説明

ボトムアップギャップ充填のための誘電堆積プロセスとエッチバックプロセス

【課題】 誘電体層における膜亀裂を減少させる方法を記載する。
【解決手段】 方法には、基板上に第一誘電体膜を堆積させるステップと、膜上でエッチングを行うことにより第一誘電体膜の最上部を除去するステップとが含まれるのがよい。方法には、また、エッチングされた第一膜の上に第二誘電体膜を堆積させるステップと、第二誘電体膜の最上部を除去するステップとが含まれるのがよい。更に、方法には、第一誘電体膜と第二誘電体膜をアニールして、誘電体層を形成するステップが含まれるのがよく、第一誘電体膜と第二誘電体膜から最上部を除去することにより誘電体層における応力レベルが低下している。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2006年6月22日出願の米国仮出願第60/805,573号の利益を主張し、この開示内容全体が本明細書にすべてのために援用されている。本出願は、また、2007年5月25日出願の“AMETHOD FORDEPOSITING AND CURING LOW-K FILMSFOR GAPFILLAND CONFORMALFILM APPLICATIONS”と称する米国特許出願第11/753,918号; 2007年5月25日出願の“A NOVEL DEPOSITION-PLASMA CURE CYCLEPROCESS TOENHANCE FILMQUALITY OFSILICON DIOXIDE”と称する米国特許出願第11/753,968号に関連し、いずれの出願の開示内容全体も本明細書にすべてのために援用されている。
【発明の背景】
【0002】
[0002]半導体技術の開発において直面し続けている課題の一つは、回路素子や相互接続部の密度をそれらの間に誤った相互作用を導入せずに高くしたいという要望である。望まない相互作用は、典型的には、物理的にも電気的にも素子を分離するために電気的絶縁物質で充填されるギャップ又はトレンチを設けることによって防止される。しかしながら、回路密度が高くなるにつれて、これらのギャップの幅が狭くなり、アスペクト比が大きくなり、ボイドを残さずにギャップを充填することがますます難しくなる。ギャップが完全に充填されない場合のボイドの形成は、絶縁物質内に不純物をトラップするように、完成したデバイスの動作に悪影響を及ぼすことから望ましくない。
【0003】
[0003]ギャップ充填適用に用いられる一般の技術は、化学気相堆積(“CVD”)技術である。従来の熱CVDプロセスは、熱誘導化学反応が行われる基板表面に反応性ガスを供給して、所望の膜を生成させるものである。プラズマ増強型CVD(“PECVD”)技術は、基板表面付近の反ゾーンに高周波(“RF”)エネルギーを加えることによって反応種ガスの励起及び/又は解離を促進させる。プラズマにおける化学種の高反応性によって、化学反応が起こるのに必要とされるエネルギーが減少するので、従来の熱CVDプロセスと比較した場合にこのようなCVDプロセスに必要とされる温度が下がる。これらの利点は、更に、高密度プラズマ(“HDP”)CVD技術によって利用されることがあり、プラズマ化学種が更に反応性であるように、密度の高いプラズマが低真空圧で形成される。これら技術のそれぞれが、広くは包括的“CVD技術”に入り、これらの技術のそれぞれが、ある特定の適用に多かれ少なかれ適切にする特徴的性質を持つ。
【0004】
[0004]ギャップのアスペクト比が大きく幅が狭い場合には、順次物質を堆積させ、その一部をエッチングし、更に物質を堆積させることにより“堆積/エッチング/堆積”プロセスを用いた熱CVD技術でギャップを充填してきた。エッチングステップは、より多くの物質が塞いで内部ギャップが残る前に堆積され得るように開放されている、部分的に充填されたギャップを再形成するように作用する。このような堆積/エッチング/堆積プロセスは、PECVD技術とも用いられてきたが、熱CVD技術とPECVD技術は、堆積ステップとエッチングステップのサイクルによったとしても、アスペクト比が非常に大きいギャップを充填することが未だにできない。
【0005】
[0005]堆積/エッチング/堆積プロセスは、また、HDP-CVDプロセスのギャップ充填を改善することが示されている。最初は、堆積/エッチング/堆積プロセスのHDP-CVDへの適用が、PECVDプロセスとは異なり、HDP-CVDプロセス中、プラズマ中のイオン化学種の高密度が、堆積している間に、すでにそこで膜のスパッタリングを引き起こすことから直観で分かるものではないとみなされた。堆積プロセスの間の物質のこの同時のスパッタリングと堆積は、堆積の間のギャップ開放を保つ傾向があり、それ故、別々の中間エッチングステップを無用にすると考えられた。しかし、KentRossmanによる1998年3月20日に出願の米国特許第6,194,038号において、ギャップ充填があるHDP-CVDプロセス条件下で堆積/エッチング/堆積プロセスを用いて更に改善され得るという予測できない結果が証明された。この結果は、GeorgeD. Papasouliotisらによる1998年5月5日出願の米国特許第6,030,181号において後に確認された。
【0006】
[0006]しかしながら、誘電体ギャップ充填にHDP-CVDと堆積/エッチング/堆積を組み合わせるプロセスでさえ、充填することができるギャップのサイズとアスペクト比になお制限がある。例えば、高アスペクト比を持つ小さなギャップは、ギャップの最上部が誘電物質を過剰充填しないようにするための実用的でない数の堆積-エッチングサイクルを受ける必要があることである。エッチングサイクルの頻度と時間の増加は、充填すべきギャップを画成する構造の損傷の可能性を示している。この可能性は、不充分な物質が前の堆積中に堆積された場合及び/又は堆積された物質の過剰な量がエッチングステップの間に除去された場合に存在する。製法の最適化は、個々のチャンバ特性及び/又は個々のウエハ特性が堆積とエッチングに影響を与えることがあるという事実によって妨げられる。より高密度のデバイスへの動向が続くにつれて、増大するアスペクト比に対応することができるギャップに誘電物質を堆積する新規な方法を見出すことは望ましいことである。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本発明の実施形態は、誘電体層内の膜亀裂を減少させる方法を含む。方法には、基板上に第一誘電体膜を堆積させるステップと、膜上でエッチングを行うことによって第一誘電体膜の最上部を除去するステップとが含まれる場合がある。方法には、また、エッチングされた第一膜の上に第二誘電体膜を堆積させるステップと、第二誘電体膜の最上部を除去するステップとが含まれる場合がある。更に、方法には、第一誘電体膜と第二誘電体膜をアニールして、誘電体層を形成するステップが含まれるのがよく、第一誘電体膜と第二誘電体膜から最上部を除去することにより、誘電体層における応力レベルが低下している。
