説明

半導体装置の製造方法。

【課題】本発明は、埋込みビットラインの抵抗を減少させ高速動作に有利な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、ハードマスク膜をバリアとして半導体基板をエッチングし、複数の活性領域を画定するトレンチを形成するステップと、ハードマスク膜が突出部となるように前記トレンチ内部を一部ギャップフィルするギャップフィル膜を形成するステップと、突出部の両側側壁を覆うスペーサを形成するステップと、ドープドエッチング障壁膜をエッチングバリアとしてスペーサのうち何れか1つのスペーサを除去するステップと、残留するスペーサをエッチングバリアとして前記ギャップフィル膜をエッチングし、活性領域の一側側壁を露出させる側壁トレンチを形成するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するもので、単一側壁コンタクト(One side contact)に連結された埋込みビットラインを有する半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
伝統的な平板構造のMOSFET素子では、素子の極微細化による漏洩電流、オン電流(on current)、短チャネル効果(Short channel effect)等で物理的限界に到達し、これ以上装置の小型化が難しくなっている。このような問題を解決するために一般的な水平チャネル(planar channel)から垂直チャネル(Vertical channel)を使用する半導体装置が活発に研究されている。
【0003】
垂直チャネルを有する半導体装置は、半導体基板上で垂直に延長された活性ピラー(Active pillar)の周囲を囲む環状(Surround type)のゲート電極(これを「垂直ゲート」という)を形成し、ゲート電極を中心として活性ピラーの上部と下部に各々ソース領域とドレーン領域を形成することによってチャネルが垂直方向に形成される半導体装置である。
【0004】
図1は、従来技術による垂直チャネルを有する半導体装置を示した図である。
【0005】
図1を参照すれば、基板11上に垂直方向に延長された活性ピラー12とハードマスク膜13を含む複数のピラー構造物が形成される。そして、活性ピラー12の外壁をゲート絶縁膜14と垂直ゲート15が囲んでおり、基板11内には不純物のイオン注入による埋込みビットライン(BBL)16が形成されている。隣するビットライン16を分離させるトレンチ17内部に層間絶縁膜18が埋込まれている。
【0006】
しかし、従来技術は、垂直ゲート15下部に埋込まれた埋込みビットライン(Buried Bit Line)16を形成するためにイオン注入工程(Implant)を行い、ドーパント(Dopant)を注入しているが、このような場合、装置が小型化されると、ドーパント注入だけではビットライン16の抵抗を減少させるのに限界があり、装置特性の低下を招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記した従来技術による問題を解決するために提案されたもので、埋込みビットラインの抵抗を減少させ、高速動作に有利な半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明の半導体装置の製造方法は、ハードマスク膜をバリアとして半導体基板をエッチングし、複数の活性領域を画定するトレンチを形成するステップと、前記ハードマスク膜が突出部となるように前記トレンチ内部を一部ギャップフィルするギャップフィル膜を形成するステップと、前記突出部の両側側壁を覆うスペーサを形成するステップと、ドープドエッチング障壁膜をエッチングバリアとして前記スペーサのうち何れか1つのスペーサを除去するステップと、残留する前記スペーサをエッチングバリアとして前記ギャップフィル膜をエッチングし、前記活性領域の一側側壁を露出させる側壁トレンチを形成するステップとを含むことを特徴とする。前記ドープドエッチング障壁膜は、ドープドポリシリコン膜を備えることを特徴とする。前記ドープドエッチング障壁膜は、アンドープドポリシリコン膜蒸着、チルトイオン注入および湿式エッチングによって前記スペーサのうち何れか1つのスペーサを覆う形態で形成することを特徴とする。前記チルトイオン注入はボロン(Boron)をドーパントとして使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述した本発明は、エッチングバリア物質として酸化膜を利用したスペーサを利用することによって活性領域の一側側壁に側壁トレンチを均一に形成することができるという効果がある。
【0010】
また、本発明は埋込みビットラインを金属膜で形成することによって抵抗を低め、半導体装置が小型化されても動作特性の低下のない装置を具現できるという効果がある。
【0011】
