説明

緊急通報装置および緊急通報システムならびに緊急車両案内システム

【課題】緊急事態に対処する際の所要時間を短縮することができる「緊急通報装置および緊急通報システムならびに緊急車両案内システム」を提供すること。
【解決手段】自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報して緊急車両の出動を要請する緊急事態発生通報手段7と、緊急通報先に、自車位置情報を送信する自車位置情報送信手段7と、緊急通報先に、自車位置情報以外の自車両の取得情報における緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報を送信する利用可能情報送信手段7とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急通報装置および緊急通報システムならびに緊急車両案内システムに係り、特に、自車両に交通事故等の緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報するのに好適な緊急通報装置および緊急通報システムならびに緊急車両案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車両が交通事故に遭った場合に、緊急通報センタに対して、交通事故が発生したことを通報するとともに自車両の現在位置(以下、自車位置と称する)を示す情報(以下、自車位置情報と称する)を送信する緊急通報装置が採用されていた。
【0003】
このような緊急通報装置からの交通事故の発生の通報を受けた緊急通報センタは、救急車やロードサービス等の緊急車両に対して、自車位置である事故現場への出動の指令と、緊急通報装置から受信した自車位置情報の送信とを行うようになっていた。
【0004】
緊急通報センタからの指令を受けた緊急車両は、緊急車両に搭載された車載用ナビゲーション装置によって、緊急通報センタから受信した自車位置情報と、FM多重放送やビーコンを介して取得した自車両の現在位置の周辺の交通情報(以下、自車周辺交通情報と称する)とを利用して、事故現場まで最短時間で到着することができる経路を探索するようになっていた。
【0005】
そして、緊急車両は、探索された経路に沿った車載用ナビゲーション装置のルート案内を受けながら、事故現場に向かうようになっていた。
【0006】
【特許文献1】特開平6−119596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来は、緊急車両がFM多重放送を介して自車周辺交通情報を取得する際に、数分から数十分程度の時間を要していたため、自車周辺交通情報を迅速に取得することができなかった。
【0008】
また、ビーコンでは、狭域の交通情報しか取得することができないため、緊急車両の現在の位置が事故現場から遠い場合には、詳細な自車周辺交通情報を取得することができなかった。
【0009】
この結果、緊急車両が、事故現場まで最短時間で到着することができる経路を迅速かつ確実に探索することができず、負傷者の救出等の迅速性を要する処理が遅延してしまうことがあった。
【0010】
このように、従来は、交通事故等の緊急事態に対処する際の所要時間、換言すれば、緊急事態の発生から解決に至るまでの所要時間を短縮することが困難であるといった問題が生じていた。
【0011】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、緊急事態に対処する際の所要時間を短縮することができる緊急通報装置および緊急通報システムならびに緊急車両案内システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明に係る緊急通報装置は、自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報して緊急車両の出動を要請する緊急事態発生通報手段と、前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報を送信する自車位置情報送信手段と、前記緊急通報先に、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報を送信する利用可能情報送信手段とを備えたことを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急事態発生通報手段によって、緊急通報先に、緊急事態が発生したことを通報することが可能となり、また、自車位置情報送信手段によって、緊急通報先に、自車位置情報を送信することが可能となり、さらに、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に、利用可能情報を送信することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る他の緊急通報装置は、前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生後に取得された前記自車両の取得情報を含むことを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、利用可能情報送信手段によって、緊急事態の発生後に取得された自車両の取得情報についても、利用可能情報として緊急通報先に送信することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明に係る他の緊急通報装置は、前記利用可能情報が、前記緊急事態に対処する際の所要時間に含まれる前記自車両の現在位置までの前記緊急車両の到着時間を短縮するために利用可能な情報とされていることを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に、自車位置までの緊急車両の到着時間を短縮するために利用可能な利用可能情報を送信することが可能となる。
