に抽出することができ、すり板の摩耗量を正確に把握できると共に、撮像した画像をモニタにそのまま映写して監視員が画像によっても確認できるようにした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
パンタグラフのすり板の状態を画像処理を用いて検査する場合は、斜め上方からパンタグラフ全体を撮像し、パンタグラフの変形や破損、及び摩耗の状態を自動的に検出できるようにすることが必要である。特に、すり板部は摩耗や破損が多いために重点的に監視する必要がある。すり板部の摩耗や損傷を画像処理によって検出するためには、すり板上面部とすり板側面部とで十分にコントラスト(輝度差)がある画像を得る必要がある。
【0009】
そこで、本発明では、特にすり板上面と側面とでコントラストの大きな映像を得るための照明の配置を提案するものである。
【実施例1】
【0010】
以下図面を用いて実施例を説明する。
【0011】
図1にパンタグラフのすり板検査装置の全体構成図を示す。
【0012】
図1に示すようにパンタグラフのすり板4を、斜め上方から撮像するように線路に並行して設けた支柱16に線路15を跨ぐように設けた梁17と線路と平行に梁18を設けてある。その梁17に複数のカメラ2とフラッシュ照明10(ストロボ照明と言う場合もある)を設けてある。また、同支柱16又は梁17から車両進入方向と退出方向とにそれぞれ腕19を伸ばして、その腕19部にパンタグラフ検出センサ5とパンタグラフの上部(すり板表面)を照らすためのフラッシュ照明20が設けてある。また、梁18には、パンタグラフ以外の車体屋根上機器の状態を監視するための複数の屋根上機器監視用照明(ハロゲンランプ)11が線路を挟むように設置されている。また、屋根上機器監視用カメラ3が進入側梁17の両端部側と、退出側梁17の中央とに設けてある。
【0013】
別設の車両25の進入を検知する車両進入検知センサ6が動作すると、本図には図示していない検査装置の電源が入り、その後パンタグラフ検出センサ5がパンタグラフすり板4を検出すると、梁17上の車両進入方向のフラッシュ照明10a及びパンタグラフ検知センサ5に併設され、パンタグラフすり板面を照らすフラッシュ照明20aが点灯され、同時に同方向のカメラ2aがパンタグラフのすり板付近を撮像する。その後、車両退出方向のパンタグラフ検出センサ7がパンタグラフの通過を検知すると、車両退出方向のフラッシュ照明10b及びパンタグラフ検出センサに併設されたフラッシュ照明20bが点灯され、同時に退出方向のカメラ2bがパンタグラフのすり板付近を撮像する。なお、車両の地上側には、編成番号等の車両情報を受信するための受信機9が、車両の先頭部には編成番号等の車両情報を発信する発信機8が設けてある。
【0014】
前述の様に車両の進入側と退出側の2ヶ所でパンタグラフを撮像する事によって、架線の陰になって撮像できなかった部分のパンタグラフすり板部分を補正する事が出来る。これは一般に架線が線路に平行に張られているものではなく、すり板部分にまんべんなく接触摺動するように所定の角度で蛇行するように張られているためこれを利用したものである。また車両進入時と退出時の2度の撮像を行いそれぞれを画像処理することで、検出精度を向上できる効果もある。例えば、車両進入時と退出時とでパンタグラフすり板と架線との接触摺動状態が異なるため、すり板エッジでは偏摩耗が生じる場合がある。両側エッジを測定できるためすり板の摩耗状況をより正しく検査できる。
【0015】
次に、フラッシュ照明とカメラの設置位置の関係を、図2を用いて説明する。
【0016】
図2はフラッシュ照明とカメラの配置の一例を示したものである。
【0017】
従来の、パンタグラフのすり板の厚み測定装置では、パンタグラフを撮像する場合に、撮像するカメラとフラッシュ照明の位置を略同じ位置に配置し、パンタグラフを斜め上部から撮像している。この時、フラッシュ照明の照射光はパンタグラフに対して斜め上方から当たる事になり、すり板上面部分とすり板側面部分とで輝度差が小さくエッジ検出が難しかった。そこで、すり板上部を直接照射して輝度を上げると共に、フラッシュ照明を配置すると、エッジ検出精度が格段に向上した。しかし、この撮像画面をモニタに映し出すと、舟体部分が暗くなりすぎて、すり板の状態を目視にて観察するのには適さなかった。
