説明

不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法

【課題】素子分離絶縁膜の埋め込み後の化学機械研磨法による研磨で、浮遊ゲート電極をストッパ膜として使用できるようにする。
【解決手段】シリコン基板1にゲート絶縁膜4、下層多結晶シリコン膜5a、上層多結晶シリコン膜5bを積層形成する。上層多結晶シリコン膜5bは、成膜時に炭素を1×1018atoms/cm3以上例えば2×1020〜2×1021atoms/cm3の範囲の濃度で添加される。素子分離溝1bを形成した後に、素子分離絶縁膜2を埋め込み、化学機械研磨法の研磨で素子分離溝1b内以外の部分を除去する。この時、上層多結晶シリコン膜5bがスクラッチの発生を抑制できるストッパ膜として利用でき、シリコン窒化膜などを不要とした構成とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷蓄積層を備えた不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置として例えばNAND型フラッシュメモリ装置は、メモリセルトランジスタの構成として、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して電荷蓄積層(浮遊ゲート電極)が形成され、その上に電極間絶縁膜を介して制御ゲート電極が積層形成される構成である。このため、素子のパターンの微細化が進むにつれ、アスペクト比が増大することに伴い、形成したパターンの倒れが発生し易くなる問題がある。
【0003】
NAND型フラッシュメモリ装置のような積層構造を有するものにおいては、デバイス特性を満たす構成として、平面方向に比べて高さ方向の微細化が難しく、その結果としてパターンを形成する際のマスク材の膜厚も薄くすることができず、パターン形成時のアスペクト比(平面方向と高さ方向の膜厚比)は高くなる傾向にある。アスペクト比が高くなるとパターン倒れを引き起こし易くなり、これが歩留りの低下を招くため、これを防止するためにマスク材の変更等でアスペクト比の低減を図ることが望まれる。
【0004】
例えば従来では、STI(shallow trench isolation)構造を形成するために素子分離絶縁溝内に酸化膜等を埋め込んだ後、化学機械研磨(CMP;chemical mechanical polishing)法で平坦化する際のストッパ膜としてシリコン窒化膜を用いたり、あるいは特許文献1に示されるようにストッパ膜を複数層の積層構造として用いたりしていた。このため、ストッパ膜を使用する分加工時のアスペクト比を大きくする要因となっていた。しかし、ストッパ膜を用いずに化学機械研磨処理を行うと多結晶シリコン膜の表面にスクラッチが発生する不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−8298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、専用のストッパ膜を設けることなく化学機械研磨処理工程を実施できてアスペクト比の低減を図ることができる構成の不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板の表層部を活性領域に分離する素子分離絶縁膜と、前記半導体基板の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成され上層部に選択的に炭素が添加されたシリコン層を有する電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された制御ゲート電極とを具備したところに特徴を有する。
【0008】
また、本発明の一態様の不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、半導体基板上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第1のゲート絶縁膜上に、少なくとも上層部に炭素が添加されたシリコン層からなる電荷蓄積層を形成する工程と、前記電荷蓄積層および前記ゲート絶縁膜を貫通して前記半導体基板に素子分離溝を形成する工程と、前記素子分離溝内を埋めるように絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜を前記電荷蓄積層の上面が露出するまで研磨して前記素子分離溝内に前記絶縁膜を残すことで素子分離絶縁膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜を形成した後に、前記電荷蓄積層上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第2のゲート絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する工程とを備えたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、専用のストッパ膜を設けることなく化学機械研磨処理工程を実施できてアスペクト比の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気的構成を示すブロック図
