説明

画像形成方法、及び画像形成装置

【課題】画像形成装置において位置制御が可能なアクチュエータを駆動してミラーを移動させることによりスキュー調整を行う際に、アクチュエータの原点出し動作を頻繁に行うことなく、かつ不測の事態が発生したとしても誤動作することなく正常にスキュー調整を行うことができるスキュー調整方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、アクチュエータの駆動量と、駆動量により想定されるミラーの位置が実際の位置とみなせないことを示す無効情報とを記録する。スキュー調整方法は、記憶されている無効情報をチェックして駆動量が有効なデータであるかを判断するステップS1と、駆動量が有効なデータでなかった場合に原点出し動作を行い、記憶されている駆動量を基準値に置き換えるステップS7と、記憶されている駆動量に基づいてスキュー調整を行いスキュー調整が正常に終了した際のアクチュエータの駆動量を記録するステップS5〜6、9〜11とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法、及び、画像形成装置に関し、特に、カラー画像の色ずれを調整するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、及びファクシミリ等の画像形成装置において、カラープリント等の2色以上の重ね印刷を行うには、色ずれが生じないように、色毎に画像の書き込み位置を調整する必要がある。
一般的なタンデム方式のカラー画像形成装置では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の重ね印刷を行うことができ、各色毎にそれぞれ独立した画像形成ユニットを備えているので、例えばブラックを基準に、他の3色のユニットのスキュー、副走査方向のレジストずれ、副走査方向のピッチむら、主走査方向の倍率誤差、及び主走査方向のレジストずれを調整しなければならない。
【0003】
中でも、スキュー調整は、例えばステッピングモータを駆動して可変ミラーを揺動させることにより行なっている。
一方、停電や誤操作等の不測の事態により、色ずれ補正の最中に電源がオフするような場合が想定され、たとえこのような場合であっても、誤動作することなく正常に動作することはもとより、復帰時には色ずれ補正が行われないまま画像形成が行なわれるようなことがあってはならない。
【0004】
特許文献1に、不測の原因で電源がオフした際に電源がオンすればまた設定動作が再開される多色画像形成装置を提供することを課題とし(段落0008)、画像形成装置が画像濃度検知中であることを記憶しておき、電源をオンした時に不揮発性記憶手段が画像濃度検知中であることを記憶している場合にのみ、画像濃度検知動作を実施する多色画像形成装置が開示されており(段落0013)、帯電、露光電位設定動作中に電源がオフしても、本設定動作中であることが不揮発性記憶手段に記憶され、その後電源がオンすると、帯電、露光電位設定動作が実施されるため、上記設定動作が行なわれないまま画像形成が行なわれることは防止されると記載されている(段落0019)。
【特許文献1】特開平5−165293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ステッピングモータは基本的にオープンループ制御であるため、別途絶対位置を検出するセンサー等を備えない場合には、原則的に電源オンの度に原点出し動作が必要になるが、原点出し動作は時間がかかるのでこれではユーザの利便性を著しく損ねてしまうという問題がある。
また、低コスト化等の為に原点出し用のセンサーを備えずにステッピングモータの脱調を積極的に利用し、可変ミラーの揺動範囲を機械的に規制して原点出しを行うような機構を採用する場合には、原点出し動作の度に振動や音が発生してメカ機構に多少なりともダメージを与えたり、ユーザに不安感を与えることが懸念されるので、原点出し動作を頻繁に行うのは望ましくない。
【0006】
そこで、原点出し動作を出荷前にだけ行い、電源オンの間だけでなく電源オフの間もステッピングモータの基準状態からの駆動量を記憶しておくこととし、電源オンの度に、可変ミラーを、記憶しておいた駆動量により想定される位置から相対的に動作させるようにすれば、原点出し動作を頻繁に行うことは避けられるように思われる。
しかしながら、停電や誤操作等の不測の事態により、記憶しておいた駆動量により想定される可変ミラーの位置と可変ミラーの実際の位置とが食い違う可能性があり、なんらかの対策が必要である。
【0007】
本発明は、ステッピングモータ等の位置制御が可能なアクチュエータを駆動してミラーを揺動させることによりスキュー調整を行う際に、当該アクチュエータの原点出し動作を頻繁に行うことなく、かつ不測の事態が発生したとしても誤動作することなく正常にスキュー調整を行うことができるスキュー調整方法、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るスキュー調整方法は、主走査方向に走査する光源から副走査方向に回転する感光体に至る光路の途中に、位置制御が可能なアクチュエータにより揺動されるミラーが設けられた画像形成装置において、アクチュエータを駆動してミラーの角度を調整することによりスキュー調整を行うスキュー調整方法であって、前記画像形成装置は、アクチュエータの基準状態からの駆動量を記憶するとともに、記憶している駆動量により想定されるミラーの角度がミラーの実際の角度とみなせないことを示す無効情報を記録している状態記憶手段を