説明

不揮発性記憶装置およびその製造方法

【課題】選択ゲート電極の側壁にメモリゲート電極を有する不揮発性記憶装置を微細化することができる技術を提供する。
【解決手段】選択ゲート電極CGをダミーパターンの側壁にサイドウォール形状で形成することで、メモリゲート電極MGが選択ゲート電極CGの両壁に形成されなくなり、フォトマスクの位置ずれを考慮する必要がなくなる。また、選択ゲート電極CGをサイドウォール状に形成することで、選択ゲート電極CGのゲート長が縮小しても、選択ゲート電極CGを構成する導電膜の膜厚により精度よく制御することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性記憶装置およびその製造方法に関する。特に、選択ゲート電極とメモリゲート電極を含むメモリセルを有する不揮発性記憶装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気的に書込み・消去が可能な不揮発性半導体記憶装置として、現在、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリなどが使用されている。EEPROMまたはフラッシュメモリなどに代表される不揮発性半導体記憶装置のメモリセルは、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート電極下に、酸化膜で囲まれた導電性の浮遊ゲート電極またはトラップ性絶縁膜に代表される電荷蓄積領域を有しており、この電荷蓄積領域に記憶情報として電荷を蓄積し、それをMISFETのしきい値電圧として読み出すものである。
【0003】
トラップ性絶縁膜を電荷蓄積領域とするメモリセルとしては、MONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)方式のメモリセル(以下、単にMONOSメモリセルと言う)がある。なかでも、1つのメモリセルがメモリゲート電極と選択ゲート(コントロールゲート)電極との2つのゲート電極を持つスプリットゲート型メモリセルが、近年、広く使用されている。スプリットゲート型メモリセルは、電荷蓄積領域としてトラップ性絶縁膜を用いているので、離散的に電荷を蓄積することができ、データ保持の信頼性に優れる。また、データ保持の信頼性に優れていることから、トラップ性絶縁膜の上下に形成される酸化膜を薄膜化することができるので、書込み・消去動作の低電圧化が可能である等の利点を有している。また、書込み、消去動作の制御が簡単であることから、周辺回路を小規模にすることができるという利点も有している。トラップ性絶縁膜とは、電荷蓄積を可能とする絶縁膜を言い、一例として、窒化シリコン膜を挙げることができる。
【0004】
スプリットゲート型メモリセルのセル構造には、半導体基板の主面上に選択ゲート電極を形成した後、下部酸化膜(ボトム酸化膜)、窒化シリコン膜(電荷蓄積膜)および上部酸化膜(トップ酸化膜)からなるONO(Oxide Nitride Oxide)膜を形成し、メモリゲート電極を選択ゲート電極の側壁スペーサの形状で形成するものがある(例えば特許文献1(特開2007−281092号公報)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−281092号公報
【特許文献2】特開2010−093154号公報
【特許文献3】特開2006−005354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らの検討によれば、次のことが分かった。
【0007】
スプリットゲート型のMONOSメモリセルにおいて、選択ゲート電極の側壁にONO膜を介してメモリゲート電極をサイドウォール状に形成する方法としては、以下の方法が考えられる。すなわち、選択ゲート電極が形成された半導体基板の主面にONO膜およびメモリゲート電極を構成するポリシリコン膜を形成した後、異方性エッチングによって選択ゲート電極の両側にONO膜およびポリシリコン膜を含むサイドウォールを形成した後、選択ゲート電極の一方の側壁のサイドウォールを除去する方法が考えられる。
【0008】
選択ゲート電極の両方の側壁に形成されたサイドウォール状のメモリゲート電極およびONO膜のうち、一方の側壁のサイドウォールを除去する工程では、マスクを用いて形成したフォトレジスト膜によって選択ゲート電極の側壁の一方のサイドウォールを覆い、その状態でフォトレジスト膜に覆われていない方のサイドウォールを除去する方法が考えられる。この場合、フォトレジスト膜が選択ゲート電極の側壁の一方のサイドウォールを覆い、一方のサイドウォールを露出している必要があるため、フォトレジスト膜の端部は選択ゲート電極の直上になければならない。
【0009】
しかし、近年では半導体素子の微細化が進み、選択ゲート電極のゲート長も縮小する傾向にあるため、フォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極の直上に位置するようにフォトレジスト膜を形成することが困難になってきている。フォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極の直上からずれた場合、残存させるべきメモリゲート電極が除去されてしまい、MONOSメモリセルが記憶装置として機能しなくなるおそれがある。また、同様にフォトレジスト膜の位置ずれが起きた場合、除去すべきサイドウォールが残留することにより、MONOSメモリセルの特性が変化し、MONOSメモリセルがメモリとして働かなくなるおそれがある。
【0010】
すなわち、半導体素子の微細化に伴い、フォトリソグラフィ技術におけるマスクの位置合わせが困難になることで、MONOSメモリセルの信頼性が低下する問題が生じる。このため、MONOSメモリセルの微細化が困難となっている。
【0011】
また、MONOSメモリセルの選択ゲート電極は、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングにより形成されることが考えられる。この場合、装置によるマスクの位置合わせを行い、フォトレジスト膜の露光および現像を行って加工対象の膜をパターニングするが、フォトリソグラフィ技術により形成されたパターンの幅方向の長さの精度は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などの成膜技術により形成される膜の膜厚の精度に比べて悪いという特徴がある。また、例えば120nmよりも小さいゲート長を有する微細な選択ゲート電極のゲート長は、形成工程においてばらつきやすい。選択ゲート電極のゲート長が小さくなるほど、ゲート長のばらつきは顕著になり、ゲート長のばらつきに起因するしきい値電圧のばらつきの発生が顕著となる。
【0012】
つまり、上記したマスクの合わせずれによるゲート長のばらつきと、選択ゲート電極のゲート長のばらつきに起因するしきい値電圧のばらつきが問題とならない範囲での、最小のゲート長が選択ゲート電極の最小加工寸法となる。したがって、最小加工寸法よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極をフォトリソグラフィ技術を用いて形成するには、フォトリソグラフィ技術におけるマスクの位置合わせの精度を向上させ、ゲート長を精度よく制御して選択ゲート電極を形成し、また、ゲート長を精度よく制御することによって、前記選択ゲート電極を有するMONOSメモリセルのしきい値電圧のばらつきの発生を抑える必要がある。
【0013】
よって、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって選択ゲート電極を形成する場合、製造装置のマスクの位置合わせの精度が向上しなければ、最小加工寸法よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極を実現し、不揮発性記憶装置をさらに微細化することは困難である。
【0014】
特許文献2(特開2010−093154号公報)には、MONOSメモリセルのコントロールゲート電極およびメモリゲート電極をサイドウォール状に形成することが記載されている。なお、ここでは、コントロールゲート電極をダミー絶縁膜のサイドウォール状に形成した後にダミー絶縁膜を除去し、コントロールゲート電極の側壁であって半導体基板に垂直な面にサイドウォール状にメモリゲート電極を形成している。すなわち、ここではダミー絶縁膜が形成されていた領域の一部にメモリゲート電極を形成しているのであり、ダミー絶縁膜の側壁にコントロールゲート電極およびメモリゲート電極を順次形成しているわけではない。
【0015】
また、特許文献2では、コントロールゲート電極の両側に形成したポリシリコン膜からなるサイドウォールの片方を除去する際に、マスクを用いて形成するフォトレジスト膜によって一方のサイドウォールを覆った後に、エッチングによりもう一方のサイドウォールを除去している。このため、特許文献2においても、上述したようにマスクの位置合わせが困難となる問題がある。
【0016】
特許文献3(特開2006−005354号公報)には、マスクパターンの側壁に自己整列されるように形成されたフローティングゲートと、前記フローティングゲート上であって、前記マスクパターンの側壁に自己整列されるように形成されたコントロールゲートを形成することが開示されている。ただし、特許文献3に記載されている技術はフローティングゲートに電子をチャージして情報を記憶するフラッシュメモリに適用されるものであり、ONO膜の電荷蓄積膜に情報を記憶するMONOSメモリセルに用いられるものではない。
【0017】
なお、特許文献3では、フローティングゲートの後に形成されるコントロールゲートが、フローティングゲートの上部を覆うように形成されている。このため、最初に形成されるフローティングゲートの上面にはシリサイドが形成されない。
【0018】
本発明の目的の一つは、不揮発性記憶装置を微細化することである。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0021】
本発明の好ましい一実施の形態である不揮発性記憶装置は、
半導体基板の主面の第1領域に形成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板の主面上に第1ゲート絶縁膜を介して形成されたサイドウォール形状の第1ゲート電極と、
前記半導体基板の主面上に、少なくとも電位障壁膜と前記電位障壁膜上に積層された電荷保持膜とを含む第2ゲート絶縁膜を介して形成され、絶縁膜を介して前記第1ゲート電極と隣接するサイドウォール形状の第2ゲート電極と、
前記半導体基板に形成された第1ソース領域および第1ドレイン領域と、
を有するものである。
【0022】
また、本発明の好ましい一実施の形態である不揮発性記憶装置の製造方法は、
半導体基板の主面の第1領域に形成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面上に、ダミー層を形成する工程と、
(b)前記ダミー層をパターニングする工程と、
(c)前記半導体基板の主面に第1絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記半導体基板の主面上に前記第1絶縁膜を介して第1導電膜を形成した後、前記第1導電膜の一部を除去して、前記ダミー層の側壁に前記第1導電膜からなるサイドウォール形状の選択ゲート電極を形成する工程と、
(e)前記半導体基板の主面上に、電位障壁膜および電荷保持膜を順次形成する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記半導体基板の主面上に第2導電膜を形成した後、前記第2導電膜の一部を除去して、前記選択ゲート電極の側壁に前記電位障壁膜および前記電荷保持膜を介して前記第2導電膜からなるサイドウォール形状のメモリゲート電極を形成する工程と、
(g)前記(f)工程の後、前記半導体基板の主面上に露出している前記電位障壁膜および前記電荷保持膜を除去し、続いて前記ダミー層を除去する工程と、
(h)前記(g)工程の後、前記半導体基板の主面上に第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記選択ゲート電極、前記メモリゲート電極、前記第1絶縁膜、前記電位障壁膜、前記電荷保持膜、前記第1ソース領域および前記第1ドレイン領域を含む前記メモリセルを形成する工程と、
を有するものである。
【発明の効果】
【0023】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0024】
上記した本発明の好ましい一実施の形態によれば、不揮発性記憶装置を微細化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態1である不揮発性記憶装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のMONOSメモリセルの動作を説明するための拡大断面図である。