【0008】
[0008]実施形態は、また、トレンチを誘電物質で充填する方法を含む。方法には、トレンチを誘電物質の膜で充填するステップであって、誘電体膜が原子酸素を含む第一流体流れとシリコン含有前駆物質を含む第二流体流れとを合わせることによって形成することができる、前記ステップと、原子酸素とシリコン含有前駆物質を反応させて、トレンチ内に誘電体膜を形成する、前記ステップとが含まれる場合がある。方法には、また、膜をエッチングすることによって誘電体膜の最上部を除去するステップと、エッチングされた膜をアニールするステップとが含まれる場合がある。
【0009】
[0009]実施形態は、更に、誘電体層内の膜亀裂を減少させる追加の方法を含む。方法には、基板上に第一誘電体膜を堆積させるステップと、第一膜上で第一アニールを行なうステップとが含まれる場合がある。方法には、また、第一膜上で第一エッチングを行うことによってアニールされた第一膜の最上部を除去するステップと、エッチングされた第一膜の上に第二誘電体膜を堆積させるステップとが含まれる場合がある。更に、方法には、第二膜上で第二エッチングを行うことによって第二誘電体膜の最上部を除去するステップと、第一誘電体膜と第二誘電体膜の第二アニールを行うとともに誘電体層を形成するステップとが含まれる場合がある。第一誘電体膜と第二誘電体膜から最上部を除去すると、誘電体層における応力レベルが低下する。
【0010】
[0010]実施形態には、更にその上、半導体基板上のギャップに誘電物質を充填するための多段階堆積法が含まれる場合がある。方法には、ギャップの底部に第一誘電物質を堆積させるステップと、第一アニールにおいて第一誘電体膜をアニールするステップとが含まれる場合がある。方法には、更に、アニールされた第一誘電体膜上に第二誘電体膜を堆積させるステップと、第二アニールにおいて第二誘電体膜をアニールするステップとが含まれる場合がある。
【0011】
[0011]追加の実施形態と特徴は、一部分は以下の説明に示され、一部分は本明細書の試験の際に当業者に明らかになるか又は本発明の実施によって学ぶことができる。本発明の特徴と利点は、本明細書に記載された手段、組み合わせ、及び方法によって理解され達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1Aは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板におけるギャップパターンを示す断面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板におけるギャップパターンを示す断面図である。
【図1C】図1Cは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板におけるギャップパターンを示す断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の実施形態に従って基板上に誘電物質を堆積させる方法を示すフローチャートである。
【図2B】図2Bは、本発明の実施形態に従って基板上に誘電物質を堆積させる方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明に実施形態に従って原子酸素前駆物質を用いて物質を堆積させるステップを含む誘電物質を堆積させる方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従って誘電物質を堆積させ加熱する方法を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態に従って誘電物質を堆積させアニールする方法を示す追加のフローチャートである。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態に従って誘電物質を堆積させアニールする方法を示す追加のフローチャートである。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す断面図である。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す断面図である。
【図6C】図6Cは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す断面図である。
【図6D】図6Dは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す断面図である。
【図7A】図7Aは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す追加の断面図である。
【図7B】図7Bは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す追加の断面図である。
【図7C】図7Cは、本発明の実施形態に従って誘電物質で充填される基板ギャップを示す追加の断面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の実施形態に従って基板ギャップ内に基板ステップに沿って堆積された誘電物質を示す電子顕微鏡写真である。
【図8B】図8Bは、本発明の実施形態に従って基板ギャップ内に基板段差に沿って堆積された誘電物質を示す電子顕微鏡写真である。
【図9A】図9Aは、基板ギャップ内に基板段差に沿った比較誘電堆積を示す電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層における膜亀裂を減少させる方法であって:
基板上に第一誘電体膜を堆積させるステップと;
該膜にエッチングを行うことにより該第一誘電体膜の最上部を除去するステップと;
エッチングした第一膜の上に第二誘電体膜を堆積させるステップと;
該第二誘電体膜の最上部を除去するステップと;
該第一誘電体膜と該第二誘電体膜をアニールして、該誘電体層を形成するステップと;
を含み、該第一誘電体膜と該第二誘電体膜から該最上部を除去すると、該誘電体層の応力レベルが低下する、前記方法。
【請求項2】
該第一誘電体膜と該第二誘電体膜を堆積させるステップが:
有機シリコン前駆物質と原子酸素を堆積チャンバ内で混合する工程と;
