説明

洗浄方法

【課題】 アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制して、オゾン洗浄能力の低下が抑制できる洗浄方法を提供する。
【解決手段】 チャック部材で、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた他の被処理物を保持するに先立ち、搬送アームの一部およびチャック部材に付着したアルカリ成分を洗浄除去して、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入するのを抑制することを特徴とする洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばウェーハ等の被処理物を洗浄する方法に関し、特に、1基の搬送手段で、複数の被処理物を、オゾン洗浄液を充填したオゾン洗浄槽およびアルカリ成分含有溶液を充填したアルカリ洗浄槽に搬送し、順次別個に洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの集積度の向上に伴い、半導体製造プロセスに要求される清浄度はより一層厳しいものとなってきている。ウェーハ表面上の汚染物質はデバイスの特性に影響を与え、一般に、ウェーハ表面上のパーティクルは設計ルールの1/10の粒径で管理する必要があるといわれており、また、金属不純物に関しては、1010atoms/cm2以上で電気特性に影響を与えることが知られている。
【0003】
効率的な洗浄プロセスを構築するためには、除去しようとする対象物に応じた最適な洗浄方法を選択し、それらを効率よく組み合わせることが重要である。従来は、ウェーハの表面洗浄には、RCA洗浄法と呼ばれる、水酸化アンモニウムおよび過酸化水素水の混合液を用いるSC−1(standard cleaning−1)ならびに塩酸および過酸化水素水の混合液を用いるSC−2(standard cleaning−2)を用いた洗浄方法を用いるのが一般的であった。
【0004】
しかしながら、この方法は、洗浄工程数が多く、膨大な量の洗浄液とその洗浄液を洗い流すための純水が必要であり、これらの廃液を処理するためのコストが大きい等の問題があった。
【0005】
これに対し、上記問題を解決する技術として、オゾン洗浄法が挙げられる。オゾン洗浄法とは、オゾンを添加した超純水であるオゾン洗浄液を用いて被処理物を洗浄する方法である。このオゾン添加超純水は、室温で数ppmのオゾンが超純水に溶解しているだけのものであるが、従来のSC−1よりも酸化力が強く、また、溶存オゾンが自己分解して単なる高純度の水に戻ることから、洗浄度が高くかつ廃水処理が容易な洗浄液として、ウェーハ表面に付着した有機物を分解したり、また、ウェーハ表面に保護膜としての酸化膜を形成したりする目的で、広く用いられている。特許文献1には、上述したSC−1洗浄法の前に、上記オゾン洗浄液を用いてウェーハを洗浄することにより、高清浄度のウェーハを得る技術が開示されている。
【0006】
ところで、ウェーハの洗浄は、一般的に、1枚または複数のウェーハを各々の処理槽に充填された洗浄液に浸漬させていくことによって行われる。このようなウェーハの洗浄方法には、2通りの方式が知られており、一つはカセット方式洗浄法、他方はカセットレス方式洗浄法である。
【0007】
カセット方式洗浄法とは、例えば特許文献2に示されるように、カセットに収納されたウェーハを、カセットと一緒に洗浄槽内の洗浄液に浸漬させて洗浄を行うものであり、具体的には、複数枚(例えば25枚)のウェーハが収納されたカセットを、搬送手段の一対のアームに一体に設けられた開閉可能な一対のU字チャック部材により吊り下げるように支持することにより移動させて、各処理プロセスに沿って順次カセットと一緒にウェーハを各処理槽内の洗浄液に浸漬させて洗浄処理する。
【0008】
一方、カセットレス方式洗浄法では、一例として図1に示されるように、洗浄槽100内に予めウェーハ101を載置および固定する固定手段102を設けておき、ウェーハ101を搬送手段の搬送アーム103のチャック部材104で保持した状態で洗浄槽100内の固定手段102に移し変えて、洗浄槽100内の洗浄液105により洗浄する。従来は、ウェーハ101の洗浄中、搬送手段は洗浄槽100の外で待機させていた。
【0009】
しかしながら、このように、ウェーハ101の洗浄が終わるまでこの洗浄槽100の外で搬送手段を待機させておく方法では、1槽の洗浄槽に対応して1基の搬送手段を設置する必要があり、搬送手段の個数が増加するという問題が発生する。そこで、洗浄槽100内でウェーハ101を洗浄中、搬送手段は洗浄槽100以外の洗浄槽にウェーハの搬送を行うこととすれば、搬送手段の増加を抑えることができる。図2は、洗浄槽の配列構成および上記問題を解決するための従来の搬送手段の動きの一例を説明するための模式図であり、この例では、1基の搬送手段で複数の被処理物を順次別個に搬送する方法が用いられる。この例における洗浄槽の配列構成は、オゾン洗浄液を充填したオゾン洗浄槽、2槽のアルカリ成分含有溶液を充填したアルカリ洗浄槽(第1SC−1槽および第2SC−1槽)および純水洗浄槽がこの順で設けられている。SC−1洗浄効率を高める目的でアルカリ洗浄槽は2槽設けられているが、アルカリ洗浄槽の個数はこれに限らず、1槽でも、3槽以上でもよい。
