説明

多地点監視方法、監視ポイント装置及び監視局装置

本発明に係る多地点監視方法は、複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法であって、異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分の光異常検出信号が、該光伝送路から供給された光信号に多重化されて該光伝送路に出力されるよう達成される。このような多地点監視方法によれば、監視局で光伝送路から供給される光信号を各波長成分に分波して、各波長成分の有無から異常が発生している監視ポイントを特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、多地点監視方法、監視ポイント装置及び監視局装置に関し、より詳細には、複数の監視ポイントに設置される設備等の異常を監視局に通知する多地点監視方法、監視ポイント装置及び監視局装置に関する。
【背景技術】
多地点に設置される設備類(送電鉄塔、配電柱、鉄道設備、道路設備、監視契約された民家・事務所、パイプライン設備、ビル内の諸設備)の故障又は不法侵入等が発生されたとき、その情報を監視所に送出して、発生場所を特定する技術が知られている。
無線を利用した技術では、多地点の設備に無線送信機がそれぞれ設置される。故障等を検出する検出器(センサ等)からの発生情報は、電波に変換されて監視局に送出される。監視局では、各設備からの電波情報が識別されて、発生場所が特定される。この無線を利用した技術では、電波資源の制限及び雑音対策等により、多くの地点に無線機を設置することは困難であり、遠方の地点から強い電波を放出することも困難である。
また、有線を利用した技術では、多地点の設備と監視局とが有線により接続される。センサからの情報は、電気信号又は光信号等に変換されて監視局に送信される。監視局では、各設備からの信号が識別されて、発生場所が特定される。この有線を利用した技術では、新規に伝送路を敷設することは、広範囲なシステムでは経済的に不利である。一方で、既存の伝送路については、山間部、僻地等にはシステムが存在しないケースが多く、これらを利用することは困難である。
たとえば、送電線系統システムでは、送電線を支持する多くの鉄塔が設けられている。これらの鉄塔は、落雷等により故障することがあるため、故障が発生した鉄塔を特定することが重要な業務となっている。
具体的には、故障発生時の送電系統の電圧、電流、位相等の変動状況から大雑把な故障発生地点が判別される。次いで、徒歩やヘリコプター等により巡視され、目視により故障検出センサの表示の確認又は双眼鏡での鉄塔設備の点検により、故障した鉄塔が特定される。しかし、故障が発生した鉄塔を自動的かつ確実に個々に評定することは困難であった。上記の巡視及び点検を回避して、自動的かつ確実に故障した鉄塔を特定することが望まれている。故障が発生した鉄塔から故障の通知を光により伝送する方法に関して、具体的な方法は未だ提案されていない。
たとえば、主信号に波長多重化される監視制御信号を利用して、光増幅中継器の監視制御を行う技術(たとえば、特許文献1(特開平5−292083号公報))等が提案されている。しかし、この技術は、一般的なネットワークにおける各種警報及び命令の伝送に関する技術であって、監視ポイントとなる鉄塔等から監視局に対して故障の通知を直接的に行うものではない。
特許文献1 特開平5−292083号公報
【発明の開示】
本発明では、上述した従来技術の問題点を解決するものであって、監視ポイントから故障等の異常の通知を光伝送により実現する多地点監視方法及び監視ポイント装置及び監視局装置を提供することを総括的な目的としている。
この目的を達成するため、本発明に係る多地点監視方法は、複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法であって、異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分の光異常検出信号が、該光伝送路から供給された光信号に多重化されて該光伝送路に出力されるよう達成される。
このような多地点監視方法によれば、監視局で光伝送路から供給される光信号を各波長成分に分波して、各波長成分の有無から異常が発生している監視ポイントを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより一層明瞭となるであろう。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多地点監視システムの概念を示す図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る多地点監視システムの光伝送装置を示すブロック図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る監視局の構成を示す図である。
図4は、本発明の第1の実施の形態における光故障検出信号の流れを例示する図である。
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
図6は、本発明の第2の実施の形態における光故障検出信号の流れを例示する図である。
図7は、本発明の第2の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る多地点監視システムの概念を説明する図である。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る多地点監視システムの光伝送装置を示すブロック図である。
図10は、本発明の第3の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び動画像信号の流れを例示する図である。
図11は、本発明の第3の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
図12は、本発明の第3の実施の形態に係る多地点監視システムの動画像の伝送機能に関連する処理を説明するフローチャートである。
図13は、本発明の第4の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び動画像信号の流れを例示する図である。
図14は、本発明の第4の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る多地点監視システムの概念を示す図である。
図16は、本発明の第5の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の流れを例示する図である。
図17は、本発明の第5の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
図18は、本発明の第6の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の流れを例示する図である。
図19は、本発明の第6の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面と対応して詳細に説明する。
以下に説明する第1〜第6の実施の形態では、本発明に係る概念が送電線系統システムに適用される場合を説明する。ここでは、OPGWに内蔵又は添架される光ファイバ(以下、OPGW光ファイバと呼ぶ)を伝送路として、監視ポイントの異常に関する通知が行われる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る多地点監視システムの概念を示す図である。本多地点監視システムは、監視ポイントである鉄塔1,...,nが、OPGW光ファイバにより監視局70−1に接続されている。
なお、以下の第1〜第6の実施の形態を通して、監視局は、鉄塔1,...,nの両側にそれぞれ配置されているものとし、本実施の形態では、説明の便宜上、右端の監視局70−1のみが図示されている。
鉄塔1,...,nでは、鉄塔への落雷や飛来物の接触による故障が検出される。各鉄塔1,...,nで検出される故障の通知は、各鉄塔に固有に割当てられている波長λ,λ,...λの成分が光故障検出信号として監視局70−1に伝送されることによる。
たとえば、鉄塔1で故障が発生した場合、波長λの光故障検出信号は、OPGW光ファイバを介して鉄塔2に向けて伝送される。同時に、鉄塔2で故障が発生した場合、波長λの光故障検出信号は、鉄塔1から伝送される波長λの光故障検出信号と共にOPGW光ファイバを介して鉄塔3に向けて伝送される。
このように、各鉄塔に固有に割当てられた波長成分は、順次多重化されて伝送される。したがって、全ての鉄塔で故障が同時に発生した場合には、対応する全ての波長λ,λ,...,λの成分が監視局70−1に到達される。なお、本実施の形態では、鉄塔1,...,nに設けられる構成は同じであるため、以下、鉄塔1を例として説明する。
鉄塔1は、光伝送装置11−1及び故障検出センサ15−1を有している。また、光伝送装置11−1は、AWG部12−1、光送信部13−1を有している。AWG部12−1は、アレイ導波路格子(以下、AWGと呼ぶ)により実現される。AWG部12−1は、OPGW光ファイバを介して供給される光信号に対して、光波長成分の分岐・挿入操作(add and drop)を行う。
本実施の形態では、AWG部12−1は、供給される光信号を各波長成分に分波して出力し、この分波された波長成分に、光送出部13−1から送出される光故障検出信号の波長成分を多重化する。この多重化された光故障検出信号は、OPGW光ファイバを介して、隣接する鉄塔2に伝送される。
光送出部13−1は、故障検出センサ15−1により発生される故障検出信号を検出する。本実施の形態では、光送出部13−1は、電気信号である故障検出信号を光信号である光故障検出信号に変換する。この光故障検出信号は、鉄塔1に固有な波長λを有しており、AWG部12−1に供給される。
故障検出センサ15−1は、たとえば、送電鉄塔の脚等に取り付けられ、落雷や飛来物の接触等による鉄塔の電気的な故障を検出する。本実施の形態では、故障検出センサ15−1は、たとえば、鉄塔に流れる電流、絶縁破壊により生じる音等を検出して、電気信号である故障検出信号を発生する。この電気信号は、低速のオン・オフ信号等からなる。
また、監視局70−1は、監視エリアに収容される鉄塔1,...,nの保全及び運営に関して統括する。本実施の形態では、監視局70−1は、OPGW光ファイバを伝送される光故障検出信号を受信することにより、鉄塔1,...,nの故障状態を判定する。この監視局70−1は、AWG71−1及び故障検出装置73−1を有している。