【0018】
そこで、本発明では、車両の進入方向に対向する斜め上部からの照明と、パンタグラフに上部から照射するフラッシュ照明を配置する構成とした。その場合、上部から照射するものと、斜め前方または斜め後方から照射するそれぞれのフラッシュ照明の光量を変えて照射するようにした。すなわち、光量を変えるために、同じ発光量のフラッシュ照明を図2に示すように照射する距離を変えて配置した。例えば、高さ方向の距離は同じ距離hに設定し、幅方向(線路間方向)はパンタグラフ上面を照射する側を、パンタグラフ正面から照射する側の距離Wの半分の距離0.5Wとし、パンタグラフ上部を照明するフラッシュ照明の位置から照射するパンタグラフまでの距離(車両走行方向距離)Lに対して、カメラ側に配置したフラッシュ照明からパンタグラフ撮像位置までの距離(車両双方向距離)が略5.5倍の5.5Lになるように配置した。なおこの車両走行方向距離に関して及び幅方向の配置に関しては、パンタグラフの種類等により若干異なるが、4.6〜6.5倍及び1倍〜4倍程度の位置関係に入るように配置すれば問題ない事を確認してある。この様な配置でパンタグラフすり板部を照明しながら撮像すると、すり板上面は明るく、すり板側面は多少暗く撮像することができエッジ部を確実に分離でき、かつ目視でも十分摩耗の状態を判別する事ができた。
【0019】
前述の様に、カメラでパンタグラフを撮像する瞬間に照射するフラッシュ光をパンタグラフ上面側が、明るく、側面側は多少暗くなるように照射する事で、画像処理時のエッジ検出が確実に行えると共にモニタに撮像した画像を直接映し出しても細部まで観測できるようになった。
【0020】
なお、図2の構成では発行するフラッシュ光の光量(100〜200J/F(ジュール/フラッシュ))は同じとして、距離による光量の低下を利用した照明配置としたが、パンタグラフの位置に対するフラッシュ照明の位置を同じ距離として、フラッシュ照明の発光光量を変えることでも対応できる。
【0021】
図3に図1の各機器の制御システム構成の概要を示す。図に示すように、本システムでは、大きく区分するとパンタグラフすり板計測装置35と屋根上機器撮像装置45と前記2つの装置からの情報を受取りすり板の厚みを求めたり、屋根上機器の状態を監視する画像を蓄積する情報処理装置50から構成されている。
【0022】
パンタグラフすり板計測装置35は主に、先に述べたようにパンタグラフすり板部を撮像するための複数台のすり板撮像カメラ2a、2bと、パンタグラフに所定のタイミングで光を照射する複数台のフラッシュ照明10a、10b及びすり板上面照射用フラッシュ照明20a、20bと、所定の位置でパンタグラフの通過を検出するパンタグラフ検知センサ5と前記すり板撮像カメラ2やフラッシュ照明10a、10b、20a、20bを制御するためのパンタグラフ板厚計測用制御装置30からなる。制御装置30にはこの他に、車両進入検知センサ6、7の信号及び車両情報受信機9からの信号を受信できるようになっている。なお図5に車両進入検知センサの配置を示す。
【0023】
また、屋根上機器撮像装置45は、屋根上機器撮像用の複数台の屋根上機器監視用カメラ3と、車両屋根上を照らし出すための複数のハロゲンランプからなる屋根上機器監視用照明11と屋根上監視制御装置40とからなる。さらに、先のパンタグラフすり板計測装置35でも用いているパンタグラフ検知センサ5と車両検知センサ6、7及び車両情報受信機9を共用して、それらが信号ケーブル等で屋根上監視制御装置40に接続されている。また、パンタグラフすり板計測装置35と屋根上機器撮像装置45とは情報処理装置50に光ケーブルで接続されている。
【0024】
