説明

基板の液切り装置および液切り方法

【課題】主領域が撥液面でその外周の周縁領域が親液面である基板の表面に付着した液体を液切りして除去する場合に、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる装置を提供する。
【解決手段】基板Wの搬送方向に対して交差するように、基板表面へその幅方向全体にわたって気体を吐出するエアナイフ32を配設し、エアナイフより基板搬送方向における後方側に、基板の周縁領域2へ基板搬送方向における後方かつ基板外方に向けて気体を吐出する補助気体ノズル36を配設し、基板の周縁領域に滞留した液体を除去しもしくは周縁領域に液体が滞留するのを防止するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置(LCD)用、プラズマディスプレイ(PDP)用、有機発光ダイオード(OLED)用、電界放出ディスプレイ(FED)用、真空蛍光ディスプレイ(VFD)用等のガラス基板、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板、半導体ウエハ、電子デバイス基板等の各種の基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する基板の液切り装置ならびに液切り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばLCD、PDP等のデバイスの製造プロセスにおいて、ガラス基板の主面へフッ酸等の薬液を供給してエッチング処理等の湿式処理を行った後に、純水等の洗浄液を使用して基板を洗浄処理し、その後に基板を乾燥処理する場合、基板の表面に付着した洗浄液を液切りして除去する液切り装置が使用される。すなわち、ローラコンベアによって水平方向へ搬送される基板の搬送路を挟んでその上・下両側に、スリット状の噴出口を有する一対の気体ノズル(以下、「エアナイフ」という)を基板搬送方向と交差するように配設し、そのエアナイフから基板の幅方向全体にわたって空気、不活性ガス等の気体を噴出して、洗浄処理後の基板面に付着している洗浄液を基板面から除去するようにしている。
【0003】
ところで、例えば低温ポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)の製造工程においては、アモルファスシリコン(a−Si)やポリシリコン(p−Si)などを成膜した基板が用いられるが、この基板をフッ酸で処理した場合、a−Si(もしくはp−Si)堆積部の表面上の自然酸化膜がエッチングされることによって撥水面が現れる。この撥水面を有する基板を純水で水洗処理した後に、エアナイフを使用して液切りしたとき、次のような問題を生じる。すなわち、基板面が撥水性であるため、水洗処理後の基板の表面には表面張力によって洗浄水が水滴状に残る。この状態でエアナイフから基板に対し気体を噴出すると、基板上で水滴が転がって、ウォータマーク発生の原因となる。この問題は、ローラコンベアによって基板を水平面に対し傾斜姿勢に支持して搬送するときでも基板を水平姿勢に支持して搬送するときでも起こり得る。
【0004】
上記した問題点を解消するために、水洗部の下流側に設けられる液切り部内にエアナイフを設け、そのエアナイフの上流側に液体ノズルを設けて、水洗部での水洗を終えた基板の上面へその全幅にわたって液体ノズルから純水を供給し、基板上面の全幅にわたって純水が載せられた状態でエアナイフによる液切りを行うようにする基板処理装置が提案されている。この装置によると、基板の表面が撥水性の場合でも、その上面から純水が均等に除去され、液切り後のむらが防止されることとなる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−124182号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したa−Si(もしくはp−Si)を成膜した基板は、ガラス基板の全面にa−Siが成膜されるのではなく、外周縁部を数mm残してa−Siの成膜が行われることがある。このため、基板をフッ酸で処理したときにa−Si堆積部に撥水面が現れるが、その外周縁部の非堆積部はガラス面が露出した状態であって親水面のままである。したがって、図12に平面図を示したように、基板Wの表面は、その主領域(a−Si堆積部)1が撥水面であり、主領域1外周の周縁領域(非堆積部:ガラス面)2が親水面であって、撥水面の外周が親水面で囲まれた状態となっている。このため、このような基板の表面に純水を供給した後、エアナイフにより基板表面を液切りしたとき、次のような問題を生じる。
【0006】
