説明

化学気相成長法を用いて基板をコーティングするデバイス及び方法

本発明は、化学気相成長法を用いて基板(14)をコーティングするデバイス、特にダイヤモンド又はシリコンで基板をコーティングするデバイスであって、複数の細長い熱伝導体(2)からなる熱伝導体アレイがハウジング(9)内に提供され、前記熱伝導体(2)が第1の電極(1)と第2の電極(6)との間に延在し、熱伝導体がその一端に取り付けられたウェイト(4)によって個別にぴんと張った状態に保持されるデバイスに関する。熱伝導体(2)の寿命を延ばすために、本発明は、ウェイト(4)によって生成されるウェイトフォース(G)のベクトルが熱伝導体(2)の長手延長方向と45°以下の角度(α)を形成するように、ウェイト(4)又は熱伝導体(2)が第2の電極(6)に案内されて電気的ループ接触が形成されることを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学気相成長法(以下、「CVD」という)を用い、基板をコーティングするデバイス、特にダイヤモンド又はシリコンで基板をコーティングするデバイス及び該デバイスを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなデバイスは、特開平01−072992号公報から知られている。それにより、熱伝導体はコーティングする基板の上方に水平状に位置する。好適な緊張力を生成するために、熱伝導体は再誘導ユニット上を案内され、その一端にウェイトを備える。従来技術のデバイスは、1〜2回のコーティング工程ですでに破壊され、もはや使用できないという欠点を有する。実際には、コーティング工程のたびに熱伝導体を交換する必要がある。これには多大な時間と費用がかかる。
【0003】
上記の欠点を解消するために直径が約2mmの比較的厚い熱伝導体を使用することが考えられるが、そのような比較的厚い熱伝導体の使用にも欠点がある。薄い熱伝導体と違って、厚い熱伝導体は基板に悪影響を与える比較的大量の熱放射を発生する。これとは別に、より厚い配線を加熱するにははるかに大量の電力が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平01−072992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消することである。特に、熱伝導体を交換する必要なしに基板のマルチコーティングを可能にするデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の別の目標によれば、使用する電力量はできるだけ低くしなければならない。本発明の別の目的は、CVDを用いて基板をコーティングする可能な限り効率的な方法を提供することである。
【0007】
本発明の提供によれば、ウェイトによって生成されるウェイトフォースのベクトルが熱伝導体の長手延長方向と45°以下の角度を形成するように、ウェイト又は熱伝導体が第2の電極に案内されて電気的摺動接触が形成される。薄い熱伝導体を使用した場合であっても、これは驚くほど大幅にその寿命を延ばす。熱伝導体と第2の電極との間に電気的摺動接触が提供されているので、熱伝導体の全長の熱誘導変化は加熱及び冷却中に補償できる。本発明では、ウェイトによって生成されるウェイトフォースは、本質的に熱伝導体の長手延長方向に作用する。言い換えれば、ウェイトによって発生する緊張力は、鋭い屈曲によって熱伝導体に作用することがない。また、特に、ほぼ熱伝導体の長手延長方向に沿ったウェイトフォースのアライメントは、その寿命の改善に大幅に寄与する。本発明によって提供されるデバイスによって、熱伝導体は確実にぴんと張って正確に保たれ、特に正確に互いに平行に保たれる。動作周期を複数回実行した後でも、熱伝導体は垂れ下がることがない。熱伝導体とコーティングする基板との距離は、複数のコーティング工程にわたって再現可能に一定に保たれている。
【0008】
有利な実施形態によれば、熱伝導体又はウェイトを第2の電極に押し付ける接触力はウェイトによって発生する。これは、第2の電極に対する熱伝導体の長手延長方向を鉛直方向に対してわずかに調整するという特に簡単な方法で達成できる。この場合、2つの電極間にクランプさられた熱伝導体上に作用する緊張力のベクトルは、ウェイトフォースのベクトルに対して斜めである。ここで緊張力は、ウェイトフォースと接触力との合力を表す。
【0009】
有利な実施形態によれば、ウェイト又は熱伝導体は第2の電極上に提供された凹部の内壁に摺動変位可能に接触する。凹部は、例えば、熱伝導体がその中で案内されるスリット様の凹部であってもよい。有利には、凹部は本質的に丸い断面を有する。それは、第2の電極上のブレークスルーとして設計できる。この例では、熱伝導体は、このブレークスルーを通して案内できる。
