説明

基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムを格納した記憶媒体

【課題】基板の処理を良好に行うことができる基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムを格納した記憶媒体を提供すること。
【解決手段】本発明では、基板(2)を処理液(23)で処理する処理槽(24)と、処理槽(24)に第1の薬液(21)を供給する第1薬液供給機構(25)と、第1の薬液(21)と反応して処理液(23)を生成する第2の薬液(22)を処理槽(24)に供給する第2薬液供給機構(26)と、処理槽(24)に接続した循環流路(45)を用いて処理液(23)を循環させる処理液循環機構(27)と、第1及び第2の薬液の処理槽への供給を制御する制御部とを備え、所定の循環流量で処理液を循環させて基板(2)を処理する基板処理装置(1)を用い、第2の薬液(22)の供給を開始するとともに第2の薬液(22)の供給開始に基づいて循環流量を変化させることにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムを格納した記憶媒体に関するものであり、特に、第1の薬液と第2の薬液とを反応させて生成した処理液を処理槽に接続した循環流路を用いて循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理する基板処理装置及び基板処理方法並びに基板処理プログラムを格納した記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体部品やフラットディスプレイや電子部品などの製造工程においては、半導体ウエハや液晶基板やディスク状記憶媒体などの基板の表面に生成された酸化膜やレジスト膜などを除去するために、基板を洗浄処理する基板処理装置が利用されている。
【0003】
この従来の基板処理装置においては、基板を処理液で処理するための処理槽と、処理槽に第1の薬液を供給するための第1薬液供給機構と、第1の薬液と反応して処理液を生成する第2の薬液を処理槽に供給するための第2薬液供給機構と、処理槽に接続した循環流路を用いて処理液を循環させるための処理液循環機構とを有しており、第1薬液供給機構及び第2薬液供給機構から処理槽の内部に第1及び第2の薬液をそれぞれ直接供給し、処理槽の内部において第1の薬液と第2の薬液とを反応させることによって処理液を生成し、その後、処理液を処理槽に接続した循環流路を用いて一定流量で循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理するように構成していた(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、特許文献1に開示された基板処理装置では、第1の薬液として硫酸を用いるとともに、第2の薬液として過酸化水素水を用い、硫酸と過酸化水素水とを処理槽の内部で混合することによって硫酸過酸化水素水(SPM:sulfric acid/hydrogen peroxide mixture)を生成するとともに、硫酸と過酸化水素水との反応によってカロ酸(H2SO5:ペルオキソ一硫酸)を生成し(H2SO4+H2O2→H2SO5+H2O)、このカロ酸の強い酸化力によって基板の表面を洗浄処理するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−166780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の基板処理装置では、処理槽の内部で基板を処理する間、処理液循環機構によって処理槽の内部の処理液を常に一定流量で循環させていたために、基板の処理開始直後は第1の薬液と第2の薬液との反応が活発で高濃度の処理液で処理できるが、経時的に第1の薬液と第2の薬液との反応が鈍化して処理液の濃度が低減してしまい、基板の処理を良好に行えなくなるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、基板を処理液で処理するための処理槽と、処理槽に第1の薬液を供給するための第1薬液供給機構と、第1の薬液と反応して処理液を生成する第2の薬液を処理槽に供給するための第2薬液供給機構と、処理槽に接続した循環流路を用いて処理液を所定の循環流量で循環させるための処理液循環機構と、第1及び第2の薬液の処理槽への供給を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第2薬液供給機構に第2の薬液の供給開始を指令する信号を出力するとともに前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給開始を指令する信号に基いて制御して循環流量を変化させる。
【0008】
また、前記第2の薬液は、前記第1の薬液よりも自然劣化の速度が速い。
【0009】
また、前記第1の薬液が硫酸を含み、前記第2の薬液が過酸化水素水を含む。
【0010】
また、前記制御部は、前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給開始を指令する信号に基いて制御して循環流量を低減させる。
【0011】
また、前記制御部は、前記第2の薬液の供給停止を指令する信号を出力するとともに前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給停止を指令する信号に基づいて制御して循環流量を増大させる。
