説明

半導体装置

【課題】ノーマリオフ特性が実現され、飽和電流値低下が生じず、ゲート電圧に対するドレイン・ソース間電流特性が良好なHEMTを実現する半導体装置を提供する。
【解決手段】第1半導体層131と、第1半導体層131の主面135上に積層され、第1半導体層131の主面135側に2DEG層137を生じさせる第2半導体層133と、第1半導体層131及び第2半導体層133と比して電子親和力χが大きい半導体材料からなり、2DEG層137と電気的に接続された第3半導体層139と、第2半導体層133及び第3半導体層139上に設けられた絶縁膜157と、第3半導体層139にオーミック接続される第1電極151と、第2半導体層133及び第3半導体層139上に絶縁膜157を介して設けられた第2電極153と、第1電極151との間に第2電極153を介在させ、2DEG層137と電気的に接続された第3電極155とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、2次元キャリアガス層をキャリアの伝導路としつつノーマリオフ特性を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キャリアの伝導路となる2次元キャリアガス層を生じさせるためのヘテロ接合を有する従来の半導体装置においては、いくつかの問題点があった。
【0003】
図6(a)に、ヘテロ接合を有する半導体装置として、HEMT(High Electron Mobility Transistor)として機能する、従来の一般的な構成の半導体装置611を示す。
【0004】
半導体装置611は、図示するように、第1半導体層131と、第2半導体層133と、ソース電極151と、ゲート電極153と、ドレイン電極155と、ゲート絶縁膜157と、を備える。
【0005】
第1半導体層131は、例えばGaNから構成されている。第2半導体層133は、第1半導体層131よりも大きいバンドギャップを有しかつ第1半導体層131より小さい格子定数を有する、例えばAlGaNから構成されている。よって、第1半導体層131と第2半導体層133の界面は、ヘテロ界面135をなす。そして、ヘテロ界面135の第1半導体層131側には、第1半導体層131と第2半導体層133との自発分極とピエゾ分極とに基づき、2次元キャリア(電子)ガス層(2DEG層)137が生じる。第2半導体層133は、電子供給層として、第1半導体層131は電子走行層として、それぞれ機能する。
【0006】
ソース電極151、ゲート電極153、ドレイン電極155は、それぞれ第2半導体層133の上面に形成される。その内、ソース電極151とドレイン電極155は、いずれも、第2半導体層133とオーミック接続(低抵抗接続)している。一方、ゲート電極153は、第2半導体層133との間に、ゲート絶縁膜157を備えている。
【0007】
半導体装置611をHEMTとして動作させる場合、典型的には、ドレイン電極155の電位をソース電極151の電位よりも高くする。
【0008】
この状態でゲート電極153に電圧を与えないときに、ドレイン電極155とソース電極151との間に流れる電流IDSが0となることが、切望されている。
【0009】
そして、ゲート電極153に正の電圧VGSを与えるときに、IDSが増加し、VGSを変化させればIDSを変化させることができることが、さらに切望されている。このようにできれば、半導体装置611は、電圧制御型トランジスタとして理想的に動作するからである。
【0010】
しかし実際には、ゲート電極153に電圧を印加しないと、ソース電極151とドレイン電極155との間に電流IDSが流れてしまう。これは、いわゆるノーマリオン特性として知られている現象である。すなわち、半導体装置611の動作は、図7の実線721で示されるように、VGS=0であってもIDSは0にならず、所定の正の値IDSONになってしまう。IDS=0とするためには、ゲート電極153に所定の負の電圧VGSOFFを与える必要がある。
【0011】
そこで、トランジスタとして理想の動作をさせるために、まず考えられることが、あらかじめゲート電極153に上述の所定の負の電圧VGSOFFを与えることにより空乏層を発生させてソース電極151とドレイン電極155との間の電流通路を遮断し、該電圧を基準にしてゲート電圧VGSによるドレイン・ソース間電流IDSの制御を行うことである。
【0012】
しかしながら、HEMTをオフにするためにゲート電極153に負電位を与え続けることは、半導体装置の周りの電気回路が全体として複雑なものとなり、ノイズ源の出現やコストアップをもたらしてしまうという欠点がある。
【0013】
ノーマリオフを実現するための別の手法として、電子供給層を薄くすることが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、図6(b)に示す半導体装置613のように、電子供給層である第2半導体層133の上面のゲート形成部付近をリセス(凹部)にして、ゲート電極153の下部の電子供給層を薄くする、いわゆるリセスゲートが知られている。
【0014】
なお、半導体装置613は、リセス691が設けられている他は、前述の図6(a)に示した半導体装置611と、同じ構成をしている。
