説明

情報提示装置

【課題】 運転者に、予め定める提示情報を迅速に把握させることができる情報提示装置を提供する。
【解決手段】 光発生部14は、ステアリングホイール21に設けられる。制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、光発生部14によって出力させる。制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、光発生部14の発光状態を制御する。光発生部14の発光状態は、3段階であり、したがって光発生部14では、提示情報が3段階で報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、この車両の運転者に情報を提示するために好適に用いられる情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術は、特許文献1に開示される。この従来技術では、運転支援情報を画像表示する表示部が、ステアリングホイールに設けられる。このような従来技術によれば、運転者は、運転中に視線をわずかに下方に移動させるだけで、表示部に表示される画像を見ることができる。
【0003】
第2の従来技術は、特許文献2に開示される。この従来技術では、FM多重放送などを利用して渋滞情報を受信し、受信した渋滞情報を道路地図データとともにディスプレイに表示している。渋滞情報の表示にあたっては、強調表示する道路数を減らし、これによって渋滞箇所または渋滞していない箇所をわかりやすく表示している。
【0004】
第3の従来技術は、特許文献3に開示される。この従来技術では、自車周辺の地図情報などを表示する画像表示装置に加えて、案内情報などを音声として出力するスピーカが設けられる。このような従来技術によれば、運転者は、運転中に視線を移動させることなく、案内情報を把握することができる。
【0005】
第4の従来技術は、特許文献4に開示される。この従来技術では、ハンドル補正回転量を表示器に表示し、これによって運転者に、基本走行軌跡に追従した運転を行わせることができる。
【0006】
第5の従来技術は、特許文献5に開示される。この従来技術では、駐車のためのステアリング操作などの駐車操作を支援する駐車操作支援画面がディスプレイに表示される。このような従来技術によれば、運転者の駐車操作の負担を軽減することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平7−205682号公報
【特許文献2】特開平8−63094号公報
【特許文献3】特開2001−201354号公報
【特許文献4】特公平6−70837号公報
【特許文献5】特開2003−48500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記第1の従来技術では、表示部には種々の情報が表示されるので、運転者が種々の情報の中から所望の情報を探し出すのに手間を要する。したがって所望の情報の把握にあたって時間を要するという問題がある。このような従来技術では、運転者が運転中に所望の情報を把握しようとするとき、運転者の運転に対する集中力が低下する時間が長くなってしまう。
【0009】
前記第2の従来技術では、強調表示する道路数を減らして、渋滞箇所または渋滞していない箇所をわかりやすく表示しているけれども、このように表示したとしても、運転者が所望の情報を探し出すのに手間を要する。したがって前記第1の従来技術と同様の問題がある。
【0010】
前記第3の従来技術では、スピーカから、案内情報などが音声として出力されるけれども、運転者は、ある程度の時間、注意して、音声を聞いていなければ、案内情報を把握することができない。したがって前記第1および第2の従来技術と同様の問題がある。
【0011】
前記第4の従来技術では、ハンドル補正回転量は、表示器に表示される。このような従来技術では、運転者は、ハンドル補正回転量を直感的に把握することはできず、ハンドル補正回転量の把握にあたって時間を要するという問題がある。
【0012】
前記第5の従来技術では、駐車操作支援画面は、ディスプレイに表示される。このような従来技術では、運転者は、駐車のためのステアリング操作を直感的に把握することはできず、ステアリング操作の把握にあたって時間を要するという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、運転者に、予め定める提示情報を迅速に把握させることができる情報提示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、予め定める提示情報を第1の出力態様で出力する第1出力手段と、
ステアリングホイールに設けられ、前記予め定める提示情報を出力する第2出力手段と、
前記予め定める提示情報を、第1の出力態様よりも簡素化した第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させる制御手段とを含むことを特徴とする情報提示装置である。
【0015】
また本発明は、前記第2出力手段は、光を発生する光発生部であり、
前記第2の出力態様は、光発生部の発光状態であることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、光発生部の発光状態は、光発生部が発生する光の色、光発生部の点滅速度、光発生部の点灯数、光発生部が発生する光の強さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記第2出力手段は、音を発生する音発生部であり、
前記第2の出力態様は、音発生部の音の発生状態であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、音発生部の音の発生状態は、音発生部が発生する音の高さ、音発生部が発生する音の長さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記第2出力手段は、振動を発生する振動発生部であり、
前記第2の出力態様は、振動発生部の振動の発生状態であることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、振動発生部の振動の発生状態は、振動発生部が発生する振動の大きさ、振動発生部が発生する振動の間隔のいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記第2出力手段は、温度が変化する温度変化部であり、
前記第2の出力態様は、温度変化部の温度の変化状態であることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記第2出力手段は、形状が変化する形状変化部であり、
前記第2の出力態様は、形状変化部の形状の変化状態であることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、前記第2出力手段は、光を発生する光発生部と、音を発生する音発生部と、振動を発生する振動発生部と、温度が変化する温度変化部と、形状が変化する形状変化部とのうちいずれか複数であり、
前記第2の出力態様は、光発生部の発光状態と、音発生部の音の発生状態と、振動発生部の振動の発生状態と、温度変化部の温度の変化状態と、形状変化部の形状の変化状態とのうちいずれか複数であることを特徴とする。
【0024】
また本発明は、前記予め定める提示情報は、渋滞状況に関する情報と、目的地の天気に関する情報と、目的地までの距離に関する情報と、目的地に到達するまでの所要時間に関する情報とのうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記予め定める提示情報が複数の情報を含む場合、
複数の情報のいずれか1つを選択するための選択手段をさらに含み、
前記制御手段は、選択手段による選択結果に応答して、複数の情報のいずれか1つを選択的に、第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させることを特徴とする。
【0026】
また本発明は、ステアリングホイールにこのステアリングホイールの回転軸線まわりの周方向に整列して設けられる複数の発光体と、
駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報を生成する生成手段と、
前記ステアリング角度に関する情報に基づいて、基準の発光体と、この基準の発光体を移動させるべき位置の発光体とを発光させる制御手段とを含むことを特徴とする情報提示装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第1出力手段によって、予め定める提示情報を第1の出力態様で出力し、第2出力手段によって、前記予め定める提示情報を第2の出力態様で出力する。制御手段は、前記予め定める提示情報を、第1の出力態様よりも簡素化した第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させる。
【0028】
第2出力手段は、ステアリングホイールに設けられる。ステアリングホイールは、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイールに第2出力手段が設けられるので、運転者に、前記予め定める提示情報を迅速に把握させることができる。
【0029】
またステアリングホイールは、ステアリング軸に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイールに第2出力手段を予め設けておくことによって、第2出力手段の車両への設置を、ステアリングホイールの取り替えだけで実現することができる。したがって第2出力手段の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0030】
第2の出力態様は、第1の出力態様よりも簡素化されている。このような第2の出力態様で前記予め定める提示情報を出力することによっても、運転者に、前記予め定める提示情報を迅速に把握させることができる。
【0031】
運転者が運転中に前記予め定める提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。本発明では、運転者に、前記予め定める提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0032】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、光発生部の発光状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、前記予め定める提示情報を把握することができる。
