成膜装置
【課題】 埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置を提供すること。
【解決手段】 アミノシラン系ガスを供給する供給機構122、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給する供給機構121を備え、アミノシラン系ガスを供給して前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給してシード層上にシリコン膜を形成する処理を、一つの処理室内101において順次実行する。
【解決手段】 アミノシラン系ガスを供給する供給機構122、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給する供給機構121を備え、アミノシラン系ガスを供給して前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給してシード層上にシリコン膜を形成する処理を、一つの処理室内101において順次実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置のコンタクトホールやラインの埋め込みには、アモルファスシリコンが使用されている。アモルファスシリコンの成膜方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
近時、半導体集積回路装置の微細化に伴い、コンタクトホールやラインの埋め込み要求が、益々厳しくなってきている。
【0004】
また、微細化に応じた生産技術の確立も大切なことではあるが、半導体製造装置の分野においては、とりわけ生産能力向上が重要視されるようになってきた。半導体集積回路装置は、その微細化とともに多層配線構造化が進み、さらには三次元構造に変貌を遂げようとしている。多層配線構造や三次元構造を持つ半導体集積回路装置においては、埋め込み工程が多用される。生産能力の更なる向上のためには、埋め込み工程におけるスループット向上が急務になってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−29954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様に係る成膜装置は、絶縁膜に形成された、導電体に達する開孔の埋め込みに使用可能な成膜装置であって、前記導電体上に、この導電体に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体を収容する一つの処理室と、前記処理室内に、アミノシラン系ガス、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給するガス供給機構と、を備え、(1)前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを供給し、前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及び(2)前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを供給し、前記シード層上にシリコン膜を形成する処理が、前記一つの処理室内において順次実行されるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る成膜装置の一例を概略的に示す断面図
【図2】図1に示すガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図3A】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図3B】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図3C】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図4】堆積時間とアモルファスシリコン膜の膜厚との関係を示す図
【図5】図4中の破線枠A内を拡大した拡大図
【図6A】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図6B】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図6C】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図7】第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図8A】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8B】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8C】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8D】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図9】第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図10A】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図10B】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図10C】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図11A】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図11B】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図11C】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図12】第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図13A】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13B】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13C】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13D】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13E】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図14】第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図15】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の処理ガス供給及び処理温度の一例を示すタイムチャート
【図16A】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16B】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16C】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16D】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16E】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16F】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16G】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16H】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16I】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16J】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係る成膜装置の一例を概略的に示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、成膜装置100は、下端が開口された有天井の円筒体状の処理室101を有している。処理室101の全体は、例えば、石英により形成されている。処理室101内の天井には、石英製の天井板102が設けられている。処理室101の下端開口部には、例えば、ステンレススチールにより円筒体状に成形されたマニホールド103がOリング等のシール部材104を介して連結されている。
【0012】
マニホールド103は、処理室101の下端を支持している。マニホールド103の下方からは、石英製のウエハボート105が処理室101内に挿入可能となっている。ウエハボート105は、被処理体として複数枚、例えば、50〜100枚の半導体基板、本例では、n型不純物がドープされたn型シリコン基板1を多段に載置可能となっている。これにより、処理室101内には、本例ではn型シリコン基板(ウエハ)1上に、このn型シリコン基板1に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体が収容される。ウエハボート105は複数本の支柱106を有し、支柱106に形成された溝により複数枚のn型シリコン基板1が支持されるようになっている。
【0013】
ウエハボート105は、石英製の保温筒107を介してテーブル108上に載置されている。テーブル108は、マニホールド103の下端開口部を開閉する、例えば、ステンレススチール製の蓋部109を貫通する回転軸110上に支持される。回転軸110の貫通部には、例えば、磁性流体シール111が設けられ、回転軸110を気密にシールしつつ回転可能に支持している。蓋部109の周辺部とマニホールド103の下端部との間には、例えば、Oリングよりなるシール部材112が介設されている。これにより処理室101内のシール性が保持されている。回転軸110は、例えば、ボートエレベータ等の昇降機構(図示せず)に支持されたアーム113の先端に取り付けられている。これにより、ウエハボート105および蓋部109等は、一体的に昇降されて処理室101内に対して挿脱される。
【0014】
成膜装置100は、処理室101内に、処理に使用するガスを供給するガス供給機構114を有している。
【0015】
図2は、図1に示すガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0016】
本例のガス供給機構114は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源115、アミノ基を含まないシラン系ガスを供給するシラン系ガス供給源121、及びアミノシラン系ガスを供給するアミノシラン系ガス供給源122を備えている。本例では、上記ガスの一例として以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0017】
不活性ガス: 窒素(N2)ガス
アミノ基を含まないシラン系ガス: モノシラン(SiH4)ガス
アミノシラン系ガス: ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)ガス
ガス供給機構114に備えられたガス供給源は、複数の分散ノズル125に接続される。本例では、シラン系ガス供給源121が流量制御器123f及び開閉弁124fを介して分散ノズル125dに、アミノシラン系ガス供給源122が流量制御器123g及び開閉弁124gを介して分散ノズル125eに接続されている。また、不活性ガス供給源115は、流量制御器123h及び開閉弁126d、126eを介して分散ノズル125d、125eにそれぞれ接続されている。不活性ガスは、アミノ基を含まないシラン系ガス、及びアミノシラン系ガスを希釈する希釈ガス又はキャリアガスに使用、あるいは処理室101の内部をパージするパージガスに使用される。
【0018】
なお、不活性ガスをパージガスに使用する場合には、不活性ガス供給源115を、分散ノズル125d、125eとは別に設けられた図示せぬガス導入ポートに接続するようにしてもよい。図示せぬガス導入ポートは、例えば、マニホールド103の側壁を内側に貫通するように設けられる。そして、ガス導入ポートは、分散ノズル125dや125eのガス吐出孔よりも大きなガス吐出孔を有し、マニホールド103の内側を介して処理室101の下方から高さ方向に処理室101内に向けて不活性ガスを供給する。
【0019】
複数の分散ノズル125(本例では分散ノズル125d、125e)はそれぞれ、石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示すように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。なお、図1中では、分散ノズル125の垂直部分には、複数のガス吐出孔127が所定の間隔を隔てて形成されている。上記ガスは、各ガス吐出孔127から水平方向に処理室101内に向けて略均一に吐出される。
【0020】
処理室101内の、分散ノズル125に対して反対側の部分には、処理室101内を排気するための排気口129が設けられている。排気口129は処理室101の側壁を上下方向へ削りとることによって細長く形成されている。処理室101の排気口129に対応する部分には、排気口129を覆うように断面がコの字状に成形された排気口カバー部材130が溶接により取り付けられている。排気口カバー部材130は、処理室101の側壁に沿って上方に延びており、処理室101の上方にガス出口131を規定している。ガス出口131には、真空ポンプ等を含む排気機構132が接続される。排気機構132は、処理室101内を排気することで処理に使用した処理ガスの排気、及び処理室101内の圧力を処理に応じた処理圧力とする。
【0021】
処理室101の外周には筒体状の加熱装置133が設けられている。加熱装置133は、処理室101内に供給されたガスを活性化するとともに、処理室101内に収容された被処理体、例えば、半導体基板、本例ではn型シリコン基板1を加熱する。
【0022】
成膜装置100の各部の制御は、例えばマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるコントローラ150により行われる。コントローラ150には、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース151が接続されている。
【0023】
コントローラ150には記憶部152が接続されている。記憶部152は、成膜装置100で実行される各種処理をコントローラ150の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納される。レシピは、例えば、記憶部152の中の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。レシピは、必要に応じて、ユーザーインターフェース151からの指示等にて記憶部152から読み出され、読み出されたレシピに従った処理をコントローラ150が実行することで、成膜装置100は、コントローラ150の制御のもと、所望の処理が実施される。本例では、コントローラ150の制御のもと、次に、説明する成膜方法が、一つの処理室101内で順次実行される。
