説明

プラズマ処理装置

【課題】電子密度分布を均一に制御し、プラズマ処理を被処理体に施すことができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】被処理体Wが収容された筒状の処理室12内に処理ガスを供給してプラズマを生成し、生成したプラズマにて被処理体Wにプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に、前記処理室12内の略中央部に光を照射する第1光照射手段と、前記処理室12内の周壁側の領域に光を照射する第2光照射手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理体が収容された処理室内に処理ガスを供給してプラズマを生成し、生成したプラズマにて被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置は、プラズマを用いて半導体ウエハ、ガラス等の被処理体に対するエッチング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の表面処理を行うものであり、半導体、液晶パネルの製造に用いられている。平行平板型のプラズマ処理装置は、容量結合型プラズマ(CCP: Capacitively Coupled Plasma)を発生させる一対の電極と、該電極に高周波電力を供給するRF電源回路と、電極間に反応性ガス、材料ガス、放電ガス等の処理ガスを供給するガス供給部とを備えている(例えば、特許文献1)。プラズマ処理装置の電極に高周波電力を印加することによって処理ガスのプラズマを生成し、生成したプラズマにて被処理体に各種プラズマ処理を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−270054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、処理室内に生成される電子密度は、一般的に均一ではなく、プラズマの圧力、高周波電力の周波数、処理室の形状によって、被処理体の径方向中央部と、端部とで異なることが知られている。電子密度が不均一に分布している状態においては、プラズマ表面処理の処理強度、例えば円板状の被処理体におけるエッチングの深さ、形状等も不均一になる。
【0005】
図11は、平行平板型のプラズマ処理装置にて生成されるプラズマの電子密度分布と、高周波電力の周波数との関係を示したシミュレーション結果のコンター図である。コンター図には、プラズマ処理装置の側断面図が描かれている。図11ではプラズマ処理装置の径方向半分のみが描かれているため、左端部分が処理室の略中央部、右端部分が処理室の周壁側の領域に対応する。図11(a)は、40MHzの高周波電力を電極に印加した場合の電子密度分布を示しており、円筒状の処理室の中央部が低電子密度、周壁側が高電子密度であることが分かる。一方、図11(b)は、100MHzの高周波電力を電極に印加した場合の電子密度分布を示しており、処理室の中央部が高電子密度、周壁側が低電子密度であることが分かる。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、紫外線やX線等の光を照射することによって処理ガスを励起若しくは電離させ、又は試料台から電子を放出させることによって、電子密度分布を均一に制御し、均一なプラズマ処理を被処理体に施すことができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプラズマ処理装置は、被処理体が収容された処理室内に処理ガスを供給してプラズマを生成し、生成したプラズマにて被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、前記処理室内に光を照射する光照射手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、処理室内に光を照射することによって、光が照射された領域における処理ガスの電離を部分的に促すことができ、電子密度分布の制御が可能になる。また、処理室内に存在するプラズマ処理装置の構成部材に光を照射することによって電子の放出を部分的に促すことができ、電子密度分布の制御が可能になる。
【0009】
本発明に係るプラズマ処理装置は、前記光照射手段は、複数の光源を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、光照射手段は複数の光源を備えており、各光源は処理室内の異なる複数の領域に光を照射する。従って、各光源の点灯及び光量を制御することによって、処理ガスの電離又は電子放出を部分的に促すことができ、電子密度分布を制御することが可能になる。
【0011】
本発明に係るプラズマ処理装置は、前記処理室は筒状をなし、前記光照射手段は、前記処理室内の略中央の領域に光を照射する第1光照射手段と、前記処理室内の周壁側の領域に光を照射する第2光照射手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、処理室は筒状であり、第1光照射手段は、処理室内の略中央の領域に光を照射し、第2光照射手段は、処理室内の周壁側の領域に光を照射する。従って、電子密度分布が処理室の略中央部又は周壁側に偏ることを防止することが可能である。
【0013】