【0033】
光発生部は、ステアリングホイールに設けられるので、運転者は、運転中に視線をわずかに下方に移動させるだけで、光発生部の発光状態を確認することができる。しかもステアリングホイールは、インストルメントパネルに比べて、情報の表示が少ないので、運転者は、光発生部の発光状態を容易に確認することができる。したがって運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。
【0034】
また本発明によれば、光発生部が発生する光の色、光発生部の点滅速度、光発生部の点灯数、光発生部が発生する光の強さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せで、前記予め定める提示情報を報知することができる。
【0035】
光発生部が発生する光の色で、前記予め定める提示情報を報知する場合、光の色は、瞬時に確認することができるので、運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。光発生部の点滅速度で、前記予め定める提示情報を報知する場合、1つの発光体によって光発生部を実現することができ、部品点数を削減することができる。光発生部の点灯数で、前記予め定める提示情報を報知する場合、点灯数は、瞬時に確認することができるので、運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。光発生部が発生する光の強さで、前記予め定める提示情報を報知する場合、1つの発光体によって光発生部を実現することができ、部品点数を削減することができる。光発生部が発生する光の色と、光発生部の点滅速度と、光発生部の点灯数と、光発生部が発生する光の強さとの組合せで、前記予め定める提示情報を報知する場合、光発生部の発光状態の違いをより明確化させることができるので、前記予め定める提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0036】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、音発生部の音の発生状態で出力されるので、運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、前記予め定める提示情報を把握することができる。音発生部は、ステアリングホイールに設けられるので、運転者は、音発生部による音と、この音発生部による音とは異なる他の音とを、容易に区別することができる。
【0037】
また本発明によれば、音発生部が発生する音の高さ、音発生部が発生する音の長さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せで、前記予め定める提示情報を報知することができる。
【0038】
音発生部が発生する音の高さで、前記予め定める提示情報を報知する場合、音の高さは、瞬時に確認することができるので、運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。音発生部が発生する音の高さと、音発生部が発生する音の長さとの組合せで、前記予め定める提示情報を報知する場合、音発生部の音の発生状態の違いをより明確化させることができるので、前記予め定める提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0039】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、振動発生部の振動の発生状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、前記予め定める提示情報を把握することができる。また運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、前記予め定める提示情報を把握することができる。
【0040】
振動発生部は、ステアリングホイールに設けられる。ステアリングホイールは、運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイールに振動発生部が設けられるので、運転者は、前記予め定める提示情報を確実に把握することができる。
【0041】
また本発明によれば、振動発生部が発生する振動の大きさ、振動発生部が発生する振動の間隔のいずれか1つ、あるいはこれらの組合せで、前記予め定める提示情報を報知することができる。
【0042】
振動発生部が発生する振動の大きさで、前記予め定める提示情報を報知する場合、振動の大きさは、瞬時に確認することができるので、運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。振動発生部が発生する振動の大きさと、振動発生部が発生する振動の間隔との組合せで、前記予め定める提示情報を報知する場合、振動発生部の振動の発生状態の違いをより明確化させることができるので、前記予め定める提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0043】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、温度変化部の温度の変化状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、前記予め定める提示情報を把握することができる。また運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、前記予め定める提示情報を把握することができる。
【0044】
温度変化部は、ステアリングホイールに設けられる。ステアリングホイールは、運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイールに温度変化部が設けられるので、運転者は、前記予め定める提示情報を確実に把握することができる。
【0045】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、形状変化部の形状の変化状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、前記予め定める提示情報を把握することができる。
【0046】
形状変化部は、ステアリングホイールに設けられるので、運転者は、運転中に視線をわずかに下方に移動させるだけで、形状変化部の形状の変化状態を確認することができる。したがって運転者は、前記予め定める提示情報を迅速に把握することができる。
【0047】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報が、光発生部の発光状態と、音発生部の音の発生状態と、振動発生部の振動の発生状態と、温度変化部の温度の変化状態と、形状変化部の形状の変化状態とのうちいずれか複数で出力される。この場合、第2の出力態様の違いをより明確化させることができる。したがって前記予め定める提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0048】
また本発明によれば、前記予め定める提示情報は、渋滞状況に関する情報と、目的地の天気に関する情報と、目的地までの距離に関する情報と、目的地に到達するまでの所要時間とのうち、少なくともいずれか1つである。このような前記予め定める提示情報が出力されるので、利便性を向上させることができる。
【0049】
また本発明によれば、複数の情報のいずれか1つを選択するための選択手段が設けられる。制御手段は、選択手段による選択結果に応答して、複数の情報のいずれか1つを選択的に、第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させる。したがって運転者は、複数の情報のいずれか1つを選択的に把握することができる。
【0050】
また本発明によれば、ステアリングホイールには、複数の発光体が設けられる。各発光体は、ステアリングホイールの回転軸線まわりの周方向に整列する。生成手段は、駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報を生成する。制御手段は、前記ステアリング角度に関する情報に基づいて、基準の発光体と、この基準の発光体を移動させるべき位置の発光体とを発光させる。したがって運転者は、前記ステアリング角度に関する情報を、直感的に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
図1は、本発明の実施の第1形態である情報提示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置1は、車両に搭載され、この車両の運転者に予め定める提示情報(以下単に「提示情報」という)を提示するために好適に用いられる。
【0052】
提示情報は、複数の情報を含む。具体的には、提示情報は、渋滞状況に関する情報と、目的地の天気に関する情報と、目的地までの距離に関する情報と、目的地に到達するまでの所要時間に関する情報とを含む。
【0053】
情報提示装置1は、ナビゲーション装置2を含んで構成される。ナビゲーション装置2は、HDD(Hard Disk Drive)装置3と、方位センサ4と、距離センサ5と、GPS
(Global Positioning System)受信ユニット6と、VICS(Vehicle Information
Communication System)受信ユニット7と、設定用操作ボタン8と、ディスプレイ装置9と、制御ユニット10とを有する。
【0054】
HDD装置3は、道路地図に関する情報などを記憶する。方位センサ4は、車両の進行方向を計測する。距離センサ5は、出発地点からの走行距離を計測する。GPS受信ユニット6は、人工衛星から電波を受信して、車両の絶対位置を演算する。VICS受信ユニット7は、FM多重放送などの受信ユニットであり、VICS情報を受信する。設定用操作ボタン8は、目的地などを設定するための操作ボタンである。ディスプレイ装置9は、情報を表示するための表示装置である。
【0055】
制御ユニット10は、ROM(Read Only Memory)11およびRAM(Random Access Memory)12と、ROM11およびRAM12に記憶されるプログラムを実行するナビCPU(Central Processing Unit)とを有する。
【0056】
制御ユニット10は、HDD装置3に記憶される道路地図に関する情報に基づく道路地図を、ディスプレイ装置9に表示させる。また制御ユニット10は、方位センサ4および距離センサ5ならびにGPS受信ユニット6を用いて、車両の現在位置を測位し、この現在位置を道路地図に重ねて、ディスプレイ装置9に表示させる。さらに制御ユニット10は、運転者などによる設定用操作ボタン8の操作によって目的地が設定されると、現在地から目的地までの最適な経路を探索し、この経路を道路地図に重ねて、ディスプレイ装置9に表示させる。
