基板処理装置
【課題】副次的問題を発生させることなく、膜品質を向上させることができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御する。
【解決手段】複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造工程に用いられている基板上に薄膜を形成する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の1つに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて基板上に所定の薄膜を堆積する成膜工程がある。CVD法とは、ガス状原料の気相および表面での反応を利用して、原料分子に含まれる元素を構成要素とする薄膜を被処理基板上へ堆積する方法である。CVD法のなかで、薄膜堆積が原子層レベルで制御されているものはALD法、或いはサイクリックCVD法と呼ばれている。ALD法では、二種類以上の原料を交互に基板へ供給する方法が用いられ、その繰り返し回数(サイクル数)によって膜厚が制御される。
【0003】
従来から、例えば、ジクロロシラン(DCS)ガスとアンモニア(NH3)ガスを用いて、ALD法、或いはサイクリックCVD法によってDCS照射処理とNH3照射処理を繰り返すことにより、基板上に所定膜厚のアモルファスシリコン窒化膜(SiN膜)の形成が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3947126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の方法によって形成されるCVD膜は、低温化するほど成膜速度が遅くなり、膜品質が悪くなってしまう。また、膜中へ副生成物が混入することによって絶縁性不良、パーティクル不良が発生してしまうといった問題があった。
【0006】
上述の問題は、主に、NH3の窒化不足によって引き起こされるものであり、例えば、サイクル処理の時間を短くしたり、基板温度を下げたり、被処理基板上のパターンを微細化したり、処理枚数を増やしたりすると、より顕著に生ずることとなる。
しかしながら、NH3照射処理におけるガス供給量や圧力を増加したり、プラズマによる励起エネルギーを印加して窒化力を強化しても、より低温での成膜になるほど副次的な問題が発生してしまっていた。すなわち、NH3照射処理におけるガス供給量や圧力を増加することで、低温化に伴ってガス利用効率が大幅に悪くなり、プラズマによる励起エネルギーを印加してプラズマ照射エネルギーを高めることで、基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)を引き起こし、パーティクルを発生しやすくしてしまい、メンテナンス周期が短くなってしまっていた。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、副次的問題を発生させることなく、膜品質を向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、副次的問題を発生させることなく、膜品質を向上させることができる基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す図である。
【図2】本発明の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態における第2のノズルを示し、(a)は側面図、(b)は(a)の横断面(A−A線断面)図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第2のノズルとウエハの位置対応図である。
【図5】本発明の実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における第2のノズルの横断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における第2のノズルの横断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における第2のノズルの側面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態における第2のノズルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態における半導体装置の製造方法及び基板処理装置を図面に基づいて説明する。ここでは、SiN薄膜を成膜する成膜工程を行う実施形態について説明する。
【0012】
本発明の実施形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(例えばIC等)の製造方法における基板処理工程としての成膜工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に対して酸化、拡散処理やCVD処理などを行うバッチ式縦型装置(以下、単に処理装置という場合もある)を用いた場合について述べる。
【0013】
図1は、本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を縦断面で示し、図2は本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分のA−A線断面図である。
【0014】
図1に示されているように、処理炉202は、加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管203が設けられる。
【0015】
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は反応管203の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側にはボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255はシールキャップを貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0016】
シールキャップ219には断熱部材としての石英キャップ218を介して基板支持具としてのボート217が立設されている。石英キャップ218は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能すると共にボートを保持する保持体となっている。ボート217は例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて管軸方向に多段に支持されるように構成されている。
【0017】
処理室201内であって反応管203の下部には、第1のノズル249a及び第2のノズル249bが反応管203を貫通するように設けられている。第1のノズル249aには第1のガス供給管232aが接続され、さらに第1のガス供給管232aには第1のノズル249aとの接続箇所(接続部)よりも上流側に不活性ガス供給管232bが接続されている。また第2のノズル249bには第2のガス供給管232cが接続され、さらに第2のガス供給管232cには後述のように第2のノズル249bとの接続箇所(接続部)よりも上流側に不活性ガス供給管232dが接続されている。
【0018】
