説明

半導体装置の製造方法

【課題】本発明は、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程を行わずに、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体層をパターニングする半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基体上に、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体材料を成膜することで、有機半導体層17を形成する工程と、有機半導体層17の所定箇所を露光し、露光された部分の有機半導体材料を酸化体に変化させる工程と、基体の表面に、上記酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、酸化体を有機溶剤に溶解させて除去することで、有機半導体層17をパターニングする工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体層をパターニングする半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、有機半導体材料として研究されているペンタセンは、トランジスタのチャネル層として用いた場合に高い性能を示すものの、有機溶剤に非常に溶け難い性質を有しており、塗布プロセスによる成膜が難しい。このため、ペンタセンからなる有機半導体層をパターニングする際には、基板上に有機半導体層の形成領域が開口されたレジストパターンを形成し、真空蒸着法により、基板上およびレジストパターン上に有機半導体層を成膜する。そして、その後、レジストパターンとともにレジストパターン上の有機半導体層を除去するリフトオフ法が検討されている。
【0003】
一方、塗布プロセスによる成膜を目指し、ペンタセンに置換基を導入することで有機溶剤に溶けるようにしたペンタセン誘導体が近年開発されている(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−256632号公報
【非特許文献1】D.R.Maulding and B.G.Roberts,「The Journal of Organic Chemistry」(米)1969年, Vol.34, No.6, p.1734-1736
【非特許文献2】C.R.Swartz and J.E.Anthony et al.,「Organic Letters」(米)2005年, Vol.7, No.15, p.3163-3166
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したようなリフトオフ法により、ペンタセンからなる有機半導体層をパターニングする場合には、レジストパターンを形成するため、レジストの塗布、露光、現像、と煩雑なリソグラフィー工程を行う必要がある。一方、上述したリフトオフ法によって、ペンタセン誘導体からなる有機半導体層をパターニングする際には、ペンタセン誘導体の有機溶剤に対する溶解度が高いため、パターニング後に用いるレジスト除去剤にペンタセン誘導体が溶けて流れてしまう、という問題がある。
【0006】
そこで、上述したような課題を解決するために、本発明は、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程を行わずに、ペンタセンまたはペンタセン誘導体を含むポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体層をパターニングする半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述したような目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、次のような工程を順次行うことを特徴としている。まず、基体上に、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体材料を成膜することで、有機半導体層を形成する工程を行う。次に、有機半導体層の所定箇所を露光し、露光された部分の有機半導体材料を酸化体に変化させる工程を行う。次いで、基体の表面に、酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、酸化体を有機溶剤に溶解させて除去することで、有機半導体層をパターニングする工程を行う。
【0008】
このような半導体装置の製造方法によれば、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体層の所定箇所を露光することで、露光された部分の有機半導体材料が酸化体に変化する。次いで、基体の表面に酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、酸化体を有機溶剤に溶解させて除去することで、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程を行うことなく、有機半導体層がパターニングされる。
【発明の効果】
【0009】
以上、説明したように、本発明の半導体装置の製造方法によれば、レジストパターンを形成するためのリソグラフィー工程を行うことなく、有機半導体層をパターニングすることができるため、有機半導体層を備えた半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
本発明の半導体装置の製造方法に係る実施の形態の一例を、ボトムゲート・ボトムコンタクト型のトランジスタの製造方法を例にとって説明する。
【0012】
まず、図1(a)に示すように、例えばプラスチック基板からなる基板11上に、ゲート電極の形成領域が開口されたレジストパターン12を形成する。ここで、基板11としては、上記プラスチック基板の他に、ガラス基板またはシリコン(Si)基板を用いることができる。
【0013】
次に、図1(b)に示すように、例えばスピンコート法により、レジストパターン12上および基板11上に、例えば導電性有機材料である、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホナート)[PEDOT/PSS]からなるゲート電極膜13を成膜する。なお、ここでは、導電性有機材料からなるゲート電極膜13を塗布形成することとするが、真空蒸着法により、金(Au)、クロム(Cr)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)等の金属材料からなるゲート電極膜13を成膜してもよく、これらの導電性有機材料や金属材料を積層させてもよい。
【0014】
次いで、図1(c)に示すように、レジストパターン12(前記図1(b)参照)とともに、レジストパターン12上のゲート電極膜13(前記図1(b)参照)を除去することで、ゲート電極13’をパターン形成する。なお、ここでは、基板11上にゲート電極13’をパターン形成する例について説明するが、基板11として、不純物イオンがハイドープされたSi基板を用いることで、基板11がゲート電極13’を兼ねてもよい。
【0015】
続いて、図1(d)に示すように、例えばスピンコート法により、ゲート電極13’を覆う状態で、基板11上に、例えばポリビニルフェノール(PVP)等の有機絶縁材料からなるゲート絶縁膜14を塗布形成する。ただし、上述したように、Si基板からなる基板11がゲート電極13’を兼ねる場合には、熱酸化法により、Si基板の表面に酸化シリコン(SiO2)からなるゲート絶縁膜14を形成してもよい。
【0016】
次に、図2(e)に示すように、ゲート絶縁膜14上に、ソース・ドレイン電極の形成領域が開口されたレジストパターン15を形成する。
【0017】
次いで、図2(f)に示すように、例えばスピンコート法により、レジストパターン15上および基板11上に、例えば導電性有機材料である、PEDOT/PSSからなるソース・ドレイン電極膜16を形成する。なお、ここでは、導電性有機材料からなるソース・ドレイン電極膜16を塗布形成することとするが、真空蒸着法により、Au、Cr、Pt、Ni、Al等の金属材料からなるソース・ドレイン電極膜16を成膜してもよく、これらの導電性有機材料や金属材料を積層させてもよい。
【0018】
続いて、図2(g)に示すように、レジストパターン15(前記図2(f)参照)とともに、レジストパターン15上のソース・ドレイン電極膜16(前記図2(f)参照)を除去することで、ソース・ドレイン電極16’をパターン形成する。なお、ここまでの構成が請求項の基体に相当する。
【0019】
次いで、図2(h)に示すように、ソース・ドレイン電極16’が設けられたゲート絶縁膜14上に、下記一般式(1)に示すポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体材料を成膜する。
【化3】