本発明に係るプラズマ処理装置は、前記光照射手段は、処理ガスを構成する原子又は分子を励起又は電離させることが可能な光を照射するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、光照射手段は、処理ガスを構成する原子を励起又は電離させることが可能な光を照射する。処理ガスの原子が励起した場合、電離に必要なエネルギーが低下するため、処理ガスの電離が促進し、電子密度が部分的に増加する。同様に、光の照射によって処理ガスの原子が電離した場合、電子密度が部分的に増加する。
【0015】
本発明に係るプラズマ処理装置は、被処理体が載置される試料台を備え、前記光照射手段は、前記試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材に対して、該試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材を構成する原子から電子を放出させることが可能な光を照射する手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、光照射手段は、被処理体が載置される試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材に対して、試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材を構成する原子から電子を放出させることが可能な光を照射する。光の照射によって、試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材から電子が放出された場合、電子密度が部分的に増加する。
【0017】
本発明に係るプラズマ処理装置は、前記処理室の外部から該処理室内へ光を入射させるための透光窓部を備え、前記光照射手段は、前記透光窓部を通じて前記処理室内に光を照射するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、処理室の外部からの光を、透光窓部を通じて処理室の内部へ入射させ、該処理室内に光を照射する。
【0019】
本発明に係るプラズマ処理装置は、前記処理室の外部から該処理室内へ貫通した導光路を備え、前記光照射手段は、前記導光路を通じて前記処理室内に光を照射するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、処理室の外部からの光を、処理室を貫通した導光路を通じて処理室内に導き、該処理室内に光を照射する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、紫外線やX線等の光を照射することによって処理ガスを励起若しくは電離させ、又は試料台から電子を放出させることによって、均一な電子密度分布を均一に制御し、プラズマ処理を被処理体に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態1に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す側断面図である。
【図2】プラズマ処理装置の要部を示す拡大断面図である。
【図3】記憶部が記憶する光量テーブルのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。
【図4】電子密度分布の制御に係る制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】電子密度分布の制御方法を概念的に示す説明図である。
【図6】周波数40MHzの高周波電力を印加している状態で、励起光を照射した場合における電子密度分布等のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】周波数100MHzの高周波電力を印加している状態で、励起光を照射した場合における電子密度分布等を示したグラフである。
【図8】処理室内の構成部材に励起光を照射した場合における電子密度分布等を示したグラフである。
【図9】変形例に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図10】実施の形態2に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図11】平行平板型のプラズマ処理装置にて生成されるプラズマの電子密度分布と、高周波電力の周波数との関係を示したシミュレーション結果のコンター図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す側断面図、図2は、プラズマ処理装置の要部を示す拡大断面図である。本発明の実施の形態1に係るプラズマ処理装置は、チャンバ1と、被処理体Wを載置すると共に下部電極として機能する試料台2と、上部電極31として機能するガス導入シャワーヘッド3と、チャンバ1内に処理ガスを導入するガス供給手段4と、光照射手段5とを備える。
【0024】
チャンバ1は、アルミニウム製の円筒状をなし、該チャンバ1内には、被処理体W、例えば、直径が300mmの半導体デバイス用のウエハを載置する載置台としての円柱状の試料台2が配置されている。プラズマ処理装置では、チャンバ1の内側壁と試料台2の側面とによって、試料台2上方のガスをチャンバ1の外へ排出する流路として機能する側方排気路が形成される。この側方排気路の途中には排気プレート11が配置される。チャンバ1の内壁面は石英やイットリア(Y2 3 )で被膜処理されている。