備え、スキュー調整方法は、スキュー調整直前に、前記状態記憶手段に記憶している無効情報をチェックして、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであるか否かを判断する判断ステップと、スキュー調整時において、判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には何もせず、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、アクチュエータを位置制御することなく駆動してミラーを基準角度まで揺動させ、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量を基準状態を示す基準値に置き換える初期駆動ステップと、初期駆動ステップの後に、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量に基づいて、アクチュエータを位置制御しつつ駆動することによりスキュー調整を行い、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量を、スキュー調整が正常に終了した際の、アクチュエータの基準状態からの駆動量に置き換える調整ステップとを含むことを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、主走査方向に走査する光源から副走査方向に回転する感光体に至る光路の途中に、位置制御が可能なアクチュエータにより揺動され角度が変えられるミラーが設けられた画像形成装置であって、アクチュエータの基準状態からの駆動量を記憶するとともに、記憶している駆動量により想定されるミラーの角度がミラーの実際の角度とみなせないことを示す無効情報を記録している状態記憶手段と、スキュー調整直前に、状態記憶手段に記憶している無効情報をチェックして、状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであるか否かを判断する判断手段と、 スキュー調整時において、判断手段により状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には何もせず、状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、アクチュエータを位置制御することなく駆動してミラーを基準角度まで揺動させ、状態記憶手段に記憶されている駆動量を基準状態を示す基準値に置き換える初期駆動手段と、
初期駆動手段による処理の後に、状態記憶手段に記憶されている駆動量に基づいて、アクチュエータを位置制御しつつ駆動してミラーの角度を調整することによりスキュー調整を行い、状態記憶手段に記憶されている駆動量を、スキュー調整が正常に終了した際の、アクチュエータの基準状態からの駆動量に置き換える調整手段とを備えることを特徴とする。
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
課題を解決するための手段に記載した構成により、記憶されている駆動量が有効なデータであるか否かを無効情報によって判断し、スキュー調整において、最低限必要な場合にのみ原点出し動作を行うことができるので、アクチュエータの原点出し動作を頻繁に行うことなく、かつ不測の事態が発生したとしても誤動作することなく正常にスキュー調整を行うことができる。
【0011】
従って、ユーザの利便性を著しく損ねることがなく、さらに、原点出し用のセンサーを備えないセンサーレスの場合においては、原点出し動作の度に発生する振動や音がメカ機構にダメージを与えたり、ユーザに不安感を与えるようなことが実質的にほとんどなくなる。
ここで、スキュー調整方法において、前記アクチュエータは、ステッピングモータを含む、複数の入力パルスの入力順序により位置制御されるモータであり、前記状態記憶手段は、さらに、前記複数の入力パルスの入力順序を記録し、前記初期駆動ステップは、前記ミラーを基準角度に揺動させた時には、さらに、前記状態記憶手段に記憶されている入力順序を初期値にし、前記調整ステップは、スキュー調整を、さらに、前記状態記憶手段に記憶されている入力順序に基づいて行うことを特徴とすることもできる。
【0012】
これにより、アクチュエータがステッピングモータ等のモータである場合に、さらに、ステッピングモータ等のモータの位置制御の指令に用いている複数の入力パルスの入力順序を、スキュー調整に用いることができる。
ここで、スキュー調整方法において、前記無効情報はフラグであり、前記判断ステップによる無効情報の状態のチェックの後、かつ前記初期駆動ステップによる前記アクチュエータの駆動と駆動量の置き換え、及び、前記調整ステップによる前記アクチュエータの駆動と前記調整ステップによる駆動量の置き換えの前にセットされ、前記調整ステップによる前記アクチュエータの駆動と駆動量の置き換えの後にクリアされることを特徴とすることもできる。
【0013】
これにより、記憶されている駆動量が実際の駆動量と食い違う可能性がある間だけ無効情報のフラグがセットされるので、いかなる状況であっても正確にアクチュエータを駆動することができる。
ここで、スキュー調整方法において、前記調整ステップは、前記判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、正規のレジストパターンを作成し、これを読み取ってスキュー調整を行い、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には、正規のレジストパターンよりもパターン量が少ない簡易のレジストパターンを作成し、これを読み取ってスキュー調整を行うことを特徴とすることもできる。