【0020】
ここで、上記一般式(1)中において、Rは、各々互いに独立して、同じ置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。また、それぞれ独立に、炭素数20以下の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の複素芳香族基、カルボキシル基、酸無水物、エステル基、シアノ基、水酸基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カルバモイル基、ヒドラジド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオール基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エーテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリル基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、ボリル基およびハロゲン原子からなる置換基群から選択された置換基または水素原子であることとする。また、nは1〜20の整数であることとする。
【0021】
さらに、上記の置換基のうちでも、Rが、炭素数20以下の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の複素芳香族基、カルボキシル基、酸無水物、エステル基、シアノ基、水酸基およびハロゲン原子から選択された置換基または水素原子であることが好ましい。
【0022】
ここで、上記一般式(1)で表される化合物のうち、特に下記構造式(1)に示すnが4、Rが全て水素(H)原子であるペンタセンは、トランジスタのチャネル層として用いた場合に高い性能を示すことが知られている。
【化4】

【0023】
しかし、ペンタセンは有機溶剤に非常に溶け難い性質を有しているため、本実施形態では、上記ペンタセンに置換基を導入してなるペンタセン誘導体を用いることとする。ペンタセン誘導体は置換基が導入されることで、ペンタセンと比較して有機溶剤への可溶性が高くなるため、塗布法による成膜が可能となる。ここで、上記ペンタセン誘導体としては、下記一般式(2)〜(8)で示される化合物が例示される。ただし、下記一般式(2)〜(8)中のR(R1〜R12を含む)は、水素原子以外の上述した置換基を示すこととする。
【化5】

【0024】
ここでは、ペンタセン誘導体として、下記構造式(2)に示す4エチル−4ブチルペンタセン(4Et-4Buペンタセン)を用い、例えばスピンコート法により、上記ゲート絶縁膜上に成膜することとする。このペンタセン誘導体は、上記一般式(2)のR1、R4、R5、R10がブチル基(Bu)、R2、R3がメチルエステル基、R6、R7、R8、R9がエチル基(Et)で構成される。ここで、この化合物が炭素数3以上のアルキル基(ここではブチル基)を含むことで、有機溶剤への溶解性が高くなるため、好ましい。また、スピンコート法による塗布の際に、このペンタセン誘導体を溶解する有機溶剤としては、トルエン、クロロホルム、メシチレン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン等を用いることができる。
【化6】