また、本発明は、金属膜で形成された埋込みビットラインと活性ピラーが接触するコンタクト領域で単一側壁コンタクト(One side contact)を適用することによってオーミック性コンタクト(ohmic−like contact)を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術による垂直チャネルを有する半導体装置を示した図である。
【図2A】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2B】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2C】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2D】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2E】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2F】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2G】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2H】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2I】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2J】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2K】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2L】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2M】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2N】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2O】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2P】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【図2Q】本発明の実施形態による半導体装置の製造方法を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を、添付図面を参照して説明する。
【0014】
本発明は、活性領域(Active region)間のトレンチに埋込まれる埋込みビットライン(Buried Bitline、BBL)を金属膜で形成する。併せて、埋込みビットラインと活性領域の間のオーミック性コンタクトのために金属シリサイドを利用して単一側壁コンタクト(one side contactと、OSC)を形成する。
【0015】
そして、本発明は、単一側壁コンタクト(OSC)を利用して、ビットラインをコンタクトさせることによって1セル1ビットライン(1 Cell 1 Bitline)構造が可能であり、高集積化に有利である。
【0016】
図2Aないし図2Qは、本発明の実施形態による半導体装置の埋込みビットライン形成方法を示した断面図である。
【0017】
図2Aに示したように、半導体基板31上にパッド膜32を形成する。ここで、パッド膜32は、酸化膜を備えることができる。
【0018】
パッド膜32上にハードマスク膜33、34を形成する。ここで、多層のハードマスク膜は、窒化膜と酸化膜を備える多層構造であり得る。例えば、ハードマスク窒化膜33(HM Nitride)とハードマスク酸化膜34(HM Oxide)の順序で積層され得る。また、ハードマスク酸化膜34上にハードマスクシリコン酸化窒化膜(HM SiON)とハードマスクカーボン膜(HM Carbon)がさらに積層され得る。図に示す便宜のためにHM SiONとHM Carbonは図示していない。
【0019】
ハードマスク酸化膜34上に第1感光膜パターン35を形成する。第1感光膜パターン35はライン−スペース形態(Line−Space type)でパターニングされており、BBLマスク(Buried BitLine Mask)とも称する。
【0020】
第1感光膜パターン35をエッチング障壁として多層のハードマスク膜をエッチングした後、パッド膜32をエッチングする。ここで、パッド膜32エッチング時、第1感光膜パターン35の形態が転写されるため、ライン−スペース形態でパターニングされる。また、便宜のためにエッチング前後のパッド膜をすべて参照番号32と通称する。
【0021】
図2Bに示したように、感光膜ストリップ工程によって第1感光膜パターン35を除去する。
【0022】