【0010】
別の実施形態によれば、ウェイトを円柱状に形成してもよい。この場合、ウェイトの外径は凹部の内径よりも小さい。その結果、例えばウェイトを凹部内で案内できる。
【0011】
本発明の主題によれば、第2の電極の領域内での熱伝導体の屈曲を可能な限りわずかに抑えることが有利であると考えられる。ウェイトフォースのベクトルは、熱伝導体の長手延長方向に対して有利には5°〜35°の角度、好ましくは10°〜20°の角度を形成する。
【0012】
別の有利な実施形態によれば、2つの隣接する熱伝導体が、第1の電極の領域内で屈曲し、第2の電極の領域内で両端にウェイトを備えた単一のワイヤから形成される。例えば、ワイヤを第1の電極上の2つの別の隣接するブレークスルーを通して案内できる。次に、ワイヤの両端を例えば第2の電極上に提供されたブレークスルーを通して案内し、第2の電極上に延在する両端にウェイトを付けることができる。上記のブレークスルーの代わりにスリットタイプの凹部を提供してもよいことは言うまでもない。
【0013】
別の実施形態によれば、熱伝導体は、耐熱金属製、好ましくはW、Ta、Mo、Rh又はそれらの合金製である。例示の材料は、一方では、特に薄いワイヤを製造するのに適しており、他方では、高い熱応力にさらすことができる。
【0014】
熱伝導体は、有利には、直径が5μm〜500μmの範囲、好ましくは100μm〜300μmの範囲のワイヤである。特に、直径が小さい熱伝導体を使用する場合、基板をコーティングするのに必要な電力を大幅に低減することができる。同時に、原子状水素の生成を助ける熱伝導体の高温状態を達成できる。
【0015】
熱伝導体は、必ずしもワイヤの形態で設計しなければならないということはない。熱伝導体は、帯、棒又はシートの形態で設計してもよい。熱伝導体の直径又は断面積は、長手延長方向にわたって同じである必要はない。
【0016】
別の実施形態によれば、第1の電極上に熱伝導体の他端を装着するホルダユニットが提供される。これは有利にはクランプによって熱伝導体を装着するユニットであってもよい。ホルダユニットは特に、熱伝導体の装着が本質的に熱伝導体を曲げることなく可能であるように設計できる。
【0017】
本発明によって提供されるデバイスでは、第1の電極は有利には第2の電極の上に位置する。熱伝導体は第1及び第2の電極の間に本質的に鉛直方向に延在する。熱伝導体は鉛直方向に対してわずかに斜めになっていてもよい。鉛直方向に対する傾斜角は普通20°未満である。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、第1及び/又は第2の電極は分散強化銅材料から構成される。また、提案された分散強化銅材料は、高温時にも極めて安定した形状を維持する。これとは別に、被加工物、特にプロファイル又は中空のプロファイルをそのような材料から簡単にかつ安価に押し出すことができる。
【0019】
第1及び/又は第2の電極を冷却する冷却ユニットが有利には提供される。このために、第1及び/又は第2の電極は、例えば、冷却流体が流れる中空のプロファイルの形状であってもよい。冷却流体は有利には水である。
【0020】
別の実施形態によれば、熱伝導体アレイがモジュールとして設計される。言い換えれば、第1及び第2の電極が例えば側面に装着された支持体によって永久的に相互に接続され、構造的ユニットを形成する。このような構造的ユニットは、有利には、CVDコーティングデバイスの従来のハウジング内に位置するように設計される。
【0021】
本発明の別の形態によれば、CVDを用いて基板をコーティングする方法、特にダイヤモンド又はシリコンでコーティングする方法であって、本発明によって提供されるデバイスを用いて、ハウジングを真空引きするステップと、ハウジング内に水素とガス状のカーボン担体とを含有する反応性ガス雰囲気を生成するステップと、熱伝導体を1〜100時間の保持時間にわたって周囲温度から1500℃〜2800℃の範囲の温度まで加熱するステップと、ハウジングを真空引きするステップと、熱伝導体を周囲温度まで冷却するステップと、が実行される方法が提供される。
【0022】
ハウジングの真空引き中に、約0.1〜400ミリバールの範囲の圧力が内部に設定される。反応性ガス雰囲気を生成する時の圧力は、1〜400ミリバール、好ましくは3〜20ミリバールである。反応性ガス雰囲気は、有利には90〜99.5重量パーセントの水素を含有する。ダイヤモンドの層を製造するために、カーボン担体として例えば濃度が0.5〜10重量パーセントのメタンを使用できる。シリコン層を製造するために、反応性ガス雰囲気は、ガス状のカーボン担体の代わりにガス状のシリコン担体を含有してもよい。また任意選択として、反応性ガス雰囲気は窒素、酸素、リン、又はホウ素を含むガスを含有してもよい。