すなわち、図13に平面図を示すように、基板Wを水平方向へ搬送しながら、基板搬送方向に対して交差するように設けられた液体ノズル3から純水を基板Wの表面へその幅方向全体にわたって供給し、液体ノズル3より基板搬送方向における前方側(下流側)に設けられたエアナイフ4から空気、不活性ガス等の気体を基板Wの表面へその幅方向全体にわたって層状に吹き付けると、液体ノズル3からの純水の供給によって基板Wの表面上に純水の膜5が形成され、エアナイフ4からの気体の吹付けによって基板W上の純水の膜5が後方側(上流側)へ押し流される。このとき、基板Wの周縁領域2をなす親水面上の純水は、基板Wの主領域1をなす撥水面上の純水に比べて低速で後方側へ押し流される。この結果、純水が後方側へ押し流されて基板Wの表面が露呈した部分6において、図14に一部拡大平面図を示すように、親水面である周縁領域2に純水7が取り残されて滞留した状態を生じる。また、基板Wの裏面側にもエアナイフが設けられていると、その裏面側のエアナイフからの気体の吹付けにより、基板Wの裏面周縁領域から基板Wの表面周縁領域へ純水が回り込んで、親水面である周縁領域2に純水7が付着し滞留した状態となる。このとき、純水7が周縁領域2に留まったままであれば、その後にエアナイフ4からの気体の吹付けによって後方側へ押し流されるので、特に問題とはならない。ところが、周縁領域2に滞留した純水7の一部が、エアナイフ4から噴出される気体の圧力や搬送に伴って基板Wに生じる振動などにより周縁領域2から主領域1をなす撥水面上に押し出されて、撥水面上で水滴8が生成される。この撥水面上に生成された水滴8は、撥水面上を転がり、やがてエアナイフ4からの気体によって基板W上から除去される。この場合、特に、基板をその搬送方向と直交する方向において水平面に対し傾斜させた姿勢で支持しつつ水平方向へ搬送する傾斜搬送時においては、基板Wの周縁領域2をなす親水面上の純水に対し重力による下向きの力も作用するので、親水面上の純水は、後方側へ押し流されにくくなり、周縁領域2に滞留しやすくなる。また、周縁領域2である親水面に滞留した純水7は、重力による下向きの力により撥水面1上へ移動して水滴8を生成しやすくなる。このように、基板Wが液切りされるまでの過程で、純水が押し流された後の撥水面上において水滴8が転がると、撥水面にその水滴の転がりの跡、すなわちウォータマークが形成される、といった問題を生じる。
【0007】
以上のような問題は、基板を水平面に対し傾斜させた姿勢で支持しつつ水平方向へ搬送する傾斜搬送時だけでなく、基板を水平姿勢に支持して水平方向へ搬送する水平搬送時においても生じる。また、上記したようにエアナイフの上流側に液体ノズルを配設して気体の吹付け前に基板の表面へ純水を供給する場合に限らず、基板の表面へ洗浄液等の処理液を供給して基板を湿式処理した後に、エアナイフにより基板の表面に付着した処理液を液切りして基板表面から除去する場合にも、基板の表面が撥液面と親液面で構成されておれば同様の問題を生じることとなる。
【0008】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する場合において、基板の主領域が撥液面であってその外周の周縁領域が親液面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる基板の液切り装置ならびに液切り方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、主領域が主として撥液性であり主領域外周の周縁領域が親液性である基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する基板の液切り装置であって、基板の表面へその幅方向全体にわたって気体を吐出する気体吐出手段と、この気体吐出手段に対し基板を相対的に水平方向へかつ気体吐出手段と交差する方向へ搬送する搬送手段と、前記気体吐出手段より相対的基板搬送方向における後方側に配設され、基板の周縁領域に滞留した液体を除去しもしくは基板の周縁領域に液体が滞留するのを防止する周縁液切り手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基板の液切り装置において、周縁液切り手段として、基板の周縁領域へ相対的基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体を吐出する補助気体吐出手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の基板の液切り装置において、周縁液切り手段として、基板の周縁に対向する吸込み口を有しその吸込み口を通して基板の周縁領域に滞留した液体を気体とともに吸引する吸気手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の基板の液切り装置において、周縁液切り手段として、基板の周縁領域に摺接し基板の周縁領域に滞留した液体を拭い取るワイパ部材を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板の液切り装置において、基板の平面形状が矩形であり、搬送手段によって基板を、その一辺に沿った方向へ相対的に搬送し、周縁液切り手段により、基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体を除去しもしくは基板の周縁領域に液体が滞留するのを防止することを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の基板の液切り装置において、搬送手段によって基板を、その相対的搬送方向と直交する方向において水平面に対し傾斜させた姿勢で支持しつつ気体吐出手段に対し相対的に搬送し、周縁液切り手段を、基板の傾斜高位置となる一辺側に設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板の液切り装置において、気体吐出手段より相対的基板搬送方向における後方に、基板の表面へその幅方向全体にわたって液体を供給する液体供給手段を相対的基板搬