説明

半導体装置の製造方法

【課題】貫通孔となるべきアスペクト比が20以上の深孔を埋め込む貫通電極金属としては、埋め込み特性が良好なタングステンが使用されることが多いが、通常のドライエッチングによる深孔は、ボッシュプロセスによるものに比べて寸法の大きなものとなる。この比較的大きな深孔を埋め込むためには、必然的にウエハの表面に成膜すべきタングステン膜の膜厚も厚くなり、その結果、ウエハの反りが、プロセスを正常に実行できる限界を超える程度にまで増加する。また、このような問題が許容できる限度内である場合にも、タングステン膜を堆積する際に、ウエハの周辺で下地膜の剥がれが発生する等の問題がある。
【解決手段】本願発明は、貫通ビアを形成するための非貫通孔をタングステン部材で埋め込むに当たり、ウエハの周辺部において、下地のバリアメタル膜の外延部より内側に、タングステン部材の外延部を位置させるように成膜を実行するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置(または半導体装置)の製造方法における貫通電極技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2007−201512号公報(特許文献1)または、これに対応する米国特許公開2005−014311号公報(特許文献2)には、シリコン基板等を貫通する貫通プラグ形成技術として、以下のような例が開示されている。すなわち、ウエハの表面等に窒化シリコン膜等を含む絶縁膜がある状態で、深孔およびウエハの表面の全面にCVD(Chemical Vapor Deposition)等によりタングステン膜等を形成し、窒化シリコン膜をストップ膜として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等により、深孔にタングステンプラグを埋め込む。その後、ウエハの裏面に対しても、CMPを実施して、タングステンプラグを露出させることによって、貫通プラグを形成する。
【0003】
日本特開2007−49103号公報(特許文献3)および日本特開2006−41450号公報(特許文献4)には、ウエハの裏面および貫通孔内に窒化シリコン等の絶縁膜がある状態で、貫通孔およびウエハの裏面の全面にタングステン膜等をCVD等により形成することにより、貫通プラグを形成する技術が開示されている。
【0004】
日本特開2006−19431号公報(特許文献5)または、これに対応する米国特許公開2006−6539号公報(特許文献6)には、シリコン基板等を貫通するストライプ状貫通プラグ形成技術として、以下のような例が開示されている。すなわち、ウエハの表面等に窒化シリコン膜等を含む絶縁膜がある状態で、トレンチ状の深孔およびウエハの表面の全面にCVD等によりタングステン膜等を形成し、CMP等により、トレンチ状の深孔にストライプ状のタングステンプラグを埋め込む。その後、ウエハの裏面に対しても、CMPを実施して、ストライプ状のタングステンプラグを露出させることによって、ストライプ状の貫通プラグを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−201512号公報
【特許文献2】米国特許公開2005−014311号公報
【特許文献3】特開2007−49103号公報
【特許文献4】特開2006−41450号公報
【特許文献5】特開2006−19431号公報
【特許文献6】米国特許公開2006−6539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LSI(Large Scale Integration)における3次元実装等に関連して、シリコン基板等の半導体基板を貫通する貫通電極の形成技術が重要となっている。現時点で、主流の貫通電極形成技術としては、ボッシュプロセス(Bosch Process)が知られている。しかし、このプロセスは、ドライエッチングと成膜を多数回繰り返すため、非常に高価なプロセスとなっている。
【0007】
そこで、本願発明者等は、通常のドライエッチングを用いた貫通電極形成技術の可能性を検討したところ、以下のような課題があることが明らかとなった。すなわち、貫通孔となるべきアスペクト比が20以上の深孔(Deep Hole)を埋め込む貫通電極金属としては、埋め込み特性が良好なタングステンが使用されることが多いが、通常のドライエッチングによる深孔は、ボッシュプロセスによるものに比べて寸法の大きなものとなる(通常、孔の断面形状の最小寸法が4マイクロメートル以上)。この比較的大きな深孔を埋め込むためには、必然的にウエハの表面に成膜すべきタングステン膜の膜厚も厚くなり、その結果、ウエハの反りが、プロセスを正常に実行できる限界を超える程度にまで増加する。また、このような問題が許容できる限度内である場合にも、タングステン膜を堆積する際に、ウエハの周辺で下地膜の剥がれが発生する等の問題がある。
【0008】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0009】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置の製造プロセスを提供することにある。
【0010】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0012】
すなわち、本願の一つの発明は、貫通ビアを形成するための非貫通孔をタングステン部材で埋め込むに当たり、ウエハの周辺部において、下地のバリアメタル膜の外延部より内側に、タングステン部材の外延部を位置させるように成膜を実行するものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0014】
すなわち、貫通ビアを形成するための非貫通孔をタングステン部材で埋め込むに当たり、ウエハの周辺部において、下地のバリアメタル膜の外延部より内側に、タングステン部材の外延部を位置させるように成膜を実行するので、バリアメタル膜の剥がれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願の一実施の形態(実施形態1;ビアミドル方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)の一部(貫通ビア形成領域およびSiGe系デバイス領域を含む部分)の上面図である。
【図2】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)である。
【図3】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(ビア&プラグ部形成時)である。
【図4】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔加工用ハードマスク膜パターニング工程)である。
【図5】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔形成工程)である。
【図6】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(オゾンTEOS膜成膜工程)である。
【図7】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(酸化シリコン膜エッチング工程)である。
【図8】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(アモルファスシリコン膜エッチング工程)である。
【図9】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(窒化シリコン膜成膜工程)である。
【図10】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔埋め込み工程)である。
【図11】図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(表面側CMP工程)である。