【0023】
熱伝導体は、有利には1800℃〜2500℃の範囲の温度、好ましくは1900℃〜2300℃の範囲の温度まで加熱される。特に指定された高温では、気相から熱伝導体への黒鉛析出が回避される。これによって、特に気相内のカーボン担体の濃度が高くても熱伝導体上の原子状水素の生成が確実に維持される。熱伝導体の周囲温度までの冷却は、有利には真空内で、言い換えれば反応性ガス雰囲気外で実行される。熱伝導体の周囲温度までの冷却後に、ハウジングは空気に当てられる。次に、コーティングされた基板が取り外される。
【0024】
上記方法の別の実施形態の特徴のために、上記方法にその特徴が適用可能なデバイスの特徴について説明する。
【0025】
本発明によって提供される方法を用いて、熱伝導体を交換する必要なしに、最大50のコーティング工程を順次実行することができる。有利には、熱伝導体はそれによって常にぴんと張った状態を保つ。
【0026】
図面に基づいて幾つかの例を用いて本発明を詳述する。図は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1のデバイスの概略図である。
【図2】図1のウェイトの上面図である。
【図3】第2のデバイスの概略図である。
【図4】図3の別のウェイトの上面図である。
【図5】図3の詳細図である。
【図6】第3のデバイスの詳細概略図である。
【図7】第4のデバイスの概略図である。
【図8】第4のデバイスの詳細概略図である。
【図9】第5のデバイスの概略図である。
【図10】CVDコーティングデバイスの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、第1のデバイスの概略図を示す。第1の電極1上には、1列に連続して、好ましくは互いに等間隔に、複数の熱伝導体2が装着されている。熱伝導体2は、第1の電極1上に提供されたホルダユニット3内にクランプすることで保持できる。熱伝導体2は、その両端に提供されたウェイト4によって個別にぴんと張った状態に保持されている。円柱状に設計されたウェイト4は、第2の電極6上に提供されたそれに対応する凹部5内で摺動変位可能に案内される。ここで、第2の電極6は、第1の電極1を通過する鉛直平面に第1の電極1の下に位置する。凹部5は、ウェイト4の軸方向に対して直線状の接触線又は接触面を有する。第1の電極1上のホルダユニット3及び第2の電極6上の凹部5は、熱伝導体2が本質的に平行に配置されてぴんと張った状態に保持されるように設計されている。
【0029】
図2は、図1のウェイト4の上面図を示す。図2から分かるように、熱伝導体2は、ウェイト4の重心外に装着される。これによって、ウェイト4を凹部5の内面に押し付ける傾斜モーメントが発生する。その結果、傾斜モーメントは、第2の電極6とウェイト4又はその上に装着された熱伝導体2との間に電気摺動接触が発生するように計算される。熱伝導体2の全長の熱誘導変化によって、それぞれのウェイト4は、それぞれの凹部5の内面に沿って直線状に摺動する。
【0030】
図3及び図4は、第2のデバイスの概略図を示す。第1の電極1及び第2の電極6は、同じ鉛直平面内に位置する。しかし、第2の電極6上に提供された凹部5は、第1の電極1上のホルダユニット3に対してわずかに水平方向に千鳥配列されている。この例では、熱伝導体2は、図4に示すように、円柱状のウェイト4の中心に装着できる。第1の電極1及び第2の電極6の千鳥配列のために、今度はウェイト4上に傾斜モーメントが作用し、ウェイト4を凹部5の内壁に押し付ける接触力Kが発生する。また、熱伝導体2の全長の熱誘導変化による凹部5内のウェイト4の垂直運動が常時可能であり、熱伝導体2が常にぴんと張った状態に保たれるように接触力Kが選択される。ここでもまた、熱伝導体2の全長にわたる熱誘導変化があった場合に、直線状の接触線又は接触面に沿ってウェイト4が凹部5の内壁上を移動する。このようなウェイト4と第2の電極6との間の接触面の直線的な形成は、特に低い摩擦損失に寄与する。したがって、熱伝導体2は、常にぴんと張った状態に保たれる。
【0031】
図5は、図3の詳細図を示す。熱伝導体2上に作用する緊張力Sのベクトルが熱伝導体2の長手延長方向に平行に走っていることが分かる。これとは対照的に、ウェイト4によって生成されるウェイトフォースGのベクトルは常に鉛直方向に走っている。熱伝導体2の長手延長方向とウェイトフォースGのベクトルとがなす角度はαと呼ばれる。本発明においては、「長手延長」という用語は、熱伝導体2が第1の電極1から第2の電極6へ軌跡を描く方向を意味する。
【0032】