該前駆物質を反応させて、該基板上に二酸化シリコン層を形成する工程と;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該原子酸素が、該堆積チャンバの外部で生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該原子酸素が:
アルゴンを含むガス混合物からプラズマを形成し;更に、
酸素前駆物質を該プラズマに導入し、ここで、該酸素前駆物質が解離して該原子酸素を形成する;
ことによって形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
該酸素前駆物質が、分子酸素、オゾン、(NO)、亜酸化窒素(NO)、及び水からなる群より選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該原子酸素が:
酸素前駆物質を光解離チャンバに導入し;更に、
該酸素前駆物質を紫外光にさらし、ここで、該紫外光が該酸素前駆物質を解離して原子酸素を形成する;
ことによって形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
該有機シリコン前駆物質が、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、トリメトキシシラン(TriMOS)、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)、トリエトキシシラン(TriEOS)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、オクタメチルトリシロキサン(OMTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TOMCATS)、DMDMOS、DEMS、メチルトリエトキシシラン(MTES)、フェニルジメチルシラン、又はフェニルシランを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
該第一誘電体膜の該エッチングが、ウェットエッチング又はドライエッチングとして行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該誘電体膜の該エッチングが、該膜をフッ素化合物を含むエッチングガスにさらすことによって行われるドライエッチングである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該エッチングガスが、三フッ化窒素又は有機フッ素化合物を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
該有機フッ素化合物が、CF、C、又はCを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該第一誘電体膜の該エッチングが、該膜を酸性溶液にさらすことによって行われるウェットエッチングである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該酸性溶液が、フッ化水素酸、塩酸、リン酸、硝酸、又は硫酸を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
該酸性溶液が、更に、過酸化水素を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
該第一誘電体膜の該エッチングが、該膜を塩基性溶液にさらすことにより行われるウェットエッチングである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該塩基性溶液が、水酸化アルミニウムを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
該塩基性溶液が、更に過酸化水素を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該エッチングがウェットエッチングであり、該第一膜の該堆積と前記第一膜の該ウェットエッチングが、同一プロセスチャンバ内で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
該エッチングが、該第一誘電体膜の堆積に用いられるものと異なるチャンバ内で行われるウェットエッチングである、請求項8に記載の方法。
【請求項20】
該第一誘電体膜の最初の深さが、約1nm〜約100nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
該方法が、該第一膜の該最上部を除去する前に該第一誘電体膜をアニールするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
該方法が、該第二誘電体膜を堆積させる前に該第一誘電体膜をアニールするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
トレンチを誘電物質で充填する方法であって:
該トレンチを該誘電物質の膜で充填するステップであって、該誘電体膜が:
原子酸素を含む第一流体の流れとシリコン含有前駆物質を含む第二流体の流れとを合わせ;更に、
該原子酸素と該シリコン含有前駆物質を反応させて、該トレンチ内に該誘電体膜を形成する;
ことによって形成される、前記ステップと;
該膜をエッチングすることによって該誘電体膜の最上部を除去するステップと;
エッチングされた該膜をアニールするステップと;
を含む、前記方法。
【請求項24】
最初に堆積された該誘電体膜が、該トレンチの最上部の上に広がる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該誘電体膜が、該トレンチの該最上部の下にエッチバックされる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
キャッピング層が、エッチバックされた該誘電体膜上に堆積される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
該キャッピング層が、該誘電体膜と同一の誘電物質を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
該膜のエッチングが、ウェットエッチング又はドライエッチングとして行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
該膜のエッチングが、該膜をフッ素化合物を含むエッチングガスにさらすことにより行われるドライエッチングである、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
