説明

絶縁膜及び半導体装置の作製方法

【課題】複数の空孔を有する絶縁膜の形成方法を提案する。また、高集積化された半導体装置の歩留まり高い作製方法を提案する。
【解決手段】層間絶縁膜の低誘電率化の方法として、レーザ光を用いて層間絶縁膜中に複数の空孔を作成形成してすることにより、多孔質の絶縁膜を形成することを特徴とする。また、インクジェット法に代表される液滴吐出法を用いて、前記多孔質の絶縁膜に導電性粒子を含む組成物を吐出し、焼成して配線を形成する。レーザ光としては、超短パルスレーザーレーザ光を用いることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザを用いた多孔質の絶縁膜の作製方法と、インクジェット法に代表される液滴吐出法を用いた配線基板、及び半導体素子を有する半導体装置の作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(大規模集積回路)において、高集積化のための半導体素子の各部位を構成する膜の薄膜化により、多層配線間での信号遅延が高速化の障害となっている。この信号遅延は、配線抵抗値と配線間容量に依存するため、LSIの更なる高性能化には、より低抵抗な配線材料と低誘電率な層間絶縁膜材料の導入が求められている。
【0003】
配線の低抵抗化に関しては、従来のアルミニウム(Al)に代わり、より低抵抗な銅(Cu)配線の検討が本格化しており、配線プロセスも従来のAlギャップフィル法からCuダマシン法へと移行している。Cuダマシン法では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが用いられている。CMPは、Cu配線上に形成された余分なCuを、基板に荷重をかけながらスラリとパッドを使って研磨除去する方法である。
【0004】
一方、配線間容量の低減に関しては、従来の酸化珪素(SiO)膜から、より誘電率の低い有機材料、無機材料が盛んに提案、検討されている。層間絶縁膜の比誘電率を低下させるためには、分極率と密度を小さくすることが考えられる。
【0005】
有機材料は、容積あたりの分極率が酸化珪素膜に比べて小さい。このため、比誘電率が低くなる。従って、有機材料や、シロキサンと有機分子をハイブリッド化させた材料を用いることで、層間絶縁膜の比誘電率の低下を施したものがある。また、C−F結合を有するパーフルオロカーボンポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)の分極率が最小であるため、該材料を用いて層間絶縁膜を形成し、比誘電率の低下を施したものがある。(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
また、比誘電率を低下させるために、低密度化、すなわち膜構造を多孔質化することが検討されている。多孔質化は、比誘電率2以下を実現する方法として、注目さている。
【0007】
上記比誘電率の低い層間絶縁膜の作製方法としては、プラズマCVD法やスピン塗布法等が用いられている。
【非特許文献1】「ニッケイマイクロデバイス」,日経BP社,2004年,11月号,pp.58〜65
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、Cuダマシン法では、CMPプロセスが用いられている。このため、層間絶縁膜は、上からの圧力やせん断応力などのストレスがかかる。そのため、CMPプロセスに耐えうる層間絶縁膜の機械強度と、上下層との密着性の低下が問題となる。
【0009】
また、Cuダマシン法は、研磨工程がある。このため、表示装置のような大面積基板上の半導体素子の作製工程では、研磨のバラツキが生じやすい。このため、配線の短絡、配線膜厚のバラツキ等の問題が生じ、歩留まり高く半導体装置を作製することが困難である。
【0010】
一方、複数の空孔を有する絶縁膜(多孔質の絶縁膜)は、膜内に複数の空孔を有しているため、エッチングや異種材料との界面状態が問題となる。具体的には、コンタクトホールを形成する際に、エッチングガスが空孔を介して絶縁膜中に拡散し、絶縁膜内部で反応し、不純物の付着や絶縁膜中のエッチングが進行する可能性がある。この結果、歩留まり高く半導体装置を作製することが困難である。
【0011】
また、多孔質の絶縁膜は、機械強度は著しく低いため、低誘電率化とCMP工程に耐えられる強度を有することとの両立は困難を極め、歩留まりの低下を招く。
【0012】
また、基板上に熱処理によって蒸発する分子を混入した材料を塗布し加熱して多孔質の絶縁膜を作製する方法では、空孔の形及び大きさが一定にならない。また、複数の空孔がつながり、より大きな空孔になることで、ミクロ領域での膜厚分布のばらつき等の問題が生じる。この結果、層間絶縁膜の比誘電率が部分的に異なり、半導体装置のバラツキが生じるという問題がある。
【0013】
本発明は、以上の問題点を鑑み、複数の空孔を有する絶縁膜の新規の形成方法を提案する。また、歩留まり高く高集積化された半導体装置の作製方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、レーザ光を用いて絶縁膜中に複数の空孔を形成して、多孔質の絶縁膜を形成することを要旨とする。また、インクジェット法に代表される液滴吐出法を用いて、導電性粒子を含む組成物を吐出し、焼成して配線を形成することを可能とする。レーザ光としては、超短パルスレーザ光(以下、fsレーザと称す。)を用いることが好ましい。
【0015】
本発明により、有機、無機材料に関わらず絶縁膜を低誘電率化することが可能である。また、多孔質の絶縁膜の複数の空孔の大きさ、径、密度、形状等を制御することが可能となる。また、複数の空孔の大きさの形成位置を制御出来るため、複数の空孔がつながることが無く、均一な密度の絶縁膜を形成することができる。また、CMP工程を用いた後に複数の空孔を形成することが可能となり、複数の空孔による機械強度の低下についての問題点は解決される。
【0016】
また、レーザ光を照射して空孔を形成するため、規則的に配置された空孔やランダムに配置された空孔を形成することが可能である。
【0017】
更には、部分的に空孔の密度を変化させることが可能である。このため、多層配線の間に形成される絶縁膜において、空孔の密度を高め、比誘電率を低下させることが可能である。このとき、部分的にレーザ光を照射して、空孔の密度を高めても良い。また、第1の条件でレーザ光を照射して絶縁膜全体に均一な密度の空孔を形成した後、第2の条件でレーザ光を照射して部分的に空孔の密度を高めても良い。
【0018】
また、空孔の形状を制御することが可能であるため、球状の空孔、連続的に繋がった構造の空孔を形成することが可能である。
【0019】
本発明の一は、基板上に第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜に超短パルスレーザから射出されるレーザ光を照射して複数の空孔を形成して、多孔質の絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の形成方法である。
【0020】
また、本発明の一は、基板上に第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜を覆う第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜に超短パルスレーザから射出される第1のレーザ光を照射して複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成した後、前記多孔質の絶縁膜の一部をエッチングして前記第1の導電膜を露出する共にコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールに液滴吐出法により導電性粒子を有する液状物質を吐出し、前記導電性粒子を有する液状物質の一部に第2のレーザ光を照射して前記導電性粒子で形成される第2の導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の形成方法である。
【0021】
また、本発明の一は、基板上に第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜を覆う第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜の一部をエッチングして前記第1の導電膜を露出する共にコンタクトホールを形成した後、前記第1の絶縁膜に超短パルスレーザから射出される第1のレーザ光を照射して複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成した後、前記コンタクトホールに液滴吐出法により導電性粒子を有する液状物質を吐出し、前記導電性粒子を有する液状物質の一部に第2のレーザ光を照射して前記導電性粒子で形成される第2の導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の形成方法である。
【0022】
前記複数の空孔の径は、1〜2000nmであることを特徴とする。
【0023】
また、前記第1の絶縁膜は、前記レーザ光を透過する材料で形成する。
【0024】
また、前記第2の導電膜は、前記導電性粒子が不規則に重なり合って形成されている。
【0025】
また、本発明の絶縁膜を有する半導体素子としては、TFT、電界効果トランジスタ(FET)、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、有機半導体トランジスタ、MIM素子、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、容量素子、抵抗素子等が挙げられる。また、TFTとしては、順スタガ型TFT、逆スタガ型TFT(チャネルエッチ型TFT又はチャネル保護型TFT)、コプレナー型のボトムゲートTFT、トップゲートTFTがあげられる。
【0026】
また、本発明において、半導体装置としては、半導体素子で構成された集積回路、表示装置、無線タグ、ICタグ等が挙げられる。表示装置としては、代表的には液晶表示装置、発光表示装置、DMD(Digital Micromirror Device;デジタルマイクロミラーデバイス)、PDP(Plasma Display Panel;プラズマディスプレイパネル)、FED(Field Emission Display;フィールドエミッションディスプレイ)、電気泳動表示装置(電子ペーパー)等の表示装置があげられる。
【0027】
なお、本発明において、表示装置とは、表示素子を用いたデバイス、即ち画像表示デバイスを指す。また、表示パネルにコネクター、例えばフレキシブルプリント配線(FPC:Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)やCPUが直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、複数の空孔を有する多孔質の絶縁膜を形成することができ、低誘電率の絶縁膜を形成することができる。本発明では、非多孔質の絶縁膜に複数の空孔を形成するため、CMP工程等の処理を行った後、非多孔質の絶縁膜に複数の空孔を形成して、多孔質の絶縁膜を形成することができる。このため、従来の多孔質の絶縁膜と異なり、高集積化された半導体装置の作製工程において、CMP工程による絶縁膜の破壊を防ぐことが可能である。
【0029】
また、大面積基板上に形成された絶縁膜を用いて、多孔質の絶縁膜を形成することができる。このため、歩留まり高く表示装置を形成することができる。また、多孔質の絶縁膜は、比誘電率が低いため、各配線間の寄生容量を緩和することが可能である。このため、層間絶縁膜の膜厚を薄くすることが可能であり、表示装置のスループットを向上させることが可能である。
【0030】
また、絶縁膜の一部にコンタクトホールを形成した後、絶縁膜中に複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成することが可能であるため、コンタクトホールの側壁から絶縁膜中にエッチングガスが侵入、拡散することを防ぐことが可能である。この結果、歩留まり高く半導体装置を作製することができる。
【0031】
また、多孔質の絶縁膜の複数の空孔の大きさ、位置、密度を制御することが可能であるため、比誘電率が均一な絶縁膜を形成することが可能である。また、複数の配線間に形成される空孔による短絡を防止することが可能であり、歩留まり高く、高集積化された半導体装置を作製することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる。
【0033】
(実施の形態1)
本実施の形態では、空孔(空隙、ポア(pore)等とも言う。)を有する絶縁膜の作製方法とCMP工程を用いない金属配線の形成方法について説明する。即ち、絶縁膜を形成後、fsレーザを用いて空孔を作製する方法について説明する。また、金属配線には導電性材料を含む組成物を、液滴吐出法を用いて吐出して形成する方法について説明する。
【0034】
本発明の実施の形態について、図1(A)を用いて説明する。本実施の形態では、通常の半導体デバイスの製造プロセスにより形成されたトランジスタ等の素子(図示せず)を有する絶縁性基板100を用いる。
【0035】