【0024】
図3A〜図3Cは、第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0025】
図3Aに示す断面は、n型シリコン基板1上に形成された層間絶縁膜2に、上記n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3が形成された時点を示している。
【0026】
図3Aに示すように、コンタクトホール3を形成した後、n型シリコン基板1をエッチング装置の処理室から搬出すると、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上に、薄い自然酸化膜4が成長する。自然酸化膜4は、コンタクト抵抗を増加させる一因となる。このため、自然酸化膜4は除去されることが良いが、例えば、コンタクトホールの径が大きく、自然酸化膜4によるコンタクト抵抗の増加があったとしても、半導体集積回路装置の動作に支障をきたさない場合には、必ずしも除去する必要はない。本例では、自然酸化膜4を除去しない。
【0027】
次に、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、図1に示した成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が300℃〜550℃になるような温度とする。
【0028】
次に、開閉弁124g、及び126eを開け、窒素ガス、及びジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS)を、不活性ガス供給源115、及びアミノシラン系ガス供給源122から分散ノズル125eを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図3Bに示すように、層間絶縁膜2の表面、及びコンタクトホールの底の表面にシード層7が形成される。処理が終了したら、開閉弁124gを閉じてジイソプロピルアミノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126eを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0029】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図3Cに示すように、シード層7上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aが形成され、コンタクトホール3が埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0030】
図4に、堆積時間とアモルファスシリコン膜8aの膜厚との関係を示す。図4に示す結果は下地をシリコン酸化膜(SiO2)とした場合である。この下地は、本例では層間絶縁膜2に相当する。
【0031】
本例で用いた処理条件は、
DIPAS流量: 500sccm
処 理 時 間: 5min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 53.2Pa(0.4Torr)
である。
【0032】
同じく本例で用いたアモルファスシリコン膜8aを成膜するための処理条件は、
モノシラン流量: 500sccm
堆 積 時 間: 30min/45min/60min
処 理 温 度: 500℃
処 理 圧 力: 53.2Pa(0.4Torr)
である。
【0033】
アモルファスシリコン膜8aの膜厚は、堆積時間を30minとしたとき、45minとしたとき、及び60minとしたときの3点で測定した。
【0034】
図4中の線Iはシード層7有りの場合、線IIはシード層7無しの場合の結果を示している。線I、IIは、測定された3つの膜厚を最小二乗法で直線近似した直線であり、式は次の通りである。
【0035】
線I : y = 17.572x − 20.855 …(1)
線II : y = 17.605x − 34.929 …(2)
図4に示すように、シード層7有りの場合、シード層7無しに比較してアモルファスシリコン膜8aの膜厚が増す傾向が明らかとなった。
【0036】
上記(1)、(2)式をy=0、即ち、アモルファスシリコン膜8aの膜厚を“0”としたとき、線I、IIと堆積時間との交点を求めたものを図5に示す。
【0037】
なお、図5は図4中の破線枠A内を拡大した拡大図である。
【0038】
図5に示すように、下地がシード層7有りのシリコン酸化膜のとき、アモルファスシリコン膜8aの堆積が処理開始から約1.2min(x≒1.189)から始まる。対して、下地がシード層7無しのシリコン酸化膜のときには、アモルファスシリコン膜8aの堆積が処理開始から約2.0min(x≒1.984)から始まる。
【0039】
このように、下地に対してアミノシラン系ガスを用いてシード層7を形成することで、インキュベーション時間を、約2.0minから約1.2minに短縮することができる。
【0040】
このような第1の実施形態に係る成膜装置100によれば、コンタクトホール3の埋め込み工程を、アミノシラン系ガスを用いてシード層7を層間絶縁膜2の表面、及びコンタクトホールの底の表面に形成してから、アミノ基を含まないシラン系ガスを用いてシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aをシード層7上に形成する。これらの工程を実施できることにより、シード層7を形成しない場合に比較してアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮することができる。
【0041】
このように、コンタクトホール3を埋め込むアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮することができる結果、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0042】
(変形例)
図6A〜図6Cは、第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図である。
【0043】
コンタクトホール3の微細化が進み、図6Aに示すように、コンタクトホール3の径が狭くなり、コンタクト部の表面積が小さくなると、コンタクト抵抗が増加する、という事情がある。このようなコンタクト抵抗の増加の解消策の一つとして、図6A中の参照符号5により示すように、コンタクトホール3の底を掘り下げ、コンタクト部の表面積を増加させる、という手法がある。
【0044】
第1の実施形態は、コンタクトホール3の底を掘り下げておいた半導体集積回路装置であっても、図6A〜図6Cに示すように適用することが可能である。
【0045】
なお、第1の実施形態の一例と本変形例との相違点は、コンタクトホール3の底を掘り下げているか否かであり、製法については図3A〜図3Cに示した一例と同様である。よって、変形例の説明は、図6A〜図6Cへの図示のみとして割愛する。
【0046】
また、以下に説明する実施形態は、コンタクトホール3の底を掘り下げた例に従って説明することとする。
【0047】
(第2の実施形態)
図7は、この発明の第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0048】
図7に示すように、第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第1の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、自然酸化膜を除去することが可能なガスを供給するガス供給源を、さらに備えていることである。
【0049】
本例では、自然酸化膜を除去することが可能なガスとして二つのガスを利用し、自然酸化膜を除去可能な第1のガスを供給する第1のガス供給源116、同じく自然酸化膜を除去可能な上記第1のガスと異なる第2のガスを供給する第2のガス供給源117を備える。
【0050】
本例では、上記ガスの一例として以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0051】
第1のガス: アンモニア(NH3)ガス
第2のガス: フッ化水素(HF)ガス
第1のガス供給源116は、流量制御器123a及び開閉弁124aを介して、分散ノズル125aに接続されている。同様に、第2のガス供給源117は流量制御器123b及び開閉弁124bを介して分散ノズル125bに接続されている。
【0052】
分散ノズル125a、125bはそれぞれ、他の分散ノズルと同様に石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示したように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。
【0053】
図8A〜図8Dは、第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0054】
まず、図8Aに示すように、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では処理室101内の温度を、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とした。次いで、図7に示す開閉弁124a、124b、126a、及び126bを開け、窒素ガス(N2)、アンモニアガス(NH3)、及びフッ化水素ガス(HF)を、それぞれ不活性ガス供給源115、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117から分散ノズル125a、及び125bを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図8Bに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4が除去される。処理が終了したら、開閉弁124a、及び124bを閉じ、アンモニアガス、及びフッ化水素ガスの供給を止める。これとともに、排気機構132を用いて、処理室101内を排気しながら、窒素ガスを処理室101内に供給し、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126a、及び126bを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0055】
この後、図8C、図8Dに示すように、上記図3B、図3Cを参照して説明した製法に従って、シード層7、及びアモルファスシリコン膜8aを形成する。
【0056】
このような第2の実施形態に係る成膜装置によれば、コンタクトホール3の埋め込み工程を第1の実施形態と同様に行うので、コンタクトホール3を埋め込むアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮でき、埋め込み工程におけるスループットを向上できる。よって、第1の実施形態と同様に、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0057】
上記利点に、さらに加え、第2の実施形態に係る成膜装置によれば、自然酸化膜4を除去することができるので、コンタクト抵抗の増加を抑制することができる、という利点を得ることができる。
【0058】
しかも、自然酸化膜4の除去は、アモルファスシリコン膜8aの成膜を行う成膜装置の処理室内で行われる。このため、自然酸化膜4を除去した後、すみやかにアモルファスシリコン膜8aの成膜を行える。このため、自然酸化膜4の除去を行う場合において、埋め込み工程におけるスループットの悪化を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0059】
(第3の実施形態)
図9は、この発明の第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0060】
図9に示すように、第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第2の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、ドーパントを含むガスを供給するドーパントガス供給源120を、さらに備えていることである。
【0061】
本例では、ドーパントして、n型シリコン基板1の導電型と同じn型不純物を選んでいる。ドーパントガス供給源120は、n型不純物を含むガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0062】
ドーパントガス: ホスフィン(PH3)ガス
本例のドーパントガス供給源120は、流量制御器123e及び開閉弁124eを介して分散ノズル125dに接続されている。
【0063】
図10A〜図10Cは、第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0064】
例えば、第2の実施形態で説明した製法に従って、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4を除去する。この後、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124e、及び126dを開け、窒素ガス、及びホスフィンガス(PH3)を、不活性ガス供給源115、及びドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。
【0065】
この処理により、図10Aに示すように、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)が参照符号6に示すように吸着され、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度が高まる。この結果、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値が下がる。処理が終了したら、開閉弁124eを閉じてホスフィンガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0066】
この後、図10B、図10Cに示すように、上記図3B、図3Cを参照して説明した製法に従って、シード層7、及びアモルファスシリコン膜8aを形成する。
【0067】
このような第3の実施形態に係る成膜装置においても、コンタクトホール3の埋め込み工程を第1の実施形態と同様に行う。このため、第1の実施形態と同様に、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0068】
さらに、第3の実施形態に係る成膜装置によれば、n型不純物をコンタクトホール3の底のn型シリコン基板1の表面部分に導入することができる。このため、コンタクトホール3の底のn型シリコン基板1のn型不純物濃度を高めることができ、コンタクト抵抗を低下させることができる、という利点を得ることができる。
【0069】
しかも、n型不純物の導入はアモルファスシリコン膜8aを成膜する成膜装置の処理室内で行われる。よって、n型不純物を導入した後、すみやかにアモルファスシリコン膜8aの成膜を行える。このため、n型不純物の導入を行う場合において、埋め込み工程におけるスループットの悪化を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0070】