【0012】
また、前記制御部は、前記第2薬液供給機構を制御して前記第2の薬液を複数回に分割して供給させる。
【0013】
また、前記第2薬液供給機構を前記循環流路の途中に接続した。
【0014】
また、第1の薬液と第2の薬液とを反応させて生成した処理液を処理槽に接続した循環流路を用いて所定の循環流量で循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理する基板処理方法において、第2の薬液の供給を開始するとともに第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を変化させる。
【0015】
また、前記第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を低減させる。
【0016】
また、前記第2の薬液の供給を停止するとともに第2の薬液の供給停止に基づいて循環流量を増大させる。
【0017】
また、前記第2の薬液の供給量を複数回に分割して供給する。
【0018】
また、基板を処理液で処理するための処理槽と、処理槽に第1の薬液を供給するための第1薬液供給機構と、第1の薬液と反応して処理液を生成する第2の薬液を処理槽に供給するための第2薬液供給機構と、処理槽に接続した循環流路を用いて処理液を循環させるための処理液循環機構とを有し、所定の循環流量で処理液を循環させて基板を処理する基板処理装置を用いて、処理液を所定の循環流量で循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理するための基板処理プログラムを格納した記憶媒体において、第2の薬液の供給を開始するとともに第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を変化させる。
【0019】
また、前記第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を低減させる。
【0020】
また、前記第2の薬液の供給を停止するとともに第2の薬液の供給停止に基づいて循環流量を増大させる。
【0021】
また、前記第2の薬液の供給量を複数回に分割して供給する。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、第1の薬液と第2の薬液との反応によって生成した処理液の濃度を高い状態に維持することができ、基板の処理を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】基板処理装置を示す平面図。
【図2】基板洗浄装置を示す模式図。
【図3】基板処理方法を示す模式図。
【図4】基板処理方法を示す模式図。
【図5】基板処理方法を示す模式図。
【図6】基板処理方法を示す模式図。
【図7】基板処理方法を示す模式図。
【図8】基板処理方法を示す説明図。
【図9】基板処理方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の具体的な実施例について、半導体ウエハ(基板)の洗浄処理や乾燥処理を施す基板処理装置を例に挙げて図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1に示すように、基板処理装置1は、複数枚の半導体ウエハ(以下、「基板2」という。)を収容したキャリア3の搬入及び搬出を行うキャリア搬入出ユニット4と、キャリア3に収容された基板2の搬入及び搬出を行う基板搬入出ユニット5と、基板2の洗浄処理及び乾燥処理を行う基板処理ユニット6とで構成している。
【0026】
キャリア搬入出ユニット4は、キャリア3を載置するキャリアステージ7に密閉状の開閉扉8を形成し、この開閉扉8の内側にキャリア搬送機構9とキャリアストック10とキャリア載置台11を配設している。
【0027】
そして、キャリア搬入出ユニット4では、キャリア搬送機構9によってキャリアステージ7に載置されたキャリア3を必要に応じてキャリアストック10に一時的に保管するとともに、キャリア載置台11に搬入するようにしている。また、キャリア搬入出ユニット4では、基板処理ユニット6で処理が完了した基板2が収容されたキャリア3に対し、搬入時とは逆に、キャリア載置台11に載置されたキャリア3を必要に応じてキャリア搬送機構9によってキャリアストック10に一時的に保管するとともに、キャリアステージ7に搬出するようにしている。
【0028】
基板搬入出ユニット5は、キャリア搬入出ユニット4との間に密閉状の開閉扉12を形成するとともに、この開閉扉12の内側に基板搬入出機構13と基板搬送機構14の始端部とを配設している。
【0029】
そして、基板搬入出ユニット5では、キャリア搬入出ユニット4のキャリア載置台11に載置したキャリア3に収容された基板2を基板搬入出機構13によって基板搬送機構14に搬入するとともに、基板搬送機構14によって基板処理ユニット6に基板2を搬送し、一方、基板処理ユニット6で処理が完了した基板2を基板搬送機構14によって基板処理ユニット6から基板搬入出機構13に搬送するとともに、基板搬入出機構13によって基板搬送機構14からキャリア搬入出ユニット4のキャリア載置台11に載置したキャリア3に搬出するようにしている。
【0030】
基板処理ユニット6は、基板2の洗浄処理及び乾燥処理を行う基板洗浄乾燥装置15と、基板2の洗浄処理を行う基板洗浄装置16,17,18と、基板搬送機構14に設けた基板2を保持する保持体19の洗浄を行う洗浄装置20とを並べて配設するとともに、これら各装置15,16,17,18,20に沿って基板搬送機構14を配設している。