【0015】
さらにまた、本発明に係る他の緊急通報装置は、前記利用可能情報が、前記自車両の現在位置の周辺の交通情報を含むことを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に、自車周辺交通情報を含む利用可能情報を送信することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る他の緊急通報装置は、前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生直前における所定時間分のドライブレコーダ情報を含むことを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に、緊急事態の発生直前における所定時間分のドライブレコーダ情報を含む利用可能情報を送信することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明に係る他の緊急通報装置は、前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生後における前記自車両の利用者の意識の覚醒度を示す情報を含むことを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に、緊急事態の発生後における自車両の利用者の意識の覚醒度を示す情報を含む利用可能情報を送信することが可能となる。
【0018】
さらにまた、本発明に係る緊急通報システムは、自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報して緊急車両の出動を要請する緊急事態発生通報手段と、前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報を送信する自車位置情報送信手段と、前記緊急通報先に、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報を送信する利用可能情報送信手段とを有する緊急通報装置と、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報または前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報の生成に用いられる元情報を取得する少なくとも1個の情報取得手段と、この少なくとも1個の情報取得手段に異常が発生しているか否かを診断する自己診断手段とを備え、前記利用可能情報送信手段が、前記自己診断手段によって異常が発生していると診断された前記情報取得手段が取得した前記自車両の取得情報、または、前記自己診断手段によって異常が発生していると診断された前記情報取得手段が取得した前記元情報に基づいて生成された前記自車両の取得情報については、前記利用可能情報として前記緊急通報先に送信しないように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急通報先に対して、緊急事態が発生したことを通報し、自車位置情報を送信し、利用可能情報を送信することが可能となり、また、自己診断手段によって異常が発生していると診断された情報取得手段が取得した自車両の取得情報または自己診断手段によって異常が発生していると診断された情報取得手段が取得した元情報に基づいて生成された自車両の取得情報については、利用可能情報として送信しないようにすることが可能となる。
【0019】
また、本発明に係る緊急車両案内システムは、自車両に搭載され、前記自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報するとともに、前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報と、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報とを送信する緊急通報装置を備え、前記緊急通報装置からの前記緊急事態の発生の通報を受けた前記緊急通報先が、前記緊急通報装置から送信された前記自車位置情報および前記利用可能情報の少なくとも一方を利用して、前記自車両の現在位置まで最短時間で到着することができる前記緊急車両の選出と、選出された緊急車両に対する前記自車両の現在位置への出動の指令と、前記選出された緊急車両に対する前記自車両の現在位置まで最短時間で到着することができる経路を示す情報の送信とを行うように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急通報装置によって、緊急通報先に対して、緊急事態の発生の通報と、自車位置情報の送信と、利用可能情報の送信とを行うことが可能となり、また、緊急通報先によって、緊急車両の選出と、選出された緊急車両に対する自車位置への出動の指令と、選出された緊急車両に対する自車位置まで最短時間で到着することができる経路を示す情報の送信とを行うことが可能となる。