次いで、絶縁性基板100上に金属配線102を形成する。金属配線102は、まず金属膜を印刷法、無電解メッキ法、電解メッキ法、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、蒸着法等の公知の方法により形成する。次に、通常のリソグラフィー技術により、金属配線が形成される領域の金属膜上にレジストパターンを形成する。続いて、上記レジストパターンをマスクに用いて金属膜をエッチングすることにより、上記金属配線102を形成する。金属配線102には、高融点材料であるタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属またはその合金、若しくはその金属窒化物を適宜用いることができる。また、これら複数の層を積層して形成しても良い。代表的には、基板表面に窒化タンタル(TaN)膜、その上にタングステン膜を積層してもよい。また、低融点材料であるアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)を用いて導電膜を形成しても良い。また、珪素に一導電型を付与する不純物元素を添加した材料を用いても良い。例えば、非晶質珪素膜にリン(P)などのn型を付与する不純物元素が含まれたn型を有する珪素膜などを用いることができる。
【0036】
次に、金属配線102を覆うように絶縁膜103を形成する(図1(B)参照。)。絶縁膜103は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)などを適宜用いることができる。なお、低い成膜温度でリーク電流の少ない緻密な絶縁膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませて、形成される絶縁膜中に希ガス元素を混入させると良い。
【0037】
これらの材料で形成される絶縁膜103は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法等の公知の方法形成することが出来る。その後、必要に応じてCMPや、熱処理によって膜を軟化、流動させて平坦化させるリフロープロセス等の平坦化技術によって、絶縁膜103の表面を平坦化する。
【0038】
また、絶縁膜103の材料として、二酸化珪素にリンを添加したPSG(リンシリケートガラス)、二酸化珪素にリン及びボロンを添加したBPSG(ホウ素リンリシケートガラス)、二酸化珪素にフッ素を添加したSiOF、ポリイミド、ポリアリルエーテルやフッ素が添加されたポリフルオロアリルエーテルに代表される芳香族エーテル、芳香族炭化水素、BCB(Benzocyclobutene)に代表されるシクロブタン誘導体などを用いることもできる。また、MSQ(メチルシルセスキオキサン)、HSQ(ハイドロシルセスキオキサン)、MHSQ(メチルハイドロシルセスキオキサン)等のシロキサン結合を有する絶縁膜を形成することができる。なお、シロキサン結合を有する絶縁膜の一般的な組成はSiOxCyHzである。
【0039】
これらの材料で形成される絶縁膜103は、材料を塗布法や液滴吐出法を用いて塗布または吐出した後、乾燥、焼成を行って形成する。また、プラズマCVD法により形成することができる。なお、塗布法や液滴吐出法で形成する場合、多孔質とならないよう形成条件を適宜用いることが好ましい。
【0040】
本実施の形態では、有機シロキサンポリマーをスピンコート法によって塗布し焼成して、絶縁膜103を形成する。
【0041】
次に、コンタクトホール104を形成する(図1(C)参照。)。形成方法について図2を用いて説明する。絶縁膜103上にスピンコート法に代表される塗布法を用いてフォトレジストを塗布し焼成した後、フォトリソ工程を用いてレジストマスク201a、マスク201bを形成する。(図2(A)参照。)。
【0042】
マスクは、感光剤を含む市販のレジスト材料を用いてもよく、例えば、ノボラック樹脂と感光剤であるナフトキノンジアジド化合物、ジフェニルシランジオール及び酸発生剤などを用いてもよい。いずれの材料を用いるとしても、その表面張力と粘度は、溶媒の濃度を調整したり、界面活性剤等を加えたりして適宜調整する。
【0043】
本実施の形態では、断面形状がテーパーの付いた台形形状であるレジストマスクを示したが、マスク202a、マスク202bに示すような長方形の形状を有するレジストマスクを用いても良い(図2(B)参照)。この場合、長方形の形状のコンタクトホール203が形成される(図2(C)参照。)。
【0044】
このように微細に加工されたレジストマスク201a、201bを用いて、絶縁膜103をエッチングし、金属配線102の一部を露出するコンタクトホール104を形成する(図1(C)参照。)。
【0045】
エッチング加工は、プラズマエッチング(ドライエッチング)またはウエットエッチングのどちらを採用しても良い。エッチングガスとしては、CF、NF、SF、CHFなどのフッ素系またはCl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、あるいはOのガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成する必要はない。
【0046】
次に、レジストマスク201a、201bを除去した後、絶縁膜103中にレーザ光を照射して空孔を複数形成して、多孔質の絶縁膜105を形成する(図1(D)参照)。ここでは、レーザ光として超短光パルスレーザから射出されるレーザ光を用いる。超短光パルスレーザによる空孔の作製方法について図3を用いて説明する。超短光パルスレーザ発振器301は、パルス幅がフェムト秒(10−15秒)台で発振するレーザ発振器を用いる。該超短光パルスレーザ発振器301として用いることができるのは、サファイヤ、YAG、セラミックスYAG、セラミックスY、KGW(ポタシウムガドリニウムタングステン)、MgSiO、YLF、YVO、GdVOなどの結晶に、Nd、Yb、Cr、Ti、Ho、Erなどのドーパントを添加したレーザなどが挙げられる。fsレーザから射出されたレーザ光をミラー302で反射した後、高い開口数の対物レンズ303により絶縁膜103中で、レーザ光を集光する(図3(A)参照。)。この結果、集光点近傍において絶縁膜中に空孔306を形成することが出来る。また、XYZステージ305を用いて集光点を移動させることにより、多孔質の絶縁膜を作製する。図3(B)において、領域103aは空孔が形成されていない絶縁膜、領域103bは、多孔質の絶縁膜である。fsレーザでは、エネルギー密度の高いビーム中央部だけで加工が出来るため、通常のレーザでは、加工が困難な波長以下のfsレーザを用いることで微細加工が可能となる。
【0047】
多孔質の絶縁膜105の空孔率は、20〜90%の範囲であることが好ましい。これより空孔率が小さいと誘電率を十分に低減することが出来ない。また、大きいと機械的強度が不足する。
【0048】
また、レーザ光の集光条件及び照射条件により、図25(A)に示すような、空孔1100が均一に配列した絶縁膜1101を形成することができる。このような絶縁膜は、膜全体において密度が均一である。
【0049】
また、図25(B)に示すように、空孔1100が不均一に分散された絶縁膜1102を形成することができる。
【0050】
また、レーザ光の照射領域を選択することで、図25(C)に示すように、空孔の密度が高い領域1103a及び空孔の密度が低い領域1103bを有する絶縁膜1103を形成することが可能である。この結果、選択的に比誘電率の低い絶縁膜を形成することが可能である。
【0051】
また、レーザ光の集光点の深度を選択することで、図25(D)に示すように、膜厚方向に対して、空孔の密度が低い領域1104a及び空孔の密度が高い領域1104bを有する絶縁膜1104を形成することが可能である。
【0052】
なお、図25において、空孔の形状を球状で示したがこれに限定されるものではなく、図26(A)に示すように連続的に繋がった構造の空孔1110を有する絶縁膜1111を適宜用いることができる。このような形状の空孔は、レーザ光を照射しながら照射位置を移動することによって形成できる。更には、図26(B)に示すように、球状の空孔1100及び連続的に繋がった空孔1110を有する絶縁膜1112を、適宜用いることができる。
【0053】
この際、絶縁膜103に用いられる材料は、fsレーザの波長の光に対して透光性を有する材料、即ちfsレーザの波長の光を吸収しない材料、更に詳しくはfsレーザの波長よりもエネルギーギャップの大きい材料を用いる必要がある。透光性を有する材料内部でfsレーザを集光することにより、当該fsレーザが集光された位置たる集光点のみに多光子吸収を生じさせ、空孔を形成することが出来る。なお、多光子吸収とは、複数個の光子を同時に吸収して、光子のエネルギーの和に相当する固有状態に遷移することである。該遷移により、吸収されない波長領域の光を吸収することが可能であり、光エネルギー密度が十分に大きい集光点において、空孔を形成することが出来る。
【0054】
本実施の形態においては、多孔質の絶縁膜105の膜の表面、特にコンタクトホール104の側壁に、凹部を形成していない。このため、多孔質の絶縁膜105中にエッチングガスが拡散することを防ぐことが可能である。また、バリアメタルまたは配線等の複数の導電膜の間に、空孔が形成されることを防ぐことが可能である。このため、配線間のショートを回避することができる。多孔質の絶縁膜105中の空孔107の大きさは1〜2000nm(好ましくは1000nm以下)であり、空孔107の大きさや位置、密度等を制御しながら形成することが可能であるため、空孔の大きさの不均一による膜厚分布の不均一や、絶縁膜の比誘電率のばらつきを削減することが可能である。
【0055】
また、絶縁膜103に複数の空孔107を形成して、多孔質の絶縁膜105を形成した後、コンタクトホール104を形成しても良い。この場合、コンタクトホールの側壁には、空孔の一部が露出し凹部が形成される場合がある。このときは、後に説明するバリア膜605を形成することが好ましい(図6参照)。バリア膜605により、絶縁膜105への不純物の侵入を防ぐことができる。
【0056】
次に、コンタクトホール104上に導電性材料を含む組成物を液滴吐出法を用いて吐出して、導電膜106を形成する(図1(E)参照。)。この導電膜106の形成は、液滴吐出手段401を用いて行う。液滴吐出手段401とは、組成物の吐出口を有するノズルや、1つまたは複数のノズルを具備したヘッド等の液滴を吐出する手段を有するものの総称とする(図4(A)参照)。液滴吐出手段401が具備するノズルの径は、0.02〜100μm(好適には30μm以下)に設定し、該ノズルから吐出される組成物の吐出量は0.001pl〜100pl(好適には10pl以下)に設定する。吐出量は、ノズルの径の大きさに比例して増加する。また、被処理物とノズルの吐出口との距離は、所望の箇所に滴下するために、出来る限り近づけておくことが好ましく、0.1〜3mm(好適には1mm以下)程度に設定する。
【0057】
吐出口から吐出する組成物は、導電性材料を溶媒に溶解または分散させたものを用いる。導電性材料とは、Ag、Au、Cu、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、W、Al等の金属、Cd、Znの金属硫化物、Fe、Ti、Si、Ge、Zr、Baなどの酸化物、ハロゲン化銀等の微粒子または分散性ナノ粒子に相当する。また、透明導電膜として用いられるインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタン等に相当する。但し、吐出口から吐出する組成物は、比抵抗値を考慮して、金、銀、銅のいずれかの材料を溶媒に溶解または分散させたものを用いることが好適であり、より好適には、低抵抗な銀、銅を用いるとよい。但し、銀、銅を用いる場合には、不純物対策のため、合わせてバリア膜を設けるとよい。溶媒は、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤等を用いる。組成物の粘度は50cp以下が好適であり、これは、乾燥が起こることを防止したり、吐出口から組成物を円滑に吐出できるようにしたりするためである。また、組成物の表面張力は、40mN/m以下が好適である。但し、用いる溶媒や、用途に合わせて、組成物の粘度等は適宜調整するとよい。
【0058】
各ノズルの径や所望のパターン形状などに依存するが、ノズルの目詰まり防止や高精細なパターンの作製のため、導電体の粒子の径はなるべく小さい方が好ましく、好適には粒径0.1μm以下が好ましい。このサイズの導電体の粒子をナノ粒子と呼ぶ。組成物は、電解法、アトマイズ法または湿式還元法等の公知の方法で形成されるものであり、その粒子サイズは、一般的に約0.01〜10μmである。但し、ガス中蒸発法で形成すると、分散剤で保護されたナノ粒子は約7nmと微細であり、またこのナノ粒子は、被覆剤を用いて各粒子の表面を覆うと、溶剤中に凝集がなく、室温で安定に分散し、液体とほぼ同じ挙動を示す。従って、被覆剤を用いることが好ましい。
【0059】
また、液滴吐出法により吐出する組成物中の粒径は、コンタクトホールの径よりも十分に微細であることが必要とされる。このため、コンタクトホールに注入される組成物は液体とみなされ、CMP工程のように圧力を加えてコンタクトホール中に組成物を埋め込む必要はなく、自己注入される。液体を吐出する工程は、減圧下で行うと、導電体の表面に酸化膜などが形成されないため好ましい。また、1μm以下の微細なコンタクトホール中に吐出する際は、減圧下で行うと、よりスムーズに注入することが出来るため好ましい。