【0025】
排気プレート11は多数の孔を有する板状部材であり、チャンバ1を上部と下部に仕切る仕切り板として機能する。排気プレート11によって仕切られたチャンバ1の上部(以下、「処理室」という。)12における処理空間には、後述するプラズマが発生する。また、チャンバ1の下部(以下、「排気室」という。)13にはチャンバ1内のガスを排出する粗引き排気管14及び本排気管15が開口している。粗引き排気管14にはDP(Dry Pump)(不図示)が接続され、本排気管15には可変式バタフライバルブである自動圧力制御弁(APCバルブ:Adaptive Pressure Control Valve)(不図示)を介してTMP(Turbo Molecular Pump)(不図示)が接続される。また、排気プレート11は処理室12における処理空間において発生するプラズマ中のイオンやラジカルを捕捉又は反射してこれらの排気室13への漏洩を防止する。
【0026】
粗引き排気管14及び本排気管15は処理室12のガスを排気室13を介してチャンバ1の外部へ排出する。具体的には、粗引き排気管14はチャンバ1内を大気圧から低真空状態まで減圧し、本排気管15は粗引き排気管14と協働してチャンバ1内を低真空状態より低い圧力である高真空状態、例えば、133Pa(1Torr)以下まで減圧する。また、本排気管15は前記APCバルブによってチャンバ1内の圧力制御を行う。
【0027】
また、チャンバ1の側壁には、被処理体Wのチャンバ1内への搬出入の際に利用される搬出入口16が設けられ、搬出入口16には、該搬出入口16を開閉するゲートバルブ17が取り付けられている。
【0028】
試料台2は、排気プレート11の略中央部に設置され、試料台2には下部高周波電源21が下部整合器22を介して接続されており、該下部高周波電源21は所定の高周波電力を試料台2に印加する。これにより、試料台2は下部電極として機能する。また、下部整合器22は、試料台2からの高周波電力の反射を低減して高周波電力の試料台2への供給効率を最大にする。
【0029】
試料台2の上部には、静電電極板23aを内部に有する静電チャック23が配置されている。静電チャック23はアルミニウムからなり、上面にはセラミック等が溶射されている。試料台2に被処理体Wを載置するとき、該被処理体Wは静電チャック23の上面に配置される。
【0030】
また、静電チャック23では、静電電極板23aに直流電源24が電気的に接続されている。静電電極板23aに正の高直流電圧が印加されると、被処理体Wにおける静電チャック23側の面(以下、「裏面」という。)には負電位が発生して静電電極板23a及び被処理体Wの裏面の間に電位差が生じ、該電位差に起因するクーロン力又はジョンソン・ラーベック力により、被処理体Wは静電チャック23の上面に吸着保持される。また、試料台2の上方には、静電チャック23の上面に吸着保持された被処理体Wの周りを囲うように円環状のフォーカスリング25が配される。このフォーカスリング25は、例えば、石英からなり、静電チャック23の上面に吸着保持された被処理体Wの周りを囲う。また、フォーカスリング25は、処理空間に発生するプラズマに面し、処理空間においてプラズマを被処理体Wの表面に向けて収束して、エッチング処理の効率を向上させる。
【0031】
また、試料台2の内部には、例えば、円周方向に延在する環状の冷媒室26aが設けられる。この冷媒室26aには、チラーユニット(不図示)から冷媒用配管26bを介して低温の冷媒、例えば、冷却水やガルデン(登録商標)が循環供給される。該低温の冷媒によって冷却された試料台2は静電チャック23を介して被処理体Wを冷却する。なお、被処理体Wの温度は主として冷媒室26aに循環供給される冷媒の温度、流量によって制御される。
【0032】
静電チャック23の上面の被処理体Wが吸着保持される部分(以下、「吸着面」という。)には、複数の伝熱ガス供給孔27が開口している。これら複数の伝熱ガス供給孔27は、伝熱ガス供給ライン27bを介して伝熱ガス供給部(不図示)に接続され、該伝熱ガス供給部は伝熱ガスとしてのヘリウムガスを、伝熱ガス供給孔27を介して吸着面及び被処理体Wの裏面の間隙に供給する。吸着面及び被処理体Wの裏面の間隙に供給されたヘリウムガスは被処理体Wの熱を静電チャック23に効果的に伝達する。
【0033】
ガス導入シャワーヘッド3は、試料台2と対向するようにチャンバ1の天井部に配置されている。ガス導入シャワーヘッド3には上部整合器34を介して上部高周波電源33が接続されており、上部高周波電源33は所定の高周波電力をガス導入シャワーヘッド3に印加するので、ガス導入シャワーヘッド3は上部電極31として機能する。なお、上部整合器34の機能は上述した下部整合器22の機能と同じである。
【0034】
ガス導入シャワーヘッド3は、例えば、シリコンSiからなり、多数のガス孔31aを有する上部電極31と、該上部電極31を着脱可能に支持する電極支持体32とを有する。また、該電極支持体32の内部にはバッファ室32aが設けられ、このバッファ室32aには処理ガス供給器45から処理ガスを導入するガス導入管41が接続されている。ガス導入シャワーヘッド3は、ガス導入管41によりバッファ室32a内へ導入された処理ガスを、ガス孔31aを介して処理室12内へ供給する。また、円板状の上部電極31及び電極支持体32の略中央部には、後述の励起光L1を処理室12の略中央部へ入射させるための透光孔31b,32bが設けられている。