【図3】比較例として示すMONOSメモリセルの平面図レイアウトである。
【図4】本発明の実施の形態1である不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図5】図4に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】図5に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図7】図6に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】図7に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図9】図8に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】図9に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図11】図10に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図12】図11に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図13】図12に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】図13に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図15】図14に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図16】図15に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図17】図16に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図18】図17に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図19】図18に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図20】本発明の実施の形態2である不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図21】図20に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図22】図21に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図23】図22に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図24】図23に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図25】図24に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図26】図25に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図27】図26に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図28】図27に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【図29】図28に続く不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0027】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるスプリットゲート型のMONOSメモリセルの構造の一例を図1を用いて説明する。図1はMONOSメモリセルのチャネルをメモリゲート電極の延在する方向に対して交差する方向に沿って切断した断面図であり、図の左から順に、スプリットゲート型のMONOSメモリセル、周辺MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)および高耐圧MOSFETを示している。ここでは、スプリットゲート型のMONOSメモリセル、周辺MOSFETおよび高耐圧MOSFETはいずれもn型のチャネルを有するものとして説明する。つまり、同一の半導体基板SBの主面(デバイス形成面)の活性領域には、MONOSメモリと、MONOSメモリの選択などを行う周辺回路を構成するnチャネル型MOSFET(周辺MOSFET)と、電源電流のように、周辺MOSFETに流れる電流よりも大きい電流が流れ、周辺MOSFETよりも高い耐圧を必要とする高耐圧MOSFETとが形成されている。ここで、高耐圧MOSFETは、電源電流が流れる回路の保護素子または電源の昇圧回路などに用いられ、周辺MOSFETよりも高い電圧で動作するFETである。ここで、高耐圧MOSFETとは、入出力信号を制御するI/O領域の保護素子または電源の昇圧回路などに用いられ、低耐圧MOSFETよりも高い電圧で動作するFETである。高耐圧MOSFETは、MONOSメモリと同様に動作の際に比較的高い電位差が発生するため比較的膜厚が厚いゲート絶縁膜を必要とする。
【0028】
図1に示すように、半導体基板SBは、例えばp型の単結晶シリコンからなり、半導体基板SB上には、MONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInを有する。MONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInのそれぞれの下部の半導体基板SBの上面には、p型の不純物(例えばB(ホウ素))が導入されたpウエル3a、3bおよび3cがそれぞれ形成されている。pウエル3a、3bおよび3cはそれぞれ素子分離層2により分離されている。
【0029】
MONOSメモリセルMnは、半導体基板SB上に、ゲート絶縁膜4aを介して形成された選択ゲート電極CGを有している。選択ゲート電極CGは、半導体基板SBの主面に対して垂直な第1側壁と、選択ゲート電極CGの最上部から前記第1側壁と反対側へ、その高さが減少するような曲面とを含む第2側壁を有している。つまり、前記曲面はMONOSメモリセルMnの上面および一方の側壁を含んでいる。すなわち、選択ゲート電極CGはサイドウォール状に形成されている。
【0030】
なお、選択ゲート電極CGの曲面は、必ずしも全てが曲面である必要はなく、直線的に傾斜した形状である場合も含む。すなわち、その高さが連続的に減少する形状も含む。
【0031】
MONOSメモリセルMnの前記曲面には、酸化シリコン膜からなる電位障壁膜であるボトム酸化膜、窒化シリコン膜からなる電荷蓄積膜(電荷保持膜)および酸化シリコン膜からなる電位障壁膜であるトップ酸化膜により構成されるONO膜13を介して、メモリゲート電極MGが形成されている。メモリゲート電極MGは半導体基板SB上にONO膜13を介して形成されており、ONO膜13は、半導体基板SB上に、ボトム酸化膜、電荷蓄積膜およびトップ酸化膜の順に積層された3層からなる積層構造を有する。すなわち、ボトム酸化膜は選択ゲート電極CGの前記曲面および半導体基板SBに接し、トップ酸化膜はメモリゲート電極MGに接している。
【0032】
ONO膜13およびメモリゲート電極MGは選択ゲート電極CGの側壁にサイドウォール状に形成されており、半導体基板SBに垂直な方向において、メモリゲート電極MGは隣接する選択ゲート電極CGよりも高さが低く形成されている。メモリゲート電極MGの側壁であって、ONO膜13と接していない側壁と、メモリゲート電極MGが形成されていない側の選択ゲート電極CGの側壁には、絶縁膜により構成されるサイドウォール15が形成されている。
【0033】
MONOSメモリセルMnのソース・ドレイン領域は、相対的に低濃度のn型の半導体領域であるエクステンション領域14aと、エクステンション領域14aよりも不純物濃度が高い相対的に高濃度のn型の拡散層16aとを有し、LDD(Lightly Doped Drain)構造となっている。エクステンション領域14aは、サイドウォール15の下部の半導体基板SBの上面に形成されており、拡散層16aは、半導体基板SBの上面であって、エクステンション領域14aと素子分離層2との間に形成されている。
【0034】
図1では、pウエル3a上に2つのMONOSメモリセルMnを示している。MONOSメモリセルMnは、上述の選択ゲート電極CG、ONO膜13、メモリゲート電極MG、ゲート絶縁膜4a、エクステンション領域14aおよび拡散層16aを有している不揮発性記憶素子である。
【0035】
選択ゲート電極CGは、例えばn型の多結晶シリコン膜からなり、そのゲート長は、例えば28〜45nm程度である。選択ゲート電極CG、エクステンション領域14aおよび拡散層16aは、第1電界効果トランジスタを構成している。また、メモリゲート電極MGは、例えばn型の多結晶シリコン膜からなり、メモリゲート電極MG、エクステンション領域14aおよび拡散層16aは、第2電界効果トランジスタを構成している。
【0036】
素子分離層2およびゲート絶縁膜4aは例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜である。サイドウォール15は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはそれらの積層膜からなる絶縁膜である。
【0037】
半導体基板SB上には、前述したように、MONOSメモリセルMnの選択動作などに用いられる周辺MOSFETCnと、周辺MOSFETCnよりも高い耐圧を必要とする高耐圧MOSFETInとが形成されている。周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInは、それぞれpウエル3b上、3c上に形成されており、半導体基板SB上に、例えば酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜4b、4cを介して形成された、例えばポリシリコン膜からなるゲート電極5b、5cを有している。
【0038】
ゲート電極5b、5cのそれぞれの側壁には酸化シリコン膜、窒化シリコン膜またはそれらの積層膜からなるサイドウォール15が形成されている。ゲート絶縁膜4cはゲート絶縁膜4bよりも厚い絶縁膜である。また、ゲート電極5cのゲート長は、ゲート電極5bのゲート長よりも長い。高耐圧MOSFETInが周辺MOSFETCnよりも厚いゲート絶縁膜と長いゲート長を有するのは、高耐圧MOSFETInの方が周辺MOSFETCnよりも高い電圧で動作し、高い耐圧を必要とするためである。
【0039】
ゲート絶縁膜4bの側壁に形成されたサイドウォール15の下部の半導体基板SBの主面には、エクステンション領域14bが形成されている。また、ゲート絶縁膜4cの側壁に形成されたサイドウォール15の下部の半導体基板SBの主面には、エクステンション領域14cが形成されている。また、エクステンション領域14bと素子分離層2との間には拡散層16bが形成されており、エクステンション領域14cと素子分離層2との間には拡散層16cが形成されている。n型のエクステンション領域14bはn型の拡散層16bよりも低い濃度の不純物濃度を有する半導体領域であり、n型のエクステンション領域14cはn型の拡散層16cよりも低い濃度の不純物濃度を有する半導体領域である。すなわち、エクステンション領域14bおよび拡散層16b、ならびに、エクステンション領域14cおよび拡散層16cは、それぞれLDD構造を有している。
【0040】
拡散層16a〜16c、ゲート電極5b、5c、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上面であって、絶縁膜からなるサイドウォール15またはONO膜13に覆われていない表面にはシリサイド層17が形成されている。半導体基板SB上には、MONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInを覆うようにストッパ絶縁膜STおよび層間絶縁膜18が順に形成されており、ストッパ絶縁膜STおよび層間絶縁膜18には、層間絶縁膜18の上面からシリサイド層17に達するコンタクトホール19内に充填されたコンタクトプラグ20が複数形成されている。層間絶縁膜18上にはストッパ絶縁膜21を介して層間絶縁膜22が形成されており、層間絶縁膜22はコンタクトプラグ20の上面を露出する配線溝23を有し、配線溝23内には、コンタクトプラグ20と電気的に接続された金属配線25が形成されている。
【0041】
シリサイド層17は、拡散層16a〜16cとコンタクトプラグ20との間に介在することで拡散層16a〜16cとコンタクトプラグ20との接触抵抗を低減する働きを有する金属とシリコンとの反応層であり、材料としては、例えばニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、プラチナシリサイドまたはチタンシリサイドなどを用いることができる。