(変形例)
図11A〜図11Cは、第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図である。
【0071】
上記第3の実施形態では、n型不純物をn型シリコン基板1に導入したが、第3の実施形態に係る成膜装置は、n型不純物をアモルファスシリコン膜8aに導入することも可能である。
【0072】
図11A、図11Bに示すように、図8B、図8Cを参照して説明した製法に従って、シード層7を形成した後、開閉弁124e、126d、124fを開け、窒素ガス、ホスフィンガス、及びモノシランガスを、不活性ガス供給源115、ドーパントガス供給源120、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。このような処理により、図11Cに示すように、n型不純物、本例ではリン(P)を含有したドープトアモルファスシリコン膜8a*が形成され、コンタクトホール3は、ドープトアモルファスシリコン膜8a*によって埋め込まれる。また、n型シリコン基板1のn型不純物濃度よりも、ドープトアモルファスシリコン膜8a*のn型不純物濃度が高い場合には、図11Cに示すように、例えば、ドープトアモルファスシリコン膜8a*からn型シリコン基板1に向かってn型不純物が拡散する。
【0073】
このように、n型不純物をアモルファスシリコン膜8aに導入し、ドープトアモルファスシリコン膜8a*とすることも可能である。この場合においても、ドープトアモルファスシリコン膜8a*は抵抗が小さくなる結果、コンタクト抵抗を低下させることができる、という利点を得ることができる。
【0074】
また、n型シリコン基板1のn型不純物濃度よりも、ドープトアモルファスシリコン膜8a*のn型不純物濃度が高い場合には、図11Cに示すように、例えば、ドープトアモルファスシリコン膜8a*からn型シリコン基板1に向かってn型不純物が拡散する。この拡散を利用することで、n型シリコン基板1のコンタクト部分の抵抗についても小さくすることが可能できる。
【0075】
もちろん、n型シリコン基板1のコンタクト部分には、図10Aを参照して説明したようにn型不純物を導入しておき、さらに、図11Cを参照して説明した製法に従ってドープトアモルファスシリコン膜8a*を形成するようにしても良い。
【0076】
(第4の実施形態)
図12は、この発明の第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0077】
図12に示すように、第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第3の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、シリコンをエッチング可能なガスを供給する第3のガス供給源119を、さらに備えていることである。
【0078】
本例では、第3のガス供給源119は、シリコンをエッチング可能なガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0079】
シリコンをエッチング可能なガス: 塩素(Cl2)ガス
本例の第3のガス供給源119は、流量制御器123d及び開閉弁124dを介して分散ノズル125cに接続されている。
【0080】
分散ノズル125cもまた、石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示すように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。
【0081】
図13A〜図13Eは、第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0082】
アモルファスシリコン膜8aを形成した段階で、コンタクトホール3の埋め込みを終了させることも可能である。しかし、コンタクトホール3のアスペクト比が高い(コンタクトホール3が高さ方向に細長い)場合には、図13Aに示すように、アモルファスシリコン膜8aにボイド9が生じることがある。本例では、ボイド9が生じていることを想定して、さらに、以下の処理を実行する。
【0083】
まず、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が200℃〜500℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124d、及び126cを開け、窒素ガス、及び塩素ガス(Cl2)を、不活性ガス供給源115、及び第3のガス供給源119から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図13Bに示すように、アモルファスシリコン膜8aがコンタクトホール3の途中まで、例えば、アモルファスシリコン膜8aにおいてボイド9が生じている、と想定される領域が除去される。処理が終了したら、開閉弁124dを閉じて塩素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0084】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図13Cに示すように、シード層7上及びアモルファスシリコン膜8a上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8bが形成され、コンタクトホール3が再度埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0085】
このような堆積、エッチングを、例えば、図13D、図13Eに示すように繰り返し、アモルファスシリコン膜8a、8bから、ボイド9が生じている、と想定される領域を除去しながら、コンタクトホール3を、アモルファスシリコン膜8a、8b、及び8cにより埋め込んでいく。最後のアモルファスシリコン膜、本例では第3層目アモルファスシリコン膜8cの形成が終了したら、n型シリコン基板1を処理室101内から搬出する。
【0086】
このような第4の実施形態に係る成膜装置においても、コンタクトホール3の埋め込み工程の最初の段階、即ちアモルファスシリコン膜8aの形成を第1の実施形態と同様に行う。このため、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
【0087】
また、第4の実施形態に係る成膜装置によれば、アモルファスシリコン膜8a、8bに生じているボイド9を除去することができるので、ボイドが発生することによって抵抗が高くなってしまう事情を解消することができる。
【0088】
また、アモルファスシリコン膜8a、8bの成膜とエッチングとを同じ成膜装置の処理室内で行うことができるので、成膜工程とエッチング工程とで装置間での搬送作業の必要がなく、スループットの低下を抑制することができる、という利点も得ることができる。
【0089】
(第5の実施形態)
上記第1の実施形態は成膜される膜のインキュベーション時間を短くし、埋め込み工程におけるスループット向上を主眼とした例であった。
【0090】
また、第2〜第4の実施形態はスループット向上とともに、微細化が進んだコンタクトホールやラインにおいてはコンタクト抵抗が増加する、という事情の解消を図った例であった。微細化が進んだコンタクトホールやラインにおいて、コンタクト抵抗が増加する原因としては、第2〜第4の実施形態で説明したように、例えば、
1)自然酸化膜による抵抗増加の影響が顕著化すること
2)コンタクト部の表面積が小さくなること
3)埋め込まれる導電物の体積が小さく、導電物に発生するボイドによる体積減が大きく現われること
などが挙げられる。
【0091】
第5の実施形態は、1)〜3)の事情を一台の成膜装置で解決でき、かつ、成膜される膜のインキュベーション時間も短く、スループットの向上も図ることができる成膜装置を提供しようとする例である。
【0092】
図14は、この発明の第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0093】
図14に示すように、第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第4の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、導電体、本例ではn型シリコン基板1をエッチング可能な第4のガスを供給する第4のガス供給源118を、さらに備えていることである。
【0094】
本例では、第4のガス供給源118は、導電体をエッチング可能なガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0095】
導電体をエッチング可能なガス: フッ素(F2)ガス
本例の第4のガス供給源118は、流量制御器123c及び開閉弁124cを介して分散ノズル125cに接続されている。
【0096】
図15は、第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の処理ガス供給及び処理温度の一例を示すタイムチャート、また、図16A〜図16Jは、その成膜方法の一例を示す断面図である。
【0097】
まず、図16Aに示す断面は、n型シリコン基板1上に形成された層間絶縁膜2に、上記n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3が形成された時点を示している。
【0098】
図16Aに示すように、コンタクトホール3を形成した後、n型シリコン基板1をエッチング装置の処理室から搬出すると、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上に、薄い自然酸化膜4が成長する。
【0099】
次に、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、図1に示した成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では処理室101内の温度を、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とした。次いで、図14に示す開閉弁124a、124b、126a、及び126bを開け、窒素ガス(N2)、アンモニアガス(NH3)、及びフッ化水素ガス(HF)を、それぞれ不活性ガス供給源115、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117から分散ノズル125a、及び125bを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ1:COR)。この処理により、図16Bに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4が除去される。処理が終了したら、開閉弁124a、及び124bを閉じ、アンモニアガス、及びフッ化水素ガスの供給を止める。これとともに、排気機構132を用いて、処理室101内を排気しながら、窒素ガスを処理室101内に供給し、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126a、及び126bを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0100】
次に、第2の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124c、及び126cを開け、窒素ガス、及びフッ素ガス(F2)を、不活性ガス供給源115、及び第4のガス供給源118から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ2:Si recess)。この処理により、図16Cに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1が参照符号5に示すように掘り下げられる。処理が終了したら、開閉弁124cを閉じてフッ素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0101】
次に、第3の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124e、及び126dを開け、窒素ガス、及びホスフィンガス(PH3)を、不活性ガス供給源115、及びドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ3:PH3 adsorption)。この処理により、図16Dに示すように、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)が参照符号6に示すように吸着され、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度が高まる。この結果、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値が下がる。処理が終了したら、開閉弁124eを閉じてホスフィンガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0102】
次に、第1の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が300℃〜550℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124g、及び126eを開け、窒素ガス、及びジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS、図15中ではPre−Xと表記)を、不活性ガス供給源115、及びアミノシラン系ガス供給源122から分散ノズル125eを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ4:Seed)。この処理により、図16Eに示すように、層間絶縁膜2、及び掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にシード層7が形成される。処理が終了したら、開閉弁124gを閉じてジイソプロピルアミノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126eを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0103】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ5:Depo)。この処理により、図16Fに示すように、シード層7上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aが形成され、コンタクトホール3が埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0104】
なお、本例においても、ドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介してアモルファスシリコン膜8aにドーパントを導入し、第3の実施形態の変形例と同様に、ドープトアモルファスシリコン膜8a*とすることも可能である。
【0105】
また、本例においても、アモルファスシリコン膜8aを形成した段階で、コンタクトホール3の埋め込みを終了させることも可能である。しかし、第4の実施形態のように、エッチングと成膜を繰り返し、アモルファスシリコン膜8aからボイド9を除去しながら、成膜することも可能である。本例では、ボイド9が生じていることを想定して、さらに、以下の処理を実行する。