この情報処理装置50では、パンタグラフすり板計測装置35から画像情報に基づいて、摩耗量を求め、異常摩耗を起こしたすり板を検出すると警報を発してすり板交換を促すと共に、摩耗状態からすり板の交換時期を予測し、監視者に報知する機能を備えている。また、屋根上機器撮像装置45からの画像信号に車両編成番号に合わせて、撮像日時を加えて保存する機能を有している。なお、監視者は動画の状態で屋根上機器の状態を監視もできる機能を備えている。
【0025】
次に、それぞれの装置の動作の詳細を説明する。
【0026】
まず、パンタグラフすり板計測装置35では、まず計測位置に車両25の進入を車両進入検知センサ6が検知すると、パンタグラフ検知センサ5がパンタグラフすり板4の有無の検出を開始し、パンタグラフすり板測定用のカメラ2も同時に撮像可能状態になる。そして、車両進入側のパンタグラフ検知センサ5がパンタグラフすり板4を検出すると、車両進入側のフラッシュ照明10a及びパンタグラフすり板上部照射用フラッシュ照明20aを発光させ、同時に複数のパンタグラフすり板撮像カメラ2aがパンタすり板部の撮像を行い、撮影した画像を制御装置30のメモリに取り込む。取り込まれた画像データは、制御装置30で画像処理される。その後、車両退出側のパンタグラフ検知センサ5がパンタグラフすり板4を検出すると車両退出側のフラッシュ照明10b及びすり板上面照射用フラッシュ照明20bが発光し、同時に同方向のパンタグラフすり板部を撮像するためのパンタグラフすり板撮像カメラ2bがパンタグラフすり板部の撮影を行い、撮影した画像を制御装置30のメモリに取り込む。そして、前方側と同じく制御装置30で画像処理される。このように、同じパンタグラフのすり板部を前後2回撮像して画像処理することで、パンタグラフ撮像時における架線のすり板に接触している位置が異なるために、架線の影響を除去することができる。
【0027】
画像処理の大まかな手順を下記に述べる。
【0028】
まず、表示された画像領域からパンタグラフの大まかな位置を抽出する。そのために、表示された画像領域を指定した閾値範囲により、グレイ領域の抽出を行う。この閾値範囲の設定は、表示画像全体の平均グレイ値と標準偏差を求め、その値に基づいて行っている。なお、この抽出においては、一部の輝き部分によって値が振られるために、輝いている部分はあるグレイ値に置きなおしている。
【0029】
グレイ領域が抽出されると、この領域にはパンタグラフのみが存在すればよいが、パンタグラフ以外の屋根上機器が存在する場合が多い。そのため、横方向に長い矩形構造要素を用いて、抽出したグレイ領域の膨張、収縮処理を繰り返し行うことでパンタグラフ領域と屋根上機器領域とを分離する。分離された領域から、面積、位置等の形状特徴量に基づきパンタグラフ領域を選択する。
【0030】
選択された領域を囲む最小の矩形位置を求め、それを画像全体に対するパンタグラフ位置とする。
【0031】
次に、抽出された領域内の横方向に長い線分を抽出し、傾きがあれば、大まかに回転して略水平位置にする。この処理は下記のようにして行う。
【0032】
まず、先に選択された領域をパンタグラフ領域として、この領域内の横方向に長い線分の抽出を行う。横方向の線分抽出は、横方向線分を強調するため、横方向に大きなフィルタを用いて平滑化処理を行う。これにより領域内の横方向線分を抽出する。抽出するための閾値は、領域内の画像の平均グレイ値と標準偏差を求めて、その値に基づいて設定する。
【0033】
上記処理によって、複数個の線分が抽出される場合があり、その場合は長さ、位置と言った特性に基づき一つの線分を選択する。次に、選択した線分の傾きのある画像を回転することで大まかに水平にする。
【0034】