第1のガス供給管232aには上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a、開閉弁であるバルブ543、バッファタンク500及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。また、第1のガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、不活性ガス供給管232bが接続されている。この不活性ガス供給管232bには上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241b、及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。また、第1のガス供給管232aの先端部には、上述の第1のノズル249aが接続されている。第1のノズル249aは、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第1のノズル249aはL字型のロングのノズルとして構成されている。第1のノズル249aの側面にはガスを供給するガス供給孔250aが設けられている。ガス供給孔250aは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第1のガス供給管232a、マスフローコントローラ241a、バルブ543、243a、バッファタンク500、第1のノズル249aにより第1のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232b、マスフローコントローラ241b、バルブ243bにより第1の不活性ガス供給系が構成される。
【0019】
第2のガス供給管232cには上流方向から順に流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、第2のガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、不活性ガス供給管232dが接続されている。この不活性ガス供給管232dには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ241d、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。また、第2のガス供給管232cの先端部には、後述する第2のノズル249bが接続されている。
【0020】
主に、第2のガス供給管232c、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、及び第2のノズル249bにより第2のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232d、マスフローコントローラ241d、バルブ243dにより第2の不活性ガス供給系が構成される。
【0021】
第1のガス供給管232aからは、例えば、シリコン原料ガス、すなわち第1の元素としてシリコン(Si)を含むガス(シリコン含有ガス)が第1の処理ガスとして、マスフローコントローラ241a、バルブ543、バッファタンク500、バルブ243a、第1のノズル249aを介して処理室201内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばジクロロシラン(SiH2Cl2、DCS)ガスを用いることができる。
【0022】
第2のガス供給管232cからは、例えば第2の元素として窒素(N)を含むガス(窒素含有ガス)が原料ガスを改質する第2の処理ガスとして、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、第2のノズル249bを介して処理室201内に供給される。窒素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH3)ガスを用いることができる。
【0023】
不活性ガス供給管232b及び232dからは、不活性ガスとして例えば窒素(N2)ガスが、それぞれマスフローコントローラ241b及び241d、バルブ243b及び243d、ガス供給管232a及び232c、ノズル249a、249bを介して処理室201内に供給される。
【0024】
なお、例えば各ガス供給管から上述のようなガスをそれぞれ流す場合、第1のガス供給系により原料ガス供給系、すなわちシリコン含有ガス供給系(シラン系ガス供給系)が構成される。また、第2のガス供給系により改質ガス供給系、すなわち窒素含有ガス供給系が構成される。
【0025】
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ244は弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能となっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ244、真空ポンプ246、圧力センサ245により排気系が構成される。
【0026】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル249aと同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0027】
次に、本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bについて詳述する。
図3には、本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bが示されている。
本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bは、第1のノズル249a同様、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第2のノズル249bはL字型のロングのノズルとして構成されている。第2のノズル249bの側面にはガスを供給するガス供給孔250bが設けられている。ガス供給孔250bは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
【0028】
第2のノズル249bの内部には、紫外線光(UV光)をNH3ガスとともに処理室201内に照射する紫外線(UV)照射部98が設けられている。UV照射部98は、UV光の入口としてのUV導入部106と、UV光の通路としてのUV導波路100と、UV光の出口としてのUV開口部110から構成される。
【0029】
UV導波路100は、第2のノズル249bの下部より上部に沿って、ノズル249bと同心円上に設けられている。第2のノズル249bの下方には、UV光入口としてのUV導入部106がUV導波路100に接続されて設けられている。また、ガス供給孔250bと対向する側には、UV光出口としてのUV開口部110がUV導波路100に接続されて設けられている。UV導波路100は、例えば、高純度の石英からなる石英ロッド102で構成される。
【0030】
UV導入部106には、光ファイバ103でUV光源104が接続されている。UV光源104として、例えばフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ(波長193nm)が用いられる。これにより、NH3ガスは効率よく励起される。
【0031】
UV開口部110は、図3(b)に示されているように三角状のスリットで形成され、UV光が干渉しあうようにされている。また、UV開口部110からUV光の出口の進路となる空間線上にガス供給孔250bが配置される。また、図4に示されているように複数のガス供給孔250bが、それぞれウエハ200間に配置される。
すなわち、UV光は、UV光源104から光ファイバ103を介して、UV導入部106を通過し、UV導波路100、UV開口部110を介して、ガス供給孔250bから排出されるNH3ガスとともに処理室201内へ照射される。すなわち、NH3ガスは、第2のノズル249b内壁と石英ロッド102外壁の間を流れ、ガス供給孔250bからUV光とともにウエハ200方向に水平に照射される。
【0032】
これにより、ウエハ200近傍でNH3ガス(窒化ガス)を励起させることで窒化処理の効率を高めることができる。通常、励起したNH3ガスは、ウエハ200との距離に対応して指数関数的に失活するからである。
【0033】