AWG71−1は、受信された光信号を波長成分に分波して、出力ポート1,...,nから出力する。これら出力ポート1,...,nから出力される光信号は、鉄塔1,...,nにそれぞれ対応する波長λ,λ,...,λの成分を有している。
故障検出装置73−1は、AWG71−1の出力ポート1,...,nから出力される光信号に含まれる各波長成分の有無を判定する。本実施の形態では、故障検出装置73−1は、光信号に含まれる波長成分に対応する鉄塔で故障が発生しているものと判定する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る多地点監視システムの光伝送装置11−1を示すブロック図である。光伝送装置11−1は、AWG部12−1、光源部101−1、検出部106−1及び電源部109−1を有している。なお、光源部101−1と検出部106−1により、図1に示される光送出部13−1が構成される。
検出部106−1は、フォトカプラ107及びリレー(RL)回路108から構成される。故障検出センサ15−1で発生された故障検出信号は、フォトカプラ107により受信され、ここで外部雑音が遮断される。この故障検出信号の受信に応じてリレー回路108が動作する。リレー回路108の接点は、保持状態とされている。
光源部101−1は、リレー回路108の接点155、直流電源154、バイアス回路103及びレーザダイオード(LD)102から構成されている。リレー回路108の接点105は、バイアス回路103の動作を制御する。
本実施の形態では、検出部106−1のリレー回路108の動作に応じて接点105が閉じ、バイアス回路103には、直流電源104の電圧が印加される。この電圧の印加に応じて、LD102が発光される。LD102が放出する光の波長として、波長λが予め割当てられている。
AWG部12−1は、上述したAWG及び通過接続用の光ファイバ(図5参照)から構成されている。本発明では、OPGW光ファイバがAWG部12−1の所定の入力ポートに接続されている。また、AWG部12−1の所定の出力ポートにもOPGW光ファイバが接続されている。
本発明では、OPGW光ファイバの芯線のうちの所定の芯線が監視用の光伝送路として使用される。具体的には、OPGW光ファイバの芯線のうち、スプライスボックス14を介して所定の芯線のみが取り出され、AWG部12−1の所定の入力ポートに接続される。
AWG部12−1は、該入力ポートに供給される光信号の各波長成分(図2では、波長λ,λ及びλを例示)を分波して、各波長成分を出力ポートから出力する。該出力ポートから出力される各波長成分は、光ファイバ(図5参照)を介して、各波長に対応する入力ポートまで通過される。
AWG部12−1は、この入力ポートに通過される各波長成分を、新たな波長成分(図2では波長λを例示)と多重化して、所定の出力ポートから出力する。AWG部12−1の該出力ポートには、OPGW光ファイバの所定の芯線が接続されており、スプライスボックス14を介してOPGW光ファイバに戻される。
AWG部12−1には、光源部101−1で発生された光故障検出信号が供給される。図1では、鉄塔1は、監視局70−1が統括する監視エリアの左端に位置されるため、鉄塔1に対応する波長λの光故障検出信号のみが多重化される様子が示されている。この光故障検出信号は、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。
なお、AWG部12−1に対して、必要に応じて半導体光増幅器等が集積化されることにより、損失補償が行われる場合がある。また、監視局70−1からの遠方励起によるラマン増幅が行われる場合もある。
電源部109−1は、バッテリ(BATT)110を内蔵している。バッテリ110は、光伝送装置11−1に含まれる光源部101−1及び検出部106−1等に電力を供給する。このバッテリ110は、太陽電池111及び誘導電源装置112に接続されており、これらの電源から電力のバックアップを受ける。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る監視局70−1の構成を示す図である。監視局70−1は、AWG71−1及び故障検出装置73−1から構成される。
OPGW光ファイバを通して伝送される光故障検出信号は、AWG71−1の入力ポート1で受信される。AWG71−1は、受信された光故障検出信号を各波長成分に分波し、該分波された各波長成分を出力ポート1,...,nから出力する。出力ポート1,...,nは、鉄塔1,...,nに対応している。
故障検出装置73−1は、光受信器(OR)74,74,...,74、表示部75及び警報部76から構成される。光受信機74,74,...,74は、AWG71−1の出力ポート1,...,nに対応して設けられている。たとえば、光受信機74は、光故障検出信号の波長λの成分を電気信号に変換して、表示部75及び警報部76に送出する。
表示部75は、光受信機74〜74から供給される故障検出信号に応答して、故障の発生を視覚的に認識可能なように点灯する。たとえば、波長λの成分に対応する電気信号の入力に応答して、鉄塔2のランプが点灯される。また、警報部76は、光受信機74〜74から供給される故障検出信号に応答して、鉄塔nの故障発生信号として上位の監視システムに送出する。この上位の監視システムは、たとえば、図1に示される鉄塔1,...,n及び監視局70−1からなる監視エリアを複数統括するものである。
図4は、本発明の第1の実施の形態における光故障検出信号の流れを例示する図である。ここでは、鉄塔1,2,3により同時に伝送される光故障検出信号が例示している。
はじめに、鉄塔1に故障が生じたとき、波長λの光故障検出信号が発生されて、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。つぎに、鉄塔2に故障が同時に発生したとき、波長λの光故障検出信号が発生されて、波長λの光故障検出信号に多重化されて、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3に故障が同時に発生したとき、波長λの光故障検出信号が発生され、波長λ,λの光故障検出信号に多重化されて、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。以上から、鉄塔1,2及び3からの光故障検出信号は、波長多重化された形態で監視局70−1に到達される。
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図4に合わせて、鉄塔1,2,3のそれぞれに対応するAWG部12−1,22−1,32−1による、光故障検出信号の分岐(通過)/挿入操作が例示される。
はじめに、鉄塔1では、該鉄塔1に固有な波長λの光故障検出信号がAWG部12−1の入力ポート2に供給され、AWG部12−1の出力ポート1から出力されて監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔2では、まず、鉄塔1側から到達される波長λの光故障検出信号が分波されて、AWG部22−1の出力ポート2で出力される。次いで、この分波された波長λの成分は、通過接続用の光ファイバ251を介して通過されて、AWG部22−1の入力ポート2に供給される。
また、鉄塔2に固有な波長λの光故障検出信号がAWG部22−1の入力ポート3に供給される。これにより、波長λと波長λの光故障検出信号が多重化されて、AWG部22−1の出力ポート1から出力され、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3では、まず、鉄塔2側から到達される波長λと波長λの光故障検出信号が分波されて、AWG部32−1の出力ポート2,3でそれぞれ出力される。次いで、これら分波された波長成分は、通過接続用の光ファイバ351を介して通過され、AWG部32−1の入力ポート2,3にそれぞれ供給される。
また、鉄塔3に固有な波長λの光故障検出信号がAWG部32−1の入力ポート4に供給される。これにより、波長λ,λ及びλの光故障検出信号が多重化されて、AWG部32−1の出力ポート1から出力され、監視局70−1側のOPGW光ファイバに送出される。
以上のAWG部12−1,22−1及び32−1の接続により、鉄塔1,2,3に固有な光故障検出信号は、順次多重化され、OPGW光ファイバを伝送路として監視局70−1に伝送される。
鉄塔3からの多重化された光故障検出信号は、監視局70−1のAWG71−1の入力ポート1で受信される。AWG71−1は、この光故障検出信号を各波長成分に分波し、出力ポート1〜3から出力する。
図5の例では、出力ポート1,2,3には、波長λ,λ,λの波長成分が出力される。監視局70−1は、出力された波長成分に対応する鉄塔を故障している鉄塔であるとして特定する。
以上、本実施の形態に係る多地点監視システムは、故障検出センサ15−1と、光送出部13−1及びAWG部12−1を有している。故障検出センサ15−1は、鉄塔1の故障を検出する。光送出部13−1は、故障が検出された鉄塔に固有な光波長成分λを送出する。AWG12−1は、OPGW光ファイバを通して供給される光信号の波長成分に、該異常が検出された鉄塔に固有な光波長成分を含めて多重化する。
より詳細には、AWG部12−1は、OPGW光ファイバから供給される光信号を波長成分毎に分波し、光送出部13−1により送出された光波長成分と、該分波された波長成分と多重化して該OPGW光ファイバに出力する。
つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、鉄塔1,...,nで故障が発生したときに、各鉄塔に固有の波長の光故障検出信号が順次多重化されて監視局70−1に伝送される。
本実施の形態では、全ての鉄塔に固有な波長が予め多重化されてOPGW光ファイバに供給される。たとえば、鉄塔nで故障が発生したとき、鉄塔nでは、該鉄塔nに固有な波長成分が光学的に進路を遮断される。したがって、監視局に到達されない波長成分に対応する鉄塔は、故障が発生している鉄塔であると特定される。
図6は、本発明の第2の実施の形態における光故障検出信号の流れを例示する図である。ここでは、左端に位置される監視局(図示せず)から、鉄塔1,2,3に対応する波長λ,λ及びλからなる多波長の光故障検出信号が鉄塔1に供給され、鉄塔1,2,3の故障に応じて順次遮断される過程が例示される。
はじめに、鉄塔1で故障が発生したとき、鉄塔1に供給される多波長の光故障検出信号のうち、波長λの光故障検出信号が遮断され、残りの波長λ,λの光故障検出信号が監視局70−2側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔2で故障が同時に発生したとき、波長λ,λの光故障検出信号のうち、波長λの光故障検出信号が遮断され、残りの波長λの光故障検出信号が監視局70−2側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3で故障が同時に発生したとき、波長λの光故障検出信号が遮断される。したがって、鉄塔1,2,3に故障が同時に発生した場合には、監視局70−2には光故障検出信号は到達されない。