【0042】
なお、MONOSメモリセルMnの選択ゲート電極CG上に形成されたシリサイド層17とメモリゲート電極MG上に形成されたシリサイド層17とは一体になっておらず、絶縁されている。
【0043】
コンタクトプラグ20は、コンタクトホール19の内壁および底部に形成されたバリア導体膜(図示しない)を介して形成された接続部材であり、MONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInのそれぞれのソース・ドレイン領域と、金属配線25とを電気的に接続している。コンタクトプラグ20は例えばタングステンなどからなり、その側壁および底部に形成されたバリア導体膜は、例えば窒化チタンなどからなる。なお、図示していない領域において、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極5bおよび5cは、それぞれの上部に形成されたシリサイド層17およびコンタクトプラグ20を介して金属配線(図示しない)と電気的に接続されている。なお、ゲート電極5bは、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングにより形成されており、そのゲート長はフォトリソグラフィ技術を用いて導電膜をパターニングした場合の最小加工寸法である。
【0044】
ストッパ絶縁膜STは例えば窒化シリコン膜からなり、コンタクトホール19を形成する際にエッチングストッパ膜として働く。また、層間絶縁膜18、22は例えば酸化シリコン膜またはSiOC膜などの絶縁膜からなる。ストッパ絶縁膜21は例えば窒化シリコン膜からなり、配線溝23を形成する際にエッチングストッパ膜として働く。
【0045】
金属配線25は、MONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInに所定の電位を供給する配線であり、周知のダマシンプロセスによって形成されている。金属配線25は、配線溝23の内壁および底部に形成されたバリア導体膜と、前記バリア導体膜を介して配線溝23内に充填された金属膜からなる。前記バリア導体膜は例えばTa(タンタル)とTaN(窒化タンタル)との積層膜からなり、前記金属膜は、主にCu(銅)からなる膜である。前記バリア導体膜は、前記金属膜内の金属元素が層間絶縁膜22内などに拡散することを防ぐ目的で設けられている。なお、バリア導体膜の部材としては、タンタルの他に、チタン(Ti)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)またはそれらの化合物などを用いてもよい。
【0046】
なお、金属配線25は、ダマシン構造に限られず、アルミニウムを主体とした導体膜をパターニングして形成される配線構造としてもよい。
【0047】
次に、MONOSメモリセルのメモリ動作(書込み、書込みディスターブ、消去および読出し)について、図2を用いて説明する。図2は、図1に示すMONOSメモリセルMnの拡大断面図である。図2に示すように、ONO膜13は、半導体基板SBの主面および選択ゲート電極CGの曲面を有する側壁に形成されたボトム酸化膜(電位障壁膜)1bと、ボトム酸化膜1b上に形成された窒化シリコン膜からなる電荷蓄積膜(電荷保持膜)1nと、電荷蓄積膜1n上に形成されたトップ酸化膜(電位障壁膜)1tの3層の絶縁膜により構成されている。
【0048】
なお、ここでは選択ゲート電極CGの近傍の半導体基板SB内のn型半導体領域をドレイン領域16dと呼び、メモリゲート電極MGの近傍の半導体基板SB内のn型半導体領域をソース領域16sと呼ぶ。ドレイン領域16dおよびソース領域16sは、図1に示すエクステンション領域14aおよび拡散層16aからなるソース・ドレイン領域に相当する。また、図2では図1に示すシリサイド層17およびMONOSメモリセルMn上の配線および絶縁膜などの図示を省略している。
【0049】
また、ここでは、図2に示すメモリゲート電極MG、ソース領域16sおよびドレイン領域16dからなるnチャネル型MOSFETをメモリ用nMOSと呼ぶ。同様に、選択ゲート電極CG、ソース領域16sおよびドレイン領域16dからなるnチャネル型MOSFETを選択用nMOSと呼ぶ
まず、「消去」について説明する。
【0050】
情報の消去は、BTBT(Band To Band Tunneling)現象によりホールを発生させ電界加速することでホットホールを電荷蓄積膜1n中に注入するBTBT消去、または、メモリゲート電極MGまたは半導体基板SBからホールをFN(Fowler-Nordheim)トンネリングで電荷蓄積膜1n中に注入するFN消去のいずれかによって行う。
【0051】
BTBT消去を行う場合は、例えば、メモリゲート電極MGに印加する電圧を−6V、ソース領域16sに印加する電圧を6V、選択ゲート電極CGに印加する電圧を0Vとし、ドレイン領域16dは浮遊状態とする。pウエル3aには0Vを印加する。上記電圧を印加した場合、ソース領域16sとメモリゲート電極MGとの間にかかる電圧によってソース領域16sの端部においてBTBT現象で生成されたホールが、ソース領域16sに印加された高電圧によって加速されてホットホールとなり、メモリゲート電極MGに印加された高電圧によってホットホールがメモリゲート電極MG方向へと引張られ、電荷蓄積膜1n中に注入される。注入されたホットホールは電荷蓄積膜1n中のトラップ準位に捕獲され、メモリ用nMOSのしきい値電圧が低下する。
【0052】
メモリゲート電極MGからホール注入するFN消去の印加電圧としては、メモリゲート電極MGに印加する電圧を15Vとし、ソース領域16sに印加する電圧、選択ゲート電極CGに印加する電圧、ドレイン領域16dに印加する電圧およびpウエル3aに印加する電圧はいずれも0Vとする。上記電圧を印加すると、メモリゲート電極MGからホールがFNトンネリングで電荷蓄積膜1nに注入される。加えて、書込み時に電荷蓄積膜1nに蓄積された電子がメモリゲート電極MGへ引き抜かれる。
【0053】
半導体基板SBからホール注入するFN消去の印加電圧としては、メモリゲート電極MGに印加する電圧を−15Vとし、その他ソース領域16sに印加する電圧、選択ゲート電極CGに印加する電圧、ドレイン領域16dに印加する電圧およびpウエル3aに印加する電圧は0Vとする。上記電圧を印加すると、半導体基板SBからホールがトンネリングで電荷蓄積膜1nに注入される。加えて、書込み時に電荷蓄積膜1nに蓄積された電子が半導体基板SBへ引き抜かれる。
【0054】
次に、「書込み」および「書込みディスターブ」について説明する。
【0055】
情報の書込みは、所謂SSI方式によって行なわれる。書込みの際は、例えば、ソース領域16sに印加する電圧Vsを5V、メモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを9V、選択ゲート電極CGに印加する電圧Vsgを1Vとする。そして、ドレイン領域16dに印加する電圧Vdは書込み時のチャネル電流がある設定値となるように制御する。このときの電圧Vdはチャネル電流の設定値と選択用MOSのしきい値電圧によって決まり、例えば設定電流値1μAで0.4V程度となる。pウエル3に印加する電圧Vwellは0Vである。
【0056】
書込みの動作時には、ドレイン領域16dよりも大きな電圧を選択ゲート電極CGに印加して選択用MOSをオン状態とし、ソース領域16sに正の高電圧を印加することで、ドレイン領域16dからソース領域16sへ電子が流れる。チャネル領域を流れるこの電子は、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの境界付近下のチャネル領域(ソース領域16sとドレイン領域16dとの間)で加速されてホットエレクトロンになる。そして、ホットエレクトロンは、メモリゲート電極MGに印加された正電圧によってメモリゲート電極MGに引き寄せられメモリゲート電極MG下の電荷蓄積膜1n中に注入される。注入されたホットエレクトロンは、電荷蓄積膜1n中のトラップ準位に捕獲され、その結果、電荷蓄積膜1nに電子が蓄積されてメモリ用nMOSのしきい値電圧が上昇する。
【0057】
次に、「読出し」について説明する。
【0058】
読出しには、書込みと逆方向に電流を流して読み出す方法と、順方向に電流を流して読み出す方法の2種類がある。書込みと逆方向に電流を流して読み出す場合、ドレイン領域16dに印加する電圧Vdを1V、ソース領域16sに印加する電圧Vsを0V、選択ゲート電極CGに印加する電圧Vsgを1.5V、メモリゲート電極MGに印加する電圧Vmgを1.5Vとする。書込みと順方向に電流を流して読み出す場合、ドレイン領域16dに印加する電圧Vdとソース領域16sに印加する電圧Vsを入れ替え、それぞれ0V、1Vとする。
【0059】
次に、本実施の形態の特徴について説明する。
【0060】
本実施の形態では、図1に示すように、MONOSメモリセルMnを構成する選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGが、いずれもサイドウォール状に形成されている。すなわち、選択ゲート電極CGの形状は矩形ではなく、選択ゲート電極CGは、半導体基板SBの主面に対して垂直な第1側壁と、前記第1側壁の上端から選択ゲート電極CGの下面に達する曲面からなる第2側壁を有している。なお、選択ゲート電極CGの第2側壁は、必ずしも全てが曲面である必要はなく、直線的に傾斜した形状である場合も含む。すなわち、その高さが連続的に減少する形状も含む。
【0061】
また、ONO膜13は選択ゲート電極CGの前記曲面の表面に形成されているため、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間の領域のONO膜13も曲線状の形状を有している。つまり、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間の領域のONO膜13は選択ゲート電極CGの前記第2側壁に沿って形成されている。なお、メモリゲート電極MGの形状も、必ずしも全てが曲線状である必要はなく、直線的に傾斜した形状である場合も含む。すなわち、その高さが連続的に減少する形状も含む。
【0062】
MONOSメモリセルの選択ゲート電極の形成方法としては、ゲート絶縁膜上にゲート電極となる導電膜を形成し、前記導電膜上にフォトマスクを用いて第1フォトレジスト膜のパターンを形成し、前記第1フォトレジスト膜をエッチングマスクとしてドライエッチングなどにより前記導電膜を加工してゲート電極を形成する方法が考えられる。フォトレジスト膜をエッチングマスクとして、異方性エッチングにより導電膜をパターニングした場合は、パターニングされた導電膜は矩形の形状を有する選択ゲート電極となり、その両方の側壁は半導体基板の主面に対して垂直に延在するように形成される。
【0063】
また、前記選択ゲート電極の側壁にONO膜を介してメモリゲート電極を形成する方法としては、ONO膜およびメモリゲート電極となる導電膜を形成した後、前記導電膜を異方性エッチングすることで、前記導電膜からなるメモリゲート電極を選択ゲート電極の側壁にサイドウォール状に形成することが考えられる。その後、選択ゲート電極の両方の側壁に形成されたメモリゲート電極の一方のみを残すため、一方のメモリゲート電極を第2フォトレジスト膜で覆い、第2フォトレジスト膜に覆われていないもう一方のメモリゲート電極を除去する。このとき、第2フォトレジスト膜の端部は選択ゲート電極の直上に位置する必要がある。
【0064】
上記の方法でONO膜およびメモリゲート電極を形成した場合、選択ゲート電極とメモリゲート電極との間のONO膜は半導体基板の主面に対して垂直に延在するように形成され、メモリゲート電極はONO膜の側壁サイドウォール状に形成された電極であるので、一方の側壁は半導体基板の主面に対して垂直な方向に延在している。
【0065】
しかし、この方法で選択ゲート電極、ONO膜およびメモリゲート電極を形成しようとすると、選択ゲート電極の側壁の一方のメモリゲート電極を除去する際に、第2フォトレジスト膜の端部を選択ゲート電極上に合わせて形成することが困難になる。これは、不揮発性記憶装置の微細化に伴って選択ゲート電極のゲート長が短くなるにつれて、フォトマスクを用いてフォトレジスト膜を形成する際に、製造装置の精度によってフォトマスクの位置合わせにずれが生じやすくなり、選択ゲート電極の直上にフォトレジスト膜の端部を形成することが困難になるためである。
【0066】