制御部(制御手段)であるコントローラ121は、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d、バルブ543、243a、243b、243c、243d、バッファタンク500、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、ボート回転機構267、ボートエレベータ115、UV光源104等に接続されている。コントローラ121により、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ543、243a、243b、243c、243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉及び圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、気化器500の制御、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節動作、ボートエレベータ115の昇降動作、UV光源104の起動・停止等の制御が行われる。
【0034】
次に、上述の基板処理装置の処理炉を用いて半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜を成膜するシーケンス例について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0035】
ここでは第1の元素をシリコン(Si)、第2の元素を窒素(N)とし、第1の元素を含む第1の処理ガスとしてシリコン含有ガスであるDCSガスを、第2の元素を含む第2の処理ガスとして窒素含有ガスであるNH3ガスを用い、基板上に絶縁膜としてSiN膜を形成する例について図5及び図6を参照して説明する。図5は、本実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートであり、図6は本実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。尚、この例では、第1のガス供給系によりシリコン含有ガス供給系(第1の元素含有ガス供給系)が構成され、第2のガス供給系により窒素含有ガス供給系(第2の元素含有ガス供給系)が構成される。
【0036】
まず、複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ、S1)されると、図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード、S2)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
【0037】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ244が、フィードバック制御される(圧力調整、S3)。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される(温度調整、S4)。続いて、回転機構267により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。
【0038】
そして、DCSガスとNH3ガスを処理室201内に供給することによりSiN膜を成膜する。成膜工程S5では次の4つのステップを順次実行する。
【0039】
<ステップS5a>
ステップS5aでは、まずDCSガスを流す。あらかじめバッファタンク500に溜められたDCSガスは、バルブ243aが開かれることで、第1のガス供給管232aを介して第1のノズル249aのガス供給孔250aからウエハ200へ照射される。この際、第2のノズル249bからは不活性ガス供給管232dのバルブ243dが開かれマスフローコントローラ241dにより流量調整された不活性ガスであるN2ガスが処理室201内に供給される。ここで、バッファタンク500にDCSガスを溜める場合には、バルブ243aを閉め、バルブ543を開けて、マスフローコントローラ241aにより流量調整されたDCSガスを所定時間、所定量(1サイクル分)バッファタンク500へ溜めておく。
【0040】
このとき、APCバルブ244を閉じておくとよい。マスフローコントローラ241aで制御するDCSガスの供給流量は、例えば50〜300ccの範囲内の流量とする。DCSガスをウエハ200に晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜10秒が好適である。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300度程度の温度となるよう設定する。
【0041】
<ステップS5b>
ステップS5bでは、シリコン含有層が形成された後、バルブ243aを閉じ、DCSガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244を開いて、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとし、バルブ243bを開いて、第1のノズル249a及び第2のノズル249bからN2ガスを処理室201内へ供給する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。不活性ガスとしては、N2ガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
【0042】
<ステップS5c>
ステップS5cでは、処理室201内の残留ガスを除去した後、第2のガス供給管232cのバルブ243cを開き、第2のガス供給管232c内にNH3ガスを流す。第2のガス供給管232c内を流れたNH3ガスは、マスフローコントローラ241cにより流量調整される。流量調整されたNH3ガスは第2のノズル249bのガス供給孔250bから処理室201内に供給される。このとき、UV光源104からUV光を流すことでUV導波路100を介してUV光が照射され、NH3ガスは励起され、活性種としてガス供給孔250bからウエハ200の水平方向に向けて処理室201内に供給される。この時同時にバルブ243bを開き、第1のノズル249aから処理室201内にN2ガスを流す。このとき、APCバルブ244は開閉どちらでもよい。
【0043】
NH3ガスにUV光を照射して励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば5〜30秒が好適であるが、ウエハ200の温度が低いほど、このNH3ガスにUV光を照射して励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間を長くすることで不足したエネルギーを補完できる。また、UV光源104の出力を上げてもエネルギーを補完できる。
【0044】
<ステップS5d>
その後、第2のガス供給管232cのバルブ243cを閉じて、NH3ガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いて、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNH3ガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNH3ガスを処理室201内から排除する効果を高める。
【0045】
上述したステップS5a〜S5dを1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、ウエハ200上に所定膜厚のシリコン(第1の元素)および窒素(第2の元素)を含むSiN膜を成膜することができる。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。
【0046】
所定膜厚のSiN膜を形成する成膜処理がなされると、N2ガス等の不活性ガスが処理室201内へ供給されつつ排気されることで処理室201内が不活性ガスでパージされる(ガスパージ、S6)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰、S7)。