誘電体層における膜亀裂を減少させる方法であって:
基板上に第一誘電体膜を堆積させるステップと;
該第一膜上に第一アニールを行うステップと;
該第一膜上に第一エッチングを行うことによりアニールされた第一膜の最上部を除去するステップと;
エッチングされた該第一膜の上に第二誘電体膜を堆積させるステップと;
該第二膜上に第二エッチングを行うことにより該第二誘電体膜の最上部を除去するステップと;
該第一誘電体膜と該第二誘電体膜の第二アニールを行うとともに該誘電体層を形成するステップと;
を含み、該第一誘電体膜と該第二誘電体膜から該最上部を除去すると、該誘電体層内の応力レベルが低下する、前記方法。
【請求項31】
該第一アニールが、該第一膜を約600℃までの温度に加熱することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
該第一アニールが、多段階アニールであって:
該第一膜を約50℃までの第一温度で第一時間加熱する段階と;
該第一膜を約50℃〜約100℃の第二温度で第二時間加熱する段階と;
該第一膜を約100℃を超え約600℃までの第三温度で第三時間加熱する段階と;
を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
該第一時間が約1時間を含み、該第二時間が約30分間を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
該第三時間が、約30分〜約1時間を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
該第一アニールが、該第一膜にUV光を照射することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
該第一アニールが、該第一膜を不活性プラズマにさらすことを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
該第一アニールが、該第一膜を電子ビームにさらすことを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項38】
該第二アニールが、該第一層と該第二層を乾燥した非反応性ガス雰囲気中で約800℃以上の温度に加熱することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
該乾燥した非反応性ガス雰囲気が、窒素(N)を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
該第一エッチングが、ウェットエッチング又はドライエッチングとして行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項41】
該第二エッチングが、ウェットエッチング又はドライエッチングとして行われる、請求項30に記載の方法。
【請求項42】
該方法が、更に、
該第一膜と該第二膜の上に第三誘電体膜を堆積させるステップと;
該第三誘電体膜の最上部を除去するステップと;
を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項43】
該方法が、更に、
該第一誘電体膜と該第二誘電体膜と該第三誘電体膜をアニールして、該誘電体層を形成するステップ;
を含み、該第一誘電体膜と該第二誘電体膜と該第三誘電体膜の該最上部を除去すると、該誘電体層における該応力レベルが低下する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
半導体基板上のギャップを誘電物質で充填する多段階堆積法であって:
該ギャップの底部に第一誘電体膜を堆積させるステップと;
第一アニールにおいて該第一誘電体膜をアニールするステップと;
アニールした該第一誘電体膜上に第二誘電体膜を堆積させるステップと;
第二アニールにおいて該第二誘電体膜をアニールするステップと;

含む、前記多段階堆積法。
【請求項45】
該方法が:
アニールした第二誘電体膜上に第三誘電体膜を堆積させるステップと;
第三アニールにおいて該第三誘電体膜をアニールするステップと;
を含む、請求項44に記載の多段階堆積。
【請求項46】
該第一アニールが、熱アニール、e-ビームアニール、紫外光アニール、又はプラズマアニールを含む、請求項44に記載の多段階堆積。
【請求項47】
該第二アニールが、熱アニール、e-ビームアニール、紫外光アニール、又はプラズマアニールを含む、請求項44に記載の多段階堆積。
【請求項48】
該第一アニールが、該第二アニールより低い温度で行われる、請求項44に記載の多段階堆積。
【請求項49】
該第一アニールが、約600℃までの第一温度で行われ、該第二アニールが、約1000℃までの第二温度で行われる、請求項48に記載の多段階堆積。
【請求項50】
該方法が、該第二誘電体膜を堆積させる前にアニールした該第一誘電体膜の第一エッチングを行うステップを含む、請求項44に記載の多段階堆積。
【請求項51】
該エッチングが、該第一誘電体膜の最上部を除去する、請求項50に記載の多段階堆積。
【請求項52】
該エッチングが、ウェットエッチング又はドライエッチングを含む、請求項50に記載の多段階堆積。
【請求項53】
該エッチングが、該膜をフッ素化合物を含むエッチングガスにさらすことを含む、請求項50に記載の多段階堆積。
【請求項54】
該方法が、該第二誘電体膜の第二エッチングを行うステップを含む、請求項44に記載の多段階堆積。

【図9A】図9Aは、基板ギャップ内に基板段差に沿った比較誘電堆積を示す電子顕微鏡写真である。
【発明の詳細な説明】
【0013】
[0021]本発明の実施形態は、基板の表面の中のギャップやトレンチ内に誘電物質を堆積させるための方法及びシステムを含む。誘電物質には、当該技術において幅広い用途を持つ酸化シリコン膜が含まれるが、説明から明らかであるように、本発明は特定の膜組成に限定されない。本発明の技術に従って堆積された誘電体膜は、優れたギャップ充填特性を持ち、例えば、浅いトレンチ分離(STI)構造において直面する高アスペクト比ギャップを充填することができる。本発明の方法及びシステムによって堆積された誘電物質は、100nm又はより小さい技術(例えば、65nm,45nm技術等)でギャップを充填するのに特に有用である。
【0014】
[0022]誘電堆積は、堆積の間、基板ギャップ又はトレンチの底部に集まる傾向がある基板上に流動性誘電体を形成することを含む。流動性誘電体がギャップの最上部から底部に移動する傾向があることから、ギャップの最上部の周りの誘電物質の密集は減少し、ギャップ充填の中心にボイドの発生が減少する。