送方向に対して交差するように配設したことを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、主領域が主として撥液性であり主領域外周の周縁領域が親液性である基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する基板の液切り方法であって、表面に液体が付着した基板を水平方向へ搬送する搬送工程と、この搬送工程中に、基板の表面へその基板搬送方向と直交する幅方向全体にわたって気体を層状に吹き付ける気体吹付け工程と、この気体吹付け工程において基板の主領域に付着した液体が基板搬送方向における後方側へ押し流されたときに、基板の、液体が押し流されて表面が露呈した部分の周縁領域に滞留した液体を除去しもしくはその周縁領域に液体が滞留するのを防止する周縁液切り工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の基板の液切り方法において、周縁液切り工程において、基板の周縁領域へ基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体を吹き付けることを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項8に記載の基板の液切り方法において、周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体を気体とともに吸引することを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項8に記載の基板の液切り方法において、周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体を拭い取ることを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の基板の液切り方法において、基板の平面形状が矩形であり、搬送工程において、基板を、その一辺に沿った方向へ搬送し、周縁液切り工程において、基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体を除去しもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止することを特徴とする。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の基板の液切り方法において、記搬送工程において、基板を、その搬送方向と直交する方向において水平面に対し傾斜した姿勢で支持しつつ搬送し、周縁液切り工程において、基板の傾斜高位置となる一辺側における周縁領域に滞留した液体を除去しもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止することを特徴とする。
【0022】
請求項14に係る発明は、請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の基板の液切り方法において、気体吹き付け工程および周縁液切り工程に先立ち、基板の表面へその幅方向全体にわたって液体を供給する液体供給工程をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明の基板の液切り装置においては、周縁液切り手段により、基板の親液性である周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止されるので、基板が液切りされるまでの過程で、液体が周縁領域から主領域をなす撥水面上に押し出されて液滴が生成される、といったことが起こらない。このため、撥水面上を液滴が転がってウォータマークが発生する心配が無い。
したがって、請求項1に係る発明の基板の液切り装置を使用すると、基板の主領域が撥液面であってその外周の周縁領域が親液面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる。
【0024】
請求項2に係る発明の液切り装置では、補助気体吐出手段から基板の周縁領域へ相対的基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体が吐出されることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0025】
請求項3に係る発明の液切り装置では、吸気手段の吸込み口を通して基板の周縁領域に滞留した液体が気体とともに吸引されることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0026】
請求項4に係る発明の液切り装置では、ワイパ部材が基板の周縁領域に摺接して基板の周縁領域に滞留した液体が拭い取られることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0027】
請求項5に係る発明の液切り装置では、周縁液切り手段により、矩形状の基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0028】
請求項6に係る発明の液切り装置では、周縁液切り手段により、矩形状の基板の傾斜高位置となる一辺側の周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0029】