次に回転させた画像において、基準となる正確な位置を求めるために、パンタグラフの特徴的な部位を検出する。本実施例では、パンタグラフ舟体側面に設けてあるリベット位置を求めることとした。但し、リベットの設けていないものもありえるため、舟体の端部を検出する方法としてもよい。先ず検索領域を平滑化して画像を滑らかにする。滑らかにした画像から所定の閾値で線分を抽出する。抽出した線分中から円弧と直線に分割して、円弧のみを抽出する。抽出された円弧は複数個抽出される場合があるため、長さ、丸み、位置と言う特性に基づいてリベットであることを判断して、リベットを選択する。このリベット位置に基づいて基準線検索領域を設定する。この設定された領域内の横方向の線分を検索する。そのためには、先の大まかなパンタグラフ位置の抽出と同様に、横方向に大きなフィルタを用いて平滑化処理を実施する。
【0035】
次に、基準線検索領域内の横方向に長い線分を抽出する。抽出のための閾値は、検索領域内の画像の平均グレイ値と標準偏差を求め、その値に基づいて設定している。抽出される線分は複数個ある場合があり、この時は、長さと位置と言った特性に基づき舟体とすり板の接合面の線分を抽出する。
【0036】
次に、抽出された線分(基準線)の傾きを求め、その傾きが0となるように画像を回転処理する。そして、回転させた画像において、舟体とすり板の接合面の線分を囲む最小の矩形の位置を計算により求め、その位置を基準線の位置とする。
【0037】
基準線位置が決まると次にエッジ検出処理を実行する。
【0038】
パンタグラフに設けてあるすり板表面は、架線との接触により傷や汚れが多い部分である。そのため細かな輝度差が多く発生しており、単純にエッジ検出を行うと多くのエッジがあるように認識してしまう。そこで、エッジ検出領域を予め2値化処理をして、白と黒の領域に分けて、すり板上面が白領域にすり板側面が黒領域になり、この求めた領域の最下点を求める。そして、求めた最下点を結ぶ線分をエッジとした。この求めたエッジと基準線との間をすり板厚みとして抽出する。
【0039】
以上のように、画像処理によりすり板各部の厚みを求めて摩耗状態を判定し、所定量以上の摩耗を検出するとすり板の交換時期である事を監視者に報知すると同時に、摩耗量等のデータと一緒に画像処理前の原画を表示して監視者が摩耗の状態を確認出来るようにしている。
【実施例2】
【0040】
上記の構成は、太陽光などの影響を受けない位置に配置した場合であるが、太陽光の影響を受ける位置に配置した場合は、太陽光の有無によって照度やカメラの絞り等を切り替えて撮像する必要がある。そこで、太陽光の影響を受ける屋外に本装置を配置した場合の、フラッシュ照明及びカメラの配置の一実施例を説明する。
【0041】
図4にカメラを切り替えて撮像する場合のカメラの配置を示す。
【0042】
昼間撮像する場合のカメラ2”の2台の配置は高さ方向をフラッシュ照明設置高さと同じくhとし、線路幅方向をWとすると、フラッシュ照明の線路幅方向間隔は1.9Wとし、カメラの絞りを4、フォーカスを1.5m、視野サイズを650に設定し、夜間撮像用のカメラ2の高さを約1.3倍の1.3hに設定し、幅方向を0.65Wの位置に配置し、そのカメラの絞りを2、フォーカスを1.6m、視野サイズを670に設定した。
【0043】
このそれぞれのカメラ(昼用と夜間用カメラ)を用いて標準の画像を撮像して、所望の画像が得られる方のカメラを用いて検査するパンタグラフを撮像するものである。この方法では、周囲の明るさ、または所定の時間にそれぞれのカメラで標準画像を撮像し、画像処理する閾値の輝度が得られる方のカメラを選択するように検出器側に選択手段を設けてある。この選択手段は、昼と夜の判別のために、時刻(日照時間に応じて所定幅を有している)、及び当日の天候に応じて選択判別を実行することで、判別を実行する回数を低減して、処理の高速効果を図っている。
【0044】
このように、太陽光の影響を受ける日中と夜間で撮像するカメラを切換えることで、太陽光の影響を取り除き高精度の画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】パンタグラフ及び屋根上機器監視のためのカメラと照明の配置を示す図である。
【図2】パンタすり板検査用のカメラと照明の配置を説明するための図である。
【図3】本発明の屋根上機器検査システムのブロック線図である。
【図4】昼用と夜間用のカメラを切換えて撮像する場合の機器配置図である。