【図2】メモリセル領域のトランジスタの平面レイアウトパターンを模式的に示す図
【図3】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の模式的な縦断側面図
【図4】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その1)
【図5】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その2)
【図6】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その3)
【図7】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その4)
【図8】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その5)
【図9】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その6)
【図10】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その7)
【図11】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その8)
【図12】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その9)
【図13】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その10)
【図14】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その11)
【図15】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その12)
【図16】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その13)
【図17】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その14)
【図18】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その15)
【図19】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その16)
【図20】(a)は図2(a)中切断線3A−3A、(b)は図2(a)中切断線3B−3Bで示す部分の製造工程の一段階における模式的な縦断側面図(その17)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態としてNAND型フラッシュメモリ装置に適用した場合について図1〜図20を参照して説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
【0012】
先ず、本実施形態のNAND型フラッシュメモリ装置の構成について説明する。
図1は、NAND型のフラッシュメモリ装置のメモリセル領域に形成されるメモリセルアレイの一部を示す等価回路図である。NAND型フラッシュメモリ装置のメモリセルアレイは、複数個のNANDセルユニット(メモリユニット)Suが行列状に配置形成されることにより構成されたものである。NANDセルユニットSuは、2個の選択ゲートトランジスタTrs1、Trs2と、これらの選択ゲートトランジスタTrs1、Trs2の間に直列接続された複数個(例えば16個または32個)のメモリセルトランジスタTrmとから構成される。NANDセルユニットSu内の複数個のメモリセルトランジスタTrmは隣接するもの同士でソース/ドレイン領域を共用する構成とされている。
【0013】
図1中X方向に配列された複数個のメモリセルトランジスタTrmは、ワード線(制御ゲート線)WLにより共通接続されている。また、図1中X方向に配列された選択ゲートトランジスタTrs1は、選択ゲート線SGL1により共通接続され、選択ゲートトランジスタTrs2は選択ゲート線SGL2により共通接続されている。選択ゲートトランジスタTrs1のドレインはビット線コンタクトCBを介してビット線BLに接続されている。ビット線BLは図1中X方向と直交するY方向に延びるように形成されている。選択ゲートトランジスタTrs2のソースは図1中X方向に延びるソース線SLに接続されている。
【0014】
図2はメモリセル領域の一部のレイアウトパターンを示す平面図である。半導体基板である導電型がp型のシリコン基板1に、STI構造を有する複数本の素子分離絶縁膜2が図2中Y方向に沿って形成され、これによって活性領域3が図2中X方向に所定間隔で分離した状態に形成されている。素子分離絶縁膜2および活性領域3の上部には、活性領域3と直交する図2中X方向に沿ってメモリセルトランジスタの制御ゲート電極を構成するワード線WLが複数本形成されている。