【0047】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード、S8)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ、S9)。
【0048】
なお、ここでは本実施形態の具体例として、DCSガスとNH3ガスを用いてSiN膜を形成する例について説明したが、これに限らず、DCSガスのかわりに、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、略称:HCD)ガスを用いてもよい。
【0049】
なお、ここでは本実施形態の具体例として、アモルファスシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する例について説明したが、これに限らず、アモルファス酸化膜(SiO膜)を形成する場合にも適用できる。その際、NH3ガスのかわりにオゾン(O3)ガス、DCSガスのかわりにトリスジメチルアミノシラン((Si(N(CH3)2))3H、TDMAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH2(NH(C4H9))2、BTBAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(SiH2(N(C2H5)2)2、BDEAS)ガスなどの有機原料を用いても良い。すなわち、本実施形態においては窒化処理に対してUVエネルギーを印加していたが、この場合には、酸化処理に対してUVエネルギーを印加する。O3はNH3同様にUV光によって効率よく励起される。
【0050】
また、本実施の具体例として、Si原料の窒化、酸化を挙げSiN膜、SiO膜を形成する例について説明したが、これに限らず、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)等のHigh−k誘電体膜、或いは、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)等の電極材料にも適用できる。
【0051】
また、低温処理が可能であるので、半導体基板に限定されず、LCD基板、EL等のプラスチック基板、紙等の低温で処理可能な基板にも適用できる。
【0052】
以上のように、本発明では、UV照射部98を用いてUV光を基板近傍へ窒化ガス(酸化ガス)とともに導くので、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。すなわち、450度以下〜常温に至るまでの低温における成膜処理(窒化膜、酸化膜)が可能となる。
【0053】
図7には、本発明の第2の実施形態にかかる第2のノズル249bの横断面図が示されている。第1の実施形態にかかる第2のノズル249bとは、UV光出口であるUV開口部の形状が異なっている。第2の実施形態のUV開口部120は、図7に示されているように、コの字形状のスリットで形成されている。本実施形態においても、窒化ガスや酸化ガスを励起することができ、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。
【0054】
図8には、本発明の第3の実施形態にかかる第2のノズル249bの横断面図が示されている。第3の実施形態のUV開口部130は、図8に示されているように、円錐状のスリットで形成されている。本実施形態においても、窒化ガスや酸化ガスを励起することができ、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。また、製作上のコスト面、強度の観点からみてもよい。
【0055】
図9には、本発明の第4の実施形態にかかる第2のノズル249bの側面図が示されている。第4の実施形態のUV開口部140は、UV光の出力をガス供給孔250b毎に調整するために第2のノズル249bの下方から上方にむけて角度θの傾斜をスリットに設ける。このθを調整することにより、より多くのウエハ200をボート217に積載した場合に、UV光を均等にウエハ200へ照射することができる。
【0056】
図10には、本発明の第5の実施形態にかかる第2のノズル249bの側面図が示されている。第5の実施形態においては、ループ構造の第2のノズル249bを用いる。第2のノズル249bの内部には、紫外線光(UV光)をNH3ガスとともに処理室201内に照射するループ形状の紫外線(UV)照射部98が設けられている。このように、図10に示されているようなループ構造のノズルを用いることで、UV光の多くがノズルの先端部から出力されることを防ぐことができる。
【0057】
また、本発明は色々な形態で実施され得るので、本発明の範囲は、上述の実施形態や実施例に限定されるものではなく、第1の実施形態と第4の実施形態、第2の実施形態と第4の実施形態、第3の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態と第2若しくは第3の実施形態をそれぞれ組み合わせても良い。
【0058】
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
【0059】
(付記1)
本発明の一態様によれば、複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記処理室に供給することにより該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置が提供される。
(付記2)
本発明の他の一態様によれば、複数の基板を処理室内の基板支持具へ積載する工程と、前記複数の基板を加熱手段により加熱する工程と、前記処理室内を所定の圧力で排気する工程と、NH3又はO3を含むガスを紫外線照射部を具備するノズルを経由させて、該ガスと紫外線光を前記複数の基板に対して略水平方向から供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記3)
好ましくは、前記紫外線照射部に光干渉型の開口部となるスリットを設け、前記開口部から紫外線光の出口の進路となる空間線上に前記ガス供給孔が配置される。
(付記4)
好ましくは、前記スリットに傾斜角θで示す傾斜を設ける。
(付記5)
好ましくは、前記ガス供給孔が前記複数の基板間の中央に配置される。
【符号の説明】
【0060】
98 紫外線(UV)照射部
100 UV導波路
104 UV光源
110、120、130、140 UV開口部
121 コントローラ(制御部)
200 ウエハ(基板)
201 処理室
202 処理炉
207 ヒータ(加熱機構)
249a 第1のノズル
249b 第2のノズル
250a、250b ガス供給孔
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体製造工程に用いられている基板上に薄膜を形成する基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の1つに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やALD(Atomic Layer Deposition)法を用いて基板上に所定の薄膜を堆積する成膜工程がある。CVD法とは、ガス状原料の気相および表面での反応を利用して、原料分子に含まれる元素を構成要素とする薄膜を被処理基板上へ堆積する方法である。CVD法のなかで、薄膜堆積が原子層レベルで制御されているものはALD法、或いはサイクリックCVD法と呼ばれている。ALD法では、二種類以上の原料を交互に基板へ供給する方法が用いられ、その繰り返し回数(サイクル数)によって膜厚が制御される。
【0003】