続いて、多層のハードマスク膜をエッチング障壁としてトレンチエッチング(Trench etch)を行う。すなわち、ハードマスク窒化膜33とハードマスク酸化膜34とをエッチング障壁として半導体基板31を一定深さエッチングし、トレンチ36を形成する。トレンチ36によって分離される複数の活性領域101が形成される。このようなトレンチ36と複数の活性領域101が形成された基板を基板31Aと表記する。
【0023】
このようなトレンチエッチング工程を「BBL(Buried BitLine)トレンチエッチング」と略称する。BBLトレンチエッチング後に残留するハードマスク膜は、ハードマスク窒化膜33とハードマスク酸化膜34とを備える。
【0024】
活性領域101は、第1感光膜パターン35の形態が転写された多層のハードマスク膜によって形成されるため、ライン−スペース形態でパターニングされる。これに伴い、活性領域101はライン形態となり、隣接する活性領域101はライン形態のトレンチ36によって分離される。
【0025】
BBLトレンチエッチングは、異方性エッチング(Anisotropic)を利用する。半導体基板31がシリコン基板の場合、異方性エッチングはClまたはHBrガスを単独で使用するか、またはこれらガスを混合して使用するプラズマ乾燥式エッチング(Plasma dry etch)を利用することができる。
【0026】
上述したBBLトレンチエッチング工程によって、トレンチ36によって互いに分離される複数の活性領域101が半導体基板(31A)上に構築される。
【0027】
図2Cに示したように、側壁酸化(Wall oxidation)工程によって活性領域101および半導体基板(31A)の表面上に側壁酸化膜37(Wall oxide)を形成する。側壁酸化膜37の一部は、活性領域101の側壁を構成する。側壁酸化膜37を形成するための側壁酸化工程はOまたはO/H雰囲気で700〜900℃の温度下で行う。
【0028】
続いて、側壁酸化膜37が形成された構造の全面に第1ライナー窒化膜38(Liner nitride)を蒸着する。第1ライナー窒化膜38はDCS(Dichlorosilane)とNHの雰囲気で600〜800℃の温度と0.1〜6Torrの圧力下で形成することができる。
【0029】
続いて、第1ライナー窒化膜38上に活性領域101の間のトレンチをギャップフィル(埋め込み)するように第1ギャップフィル膜39を形成する。ここで、第1ギャップフィル膜39は、後続工程が行われた後に除去される物質であって、例えば、ドーパントがドープされていない(Undoped:非ドープの)ポリシリコン膜を含んでもよい。
【0030】
図2Dに示したように、ハードマスク窒化膜33の表面があらわれるまで第1ギャップフィル膜39を、CMP(Chmiecal Mechanical Polishing)方法で平坦化した後に追加でエッチバックを行い、一定の高さを有するように残留第1ギャップフィル膜39Aとして残留させる。この時、残留第1ギャップフィル膜39Aの高さはパッド膜32と活性領域101の接触面より高いか同一であり得る。
【0031】
この過程で、上記のように、エッチバックまで行い、残留第1ギャップフィル膜39Aを形成すれば、突出部形態(protrusion shape)でハードマスク窒化膜33が突出される。ハードマスク酸化膜34はCMP工程時に除去され、ハードマスク酸化膜34の上部面および側壁に位置していた第1ライナー窒化膜38も研磨され残留第1ライナー窒化膜38Aとなる。これに伴い、残留第1ライナー窒化膜38Aは、ハードマスク窒化膜33の側壁を覆う高さを有する。
【0032】
図2Eに示したように、ハードマスク窒化膜33の突出部を覆うように第2ライナー窒化膜40を形成する。第2ライナー窒化膜40は、DCS(Dichlorosilane)とNHの雰囲気で600〜800℃の温度と0.1〜6Torrの圧力下で形成することができる。
【0033】
第2ライナー窒化膜40上にスペーサ絶縁膜41を形成する。ここで、スペーサ絶縁膜41は、段差被覆性(Step coverage)が優秀なように低温で形成する。例えば、スペーサ絶縁膜41は、常温ないし400℃の温度で蒸着が可能な化学気相蒸着法(CVD)または原子層蒸着法(ALD)を利用して形成する。スペーサ絶縁膜41は、後続の残留第1ギャップフィル膜39Aのエッチング時、選択比を有する物質を含む。好ましくは、スペーサ絶縁膜41は絶縁膜を備え、残留第1ギャップフィル膜39Aがポリシリコン膜であるためスペーサ絶縁膜41は酸化膜を含む方が良い。
【0034】
図2Fに示したように、スペーサ絶縁膜を乾燥式エッチング(Dry etch)し、スペーサ41Aを形成する。この時、スペーサ41Aはハードマスク窒化膜33の突出部両側側壁に形成される。
【0035】