図7は、本発明の第2の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図6に対応して、鉄塔1,2,3のそれぞれに対応するAWG部12−2,22−2,32−2による光故障検出信号の分岐(通過)/挿入操作が例示される。
はじめに、鉄塔1では、多波長λ,λ及びλの光故障検出信号は、AWG部12−2の入力ポート1に供給される。この供給された光故障検出信号は、各波長成分に分波され、出力ポート2〜4から出力される。この分波された波長成分は、対応する通過接続用の光ファイバ152によりそれぞれ通過され、AWG部12−2の入力ポート2〜4に供給される。
本実施の形態では、波長λに対応する通過接続用の光ファイバには、光スイッチ162が接続されている。この光スイッチ162は、通常時はオンされており、故障検出時はLD102(図2参照)から供給される光信号に応答してオフされる。
これにより、波長λの光故障検出信号は、鉄塔1の故障の検出に応じて光学的に遮断される。したがって、残りの波長λ,λの光故障検出信号が多重化されてAWG部12−2の出力ポート1から出力され、監視局70−2側のOPGW光ファイバに送出される。
なお、LD102(図2参照)から供給される光信号は、AWG部12−1で分波される波長成分のうち、鉄塔1に固有な波長λの成分のみを遮断するためのトリガ信号としての役割を果たす。したがって、本実施の形態では、このトリガ信号の波長成分は、鉄塔1に固有の波長λに限定されない。
つぎに、鉄塔2では、波長λ及びλの光故障検出信号は、AWG部22−2の入力ポート1に供給される。この供給された光故障信号は、各波長成分に分波され、出力ポート3〜4から出力される。この分波された波長成分は、対応する通過接続用の光ファイバ252によりそれぞれ通過され、AWG部22−2の入力ポート3〜4に供給される。
本実施の形態では、波長λに対応する通過接続用の光ファイバ252には、光スイッチ262が接続されている。この光スイッチ262は、鉄塔1の光スイッチ162と同様の機能を有する。これにより、波長λの光故障検出信号は、鉄塔2の故障の検出に応じて光学的に遮断される。したがって、残りの波長λの光故障検出信号がAWG部22−2の出力ポート1から出力され、監視局70−2側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3では、波長λの光故障検出信号は、AWG部32−2の入力ポート1に供給される。この供給された光故障検出信号は、各波長成分に分波され、出力ポート4から出力される。この分波された波長成分は、対応する通過接続用の光ファイバ352によりそれぞれ通過され、AWG部32−2の入力ポート4に供給される。
本実施の形態では、波長λに対応する通過接続用の光ファイバ352には、光スイッチ362が接続されている。この光スイッチ362は、鉄塔1の光スイッチ162と同様の機能を有する。これにより、波長λの光故障検出信号は、鉄塔3の故障の検出に応じて光学的に遮断される。したがって、光故障検出信号はAWG部32−2の出力ポート1から出力されない。
鉄塔1,2,3に故障が同時に発生した場合、監視局70−2には、光故障検出信号は到達されない。したがって、監視局70−2の表示部(図3参照)には、鉄塔1,2,3に対応するランプが点灯されない。本実施の形態では、ランプが点灯されない鉄塔1,2,3に故障が発生しているものと特定される。
以上、本実施の形態による多地点監視システムは、故障検出センサ15−2、AWG部12−2、光送出部13−1、光スイッチ162を有している。故障検出センサ15−2は、鉄塔1の故障を検出する。AWG12−2は、OPGW光ファイバから供給される鉄塔それぞれに固有な波長成分が多重化された光信号を各波長成分に分波する。
光スイッチ162は、故障検出センサ15−2及び光送出部13−1の出力に基づいて、AWG部12−2により分波された各波長成分のうち、該異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分を遮断する。AWG12−2は、該分波された各波長成分のうち、光スイッチ162により遮断された波長成分以外の波長成分お多重化して、該OPGW光ファイバに出力する。
より詳細には、光スイッチ162は、AWG部12−2の出力ポートと該出力と波長に関して対応する入力ポートとを繋ぐ通過接続用の光ファイバ152の間に設けられる。光スイッチ162は、光送出部13−1からの光信号に応答して、AWG12−2により分波された波長成分のうち、該異常が検出された鉄塔に固有な波長成分を光学的に遮断する。
また、第1及び第2の実施の形態に係る監視局70−1,70−2は、AWG71−1又は71−2、及び表示部75を有している。AWG71−1又は71−2は、OPGW光ファイバから供給される光故障検出信号を各波長成分に分波する。表示部75は、AWG71−1又は71−2から供給される各波長成分の有無に基づいて、異常が発生している監視ポイントを表示する。なお、第1及び第2の実施の形態では、表示部75を使用して視覚的に故障が発生している鉄塔を特定しているが、本発明は表示部75に限定されず、鉄塔における故障の発生を報知するための手段であればよい。
つぎに、第3及び第4の実施の形態を説明する。第3及び第4の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態のそれぞれに対して、動画像の伝送機能が追加される。
この動画像の伝送機能は、鉄塔の故障の発生に応答して、該鉄塔の状況が動画像として撮影及び記憶される。さらに、監視局からの要求に応じて、所定の動画像(メモリ画像、オンライン画像)が監視局に送出される。この動画像は、AWGを利用して、OPGW光ファイバを通して伝送される。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る多地点監視システムを示す概念図である。図8は、第1の実施の形態で示された図1に対応しており、ここでは、鉄塔1と監視局70−3のみが示されている。
はじめに、OPGW光ファイバは、鉄塔1に接続されている。鉄塔1のスプライスボックス14は、このOPGW光ファイバのうち監視用に使用される芯線を光伝送装置11−3に導入する。
本実施の形態では、この監視用に使用される芯線を伝送路として、光故障検出信号に加えて、制御信号及び動画像が多重化されて伝送される。この制御情報には、鉄塔1に故障が発生したとき等、鉄塔1内の状況に関する動画像の撮影及び送出等の指示が含まれる。
本実施の形態では、各鉄塔には固有な波長がそれぞれ割り当てられる。たとえば、鉄塔n内で故障が発生されたときに送出される光故障検出信号の波長をλ0n、該光故障検出信号に応答して送出される、動画像の送信要求等に関する制御信号の波長をλ1n、該制御信号に応答して監視局70−3に送出される動画像信号の波長をλ2nとされる。
鉄塔に固有の波長の制御信号を光伝送することにより、光伝送装置11−3には、他の鉄塔に供給される制御信号等と区別して、自身の鉄塔に供給された制御信号のみを受信することができる。また、鉄塔に固有の波長の動画像信号を光伝送することにより、監視局では、他の鉄塔からの動画像信号等と区別して、所望の鉄塔に関する動画像信号のみを受信することができる。
光伝送装置11−3は、以下の4つのステップにより動作する。第1のステップとして、故障検出センサ15−3により発生される故障検出信号に応答して、光故障検出信号が監視局70−3に送出される。第2のステップとして、右端に位置される監視局70−3から左端に位置される監視局(図示せず)への、制御信号の発生に関する通信が行われる。
さらに、第3のステップとして、該左端に位置される監視局からの制御信号に基づいて、デジタルビデオカメラ16及び雲台17が制御され、鉄塔1の状態に関連する動画像が撮影及び記憶される。第4に、左端に位置される監視局からの制御信号に基づいて、該撮影・記憶された動画像が送出される。
ビデオカメラ16は、鉄塔1の周囲の状況に関連する動画像を撮影する。本実施の形態では、ビデオカメラ16は、メモリ画像及びオンライン画像を撮影する。メモリ画像は、故障の発生時に制御部113(図9参照)の指示に基づいて撮影される。オンライン画像は、監視局70−3が該メモリ画像に基づいて分析を行った後に、故障の状態を更に詳細に分析するために撮影される。
監視局70−3は、AWG71−3、故障検出装置73−3、画像受信装置76−3及び制御装置77−3から構成される。AWG71−3は、OPGW光ファイバを通して受信される光信号を各波長成分に分波して、出力ポート1,...,nから出力する。
本実施の形態では、受信された光信号のうち、波長λ01,...,λ0nに対応する光信号は、故障検出装置73−3に入力され、光受信器(図3参照)による変換処理を経て、故障が発生した鉄塔が判定される。この判定結果は、上位システムに送出される。また、波長λ21,...λ2nに対応する光信号は、画像受信装置76−3に入力され、光受信器(図3参照)による処理等を経て故障が発生した鉄塔の状況が認識される。この認識結果は、上位システムにも送出される。さらに、波長λ11,...,λ1nの光信号は、制御装置77−3に入力される。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る多地点監視システムの光伝送装置11−3の構成を示す図である。図9は、第1の実施の形態で示された図2に対応しており、図2と同じ機能の構成要素には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態による光伝送装置11−3は、鉄塔1に設けられ、光源部101−1、検出部106−1、電源部109−1、AWG部12−3、制御部113、記憶部164、電気−光変換部115、及び光−電気変換部116から構成される。
はじめに、本実施の形態では、スプライスボックス14を介して、OPGW光ファイバのうち、監視用の伝送路として使用される芯線が光伝送装置11−3に導入される。この監視用の伝送路として、鉄塔1,2,...,nのそれぞれに固有な波長λ11,λ12,...,λ1nの制御信号は、波長多重化された形式でAWG部12−3入力される。
本実施の形態では、AWG部12−3は、3つの役割を果たす。第1に、多重化されて供給される制御信号は、所定の入力ポートに供給される。この制御信号は、各波長成分に分波されて所定の出力ポートから出力され、さらに、各波長成分のそれぞれは、波長に関して対応する入力ポートに供給される。特に、波長λ11の制御信号は、制御部113による動画像の送信処理等のために使用される。
