説明

半導体装置

【課題】多層の金属配線層を有する半導体装置において、より一層のパッド配置面積の低減を図る。
【解決手段】アルミ3と、アルミ3との間に層間絶縁膜を介して設けられたアルミ2と、アルミ2,3間を接続するコンタクトと、アルミ3に対応して設けられた保護膜の開口部1と、を備え、開口部1の内側領域が、外部電極用パッドであり、かつ、ボンディング領域とプローブテスト領域の二つに分けて使用される半導体装置である。前記ボンディング領域では、アルミ3が露出され、該アルミ3によりアルミ2が隠れている。前記プローブテスト領域では、アルミ2が露出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層の金属配線層を有する半導体装置において、一の面上に列状に配置される外部電極用パッドの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ上には、一般的に外部電極として導電性のボンディングパッド(以下、パッドと略記する。)が複数配置されている。このパッドは、半導体チップを搭載するパッケージに組み立てる際に、パッケージに設けられた外部端子と電気的に接続される。また、半導体チップをパッケージに組み立てる前の動作試験において、プローブを用いてパッドに電気信号の入出力を行うことで、正常に動作するかどうかの確認が実施される。
【0003】
近年、半導体チップは高性能化、低コスト化の為に、高集積化が進展している。一方、パッケージへの組み立ての際のボンディング装置の性能や適用する設計ルール等の制約により、パッドのサイズや、隣接パッド間隔は、一定の値より縮小することが困難であった。さらに、高性能化による入出力ピンの本数増加に起因して、半導体チップ上に配置されるパッドの数は増加傾向にある。このため、半導体チップ上において、パッドの占める面積比率が増大し、チップサイズを決定する上で重要な要素となっている。
【0004】
背景技術に係るパッドについて、図12を参照して説明する。図12は、半導体チップ上に設けられた複数のパッドの構造および配置を示した平面図である。各パッドには内部回路への配線が接続されているが、簡略化のためその配線の図示は省略されている。
【0005】
一般に、金属配線層(アルミニウム等)を有する半導体チップにおいて、パッドは金属配線層の表面を露出して形成される。
【0006】
図12において、金属配線層51が保護用の絶縁膜で覆われているが、その金属配線層51の表面上においては開口部52が形成されて前記絶縁膜は存在しない。これにより、開口部52の内側領域における金属配線層51の上面がパッドとして露出されている。図12では同一形状のパッドが4つ、一列に並ぶように配置されている。
【0007】
動作試験に際してパッドにプローブを接触させると、パッド表面に凹溝形状のプローブ痕が形成される。プローブ痕上にボンディングを行うと、ボンディング部の固着力が低下する。そのため、ボンディングを行う領域(図12の領域54)と、プローブを接触させる領域(図12の領域53)をパッド上で分けることが行われている。
【0008】
ここで、プローブを接触させる領域53の幅に対して、ボンディングを行う領域54の幅は狭く設定することが可能なため、ボンディングを行う領域54の周囲部分は無駄なパッド領域となっている。
【0009】
そこで、プローブテストを行う領域とボンディングを行う領域の幅を変えることで、半導体チップに占められるパッドの配置面積を削減する技術が、特許文献1(特開2003−60051号公報)によって知られている。
【0010】
特許文献1に記載されているようなパッド配置をとることで、図12に示されるパッド配置に比較するとパッド配置面積の削減が可能となるが、今後の更なるチップサイズ縮小の要求に対応するには不十分であった。
【0011】
また一般に、2層以上の金属配線層を備えた半導体チップの場合には、最上層の金属配線層で形成されるパッドと、その下に位置する金属配線層で形成される同形状のパッドとを同じ二次元位置に配置し、それら2つのパッド間をコンタクトプラグで接続する技術が、特許文献2(特開2001−85465号公報)により知られている。このように上下に配置された2つのパッド間をコンタクトプラグで接続することにより、ボンディング時のパッドの剥がれを抑制することができる。
【0012】
しかしながら、特許文献2記載の技術では単に同形状の2つのパッドを同じ位置に重ねて接続しただけである。したがって、このような構成に特許文献1記載の技術を適用しても、パッドピッチ縮小効果は特許文献1記載の技術と同じなので、今後の更なる微細化に対応してチップサイズを縮小するには不十分なままであった。