【0015】
また、図2中X方向に沿って一対の選択ゲートトランジスタの選択ゲート線SGL1が形成されている。一対の選択ゲート線SGL1間の活性領域3にはビット線コンタクトCBが形成されている。ビット線コンタクトCBは、図2には示していないが、上層にY方向に沿って形成されたビット線BLに接続されている。ワード線WLと交差する活性領域3上にはメモリセルトランジスタのゲート電極MGが形成され、選択ゲート線SGL1と交差する活性領域3上には選択ゲートトランジスタのゲート電極SGが形成されている。
【0016】
図3(a)、(b)は、それぞれ図2中切断線3A−3A、3B−3Bで切断した部分の模式的な縦断側面図である。すなわち、図3(a)は、活性領域3に沿って(図2中Y方向)切断して示すメモリセルトランジスタのゲート電極MG部分の断面図であり、図3(b)はワード線WLに沿って(図2中X方向)切断して示す断面図である。
【0017】
図3(a)に示すように、シリコン基板1の活性領域3の上面に、ゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)4を介して複数のゲート電極MGが所定間隔を存して配置されている。ゲート電極MGは、ゲート絶縁膜4上に、電荷蓄積層としての浮遊ゲート電極5、電極間絶縁膜6、制御ゲート電極7を積層した構成である。
【0018】
ゲート絶縁膜4は、例えば厚さ8nm程度のシリコン酸窒化膜(SiON)により形成されている。浮遊ゲート電極5は、下層多結晶シリコン膜5aおよびその上に形成される上層多結晶シリコン膜5bの積層構造である。下層多結晶シリコン膜5aは、リン(P)または砒素(As)が例えば1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度で添加されており、膜厚は60nm程度である。上層多結晶シリコン膜5bは、同じくリン(P)または砒素(As)が例えば1×1020〜1×1021atoms/cm3の範囲の濃度で添加されるとともに炭素(C)が1×1018atoms/cm3以上の濃度で例えば2×1020〜2×1021atoms/cm3の範囲の濃度で添加されており、膜厚は30nm程度である。
【0019】
浮遊ゲート電極5を構成している下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bは、メモリセル領域以外の周辺回路部ではゲート電極として使用されるとともに、抵抗素子等の受動素子としても使用されている。この場合、上層多結晶シリコン膜5bは、通常の多結晶シリコン膜に炭素(C)原子を添加していくと、添加濃度の上昇に伴って抵抗値は大きくなっていく。
【0020】
浮遊ゲート電極5の上面には第2のゲート絶縁膜としての電極間絶縁膜6が形成されている。電極間絶縁膜6は、例えば、ONO(oxide-nitride-oxide)膜からなり、それぞれの膜厚が、いずれも2nm〜10nmの範囲で形成されている。なお、電極間絶縁膜6は、ONO膜以外にNONON(nitride-oxide-nitride-oxide-nitride)膜や高誘電率の絶縁膜を用いることもできる。
【0021】
電極間絶縁膜6の上面には制御ゲート電極7が形成されている。この制御ゲート電極7は、下層に不純物がドープされた多結晶シリコン層7a、上層にシリサイド層7bが積層された構成であり、シリサイド層7bは例えばニッケルシリサイド(NiSi)膜で構成される。なお、制御ゲート電極7は、全体がシリサイド層7bからなる構成とすることもできる。
【0022】
以上のようにメモリセル領域のメモリセルトランジスタのゲート電極MGが構成されている。シリコン基板1の表層部には、隣接するゲート電極MG間の部分に、ソース層/ドレイン層としてのn型の不純物拡散領域1aが設けられ、この不純物拡散領域1aにより隣接する複数のメモリセルトランジスタが電気的に直列接続された構成とされている。
【0023】
また、ゲート電極MG間にはこれらの間隙を埋めるようにメモリセル間絶縁膜8が所定高さまで形成されるとともに、そのメモリセル間絶縁膜8の上部を覆うように層間絶縁膜9が形成されている。メモリセル間絶縁膜8は、例えばTEOS(tetraethyl orthosilicate)酸化膜により形成しており、その上面の高さは制御ゲート電極7のシリサイド層7bの中間部位程度である。このようにメモリセル間絶縁膜8を所定高さに加工するのは、後述する製造工程において説明するように、多結晶シリコン膜7cを形成した後にその多結晶シリコン膜7cの上部をシリサイド化してシリサイド層7bを形成するからである。
【0024】