【0015】
[0023]ギャップの部分的又は完全な充填後、流動性誘電体を処理(硬化、焼成、アニール、エッチング等)して、誘電体を硬化することができる。これらの処理は、流動性誘電体におけるヒドロキシル基と水蒸気の量をしばしば減少させ、堆積された膜の寸法を物理的に減少させ、それよって、密度が高くなる。しかしながら、膜が縮まる場合に、堆積された誘電物質の誘電体品質、バリア品質、支持体品質等に不利に影響し得る亀裂(微小亀裂)を形成することが共通する。これらの亀裂のサイズと数は、典型的には、堆積された誘電体膜が厚くなると共に増加する。
【0016】
[0024]図1A-図1Cは、流動性誘電体が基板ギャップ104a-104d内に堆積され処理されている基板102内に形成されたギャップパターンを示す断面図である。図1Aは、狭いギャップ104a-104cと広いギャップ104dを含むギャップ104a-104dのパターンを持った基板102を示す図である。ギャップ104a-104cのアスペクト比は、約3:1以上、約5:1以上、約8:1以上、約10:1以上、12:1以上等であってもよい。基板は、半導体材料(例えば、Si、ドープされたSi、GaAs等)から製造されてもよく、回路素子(例えば、トランジスタ、電極等)は集積回路に形成される。基板は、半導体基板ウエハ(例えば、100mm、150mm、200mm、300mm、400mm等)であってもよい。基板102は、また、ギャップ104a-104dが形成された誘電体層(例えば、コンタクト層、PMD層、IMD層等)の一つ以上の追加の層を含んでもよい。
【0017】
[0025]図1Bは、流動性誘電物質106の堆積後の基板102を示す図である。流動性誘電体は、酸素含有前駆物質とシリコン含有前駆物質の反応から形成された酸化シリコンタイプの誘電体であってもよい。例えば、酸化物誘電体は、遠隔で生成されたラジカル原子酸素(即ち、酸素含有前駆物質)とテトラメチルオルトシリケイトのような有機シリコン前駆物質(即ち、シリコン含有前駆物質)の反応から形成されるのがよい。流動性誘電体組成物を堆積させる方法の追加の詳細と例は、2006年10月16日出願の“FORMATIONOF HIGHQUALITY DIELECTRICFILMS OFSILICON DIOXIDEFOR STI:USAGEOF DIFFERENTSILOXANE-BASED PRECURSORSFIR HARPII-REMOTE PLASMAENHANCED DEPOSITION PROCESES”と称する共同譲渡された米国特許出願第11/549,930号;2007年5月29日出願の“CHEMICALVAPOR DEPOSITIONOF HIGHQUALITY FLOW-LIKE SILICON DIOXIDEUSING ASILICON CONTAININGPRECURSOR AND ATOMIC OXYGEN”と称する米国特許出願第11/754,440号に見出すことができ、いずれの出願の開示内容全体も本明細書にすべてのために援用されている。
【0018】
[0026]図示した例において、流動性誘電体106は、ギャップ104a-104dを部分的に充填する。誘電体の流動性は、ギャップ104a-104dの最上部から底部に移動させることができ、ギャップの底部での膜の厚さが増大する。誘電体膜の移動速度は、膜の粘度だけでなく、堆積温度のようなプロセスパラメータに左右される。
【0019】
[0027]図1Cは、誘電物質の堆積後処理の間に部分的に充填されたギャップ104aの一つの誘電体の厚さのサイズの変化を示す図である。矢印によって示されるように、処理は、ギャップ104cの底部と側壁に沿って堆積された誘電物質106だけでなくギャップの最上部の上の物質106の厚さも減少させる。この縮みの正味の影響は、処理された誘電物質の側壁部と底部によってギャップ104c内に形成されたキャビティを大きくすることである。上述したように、処理された誘電体の物理的寸法の変化もまた、膜を亀裂させ得る。
【0020】
[0028]膜のサイズを小さくし密度を高くする処理ステップの前又はその間に膜をエッチングすることによって膜亀裂を減少又は排除することができる。例えば、エッチングは、膜の最上部を除去する新たに堆積された膜上で行うことができる。このエッチングは、続いての緻密化ステップの間に亀裂につながり得る膜上の応力を減少させることがある。エッチング後、エッチングされた誘電体膜の処理前又はその処理後に追加の誘電物質が堆積されてもよい。
【0021】
[0029]図2A及び図2Bは、本発明の実施形態に従って堆積し基板から誘電物質をエッチングする例示的方法200を示すフローチャートである。図2Aに示される方法200は、基板上に第一膜202を堆積させるステップを含む。膜は、基板に形成される一つ以上のギャップ及び/又はトレンチを持つ基板上に堆積された流動性誘電体膜であってもよい。
【0022】
[0030]例えば、堆積された第一膜は、有機シリコン前駆物質と酸素含有前駆物質から形成された酸化シリコン誘電体を含むのがよい。有機シリコン前駆物質としては、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、トリメトキシシラン(TriMOS)、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)、トリエトキシシラン(TriEOS)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、オクタメチルトリシロキサン(OMTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TOMCATS)、DMDMOS、DEMS、メチルトリエトキシシラン(MTES)、フェニルジメチルシラン、及び/又はフェニルシランの一つ以上を含むのがよい。酸素含有前駆物質は、他の酸素含有化学種の中でも、分子酸素(O)、オゾン(O)、二酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(NO)、過酸化物(例えば、H)、水蒸気(HO)のような酸素含有化学種から遠隔で生成された原子酸素であるのがよい。前駆物質を堆積チャンバに搬送することを援助するキャリヤガス(例えば、水素、ヘリウム、窒素(N2)、アルゴン等)及び/又は及び堆積チャンバに導入された水蒸気、過酸化物及び/又は他のヒドロキシル含有化学種のような追加のガスもまた、前駆物質と共に存在させてもよい。
【0023】