【0057】
さらに制御ユニット10は、現在地から目的地までの距離を演算し、この目的地までの距離に関する情報を、ディスプレイ装置9に表示させる。さらに制御ユニット10は、現在地から目的地に到達するまでの所要時間を演算し、この目的地に到達するまでの所要時間に関する情報を、ディスプレイ装置9に表示させる。さらに制御ユニット10は、VICS受信ユニット7によって、渋滞状況に関する情報および目的地の天気に関する情報などをVICS情報として受信し、これらの渋滞状況に関する情報および目的地の天気に関する情報を、ディスプレイ装置9に表示させる。
【0058】
情報提示装置1は、前述のナビゲーション装置2に加えて、光を発生する光発生部14と、提示情報を選択するための選択用操作ボタン15とをさらに含んで構成される。選択用操作ボタン15は、選択手段である。
【0059】
前記制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、光発生部14によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、光発生部14の発光状態を制御する。
【0060】
光発生部14の発光状態は、3段階であり、したがって光発生部14では、提示情報が3段階で報知される。渋滞状況に関する情報は、(1)渋滞と、(2)混雑と、(3)渋滞なしとの3段階で報知される。目的地の天気に関する情報は、(1)晴と、(2)曇と、(3)雨との3段階で報知される。目的地までの距離に関する情報は、(1)5km以上と、(2)1km以上5km未満と、(3)1km未満との3段階で報知される。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報は、(1)60分以上と、(2)10分以上60分未満と、(3)10分未満との3段階で報知される。
【0061】
本実施の形態では、前記ディスプレイ装置9によって、第1出力手段が実現される。また前記光発生部14によって、第2出力手段が実現される。また前記制御ユニット10によって、制御手段が実現される。ディスプレイ装置9の表示態様は、第1の出力態様に相当する。光発生部14の発光状態は、第2の出力態様に相当する。
【0062】
図2は、ステアリングホイール21の正面図である。図3は、図2の切断面線S3−S3から見た断面図である。ステアリングホイール21は、ステアリング軸22に着脱可能に設けられる。ステアリングホイール21は、ステアリング軸22に装着されるハブ部23と、ステアリング軸22と同軸に設けられる円環状のリム部24と、ハブ部23とリム部24とを連結する一対のスポーク部25とを有する。ハブ部23には、このハブ部23を覆うカバー体26が設けられる。
【0063】
ステアリングホイール21には、光発生部14および選択用操作ボタン15が設けられる。光発生部14は、運転者が運転中に光発生部14の発光状態を容易に確認することができるように、ステアリングホイール21のハブ部23付近に配置される。選択用操作ボタン15は、運転者が運転中にステアリングホイール21のリム部24を把持した状態で選択用操作ボタン15を容易に操作することができるように、ステアリングホイール21のスポーク部25付近に配置される。
【0064】
光発生部14は、発光体27と、発光体27が発生する光を透過させる透光体28と、発光体27が発生した光を反射して透光体28に導く反射体29とを有する。発光体27および反射体29は、ハブ部23とカバー体26とによって形成される空間30に収容される。透光体28は、板状の部材であり、カバー体26に形成される開口31に嵌め込まれる。
【0065】
光発生部14および選択用操作ボタン15と、制御ユニット10との間には、回転トランスが介在する。回転トランスは、第1および第2電磁コイルを有する。第1電磁コイルは、ステアリング軸22を回転自在に支持するステアリングコラムに設けられる。第2電磁コイルは、ステアリングホイール21に設けられる。このような回転トランスを介して、光発生部14および選択用操作ボタン15と、制御ユニット10とが非接触で電気的に接続される。光発生部14および選択用操作ボタン15と、制御ユニット10との電気的な接続には、回転トランスに代えて、スリップリングが用いられてもよい。
【0066】
図4は、制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、提示情報の取得によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップa1で、取得した提示情報を、光発生部14の発光状態で出力可能な提示情報に変換し、ステップa2に進む。ステップa2では、変換した提示情報に基づいて、光発生部14の発光状態を制御し、情報提示動作を終了する。
【0067】
表1は、光発生部14による発光状態の一例を示す。表1に示す例では、提示情報の内容と、光発生部14が発生する光の色とが関連する。光発生部14が発生する光の色は、赤色と、黄色と、青色との3段階である。
【0068】
表1に示す例では、光発生部14は、互いに異なる色の光をそれぞれ発生する3つの発光体27、換言すれば、互いに異なる発光ピーク波長をそれぞれ有する3つの発光体27を有する。第1の発光体27は、赤色発光ダイオードによって実現され、第2の発光体27は、黄色発光ダイオードによって実現され、第3の発光体27は、青色発光ダイオードによって実現される。前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、各発光体27の点灯/非点灯を制御し、これによって光発生部14が発生する光の色を制御する。
【0069】
【表1】

【0070】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は赤色で報知し、混雑は黄色で報知し、渋滞なしは青色で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は赤色で報知し、曇は黄色で報知し、雨は青色で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は赤色で報知し、1km以上5km未満は黄色で報知し、1km未満は青色で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は赤色で報知し、10分以上60分未満は黄色で報知し、10分未満は青色で報知する。
【0071】
このような表1に示す例によれば、光発生部14が発生する光の色で、提示情報を報知することができる。光の色は、瞬時に確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0072】
表2は、光発生部14による発光状態の他の例を示す。表2に示す例では、提示情報の内容と、光発生部14の点滅速度とが関連する。光発生部14の点滅速度とは、単位時間あたりの光発生部14の点滅回数である。光発生部14の点滅速度は、第1点滅速度と、この第1点滅速度よりも低い第2点滅速度と、この第2点滅速度よりも低い第3点滅速度との3段階である。
【0073】
表2に示す例では、光発生部14は、1つの発光体27を有する。発光体27は、発光ダイオードによって実現される。前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、発光体27の点滅速度を制御し、これによって光発生部14の点滅速度を制御する。
【0074】
【表2】

【0075】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1点滅速度で報知し、混雑は第2点滅速度で報知し、渋滞なしは第3点滅速度で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1点滅速度で報知し、曇は第2点滅速度で報知し、雨は第3点滅速度で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1点滅速度で報知し、1km以上5km未満は第2点滅速度で報知し、1km未満は第3点滅速度で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1点滅速度で報知し、10分以上60分未満は第2点滅速度で報知し、10分未満は第3点滅速度で報知する。
【0076】
このような表2に示す例によれば、光発生部14の点滅速度で、提示情報を報知することができる。この場合、1つの発光体27によって光発生部14を実現することができ、部品点数を削減することができる。
【0077】
表3は、光発生部14による発光状態のさらに他の例を示す。表3に示す例では、提示情報の内容と、光発生部14の点灯数とが関連する。光発生部14の点灯数とは、同時に点灯する発光体27の個数である。光発生部14の点灯数は、3個と、2個と、1個との3段階である。
【0078】
表3に示す例では、光発生部14は、互いに同一の色の光をそれぞれ発生する3つの発光体27、換言すれば、互いに同一の発光ピーク波長をそれぞれ有する3つの発光体27を有する。各発光体27は、発光ダイオードによって実現される。前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、各発光体27の点灯/非点灯を制御し、これによって光発生部14の点灯数を制御する。
【0079】
【表3】

【0080】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は3個で報知し、混雑は2個で報知し、渋滞なしは1個で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は3個で報知し、曇は2個で報知し、雨は1個で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は3個で報知し、1km以上5km未満は2個で報知し、1km未満は1個で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は3個で報知し、10分以上60分未満は2個で報知し、10分未満は1個で報知する。
【0081】
このような表3に示す例によれば、光発生部14の点灯数で、提示情報を報知することができる。点灯数は、瞬時に確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0082】