次に、図3(b)において、前述した素子分離絶縁膜2は、シリコン基板1の表層部に形成した素子分離溝1bに埋め込み形成されている。素子分離絶縁膜2は、例えばシリコン酸化膜からなり、化学気相成長(CVD)法や塗布技術を用いて形成される。各活性領域3の上面に、上記したゲート絶縁膜4、浮遊ゲート電極5を構成する下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bが積層形成されている。
【0025】
素子分離絶縁膜2は、上面の高さが下層多結晶シリコン膜5aの上面と下面との間の高さとなるように、成膜後に上部をエッチングする落とし込み加工がなされている。電極間絶縁膜6は、上層多結晶シリコン膜5bの上面および側面と下層多結晶シリコン膜5aの上部側面と素子分離絶縁膜2の上面とを覆うように形成されている。制御ゲート電極7の多結晶シリコン層7aは、電極間絶縁膜6の上面を覆うように全面に形成され、その上部にシリサイド層7bが積層されている。層間絶縁膜9はシリサイド層7bの上面およびセル間絶縁膜8を覆うように形成されている。
【0026】
上記構成によれば、浮遊ゲート電極5の上層多結晶シリコン膜5bに上記した濃度以上の炭素を添加しているので、添加していない多結晶シリコンに比べて硬度を高めることができ、化学機械研磨用のストッパ膜として使用できる。
【0027】
次に、図4〜20も参照して上記構成の製造方法について説明する。なお、各図の(a)、(b)の分図は、いずれも製造工程の各段階での図3(a)、(b)と同じ部分の断面を模式的に示したものである。
まず図4(a)、(b)に示すように、導電型がp型のシリコン基板1の表面に、ゲート絶縁膜4として、厚さ1〜15nmの範囲で例えば8nmの膜厚のシリコン酸窒化膜を周知の熱酸化法と熱窒化法を組み合わせて形成する。この後、ゲート絶縁膜4の上面に、リン(P)添加の下層多結晶シリコン膜5aを形成し、その上にリン(P)および炭素(C)添加の上層多結晶シリコン膜5bを形成する。下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bへのドーパントとしてのリンの添加は、これに代えて砒素(As)を添加しても良い。
【0028】
下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bの成膜は、周知の減圧化学気相成長(LPCVD;low pressure chemical vapor deposition)法により例えばモノシラン(SiH4)、ホスフィン(PH3)、エチレン(C24)ガスを原材料として成膜温度500〜600℃で行う。ここで、上層多結晶シリコン膜5bを形成する際のエチレンガスは、炭素添加をするためのガスである。下層多結晶シリコン膜5aの膜厚は例えば60nm、上層多結晶シリコン膜5bの膜厚は例えば30nm程度である。
【0029】
また、下層多結晶シリコン膜5a、上層多結晶シリコン膜5bのそれぞれへのリン(P)(または砒素(As))の添加濃度は、例えば1×1020〜1×1021atoms/cm3である。上層多結晶シリコン膜5bへの炭素の添加濃度は、1×1018atoms/cm3以上で、例えば2×1020〜2×1021atoms/cm3の範囲である。さらに、下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bは、成膜直後の状態においては非晶質状態あるいは結晶状態のいずれの状態となっていても良く、非晶質状態で形成した場合には、後に結晶化熱工程を実施して多結晶状態にする。
【0030】
なお、下層多結晶シリコン膜5aと上層多結晶シリコン膜5bの各膜厚は、浮遊ゲート電極5として特性上で要求される抵抗値から決めることができる。この場合、炭素の添加量を増加させていくと、抵抗値が上昇するので、添加する炭素の量を調整しつつ、浮遊ゲート電極5の電気的特性を満たす範囲内で、下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン5bの膜厚を設定すれば良い。
【0031】
次に、図5(a)、(b)に示すように、上層多結晶シリコン膜5bの上面に、化学気相成長法を用いてシリコン酸化膜10を50nmから400nm程度の範囲の膜厚で形成する。このシリコン酸化膜10は、加工用のものでエッチングのハードマスクとして機能させるのに適切な膜厚に形成される。
【0032】
続いて、図6(a)、(b)に示すように、シリコン基板1に素子分離溝1bを形成する。ここでは、まず、シリコン酸化膜10の上面にフォトレジスト膜を形成し、これを所定のラインアンドスペースのレジストパターンに形成する。次に、レジストパターンをマスクにしてRIE(reactive ion etching)法によりシリコン酸化膜10の異方性エッチングを行ってハードマスクを形成する。この後、レジストパターンおよびハードマスクをマスクとして、上層多結晶シリコン膜5b、下層多結晶シリコン膜5a、ゲート絶縁膜4およびシリコン基板1を順次エッチングし、図6(b)に示すような素子分離溝1bを形成する。尚、エッチングの進行に伴い、レジストパターンは消失し、さらにシリコン酸化膜10をパターニングしたハードマスクもエッチングされ、膜厚が薄くなった状態のハードマスク10aが残存している。
【0033】