第2に、第1の実施の形態と同様に、鉄塔1に固有な波長λ01の光故障検出信号が所定の入力ポートに供給される。第3に、波長λ11の制御信号に応答して、送出すべき波長λ21の動画像信号が所定の入力ポートに供給される。したがって、光故障検出信号、動画像情報及び制御信号は多重化され、AWG部12−3の所定の出力ポートから出力される。
制御部113は、たとえばマイクロプロセッサ等であり、図8の左端に位置される監視局(図示せず)から供給される多波長の制御信号に基づいて指示を行う。この制御信号は、鉄塔1に固有な波長λ11を有する。具体的には、制御部113は、光−電気変換部116により電気信号に変換された制御信号に基づいて、主に3つの動作を指示する。
第1には、鉄塔1の故障の発生に応答した、ビデオカメラ16及び雲台17等に対する撮影の指示である。この撮影の指示は、制御部113による初期的な指示の他に、該左端に位置される監視局からの追加的な指示も含まれる。これらの指示には、たとえば、ビデオカメラ16の明るさ調整、高さ及び回転、並びに雲台17の高さ等の情報が含まれている。
第2に、上記撮影指示に応答して撮影及び記憶されているメモリ画像の送出の指示である。この送出指示には、電気−光変換部115に対する電気信号から光信号への変換の指示が含まれる。第3に、メモリ画像の送出に応答して、該左端に位置される監視局からのオンライン画像の送出の指示である。この送出指示もまた、電気−光変換部115に対する電気信号から光信号への変換の指示が含まれる。
記憶部114は、たとえばRAM(Random Access Memory)等であり、制御部113の指示に応じて、ビデオカメラ16により撮影された動画像情報を記憶する。電気−光変換部115は、制御部113の指示に応じて、記憶部114に記憶されている動画像情報を光信号に変換する。この光信号としての動画像信号は、鉄塔1に固有な波長λ21を有している。光−電気変換部116は、制御部113の指示に応じて、AWG部12−3からの光信号としての制御信号を電気信号としての制御信号に変換する。
図10は、本発明の第3の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び動画像信号の流れを例示する図である。ここでは、第1の実施の形態(図4参照)に対応して、鉄塔1,2,3により伝送される波長λ01,λ02及びλ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号及び波長λ21,λ22及びλ23の動画像信号の全てが同時に伝送される様子を例示している。
はじめに、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号が多重化されて鉄塔1に入力される。鉄塔1では、鉄塔1に固有な波長λ11の制御信号が使用される。また、波長λ01の光故障検出信号及び波長λ21の動画像信号が発生されて、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号と多重化され、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
また、鉄塔2では、鉄塔2に固有な波長λ12の制御信号が使用される。また、波長λ02の光故障検出信号及び波長λ22の動画像信号が発生されて、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、波長λ01の光故障検出信号並びに波長λ21の動画像信号と多重化され、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
さらに、鉄塔3では、鉄塔3に固有な波長λ13の制御信号が使用される。また、波長λ03の光故障検出信号及び波長λ23の動画像信号が発生されて、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、波長λ01及び波長λ02の光故障検出信号、並びに波長λ21及び波長λ22の動画像信号と多重化され、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
図11は、本発明の第3の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図10に対応して、鉄塔1,2,3のそれぞれに対応するAWG部12−3,22−3,32−3による、光故障検出信号、動画像信号及び制御信号の分岐(通過)・挿入操作が例示される。
はじめに、鉄塔1では、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号が多重化されて入力ポート1に供給される。また、波長λ01の光故障検出信号がAWG部12−3の入力ポート2に供給される。
AWG部12−3は、制御信号を各波長成分に分波して、各波長成分に対応する光信号を出力ポート5〜7から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ153を介して、入力ポート5〜7に供給される。また、波長λ11の制御信号は、通過接続用の光ファイバ153から分波されて、光−電気変換部116に供給される。
さらに、電気−光変換部115から供給される波長λ21の動画像信号は、AWG部12−3の入力ポート8に供給される。これにより、波長λ01の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21の動画像信号は、多重されてAWG部12−3の出力ポート1から出力され、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
鉄塔2では、上記多重化された光信号が入力ポート1に供給される。また、波長λ02の光故障検出信号がAWG部22−3の入力ポート3に供給される。AWG部22−3は、この多重化された光信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート2,5〜8から出力する。
これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ253を介して、入力ポート2,5〜8に供給される。また、波長λ12の制御信号は、通過接続用の光ファイバ253から分波されて、鉄塔2の光−電気変換部(図示せず)に供給される。
さらに、鉄塔2の電気−光変換部(図示せず)から供給される波長λ22の動画像信号は、AWG部22−3の入力ポート9に供給される。これにより、波長λ01,λ02の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21,λ22の動画像信号は、多重化されてAWG部22−3の出力ポート1から出力され、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
鉄塔3では、上記多重化された光信号が入力ポート1に供給される。また、波長λ03の光故障検出信号がAWG部32−3の入力ポート4に供給される。AWG部32−3は、これらの光故障検出信号、制御信号及び動画像信号を各波長成分に分波して、出力ポート2,3,5〜9から出力する。
これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ353を介して、入力ポート2,3,5〜9に供給される。また、波長λ13の制御信号は、通過接続用の光ファイバ353から分波されて、鉄塔3の光−電気変換部(図示せず)に供給される。
さらに、鉄塔3の電気−光変換部(図示せず)から供給される波長λ28の動画像信号は、AWG部32−3の入力ポート10に供給される。これにより、波長λ01,λ02及びλ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21,λ22及びλ23の動画像信号は、多重化されてAWG部32−3の出力ポート1から出力されて、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。
鉄塔3の出力ポート1からの多重化された光信号は、監視局70−3のAWG71−3の入力ポート1で受信される。この多重化された光信号は、各波長成分に分波されて出力ポートから出力される。たとえば、出力ポート1〜3では、波長λ01〜λ03の光故障検出信号が出力され、出力ポート4〜6では、波長λ11〜λ13の制御信号が出力され、出力ポート7〜9では、波長λ21〜λ23の動画像信号が出力される。
図12は、本発明の第3の実施の形態による多地点監視システムの動画像の伝送機能に関連する動作を説明するフローチャートである。
はじめに、鉄塔1の光伝送装置11−3では、3つの待機状態にある。これらの待機状態は、制御部113により管理される。ステップS101では、故障検出信号の入力待機の状態にあり、ステップS102で、故障検出信号の入力の有無が判定される。
また、ステップS103では、メモリ画像の送信待機の状態にあり、ステップS104で、メモリ画像の入力の有無が判定される。さらに、ステップS105では、オンライン画像の送信待機の状態にあり、ステップS106で、オンライン画像の入力の有無が判定される。
なお、ステップS101とS102、ステップS103とS104、及びステップS105とステップS106のそれぞれに続くシーケンスは、順不同で実行されることもあり、以下に好適なシーケンスの一例が示される。
はじめに、ステップS107で、故障検出センサ15−3で故障が検出されたとき、故障検出信号が光伝送装置11−3に送出される。光伝送装置11−3では、ステップS102を介して、ステップS109で、波長λの光故障検出信号が発生され、AWG部12−3を介して、監視局70−3の故障検出装置73−3に送出される。ステップS110で、この光故障検出信号は、表示部(図3参照)で表示され、さらには、警報部(図3参照)により上位システムに通知される。
また、ステップS111で、図8において鉄塔1の左端に位置する監視局(図示せず)の制御装置は、故障検出装置73−3での光故障検出信号の発報に応じて、故障した鉄塔1への保守操作を開始し、ステップS112で、メモリ画像の送信指示として波長λ11の制御信号を送出する。
一方、ステップS109に続き、ステップS113で、光伝送装置11−3の制御部113(図9参照)は、RL接点105又はバイアス回路103等の動作に応じて、すなわち、光故障検出信号の発生に応じて、カメラ動作の初期的な指示をビデオカメラ16及び雲台17に送出する。ステップS114では、ビデオカメラ16は、故障した鉄塔1内の状況の撮影を開始する。撮影された動画像は、メモリ画像として記憶部114に順次記憶される。