【0015】
半導体装置613の電気特性は、図7の一点鎖線723のようになる。半導体装置613においては、ゲート電極153の直下にリセス691が設けられ、電子供給層である第2半導体層133が部分的に薄くされている。これにより、電子供給層と電子走行層との間のヘテロ結合に基づくピエゾ分極と自発分極とによる電界が弱くなり、2次元電子ガス層の濃度が減少する。そして、ゲート電極153の直下のピンチオフ電圧が上昇する。そのため、ゲート電極153に電圧を加えなくてもゲート電極153の直下の2次元電子ガス層が消失し空乏化する。このため、VGS=0のときIDS=0となる、ノーマリオフ特性が得られる。
【0016】
しかしながら、半導体装置613においては、電子供給層を薄くしたために、電子供給層である第2半導体層133と電子走行層である第1半導体層131とによるピエゾ分極と自発分極とで生じる電界が弱くなり、2DEG層137の濃度又は厚さが低下する。よって、キャリアである電子にとっては、チャネルが狭くなる。このことは、HEMTとしての性能に悪影響を及ぼす。例えば、チャネルが狭くなったことにより、ドレイン・ソース間に流すことのできる電流IDSの最大値すなわち飽和電流値が低下する。
【0017】
一般に、ヘテロ界面の2DEG層をキャリアの伝導路とするHEMTにおいては、ドレインとソースの間に流すことのできる電流IDSの最大値は、伝導路の広さで決定されてしまう。つまり、図7の実線721で示すように、ある値以上のゲート電圧VGSを印加しても、電流IDSはある値IDSS以上は増加しない。
【0018】
リセスゲートにしてチャネルを狭くした半導体装置613においては、一般的な半導体装置611の飽和電流値IDSSに比べ、図7にIDSS1として示すとおり、飽和電流値が低下してしまう。これは、HEMTとしての性能が低いことを意味する。
【0019】
結局、一般的な半導体装置611には、ノーマリオン特性を有するという欠点があり、一方、半導体装置613は、リセスゲートを設けたことによりノーマリオフ特性の獲得には成功したものの、飽和電流値の低下という代償を払ったといえる。
【0020】
また、HEMTとしては、小さなゲート印加電圧VGSによって大きなドレイン・ソース間電流IDSが流れるのが望ましい。つまり、ドレイン・ソース間抵抗は小さい方がよい。ところが、リセスゲートを採用してチャネルを狭くした半導体装置613では、ゲート電極153の直下の2次元電子ガス層が消失しているため、ドレイン・ソース間抵抗(チャネル層抵抗)は増加してしまう。
【特許文献1】特開2005−183733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
図7の点線725で示される電気特性を有するような、ノーマリオフ特性の容易な獲得と飽和電流値の低下防止とを両立させたHEMTの開発が待たれている。
【0022】
さらには、ゲート電圧増加に対するドレイン・ソース間電流増加の割合が大きいことが好ましい。つまり、図7において、点線725の傾き735が、実線721の傾き731よりも大きいことが望ましい。
【0023】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ノーマリオフ特性が実現され、飽和電流値低下が生じず、ゲート電圧に対するドレイン・ソース間電流特性が良好なHEMTを実現する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願発明の一態様によれば、第1半導体層と、第1半導体層の主面上に積層され、第1半導体層の主面側に2次元キャリアガス層を生じさせる第2半導体層と、第1半導体層及び第2半導体層と比して電子親和力が大きい半導体材料からなり、2次元キャリアガス層と電気的に接続された第3半導体層と、第2半導体層及び第3半導体層上に設けられた絶縁膜と、第3半導体層にオーミック接続される第1電極と、第2半導体層及び第3半導体層上に絶縁膜を介して設けられた第2電極と、第1電極との間に第2電極を介在させ、2次元キャリアガス層と電気的に接続された第3電極とを備える半導体装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ノーマリオフ特性が実現され、飽和電流値低下が生じず、ゲート電圧に対するドレイン・ソース間電流特性が良好なHEMTを実現する半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0027】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置は、図1(a)に示すように、第1半導体層131と、第1半導体層131の主面135上に積層され、第1半導体層131の主面135側に2次元キャリア(電子)ガス層(2DEG層)137を生じさせる第2半導体層133と、第1半導体層131及び第2半導体層133と比して電子親和力χが大きい半導体材料からなり、2DEG層137と電気的に接続された第3半導体層139と、第2半導体層133及び第3半導体層139上に設けられた絶縁膜157と、第3半導体層139にオーミック接続される第1電極(ソース電極)151と、第2半導体層133及び第3半導体層139上に絶縁膜157を介して設けられた第2電極(ゲート電極)153と、第1電極151との間に第2電極153を介在させ、2DEG層137と電気的に接続された第3電極(ドレイン電極)155とを備える。図1(a)に示した第1の実施の形態に係る半導体装置は、HEMTである。