【0014】
これにより、原点出し動作を行う場合には正規のレジストパターンによるスキュー調整を行い、原点出し動作を行わなくてよい場合には簡易のレジストパターンによるスキュー調整を行うことができるので、実質的にほとんどの場合に正規よりも時間が短くトナー消費量が少なくてすみ、必要な場合にのみ時間をかけトナーを多く消費しつつ、正確にスキュー調整を行うことができる。
【0015】
ここで、スキュー調整方法において、前記調整ステップは、前記判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、まず副走査レジスト調整を行い、その後前記スキュー調整を行い、続いて主走査レジスト調整を行い、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には、まず副走査レジスト調整と主走査レジスト調整とをいっしょに行い、その後前記スキュー調整を行うことを特徴とすることもできる。
【0016】
これにより、原点出し動作を行う場合には、スキュー調整の前に副走査レジスト調整を行い、スキュー調整の後に主走査レジスト調整を行い、原点出し動作を行わなくてよい場合にはスキュー調整の前に副走査レジスト調整と主走査レジスト調整とをいっしょに行うことができるので、実質的にほとんどの場合に副走査レジスト調整と主走査レジスト調整とをいっしょに行う分だけ時間が短くトナー消費量が少なくてすみ、必要な場合にのみ時間をかけトナーを多く消費しつつ、正確に色ずれ補正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[実施の形態1]
<概要>
本発明の実施の形態1は、ステッピングモータの基準状態からの駆動量(ステップ数)と、多パルス制御における入力パルスの入力順序と、これらの情報が無効である場合にセットする無効フラグとを不揮発性メモリに記録しておき、スキュー調整時において、無効フラグの状態に応じて、原点出しをするか、あるいは原点出しをせずに、記憶しておいた情報に基づいてスキュー調整を行うかを選択する画像形成装置である(ここでは複写機を例に説明する)。
【0018】
<全体構成>
図1は、本発明の複写機1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、本発明の複写機1は、スキャナ部2とプリンタ部3とから構成され、原稿画像を読み取ってその画像データに基づいて記録シートに画像を形成するコピージョブ、外部端末からネットワークを介して送られて来た画像データに基づいて記録シートに画像を形成するプリントジョブ、画像データを外部に送信する送信ジョブ等を実行可能な、いわゆる多機能複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)と呼ばれるものである。
【0019】
スキャナ部2は、セットされた原稿の画像を読み取って画像データを得る公知の装置である。プリンタ部3は、電子写真方式等により画像を形成するものであり、ここでは画像プロセス部4と、給送部5と、定着部6および制御部7を備えている。
画像プロセス部4は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各再現色のそれぞれに対応する作像ユニット10Y、10M、10C、10Kと、光学ユニット11と、中間転写ベルト12などを備える。
【0020】
中間転写ベルト12は、駆動ローラ31と、従動ローラ33と、テンションローラ32に張架されており、矢印B方向に循環駆動される。
作像ユニット10Y〜10Kは、中間転写ベルト12に対向してベルト走行方向上流側から下流側に沿って所定間隔で直列に配置されている。作像ユニット10Yは、像担持体としての感光体ドラム21と、その周囲に配設された帯電部22と、現像部23と、中間転写ベルト12を挟んで感光体ドラム21と対向する一次転写ローラ24と、クリーナ25などを備えている。この構成は、他の作像ユニット10M〜10Kについて同様であり、同図では符号を省略している。以下、作像ユニットの構成部分の番号に再現色としてのY、M、C、Kを添字として付加して再現色毎に対応するものを区別することとする。
【0021】
光学ユニット11は、プリントヘッド26、4つの反射ミラー27およびPH温度検出センサ28などを備える。プリントヘッド26は、再現色用として4個のレーザーダイオードと、各レーザーダイオードから出射されるレーザービームを偏向して感光体ドラム21Y〜21Kの表面を主走査方向に露光走査させるためのポリゴンミラーや走査レンズ等を備える。プリントヘッド26から出力される4本のレーザービームは、それぞれが対応する反射ミラー27により反射される。これにより感光体ドラム21Y〜21K表面が露光走査される。PH温度検出センサ28は、光学ユニット11内の温度を示す信号を制御部7に送る。
【0022】
なお、図1では、4本のレーザービームの光路を簡略化して記載しており、これらのうちのY、M、Cの3本については後述のスキュー調整機構の構成において詳細に説明する。