【0060】
ここでは、組成物としてAgを含む液状物質(以下、Agペーストと称す。)をコンタクトホール104上に吐出する。
【0061】
ここで、液滴吐出法で形成される導電膜106の形成工程について、図4及び図9を用いて説明する。なお、図9(A)は、導電膜106が形成された絶縁膜105の平面図を示し、具体的には配線領域702と、コンタクト部703を示す。図9(B)は、図9(A)の(A2)−(B2)の断面図を示す。また、図4は、図9(A)の(A1)−(B1)において導電膜106が形成される工程の断面図を示す。
【0062】
図4(A)は、液滴吐出手段401で吐出された組成物402が、コンタクトホール104上に凹状で形成される例を示す。このような形状は、組成物が線状に吐出されたときに形成されやすい。液滴吐出手段401で吐出された組成物402の幅は、コンタクトホール104の幅よりも大きくなるよう形成する。また、凹状の組成物402の平坦部403の膜厚は、組成物の焼成後に形成される導電膜106の平坦部409が、絶縁膜105の表面より突出するような膜厚とする(図4(B)参照。)。更に詳細に説明すると、図9(B)に示した配線領域702とコンタクト部703との両方において、導電膜106の表面性が均一であり、且つ絶縁膜105より導電膜106の表面が突出するように形成する。
【0063】
次に、組成物402にレーザ光406を照射する。ここでは、レーザビーム直接描画装置を用いて、組成物402にレーザ光を照射する。所望の形状を形成する領域にレーザ光を走査することで、レーザ光が照射された領域における組成物中の溶媒を揮発させて除去すると共に、導電性粒子の溶融、焼結、及び癒着のいずれか一つまたは複数の反応を進行させ、図4(B)に示すような導電膜106を形成する。このとき、レーザ光が照射されなかった組成物408a、408bは、導電膜106の両脇に残存する。
【0064】
ここでの導電性粒子の溶融は、レーザ光の照射条件(特に、レーザ光のエネルギー密度、走査速度、レーザビームスポットの面積等)によって、完全溶融や部分溶融が生じる。また、焼結とは、レーザ光のエネルギーにより導電性粒子を結合させることである。また、癒着とは、分散された導電性粒子同士がくっつくことである。以下、導電性粒子の溶融、焼結、及び癒着のいずれか一つまたは複数の反応が生じることを、代表して溶融すると示す。
【0065】
ここで、レーザビーム直接描画装置について、図5を用いて説明する。図に示すように、レーザビーム描画装置1001は、レーザビームを照射する際の各種制御を実行するパーソナルコンピュータ1002(以下、PCと示す。)と、レーザビームを出力するレーザ発振器1003と、レーザ発振器1003の電源1004と、レーザビームを減衰させるための光学系1005(NDフィルタ)と、レーザビームの強度を変調するための音響光学変調器1006(AOM)と、レーザビームの断面の拡大または縮小をするためのレンズ、光路の変更するためのミラー等で構成される光学系1007、Xステージ及びYステージを有する基板移動機構1009と、PCから出力される制御データをデジタルーアナログ変換するD/A変換部1010と、D/A変換部から出力されるアナログ電圧に応じて音響光学変調器1006を制御するドライバ1011と、基板移動機構1009を駆動するための駆動信号を出力するドライバ1012とを備えている。
【0066】
レーザ発振器1003としては、紫外光、可視光、または赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO、YVO、YLF、YAlOなどの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、TiまたはTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波の第2高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
【0067】
次に、レーザビーム直接描画装置を用いたレーザ光の照射方法について述べる。基板1008が基板移動機構1009に装着されると、PC1002は図外のカメラによって、基板に付されているマーカーの位置を検出する。次いで、PC1002は、検出したマーカーの位置データと、予め入力されている描画パターンデータとに基づいて、基板移動機構1009を移動させるための移動データを生成する。この後、PC1002が、ドライバ1011を介して音響光学変調器1006の出力光量を制御することにより、レーザ発振器1003から出力されたレーザビームは、光学系1005によって減衰された後、音響光学変調器1006によって所定の光量になるように光量が制御される。一方、音響光学変調器1006から出力されたレーザビームは、光学系1007で光路及びビーム形を変化させ、レンズで集光した後、基板上の液状物質(第1のパターン)に該ビームを照射して、液状物質中の金属粒子を溶融する。このとき、PC1002が生成した移動データに従い、基板移動機構1009をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場所にレーザビームが照射され、組成物中の導電性粒子の溶融が行われる。
【0068】
レーザ光のエネルギーの一部は、組成物内で熱に変換され、パターンの一部を反応させ、導電膜を形成する。また、短波長のレーザ光のほど、ビーム径を短く集光することが可能である。このため、短波長のレーザビームを照射することで、微細な幅の導電膜を形成することができる。また、微細なパターンを形成するには、レーザ光照射によるパターン内での熱拡散距離も重要であり、1μm以下のパターンを作製する際、レーザ照射時間はAgでは10ns以下であることが好ましい。このため、照射にはパルス幅がピコ秒(10−12秒)台以下で発振するレーザを用いるのが好ましい。
【0069】
また、パターン表面でのレーザビームのスポット形状は、点状、円形、楕円形、矩形、または線状(厳密には細長い長方形状)となるように光学系で加工することが可能である。
【0070】
なお、ここでは、基板を移動して選択的にレーザビームを照射しているが、これに限定されず、レーザビームをXY軸方向に走査してレーザビームを照射することができる。この場合、光学系1007にポリゴンミラーやガルバノミラー、音響光学偏向器(Acousto−Optic Deflector;AOD)を用いることが好ましい。また、レーザビームをX軸またはY軸の一方向に走査し、基板をX軸またはY軸の他の方向に移動して、基板の所定の場所にレーザビームを照射することが好ましい。
【0071】
ここでは、液滴吐出法で吐出されたAgペーストに、Nd:YVOから発振されるレーザビームをAgペーストの一部に照射してAg粒子の溶融、焼結、及び癒着のいずれか一つまたは複数の反応を適宜行い、銀で形成される導電膜106を形成する。ここでは、レーザビームが照射された領域が導電膜となる。このため、レーザビームを一度走査した場合は、導電膜の幅は、概略ビームスポットの幅となる。ここでは、組成物の一部にレービームを照射しているため、導電膜106の両側面には、組成物408a、408bが残存する(図4(B)参照。)。組成物408a、408b中では、導電性粒子が分散されている。レーザ光の照射時の雰囲気は、酸素雰囲気、窒素雰囲気または空気下で行う。
【0072】
次に、残存する組成物408a、408bを除去して導電膜106を露出する(図1(E)参照。)。残存する組成物408a、408bは、組成物中の溶媒を除去することが可能な剥離液を適宜選択して除去する。ここでは、アルカリ性を呈する有機溶液を用いて溶媒を除去する。導電膜106は、導電性粒子が三次元に不規則に重なり合って形成されている。即ち、三次元凝集体粒子で構成されている。このため、表面は微細な凹凸を有する。
【0073】
また、液滴吐出法で吐出された組成物701の表面が、全面において平坦性を有する例を図7及び図9を用いて説明する。図7は、図9(A)のA1−B1において導電膜が形成される工程の断面図を示す。このように平坦性を有する組成物は、組成物が矩形状、または面状に吐出されたときに形成されやすい。この際、組成物701の膜厚は、組成物の焼成後に形成される導電膜106の平坦部704が、絶縁膜105の表面より突出するような膜厚とする。更に詳細に説明すると、図9(B)に示した配線領域702とコンタクト部703との両方において、導電膜106の膜厚が均一であって、且つ絶縁膜105表面から導電膜106の表面が突出するように形成する。ここでは、組成物701の一部にレーザ光716を照射して導電膜106を形成する。
【0074】
導電膜106の両側面には、組成物701a、701bが残存する(図7(B)参照。)。組成物701a、701b中では、導電性粒子が分散されている。次に、残存する組成物701a、701bを除去して導電膜106を露出する(図1(E)参照。)。
【0075】
また、図1(C)に示すコンタクトホール104の形状は、金属配線102に達するコンタクトホール718とコンタクトホール718に連結する配線溝719が形成された形状でも良い。導電膜が絶縁膜に埋め込まれた例について図8及び図9を用いて説明する。なお、図9(C)は、導電膜714が埋め込まれた絶縁膜715の平面図を示し、具体的には配線領域702と、コンタクト部703を示す。図9(D)は、図9(C)のC2−D2の断面図を示す。また、図8は、図9(C)のC1−D1において導電膜714が形成される工程の断面図を示す。
【0076】
液滴吐出法で吐出された組成物711の幅は、配線溝719の幅よりも大きくなるよう形成する(図8(A)参照。)。この場合、組成物711の平坦部713の膜厚は、組成物の焼成後に形成される導電膜714の平坦部720が、絶縁膜715の表面と概略一致するように形成する。更に詳細に説明すると、図9(C)及び(D)に示した配線領域702とコンタクト部703との両方において、導電膜714の膜厚が均一になるように形成する(図8(B)参照。)。ここでは、組成物711の一部にレーザ光716を焼成して導電膜714を形成する。その後、残存した組成物717a、717bを除去することで、絶縁膜715に埋め込まれた形状の導電膜714を形成することが出来る(図8(C)及び図9(D)参照。)。
【0077】
なお、本実施の形態では示さなかったが、絶縁膜103のコンタクトホールと導電膜の接触部において、配線と絶縁膜との密着性の改善や、配線間での低抵抗化、導電膜物質や不純物の拡散防止を行うため、コンタクトホール104を形成した後にバリア膜605を形成しても良い(図6(C)参照)。バリア膜605を形成するために、まずバリア膜601を形成する。バリア膜601は、金属膜を、無電解メッキ法、電解メッキ法、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、蒸着法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の公知の方法により形成する(図6(A)参照。)。
【0078】
次に、金属を研磨するのに適した条件でのCMP法を用いて、コンタクトホール104の内部に形成されている以外の部分、即ち絶縁膜103の上面に形成されているバリアメタル603a、603bを研磨により除去する(図6(B)参照)。この際、絶縁膜103は低誘電率化のための空孔が形成されていないため、CMP法に耐えうるだけの機械強度を有している。その結果、図6(C)に示すように、コンタクトホール104の内部にバリア膜605を形成することができる。バリア膜605には、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)等の金属またはその合金、若しくはその金属窒化物、またはシリコン(Si)との合金を適宜用いることができる。また、これら複数の層を積層して形成しても良い。代表的には、基板表面に窒化タンタル(TaN)膜、その上にタングステン膜を積層してもよい。
【0079】
この後、図1(D)以降に示されるように、絶縁膜103中に複数の空孔107を形成して、多孔質の絶縁膜105を形成することができる。更には、バリア膜605上に組成物を吐出し、焼成して導電膜を形成することができる。
【0080】
以上の工程を繰り返すことにより、多層構造の半導体装置を形成することができる。本実施の形態により形成することが可能な半導体装置は、複数の空孔を有する絶縁膜を有するため、低誘電率材料である。このため、配線間の寄生容量を低減することが可能であり、高集積化された半導体装置を作製することが出来る。
【0081】
(実施の形態2)
本実施の形態では、単結晶半導体基板上に多孔質の絶縁膜及び配線を形成する工程を図10を用いて説明する。
【0082】