【0028】
第1半導体層131は、例えば1〜3μmの厚さのGaN等の窒化物系化合物半導体により構成されて、電子走行層として機能する。第2半導体層133は、第1半導体層131よりも薄い、例えば5〜50nm(さらに好ましくは5〜30nm)の厚さのAlGaN等の窒化物系化合物半導体により構成されて、電子供給層として機能する。
【0029】
第1半導体層131と第2半導体層133とは、異種の窒化物系化合物半導体であって、第2半導体層133のバンドギャップエネルギーが第1半導体層131のそれよりも大きくなるように構成されている。このため、両層間の界面は、ヘテロ界面135をなすとともに、第1半導体層131と第2半導体層133とのピエゾ分極又は第2半導体層133の自発分極による電界によって、該界面の近傍の第1半導体層131側には2DEG層137が生じる。
【0030】
第3半導体層139は、第1半導体層131及び第2半導体層133と比して電子親和力χが大きい半導体材料が用いられる。第3半導体層139には、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、炭化ケイ素(SiC)、窒化インジウム(InN)、ガリウムヒ素(GaAs)、アルミニウムヒ素(AlAs)、インジウムリン(InP)、及びガリウムリン(GaP)等の半導体材料、更にこれらの混晶半導体を用いることができる。また、第3半導体層139には、例えば、第1半導体層131及び第2半導体層133と比して電子親和力χが小さい窒化アルミニウム(AlN)等と上述した電子親和力χが大きい半導体材料との混晶半導体であって、混晶半導体の電子親和力χが第1半導体層131及び第2半導体層133より大きければ用いることができる。
【0031】
第3半導体層139は、第2半導体層133の上面に設けられてもよいが、ヘテロ界面135に達するまで、さらに望ましくは図1(a)に示すように2DEG層137に達するまで彫り込まれた凹部に埋め込まれるように設けられることが好ましい。そのように設けられると、第3半導体層139は、2DEG層137と、図中171の丸印で示されるように、接触するので、オン抵抗を低減できる。
【0032】
第3半導体層139は、第1半導体層131及び第2半導体層133とヘテロ接合をなす。さらに、第3半導体層139は、2DEG層137ともヘテロ接合をなす。
【0033】
ソース電極151は、第3半導体層139がSiの場合は、例えばAl等で構成され、第3半導体層139が窒化物を含む場合は、例えば、Ti/Al等で構成される。ソース電極151に用いられるTi/Al等は仕事関数が小さいので、アニール処理が施されることにより、ソース電極151と第3半導体層139とが、オーミック接続(低抵抗接続)をなすようになっている。
【0034】
ゲート電極153は、Alから構成されて、第2半導体層133の上面に、ゲート絶縁膜157を挟んで、主に第2半導体層133の上面に設けられる。但しその際、ゲート電極153及びゲート絶縁膜157は、その直下に、第3半導体層139と2DEG層137(第1半導体層131)との接触部171が位置するように設けられる。
【0035】
すなわち図1(a)に示すとおり、ゲート電極153及びゲート絶縁膜157は、概ね第2半導体層133の上面に設けられるが、それらの一部は第2半導体層133と第3半導体層139との境界を超えて(通って)、第3半導体層139の上面にまで延伸して設けられる。ここで、かかる延伸における下部の末端を表す図中の点線161よりもゲート電極153側に、接触部171が位置していることが望ましい。
【0036】
ドレイン電極155は、第1電極151との間に第2電極153を介在させ、2DEG層137と電気的に接続されている。ドレイン電極155は、例えば、Ti/Al等で構成される。ドレイン電極155に用いられるTi/Al等は仕事関数が小さいので、アニール処理が施されることにより、ドレイン電極155と第2半導体層133とが、オーミック接続(低抵抗接続)をなすようになっている。
【0037】
以下に、この半導体装置111がHEMTとして動作する様子を説明する。
【0038】
2DEG層137を有する半導体装置111をHEMTとして動作させる通常の手順に従い、ドレイン電極155の電位をソース電極151の電位よりも高くする。
【0039】
本実施の形態に係る半導体装置111においては、ドレイン電極155の電位をソース電極151の電位よりも高くしても、第3半導体層139が第2半導体層133と2DEG層137の両方とヘテロ接合をなしており、かつ、かかる電圧は該ヘテロ接合に対する逆方向電圧となるので、第3半導体層139とそれに接触する2DEG層137(又は第2半導体層133)との界面には空乏層が生じており、第3半導体層と2DEG層137とは電気的に遮断され、電流は流れない。