スペーサ41Aを形成するための乾燥式エッチング時、エッチングガスはフッ化炭素(C)系列のガスと酸素ガスを混合してメインガスとして使用し、垂直プロファイル(Vertical profile)が形成されるように保護ガス(passivation gas)としてN,COS、SO,CO及びArのうち何れか1つの添加ガスをさらに添加して行うことができる。乾燥式エッチングの後には残留物(Residue)除去のためにNHOH、HSO及びHのうち何れか1つを利用して湿式洗浄を行う。
【0036】
上述したように、本発明は酸化膜蒸着およびエッチングによってスペーサ41Aを形成している。スペーサ41Aを形成するための他の方法として、ポリシリコン膜蒸着後に酸化工程を行うこともできるが、この場合には酸化膜蒸着およびエッチングによる方法より均一度が相対的に低下する。
【0037】
図2Gに示したように、スペーサ41Aを含んだ全面にエッチング障壁膜42を形成する。ここで、エッチング障壁膜42は後続のスペーサを除去するためのエッチング障壁の役割をする物質であって、例えば、ドーパントがドープされていないポリシリコン膜を含むことができる。エッチング障壁膜42はスペーサ41Aを含んだ全面のプロファイルに応じて形成する。
【0038】
図2Hに示したように、一定角度でチルトを与え(所定の傾斜角で)、ドーパントをイオン注入43(Tilt ion implantation process)する。これによってエッチング障壁膜42のうちで一部にドーパントが注入される。
【0039】
チルトイオン注入43工程は半導体基板の垂直軸43Aに対して所定角度(α)を有して行われる。所定角度は約5〜30°を含む。イオンビーム(Ion beam)はハードマスク窒化膜33の突出部によって一部が遮断される。したがって、エッチング障壁膜42の一部はドープされるが残りはドープされずに(非ドープ状態で)残留する。例えば、イオン注入されるドーパントはP型ドーパント、好ましくはボロン(Boron)であり、ボロンをイオン注入するためにドーパントソースはBFを使用する。その結果、エッチング障壁膜42の一部は非ドープ状態で残留するが、この部分は図2Hにおけるハードマスク窒化膜33の右側に隣接する部分である。
【0040】
このようなドーパントのチルトイオン注入43によって、エッチング障壁膜42のうちハードマスク窒化膜33の上部面に形成された部分とハードマスク窒化膜33の左側(図2H)に隣接する一部はドーパントがドープされたドープドエッチング障壁膜42A(Doped etch barrier)となる。エッチング障壁膜42のうちドーパントが注入されなかった部分はアンドープドエッチング障壁膜42Bとなる。
【0041】
続いて、図2Iに示したように、洗浄(Wet cleaning)を行い、アンドープドエッチング障壁膜42Bを除去する。ここで、エッチング障壁膜42として使用されたポリシリコン膜は、ドーパントのドープの有無に応じてエッチング速度の差が発生する。特に、ドーパントが注入されなかったアンドープドポリシリコン膜は湿式エッチング速度が速い。したがって、アンドープドポリシリコン膜だけを湿式エッチングできる選択比が高いケミカルを利用してアンドープドポリシリコン膜を選択的に除去する。
【0042】
上述のようにアンドープドエッチング障壁膜42Bを除去すれば、ドープドエッチング障壁膜42Aだけ残留する。アンドープドエッチング障壁膜42Bとドープドエッチング障壁膜42Aの境界地域でドープドエッチング障壁膜42Aが一部損失することもある。一方、アンドープドエッチング障壁膜42Bを除去する湿式エッチング時、スペーサ(41A)がバリアの役割をし、周辺の物質にアタックを与えない。
【0043】
続いて、図2Jに示したように、第2ライナー窒化膜40を乾燥式エッチングし、第1ギャップフィル膜39Aの表面を露出させる。
【0044】
続いて、スペーサ41Aを除去する洗浄を行う。これに伴い、ハードマスク窒化膜33の左側側壁にだけ残留スペーサ41Bが残留する。残留スペーサ41Bは、ドープドエッチング障壁膜42Aによって覆われているため、洗浄工程時、除去されずに残留する。
【0045】
上述のように洗浄工程まで行えば、ハードマスク窒化膜33の左側側壁には、残留第1および残留第2ライナー窒化膜38A、40Aと、スペーサ41Bと、ドープドエッチング障壁膜42Aとが残留し、ハードマスク窒化膜33の右側側壁には、残留第1および残留第2ライナー窒化膜38A、40Aだけが残留する。ドープドエッチング障壁膜42Aは、ハードマスク窒化膜33の上部面にも残留する。
【0046】
図2Kに示したように、エッチバックによって残留第1ギャップフィル膜39Aを一定深さエッチングし、最終第1ギャップフィル膜39Bを形成する。これに伴い活性領域101の一側の側壁トレンチ44が一定高さを有して開口(形成)される。ここで、ドープドエッチング障壁膜42Aがポリシリコン膜であるため、残留第1ギャップフィル膜39Aのエッチング時に同時に除去される。したがって、側壁トレンチ44を開口させるエッチング工程によって、ハードマスク窒化膜33の両側側壁および上部面には残留第1および最終第2ライナー窒化膜38A、40Bが残留し、左側側壁にはさらにスペーサ41Bが残留することになる。