【特許文献1】特開2003−60051号公報
【特許文献2】特開2001−85465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記背景技術の課題を解決することができる半導体装置を提供することにある。その目的の一例は、多層の金属配線層を有する半導体装置において、より一層のパッド配置面積の低減が可能なパッドの構造および配置を備えた半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様の半導体装置では、第1の配線と第2の配線が層間絶縁膜を介して設けられている。第1の配線と第2の配線の間はコンタクトで接続されている。そして、第1の配線に対応して保護膜の開口部が設けられている。
【0015】
そして、上記の開口部の内側領域が、外部電極用パッドとして使用されると共に、ボンディング領域とプローブテスト領域の二つに分けて使用される。
【0016】
こうした態様において、ボンディング領域では、第1の配線が露出され、該第1の配線により第2の配線が隠れている。プローブテスト領域では、第2の配線が露出されている。これにより、上記背景技術の課題が解決される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、多層の金属配線層を有する半導体装置において、パッド配置面積の更なる低減が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明は、2層以上の金属配線層を有する半導体装置に適用可能であるが、ここでは一例として、3層のアルミニウム配線を備えた半導体チップの場合について説明する。
【0020】
以下の説明において、最上層のアルミニウム配線(第1の配線)を第3アルミ、その1層下のアルミニウム配線(第2の配線)を第2アルミと記載する。
【0021】
なお、本明細書中の表現に関して、「上層」「上面」などに使用される「上」とは、半導体チップ内部から、パッドが配置される半導体チップの一表面へ向かう方向を意味し、また「下」とはその逆方向を意味する。
【0022】
「第1実施形態」
図1は本発明の第1実施形態による半導体装置のパッド部分のみを示した平面図である。具体例として、半導体チップ上に4つのパッドを一列に配置した場合が図示されている。この図において、長方形状の第3アルミ3が酸窒化シリコン膜(SiON)やポリイミド膜等の絶縁保護膜で覆われているが、その第3アルミ3の表面の上においては平面視T字形状の開口部1が設けられて、前記絶縁保護膜は存在しない。これにより、開口部1の内側領域における第3アルミ3の上面がパッドとして露出されている。
【0023】
また、第3アルミ3の下の配線層に第2アルミ2が位置しており、平面視T字形状を有している。
【0024】
図2(A)に図1のA−A’部断面を、図2(B)に図1のB−B’部断面を示す。
【0025】
図2(A)(B)において、第3アルミ3と第2アルミ2の間には、シリコン酸化膜(SiO2)等で形成される層間絶縁膜5が設けられている。また第3アルミ3と第2アルミ2とは、タングステン(W)等で形成されるコンタクトプラグ6によって接続されており、電気的に導通している。
【0026】
半導体装置表面を保護する絶縁保護膜4には開口部1が、第3アルミ3と第2アルミ2の位置に対応して設けられている。
【0027】
開口部1は、後述のように、図2の左右方向(パッド配列方向)に対して幅11と幅12の2種類の幅を有している。尚、第2アルミ2より下に位置する別の配線層等については、図示が省略されている。
【0028】
図3(A)に第3アルミ3と保護絶縁膜4の開口部1との位置関係を示す。また図3(B)に第2アルミ2と保護絶縁膜4の開口部1との位置関係を示す。
【0029】
図3(A)に示されるように、第3アルミ3は一定の幅10を有している。開口部1は平面視T字形状で、狭部の幅11と広部の幅12の2種類の幅を有している。第3アルミの幅10は、開口部1の狭部の幅11より大きく、広部の幅12より小さい寸法となっている。また開口部1は、図左右方向にて隣接する開口部の形状が180度回転するように配置されている。
【0030】
一方、図3(B)に示されるように、第2アルミ2は平面視T字形状で、狭部の幅13と広部の幅14の2種類の幅を有している。また第2アルミ2は、図左右方向にて隣接する第2アルミの形状が180度回転するように配置されており、かつ、開口部1のT字形状に対して、狭部および広部の対応が常に一致するように配置されている。ここで、第2アルミ2の狭部の幅13は、開口部1の狭部の幅11よりも小さい。第2アルミ2の広部の幅14は、開口部1の広部の幅12よりも大きい。