【0106】
第4の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が200℃〜500℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124d、及び126cを開け、窒素ガス、及び塩素ガス(Cl2)を、不活性ガス供給源115、及び第3のガス供給源119から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ6:Etch)。この処理により、図16Gに示すように、アモルファスシリコン膜8aがコンタクトホール8aの途中まで、例えば、アモルファスシリコン膜8aにおいてボイド9が生じている、と想定される領域が除去される。処理が終了したら、開閉弁124dを閉じて塩素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0107】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ7:Depo)。この処理により、図16Hに示すように、シード層7上及びアモルファスシリコン膜8a上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8bが形成され、コンタクトホール3が再度埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0108】
このような堆積、エッチングを、例えば、図16I、図16Jに示すように繰り返し、アモルファスシリコン膜8a、8bから、ボイド9が生じている、と想定される領域を除去しながら、コンタクトホール3を、アモルファスシリコン膜8a、8b、及び8cにより埋め込んでいく。最後のアモルファスシリコン膜、本例では第3層目アモルファスシリコン膜8cの形成が終了したら、n型シリコン基板1を処理室101内から搬出する。
【0109】
なお、アモルファスシリコン膜8b、及び8cにおいても、第3の実施形態の変形例と同様に、ドープトアモルファスシリコン膜としても良い。
【0110】
このようにして第5の実施形態に係る成膜装置を用いた成膜方法、本例ではコンタクトホール3の埋め込みプロセスが終了する。
【0111】
このような第5の実施形態に係る成膜装置によれば、たとえ、コンタクトホールの微細化が進んだ、としても、
(1) ステップ1において、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上から自然酸化膜4が除去される。このため、自然酸化膜4によるコンタクト抵抗増加を抑制できる、
(2) ステップ2において、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1が掘り下げられる。このため、コンタクト部の表面積を、掘り下げない場合に比較して大きくすることができ、コンタクト部の表面積が小さくなることによるコンタクト抵抗増加を抑制できる、
(3) 上記(1)、(2)の利点を維持したまま、ステップ4において、アミノシラン系ガスを用いてシード層7を形成する。このため、ステップ5におけるシラン系ガスを用いて形成されるアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮できる、という利点を得ることができる。
【0112】
しかも、上記(1)〜(3)の利点を、一台の成膜装置100による処理だけで得ることができる。
【0113】
また、上記第5の実施形態においては、
(4) ステップ6、7において、アモルファスシリコン膜の堆積、及びエッチングを繰り返すことで、堆積されたアモルファスシリコン膜中に発生するであろうボイドが除去される。このため、コンタクトホール3内に埋め込まれたアモルファスシリコン膜の、ボイドによる体積減を抑制でき、体積減によるコンタクト抵抗増加を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0114】
さらに、上記第5の実施形態においては、
(5) ステップ3において、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)を吸着させる。このため、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度を高めることができ、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値を下げることができる、という利点についても得ることができる。
【0115】
これら(4)、(5)の利点についても、(1)〜(3)の利点と同時に、一台の成膜装置100による処理だけで得ることが可能である。
【0116】
したがって、第5の実施形態に係る成膜装置によれば、微細化が進んだコンタクトホールにおいても、コンタクト抵抗の増加を抑制、または減少できる成膜が可能であり、かつ、成膜される膜のインキュベーション時間も短く、スループットの向上も図ることができる成膜装置を提供できる。
【0117】
以上、この発明を第1〜第5の実施形態に従って説明したが、この発明は上記第1〜第5の実施形態に限定されることは無く、種々変形可能である。
【0118】
例えば、上記第5の実施形態においては、ステップ6でアモルファスシリコン膜8aをエッチングした後に続いて、ステップ7においてアミノ基を含まないシラン系ガスを用いてアモルファスシリコン膜8bを形成した。
【0119】
しかし、アモルファスシリコン膜8aをコンタクトホール3の途中まで除去した後、処理室101内にアミノシラン系ガスを再度供給し、層間絶縁膜2、及びアモルファスシリコン膜8a表面に新たなシード層を形成し、この後、処理室101内にアミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、新たなシード層上に新たなアモルファスシリコン膜8bを形成するようにすることも可能である。
【0120】
また、上記第5の実施形態においては、成膜装置100を、n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3内の埋め込みプロセスに適用した例を説明した。
【0121】
しかし、コンタクトホール3内の埋め込みプロセスに限らず、凹状のラインの埋め込みプロセスにも、上記利点をもって適用することができる。
【0122】
また、コンタクトホール3にあっては、n型シリコン基板1に達するものばかりでなく、p型シリコン基板であっても良いし、n型又はp型のシリコン基板、又はウェルに形成されたソース領域やドレイン領域のような活性領域に達するものであっても良い。また、半導体領域ばかりでなく、銅などのメタル配線に達するものであっても良い。メタル配線のように半導体領域以外に達する場合には、図15に示したステップ3、いわゆるドーパントの吸着工程は省略することができる。
【0123】
また、上記第1〜第5の実施形態においては、アミノシラン系ガスとして、ジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS)を用いたが、アミノシラン系ガスとしては、DIPASの他、下記のアミノシラン系ガスを使うことができる。
【0124】
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)、及び
DPAS(ジプロピルアミノシラン)
また、上記一実施形態においては、アミノ基を含まないシラン系ガスとして、モノシランガス(SiH4)を用いたが、アミノシラン系ガスとしては、SiH4の他、下記のアミノ基を含まないシラン系ガスを使うことができる。
【0125】
SiH6
Si2H4
Si2H6
SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及び
SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物
上記SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物としては、
トリシラン(Si3H8)
テトラシラン(Si4H10)
ペンタシラン(Si5H12)
ヘキサシラン(Si6H14)
ヘプタシラン(Si7H16)
の少なくとも一つを使うことができる。
【0126】
また、上記SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物としては、
シクロトリシラン(Si3H6)
シクロテトラシラン(Si4H8)
シクロペンタシラン(Si5H10)
シクロヘキサシラン(Si6H12)
シクロヘプタシラン(Si7H14)
の少なくとも一つを使うことができる。
【0127】
また、上記第3〜第5の実施形態においては、構成要件を省略することも可能である。
【0128】
例えば、第3の実施形態の図9に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117を省略することが可能である。
【0129】
また、第4の実施形態の図12に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、第2のガス供給源117、及びドーパントガス供給源120の少なくともいずれか一つを省略することが可能である。
【0130】
また、第5の実施形態の図14に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、第2のガス供給源117、第3のガス供給源119、及びドーパントガス供給源120の少なくともいずれか一つを省略することが可能である。
【0131】
その他、この発明はその要旨を逸脱しない範囲で様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0132】
1…シリコン基板、2…層間絶縁膜、3…コンタクトホール、4…自然酸化膜、7…シード層、8a、8b、8c…アモルファスシリコン膜、101…処理室、116…第1のガス供給機構、117…第2のガス供給機構、118…第4のガス供給機構、119…第3のガス供給機構、120…ドーパントガス供給機構、121…シラン系ガス供給機構、122…アミノシラン系ガス供給機構。
【技術分野】
【0001】
この発明は、成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路装置のコンタクトホールやラインの埋め込みには、アモルファスシリコンが使用されている。アモルファスシリコンの成膜方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
近時、半導体集積回路装置の微細化に伴い、コンタクトホールやラインの埋め込み要求が、益々厳しくなってきている。
【0004】
また、微細化に応じた生産技術の確立も大切なことではあるが、半導体製造装置の分野においては、とりわけ生産能力向上が重要視されるようになってきた。半導体集積回路装置は、その微細化とともに多層配線構造化が進み、さらには三次元構造に変貌を遂げようとしている。多層配線構造や三次元構造を持つ半導体集積回路装置においては、埋め込み工程が多用される。生産能力の更なる向上のためには、埋め込み工程におけるスループット向上が急務になってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−29954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一態様に係る成膜装置は、絶縁膜に形成された、導電体に達する開孔の埋め込みに使用可能な成膜装置であって、前記導電体上に、この導電体に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体を収容する一つの処理室と、前記処理室内に、アミノシラン系ガス、及びアミノ基を含まないシラン系ガスを供給するガス供給機構と、を備え、(1)前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを供給し、前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及び(2)前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを供給し、前記シード層上にシリコン膜を形成する処理が、前記一つの処理室内において順次実行されるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る成膜装置の一例を概略的に示す断面図
【図2】図1に示すガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図3A】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図3B】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図3C】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図4】堆積時間とアモルファスシリコン膜の膜厚との関係を示す図
【図5】図4中の破線枠A内を拡大した拡大図
【図6A】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図6B】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図6C】第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図7】第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図8A】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8B】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8C】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図8D】第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図9】第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図10A】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図10B】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図10C】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図11A】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図11B】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図11C】第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図