【0025】
なお、ペンタセン誘導体として、上記4Et-4Buペンタセンの他に、下記構造式(3)に示すTIPSペンタセン(6,13−bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene)を例示する。このペンタセン誘導体は、上記一般式(3)のR11とR12が置換基を有する脂肪族炭化水素基であり、具体的には、トリイソプロピルシリル基を有するアルキニル基で構成される。
【化7】

【0026】
次に、図3(i)に示すように、例えばフォトマスクからなるマスクMを介して、紫外線Vを照射することにより、有機半導体層17の所定箇所を露光する。ここでは、ソース・ドレイン電極16’間を除く部分に開口パターンを有するマスクMを用いることとする。このマスクMとしては、例えばフォトリソグラフィーで一般に用いられるクロム膜付きのガラスマスクが使用される。また、マスクMとして、パターン蒸着を行うときに用いられる、金属箔を加工して作られたメタルマスクを用いてもよい。ただし、マスクMとしてフォトマスクを用いた方が、パターン加工精度が高いため、好ましい。
【0027】
上述した露光により、図3(j)に示すように、露光部分17aの4Et-4Buペンタセンは酸化され、後述する特定の溶剤に可溶性を有する酸化体となる。
【0028】
続いて、図3(k)に示すように、有機半導体層17が設けられた基板11の表面に、有機半導体層17を構成するペンタセン誘導体に対して上記酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、この酸化体からなる上記露光部分17a(前記図3(j)参照)を有機溶剤に溶解させて除去することで、有機半導体層17をパターニングする。ここで、上記有機溶剤としては、メタノール、ベンジルアルコール、トリエタノールアミンおよびヘキサンから選択された少なくとも1種類を用いる。ここでは、メタノールを用いることとする。ただし、ヘキサンは、上記一般式(3)に示したペンタセン誘導体の構造において、R1、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10がエチル基(Et)またはメチル基(Me)である場合に使用することが可能である。また、ベンジルアルコール、トリエタノールアミンはメタノールと比較して粘性が高く、沸点も高いため、その後の工程で有機溶剤を揮発除去する乾燥工程に時間を要する。このため、有機溶剤としては、メタノールを用いることが好ましい。その後、乾燥工程を行う。
【0029】
このような半導体装置の製造方法によれば、ペンタセン誘導体からなる有機半導体層17の所定箇所を露光することで、露光部分17aの有機半導体材料が酸化体に変化する。次いで、有機半導体層17が設けられた基板11の表面に、酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、酸化体を有機溶剤に溶解させて除去することで、レジストパターンを形成するための煩雑なリソグラフィー工程を行うことなく、有機半導体層17がパターニングされる。したがって、有機半導体層17を備えた半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
【0030】
また、本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、トランジスタの製造工程を全て塗布プロセスで行うことが可能になるため、真空プロセスに用いる高価な製造装置を使用せずに、半導体装置を製造することができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、有機半導体材料として、4Et-4Buペンタセンからなるペンタセン誘導体を用いた例について説明したが、他のペンタセン誘導体またはペンタセン誘導体以外のポリアセン誘導体であっても、上述した方法と同様の製造方法を適用することが可能である。ここで、ペンタセン誘導体以外のポリアセン誘導体としては、例えば下記一般式(9)、(10)に示すナフタセン誘導体が挙げられる。ただし、一般式(9)、(10)中のRには、上述した一般式(2)〜(8)のRと同様の置換基が用いられることとする。
【化8】

【0032】
(変形例1)
また、ペンタセンを有機半導体材料として用いた場合にも本発明は適用可能である。ただし、この場合には、実施形態で、図2(h)を用いて説明した工程において、ペンタセンは有機溶剤に非常に溶け難く、塗布形成できないことから、真空蒸着法により、ソース・ドレイン電極16’が設けられたゲート絶縁膜14上に、ペンタセンを成膜する。
【0033】
次いで、実施形態で図3(i)を用いて説明したように、フォトマスクからなるマスクMを介して、紫外線Vを照射することにより、有機半導体層17の所定箇所を露光する。これにより、図3(j)を用いて説明したように、露光部分17aのペンタセンは酸化され、下記反応式(1)に示すように、6位と13位が2つの酸素により架橋された酸化体となる。
【化9】