ここで、光伝送装置11−3の制御部113により、先のステップS112に次いで、ステップS115の処理が行われる。はじめに、光−電気変換部116は、制御部113の指示に応答して、AWG部12−3から送出される波長λ11の制御信号を電気信号に変換する。
制御部113は、電気信号としての制御信号に基づいて、記憶部114に記憶されているメモリ画像を順次読み出す。電気−光変換部115は、制御部113の指示に応答して、記憶部114から読み出されるメモリ画像を波長λ21の光信号(動画像信号)に変換して制御部113に送出する。
次いで、ステップS103及びS104を介して、ステップS116では、光伝送装置11−3は、制御部113から送出される動画像信号を監視局70−3の画像受信装置76−3に送出する。ステップS117で、画像受信装置76−3では、光伝送装置11−3からの動画像信号が受信され、ステップS118で、このメモリ画像を介して、故障の状況が観察される。
ステップS119では、監視局70−3において保全の必要が判定され、保全が必要と判定された場合には要員が出動される。また、保全の必要が判定できない場合、ステップS121で、左端に位置される監視局の制御装置により、オンライン画像の送信指示が波長λ11の制御信号として光伝送装置11−3に送出される。なお、この制御信号には、送信指示以外にビデオカメラ16に対する追加的な撮影指示等が含まれる場合がある。
光伝送装置11−3の光−電気変換部116は、制御部113の指示に応答して、AWG部12−3から送出される波長λ11の制御信号を電気信号に変換する。制御部113は、電気信号に変換された制御信号に基づいて、ビデオカメラ16に撮影指示を行う。
ステップS122では、制御部113からの撮影指示に応答してオンライン画像が撮影される。ステップS123では、このオンライン画像は、電気−光変換部115に送出される。電気−光変換部115は、制御部113の指示に応答して、ビデオカメラ16からのオンライン画像を波長λ21の光信号(動画像信号)に変換される。
つぎに、ステップS105及びS106を介して、ステップS124では、この光信号に変換されたオンライン画像は、光伝送装置11−3から監視局70−3に送出される。その後、ステップS117〜S119及びステップS121〜S124の処理は、ステップS119における判定で保全が不要であると判定されるまで繰り返される。
つぎに、第4の実施の形態による多地点監視システムを説明する。第4の実施の形態は、第2の実施の形態に対して上述した動画像の伝送機能が追加されて実現される。すなわち、第4の実施の形態は、鉄塔から故障情報を監視局に通知すると共に、鉄塔に設けられたデジタルカメラにより鉄塔設備内の故障状況が撮影され、監視局に動画像が伝送される動画像の伝送機能を有している。
図13は、本発明の第4の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び動画像信号の流れを例示する図である。ここでは、第2の実施の形態(図6参照)に対応して、鉄塔1,2,3により伝送される波長λ01,λ02及びλ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号及び波長λ21,λ22及びλ23の動画像信号が同時に伝送される様子を示している。
はじめに、波長λ01,λ02及びλ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号が多重化されて鉄塔1に入力される。鉄塔1で故障が発生したとき、入力される多波長の光信号のうち、波長λ01の光故障検出信号が遮断され、波長λ11の制御信号が使用される。残りの波長λ02,λ03の光故障検出信号並びに波長λ11,λ12及びλ13の制御信号は、波長λ21の動画像信号と多重化されて、監視局70−4側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔2で故障が同時に発生したとき、まず、波長λ02,λ03の光故障検出信号のうち、波長λ02の波長成分が遮断され、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号のうち、波長λ12の制御信号が使用される。残りの波長λ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21の動画像信号は、波長λ22の動画像信号と多重化されて、監視局70−4側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3で故障が同時に発生したとき、まず、波長λ03の光故障検出信号が遮断され、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号のうち、波長λ13の制御信号が使用される。残りの波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の動画像信号は、波長λ23の動画像信号と多重化されて、監視局70−3側のOPGW光ファイバに送出される。結果的に、鉄塔1,2,3に故障が同時に発生した場合、監視局70−3には、光故障検出信号が到達されない。
図14は、本発明の第4の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図12に対応して、鉄塔1,2,3のそれぞれに対応するAWG部12−4,22−4,32−4による、光故障検出信号、動画像信号及び制御信号の分岐(通過)・挿入操作が説明される。
はじめに、鉄塔1では、波長λ01,λ02及びλ03の光故障検出信号、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号が多重化されてAWG部12−4の入力ポート1に供給される。
AWG部12−4は、この多重化された光信号を各波長成分に分波して、出力ポート2〜7から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ154を介して、入力ポート2〜7に供給される。
また、波長λ11の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバ154から分波されて、光−電気変換部116(図9参照)に供給される。さらに、電気−光変換部115から供給される波長λ21の動画像信号は、AWG部12−4の入力ポート8に供給される。
本実施の形態では、波長λ01に対応する通過接続用の光ファイバ154には、光スイッチ164が接続されている。この光スイッチ164は、第2の実施の形態で示された光スイッチ162等(図7参照)と同様の役割を果たす。したがって、波長λ01の光故障検出信号は、鉄塔1の故障の検出に応じて光学的に遮断される。
さらに、LD102(図9参照)から供給される光信号は、AWG部12−4で分波される波長成分のうち、鉄塔1に固有な波長λ01の成分のみを遮断するためのトリガ信号としての役割を果たす。したがって、第2の実施の形態と同様に、このトリガ信号の波長成分は、固有の波長λ01に限定されない。
結果的に、波長λ02及びλ03の光故障検出信号と、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21の動画像信号は、多重化されてAWG部12−4の出力ポート1から出力され、監視局70−4側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔2では、上記多重化された光信号がAWG部22−4の入力ポート1に供給される。AWG部22−4は、この供給された光故障検出信号、制御信号及び動画像信号を各波長成分に分波して、出力ポート3〜8から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ254を介して、入力ポート3〜8に供給される。
また、波長λ12の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバ254から分波されて、鉄塔2の光−電気変換部(図示せず)に供給される。さらに、鉄塔2の電気−光変換部(図示せず)から供給される波長λ22の動画像信号は、AWG部22−4の入力ポート9に供給される。
本実施の形態では、波長λ02に対応する通過接続用の光ファイバ254には、光スイッチ264が接続されている。この光スイッチ264は、鉄塔1の光スイッチ164と同様の役割を果たす。したがって、波長λ02の光故障検出信号は、鉄塔2の故障の検出に応じて光学的に遮断される。
結果的に、波長λ03の光故障検出信号と、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の動画像信号は、多重化されてAWG部22−4の出力ポート1から出力され、監視局70−4側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、鉄塔3では、上記多重化された光信号はAWG部32−4の入力ポート1に供給される。AWG部32−4は、この供給された光故障検出信号、制御信号及び動画像信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート4〜9から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ354を介して、入力ポート4〜9に供給される。
また、波長λ13の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバ354から分波されて、鉄塔3の光−電気変換部(図示せず)に供給される。さらに、鉄塔3の電気−光変換部(図示せず)から供給される波長λ23の動画像信号は、AWG部32−4の入力ポート10に供給される。
本実施の形態では、波長λ03に対応する通過接続用の光ファイバ354には、光スイッチ364が接続されている。この光スイッチ364は、鉄塔1の光スイッチ164と同様の役割を果たす。したがって、波長λ03の光故障検出信号は、鉄塔3の故障の検出に応じて光学的に遮断される。
結果的に、波長λ11,λ12及びλ13の制御信号、並びに波長λ21,λ22及びλ23の動画像信号は、多重化されてAWG部32−4の出力ポート1から出力され、監視局70−4側のOPGW光ファイバに送出される。
鉄塔3からの多重化された光信号は、監視局70−4のAWG71−4の入力ポート1で受信される。AWG71−4は、この多重化された光信号を各波長成分に分波して、出力ポート1〜9から出力する。この場合、出力ポート1〜3からは、波長λ01〜λ03の光故障検出信号が出力されない。また、出力ポート4〜6からは、波長λ11〜λ13の制御信号が出力され、出力ポート7〜9からは、波長λ21〜λ23の動画像信号が出力される。