なお、透光孔31b,32bを備えず、後述の第1光源51からの励起光L1を処理室12の天側から透過させ、処理室12の中央の領域に入射させるように構成しても良い。また、処理室12内の中央の領域に配されたその他の部材に対して励起光L1を照射するように構成しても良い。
【0035】
このプラズマ処理装置では、エッチング未処理の被処理体Wをチャンバ1内に収容して静電チャック23の上面に吸着保持した後に、試料台2及びガス導入シャワーヘッド3に高周波電力を印加して、試料台2及びガス導入シャワーヘッド3の間の処理空間に高周波電力を印加することにより、該処理空間においてガス導入シャワーヘッド3から供給された処理ガスを高密度のプラズマにしてイオンやラジカルを発生させ、該イオン等によってエッチング未処理の被処理体Wにエッチング処理を施す。
【0036】
ガス供給手段4は、電極支持体32の中央に設けられたガス導入管41を備え、ガス導入管41には、ガス供給管42が接続されている。さらにこのガス供給管42には、バルブ43およびマスフローコントローラ44を介して、処理ガス供給器45が接続されている。
【0037】
この処理ガス供給器45から、エッチングのためのエッチングガス又はアッシングのためのアッシングガス等の各種処理ガスが、処理室12の内部に供給されるようになっている。なお、図1には、ガス供給管42、バルブ43、マスフローコントローラ44、および処理ガス供給器45等から成る処理ガス供給系を1つのみ示しているが、プラズマ処理装置1は、複数の処理ガス供給系を備えている。例えば、CF4 、Cx y 、O2 、N2 、Nx y 、NH3 、CHF3 、H2 、Ar、He、およびXe等の処理ガスが、それぞれ独立に流量制御され、任意の組合わせで処理室12内に供給される。
【0038】
光照射手段5は、処理室12内の略中央の領域に処理ガスの励起光L1を照射するための第1光源51、処理室12内の周壁側の領域に励起光L2を照射するための第2光源52、52、第1光源51及び第2光源52、52の発光を制御する制御部53、及び該制御部53による発光制御に必要な情報を記憶した記憶部54を備える。
【0039】
第1光源51は、処理ガスを構成する原子又は分子を励起させることが可能な波長を含む励起光L1を照射する光源であり、ガス導入管41の円周面外側に配されている。ガス導入管41の側壁には、第1光源51からの励起光L1を処理室12内へ入射させるための透光窓部51bが設けられている。透光窓部51bは、例えば石英ガラス等で形成されている。第1光源51及び透光窓部51b間は、光ファイバ等の第1導光路51aで接続されている。また、ガス導入管41の内部には、第1光源51から出射し、第1導光路51a及び透光窓部51bを通じて、ガス導入管41の内部へ入射した励起光L1を、処理室12内へ導くためのプリズム51c、集光レンズ51dが配されている。
上記構成によれば、第1光源51から出射した励起光L1は、第1導光路51a及び透光窓部51bを通じて、ガス導入管41に入射する。ガス導入管41に入射した励起光L1は、プリズム51c及び集光レンズ51dによって、ガス導入管41からガス導入シャワーヘッド3の透光孔31b、32bを通じて、処理室12内の略中央部に導かれる。
なお、上述のように透光孔31b,32bを備えず、第1光源51からの励起光L1を処理室12の天側から透過させ、処理室12の中央の領域に入射させるように構成することにより、ガス導入シャワーヘッド3から電子を放出させるように構成しても良い。このように構成した場合、励起光L1は、ガス導入シャワーヘッド3を透過して、ガス導入シャワーヘッド3の下表面に達するため、結果として、処理室12内部の中央の領域に励起光L1が照射されたことになる。ガス導入シャワーヘッド3の上部電極31及び電極支持体32を構成する原子に励起光L1が照射された場合、該原子は光電効果によって電子を処理室12内に放出する。また、処理室12内に漏れ出した励起光L1は、処理室12の中央部の領域において処理ガスを励起又は電離させることもできる。
【0040】
第2光源52、52は、フォーカスリング25を構成する原子から電子を放出させることができ、また処理ガスを構成する原子又は分子を励起させることが可能な波長を含む励起光L2を照射する光源であり、例えば排気室13に配されている。第2光源52、52には第2導光路52a、52a、例えば光ファイバの一端が接続されている。第2導光路52a、52aの中央部分は、試料台2内部に埋設され、他端がフォーカスリング25の下面に当接している。
上記構成によれば、第2光源52、52から出射した励起光L2は、第2導光路52a、52aを通じて、フォーカスリング25に下方から照射される。励起光L2は、フォーカスリング25を透過して、フォーカスリング25の表面に達するため、結果として、処理室12内部の外周側の領域に励起光L2が照射されたことになる。フォーカスリング25の表面を構成する原子に励起光L2が照射された場合、該原子は光電効果によって電子を処理室12内に放出する。また、処理室12内に漏れ出した励起光L2は、処理ガスを励起又は電離させることもできる。
なお、第2光源52によって、フォーカスリング25及び処理室12内の周壁側の領域に励起光L2を照射するように構成してあるが、処理室12の周壁に対して励起光L2を照射するように構成しても良い。また、処理室12内の周壁側に配されたその他の部材に対して励起光L2を照射するように構成しても良い。