【図5】車両進入検知装置の配置を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
2…パンタグラフ撮像用カメラ、3…屋根上機器監視用カメラ、4…パンタグラフすり板、5…パンタグラフ検知センサ、6、7…車両進入検知センサ、8…車両情報発信機、9…車両情報受信機、10…フラッシュ照明、20…すり板上面用フラッシュ照明。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車用パンタグラフのすり板の摩耗状態を自動的に測定して監視者にその状態を報知する機能を備えたパンタグラフのすり板検査装置において、
車両の進入を検知する車両進入検知センサと、パンタグラフが撮像領域に進入したことを検出するパンタグラフ検知センサと、前記パングラフ検知センサがパンタグラフを検知するとパンタグラフすり板上面に光りを照射する上面照射用フラッシュ照明と、撮像用カメラ側に設置されパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ照明を照射し同時にカメラを動作させてパンタグラフを撮像するように構成し、前記すり板上面を照射するフラッシュ光に対してパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ光の光量を小さくしたことを特徴とするパンタグラフのすり板検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパンタグラフのすり板検査装置において、
車両進行方向に前記すり板上面を照射するパンタグラフすり板上面照射用フラッシュ照明を、カメラ及びパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ照明に対向するように配置し、前記上面照射フラッシュ光の位置を車両進行方向に対して撮像するパンタグラフに近い位置に配置したことを特徴とするパンタグラフのすり板検査装置。
【請求項3】
請求項1記載のパンタグラフのすり板検査装置において、
前記カメラを昼用の撮像カメラと、夜用の撮像カメラを2種類設け、両種のカメラで撮像した結果を用いて使用するカメラを選択する選択機能を制御部に設けたこと特徴とするパンタグラフのすり板検査装置。
【請求項4】
電気車用パンタグラフのすり板の摩耗状態を自動的に測定して監視者にその状態を報知する機能を備えたパンタグラフのすり板検査装置において、
車両の進入を検知する車両進入検知センサと、パンタグラフが撮像領域に進入したことを検出する進入側パンタグラフ検知センサと、前記進入側パングラフ検知センサがパンタグラフを検知するとパンタグラフすり板上面に光りを照射する進入側上面照射用フラッシュ照明と、進入側撮像用カメラ側に設置されパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ照明を照射し同時に進入側撮像用カメラを動作させてパンタグラフを撮像し、車両の退出側パンタグラフ検知センサがパンタグラフを検知するとパンタグラフすり板上面に光りを照射する退出側上面照射用フラッシュ照明と、退出側撮像用カメラ側に設置されパンタグラフすり板側面照射用フラッシュ照明を照射し同時に退出側撮像用カメラを動作させてパンタグラフを撮像して、撮像されたそれぞれの画像を画像処理して付き合わせることで、架線の影響を除去することを特徴とするパンタグラフのすり板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2005−249503(P2005−249503A)
【公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−58353(P2004−58353)
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【出願人】(000233077)株式会社 日立インダストリイズ (97)
【Fターム(参考)】