【0020】
さらに、本発明に係る他の緊急車両案内システムは、前記緊急通報先が、前記緊急車両に対して、前記利用可能情報を送信するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成を採用したことにより、緊急通報先から緊急車両に対して、利用可能情報も送信することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る緊急通報装置によれば、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急事態発生通報手段によって、緊急通報先に緊急事態が発生したことを通報することができ、また、自車位置情報送信手段によって、緊急通報先に自車位置情報を送信することができ、さらに、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に利用可能情報を送信することができる結果、緊急通報先の職員や緊急車両の乗員が緊急事態に対処する際の所要時間を短縮することができる。特に、緊急事態が交通事故である場合には、負傷者を迅速に救出することができ、救命率の向上および後遺症の軽減を図ることができる。
【0022】
また、本発明に係る他の緊急通報装置によれば、利用可能情報送信手段によって、緊急事態の発生後に取得された自車両の取得情報についても、利用可能情報として緊急通報先に送信することができる結果、緊急通報先が、時々刻々と変化する利用可能情報を利用することによって、緊急事態に対処する際の所要時間をさらに短縮することができる。
【0023】
さらに、本発明に係る他の緊急通報装置によれば、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に自車位置までの緊急車両の到着時間を短縮するために利用可能な利用可能情報を送信することができる結果、自車位置までの緊急車両の到着時間を短縮することができる。
【0024】
さらにまた、本発明に係る他の緊急通報装置によれば、利用可能情報送信手段によって、緊急通報先に自車周辺交通情報を含む利用可能情報を送信することができる結果、緊急通報先が、自車周辺交通情報を含む利用可能情報を利用することによって、自車位置までの緊急車両の到着時間をさらに短縮することができる。
【0025】
また、本発明に係る他の緊急通報装置によれば、緊急通報先の職員または緊急通報先からの指令を受けた緊急車両の乗員が、ドライブレコーダ情報を利用することによって、緊急事態の状況を推測することができる。これにより、緊急車両が自車位置に到着する前から、予め、推測された緊急事態の状況に適合した対処の方法を考えることができる。この結果、緊急車両が自車位置に到着した後における緊急事態への対処(例えば、自車両の運転者等の負傷者の救出作業等)に要する所要時間をさらに短縮することができる。
【0026】
さらに、本発明に係る他の緊急通報装置によれば、緊急通報先の職員または緊急通報先からの指令を受けた緊急車両の乗員が、自車両の利用者の意識の覚醒度を示す情報を利用することによって、自車両の利用者の意識の覚醒度を把握することができる。これにより、緊急車両が自車位置に到着する前から、予め、把握された自車両の利用者の意識の覚醒度に適合した対処の方法を考えることができる。この結果、緊急車両が自車位置に到着した後における自車両の運転者の救出に要する所要時間を短縮することができる。
【0027】
さらにまた、本発明に係る緊急通報システムによれば、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急通報先に対して、緊急事態が発生したことを通報し、自車位置情報を送信し、利用可能情報を送信することができ、また、自己診断手段によって異常が発生していると診断された情報取得手段が取得した自車両の取得情報または自己診断手段によって異常が発生していると診断された情報取得手段が取得した元情報に基づいて生成された自車両の取得情報については、利用可能情報として送信しないようにすることができる結果、誤りが少ない利用可能情報に基づいて、緊急通報先の職員や緊急車両の乗員が緊急事態に対処する際の所要時間を確実に短縮することができる。
【0028】
また、本発明に係る緊急車両案内システムによれば、自車両に緊急事態が発生した場合に、緊急通報装置によって、緊急通報先に対して、緊急事態の発生の通報と、自車位置情報の送信と、利用可能情報の送信とを行うことができ、また、緊急通報先によって、緊急車両の選出と、選出された緊急車両に対する自車位置への出動の指令と、選出された緊急車両に対する自車位置まで最短時間で到着することができる経路を示す情報の送信とを行うことができる結果、緊急事態に対処する際の所要時間を短縮することができる。