給送部5は、記録シートSを収容する給紙カセット41、42、給紙カセット41、42内の記録シートSを1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ43、44、繰り出された記録シートSを搬送する搬送ローラ対45、二次転写位置48に記録シートSを送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対46と、二次転写位置48において中間転写ベルト12を挟んで駆動ローラ31に圧接される二次転写ローラ47などを備えている。定着部6は、ヒータ(不図示)を備え、所定の定着温度に維持される。
【0023】
このような構成において、コピー等のジョブの実行指示を受け付けると、スキャナ部2により原稿画像の読み取りが開始され、読み取られた画像データが順次、制御部7に送られる。制御部7は、受信した画像データを各再現色の画像データに変換し、位置ずれ補正のための必要な画像補正を施した後、各色毎にレーザーダイオードの駆動信号を生成する。生成された駆動信号により光学ユニット11の各レーザーダイオードが駆動され、レーザービームが出射される。
【0024】
作像ユニット10Y〜10Kでは、矢印A方向に回転する感光体ドラム21Y〜21Kがクリーナ25Y〜25Kにより清掃された後、帯電部22Y〜22Kにより一様に帯電され、帯電された感光体ドラム21Y〜21Kの表面が光学ユニット11からのレーザービームにより露光されて潜像が形成される。形成された潜像は、現像部23Y〜23Kによってトナーにより現像される。一次転写ローラ24Y〜24Kには、一次転写電圧が印加されており、現像された各色トナー像は、一次転写ローラ24Y〜24Kの電界の作用により感光体ドラム21Y〜21Kから中間転写ベルト12上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト12上の同位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト12上の各色トナー像は、中間転写ベルト12の走行により二次転写位置48に移動する。
【0025】
中間転写ベルト12上への各色トナー像の移動タイミングに合わせて、給送部5からは、制御部7により選択された給紙カセットから記録シートSがタイミングローラ対46を介して給送されて来ており、その記録シートSは、循環駆動される中間転写ベルト12と二次転写ローラ47の間に挟まれて搬送される。二次転写位置48において二次転写ローラ47による電界の作用により静電的に中間転写ベルト12上の各色トナー像が一括して記録シートSに二次転写される。
【0026】
二次転写位置48を通過した記録シートSは、定着部6に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて記録シートSに定着された後、排出ローラ対51により機外に排出され、収容トレイ52に収容される。
上記では、カラー画像形成動作を説明したが、複写機1は、カラーモードだけでなくモノクロモード、例えばブラック色だけの画像形成が選択的に可能になっている。モノクロモードの場合には、ブラック色の作像ユニット10Kだけが駆動されてブラック色のトナー像が中間転写ベルト12に一次転写され、そのトナー像が記録シートSに二次転写される動作が実行される。
【0027】
イメージリーダ部13の前面の操作しやすい位置には、操作パネル8が設けられている。操作パネル8には、コピー枚数を入力するためのテンキー、コピー開始を指示するためのコピースタートキー、画像形成モードを選択するためのキーに加えて、複写機1の状態、例えばジョブ実行可能であることなどを示すメッセージ画面が表示されるタッチパネル式の液晶表示部が備えている。
【0028】
また、作像ユニット10Kよりも中間転写ベルト12のベルト走行方向において下流側かつ二次転写位置48よりも上流側の位置には、中間転写ベルト12の表面と対向するようにして基準パターン検出部34が配設されている。
図2は中間転写ベルト12を図1に示す矢印D方向から見たときの、中間転写ベルト12上に形成される基準パターン101、102の構成例を示す平面図である。
【0029】
基準パターン検出部34は、2個のパターン検出センサ34a、34b(図2)が主走査方向(ベルト走行方向D(副走査方向に相当)と直交する方向)に1直線上に配設されてなる。各パターン検出センサ34a、34bは、それぞれが発光ダイオードなどの発光素子とフォトダイオードなどの受光素子を内蔵した反射型の光学センサである。これにより中間転写ベルト12表面に形成された基準パターン101等(図2)が検出される。
【0030】
また、装置内部であってタイミングローラ対46の付近には、装置内の温湿度を検出するための機内温湿度センサ49が配置されている。機内温湿度センサ49からの温度を示す信号は、制御部7に送られる。
<スキュー調整機構の構成>
図3は、Y、M、Cのそれぞれにおけるスキュー調整機構の概略を示す図である。
【0031】
ここで、ポリゴンモータ61、及びポリゴンミラー62は、図1のプリントヘッド26内に含まれ、偏向ミラー63、及び可変偏向ミラー64は、図1の反射ミラー27に相当する。
図3に示すように、ポリゴンモータ61の駆動によりポリゴンミラー62が回転し光学ユニット11からのレーザービームを走査し、走査されたレーザービームは偏向ミラー63、可変偏向ミラー64によって反射されて感光体66に照射される。またステッピングモータ65を駆動して可変偏向ミラー64を移動(あるいは揺動)させて角度を変えその反射面の方向を変化させることにより、主走査方向の傾きを変化させスキュー調整を行う。
【0032】
<機能構成>
図4は、本発明の複写機の機能構成を示す図である。
図4に示すように、本発明の複写機70は、状態記憶部71と、判断部72と、初期駆動部73と、調整部74とを備える。