【0047】
側壁トレンチ44形成のためのエッチング工程時に、スペーサ41Bがエッチング障壁の役割を十分に果たすため、残留第1ギャップフィル膜39Aを選択的にエッチングすることができる。最終第2ライナー窒化膜40Bの隅の部分40Cは、残留第1ギャップフィル膜39Aのエッチバック時に取り除かれることもある。この時、残留第1ギャップフィル膜39Aは、後続の側壁コンタクトが形成される位置までエッチングされる。
【0048】
上述のように残留第1ギャップフィル膜39Aをエッチバックすると、隣接する活性領域101の一側側壁を露出させる側壁トレンチ44(Side trench)を提供する最終第1ギャップフィル膜39Bだけ残留する。
【0049】
図2Lに示したように、最終第2ライナー窒化膜40Bを洗浄工程によって除去する。この時、残留第1ライナー窒化膜38Aも除去される。これに伴い、ハードマスク窒化膜33の両側側壁と上部面、すなわちハードマスク窒化膜33の突出部に隣接する残留第1ライナー窒化膜38Aがすべて除去される。併せて、残留する最終第1ライナー窒化膜38Bは、最終第1ギャップフィル膜39Bと接触する形態で残留する。活性領域101の側壁に側壁酸化膜37を残留させて残留第1ライナー窒化膜38Aを除去する時には、湿式洗浄を適用したり酸化膜に対して選択比を有する乾燥式洗浄を適用することができる。
【0050】
図2Mに示したように、最終第1ギャップフィル膜39Bを除去した後に、全面に第2ギャップフィル膜45をギャップフィルする。ここで、第2ギャップフィル膜45はアンドープドポリシリコン膜を含むことができる。
【0051】
続いて、CMPなどの方法を利用して、ハードマスク窒化膜33の表面が露出するまで第2ギャップフィル膜45を平坦化し、連続して、一定の高さが残留するようにエッチバックする。その結果、残留第2ギャップフィル膜45Aが一定高さを有して残留する。特に残留第2ギャップフィル膜45Aのエッチバック深さは、後続の側壁コンタクトが形成される空間を限定する高さとなる。すなわち、残留第2ギャップフィル膜45Aをエッチバックすれば、ハードマスク窒化膜33と活性領域101の両側側壁の一部が露出する。もちろん、活性領域101の側壁には依然として側壁酸化膜37が残留する。活性領域101の側壁とは、活性領域101の側面に形成された膜(ここでは側壁酸化膜37)を含む意味である。
【0052】
続いて、図2Nに示したように、全面に第3ライナー窒化膜(46)を形成した後、これを残留第2ギャップフィル膜45Aの表面が露出するように選択的にエッチングし、第3ライナー窒化膜46を形成する。これに伴い、活性領域101の右側側壁には、側壁酸化膜37と第3ライナー窒化膜46の二重絶縁膜構造が形成される。活性領域101の左側側壁には、側壁酸化膜37、最終第2ライナー窒化膜38Bおよび第3ライナー窒化膜46の三重絶縁膜構造が形成される。
【0053】
第3ライナー窒化膜46はDCS(Dichlorosilane)とNHの雰囲気で600〜800℃の温度と0.1〜6Torrの圧力下で形成する。
【0054】
続いて、残留第2ギャップフィル膜45Aを除去する。これに伴い、活性領域101の一側側壁(One side)の一部にライン状の開口部47(Line type opening)が形成される。ここで、開口部47は、最終第1ライナー窒化膜38Bと第3ライナー窒化膜46との間の第2ギャップフィル膜45Aが除去された空間であり、この開口部47の線幅は第2ギャップフィル膜の厚さによって決定される。
【0055】
図2Oに示したように、開口部47により露出している側壁酸化膜37を選択的に除去する。これに伴い、活性領域101の一側側壁には、活性領域101の一部をライン状に露出させるコンタクト領域48が形成される。コンタクト領域48では、活性領域101が直接露出している。コンタクト領域48を形成するために側壁酸化膜37は洗浄によって除去することができる。例えば、HF、BOEなどを利用して湿式洗浄すれば、周辺のライナー窒化膜を損傷させず、側壁酸化膜37を選択的に除去することができる。コンタクト領域48が形成されることによって、側壁酸化膜37は図面符号37Aのように残留する。
【0056】
図2Pに示したように、コンタクト領域48に埋込まれる側壁コンタクト102を形成する。ここで、側壁コンタクト102は金属シリサイドを含むことができる。例えば、金属シリサイドは、チタニウムシリサイド(TiSi)、コバルトシリサイド(CoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)等がある。高温の後続熱工程による劣化を防止するためには熱的安定性がさらに強いコバルトシリサイド(CoSi)を選択するのが好ましい。
【0057】
上述したところによれば、側壁コンタクト102は、活性領域101の一側側壁だけに形成される単一側壁コンタクト(One side contact)構造となる。