【0029】
さらに、本発明に係る他の緊急車両案内システムによれば、緊急通報先から緊急車両に対して、利用可能情報も送信することができる結果、緊急車両が、利用可能情報を用いることによって、自車位置までの経路を独自に探索することや、緊急事態の状況を予測して緊急車両の自車位置への到着後における対処の方法を予め考えることができるため、緊急事態に対処する際の所要時間をさらに短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(緊急通報装置および緊急通報システムの実施形態)
以下、本発明に係る緊急通報装置および緊急通報システムの実施形態について、図1を参照して説明する。
【0031】
図1は、本実施形態における緊急通報システムとしての交通事故通報システム1を示したものである。図1に示すように、本実施形態における交通事故通報システム1は、車載LAN2を介して互いに接続された本実施形態における緊急通報装置としての交通事故通報装置3と、車載用ナビゲーション装置5と、画像処理装置6とを有している。
【0032】
まず、交通事故通報装置3について詳述すると、この交通事故通報装置3は、通報装置用CPU7を有しており、この通報装置用CPU7には、通報装置用システムバス8を介して、通報装置用LAN接続部9、緊急センタ通信装置10、交通情報用バッファ12、通報装置用自己動作診断部14、ドライブレコーダ部15およびGセンサ等の衝撃センサ18がそれぞれ接続されている。
【0033】
通報装置用LAN接続部9は、交通事故通報装置3を車載LAN2に接続するようになっている。
【0034】
緊急センタ通信装置10には、緊急通報センタとの通信を行うための外部アンテナ16および内蔵アンテナ17がそれぞれ接続されている。
【0035】
交通情報用バッファ12は、情報取得手段として機能し、車載用ナビゲーション装置5側で取得された自車位置情報および自車位置情報以外の自車両の取得情報(以下、自車取得情報と称する)としての自車周辺交通情報を、車載用ナビゲーション装置5から転得して一時的に格納するようになっている。なお、交通情報用バッファ12に格納される自車位置情報および自車周辺交通情報は、車載用ナビゲーション装置5側での各情報の更新にともなって逐次更新されるようになっている。
【0036】
ドライブレコーダ部15は、映像記録部19を有しており、この映像記録部19は、情報取得手段として機能し、画像処理装置6側で取得された元情報としての自車両の周辺を360°撮影した画像(以下、自車周辺画像と称する)の情報を、画像処理装置6側から取得するようになっている。そして、映像記録部19は、画像処理装置6側から取得した自車周辺画像の情報(以下、自車周辺画像情報と称する)を、最新の所定時間分蓄積させることによって、自車取得情報としてのドライブレコーダ情報を生成して取得するようになっている。
【0037】
なお、映像記録部19は、交通事故後においても、画像処理装置6が自車周辺画像情報を取得し続けることができる場合には、交通事故後において画像処理装置6側で取得された最新の自車周辺画像情報(以下、事故後自車周辺画像情報と称する)を、画像処理装置6から取得し続けるようになっている。
【0038】
さらに、ドライブレコーダ部15は、車両運動データ記録部20を有しており、この車両運動データ記録部20には、自車両のステアリング21に配設されたエアバック展開制御装置22が接続されている。車両運動データ記録部20には、エアバック展開制御装置22から、エアバックが展開したことを示すエアバック信号が入力されるようになっており、車両運動データ記録部20は、この入力されたエアバック信号を契機として、エアバック信号が入力されたことを示すデータを、車両運動データとして記録するようになっている。また、車両運動データ記録部20には、ステアリング21から、元情報としてのハンドル操作に関する情報が入力されるようになっている。また、車両運動データ記録部20には、車載用ナビゲーション装置5側から、元情報として、後述するGPS情報に基づいて検出された自車位置情報およびジャイロセンサおよび加速度センサによって検出された自車両の角速度の情報が入力されるようになっており、車両運動データ記録部20は、入力されたこれらの自車位置情報および角速度の情報を、車両運動データとして記録するようになっている。さらに、車両運動データ記録部20には、アクセルペダル開度およびブレーキペダル開度の情報が入力されるようになっており、車両運動データ記録部20は、入力されたこれらのペダル開度の情報を、車両運動データとして記録するようになっている。そして、車両運動データ記録部20は、情報取得手段として機能し、前述した各種の車両運動データをそれぞれ最新の所定時間分蓄積させることによって、自車取得情報としてのドライブレコーダ情報を生成して取得するようになっている。
【0039】
通報装置用自己動作診断部14は、通報装置用システムバス8を通じて、交通情報用バッファ12およびドライブレコーダ部15(すなわち、映像記録部19ならびに車両運動データ記録部20)に異常が発生しているか否かを診断するようになっている。