【図12】第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図13A】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13B】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13C】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13D】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図13E】第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図14】第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図
【図15】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の処理ガス供給及び処理温度の一例を示すタイムチャート
【図16A】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16B】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16C】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16D】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16E】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16F】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16G】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16H】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16I】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【図16J】第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係る成膜装置の一例を概略的に示す断面図である。
【0011】
図1に示すように、成膜装置100は、下端が開口された有天井の円筒体状の処理室101を有している。処理室101の全体は、例えば、石英により形成されている。処理室101内の天井には、石英製の天井板102が設けられている。処理室101の下端開口部には、例えば、ステンレススチールにより円筒体状に成形されたマニホールド103がOリング等のシール部材104を介して連結されている。
【0012】
マニホールド103は、処理室101の下端を支持している。マニホールド103の下方からは、石英製のウエハボート105が処理室101内に挿入可能となっている。ウエハボート105は、被処理体として複数枚、例えば、50〜100枚の半導体基板、本例では、n型不純物がドープされたn型シリコン基板1を多段に載置可能となっている。これにより、処理室101内には、本例ではn型シリコン基板(ウエハ)1上に、このn型シリコン基板1に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体が収容される。ウエハボート105は複数本の支柱106を有し、支柱106に形成された溝により複数枚のn型シリコン基板1が支持されるようになっている。
【0013】
ウエハボート105は、石英製の保温筒107を介してテーブル108上に載置されている。テーブル108は、マニホールド103の下端開口部を開閉する、例えば、ステンレススチール製の蓋部109を貫通する回転軸110上に支持される。回転軸110の貫通部には、例えば、磁性流体シール111が設けられ、回転軸110を気密にシールしつつ回転可能に支持している。蓋部109の周辺部とマニホールド103の下端部との間には、例えば、Oリングよりなるシール部材112が介設されている。これにより処理室101内のシール性が保持されている。回転軸110は、例えば、ボートエレベータ等の昇降機構(図示せず)に支持されたアーム113の先端に取り付けられている。これにより、ウエハボート105および蓋部109等は、一体的に昇降されて処理室101内に対して挿脱される。
【0014】
成膜装置100は、処理室101内に、処理に使用するガスを供給するガス供給機構114を有している。
【0015】
図2は、図1に示すガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0016】
本例のガス供給機構114は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源115、アミノ基を含まないシラン系ガスを供給するシラン系ガス供給源121、及びアミノシラン系ガスを供給するアミノシラン系ガス供給源122を備えている。本例では、上記ガスの一例として以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0017】
不活性ガス: 窒素(N2)ガス
アミノ基を含まないシラン系ガス: モノシラン(SiH4)ガス
アミノシラン系ガス: ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)ガス
ガス供給機構114に備えられたガス供給源は、複数の分散ノズル125に接続される。本例では、シラン系ガス供給源121が流量制御器123f及び開閉弁124fを介して分散ノズル125dに、アミノシラン系ガス供給源122が流量制御器123g及び開閉弁124gを介して分散ノズル125eに接続されている。また、不活性ガス供給源115は、流量制御器123h及び開閉弁126d、126eを介して分散ノズル125d、125eにそれぞれ接続されている。不活性ガスは、アミノ基を含まないシラン系ガス、及びアミノシラン系ガスを希釈する希釈ガス又はキャリアガスに使用、あるいは処理室101の内部をパージするパージガスに使用される。
【0018】
なお、不活性ガスをパージガスに使用する場合には、不活性ガス供給源115を、分散ノズル125d、125eとは別に設けられた図示せぬガス導入ポートに接続するようにしてもよい。図示せぬガス導入ポートは、例えば、マニホールド103の側壁を内側に貫通するように設けられる。そして、ガス導入ポートは、分散ノズル125dや125eのガス吐出孔よりも大きなガス吐出孔を有し、マニホールド103の内側を介して処理室101の下方から高さ方向に処理室101内に向けて不活性ガスを供給する。
【0019】
複数の分散ノズル125(本例では分散ノズル125d、125e)はそれぞれ、石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示すように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。なお、図1中では、分散ノズル125の垂直部分には、複数のガス吐出孔127が所定の間隔を隔てて形成されている。上記ガスは、各ガス吐出孔127から水平方向に処理室101内に向けて略均一に吐出される。
【0020】
処理室101内の、分散ノズル125に対して反対側の部分には、処理室101内を排気するための排気口129が設けられている。排気口129は処理室101の側壁を上下方向へ削りとることによって細長く形成されている。処理室101の排気口129に対応する部分には、排気口129を覆うように断面がコの字状に成形された排気口カバー部材130が溶接により取り付けられている。排気口カバー部材130は、処理室101の側壁に沿って上方に延びており、処理室101の上方にガス出口131を規定している。ガス出口131には、真空ポンプ等を含む排気機構132が接続される。排気機構132は、処理室101内を排気することで処理に使用した処理ガスの排気、及び処理室101内の圧力を処理に応じた処理圧力とする。
【0021】
処理室101の外周には筒体状の加熱装置133が設けられている。加熱装置133は、処理室101内に供給されたガスを活性化するとともに、処理室101内に収容された被処理体、例えば、半導体基板、本例ではn型シリコン基板1を加熱する。
【0022】
成膜装置100の各部の制御は、例えばマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるコントローラ150により行われる。コントローラ150には、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース151が接続されている。
【0023】
コントローラ150には記憶部152が接続されている。記憶部152は、成膜装置100で実行される各種処理をコントローラ150の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納される。レシピは、例えば、記憶部152の中の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。レシピは、必要に応じて、ユーザーインターフェース151からの指示等にて記憶部152から読み出され、読み出されたレシピに従った処理をコントローラ150が実行することで、成膜装置100は、コントローラ150の制御のもと、所望の処理が実施される。本例では、コントローラ150の制御のもと、次に、説明する成膜方法が、一つの処理室101内で順次実行される。
【0024】
図3A〜図3Cは、第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0025】
図3Aに示す断面は、n型シリコン基板1上に形成された層間絶縁膜2に、上記n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3が形成された時点を示している。
【0026】
図3Aに示すように、コンタクトホール3を形成した後、n型シリコン基板1をエッチング装置の処理室から搬出すると、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上に、薄い自然酸化膜4が成長する。自然酸化膜4は、コンタクト抵抗を増加させる一因となる。このため、自然酸化膜4は除去されることが良いが、例えば、コンタクトホールの径が大きく、自然酸化膜4によるコンタクト抵抗の増加があったとしても、半導体集積回路装置の動作に支障をきたさない場合には、必ずしも除去する必要はない。本例では、自然酸化膜4を除去しない。
【0027】
次に、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、図1に示した成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が300℃〜550℃になるような温度とする。
【0028】
次に、開閉弁124g、及び126eを開け、窒素ガス、及びジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS)を、不活性ガス供給源115、及びアミノシラン系ガス供給源122から分散ノズル125eを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図3Bに示すように、層間絶縁膜2の表面、及びコンタクトホールの底の表面にシード層7が形成される。処理が終了したら、開閉弁124gを閉じてジイソプロピルアミノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126eを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0029】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図3Cに示すように、シード層7上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aが形成され、コンタクトホール3が埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0030】
図4に、堆積時間とアモルファスシリコン膜8aの膜厚との関係を示す。図4に示す結果は下地をシリコン酸化膜(SiO2)とした場合である。この下地は、本例では層間絶縁膜2に相当する。
【0031】
本例で用いた処理条件は、
DIPAS流量: 500sccm
処 理 時 間: 5min
処 理 温 度: 400℃
処 理 圧 力: 53.2Pa(0.4Torr)
である。
【0032】
同じく本例で用いたアモルファスシリコン膜8aを成膜するための処理条件は、
モノシラン流量: 500sccm
堆 積 時 間: 30min/45min/60min
処 理 温 度: 500℃
処 理 圧 力: 53.2Pa(0.4Torr)
である。
【0033】
アモルファスシリコン膜8aの膜厚は、堆積時間を30minとしたとき、45minとしたとき、及び60minとしたときの3点で測定した。
【0034】
図4中の線Iはシード層7有りの場合、線IIはシード層7無しの場合の結果を示している。線I、IIは、測定された3つの膜厚を最小二乗法で直線近似した直線であり、式は次の通りである。
【0035】
線I : y = 17.572x − 20.855 …(1)
線II : y = 17.605x − 34.929 …(2)
図4に示すように、シード層7有りの場合、シード層7無しに比較してアモルファスシリコン膜8aの膜厚が増す傾向が明らかとなった。
【0036】
上記(1)、(2)式をy=0、即ち、アモルファスシリコン膜8aの膜厚を“0”としたとき、線I、IIと堆積時間との交点を求めたものを図5に示す。
【0037】
なお、図5は図4中の破線枠A内を拡大した拡大図である。
【0038】
図5に示すように、下地がシード層7有りのシリコン酸化膜のとき、アモルファスシリコン膜8aの堆積が処理開始から約1.2min(x≒1.189)から始まる。対して、下地がシード層7無しのシリコン酸化膜のときには、アモルファスシリコン膜8aの堆積が処理開始から約2.0min(x≒1.984)から始まる。
【0039】
このように、下地に対してアミノシラン系ガスを用いてシード層7を形成することで、インキュベーション時間を、約2.0minから約1.2minに短縮することができる。
【0040】
このような第1の実施形態に係る成膜装置100によれば、コンタクトホール3の埋め込み工程を、アミノシラン系ガスを用いてシード層7を層間絶縁膜2の表面、及びコンタクトホールの底の表面に形成してから、アミノ基を含まないシラン系ガスを用いてシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aをシード層7上に形成する。これらの工程を実施できることにより、シード層7を形成しない場合に比較してアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮することができる。
【0041】
このように、コンタクトホール3を埋め込むアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮することができる結果、埋め込み工程におけるスループットを向上でき、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0042】
(変形例)
図6A〜図6Cは、第1の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図である。
【0043】
コンタクトホール3の微細化が進み、図6Aに示すように、コンタクトホール3の径が狭くなり、コンタクト部の表面積が小さくなると、コンタクト抵抗が増加する、という事情がある。このようなコンタクト抵抗の増加の解消策の一つとして、図6A中の参照符号5により示すように、コンタクトホール3の底を掘り下げ、コンタクト部の表面積を増加させる、という手法がある。