[0031]方法200のある例において、堆積された第一膜は、ギャップを完全に充填してもよく、ギャップの上の最後の厚さまでも続けてもよい。追加の例において、第一膜は、ギャップを部分的に充填してもよい(例えば、ギャップの10%、20%、30%、40%、50%、60%の底部を充填する)。
【0024】
[0032]堆積202の後、第一誘電体膜の最上部を除去することができる(ステップ204)。除去は、新たに堆積された膜をエッチングすることによって行われてもよい。例えば、膜は、原子状フッ素のような活性化エッチャントで化学ドライエッチングされるのがよい。活性化フッ素は、プラズマ中で解離される一つ以上のフッ素含有前駆物質(例えば、NF及び/又は有機フッ素化合物)から生成されてもよい。エッチャントとしては、酸素、オゾン、及び/又は水素ガスが挙げられてもよい。追加の例において、膜は、例えば、反応チャンバの外部に置かれたリモートプラズマシステム又はマイクロ波アプリケータ、及び/又は反応チャンバの内部でプラズマを生成するICP又はCCPジェネレータによって生成されたヘリウム、アルゴン、窒素等のプラズマにさらすことによってプラズマエッチングされてもよい。
【0025】
[0033]ある例において、膜の除去された最上部は、膜の厚さの約10%、20%、30%、40%、50%、60%等を構成するのがよい。第一膜がギャップ/トレンチの最上部に又はその上に最初に堆積された場合、除去ステップ204は、誘電体レベルをギャップ/トレンチの最上部の下にするのに充分な物質を除去するのがよい。場合によっては、更に、除去ステップ204は、最上部の上の誘電体の一部を除去することができるが、誘電体をギャップ/トレンチの最上部より下にするのに十分ではない。第一膜が最初にギャップ/トレンチの最上部より下に堆積される場合、除去ステップ204は更にトレンチ内の第一膜の量を減少させることができる。
【0026】
[0034]除去204の間又は除去204の後に、ある実施形態において、第一膜を硬化し、膜の密度をするように処理することができる。処理には、他の処理の中でも、膜を焼成(即ち、熱アニール)、照射アニール、プラズマ硬化、E-ビーム硬化、及び/又はUV硬化することが挙げられるのがよい。例えば、膜は、約1時間まで(例えば、1分〜1時間)の間、約600℃(例えば、約300℃〜約400℃)の温度で焼成(即ち、熱アニール)するのがよい。照射アニールにおいて、膜は、例えば、膜の温度を上げる熱ランプからの熱放射(例えば、赤外線放射)にさらしてもよい。放射アニールの一例は、急速熱アニール(RTA)である。プラズマ硬化やE-ビーム硬化は、それぞれ、膜をプラズマや電子ビームにさらすことによって行われてもよい。プラズマは、基板を含有するチャンバの内部で生成される誘導結合プラズマ(ICP)又は容量結合プラズマ(CCP)であってもよい。UV硬化は、膜をUV周波数成分の有意な放射線にさらすことによって行われてもよい。放射線は、例えば、白熱光源及び/又はレーザによって生成することができる。
【0027】
[0035]第一誘電体膜の最上部の除去204の後、第一誘電体膜の処理のある実施形態において、第二誘電体膜が第一膜の残存する部分に堆積されてもよい(ステップ206)。第二誘電体膜は、第一誘電体膜と同一の前駆物質と堆積条件を用いて堆積させることができる。例えば、第一誘電体膜と第二誘電体膜は、同一の有機シリコンと酸素含有前駆物質を用いて堆積された酸化シリコン膜であってもよい。追加の実施形態において、第二膜は、第一膜と異なる前駆物質又はプロセス条件を用いてもよく、第一膜と異なる種類の誘電体(例えば、酸化シリコン誘電体の代わりに窒化シリコン又は酸窒化シリコン)であってもよい。
【0028】
[0036]第二誘電体膜は、流動性誘電体であってもよい。第一膜の残存する部分がギャップ/トレンチの最上部の下にある場合、第二膜は、ギャップ/トレンチの残りを充填することができ、最上部の上の空間を充填し続けることができる。第一膜が最上部の下にある追加の例において、第二膜は、ギャップ/トレンチ内の合計の残存する容積より少ない容積を充填するのがよい。これらの例において、ギャップ/トレンチを完全に充填するために一つ以上の追加の誘電堆積が行われるのがよい。
【0029】
[0037]第一誘電体膜と同様に、最初の堆積後に第二誘電体膜の最上部を除去するのがよい(ステップ208)。除去ステップ208は、第一部分と同じ膜の部分を除去してもよく、又は第一除去ステップ204より大きい又は小さい割合の膜を除去してもよい。場合によっては、第二除去ステップ208は、第二誘電体膜がギャップ/トレンチの最上部の下に下がる前に停止するのがよく、別の場合には、除去ステップ208は、ギャップ/トレンチの最上部より下の残存する第二誘電体膜が残る。
【0030】
[0038]第一誘電体膜と第二誘電体膜の残存する部分をアニール210することができる。アニール210は、他の種類のアニールの中でも、熱アニール(即ち、焼成)、プラズマアニール、紫外光アニール、IR照射アニール(例えば、RTA)、e-ビームアニール、及び/又はマイクロ波アニールであってもよい。例えば、アニール210は、基板の温度を約300℃〜約1000℃(例えば、約650℃〜約950℃)に約1分〜約1時間の間調整することを含む熱アニールであるのがよい。アニールの雰囲気は、例えば、他のタイプの雰囲気の中でも、不活性ガス雰囲気(例えば、N、He、Ne,Ar、H等)、及び/又は酸素含有雰囲気NO、NO、HO、O、O等であってもよい。アニール雰囲気の圧力は、約0.1トール〜約100トール(例えば、約1〜2トール)であるのがよい。アニール210は、通常は、密度を高くし、アニールされた誘電物質のエッチング速度を低下させる(例えば、WERRを下げる)。
【0031】
[0039]図2Bは、本発明の実施形態に従って、基板のギャップ又はトレンチ内に誘電物質の一つ以上の層を堆積させエッチングする方法250を示す図である。方法250には、基板のギャップ/トレンチ252に誘電体層を堆積させるステップと堆積された誘電体層254の最上部を除去するステップとを含まれるのがよい。その後、堆積されエッチングされた誘電物質がトレンチ256を充填するか(即ち、誘電体膜がギャップの最上部に又はそれより上にあるか)の決定がなされる。誘電物質がギャップを完全に充填していない場合には、追加の誘電体層がギャップ内に堆積されエッチングされ、ギャップが完全に充填されているかについて他の決定がなされる。
【0032】
[0040]ギャップが一、二、三サイクル等の堆積252と除去254のサイクル後に完全に誘電物質で充填された場合、誘電体の層(又は複数の層)は、アニールされるのがよい(ステップ258)。上述されたように、アニール258は、他のタイプのアニールの中でも、熱アニール(即ち、焼成)、プラズマアニール、紫外光アニール、IR照射アニール(例えば、RTA)、e-ビームアニール、及び/又はマイクロ波アニールであるのがよい。