【0040】
このように、本実施の形態に係る半導体装置111においては、従来の半導体装置と異なり、容易にノーマリオフ特性が得られる。
【0041】
図3(a)に、本実施の形態に係る半導体装置111においてゲート電極153に電圧を印加していない場合の電子のエネルギーの様子を示す。なお、理解を容易にするために、第1半導体層131のバンド構造を2次元電子ガス層のバンド構造に置き換えて説明する。第3半導体層139(フェルミエネルギーEf)と2次元電子ガス層137(伝導電子エネルギーEc)との界面(接触部171)には十分に厚いヘテロ障壁が存在する。よって、第3半導体層139側の電子はかかるヘテロ障壁に跳ね返されて(あるいは、障壁を乗り越えられないために)、2次元電子ガス層137に到達できない。よって、結果的にドレイン電極155とソース電極151との間には電流が流れない。
【0042】
次に、ゲート電極153に正の電位を与える。図1(a)に示したとおり、ゲート電極153の直下に第3半導体層139と2DEG層137との接触部171が存在するから、かかる接触部171に存在するヘテロ障壁は、ゲート電極153からの電界の影響を顕著に受ける。すると、図3(b)に示すように、かかる電界によって接触部171におけるヘテロ障壁が薄くなることにより、トンネル効果が顕著になって、第3半導体層139から2DEG層137へと電子が流れ、さらにドレイン電極155に取り込まれる。つまり、ゲート電圧の印加により、HEMTをオン状態にすることができる。
【0043】
ここで、上述の効果が十分に発現されるためには、2DEG層137に対して垂直な方向に電界を生じさせることが望ましい。そこで、ゲート電極153の下面の高さを一定にすることが好適であり、そのようにするためには第2半導体層133の上面と第3半導体層139の上面とを同一平面にすることが望ましい。つまり、第2半導体層133の上面と第3半導体層139の上面とが段差なく平坦につながっていることが望ましい。なお、ここでいう平坦とは、必ずしも厳密な平坦さばかりでなく、半導体装置の製造に際して不可避なバラツキの範囲内での平坦さをも含むものとする。
【0044】
また、本実施例において、ゲート電極153に与える正の電位を高くするほど、ヘテロ障壁は薄くなるので、ドレイン・ソース間の電流IDSは大きくなる(図7の点線725)。
【0045】
また、本実施例においては、図6(b)に示した従来の半導体装置613と異なり第2半導体層133のうちゲート電極153の直下の部分を薄くしていないこと、及び第3半導体層139が電子の伝導チャネルである2DEG層137と接触部171において直接に接していることによって、ソース抵抗がほぼゼロになる。よって、ドレイン・ソース間の抵抗値(オン抵抗)は、図6(a)に示す従来の半導体装置611及び図6(b)に示す613よりも小さい。よって、図7に示すとおり、ゲート電圧VGSの変化量に対するドレイン・ソース間の電流IDSの変化量(図7中の傾き735)が、従来の半導体装置(図7中の傾き731)に比べて大きい。つまり、ゲート電圧に対するドレイン・ソース間電流特性が良好なHEMTとなる。
【0046】
また、本実施の形態に係る半導体装置111においては、従来の半導体装置613の場合と異なり、電子供給層である第2半導体層133のうちのゲート電極153の直下の部分を格別薄くしてはいない。接触部171の右側すなわちドレイン電極155側においては、従来の半導体装置611と同様に、ヘテロ界面135の上に十分な厚さの第2半導体層133すなわち電子供給層がある。よって、従来の半導体装置613に比べて、飽和電流の低下という問題は生じにくい。
【0047】
ゆえに、本実施の形態に係る半導体装置111は、ノーマリオフ特性を獲得し、飽和電流値の低下が生じず、ドレインとソースの間の抵抗が低いため電気特性が良いという点で、従来の半導体装置に比べて優れたHEMTである。
【0048】
なお、HEMTが実際に使用される環境では、しばしば、スパイク状の突発的な電気的ノイズが発生する。その際、従来のショットキー接合によるノーマリオフ特性を有するHEMTは、かかるノイズの発生の度に、誤ってオン/オフしてしまうおそれがある。それを防止するために、本実施の形態に係る半導体装置111では、ゲート絶縁膜157の厚みを増加させ、ゲート電圧VGSがある正の値以上になったときにはじめてオン状態になるようにすればよい。すなわち、図7の白抜き矢印で示すように、本実施例に係るHEMTの電気特性を表す線は、ゲート絶縁膜157を厚くすることにより、容易に+X軸方向に平行移動が可能である。しかも、かかる平行移動の程度は、ゲート絶縁膜157が厚いほど大きい。そこで、上述の突発的な電気的ノイズの大きさを検討した上で、それよりも高いゲート電圧VGSではじめてオン状態になるように、ゲート絶縁膜157の厚みを調整すればよい。このように、本実施の形態に係るHEMTは、ノーマリオフ特性を獲得しつつも、ノイズの存在する状況にも柔軟に対応することができるものである。
【0049】