【0031】
そして、基板処理ユニット6では、基板搬送機構14によって基板搬入出ユニット5から基板2を基板洗浄乾燥装置15や基板洗浄装置16,17,18に搬送して、基板2の洗浄処理や乾燥処理を行い、その後、処理後の基板2を基板搬送機構14によって基板搬入出ユニット5へ再び搬送するようにしている。
【0032】
また、基板処理ユニット6では、基板搬送機構14の保持体19を洗浄装置20で洗浄して、保持体19に付着した汚染物質が基板2に転写しないようにしている。
【0033】
次に、本発明の要部となる基板洗浄装置16(17,18)の具体的な構造について説明する。
【0034】
この基板洗浄装置16では、図2に示すように、第1の薬液21(ここでは、硫酸)と第2の薬液22(ここでは、第1の薬液21である硫酸よりも自然劣化の速度が速い過酸化水素水)とを反応させて生成した処理液23で基板2を処理するようにしており、基板2を処理液23で処理するための処理槽24と、処理槽24に第1の薬液21を供給するための第1薬液供給機構25と、処理槽24に第2の薬液22を供給するための第2薬液供給機構26と、処理液23を循環させるための処理液循環機構27と、これら処理槽24と第1及び第2薬液供給機構25,26と処理液循環機構27などを制御する制御部46で構成している。
【0035】
処理槽24は、処理液23を貯留する中空箱型状の内槽28の上端外周部に中空矩形環状の外槽29を取付けている。
【0036】
また、処理槽24は、内槽28に基板2を保持する保持具30を内槽28の内部と上方との間で昇降可能に設けるとともに、内槽28の底部に処理液23を吐出するための左右一対の吐出ノズル31,31を設けており、外槽29と吐出ノズル31,31との間に処理液循環機構27を設けている。
【0037】
第1薬液供給機構25は、供給源から供給される第1の薬液21を貯留する貯留容器32にポンプ33を接続し、ポンプ33に流量調整弁34を接続し、流量調整弁34に供給ノズル35を接続しており、流量調整弁34で調整した流量の第1の薬液21を貯留容器32から供給ノズル35を介して処理槽24(内槽28)に供給するようにしている。
【0038】
第2薬液供給機構26は、供給源から供給される第2の薬液22を貯留する貯留容器36にポンプ37を接続し、ポンプ37に流量調整弁38を接続し、流量調整弁38に供給パイプ39を接続し、この供給パイプ39を処理液循環機構27に接続しており、流量調整弁38で調整した流量の第2の薬液22を貯留容器36から供給パイプ39及び処理液循環機構27を介して処理槽24(吐出ノズル31,31)に供給するようにしている。
【0039】
処理液循環機構27は、処理槽24の外槽29の底部に上流側循環パイプ40の始端部を接続し、上流側循環パイプ40の終端部にポンプ41とヒータ42とフィルタ43とを順に接続し、フィルタ43に下流側循環パイプ44の始端部を接続し、下流側循環パイプ44の終端部に吐出ノズル31,31を接続しており、これにより、処理槽24の外槽29の底部と吐出ノズル31,31とを連通連結する循環流路45を形成している。なお、第2薬液供給機構26は、供給パイプ39を処理液循環機構27を構成する循環流路45の下流側循環パイプ44の中途部に接続しているが、これに限られず、供給パイプ39を循環流路45の上流側循環パイプ40に接続してもよく、また、供給パイプ39を処理槽24の内槽28に直接接続してもよい。
【0040】
基板洗浄装置16は、以上に説明したように構成しており、処理槽24、第1薬液供給機構25、第2薬液供給機構26、処理液循環機構27などを制御部46の記憶媒体に格納した基板処理プログラムで適宜制御することによって、以下に説明するようにして基板2を洗浄する。
【0041】
まず、図3及び図8に示すように、制御部46は、第1薬液供給機構25に第1の薬液21の供給開始を指令する信号を出力することによって第1薬液供給機構25のポンプ33を駆動して所定量(たとえば、40リットル)の第1の薬液21を処理槽24に供給するとともに、先の第1の薬液21の供給開始を指令する信号に基づいて処理液循環機構27を制御する信号を出力することによって処理液循環機構27のポンプ41を高速駆動して処理槽24に接続した循環流路45を用いて第1の薬液21を比較的高い流量(たとえば、35リットル/分)で循環(高速循環)させる。
【0042】
その後、制御部46は、所定時間(ここでは、40秒)経過後に、図4及び図8に示すように、第2薬液供給機構26に第2の薬液22の供給開始を指令する信号を出力することによって第2薬液供給機構26のポンプ37を駆動して所定量(たとえば、200cc)の第2の薬液22を循環流路45の下流側循環パイプ44に供給し、循環流路45や処理槽24の内部で第1の薬液21と第2の薬液22とを反応させて処理液23を生成するとともに、先の第2の薬液22の供給開始を指令する信号に基づいて処理液循環機構27を制御する信号を出力することによって処理液循環機構27のポンプ41を低速駆動に変更して処理槽24に接続した循環流路45を用いて処理液23を比較的低い流量(たとえば、10リットル/分)で循環(低速循環)させる。
【0043】
その後、制御部46は、所定時間(ここでは、20秒)経過後に、図5及び図8に示すように、処理槽24を制御する信号を出力することによって処理槽24の保持具30を降下させて内槽28に基板2を投入して内槽28に貯留した処理液23に基板2を浸漬させ、基板2の洗浄処理を開始する。