【0033】
[0041]ここで図3を参照すると、本発明の実施形態に従って原子酸素前駆物質を用いて物質を堆積させるステップを含む誘電物質を堆積させる例示的方法300を示すフローチャートが示されている。方法300には、原子酸素前駆物質とシリコン前駆物質302とを合わせるステップと、前駆物質304を反応させて、半導体基板上にギャップ又はトレンチ内に誘電体膜を堆積させるステップが含まれるのがよい。原子酸素は、堆積チャンバ内でインサイチュで生成させてもよく、又は遠隔で生成させチャンバに搬送させてもよい。例えば、リモートプラズマ生成システムは、酸素含有前駆物質(例えば、O、O、NO、NO等)解離するとともに原子酸素化学種を生成するために用いることができ、その後、堆積チャンバに搬送して、他の前駆物質(例えば、シリコン含有前駆物質)と混合し反応させ、誘電物質306を堆積させる。
【0034】
[0042]堆積306後、誘電体膜の最上部は、エッチングプロセス308において除去されるのがよい。例えば、誘電体が主に二酸化シリコン(SiO)である場合、基板に搬送されるNFのようなフッ素前駆物質の解離(プラズマ分離)によって生成された活性フッ素に堆積された膜をさらす(例えば、約1秒〜約1分間さらす)ことによって酸化物の最上部が除去されるのがよい(例えば、NFは約1〜2トールの全チャンバ圧により約1500sccmで基板に流れる)。活性フッ素は酸化シリコンと反応して、揮発性であり堆積され誘電体から除去され得るフッ化シリコン(例えば、SiF)を形成する。
【0035】
[0043]除去ステップ308後の誘電体の残存する部分をアニール310して、密度を高くし、膜のエッチング速度を低下させるのがよい。アニール310は、他のタイプのアニールの中でも、熱アニール(即ち、焼成)、プラズマアニール、紫外光アニール、IR照射アニール(例えば、RTA)、e-ビームアニール、及び/又はマイクロ波アニールであるのがよい。
【0036】
[0044]図4は、本発明の実施形態に従って誘電物質の堆積させアニールする方法400を示すフローチャートである。方法400は、膜の最上部が除去される前に、堆積された第一誘電体膜を三つの異なる温度の三段階で加熱する多段階加熱プロセスを含む。方法400は、一つ以上のギャップ及び/又はトレンチを持つことができる基板上に誘電体膜402を堆積させることから開始することができる。膜は、これらのギャップを部分的に又は完全に充填することができる。
【0037】
[0045]堆積402後、膜を第一温度404(例えば、約50℃まで)に第一時間(例えば、約1時間)加熱することができる。その後、膜を第二温度406(例えば、約50℃〜100℃)に第二時間(例えば、約30分間)調整することができる。膜を、更に、第三温度(例えば、約100℃〜600℃)に第三時間(例えば、約30分〜約1時間)調整することができる。追加の加熱ステップ(図示せず)が行われてもよい。
【0038】
[0046]多段階加熱の後に第一誘電体の最上部が除去されてもよい(ステップ410)。この除去は、化学ウエットエッチングプロセス又はドライエッチングプロセスによって行われてもよい。その後、第一膜の残存する部分に第二誘電体膜を堆積させることができ(ステップ412)、第二膜の他の最上部を除去することができる(ステップ414)。
【0039】
[0047]その後、第一誘電体膜と第二誘電体膜の残存する部分をアニールして、膜の密度を高くすることができる(ステップ416)。アニール416は、約800℃以上の温度(例えば、約850℃、約950℃、約1000℃等)で乾燥した非反応性雰囲気(例えば、N、He等)中で行われるのがよい。
【0040】
[0048]ここで図5A及び図5Bを参照すると、本発明の実施形態に従って誘電物質を堆積させアニールする方法500と550を示すフローチャートが更に示されている。図5Aは、基板に形成されたギャップ又はトレンチを完全に充填するために、又は部分的充填を構成するために行うことができる堆積とアニールサイクルを含む方法500を示す図である。方法500には、ギャップ及び/又はトレンチ内に第一膜502を堆積させるステップと、膜504をアニールするステップとが含まれるのがよい。その後、第一膜の上に第二誘電体膜を堆積506させるのがよく、その後、第二膜をアニール508するのがよい。第一アニール504は、第二アニール508(例えば、約1000℃の第二温度まで)より低い温度(例えば、約600℃まで)で行われるのがよい。方法500には、また、アニール504の前か又は後に第一膜の最上部を除去するステップと、アニール508の前か又は後に第二膜の最上部を除去するステップとが含まれるのがよい。
【0041】
[0049]図5Bは、ギャップ及び/又はトレンチが誘電物質で完全に充填されるまで続けることができる一つ以上の交互の誘電堆積とアニールサイクルの他の方法550を示す図である。方法550には、基板に形成されたトレンチ内に誘電体層552を堆積させるステップと、誘電体層554をアニールするステップとが含まれるのがよい。第一堆積とアニールサイクルの後、トレンチが誘電物質556によって充填されるかについて決定がなされるのがよい。トレンチが完全に充填された場合には、トレンチの充填は完了し558し、それ以上の堆積-アニールサイクルは行われない。トレンチが完全に充填されない場合には、少なくとも一つ以上の堆積552とアニール554のサイクルが行われ、更に誘電物質でトレンチを充填する。
【0042】
[0050]図6A-図6Dは、本発明の実施形態に従って二層の誘電物質で連続して充填される基板ギャップを示す断面図である。図6Aは、ギャップ604a-604cとトレンチ606が形成された基板602の一部を示す図である。上述したように、基板602は、シリコンのような半導体材料から製造されるのがよく、直径が約100mm、150mm、200mm、300mm、400mm等の円形シリコン基板であるのがよい。第一誘電体膜608は、ギャップ604a-604cとトレンチ606を部分的に充填する。誘電体膜608としては、他の誘電物質の中でも、酸化シリコン、窒化物、炭素含有酸化物、又は酸窒化物等の流動性誘電体が挙げられるのがよい。
【0043】
[0051]図6Bは、膜の最上部の除去後、ギャップ604a-604cとトレンチ606内に残存する第一誘電体膜608を示す図である。図示された例において、除去ステップは、ギャップとトレンチの最上部の上の膜608をすべてエッチバックし、ギャップとトレンチ内の膜に凹部を形成した。最上部の除去後、残存する膜608に処理ステップを行い、続いての層を堆積させる前に密度及び/又は硬さを増大させるのがよい。