【0031】
開口部1を形成する際には、公知のフォトリソグラフィ技術を使用して保護絶縁膜がドライエッチングで除去される。開口部1の、幅11で形成された狭部においては、第3アルミ3の幅10よりも開口部1の狭部の幅11が小さい。そのため、ドライエッチングにより第3アルミ3の表面が露出された時点で、それ以上はドライエッチングによる除去が進行しない。
【0032】
一方、開口部1の、幅12で形成された広部においては、第3アルミ3の幅10よりも開口部1の広部の幅12が大きい。その結果、第3アルミ3が無い部分ではドライエッチングがさらに進行し、層間絶縁膜5も除去されて、下層の第2アルミ2の上面が一部露出する(図2参照)。
【0033】
開口部1の広部12に対応する第2アルミ2の広部の幅14は開口部1の広部の幅12よりも大きいので、ドライエッチングで第2アルミ2の表面が露出された時点で、それ以上はドライエッチングによる除去が進行しない。
【0034】
次に、本発明の半導体装置を用いてパッケージを組み立てるときの、上記パッド部分へのボンディング方法について説明する。図4は上記パッド部分における、ボンディングを行う領域とプローブテストを行う領域とを示す平面図である。
【0035】
ボンディングの際には図4に示されるように、保護絶縁膜の開口部1の、幅11で形成されている狭部にのみ、ボンディングを行う領域30が設定される。図5にそのボンディング時の様子が図1のA-A’断面を使って示されている。図5において、幅11に対応する部分の第3アルミ3にボンディングが実施されてワイヤの先端部分20が接合されている。開口部の狭部の幅11は、ボンディングの際に使用する装置の性能に合わせて、必要最小限の幅となるように設定されている。
【0036】
次に、本発明の半導体装置の動作テストを実施するときの、上記パッドへのプローブテストの方法について説明する。
【0037】
プローブテストの際には図4に示されるように、保護絶縁膜の開口部1の、幅12で形成されている広部にのみ、プローブテストを行う領域31が設定される。図6にそのプローブテスト時の様子が図1のA-A’断面を使って示されている。図6において、幅12に対応する部分の第3アルミ3にプローブの先端部分21が接触している。開口部1の広部の幅12は、プローブテストの際に使用する装置のアライメント性能やプローブ寸法等に合わせて、必要最小限の幅となるように設定されている。
【0038】
なお、第3アルミ3の寸法(図3の幅10)は開口部の広部の幅12よりも小さいため、プローブテストに際して、使用するプローブの状態によっては、下層の第2アルミ2の上面とプローブが接触する。第2アルミ2と第3アルミ3はコンタクトプラグ6を介して導通しているので、その場合にも問題なくプローブテストを行うことが可能である。
【0039】
次に、本実施形態の半導体装置のパッドによる効果を、図7を参照して説明する。
【0040】
図7(A)は比較例として、平面視T字形状の第3アルミ33のみからなるパッドを、2個並べて配置した場合の平面図である。この図において、第3アルミ33上に保護絶縁膜4の開口部1が設けられている。ここで、保護絶縁膜4は第3アルミ33に対して、一律に寸法dで外周部を覆っている。開口部1の内側領域における第3アルミ33の表面がパッドになって露出状態である。しかし、第3アルミ33の外周部が保護絶縁膜4で覆われていることにより、パッドより下の層に存在するトランジスタ回路等に対する耐湿性が確保される。
【0041】
図7(A)中の開口部1の寸法a、cはそれぞれ、ボンディングで使用する装置およびプローブテストで使用する装置の性能によってあらかじめ決まっている値である。また、隣接する第3アルミ33同士の間隔寸法bは、半導体装置の製造装置の性能を考慮した設計ルールにより、あらかじめ決まっている値である。
【0042】
したがって、図7(A)の比較例において、隣接するパッドの配置に必要な長さL1は、以下の式で定義される。
【0043】
L1=a+b+c+2d
次に、図7(B)は、本発明に係るパッドを2個並べて配置した場合の平面図である。この図において、長方形状の第3アルミ3上に保護絶縁膜4の開口部1が設けられている。図7(B)中のa、b、cの寸法は、あらかじめ決まっている値であり、先の比較例の場合と同じ寸法となっている。ここで、本発明においては、第3アルミ3の下の層に第2アルミ2が設けられており、第2アルミ2が露出されている部分2aの外周部における保護絶縁膜4の覆い寸法についても、比較例と同様にdとなっている。
【0044】