【図12】図10のバリアメタル膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図である。
【図13】図10のタングステン核付け膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図である。
【図14】図10のタングステン埋め込み膜成膜におけるウエハと周辺装置部分との関係を示すウエハ周辺上面図である。
【図15】図10のタングステン埋め込み膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図(図14のA−A’断面)である。
【図16】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(裏面薄膜化処理完了時点)である。
【図17】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(配線層形成完了時点)である。
【図18】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(裏面メタル膜成膜完了時点)である。
【図19】図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(実装完了時点)である。
【図20】本願の一実施の形態(実施形態2;ビアファースト方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)の一部(貫通ビア形成領域およびシリコン系CMOSデバイス領域を含む部分)の上面図である。
【図21】図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(ビア&プラグ部形成時)である。
【図22】図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(表面銅バンプ形成時)である。
【図23】図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(裏面薄膜化処理完了時点)である。
【図24】図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(裏面シリコンエッチング完了時点)である。
【図25】図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(積層実装完了時点)である。
【図26】本願の一実施の形態(実施形態3;ビアラスト方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後の図20のB−B’断面に対応する)の一部(貫通ビア形成領域およびシリコン系CMOSデバイス領域のPチャネルデバイス領域を含む部分)のデバイス断面図である。
【図27】図10に示す埋め込みタングステン膜形成完了時点の埋め込みタングステン膜厚とウエハのそれ量の関係を示すデータプロット図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0017】
1.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面に、窒化シリコン膜を形成する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜をCVDにより形成する工程;
(d)前記バリアメタル膜の外縁部近傍を除く前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜をCVDにより形成する工程;
(e)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(f)前記工程(e)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程とを有し、
前記工程(d)終了時、前記シリコンウエハ周辺部では前記バリアメタル膜が露出している。
【0018】
2.前記1項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(g)前記工程(a)および(b)の間において、前記シリコンウエハの前記デバイス主面、および前記非貫通孔の内面に、熱CVDにより、オゾンTEOS膜を形成する工程。
【0019】
3.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記窒化シリコン膜は、プラズマCVDにより、形成される。
【0020】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、第1の厚さを有する第1のタングステン膜を形成する工程;
(d2)前記下記工程(d1)の後、前記第1のタングステン膜上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2のタングステン膜を形成する工程とを有し、
前記工程(d2)終了時、前記第1のタングステン膜の外縁部近傍は露出している。
【0021】
5.前記4項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)は、ALDによって、実行される。
【0022】
6.前記4または5項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるウエハ処理温度は、摂氏550度以上、摂氏600度以下である。
【0023】
7.前記4から6項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、工程(c)、下位工程(d1)および(d2)の各処理気圧の内、工程(c)の気圧が最も低く、下位工程(d2)の気圧が最も高い。
【0024】
8.前記1から7項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域にデバイスを形成した後、且つ、BEOL工程に入る前に実行される。
【0025】
9.前記1から7項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域におけるプリメタル絶縁膜を形成する前に、実行される。
【0026】
10.前記1から9項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記窒化シリコン膜が有する応力の方向は、前記タングステン膜が有する応力を打ち消す方向のものである。
【0027】
11.前記1から10項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(i)前記工程(e)と(f)の間において、前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記窒化シリコン膜を除去する工程。
【0028】
12.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面に、窒化シリコン膜を形成する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜を形成する工程;
(d)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜を形成する工程;
(e)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(f)前記工程(e)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程、
ここで、前記窒化シリコン膜が有する応力の方向は、前記タングステン膜が有する応力を打ち消す方向のものである。
【0029】
13.前記12項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、第1の厚さを有する第1のタングステン膜を形成する工程;