【0044】
[0052]図6Cは、第一誘電体層608の残存する部分に第二誘電体層610を堆積させるステップを示す図である。第二誘電体層610は、ギャップ604a-604cとトレンチ606を誘電体で完全に充填し、更にギャップとトレンチの最上部の上に広がる。第二誘電体層610は、また、流動性誘電物質から製造されるのがよく、第一誘電体層608と同一の組成を持つのがよい。
【0045】
[0053]図6Dに示されるように、第二誘電体膜608の最上部を除去して、ギャップ604a-604cとトレンチ606内に平坦化された誘電体ギャップ充填を形成するのがよい。第二膜610の最上部の除去は、第一膜608の最上部を除去するために用いられたプロセスと同一のプロセスを用いて行うことができる。アニールは、第二膜610の最上部の除去の前か又は後に第一堆積膜と第二堆積膜上で行われるのがよい。アニールは、他のタイプのアニールの中でも、熱アニール(即ち、焼成)、プラズマアニール、紫外光アニール、IR照射アニール(例えば、RTA)、e-ビームアニール、及び/又はマイクロ波アニールなどのアニールであるのがよい。
【0046】
[0054]ここで図7A-図7Cを参照すると、本発明の実施形態に従って第一誘電体膜と第二誘電体膜が堆積される基板ギャップの断面図が示されている。図7Aにおいて、基板702に形成されるギャップ706a-706cとトレンチ708を完全に充填する第一誘電体膜704が示されている。その後、図7Bに示されるように第一誘電体膜の最上部が除去される。第二誘電体層の誘電物質710が基板702上に堆積される前に残存する誘電体704を処理(例えば、アニール)するのがよい。
【0047】
[0055]第二層710は、第一誘電体層704と同一の条件下で堆積される流動性誘電体であってもよく、又は異なる堆積法によって堆積されてもよい。例えば、第二層710は、誘電物質を堆積するために用いられる他の種類のプロセスの中でも、HARPのような従来の大気圧未満の化学気相堆積プロセス(SACVD)、高密度プラズマ化学気相堆積(HDP-CVD)、又はプラズマ増強型化学気相堆積プロセス(PECVD)によって堆積させるのがよい。その後、誘電体の最上部をエッチング及び/又は化学機械的研磨技術で平坦化するステップのような処理ステップの前か又は後に第一誘電体層と第二誘電体層をアニールするのがよい。
【実験】
【0048】
[0056]図8A及び図8Bは、本発明の実施形態に従って誘電物質の堆積とエッチングの後の基板ギャップと基板段差の電子顕微鏡写真画像である。図8Aは、酸化シリコンの流動性誘電体膜が堆積された一連のギャップを示す画像である。図8Bは、同一の流動性酸化膜で覆われた基板内に形成された段差を示す画像である。双方の図が示すように、膜をアニールする前に堆積された誘電体膜をエッチングすると、アニールされた最終膜の亀裂が排除される。
【0049】
[0057]原子酸素とTMOSの反応によって酸化シリコン膜を形成した。原子酸素を分子酸素(O)の供給源から生成し、基板を含有する堆積チャンバに約1400sccmの流量で供給した。TMOSを、堆積チャンバに約1850mgmの流量で供給し、堆積チャンバ圧を、堆積の間、約1.5トールに保持した。これは低温酸化物堆積であり、基板ウエハを約50℃の温度で保持した。
【0050】
[0058]堆積の後、活性化フッ素を用いてドライ化学エッチングプロセスにおいて酸化シリコンをエッチングした。活性化フッ素に対する前駆物質はNFであり、基板を保持するチャンバに1500sccmの流量で流した。全チャンバ圧力が約1.6トールに維持されるので、NFはプラズマ解離され、基板は活性化フッ素に約10秒間さらされた。その後、エッチングされた基板を、オゾンを含む雰囲気中約400℃でアニールした。
【0051】
[0059]図9A及び図9Bは、図8A及び図8Bと同じ酸化シリコンを用いて同様の基板ギャップ(図9A)と段差(図9B)を示す比較電子顕微鏡写真である。しかしながら、この比較例において、堆積された誘電体は、アニールする前にエッチングしなかった。図9Aが示すように、誘電物質の亀裂がギャップ内で発生した。
【0052】
[0060]ある範囲の値が示される場合、その範囲の上限と下限の間でそれぞれの間の値は、特に明らかに影響されない限り、下限の単位の1/10まで詳しく開示されることは理解される。記載されたあらゆる値又は記載された範囲の間の値と記載された他のあらゆる値又は記載されたその範囲の間の値との間のそれぞれのより小さい範囲が本発明の範囲内に包含される。これらのより小さい範囲の上限と下限は独立して範囲に含まれても又は除外されてもよく、記載された範囲において詳しく除外されたあらゆる限度を条件として、いずれか、いずれでもないか又は両方の限度が含まれるそれぞれの範囲も本発明の範囲に包含される。記載された範囲が一方又は両方の限度を含む場合、これらの含まれる限度のいずれか又は両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0053】
[0061]本明細書に用いられ、また、添付の特許請求の範囲において、特に明らかに影響されない限り、単数形は、複数の対象を包含する。従って、例えば、“プロセス”について述べることは、複数のこのようなプロセスにもあてはまり、“前駆物質”について述べることは、一つ以上の前駆物質及び当業者に既知のその等価物等について述べることを包含する。
【0054】
[0062]また、本明細書と以下の特許請求の範囲に用いられる語“備える”、“含む”は記載された特徴、整数、成分、又はステップの存在を特定するものであるが、一つ以上の他の特徴、整数、成分、ステップ、作用又は基の存在又は追加を除外しない。
【符号の説明】
【0055】
102…基板、104a-104b…ギャップ、106…誘電物質、602…基板、604a-604c…ギャップ、606…トレンチ、608…第一誘電体膜、610…第二誘電体膜、702…基板、704…第一誘電体膜、708…トレンチ、710…第二誘電体層。
【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2009−542011(P2009−542011A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516729(P2009−516729)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/071804
【国際公開番号】WO2007/149991
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】