なお、上述した第3及び第4の実施の形態に対して変更を行うことができる。たとえば、図8に示されるように、第3及び第4の実施の形態では、鉄塔1よりも左側に位置される左端の監視局(図示せず)から多波長の制御信号が送出されている。
他の形態として、監視局70−3又は70−4に設置される制御装置77−3から制御信号が送出されてもよい。この場合、OPGW光ファイバの所定の2本の芯線が使用される。一方の芯線は、光故障検出信号及び動画像信号の伝送用に使用され、他方の芯線は、制御信号の伝送用に使用される。
これにより、左端に位置される監視局と右端に位置される監視局70−3,70−4の間の連絡を円滑に行うことができる。具体的には、図12に示されるステップS110とステップS111の間の動作、及びステップ119とステップ121の間の動作を円滑に行うことができる。
以上、第3及び第4の実施の形態による多地点監視システムでは、AWG部12−3(12−4)、制御部113、記憶部164、電気−光変換部115及び光−電気変換部166から構成される動画像の伝送機能が実現される。
制御部113は、鉄塔1における故障の発生に応答して、動画像の撮影をビデオカメラ16に対して指示する。記憶部114は、ビデオカメラ16により撮影されたメモリ画像を記憶する。特に、制御部113は、監視局からの制御信号(メモリ画像の送信要求)に応答して、記憶部164に記憶されているメモリ画像を読み出して、電気−光変換部115に光信号への変換を指示する。電気−光変換部115は、該読み出されたメモリ画像を鉄塔1に固有な波長の光信号に変換してAWG部12−3(12−4)に送出する。
また、制御部113は、該メモリ画像の送信後に受信される制御信号(オンライン画像の送信要求)に応答して、オンライン画像の撮影をビデオカメラ16に指示する。電気−光変換部115は、ビデオカメラ16により撮影されたオンライン画像を鉄塔1に固有な波長の光信号に変換してAWG部12−3(12−4)に送出する。
また、第3及び第4の実施の形態では、鉄塔の故障の検出に応答してメモリ画像が撮影及び記憶された後は、左端に位置される監視局(図示せず)からの制御信号に基づいて動作が実行される。他の形態として、制御部113は、鉄塔の故障の検出に応答して、メモリ画像の撮影、記憶及び送信、並びにオンライン画像の撮影及び送信を統括して行うこともできる。
この場合、AWG12−3,12−4は、故障が検出された鉄塔で撮影され、光信号に変換された動画像(メモリ画像、オンライン画像)を、OPGW光ファイバから供給された光信号に多重化して該OPGW光ファイバに送出する。この動画像の伝送機能により、監視局70−3,70−4は、故障が発生している鉄塔の状況を遠隔地で詳細に分析した上で、保守・保全を行うことができる。
つぎに、本発明の第5の実施の形態に係る多地点監視システムを説明する。第5の実施の形態では、第1の実施の形態に対して、親鉄塔と該親鉄塔が担当するエリアに収容される子鉄塔の概念が導入される。
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る多地点監視システムの概念を示す図である。本実施の形態に係る多地点監視システムでは、監視局80と、親鉄塔50及び子鉄塔60,61のグループとから構成される。なお、親鉄塔50,51は、図1に示される鉄塔1,...,nに対応する機能を有している。
監視局80は、制御信号発生部81と超多波長(SC)光源82を有する。SC光源82は、複数の波長成分からなる光信号を発生する。この光信号の各波長には、各鉄塔での用途が割当てられている。たとえば、親鉄塔50では、波長λ11が制御信号に、波長λ21が光故障検出信号を発生する際の搬送波信号として割当てられている。
本実施の形態では、制御信号は、親鉄塔50,51,...,に収容されている監視機器20を個別に制御する信号である。この制御信号は、制御信号発生部81でからOPGW光ファイバを通して伝送される。
親鉄塔50は、該親鉄塔50における故障を検出することに加えて、該親鉄塔50の担当エリアに収容される子鉄塔60,61における故障も検出する。なお、親鉄塔50,51,...は、同じ構成であるため、以下に親鉄塔50の構成が説明される。
親鉄塔50は、光伝送装置11−5と故障検出センサ15−5から構成される。本実施の形態による光伝送装置11−5は、AWG部12−5、単一走行キャリアフォトダイオード(UTC−PD)18、及び電界吸収型変調器(L−EAM)19を有する。
本実施の形態では、AWG部12−5は、監視局80からの制御信号のうち、親鉄塔50に固有な波長λ11の成分を分波して、UTC−PD18に供給する。また、AWG部12−5は、光故障検出信号を発生するための波長λ21の成分を分波して、L−EAM19に供給する。さらに、AWG部12−5には、故障発生時にL−EAM19から供給される波長λ01の光故障検出信号が供給される。
UTC−PD18は、光−電気変換により、AWG部12−5から供給される波長λ11の制御信号を電磁波に直接変換し、無線により親鉄塔50内の監視用機器20を制御する。L−EAM19は、AWG部12−5から供給される波長λ21の光信号を、親鉄塔50,子鉄塔60,61から供給される波長λ01の故障検出信号で振幅変調する。
この変調により発生される光故障検出信号のエンベロープの波長は、各鉄塔から発生される故障検出信号の波長に一致する。これにより、Radio−on−Fiber(ROF)が実現され、各故障検出センサ15−5から電気信号として発生される故障検出信号は、光信号としてOPGW光ファイバに直接伝送される。
また、親鉄塔50,51の故障検出センサ15−5は、子鉄塔60,61に設置される故障検出センサ15−5と同じ機能を有しており、各鉄塔に発生される故障を検出して、電磁波としての故障検出信号を発生する。
図16は、本発明の第5の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の流れを例示する図である。ここでは、第1の実施の形態(図4参照)に対応して、親鉄塔50,51により伝送される波長λ01,λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が同時に伝送される様子を例示している。
はじめに、OPGW光ファイバを伝送路として、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号は、多重化された形態で親鉄塔50に入力される。
親鉄塔50の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかに故障が発生したとき、親鉄塔50に固有な波長λ21の搬送波信号が使用され、波長λ01の光故障検出信号が発生される。また、波長λ11の制御信号が使用される。これにより、波長λ01の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局(図示せず)側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、親鉄塔51の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかに故障が同時に発生したとき、親鉄塔51に固有な波長λ22の搬送波信号が使用されて、波長λ02の光故障検出信号が発生される。また、波長λ12の制御信号が使用される。これにより、波長λ01,λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及び波長λ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局に送出される。
図17は、本発明の第5の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図15に対応して、親鉄塔50,51のそれぞれに対応するAWG部12−5,22−5による、光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の分岐(通過)・挿入操作が説明される。
はじめに、親鉄塔50では、波長λ11及びλ12の制御信号、及び波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重されてAWG部12−5の入力ポート1に供給される。AWG部12−5は、この供給された制御信号及び搬送波信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート2〜5から出力する。
これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ155を介して、入力ポート2〜5に供給される。また、波長λ11の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、UTC−PD18に供給される。
さらに、波長λ21の搬送波信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、L−EAM19に供給される。また、L−EAM19から、波長λ01の光故障検出信号が発生され、AWG部12−5の入力ポート6に供給される。
これにより、AWG部12−5の出力ポート1では、波長λ01の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局(図示せず)側のOPGW光ファイバに送出される。
この多重化された光信号は、親鉄塔51のAWG部22−5の入力ポート1に供給される。AWG部22−5は、これらの光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート2〜6から出力する。
これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ255を介して、AWG部22−5の入力ポート2〜6に供給される。また、波長λ12の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、親鉄塔51のUTC−PD(図示せず)に供給される。
さらに、波長λ22の搬送波信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、親鉄塔51のL−EAM(図示せず)に供給される。また、このL−EAMから、波長λ02の光故障検出信号が発生され、AWG部22−5の入力ポート7に供給される。
これにより、AWG部22−5の出力ポート1では、波長λ01及びλ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局に送出される。