従来から、例えば、ジクロロシラン(DCS)ガスとアンモニア(NH3)ガスを用いて、ALD法、或いはサイクリックCVD法によってDCS照射処理とNH3照射処理を繰り返すことにより、基板上に所定膜厚のアモルファスシリコン窒化膜(SiN膜)の形成が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3947126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の方法によって形成されるCVD膜は、低温化するほど成膜速度が遅くなり、膜品質が悪くなってしまう。また、膜中へ副生成物が混入することによって絶縁性不良、パーティクル不良が発生してしまうといった問題があった。
【0006】
上述の問題は、主に、NH3の窒化不足によって引き起こされるものであり、例えば、サイクル処理の時間を短くしたり、基板温度を下げたり、被処理基板上のパターンを微細化したり、処理枚数を増やしたりすると、より顕著に生ずることとなる。
しかしながら、NH3照射処理におけるガス供給量や圧力を増加したり、プラズマによる励起エネルギーを印加して窒化力を強化しても、より低温での成膜になるほど副次的な問題が発生してしまっていた。すなわち、NH3照射処理におけるガス供給量や圧力を増加することで、低温化に伴ってガス利用効率が大幅に悪くなり、プラズマによる励起エネルギーを印加してプラズマ照射エネルギーを高めることで、基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)を引き起こし、パーティクルを発生しやすくしてしまい、メンテナンス周期が短くなってしまっていた。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、副次的問題を発生させることなく、膜品質を向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、副次的問題を発生させることなく、膜品質を向上させることができる基板処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示す図である。
【図2】本発明の実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態における第2のノズルを示し、(a)は側面図、(b)は(a)の横断面(A−A線断面)図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第2のノズルとウエハの位置対応図である。
【図5】本発明の実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における第2のノズルの横断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における第2のノズルの横断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における第2のノズルの側面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態における第2のノズルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態における半導体装置の製造方法及び基板処理装置を図面に基づいて説明する。ここでは、SiN薄膜を成膜する成膜工程を行う実施形態について説明する。
【0012】
本発明の実施形態において、基板処理装置は、一例として、半導体装置(例えばIC等)の製造方法における基板処理工程としての成膜工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として基板に対して酸化、拡散処理やCVD処理などを行うバッチ式縦型装置(以下、単に処理装置という場合もある)を用いた場合について述べる。
【0013】
図1は、本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分を縦断面で示し、図2は本実施形態における基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉202部分のA−A線断面図である。
【0014】
図1に示されているように、処理炉202は、加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース(図示せず)に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器(処理容器)を構成する反応管203が設けられる。
【0015】
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は反応管203の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側にはボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255はシールキャップを貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0016】
シールキャップ219には断熱部材としての石英キャップ218を介して基板支持具としてのボート217が立設されている。石英キャップ218は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能すると共にボートを保持する保持体となっている。ボート217は例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料で構成され複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて管軸方向に多段に支持されるように構成されている。
【0017】
処理室201内であって反応管203の下部には、第1のノズル249a及び第2のノズル249bが反応管203を貫通するように設けられている。第1のノズル249aには第1のガス供給管232aが接続され、さらに第1のガス供給管232aには第1のノズル249aとの接続箇所(接続部)よりも上流側に不活性ガス供給管232bが接続されている。また第2のノズル249bには第2のガス供給管232cが接続され、さらに第2のガス供給管232cには後述のように第2のノズル249bとの接続箇所(接続部)よりも上流側に不活性ガス供給管232dが接続されている。
【0018】
第1のガス供給管232aには上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a、開閉弁であるバルブ543、バッファタンク500及び開閉弁であるバルブ243aが設けられている。また、第1のガス供給管232aのバルブ243aよりも下流側には、不活性ガス供給管232bが接続されている。この不活性ガス供給管232bには上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241b、及び開閉弁であるバルブ243bが設けられている。また、第1のガス供給管232aの先端部には、上述の第1のノズル249aが接続されている。第1のノズル249aは、反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第1のノズル249aはL字型のロングのノズルとして構成されている。第1のノズル249aの側面にはガスを供給するガス供給孔250aが設けられている。ガス供給孔250aは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250aは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。主に、第1のガス供給管232a、マスフローコントローラ241a、バルブ543、243a、バッファタンク500、第1のノズル249aにより第1のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232b、マスフローコントローラ241b、バルブ243bにより第1の不活性ガス供給系が構成される。