請求項7に係る発明の液切り装置では、液体供給手段から基板の表面へその全幅にわたって液体が供給され、基板表面の全幅にわたって液膜が形成された状態で気体吐出手段および周縁液切り手段による液切りが行われるので、主領域をなす撥水面上から純水が均等に除去される。したがって、液切り後のむらが確実に防止される。
【0030】
請求項8に係る発明の基板の液切り方法によると、周縁液切り工程において、基板の親液性である周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止されるので、基板が液切りされるまでの過程で、液体が周縁領域から主領域をなす撥水面上に押し出されて液滴が生成される、といったことが起こらない。このため、撥水面上を液滴が転がってウォータマークが発生する心配が無い。
したがって、請求項8に係る発明の基板の液切り方法を用いると、基板の主領域が撥液面であってその外周の周縁領域が親液面であっても、基板表面にウォータマークが発生することを確実に防止することができる。
【0031】
請求項9に係る発明の液切り方法では、周縁液切り工程において、基板の周縁領域へ基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体が吹き付けられることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0032】
請求項10に係る発明の液切り方法では、周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体が気体とともに吸引されることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0033】
請求項11に係る発明の液切り方法では、周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体が拭い取られることにより、基板の周縁領域に滞留した液体が除去される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0034】
請求項12に係る発明の液切り方法では、周縁液切り工程において、矩形状の基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0035】
請求項13に係る発明の液切り方法では、周縁液切り工程において、矩形状の基板の傾斜高位置となる一辺側の周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止される。したがって、基板の表面にウォータマークが発生することを防止することができる。
【0036】
請求項14に係る発明の液切り方法では、液体供給工程において基板の表面へその全幅にわたって液体が供給され、基板表面の全幅にわたって液膜が形成された状態で気体吹き付け工程および周縁液切り工程における液切りが行われるので、主領域をなす撥水面上から純水が均等に除去される。したがって、液切り後のむらが確実に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明の最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、この発明の実施形態の1例を示し、図1は、基板の液切り装置を備えた基板処理装置の乾燥処理部を水洗処理部と共に模式的に示す側面図であり、図2は、その乾燥処理部の液切り装置を示す概略平面図である。
【0038】
この基板処理装置は、図示していない薬液処理部、例えばエッチング処理部の後段側に隣接して、置換水洗部(第1水洗部)、第2水洗部および直水洗部10を順に連設して構成された水洗処理部を設け(図1には直水洗部10のみを図示している)、直水洗部10の後段側に隣接して、基板の液切り装置を備えた乾燥処理部12を設けて構成されている。エッチング処理部では、基板、例えばa−Siを主領域に成膜した基板をローラコンベアによって水平方向へ搬送しながら、スプレーノズルから基板の上面へフッ酸を含むエッチング液が吐出される。この処理により、a−Si堆積部の表面上の自然酸化膜がエッチングされて基板上面の主領域に撥水面が現れる。基板上面の主領域外周の周縁領域である非堆積部は、ガラス面が露出した状態であって親水面のままである。
【0039】
エッチング処理後の基板は、置換水洗部、第2水洗部および直水洗部10へと順次搬送されて、洗浄水により水洗される。各水洗部は、それぞれ同様の構成を備えているが、乾燥処理部12の前段側に隣接して設けられた直水洗部10について簡単に説明すると、直水洗部10は、基板搬入口16および基板搬出口18を有する直水洗槽14、この直水洗槽14内へ搬入されてきた基板Wを、水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜させた姿勢に支持して直水洗槽14内を水平方向へ搬送するローラコンベア(図示せず)、ならびに、直水洗槽14内を水平方向へ搬送される基板Wの上・下両面へそれぞれ洗浄水を吐出する上部スプレーノズル20および下部スプレーノズル22などを備えている。上部スプレーノズル20および下部スプレーノズル22は、基板搬送方向に沿ってかつ互いに平行にそれぞれ複数本設けられ、各スプレーノズル20、22には、基板搬送方向に複数個の吐出口が一列に形設されている。上部スプレーノズル20および下部スプレーノズル22には、純水の供給源に流路接続された純水供給管(図示せず)が連通接続されている。直水洗槽14の底部には、直水洗槽14の内底部に流下した使用済みの洗浄水を排出するための排水管24が設けられており、直水洗槽14内から排水管24を通して排出された使用済みの洗浄水は、第2水洗部へ送られて再使用される。