選択ゲート電極の側壁の一方のメモリゲート電極を除去する際に形成するフォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極の直上に位置せず、フォトレジスト膜が選択ゲート電極の両側のメモリゲート電極を覆ってしまった場合、選択ゲート電極の側壁の一方のメモリゲート電極を除去することができない。また、フォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極の直上に位置せず、フォトレジスト膜が選択ゲート電極の両側のメモリゲート電極を覆っていない場合、選択ゲート電極の両側のメモリゲート電極はいずれも後のエッチング工程により除去されてしまう。その他にも、フォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極の直上に位置せず、フォトレジスト膜がメモリゲート電極の直上に位置している場合は、除去すべき一方のメモリゲート電極の一部が選択ゲート電極の側壁に残ったり、残すべきメモリゲート電極の一部が除去されてしまうおそれがある。
【0067】
このように、残すべきメモリゲート電極が除去されたり、除去すべきメモリゲート電極が残った場合、MONOSメモリセルの特性が変化したり、MONOSメモリセルがメモリセルとして機能しなくなるおそれがある。このため、フォトリソグラフィ技術により選択ゲート電極を形成した後にONO膜およびメモリゲート電極を形成する場合は、フォトマスクの合わせずれが起こっても問題ない範囲のゲート長を有する選択ゲート電極を形成する必要があるため、そのゲート長よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極を形成することが出来ない問題がある。つまり、選択ゲート電極の側壁の一方のメモリゲート電極を除去する際に形成するフォトレジスト膜の端部は選択ゲート電極の直上に位置している必要があるため、選択ゲート電極はフォトレジスト膜の端部が選択ゲート電極上に形成されるように、ある程度の長さのゲート長を有していなければならない。
【0068】
また、フォトリソグラフィ技術により形成される選択ゲート電極は、ゲート長が小さくなるほどゲート長にばらつきが生じやすくなる特徴を有する。これは、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングの精度によるものであり、選択ゲート電極のゲート長のばらつきが顕著になれば、MONOSメモリセル内の選択ゲート電極およびソース・ドレイン領域により構成される電界効果トランジスタのしきい値電圧のばらつきが顕著になる。したがって、フォトリソグラフィ技術により選択ゲート電極を形成する場合は、複数のMONOSメモリセルの特性を一律に合わせるために、選択ゲート電極のゲート長のばらつきが発生しても問題ない程度の広いゲート長を有する選択ゲート電極を形成しなければならない。本願では、しきい値電圧のばらつきを無視できる最小のゲート長の長さを、選択ゲート電極の最小加工寸法として定義する。
【0069】
上述したように、フォトリソグラフィ技術により選択ゲート電極を形成した後、ONO膜およびメモリゲート電極を形成し、選択ゲート電極の一方の側壁に形成されたメモリゲート電極をフォトリソグラフィ技術を用いて除去する場合には、フォトマスクの合わせずれと、しきい値電圧のばらつきとの二つの理由により、不揮発性記憶装置の微細化が困難になる問題がある。
【0070】
これに対し、本実施の形態の不揮発性記憶装置では、後述するように、選択ゲート電極をダミーパターンの側壁にサイドウォール状に自己整合的に形成する。すなわち、本実施の形態の不揮発性記憶装置では、選択ゲート電極をフォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって形成していない。サイドウォールの幅(スペーサー長)は、当該サイドウォールを構成する膜の形成時の膜厚により調整(制御)することができるため、選択ゲート電極は成膜技術によりゲート長を調整することが可能である。このため、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングにより形成される矩形の選択ゲートに比べて、ゲート長を精度よく制御することができる。
【0071】
すなわち、選択ゲート電極となる導電膜はその膜厚を精度よく制御することが可能であり、また、選択ゲート電極は後述するダミーパターンのサイドウォールとして自己整合的に形成されるため、本実施の形態では、選択ゲート電極のゲート長を非常に精度よく制御することができる。したがって、選択ゲート電極のゲート長のばらつきに起因するしきい値電圧のばらつきを大幅に抑制することが可能であり、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって形成される矩形の選択ゲート電極の最小加工寸法よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極を形成することができる。
【0072】
また、後述するように、本実施の形態では選択ゲート電極をダミーパターンのサイドウォールとして形成した後、選択ゲート電極の露出している曲面上にONO膜および導電膜を形成し、続いて導電膜を異方性エッチングにより加工することで、選択ゲート電極の曲面にONO膜を介してサイドウォール状にメモリゲート電極を形成している。ここで、メモリゲート電極となる前記導電膜が形成される際には前記ダミーパターンは半導体基板上に残っているので、選択ゲート電極の両側の側壁にメモリゲート電極は形成されず、前記ダミーパターンと接していない曲面にのみメモリゲート電極が形成される。つまり、選択ゲート電極の側壁であって、半導体基板の主面に素直な方向に延在する側壁にはメモリゲート電極は形成されない。
【0073】
したがって、MONOSメモリセルの形成工程においてメモリゲート電極は選択ゲート電極の両側の側壁に形成されず、曲面を有する一方の側壁のみに形成される。このため、本実施の形態では、選択ゲート電極の側壁に形成された不要なメモリゲート電極を除去する工程が必要ないため、フォトマスクの合わせずれによって選択ゲート電極のゲート長は制限されない。すなわち、不要なメモリゲート電極を除去する際にフォトレジスト膜の端部を選択ゲート電極の直上に合わせて形成する必要がないため、フォトマスクの合わせずれを考慮して選択ゲート電極のゲート長を最小加工寸法以上の長さにしなくてもよい。よって、選択ゲート電極のゲート長を前記最小加工寸法以下の長さにすることができる。
【0074】
ここで、比較例として、不揮発性記憶装置を構成するMONOSメモリセルのレイアウトを図3に示す。図3はMONOSメモリセルの平面図であり、選択ゲート電極CGa、ONO膜13a、メモリゲート電極MGaおよびコンタクトプラグ20のみを示し、その他の半導体基板または半導体基板上の金属配線などは示していない。図3に示すMONOSメモリセルMnaは、フォトリソグラフィ技術によりパターニングした選択ゲート電極CGaの両方の側壁にメモリゲート電極MGaを形成し、選択ゲート電極CGaの両方の側壁の一方のメモリゲート電極MGaを除去することで形成されている。
【0075】
図3に示すように、半導体基板(図示しない)には選択ゲート電極CGaと、選択ゲート電極の一方の側壁にONO膜13aを介して形成されたメモリゲート電極MGaが形成されている。選択ゲート電極CGa、ONO膜13aおよびメモリゲート電極MGaはいずれも半導体基板の主面に沿う第1方向に延在している。また、選択ゲート電極CGa、ONO膜13aおよびメモリゲート電極MGaは、半導体基板の主面に沿う方向であって、第1方向に直交する第2方向に複数並んで配置されている。図3に示すように、第2方向に対向する選択ゲート電極CGa同士の間にはコンタクトプラグ20が配置されており、コンタクトプラグ20は第1方向に複数本並んでいる。
【0076】
図3に示す破線で囲まれた領域は比較例のMONOSメモリセルMnaの最小単位である。MONOSメモリセルMnaの最小単位の第2方向における領域は、対向する選択ゲート電極CGa同士の中央から、最も近い対向するメモリゲート電極MGa同士の中央までの領域であり、MONOSメモリセルMnaの最小単位の第1方向における領域は、第1方向において隣り合うコンタクトプラグ20同士の中央から、最も近い第1方向において隣り合うコンタクトプラグ20同士の中央までの領域である。
【0077】
ここで、MONOSメモリセルMnaの最小単位内において、MONOSメモリセルMnaの最小単位の端部であって、対向するメモリゲート電極MGa同士の中央の位置から、ONO膜13aと選択ゲート電極CGaとの界面までの長さをL1とする。また、ONO膜13aと選択ゲート電極CGaとの界面から、ONO膜13aと接していない方の選択ゲート電極CGaの側壁までの長さをL2とする。すなわち、長さL2は選択ゲート電極CGaのゲート長である。また、ONO膜13aと接していない方の選択ゲート電極CGaの側壁から、MONOSメモリセルMnaの最小単位の端部であって、対向する選択ゲート電極CGa同士の中央の位置までの長さをL3とする。つまり第1方向のMONOSメモリセルMnaの最小単位の幅は、長さL1、L2およびL3を足した長さとなる。
【0078】
上述したように、フォトリソグラフィ技術によりパターニングした選択ゲート電極CGaの両方の側壁にメモリゲート電極MGaを形成し、選択ゲート電極CGaの両方の側壁の一方のメモリゲート電極MGaを除去することでMONOSメモリセルMnaを形成した場合の長さL1、L2およびL3の長さは、例えば、L1=260nm、L2=120nm、L3=160nmとする。すなわち、MONOSメモリセルMnaの第1方向の長さは長さL1、L2およびL3の合計の540nmとなる。
【0079】
これに対し、本実施の形態では、図1に示す選択ゲート電極CGのゲート長の長さを、上記のフォトリソグラフィ技術により形成した場合の比較例の選択ゲート電極CGaのゲート長に比べて非常に小さくすることができる。これは、ダミーパターンのサイドウォールとして選択ゲート電極CGを形成するためである。すなわち、選択ゲート電極CGとなる導電膜を、膜厚の制御が容易なCVD法などにより形成し、この膜厚によって選択ゲート電極CGのゲート長の長さを決定することができるため、選択ゲート電極CGのゲート長の長さを精度よく制御したうえで小さくすることが可能である。
【0080】
上記のフォトリソグラフィ技術により形成した場合の選択ゲート電極CGaのゲート長は120nmであるが、本実施の形態のMONOSメモリセルでは、例えば28nmとすることができる。つまり、本実施の形態では、図3に示す長さL1、L2およびL3の値が、L1=260nm、L2=28nm、L3=160nmとなり、MONOSメモリセルの最小単位の第1方向の長さは448nmとなるため、比較例のMONOSメモリセルMnaの最小単位の第1方向の長さである540nmに比べて、MONOSメモリセルMnaの最小単位の第1方向の長さを83%程度に縮小することができる。
【0081】
すなわち、不揮発性記憶装置の第1方向における長さを例えば83%程度に縮小し、不揮発性記憶装置を微細化することができる。なお、本実施の形態では図1に示す選択ゲート電極CGのゲート長を28nmとしたが、選択ゲート電極CGのゲート長はMONOSメモリセルMnの製造工程における成膜工程によって制御することができるため、28nmよりもさらに小さくすることが可能である。
【0082】
次に、本実施の形態の製造方法について、図4〜図19を用いて説明する。図4〜図19はMONOSメモリセル、周辺MOSFETおよび高耐圧MOSFETを同一基板上に形成する場合の不揮発性記憶装置の製造方法を示す断面図である。なお、図4〜図19では、左から順にMONOSメモリセル形成領域1A、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cを示している。
【0083】
まず、図4に示すように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)SBを準備する。続いて、半導体基板SBの主面に素子分離層2を形成する。素子分離層2は酸化シリコンなどの絶縁体からなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon)法などにより形成される。例えば、半導体基板SBに形成された溝(素子分離溝)2aに埋め込まれた絶縁膜により、素子分離層2を形成することができる。
【0084】
次に、半導体基板SBのMONOSメモリセルを形成する領域(MONOSメモリセル形成領域1A)、周辺MOSFETを形成する領域(周辺MOSFET形成領域1B)および高耐圧MOSFETを形成する領域(高耐圧MOSFET形成領域1C)に、pウエル3a、3bおよび3cをそれぞれ形成する。このとき、pウエル3a、3bおよび3cは、例えばホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成される。なお、pウエル3a、3bおよび3cはそれぞれフォトリソグラフィ技術を用いて別工程によって不純物を打ち分け、異なる不純物濃度とすることができる。
【0085】