【0041】
制御部53は、例えばCPUを備えたマイクロコンピュータであり、CPUにはバスを介してROM、RAM、操作部、記憶部54等が接続されている。記憶部54は、第1光源51及び第2光源52、52の点灯及び光量を制御するための光量テーブルを記憶している。また、制御部53は、上述したプラズマ処理装置の各構成部品の動作を、エッチング処理に対応するプログラムに応じて制御する。
【0042】
図3は、記憶部54が記憶する光量テーブルのレコードレイアウトを概念的に示す説明図である。光量テーブルは、処理ガスの種類と、上部電源及び下部電源の周波数と、第1光源51による中央部光照射量と、第2光源52、52による外周部光照射量とを対応付けた情報である。
中央部光照射量は、電子密度分布を均一にするために、処理室12の略中央部に照射すべき励起光L1の光量を示し、外周部光照射量は、処理室12の周壁側の領域に照射すべき励起光L2の光量を示している。
【0043】
図4は、電子密度分布の制御に係る制御部53の処理手順を示すフローチャートである。制御部53は、図示しない操作部によって入力されたプロセス条件をRAMから読み出し(ステップS11)、読み出されたプロセス条件と、光量テーブルとに基づいて、中央部光照射量及び外周部光照射量を特定する(ステップS12)。
【0044】
そして、制御部53は、ステップS12で特定した中央部光照射量に応じた光量で第1光源51を発光させる(ステップS13)。
【0045】
次いで、制御部53は、ステップS12で特定した外周部光照射量に応じた光量で第2光源52、52を発光させ(ステップS14)、処理を終える。
【0046】
次に、電子密度分布の制御方法の原理について説明する。
図5は、電子密度分布の制御方法を概念的に示す説明図である。図5(a)に示すように、処理ガスを構成する基底状態の原子に励起光が照射されると、図5(b)に示すように、該原子は励起状態に遷移する。励起状態にある粒子は、電子衝突又はイオン衝突等によって電離し易くなる。このため、励起光を照射することによって、該励起光が照射された領域のプラズマの電子密度を増加させることができる。
【0047】
処理ガスとしては、例えばAr、O2 、CF4 などのガスがプラズマプロセスで使用されている。それぞれの原子又は分子を電離させるためには、15.8(eV)、12.1(eV)、14.2(eV)のエネルギーが必要である。各エネルギーは、光の波長で78(nm)、102(nm)、87(nm)である。ところが、処理ガスの原子又は分子が励起されるとその電離に必要なエネルギーは低下し、電離レートが高くなる。
【0048】
例えば、Ar、O2 、CF4 の原子又は分子を励起させるために必要なエネルギーは、それぞれ11.4(eV)、6.0(eV)、11.3(eV)である。つまり、109(nm)、207(nm)、110(nm)の励起光を照射することによって、Ar、O2 、CF4 の原子又は分子を励起させることができる。各原子又は分子が励起状態になると、励起状態から電離に必要なエネルギーは低下し、それぞれ4.4(eV)、6.1(eV)、2.9(eV)となる。光の波長で表現すると、282(nm)、203(nm)、428(nm)となる。
【0049】
また、プラズマ中では固体表面上で電子またはイオン衝突により電離が生じ、プラズマ中での電子密度分布に影響を与える。固体表面上でも処理ガスと同様に構成原子を励起させ、又は光電子を放出させることができれば電離閾値は下がりより多くの電子をプラズマ中へ放出させることができる。例えばプラズマ処理装置でよく使われる材質であるSi、SiO2 のバンドギャップはそれぞれ1.1(eV)9.0(eV)、波長で表現すると1127(nm)、138(nm)である。
【0050】
このように、本発明によれば、処理ガス又は処理室12を構成する構成部材に励起光を照射することにより、処理ガス又は構成部材を励起又は電離させて部分的に電子の生成を増幅し、プラズマの均一性を制御することができる。
【0051】
次に、励起光の照射によって電子密度分布を制御することができることを示すシミュレーション結果について説明する。今回行ったシミュレーションでは、プラズマ処理装置として平行平板型のプラズマ処理装置を想定し、Arプラズマでの電子密度分布計算例を示した。より具体的には、電極間の距離を20(mm)、プラズマの圧力を30(mmTorr)、被処理体Wである半導体ウエハの半径を150(mm)とした。また、電子密度分布のシミュレーションは、プラズマ流体モデル及びマクスウェル方程式を用いた有限要素法によって行った。
【0052】
一般的に、高周波電源の周波数が低い場合、処理室12の周壁側で電子密度が高くなり、周波数が高い場合、定在波の影響で中央部の電子密度が高くなる傾向がある。そこで、偏在した電子密度分布を均一化すべく、電子密度が低い領域に励起光を照射した場合のシミュレーションを行った。今回は、周波数が低い場合に、処理室12の中心から径方向4(cm)の間の領域に励起光を照射し、周波数が高い場合に、処理室12の中心から径方向15(cm)〜18(cm)の領域に励起光を照射した場合についてシミュレーションを行った。なお、照射する励起光の光量は、処理ガスの原子が1021(個/m3 ・秒)のレートで励起させることができる量に設定してある。