【0040】
この診断は、例えば、交通情報用バッファ12およびドライブレコーダ部15にそれぞれ格納された自車周辺交通情報、ドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報が読み出し可能な状態であるか否かを確認すること等によって行うことができる。
【0041】
本実施形態において、通報装置用CPU7は、緊急事態発生通報手段として機能し、自車両に緊急事態としての交通事故が発生したことを、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報先としての緊急通報センタに通報することによって、緊急車両の出動を要請するようになっている。このとき、通報装置用CPU7は、交通事故が発生したことを、衝撃センサ18の検出値が所定の閾値(例えば、0.4G)以上となったことに基づいて検知するようになっている。
【0042】
さらに、本実施形態において、通報装置用CPU7は、交通事故の程度を判定し、判定結果に応じた事故発生の通報を行うようになっている。
【0043】
すなわち、本実施形態において、通報装置用CPU7は、衝撃センサ18の検出値が所定の閾値(例えば、0.4G)以上の場合であって、車両運動データ記録部20にエアバック信号が入力されていない場合、すなわちエアバックが展開されていない場合には、交通事故の程度が小さい(以下、小破と称する)と判定するようになっている。また、通報装置用CPU7は、衝撃センサ18の検出値が所定の閾値以上かつ車両運動データ記録部20にエアバック信号が入力された場合であって、交通事故通報装置3が自車両のバッテリ(図示せず)によって駆動されている場合には、交通事故の程度が中程度(以下、中破と称する)と判定するようになっている。さらに、通報装置用CPU7は、衝撃センサ18の検出値が所定の閾値以上かつ車両運動データ記録部20にエアバック信号が入力された場合であって、交通事故通報装置3が、交通事故通報装置3に内蔵されたバックアップ電源部24によって駆動されている場合には、交通事故の程度が大きい(以下、大破と称する)と判定するようになっている。このような大破の場合には、自車両のバッテリと交通事故通報装置3との間の電源供給ライン(図示せず)が切断されているため、予備電源としてのバックアップ電源部24による交通事故通報装置3の駆動が行われている。
【0044】
そして、通報装置用CPU7は、交通事故が小破の場合には、交通事故の発生を緊急通報センタに通報することを自車両の運転者が指示(以下、通報指示と称する)することができる操作画面を、車載用ナビゲーション装置5に接続された画像表示装置26に表示するようになっている。そして、通報装置用CPU7は、画像表示装置26に表示された操作画面を用いた通報指示を待って、交通事故の発生を緊急通報センタに通報するようになっている。したがって、小破の場合には、通報指示がない限りは、交通事故の発生は通報されないことになる。
【0045】
また、通報装置用CPU7は、交通事故が中破の場合には、交通事故の発生を緊急通報センタに通報しないことを自車両の運転者が指示(以下、通報中止指示と称する)することができる操作画面を画像表示装置26に表示し、この操作画面を用いた通報中止指示が交通事故発生後に所定時間内に行われない場合には、交通事故の発生を緊急通報センタに通報するようになっている。
【0046】
さらに、通報装置用CPU7は、交通事故が大破の場合には、運転者の指示を待つことなく交通事故の発生を緊急通報センタに通報するようになっている。
【0047】
このように、交通事故の程度に応じた事故発生の通報を行うことによって、不要な通報が行われることを防止することができる。
【0048】
本実施形態において、通報装置用CPU7は、自車位置情報送信手段として機能し、交通事故の発生を緊急通報センタに通報する際に、交通情報用バッファ12に格納された最新の自車位置情報を読み出し、読み出された自車位置情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信するようになっている。
【0049】
また、本実施形態において、通報装置用CPU7は、利用可能情報送信手段として機能し、交通事故の発生を緊急通報センタに通報する際に、交通情報用バッファ12に格納された最新の自車周辺交通情報を、利用可能情報として読み出すようになっている。そして、通報装置用CPU7は、読み出された最新の自車周辺交通情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信するようになっている。
【0050】
この通報装置用CPU7による緊急通報センタへの自車周辺交通情報の送信は、交通事故が発生した後に、緊急車両が自車位置に到着するまでの間、継続して行われるようになっている。
【0051】