ここで、pウエル3a、3bおよび3cを形成するためのイオン注入を行う前に、半導体基板SBの上面にスルー膜として酸化シリコン膜OXを形成しておくことが望ましい。酸化シリコン膜OXは例えば熱処置により形成される絶縁膜であり、pウエル3a、3bおよび3cを形成する際のイオン注入により半導体基板SBがダメージを負うことを防ぐ働きを有する。
【0086】
次に、図5に示すように、CVD法により、半導体基板SB上に窒化シリコン膜からなる絶縁膜を堆積した後、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチングにより、前記窒化シリコン膜からなる絶縁膜をパターニングし、MONOSメモリセル形成領域1Aの半導体基板SB上に酸化シリコン膜OXを介してダミーパターンDPを形成する。
【0087】
また、ダミーパターンDPを形成した後に、選択ゲート電極CG下のチャネル領域に対して、イオン注入を行っておくこともできる。
【0088】
次に、図6に示すように、半導体基板SB上の酸化シリコン膜OXをウェットエッチングによって除去する。その後、周知の2種ゲート酸化プロセスにより高耐圧MOSFET形成領域1Cに厚膜絶縁膜40cを形成し、周辺MOSFET形成領域1Bに絶縁膜40bを形成し、MONOSメモリセル形成領域1Aに絶縁膜40aを形成する。
【0089】
すなわち、半導体基板SB上の酸化シリコン膜OXを除去した後、半導体基板SBの主面上の全面に厚い酸化シリコン膜を熱酸化法またはCVD法により形成する。その後、高耐圧MOSFET形成領域1Cをフォトレジスト膜で覆う。続いて、前記フォトレジスト膜をマスクとしてMONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bの酸化シリコン膜をドライエッチングまたはウェットエッチングにより選択的に除去し、高耐圧MOSFET形成領域1Cに厚い酸化シリコン膜からなる厚膜絶縁膜40cを残した後、前記フォトレジスト膜をアッシングにより除去する。その後、半導体基板SBを熱酸化してMONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bに絶縁膜40aおよび絶縁膜40bをそれぞれ形成する。このとき、高耐圧MOSFET形成領域1Cの厚膜絶縁膜40cの下部のpウエル3cの上面も若干酸化される。
【0090】
これにより、高耐圧MOSFET形成領域1Cに相対的に膜厚が厚い厚膜絶縁膜40cが形成され、MONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bに、相対的に膜厚の薄い絶縁膜40aおよび絶縁膜40bがそれぞれ形成される。なお、絶縁膜40aおよび絶縁膜40bの製法は、熱酸化法に限られず、ISSG酸化処理またはCVD法によって形成してもよい。
【0091】
次に、図7に示すように、ダミーパターンDPを覆うように、半導体基板SB上にポリシリコン膜5pをCVD法により堆積する。
【0092】
次に、図8に示すように、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cをフォトレジスト膜で覆った後、ドライエッチングなどの異方性エッチングによりMONOSメモリセル形成領域1Aのポリシリコン膜5pの一部を除去し、ダミーパターンDPの上面および絶縁膜40aの上面を露出する。これにより、ダミーパターンDPの両側の側壁に、サイドウォール状に加工されたポリシリコン膜5pからなる選択ゲート電極CGを形成する。続いて、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cのフォトレジスト膜を除去した後、n型の不純物(例えばP(リン))を選択ゲート電極CGおよびポリシリコン膜5pにイオン注入する。
【0093】
なお、ここで選択ゲート電極CGは、ダミーパターンDPのサイドウォールとして自己整合的に形成されており、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて形成されるものではない。
【0094】
また、選択ゲート電極CGをサイドウォール状に加工した後に、メモリゲート電極MG下のチャネル領域に対して、イオン注入を行っておくこともできる。
【0095】
次に、図9に示すように、MONOSメモリセル形成領域1Aにおいて露出している絶縁膜40aを除去し、選択ゲート電極CGと半導体基板SBとの間に、絶縁膜40aからなるゲート絶縁膜4aを形成する。
【0096】
続いて、半導体基板SBの主面上の全面に、メモリゲート電極MGのゲート絶縁膜として、ONO膜13を形成する。ONO膜13は、例えばCVD法により半導体基板SB上に順に形成した酸化シリコン膜からなるボトム酸化膜、窒化シリコン膜からなる電荷蓄積膜および酸化シリコン膜からなるトップ酸化膜の3層からなる積層膜である。ONO膜13は積層膜であるが、図9およびその他の図では、図を分かりやすくするため、ONO膜13を一層の膜として示している。
【0097】
図9に示すように、ONO膜13は選択ゲート電極CGおよびダミーパターンDPを覆うように形成されている。ONO膜13と選択ゲート電極CGとが接する領域において、ONO膜13はサイドウォール状の選択ゲート電極CGの曲面に形成されているため、選択ゲート電極CGの曲面に沿って湾曲した面を有している。
【0098】
次に、図10に示すように、半導体基板SBの主面上の全面にポリシリコン膜を例えばCVD法により堆積した後、異方性エッチングにより、前記ポリシリコン膜の一部を除去し、ONO膜13の一部の表面を露出させる。このとき、選択ゲート電極CGの側壁であって、ダミーパターンDPと接している側壁の反対側の側壁には、ONO膜を介して前記ポリシリコン膜からなるメモリゲート電極MGが形成される。また、メモリゲート電極MGと選択ゲート電極CGとの間およびメモリゲート電極MGと半導体基板SBとの間の領域のONO膜13はメモリゲート電極MGに覆われているため露出していない。
【0099】
メモリゲート電極MGは選択ゲート電極CGの曲面に接するように、サイドウォール状に形成されるため、メモリゲート電極MGの両方の側壁であって、選択ゲート電極CGの側壁のONO膜13に接する側壁および反対側の側壁は、いずれも半導体基板SBの主面に対して垂直に延在していない。つまり、選択ゲート電極CGはダミーパターンDPのサイドウォールとして形成され、メモリゲート電極MGは選択ゲート電極CGのサイドウォールとして形成されている。ここで、半導体基板SBの主面に対して垂直な方向におけるメモリゲート電極MGの高さが、選択ゲート電極CGの同方向の高さよりも低くなるように、前記ポリシリコン膜のエッチング工程におけるエッチングの時間を調整する。
【0100】
次に、図11に示すように、メモリゲート電極MGに覆われているONO膜13以外の、露出しているONO膜13を異方性エッチングにより除去する。続いて、ダミーパターンDPを異方性エッチングにより除去し、酸化シリコン膜OXを露出させる。
【0101】
次に、図12に示すように、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cにおいて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチングを用いてポリシリコン膜5pをパターニングし、周辺MOSFET形成領域1Bではポリシリコン膜5pからなるゲート電極5bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cではポリシリコン膜5pからなるゲート電極5cを形成する。このエッチング工程では、MONOSメモリセル形成領域1Aはフォトレジスト膜により覆っておく。
【0102】
なお、ゲート電極5bは、後の工程で形成される周辺MOSFETを構成する導電膜である。周辺MOSFETは高耐圧MOSFETよりも小さい電圧で作動する電界効果トランジスタであり、特に省電力化、高速化および微細化が求められる素子である。従って、ゲート電極5bは、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングにより可能な限り微細化されることが望ましく、本実施の形態では、ゲート電極5bのゲート長を最小加工寸法で形成する。
【0103】
フォトリソグラフィ技術を用いて加工されたパターンは微細化される(幅が小さくなる)につれて、パターンの幅のばらつきが顕著になる傾向がある。ゲート電極5bはフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングされているため、ゲート電極5bのゲート長を最小加工寸法よりも小さくした場合、ゲート電極5bのゲート長がばらつくことによって周辺MOSFETのしきい値電圧のばらつきの発生が顕著となる。
【0104】
つまり、本願では、フォトリソグラフィ技術を用いて加工されたパターンのばらつきと、ゲート電極のゲート長のばらつきに起因するしきい値電圧のばらつきが問題とならない範囲での、最小のゲート長をゲート電極の最小加工寸法とする。
【0105】
その後、半導体基板SB上のフォトレジスト膜をアッシングして除去する。
【0106】
次に、図13に示すように、半導体基板SBの主面にn型の不純物(例えばP(リン))をイオン注入することにより、MONOSメモリセル形成領域1Aの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14aを形成する。同様に、周辺MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14cを形成する。エクステンション領域14a、14bおよび14cはそれぞれMONOSメモリセル、周辺MOSFETおよび高耐圧MOSFETのソース・ドレイン領域を構成する半導体領域である。なお、MONOSメモリセルのエクステンション領域14aは、ドレイン側とソース側で、それぞれ個別に形成してもよい。
【0107】
次に、図14に示すように、例えばCVD法により半導体基板SBの主面上の全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより、前記絶縁膜の一部を除去し、半導体基板SBの一部の表面を露出させる。これにより、メモリゲート電極MGの側壁であってONO膜13と接していない側壁、選択ゲート電極CGの側壁であってONO膜13と接していない側壁、ゲート電極5bおよび5cのそれぞれの両側の側壁に前記絶縁膜からなるサイドウォール15を形成する。前記絶縁膜は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはそれらの積層膜からなる。
【0108】
続いて、サイドウォール15に覆われていない酸化シリコン膜OX、絶縁膜40bおよび厚膜絶縁膜40cをエッチングにより除去する。これにより、周辺MOSFET形成領域1Bではサイドウォール15およびゲート電極5bと半導体基板SBとの間に、絶縁膜40bからなるゲート絶縁膜4bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cではサイドウォール15およびゲート電極5cと半導体基板SBとの間に、厚膜絶縁膜40cからなるゲート絶縁膜4cを形成する。
【0109】
なお、選択ゲート電極CGの側壁であって、半導体基板SBの主面に対して垂直に延在する側壁に形成されたサイドウォール15の下部には、半導体基板SBとの間に酸化シリコン膜OXが形成されており、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cのサイドウォール15の下部には、ゲート絶縁膜4bおよび4cがそれぞれ形成されている。
【0110】
これに対し、図11を用いて説明したエッチング工程において、露出した酸化シリコン膜OXを除去してもよく、また、図12を用いて説明したエッチング工程において、露出した絶縁膜40bおよび厚膜絶縁膜40cをあらかじめ除去しても構わない。この場合、サイドウォール15の下部には酸化シリコン膜OXまたは絶縁膜40bおよび厚膜絶縁膜40cは形成されない。
【0111】
次に、図15に示すように、半導体基板SBの上面にn型の不純物(例えばP(リン))を相対的に高い濃度でイオン注入することにより、MONOSメモリセル形成領域1Aの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域である拡散層16aを形成する。同様に、周辺MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域である拡散層16bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域である拡散層16cを形成する。
【0112】
このとき、拡散層16a、16bおよび16cは露出している半導体基板SBの上面にのみ形成されるため、エクステンション領域14a、14bおよび14cはサイドウォール15の下部に残り、拡散層16a、16bおよび16cはそれぞれエクステンション領域14a、14bおよび14cに接して形成される。
【0113】