【0010】
通常、搬送手段Iは矢印に沿って番号順に移動する。ここでいう搬送手段Iは、オゾン洗浄槽内で被処理物を保持するところから、純水洗浄槽に被処理物を浸漬させるところまで用いられ、オゾン洗浄槽内への被処理物の搬送および純水洗浄槽からの被処理物の取り出しには、それぞれ別の搬送手段II,IIIが用いられる。
【0011】
搬送手段Iは、例えば、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬した一つの被処理物を第1SC−1槽へ搬送する(矢印1)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、第1SC−1槽中に被処理物とともに浸漬するため、搬送アームの一部およびチャック部材にはアルカリ成分が付着する。所定時間経過後、搬送手段Iは、第1SC−1槽内の一つの被処理物を第2SC−1槽内へ搬送する(矢印2)。このときも同様に、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2SC−1槽の洗浄液のアルカリ成分が付着した状態となる。続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していた他の被処理物を第1SC−1槽へ搬送する(矢印3)。
【0012】
このとき、すなわち、この他の被処理物を取り出すために搬送アームおよびチャック部材がオゾン洗浄槽に入ったとき、搬送アームの一部およびチャック部材に付着していたアルカリ成分がオゾン洗浄液に混入する。このように、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入した場合、オゾン洗浄液に溶解しているオゾンの分解が促進されてオゾン洗浄液中のオゾン濃度が低下し、オゾン洗浄能力が低下する。この結果、ウェーハ表面上に有機物が残存したり、ウェーハ表面上の酸化膜の厚さが不均一になるといった問題が発生する。
【0013】
その後、搬送手段Iは、第2SC−1槽内の一つの被処理物を純水洗浄槽へ搬送し(矢印4)、次いで、搬送手段Iは、第1SC−1槽内の他の被処理物を第2SC−1槽へ搬送する(矢印5)。このときも同様に、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2SC−1槽の洗浄液のアルカリ成分が付着した状態となる。続いて、この搬送手段IIは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していたさらに他の被処理物を第1SC−1槽へ搬送する(矢印6)。
【0014】
ここで、この矢印6によって搬送される被処理物に対しては、十分なオゾン洗浄が行われない。これは、図2中の矢印3で示すように、搬送アームおよびチャック部材がオゾン洗浄槽に入ったときに、搬送アームの一部およびチャック部材に付着していたアルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することによりオゾン洗浄液に溶解しているオゾンの分解が促進されてオゾン濃度が低下する結果、オゾンによる洗浄能力が不十分となってしまったためである。
【0015】
特許文献3は、オゾン洗浄液中に炭酸ガスまたは有機化合物を溶解させることで、オゾン洗浄液中におけるオゾン濃度の低下を抑制する技術が開示されている。しかしながら、オゾン洗浄液中に炭酸ガスを溶解させた場合は、オゾン洗浄液中に微量の炭酸ガスを溶解させることでオゾンの自己分解を抑制することはできるが、オゾン洗浄液中に溶解する炭酸ガスの量にかかわらず、オゾン洗浄液中にアルカリ成分が混入すると、オゾンの自己分解が促進され、オゾン洗浄液中のオゾン濃度が低下してしまう。一方、オゾン洗浄液中に液体状の有機化合物を溶解させた場合には、オゾン洗浄後のウェーハの表面に有機物が残存してウェーハ表面品質が低下し、後のデバイス工程において悪影響を及ぼすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2007−48918号公報
【特許文献2】特開平9−17763号公報
【特許文献3】特開2000−37695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、上述した問題を解決し、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制して、オゾン洗浄能力の低下が抑制できる洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)オゾン洗浄液を充填したオゾン洗浄槽およびアルカリ成分含有溶液を充填したアルカリ洗浄槽を含む複数の洗浄槽と、該複数の洗浄槽間で移動可能であり、搬送アームおよび該搬送アームに設けられたチャック部材を有する搬送手段とを具える洗浄装置の前記チャック部材で、複数の被処理物のうち一つの被処理物を分離可能に保持した状態で、前記複数の洗浄槽のうち一つの洗浄槽内の洗浄液に、少なくとも前記チャック部材および前記搬送アームの一部とともに前記一つの被処理物を浸漬させ、その後、前記一つの洗浄槽内における前記一つの被処理物の処理中に、前記一つの被処理物から前記チャック部材を分離して前記搬送手段を移動させ、前記チャック部材で、予め他の洗浄槽内の洗浄液に浸漬していた他の被処理物を分離可能に保持する工程を具える複数の被処理物の洗浄方法であって、該方法は、前記チャック部材で、予め前記オゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた他の被処理物を保持するに先立ち、前記搬送アームの一部および前記チャック部材に付着したアルカリ成分を洗浄除去して、アルカリ成分が前記オゾン洗浄液に混入するのを抑制することを特徴とする洗浄方法。