表4は、光発生部14による発光状態のさらに他の例を示す。表4に示す例では、提示情報の内容と、光発生部14が発生する光の強さとが関連する。光発生部14が発生する光の強さとは、光発生部14の光度である。光発生部14が発生する光の強さは、第1強さと、この第1強さよりも低い第2強さと、この第2強さよりも低い第3強さとの3段階である。
【0083】
表4に示す例では、光発生部14は、1つの発光体27を有する。発光体27は、発光ダイオードによって実現される。前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、発光体27に与える電流を制御して、発光体27が発生する光の強さを制御し、これによって光発生部14が発生する光の強さを制御する。
【0084】
【表4】

【0085】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1強さで報知し、混雑は第2強さで報知し、渋滞なしは第3強さで報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1強さで報知し、曇は第2強さで報知し、雨は第3強さで報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1強さで報知し、1km以上5km未満は第2強さで報知し、1km未満は第3強さで報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1強さで報知し、10分以上60分未満は第2強さで報知し、10分未満は第3強さで報知する。
【0086】
このような表4に示す例によれば、光発生部14が発生する光の強さで、提示情報を報知することができる。この場合、1つの発光体27によって光発生部14を実現することができ、部品点数を削減することができる。
【0087】
光発生部14による発光状態のさらに他の例として、光発生部14が発生する光の色と、光発生部14の点滅速度と、光発生部14の点灯数と、光発生部14が発生する光の強さとの組合せが挙げられる。たとえば、渋滞状況に関する情報について、渋滞は赤色と第1点滅速度とで報知し、混雑は黄色と第2点滅速度とで報知し、渋滞なしは青色と第3点滅速度とで報知する。この場合、光発生部14の発光状態の違いをより明確化させることができる。したがって提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0088】
以上のような第1形態によれば、光発生部14は、ステアリングホイール21に設けられる。ステアリングホイール21は、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール21に光発生部14が設けられるので、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0089】
またステアリングホイール21は、ステアリング軸22に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール21に光発生部14を予め設けておくことによって、光発生部14の車両への設置を、ステアリングホイール21の取り替えだけで実現することができる。したがって光発生部14の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0090】
光発生部14の発光状態は、3段階であり、ディスプレイ装置9の表示態様よりも簡素化されている。このような光発生部14の発光状態で提示情報を出力することによっても、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0091】
運転者が運転中に提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。第1形態では、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0092】
また第1形態によれば、提示情報が、光発生部14の発光状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、提示情報を把握することができる。
【0093】
光発生部14は、ステアリングホイール21に設けられるので、運転者は、運転中に視線をわずかに下方に移動させるだけで、光発生部14の発光状態を確認することができる。しかもステアリングホイール21は、インストルメントパネルに比べて、情報の表示が少ないので、運転者は、光発生部14の発光状態を容易に確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0094】
図5は、本発明の実施の第2形態である情報提示装置41の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置41は、前述の第1形態の情報提示装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ説明する。
【0095】
本実施の形態では、光発生部14に代えて、音を発生する音発生部42が用いられる。音発生部42は、スピーカによって実現される。
【0096】
前記制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、音発生部42によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、音発生部42の音の発生状態を制御する。音発生部42の音の発生状態は、3段階であり、したがって音発生部42では、提示情報が3段階で報知される。
【0097】
本実施の形態では、前記ディスプレイ装置9によって、第1出力手段が実現される。また前記音発生部42によって、第2出力手段が実現される。また前記制御ユニット10によって、制御手段が実現される。ディスプレイ装置9の表示態様は、第1の出力態様に相当する。音発生部42の音の発生状態は、第2の出力態様に相当する。
【0098】
図6は、ステアリングホイール43の正面図である。音発生部42は、ステアリングホイール43のハブ部23に設けられる。詳しくは、音発生部42は、ステアリングホイール43の裏側、すなわちステアリングホイール43の運転者に臨む側とは反対側に設けられる。これによって運転者から音発生部42が見えないようにして、ステアリングホイール43の美感を向上させることができる。音発生部42は、必ずしもステアリングホイール43の裏側に設けられる必要はなく、ステアリングホイール43の表側に設けられてもよい。
【0099】
図7は、制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、提示情報の取得によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップb1で、取得した提示情報を、音発生部42の音の発生状態で出力可能な提示情報に変換し、ステップb2に進む。ステップb2では、変換した提示情報に基づいて、音発生部42の音の発生状態を制御し、情報提示動作を終了する。
【0100】
表5は、音発生部42による音の発生状態の一例を示す。表5に示す例では、提示情報の内容と、音発生部42が発生する音の高さとが関連する。音の高さとは、音の振動数である。音発生部42が発生する音の高さは、第1高さと、この第1高さよりも低い第2高さと、この第2高さよりも低い第3高さとの3段階である。表5に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、音発生部42が発生する音の高さを制御する。
【0101】
【表5】

【0102】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1高さで報知し、混雑は第2高さで報知し、渋滞なしは第3高さで報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1高さで報知し、曇は第2高さで報知し、雨は第3高さで報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1高さで報知し、1km以上5km未満は第2高さで報知し、1km未満は第3高さで報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1高さで報知し、10分以上60分未満は第2高さで報知し、10分未満は第3高さで報知する。
【0103】
このような表5に示す例によれば、音発生部42が発生する音の高さで、提示情報を報知することができる。音の高さは、瞬時に確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0104】
表6は、音発生部42による音の発生状態の他の例を示す。表6に示す例では、提示情報の内容と、音発生部42が発生する音の長さとが関連する。音の長さとは、音の発生時間の長さである。音発生部42が発生する音の長さは、第1長さと、この第1長さよりも短い第2長さと、この第2長さよりも短い第3長さとの3段階である。表6に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、音発生部42が発生する音の長さを制御する。
【0105】
【表6】

【0106】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1長さで報知し、混雑は第2長さで報知し、渋滞なしは第3長さで報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1長さで報知し、曇は第2長さで報知し、雨は第3長さで報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1長さで報知し、1km以上5km未満は第2長さで報知し、1km未満は第3長さで報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1長さで報知し、10分以上60分未満は第2長さで報知し、10分未満は第3長さで報知する。
【0107】
このような表6に示す例によれば、音発生部42が発生する音の長さで、提示情報を報知することができる。
【0108】
音発生部42による音の発生状態のさらに他の例として、音発生部42が発生する音の高さと、音発生部42が発生する音の長さとの組合せが挙げられる。この場合、音発生部42の音の発生状態の違いをより明確化させることができる。したがって提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0109】
以上のような第2形態によれば、音発生部42は、ステアリングホイール43に設けられる。ステアリングホイール43は、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール43に音発生部42が設けられるので、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0110】