【0040】
乾燥処理部12は、基板搬入口28および基板搬出口30を有する乾燥処理槽26、および、この乾燥処理槽26の内部に設けられた基板の液切り装置を備えている。基板の液切り装置は、乾燥処理槽26内へ搬入されてきた基板Wを、水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜、例えば0〜45°に傾斜させた姿勢に支持して乾燥処理槽26内を水平方向へ搬送する複数本の搬送ローラから構成されたローラコンベア(図示せず)、ローラコンベアによって搬送される基板Wの搬送路を挟んでその上・下両側に配設された一対の気体ノズル(以下、「エアナイフ」という)32、32などを備えている。なお、図1および図2では、便宜上、基板Wを水平姿勢に支持した状態で図示している。また、以下の説明においては、上側のエアナイフ32に関して主に説明する。
【0041】
エアナイフ32の下面には、その長手方向に沿ってスリット状の噴出口が形設されており、そのスリット状噴出口から基板Wの幅方向全体にわたって気体、例えば空気を、例えば0.1MPa程度の圧力で噴出する。このエアナイフ32は、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設される。また、エアナイフ32は、図2に示すように、基板搬送方向に対して交差するように、この実施形態では、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における前方側へ開くように斜めに、例えば基板搬送方向と直交する方向に対し0〜45°の角度をなすように斜めに配置される。さらに、エアナイフ32は、そのスリット状噴出口から基板搬送方向における上流側に向かって空気を噴出するように、基板Wの上面と垂直な面に対し、例えば20°〜30°程度傾けて保持される。
【0042】
また、基板Wの搬送路の上側であって、エアナイフ32より基板搬送方向における後方側(上流側)に、液体、例えば純水を吐出する液体ノズル34が配設されている。なお、図1では、解りやすくするために、エアナイフ32および液体ノズル34の手前側端面だけを図示して奥行き方向の図示をしていない。液体ノズル34は、その長手方向に沿ってスリット状の吐出口(あるいは一列に並んだ多数の微小吐出口)が形設されており、そのスリット状吐出口から基板Wの幅方向全体にわたって純水をカーテン状に吐出する。1例として、エアナイフ32から噴出する空気流量を700L/minに設定したときに、液体ノズル34から吐出される純水流量を20L/minに設定する。液体ノズル34は、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設される。
【0043】
さらに、この液切り装置には、エアナイフ32より基板搬送方向における後方側(上流側)であって上側のエアナイフ32の近傍に、エアナイフ32に比べて短尺の補助気体ノズル36が配設されている。この補助気体ノズル36は、基板Wの傾斜高位置となる一辺側に設けられ、エアナイフ32と同様に、ローラコンベアによって支持された基板Wの上面に平行となるように水平面に対し基板搬送方向と直交する方向に傾斜して配設される。補助気体ノズル36の下面には、その長手方向に沿ってスリット状の噴出口が形設されており、そのスリット状噴出口から基板Wの周縁領域2へ気体、例えば空気を、例えば0.1MPa程度の圧力で吹き付ける。また、補助気体ノズル36は、基板Wの外方に向けて空気を噴出するように、基板搬送方向と直交する方向に対し低部側が基板搬送方向における後方側へ開くように斜めに配置され、かつ、基板搬送方向における上流側に向かって空気を噴出するように、基板Wの上面と垂直な面に対し傾けて保持される。
【0044】
上記した構成を有する乾燥処理部12においては、直水洗槽16での仕上げ水洗を終えた基板Wが乾燥処理槽26内へ搬入されてくると、液体ノズル34から基板Wの上面へその幅方向全体にわたって純水がカーテン状に吐出される。これにより、図2に示すように、基板Wの上面にその幅方向全体にわたって純水の水膜38が形成される。このため、直水洗槽16から搬送されてきた基板W上の撥水性表面に表面張力によって純水が水滴状に残っていても、その水滴は液体ノズル34から吐出される純水と一緒になって一様の水膜38となる。
【0045】