【0019】
(2)前記洗浄装置は、前記被処理物を洗浄するための、純水を充填した被処理物用純水洗浄槽をさらに具え、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げられることによって洗浄される上記(1)に記載の洗浄方法。
【0020】
(3)前記洗浄装置は、前記搬送アームおよび前記チャック部材を洗浄するための、純水を充填したチャック部材用純水洗浄槽をさらに具え、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記チャック部材用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げられ、かつ、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記引き上げの際に純水を噴射することにより洗浄される上記(1)または(2)に記載の洗浄方法。
【0021】
(4)前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記純水洗浄槽内の純水に浸漬した後、速度300mm/sec以下で引き上げられる上記(2)に記載の洗浄方法。
【0022】
(5)前記アルカリ洗浄槽内の前記アルカリ成分含有溶液に、少なくとも1回浸漬した搬送アームおよびチャック部材が浸漬した後の前記オゾン洗浄液のオゾン濃度は、3ppm以上である上記(1)〜(4)のいずれか一に記載の洗浄方法。
【0023】
(6)前記被処理物は、1枚もしくは複数枚のウェーハまたは収納カセットに収納された複数枚のウェーハである上記(1)〜(5)のいずれか一に記載の洗浄方法。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、チャック部材で、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた被処理物を保持するに先立ち、搬送アームの一部およびチャック部材に付着したアルカリ成分を洗浄除去することにより、アルカリ成分が前記オゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。従って、オゾン洗浄能力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、カセットレス方式の洗浄装置を示す模式的断面図である。
【図2】図2は、洗浄槽の配列構成および従来の搬送手段の移動順の一例を説明するための模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態を示す模式図である。
【図4】図4は、カセットレス方式で複数のウェーハを洗浄槽内に載置した状態を示す模式図である。
【図5】図5は、搬送手段の搬送アームの一部およびチャック部材を示す模式図である。
【図6】図6(a)は、チャック部材の拡大図を示し、図6(b)は、チャック部材がウェーハを保持した状態を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の洗浄方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に従う洗浄方法は、一例として図3に示すように、オゾン洗浄液を充填したオゾン洗浄槽およびアルカリ成分含有溶液を充填したアルカリ洗浄槽を含む複数の洗浄槽と、これら複数の洗浄槽間で移動可能であり、搬送アームおよびこの搬送アームに設けられたチャック部材を有する搬送手段とを具える洗浄装置を用いる。この搬送手段は、一例として図1に示すように、洗浄槽100内に予め被処理物101を載置および固定する固定手段102を設けておき、被処理物101を搬送手段の搬送アーム103のチャック部材104で保持した状態で洗浄槽100内の固定手段102に移し変えて、洗浄槽100内の洗浄液105により洗浄する構成を有する。
【0027】
被処理物101は、1枚もしくは複数枚のウェーハまたは収納カセットに収納された複数枚のウェーハとすることができる。図4は、カセットレス方式で複数のウェーハ101を洗浄槽内の固定手段102に載置した状態を示す模式図であり、図5は、このようなウェーハを搬送するための搬送アーム103およびチャック部材104を示したものである。チャック部材104の拡大図およびこのチャック部材104がウェーハ101を保持した状態は図6(a)および図6(b)にそれぞれ示されている。ここでは、1基の搬送手段が一度に保持することのできる複数のウェーハのことを一つの被処理物といい、複数の被処理物とは、このようなウェーハのグループが複数あることを意味する。