また、本実施の形態に係る半導体装置111は、第3半導体層139が半導体材料であるので、半導体材料で構成された第1半導体層131及び第2半導体層133と第3半導体層139との界面は、半導体同士によって形成される。半導体同士によって形成される界面は、高温にした場合でも反応を引き起こすことはないが、半導体材料と金属によって形成される界面では、高温にした場合に半導体と金属が反応を引き起こすことがある。つまり、半導体同士によって形成される界面は、半導体材料と金属によって形成される界面と比べて相性がよく、安定している。
【0050】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置113は、図1(b)に示すように、第1の実施の形態に係る半導体装置111を、3つの点において、改良したものである。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
【0051】
1つめの改良点は、半導体装置113を真上から見たときの、ゲート電極153と第3半導体層139との重なりを大きくした点である。これにより、第3半導体層139と2DEG層137とは、ゲート電極153の下方で確実に接触部171を有することになるため、ノーマリオフ特性を有するHEMTとしての動作が確実になる。
【0052】
2つめの改良点は、第3半導体層139を第1半導体層131及び第2半導体層133に埋め込む際に、第3半導体層139が2DEG層137を貫いて第1半導体層131の十分に深い部分にまで達するようにしたことである。これにより、第3半導体層139と2DEG層137とは、接触部171にて面接触することになるため、ノーマリオフ特性を有するHEMTとしての動作が確実になるとともに、ゲート電圧に対するドレイン・ソース間の電流特性をさらに良好にすることができるようになる。
【0053】
3つめの改良点は、ドレイン電極155を、2DEG層137を貫いて第1半導体層131の十分に深い部分にまで達するように掘った溝に埋め込んだことである。これにより、ドレイン電極155は、2DEG層137と直接に接触することになるため、オン抵抗を減少させることができる。よって、ゲート電圧の変化に対するドレイン・ソース間の電流の特性をさらに良好にすることができるようになる。
【0054】
なお、これら3つの改良点のうち、1つだけを適用してもよいし、又は、任意の2つを組み合わせて適用してもよい。
【0055】
このように構成された第2の実施の形態に係る半導体装置113でも、第1の実施の形態に係る半導体装置111と同様の効果を得ることができる。
【0056】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置211は、図2(a)に示すように、第1の実施の形態に係る半導体装置111を、製造の容易さという観点から変形したものである。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
【0057】
本実施の形態に係る半導体装置211においては、第3半導体層139を成長させるために第1半導体層131及び第2半導体層133に掘られる溝が、深さの向きに溝幅が狭くなるテーパーをなしている。該溝を、第1の実施の形態に係る半導体装置111のように、第2半導体層の上面に対して垂直に、エッチング等によって形成しなくてもよいから、製造が容易になる。
【0058】
本実施の形態に係る半導体装置211がその効果を十分に奏するためには、第1の実施の形態に係る半導体装置111の場合と同様に、ゲート電極153が第2半導体層133と第3半導体層139との境界を含むように、第2半導体層133と第3半導体層139の上面に延伸して設けられることが望ましい。そうすることで、ゲート電極153の直下に、第3半導体層139と2DEG層137との接触部171が位置することになる。
【0059】
このように構成された第3の実施の形態に係る半導体装置211でも、第1の実施の形態に係る半導体装置111と同様の効果を得ることができる。
【0060】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置213は、図2(b)に示すように、第2の実施の形態に係る半導体装置113を、製造の容易さという観点から変形したものである。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
【0061】
本実施の形態に係る半導体装置213においては、第3半導体層139を成長させるために第1半導体層131及び第2半導体層133に掘られる溝が、深さの向きに溝幅が狭くなるテーパーをなしている。該溝を、第2の実施の形態に係る半導体装置113のように、第2半導体層の上面に対して垂直に、エッチング等によって形成しなくてもよいから、製造が容易になる。
【0062】
このように構成された第4の実施の形態に係る半導体装置213でも、第1の実施の形態に係る半導体装置111と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係る半導体装置411は、図4(a)に示すように、第1〜第4の実施の形態に係る半導体装置111,113,211,213と比して、第2半導体層133と第3半導体層139との厚み方向の界面に着目するのではなく、第2半導体層133と第3半導体層139との幅方向(横方向)の界面に着目した点が異なる。すなわち、第5の実施の形態に係る半導体装置411の第3半導体層139は、第1半導体層131にも第2半導体層133にも埋め込まずに、第2半導体層133の上面に設ける。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