(d2)前記下記工程(d1)の後、前記第1のタングステン膜上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2のタングステン膜を形成する工程とを有し、
前記工程(d2)終了時、前記第1のタングステン膜の外縁部近傍は露出している。
【0030】
14.前記12または13項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(g)前記工程(e)と(f)の間において、前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記窒化シリコン膜を除去する工程。
【0031】
15.前記13または14項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)は、ALDによって、実行される。
【0032】
16.前記13から15項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるウエハ処理温度は、摂氏550度以上、摂氏600度以下である。
【0033】
17.前記13から16項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、工程(c)、下位工程(d1)および(d2)の各処理気圧の内、工程(c)の気圧が最も低く、下位工程(d2)の気圧が最も高い。
【0034】
18.前記12から17項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域にデバイスを形成する前に、実行される。
【0035】
19.前記12から17項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域におけるプリメタル絶縁膜を形成した後、且つ、BEOL工程に入る前に実行される。
【0036】
20.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面、および前記非貫通孔の内面に、熱CVDにより、オゾンTEOS膜を形成する工程
(c)前記工程(b)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面上の前記オゾンTEOS膜上に、プラズマCVDにより、窒化シリコン膜を形成する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜を形成する工程;
(e)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜を形成する工程;
(f)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程。
【0037】
21.前記20項の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)は、以下の下位工程を含む:
(e1)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、第1の厚さを有する第1のタングステン膜を形成する工程;
(e2)前記下記工程(e1)の後、前記第1のタングステン膜上に、その外縁部近傍を除いて、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2のタングステン膜を形成する工程。
【0038】
22.前記20または21項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(h)前記工程(f)と(g)の間において、前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記窒化シリコン膜を除去する工程。
【0039】
23.前記21または22項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(e1)は、ALDによって、実行される。
【0040】
24.前記21から23項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記下位工程(e2)におけるウエハ処理温度は、摂氏550度以上、摂氏600度以下である。
【0041】
25.前記21から24項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、工程(d)、下位工程(e1)および(e2)の各処理気圧の内、工程(d)の気圧が最も低く、下位工程(e2)の気圧が最も高い。
【0042】
26.前記20から25項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(g)は、前記デバイス主面側のデバイス領域にデバイスを形成する前に、実行される。
【0043】
27.前記20から25項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(g)は、前記デバイス主面側のデバイス領域におけるプリメタル絶縁膜を形成した後、且つ、BEOL工程に入る前に実行される。
【0044】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0045】
更に、本願において、「半導体装置」または「半導体集積回路装置」というときは、主に、各種トランジスタ(能動素子)単体、および、それらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板)上に集積したものをいう。ここで、各種トランジスタの代表的なものとしては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に代表されるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を例示することができる。このとき、集積回路構成の代表的なものとしては、Nチャネル型MISFETとPチャネル型MISFETを組み合わせたCMOS(Complemetary Metal Oxide Semiconductor)型集積回路に代表されるCMIS(Complemetary Metal Insulator Semiconductor)型集積回路を例示することができる。
【0046】
今日の半導体集積回路装置、すなわち、LSI(Large Scale Integration)のウエハ工程は、通常、原材料としてのシリコンウエハの搬入からプリ・メタル(Premetal)工程(M1配線層下端とゲート電極構造の間の層間絶縁膜等の形成、コンタクト・ホール形成、タングステン・プラグ、埋め込み等からなる工程)あたりまでのFEOL(Front End of Line)工程と、M1配線層形成から始まり、アルミニウム系パッド電極上のファイナル・パッシベーション膜へのパッド開口の形成あたりまで(ウエハ・レベル・パッケージ・プロセスにおいては、当該プロセスも含む)のBEOL(Back End of Line)工程に大別できる。FEOL工程の内、ゲート電極パターニング工程、コンタクト・ホール形成工程等は、特に微細な加工が要求される微細加工工程である。一方、BEOL工程においては、ビアおよびトレンチ形成工程、特に、比較的下層のローカル配線(たとえば4層程度の構成の埋め込み配線では、M1からM3あたりまで、10層程度の構成の埋め込み配線では、M1からM5あたりまでの微細埋め込み配線)等において、特に微細加工が要求される。なお、「MN(通常N=1から15程度)」で、下から第N層配線を表す。M1は第1層配線である。
【0047】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」、「酸化シリコン系絶縁膜」等と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NCS)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0048】