【0028】
図3に示したように、搬送手段Iは矢印に沿って、洗浄槽から洗浄槽へ番号順に移動する。ここでいう搬送手段Iは、オゾン洗浄槽内で被処理物を保持するところから、純水洗浄槽に被処理物を浸漬させるところまでに用いられ、オゾン洗浄槽内に充填されたオゾン洗浄液への被処理物の浸漬および純水洗浄槽からの被処理物の取り出しには、それぞれ別の搬送手段II,IIIを用いる。なお、この純水洗浄槽は、被処理物を洗浄するための、純水を充填した被処理物用純水洗浄槽である。
【0029】
搬送手段Iは、例えば、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた一つの被処理物をアルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印1)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、アルカリ洗浄槽中に被処理物とともに浸漬するため、搬送アームの一部およびチャック部材にはアルカリ成分が付着する。所定時間経過後、搬送手段Iは、アルカリ洗浄槽内の一つの被処理物を純水洗浄槽内へ搬送する(矢印2)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、被処理物を純水洗浄槽内で分離した後、純水から引き上げることによって純水で洗浄される。続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していた他の被処理物をアルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印3)。
【0030】
したがって、この例では、搬送アームおよびチャック部材がアルカリ洗浄槽内のアルカリ洗浄液に浸漬した後、純水洗浄槽内の純水によって洗浄されているため、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。
【0031】
図7は、本発明に従う洗浄方法の別の実施形態であり、搬送手段Iは、例えば、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた一つの被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印1)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、第1アルカリ洗浄槽中に被処理物とともに浸漬するため、搬送アームの一部およびチャック部材にはアルカリ成分が付着する。所定時間経過後、搬送手段Iは、第1アルカリ洗浄槽内の一つの被処理物を第2アルカリ洗浄槽内へ搬送する(矢印2)。このときも同様に、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2アルカリ洗浄槽の洗浄液のアルカリ成分が付着した状態となる。そこで、この搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材を、純水洗浄槽内の純水により洗浄する(矢印3)。
【0032】
本発明に従う洗浄方法で用いられる洗浄装置は、被処理物を洗浄するための、純水を充填した被処理物用純水洗浄槽(図では第1純水洗浄槽)をさらに具え、搬送アームおよびチャック部材は、被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げることによって洗浄することができる。この方法によれば、追加の設備を要しないため、経済的である。
【0033】
搬送アームおよびチャック部材は、被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬した後、速度300mm/sec以下で引き上げられるのが好ましい。引き上げる速度が300mm/secを超えると、アルカリ成分の除去が不十分となるおそれがあるためである。
【0034】
より好ましくは、本発明に従う方法で用いられる洗浄装置は、搬送アームおよびチャック部材を洗浄するための、純水を充填したチャック部材用純水洗浄槽(図では第2純水洗浄槽)をさらに具え、搬送アームおよびチャック部材は、チャック部材用純水洗浄槽中の純水に前記搬送アームおよびチャック部材を浸漬させた後に引き上げる際に、前記搬送アームおよびチャック部材に対して純水を噴射することによって洗浄する。
【0035】
この場合、例えば、図7におけるチャック部材用純水洗浄槽の上部に2ヵ所設置された純水噴射ノズル106から、チャック部材用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げている途中の搬送アームおよびチャック部材に対して純水107を噴射する方法が採用できる。この方法によれば、アルカリ成分が残留し易いチャック部材に対して純水を噴射することで、チャック部材に残留するアルカリ成分が効率的に除去できるため、上述したように、搬送アームおよびチャック部材を被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げることによって洗浄するよりも大きな洗浄効果が得られる。