Kは、ウェイト4が凹部5の内壁に押し付けられるウェイトフォースGのベクトルに垂直に走る接触力のベクトルである。接触力Kは、角度αとウェイトフォースGとによって変化する。角度αは、有利には10°〜20°の範囲から選択される。この実施形態では、摺動接触するウェイト4の運動は直線状に、ウェイトフォースGのベクトルに平行に発生する。
【0033】
図6は、第3のデバイスの詳細図を示す。ここでも円筒形に形成された凹部5の軸は、熱伝導体2の長手延長方向に平行に配置される。この例では、接触力Kのベクトルは、緊張力Sのベクトルに垂直である。また、ここで、ウェイト4は凹部5の内壁に押し付けられ、したがって、一方で、熱伝導体2はウェイト4でぴんと張った状態に保たれ、他方で、電気摺動接触が確立される。これにより、ウェイト4は接触面に沿って直線的に動く。
【0034】
図7及び図8は、第4のデバイスを示す。ここでは、第2の電極6上の凹部5は、ブレークスルーの形態に設計されている。次に、第1の電極1上のホルダユニット3は、対応する凹部5に対して千鳥配列され、第1の電極1と第2の電極6との間の熱伝導体2は、鉛直方向ではなく鉛直方向からわずかに逸れた斜め方向にぴんと張った状態に保持される。熱伝導体2は、第2の電極6上に提供されたブレークスルー5を通して案内される。ウェイト4は各々、熱伝導体2の両方の自由端上の第2の電極6の下に装着されている。熱伝導体2と凹部5との間の接触線又は接触面もここで直線状に設計されている。これは熱伝導体2の寿命を延ばす。同時に、熱伝導体2の全長の熱誘導変化の等化中に摩擦抵抗が低減する。
【0035】
図8に示すように、この構成では、ウェイトフォースGに垂直に熱伝導体2上に作用する接触力Kが発生し、接触力Kは熱伝導体2をブレークスルー5の内壁に押し付ける。ここで、電気摺動接触が、熱伝導体2と第2の電極6との直近間に形成される。
【0036】
図9は、第5のデバイスの概略図を示す。ここでは、第1の電極1は第2の電極6の上にあるが、第2の電極6と同じ鉛直平面にはない。言い換えれば、第1の電極1上に提供されるホルダユニット3は、熱伝導体2が鉛直平面内ではなく空間内に斜めに配置されるように、第2の電極6上の対応する凹部5に対して千鳥配列されている。その結果、鉛直方向に対する熱伝導体2の傾斜角は、有利には45°未満、好ましくは30°未満である。また、この例では、図5に示す実施形態の例と同様に、ウェイト4を凹部5の内面に押し付ける接触力Kが発生する。コーティングする基板がそれに対して水平に配置された斜めの平面上の熱伝導体2の提案された構成を用いて、基板上に増加又は減少するコーティング厚を実現できる。
【0037】
図10は、CVDコーティングデバイスの概略図を示す。ここでは、第1の電極1及び第2の電極6は支持体7を介して互いに接続され、電気絶縁手段8の相互接続を有する。上部に装着された熱伝導体2と共に、第1の電極1及び第2の電極6は、ここでは防気ハウジング9内に設置された熱伝導体アレイを形成する。ハウジング9を真空引きするポンプ10が提供される。参照符号11は、所望に応じて反応性ガスをハウジング9内に引き込むためのパイプである。第1の電極1及び第2の電極6は、熱伝導体2を加熱するための電源12に接続されている。
【符号の説明】
【0038】
1 第1の電極
2 熱伝導体
3 ホルダユニット
4 ウェイト
5 凹部
6 第2の電極
7 支持体
8 電気絶縁手段
9 ハウジング
10 ポンプ
11 パイプ
12 電源
α 角度
G ウェイトフォース
K 接触力
S 緊張力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学気相成長法を用い、ダイヤモンド又はシリコンで基板をコーティングするデバイスであって、
第1の電極(1)と第2の電極(6)との間に延在する複数の長手方向に延在する熱伝導体(2)からなる熱伝導体アレイがハウジング(9)内に提供され、
前記熱伝導体(2)が、その一端上に装着されたウェイト(4)によって個別にぴんと張った状態に保たれ、
前記ウェイト(4)によって生成されるウェイトフォース(G)のベクトルが前記熱伝導体(2)の長手延長方向と45°以下の角度(α)を形成するように、ウェイト(4)又は前記熱伝導体(2)が前記第2の電極(6)に案内されて電気的摺動接触が形成されることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記熱伝導体(2)又は前記ウェイト(4)を前記第2の電極(6)に押し付ける接触力(K)が、前記ウェイト(4)によって発生する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ウェイト(4)又は前記熱伝導体(2)が、前記第2の電極(6)上に提供された凹部(5)の内壁に摺動変位可能に当接する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