【0034】
その後、図3(k)を用いて説明したように、有機半導体層17が設けられた基板11の表面に、有機半導体層17を構成するペンタセンに対して上記酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、この酸化体からなる上記露光部分17a(前記図3(j)参照)を有機溶剤に溶解させて除去することで、有機半導体層17をパターニングする。この際、ペンタセンは有機溶剤に溶解し難く、ペンタセンの酸化体は有機溶剤への溶解性が高いため、確実に有機半導体層17のパターニングを行うことが可能となる。この場合の有機溶剤としては、有機半導体層17のトランジスタ特性を低下させないものであれば、特に限定されるものではなく、実施形態で例示したメタノール、ベンジルアルコール、トリエタノールアミン、ヘキサンの他に、トルエン、クロロホルム、メシチレン、THF、アセトンを用いてもよい。
【0035】
このような半導体装置の製造方法であっても、煩雑なリソグラフィー工程を行うことなく、有機半導体層17のパターニングを行うことができるため、有機半導体層17を備えた半導体装置の製造工程を簡略化することができる。
【0036】
なお、上記変形例1では、ペンタセンを有機半導体材料として用いる例について説明したが、ペンタセン以外のポリアセンであっても、上述した方法と同様の製造方法を適用することが可能である。
【0037】
なお、上記実施形態および変形例1では、ボトムゲート・ボトムコンタクト型のトランジスタの製造方法を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボトムゲート・トップコンタクト型、トップゲート・ボトムコンタクト型、トップゲート型・トップコンタクト型のトランジスタの製造方法であっても適用可能である。また、本発明はトランジスタに限定されることなく、太陽電池や発光素子等の他のデバイスの製造方法にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施形態を説明するための製造工程断面図である(その1)。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施形態を説明するための製造工程断面図である(その2)。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係る実施形態を説明するための製造工程断面図である(その3)。
【符号の説明】
【0039】
17…有機半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に、ポリアセンまたはポリアセン誘導体からなる有機半導体材料を成膜することで、有機半導体層を形成する工程と、
前記有機半導体層の所定箇所を露光し、露光された部分の前記有機半導体材料を酸化体に変化させる工程と、
前記基体の表面に、前記酸化体を選択的に溶解する有機溶剤を供給し、当該酸化体を当該有機溶剤に溶解させて除去することで、前記有機半導体層をパターニングする
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記ポリアセンまたは前記ポリアセン誘導体は、下記一般式(1)で示される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【化1】

[ただし、一般式(1)中において、
Rは、それぞれ独立に、炭素数20以下の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の複素芳香族基、カルボキシル基、酸無水物、エステル基、シアノ基、水酸基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カルバモイル基、ヒドラジド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオール基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エーテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリル基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、ボリル基およびハロゲン原子からなる置換基群から選択された置換基または水素原子を表す。
また、nは1以上20以下の整数である。]
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記ポリアセンまたは前記ポリアセン誘導体は、ペンタセンまたはペンタセン誘導体からなる
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
前記ペンタセン誘導体は、下記一般式(2)で示される
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【化2】

[ただし、一般式(2)中において、
Rは、それぞれ独立に、炭素数20以下の置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の複素芳香族基、カルボキシル基、酸無水物、エステル基、シアノ基、水酸基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、スルホニル基、スルフィニル基、ハロゲン化アシル基、カルバモイル基、ヒドラジド基、イミド基、アミド基、アミジノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、イソシアン酸エステル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、ホルミル基、チオホルミル基、アシル基、チオール基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エーテル基、スルフィド基、ジスルフィド基、シリル基、ゲルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、ボリル基およびハロゲン原子からなる置換基群から選択された置換基を表す。]
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
前記有機半導体層を形成する工程では、塗布法により前記ペンタセン誘導体からなる前記有機半導体材料を成膜し、
前記有機半導体層をパターニングする工程では、前記基体の表面に、メタノール、ベンジルアルコール、トリエタノールアミンおよびヘキサンから選択された少なくとも1種類からなる前記有機溶剤を供給する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−71781(P2008−71781A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246326(P2006−246326)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】