図5は、状態記憶部71のアドレスマップを示す図である。
【0033】
状態記憶部71は、EEPROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体であり、図5に示すように、Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65の基準状態からの駆動量201(ステップ数)と、ステッピングモータ65の位置制御用の入力パルスの入力順序202(2パルス入力における4つの状態のうちのいずれであるかを示す)と原点から基準位置までの駆動量(ステップ数)を示す基準位置情報203とを記憶し、また、Y、M、Cの全てについて、駆動量201により想定される可変偏向ミラー64の位置が実際の位置とみなせないことを示す情報である無効フラグ204と、前回の色ずれ補正が正常に終了しなかったことを示す異常フラグ205と、前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたことを示す色ずれフラグ206とを記憶する。
【0034】
判断部72は、スキュー調整直前に、状態記憶部71に記憶されている無効フラグ204の状態をチェックして、駆動量201が有効なデータであるか否かを判断し、状態記憶部71に記憶されている異常フラグ205の状態をチェックして、前回の色ずれ補正が正常に終了したか否かを判断し、状態記憶部71に記憶されている色ずれフラグ206の状態をチェックして、前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたか否かを判断する。
【0035】
具体的には、無効フラグ204がオフ(0)であれば駆動量201が有効なデータであると判断し、オン(1)であれば駆動量201が有効でないデータであると判断し、異常フラグ205がオフ(0)であれば前回の色ずれ補正が正常に終了したと判断し、オン(1)であれば正常に終了しなかったと判断し、色ずれフラグ206がオフ(0)であれば前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしなかったと判断し、オン(1)であれば色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたと判断する。
【0036】
初期駆動部73は、スキュー調整時において、判断部72により駆動量201が有効なデータであると判断されなかった場合に、初期位置復帰動作を行う。
具体的には、ステッピングモータ65を位置制御することなく、可変偏向ミラー64の動作領域に相当する100ステップ分だけ原点方向へ駆動して可変偏向ミラー64の原点出しを行った後に、ステッピングモータ65を位置制御して所定ステップ分(50ステップ)だけ原点とは逆方向に駆動して可変偏向ミラー64を基準位置に移動(あるいは基準角度に揺動)させ、状態記憶部71に記憶されている駆動量201を基準状態を示す基準値(0)に置き換える。
【0037】
調整部74は、初期駆動部73による処理の後に、基準パターン検出部34による検出結果と、状態記憶部71に記憶されている駆動量201及び入力順序202とに基づいて、ステッピングモータ65を位置制御しつつ駆動することにより、可変偏向ミラー64を移動(あるいは揺動)させてスキュー調整を行い、状態記憶部71に記録されている駆動量201を、スキュー調整が正常に終了した際のステッピングモータ65の基準状態からの駆動量に置き換え、また、スキュー調整以外の他の色ずれ補正処理を実施する。
【0038】
ここで、調整部74は、駆動量201が有効なデータである場合であって、かつ前回の色ずれ補正が正常に終了したと判断された場合であって、かつ前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されなかったか又は所定値以上の補正をしなかった場合には簡易レジスト補正を実施し、駆動量201が有効なデータである場合、前回の色ずれ補正が正常に終了したと判断されなかった場合、又は前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をした場合にはフルレジスト補正を実施する。
【0039】
ここでフルレジスト補正とは、副走査レジスト調整用のレジストパターンを印字して、副走査方向の色ずれを検出し、これをもとにスキュー量を算出し、副走査レジスト調整、及びスキュー調整を行った後に、主走査レジスト調整用のレジストパターンを印字して、主走査レジスト調整を行うものである。
また簡易レジスト補正とは、主走査レジスト調整用と副走査レジスト調整用とが混在したレジストパターンを、1つの印字コマンドで一度に印字して、主走査方向と副走査方向との両方の色ずれを検出し、これをもとにスキュー量を算出し、主走査レジスト調整、副走査レジスト調整、及びスキュー調整を行うものであり、フルレジスト補正に比べて、検出用のパターン数は少なく、また各パターン長も短い。
【0040】
<色ずれ補正の動作>
色ずれ補正は、例えば前回色ずれ補正をしてから規定の面数(500面〜1000面程度)を複写した時や、PH温度検出センサ28により検出されるプリンタヘッドの温度が前回色ずれ補正をした時よりも規定の温度(5℃〜10℃程度)以上の差が生じた時、機内温湿度センサ49により検出される複写機内の温度が前回色ずれ補正をした時よりも規定の湿度(5%〜10%程度)以上の差が生じた時、あるいは、電源ONの際に異常フラグ205がセットされている時等、所定の条件が満たされたときに行われる。
【0041】