またステアリングホイール43は、ステアリング軸に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール43に音発生部42を予め設けておくことによって、音発生部42の車両への設置を、ステアリングホイール43の取り替えだけで実現することができる。したがって音発生部42の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0111】
音発生部42の音の発生状態は、3段階であり、ディスプレイ装置9の表示態様よりも簡素化されている。このような音発生部42の音の発生状態で提示情報を出力することによっても、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0112】
運転者が運転中に提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。第2形態では、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0113】
また第2形態によれば、提示情報が、音発生部42の音の発生状態で出力されるので、運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、提示情報を把握することができる。音発生部42は、ステアリングホイール43に設けられるので、運転者は、音発生部42による音と、この音発生部42による音とは異なる他の音とを、容易に区別することができる。
【0114】
オーディオ用のスピーカから提示情報が出力される場合は、音楽などが途中で途切れ、運転者は違和感を覚えるという不具合がある。第2形態では、提示情報の出力用に音発生部42が別途、設けられるので、そのような不具合を防ぐことができる。
【0115】
図8は、本発明の実施の第3形態である情報提示装置51の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置51は、前述の第1形態の情報提示装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ説明する。
【0116】
本実施の形態では、光発生部14に代えて、振動を発生する振動発生部52が用いられる。振動発生部52は、振動モータによって実現される。振動モータは、モータの回転軸に偏心分銅が装着され、回転による遠心力を加振力として利用するように構成される。
【0117】
前記制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、振動発生部52によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、振動発生部52の振動の発生状態を制御する。振動発生部52の振動の発生状態は、3段階であり、したがって振動発生部52では、提示情報が3段階で報知される。
【0118】
本実施の形態では、前記ディスプレイ装置9によって、第1出力手段が実現される。また前記振動発生部52によって、第2出力手段が実現される。また前記制御ユニット10によって、制御手段が実現される。ディスプレイ装置9の表示態様は、第1の出力態様に相当する。振動発生部52の振動の発生状態は、第2の出力態様に相当する。
【0119】
図9は、ステアリングホイール53の正面図である。振動発生部52は、ステアリングホイール53のリム部24に設けられる。詳しくは、振動発生部52は、リム部24の、運転者が車両を直進させるときに把持する部分54に設けられる。これによって運転者は、振動発生部52の振動の発生状態を確実に確認することができる。
【0120】
図10は、制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、提示情報の取得によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップc1で、取得した提示情報を、振動発生部52の振動の発生状態で出力可能な提示情報に変換し、ステップc2に進む。ステップc2では、変換した提示情報に基づいて、振動発生部52の振動の発生状態を制御し、情報提示動作を終了する。
【0121】
表7は、振動発生部52による振動の発生状態の一例を示す。表7に示す例では、提示情報の内容と、振動発生部52が発生する振動の大きさとが関連する。振動発生部52が発生する振動の大きさは、第1大きさと、この第1大きさよりも小さい第2大きさと、この第2大きさよりも小さい第3大きさとの3段階である。表7に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、振動発生部52が発生する振動の大きさを制御する。
【0122】
【表7】

【0123】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1大きさで報知し、混雑は第2大きさで報知し、渋滞なしは第3大きさで報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1大きさで報知し、曇は第2大きさで報知し、雨は第3大きさで報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1大きさで報知し、1km以上5km未満は第2大きさで報知し、1km未満は第3大きさで報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1大きさで報知し、10分以上60分未満は第2大きさで報知し、10分未満は第3大きさで報知する。
【0124】
このような表7に示す例によれば、振動発生部52が発生する振動の大きさで、提示情報を報知することができる。振動の大きさは、瞬時に確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0125】
表8は、振動発生部52による振動の発生状態の他の例を示す。表8に示す例では、提示情報の内容と、振動発生部52が発生する振動の間隔とが関連する。振動の間隔とは、振動状態と非振動状態とを交互に繰り返す場合における振動状態の継続時間である。振動発生部52が発生する振動の間隔は、第1間隔と、この第1間隔よりも大きい第2間隔と、この第2間隔よりも大きい第3間隔との3段階である。表8に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、振動発生部52が発生する振動の間隔を制御する。
【0126】
【表8】

【0127】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1間隔で報知し、混雑は第2間隔で報知し、渋滞なしは第3間隔で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1間隔で報知し、曇は第2間隔で報知し、雨は第3間隔で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1間隔で報知し、1km以上5km未満は第2間隔で報知し、1km未満は第3間隔で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1間隔で報知し、10分以上60分未満は第2間隔で報知し、10分未満は第3間隔で報知する。
【0128】
このような表8に示す例によれば、振動発生部52が発生する振動の間隔で、提示情報を報知することができる。
【0129】
振動発生部52による振動の発生状態のさらに他の例として、振動発生部52が発生する振動の大きさと、振動発生部52が発生する振動の間隔との組合せが挙げられる。この場合、振動発生部52の振動の発生状態の違いをより明確化させることができる。したがって提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0130】
以上のような第3形態によれば、振動発生部52は、ステアリングホイール53に設けられる。ステアリングホイール53は、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール53に振動発生部52が設けられるので、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0131】
またステアリングホイール53は、ステアリング軸に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール53に振動発生部52を予め設けておくことによって、振動発生部52の車両への設置を、ステアリングホイール53の取り替えだけで実現することができる。したがって振動発生部52の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0132】
振動発生部52の振動の発生状態は、3段階であり、ディスプレイ装置9の表示態様よりも簡素化されている。このような振動発生部52の振動の発生状態で提示情報を出力することによっても、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0133】
運転者が運転中に提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。第3形態では、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0134】
また第3形態によれば、提示情報が、振動発生部52の振動の発生状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、提示情報を把握することができる。また運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、提示情報を把握することができる。
【0135】
振動発生部52は、ステアリングホイール53に設けられる。ステアリングホイール53は、運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール53に振動発生部52が設けられるので、運転者は、提示情報を確実に把握することができる。
【0136】
図11は、本発明の実施の第4形態である情報提示装置61の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置61は、前述の第1形態の情報提示装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ説明する。本実施の形態では、光発生部14に代えて、温度変化部62が用いられる。