続いて、上記したように水膜38が形成された基板Wの上面に対しその幅方向全体にわたってエアナイフ32から空気が吹き付けられる。これにより、基板Wの主領域1をなす撥水面上の純水が基板搬送方向における後方側へ押し流され、撥水面上から純水が均等に除去されていく。また、基板Wの主領域外周の周縁領域2をなす親水面上の純水も同様に、基板搬送方向における後方側へ押し流されて親水面上から除去されていくが、基板Wの周縁領域2をなす親水面上の純水は、基板Wの主領域1をなす撥水面上の純水に比べて低速で後方側へ押し流される。このとき、エアナイフ32から空気が噴射されるだけであると、上述したように、純水が押し流されて表面が露呈した部分40の周縁領域2に純水が取り残されて滞留した状態を生じるが、この液切り装置では、補助気体ノズル36から基板Wの周縁領域2へ空気が吹き付けられる。このため、図3に一部拡大平面図を示すように、基板Wの周縁領域2に純水42が滞留したとしても、補助気体ノズル36から後方かつ基板Wの外方に向けて噴出される空気の圧力により、周縁領域2から純水42が除去される。あるいは、補助気体ノズル36から空気が基板Wの周縁領域2へ後方かつ基板Wの外方に向けて噴出されることにより、周縁領域2に純水が滞留することが防止される。このように、基板Wの、純水が押し流されて表面が露呈した部分40の周縁領域2に純水が滞留することがなくなるので、基板Wが液切りされるまでの過程で、純水が周縁領域2から主領域1をなす撥水面上に押し出されて水滴が生成される、といったことが起こらない。このため、撥水面上を水滴が転がってウォータマークが発生する心配が無くなる。なお、基板Wの下面にも下側のエアナイフ32から空気が噴出されるので、同時に基板Wの下面も液切りされて基板Wの下面からも純水が除去される。
【0046】
上記した液切り操作は、エアナイフ32から空気を常時噴出しつつ行われるが、補助気体ノズル36からは空気を常時噴出するようにしてもよいし、補助気体ノズル36の下方に基板Wが存在するときだけ補助気体ノズル36から空気を噴出するようにしてもよい。
【0047】
図4−Aおよび図4−Bは、補助気体ノズル36から空気を常時噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。図4−Aに示すように基板Wが補助気体ノズル36の配設位置へ搬送される前から、図4−Bに示すように基板Wが補助気体ノズル36の配設位置まで搬送され、基板Wが補助気体ノズル36の下方を通過するまでの間、エアナイフ32と共に補助気体ノズル36から空気が継続して噴出されている。この場合には、エアナイフ32からの空気の噴出によって基板W上の純水の膜38が後方側へ押し流されるとともに、基板Wの周縁領域をなす親水面上の純水が、補助気体ノズル36から常時噴出する空気の圧力によって後方かつ基板Wの外方に向けて押し流される。このため、純水が基板Wの周縁領域に滞留することが未然に防止されることとなる。
【0048】
一方、図5−Aないし図5−Cは、補助気体ノズル36の下方に基板Wが存在するときだけ補助気体ノズル36から空気を噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。図5−Aに示すように基板Wが補助気体ノズル36の手前側の、補助気体ノズル36から離れた位置にある時には、補助気体ノズル36から空気を噴出せずに、図5−Bに示すように基板Wが補助気体ノズル36の直前位置まで搬送されてきた時にも、補助気体ノズル36から空気を噴出しない。そして、図5−Cに示すように基板Wが補助気体ノズル36の下方位置まで搬送されてきて、基板Wが補助気体ノズル36の下方を通過し終わる時まで、補助気体ノズル36から空気が噴出される。この場合には、図5−Bに示すように、エアナイフ32から常時吹き付けられる空気の圧力によって基板W上の純水の膜38が後方側へ押し流されるが、補助気体ノズル36からの空気の噴出が開始されるまでの間、基板Wの周縁領域をなす親水面上の純水は、基板Wの主領域をなす撥水面上の純水に比べて低速で後方側へ押し流される。この結果、純水が後方側へ押し流されて基板Wの表面が露呈した部分において、親水面である周縁領域に純水が取り残されて滞留した状態を一時的に生じる。その直後、図5−Cに示すように、補助気体ノズル36からの空気の噴出が開始されて基板Wの周縁領域へ空気が吹き付けられると、周縁領域に滞留した純水は、補助気体ノズル36からの空気の圧力によって後方かつ基板Wの外方に向けて押し流され、基板Wの周縁領域から除去される。
【0049】
上記した実施形態では、ローラコンベアによって基板Wを傾斜姿勢に支持して水平方向へ搬送する例について説明したが、基板Wを水平姿勢に支持して水平方向へ搬送する場合にも、この発明は同様に適用し得る。この場合において、図6に示すようにエアナイフ44を基板搬送方向と直交する方向に対し斜めに配置したときは、補助気体ノズル46を、基板搬送方向と直交する方向に対し平面視でエアナイフ44と反対側に傾けて配置し、補助気体ノズル46から基板Wの周縁領域へ基板搬送方向における後方かつ基板Wの外方に向けて空気が吹き付けられるようにする。
【0050】
また、図7に示すように、エアナイフ48と補助気体ノズル50とを一体型の「く」の字形ノズルとして構成するようにしてもよい。この場合には、エアナイフ48および補助気体ノズル50の空気供給系を1つにすることができる。
【0051】
基板Wの周縁領域2に滞留した純水52を周縁領域2から除去する手段としては、上記した補助気体ノズル36、46、50以外のものであってもよい。例えば、図8に一部拡大平面図を示すように、基板Wのその搬送方向に沿った一辺の近傍に、基板Wの周縁に対向する吸込み口を有する吸気ボックス52を配設し、吸気ボックス52の内部を真空ポンプ(図示せず)により真空吸引することにより、その吸込み口を通して基板Wの周縁領域2に滞留した純水42を空気とともに吸引して周縁領域2から除去するようにしてもよい。
【0052】