また、酸化シリコン系絶縁膜と並んで、半導体分野で常用されているシリコン系絶縁膜としては、窒化シリコン系絶縁膜がある。この系統の属する材料としては、SiN,SiCN,SiNH,SiCNH等がある。ここで、「窒化シリコン」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiNおよびSiNHの両方を含む。同様に、「SiCN」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiCNおよびSiCNHの両方を含む。
【0049】
なお、SiCは、SiNと類似の性質を有するが、SiONは、むしろ、酸化シリコン系絶縁膜に分類すべき場合が多い。
【0050】
窒化シリコン膜は、SAC(Self−Aligned Contact)技術におけるエッチ・ストップ膜として、多用されるほか、SMT(Stress Memorization Technique)における応力付与膜としても使用される。
【0051】
同様に、「ニッケル・シリサイド」というときは、通常、ニッケル・モノ・シリサイドを指すが、比較的純粋なものばかりではなく、ニッケル・モノ・シリサイドを主要な構成要素とする合金、混晶等を含む。また、シリサイドは、ニッケル・シリサイドに限らず、従来から実績のあるコバルト・シリサイド、チタン・シリサイド、タングステン・シリサイド等でもよい。また、シリサイド化のための金属膜としては、Ni(ニッケル)膜以外にも、例えばNi−Pt合金膜(NiとPtの合金膜)、Ni−V合金膜(NiとVの合金膜)、Ni−Pd合金膜(NiとPdの合金膜)、Ni−Yb合金膜(NiとYbの合金膜)またはNi−Er合金膜(NiとErの合金膜)のようなニッケル合金膜などを用いることができる。なお、これらのニッケルを主要な金属元素とするシリサイドを「ニッケル系のシリサイド」と総称する。
【0052】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0053】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0054】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0055】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0056】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
【0057】
1.本願の一実施の形態(実施形態1;ビアミドル方式)の半導体装置の製造方法等の説明(主に図1から図19および図27)
この例は、説明の便宜上、デバイス領域6のデバイス構成が、主に、ニッケル系以外のシリサイド層(たとえば、コバルトシリサイド)を用いたSiGe−HBT等について具体的に説明するが、ニッケル系以外のシリサイド層を用いたCMOSまたはCMIS構成のものにもほぼそのまま適用できる。ビアミドル方式は、FEOLプロセスとBEOLプロセスの中間のプリメタル絶縁膜形成完了前後に貫通電極形成を開始する点が特徴となっている。
【0058】
図1は本願の一実施の形態(実施形態1;ビアミドル方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)の一部(貫通ビア形成領域およびSiGe系デバイス領域を含む部分)の上面図である。図2は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)である。図3は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(ビア&プラグ部形成時)である。図4は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔加工用ハードマスク膜パターニング工程)である。図5は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔形成工程)である。図6は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(オゾンTEOS膜成膜工程)である。図7は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(酸化シリコン膜エッチング工程)である。図8は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(アモルファスシリコン膜エッチング工程)である。図9は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(窒化シリコン膜成膜工程)である。図10は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(非貫通孔埋め込み工程)である。図11は図1のX−X’断面の内、貫通ビア形成領域における非貫通孔形成前からビア&プラグ部形成までのデバイス断面プロセスフロー図(表面側CMP工程)である。図12は図10のバリアメタル膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図である。図13は図10のタングステン核付け膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図である。図14は図10のタングステン埋め込み膜成膜におけるウエハと周辺装置部分との関係を示すウエハ周辺上面図である。図15は図10のタングステン埋め込み膜成膜におけるウエハの端部での成膜状況を示すウエハ端部周辺断面図(図14のA−A’断面)である。図16は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(裏面薄膜化処理完了時点)である。図17は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(配線層形成完了時点)である。図18は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(裏面メタル膜成膜完了時点)である。図19は図1のX−X’断面に対応するデバイス断面図(実装完了時点)である。図27は図10に示す埋め込みタングステン膜形成完了時点の埋め込みタングステン膜厚とウエハのそれ量の関係を示すデータプロット図である。これらに基づいて、本願の一実施の形態(実施形態1;ビアミドル方式)の半導体装置の製造方法等を以下のように複数の部分に分けて説明する。なお、これらの説明の一部は、セクション2、及び3の一部でもある。
【0059】
以下の工程では、半導体ウエハとして、300φのp型単結晶シリコンウエハ(当初の厚さ、たとえば、885マイクロメートル程度)を例にとり具体的に説明するが、他の径のウエハ(たとえば、450φ、200φ、150φ、100φ等)、他の導電型のウエハ(たとえば、n型単結晶シリコンウエハ等)、他の構成のウエハ(たとえば、エピタキシャルウエハ、SOIウエハ等)、または他の材料のウエハ(たとえばSiCウエハ,GaAsウエハ,GaNウエハ等)であっても良い。
【0060】
(1)非貫通孔形成からビア&プラグ部形成までの説明(主に図1から図11および図27)
まず、図1および図2(図1のX−X’断面)により、対象となるデバイスの一例であるSiGe−HBT(Heterobipolar Transistor)のチップ領域の一部3の平面レイアウトを説明する。図1および図2に示すように、シリコンウエハ1のデバイス面1a側(シリコンウエハの裏面1bの反対側)には、デバイス領域6としてのSiGe−HBT領域および、その近傍に、それと基板の裏面とを繋ぐ貫通電極を形成するための貫通ビア形成領域4が形成されている。SiGe−HBT領域6内には、SiGe−HBTが形成されており、このSiGe−HBTは、p型単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1a側の表面領域周辺に作られており、周辺とSTI(Shallow Trench Isolation)領域およびDTI(Deep Trench Isolation)領域によって分離されている。これらの分離領域に囲まれたコレクタ領域11上には、エピタキシャルベース領域7が設けられており、その上面中央部には、ベースエミッタ間絶縁膜8で囲まれたエミッタ不純物領域10がある。エミッタ不純物領域10およびベースエミッタ間絶縁膜8上には、ポリシリコンエミッタ電極9が設けられており、露出したエピタキシャルベース領域7の表面領域には、表面シリサイド膜15(コバルトシリサイド膜)が形成されている。また、p型単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1a側のほぼ全面は、プリメタル絶縁膜16(たとえば、主に酸化シリコン系絶縁膜から構成されている)で被覆されている。