【0053】
図6は、周波数40MHzの高周波電力を印加している状態で、励起光を照射した場合における電子密度分布等のシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は、試料台2の中心を基準とした径方向の位置を示している。例えば、径方向の位置0(mm)は、円筒状の処理室12の中心部分に対応し、径方向の位置150〜200(mm)は、処理室12の周壁側の領域に対応している。図6(a)に示したグラフの縦軸は電子密度を示しており、細線の曲線は、励起光を照射していない状態における電子密度分布、太線は、収容室の中央部の空間に励起光を照射した状態における電子密度分布を示している。また、図6(b)に示したグラフの縦軸は励起した粒子の密度を示しており、同様にして細線の曲線は、励起光を照射していない状態における励起粒子密度分布、太線は、収容室の中央部の空間に励起光を照射した状態における励起粒子密度分布を示している。なお、ハッチング部分は、励起光が照射された領域を示している。
【0054】
図6に示したグラフから分かるように、周波数40MHzの高周波電力を印加した状態においては、電子密度は、処理室12の中央部に比べて径方向外側の方が高い傾向がある。ここで、処理室12の略中央部に励起光が照射されると、処理ガスを構成する原子が励起し、図6(b)に示すように励起粒子密度は処理室12の略中央部で高くなる。励起した粒子は、電離し易くなるため、結果として、図6(a)に示すように、処理室12の略中央部の電子密度が増加し、電子密度分布の均一性が向上する。
【0055】
電子密度分布の均一性は下記式(1)で表される。
U=(Max−Min)×2/(Max+Min)・・・(1)
但し、Uは、電子密度分布の均一性、Maxは、電子密度の最大値、Minは電子密度の最小値である。
【0056】
均一性Uの値が小さい程、均一性が高くなる。電子密度分布が完全に均一であるとき、均一性Uの値は0になる。図6に示した例では、励起光の照射によって均一性Uは、84%から46%に向上した。
【0057】
図7は、周波数100MHzの高周波電力を印加している状態で、励起光を照射した場合における電子密度分布等を示したグラフである。横軸は、図6同様、試料台2の中心を基準とした径方向の位置を示している。また、図7(a)に示したグラフの縦軸は電子密度を示しており、図7(b)に示したグラフの縦軸は励起した粒子の密度を示している。
【0058】
図7に示したグラフから分かるように、周波数100MHzの高周波電力を印加した状態においては、電子密度は、処理室12の中央部に比べて径方向外側の方が低い傾向がある。ここで、処理室12の周壁側の領域に励起光が照射されると、処理ガスを構成する原子が励起し、図7(b)に示すように励起粒子密度は処理室12の周壁側の領域で高くなる。励起した粒子は、電離し易くなるため、結果として、図7(a)に示すように、処理室12の周壁側の領域の電子密度が増加し、電子密度分布の均一性が向上する。図7に示した例では、励起光の照射によって均一性Uは、115%から91%に向上した。
【0059】
図8は、処理室12内の構成部材に励起光を照射した場合における電子密度分布等を示したグラフである。横軸は、図6同様、試料台2の中心を基準とした径方向の位置を示し、縦軸は電子密度を示している。図8(a)は、周波数40MHzの高周波電力を印加している状態における電子密度分布、図8(b)は、周波数100MHzの高周波電力を印加している状態における電子密度分布を示している。前記構成部材に励起光が照射されると光電子が放出されるため、電子密度が低い領域に励起光を照射することによって、該領域における電子密度を増加させ、電子密度分布の均一性を向上させることができる。図8(a)に示した例では、励起光の照射によって均一性Uは、84%から25%に向上した。また、図8(b)に示した例では、励起光の照射によって均一性Uは、115%から44%に向上した。
【0060】
実施の形態1に係るプラズマ処理装置によれば、電子密度分布を均一に制御し、プラズマ処理を被処理体Wに施すことができる。
【0061】
(変形例)
図9は、変形例に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す断面図である。変形例に係るプラズマ処理装置は、光照射手段105の構成、特に第2光源152、152に係る構成のみが実施の形態1とは異なるため、以下では主に上記相異点について説明する。
【0062】
変形例2に係る光照射手段105を構成する複数の第2光源152、152は、チャンバ1の外部に配されている。各第2光源152、152には、処理室12の周壁を貫通した第2導光路152a、152aの一端が接続されており、第2導光路152a、152aの他端は、フォーカスリング25に対向するように曲成されている。
上記構成によれば、第2光源152、152から出射した励起光L2は、第2導光路152a、152aを通じて、処理室12の外部から内部へ導かれ、フォーカスリング25の上面に照射される。
【0063】