また、図9に一部拡大平面図を、図10に一部拡大縦断面図をそれぞれ示すように、基板Wのその搬送方向に沿った一辺側に、基板Wの周縁領域2に摺接するワイパ部材54を配設し、そのワイパ部材54により、基板Wの周縁領域2に滞留した純水42を拭い取るようにしてもよい。ワイパ部材54は、図10に示すように、基板Wの上・下両面の周縁領域にそれぞれ摺接する断面がコの字形のものでもよいし、図11に示すワイパ部材56のように、基板Wの上面のみの周縁領域に摺接する断面が鉤形のものでもよい。
【0053】
なお、上記した実施形態では、エアナイフ32、44、48および補助気体ノズル36、46、50を固定し、基板Wを水平方向へ搬送しつつ液切り処理を行うような構成としたが、乾燥処理槽26内へ搬入されてきた基板を一旦停止させ、その状態でエアナイフおよび補助気体ノズルを基板の前端側から後端側に向けて水平方向へ移動させて液切りし、その後に基板を乾燥処理槽26内から搬出するような装置構成としてもよい。また、上記した実施形態では、エアナイフ32の上流側に液体ノズル34を配設して空気の吹付け前に基板Wの表面へ純水を供給する例について説明したが、この発明は、基板の表面へ洗浄液等の処理液を供給して基板を湿式処理した後に、エアナイフにより基板の表面に付着した処理液を液切りして基板表面から除去する場合についても、基板の表面が撥液面と親液面で構成されているときは同様に適用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、基板の液切り装置を備えた基板処理装置の乾燥処理部を水洗処理部と共に模式的に示す側面図である。
【図2】図1に示した乾燥処理部の液切り装置を示す概略平面図である。
【図3】図2に示した液切り装置における作用を説明するための一部拡大平面図である。
【図4−A】図2に示した液切り装置を使用し、補助気体ノズルから空気を常時噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。
【図4−B】同じく、補助気体ノズルから空気を常時噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。
【図5−A】図2に示した液切り装置を使用し、補助気体ノズルの下方に基板が存在するときだけ補助気体ノズルから空気を噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。
【図5−B】同じく、補助気体ノズルの下方に基板が存在するときだけ補助気体ノズルから空気を噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。
【図5−C】同じく、補助気体ノズルの下方に基板が存在するときだけ補助気体ノズルから空気を噴出して液切りしているときの様子を示す概略平面図である。
【図6】この発明の別の実施形態を示す基板の液切り装置の概略平面図である。
【図7】この発明のさらに別の実施形態を示す基板の液切り装置の概略平面図である。
【図8】この発明のさらに別の実施形態を示し、基板の液切り装置の一部を示す拡大平面図である。
【図9】この発明のさらに別の実施形態を示し、基板の液切り装置の一部を示す拡大平面図である。
【図10】図9に示した液切り装置の一部拡大縦断面図である。
【図11】図10に示した液切り装置の変形例を示す一部拡大縦断面図である。
【図12】アモルファスシリコン(a−Si)を成膜した基板をフッ酸で処理した後の表面状態を示す模式的平面図である。
【図13】従来の基板の液切り方法における問題点を説明するための概略平面図である。
【図14】同じく、従来の基板の液切り方法における問題点を説明するための一部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0055】
W 基板
1 基板の主領域(撥水面)
2 基板の周縁領域(親水面)
10 直水洗部
12 乾燥処理部
14 直水洗槽
20、22 スプレーノズル
26 乾燥処理槽
32、44、48 気体ノズル(エアナイフ)
34 液体ノズル
36、46、50 補助気体ノズル
38 純水の水膜
40 基板の、純水が押し流されて表面が露呈した部分
42 基板の周縁領域に滞留した純水
52 吸気ボックス
54、56 ワイパ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主領域が主として撥液性であり主領域外周の周縁領域が親液性である基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する基板の液切り装置であって、
基板の表面へその幅方向全体にわたって気体を吐出する気体吐出手段と、
この気体吐出手段に対し基板を相対的に水平方向へかつ気体吐出手段と交差する方向へ搬送する搬送手段と、
前記気体吐出手段より相対的基板搬送方向における後方側に配設され、基板の周縁領域に滞留した液体を除去しもしくは基板の周縁領域に液体が滞留するのを防止する周縁液切り手段と、
を備えたことを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板の液切り装置において、
前記周縁液切り手段は、基板の周縁領域へ相対的基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体を吐出する補助気体吐出手段であることを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板の液切り装置において、