【0036】
搬送アームおよびチャック部材に対して純水を噴射する方法は、搬送アームおよびアルカリ成分が残留し易いチャック部材に対して純水を直接噴射できる方法であれば、上記以外の方法も適用できる。また、純水噴射ノズル106の設置位置は、チャック部材用純水洗浄槽の上部に限らず、被処理物用純水洗浄槽の上部に設置して、搬送アームおよびチャック部材を被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げている途中で搬送アームおよびチャック部材に対して純水107を噴射する方法も採用できる。なお、純水噴射ノズル106の設置個数は、被処理物の大きさ、洗浄槽の大きさなどに応じて、適宜設定される。
【0037】
続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していた他の被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印4)。次いで、搬送手段Iは、第2アルカリ洗浄槽内の一つの被処理物を第1純水洗浄槽内へ搬送する(矢印5)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、被処理物を被処理物用純水洗浄槽内で分離した後、純水から引き上げることによって純水で洗浄される。続いて、この搬送手段Iは、第1アルカリ洗浄槽内のアルカリ洗浄液に浸漬していた他の被処理物を第2アルカリ洗浄槽へ搬入する(矢印6)。このとき、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2アルカリ洗浄槽内のアルカリ成分が付着した状態となる。そこで、この搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材を、再び純水洗浄槽内の純水により洗浄する(矢印7)。続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していたさらに他の被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印8)。
【0038】
したがって、この例では、搬送アームおよびチャック部材がアルカリ洗浄槽内のアルカリ洗浄液に浸漬した後、純水洗浄槽内の純水によって洗浄されているため、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。
【0039】
図8は、本発明に従う洗浄方法の別の実施形態であり、搬送手段Iは、例えば、予めオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた一つの被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印1)。このとき、搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材は、第1アルカリ洗浄槽中に被処理物とともに浸漬するため、搬送アームの一部およびチャック部材にはアルカリ成分が付着する。所定時間経過後、搬送手段Iは、第1アルカリ洗浄槽内の一つの被処理物を第2アルカリ洗浄槽内へ搬送する(矢印2)。このときも同様に、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2アルカリ洗浄槽の洗浄液のアルカリ成分が付着する。そこで、この搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材を、純水洗浄槽内の純水により洗浄する(矢印3)。
【0040】
続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していた他の被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印4)。次いで、搬送手段Iは、第2アルカリ洗浄槽内の一つの被処理物を第3アルカリ洗浄槽内へ搬送する(矢印5)。その後、搬送手段Iは、第1アルカリ洗浄槽内の他の被処理物を第2アルカリ洗浄槽内へ搬送する(矢印6)。このときも同様に、搬送手段Iの搬送アームの一部およびチャック部材には、第2アルカリ洗浄槽の洗浄液のアルカリ成分が付着する。そこで、この搬送手段Iの搬送アームおよびチャック部材を、再び純水洗浄槽内の純水により洗浄する(矢印7)。続いて、この搬送手段Iは、別の搬送手段IIによってオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に予め浸漬していたさらに他の被処理物を第1アルカリ洗浄槽へ搬送する(矢印8)。
【0041】
したがって、この例では、搬送アームおよびチャック部材がアルカリ洗浄槽内のアルカリ洗浄液に浸漬した後、純水洗浄槽内の純水によって洗浄されているため、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。
【0042】
アルカリ洗浄槽内のアルカリ成分含有溶液に少なくとも1回浸漬した搬送アームおよびチャック部材が浸漬した後のオゾン洗浄液のオゾン濃度は、3ppm以上であるのが好ましい。オゾン濃度が3ppm未満の場合は、オゾン洗浄能力が不十分となるおそれがあるためである。