次に、図7(b)に示すように、素子分離溝1b内を埋め込むようにシリコン酸化膜からなる素子分離絶縁膜2を形成する。ここでは、所望により、熱処理を行って素子分離溝1b内のダメージ回復のための酸化をする。そして、化学気相成長法あるいは塗布(SOG;spin on glass)技術を用い、素子分離溝1bを埋めるとともにその上部を覆うようにシリコン酸化膜を形成する。続いて、化学機械研磨法を用いて平坦化を行い、上層多結晶シリコン膜5bの上部の埋め込み用のシリコン酸化膜およびシリコン酸化膜10aを除去するように研磨する。
【0034】
この場合、化学機械研磨法による研磨のストッパ膜として上層多結晶シリコン膜5bが利用される。上層多結晶シリコン膜5bには炭素が添加されているので、不純物としてのリンのみを添加した一般的な多結晶シリコン膜5aなどの場合と異なり、表面でのスクラッチの発生を抑制することができる。これは、炭素を添加することで上層多結晶シリコン膜5bの硬度が高くなることがスクラッチ発生の低減を図れた要因であると考えられる。
【0035】
なお、研磨においては、ストッパ膜としての上層多結晶シリコン膜5bの削り代の膜厚は2〜3nm程度である。ただし、素子分離溝1bを形成した後に熱酸化処理を実施する場合は、上層多結晶シリコン膜5bの上層部分の酸化される膜厚が2nm程度あるので、炭素を添加した上層多結晶シリコン膜5bは、5nm以上設けると良く、工程能力を考慮すると10nm以上設けると良い。さらに、好ましくは15nm以上設けると良い。また、30nm以下程度の膜厚で形成するとアスペクト比を低減する点で良い。
【0036】
続いて、図8(b)に示すように、素子分離溝1b内に埋め込んだ素子分離絶縁膜2をウェットエッチング処理またはドライエッチング処理で選択的にエッチングすることで、素子分離絶縁膜2の上面の高さを浮遊ゲート電極5の下層多結晶シリコン膜5aの側面の中間部位程度となるように落とし込む。この落とし込みの構造は、メモリセルトランジスタのゲート電極のカップリング特性を考慮してなされるものである。
【0037】
次に、図9(a)、(b)に示すように、露出した上層多結晶シリコン膜5bの上面および両側面と、下層多結晶シリコン膜5aの両側面上部と、素子分離絶縁膜2の上面とに沿うように全面に電極間絶縁膜6を形成する。この電極間絶縁膜6は、化学気相成長法を用いて膜厚5〜20nm程度となるように形成する。この場合、電極間絶縁膜6としては、高誘電率絶縁膜を単体で形成することもできるし、シリコン酸化膜/高誘電率膜/シリコン酸化膜の積層構造や、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層構造(ONO膜)、あるいは窒化膜でONO膜の積層構造を挟んだ5層の積層構造(NONON膜)などを形成することもできる。
【0038】
次に図10(a)、(b)に示すように、化学気相成長法を用いて電極間絶縁膜6上に、制御ゲート電極7となる多結晶シリコン膜7cを例えば50〜150nmの範囲の膜厚で形成する。ここで、多結晶シリコン膜7cに添加する不純物としては、例えばリン(P)、砒素(As)を用いる。この多結晶シリコン膜7cの上に、化学気相成長法によってシリコン窒化膜11を50nm〜200nmの範囲の膜厚で形成し、さらに化学気相成長法によってシリコン酸化膜12を50nm〜400nmの範囲の膜厚で形成する。
【0039】
次に、図11(a)に示すように、ゲート加工を行ってメモリセルトランジスタのゲート電極MGあるいは他のゲート電極などを分離形成する。ここでは、まず、前述のシリコン酸化膜12の上面にフォトレジストを塗布して所定のラインアンドスペースのレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンをマスクとしてシリコン酸化膜12をエッチングする。シリコン酸化膜12をエッチングしてハードマスクを形成した後にレジストパターンを除去する。
【0040】
続いて、ハードマスクとして形成したシリコン酸化膜12をマスクとしてシリコン窒化膜11をエッチングし、さらにエッチングしたシリコン窒化膜11をマスクとして多結晶シリコン膜7c、電極間絶縁膜6、上層多結晶シリコン膜5b、下層多結晶シリコン膜5a、ゲート絶縁膜4を順次エッチングしてゲート電極MGを形成する。これにより、下層多結晶シリコン膜5aおよび上層多結晶シリコン膜5bからなる浮遊ゲート電極5が形成される。また、多結晶シリコン膜7cは、後の工程でシリサイド加工がなされて下層多結晶シリコン層7aおよびシリサイド層7bからなる制御ゲート電極7となる。
【0041】
次に、図12(a)に示すように、ゲート電極MG間に露出しているシリコン基板1の表層部にイオン注入法により不純物拡散領域1aを形成する。ここでイオン注入する不純物は、シリコンに対してn型となる例えばリン(P)や砒素(As)である。工程としては、イオン注入の後に熱処理を行って不純物の活性化を図ることで不純物拡散領域1aを形成している。
【0042】