図6は、本発明の実施の形態1における色ずれ補正の動作の手順を示す図である。
以下に図6を用いて、色ずれ補正の動作の手順を説明する。
(1)判断部72が無効フラグ204の状態をチェックして、駆動量201が有効なデータであるか否かを判断する(ステップS1)。
(2)駆動量201が有効なデータであると判断された場合には(ステップS1:Yes)、判断部72が異常フラグ205の状態をチェックして、前回の色ずれ補正が正常に終了したか否かを判断する(ステップS2)。
【0042】
(3)前回の色ずれ補正が正常に終了したと判断された場合には(ステップS2:Yes)、判断部72が色ずれフラグ206の状態をチェックして、前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたか否かを判断する(ステップS3)。
(4)前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたと判断されなかった場合には(ステップS3:No)、調整部74が簡易レジスト補正を開始し、まず異常フラグ205をセットする(ステップS4)。
【0043】
(5)ステップS4に続き、調整部74が副走査レジスト調整と主走査レジスト調整とをいっしょに実施する(ステップS5)。
(6)ステップS5に続き、調整部74がスキュー調整を実施する(ステップS6)。
(7)駆動量201が有効なデータであると判断されなかった場合には(ステップS1:No)、初期駆動部73が初期位置復帰動作を行う(ステップS7)。
【0044】
(8)ステップS7に続き、あるいは、前回の色ずれ補正が正常に終了したと判断されなかった場合(ステップS2:No)、前回の色ずれ補正の際に色ずれが検出されて所定値以上の補正をしたと判断された場合(ステップS3:Yes)には、調整部74がフルレジスト補正を開始し、まず異常フラグ205をセットする(ステップS8)。
(9)ステップS8に続き、調整部74が副走査レジスト調整を実施する(ステップS9)。
【0045】
(10)ステップS9に続き、調整部74がスキュー調整を実施する(ステップS10)。
(11)ステップS10に続き、調整部74が主走査レジスト調整を実施する(ステップS11)。
(12)ステップS6、あるいはステップS11に続き、異常フラグ205をクリアする(ステップS12)。
【0046】
<スキュー調整の動作>
図6のステップS6、及びステップS10におけるスキュー調整の詳細について説明する。
図7は、本発明の実施の形態1におけるスキュー調整の動作の手順を示す図である。
(1)無効フラグ204をセットする(ステップS21)。
【0047】
(2)テストパターンを印字し、基準パターン検出部34による検出結果に基づいて、Y、M、Cのそれぞれについてスキュー量を算出する(ステップS22)。
(3)Y、M、Cのそれぞれについて、ステップS22で算出したスキュー量をステッピングモータ65の駆動量A(ステップ数)に換算する(ステップS23)。
(4)状態記憶部71に記憶されている駆動量201と入力順序202とを読み出す(ステップS24)。
【0048】
(5)Y、M、Cのそれぞれについて、ステップS23で換算した駆動量Aと、ステップS24で読み出した駆動量201とを加算して、これから駆動すべき基準位置からの駆動量B(ステップ数)を算出する(ステップS25)。
(6)Y、M、Cのそれぞれについて、ステップS25で算出した駆動量Bが、可変偏向ミラー64の動作許可範囲(−230〜+230ステップ)に含まれているか否かを判断する(ステップS26)。
【0049】
(7)Y、M、Cの全てについて、駆動量Bが動作許可範囲に含まれている場合には(ステップS26:Yes)、Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65を入力順序202に基づいて、ステッピングモータ65を前回のスキュー調整の際の最終位置から継続的に駆動量Aだけ駆動させて、スキュー調整を行う(ステップS27)。
(8)Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65の駆動後に、状態記憶部71に記憶されている駆動量201をステップS25で算出した駆動量Bに更新し、状態記憶部71に記憶されている入力順序202を現状に相応する値に更新する(ステップS28)。
【0050】
(9)無効フラグ204をクリアする(ステップS29)。
(10)Y、M、Cのいずれかについて、駆動量Bが動作許可範囲に含まれていない場合には(ステップS26:No)、割り込みを発生させ、割り込み処理において、動作許可範囲を外れた旨のエラーメッセージを表示する等により、サービスによる修理を要請する(ステップS30)。
【0051】
<初期位置復帰の動作>
図6のステップS7における初期位置復帰動作の詳細について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における初期位置復帰動作の手順を示す図である。
(1)Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65を可変偏向ミラー64の動作領域に相当する100ステップ分だけ原点方向へ駆動して、可変偏向ミラー64の原点出しを行う(ステップS31)。
【0052】
(2)ステップS31に続き、Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65を所定ステップ分(50ステップ)だけ原点とは逆方向に駆動して、可変偏向ミラー64を基準位置に移動させる(ステップS32)。