したがって、緊急通報センタは、自車両から送信される時々刻々と変化する最新の自車周辺交通情報をリアルタイムに取得することができるようになっている。そして、緊急通報センタは、自車位置情報に基づいて事故現場を確実に把握した上で、交通事故通報装置3から送信された利用可能情報としての自車周辺交通情報を利用することによって、交通事故に対処する際の所要時間を短縮することができる。例えば、緊急通報センタは、自車周辺交通情報を利用して、緊急車両が自車位置まで最短時間で到着することができる経路を探索して緊急車両に送信することによって、自車位置(事故現場)までの緊急車両の到着時間を短縮することができる。あるいは、緊急通報センタ自身が経路を探索しない場合であっても、緊急通報センタが緊急車両に自車周辺交通情報を送信すれば、緊急車両が、自車周辺交通情報を利用して自車位置まで最短時間で到着することができる経路を独自に探索し、探索された経路に沿ったルート案内を受けながら自車位置に向かうことができる。この場合であっても、自車位置までの緊急車両の到着時間を短縮することができる。
【0052】
さらに、本実施形態において、通報装置用CPU7は、映像記録部19から、事故後自車周辺画像情報を、利用可能情報として読み出し、読み出された事故後自車周辺画像情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信するようになっている。
【0053】
さらにまた、本実施形態において、通報装置用CPU7は、ドライブレコーダ部15(映像記録部19および車両運動データ記録部20)に格納された交通事故の発生直前の所定時間分のドライブレコーダ情報を利用可能情報として読み出し、この読み出されたドライブレコーダ情報を、緊急通報先に送信するようになっている。なお、事故後自車周辺画像情報およびドライブレコーダ情報に比べれば、自車位置情報および自車周辺交通情報の方が重要度が高いため、事故後自車周辺画像情報およびドライブレコーダ情報の送信は、自車位置情報および自車周辺交通情報を優先的に送信した後に行うようにしてもよい。
【0054】
また、交通事故通報装置3には、画像処理装置6から、利用可能情報として、画像処理装置6側で取得された自車両の運転者の意識の覚醒度を示す情報(以下、覚醒度情報と称する)が、車載LAN2を介して入力されるようになっている。そして、通報装置用CPU7は、入力された覚醒度情報を、緊急通報センタに送信するようになっている。この覚醒度情報は、自車両の運転者の瞬きの頻度等から、自車両の運転者の意識の覚醒度を定量的に判断したものとなっている。
【0055】
したがって、緊急通報センタの職員や緊急車両の乗員は、これらの事故後自車周辺画像情報、ドライブレコーダ情報および覚醒度情報を利用することによって、交通事故の状況を推測し、また、運転者の意識の覚醒度を把握することができる。これにより、緊急通報センタの職員や緊急車両の乗員は、緊急車両が事故現場に到着する前に、予め、推測された交通事故の状況や運転者の意識の覚醒度に適合した対処の方法を考えることができるので、運転者の救出に要する所要時間の短縮を図ることができる。
【0056】
さらに、本実施形態において、通報装置用CPU7は、通報装置用自己動作診断部14によって異常が発生していると診断された情報取得手段12,19,20が取得した自車取得情報については、利用可能情報として緊急通報センタに送信しないようになっている。
【0057】
これにより、交通事故の衝撃によって故障が発生した情報取得手段12,19,20から、故障後に誤った自車取得情報が取得されて、この誤った自車取得情報が利用可能情報として緊急通報センタに送信されることを防止することが可能となる。
【0058】
さらにまた、本実施形態において、通報装置用CPU7は、交通事故の程度に応じて、緊急通報センタに送信する利用可能情報を変更するようになっている。
【0059】
すなわち、通報装置用CPU7は、交通事故が小破の場合には、利用可能情報として、自車周辺交通情報、ドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報を送信するようになっている。一方、交通事故が中破または大破の場合には、通報装置用CPU7は、小破の場合に送信する利用可能情報に加えて、覚醒度情報を送信するようになっている。つまり、小破の場合には、運転者の意識の覚醒度を確認するまでもないことが多いので、小破の場合には覚醒度情報は送信しないようになっている。
【0060】
これにより、交通事故の程度に応じた必要な情報のみを緊急通報センタに送信することができる。
【0061】
なお、通報装置用CPU7は、利用可能情報として、通報装置用自己動作診断部14による診断結果を送信するようにしてもよい。通報装置用自己動作診断部14による診断結果は、交通事故による自車両の破損状況を反映しているので、このような診断結果を送信された緊急通報センタの職員や緊急車両の乗員は、診断結果を利用することによって交通事故の状況を推測し、推測された状況に適合した対処の方法を考えることができる。これにより、他の利用可能情報の場合と同様に、交通事故に対処する際の所要時間を短縮することができる。
【0062】
次に、車載用ナビゲーション装置5について詳述すると、この車載用ナビゲーション装置5は、ナビ用CPU28を有しており、このナビ用CPU28には、ナビ用システムバス29を介して、ナビ用LAN接続部30、自車位置検出部31、交通情報取得部32、ナビ用自己動作診断部34、地図データベース格納ハードディスクドライブ(図1における地図DB格納HDD35)、経路計算部37および地図描画部38が接続されている。