【0061】
この状態で、貫通ビア形成領域4において、図2に示すように、シリコンウエハ1(半導体ウエハ)のデバイス面1a側から非貫通孔5を形成する。サイズは、幅10マイクロメートル程度(セクション2,3については、5マイクロメートル程度であり、いずれにしても、最小寸法が4マイクロメートル程度以上の比較的広いものを主な対象としている)、長さ50マイクロメートル程度、深さ125マイクロメートル程度を例示することができる。
【0062】
次に、図3に示すように、非貫通孔5を絶縁物やメタル部材で埋め込んで、ビア&プラグ部17を形成する。この図2から図3への詳細プロセスを図4から図11によって説明する。
【0063】
まず、図4に示すように、通常のリソグラフィにより、非貫通孔加工用ハードマスク膜18(非貫通孔加工用下層酸化シリコン膜18a、非貫通孔加工用アモルファスシリコン膜18b、非貫通孔加工用上層酸化シリコン膜18c)をパターニングする。
【0064】
次に、図5に示すように、異方性ドライエッチングにより、非貫通孔5を形成する。
【0065】
次に、図6に示すように、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面に、たとえば、枚葉式の熱CVD(Chemical Vapor Deposition)により、比較的厚いオゾンTEOS(Tetra−Ethyl−Ortho−Silicate)酸化シリコン膜19等を成膜する。成膜条件としては、たとえば、成膜温度:摂氏510度程度(最も好適な範囲としては、摂氏500度から520度)、処理気圧80キロパスカル程度(最も好適な範囲としては、78キロパスカルから82キロパスカル)、ガス流量:TEOS/O/N=1500mgm/1000sccm/12000sccm、膜厚:1マイクロメートル程度を例示することができる。この熱CVDにより形成された厚いオゾンTEOSにより、熱CVDにより形成されることで深い非貫通孔5全面にオゾンTEOS膜が形成されるようになるために半導体基板との確実な絶縁性を持たせられる。更にその後のタングステン膜の埋め込み厚さを低減させてウエハの反りを低減させる。
【0066】
次に、図7に示すように、異方性ドライエッチングにより、シリコン酸化膜エッチングを実行することにより、非貫通孔加工用アモルファスシリコン膜18bを露出させる。
【0067】
次に、図8に示すように、表面の非貫通孔加工用アモルファスシリコン膜18bを除去する。続いて、異方性ドライエッチングによるシリコン酸化膜エッチング(エッチング量は、非貫通孔加工用下層酸化シリコン膜18aの厚さの程度)を実行することにより、非貫通孔加工用下層酸化シリコン膜18aを除去する。なお、以下のセクションで説明するように、ハードマスクの下地膜が酸化シリコン系膜ではなく、酸化シリコン系膜との間で比較的大きな選択比を有する場合(下地膜または部材がシリコン、窒化シリコン等)は、その下地膜または部材をストッパとして、エッチングを実行すればよい。
【0068】
次に、図9に示すように、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面に、たとえば枚葉式のプラズマCVDにより、窒化シリコン膜21を成膜する。なお、窒化シリコン膜21は、通常、非貫通孔5の入り口周辺にも形成される。成膜条件としては、たとえば、成膜温度:摂氏480度程度(最も好適な範囲としては、摂氏400度から550度)、処理気圧270パスカル程度(最も好適な範囲としては、200パスカルから350パスカル)、ガス流量:SH/NH/Ar/H=50sccm/120sccm/2500sccm/750sccm、上部電極への印加高周波電力(13.56MHz:120W、400kHz:120W)、膜厚:100nm程度を例示することができる。なお、このプロセスに使用できる成膜装置の一例として、アプライドマテリアル社の「Producer」を例示することができる。
【0069】
次に、図10に示すように、非貫通孔5の内部を埋め込むように、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面および非貫通孔5の内部に、タングステン等からなるメタル部材を成膜する。その詳細を順に、以下に示す。
【0070】
すなわち、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面および非貫通孔5内面の全体に、たとえば、枚葉式の熱CVD(サーマル低圧CVD)により、たとえばTiN膜等のバリアメタル膜22を成膜する。成膜条件としては、たとえば、成膜温度:摂氏680度程度(最も好適な範囲としては、摂氏670度から690度)、処理気圧40パスカル程度(最も好適な範囲としては、30パスカルから50パスカル)、ガス流量:TiCl/NH=30sccm/400sccm、膜厚:40nm程度を例示することができる。
【0071】
続いて、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面および非貫通孔5内面の全体に、たとえば、枚葉式の熱CVDにより、タングステン核付け膜23aを成膜する。この熱CVDとしては、ALD(Atomic Layer Deposition)が好適である(被覆性が良いので、後の埋め込みタングステンの成膜時の活性種による下地膜へのアタックを有効に抑止できるからである)。成膜条件としては、たとえば、成膜温度:摂氏300度程度(最も好適な範囲としては、摂氏250度から350度)、処理気圧650パスカル程度(最も好適な範囲としては、500パスカルから800パスカル)、ガス流量:WF/B/Ar/H=20sccm/150sccm/300sccm/150sccm、膜厚:50nm程度を例示することができる。
【0072】
続いて、たとえば枚葉式の熱CVDにより、非貫通孔5の内部を埋め込むように、シリコンウエハ1のデバイス面1a側のほぼ全面および非貫通孔5の内部に、タングステン埋め込み膜23bを成膜する。成膜条件としては、たとえば、成膜温度:摂氏575度程度(最も好適な範囲としては、摂氏550度から600度。反り低減、埋め込み性等の観点から、少なくとも摂氏500度以上の温度が必要である)、処理気圧10.5キロパスカル程度(最も好適な範囲としては、9キロパスカルから12キロパスカル)、ガス流量:WF/H/N=400sccm/750sccm/100sccm、膜厚:6マイクロメートル程度を例示することができる。なお、このプロセスに使用できる成膜装置の一例として、東京エレクトロン社の「Trias」を例示することができる。
【0073】
ここで、タングステン核付け膜23a(第1の厚さを有する第1のタングステン膜)とタングステン埋め込み膜23b(第2の厚さを有する第2のタングステン膜)でタングステン膜23を構成しており、このタングステン膜23とバリアメタル膜22で、図3に示したメタル部材を構成している。
【0074】