また、図12(a)では、メモリセル領域の不純物拡散領域1aについて示しているが、実際のNAND型フラッシュメモリ装置の製造工程では、メモリセル領域に付随して周辺回路が設けられており、その周辺回路の構成としてシリコン基板1の不純物拡散領域の形成も同様にして行っている。この場合、周辺回路のトランジスタなどの不純物拡散領域の形成の際には、微細化に伴うトランジスタ動作不良の要因であるショートチャネル効果を抑制するため、例えば側壁絶縁膜を用いてトランジスタをLDD(lightly doped drain)構造やDDD(double diffused drain)構造にするのが好ましい。上記構造はシリコン酸化膜等を形成後、異方性エッチングによりこれをエッチングして、ゲートの側壁として残し、自己整合的にイオン注入を行うこと等で形成される。
【0043】
次に、図13(a)に示すように、ゲート電極MG間にセル間絶縁膜8を埋め込み形成する。セル間絶縁膜8は、例えばTEOSを用いたシリコン酸化膜、あるいはメモリセル間の容量の増大に伴う回路動作不良を防ぐため低誘電率絶縁膜が用いられる。まず、上記構成のゲート電極MG間を埋めるとともにこれらを覆うように全面にセル間絶縁膜8を形成し、この後異方性エッチングを行うことでゲート電極MG上に形成されているセル間絶縁膜8を除去し且つゲート電極MG間ではちょうどシリコン窒化膜11の上面と同じ程度となるまで除去することにより、全体として表面を平坦化させる。
【0044】
次に、図14(a)、(b)に示すように、シリコン窒化膜11およびセル間絶縁膜8上に、これらを覆うようにバリア絶縁膜13を形成し、さらにその上にメモリセル領域以外の領域に存在している凹部を埋め込むための絶縁膜14を形成する。この場合、バリア絶縁膜13は、セル間絶縁膜8に対してエッチングレートが異なり、かつ水素バリア性を有する絶縁膜であり、例えば、シリコン窒化膜を用いている。また、絶縁膜14は、セル間絶縁膜8が埋め込まれていないメモリセル領域のゲート電極MGの間以外の領域に残っている凹部を埋め込むためのもので、深く幅広い溝の平坦化に適した絶縁膜であることが好ましく、例えば、BPSG(boro-phospho-silicate glass)膜などの流動性の高い材料を採用している。
【0045】
次に、図15(a)、(b)に示すように、埋め込みに用いた絶縁膜14を化学機械研磨法により研磨して図示しない凹部に絶縁膜14を埋め込んだ状態にして平坦化する。このとき、シリコン窒化膜よりなるバリア絶縁膜13が化学機械研磨法による研磨のストッパ膜として機能する。
【0046】
続いて、図16(a)、(b)に示すように、バリア絶縁膜13、シリコン窒化膜11をエッチングにて除去し、さらに図16(a)に示すように、メモリセル間絶縁膜8を異方性エッチングで所定深さまで落とし込むことで、制御ゲート電極7となる多結晶シリコン膜7cの上部を露出させる。メモリセル間絶縁膜8の上面が制御ゲート電極7となる多結晶シリコン膜7cの上面よりも低くなるように形成されていることで、後のシリサイド形成時にシリコンと金属の接触面積が増加し、効率良くシリサイドを形成することが出来る。
【0047】
次に図17(a)、(b)に示すように、ニッケル(Ni)膜15をスパッタ法により所定膜厚で形成する。この場合、ニッケル膜15は、多結晶シリコン膜7cの上面および側面上部、それら多結晶シリコン膜7cの間に露出しているセル間絶縁膜8の上面に沿うように全面に形成される。このとき、成膜するニッケル膜15と多結晶シリコン膜7cとの界面の清浄度はシリサイド形成において重要なため、ニッケルスパッタの前にウェットまたはドライエッチングでシリコン表面の洗浄を行うのが望ましい。
【0048】
続いて、図18(a)、(b)に示すように、例えばRTA(rapid thermal anneal)法により熱処理をすることで、ニッケル膜15を多結晶シリコン膜7cと反応させて、最終的にニッケルシリサイド(NiSi)層7bを形成する。この熱工程によるニッケルシリサイド形成方法に関しては例えば特開2005−19705号公報などに示される技術がある。すなわち、絶縁膜上のニッケルは400℃以上の熱工程を経ることで容易に凝集してしまい、これはウィスカー(whisker)と呼ばれるワード線間ショートの要因となったり、あるいは意図しない領域でのシリサイド反応に繋がってしまうため、熱工程を2段階に分けることでこれを回避する方法である。
【0049】
ここでは、まずニッケル膜15の成膜後に、1回目の熱処理工程として250〜400℃の温度で、時間は5分以内で行う。これにより、シリコンと接していた部分のニッケル膜15は、ダイニッケルシリサイド(Ni2Si)またはダイニッケルシリサイド(Ni2Si)とニッケルモノシリサイド(NiSi)との混合物からなるニッケルリッチなシリサイド膜15aとなる。また、この低温の熱処理では多結晶シリコン膜7cと接していない絶縁膜上のニッケルつまりセル間絶縁膜8上の大部分のニッケル膜15は凝集することなく未反応のまま残留した状態となる。
【0050】