【0043】
なお、チャック部材用純水洗浄槽の設置位置は、複数の洗浄槽の列の中でも外でもよい。しかし、ウェーハ搬送手段が各洗浄液槽の間を移動することを考慮すれば、複数の洗浄槽の列の中に設置されるのが好ましい。また、上記実施形態では、搬送手段が1基の場合の実施形態を示したが、同時に複数の搬送手段を用いることもできる。
【0044】
なお、上述したところは、本発明の代表的な実施形態の例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。特に、上記実施形態では、複数の被処理物の間隔を空けずに搬送する例を示したが、目的に応じて、洗浄槽1槽分だけ間隔を空けて搬送したり、洗浄槽2槽分だけ間隔を空けて搬送したりすることができる。この場合も、搬送アームおよびチャック部材がアルカリ洗浄槽内のアルカリ洗浄液に浸漬した後、純水洗浄槽内の純水によって洗浄されることにより、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。
【実施例】
【0045】
(実施例1)
図7に示す洗浄槽配列および搬送手段の移動順を用い、50枚のウェーハを1セットとしたものを被処理物として、複数の被処理物に対して洗浄を行った。本実施例においては、ウェーハをオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬することによってウェーハ表面に発生するクモリを観察する目的で、フッ酸洗浄を行った撥水表面を有するウェーハを洗浄した。また、オゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液への浸漬時間が短いとウェーハ表面上に発生するクモリが除去できなく、逆に浸漬時間が長いとクモリは消滅するものの生産性低下につながるため、浸漬時間は5分とした。
搬送手段の搬送アームおよびチャック部材の洗浄は、被処理物用純水洗浄槽(第1純水洗浄槽)の中の純水に搬送アームおよびチャック部材を浸漬させた後に引き上げることで行った。このとき、被処理物用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度は300mm/secとした。
オゾン洗浄水は、オゾンガスを超純水に溶解させた20ppmのオゾン水を10L/minの供給速度でオゾン洗浄槽に連続的に供給した。搬送アームおよびチャック部材を浸漬させる前のオゾン洗浄槽内におけるオゾン濃度(以下「初期オゾン濃度」という)は、10ppmであった。
【0046】
矢印4の、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度を測定したところ、初期オゾン濃度の10ppmから3ppmに低下した。被処理物用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度が300mm/secの場合は、搬送アームおよびチャック部材に付着していたアルカリ成分が完全には除去されず、搬送アームおよびチャック部材に残存したごく微量のアルカリ成分がオゾン洗浄液中に混入したためにオゾンの分解が促進され、オゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液のオゾン濃度が低下したと考えられる。
【0047】
このオゾン洗浄液で洗浄されたウェーハについて、ウェーハ上部、中心部、下部の接触角を測定したところ、それぞれ20度、10度、10度であった。接触角の測定は、50枚のウェーハの中から抽出した5〜6枚のウェーハに対して行った。ここで、ウェーハの抽出は、例えば、50枚のウェーハの中から1枚目、11枚目、21枚目、31枚目、41枚目および50枚目を抽出する方法で行った。
また、集光灯下において50枚のウェーハ全ての表面を目視検査したところ、ウェーハ表面上のクモリは殆ど観察されなかった。
さらに、レーザー面検機(SP−1、KLA−Tencor社製)によって50枚のウェーハ全てのHaze(表面粗さの指標)マップを測定したところ、ウェーハ最上部にわずかにパターンが見られるだけであったが、ごく少数であるため、デバイス製造上は問題とはならない。なお、上記のウェーハ表面の目視検査およびHazeマップの測定は、ウェーハをオゾン洗浄した後さらにSC−1洗浄した状態で実施した。
【0048】
実施例1の結果から、オゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液のオゾン濃度が3ppmまで低下した場合でもオゾン洗浄能力の低下が抑制され、この結果、表面品質が良好なウェーハが得られることがわかった。
【0049】
(実施例2)
搬送手段の搬送アームおよびチャック部材の洗浄を、チャック部材用純水洗浄槽(第2純水洗浄槽)中の純水に搬送アームおよびチャック部材を浸漬させた後に引き上げる際に、搬送アームおよびチャック部材に対して純水を噴射することによって行ったこと以外は、実施例1と同様の方法によりウェーハを搬送した。チャック部材用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度は、300mm/secとした。また、搬送アームおよびチャック部材に対する純水の噴射は、図7におけるチャック部材用純水洗浄槽の上部に2ヵ所設置された純水噴射ノズル106から、引き上げ中の搬送アームおよびチャック部材に対して純水107を噴射することによって行った。