ここで、図27に窒化シリコン膜21を100nm程度成膜した場合のウエハの反り量のタングステン埋め込み膜23bの厚さ依存性を示すデータプロット図である。一般に、後のCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の処理に支障のない反り量の絶対値の上限は、300マイクロメートル程度と考えられる。通常、タングステン膜の厚さが2マイクロメートルを超えると、それがひどくなり、CMP等のための搬送が困難になると考えられている。しかし、本実施の形態では、タングステン膜と逆方向の応力を有する窒化チタン膜を下地に形成しているので、その相殺効果により、ウエハの反り量が低減されている。尚、窒化シリコン膜はウエハ端部を下側に反らせる応力を持たせることも、(引っ張り応力)ウエハ端部を上側に反らせる応力(圧縮応力)を持たせることも、成膜条件を調整することで可能となる。本発明ではタングステン膜と逆方向の応力を持たせてやる。
【0075】
次に、図11に示すように、たとえばCMP等により、非貫通孔5外のメタル部材および表面の窒化シリコン膜21を除去することにより、ビア&プラグ部17(図3参照)を形成する。これで、図3の状態に到達したことになる。
【0076】
(2)非貫通孔埋め込みプロセスの詳細説明(主に図12から図15)
このでは、(1)において、図9および図10に関して説明した非貫通孔5への金属部材の埋め込みプロセスの詳細について説明する。
【0077】
まず、窒化チタン膜22の成膜について説明する。図12に示すように、シリコンウエハ1は、加熱されたサセプタ71a(チャック機構がないウエハステージ)上に置かれた状態で成膜が行われる。この場合は、ウエハがチャック等されておらず、且つ、処理気圧が比較的低いので、窒化チタン膜22は、シリコンウエハ1のデバイス面1aの全面に成膜され、その外縁部22eは、ベベル(Bevel)部1cと裏面1bの境界近傍まで及ぶ。
【0078】
タングステン核付け膜23aについては、図13に示すように、シリコンウエハ1は、チャック機構があるウエハステージ71b)上に置かれ、真空吸着された状態で成膜が行われる。この場合は、ウエハがチャックされており、且つ、窒化チタン膜22の場合と比較して処理気圧が比較的高いので、タングステン核付け膜23aの外縁部24は、窒化チタン膜22の外縁部22eよりも内側、すなわち、より後退したものとなる。
【0079】
タングステン埋め込み膜23bについては、図14および図15(図14のA−A’断面)に示すように、加熱されたサセプタ71a(チャック機構がないウエハステージ)上に置かれた状態で成膜が行われる。この場合は、ウエハがチャック等されていないが、タングステン核付け膜23aの場合と比較して処理気圧が更に高く、且つ、膜付着防止リング72がもう得られている関係で、タングステン埋め込み膜23bの外縁部25はタングステン核付け膜23aの外縁部24よりも更に内側、すなわち、より後退したものとなる。すなわち、ウエハの周辺5ミリメータ程度の領域には、タングステン埋め込み膜23bは形成されない(膜付着防止リング72の上部張り出し部の長さが3ミリメータ程度の時)。
【0080】
このような構造とすることにより、タングステン埋め込み膜23bの成膜時における弗素等の活性種による窒化チタン膜22およびその下地へのアタックを防止することができるので、窒化チタン膜22の剥がれ等の問題が発生しない。
【0081】
(3)貫通孔形成から実装までの説明(主に図16から図19)
図3の状態から、図16に示すように、BEOL工程を開始する。すなわち、コンタクトホールを開口して、そこにタングステンプラグ26等を埋め込む。続いて、M1配線として、たとえば、アルミニウム系メタル配線28(アルミニウム系パッド層を含む)を形成する。アルミニウム系メタル配線28の具体的構造としては、下層の比較的薄いTiN膜、中間の比較的厚いアルミニウムを主要な成分とする主メタル配線膜、および上層の比較的薄いTiN膜から構成されるものを例示することができる。
【0082】
その後、ファイナルパッシベーション(Final Passivation)膜等の配線層絶縁膜27を形成して、必要なパッド開口等を形成する。また、必要に応じて、層間絶縁膜を形成して、上層のメタル配線を形成しても良い。なお、ここでは、アルミニウム系メタル配線の例を示したが、銅系または銀系のダマシン配線でもよい。
【0083】
次に、図17に示すように、シリコンウエハ1の裏面1bに対して、薄膜化処理を施すことにより、非貫通孔5を貫通ビア20とする。この薄膜化処理としては、たとえば、バックグラインディング処理およびそれに引き続くCMP処理(またはドライポリッシング処理)等を例示することができる。
【0084】
次に、図18に示すように、シリコンウエハ1の裏面1bのほぼ全面に、たとえばスパッタリング成膜により、裏面メタル膜29を成膜する。この裏面メタル膜29の構成としては、シリコンウエハ1の裏面1bに近い方から、チタン膜(たとえば、厚さ100nm程度)、ニッケル膜(たとえば、厚さ200nm程度)、金膜(たとえば、厚さ100nm程度)等から成るものを例示することができる。
【0085】
この後、必要があれば、ダイシング処理等により、シリコンウエハ1を個々のチップ2に分割する。もちろん、ウエハレベル実装の場合は、そのままでよい。
【0086】
次に、図19に示すように、たとえば有機部材を主要な構成要素とする配線基板33上のメタルランド膜32(たとえば、銅ランド膜)上に、たとえば鉛フリー半田層等の半田層31を介して、チップ2またはウエハ1を実装する。
【0087】
2.本願の一実施の形態(実施形態2;ビアファースト方式)の半導体装置の製造方法等の説明(主に図20から図25)
このセクションでは、図4から図11に関して説明した貫通電極形成プロセスを、デバイス領域6がCMOSまたはCMIS構成であるウエハに適用して、多重積層構造を構成する方法について説明する。この方式の特徴は、貫通電極の形成プロセスを通常のウエハプロセスに先行して実施するので、ソースドレインまたはゲートの低抵抗化対策として、ニッケル系シリサイドを使用したものにも適用できる点である。
【0088】
なお、このセクションでは、説明の簡略化のために、配線プロセスとして、単層構造の例を示したが、セクション3と同様に、多層構造としてもよい。
【0089】
図20は本願の一実施の形態(実施形態2;ビアファースト方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後)の一部(貫通ビア形成領域およびシリコン系CMOSデバイス領域を含む部分)の上面図である。図21は図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(ビア&プラグ部形成時)である。図22は図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(表面銅バンプ形成時)である。図23は図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(裏面薄膜化処理完了時点)である。図24は図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(裏面シリコンエッチング完了時点)である。図25は図20のB−B’断面に対応するデバイス断面図(積層実装完了時点)である。これらに基づいて、本願の一実施の形態(実施形態2;ビアファースト方式)の半導体装置の製造方法等を説明する。
【0090】
図21(ビアファースト方式における図20のB−B’断面)は図3(ビアミドル方式)に対応する図であり、図20は、図21の時点における図1(ビアミドル方式)に対応する図である。しかし、ビアファースト方式においては、デバイス領域6(CMOSFETまたはCMISFET形成領域)には、基本的に何も作られていない状態(p型単結晶シリコン基板部1pの状態)で、ビア&プラグ部17の形成が行われる。従って、Nチャネルデバイス領域34およびPチャネルデバイス領域35は、この時点においては、正確には、それぞれNチャネルデバイス領域となるべき領域およびPチャネルデバイス領域となるべき領域である。
【0091】