【0064】
第3半導体層139を第2半導体層133の上面に設けることは、第3半導体層139を第1半導体層131や第2半導体層133に埋め込む場合(第1〜第4の実施の形態)に比べて、第3半導体層139と第1半導体層131及び第2半導体層133との密着性を向上させることができる等の利点がある。
【0065】
第3半導体層139は、第2半導体層133の第1の部分(段差部)133Aの上面に設けられる。第2半導体層133の第1の部分133Aは、第2半導体層133の第2の部分133Bの一部に設けられている。図4(a)の横方向の一点鎖線の上側が第1の部分133Aであり、下側が第2の部分133Bである。なお、第1の部分133Aは、n型不純物をドープしてコンタクト層としてもよい。
【0066】
なお、このように第2半導体層133を部分的に厚く形成することは、相対的観点からすれば、第2半導体層133の上面のうち、第3半導体層139が形成されていない領域をリセスして(凹部として)ノーマリオフ特性を得ようとする前述の従来の手法(図6(b))と同じである。
【0067】
しかしながら、本実施の形態においては、電子供給層たる第2半導体層133は、厚さがまず全範囲に渡って通常通り確保された上で、第3半導体層139の形成される範囲だけ特に厚くなるように形成され、また、厚み方向に段差をなして第2半導体層133の側面が露出するように形成されている。このため、ドライエッチングによってゲート電極の直下の電子供給層を数原子層程度の厚み以下としなければならない従来のリセスゲート構造とは異なり、より確実にノーマリオフ特性が得られ、また、製造が容易なために歩留まりの向上が見込まれる。また、前述の、図7のIDSS1で表される、リセスによる飽和電流値の低下は、本実施の形態に係る半導体装置411には、生じない。
【0068】
第2半導体層133と第3半導体層139とでは、第2半導体層133が厚くなっている上に、第3半導体層139自体の厚さも加わって、第2半導体層133の上面において段差が生じている。ゲート電極153は、ゲート絶縁膜157を伴いつつ、第2半導体層133の上面に形成された第3半導体層139の少なくとも側壁面から、第2半導体層133と第3半導体層139との境界を含み、段差によって露出した第2半導体層133の一部にかけての範囲を、覆うように形成される。ゲート電極153及びゲート絶縁膜157の断面は、図示するように、ソース電極151の上面にまで延伸し、結果的に階段状になることが望ましい。
【0069】
図4(a)において、横の点線461及び463、縦の点線465及び467、は、以下の説明のためのものである。
【0070】
ゲート電極153の上部は、第3半導体層139と第2半導体層133の第1の部分133Aとの界面よりも高い位置、例えば図中の点線461で示される面より上に位置する必要がある。ゲート電極153の下部は、第3半導体層139と第2半導体層133の第1の部分133Aとの界面よりも低い位置、例えば、図中の点線463で示される面より下に位置する必要がある。ゲート電極153は、第2半導体層133の第1の部分133Aとゲート絶縁膜157とが接している部分の、第3半導体層139側の側壁端にあたる点線465から、ドレイン電極155側の側壁端となる点線467まで、延伸していることが望ましい。
【0071】
本実施の形態に係る半導体装置411が動作するにあたって、2箇所の領域が重要である。ひとつは、第2半導体層133と第3半導体層139との境界を含む、点線461と点線463に挟まれた、楕円471で示される領域である。この領域における、本発明に特徴的な電気特性の発現のメカニズムは、第1の実〜4の実施の形態の場合と同様である。もうひとつ重要であるのは、2DEG層137のうち、点線465と点線467とに挟まれた、楕円473で示される領域である。この領域における、本発明に特徴的な電気特性の発現のメカニズムについては、後述する。
【0072】
本実施の形態に係る半導体装置411は、第3半導体層139としてヘテロ電極を採用し、ノーマリオフ特性を獲得する。そして、本実施の形態における第2半導体層133の第1の部分133Aと第2の部分133Bとが、第1の実施の形態の2DEG層137(図1(a))までの電流通路の役割を担うので、原理的には、本実施の形態における作用・効果は、第1の実施の形態における作用・効果と同様である。
【0073】
ゲート電極153は、第3半導体層139と第2半導体層133の第1の部分133Aとの境界をまたぐようにして、第3半導体層139の側面と第2半導体層133の第1の部分133Aの側面とに、ゲート絶縁膜157を介して形成されている。
【0074】
本実施の形態に係る半導体装置411のHEMTとしての動作を、図5に示す電子エネルギーの模式図を参照しつつ説明する。まず、ドレイン電極155の電位をソース電極151の電位よりも高くすると、第2半導体層133と第3半導体層139との間には逆バイアスが印加された状態になる。