記凹部(5)が、本質的に丸い断面を有する、請求項1乃至3の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記凹部(5)が、前記第2の電極(6)内に提供されたブレークスルーである、請求項1乃至4の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記熱伝導体(2)が、前記ブレークスルーを通して案内される、請求項1乃至5の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ウェイト(4)が、円柱状に設計される、請求項1乃至6の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ウェイト(4)の外径が、前記凹部(5)の内径よりも小さい、請求項1乃至7の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ウェイトフォース(G)のベクトルが、前記熱伝導体(2)の長手延長方向に対して5°〜35°、好ましくは10°〜20°の角度(α)を形成する、請求項1乃至8の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項10】
2つの隣接する熱伝導体(2)が、前記第1の電極(1)の領域内付近で屈曲し、前記第2の電極(6)の領域内で両端にウェイト(4)を備えた単一のワイヤで構成される、請求項1乃至9の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記熱伝導体(2)が、耐熱金属製、好ましくはW、Ta、Mo、Rh又はこれらの合金製である、請求項1乃至10の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記熱伝導体(2)が、5μm〜500μm、好ましくは100μm〜300μmの直径を有する、請求項1乃至11の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1の電極(1)が、前記第2の電極(6)の上に位置し、前記熱伝導体(2)が、前記第1の電極(1)と前記第2の電極(6)との間に本質的に鉛直方向に延在する、請求項1乃至12の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の電極(1)及び/又は第2の電極(6)が、分散強化銅材料で構成される、請求項1乃至13の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の電極(1)及び/又は第2の電極(6)を冷却する冷却ユニットが提供される、請求項1乃至14の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記熱伝導体アレイが、モジュールとして設計される、請求項1乃至15の何れかの項に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れかの項に記載のデバイスを用い、化学気相成長法を用いてダイヤモンド又はシリコンで基板をコーティングする方法であって、
ハウジング(9)を真空引きするステップと、
前記ハウジング(9)内に水素と、ガス状のカーボン担体又はシリコン担体とを含有する反応性ガス雰囲気を生成するステップと、
熱伝導体(2)を1〜100時間の保持時間にわたって周囲温度から1500℃〜2800℃の範囲の温度まで加熱するステップと、
前記ハウジング(9)を真空引きするステップと、
前記熱伝導体(2)を周囲温度まで冷却するステップと、
の各ステップが実行される方法。
【請求項18】
前記反応性ガス雰囲気が、ホウ素及び/又はリンを含有する、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−509825(P2012−509825A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536835(P2011−536835)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065176
【国際公開番号】WO2010/057836
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(511123636)ディアッコン ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】DiaCCon GmbH
【出願人】(511123614)ツェメコン アーゲー (2)
【氏名又は名称原語表記】CemeCon AG
【Fターム(参考)】