図21に続いて、図22に示すように、図21の状態のシリコンウエハ1を通常のウエハプロセスのスターティングウエハとして、ウエハプロセス(FEOL工程)を実行することにより、たとえば、ニッケル系サリサイド(Salicide)プロセスによるCMOSデバイスを構成するPチャネルMISFET39等を形成する。すなわち、p型単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1aの表面領域には、STI領域12に囲まれたNウエル領域36があり、その表面領域にソースドレイン領域37が形成される。また、p型単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1aの上方には、ゲート絶縁膜を介して、ゲート電極38(たとえばポリシリコンゲート)が形成される。
【0092】
これに続いて、単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1a上に、先に説明したようなプリメタル絶縁膜16が形成される。次に、プリメタル絶縁膜16にコンタクトホールが形成され、その中に、タングステンプラグ26が埋め込まれる。次に、プリメタル絶縁膜16上に、先と同様にM1配線(またはパッド総配線)として、たとえば、アルミニウム系メタル配線28(アルミニウム系パッド層を含む)を形成する。アルミニウム系メタル配線28の具体的構造としては、下層の比較的薄いTiN膜、中間の比較的厚いアルミニウムを主要な成分とする主メタル配線膜、および上層の比較的薄いTiN膜から構成されるものを例示することができる。
【0093】
その後、ファイナルパッシベーション(Final Passivation)膜等の配線層絶縁膜27を形成して、必要なパッド開口等を形成する。また、図26に説明するように、必要に応じて、層間絶縁膜を形成して、上層のメタル配線を形成しても良い。なお、ここでは、アルミニウム系メタル配線の例を示したが、銅系または銀系のダマシン配線でもよい。
【0094】
次に、単結晶シリコン基板部1pのデバイス面1a上のほぼ全面に、UBM(Under Bump Metal膜)として、たとえば、クロム膜41(たとえば、厚さ175nm程度)をスパッタリング成膜等により成膜する。続いて、その上の全面に、たとえば、銅シード膜(たとえば、厚さ150nm程度)をスパッタリング成膜等により成膜し、その後、レジスト膜によるパターンを用いた電解メッキにより、比較的厚い表面銅バンプ42(たとえば、厚さ5マイクロメートル程度)を形成する。続いて、不要なレジスト膜を除去し、硫酸および過酸化水素水等の混合液を用いて、ウエットエッチバックして、銅シード膜を除去する。更に、過マンガン酸カリウムおよびメタ珪酸ナトリウム等の混合液により、クロム膜41を自己整合的に除去すると図22のようなバンプ形状となる。
【0095】
次に、図23に示すように、シリコンウエハ1の裏面1bに対して、薄膜化処理を施すことにより、非貫通孔5を貫通ビア20とする。この薄膜化処理としては、たとえば、バックグラインディング処理およびそれに引き続くCMP処理(またはドライポリッシング処理)等を例示することができる。
【0096】
次に、図24に示すように、シリコンウエハ1の裏面1bに対して、シリコンエッチバック処理を施すことによって、ビア&プラグ部17の下面を若干突出させる。
【0097】
次に、図25に示すように、シリコンウエハ1の裏面1bの全面に、耐熱性有機ポリマ膜46(裏面有機絶縁膜)、たとえばBCB(Benzo−Cyclo−Butane)を塗布する。これをキュア処理した後、たとえば、アルミナ砥粒等を含有したスラリを用いたCMP等により、平坦化して、ビア&プラグ部17の下面を露出させる。続いて、表面銅バンプ42と同様にして、裏面UBM層43および裏面銅バンプ44を形成する。
【0098】
この後、必要があれば、ダイシング処理等により、シリコンウエハ1を個々のチップ2に分割する。もちろん、ウエハレベル実装の場合は、そのままでよい。
【0099】
続いて、たとえば銅錫共晶層45のような接続層を介して、裏面銅バンプ44および表面銅バンプ42をそれぞれ、下方のチップ又はウエハ2aの表面銅バンプ42および上方のチップ又はウエハ2bの裏面銅バンプ44と接続する。
【0100】
3.本願の一実施の形態(実施形態3;ビアラスト方式)の半導体装置の製造方法等の説明(主に図26)
このセクションでは、図4から図11に関して説明した貫通電極形成プロセスを、デバイス領域6がCMOSまたはCMIS構成であるウエハに適用して、多重積層構造を構成する他の方法について説明する。
【0101】
図26は本願の一実施の形態(実施形態3;ビアラスト方式)の半導体装置の製造方法の対象となる半導体チップ領域(貫通ビア形成のための非貫通孔形成直後の図20のB−B’断面に対応する)の一部(貫通ビア形成領域およびシリコン系CMOSデバイス領域のPチャネルデバイス領域を含む部分)のデバイス断面図である。この図に基づいて、本願の一実施の形態(実施形態3;ビアラスト方式)の半導体装置の製造方法等を説明する。
【0102】
図26に示すように、ビアラスト方式においては、ビアミドル方式よりも更に遅いタイミング、すなわち、通常のBEOLプロセス(配線プロセス)の終了後(または、ほぼ終了した後)に貫通ビア形成プロセス、具体的には、非貫通孔5の形成を開始する。同図において、層間プラグ部47が追加されている外は、図22とほぼ同じである。ただし、この場合は、熱処理温度との関係で、表面シリサイド膜15は、ニッケル系以外であり、たとえば、コバルト系、チタン系、または、タングステン系のシリサイドである。
【0103】
この後のプロセスは、実質的に図4から図11、図16、図17、図24および図25に説明したものと同じである。
【0104】
4.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本願の発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0105】
例えば、前記実施の形態では、配線層として、アルミニウム系通常配線(非埋め込み配線)を用いたものを主に例示したが、本願の発明はそれに限定されるものではなく、銅系、銀系等のダマシン配線(埋め込み配線)を用いたもの、および、アルミニウム系通常配線とダマシン配線の両方を用いたものにも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0106】
1 シリコンウエハ(半導体基板)
1a シリコンウエハの表面(デバイス面)
1b シリコンウエハの裏面
1c シリコンウエハのベベル部
1p p型単結晶シリコン基板部
2 半導体チップ(チップ領域)
2a 下方のチップ又はウエハ
2b 上方のチップ又はウエハ
3 チップ領域の一部
4 貫通ビア形成領域
5 非貫通孔
6 デバイス領域
7 エピタキシャルベース領域
8 ベースエミッタ間絶縁膜
9 ポリシリコンエミッタ電極
10 エミッタ不純物領域
11 コレクタ領域
12 STI領域
14 DTI領域
15 表面シリサイド膜
16 プリメタル絶縁膜
17 ビア&プラグ部
18 非貫通孔加工用ハードマスク膜
18a 非貫通孔加工用下層酸化シリコン膜
18b 非貫通孔加工用アモルファスシリコン膜
18c 非貫通孔加工用上層酸化シリコン膜
19 オゾンTEOS酸化シリコン膜
20 貫通ビア
21 窒化シリコン膜
22 バリアメタル膜(TiN膜)
22e バリアメタル膜の外縁部
23 タングステン膜
23a タングステン核付け膜
23b タングステン埋め込み膜
24 タングステン核付け膜の外縁部
25 タングステン埋め込み膜の外縁部
26 タングステンプラグ
27 配線層絶縁膜
28 メタル配線層(メタルパッド層)
29 裏面メタル膜
31 半田層
32 メタルランド膜
33 配線基板
34 Nチャネルデバイス領域
35 Pチャネルデバイス領域
36 Nウエル領域
37 ソースドレイン領域
38 ゲート電極
39 PチャネルMISFET
41 表面UBM層
42 表面銅バンプ
43 裏面UBM層
44 裏面銅バンプ
45 銅錫共晶層
46 裏面有機絶縁膜
47 層間プラグ部
71a チャック機構がないウエハステージ
71b チャック機構があるウエハステージ