【0044】
そのまま制御部46は、図6及び図8に示すように所定時間(ここでは、20秒)継続して第2薬液供給機構26のポンプ37を駆動して第2の薬液22を循環流路45の下流側循環パイプ44に供給し、先の第2の薬液22の供給開始を指令する信号を出力してから所定時間(ここでは、40秒)経過後に第2の薬液22の供給停止を指令する信号を出力することによって第2薬液供給機構26のポンプ37の駆動を停止して第2の薬液22の供給を停止する。
【0045】
また、制御部46は、図6及び図8に示すように所定時間(ここでは、60秒(低速駆動開始から80秒))継続して処理液循環機構27のポンプ41を低速駆動して処理槽24に接続した循環流路45を用いて処理液23を比較的低い流量(たとえば、10リットル/分)で循環(低速循環)させ、これにより、所定時間(ここでは、60秒)だけ処理液23を低速循環させた状態で基板2の洗浄処理を行う。
【0046】
その後、制御部46は、図7及び図8に示すように、、先の第2の薬液22の供給停止を指令する信号に基づいて処理液循環機構27を制御する信号を出力することによって処理液循環機構27のポンプ41を再び高速駆動に変更して処理槽24に接続した循環流路45を用いて処理液23を比較的高い流量(たとえば、35リットル/分)で循環(高速循環)させ、所定時間(ここでは、180秒)だけ処理液23を高速循環させた状態で基板2の洗浄処理を行う。
【0047】
このように、基板洗浄装置16では、制御部46が基板処理プログラムに基づいて第1及び第2薬液供給機構25,26や処理液循環機構27を制御することによって、図8に示すように、第2薬液供給機構26で第2の薬液22を供給する前は、処理液循環機構27で第1の薬液21を比較的高速で循環させ、第2薬液供給機構26で第2の薬液22の供給を開始すると同時に処理液循環機構27で処理液23を比較的低速で循環させ、第2薬液供給機構26で第2の薬液22の供給を停止した後に処理液循環機構27で処理液23を比較的高速で循環させるようにしている。なお、図8において、処理時間は、内槽28に基板2を投入し、基板2を処理液23に浸漬させて洗浄処理を開始する時点を基準としている。
【0048】
これにより、内槽28の内部では、第2の薬液22の供給開始直後は第2の薬液22の濃度が急激に増大し、その後、比較的低速で循環している間は第2の薬液22の濃度が高い状態を維持し、さらにその後、比較的高速で循環している間は第2の薬液22の濃度が徐々に減少していく。
【0049】
そのため、上記基板洗浄装置16では、基板2を処理液23で処理している間に処理液23を循環させる循環流量が増大することになり、基板2の処理開始直後は処理液23の循環流量が比較的小さく、第1の薬液21と第2の薬液22との反応によって生成した処理液23の濃度を処理中に第2の薬液22を補充しなくても高い状態に維持することができ、高濃度の処理液23で基板2の表面に付着した酸化膜やレジスト膜などの付着物を基板2の表面から浮かせた状態にすることができ、その後、処理途中で処理液23の循環流量を増大させることで、基板2の表面から付着物を剥離することができ、これにより、処理液23の使用量を増大させることなく基板2の処理を良好に行うことができる。
【0050】
上記基板洗浄装置16では、基板2を処理液23で処理している間に低速循環から高速循環へ循環流量を段階的に増大させているが、循環流量を徐々に連続的に増大させてもよく、処理途中で一旦循環を停止するようにしてもよい。
【0051】
また、上記基板洗浄装置16では、制御部46が第2薬液供給機構26に第2の薬液22の供給開始を指令する信号に基づいて処理液循環機構27に循環流量を変化させるように制御すればよく、第2の薬液22の供給と同時に高速循環から低速循環に循環流量を低減させた場合に限られず、第2の薬液22の供給開始よりも所定時間前或いは所定時間後に循環流量を低減させてもよい。
【0052】
さらに、上記基板洗浄装置16では、制御部46が第2薬液供給機構26で所定量(たとえば、200cc)の第2の薬液22を連続して供給するように制御しているが、図9に示すように、第2薬液供給機構26で所定量の第2の薬液22を少量(たとえば、100ccづつ)に分割して所定時間(ここでは、20秒)経過後に供給するように制御してもよい。なお、第2の薬液22を同量に2分割して供給する場合に限られず、異なる量に多分割して供給するようにしてもよい。
【0053】
このように、所定量の第2の薬液22を分割して供給した場合(図9において濃度変化を実線で示す。)には、所定量の第2の薬液22を1度に供給した場合(図9において濃度変化を一点鎖線で示す。)に比べて、平均的に高濃度の状態を維持することができ、処理液23の洗浄効果を向上させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 基板処理装置 2 基板
3 キャリア 4 キャリア搬入出ユニット
5 基板搬入出ユニット 6 基板処理ユニット
7 キャリアステージ 8 開閉扉
9 キャリア搬送機構 10 キャリアストック
11 キャリア載置台 12 開閉扉
13 基板搬入出機構 14 基板搬送機構
15 基板洗浄乾燥装置 16,17,18 基板洗浄装置
19 保持体 20 洗浄装置
21 第1の薬液 22 第2の薬液
23 処理液 24 処理槽
25 第1薬液供給機構 26 第2薬液供給機構
27 処理液循環機構 28 内槽