【0019】
第2のガス供給管232cには上流方向から順に流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241c、及び開閉弁であるバルブ243cが設けられている。また、第2のガス供給管232cのバルブ243cよりも下流側には、不活性ガス供給管232dが接続されている。この不活性ガス供給管232dには、上流方向から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ241d、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。また、第2のガス供給管232cの先端部には、後述する第2のノズル249bが接続されている。
【0020】
主に、第2のガス供給管232c、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、及び第2のノズル249bにより第2のガス供給系が構成される。また、主に、不活性ガス供給管232d、マスフローコントローラ241d、バルブ243dにより第2の不活性ガス供給系が構成される。
【0021】
第1のガス供給管232aからは、例えば、シリコン原料ガス、すなわち第1の元素としてシリコン(Si)を含むガス(シリコン含有ガス)が第1の処理ガスとして、マスフローコントローラ241a、バルブ543、バッファタンク500、バルブ243a、第1のノズル249aを介して処理室201内に供給される。シリコン含有ガスとしては、例えばジクロロシラン(SiH2Cl2、DCS)ガスを用いることができる。
【0022】
第2のガス供給管232cからは、例えば第2の元素として窒素(N)を含むガス(窒素含有ガス)が原料ガスを改質する第2の処理ガスとして、マスフローコントローラ241c、バルブ243c、第2のノズル249bを介して処理室201内に供給される。窒素含有ガスとしては、例えばアンモニア(NH3)ガスを用いることができる。
【0023】
不活性ガス供給管232b及び232dからは、不活性ガスとして例えば窒素(N2)ガスが、それぞれマスフローコントローラ241b及び241d、バルブ243b及び243d、ガス供給管232a及び232c、ノズル249a、249bを介して処理室201内に供給される。
【0024】
なお、例えば各ガス供給管から上述のようなガスをそれぞれ流す場合、第1のガス供給系により原料ガス供給系、すなわちシリコン含有ガス供給系(シラン系ガス供給系)が構成される。また、第2のガス供給系により改質ガス供給系、すなわち窒素含有ガス供給系が構成される。
【0025】
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245及び圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ244は弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能となっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ244、真空ポンプ246、圧力センサ245により排気系が構成される。
【0026】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ263が設置されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、ノズル249aと同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0027】
次に、本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bについて詳述する。
図3には、本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bが示されている。
本発明の実施形態にかかる第2のノズル249bは、第1のノズル249a同様、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるように設けられている。第2のノズル249bはL字型のロングのノズルとして構成されている。第2のノズル249bの側面にはガスを供給するガス供給孔250bが設けられている。ガス供給孔250bは反応管203の中心を向くように開口している。このガス供給孔250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
【0028】
第2のノズル249bの内部には、紫外線光(UV光)をNH3ガスとともに処理室201内に照射する紫外線(UV)照射部98が設けられている。UV照射部98は、UV光の入口としてのUV導入部106と、UV光の通路としてのUV導波路100と、UV光の出口としてのUV開口部110から構成される。
【0029】
UV導波路100は、第2のノズル249bの下部より上部に沿って、ノズル249bと同心円上に設けられている。第2のノズル249bの下方には、UV光入口としてのUV導入部106がUV導波路100に接続されて設けられている。また、ガス供給孔250bと対向する側には、UV光出口としてのUV開口部110がUV導波路100に接続されて設けられている。UV導波路100は、例えば、高純度の石英からなる石英ロッド102で構成される。
【0030】
UV導入部106には、光ファイバ103でUV光源104が接続されている。UV光源104として、例えばフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ(波長193nm)が用いられる。これにより、NH3ガスは効率よく励起される。
【0031】
UV開口部110は、図3(b)に示されているように三角状のスリットで形成され、UV光が干渉しあうようにされている。また、UV開口部110からUV光の出口の進路となる空間線上にガス供給孔250bが配置される。また、図4に示されているように複数のガス供給孔250bが、それぞれウエハ200間に配置される。
すなわち、UV光は、UV光源104から光ファイバ103を介して、UV導入部106を通過し、UV導波路100、UV開口部110を介して、ガス供給孔250bから排出されるNH3ガスとともに処理室201内へ照射される。すなわち、NH3ガスは、第2のノズル249b内壁と石英ロッド102外壁の間を流れ、ガス供給孔250bからUV光とともにウエハ200方向に水平に照射される。
【0032】
これにより、ウエハ200近傍でNH3ガス(窒化ガス)を励起させることで窒化処理の効率を高めることができる。通常、励起したNH3ガスは、ウエハ200との距離に対応して指数関数的に失活するからである。
【0033】
制御部(制御手段)であるコントローラ121は、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241d、バルブ543、243a、243b、243c、243d、バッファタンク500、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ263、ボート回転機構267、ボートエレベータ115、UV光源104等に接続されている。コントローラ121により、マスフローコントローラ241a、241b、241c、241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ543、243a、243b、243c、243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉及び圧力センサ245に基づく圧力調整動作、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、気化器500の制御、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節動作、ボートエレベータ115の昇降動作、UV光源104の起動・停止等の制御が行われる。