【0044】
第1の実施形態は、コンタクトホール3の底を掘り下げておいた半導体集積回路装置であっても、図6A〜図6Cに示すように適用することが可能である。
【0045】
なお、第1の実施形態の一例と本変形例との相違点は、コンタクトホール3の底を掘り下げているか否かであり、製法については図3A〜図3Cに示した一例と同様である。よって、変形例の説明は、図6A〜図6Cへの図示のみとして割愛する。
【0046】
また、以下に説明する実施形態は、コンタクトホール3の底を掘り下げた例に従って説明することとする。
【0047】
(第2の実施形態)
図7は、この発明の第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0048】
図7に示すように、第2の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第1の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、自然酸化膜を除去することが可能なガスを供給するガス供給源を、さらに備えていることである。
【0049】
本例では、自然酸化膜を除去することが可能なガスとして二つのガスを利用し、自然酸化膜を除去可能な第1のガスを供給する第1のガス供給源116、同じく自然酸化膜を除去可能な上記第1のガスと異なる第2のガスを供給する第2のガス供給源117を備える。
【0050】
本例では、上記ガスの一例として以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0051】
第1のガス: アンモニア(NH3)ガス
第2のガス: フッ化水素(HF)ガス
第1のガス供給源116は、流量制御器123a及び開閉弁124aを介して、分散ノズル125aに接続されている。同様に、第2のガス供給源117は流量制御器123b及び開閉弁124bを介して分散ノズル125bに接続されている。
【0052】
分散ノズル125a、125bはそれぞれ、他の分散ノズルと同様に石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示したように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。
【0053】
図8A〜図8Dは、第2の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0054】
まず、図8Aに示すように、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では処理室101内の温度を、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とした。次いで、図7に示す開閉弁124a、124b、126a、及び126bを開け、窒素ガス(N2)、アンモニアガス(NH3)、及びフッ化水素ガス(HF)を、それぞれ不活性ガス供給源115、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117から分散ノズル125a、及び125bを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図8Bに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4が除去される。処理が終了したら、開閉弁124a、及び124bを閉じ、アンモニアガス、及びフッ化水素ガスの供給を止める。これとともに、排気機構132を用いて、処理室101内を排気しながら、窒素ガスを処理室101内に供給し、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126a、及び126bを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0055】
この後、図8C、図8Dに示すように、上記図3B、図3Cを参照して説明した製法に従って、シード層7、及びアモルファスシリコン膜8aを形成する。
【0056】
このような第2の実施形態に係る成膜装置によれば、コンタクトホール3の埋め込み工程を第1の実施形態と同様に行うので、コンタクトホール3を埋め込むアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮でき、埋め込み工程におけるスループットを向上できる。よって、第1の実施形態と同様に、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0057】
上記利点に、さらに加え、第2の実施形態に係る成膜装置によれば、自然酸化膜4を除去することができるので、コンタクト抵抗の増加を抑制することができる、という利点を得ることができる。
【0058】
しかも、自然酸化膜4の除去は、アモルファスシリコン膜8aの成膜を行う成膜装置の処理室内で行われる。このため、自然酸化膜4を除去した後、すみやかにアモルファスシリコン膜8aの成膜を行える。このため、自然酸化膜4の除去を行う場合において、埋め込み工程におけるスループットの悪化を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0059】
(第3の実施形態)
図9は、この発明の第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0060】
図9に示すように、第3の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第2の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、ドーパントを含むガスを供給するドーパントガス供給源120を、さらに備えていることである。
【0061】
本例では、ドーパントして、n型シリコン基板1の導電型と同じn型不純物を選んでいる。ドーパントガス供給源120は、n型不純物を含むガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0062】
ドーパントガス: ホスフィン(PH3)ガス
本例のドーパントガス供給源120は、流量制御器123e及び開閉弁124eを介して分散ノズル125dに接続されている。
【0063】
図10A〜図10Cは、第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0064】
例えば、第2の実施形態で説明した製法に従って、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4を除去する。この後、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124e、及び126dを開け、窒素ガス、及びホスフィンガス(PH3)を、不活性ガス供給源115、及びドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。
【0065】
この処理により、図10Aに示すように、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)が参照符号6に示すように吸着され、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度が高まる。この結果、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値が下がる。処理が終了したら、開閉弁124eを閉じてホスフィンガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0066】
この後、図10B、図10Cに示すように、上記図3B、図3Cを参照して説明した製法に従って、シード層7、及びアモルファスシリコン膜8aを形成する。
【0067】
このような第3の実施形態に係る成膜装置においても、コンタクトホール3の埋め込み工程を第1の実施形態と同様に行う。このため、第1の実施形態と同様に、埋め込み工程が多用される半導体集積回路装置であっても、優れた生産能力を発揮することが可能な成膜装置100が得られる、という利点を得ることができる。
【0068】
さらに、第3の実施形態に係る成膜装置によれば、n型不純物をコンタクトホール3の底のn型シリコン基板1の表面部分に導入することができる。このため、コンタクトホール3の底のn型シリコン基板1のn型不純物濃度を高めることができ、コンタクト抵抗を低下させることができる、という利点を得ることができる。
【0069】
しかも、n型不純物の導入はアモルファスシリコン膜8aを成膜する成膜装置の処理室内で行われる。よって、n型不純物を導入した後、すみやかにアモルファスシリコン膜8aの成膜を行える。このため、n型不純物の導入を行う場合において、埋め込み工程におけるスループットの悪化を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0070】
(変形例)
図11A〜図11Cは、第3の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の変形例を示す断面図である。
【0071】
上記第3の実施形態では、n型不純物をn型シリコン基板1に導入したが、第3の実施形態に係る成膜装置は、n型不純物をアモルファスシリコン膜8aに導入することも可能である。
【0072】
図11A、図11Bに示すように、図8B、図8Cを参照して説明した製法に従って、シード層7を形成した後、開閉弁124e、126d、124fを開け、窒素ガス、ホスフィンガス、及びモノシランガスを、不活性ガス供給源115、ドーパントガス供給源120、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。このような処理により、図11Cに示すように、n型不純物、本例ではリン(P)を含有したドープトアモルファスシリコン膜8a*が形成され、コンタクトホール3は、ドープトアモルファスシリコン膜8a*によって埋め込まれる。また、n型シリコン基板1のn型不純物濃度よりも、ドープトアモルファスシリコン膜8a*のn型不純物濃度が高い場合には、図11Cに示すように、例えば、ドープトアモルファスシリコン膜8a*からn型シリコン基板1に向かってn型不純物が拡散する。
【0073】
このように、n型不純物をアモルファスシリコン膜8aに導入し、ドープトアモルファスシリコン膜8a*とすることも可能である。この場合においても、ドープトアモルファスシリコン膜8a*は抵抗が小さくなる結果、コンタクト抵抗を低下させることができる、という利点を得ることができる。
【0074】
また、n型シリコン基板1のn型不純物濃度よりも、ドープトアモルファスシリコン膜8a*のn型不純物濃度が高い場合には、図11Cに示すように、例えば、ドープトアモルファスシリコン膜8a*からn型シリコン基板1に向かってn型不純物が拡散する。この拡散を利用することで、n型シリコン基板1のコンタクト部分の抵抗についても小さくすることが可能できる。
【0075】
もちろん、n型シリコン基板1のコンタクト部分には、図10Aを参照して説明したようにn型不純物を導入しておき、さらに、図11Cを参照して説明した製法に従ってドープトアモルファスシリコン膜8a*を形成するようにしても良い。
【0076】
(第4の実施形態)
図12は、この発明の第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0077】
図12に示すように、第4の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第3の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、シリコンをエッチング可能なガスを供給する第3のガス供給源119を、さらに備えていることである。
【0078】
本例では、第3のガス供給源119は、シリコンをエッチング可能なガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0079】
シリコンをエッチング可能なガス: 塩素(Cl2)ガス
本例の第3のガス供給源119は、流量制御器123d及び開閉弁124dを介して分散ノズル125cに接続されている。
【0080】
分散ノズル125cもまた、石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて、図1に示すように、処理室101の内部に向けて垂直に延びる。
【0081】
図13A〜図13Eは、第4の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の一例を示す断面図である。
【0082】
アモルファスシリコン膜8aを形成した段階で、コンタクトホール3の埋め込みを終了させることも可能である。しかし、コンタクトホール3のアスペクト比が高い(コンタクトホール3が高さ方向に細長い)場合には、図13Aに示すように、アモルファスシリコン膜8aにボイド9が生じることがある。本例では、ボイド9が生じていることを想定して、さらに、以下の処理を実行する。
【0083】
まず、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が200℃〜500℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124d、及び126cを開け、窒素ガス、及び塩素ガス(Cl2)を、不活性ガス供給源115、及び第3のガス供給源119から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図13Bに示すように、アモルファスシリコン膜8aがコンタクトホール3の途中まで、例えば、アモルファスシリコン膜8aにおいてボイド9が生じている、と想定される領域が除去される。処理が終了したら、開閉弁124dを閉じて塩素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0084】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する。この処理により、図13Cに示すように、シード層7上及びアモルファスシリコン膜8a上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8bが形成され、コンタクトホール3が再度埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0085】
このような堆積、エッチングを、例えば、図13D、図13Eに示すように繰り返し、アモルファスシリコン膜8a、8bから、ボイド9が生じている、と想定される領域を除去しながら、コンタクトホール3を、アモルファスシリコン膜8a、8b、及び8cにより埋め込んでいく。最後のアモルファスシリコン膜、本例では第3層目アモルファスシリコン膜8cの形成が終了したら、n型シリコン基板1を処理室101内から搬出する。
【0086】
このような第4の実施形態に係る成膜装置においても、コンタクトホール3の埋め込み工程の最初の段階、即ちアモルファスシリコン膜8aの形成を第1の実施形態と同様に行う。このため、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
【0087】