拡散層16a、16bおよび16cはそれぞれMONOSメモリセル、周辺MOSFETおよび高耐圧MOSFETのソース・ドレイン領域を構成する半導体領域であり、エクステンション領域14a、14bおよび14cよりも接合深さが深く形成されている。拡散層16a、16bおよび16cはエクステンション領域14a、14bおよび14cよりも高い不純物濃度を有しているため、エクステンション領域14a、14bおよび14cよりも高い導電率を有している。
【0114】
以上の工程により、MONOSメモリセル形成領域1Aには、選択ゲート電極CG、ゲート絶縁膜4a、ONO膜13、メモリゲート電極MGおよび拡散層16aを含むMONOSメモリセルMnが形成される。同様に、周辺MOSFET形成領域1Bには、ゲート電極5b、ゲート絶縁膜4bおよび拡散層16bを有する周辺MOSFETCnが形成され、高耐圧MOSFET形成領域1Cには、ゲート電極5c、ゲート絶縁膜4cおよび拡散層16cを有する高耐圧MOSFETInが形成される。
【0115】
図8に示したように、選択ゲート電極CGはダミーパターンDPの両側の側壁にそれぞれ形成されるため、その後の工程を経て形成されるMONOSメモリセルMnは図15に示すように二つのメモリセルが対になって配置される。この2つのMONOSメモリセルMnは、選択ゲート電極CGの側壁であってダミーパターンDP(図8参照)と接していた側壁同士が対向するように線対称に配置されている。また、それぞれのMONOSメモリセルMnは、その間に形成された拡散層16aを共有している。
【0116】
次に、図16に示すように、周知のサリサイドプロセスにより、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極5b、5c、拡散層16a、16bおよび16cのそれぞれの表面にシリサイド層17を形成する。シリサイド化の手順としては、まず半導体基板SBの主面上にスパッタリングで金属膜を堆積し、続いて半導体基板SBを熱処理した後、未反応の金属膜をウェットエッチングで除去することで、シリサイド層17を形成する。シリサイド層17の部材としては、ニッケルシリサイド、コバルトシリサイド、チタンシリサイド、またはプラチナシリサイドを例示することができる。
【0117】
なお、MONOSメモリセルMnが動作するためには選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとが絶縁されている必要があるため、ここでは選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上部に形成されるシリサイド層17同士が接触して一体とならないようにすることが重要である。これに対し、本実施の形態では、図10を用いて説明したメモリゲート電極MGを形成する工程において、メモリゲート電極MGの高さを選択ゲート電極CGの高さよりも低く形成している。これにより、シリサイド層17の形成工程において、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上部に形成されるシリサイド層17同士が接触することを防ぐことで、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGが電気的に接続することを防ぐことを可能としている。なお、この時、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間に存在するONO膜13の高さを、メモリゲート電極MGの高さよりも高くしておくことが、より好ましい。その場合、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGの間に、ONO膜13が確実に存在するため、シリサイド層17同士の短絡をさらに防ぐ事ができる。
【0118】
次に、図17に示すように、半導体基板SBの主面上の全面に、CVD法により窒化シリコン膜からなるストッパ絶縁膜STおよび酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜18を順次形成(堆積)する。
【0119】
次に、図18に示すように、層間絶縁膜18の上面から拡散層16a、16bおよび16cのそれぞれの上面に形成されたシリサイド層17に達するコンタクトホール19を形成する。
【0120】
続いて、コンタクトホール19内にチタンまたは窒化チタン等の薄いバリア導体膜を形成した後、コンタクトホール19内にタングステン膜を充填することにより、前記タングステン膜からなるコンタクトプラグ20を形成する。なお、図示していない他の領域では、同工程において、層間絶縁膜18の上面から選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上部に形成されたシリサイド層17に達するコンタクトホールおよびコンタクトプラグが形成される。
【0121】
次に、図19に示すように、周知の技術であるダマシンプロセスによって、層間絶縁膜18およびコンタクトプラグ20上にストッパ絶縁膜21、層間絶縁膜22および金属配線25を形成することで、本実施の形態の不揮発性記憶装置が完成する。
【0122】
すなわち、層間絶縁膜18およびコンタクトプラグ20上に、CVD法などによりストッパ絶縁膜21、層間絶縁膜22を順次形成した後、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチングを用いて層間絶縁膜22およびストッパ絶縁膜21を加工し層間絶縁膜18およびコンタクトプラグ20の上面を露出する配線溝23を形成する。
【0123】
その後、層間絶縁膜22の上面および配線溝23の内壁および底部に、タンタル、窒化タンタル等またはそれらの積層膜からなるバリア導体膜と、銅を主成分とする導体膜とをスパッタリングなどにより形成する。続いて、前記バリア導体膜および前記導体膜をCMP法により研磨して層間絶縁膜22の上面を露出させることにより、配線溝23の内部に、前記バリア導体膜および前記導体膜からなる金属配線25が形成される。
【0124】
本実施の形態では、上述したように、図8に示す選択ゲート電極CGをダミーパターンDPのサイドウォールとして形成しているため、フォトリソグラフィ技術を用いて選択ゲート電極をパターニングする工程が必要ない。したがって、フォトマスクを用いて導電膜上にフォトレジスト膜を形成し、前記フォトレジスト膜をマスクとしてエッチングによって選択ゲート電極を形成した際、選択ゲート電極のゲート長がばらつきやすいのに対し、本実施の形態では導電膜の成膜時における膜厚によって選択ゲート電極のゲート長が決まるため、ゲート長のばらつきが発生しにくい。
【0125】
これにより、選択ゲート電極のゲート長のばらつきに起因するしきい値電圧のばらつきの発生を防ぐことが可能であり、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって形成される矩形の選択ゲート電極の最小加工寸法よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極を形成することができる。したがって、図19に示す周辺MOSFETCnのゲート電極5bのゲート長は最小加工寸法であるため、選択ゲート電極CGのゲート長は、ゲート電極5bのゲート長よりも小さい。
【0126】
また、本実施の形態では、図10に示すメモリゲート電極MGの形成工程において、ダミーパターンDPの両側の側壁に形成されたサイドウォール状の選択ゲート電極CGのそれぞれには、一方の側壁にのみメモリゲート電極MGが形成されている。このため、本実施の形態の不揮発性記憶装置の製造工程では、選択ゲート電極CGの側壁に形成された不要なメモリゲート電極を除去する工程がない。
【0127】
よって、不要なメモリゲート電極を除去するために、フォトレジスト膜の端部を選択ゲート電極の直上に合わせて形成し、選択ゲート電極の側壁に残すメモリゲート電極を前記フォトレジスト膜で覆う工程がないので、フォトマスクの合わせずれを考慮する必要がない。
【0128】
すなわち、本実施の形態の不揮発性記憶装置は、フォトリソグラフィ技術を用いて選択ゲート電極をパターニングし、また、フォトマスクを用いて不要なメモリゲート電極を除去する工程を省くことにより、製造工程を簡略化することができる。また、本実施の形態の不揮発性記憶装置は、選択ゲート電極のゲート長を最小加工寸法よりも小さくできるので、前記ゲート長方向における不揮発性記憶装置のサイズを小さくすることができる。これにより、不揮発性記憶装置のさらなる微細化および高集積化が可能となる。また、これに伴い、不揮発性記憶装置の動作速度を向上することができる。
【0129】
なお、本実施の形態では、選択ゲート電極をダミーパターンのサイドウォールとして形成し、メモリゲート電極を選択ゲート電極のサイドウォールとして形成しているため、選択ゲート電極のゲート長の長さに対して選択ゲート電極の高さが低くなると、選択ゲート電極に接するONO膜およびONO膜を介して選択ゲート電極に隣接するメモリゲート電極は、選択ゲート電極の曲面に覆い被さるように形成される。
【0130】
すなわち、選択ゲート電極の高さがゲート長に対して小さい場合、ONO膜から露出する選択ゲート電極の表面と、ONO膜に接するメモリゲート電極の端部とが近接し、選択ゲート電極およびメモリゲート電極の表面にシリサイド層を形成した際に、それぞれのシリサイド層が接触してメモリゲート電極と選択ゲート電極とが短絡するおそれがある。
【0131】
一方、選択ゲート電極のゲート長の長さに対し、選択ゲート電極の高さが高い場合、ONO膜およびメモリゲート電極が選択ゲート電極の上部を覆わないように、ONO膜およびメモリゲート電極の高さを選択ゲート電極の高さに対して低く形成することが容易となる。メモリゲート電極の高さは選択ゲート電極の高さに対して低い方が、メモリゲート電極および選択ゲート電極の表面にシリサイド層を形成した際にそれぞれのシリサイド層同士が接触しにくくなるため、選択ゲート電極の長さが選択ゲート電極のゲート長の長さに対して長いアスペクト比を有することが望ましい。なお、この時、ONO膜の高さをメモリゲート電極MGの高さよりも高くしておくことが、より好ましい。その場合、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGの間に、ONO膜が確実に存在するため、シリサイド層同士の短絡をさらに防ぐ事ができる。
【0132】
図8に示す選択ゲート電極CGはダミーパターンDPのサイドウォールであるため、選択ゲート電極CGの高さを高くするには、ダミーパターンDPの高さを高くすればよい。
【0133】
なお、本実施の形態では、図1に示すMONOSメモリセルMn、周辺MOSFETCnおよび高耐圧MOSFETInをn型のチャネルを有する素子としたが、p型のチャネルを有する素子として形成しても構わない。
【0134】
また、本実施の形態ではゲート絶縁膜が酸化シリコン膜からなるMOSFETを例に説明したが、酸化膜を含まないゲート絶縁膜を有するMISFETを含む不揮発性記憶装置に本発明を適用しても構わない。
【0135】
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、選択ゲート電極をダミーパターンのサイドウォールとして形成し、メモリゲート電極を選択ゲート電極のサイドウォールとして形成した不揮発性記憶装置について説明した。本実施の形態では、前記実施の形態1とは逆に、メモリゲート電極をダミーパターンのサイドウォールとして形成し、選択ゲート電極をメモリゲート電極のサイドウォールとして形成した不揮発性記憶装置について説明する。
【0136】
以下に、本実施の形態の不揮発性記憶装置の製造方法を、図20〜図29を用いて説明する。図20〜図29は製造工程中の不揮発性記憶装置の断面図である。
【0137】
まず、前記実施の形態1において図4を用いて説明したように半導体基板SBを用意し、半導体基板SBの上面に素子分離層2、pウエル3a、3b、3cおよび酸化シリコン膜OXを形成する。
【0138】
次に、図20に示すように、半導体基板SBの主面上の全面に窒化シリコン膜をCVD法などにより形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いた異方性エッチングにより前記窒化シリコン膜をパターニングし、MONOSメモリセル形成領域1Aの半導体基板SB上に、酸化シリコン膜OXを介して前記窒化シリコン膜からなるダミーパターンDPを形成する。このとき、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cの前記窒化シリコン膜は、前記異方性エッチング工程により除去する。
【0139】
次に、図21に示すように、半導体基板SBの上面に露出している酸化シリコン膜OXを異方性エッチング、または等方性エッチングにより除去する。ただし、ダミーパターンDPの直下の酸化シリコン膜OXはダミーパターンDPに覆われているため、除去されない。
【0140】