【0034】
次に、上述の基板処理装置の処理炉を用いて半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板上に絶縁膜を成膜するシーケンス例について説明する。尚、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0035】
ここでは第1の元素をシリコン(Si)、第2の元素を窒素(N)とし、第1の元素を含む第1の処理ガスとしてシリコン含有ガスであるDCSガスを、第2の元素を含む第2の処理ガスとして窒素含有ガスであるNH3ガスを用い、基板上に絶縁膜としてSiN膜を形成する例について図5及び図6を参照して説明する。図5は、本実施形態におけるプロセスを説明するフローチャートであり、図6は本実施形態におけるプロセスシーケンスを示す図である。尚、この例では、第1のガス供給系によりシリコン含有ガス供給系(第1の元素含有ガス供給系)が構成され、第2のガス供給系により窒素含有ガス供給系(第2の元素含有ガス供給系)が構成される。
【0036】
まず、複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ、S1)されると、図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード、S2)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介して反応管203の下端をシールした状態となる。
【0037】
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は、圧力センサ245で測定され、この測定された圧力に基づきAPCバルブ244が、フィードバック制御される(圧力調整、S3)。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される(温度調整、S4)。続いて、回転機構267により、ボート217が回転されることで、ウエハ200が回転される。
【0038】
そして、DCSガスとNH3ガスを処理室201内に供給することによりSiN膜を成膜する。成膜工程S5では次の4つのステップを順次実行する。
【0039】
<ステップS5a>
ステップS5aでは、まずDCSガスを流す。あらかじめバッファタンク500に溜められたDCSガスは、バルブ243aが開かれることで、第1のガス供給管232aを介して第1のノズル249aのガス供給孔250aからウエハ200へ照射される。この際、第2のノズル249bからは不活性ガス供給管232dのバルブ243dが開かれマスフローコントローラ241dにより流量調整された不活性ガスであるN2ガスが処理室201内に供給される。ここで、バッファタンク500にDCSガスを溜める場合には、バルブ243aを閉め、バルブ543を開けて、マスフローコントローラ241aにより流量調整されたDCSガスを所定時間、所定量(1サイクル分)バッファタンク500へ溜めておく。
【0040】
このとき、APCバルブ244を閉じておくとよい。マスフローコントローラ241aで制御するDCSガスの供給流量は、例えば50〜300ccの範囲内の流量とする。DCSガスをウエハ200に晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば2〜10秒が好適である。このときヒータ207の温度は、ウエハ200の温度が、例えば300度程度の温度となるよう設定する。
【0041】
<ステップS5b>
ステップS5bでは、シリコン含有層が形成された後、バルブ243aを閉じ、DCSガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244を開いて、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとし、バルブ243bを開いて、第1のノズル249a及び第2のノズル249bからN2ガスを処理室201内へ供給する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。不活性ガスとしては、N2ガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
【0042】
<ステップS5c>
ステップS5cでは、処理室201内の残留ガスを除去した後、第2のガス供給管232cのバルブ243cを開き、第2のガス供給管232c内にNH3ガスを流す。第2のガス供給管232c内を流れたNH3ガスは、マスフローコントローラ241cにより流量調整される。流量調整されたNH3ガスは第2のノズル249bのガス供給孔250bから処理室201内に供給される。このとき、UV光源104からUV光を流すことでUV導波路100を介してUV光が照射され、NH3ガスは励起され、活性種としてガス供給孔250bからウエハ200の水平方向に向けて処理室201内に供給される。この時同時にバルブ243bを開き、第1のノズル249aから処理室201内にN2ガスを流す。このとき、APCバルブ244は開閉どちらでもよい。
【0043】
NH3ガスにUV光を照射して励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間、すなわちガス供給時間(照射時間)は、例えば5〜30秒が好適であるが、ウエハ200の温度が低いほど、このNH3ガスにUV光を照射して励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間を長くすることで不足したエネルギーを補完できる。また、UV光源104の出力を上げてもエネルギーを補完できる。
【0044】
<ステップS5d>
その後、第2のガス供給管232cのバルブ243cを閉じて、NH3ガスの供給を停止する。このとき、ガス排気管231のAPCバルブ244は開いて、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNH3ガスを処理室201内から排除する。なお、この時バルブ243dは開いたままとして、N2ガスの処理室201内への供給を維持する。これにより、処理室201内に残留する未反応もしくは窒化に寄与した後のNH3ガスを処理室201内から排除する効果を高める。
【0045】
上述したステップS5a〜S5dを1サイクルとして、このサイクルを少なくとも1回以上行うことにより、ウエハ200上に所定膜厚のシリコン(第1の元素)および窒素(第2の元素)を含むSiN膜を成膜することができる。なお、上述のサイクルは、複数回繰り返すのが好ましい。
【0046】
所定膜厚のSiN膜を形成する成膜処理がなされると、N2ガス等の不活性ガスが処理室201内へ供給されつつ排気されることで処理室201内が不活性ガスでパージされる(ガスパージ、S6)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰、S7)。
【0047】
その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降されて、反応管203の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ200がボート217に支持された状態で反応管203の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード、S8)される。その後、処理済ウエハ200はボート217より取出される(ウエハディスチャージ、S9)。
【0048】
なお、ここでは本実施形態の具体例として、DCSガスとNH3ガスを用いてSiN膜を形成する例について説明したが、これに限らず、DCSガスのかわりに、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、略称:HCD)ガスを用いてもよい。