29 外槽 30 保持具
31 吐出ノズル 32 貯留容器
33 ポンプ 34 流量調整弁
35 供給ノズル 36 貯留容器
37 ポンプ 38 流量調整弁
39 供給パイプ 40 上流側循環パイプ
41 ポンプ 42 ヒータ
43 フィルタ 44 下流側循環パイプ
45 循環流路 46 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理液で処理するための処理槽と、処理槽に第1の薬液を供給するための第1薬液供給機構と、第1の薬液と反応して処理液を生成する第2の薬液を処理槽に供給するための第2薬液供給機構と、処理槽に接続した循環流路を用いて処理液を所定の循環流量で循環させるための処理液循環機構と、第1及び第2の薬液の処理槽への供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記第2薬液供給機構に第2の薬液の供給開始を指令する信号を出力するとともに前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給開始を指令する信号に基いて制御して循環流量を変化させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第2の薬液は、前記第1の薬液よりも自然劣化の速度が速いことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の薬液が硫酸を含み、前記第2の薬液が過酸化水素水を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給開始を指令する信号に基いて制御して循環流量を低減させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2の薬液の供給停止を指令する信号を出力するとともに前記処理液循環機構を前記第2の薬液の供給停止を指令する信号に基づいて制御して循環流量を増大させることを特徴とする請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2薬液供給機構を制御して前記第2の薬液を複数回に分割して供給させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2薬液供給機構を前記循環流路の途中に接続したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
第1の薬液と第2の薬液とを反応させて生成した処理液を処理槽に接続した循環流路を用いて所定の循環流量で循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理する基板処理方法において、
第2の薬液の供給を開始するとともに第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を変化させることを特徴とする基板処理方法。
【請求項9】
前記第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を低減させることを特徴とする請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記第2の薬液の供給を停止するとともに第2の薬液の供給停止に基づいて循環流量を増大させることを特徴とする請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記第2の薬液の供給量を複数回に分割して供給することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項12】
基板を処理液で処理するための処理槽と、処理槽に第1の薬液を供給するための第1薬液供給機構と、第1の薬液と反応して処理液を生成する第2の薬液を処理槽に供給するための第2薬液供給機構と、処理槽に接続した循環流路を用いて処理液を循環させるための処理液循環機構とを有し、所定の循環流量で処理液を循環させて基板を処理する基板処理装置を用いて、処理液を所定の循環流量で循環させながら処理槽の内部で基板を処理液で処理するための基板処理プログラムを格納した記憶媒体において、
第2の薬液の供給を開始するとともに第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を変化させることを特徴とする基板処理プログラムを格納した記憶媒体。
【請求項13】
前記第2の薬液の供給開始に基づいて循環流量を低減させることを特徴とする請求項12に記載の基板処理プログラムを格納した記憶媒体。
【請求項14】
前記第2の薬液の供給を停止するとともに第2の薬液の供給停止に基づいて循環流量を増大させることを特徴とする請求項13に記載の基板処理プログラムを格納した記憶媒体。
【請求項15】
前記第2の薬液の供給量を複数回に分割して供給することを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載の基板処理プログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−283297(P2010−283297A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137560(P2009−137560)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】