続いて、半導体基板SBの主面上の全面にONO膜13を例えばCVD法により形成する。ONO膜13は前記実施の形態1と同様に、半導体基板SB側から順にボトム酸化膜、電荷蓄積膜およびトップ酸化膜の3層からなる積層膜であるが、図21〜図29ではONO膜13を一層の膜として示している。ここで、ONO膜13はダミーパターンDPの側壁および上面にも形成される。ダミーパターンDPの側壁は半導体基板SBの主面に対して垂直な方向に延在しているため、ダミーパターンDPの側壁に形成されたONO膜は半導体基板SBの主面に対して垂直な方向に延在している。
【0141】
次に、図22に示すように、半導体基板SBの主面上の全面にポリシリコン膜を堆積した後、ドライエッチングなどの異方性エッチングを用いて前記ポリシリコン膜を一部除去し、半導体基板SB上のONO膜13の上面を露出させる。これにより、MONOSメモリセル形成領域1AのダミーパターンDPの側壁には、ONO膜13を介して前記ポリシリコン膜からなるサイドウォール状のメモリゲート電極MGが形成される。メモリゲート電極MGは、前記実施の形態1の選択ゲート電極と同様にダミーパターンDPのサイドウォールとして形成されるため、ONO膜13を介してダミーパターンDPと接する側壁は半導体基板SBの主面に対して垂直な方向に延在するが、その反対側の側壁は曲面を有する。
【0142】
続いて、半導体基板SBの主面に向かって不純物をイオン注入し、メモリゲート電極MG内に、例えばn型の不純物(例えばP(リン))を導入する。
【0143】
次に、図23に示すように、異方性エッチング、または等方性エッチングにより、半導体基板SBの主面に露出しているONO膜13を除去する。すなわち、ダミーパターンDPとメモリゲート電極MGとの間および半導体基板SBとメモリゲート電極MGとの間以外の領域のONO膜13が除去される。
【0144】
続いて、半導体基板SBの主面上に、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜を形成した後、異方性エッチングにより前記絶縁膜を一部除去して半導体基板SBの主面を露出させることで、メモリゲート電極MGの側壁であってONO膜13に接する側壁の反対側の曲面を有する側壁に、前記絶縁膜からなるサイドウォール状のゲート側壁絶縁膜26を形成する。なお、前記絶縁膜は、例えばCVD法を用いて形成する。
【0145】
次に、図24に示すように、前記実施の形態1と同様に、周知の2種ゲート酸化プロセスにより高耐圧MOSFET形成領域1Cに厚膜絶縁膜40cを形成し、周辺MOSFET形成領域1Bに絶縁膜40bを形成し、MONOSメモリセル形成領域1Aに絶縁膜40aを形成する。
【0146】
すなわち、まず半導体基板SBの主面上の全面に厚い酸化シリコン膜を熱酸化法またはCVD法により形成する。このとき、メモリゲート電極MGの曲面の側壁のゲート側壁絶縁膜26上にも前記厚い酸化シリコン膜が形成される。
【0147】
その後、高耐圧MOSFET形成領域1Cをフォトレジスト膜で覆う。続いて、前記フォトレジスト膜をマスクとしてMONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bの酸化シリコン膜をドライエッチングまたはウェットエッチングにより選択的に除去し、高耐圧MOSFET形成領域1Cに厚い酸化シリコン膜からなる厚膜絶縁膜40cを残した後、前記フォトレジスト膜をアッシングにより除去する。このとき、メモリゲート電極MGの曲面の側壁上の前記厚いシリコン膜は除去され、メモリゲート電極MGの曲面の側壁にはゲート側壁絶縁膜26が残る。
【0148】
その後、半導体基板SBを熱酸化してMONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bに絶縁膜40aおよび絶縁膜40bをそれぞれ形成する。このとき、高耐圧MOSFET形成領域1Cの厚膜絶縁膜40cの下部のpウエル3cの上面も若干酸化される。また、ゲート側壁絶縁膜26とメモリゲート電極MGとの界面のメモリゲート電極MGも若干酸化されるため、ゲート側壁絶縁膜26の膜厚は、図23に示したゲート側壁絶縁膜26の形成時の膜厚よりも厚くなる。また、図24に示すように、絶縁膜40a、40bの形成後のゲート側壁絶縁膜26の膜厚は、MONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面に形成された絶縁膜40a、40bよりも厚い。なお、絶縁膜40aおよび絶縁膜40bは熱酸化により形成されるため、窒化シリコン膜からなるダミーパターンDP上には絶縁膜は形成されない。
【0149】
これにより、高耐圧MOSFET形成領域1Cに相対的に膜厚の厚い厚膜絶縁膜40cが形成され、MONOSメモリセル形成領域1Aおよび周辺MOSFET形成領域1Bに、相対的に膜厚の薄い絶縁膜40aおよび絶縁膜40bがそれぞれ形成される。なお、絶縁膜40aおよび絶縁膜40bの製法は、熱酸化法に限られず、ISSG酸化処理またはCVD法によって形成してもよい。
【0150】
なお、この時、ゲート側壁絶縁膜26の高さをメモリゲート電極MGの高さよりも高くしておくことが、より好ましい。その場合、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGの間に、ゲート側壁絶縁膜26が確実に存在するため、シリサイド層同士の短絡をさらに防ぐ事ができる。
【0151】
次に、図25に示すように、半導体基板SBの主面上の全面に、例えばポリシリコン膜をCVD法などにより形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いた異方性エッチングにより周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cの前記ポリシリコン膜をパターニングする。これにより、周辺MOSFET形成領域1Bの半導体基板SB上には、絶縁膜40bを介してゲート電極5bが形成され、高耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SB上には、厚膜絶縁膜40cを介してゲート電極5bが形成される。ここで、ゲート電極5bのゲート長は最小加工寸法であるものとする。
【0152】
このエッチング工程では、MONOSメモリセル形成領域1Aはフォトレジスト膜により覆わないため、ゲート側壁絶縁膜26の側壁であってメモリゲート電極MGと接していない側壁には、前記ポリシリコン膜からなるサイドウォール状の選択ゲート電極CGが形成される。選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間にはゲート側壁絶縁膜26が形成されており、選択ゲート電極CGと半導体基板SBとの間には絶縁膜40aが形成されている。選択ゲート電極CGはサイドウォールとして形成されるため、前記ポリシリコン膜の成膜時の膜厚により、精度よく選択ゲート電極CGのゲート長を制御することが可能である。
【0153】
また、ゲート側壁絶縁膜26を介して隣接する選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGが、ゲート側壁絶縁膜26の上部で電気的に接続されることを防ぐため、選択ゲート電極CGを形成するエッチング時間を調整するなどして、選択ゲート電極CGの高さを、隣接するメモリゲート電極MGよりも低く形成する。
【0154】
次に、図26に示すように、窒化シリコン膜からなるダミーパターンDPを、異方性エッチングにより選択的に除去する。その後、半導体基板SBの主面にn型の不純物(例えばP(リン))をイオン注入することにより、MONOSメモリセル形成領域1Aの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14aを形成する。同様に、周辺MOSFET形成領域1Bの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cの半導体基板SBの主面にn型の半導体領域であるエクステンション領域14cを形成する。
【0155】
次に、図27に示すように、例えばCVD法により半導体基板SBの主面上の全面に絶縁膜を堆積した後、異方性エッチングにより、前記絶縁膜の一部を除去し、半導体基板SBの一部の表面を露出させる。これにより、メモリゲート電極MGの一方の側壁にONO膜13を介して前記絶縁膜からなるサイドウォール15を形成する。同様に、選択ゲート電極CGの側壁であって、ゲート側壁絶縁膜26と接してない側壁と、ゲート電極5bおよび5cのそれぞれの両側の側壁とに前記絶縁膜からなるサイドウォール15を形成する。前記絶縁膜は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはそれらの積層膜からなる。
【0156】
続いて、サイドウォール15に覆われていない酸化シリコン膜OX、絶縁膜40bおよび厚膜絶縁膜40cと、選択ゲート電極CGに覆われていないゲート側壁絶縁膜26とをエッチングにより除去する。これにより、周辺MOSFET形成領域1Bではサイドウォール15およびゲート電極5bと半導体基板SBとの間に、絶縁膜40bからなるゲート絶縁膜4bを形成し、高耐圧MOSFET形成領域1Cではサイドウォール15およびゲート電極5cと半導体基板SBとの間に、厚膜絶縁膜40cからなるゲート絶縁膜4cを形成する。また、メモリゲート電極MG上の、選択ゲート電極CGに覆われていないゲート側壁絶縁膜26が除去されることにより、メモリゲート電極MGの上面が露出する。
【0157】
なお、メモリゲート電極MGの側壁であって、半導体基板SBの主面に対して垂直に延在する側壁にONO膜13を介して形成されたサイドウォール15の下部と、選択ゲート電極CGの側壁であって、ゲート側壁絶縁膜26と接してない側壁に形成されたサイドウォール15の下部とには、半導体基板SBとの間に酸化シリコン膜OXが形成されている。
【0158】
この後の工程は、前記実施の形態1において図15〜図19を用いて説明した工程と同様に行う。
【0159】
すなわち、図28に示すように、前記実施の形態1において図15を用いて説明した工程と同様にして、MONOSメモリセル形成領域1A、周辺MOSFET形成領域1Bおよび高耐圧MOSFET形成領域1Cの露出している半導体基板SBの主面に、拡散層16a、16bおよび16cをそれぞれ形成する。これにより、MONOSメモリセル形成領域1Aには、選択ゲート電極CG、ゲート絶縁膜4a、ONO膜13、メモリゲート電極MGおよび拡散層16aを含むMONOSメモリセルMnが形成される。
【0160】
同様に、周辺MOSFET形成領域1Bには、ゲート電極5b、ゲート絶縁膜4bおよび拡散層16bを有する周辺MOSFETCnが形成され、高耐圧MOSFET形成領域1Cには、ゲート電極5c、ゲート絶縁膜4cおよび拡散層16cを有する高耐圧MOSFETInが形成される。
【0161】
続いて、図16を用いて説明した工程と同様にして、周知のサリサイドプロセスにより、選択ゲート電極CG、メモリゲート電極MG、ゲート電極5b、5c、拡散層16a、16bおよび16cのそれぞれの表面にシリサイド層17を形成する。このとき、前記実施の形態1と同様に、ゲート側壁絶縁膜26を介して隣り合う選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの上部のシリサイド層17は接触せず、電気的に絶縁されている必要がある。本実施の形態では、選択ゲート電極CGの高さをメモリゲート電極MGの高さよりも低くすることで、それぞれのゲート電極上のシリサイド層17同士が電気的に接続されることを防ぐことができる。
【0162】
次に、図29に示すように、半導体基板SBの主面上にストッパ絶縁膜STおよび層間絶縁膜18を順次形成した後、ストッパ絶縁膜STおよび層間絶縁膜18を貫通し、シリサイド層17の上面を露出するコンタクトホール19を形成した後、コンタクトホール19内にコンタクトプラグ20を形成する。なお、図示していない他の領域では、層間絶縁膜18の上面から選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGのそれぞれの上部に形成されたシリサイド層17に達するコンタクトホールおよびコンタクトプラグが形成される。
【0163】
その後、周知のダマシンプロセスにより、コンタクトプラグ20上および層間絶縁膜18上にストッパ絶縁膜21および層間絶縁膜22を順次形成した後、ストッパ絶縁膜21および層間絶縁膜22を貫く配線溝23を形成し、続いて配線溝23内に金属配線25を形成することにより、本実施の形態の不揮発性記憶装置が完成する。なお、金属配線25は、ダマシン構造に限られず、アルミニウムを主体とした導体膜をパターニングして形成される配線構造としてもよい。
【0164】
本実施の形態では、前記実施の形態1とは異なり、メモリゲート電極MGをダミーパターンのサイドウォールとして形成し、選択ゲート電極CGをメモリゲート電極MGのサイドウォールとして形成している。選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGをサイドウォールの形状で形成する点は前記実施の形態1と同様であるため、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0165】