図10(A)に示すように、基板500に素子分離領域503〜505を形成する。基板500は、単結晶半導体基板又は化合物半導体基板であり、代表的には、n型またはp型の単結晶シリコン基板、GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイヤ基板、又はZnSe基板等が挙げられる。また、SOI基板(Silicon On Insulator)を用いこともできる。本実施形態では、基板500として、単結晶シリコン基板を用いる。素子分離領域503〜505は、公知の選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いることができる。ここでは、素子分離領域503〜505としては、トレンチ分離法により素子分離領域である酸化珪素膜を形成する。この後、ウエルイオン注入によりpウェル領域501、nウェル領域502を形成する。また、チャネルストップイオン注入、閾値調整イオン注入を適宜行う。
【0083】
次に、基板500の表面を洗浄して、基板500表面を露出する。この後、公知の手法により第1絶縁膜を形成する。次に、第1絶縁膜上に第1導電膜を成膜する。第1絶縁膜及び第1導電膜はそれぞれ、公知のゲート絶縁膜及びゲート電極と同様の材料及び成膜方法により形成することができる。次に、第1導電膜上にマスクパターンを形成し、該マスクパターンを用いて第1導電膜をエッチングしてゲート電極506、507を形成する。次に、マスクパターン及びゲート電極506、507をマスクとして、基板500に自己整合的に不純物元素を添加する。次に、マスクパターン、ゲート電極506、507をマスクとして、第1絶縁膜をエッチングしてゲート絶縁膜508、509を形成する。次に、マスクパターンを除去した後、第2の絶縁膜を成膜した後、異方性エッチングを行ってサイドウオール510〜513を形成する。次に、ゲート電極506、507及びサイドウオール510〜513をマスクとして不純物元素を添加する。次に、加熱処理、GRTA法、LRTA法等により、不純物元素の活性化を行い、ソース領域及びドレイン領域514〜517、低濃度不純物領域518〜521を形成する。なお、pウェル領域501に形成されたソース領域及びドレイン領域514、515は、リンが添加されたn+領域であり、低濃度不純物領域518、519は、n−領域である。また、nウェル領域502に形成されたソース領域及びドレイン領域516、517はボロンが添加されたp+領域であり、低濃度不純物領域520、521は、p−領域である。なお、n−領域、p+領域は、適宜形成すればよいため、これらを有さないトランジスタを形成してもよい。
【0084】
次に、図10(B)に示すように、第3絶縁膜531を形成する。第3の絶縁膜531は、CVD法、スパッタリング法、塗布法及び加熱処理等の公知の手法により形成する。ここでは、BPSGを塗布し加熱して酸化珪素膜を形成する。次に、第3絶縁膜531の一部、をエッチングしてコンタクトホール541〜544を形成すると共に、各ソース領域及びドレイン領域514〜517の一部を露出する。
【0085】
次に、図10(C)に示すように、コンタクトホールが形成された第3の絶縁膜531にfsレーザから射出されるレーザ光を照射して、空孔545形成して、多孔質の絶縁膜546を形成する。
【0086】
次に、図10(D)に示すように、コンタクトホールに、液滴吐出法により組成物を吐出し、一部にレーザ光を照射して組成物を焼成して導電膜551〜554を形成する。
【0087】
この後、多孔質の絶縁膜561及び導電膜562〜565を繰り返し形成することで、多層配線を形成することができる。
【0088】
以上の工程により、低誘電率の絶縁膜を有する半導体装置を形成することができる。
【0089】
また、基板500としてSOI基板(Silicon On Insulator)を用い、公知の剥離方法によりシリコン基板との酸化絶縁膜において剥離することが可能な処理を行うことにより、MOSトランジスタを剥離することができる。また、当該剥離したMOSトランジスタを、フレキシブル基板に接着することにより、半導体装置の薄型化が可能である。
【0090】
本実施の形態で示した半導体装置は、MOSトランジスタの他、バイポーラトランジスタ等の種々の半導体装置に適用可能である。また、メモリ、ロジック等の種々の回路に適用可能である。
【実施例1】
【0091】
次に、アクティブマトリクス基板及びそれを有する表示パネルの作製方法について図11〜図14を用いて説明する。本実施例では、表示パネルとして液晶表示パネルを用いて説明する。図14は、アクティブマトリクス基板の平面図であり、接続端子部の(A)−(B)及び、画素部のC−D及びE−Fに対応する縦断面構造を図11〜13に模式的に示す。
【0092】
図11(A)に示すように、基板800表面を400度で酸化して膜厚100nmの第1の絶縁膜801を形成する。ここでは、第1の絶縁膜801として、窒化アルミニウム膜をプラズマCVD法により成膜する。次に、第1の絶縁膜801の上に第1の導電膜を成膜し、第1の導電膜上にマスクを形成する。次に、マスクを用いて第1の導電膜をエッチングして、ゲート配線として機能する第2の導電膜802a、ゲート配線とゲート電極との接続部として機能する第2の導電膜802b、ゲート電極として機能する802cを形成する。ここでは、第1の絶縁膜に熱伝導率の高い窒化アルミニウム膜を用いるため、後に形成されるTFTの発熱を基板全面で均一化することが可能となる。この結果、TFTのバラツキ低減が可能であり、大面積基板を用いてTFTを形成する場合、特に好ましい。
【0093】
第1の導電膜は、高融点材料を用いて形成することが好ましい。高融点材料を用いることにより、後の結晶化工程、ゲッタリング工程、活性化工程等の加熱工程が可能となる。高融点材料としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物を適宜用いることができる。また、これら複数の層を積層して形成しても良い。代表的には、基板表面側から窒化タンタル膜及びその上に形成されるタングステン膜、窒化タンタル膜及びその上に形成されるモリブデン、窒化チタン膜及びその上に形成されるタングステン膜、窒化チタン膜及びその上に形成されるモリブデンモリブデン膜等の積層構造としてもよい。また、リンを含有する珪素膜(非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を含む)、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、又は酸化珪素を含む酸化インジウムスズを用いることもできる。第1の導電膜の形成方法としては、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、塗布法等を適宜用いる。
【0094】
ここでは、基板800として、旭硝子社製AN100ガラス基板を用い、第1の導電膜として、スパッタリング法により膜厚110nmのタングステン膜を成膜する。次に、第1の導電膜上に、第1のマスクとしてポリイミドを吐出し、乾燥や焼成を行った後、ポリイミド層をマスクとして、第1の導電膜をエッチングして、第2の導電膜802a、802b、802cを形成する。
【0095】
次に、第2の導電膜802a、802b、802c上にゲート絶縁膜として機能する第2の絶縁膜を形成する。ここでは、第2の絶縁膜としては、基板800側から、膜厚110nmの窒化珪素膜(窒化酸化珪素膜)803と、酸化珪素膜(酸化窒化珪素膜)804を積層する。更には、第1の導電膜を陽極酸化して形成した陽極酸化膜を形成した後、上記のような絶縁膜を形成しても良い。
【0096】
次に、第2の絶縁膜上に、膜厚10〜100nmの非晶質半導体膜805を形成する。ここでは、膜厚100nmのアモルファスシリコン膜をCVD法により成膜する。次に、非晶質半導体膜805表面上に、触媒元素を含む層806を形成する。触媒元素とは、金属元素であり、非晶質半導体膜の結晶化を促進させる機能を有する。ここでは、50ppmのニッケル触媒を含む溶液をスピンコーティング法により塗布する。次に、非晶質半導体膜805を加熱して、図11(B)に示すような、結晶性半導体膜811を形成する。なお、結晶性半導体膜811には触媒元素が含まれる。ここでは、電気炉を用い、500度で1時間加熱して半導体膜中の水素出しを行った後、550度で4時間加熱してニッケルを含む結晶性シリコン膜を形成する。次に、後のTFTのチャネル領域となる領域にp型またはn型の不純物元素を低濃度に添加するチャネルドープ工程を全面または選択的に行う。
【0097】
次に、触媒元素を含む結晶性半導体膜811表面上に、膜厚100nmのドナー型元素を含む半導体膜812を成膜する。ここでは、シランガスと、0.5%フォスフィンガス(流量比シラン:フォスフィンが10:17)とを用いて、リンを有するアモルファスシリコン膜を成膜する。
【0098】
次に、結晶性半導体膜811及びドナー型元素を含む半導体膜812を加熱して、触媒元素をゲッタリングするとともに、ドナー型元素を活性化する。即ち、触媒元素を含む結晶性半導体膜811中の触媒元素を、ドナー型元素を含む半導体膜812へ移動させる。このときの触媒元素濃度が低減された結晶性半導体膜を図11(C)の813で示す。ここでは、結晶性シリコン膜となる。また、触媒元素が移動した、ドナー型元素を含む半導体膜も加熱により結晶性半導体膜となる。即ち、触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜となる。これを、図11(C)の814で示す。ここでは、ニッケル及びリンを含む結晶性シリコン膜となる。
【0099】
次に、触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜814上に第3のマスク815を形成する。第3のマスク815は、ポリイミドを液滴吐出法により触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜814上に吐出し、200度30分加熱して形成する。第3のマスク815は、後の第1の半導体領域が形成される領域上に吐出する。
【0100】
次に、図11(D)に示すように、第3のマスク815を用いて触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜814をエッチングして第1の半導体領域(ソース領域及びドレイン領域、コンタクト層)821を形成する。また、触媒元素濃度が低減された結晶性半導体膜813をエッチングして第2の半導体領域822を形成する。触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜814及び触媒元素濃度が低減された結晶性半導体膜813を、流量比がCF:O=10:9の混合ガスを用いてエッチングする。次に、この後、第3のマスク815を、剥離液を用いて剥離する。
【0101】
次に、図12(A)に示すように、第1の半導体領域821及び第2の絶縁膜上に第2の導電膜831〜833を形成する。第2の導電膜は、ソース配線、ソース電極及びドレイン電極の何れかとして機能する。ここでは、第2の導電膜831〜833は、Ag(銀)粒子が分散された液状物質を吐出し、加熱して形成する。
【0102】
次に、第2の導電膜832、833をマスクとして、第1の半導体領域821をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する第3の半導体領域834、835を形成する。また、このとき第2の半導体領域822の一部もエッチングされる。エッチングされた第2の半導体領域を第4の半導体領域836と示す。第4の半導体領域836は、チャネル形成領域として機能する。
【0103】
次に、保護膜を形成しても良い。保護膜としては、第4の半導体領域に接する絶縁膜として、酸化珪素膜を成膜し、その上に窒化珪素膜を成膜すればよい。保護膜を設けることにより、外部の汚染物質が半導体素子中に侵入するのを妨げることが可能である。
【0104】
次に、第3の絶縁膜を形成する。ここでは、シロキサンポリマーを塗布した後、焼成して第3の絶縁膜を形成する。ここは、純水で基板表面の洗浄を行い、濡れ性を向上させるために溶液を塗布した後、シロキサンポリマーの前駆体を溶媒に溶解させた溶液をスピンコート法などにより塗布する。その後、溶液を基板とともに加熱して溶媒の揮発(蒸発)と、シロキサンポリマーの前駆体の架橋反応とを進行させることによって、絶縁膜を得ることができる。
【0105】
次に、第3の絶縁膜にfsレーザ発振器から射出されるレーザ光を照射して、第3の絶縁膜中に複数の空孔841を形成して、多孔質の第4の絶縁膜842を形成する。
【0106】
次に、図12(C)に示すように、第2の絶縁膜、第4の絶縁膜をエッチングし、第1の導電膜802a、802bを露出する。
【0107】
次に、第2の導電膜802a、802bの露出部に接するように第3の導電膜851を形成する。第3の導電膜851は、第2の導電膜831〜833と同様の手法により形成することができる。第3の導電膜851は、走査線(ゲート配線)として機能する。
【0108】