本発明においてはプローブテストに必要な開口幅cに対して、第3アルミ3の幅が狭くて足りないが、その不足分は第2アルミ2の上面(露出部分2a)で補われている。
【0045】
したがって、隣接する第3アルミ3同士の間隔は寸法bのままで、保護絶縁膜の開口部1の位置を寸法eだけ隣接パッド方向に短縮することができる。このため、本発明において、隣接するパッドの配置に必要な長さL2は、以下の式で定義される。
【0046】
L2=a+b+c+d-e
L1とL2を比較して明らかなように、本発明は比較例に対し、隣接するパッドの配置に必要な長さを、図7の左右方向において、寸法d+eだけ短縮することが可能である。3個以上のパッドを横1列に並べて配置する場合にも同様に、横方向に隣接する2つのパッドの配置に必要な長さを同寸法で短縮することが可能となる。
【0047】
また、第3アルミ3と第2アルミ2とを接続するコンタクトプラグ6に関しては、その配置場所や個数、形成材料については特に制限は無い。しかし、ボンディング時における第3アルミ3の剥がれ防止を考慮する場合には、ボンディング領域(図4の符号30参照)の下部に複数のコンタクトプラグを設けることが好ましい。
【0048】
また、本発明の半導体装置内の金属配線層はアルミニウムに限定されるものでは無い。例えば銅や、銅を含んだ積層膜、または、アルミニウムと他の金属との積層膜等でも、本発明のパッド構造に適用することが可能である。
【0049】
「第2実施形態」
さらに、本発明に係るパッドの変形例(第2実施形態)について説明する。
【0050】
図8は本発明の第2実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図で、図9は図8のC−C’部分における断面図である。第2アルミ2および保護絶縁膜の開口部1の形状については、先の第1実施形態と同じである。
【0051】
前述したように、保護絶縁膜の開口部1の、幅11で形成されている狭部にのみ、ボンディングを行う領域が設定されるが、本例の場合そのボンディング領域のみに第3アルミ34が存在している。一方、幅12を有する開口部1の広部の領域(プローブテスト領域)においては、第3アルミ34は設けられておらず、第2アルミ2の上面が直接露出されている。この点が先の第1実施形態と異なる。
【0052】
第3アルミ3と第2アルミ2の間はコンタクトプラグ6で接続されている(特に図9参照)。
【0053】
前記ボンディング領域でのボンディング方法については、前記ボンディング領域の構造が先の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0054】
前記プローブテスト領域に関しては、プローブが第2アルミ2の上面に接触することで、先の第1実施形態と同様にプローブテストを実施することができる。
【0055】
プローブテストに際しては、パッドを構成する金属配線層の剥がれは起きないので、本例のようにプローブテスト領域が単層の金属配線層で形成されていても問題はない。
【0056】
「第3実施形態」
さらに、本発明に係るパッドの別の変形例(第3実施形態)について説明する。
【0057】
図10は本発明の第3実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図である。
【0058】
本実施形態は、先の第1実施形態(図1)に示される保護絶縁膜の開口部1および第2アルミ2の形状を変えたものである。第3アルミ3の形状については、先の第1実施形態と同じである。
【0059】
図10を参照すると、本実施形態の保護絶縁膜の開口部15および第2アルミ22の形状が、第1実施形態のような平面視T字形状では無く、平面視L字形状となっている。つまり、第1実施形態では、開口部1および第2アルミ2の幅狭部に対し、開口部1および第2アルミ2の幅広部の両端が図の左右両方向に突き出ている。これと比較して、本実施形態の開口部15および第2アルミ22の幅広部はその幅狭部に対し、図左右方向のうちの一方向にのみ突き出している。
【0060】
したがって、幅12を有する開口部15の広部の領域(プローブテスト領域)においては、図10の左右方向のうちの一方向の側のみ、第2アルミ22の上面が露出されている。
【0061】
このようなパッド構造においても、プローブテストに必要な開口幅(開口部15の広部の幅12)は確保されているので、問題なくプローブテストを行うことが可能となる。
【0062】
他方、ボンディング領域(幅11を有する開口部1の狭部の領域)でのボンディング方法については、該ボンディング領域の構造が先の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0063】