【0075】
ゲート電極153に電圧を加えないとき、上述のように、第2半導体層133と第3半導体層139との間には逆バイアスが印加された状態になり、ドレイン・ソース間には電流が流れない。図4(a)において楕円471及び楕円473により示される2つの領域を考慮に入れて、かかる状態を電子エネルギーの模式図として表すと、図5(a)のようになる。
【0076】
領域471、すなわち第3半導体層139と電子供給層(第2半導体層133)との界面には、厚いヘテロ障壁が存在する。
【0077】
したがって、図5(a)に示すように、第3半導体層139の内部の電子は2DEG層137に到達することができない。よって、半導体装置411の内部には、電流が流れない。すなわち、半導体装置411は、ノーマリオフ特性を有する。
【0078】
ここで、ゲート電極153に正の電圧を印加すると、領域471と領域473はいずれもゲート電極153からの電界の影響を受ける。特に、ゲート電極153に印加された電圧による電界は、領域471に含まれる界面と領域473に含まれる界面とに垂直方向に生じるため、ゲート電極153に印加された電圧の影響は大きい。
【0079】
なお、領域471に含まれる界面に垂直方向に電界を生じさせるためには、第2半導体層133(段差部133A)の側面と第3半導体層139の側面とを同一平面にすることが望ましい。つまり、第2半導体層133の側面と第3半導体層139の側面とが段差なく平坦につながっていることが望ましい。本実施の形態では、第3半導体層139をマスクとして第2半導体層133の側面を露出させるようにエッチングし、その後、ゲート絶縁膜157及びゲート電極153を積層し、所定のパターニングを施すことにより、容易に上記の構造を形成することができる。
【0080】
ゲート電極153に正の電圧を印加した場合の電子のエネルギーの状態は、図5(b)のようになる。まず、領域471、すなわち第3半導体層139と電子供給層(第2半導体層133)との界面におけるヘテロ障壁は、ゲート電極153の主に点線461と点線463とにより囲まれた部分からの電界により、図中の上向きの白抜き矢印(1)で示すように、薄くなる。さらに、2DEG層137は、ゲート電極153の主に点線465と点線467とにより囲まれた部分からの電界により、図中の左向きの白抜き矢印(2)で示すように、低くなる。
【0081】
このように、ヘテロ障壁が薄くなることと、低くなることが相まって、トンネル効果が生じやすくなる。すなわち、電子は、第3半導体層139から2DEG層137に到達するようになる。こうして本実施の形態に係る半導体装置411においてソース電極151とドレイン電極155との間に電流が流れ、オン状態となる。
【0082】
ゲート電極153に加えた電圧を高くすれば、ヘテロ障壁はさらに薄くかつ低くなるので、トンネル効果がより生じやすくなり、その結果、半導体装置411を流れる電流が増加する。このように、ゲート電圧VGSを制御することにより、ドレイン・ソース間電流IDSを制御することができる。
【0083】
このように構成された第5の実施の形態に係る半導体装置411でも、第1の実施の形態に係る半導体装置111と同様の効果を得ることができる。
【0084】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係る半導体装置413は、図4(b)に示すように、第5の実施の形態に係る半導体装置411では、第2半導体層133の第2の部分133Bの上面の第3半導体層139を設ける領域に第1の部分133Aを形成して第2半導体層133に段差を設けたのに対して、本実施の形態においては、くぼみ又は溝を設け、ゲート絶縁膜157を介して、ゲート電極153を、かかるくぼみ又は溝に埋め込むようにしている点が異なる。その他に関しては、実質的に同様であるので、重複する記載を省略する。
【0085】
第2半導体層133の厚みは、全面に渡り、第5の実施の形態に係る半導体装置411の第2半導体層133のうち段差をなして厚くなっている部分の厚みに合わせてある。すなわち、従来の一般的な半導体装置611(図6(a))に比べると、第2半導体層133が厚い。
【0086】
よって、仮に第2半導体層133の上面にそのままゲート電極153を形成してしまうと、従来の半導体装置に比べて、ゲート電極153の下面と2DEG層137との距離が長すぎるために、ゲート電圧印加による2DEG層上面(図中の界面473)におけるヘテロ障壁の厚さの制御が難しくなる。
【0087】
そこで、本実施の形態においては、第2半導体層133の上面に十分な深さのくぼみ又は溝を掘り、ゲート電極153の一部分を、その下部にゲート絶縁膜157を沿わせつつ、第2半導体層133の内部に埋め込む。これにより、ゲート電極153下面と2DEG層137上面との距離を縮め、界面473に存在するヘテロ障壁の制御が可能になる。
【0088】
よって、本実施の形態に係る半導体装置413も、第5の実施の形態と同様の界面471及び473を有することになる。したがって、第5の実施の形態と同様に動作させることができる。