【0063】
ナビ用LAN接続部30は、車載用ナビゲーション装置5を車載LAN2に接続するようになっている。
【0064】
自車位置検出部31には、GPS受信部39が接続されており、このGPS受信部39は、図示しないGPS衛星から時刻および軌道に関する情報(以下、GPS情報と称する)を取得し、取得されたGPS情報を自車位置検出部31に出力するようになっている。自車位置検出部31は、GPS受信部39から出力されたGPS情報を用いることによって自車位置を検出し、検出された自車位置を示す自車位置情報を保持するようになっている。この自車位置情報は、GPS情報の配信周期にあわせて、例えば、0.1秒ごとに逐次更新されるようになっている。また、自車位置検出部31は、ジャイロセンサおよび加速度センサ等の図示しない自律航法センサの検出結果(角速度)に基づいて自車位置を検出するようにしてもよい。また、自車位置検出部31は、地図DB格納HDD35に格納された地図データを用いることによって、自車位置を地図データ上の該当する道路上の位置に整合させるマップマッチングを行って自車位置を補正するようにしてもよい。マップマッチングを行う場合には、自車位置情報は、マップマッチング後における自車位置を示す情報となる。
【0065】
交通情報取得部32は、情報取得手段としての周辺交通情報生成部40を有している。
【0066】
周辺交通情報生成部40には、情報取得手段としてのVICSビーコン受信部41が接続されており、このVICSビーコン受信部41は、光ビーコンまたは電波ビーコンによって、VICSセンタから配信される元情報としての狭域の自車周辺交通情報を含む情報を取得し、取得された情報を周辺交通情報生成部40に出力するようになっている。
【0067】
また、周辺交通情報生成部40には、情報取得手段としてのFM多重受信部42が接続されており、このFM多重受信部42は、FM多重放送によって、元情報としての広域の自車周辺交通情報を含む情報を取得し、取得された情報を、周辺交通情報生成部40に出力するようになっている。
【0068】
さらに、周辺交通情報生成部40には、情報取得手段としてのプローブ情報受信部43が接続されており、このプローブ情報受信部43は、プローブセンタから、元情報としての自車周辺交通情報を含むプローブ情報を取得し、取得されたプローブ情報を、周辺交通情報生成部40に出力するようになっている。
【0069】
さらにまた、周辺交通情報生成部40には、情報取得手段としての車車間通信受信部44が接続されており、この車車間通信受信部44は、車車間通信(いわゆるホッピング通信を含む)によって、元情報としての自車周辺交通情報を含む情報を取得し、取得された情報を周辺交通情報生成部40に出力するようになっている。
【0070】
周辺交通情報生成部40は、各受信部41〜44によって出力された自車周辺交通情報を含む情報(元情報)から、自車周辺交通情報のみを取り出すことによって、自車取得情報として、不要な情報が除去された自車周辺交通情報を生成・取得するようになっている。また、周辺交通情報生成部40は、各受信部41〜44による元情報の受信周期にあわせて、自車周辺交通情報を逐次更新するようになっている。この自車周辺交通情報は、交通事故の発生後においても、周辺交通情報生成部40および少なくとも1つの受信部41〜44が正常に機能している場合には、継続的に生成されて取得されるようになっている。なお、各受信部41〜44の受信周期が異なってもよいことは勿論である。
【0071】
ナビ用CPU28は、自車位置検出部31によって保持された自車位置情報と、周辺交通情報生成部40によって生成された自車周辺交通情報とを、自車位置検出部31および周辺交通情報生成部40からそれぞれ読み出し、読み出された自車位置情報および自車周辺交通情報を、ナビ用LAN接続部30を介して交通事故通報装置3に出力するようになっている。
【0072】
このナビ用CPU28によって出力された自車位置情報および自車周辺交通情報は、交通情報用バッファ12に格納された後に、前述した通報装置用CPU7による緊急通報センタへの自車位置情報および自車周辺交通情報(利用可能情報)の送信に用いられることになる。
【0073】
ナビ用自己動作診断部34は、ナビ用システムバス29を通じて、情報取得手段としての交通情報取得部32における各構成部40〜44に異常が発生しているか否かを診断するようになっている。この診断は、例えば、ナビ用自己動作診断部34から、交通情報取得部32における各構成部40〜44に対して診断用の信号を送信し、この信号に対する応答信号が各構成部40〜44から返信されるか否かを確認すること等によって行うことができる。
【0074】
そして、ナビ用CPU28は、ナビ用自己動作診断部34によって周辺交通情報生成部40に異常が発生していると診断された場合には、この周辺交通情報生成部40によって生成された自車周辺交通情報を交通事故通報装置3に出力しないようになっている。また、ナビ用CPU28は、ナビ用自己動作診断部34によって異常が発生していると診断された受信部41〜44が取得した元情報に基づいて周辺交通情報生成部40によって生成された自車周辺画像情報については、交通事故通報装置3に出力しないようになっている。