この多重化された光信号は、該右端に位置される監視局のAWG71−5の入力ポート1に供給される。AWG71−5は、この多重化された光信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート1〜6から出力する。たとえば、出力ポート1,2には、波長λ11,λ12の制御信号が出力される。出力ポート3,4には、波長λ21,λ22の搬送波信号が出力される。出力ポート5,6には、波長λ01,λ02の光故障検出信号が出力される。
本実施の形態では、出力ポート5,6から出力される光故障検出信号は、その後振幅復調されて、そのエンベロープのみが注目される。このエンベロープの波長を調べることにより、親鉄塔50又は親鉄塔51の担当エリアに収容される鉄塔のいずれかに故障が生じたことが判定される。
なお、上述した第5の実施の形態では、たとえば、親鉄塔50及び該親鉄塔50の担当エリアに収容される子鉄塔60,61には、同一の波長λ01が割当てられている。これにより、右端に位置される監視局は、親鉄塔ベース、すなわち親鉄塔の担当エリアベースで故障を判定する。
他の形態として、親鉄塔及び該親鉄塔の担当エリアに収容される子鉄塔に対して固有の波長をそれぞれ割当てることも可能である。この場合、たとえば、L−EAM19は、親鉄塔50に固有な波長λ21の搬送波信号を、故障が発生した鉄塔に固有な波長の電磁波で変調し、該変調信号をAWG12−5に供給する。これにより、各鉄塔ベースで故障を判定することができる。
以上より、第5の実施の形態に係る多地点監視システムは、たとえば、故障検出センサ15−5、L−EAM19、AWG部12−5を有している。L−EAM19は、複数の故障検出センサ15−5から故障検出信号が供給される。L−EAM19は、親鉄塔50に固有な波長(図9では波長λ21)の成分の直流光を、故障を検出した故障検出センサ15−5に応じた波長成分の電磁波で振幅変調することにより、故障を検出した複数の故障検出センサ15−5それぞれに固有な波長成分を送出する。
AWG部12−5は、OPGW光ファイバを介して供給される光信号を各波長成分に分波し、該分波された波長成分にL−EAM19からの該故障が検出された鉄塔に固有な波長成分を含めて多重化し、OPGW光ファイバに送出する。
また、UTC−PD18は、該入力される光信号の波長成分のうち、親鉄塔50に固有な波長(図9では波長λ11)の直流光を、親鉄塔50に収容される監視機器を制御するための電磁波に直接変換する。L−EAM19及びUTC−PD18を利用することにより、光源が実質的に不要なシステムを実現することができる。
つぎに、本発明の第6の実施の形態による多地点監視システムを説明する。第6の実施の形態では、第2の実施の形態に対して、親鉄塔と子鉄塔の概念が導入される。
図18は、本発明の第6の実施の形態における光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の流れを例示する図である。ここでは、第2の実施の形態(図6参照)に対応して、親鉄塔50,51により遮断される波長λ01,λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号及び波長λ21及びλ22の搬送波信号が同時に伝送されるケースを例示している。
はじめに、OPGW光ファイバを伝送路として、波長λ01及び波長λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号は、多重化された形態で親鉄塔50に入力される。
親鉄塔50の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかに故障が発生したとき、波長λ21の搬送波信号が使用される。この搬送波信号は、故障が発生した鉄塔からの故障検出信号により変調されて、波長λ01のエンベロープを有する光信号が発生される。この光信号の発生に応じて、親鉄塔50に供給される波長λ01の光故障検出信号が遮断される。また、親鉄塔50に固有な波長λ11の制御信号が使用される。
結果的に、波長λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号は、多重化されて右端に位置される監視局(図示せず)側のOPGW光ファイバに送出される。
親鉄塔51の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかに故障が発生したとき、波長λ22の搬送波信号が使用される。この搬送波信号は、故障が発生した鉄塔からの故障検出信号により変調されて、波長λ02のエンベロープを有する光信号が発生される。この光信号の発生に応じて、親鉄塔51に供給される波長λ02の光故障検出信号が遮断される。また、親鉄塔51に固有な波長λ12の制御信号が使用される。
結果的に、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号は、多重化されて該右端に位置される監視局に送出される。
図19は、本発明の第6の実施の形態におけるアレイ導波路格子の接続関係を例示する図である。ここでは、図17に対応して、親鉄塔50,51のそれぞれに対応するAWG部12−6,22−6による、光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号の分岐(通過)・挿入操作が説明される。
はじめに、親鉄塔50では、波長λ01及びλ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されてAWG部12−6の入力ポート1に供給される。
AWG部12−6は、該供給された光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート2〜7から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ156を介して、入力ポート2〜7に供給される。
また、波長成分λ11の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、UTC−PD18(図15参照)に供給される。さらに、波長λ21の搬送波信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、L−EAM19に供給される。
本実施の形態では、波長λに対応する通過接続用の光ファイバ156には、光スイッチ166が接続されている。この光スイッチ166は、通常はオンされており、L−EAM19からの変調信号に応答してオフされる。したがって、波長λの光故障検出信号は、親鉄塔50の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかの故障の検出に応じて光学的に遮断される。
なお、L−EAM192(図15参照)から供給される光信号は、AWG部12−6により分波される波長成分のうち、親鉄塔50に固有な波長λ01の成分のみを遮断するためのトリガ信号としての役割を果たす。したがって、本実施の形態では、このトリガ信号の波長成分は、鉄塔に固有に割当てられる波長λ01に限定されない。
結果的に、AWG部12−6の出力ポート1では、波長λ02の光故障検出信号、波長λ11及びλ12の制御信号、並びに波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局(図示せず)側のOPGW光ファイバに送出される。
つぎに、親鉄塔51では、上記多重化された光信号がAWG部22−6の入力ポート1に供給される。AWG部22−6は、該供給される光故障検出信号、制御信号及び搬送波信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート2〜7から出力する。これらの波長成分は、通過接続用の光ファイバ256を介して、入力ポート2〜7に供給される。
また、波長成分λ12の制御信号は、対応する通過接続用の光ファイバから分波されて、親鉄塔51のUTC−PD(図示せず)に供給される。さらに、波長λ22の搬送波信号は、対応する通過接続用光ファイバから分波されて、親鉄塔51のL−EAM(図示せず)に供給される。
本実施の形態では、波長λ02に対応する通過接続用の光ファイバ256には、光スイッチ266が接続されている。この光スイッチ266は、光スイッチ166の機能と同じである。したがって、波長λ02の光故障検出信号は、親鉄塔51の担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかの故障の検出に応じて光学的に遮断される。
結果的に、AWG部22−6の出力ポート1では、波長λ11及びλ12の制御信号、及び波長λ21及びλ22の搬送波信号が多重化されて、右端に位置される監視局に送出される。
親鉄塔51からの多重化された光信号は、監視局のAWG71−6の入力ポート1に供給される。AWG71−6は、該多重化された光信号を各波長成分に分波して、各波長成分を出力ポート1〜6から出力する。たとえば、出力ポート1,2には、波長λ11,λ12の制御信号が出力される。出力ポート3,4には、波長λ21,λ22の搬送波信号が出力される。出力ポート5,6には、波長λ01,λ02の光故障検出信号が出力される。
図18及び図19の例では、出力ポート5,6には、光故障検出信号が到達されない。本実施の形態では、監視局に到達されない波長成分に対応する担当エリアに含まれる鉄塔のいずれかに故障が生じているものと判定される。
なお、上述した第6の実施の形態では、第5の実施の形態と同様に、たとえば、親鉄塔50及び該親鉄塔50の担当エリアに収容される子鉄塔60,61には、同一の波長λが割当てられている。
他の形態として、親鉄塔及び該親鉄塔の担当エリアに収容される子鉄塔に対して固有の波長を割当てることも可能である。この場合、監視局80から供給される多波長の光故障検出信号には、親鉄塔及び子鉄塔のそれぞれに固有な波長成分が含まれる。
また、たとえば、親鉄塔50のAWG12−6には、親鉄塔及び子鉄塔のそれぞれに固有な波長成分に対応する出力ポート、入力ポート、通過接続用の光ファイバ及び光スイッチが設けられ、更に、L−EAM19からの変調信号が供給される波長識別手段(図示せず)が新たに設けられる。
たとえば、親鉄塔50及び子鉄塔60,61のいずれかに故障が発生した場合、上記波長識別手段は、L−EAM19から供給される変調信号のエンベローブの波長に基づいて、親鉄塔及び子鉄塔のそれぞれに固有な波長成分に対応する光スイッチに該変調信号を供給する。これにより、故障が検出された鉄塔に対応する光故障検出信号を遮断することができ、各鉄塔ベースで故障を判定することができる。