【0137】
前記制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、温度変化部62によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、温度変化部62の温度の変化状態を制御する。温度変化部62の温度の変化状態は、3段階であり、したがって温度変化部62では、提示情報が3段階で報知される。
【0138】
本実施の形態では、前記ディスプレイ装置9によって、第1出力手段が実現される。また前記温度変化部62によって、第2出力手段が実現される。また前記制御ユニット10によって、制御手段が実現される。ディスプレイ装置9の表示態様は、第1の出力態様に相当する。温度変化部62の温度の変化状態は、第2の出力態様に相当する。
【0139】
図12は、ステアリングホイール63の一部を切り欠いて示す断面図である。図13は、図12の切断面線S12−S12から見た断面図である。温度変化部62は、ステアリングホイール63に設けられる。
【0140】
温度変化部62は、複数の開口64が形成される一対の開口形成部65と、各開口形成部65に連なる各流路66と、各流路66を介して各開口形成部65に風を送る一対の送風部67と、各開口形成部65と送風部67との間に介在されて熱を発生する一対の電熱線68とを有する。
【0141】
各送風部67からの風は、各開口形成部65の開口64から放出される。各開口形成部65は、リム部24の、運転者が車両を直進させるときに把持する部分54に設けられる。各送風部67および各電熱線68は、ハブ部23とカバー体26とによって形成される空間に収容される。
【0142】
図14は、制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、提示情報の取得によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップd1で、取得した提示情報を、温度変化部62の温度の変化状態で出力可能な提示情報に変換し、ステップd2に進む。ステップd2では、変換した提示情報に基づいて、温度変化部62の温度の変化状態を制御し、情報提示動作を終了する。
【0143】
表9は、温度変化部62による温度の変化状態の一例を示す。表9に示す例では、提示情報の内容と、温度変化部62の温度とが関連する。温度変化部62の温度は、第1温度と、この第1温度よりも低い第2温度と、この第2温度よりも低い第3温度との3段階である。表9に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、温度変化部62の温度を制御する。
【0144】
第1温度を実現するにあたって、前記制御ユニット10は、電熱線68によって熱を発生させ、かつ送風部67によって送風させる。第2温度を実現するにあたって、前記制御ユニット10は、電熱線68による発熱および送風部67による送風を、休止した状態を維持する。第3温度を実現するにあたって、前記制御ユニット10は、電熱線68による発熱を休止した状態で、送風部67によって送風させる。
【0145】
【表9】

【0146】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1温度で報知し、混雑は第2温度で報知し、渋滞なしは第3温度で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1温度で報知し、曇は第2温度で報知し、雨は第3温度で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1温度で報知し、1km以上5km未満は第2温度で報知し、1km未満は第3温度で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1温度で報知し、10分以上60分未満は第2温度で報知し、10分未満は第3温度で報知する。
【0147】
以上のような第4形態によれば、温度変化部62は、ステアリングホイール63に設けられる。ステアリングホイール63は、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール63に温度変化部62が設けられるので、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0148】
またステアリングホイール63は、ステアリング軸に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール63に温度変化部62を予め設けておくことによって、温度変化部62の車両への設置を、ステアリングホイール63の取り替えだけで実現することができる。したがって温度変化部62の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0149】
温度変化部62の温度の変化状態は、3段階であり、ディスプレイ装置9の表示態様よりも簡素化されている。このような温度変化部62の温度の変化状態で提示情報を出力することによっても、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0150】
運転者が運転中に提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。第4形態では、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0151】
また第4形態によれば、提示情報が、温度変化部62の温度の変化状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、提示情報を把握することができる。また運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、提示情報を把握することができる。
【0152】
温度変化部62は、ステアリングホイール63に設けられる。ステアリングホイール63は、運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール63に温度変化部62が設けられるので、運転者は、提示情報を確実に把握することができる。
【0153】
図15は、本発明の実施の第5形態である情報提示装置71の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置71は、前述の第1形態の情報提示装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ説明する。本実施の形態では、光発生部14に代えて、形状変化部72が用いられる。
【0154】
前記制御ユニット10は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、形状変化部72によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、形状変化部72の形状の変化状態を制御する。形状変化部72の形状の変化状態は、3段階であり、したがって形状変化部72では、提示情報が3段階で報知される。
【0155】
本実施の形態では、前記ディスプレイ装置9によって、第1出力手段が実現される。また前記形状変化部72によって、第2出力手段が実現される。また前記制御ユニット10によって、制御手段が実現される。ディスプレイ装置9の表示態様は、第1の出力態様に相当する。形状変化部72の形状の変化状態は、第2の出力態様に相当する。
【0156】
図16は、ステアリングホイール73の一部を切り欠いて示す断面図である。図17は、形状変化部72の一部を拡大して示す正面図である。図18は、形状変化部72の形状の変化状態を説明するための図である。形状変化部72は、ステアリングホイール73に設けられる。
【0157】
形状変化部72は、モータと、モータの回転軸に固定される第1歯車74と、第1歯車74に噛合する第2歯車75と、第2歯車75に連なって第2歯車75の半径方向に延びる第1延在部材76と、第2歯車75に噛合する第3歯車77と、第3歯車77に連なって第3歯車77の半径方向に延びる第2延在部材78と、ステアリングホイール73のハブ部23を覆うように設けられるカバー体79とを有する。
【0158】
カバー体79は、可撓性を有する。ハブ部23とカバー体79とによって形成される空間30には、モータと、各歯車74,75,77と、各延在部材76,78とが収容される。第1延在部材76の第2歯車75に連なる側とは反対側の先端部80は、カバー体79に連結される。第2延在部材78の第3歯車77に連なる側とは反対側の先端部81は、カバー体79に連結される。各延在部材76,78の先端部80,81は、基準軸線L1に沿って変位する。基準軸線L1は、たとえば、ステアリング軸の軸線に直交し、かつリム部24と各スポーク部25との各連結部を結ぶ線に垂直な軸線である。
【0159】
図18(1)で示す状態では、カバー体79の幅は、第1幅W1である。図18(1)に示す状態において、モータの回転軸が軸線まわりに矢符A1方向に回転すると、各延在部材76,78の先端部80,81の距離が小さくなり、これによって図18(2)に示すように、カバー体79の幅は、第1幅W1よりも小さい第2幅W2となる。図18(2)に示す状態において、モータの回転軸が軸線まわりに矢符A1方向にさらに回転すると、各延在部材76,78の先端部80,81の距離がさらに小さくなり、これによって図18(3)に示すように、カバー体79の幅は、第2幅W2よりも小さい第3幅W3となる。逆に、モータの回転軸が軸線まわりに矢符A1方向とは反対の矢符A2方向に回転すると、カバー体79の幅は、大きくなる。
【0160】
図19は、制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、提示情報の取得によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップe1で、取得した提示情報を、形状変化部72の形状の変化状態で出力可能な提示情報に変換し、ステップe2に進む。ステップe2では、変換した提示情報に基づいて、形状変化部72の形状の変化状態を制御し、情報提示動作を終了する。
【0161】
表10は、形状変化部72による形状の変化状態の一例を示す。表10に示す例では、提示情報の内容と、形状変化部72の形状とが関連する。形状変化部72の形状は、図18(1)に示すような第1形状と、図18(2)に示すような第2形状と、図(3)に示すような第3形状との3段階である。表10に示す例では、前記制御ユニット10は、提示情報の内容に基づいて、形状変化部72の形状を制御する。
【0162】
【表10】

【0163】