変形例に係るプラズマ処理装置は、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0064】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係るプラズマ処理装置の一例を模式的に示す断面図である。実施の形態2に係るプラズマ処理装置は、例えばRLSA型であり、気密に構成されかつ接地された略円筒状のチャンバ201を備える。チャンバ201は、例えば、アルミ(Al)製であり、略中央部に円形の開口部201bが形成された平板円環状の底壁201aと、底壁201aに周設された側壁とを有し、上部が開口している。該側壁によって囲まれた領域は処理室212を構成している。チャンバ201の内周には、石英からなる円筒状のライナが設けられている。
【0065】
チャンバ201の側壁には環状をなすガス導入部材241が設けられており、このガス導入部材241には図示しない処理ガス供給器が接続されている。ガス導入部材241は、例えばシャワー状に配置されている。処理ガス供給器から所定の処理ガスがガス導入部材241を介してチャンバ201内に導入される。処理ガスとしては、プラズマ処理の種類に応じて適宜のものが用いられる。例えば、タングステン系ゲート電極の選択酸化処理のような酸化処理を行う場合には、Arガス、H2 ガス、O2 ガス等が用いられる。
また、チャンバ201の側壁には、プラズマ処理装置に隣接する搬送室(図示せず)との間で被処理体Wの搬入出を行うための搬入出口216と、この搬入出口216を開閉するゲートバルブ217とが設けられている。
【0066】
チャンバ201の底壁201aには、開口部201bと連通するように、下方へ突出した有底円筒状の排気室211が設けられている。排気室211の側壁には排気管215が設けられており、排気管215には高速真空ポンプを含む図示しない排気装置が接続されている。排気装置を作動させることによりチャンバ201内のガスが、排気室211の空間211a内へ均一に排出され、排気管215を介して排気される。従って、チャンバ201内を所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能である。
【0067】
排気室211の底部中央には、AlN等のセラミックスからなる柱状部材が略垂直に突設され、柱状部材の先端部に、被処理体Wである半導体ウエハを支持する試料台202が設けられている。試料台202は、AlN等のセラミックスからなる円盤状をなし、その外縁部にはフォーカスリング225が設けられている。試料台202には抵抗加熱型のヒータが埋め込まれている。ヒータは、図示しないヒータ電源から給電されることにより被処理体Wを加熱する。また、試料台202には、被処理体Wを支持して昇降させるためのウエハ支持ピン(不図示)が試料台202の表面に対して突没可能に設けられている。
【0068】
チャンバ201の上部に形成された開口部には、その周縁部に沿ってリング状の支持部218が設けられている。支持部218には、誘電体、例えば石英、Al等のセラミックスからなり、マイクロ波を透過する円盤状の誘電体窓261がシール部材265aを介して気密に設けられている。誘電体板263は、平板状の誘電体円板部を有し、該誘電体円板部の略中央部には孔部が形成されている。また該孔部の周縁から、誘電体円板部に対して略垂直に、円筒状のマイクロ波入射部が突出している。
【0069】
誘電体窓261の上方には、試料台202と対向するように、円板状のスロット板262が設けられている。スロット板262は、誘電体窓261に面接触した状態で、チャンバ201の側壁上端に係止されている。また、スロット板262の上面には、真空よりも大きい誘電率を有する誘電体板263が互いに面接触するように設けられている。スロット板262は、導体、例えば表面が金メッキされた銅板またはアルミニウム板からなり、スロット板262は、複数のマイクロ波放射スロット262aが所定のパターンで貫通して形成された構成となっている。すなわち、スロット板262はRLSAアンテナを構成している。マイクロ波放射スロット262aは、例えば長溝状をなし、隣接する一対のマイクロ波放射スロット262a同士が略L字状をなすように近接して配されている。対をなす複数のマイクロ波放射スロット262aは、同心円状に配置されている。
【0070】
チャンバ201の上面には、スロット板262及び誘電体板263を覆うように、円盤状のシールド蓋体264が設けられている。シールド蓋体264は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等の金属製である。チャンバ201の上面とシールド蓋体264との間は、シール部材265bによりシールされている。
【0071】
シールド蓋体264の内部には、冷却水流路264aが形成されており、冷却水流路264aに冷却水を通流させることにより、スロット板262、誘電体窓261、誘電体板263、シールド蓋体264を冷却するように構成されている。なお、シールド蓋体264は接地されている。
【0072】
シールド蓋体264の上壁の中央には開口部264aが形成されており、該開口部には導波管271が接続されている。導波管271は、シールド蓋体264の開口部264bから上方へ延出する断面円形状の同軸導波管271aと、同軸導波管271aの上端部に接続された水平方向に延びる断面矩形状の矩形導波管271bとを有しており、矩形導波管271bの端部には、マッチング回路272を介してマイクロ波発生装置273が接続されている。マイクロ波発生装置273で発生したマイクロ波、例えば周波数2.45GHzのマイクロ波が導波管271を介して上記スロット板262へ伝搬されるようになっている。なお、マイクロ波の周波数としては、8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。矩形導波管271bの同軸導波管271aとの接続部側の端部にはモード変換器274が設けられている。同軸導波管271aは、筒状の同軸外導体と、該同軸外導体の中心線に沿って配された同軸内導体とを有し、同軸内導体の下端部はスロット板262の中心に接続固定されている。また、誘電体板263のマイクロ波入射部は、同軸導波管271aに内嵌している。