次に、第4の絶縁膜842と同様の手法で、多孔質の第5の絶縁膜843を形成する。次に、多孔質の第5の絶縁膜843の一部をエッチングして、第2の導電膜833の一部を露出した後、第2の導電膜833に接するように、膜厚100〜300nmの第4の導電膜853を成膜する。第4の導電膜853の材料としては、透光性を有する導電膜、又は反射性を有する導電膜があげられる。透光性を有する導電膜の材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ等が挙げられる。また、反射性を有する導電膜の材料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、タンタル(Ta)などの金属、又は該金属と化学量論的組成比以下の濃度で窒素を含む金属材料、若しくは該金属の窒化物である窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、若しくは1〜20%のニッケルを含むアルミニウムなどが挙げられる。また、第3の導電膜851の形成方法としては、液滴吐出法、塗布法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等を適宜用いる。なお、塗布法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等を用いる場合、液滴吐出法、レーザビーム直接描画装置を用いた露光等によりマスクを形成した後、導電膜をエッチングして導電膜を形成する。ここでは、膜厚110nmのアルミニウム膜をスパッタリング法により成膜し、所望の形状にエッチングして画素電極として機能する第4の導電膜853を形成する。
【0109】
なお、図12(B)のC−D、及びE−Fに相当する平面図を、図14に示すので参照する。
【0110】
なお、本実施例では、第3の導電膜851を形成した後、第4の導電膜853を形成しているが、この工程の代わりに、第4の導電膜853を形成した後、第3の導電膜851を形成しても良い。
【0111】
以上の工程により、アクティブマトリクス基板を形成することができる。本実施例で形成されるアクティブマトリクス基板は、ゲート電極に耐熱性の高い材料を用いており、また活性化工程、ゲッタリング工程、結晶化工程等の加熱処理を行った後、低抵抗材料を用いて信号線、走査線等の配線を形成している。このため、結晶性を有し、不純物金属元素が少なく、配線抵抗の低いTFTを形成することが可能である。
【0112】
結晶性半導体膜で形成されるTFTは、非晶質半導体膜で形成される逆スタガ型TFTと比較して数10〜50倍程度、移動度が高い。また、ソース領域及びドレイン領域には、アクセプター型元素又はドナー型元素に加え、触媒元素をも含む。このため、半導体領域との接触抵抗の低いソース領域及びドレイン領域が形成できる。この結果、高速動作が必要な発光素子を有する表示装置を作製することが可能である。
【0113】
更には、ゲッタリング工程により、成膜段階で半導体膜中に混入する金属元素をもゲッタリングするため、オフ電流を低減することが可能であり、代表的には6桁以上のON/OFF比を有するTFTを形成することが可能である。このようなTFTを表示装置のスイッチング素子に設けることにより、コントラストを向上させることが可能である。
【0114】
なお、本実施例では、接続端子部及び画素部の説明をしたが、画素部のTFTと同時に駆動回路のTFTを形成してもよい。この場合、同一基板上に接続端子部、画素部、及び駆動回路部を形成することができる。
【0115】
次に、図13に示すように、印刷法やスピンコート法により、絶縁膜を成膜し、ラビングを行って配向膜862を形成する。なお、配向膜862は、斜方蒸着法により形成することもできる。
【0116】
次に、配向膜883及び第2の画素電極(対向電極)882が設けられた対向基板881において、画素部の周辺の領域に液滴吐出法により閉ループ状のシール材871を形成する。
【0117】
シール材871には、フィラーが混入されていてもよく、さらに、対向基板881にはカラーフィルタや遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。
【0118】
次に、ディスペンサ式(滴下式)により、シール材871で形成された閉ループ内側に、液晶材料を滴下したのち、真空中で、配向膜883及び第2の画素電極(対向電極)882が設けられた対向基板881とアクティブマトリクス基板とを貼り合わせ、紫外線硬化を行って、液晶材料が充填された液晶層884を形成する。なお、液晶層884を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)の代わりに、対向基板を貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶材料を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いることができる。
【0119】
次に、第2の導電膜844、ソース配線層(図示しない)それぞれの端部上に絶縁膜が形成されている場合、該絶縁膜を除去した後、接続導電膜885を介して接続端子に配線基板、代表的にはFPC(Flexible Printed Circuit、(走査線として機能する第2の導電膜に接続される配線基板886)を貼り付ける。さらに、各配線基板と接続端子との接続部を封止樹脂で封止することが好ましい。この構造により、断面部からの水分が画素部に侵入し、劣化することを防ぐことができる。
【0120】
以上の工程により液晶表示パネルを作製することができる。なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース配線(ゲート配線)の間または画素部に設けてもよい。この場合、上記したTFTと同様の工程で作製し、画素部のゲート配線層とダイオードのドレイン又はソース配線層とを接続することにより、静電破壊を防止ことができる。
【0121】
なお、実施形態1又は実施形態2のいずれをも本実施例に適用することができる。
【実施例2】
【0122】
次に、アクティブマトリクス基板及びそれを有する表示装置の作製方法について図16〜図20を用いて説明する。図20は、画素部の平面図である。図16〜図19は、アクティブマトリクス基板における縦断面構造図であり、図20のスイッチング用TFTのゲート電極と走査線の接続部A−A’スイッチング用TFTB−B’、駆動用TFTC−C’を模式的に示す。
【0123】
図16(A)に示すように、基板900上に膜厚100〜200nmの第1の導電膜を成膜する。ここでは、基板900にガラス基板を用い、その表面上に第1の導電膜として、膜厚150nmのタングステン膜をスパッタリング法により成膜する。次に、感光性材料を第1の導電膜上に吐出又は塗布し、レーザビーム直接描画装置を用いて感光性材料を露光、現像して、第1のマスクを形成する。次に、第1のマスクを用いて第1の導電膜をエッチングして第1の導電膜901〜903を形成する。ここでは、ドライエッチング法によりタングステン膜をエッチングして、第1の導電膜901〜903を形成する。なお、第1の導電膜901はゲート配線として機能し、第1の導電膜902は、スイッチング用のTFTのゲート電極として機能し、第1の導電膜903は駆動用のTFTのゲート電極として機能する。
【0124】
次に、基板900及び第1の導電膜901〜903表面上に、第1の絶縁膜を形成する。ここでは、第1の絶縁膜として、膜厚50nm〜100nmの窒化珪素膜905及び膜厚50〜100nmの酸化窒化珪素膜(SiON(O>N)906を、CVD法により積層させて形成する。なお、第1の絶縁膜はゲート絶縁膜として機能する。このとき、窒化珪素膜と酸化窒化珪素膜とを、大気に解放せず原料ガスの切り替えのみで連続成膜することが好ましい。
【0125】
次に、第1の絶縁膜上に、膜厚10〜100nmの非晶質半導体膜907を形成する。ここでは、膜厚100nmのアモルファスシリコン膜をCVD法により成膜する。次に、非晶質半導体膜907表面上に、触媒元素を含む溶液908を塗布する。ここでは、20〜30ppmのニッケル触媒を含む溶液をスピンコーティング法により塗布する。次に、非晶質半導体膜907を加熱して図16(B)に示すような、結晶性半導体膜911を形成する。なお、結晶性半導体膜911には触媒元素が含まれる。ここでは、実施例1と同様の工程によりニッケルを含む結晶性シリコン膜を形成する。次に、後のTFTのチャネル領域となる領域にp型またはn型の不純物元素を低濃度に添加するチャネルドープ工程を全面または選択的に行う。
【0126】
次に、触媒元素を含む結晶性半導体膜911表面上に、膜厚100nmのドナー型元素を含む半導体膜912を成膜する。ここでは、シランガスと、0.5%フォスフィンガス(流量比シラン:フォスフィンが10:17)とを用いて、リンを有するアモルファスシリコン膜を成膜する。
【0127】
次に、結晶性半導体膜911及びドナー型元素を含む半導体膜912を加熱して、触媒元素をゲッタリングするとともに、ドナー型元素を活性化する。即ち、触媒元素を含む結晶性半導体膜911中の触媒元素を、ドナー型元素を含む半導体膜912へ移動させる。このときの触媒元素濃度が低減された結晶性半導体膜を図16(C)の913で示す。ここでは、結晶性シリコン膜となる。また、触媒元素が移動した、ドナー型元素を含む半導体膜も加熱により結晶性半導体膜となる。即ち、触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜となる。これを、図16(C)の914で示す。ここでは、ニッケル及びリンを含む結晶性シリコン膜となる。
【0128】
次に、図16(D)に示すように、触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜914及び結晶性半導体膜と913上に第2のマスク916、917を形成した後、第2のマスクを用いて所望の形状にエッチングする。第2のマスク916、917は、液滴吐出法によって、有機樹脂を滴下し乾燥して形成することができる。また、第1のマスクと同様、感光性材料をレーザビーム直接描画装置により露光現像して形成することができる。ここでは、液滴吐出法により、ポリイミドを選択的に吐出し、乾燥焼成して第2のマスクを形成する。エッチングされた触媒元素及びドナー型元素を含む結晶性半導体膜は、図17(A)に示す第1の半導体領域925、926となり、エッチングされた結晶性半導体膜913は、第2の半導体領域922、923となる。
【0129】
次に、後のnチャネル型TFTとなる領域に第3のマスク927を形成する。ここでは、液滴吐出法により、ポリイミドを吐出し、乾燥して、後のnチャネル型TFTとなる第2の半導体領域922及び第1の半導体領域925を覆う第3のマスク927を形成する。
【0130】
次に、後にpチャネル型TFTとなる第1の半導体領域926に、アクセプター型元素を添加し、図17(B)に示すように、p型半導体領域932を形成する。
【0131】
次に、図示しないが駆動用TFTのゲート電極として機能する第1の導電膜903上に形成された第1の絶縁膜の一部をエッチングして、ゲート電極として機能する第1の導電膜903の一部を露出する。
【0132】
次に、第1の半導体領域925、p型半導体領域932及び第2の半導体領域922、923表面に、膜厚500〜1000nmの第2の導電膜933、934を形成する。ここでは、液滴吐出法によりAgペーストを吐出し、焼成して第3の導電膜を形成する。
【0133】
次に、感光性材料935を塗布又は吐出し、レーザビーム直接描画装置を用いて該感光性材料にレーザ光930を照射して感光性材料を露光、現像して図17(C)に示すような、第4のマスク936を形成する。
【0134】
次に、第4のマスク936を用いて、第3の導電膜をエッチングして、図18(A)に示すような信号線、走査線、電源線、ソース電極又はドレイン電極として機能する第4の導電膜942〜945を形成する。
【0135】
ここで、画素のA−A’、B−B’及びC−C’の上面図を図20に示すので、同時に参照する。上記工程により、後のスイッチング用TFTのソース領域又はドレイン領域上に設けられ、信号線として機能する第4の導電膜910、ドレイン電極として機能する第4の導電膜943が形成される。また、後の駆動用TFTのソース領域又はドレイン領域上に設けられ、電源線として機能する第4の導電膜951、ドレイン電極として機能する第4の導電膜952が形成される。
【0136】
なお、スイッチング用TFTのドレイン電極として機能する第4の導電膜943と、駆動用TFTのゲート電極として機能する第1の導電膜902とは、コンタクトホール909において接続される。
【0137】
また、この工程において、第3の導電膜を分断して、各信号線、電源線と、走査線、ドレイン電極を形成すると共に、ドレイン配線の幅が細くなるようにエッチングすることで、後に形成される表示装置の開口率を高めることが可能である。
【0138】
次に、第4のマスクを残したまま、第1の半導体領域925、p型半導体領域932をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域949〜952を形成する。このとき、第2の半導体領域922、923の一部もエッチングされる。エッチングされた半導体領域を第3の半導体領域955、956と示す。第3の半導体領域955、956は、チャネル形成領域として機能する。
【0139】
次に、第4のマスクを除去した後、第4の導電膜及び第3の半導体領域表面上に第2の絶縁膜957及び第3の絶縁膜958を形成する。ここでは、第2の絶縁膜として水素を含む膜厚の150nm酸化窒化珪素膜(SiON(O>N)をCVD法により形成する。また、第3の絶縁膜として膜厚200nmの窒化珪素膜を、CVD法により成膜する。窒化珪素膜は、外部からの不純物をブロッキングする保護膜として機能する。
【0140】
次に、第3の半導体領域955、956を加熱して水素化する。ここでは、窒素雰囲気で410℃1時間の加熱を行うことで、第3の絶縁膜958に含まれる水素が第3の半導体領域955、956に添加され、水素化される。