【0089】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0090】
例えば第1〜第6の実施の形態において、第1半導体層131の下に、半導体層をエピタキシャル成長させるための周知の基板を設けたり、さらには、該基板と第1半導体層131との間にバッファ層を設けたりしてもよい。
【0091】
上述の半導体装置の構成は例示であって、限定されるものではない。第1半導体層131及び第2半導体層133の例として窒化物系化合物半導体を挙げたが、GaAs等、他のIII−V族化合物半導体であってもよい。また、第2半導体層133とドレイン電極155との間や、第2半導体層133と第3半導体層139との間に、n型不純物を添加したコンタクト層を挿入してもよい。あるいはまた、第1半導体層131と第2半導体層133との間に、AlN層を挟んでもよい。これらを含んだものを半導体基体と呼ぶことにする。本発明に係る半導体装置には、この半導体基体全体も含まれる。
【0092】
また、第1〜第4の実施の形態において、第3半導体層139は凹部を完全に埋めるまで厚く形成しなくてもよい。同様に、第5及び第6の実施の形態において、ゲート絶縁膜157の段差に合わせるようにしてゲート電極153に段差が設けられていてもよい。
【0093】
また、第1〜第6の実施の形態において、2次元キャリアガス層を伝導路とするキャリアを電子として記載したが、正孔であっても構わない。
【0094】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1及び第2の実施の形態に係る半導体装置の断面模式図である。
【図2】本発明の第3及び第4の実施の形態に係る半導体装置の断面模式図である。
【図3】本発明の第1〜第4の実施の形態における、電子エネルギーとヘテロ障壁の関係を示す模式図である。
【図4】本発明の第5及び第6の実施の形態に係る半導体装置の断面模式図である。
【図5】本発明の第5及び第6の実施の形態における、電子エネルギーとヘテロ障壁の関係を示す模式図である。
【図6】従来のHEMTとして機能する半導体装置の断面模式図である。
【図7】HEMTの電気特性を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
111,113,211,213,411,413,611,613…半導体装置
131…第1半導体層
133…第2半導体層
133A…第1の部分
133B…第2の部分
135…ヘテロ界面(主面)
137…2DEG層
139…第3半導体層
151…第1電極
153…第2電極
155…ドレイン電極
157…ゲート絶縁膜
171…接触部
691…リセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、
前記第1半導体層の主面上に積層され、前記第1半導体層の主面側に2次元キャリアガス層を生じさせる第2半導体層と、
前記第1半導体層及び前記第2半導体層と比して電子親和力が大きい半導体材料からなり、前記2次元キャリアガス層と電気的に接続された第3半導体層と、
前記第2半導体層及び前記第3半導体層上に設けられた絶縁膜と、
前記第3半導体層にオーミック接続される第1電極と、
前記第2半導体層及び前記第3半導体層上に前記絶縁膜を介して設けられた第2電極と、
前記第1電極との間に前記第2電極を介在させ、前記2次元キャリアガス層と電気的に接続された第3電極
とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第3半導体層の上方に前記絶縁膜及び前記第2電極が設けられており、
前記第3半導体層の下方への高さが、前記第1半導体層と前記第2半導体層との界面の高さ以下であり、
前記絶縁膜及び前記第2電極は、前記第1半導体層と前記第3半導体層との接触部の直上にも形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2半導体層は段差部を有し、
前記段差部の上面には、側面を前記段差部の側面と同一平面とする前記第3半導体層が設けられ、
前記絶縁膜が、前記第2半導体層及び前記第3半導体層の同一平面である側面上に連続して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2半導体層の上面と前記第3半導体層の上面は、同一平面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1半導体層と前記第2半導体層とは、互いに異なる窒化物系化合物半導体から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第3半導体層は、混晶半導体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−74077(P2010−74077A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242766(P2008−242766)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】