【0049】
なお、ここでは本実施形態の具体例として、アモルファスシリコン窒化膜(SiN膜)を形成する例について説明したが、これに限らず、アモルファス酸化膜(SiO膜)を形成する場合にも適用できる。その際、NH3ガスのかわりにオゾン(O3)ガス、DCSガスのかわりにトリスジメチルアミノシラン((Si(N(CH3)2))3H、TDMAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH2(NH(C4H9))2、BTBAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(SiH2(N(C2H5)2)2、BDEAS)ガスなどの有機原料を用いても良い。すなわち、本実施形態においては窒化処理に対してUVエネルギーを印加していたが、この場合には、酸化処理に対してUVエネルギーを印加する。O3はNH3同様にUV光によって効率よく励起される。
【0050】
また、本実施の具体例として、Si原料の窒化、酸化を挙げSiN膜、SiO膜を形成する例について説明したが、これに限らず、ランタン(La)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)等のHigh−k誘電体膜、或いは、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)等の電極材料にも適用できる。
【0051】
また、低温処理が可能であるので、半導体基板に限定されず、LCD基板、EL等のプラスチック基板、紙等の低温で処理可能な基板にも適用できる。
【0052】
以上のように、本発明では、UV照射部98を用いてUV光を基板近傍へ窒化ガス(酸化ガス)とともに導くので、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。すなわち、450度以下〜常温に至るまでの低温における成膜処理(窒化膜、酸化膜)が可能となる。
【0053】
図7には、本発明の第2の実施形態にかかる第2のノズル249bの横断面図が示されている。第1の実施形態にかかる第2のノズル249bとは、UV光出口であるUV開口部の形状が異なっている。第2の実施形態のUV開口部120は、図7に示されているように、コの字形状のスリットで形成されている。本実施形態においても、窒化ガスや酸化ガスを励起することができ、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。
【0054】
図8には、本発明の第3の実施形態にかかる第2のノズル249bの横断面図が示されている。第3の実施形態のUV開口部130は、図8に示されているように、円錐状のスリットで形成されている。本実施形態においても、窒化ガスや酸化ガスを励起することができ、従来のプラズマを用いたときのような基板に対する電気的なダメージ(絶縁破壊)や、パーティクルの発生を抑制し、膜品質を向上させることができる。また、製作上のコスト面、強度の観点からみてもよい。
【0055】
図9には、本発明の第4の実施形態にかかる第2のノズル249bの側面図が示されている。第4の実施形態のUV開口部140は、UV光の出力をガス供給孔250b毎に調整するために第2のノズル249bの下方から上方にむけて角度θの傾斜をスリットに設ける。このθを調整することにより、より多くのウエハ200をボート217に積載した場合に、UV光を均等にウエハ200へ照射することができる。
【0056】
図10には、本発明の第5の実施形態にかかる第2のノズル249bの側面図が示されている。第5の実施形態においては、ループ構造の第2のノズル249bを用いる。第2のノズル249bの内部には、紫外線光(UV光)をNH3ガスとともに処理室201内に照射するループ形状の紫外線(UV)照射部98が設けられている。このように、図10に示されているようなループ構造のノズルを用いることで、UV光の多くがノズルの先端部から出力されることを防ぐことができる。
【0057】
また、本発明は色々な形態で実施され得るので、本発明の範囲は、上述の実施形態や実施例に限定されるものではなく、第1の実施形態と第4の実施形態、第2の実施形態と第4の実施形態、第3の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態と第4の実施形態、第5の実施形態と第2若しくは第3の実施形態をそれぞれ組み合わせても良い。
【0058】
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
【0059】
(付記1)
本発明の一態様によれば、複数の基板を収容する処理室と、前記基板を積層して支持する基板支持具と、前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記処理室に供給することにより該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置が提供される。
(付記2)
本発明の他の一態様によれば、複数の基板を処理室内の基板支持具へ積載する工程と、前記複数の基板を加熱手段により加熱する工程と、前記処理室内を所定の圧力で排気する工程と、NH3又はO3を含むガスを紫外線照射部を具備するノズルを経由させて、該ガスと紫外線光を前記複数の基板に対して略水平方向から供給する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
(付記3)
好ましくは、前記紫外線照射部に光干渉型の開口部となるスリットを設け、前記開口部から紫外線光の出口の進路となる空間線上に前記ガス供給孔が配置される。
(付記4)
好ましくは、前記スリットに傾斜角θで示す傾斜を設ける。
(付記5)
好ましくは、前記ガス供給孔が前記複数の基板間の中央に配置される。
【符号の説明】
【0060】
98 紫外線(UV)照射部
100 UV導波路
104 UV光源
110、120、130、140 UV開口部
121 コントローラ(制御部)
200 ウエハ(基板)
201 処理室
202 処理炉
207 ヒータ(加熱機構)
249a 第1のノズル
249b 第2のノズル
250a、250b ガス供給孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を収容する処理室と、
前記基板を積層して支持する基板支持具と、
前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、
前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、
前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置。
【請求項1】
複数の基板を収容する処理室と、
前記基板を積層して支持する基板支持具と、
前記処理室に処理ガスを供給するガス供給手段と、
前記ガス供給手段を制御する制御部と、を有し、
前記ガス供給手段は、前記複数の基板間に開口する複数のガス供給孔と、前記処理ガスを紫外線光により活性化する紫外線照射部を有する前記処理室内に前記基板の積層方向に沿って立設するノズルであって、前記制御部は、前記ガス供給孔から紫外線光とともに前記処理ガスを前記複数の基板間に供給して該処理ガスを励起するよう前記ガス供給手段を制御するよう構成される基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−114350(P2012−114350A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263791(P2010−263791)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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