以上のように本実施形態においては、開口部1の幅広部をその幅狭部に対して幅方向の一方向にのみ突き出させたことで、2つのパッドを並べて配置した場合のスペースの無駄を抑制することが可能となる。
【0064】
すなわち、第1実施形態(図1)においては、パッド形状が平面視T字形であるため、両端に位置するパッド部とで、図1の左右方向の突部の分だけスペースが無駄になる虞がある。
【0065】
これに対して、偶数個数のパッドを配置する場合に、本実施形態のパッドレイアウトを適用することで、1列に並べて配置されたパッドの両端において無駄なスペースが発生するのを防止することが可能となる。
【0066】
「第4実施形態」
さらに、本発明に係るパッドの別の変形例(第4実施形態)について説明する。
【0067】
図10は本発明の第4実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図である。
【0068】
本実施形態は、先の第3実施形態(図10)に示される第3アルミ3の形状を先の第2実施形態(図8)のように変えたものである。第2アルミ22および開口部15の形状については、先の第3実施形態と同じ平面視L字形である。
【0069】
したがって、第2実施形態と同様に、ボンディング領域(幅11を有する開口部1の狭部の領域)のみに第3アルミ34が存在している。幅12を有する開口部1の広部の領域(プローブテスト領域)においては、第3アルミ34は設けられておらず、第2アルミ22の上面が直接露出されている。
【0070】
前記ボンディング領域でのボンディング方法については、該ボンディング領域の構造が先の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0071】
前記プローブテスト領域に関しては、先の第2実施形態と同様に、問題なくプローブテストを実施することができる。
【0072】
また、この実施形態においても、第3実施形態と同様に、偶数個数のパッドを1列に並べて配置した場合のパッド両端部分において、無駄なスペースが発生するのを防止することが可能となる。

以上、幾つかの実施形態を挙げて説明したように、本発明は、多層の金属配線層を有する半導体装置において、ボンディングおよびプローブテストを行うためのパッドを形成する場合に関するものである。
【0073】
この場合、プローブテストでのプローブ痕がボンディング状態に悪影響を与えないよう、パッド上面は、ボンディング領域とプローブテスト領域とに分けて使用される。
【0074】
本発明の他の態様として、無駄なパッド領域を減らすためにボンディング領域はプローブテスト領域よりも狭くされている。そのため、列状に配置される複数のパッドの各々は、そのパッド配列方向に一部が突き出す形状(平面視T字形、平面視L字形など)に形成されている。この場合、チップ上のパッド配置面積を削減するために、パッドを列状に複数並べる際、パッドは、隣接するパッドどうしが180度回転した形になるように配置されている。
【0075】
さらに、ボンディング時のパッド剥がれを防止するため、最上層の金属配線層とこの1層下の金属配線層とで2層構造のパッドが形成され、かつ、両金属配線層間がコンタクトプラグを用いて導通接続されている。
【0076】
また、上記パッドを形成する上層と下層の金属配線の形状が異なっている。例えば、上層の金属配線は平面視長方形で、下層の金属配線は平面視T字形または平面視L字形などで形成される。
【0077】
上記パッドのボンディング領域では、上層の金属配線層の上面のみが露出され、下層の金属配線層は上層の金属配線層で隠れている。
【0078】
上記パッドのプローブテスト領域では、上層の金属配線層と下層の金属配線層の両方の上面が露出するか、あるいは、下層の金属配線層の上面のみが露出されている。
【0079】
このような態様により、ボンディング時のパッドの強度は保ったままで、パッド配置に必要な面積を削減することが可能となる。パッド配置面積を削減できる理由については先の第一実施形態(図7参照)で説明したとおりである。
【0080】
なお、上下に重ねて配置された2つのパッドおよび、パッドを露出するための開口部の形状に関しては、上記で説明した実施形態以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態による半導体装置のパッド部分のみを示した平面図。
【図2】(A)は図1のA−A’部断面図、(B)は図1のB−B’部断面図。
【図3】(A)は第3アルミと保護絶縁膜の開口部との位置関係を示す図、(B)は第2アルミと保護絶縁膜の開口部との位置関係を示す図。