なお、本発明の実施の形態1では所定ステップ分を各色一律に50ステップとしているが、この所定ステップ分は、各色ごとに異なる値であってもよいし、また、図5に示すように、予め状態記憶部71に、Y、M、Cのそれぞれについて、基準位置情報203として記憶しておき、これを読み出して使用してもよい。
【0053】
(3)Y、M、Cのそれぞれについて、ステッピングモータ65の駆動後に、状態記憶部71に記憶されている駆動量201を基準状態を示す基準値(0)に置き換え、状態記憶部71に記憶されている入力順序202を現状に相応する値に更新する(ステップS33)。
なお、ステッピングモータ65は、位置制御が可能なアクチュエータであれば何でもよい。
【0054】
また、本発明の実施の形態1では、ステッピングモータ65の位置制御は2パルス入力としているが、2パルスを超える複数パルス入力であってもよい。また入力順序202は、現在位置から継続的に駆動するために必要なデータであればよいので、例えばユニポーラ型ステッピングモータにおける励磁相のように使用するアクチュエータを直接駆動するための情報であってもよいし、モータドライバを使用する場合にはモータドライバに入力するための制御用のパルスであってもよい。
【0055】
<まとめ>
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、スキュー調整において、現在位置からアクチュエータの原点出しをせずに駆動するために必要な情報と、これらの情報が有効であるか否かを示す情報を不揮発性メモリに記録しておき、これらの情報が有効であるか否かが判断でき、最低限必要な場合にのみ原点出し動作を行うことができるので、アクチュエータの原点出し動作を頻繁に行うことなく、かつ不測の事態が発生したとしても誤動作することなく正常にスキュー調整を行うことができる。
【0056】
従って、ユーザの利便性を著しく損ねることがなく、さらに、原点出し用のセンサーを備えないセンサーレスの場合においては、原点出し動作の度に発生する振動や音がメカ機構にダメージを与えたり、ユーザに不安感を与えるようなことが実質的にほとんどなくなるという顕著な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、複写機、プリンタ、及びファクシミリ等の画像形成装置に広く適用することができる。本発明によって、スキュー調整機構において、オープンループ制御のアクチュエータを用い、別途絶対位置を検出するセンサー等を備えず、さらに原点出し用のセンサーを備えないような極めて単純で安価な構成を用いたたとしても、遜色なく稼動させることができるので、画像形成装置の低価格化を促進し画像形成装置の普及に寄与することができその産業的利用価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の複写機1の全体の構成を示す図である。
【図2】中間転写ベルト12を図1に示す矢印D方向から見たときの、中間転写ベルト12上に形成される基準パターン101、102の構成例を示す平面図である。
【図3】Y、M、Cのそれぞれにおけるスキュー調整機構の概略を示す図である。
【図4】本発明の複写機の機能構成を示す図である。
【図5】状態記憶部71のアドレスマップを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1における色ずれ補正の動作の手順を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるスキュー調整の動作の手順を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1における初期位置復帰動作の手順を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 複写機
2 スキャナ部
3 プリンタ部
4 画像プロセス部
5 給送部
6 定着部
7 制御部
8 操作パネル
10 作像ユニット
10Y〜10K 作像ユニット
11 光学ユニット
12 中間転写ベルト
13 イメージリーダ部
21 感光体ドラム
21Y〜21K 感光体ドラム
22 帯電部
22Y〜22K 帯電部
23 現像部
23Y〜23K 現像部
24 一次転写ローラ
24Y〜24K 一次転写ローラ
25 クリーナ
25Y〜25K クリーナ
26 プリントヘッド
27 反射ミラー
28 PH温度検出センサ
31 駆動ローラ
32 テンションローラ
33 従動ローラ
34 基準パターン検出部
34a、34b パターン検出センサ
41、42 給紙カセット
43、44 繰り出しローラ
45 搬送ローラ対
46 タイミングローラ対
47 二次転写ローラ
48 二次転写位置
49 機内温湿度センサ
51 排出ローラ対
52 収容トレイ
61 ポリゴンモータ
62 ポリゴンミラー
63 偏向ミラー
64 可変偏向ミラー
65 ステッピングモータ
66 感光体
70 複写機
71 状態記憶部
72 判断部
73 初期駆動部
74 調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に走査する光源から副走査方向に回転する感光体に至る光路の途中に、位置制御が可能なアクチュエータにより揺動されるミラーが設けられた画像形成装置において、アクチュエータを駆動してミラーの角度を調整することによりスキュー調整を行うスキュー調整方法であって、