【0058】
図示していないが、側壁コンタクト102の形成前に、セル接合(Cell junction)をあらかじめ形成することができる。セル接合は、ドーパントがドープされたポリシリコン膜を蒸着した後、熱処理をして拡散させることにより形成することができる。また、セル接合は、アンドープドポリシリコン膜の蒸着、イオン注入によるドーパント注入、および、熱処理の順序で行い形成することもできる。
【0059】
図2Qに示したように、側壁コンタクト102が形成された構造体の全面にビットライン導電膜(103)を蒸着する。この時、ビットライン導電膜は活性領域101の間のトレンチ36をギャップフィルするように全面に蒸着する。ビットライン導電膜は、チタニウム窒化膜(TiN)、またはタングステン膜(W)等の金属膜を備える。例えば、ビットライン導電膜は、チタニウム窒化膜とタングステン膜を積層(TiN/W)し、形成することができる。
【0060】
続いて、側壁コンタクト102に接する高さまでビットライン導電膜を除去する。これにより、側壁コンタクト102に接触する埋込みビットライン103が形成される。ここで、埋込みビットライン103は活性領域101と並んで配列され、活性領域101と埋込みビットライン103は側壁コンタクト102によって電気的に連結される。
【0061】
上述のように、埋込みビットライン103は、金属膜で形成された金属ビットライン(Metal bitline)であるため抵抗が低く、また活性領域101間のトレンチ36内部を一部埋込む形態になるため、埋込みビットラインとなる。本実施形態は、従来技術と異なり、埋込みビットラインを互いに分離させるためのトレンチ工程が不要である。さらに、本実施形態は、1セル1ビットライン構造を有するため、4F以下のデザインルールに適用でき、高集積化が可能となる。
【0062】
上述した実施形態によれば、本発明は酸化膜を利用したスペーサを利用することによって側壁トレンチ形成時に十分なバリアの役割をすることができ、側壁トレンチを、ポリシリコン膜を酸化させて形成する場合よりも良好な均一度で形成することができる。
【0063】
また、酸化膜を利用したスペーサ形成後に、アンドープドポリシリコン膜蒸着およびチルトイオン注入を行った後、アンドープドポリシリコン膜だけの湿式エッチングを行うことによって、アンドープドポリシリコン膜とドープドポリシリコン膜の選択比が低くてもパターン形成に多くの影響を与えないために有利である。
【0064】
また、本発明はポリシリコン膜を酸化させる工程を省略することによって工程時間および費用の節減が可能である。
【0065】
結局、本発明は工程の単純化、パターンの均一度向上、そして膜質間の高い選択比を得ることができる。
【0066】
一方、他の実施形態で、酸化膜を利用してスペーサを形成せず、アンドープドポリシリコン膜蒸着およびチルトイオン注入によって、ドープドエッチング障壁膜を形成し、その後、湿式洗浄によってアンドープドエッチング障壁膜を除去した後、残留するドープドエッチング障壁膜だけをエッチングバリアとして利用して側壁部を形成させることもできる。しかし、この場合にはチルトイオン注入を利用するのに伴いドープされる部分とドープされない部分の線幅調節(Critical Dimension Control)が難しい。これに伴い、側壁部の深さを均一に形成しづらく、これは後続コンタクト領域の位置が不均一になる原因となる。
【0067】
したがって、本発明は図2Kに示されたように、酸化膜を含むスペーサ41Bを利用して側壁トレンチ44を形成することによって、側壁トレンチ44の深さを均一に形成することができる。これによって後続コンタクト領域(図2Oの48)が形成される位置が均一となる。
【0068】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態および添付された図面によって、限定されるものではなく、本発明の技術的思想に外れない範囲内で色々な置換、変形および変更が可能であるということが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にあって明白であろう。
【符号の説明】
【0069】
31A 半導体基板
32 パッド膜
33 ハードマスク窒化膜
36 トレンチ
37、37A 側壁酸化膜
38A、38B 第1ライナー窒化膜
39、39A、39B 第1ギャップフィル膜
40、40A 第2ライナー窒化膜
41A スペーサ
42A ドープドエッチング障壁膜
44 側壁トレンチ
45A 第2ギャップフィル膜
46 第3ライナー窒化膜
48 コンタクト領域
101 活性領域
102 側壁コンタクト
103 埋込みビットライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードマスク膜をバリアとして半導体基板をエッチングし、複数の活性領域を画定するトレンチを形成するステップと、