渋滞状況に関する情報について、渋滞は第1形状で報知し、混雑は第2形状で報知し、渋滞なしは第3形状で報知する。目的地の天気に関する情報について、晴は第1形状で報知し、曇は第2形状で報知し、雨は第3形状で報知する。目的地までの距離に関する情報について、5km以上は第1形状で報知し、1km以上5km未満は第2形状で報知し、1km未満は第3形状で報知する。目的地に到達するまでの所要時間に関する情報について、60分以上は第1形状で報知し、10分以上60分未満は第2形状で報知し、10分未満は第3形状で報知する。
【0164】
図20は、他の例としての形状変化部82を示す断面図である。図21は、形状変化部82の一部を拡大して示す正面図である。形状変化部82は、モータと、モータの回転軸に固定されるピニオン歯車83と、ピニオン歯車83にそれぞれ噛合する一対のラック部材84,85と、ステアリングホイール86のハブ部23を覆うように設けられるカバー体87とを有する。
【0165】
カバー体87は、可撓性を有する。ハブ部23とカバー体87とによって形成される空間30には、モータと、ピニオン歯車83と、各ラック部材84,85とが収容される。各ラック部材84,85は、基準軸線L1に沿って変位する。一方のラック部材84の、基準軸線L1方向一方側の端部88は、カバー体87に連結される。他方のラック部材85の、基準軸線L1方向他方側の端部89は、カバー体87に連結される。
【0166】
形状変化部82では、モータの回転軸が軸線まわりに矢符B1方向に回転すると、カバー体87の幅は、小さくなる。逆に、モータの回転軸が軸線まわりに矢符B1方向とは反対の矢符B2方向に回転すると、カバー体87の幅は、大きくなる。このような形状変化部82でも、提示情報を報知することができる。
【0167】
図22は、さらに他の例としての形状変化部91を示す正面図である。図23は、図22の切断面線S23−S23から見た断面図である。形状変化部91は、一対の膨張部92と、各膨張部92に連なる一対の流路93と、各流路93を介して各膨張部92に空気を供給する一対の空気供給源94とを有する。各膨張部92は、可撓性を有する。各膨張部92は、ステアリングホイール95のリム部24の、運転者が車両を直進させるときに把持する部分54に設けられる。各空気供給源94は、カバー体26とハブ部23とによって形成される空間30に収容される。
【0168】
形状変化部91では、膨張部92に空気が供給されると、膨張部92が膨張する。逆に膨張部92から空気が排出されると、膨張部92が縮小する。このような形状変化部91でも、提示情報を報知することができる。
【0169】
以上のような第5形態によれば、形状変化部72,82,91は、ステアリングホイール73,86,95に設けられる。ステアリングホイール73,86,95は、運転者の正面に配置され、この運転者によって把持されて用いられる。このようなステアリングホイール73,86,95に形状変化部72,82,91が設けられるので、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0170】
またステアリングホイール73,86,95は、ステアリング軸に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール73,86,95に形状変化部72,82,91を予め設けておくことによって、形状変化部72,82,91の車両への設置を、ステアリングホイール73,86,95の取り替えだけで実現することができる。したがって形状変化部72,82,91の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0171】
形状変化部72,82,91の形状の変化状態は、3段階であり、ディスプレイ装置9の表示態様よりも簡素化されている。このような形状変化部72,82,91の形状の変化状態で提示情報を出力することによっても、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができる。
【0172】
運転者が運転中に提示情報を把握しようとするとき、この運転者の運転に対する集中力は一時的に低下する。第5形態では、運転者に、提示情報を迅速に把握させることができるので、運転者の運転に対する集中力が低下する時間を可及的に短くすることができる。
【0173】
また第5形態によれば、提示情報が、形状変化部72,82,91の形状の変化状態で出力されるので、運転者は、周囲の騒音に影響されることなく、提示情報を把握することができる。
【0174】
形状変化部72,82,91は、ステアリングホイール73,86,95に設けられるので、運転者は、運転中に視線をわずかに下方に移動させるだけで、形状変化部72,82,91の形状の変化状態を確認することができる。したがって運転者は、提示情報を迅速に把握することができる。
【0175】
また形状変化部91では、膨張部92が、ステアリングホイール95のリム部24の、運転者が車両を直進させるときに把持する部分54に設けられる。したがって運転者は、運転者は、運転中に視線を全く移動させなくても、提示情報を把握することができる。
【0176】
図24は、本発明の実施の第6形態である情報提示装置101の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置101は、前述の第1形態の情報提示装置1に類似するので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分だけ説明する。
【0177】
前述の第1形態では、ナビゲーション装置2の制御ユニット10によって、光発生部14の発光状態が制御されるけれども、本実施の形態では、外付専用装置102によって、光発生部14の発光状態が制御される。
【0178】
外付専用装置102は、たとえばステアリングホイール21に設けられる。外付専用装置102は、ナビゲーション装置2の制御ユニット10から提示情報を取得する。外付専用装置102は、選択用操作ボタン15による選択結果に応答して、提示情報のいずれか1つを選択的に、光発生部14によって出力させる。前記制御ユニット10は、選択された提示情報に基づいて、光発生部14の発光状態を制御する。外付専用装置102は、前述の第1形態の制御ユニット10と同様に、情報提示動作を実行する。
【0179】
以上のような第6形態によれば、前述の第1形態と同様の効果を達成することができる。また外付専用装置102は、ステアリングホイール21に設けられる。ステアリングホイール21は、ステアリング軸22に着脱可能に設けられる構成体であり、汎用性を有する。このようなステアリングホイール21に外付専用装置102を予め設けておくことによって、外付専用装置102の車両への設置を、ステアリングホイール21の取り替えだけで実現することができる。したがって外付専用装置102の車両への設置に対する容易性を向上させることができる。
【0180】
前述の第2〜第5形態についても同様に、ナビゲーション装置2の制御ユニット10に代えて、外付専用装置によって、音発生部42の音の発生状態、振動発生部52の振動の発生状態、温度変化部62の温度の変化状態、または形状変化部72,82,91の形状の変化状態が制御されてもよい。これらの場合でも、第2〜第5形態と同様の効果を達成することができる。
【0181】
前述の第1〜第6形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば設定用操作ボタン8は、提示情報の内容と第2の出力態様との関連を設定するための関連設定手段として、用いられてもよい。これによって運転者は、この運転者が直感的に判断しやすいように、前記関連を設定することができる。したがって利便性を向上させることができる。
【0182】
また制御ユニット10は、選択用操作ボタン15の操作から所定時間だけ、光発生部14によって提示情報を出力させてもよい。これによって必要なときだけ提示情報を出力させることができ、提示情報の不要な出力を避けることができる。また制御ユニット10は、選択用操作ボタン15の操作によって、光発生部14による提示情報の出力を、オン/オフさせてもよい。これによっても必要なときだけ提示情報を出力させることができ、提示情報の不要な出力を避けることができる。音発生部42、振動発生部52、温度変化部62、および形状変化部72,82,91についても同様である。
【0183】
また提示情報が、光発生部14の発光状態と、音発生部42の音の発生状態と、振動発生部52の振動の発生状態と、温度変化部62の温度の変化状態と、形状変化部72,82,91の形状の変化状態とのうちいずれか複数で出力されてもよい。この場合、第2の出力態様の違いをより明確化させることができる。したがって提示情報の把握に対する容易性を向上させることができる。
【0184】
提示情報は、1つでもよく、あるいは複数であってもよい。また提示情報は、渋滞状況に関する情報と、目的地の天気に関する情報と、目的地までの距離に関する情報と、目的地に到達するまでの所要時間に関する情報とに限らず、その他の情報であってもよい。
【0185】
前述の第1および第6形態では、光発生部14の発光状態は、3段階であるけれども、光発生部14の発光状態は、3段階に限らず、2段階あるいは4段階以上であってもよい。音発生部42、振動発生部52、温度変化部62、および形状変化部72,82,91についても同様である。
【0186】
図25は、本発明の実施の第7形態である情報提示装置111の構成を示すブロック図である。本実施の形態の情報提示装置111は、車両に搭載され、この車両の運転者に、駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報を提示するために好適に用いられる。
【0187】
情報提示装置111は、車両の周囲を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ112と、ステアリング操作量およびその方向を検出するステアリングセンサ113と、複数の発光体114と、制御ユニット115とを有する。制御ユニット115は、ROM116およびRAM117と、ROM116およびRAM117に記憶されるプログラムを実行するCPU118とを有する。
【0188】
本実施の形態では、CCDカメラ112およびステアリングセンサ113ならびに制御ユニット115によって、生成手段が実現される。また制御ユニット115によって、制御手段が実現される。
【0189】
図26は、ステアリングホイール119の正面図である。ステアリングホイール119のリム部24には、複数の発光体114が設けられる。各発光体114は、ステアリングホイール119の回転軸線まわりの周方向に所定の間隔をあけて整列する。各発光体114のうち、基準の発光体114aは、残余の各発光体114bとは異なる色の光を発生する。前記残余の各発光体114bは、互いに同一の色の光をそれぞれ発生する。基準の発光体114aは、たとえば赤色発光ダイオードによって実現される。前記残余の各発光体114bは、たとえば青色発光ダイオードによって実現される。