前記画像形成装置は、アクチュエータの基準状態からの駆動量を記憶するとともに、記憶している駆動量により想定されるミラーの角度がミラーの実際の角度とみなせないことを示す無効情報を記録している状態記憶手段を備え、
スキュー調整方法は、
スキュー調整直前に、前記状態記憶手段に記憶している無効情報をチェックして、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであるか否かを判断する判断ステップと、
スキュー調整時において、判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には何もせず、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、アクチュエータを位置制御することなく駆動してミラーを基準角度まで揺動させ、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量を基準状態を示す基準値に置き換える初期駆動ステップと、
初期駆動ステップの後に、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量に基づいて、アクチュエータを位置制御しつつ駆動することによりスキュー調整を行い、前記状態記憶手段に記憶されている駆動量を、スキュー調整が正常に終了した際の、アクチュエータの基準状態からの駆動量に置き換える調整ステップと
を含むことを特徴とするスキュー調整方法。
【請求項2】
前記アクチュエータは、ステッピングモータを含む、複数の入力パルスの入力順序により位置制御されるモータであり、
前記状態記憶手段は、さらに、前記複数の入力パルスの入力順序を記録し、
前記初期駆動ステップは、前記ミラーを基準角度に揺動させた時には、さらに、前記状態記憶手段に記憶されている入力順序を初期値にし、
前記調整ステップは、スキュー調整を、さらに、前記状態記憶手段に記憶されている入力順序に基づいて行うこと
を特徴とする請求項1に記載のスキュー調整方法。
【請求項3】
前記無効情報はフラグであり、前記判断ステップによる無効情報の状態のチェックの後、かつ前記初期駆動ステップによる前記アクチュエータの駆動と駆動量の置き換え、及び、前記調整ステップによる前記アクチュエータの駆動と前記調整ステップによる駆動量の置き換えの前にセットされ、前記調整ステップによる前記アクチュエータの駆動と駆動量の置き換えの後にクリアされること
を特徴とする請求項1に記載のスキュー調整方法。
【請求項4】
前記調整ステップは、
前記判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、正規のレジストパターンを作成し、これを読み取ってスキュー調整を行い、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には、正規のレジストパターンよりもパターン量が少ない簡易のレジストパターンを作成し、これを読み取ってスキュー調整を行うこと
を特徴とする請求項1に記載のスキュー調整方法。
【請求項5】
前記調整ステップは、
前記判断ステップにより前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、まず副走査レジスト調整を行い、その後前記スキュー調整を行い、続いて主走査レジスト調整を行い、前記状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には、まず副走査レジスト調整と主走査レジスト調整とをいっしょに行い、その後前記スキュー調整を行うこと
を特徴とする請求項1に記載のスキュー調整方法。
【請求項6】
主走査方向に走査する光源から副走査方向に回転する感光体に至る光路の途中に、位置制御が可能なアクチュエータにより揺動され角度が変えられるミラーが設けられた画像形成装置であって、
アクチュエータの基準状態からの駆動量を記憶するとともに、記憶している駆動量により想定されるミラーの角度がミラーの実際の角度とみなせないことを示す無効情報を記録している状態記憶手段と、
スキュー調整直前に、状態記憶手段に記憶している無効情報をチェックして、状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであるか否かを判断する判断手段と、
スキュー調整時において、判断手段により状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断された場合には何もせず、状態記憶手段に記憶している駆動量が有効なデータであると判断されなかった場合には、アクチュエータを位置制御することなく駆動してミラーを基準角度まで揺動させ、状態記憶手段に記憶されている駆動量を基準状態を示す基準値に置き換える初期駆動手段と、
初期駆動手段による処理の後に、状態記憶手段に記憶されている駆動量に基づいて、アクチュエータを位置制御しつつ駆動してミラーの角度を調整することによりスキュー調整を行い、状態記憶手段に記憶されている駆動量を、スキュー調整が正常に終了した際の、アクチュエータの基準状態からの駆動量に置き換える調整手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−132677(P2008−132677A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320757(P2006−320757)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】