【0050】
矢印4の、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度を測定したところ、10ppmであり、初期オゾン濃度が維持されていた。チャック部材用純水洗浄槽から搬送アームを引き上げる際に、搬送アームおよびチャック部材に対して純水を噴射することによって、搬送アームおよびチャック部材に付着していたアルカリ成分が完全に除去されたためと考えられる。
【0051】
このオゾン洗浄液で洗浄されたウェーハについて、ウェーハ上部、中心部、下部の接触角を測定したところ、それぞれ10度、10度、10度であった。
また、集光灯下において50枚のウェーハの表面を目視検査したところ、ウェーハ表面上のクモリは観察されなかった。
さらに、レーザー面検機によって50枚のウェーハのHaze(表面粗さの指標)マップを測定したところ、異常は見られなかった。
【0052】
実施例2の結果から、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度が低下せず、従って、オゾン洗浄能力の低下が抑制でき、この結果、表面品質の良好なウェーハが得られることがわかった。
【0053】
(実施例3)
被処理物用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度を100mm/secとしたこと以外は、実施例1と同様の方法によりウェーハを搬送した。
【0054】
矢印4の、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度を測定したところ、10ppmであり、初期オゾン濃度が維持されていた。被処理物用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度を100mm/secと低速にすることによって、搬送アームおよびチャック部材に付着していたアルカリ成分が完全に除去されたためと考えられる。
【0055】
このオゾン洗浄液で洗浄されたウェーハについて、ウェーハ上部、中心部、下部の接触角を測定したところ、それぞれ10度、10度、10度であった。
また、集光灯下において50枚のウェーハの表面を目視検査したところ、ウェーハ表面上のクモリは観察されなかった。
さらに、レーザー面検機によって50枚のウェーハのHaze(表面粗さの指標)マップを測定したところ、異常は見られなかった。
【0056】
実施例3の結果から、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度が低下せず、従って、オゾン洗浄能力の低下が抑制でき、この結果、表面品質の良好なウェーハが得られることがわかった。
【0057】
(実施例4)
チャック部材用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度を100mm/secとしたこと以外は、実施例2と同様の方法によりウェーハを搬送した。
【0058】
矢印4の、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度を測定したところ、10ppmであり、初期オゾン濃度が維持されていた。アルカリ成分が残留し易いチャック部材104に対して純水を噴射し、かつチャック部材用純水洗浄槽からの搬送アームの引き上げ速度を100mm/secと低速とすることによって、搬送アームおよびチャック部材に付着していたアルカリ成分が完全に除去されたためと考えられる。
【0059】
このオゾン洗浄液で洗浄されたウェーハについて、ウェーハ上部、中心部、下部の接触角を測定したところ、それぞれ10度、10度、10度であった。
また、集光灯下において50枚のウェーハの表面を目視検査したところ、ウェーハ表面上のクモリは観察されなかった。
さらに、レーザー面検機によって50枚のウェーハのHaze(表面粗さの指標)マップを測定したところ、異常は見られなかった。
【0060】
実施例4の結果から、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度が低下せず、従って、オゾン洗浄能力の低下が抑制でき、この結果、表面品質の良好なウェーハが得られることがわかった。
【0061】
(比較例1)
SC−1洗浄後、搬送手段の搬送アームおよびチャック部材の純水による洗浄を行わないこと以外は、実施例1と同様の方法によりウェーハを搬送した。
【0062】
矢印4の、搬送アームおよびチャック部材をオゾン洗浄槽中のオゾン洗浄液に浸漬させた直後のオゾン洗浄液のオゾン濃度を測定したところ、0ppmであり、オゾン洗浄液中のオゾンが分解して消滅した。搬送アームの一部およびチャック部材に付着していたアルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することによって、オゾン洗浄液中のオゾンの分解が促進されて洗浄液中のオゾンが消滅したためである。
【0063】