以上のように、第6の実施の形態による多地点監視システムは、L−EAM19、AWG部12−6及び光スイッチ166を有している。L−EAM19は、複数の故障検出センサ(図15参照)から故障検出信号が供給される。L−EAM19は、親鉄塔50に固有な波長(図9では波長λ21)の成分の直流光を、故障を検出した故障検出センサに応じた波長成分の電磁波で振幅変調することにより、故障を検出した複数の故障検出センサそれぞれに固有な波長成分を送出する。
光スイッチ166は、故障検出センサ15−5及びL−EAM19の出力に基づいて、AWG12−6により分波された各波長成分のうち、該故障が検出された鉄塔に固有な波長成分を遮断する。AWG部12−6は、該分波された波長成分のうち、光スイッチ166により遮断された波長成分以外の波長成分を多重化して、OPGW光ファイバに送出する。
また、UTC−PD18は、該入力される光信号の波長成分のうち、該少なくとも2つの鉄塔に固有な波長(図9では、波長λ11)の直流光を、該少なくとも2つの鉄塔に収容される監視機器を制御するための電磁波に直接変換する。
また、上述した第5の実施の形態による多地点監視システムに対して、第3の実施の形態で説明された動画像の伝送機能を追加することも可能である。同様に、第6の実施の形態による多地点監視システムに対して、第4の実施の形態で説明された動画像の伝送機能を追加することも可能である。
これらの場合、たとえば、図15に示される光伝送装置11−5に対して、図9に示される制御部113、記憶部164、電気−光変換部115及び光−電気変換部166の構成等が設けられ、これらの構成により図12に示されるシーケンスが実行される。
さらに、第5の実施の形態に示される光伝送装置11−5と故障検出センサ15−5(図15参照)の構成を第1の実施の形態の光伝送装置11−1と故障検出センサ15−1の構成と置き換えることができる。同様に、第6の実施の形態に示される光伝送装置と故障検出センサの構成を第2の実施の形態の光伝送装置と故障検出センサの構成と置き換えることができる。すなわち、第1及び第2の実施の形態の構成は、光源(たとえば、図2及び図9に示される光源部101−1及び検出部106−1)を必要としない構成として実現することができる。
この場合、図1において、たとえば、左端に位置される監視局(図示せず)から、各鉄塔に固有な波長の搬送波信号(第1の直流光)を多重化してOPGW光ファイバに送出する必要がある。これにより、第5及び第6の実施の形態で説明されたL−EAM19(図15参照)による振幅変調を行うことができる。
なお、上述した第1〜第6の実施の形態で示されるアレイ導波路格子は、たとえば、図5に示されるように、多入力−多出力の概念に基づいている。この概念は、たとえば、1入力−多出力システムとして使用されるアレイ導波路格子の出力と、多入力−1出力システムとして使用されるアレイ導波路格子の入力とを、対応する波長成分について、通過接続用の光ファイバ(図5参照)等で接続することにより実現される構成等も含まれる。
なお、本発明による多地点監視システムは、1)送電線系統システム、2)配電線システム、3)道路管理システム、4)鉄道システム、5)パイプラインシステム等の産業分野に適用することができる。これらの産業分野は、既存の伝送システムでは利用できないものの、光ファイバだけは利用することができる分野である。これらのシステムには、既存の光ファイバ伝送システムが存在しており、該光ファイバの空き芯線を利用することができる。
また、本発明による多地点監視システムは、6)ビル内の管理システム、7)市街地等で契約されている家庭用セキュリティ監視システム等の分野にも適用することができる。これらの分野には、比較的狭い範囲に適用するため、光ファイバの新規敷設が可能な分野である。上記の適用分野において、設備の電気的又は機械的な異常を検出することができる。
なお、故障検出センサ15−1、15−3,15−5が請求項5及び9記載の異常検出手段に対応し、光源部101−1及び検出部106−1、又はL−EAM19が請求項5記載の光送出手段に対応している。AWG部12−1,12−2,12−3、12−4,12−5及び12−6が請求項5及び9記載のアレイ導波路格子に対応し、光スイッチ162,164,166が請求項9記載のスイッチ手段に対応している。ビデオカメラ16が請求項7及び11記載の撮影手段に対応し、電気−光変換手段115とアレイ導波路格子12−3,12−4とが請求項7及び11記載の動画像出力手段に対応する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して前記複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法であって、
異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分の光異常検出信号を、前記光伝送路から供給された光信号に多重化して前記光伝送路に出力し、
前記監視局で前記光伝送路から供給される光異常検出信号を各波長成分に分波して、異常が発生している監視ポイントを特定する多地点監視方法。
【請求項2】
前記監視ポイントで撮影した動画像を光信号に変換し、前記光伝送路から供給された光信号に多重化して前記光伝送路に出力する、
請求項1記載の多地点監視方法。
【請求項3】
複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して前記複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法であって、
前記光伝送路から供給される、複数の監視ポイントそれぞれに固有な波長成分を多重化した光信号を各波長成分に分波し、
前記分波された波長成分のうち、異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分を遮断し、
前記分波された波長成分のうち、前記遮断された波長成分以外の波長成分を多重化して前記光伝送路に出力し、
前記監視局で前記光伝送路から供給される光異常検出信号を各波長成分に分波して、異常が発生している監視ポイントを特定する多地点監視方法。
【請求項4】
前記監視ポイントで撮影した動画像を光信号に変換し、前記光伝送路から供給された光信号に多重化して前記光伝送路に出力する、
請求項3記載の多地点監視方法。
【請求項5】
複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して前記複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法の監視ポイント装置であって、
前記監視ポイントの異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段で異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分を送出する光送出手段と、
前記光伝送路を介して供給される光信号の波長成分に、前記異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分を含めて多重化して前記光伝送路に出力するアレイ導波路格子と、
を備える監視ポイント装置。
【請求項6】
前記光送出手段は、複数の前記異常検出手段から異常検出信号が供給され、前記監視ポイントに固有な波長成分を、異常を検出した異常検出手段に応じた波長成分で振幅変調することにより、前記異常を検出した前記複数の異常検出手段それぞれに固有な波長成分を送出する、
請求項5記載の監視ポイント装置。
【請求項7】
前記異常が検出された監視ポイントの動画を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像を光信号に変換して前記アレイ導波路格子に供給し、前記光伝送路から供給された光信号に多重化して前記光伝送路に出力する動画像出力手段と、
を備える請求項5又は6記載の監視ポイント装置。
【請求項8】
前記光信号に変換された動画像は、前記異常が検出された監視ポイントに固有な波長を有する、
請求項7記載の監視ポイント装置。
【請求項9】
複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して前記複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法の監視ポイント装置であって、
前記監視ポイントの異常を検出する異常検出手段と、
前記光伝送路から供給される前記複数の監視ポイントそれぞれに固有な波長成分を多重化した光信号を各波長成分に分波するアレイ導波路格子と、
前記異常検出手段の出力に基づいて、前記アレイ導波路格子により分波された各波長成分のうち、前記異常が検出された監視ポイントに固有な波長成分を遮断するスイッチ手段と、
前記アレイ導波路格子により分波された各波長成分のうち、前記スイッチ手段により遮断された波長成分以外の波長成分を多重化して前記光伝送路に出力するアレイ導波路格子と、
を備える監視ポイント装置。
【請求項10】
前記光送出手段は、複数の前記異常検出手段から異常検出信号が供給され、前記監視ポイントに固有な波長成分を、異常を検出した異常検出手段に応じた波長成分で振幅変調することにより、前記異常を検出した前記複数の異常検出手段それぞれに固有な波長成分を送出する、
請求項9記載の監視ポイント装置。
【請求項11】
前記異常が検出された監視ポイントの動画を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像を光信号に変換して前記アレイ導波路格子に供給し、前記光伝送路から供給された光信号に多重化して前記光伝送路に出力する動画像出力手段と、
を備える請求項9又は10記載の監視ポイント装置。
【請求項12】
前記光信号に変換された動画像は、前記異常が検出された監視ポイントに固有な波長を有する、
請求項11記載の監視ポイント装置。
【請求項13】
複数の監視ポイントを光伝送路で監視局に接続して前記複数の監視ポイントを監視する多地点監視方法の監視局装置であって、
前記光伝送路から供給される光異常検出信号を各波長成分に分波するアレイ導波路格子と、
前記アレイ導波路格子から供給される各波長成分の有無に基づいて、異常が発生している監視ポイントを報知する報知手段と、
を備える監視局装置。

【国際公開番号】WO2004/070974
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567863(P2004−567863)
【国際出願番号】PCT/JP2003/001131
【国際出願日】平成15年2月4日(2003.2.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】