次に、図19(a)に示すように、未反応のまま残留したセル間絶縁膜8上のニッケル膜15を硫酸過水(硫酸+過酸化水素水)あるいはアルカリ過水(アルカリ+過酸化水素水)で選択的に除去する。これにより、図示のように多結晶シリコン膜7cの上面および側面上部でニッケル膜15と反応したニッケルリッチなシリサイド膜15aが残った状態となる。
【0051】
続いて、図20(a)、(b)に示すように、2回目の熱処理工程を450℃〜550℃の処理温度で、5分以内の処理時間で行うことにより、ニッケルリッチなシリサイド膜15aにより多結晶シリコン膜7cのシリサイド化を進行させてその上部をニッケルモノシリサイドのシリサイド層7bとして形成する。この場合、多結晶シリコン膜7cの上部はシリサイド化が進み、全体として半分以上の厚さがシリサイド層7bに転換され、残りの部分が多結晶シリコン層7aとして残ることになる。これにより、多結晶シリコン層7aおよびシリサイド層7bからなる制御ゲート電極7が形成される。シリサイド層7bの膜厚は、スパッタ形成するニッケル膜15の膜厚を変えることで制御することができる。さらに、制御ゲート電極7をすべてシリサイド層7bとなるようにシリサイド化を進めることもできる。
【0052】
この後、図3(a)、(b)に示すように、層間絶縁膜9として例えばプラズマCVD法を用いてシリコン酸化膜を形成する。さらに、図示はしないが、コンタクトの形成や配線層の形成などの工程を経てNAND型フラッシュメモリ装置のチップが形成される。
【0053】
このような本実施形態によれば、メモリセルトランジスタの浮遊ゲート電極5として、下層多結晶シリコン膜5aの上に炭素を添加した硬度の高い上層多結晶シリコン膜5bを形成したので、化学機械研磨法による研磨工程時にストッパ膜として使用してもスクラッチを低減できる。この結果、従来の構成のようにシリコン窒化膜などのストッパ膜を別途に設けない構成とすることができ、全体としてゲート電極の高さ寸法を小さくしてアスペクト比の低減を図ることができ、これによって素子分離溝1bの形成時に、加工後のパターン倒れなどの不具合発生を抑制し、歩留まりの向上を図ることができる。
【0054】
また、上層多結晶シリコン膜5bに添加する炭素の濃度を、1×1018atoms/cm3以上としており、例えば、2×1020〜2×1021atoms/cm3の範囲の濃度に設定している。これにより、化学機械研磨法による研磨工程でストッパ膜として利用する場合でもスクラッチの発生を抑制して実用上に耐えられるものであることが発明者らの測定により確認できている。
【0055】
そして、上記のように上層多結晶シリコン膜5bに炭素を添加しているので、熱処理過程を経る場合に耐酸化性が向上するので、その上に形成する電極間絶縁膜6のバーズビーク発生を抑制する効果を得ることができ、素子特性の信頼性向上を図ることができる。
【0056】
なお、上層多結晶シリコン膜5bへの炭素の添加濃度とスクラッチの発生との関係について、発明者らは、次のような条件(1)〜(3)のサンプルを製作して実際に化学機械研磨後のスクラッチの発生状況を測定した。
【0057】
使用した確認用のサンプルは、次の3通りである。基本構成として、シリコン基板上に、熱酸化膜100nmを形成し、この上に、
(1)炭素を無添加とした多結晶シリコン膜を100nm形成したもの、
(2)下層多結晶シリコン膜を70nm形成し、炭素添加の上層多結晶シリコン膜を30nmで形成する際に、エチレン(C24)ガスを10sccm流すことで炭素を2×1020atoms/cm3の濃度で添加したもの、
(3)下層多結晶シリコン膜を70nm形成し、炭素添加の上層多結晶シリコン膜を30nmで形成する際に、エチレン(C24)ガスを100sccm流すことで炭素を2×1021atoms/cm3の濃度で添加したもの
の3種類のサンプルを準備した。
【0058】
これら3種類のサンプルを用いて化学機械研磨法による研磨を実施したところ、(2)、(3)の条件のものつまり炭素を添加した上層多結晶シリコン膜を形成したものでは、スクラッチが発生しなかった。これにより、本実施形態における化学機械研磨法による研磨では、多結晶シリコン膜への炭素の添加量として、2×1020atoms/cm3以上の濃度で確実にスクラッチの発生を抑制できることがわかり、この条件は成膜時のエチレン(C24)ガスの流量として10sccm以上である。
【0059】
尚、通常の炭素無添加のものに比べて硬度が高いことに起因して上層多結晶シリコン膜5bにおけるスクラッチの発生が抑制されていることを考慮すると、自然に含まれる濃度よりも高い濃度の炭素が上層多結晶シリコン膜5bに添加されていれば良い。また、炭素を添加しない多結晶シリコン膜では、自然に含まれる炭素の濃度は測定により検出されないから、換言すれば、多結晶シリコン膜中の炭素の測定が可能な程度に添加されていれば良い。一方、化学機械研磨法による研磨においてスクラッチが発生する原因としては、研磨条件も関係している。研磨条件としては、一般に粒径の大きい研磨粒子を使用して研磨レートを高くするとスクラッチが発生しやすくなり、粒径の小さい研磨粒子を使用して研磨レートを低くすると研磨時間が長くなるので、工程能力を考慮して適宜の条件に設定される。これらを総合すると、多結晶シリコン膜に炭素を添加してスクラッチの低減を図れるようにするための濃度は、自然に混入する炭素の含有量を超える添加量として1×1018atoms/cm3以上であれば、特に研磨条件に依存することなくスクラッチ低減の効果を得ることができる。