このオゾン洗浄液で洗浄されたウェーハについて、ウェーハ上部、中心部、下部の接触角を測定したところ、それぞれ60度、20度、10度であった。
また、集光灯下において50枚のウェーハの表面を目視検査したところ、50枚のウェーハ全てにおいて表面の一部にクモリが発生していた。
【0064】
比較例では、洗浄液中にオゾンが存在しない状態(すなわち、純水)で洗浄を行ったためオゾン洗浄能力がなくなり、ウェーハの洗浄効果が不十分になることがわかった。
【0065】
実施例1〜4および比較例1の結果から、本発明に従う洗浄方法は、比較例と比較して、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することが抑制でき、従って、オゾン洗浄能力の低下が抑制でき、この結果、表面品質が良好なウェーハが得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、被処理物をオゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬させるに先立ち、搬送手段の搬送アームの一部およびチャック部材に付着したアルカリ成分を洗浄除去することにより、アルカリ成分がオゾン洗浄液に混入することを抑制することができる。従って、オゾン洗浄能力の低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0067】
100 洗浄槽
101 被処理物
102 固定手段
103 搬送アーム
104 チャック部材
105 洗浄液
106 純水噴射ノズル
107 純水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン洗浄液を充填したオゾン洗浄槽およびアルカリ成分含有溶液を充填したアルカリ洗浄槽を含む複数の洗浄槽と、該複数の洗浄槽間で移動可能であり、搬送アームおよび該搬送アームに設けられたチャック部材を有する搬送手段とを具える洗浄装置の前記チャック部材で、
複数の被処理物のうち一つの被処理物を分離可能に保持した状態で、前記複数の洗浄槽のうち一つの洗浄槽内の洗浄液に、少なくとも前記チャック部材および前記搬送アームの一部とともに前記一つの被処理物を浸漬させ、
その後、前記一つの洗浄槽内における前記一つの被処理物の処理中に、前記一つの被処理物から前記チャック部材を分離して前記搬送手段を移動させ、前記チャック部材で、予め他の洗浄槽内の洗浄液に浸漬していた他の被処理物を分離可能に保持する工程を具える複数の被処理物の洗浄方法であって、
該方法は、前記チャック部材で、予め前記オゾン洗浄槽内のオゾン洗浄液に浸漬していた他の被処理物を保持するに先立ち、前記搬送アームの一部および前記チャック部材に付着したアルカリ成分を洗浄除去して、アルカリ成分が前記オゾン洗浄液に混入するのを抑制することを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記洗浄装置は、前記被処理物を洗浄するための、純水を充填した被処理物用純水洗浄槽をさらに具え、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記被処理物用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げられることによって洗浄される請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記洗浄装置は、前記搬送アームおよび前記チャック部材を洗浄するための、純水を充填したチャック部材用純水洗浄槽をさらに具え、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記チャック部材用純水洗浄槽内の純水に浸漬させた後に引き上げられ、かつ、前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記引き上げの際に純水を噴射することにより洗浄される請求項1または2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
前記搬送アームおよび前記チャック部材は、前記純水洗浄槽内の純水に浸漬した後、速度300mm/sec以下で引き上げられる請求項2に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記アルカリ洗浄槽内の前記アルカリ成分含有溶液に、少なくとも1回浸漬した搬送アームおよびチャック部材が浸漬した後の前記オゾン洗浄液のオゾン濃度は、3ppm以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記被処理物は、1枚もしくは複数枚のウェーハまたは収納カセットに収納された複数枚のウェーハである請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−124498(P2011−124498A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283011(P2009−283011)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】