また、第4の実施形態に係る成膜装置によれば、アモルファスシリコン膜8a、8bに生じているボイド9を除去することができるので、ボイドが発生することによって抵抗が高くなってしまう事情を解消することができる。
【0088】
また、アモルファスシリコン膜8a、8bの成膜とエッチングとを同じ成膜装置の処理室内で行うことができるので、成膜工程とエッチング工程とで装置間での搬送作業の必要がなく、スループットの低下を抑制することができる、という利点も得ることができる。
【0089】
(第5の実施形態)
上記第1の実施形態は成膜される膜のインキュベーション時間を短くし、埋め込み工程におけるスループット向上を主眼とした例であった。
【0090】
また、第2〜第4の実施形態はスループット向上とともに、微細化が進んだコンタクトホールやラインにおいてはコンタクト抵抗が増加する、という事情の解消を図った例であった。微細化が進んだコンタクトホールやラインにおいて、コンタクト抵抗が増加する原因としては、第2〜第4の実施形態で説明したように、例えば、
1)自然酸化膜による抵抗増加の影響が顕著化すること
2)コンタクト部の表面積が小さくなること
3)埋め込まれる導電物の体積が小さく、導電物に発生するボイドによる体積減が大きく現われること
などが挙げられる。
【0091】
第5の実施形態は、1)〜3)の事情を一台の成膜装置で解決でき、かつ、成膜される膜のインキュベーション時間も短く、スループットの向上も図ることができる成膜装置を提供しようとする例である。
【0092】
図14は、この発明の第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構の一構成例を概略的に示すブロック図である。
【0093】
図14に示すように、第5の実施形態に係る成膜装置が備えるガス供給機構114が、第4の実施形態に係る成膜装置のガス供給機構114と異なるところは、導電体、本例ではn型シリコン基板1をエッチング可能な第4のガスを供給する第4のガス供給源118を、さらに備えていることである。
【0094】
本例では、第4のガス供給源118は、導電体をエッチング可能なガスとして以下のガスが用意、または発生可能に構成されている。
【0095】
導電体をエッチング可能なガス: フッ素(F2)ガス
本例の第4のガス供給源118は、流量制御器123c及び開閉弁124cを介して分散ノズル125cに接続されている。
【0096】
図15は、第5の実施形態に係る成膜装置により実行可能な成膜方法の処理ガス供給及び処理温度の一例を示すタイムチャート、また、図16A〜図16Jは、その成膜方法の一例を示す断面図である。
【0097】
まず、図16Aに示す断面は、n型シリコン基板1上に形成された層間絶縁膜2に、上記n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3が形成された時点を示している。
【0098】
図16Aに示すように、コンタクトホール3を形成した後、n型シリコン基板1をエッチング装置の処理室から搬出すると、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上に、薄い自然酸化膜4が成長する。
【0099】
次に、上記自然酸化膜4が成長したn型シリコン基板1を、図1に示した成膜装置100の処理室101内に搬入する。搬入後、加熱装置133を用いて、処理室101内の温度を所定の温度とする。本例では処理室101内の温度を、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とした。次いで、図14に示す開閉弁124a、124b、126a、及び126bを開け、窒素ガス(N2)、アンモニアガス(NH3)、及びフッ化水素ガス(HF)を、それぞれ不活性ガス供給源115、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117から分散ノズル125a、及び125bを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ1:COR)。この処理により、図16Bに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上の自然酸化膜4が除去される。処理が終了したら、開閉弁124a、及び124bを閉じ、アンモニアガス、及びフッ化水素ガスの供給を止める。これとともに、排気機構132を用いて、処理室101内を排気しながら、窒素ガスを処理室101内に供給し、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126a、及び126bを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0100】
次に、第2の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が20℃〜300℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124c、及び126cを開け、窒素ガス、及びフッ素ガス(F2)を、不活性ガス供給源115、及び第4のガス供給源118から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ2:Si recess)。この処理により、図16Cに示すように、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1が参照符号5に示すように掘り下げられる。処理が終了したら、開閉弁124cを閉じてフッ素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0101】
次に、第3の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124e、及び126dを開け、窒素ガス、及びホスフィンガス(PH3)を、不活性ガス供給源115、及びドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ3:PH3 adsorption)。この処理により、図16Dに示すように、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)が参照符号6に示すように吸着され、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度が高まる。この結果、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値が下がる。処理が終了したら、開閉弁124eを閉じてホスフィンガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0102】
次に、第1の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が300℃〜550℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124g、及び126eを開け、窒素ガス、及びジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS、図15中ではPre−Xと表記)を、不活性ガス供給源115、及びアミノシラン系ガス供給源122から分散ノズル125eを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ4:Seed)。この処理により、図16Eに示すように、層間絶縁膜2、及び掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にシード層7が形成される。処理が終了したら、開閉弁124gを閉じてジイソプロピルアミノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126eを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0103】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ5:Depo)。この処理により、図16Fに示すように、シード層7上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8aが形成され、コンタクトホール3が埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0104】
なお、本例においても、ドーパントガス供給源120から分散ノズル125dを介してアモルファスシリコン膜8aにドーパントを導入し、第3の実施形態の変形例と同様に、ドープトアモルファスシリコン膜8a*とすることも可能である。
【0105】
また、本例においても、アモルファスシリコン膜8aを形成した段階で、コンタクトホール3の埋め込みを終了させることも可能である。しかし、第4の実施形態のように、エッチングと成膜を繰り返し、アモルファスシリコン膜8aからボイド9を除去しながら、成膜することも可能である。本例では、ボイド9が生じていることを想定して、さらに、以下の処理を実行する。
【0106】
第4の実施形態と同様に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が200℃〜500℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124d、及び126cを開け、窒素ガス、及び塩素ガス(Cl2)を、不活性ガス供給源115、及び第3のガス供給源119から分散ノズル125cを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ6:Etch)。この処理により、図16Gに示すように、アモルファスシリコン膜8aがコンタクトホール8aの途中まで、例えば、アモルファスシリコン膜8aにおいてボイド9が生じている、と想定される領域が除去される。処理が終了したら、開閉弁124dを閉じて塩素ガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126cを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0107】
次に、処理室101内の温度を、例えば、n型シリコン基板1の温度が400℃〜650℃になるような温度とする。次いで、開閉弁124f、及び126dを開け、窒素ガス、及びモノシランガス(SiH4)を、不活性ガス供給源115、及びシラン系ガス供給源121から分散ノズル125dを介して、処理室101内に供給する(図15中のステップ7:Depo)。この処理により、図16Hに示すように、シード層7上及びアモルファスシリコン膜8a上にシリコン膜、本例ではアモルファスシリコン膜8bが形成され、コンタクトホール3が再度埋め込まれる。処理が終了したら、開閉弁124fを閉じてモノシランガスの供給を止めるとともに、処理室101内の雰囲気を窒素ガスにてパージする。この後、排気機構132を停止させるとともに、開閉弁126dを閉じ、窒素ガスの供給を止める。
【0108】
このような堆積、エッチングを、例えば、図16I、図16Jに示すように繰り返し、アモルファスシリコン膜8a、8bから、ボイド9が生じている、と想定される領域を除去しながら、コンタクトホール3を、アモルファスシリコン膜8a、8b、及び8cにより埋め込んでいく。最後のアモルファスシリコン膜、本例では第3層目アモルファスシリコン膜8cの形成が終了したら、n型シリコン基板1を処理室101内から搬出する。
【0109】
なお、アモルファスシリコン膜8b、及び8cにおいても、第3の実施形態の変形例と同様に、ドープトアモルファスシリコン膜としても良い。
【0110】
このようにして第5の実施形態に係る成膜装置を用いた成膜方法、本例ではコンタクトホール3の埋め込みプロセスが終了する。
【0111】
このような第5の実施形態に係る成膜装置によれば、たとえ、コンタクトホールの微細化が進んだ、としても、
(1) ステップ1において、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1表面上から自然酸化膜4が除去される。このため、自然酸化膜4によるコンタクト抵抗増加を抑制できる、
(2) ステップ2において、コンタクトホール3の底に露呈したn型シリコン基板1が掘り下げられる。このため、コンタクト部の表面積を、掘り下げない場合に比較して大きくすることができ、コンタクト部の表面積が小さくなることによるコンタクト抵抗増加を抑制できる、
(3) 上記(1)、(2)の利点を維持したまま、ステップ4において、アミノシラン系ガスを用いてシード層7を形成する。このため、ステップ5におけるシラン系ガスを用いて形成されるアモルファスシリコン膜8aのインキュベーション時間を短縮できる、という利点を得ることができる。
【0112】
しかも、上記(1)〜(3)の利点を、一台の成膜装置100による処理だけで得ることができる。
【0113】
また、上記第5の実施形態においては、
(4) ステップ6、7において、アモルファスシリコン膜の堆積、及びエッチングを繰り返すことで、堆積されたアモルファスシリコン膜中に発生するであろうボイドが除去される。このため、コンタクトホール3内に埋め込まれたアモルファスシリコン膜の、ボイドによる体積減を抑制でき、体積減によるコンタクト抵抗増加を抑制できる、という利点も得ることができる。
【0114】
さらに、上記第5の実施形態においては、
(5) ステップ3において、掘り下げられたn型シリコン基板1の表面にn型不純物であるリン(P)を吸着させる。このため、n型シリコン基板1の表面部分のn型不純物濃度を高めることができ、n型シリコン基板1の表面部分の抵抗値を下げることができる、という利点についても得ることができる。
【0115】
これら(4)、(5)の利点についても、(1)〜(3)の利点と同時に、一台の成膜装置100による処理だけで得ることが可能である。
【0116】
したがって、第5の実施形態に係る成膜装置によれば、微細化が進んだコンタクトホールにおいても、コンタクト抵抗の増加を抑制、または減少できる成膜が可能であり、かつ、成膜される膜のインキュベーション時間も短く、スループットの向上も図ることができる成膜装置を提供できる。
【0117】
以上、この発明を第1〜第5の実施形態に従って説明したが、この発明は上記第1〜第5の実施形態に限定されることは無く、種々変形可能である。
【0118】
例えば、上記第5の実施形態においては、ステップ6でアモルファスシリコン膜8aをエッチングした後に続いて、ステップ7においてアミノ基を含まないシラン系ガスを用いてアモルファスシリコン膜8bを形成した。
【0119】
しかし、アモルファスシリコン膜8aをコンタクトホール3の途中まで除去した後、処理室101内にアミノシラン系ガスを再度供給し、層間絶縁膜2、及びアモルファスシリコン膜8a表面に新たなシード層を形成し、この後、処理室101内にアミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、新たなシード層上に新たなアモルファスシリコン膜8bを形成するようにすることも可能である。
【0120】
また、上記第5の実施形態においては、成膜装置100を、n型シリコン基板1に達するコンタクトホール3内の埋め込みプロセスに適用した例を説明した。
【0121】
しかし、コンタクトホール3内の埋め込みプロセスに限らず、凹状のラインの埋め込みプロセスにも、上記利点をもって適用することができる。
【0122】