【0060】
本発明は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上層多結晶シリコン膜への炭素添加のためのガスはC24(エチレン)ガス以外の有機系(炭素含有)のガスを用いることができる。また、炭素添加用のガスを用いる代わりに、無添加の多結晶シリコン膜を形成した後に、イオン注入により炭素を導入することで添加しても良い。
【0061】
浮遊ゲート電極5の上層多結晶シリコン膜5bに炭素を添加することに加えて下層多結晶シリコン膜5aのゲート絶縁膜4側にも炭素添加の層を形成することもできる。この場合には、ゲート絶縁膜4の端面部にバーズビークが発生するのを抑制する効果を得ることができる。
【0062】
また、浮遊ゲート電極5と同様にして、制御ゲート電極7にも炭素を添加した多結晶シリコン膜を設けても良い。この場合に、制御ゲート電極7の下層部分に炭素を添加した層を設けると、電極間絶縁膜6のバーズビーク発生を抑制する効果を得ることができ、素子特性の信頼性向上を図ることができる。また、制御ゲート電極7の上層部分に炭素を添加した層を設けると、シリサイドの耐性の向上を図ることができる。炭素を添加した層は、上層部、下層部のいずれかあるいは双方に設ける構成とすることができる。
【0063】
NAND型フラッシュメモリ装置に適用した場合を示したが、NOR型フラッシュメモリ装置やその他浮遊ゲート電極を有する構成の不揮発性半導体記憶装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
図面中、1はシリコン基板(半導体基板)、4はゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)、5は浮遊ゲート電極(電荷蓄積層)、5aは下層多結晶シリコン膜、5bは上層多結晶シリコン膜(炭素が添加されたシリコン層)、6は電極間絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)、7は制御ゲート電極である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の表層部を活性領域に分離する素子分離絶縁膜と、
前記半導体基板の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上に形成され上層部に選択的に炭素が添加されたシリコン層を有する電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と
を具備したことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記電荷蓄積層の前記シリコン層は、炭素が1×1018atoms/cm3以上の濃度で添加されていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶装置において、
前記制御ゲート電極は、炭素が含有されたシリコン層を備えていることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
半導体基板上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記第1のゲート絶縁膜上に、少なくとも上層部に炭素が添加されたシリコン層からなる電荷蓄積層を形成する工程と、
前記電荷蓄積層および前記ゲート絶縁膜を貫通して前記半導体基板に素子分離溝を形成する工程と、
前記素子分離溝内を埋めるように絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜を前記電荷蓄積層の上面が露出するまで研磨して前記素子分離溝内に前記絶縁膜を残すことで素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記素子分離絶縁膜を形成した後に、前記電荷蓄積層上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記第2のゲート絶縁膜上に制御ゲート電極を形成する工程と
を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、
前記電荷蓄積層は、減圧化学気相成長法を用いて形成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−176207(P2011−176207A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40212(P2010−40212)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】