72 膜付着防止リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面に、窒化シリコン膜を形成する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜をCVDにより形成する工程;
(d)前記バリアメタル膜の外縁部近傍を除く前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜をCVDにより形成する工程;
(e)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(f)前記工程(e)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程とを有し、
前記工程(d)終了時、前記シリコンウエハ周辺部では前記バリアメタル膜が露出している。
【請求項2】
前記1項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(g)前記工程(a)および(b)の間において、前記シリコンウエハの前記デバイス主面、および前記非貫通孔の内面に、熱CVDにより、オゾンTEOS膜を形成する工程。
【請求項3】
前記2項の半導体装置の製造方法において、前記窒化シリコン膜は、プラズマCVDにより、形成される。
【請求項4】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記窒化シリコン膜は、プラズマCVDにより、形成される。
【請求項5】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、第1の厚さを有する第1のタングステン膜を形成する工程;
(d2)前記下記工程(d1)の後、前記第1のタングステン膜上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2のタングステン膜を形成する工程とを有し、
前記工程(d2)終了時、前記第1のタングステン膜の外縁部近傍は露出している。
【請求項6】
前記5項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)は、ALDによって、実行される。
【請求項7】
前記6項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるウエハ処理温度は、摂氏550度以上、摂氏600度以下である。
【請求項8】
前記7項の半導体装置の製造方法において、工程(c)、下位工程(d1)および(d2)の各処理気圧の内、工程(c)の気圧が最も低く、下位工程(d2)の気圧が最も高い。
【請求項9】
前記8項の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域にデバイスを形成する前に、実行される。
【請求項10】
前記8項の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域におけるプリメタル絶縁膜を形成した後、且つ、BEOL工程に入る前に実行される。
【請求項11】
前記1項の半導体装置の製造方法において、前記窒化シリコン膜が有する応力の方向は、前記タングステン膜が有する応力を打ち消す方向のものである。
【請求項12】
前記1項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(i)前記工程(e)と(f)の間において、前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記窒化シリコン膜を除去する工程。
【請求項13】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面に、窒化シリコン膜を形成する工程;
(c)前記工程(b)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜を形成する工程;
(d)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜を形成する工程;
(e)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(f)前記工程(e)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程、
ここで、前記窒化シリコン膜が有する応力の方向は、前記タングステン膜が有する応力を打ち消す方向のものである。
【請求項14】
前記13項の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、以下の下位工程を含む:
(d1)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、第1の厚さを有する第1のタングステン膜を形成する工程;
(d2)前記下記工程(d1)の後、前記第1のタングステン膜上に、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さを有する第2のタングステン膜を形成する工程とを有し、
前記工程(d2)終了時、前記第1のタングステン膜の外縁部近傍は露出している。
【請求項15】
前記14項の半導体装置の製造方法において、更に、以下の工程を含む:
(g)前記工程(e)と(f)の間において、前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記窒化シリコン膜を除去する工程。
【請求項16】
前記15項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d1)は、ALDによって、実行される。
【請求項17】
前記16項の半導体装置の製造方法において、前記下位工程(d2)におけるウエハ処理温度は、摂氏550度以上、摂氏600度以下である。
【請求項18】
前記17項の半導体装置の製造方法において、工程(c)、下位工程(d1)および(d2)の各処理気圧の内、工程(c)の気圧が最も低く、下位工程(d2)の気圧が最も高い。
【請求項19】
前記18項の半導体装置の製造方法において、前記工程(a)から(f)は、前記デバイス主面側のデバイス領域にデバイスを形成する前に、実行される。
【請求項20】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)シリコンウエハのデバイス主面側から裏面に向けて、非貫通孔を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面、および前記非貫通孔の内面に、熱CVDにより、オゾンTEOS膜を形成する工程
(c)前記工程(b)の後、前記シリコンウエハの前記デバイス主面上の前記オゾンTEOS膜上に、プラズマCVDにより、窒化シリコン膜を形成する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記デバイス主面上の前記窒化シリコン膜上、前記デバイス主面側のシリコンウエハ周辺部、および前記非貫通孔の内面にバリアメタル膜を形成する工程;
(e)前記デバイス主面上の前記バリアメタル膜上、および前記非貫通孔内の前記バリアメタル膜上に、前記非貫通孔を埋め込むように、タングステン膜を形成する工程;
(f)前記デバイス主面側において、前記非貫通孔外の前記バリアメタル膜および前記タングステン膜を除去する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記シリコンウエハの前記裏面側を薄膜化することによって、前記非貫通孔を貫通ビアとする工程。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2011−192712(P2011−192712A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55698(P2010−55698)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】