【0141】
次に、図18(B)に示すように、第3の絶縁膜958上に多孔質の第4の絶縁膜971を形成する。ここでは、シロキサンを塗布し焼成して絶縁膜を形成した後、fsレーザ発振器から射出されるレーザ光を照射して複数の空孔を形成し、多孔質の第4の絶縁膜971を形成する。次に、第4の絶縁膜971上に第5のマスクを形成した後、第4の絶縁膜971、第3の絶縁膜958、第2の絶縁膜957をそれぞれエッチングして、スイッチング用TFTのゲート電極として機能する第1の導電膜901の一部を露出する。次に、第1の導電膜901に接続する走査線として機能する第5の導電膜972を形成する。ここでは、液滴吐出法により、Agペースト吐出し焼成した後、レーザビーム直接描画装置で形成されるマスクを用いてAgペーストの一部をエッチングして配線幅を細くして、第5の導電膜972を形成する。
【0142】
以上の工程により、pチャネル型TFT963で形成される駆動用TFT、nチャネル型TFT962で形成されるスイッチング用TFTを有する画素部を形成することができる。なお、nチャネル型TFTで駆動用TFTを形成しても良い。
【0143】
次に、多孔質の第5の絶縁膜973を形成する。第5の絶縁膜973も第4の絶縁膜と同様の材料を適宜用いることが可能である。次に、第5の絶縁膜973上に第6のマスクを形成した後、第5の絶縁膜〜第2の絶縁膜をエッチングして、第4の導電膜952の一部を露出する。
【0144】
次に、図19(A)に示すように、第4の導電膜952に接するように、膜厚100〜300nmの第6の導電膜を成膜する。第6の導電膜の材料としては、透光性を有する導電膜、又は反射性を有する導電膜があげられる。また、第6の導電膜の形成方法としては、液滴吐出法、塗布法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等を適宜用いる。なお、塗布法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等を用いる場合、液滴吐出法、レーザビーム直接描画装置を用いた露光等によりマスクを形成した後、導電膜をエッチングして導電膜を形成する。ここでは、反射率に優れたアルミニウムを主成分とし、ニッケル、コバルト、鉄、炭素及び珪素のうち少なくとも1つを含む合金材料を下層とし、その上に酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタリング法により成膜し、所望の形状にエッチングして画素電極として機能する第6の導電膜974を形成する。
【0145】
以上の工程によりアクティブマトリクス基板を作製することができる。なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース配線(走査線)の間または画素部に設けてもよい。この場合、上記したTFTと同様の工程で作製し、画素部の走査線層とダイオードのドレイン又はソース配線層とを接続することにより、静電破壊を防止することができる。
【0146】
次に、図19(B)に示すように、第6の導電膜974の端部を覆う第6の絶縁膜981を形成する。ここでは、ネガ型感光性材料を用いて、第6の絶縁膜981を形成する。
【0147】
次に、蒸着法、塗布法、液滴吐出法などにより、第6の導電膜974表面及び第6の絶縁膜981の端部上に発光物質を含む層982を形成する。この後、発光物質を含む層982上に、第2の画素電極として機能する第7の導電膜983を形成する。ここでは、酸化珪素を含むITOをスパッタリング法により成膜する。この結果、第6の導電膜、発光物質を含む層、及び第7の導電膜により発光素984を形成することができる。発光素子を構成する導電膜及び、発光物質を含む層の各材料は適宜選択し、各膜厚も調整する。
【0148】
なお、発光物質を含む層982を形成する前に、大気圧中で200〜350℃の熱処理を行い第6の絶縁膜981中若しくはその表面に吸着している水分を除去する。また、減圧下で200〜400℃、好ましくは250〜350℃に熱処理を行い、そのまま大気に晒さずに発光物質を含む層982を真空蒸着法や、大気圧下又は減圧下の液滴吐出法、更には塗布法等で形成することが好ましい。
【0149】
発光物質を含む層982は、有機化合物又は無機化合物を含む電荷注入輸送物質及び発光材料で形成し、その分子数から低分子系有機化合物、デンドリマー、オリゴマー等に代表される中分子系有機化合物、高分子系有機化合物から選ばれた一種又は複数種の層を含み、電子注入輸送性又は正孔注入輸送性の無機化合物と組み合わせても良い。
【0150】
電荷注入輸送物質のうち、特に電子輸送性の高い物質としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。
【0151】
また、正孔輸送性の高い物質としては、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。
【0152】
また、電荷注入輸送物質のうち、特に電子注入性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物が挙げられる。また、この他、Alqのような電子輸送性の高い物質とマグネシウム(Mg)のようなアルカリ土類金属との混合物であってもよい。
【0153】
電荷注入輸送物質のうち、正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物(MoO)やバナジウム酸化物(VO)、ルテニウム酸化物(RuO)、タングステン酸化物(WO)、マンガン酸化物(MnO)等の金属酸化物が挙げられる。また、この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられる。
【0154】
発光層は、発光波長帯の異なる発光層を画素毎に形成して、カラー表示を行う構成としても良い。典型的には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を形成する。この場合にも、画素の光放射側にその発光波長帯の光を透過するフィルター(着色層)を設けた構成とすることで、色純度の向上や、画素部の鏡面化(映り込み)の防止を図ることができる。フィルター(着色層)を設けることで、従来必要であるとされていた円偏光版などを省略することが可能となり、発光層から放射される光の損失を無くすことができる。さらに、斜方から画素部(表示画面)を見た場合に起こる色調の変化を低減することができる。
【0155】
発光層を形成する発光材料には様々な材料がある。低分子系有機発光材料では、4−(ジシアノメチレン)2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTB)、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)等を用いることができる。また、この他の物質でもよい。
【0156】
一方、高分子系有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。高分子系有機発光材料を用いた発光素子の構造は、低分子系有機発光材料を用いたときと基本的には同じであり、陰極の下に発光物質を含む層を形成し、更にその下に陽極を形成する。しかし、高分子系有機発光材料を用いた発光物質を含む層を形成する際には、低分子系有機発光材料を用いたときのような積層構造を形成させることは難しく、多くの場合2層構造となる。具体的には、上から順に陰極と発光層と正孔輸送層と陽極とを積層した構造である。
【0157】
発光色は、発光層を形成する材料で決まるため、これらを選択することで所望の発光を示す発光素子を形成することができる。発光層の形成に用いることができる高分子系の発光材料は、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリパラフェニレン系、ポリチオフェン系、ポリフルオレン系が挙げられる。
【0158】
ポリパラフェニレンビニレン系発光材料には、ポリ(パラフェニレンビニレン)[PPV]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレンビニレン)[RO−PPV]、ポリ(2−(2’−エチル−ヘキソキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン)[MEH−PPV]、ポリ(2−(ジアルコキシフェニル)−1,4−フェニレンビニレン)[ROPh−PPV]等が挙げられる。ポリパラフェニレン系発光材料には、ポリパラフェニレン[PPP]の誘導体、ポリ(2,5−ジアルコキシ−1,4−フェニレン)[RO−PPP]、ポリ(2,5−ジヘキソキシ−1,4−フェニレン)等が挙げられる。ポリチオフェン系発光材料には、ポリチオフェン[PT]の誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)[PAT]、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)[PHT]、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン)[PCHT]、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン)[PCHMT]、ポリ(3,4−ジシクロヘキシルチオフェン)[PDCHT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−チオフェン][POPT]、ポリ[3−(4−オクチルフェニル)−2,2ビチオフェン][PTOPT]等が挙げられる。ポリフルオレン系発光材料には、ポリフルオレン[PF]の誘導体、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)[PDAF]、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)[PDOF]等が挙げられる。
【0159】
また、発光層は単色又は白色の発光を呈する構成とすることができる。白色発光材料を用いる場合には、画素の光放射側に特定の波長の光を透過するフィルター(着色層)を設けた構成としてカラー表示を可能にすることができる。
【0160】
白色に発光する発光層を形成するには、例えば、Alq、部分的に赤色発光色素であるナイルレッドをドープしたAlq、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法により順次積層することで白色を得ることができる。また、スピンコートを用いた塗布法により発光層を形成する場合には、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例えば、正孔注入層として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)およびポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOTおよびPSS)を全面に塗布、焼成し、その後、発光層として作用する発光中心色素(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)、ナイルレッド、クマリン6など)ドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。
【0161】
発光層は単層で形成することもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散させてもよい。また、30wt%のPBDを電子輸送剤として分散し、4種類の色素(TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得られる。ここで示した白色発光が得られる発光素子の他にも、発光層の材料を適宜選択することによって、赤色発光、緑色発光、または青色発光が得られる発光素子を作製することができる。
【0162】
なお、正孔輸送性の高分子系有機発光材料を、陽極と発光性の高分子系有機発光材料の間に挟んで形成すると、陽極からの正孔注入性を向上させることができる。一般にアクセプター材料と共に水に溶解させたものをスピンコート法などで塗布する。また、有機溶媒には不溶であるため、上述した発光性の有機発光材料との積層が可能である。正孔輸送性の高分子系有機発光材料としては、PEDOTとアクセプター材料としてのショウノウスルホン酸(CSA)の混合物、ポリアニリン[PANI]とアクセプター材料としてのポリスチレンスルホン酸[PSS]の混合物等が挙げられる。
【0163】
さらに、発光層は、一重項励起発光材料の他、金属錯体などを含む三重項励起材料を用いても良い。例えば、赤色の発光性の画素、緑色の発光性の画素及び青色の発光性の画素のうち、輝度半減時間が比較的短い赤色の発光性の画素を三重項励起発光材料で形成し、他の発光性の画素を一重項励起発光材料で形成する。三重項励起発光材料は発光効率が良いので、同じ輝度を得るのに消費電力が少なくて済むという特徴がある。すなわち、赤色画素に三重項励起発光材料を適用した場合、発光素子に流す電流量が少なくて済むので、信頼性を向上させることができる。低消費電力化として、赤色の発光性の画素と緑色の発光性の画素とを三重項励起発光材料で形成し、青色の発光性の画素を一重項励起発光材料で形成しても良い。人間の視感度が高い緑色の発光素子も三重項励起発光材料で形成することで、より低消費電力化を図ることができる。