また、コンタクトホール3にあっては、n型シリコン基板1に達するものばかりでなく、p型シリコン基板であっても良いし、n型又はp型のシリコン基板、又はウェルに形成されたソース領域やドレイン領域のような活性領域に達するものであっても良い。また、半導体領域ばかりでなく、銅などのメタル配線に達するものであっても良い。メタル配線のように半導体領域以外に達する場合には、図15に示したステップ3、いわゆるドーパントの吸着工程は省略することができる。
【0123】
また、上記第1〜第5の実施形態においては、アミノシラン系ガスとして、ジイソプロピルアミノシランガス(DIPAS)を用いたが、アミノシラン系ガスとしては、DIPASの他、下記のアミノシラン系ガスを使うことができる。
【0124】
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)、及び
DPAS(ジプロピルアミノシラン)
また、上記一実施形態においては、アミノ基を含まないシラン系ガスとして、モノシランガス(SiH4)を用いたが、アミノシラン系ガスとしては、SiH4の他、下記のアミノ基を含まないシラン系ガスを使うことができる。
【0125】
SiH6
Si2H4
Si2H6
SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及び
SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物
上記SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物としては、
トリシラン(Si3H8)
テトラシラン(Si4H10)
ペンタシラン(Si5H12)
ヘキサシラン(Si6H14)
ヘプタシラン(Si7H16)
の少なくとも一つを使うことができる。
【0126】
また、上記SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物としては、
シクロトリシラン(Si3H6)
シクロテトラシラン(Si4H8)
シクロペンタシラン(Si5H10)
シクロヘキサシラン(Si6H12)
シクロヘプタシラン(Si7H14)
の少なくとも一つを使うことができる。
【0127】
また、上記第3〜第5の実施形態においては、構成要件を省略することも可能である。
【0128】
例えば、第3の実施形態の図9に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、及び第2のガス供給源117を省略することが可能である。
【0129】
また、第4の実施形態の図12に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、第2のガス供給源117、及びドーパントガス供給源120の少なくともいずれか一つを省略することが可能である。
【0130】
また、第5の実施形態の図14に示したガス供給機構114からは、第1のガス供給源116、第2のガス供給源117、第3のガス供給源119、及びドーパントガス供給源120の少なくともいずれか一つを省略することが可能である。
【0131】
その他、この発明はその要旨を逸脱しない範囲で様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0132】
1…シリコン基板、2…層間絶縁膜、3…コンタクトホール、4…自然酸化膜、7…シード層、8a、8b、8c…アモルファスシリコン膜、101…処理室、116…第1のガス供給機構、117…第2のガス供給機構、118…第4のガス供給機構、119…第3のガス供給機構、120…ドーパントガス供給機構、121…シラン系ガス供給機構、122…アミノシラン系ガス供給機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜に形成された、導電体に達する開孔の埋め込みに使用可能な成膜装置であって、
前記導電体上に、この導電体に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体を収容する一つの処理室と、
前記処理室内に、
アミノシラン系ガス、及び
アミノ基を含まないシラン系ガス
を供給するガス供給機構と、を備え、
(1) 前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを供給し、前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及び
(2) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを供給し、前記シード層上にシリコン膜を形成する処理
が、前記一つの処理室内において順次実行されるように構成されていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記処理室内に、前記導電体上に形成される自然酸化膜を除去可能な第1のガスを供給する第1のガス供給機構を、さらに備え、
(3) 前記被処理体が収容されている前記処理室内に前記第1のガスを供給し、前記開孔の底に露呈した前記導電体表面上の自然酸化膜を除去する処理、
が、前記一つの処理室内においてさらに実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記処理室内に、前記導電体をエッチング可能な第2のガスを供給する第2のガス供給機構を、さらに備え、
(4) 前記処理室内に前記第2のガスを供給し、前記開孔の底の前記導電体を掘り下げる処理、
が、前記一つの処理室内においてさらに実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記処理室内に、前記シリコンをエッチング可能な第3のガスを供給する第3のガス供給機構を、さらに備え、
前記(2)の処理の後、
(5) 前記処理室内に前記第3のガスを供給し、前記シリコン膜を前記開孔の途中まで除去する処理、及び
(6) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、前記シリコン膜上に新たなシリコン膜を形成する処理
が、前記シリコン膜、及び前記新たなシリコン膜によって前記開孔が埋め込まれるまで、繰り返し実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項5】
前記処理室内に、前記シリコンをエッチング可能な第4のガスを供給する第4のガス供給機構を、さらに備え、
前記(2)の処理の後、
(7) 前記処理室内に前記第4のガスを供給し、前記シリコン膜を前記開孔の途中まで除去する処理、
(8) 前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを再度供給し、前記絶縁膜、及び前記シリコン膜の表面に新たなシード層を形成する処理
(9) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、前記新たなシード層上に新たなシリコン膜を形成する処理
が、前記シリコン膜、及び前記新たなシリコン膜によって前記開孔が埋め込まれるまで、繰り返し実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項6】
前記処理室内に、半導体のドーパントとなる物質を含む第5のガスを供給する第5のガス供給機構を、さらに備え、
前記導電体が半導体であるとき、
(10)前記処理室内に前記第5のガスを供給し、前記半導体の表面部分の抵抗値を下げる処理、及び/又は
(11)前記処理室内に前記第5のガスを供給し、前記シリコン膜又は前記新たなシリコン膜の少なくともいずれか一つに前記ドーパントを含有させる処理
が実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項7】
前記アミノシラン系ガスが、
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)
DPAS(ジプロピルアミノシラン)、及び
DIPAS(ジイソプロピルアミノシラン)
の少なくとも一つを含むガスから選ばれ、
前記アミノ基を含まないシラン系ガスが、
SiH4
SiH6
Si2H4
Si2H6
SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及び
SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項8】
前記SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
トリシラン(Si3H8)
テトラシラン(Si4H10)
ペンタシラン(Si5H12)
ヘキサシラン(Si6H14)
ヘプタシラン(Si7H16)
の少なくとも一つから選ばれ、
前記SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
シクロトリシラン(Si3H6)
シクロテトラシラン(Si4H8)
シクロペンタシラン(Si5H10)
シクロヘキサシラン(Si6H12)
シクロヘプタシラン(Si7H14)
の少なくともいずれか一つから選ばれることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
【請求項1】
絶縁膜に形成された、導電体に達する開孔の埋め込みに使用可能な成膜装置であって、
前記導電体上に、この導電体に達する開孔を有した絶縁膜が形成されている被処理体を収容する一つの処理室と、
前記処理室内に、
アミノシラン系ガス、及び
アミノ基を含まないシラン系ガス
を供給するガス供給機構と、を備え、
(1) 前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを供給し、前記導電体に達する開孔を有した絶縁膜の表面、及び前記開孔の底の表面にシード層を形成する処理、及び
(2) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを供給し、前記シード層上にシリコン膜を形成する処理
が、前記一つの処理室内において順次実行されるように構成されていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記処理室内に、前記導電体上に形成される自然酸化膜を除去可能な第1のガスを供給する第1のガス供給機構を、さらに備え、
(3) 前記被処理体が収容されている前記処理室内に前記第1のガスを供給し、前記開孔の底に露呈した前記導電体表面上の自然酸化膜を除去する処理、
が、前記一つの処理室内においてさらに実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記処理室内に、前記導電体をエッチング可能な第2のガスを供給する第2のガス供給機構を、さらに備え、
(4) 前記処理室内に前記第2のガスを供給し、前記開孔の底の前記導電体を掘り下げる処理、
が、前記一つの処理室内においてさらに実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記処理室内に、前記シリコンをエッチング可能な第3のガスを供給する第3のガス供給機構を、さらに備え、
前記(2)の処理の後、
(5) 前記処理室内に前記第3のガスを供給し、前記シリコン膜を前記開孔の途中まで除去する処理、及び
(6) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、前記シリコン膜上に新たなシリコン膜を形成する処理
が、前記シリコン膜、及び前記新たなシリコン膜によって前記開孔が埋め込まれるまで、繰り返し実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項5】
前記処理室内に、前記シリコンをエッチング可能な第4のガスを供給する第4のガス供給機構を、さらに備え、
前記(2)の処理の後、
(7) 前記処理室内に前記第4のガスを供給し、前記シリコン膜を前記開孔の途中まで除去する処理、
(8) 前記処理室内に前記アミノシラン系ガスを再度供給し、前記絶縁膜、及び前記シリコン膜の表面に新たなシード層を形成する処理
(9) 前記処理室内に前記アミノ基を含まないシラン系ガスを再度供給し、前記新たなシード層上に新たなシリコン膜を形成する処理
が、前記シリコン膜、及び前記新たなシリコン膜によって前記開孔が埋め込まれるまで、繰り返し実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項6】
前記処理室内に、半導体のドーパントとなる物質を含む第5のガスを供給する第5のガス供給機構を、さらに備え、
前記導電体が半導体であるとき、
(10)前記処理室内に前記第5のガスを供給し、前記半導体の表面部分の抵抗値を下げる処理、及び/又は
(11)前記処理室内に前記第5のガスを供給し、前記シリコン膜又は前記新たなシリコン膜の少なくともいずれか一つに前記ドーパントを含有させる処理
が実行されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項7】
前記アミノシラン系ガスが、
BAS(ブチルアミノシラン)
BTBAS(ビスターシャリブチルアミノシラン)
DMAS(ジメチルアミノシラン)
BDMAS(ビスジメチルアミノシラン)
TDMAS(トリジメチルアミノシラン)
DEAS(ジエチルアミノシラン)
BDEAS(ビスジエチルアミノシラン)
DPAS(ジプロピルアミノシラン)、及び
DIPAS(ジイソプロピルアミノシラン)
の少なくとも一つを含むガスから選ばれ、
前記アミノ基を含まないシラン系ガスが、
SiH4
SiH6
Si2H4
Si2H6
SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物、及び
SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物
の少なくとも一つを含むガスから選ばれることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項8】
前記SimH2m+2(ただし、mは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
トリシラン(Si3H8)
テトラシラン(Si4H10)
ペンタシラン(Si5H12)
ヘキサシラン(Si6H14)
ヘプタシラン(Si7H16)
の少なくとも一つから選ばれ、
前記SinH2n(ただし、nは3以上の自然数)の式で表されるシリコンの水素化物が、
シクロトリシラン(Si3H6)
シクロテトラシラン(Si4H8)
シクロペンタシラン(Si5H10)
シクロヘキサシラン(Si6H12)
シクロヘプタシラン(Si7H14)
の少なくともいずれか一つから選ばれることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図16H】
【図16I】
【図16J】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図16E】
【図16F】
【図16G】
【図16H】
【図16I】
【図16J】
【公開番号】特開2012−109537(P2012−109537A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207962(P2011−207962)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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