前記周縁液切り手段は、基板の周縁に対向する吸込み口を有しその吸込み口を通して基板の周縁領域に滞留した液体を気体とともに吸引する吸気手段であることを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板の液切り装置において、
前記周縁液切り手段は、基板の周縁領域に摺接し基板の周縁領域に滞留した液体を拭い取るワイパ部材であることを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板の液切り装置において、
基板の平面形状が矩形であり、
前記搬送手段による基板の相対的搬送方向が、基板の一辺に沿った方向であり、
前記周縁液切り手段が、基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体を除去しもしくは基板の周縁領域に液体が滞留するのを防止することを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板の液切り装置において、
前記搬送手段は、基板を、その相対的搬送方向と直交する方向において水平面に対し傾斜させた姿勢で支持しつつ前記気体吐出手段に対し相対的に搬送するものであり、
前記周縁液切り手段が、基板の傾斜高位置となる一辺側に設けられたことを特徴とする基板の液切り装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板の液切り装置において、
前記気体吐出手段より相対的基板搬送方向における後方に、相対的基板搬送方向に対して交差するように配設され、基板の表面へその幅方向全体にわたって液体を供給する液体供給手段をさらに備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
主領域が主として撥液性であり主領域外周の周縁領域が親液性である基板の表面に付着した液体を液切りして基板表面から除去する基板の液切り方法であって、
表面に液体が付着した基板を水平方向へ搬送する搬送工程と、
この搬送工程中に、基板の表面へその基板搬送方向と直交する幅方向全体にわたって気体を層状に吹き付ける気体吹付け工程と、
この気体吹付け工程において基板の主領域に付着した液体が基板搬送方向における後方側へ押し流されたときに、基板の、液体が押し流されて表面が露呈した部分の周縁領域に滞留した液体を除去しもしくはその周縁領域に液体が滞留するのを防止する周縁液切り工程と、
を含むことを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項9】
請求項8に記載の基板の液切り方法において、
前記周縁液切り工程において、基板の周縁領域へ基板搬送方向における後方かつ基板の外方に向けて気体が吹き付けられることを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項10】
請求項8に記載の基板の液切り方法において、
前記周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体が気体とともに吸引されることを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項11】
請求項8に記載の基板の液切り方法において、
前記周縁液切り工程において、基板の周縁領域に滞留した液体が拭い取られることを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項12】
請求項8ないし請求項11のいずれかに記載の基板の液切り方法において、
基板の平面形状が矩形であり、
前記搬送工程において、基板が、その一辺に沿った方向へ搬送され、
前記周縁液切り工程において、基板の一辺に沿った周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止されることを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項13】
請求項12に記載の基板の液切り方法において、
前記搬送工程において、基板が、その搬送方向と直交する方向において水平面に対し傾斜した姿勢で支持されつつ搬送され、
前記周縁液切り工程において、基板の傾斜高位置となる一辺側における周縁領域に滞留した液体が除去されもしくはその周縁領域に液体が滞留するのが防止されることを特徴とする基板の液切り方法。
【請求項14】
請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の基板の液切り方法において、
前記気体吹き付け工程および前記周縁液切り工程に先立ち、基板の表面へその幅方向全体にわたって液体を供給する液体供給工程をさらに含むことを特徴とする基板の液切り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図5−C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−131485(P2010−131485A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308121(P2008−308121)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】