【0164】
三重項励起発光材料の一例としては、金属錯体をドーパントとして用いたものがあり、第3遷移系列元素である白金を中心金属とする金属錯体、イリジウムを中心金属とする金属錯体などが知られている。三重項励起発光材料としては、これらの化合物に限られることはなく、上記構造を有し、且つ中心金属に周期表の8〜10属に属する元素を有する化合物を用いることも可能である。
【0165】
以上に掲げる発光物質を含む層を形成する物質は一例であり、正孔注入輸送層、正孔輸送層、電子注入輸送層、電子輸送層、発光層、電子ブロック層、正孔ブロック層などの機能性の各層を適宜積層することで発光素子を形成することができる。また、これらの各層を合わせた混合層又は混合接合を形成しても良い。発光層の層構造は変化しうるものであり、特定の電子注入領域や発光領域を備えていない代わりに、もっぱらこの目的用の電極を備えたり、発光性の材料を分散させて備えたりする変形は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において許容されうるものである。
【0166】
上記のような材料で形成した発光素子は、順方向にバイアスすることで発光する。発光素子を用いて形成する表示装置の画素は、単純マトリクス方式、若しくはアクティブマトリクス方式で駆動することができる。いずれにしても、個々の画素は、ある特定のタイミングで順方向バイアスを印加して発光させることとなるが、ある一定期間は非発光状態となっている。この非発光時間に逆方向のバイアスを印加することで発光素子の信頼性を向上させることができる。発光素子では、一定駆動条件下で発光強度が低下する劣化や、画素内で非発光領域が拡大して見かけ上輝度が低下する劣化モードがあるが、順方向及び逆方向にバイアスを印加する交流的な駆動を行うことで、劣化の進行を遅くすることができ、発光装置の信頼性を向上させることができる。
【0167】
次に、発光素子を覆って、水分の侵入を防ぐ透明保護層を形成する。透明保護層としては、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O)またはSiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)などを用いることができる。
【0168】
以上の工程により、発光素子を有するアクティブマトリクス基板を作製することができる。なお、実施の形態1又は実施の形態2のいずれをも本実施例に適用することができる。
【実施例3】
【0169】
本実施例では、上記実施例に示した表示パネルへの駆動回路の実装について、図21を用いて説明する。
【0170】
図21(A)に示すように、画素部1401の周辺に信号線駆動回路1402、及び走査線駆動回路1403a、1403bを実装する。図21(A)では、信号線駆動回路1402、及び走査線駆動回路1403a、1403b等として、公知の異方性導電接着剤、及び異方性導電フィルムを用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方法、並びに半田バンプを用いたリフロー処理等により、基板1400上にICチップ1405を実装する。ここでは、COG方式を用いる。そして、FPC1406(フレキシブルプリントサーキット)を介して、ICチップと外部回路とを接続する。
【0171】
なお、信号線駆動回路1402の一部、例えばアナログスイッチを基板上に一体形成し、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0172】
また、図21(B)に示すように、SASや結晶性半導体でTFTを形成する場合、画素部1401と走査線駆動回路1403a、1403b等を基板上に一体形成し、信号線駆動回路1402等を別途ICチップとして実装する場合がある。図21(B)において、信号線駆動回路1402として、COG方式により、基板1400上にICチップ1405を実装する。そして、FPC1406を介して、ICチップと外部回路とを接続する。
【0173】
なお、信号線駆動回路1402の一部、例えばアナログスイッチを基板上に一体形成し、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0174】
さらに、図21(C)に示すように、COG方式に代えて、TAB方式により信号線駆動回路1402等を実装する場合がある。そして、FPC1406を介して、ICチップと外部回路とを接続する。図21(C)において、信号線駆動回路をTAB方式により実装しているが、走査線駆動回路をTAB方式により実装してもよい。
【0175】
なお、信号線駆動回路1402の一部、例えばアナログスイッチを基板上に一体形成し、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
【0176】
ICチップをTAB方式により実装すると、基板に対して画素部を大きく設けることができ、狭額縁化を達成することができる。
【0177】
ICチップは、シリコンウェハを用いて形成するが、ICチップの代わりにガラス基板上に回路を形成したIC(以下、ドライバICと表記する)を設けてもよい。ICチップは、円形のシリコンウェハからICチップを取り出すため、母体基板形状に制約がある。一方ドライバICは、母体基板がガラスであり、形状に制約がないため、生産性を高めることができる。そのため、ドライバICの形状寸法は自由に設定することができる。例えば、ドライバICの長辺の長さを15〜80mmとして形成すると、ICチップを実装する場合と比較し、必要な数を減らすことができる。その結果、接続端子数を低減することができ、製造上の歩留まりを向上させることができる。
【0178】
ドライバICは、基板上に形成された結晶質半導体を用いて形成することができ、結晶質半導体は連続発振型のレーザ光を照射することで形成するとよい。連続発振型のレーザ光を照射して得られる半導体膜は、結晶欠陥が少なく、大粒径の結晶粒を有する。その結果、このような半導体膜を有するトランジスタは、移動度や応答速度が良好となり、高速駆動が可能となり、ドライバICに好適である。
【実施例4】
【0179】
本実施例では、上記実施例で示される表示パネルを有するモジュールについて、図22を用いて説明する。図22は表示パネル9501と、回路基板9502を組み合わせたモジュールを示している。回路基板9502には、例えば、コントロール回路9504や信号分割回路9505などが形成されている。また、表示パネル9501と回路基板9502とは、接続配線9503で接続されている。表示パネル9501に実施例1又は実施例2で示すような、液晶表示パネル、発光表示パネルを適宜用いることができる。
【0180】
この表示パネル9501は、発光素子が各画素に設けられた画素部9506と、走査線駆動回路9507、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路9508を備えている。画素部9506の構成は、実施例1又は実施例2と同様である。また、走査線駆動回路9507や信号線駆動回路9508は、公知の異方性導電接着剤、及び異方性導電フィルムを用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方法、並びに半田バンプを用いたリフロー処理等により、基板上にICチップで形成される走査線駆動回路9507、信号線駆動回路9508を実装する。
【0181】
本実施例により、低コストで表示モジュールを形成することが可能である。
【実施例5】
【0182】
上記実施例において、表示モジュールとして液晶表示モジュール及び発光表示モジュールの例を示したが、これに限られるものではなく、DMD(Digital Micromirror Device;デジタルマイクロミラーデバイス)、PDP(Plasma Display Panel;プラズマディスプレイパネル)、FED(Field Emission Display;フィールドエミッションディスプレイ)、電気泳動表示装置(電子ペーパー)等の表示モジュールに、本発明を適宜適用することができる。
【実施例6】
【0183】
上記実施形態や実施例に示される半導体装置を有する電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニタ、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。ここでは、テレビジョン装置の具体例について、図23を参照して説明する。
【0184】
図23(A)は、テレビジョン装置のブロック図を示し、図23(B)はテレビジョン装置の斜視図を示す。上記実施例に示される液晶モジュールやELモジュールにより、液晶レジビジョン装置やELテレビジョン装置を完成させることができる。
【0185】
図23(A)は、テレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図である。チューナ9511は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像検波回路9512と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路9513と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路9514により処理される。コントロール回路9514は、表示パネル9515の走査線駆動回路9516と信号線駆動回路9517にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路9518を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
【0186】
チューナ9511で受信した信号のうち、音声信号は音声検波回路9521に送られ、その出力は音声信号処理回路9522を経てスピーカー9523に供給される。制御回路9524は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部9525から受け、チューナ9511や音声信号処理回路9522に信号を送出する。
【0187】
図23(B)に示すように、モジュールを筐体9531に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。液晶モジュールやELモジュールに代表されるモジュールにより、表示画面9532が形成される。また、スピーカー9533、操作スイッチ9534などが適宜備えられている。
【0188】
このテレビジョン装置は、表示パネル9515を含んで構成されることにより、テレビジョン装置のコストダウンを図ることが可能である。また、高精細な表示が可能なテレビジョン装置を作製することが可能である。
【0189】
なお、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
【実施例7】
【0190】
本発明により無線チップ(無線プロセッサ、無線メモリ、無線タグともよぶ)として機能する半導体装置を形成することができる。無線チップの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図24(A)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図24(C)参照)、記録媒体(DVDソフトやビデオテープ等、図24(B)参照)、乗物類(自転車等、図24(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札(図24(E)、図24(F)参照)等の物品に設けて使用することができる。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
【0191】
無線チップは、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に無線チップを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に無線チップを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。本発明より形成することが可能な無線チップは、基板上に形成した薄膜集積回路を、公知の剥離工程により剥離した後、カバー材に設けるため、小型、薄型、軽量であり、物品に実装しても、デザイン性を損なうことがない。更には、可とう性を有するため、瓶やパイプなど曲面を有するものにも用いることが可能である。
【0192】
また、本発明より形成することが可能な無線チップを、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、荷札に設けられる無線チップに記録された情報を、ベルトコンベアの脇に設けられたリーダライタで読み取ることで、流通過程及び配達先等の情報が読み出され、商品の検品や荷物の分配を簡単に行うことができる。
【0193】