すなわち、選択ゲート電極CGをパターニングする目的でフォトリソグラフィ技術を用いる必要がなく、また、不要なメモリゲート電極または選択ゲート電極をフォトレジスト膜を用いて除去する工程が必要がないため、フォトマスクの合わせずれに起因してポリシリコン膜が残留したり、選択ゲート電極CGを構成するポリシリコン膜が除去されることがない。したがって、フォトマスクの合わせずれを考慮する必要がないので、選択ゲート電極CGのゲート長を小さくしても、不揮発性記憶装置の信頼性を損なうことなく、選択ゲート電極CGのゲート長方向における不揮発性記憶装置のサイズを小さくすることができる。
【0166】
また、選択ゲート電極CGのゲート長は、選択ゲート電極CGを構成するポリシリコン膜を成膜した際の膜厚で制御することができるため、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって形成される矩形の選択ゲート電極のように、素子の微細化に伴ってゲート長にばらつきが発生することを防ぐことができる。すなわち、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングによって選択ゲート電極を形成する場合の最小加工寸法よりも小さいゲート長を有する選択ゲート電極を形成することができる。
【0167】
すなわち、図29に示す周辺MOSFETCnのゲート電極5bのゲート長は最小加工寸法であり、本実施の形態では、選択ゲート電極CGのゲート長をゲート電極5bのゲート長よりも小さく形成することができる。
【0168】
また、フォトレジスト膜を用いた選択ゲート電極のパターニング工程およびメモリゲート電極の除去工程を必要としないため、不揮発性記憶装置の製造工程を簡略化することができる。
【0169】
なお、前記実施の形態1で説明したMONOSメモリセルでは、選択ゲート電極とメモリゲート電極とがONO膜を介して隣接しており、絶縁性の高いONO膜によって選択ゲート電極およびメモリゲート電極の間の耐圧を確保していた。一方、本実施の形態では、図29に示すように、選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとは、酸化シリコン膜からなるゲート側壁絶縁膜26を介して隣接している。この効果としては、例えば、周辺MOSFETCnのゲート絶縁膜4bのような膜厚の酸化シリコン膜が選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MGの間に形成された場合、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG間の耐圧が保てず、選択ゲート電極CGおよびメモリゲート電極MG間にリーク電流が発生するおそれがある。そこで、本実施の形態では、図24を用いて説明した絶縁膜40a、40bの形成工程においてメモリゲート電極MGの表面に形成される酸化シリコン膜のみでゲート側壁絶縁膜26を構成するのではなく、絶縁膜40a、40bの形成工程の前に、図23に示した工程においてあらかじめゲート側壁絶縁膜26を形成している。これにより、絶縁膜40a、40bの形成工程において、ゲート側壁絶縁膜26の膜厚を絶縁膜40a、40bの膜厚よりも厚くすることで、図29に示す選択ゲート電極CGとメモリゲート電極MGとの間の耐圧を確保し、不揮発性記憶装置の信頼性が低下することを防いでいる。
【0170】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本発明は、選択ゲート電極の側壁にメモリゲート電極を有する不揮発性記憶装置に幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0172】
1A MONOSメモリセル形成領域
1b ボトム酸化膜
1B 周辺MOSFET形成領域
1C 高耐圧MOSFET形成領域
1n 電荷蓄積膜
1t トップ酸化膜
2 素子分離層
2a 溝
3a〜3c pウエル
4a〜4c ゲート絶縁膜
5b、5c ゲート電極
5p ポリシリコン膜
13、13a ONO膜
14a〜14c エクステンション領域
15 サイドウォール
16a〜16c 拡散層
16d ドレイン領域
16s ソース領域
17 シリサイド層
18、22 層間絶縁膜
19 コンタクトホール
20 コンタクトプラグ
21 ストッパ絶縁膜
23 配線溝
25 金属配線
26 ゲート側壁絶縁膜
40a、40b 絶縁膜
40c 厚膜絶縁膜
CG、CGa 選択ゲート電極
Cn 周辺MOSFET
DP ダミーパターン
In 高耐圧MOSFET
MG、MGa メモリゲート電極
Mn、Mna MONOSメモリセル
OX 酸化シリコン膜
SB 半導体基板
ST ストッパ絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主面の第1領域に形成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置であって、
前記メモリセルは、
前記半導体基板の主面上に第1ゲート絶縁膜を介して形成されたサイドウォール形状の第1ゲート電極と、
前記半導体基板の主面上に、少なくとも電位障壁膜と前記電位障壁膜上に積層された電荷保持膜とを含む第2ゲート絶縁膜を介して形成され、絶縁膜を介して前記第1ゲート電極と隣接するサイドウォール形状の第2ゲート電極と、
前記半導体基板に形成された第1ソース領域および第1ドレイン領域と、
を有することを特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項2】
前記第1ゲート電極は前記メモリセルの選択ゲート電極であり、
前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の曲面形状を有する側壁にサイドウォール状に形成された前記メモリセルのメモリゲート電極であり、
前記絶縁膜は、少なくとも電位障壁膜と前記電位障壁膜上に積層された電荷保持膜とを含んでいることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項3】
前記第1ゲート電極は前記メモリセルのメモリゲート電極であり、
前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の曲面形状を有する側壁にサイドウォール状に形成された前記メモリセルの選択ゲート電極であり、
前記絶縁膜は酸化シリコン膜からなることを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項4】
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極のそれぞれの上部にはシリサイド層が形成されており、
前記半導体基板の主面に対して垂直な方向において、前記第2ゲート電極の高さは前記第1ゲート電極の高さよりも低いことを特徴とする請求項2記載の不揮発性記憶装置。
【請求項5】
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極のそれぞれの上部にはシリサイド層が形成されており、
前記半導体基板の主面に対して垂直な方向において、前記第2ゲート電極の高さは前記第1ゲート電極の高さよりも低いことを特徴とする請求項3記載の不揮発性記憶装置。
【請求項6】
前記半導体基板の主面の第2領域には第1MISFETが形成されており、
前記第1MISFETは、
前記半導体基板の主面上に第3ゲート絶縁膜を介して形成された第3ゲート電極と、
前記半導体基板に形成された第2ソース領域および第2ドレイン領域と、
を有することを特徴とする請求項1記載の不揮発性記憶装置。
【請求項7】
前記半導体基板の主面の第3領域には第2MISFETが形成されており、
前記第2MISFETは、
前記半導体基板の主面上に、前記第3ゲート絶縁膜よりも膜厚が厚い第4ゲート絶縁膜を介して形成された第4ゲート電極と、
前記半導体基板に形成された第3ソース領域および第3ドレイン領域と、
を有することを特徴とする請求項6記載の不揮発性記憶装置。
【請求項8】
前記第1ゲート電極のゲート長は前記第3ゲート電極のゲート長よりも小さいことを特徴とする請求項6記載の不揮発性記憶装置。
【請求項9】
前記第3ゲート電極のゲート長は最小加工寸法であることを特徴とする請求項8記載の不揮発性記憶装置。
【請求項10】
半導体基板の主面の第1領域に形成されたメモリセルを有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面上に、ダミー層を形成する工程と、
(b)前記ダミー層をパターニングする工程と、
(c)前記半導体基板の主面に第1絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記(c)工程の後、前記半導体基板の主面上に前記第1絶縁膜を介して第1導電膜を形成した後、前記第1導電膜の一部を除去して、前記ダミー層の側壁に前記第1導電膜からなるサイドウォール形状の選択ゲート電極を形成する工程と、
(e)前記半導体基板の主面上に、電位障壁膜および電荷保持膜を順次形成する工程と、
(f)前記(e)工程の後、前記半導体基板の主面上に第2導電膜を形成した後、前記第2導電膜の一部を除去して、前記選択ゲート電極の側壁に前記電位障壁膜および前記電荷保持膜を介して前記第2導電膜からなるサイドウォール形状のメモリゲート電極を形成する工程と、
(g)前記(f)工程の後、前記半導体基板の主面上に露出している前記電位障壁膜および前記電荷保持膜を除去し、続いて前記ダミー層を除去する工程と、
(h)前記(g)工程の後、前記半導体基板の主面上に第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記選択ゲート電極、前記メモリゲート電極、前記第1絶縁膜、前記電位障壁膜、前記電荷保持膜、前記第1ソース領域および前記第1ドレイン領域を含む前記メモリセルを形成する工程と、
を有することを特徴とする不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項11】
前記(f)工程では、半導体基板の主面に対して垂直な方向の前記メモリゲート電極の高さを、同方向の前記選択ゲート電極の高さよりも低く形成し、
前記(h)工程の後、前記選択ゲート電極および前記メモリゲート電極のそれぞれの上部にシリサイド層を形成することを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項12】
前記半導体基板の第2領域に第1MISFETを有し、前記半導体基板の第3領域に第2MISFETを有する不揮発性記憶装置の製造方法であって、
(i)前記(d)工程の前に、前記第2領域の前記半導体基板の主面上に第2絶縁膜を形成し、前記第3領域の前記半導体基板の主面上に、前記第2絶縁膜よりも膜厚が厚い第3絶縁膜を形成する工程と、
(j)前記(g)工程の後、前記第1導電膜をパターニングして前記第2領域および前記第3領域に前記第1導電膜からなる第1ゲート電極および前記第1導電膜からなる第2ゲート電極をそれぞれ形成する工程と、
(k)前記(j)工程の後、前記第2領域に第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成することで、前記第2領域に前記第1ゲート電極、前記第2絶縁膜、前記第2ソース領域および第2ドレイン領域からなる前記第1MISFETを形成する工程と、
(l)前記(j)工程の後、前記第3領域に第3ソース領域および第3ドレイン領域を形成することで、前記第3領域に前記第2ゲート電極、前記第3絶縁膜、前記第3ソース領域および前記第3ドレイン領域からなる前記第2MISFETを形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項10記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項13】
前記選択ゲート電極のゲート長は前記第1ゲート電極のゲート長よりも小さいことを特徴とする請求項12記載の不揮発性記憶装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1ゲート電極のゲート長は最小加工寸法であることを特徴とする請求項12記載の不揮発性記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−23269(P2012−23269A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161407(P2010−161407)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】