前記ハードマスク膜が突出部となるように前記トレンチ内部を一部ギャップフィルするギャップフィル膜を形成するステップと、
前記突出部の両側側壁を覆うスペーサを形成するステップと、
ドープドエッチング障壁膜をエッチングバリアとして前記スペーサのうち何れか1つのスペーサを除去するステップと、
残留する前記スペーサをエッチングバリアとして前記ギャップフィル膜をエッチングし、前記活性領域の一側側壁を露出させる側壁トレンチを形成するステップと、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ドープドエッチング障壁膜は、ドープドポリシリコン膜を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記ドープドエッチング障壁膜は、
アンドープドポリシリコン膜蒸着、チルトイオン注入および湿式エッチングによって前記スペーサのうち何れか1つのスペーサを覆う形態で形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記チルトイオン注入は、ボロン(B)をドーパントとして使用することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記スペーサを形成するステップは、
前記ギャップフィル層の形成後、前記突出部を含んだ全面に絶縁膜を形成するステップと、
スペーサエッチングによって前記絶縁膜をエッチングし、前記突出部の両側側壁にスペーサを形成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁膜は、酸化膜を備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記酸化膜は、常温ないし400℃の温度で蒸着されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記酸化膜は、化学気相蒸着法(CVD)または原子層蒸着法(ALD)を利用して蒸着されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記スペーサエッチングは、
フッ化炭素系列のガスと酸素ガスをメインガスとして使用することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記スペーサエッチング時、
,COS、SO,CO及びArのうち何れか1つのガスを添加ガスとして使用することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記スペーサエッチング後に、
残留物除去のための湿式洗浄を行うことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記湿式洗浄は、
NHOH、HSO及びHのうち何れか1つを利用することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記スペーサを形成する前に、
前記ギャップフィル層形成後、前記突出部を含んだ全面にライナー窒化膜をあらかじめ形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記側壁トレンチを形成するステップの後に、
前記側壁トレンチによって露出した活性領域の一側側壁に対し、前記活性領域の一部を露出させるコンタクト領域を形成するステップと、
前記コンタクト領域に埋込まれる側壁コンタクトを形成するステップと、
前記側壁コンタクトに連結して前記側壁トレンチの一部に埋込まれる埋込みビットラインを形成するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図2G】
image rotate

【図2H】
image rotate

【図2I】
image rotate

【図2J】
image rotate

【図2K】
image rotate

【図2L】
image rotate

【図2M】
image rotate

【図2N】
image rotate

【図2O】
image rotate

【図2P】
image rotate

【図2Q】
image rotate


【公開番号】特開2011−96999(P2011−96999A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32666(P2010−32666)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(591024111)株式会社ハイニックスセミコンダクター (1,189)
【氏名又は名称原語表記】HYNIX SEMICONDUCTOR INC.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−Ri,Bubal−Eup,Ichon−Shi,Kyoungki−Do,Korea
【Fターム(参考)】