本発明より形成することが可能な無線チップの構造について図15を用いて説明する。無線チップは、薄膜集積回路9303及びそれに接続されるアンテナ9304とで形成される。また、薄膜集積回路及びアンテナは、カバー材9301、9302により挟持される。薄膜集積回路9303は、接着剤を用いてカバー材に接着してもよい。図15においては、薄膜集積回路9303の一方が、接着剤9305を介してカバー材9301に接着されている。
【0194】
薄膜集積回路9303は、実施形態1又は2で示される絶縁膜を有するTFTを用いて形成した後、公知の剥離工程により剥離してカバー材に設ける。また、薄膜集積回路9303に用いられる半導体素子はこれに限定されない。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどを用いることができる。
【0195】
図15で示すように、薄膜集積回路9303のTFT上には層間絶縁膜9311が形成され、層間絶縁膜9311を介してTFTに接続するアンテナ9304が形成される。また、層間絶縁膜9311及びアンテナ9304上には、窒化珪素膜等からなるバリア膜9312が形成されている。
【0196】
アンテナ9304は、金、銀、銅等の導電体を有する液滴を液滴吐出法により吐出し、乾燥焼成して形成する。液滴吐出法によりアンテナを形成することで、工程数の削減が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
【0197】
カバー材9301、9302は、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と、接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどを用いることが好ましい。フィルムは、熱圧着により、被処理体と封止処理が行われるものであり、封止処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
【0198】
また、カバー材に紙、繊維、カーボングラファイト等の焼却無公害素材を用いることにより、使用済み無線チップの焼却、又は裁断することが可能である。また、これらの材料を用いた無線チップは、焼却しても有毒ガスを発生しないため、無公害である。
【0199】
なお、図15では、接着剤9305を介してカバー材9301に無線チップを設けているが、該カバー材9301の代わりに、物品に無線チップを貼付けて、使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図2】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図3】本発明に係る空孔の作製工程を説明する断面図。
【図4】本発明に係る導電膜の作製工程を説明する図。
【図5】本発明に適用可能なレーザビーム直接描画装置を説明する図。
【図6】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図7】本発明に係る導電膜の作製工程を説明する図。
【図8】本発明に係る導電膜の作製工程を説明する図。
【図9】本発明に係る導電膜の作製工程を説明する図。
【図10】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図11】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図12】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図13】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図14】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する平面図。
【図15】本発明に係る半導体装置の構造を説明する断面図。
【図16】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図17】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図18】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図19】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
【図20】本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する平面図。
【図21】本発明に係る表示装置の駆動回路の実装方法を説明する平面図。
【図22】本発明に係る発光表示モジュールの構成を説明する図。
【図23】電子機器の一例を説明するブロック図及び斜視図。
【図24】半導体装置の応用例を説明する斜視図。
【図25】本発明に係る絶縁膜の構造を説明する断面図。
【図26】本発明に係る絶縁膜の構造を説明する断面図。
【符号の説明】
【0201】
100 絶縁性基板
102 金属配線
103 絶縁膜
104 コンタクトホール
105 絶縁膜
106 導電膜
107 空孔
203 コンタクトホール
301 超短光パルスレーザ発振器
302 ミラー
303 対物レンズ
305 XYZステージ
306 空孔
401 液滴吐出手段
402 組成物
403 平坦部
406 レーザ光
409 平坦部
500 基板
501 pウェル領域
502 nウェル領域
503 素子分離領域
506 ゲート電極
508 ゲート絶縁膜
510 サイドウオール
514 ドレイン領域
516 ドレイン領域
518 低濃度不純物領域
520 低濃度不純物領域
531 絶縁膜
541 コンタクトホール
545 空孔
546 絶縁膜
551 導電膜
561 絶縁膜
562 導電膜
601 バリア膜
605 バリア膜
701 組成物
702 配線領域
703 コンタクト部
704 平坦部
711 組成物
713 平坦部
714 導電膜
715 絶縁膜
716 レーザ光
718 コンタクトホール
719 配線溝
720 平坦部
800 基板
801 絶縁膜
803 窒化珪素膜(窒化酸化珪素膜)
804 酸化珪素膜(酸化窒化珪素膜)
805 非晶質半導体膜
806 触媒元素を含む層
811 結晶性半導体膜
812 半導体膜
813 結晶性半導体膜
814 結晶性半導体膜
815 マスク
821 半導体領域
822 半導体領域
831 導電膜
832 導電膜
833 導電膜
834 半導体領域
836 半導体領域
841 空孔
842 絶縁膜
843 絶縁膜
844 導電膜
851 導電膜
853 導電膜
862 配向膜
871 シール材
881 対向基板
882 画素電極(対向電極)
883 配向膜
884 液晶層
885 接続導電膜
886 配線基板
900 基板
901 導電膜
902 導電膜
903 導電膜
905 窒化珪素膜
906 酸化窒化珪素膜
907 非晶質半導体膜
908 溶液
909 コンタクトホール
910 導電膜
911 結晶性半導体膜
912 半導体膜
913 結晶性半導体膜
914 結晶性半導体膜
916 マスク
922 半導体領域
925 半導体領域
926 半導体領域
927 マスク
930 レーザ光
932 p型半導体領域
933 導電膜
935 感光性材料
936 マスク
942 導電膜
943 導電膜
949 ドレイン領域
951 導電膜
952 導電膜
955 半導体領域
957 絶縁膜
958 絶縁膜
962 nチャネル型TFT
963 pチャネル型TFT
971 絶縁膜
972 導電膜
973 絶縁膜
974 導電膜
981 絶縁膜
982 層
983 導電膜
984 発光素
1001 レーザビーム描画装置
1002 PC
1003 レーザ発振器
1004 電源
1005 光学系
1006 音響光学変調器
1007 光学系
1008 基板
1009 基板移動機構
1010 D/A変換部
1011 ドライバ
1012 ドライバ
103a 領域
103b 領域
1100 空孔
1101 絶縁膜
1102 絶縁膜
1103 絶縁膜
1104 絶縁膜
1110 空孔
1111 絶縁膜
1112 絶縁膜
1400 基板
1401 画素部
1402 信号線駆動回路
1405 ICチップ
1406 FPC
201a レジストマスク
201b マスク
202a マスク
202b マスク
408a 組成物
603a バリアメタル
701a 組成物
717a 組成物
802a 導電膜
802b 導電膜
9301 カバー材
9303 薄膜集積回路
9304 アンテナ
9305 接着剤
9311 層間絶縁膜
9312 バリア膜
9501 表示パネル
9502 回路基板
9503 接続配線
9504 コントロール回路
9505 信号分割回路
9506 画素部
9507 走査線駆動回路
9508 信号線駆動回路
9511 チューナ
9512 映像検波回路
9513 映像信号処理回路
9514 コントロール回路
9515 表示パネル
9516 走査線駆動回路
9517 信号線駆動回路
9518 信号分割回路
9521 音声検波回路
9522 音声信号処理回路
9523 スピーカー
9524 制御回路
9525 入力部
9531 筐体
9532 表示画面
9533 スピーカー
9534 操作スイッチ
1103a 領域
1103b 領域
1104a 領域
1104b 領域
1403a 走査線駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜にレーザから射出されるレーザ光を照射して複数の空孔を形成して、多孔質の絶縁膜を形成することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項2】
請求項1において、前記複数の空孔の径は、1nm以上2000nm以下であることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記第1の絶縁膜は、前記レーザ光を透過する材料で形成することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項4】
基板上に第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜を覆う第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜にレーザから射出される第1のレーザ光を照射して複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成した後、前記多孔質の絶縁膜の一部をエッチングして前記第1の導電膜を露出する共にコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールに液滴吐出法により導電性粒子を有する液状物質を吐出し、前記導電性粒子を有する液状物質の一部に第2のレーザ光を照射して前記導電性粒子で形成される第2の導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の形成方法。
【請求項5】
基板上に第1の導電膜を形成し、前記第1の導電膜を覆う第1の絶縁膜を形成し、前記第1の絶縁膜の一部をエッチングして前記第1の導電膜を露出する共にコンタクトホールを形成した後、前記第1の絶縁膜にレーザから射出される第1のレーザ光を照射して複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成した後、前記コンタクトホールに液滴吐出法により導電性粒子を有する液状物質を吐出し、前記導電性粒子を有する液状物質の一部に第2のレーザ光を照射して前記導電性粒子で形成される第2の導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の形成方法。
【請求項6】
請求項5において、前記第1の絶縁膜に複数の空孔を形成して多孔質の絶縁膜を形成した後、前記コンタクトホールの側壁に第3の導電膜を成膜することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項7】
請求項6において、前記第3の導電膜は、バリア膜であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれか一項において、前記複数の空孔の径は、1〜2000nmであることを特徴とする半導体装置の形成方法。
【請求項9】
請求項4乃至請求項8のいずれか一項において、前記第1の絶縁膜は、前記レーザ光を透過する材料で形成されることを特徴とする半導体装置の形成方法。
【請求項10】
請求項4乃至請求項9のいずれか一項において、前記第2の導電膜は、前記導電性粒子が不規則に重なり合って形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10の何れか一項において、前記レーザは、超短パルスレーザであることを特徴とする絶縁膜の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−186330(P2006−186330A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338529(P2005−338529)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】