【0073】
また、プラズマ処理装置は、光照射手段205を備える。光照射手段205は、処理室212内の略中央の領域に励起光L1を照射するための第1光源251、処理室212内の側壁側の領域に励起光L2を照射するための第2光源252、252、第1光源251及び第2光源252、252の発光を制御する制御部253、及び該制御部253による発光制御に必要な情報を記憶した記憶部254を備える。制御部253、記憶部254の構成、及び制御部253の処理内容は実施の形態1と同様である。
【0074】
第1光源251は、チャンバ201の外部に配されており、第1光源251には第1導光路251aの一端が接続されている。第1導光路251aの途中部分は、同軸内導体内に配され、第1導光路251aの他端は、誘電体窓261の略中央部に当接している。
上記構成によれば、第1光源251から出射された励起光L1は、第1導光路251aを通じて誘電体窓261の略中央部の上面に照射される。励起光L1は、誘電体窓261を通過し、処理室212内の略中央部に照射される。
【0075】
複数の第2光源252、252は、変形例と同様、チャンバ201の外部に配されている。各第2光源252、252には、ガス導入部材241と同様に、処理室212の周壁を貫通した第2導光路252a、252aの一端が接続されており、第2導光路252a、252aの他端は、処理室212の周壁側の領域に励起光L2を照射するように構成されている。
上記構成によれば、第2光源252、252から出射した励起光L2は、第2導光路252a、252aを通じて、処理室212の外部から内部へ導かれ、処理室212の周壁側の領域に照射される。
【0076】
実施の形態2に係るプラズマ処理装置にあっては、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
1 チャンバ
2 試料台
3 ガス導入シャワーヘッド
4 ガス供給手段
5 光照射手段
12 処理室
13 排気室
25 フォーカスリング
31 上部電極
31b、32b 透光孔
41 ガス導入管
51 第1光源
51a 第1導光路
51b 透光窓部
51c プリズム
51d 集光レンズ
52、52 第2光源
52a、52a 第2導光路
53 制御部
54 記憶部
L1,L2 励起光
W 被処理体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体が収容された処理室内に処理ガスを供給してプラズマを生成し、生成したプラズマにて被処理体にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置において、
前記処理室内に光を照射する光照射手段を備える
ことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記光照射手段は、複数の光源を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記処理室は筒状をなし、
前記光照射手段は、
前記処理室内の略中央の領域に光を照射する第1光照射手段と、
前記処理室内の周壁側の領域に光を照射する第2光照射手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記光照射手段は、
処理ガスを構成する原子又は分子を励起又は電離させることが可能な光を照射するようにしてある
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
被処理体が載置される試料台を備え、
前記光照射手段は、
前記試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材に対して、該試料台若しくは前記処理室、又は前記処理室内に配された部材を構成する原子から電子を放出させることが可能な光を照射する手段を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記処理室の外部から該処理室内へ光を入射させるための透光窓部を備え、
前記光照射手段は、
前記透光窓部を通じて前記処理室内に光を照射するようにしてある
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記処理室の外部から該処理室内へ貫通した導光路を備え、
前記光照射手段は、
前記導光路を通じて前記処理室内に光を照射するようにしてある
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−77340(P2011−77340A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228052(P2009−228052)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】