【図4】第1実施形態のパッド部分における、ボンディングを行う領域とプローブテストを行う領域とを示す平面図である。
【図5】第1実施形態のパッド部分へのボンディング時の様子が図1のA-A’断面を使って示された図。
【図6】第1実施形態のパッド部分へのプローブテスト時の様子が図1のA-A’断面を使って示された図。
【図7】(A)は比較例として、平面視T字形状の第3アルミのみからなるパッドを、2個並べて配置した場合の平面図、(B)は、本発明に係るパッドを2個並べて配置した場合の平面図。
【図8】本発明の第2実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図である。
【図9】図8のC−C’部分における断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図である。
【図11】本発明の第4実施形態のパッドの構造および配置を示す平面図である。
【図12】背景技術に係るパッドの構造および配置を示した平面図である。
【符号の説明】
【0082】
1、15 開口部
2、22 第2アルミ(第2の配線)
3、33、34 第3アルミ(第1の配線)
4 絶縁保護膜
5 層間絶縁膜
6 コンタクトプラグ
10 第3アルミの幅
11 開口部の狭部の幅
12 開口部の広部の幅
13 第2アルミの狭部の幅
14 第2アルミの広部の幅
20 ボンディングワイヤの先端部分
21 プローブの先端部分
30 ボンディングを行う領域(ボンディング領域)
31 プローブテストを行う領域(ブローブテスト領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、前記第1の配線との間に層間絶縁膜を介して設けられた第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線の間を接続するコンタクトと、前記第1の配線に対応して設けられた保護膜の開口部と、を備え、
前記開口部の内側領域が、外部電極用のパッドであり、かつ、ボンディング領域とプローブテスト領域の二つに分けて使用される半導体装置であって、
前記ボンディング領域では、前記第1の配線が露出され、該第1の配線により第2の配線が隠れており、
前記プローブテスト領域では、前記第2の配線が露出されている、半導体装置。
【請求項2】
前記第1の配線と前記第2の配線は平面形状が異なることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記プローブテスト領域では、前記第1の配線だけでなく前記第2の配線も露出されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の配線の、前記プローブテスト領域の側の平面形状が、前記第1の配線の、前記プローブテスト領域の側の平面形状よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の配線が前記ボンディング領域のみに存在することにより、前記プローブテスト領域では前記第2の配線が露出されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記開口部の、前記ブローブテスト領域の側の形状が、前記開口部の、前記ボンディング領域の側の形状よりも大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2の配線の、前記ブローブテスト領域の側の形状が、前記第2の配線の、前記ボンディング領域の側の形状よりも大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
複数の前記パッドが一の面上に一列に配置されており、
該パッドは、パッド配列方向に一部が突き出す形状に形成され、かつ、それぞれ隣接するパッドどうしが180度回転した形になるように配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記パッドは、前記ブローブテスト領域が前記パッド配列方向に前記ボンディング領域よりも突き出した形状である、請求項8に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−218264(P2009−218264A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57720(P2008−57720)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】