【0190】
図27は、制御ユニット115による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。情報提示動作は、運転者の指示によって、開始される。情報提示動作を開始すると、ステップf1で、CCDカメラ112による撮像結果と、ステアリングセンサ113による検出結果とに基づいて、駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報を生成し、ステップf2に進む。ステップf2では、前記ステアリング角度に関する情報に基づいて、基準の発光体114aと、この基準の発光体114を移動させるべき位置の発光体114bとを発光させ、ステップf3に進む。ステップf3では、駐車操作が完了したか否かを判定する。完了していないと判定すると、ステップf1に戻り、完了したと判定すると、情報提示動作を終了する。
【0191】
図28は、各発光体114の発光状態を説明するための図である。ステアリングホイール119が回されると、基準の発光体114aは、発光した状態で、ステアリングホイール119とともに矢符C2方向に移動する。ステアリングホイール119が回されると、前記残余の各発光体114bは、基準の発光体114aを移動させるべき位置で順次、発光した状態となり、その他の位置では、発光していない状態となる。
【0192】
図28(1)に示す状態では、基準の発光体114aは、前記残余の各発光体114bのうち発光した状態にある発光体114bから、矢符C1方向にずれている。この状態において、ステアリングホイール119が矢符C1方向とは反対の矢符C2方向に回されると、図28(2)に示すように、基準の発光体114aは、前記残余の各発光体114bのうち発光した状態にある発光体114bに近づく。ステアリングホイール119が矢符C2方向にさらに回されると、基準の発光体114aは、この基準の発光体114aが移動すべき位置に移動し、図28(3)に示すように、複数の発光体114のうち、基準の発光体114aだけが発光した状態となる。
【0193】
以上のような第7形態によれば、複数の発光体114が、ステアリングホイール119にこのステアリングホイール119の回転軸線まわりの周方向に整列して設けられ、駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報にもとづいて、基準の発光体114と、この基準の発光体114を移動させるべき位置の発光体114とが発光される。したがって運転者は、前記ステアリング角度に関する情報を、直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明の実施の第1形態である情報提示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】ステアリングホイール21の正面図である。
【図3】図2の切断面線S3−S3から見た断面図である。
【図4】制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施の第2形態である情報提示装置41の構成を示すブロック図である。
【図6】ステアリングホイール43の正面図である。
【図7】制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施の第3形態である情報提示装置51の構成を示すブロック図である。
【図9】ステアリングホイール53の正面図である。
【図10】制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施の第4形態である情報提示装置61の構成を示すブロック図である。
【図12】ステアリングホイール63の一部を切り欠いて示す断面図である。
【図13】図12の切断面線S12−S12から見た断面図である。
【図14】制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の実施の第5形態である情報提示装置71の構成を示すブロック図である。
【図16】ステアリングホイール73の一部を切り欠いて示す断面図である。
【図17】形状変化部72の一部を拡大して示す正面図である。
【図18】形状変化部72の形状の変化状態を説明するための図である。
【図19】制御ユニット10による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】他の例としての形状変化部82を示す断面図である。
【0195】
【図21】形状変化部82の一部を拡大して示す正面図である。
【図22】さらに他の例としての形状変化部91を示す正面図である。
【図23】図22の切断面線S23−S23から見た断面図である。
【図24】本発明の実施の第6形態である情報提示装置101の構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の実施の第7形態である情報提示装置111の構成を示すブロック図である。
【図26】ステアリングホイール119の正面図である。
【図27】制御ユニット115による情報提示動作を説明するためのフローチャートである。
【図28】各発光体114の発光状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0196】
1,41,51,61,71,101,111 情報提示装置
9 ディスプレイ装置
10,115 制御ユニット
14 光発生部
15 選択用操作ボタン
102 外付専用装置
42 音発生部
52 振動発生部
62 温度変化部
72,82,91 形状変化部
114 発光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定める提示情報を第1の出力態様で出力する第1出力手段と、
ステアリングホイールに設けられ、前記予め定める提示情報を出力する第2出力手段と、
前記予め定める提示情報を、第1の出力態様よりも簡素化した第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させる制御手段とを含むことを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記第2出力手段は、光を発生する光発生部であり、
前記第2の出力態様は、光発生部の発光状態であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項3】
光発生部の発光状態は、光発生部が発生する光の色、光発生部の点滅速度、光発生部の点灯数、光発生部が発生する光の強さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする請求項2記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記第2出力手段は、音を発生する音発生部であり、
前記第2の出力態様は、音発生部の音の発生状態であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項5】
音発生部の音の発生状態は、音発生部が発生する音の高さ、音発生部が発生する音の長さのいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする請求項4記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記第2出力手段は、振動を発生する振動発生部であり、
前記第2の出力態様は、振動発生部の振動の発生状態であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項7】
振動発生部の振動の発生状態は、振動発生部が発生する振動の大きさ、振動発生部が発生する振動の間隔のいずれか1つ、あるいはこれらの組合せであることを特徴とする請求項6記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記第2出力手段は、温度が変化する温度変化部であり、
前記第2の出力態様は、温度変化部の温度の変化状態であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記第2出力手段は、形状が変化する形状変化部であり、
前記第2の出力態様は、形状変化部の形状の変化状態であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記第2出力手段は、光を発生する光発生部と、音を発生する音発生部と、振動を発生する振動発生部と、温度が変化する温度変化部と、形状が変化する形状変化部とのうちいずれか複数であり、
前記第2の出力態様は、光発生部の発光状態と、音発生部の音の発生状態と、振動発生部の振動の発生状態と、温度変化部の温度の変化状態と、形状変化部の形状の変化状態とのうちいずれか複数であることを特徴とする請求項1記載の情報提示装置。
【請求項11】
前記予め定める提示情報は、渋滞状況に関する情報と、目的地の天気に関する情報と、目的地までの距離に関する情報と、目的地に到達するまでの所要時間に関する情報とのうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の情報提示装置。
【請求項12】
前記予め定める提示情報が複数の情報を含む場合、
複数の情報のいずれか1つを選択するための選択手段をさらに含み、
前記制御手段は、選択手段による選択結果に応答して、複数の情報のいずれか1つを選択的に、第2の出力態様で前記第2出力手段に出力させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の情報提示装置。
【請求項13】
ステアリングホイールにこのステアリングホイールの回転軸線まわりの周方向に整列して設けられる複数の発光体と、
駐車操作で必要とされるステアリング角度に関する情報を生成する生成手段と、
前記ステアリング角度に関する情報に基づいて、基準の発光体と、この基準の発光体を移動させるべき位置の発光体とを発光させる制御手段とを含むことを特徴とする情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2007−55561(P2007−55561A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246677(P2005−246677)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】