【0075】
これにより、交通事故の衝撃によって故障が発生した周辺交通情報生成部40によって誤った自車周辺交通情報が生成され、この誤った自車周辺交通情報が、結果的に利用可能情報として緊急通報センタに送信されることを防止することが可能となる。また、交通事故の衝撃によって故障が発生した受信部41〜44によって誤った元情報が取得され、この誤った元情報に基づいて生成された誤った自車周辺交通情報が、結果的に利用可能情報として緊急通報センタに送信されることを防止することが可能となる。
【0076】
経路計算部37は、自車位置検出部31によって検出された自車位置からユーザが指定した目的地まで自車両を案内するために最適な推奨経路を計算するようになっている。この推奨経路の計算の際には、地図DB格納HDD35に格納された地図データ(経路計算データ)および交通情報取得部32によって取得された自車周辺交通情報が用いられるようになっている。
【0077】
地図描画部38には、前述した画像表示装置26が接続されている。地図描画部38は、地図DB格納HDD35に格納された地図データを用いて地図描画データを生成し、生成された地図描画データを画像表示装置26に出力することによって、地図表示を行うようになっている。また、地図描画部38は、推奨経路に沿って自車両を目的地まで案内(ルート案内)するための案内画像(例えば、交差点拡大画像等)を描画するための案内画像描画データを生成し、生成された案内画像描画データを画像表示装置26に出力することによって、案内画像を介したルート案内を行うようになっている。
【0078】
次に、画像処理装置6について詳述すると、この画像処理装置6は、画像処理装置用CPU47を有しており、この画像処理装置用CPU47には、画像処理装置用システムバス48を介して、画像処理装置用LAN接続部49、自車周辺画像生成部50、情報取得手段としての覚醒度判定部51および画像処理装置用自己動作診断部52がそれぞれ接続されている。
【0079】
画像処理装置用LAN接続部49は、画像処理装置6を車載LAN2に接続するようになっている。
【0080】
自車周辺画像生成部50には、自車両における互いに異なる位置に取り付けられた第1〜第4の4台の周辺カメラ54〜57が接続されており、各周辺カメラ54〜57は、自車両の周辺を撮影し、撮影映像の情報(以下、周辺撮影映像情報と称する)を、自車周辺画像生成部50に出力するようになっている。なお、第1周辺カメラ54については、自車両の前部(例えば、エンブレム部)に、第2周辺カメラ55については、自車両の後部(例えば、リアライセンスガーニッシュ部)に、第3周辺カメラ56については、自車両の右測部(例えば、右ドアミラー部)に、第4周辺カメラ57については、自車両の左側部(例えば、左ドアミラー部)に、それぞれ取り付けるようにしてもよい。自車周辺画像生成部50は、各周辺カメラ54〜57から出力された周辺撮影映像情報を用いることによって、自車周辺画像情報を生成して取得するようになっている。
【0081】
なお、この自車周辺画像情報は、自車取得情報としてのドライブレコーダ情報にとっては、元情報となり、一方、自車取得情報としての事故後自車周辺画像情報にとっては、自車取得情報そのものとなる。さらに、第1〜第4の周辺カメラ54〜57によって撮影された周辺撮影映像情報は、事故後自車周辺画像情報にとっては、元情報となる。したがって、第1〜第4の周辺カメラ54〜57は、事故後自車周辺画像情報の元情報(周辺撮影映像情報)を取得する情報取得手段となる。
【0082】
また、覚醒度判定部51には、車内に取り付けられた情報取得手段としての表情カメラ59が接続されており、この表情カメラ59は、自車両の運転者の表情を撮影し、撮影映像の情報(以下、表情撮影映像情報と称する)を、元情報として覚醒度判定部51に出力するようになっている。そして、覚醒度判定部51は、表情カメラ59によって出力された表情撮影映像情報を用いて、例えば、瞬きの頻度等から自車両の運転者の意識の覚醒度を判定し、この判定結果を示す情報として、前述した覚醒度情報を生成して取得するようになっている。
【0083】
画像処理装置用CPU47は、自車周辺画像生成部50によって取得された自車周辺画像情報を自車周辺画像生成部50から読み出し、読み出された自車周辺画像情報を、画像処理装置用LAN接続部49を介して交通事故通報装置3に出力するようになっている。この画像処理装置用CPU47によって交通事故通報装置3に出力された自車周辺画像情報は、映像記録部19に格納されてドライブレコーダ情報の生成に用いられることになる。また、交通事故の発生後に画像処理装置用CPU47によって出力される自車周辺画像情報は、利用可能情報としての事故後自車周辺画像情報として、緊急通報センタに送信されることになる。
【0084】
また、画像処理装置用CPU47は、覚醒度判定部51によって生成された覚醒度情報を覚醒度判定部51から読み出し、読み出された覚醒度情報を、利用可能情報として画像処理装置用LAN接続部49を介して交通事故通報装置3に出力するようになっている。この画像処理装置用CPU47によって出力された覚醒度情報は、前述したように、交通事故通報装置3によって利用可能情報として緊急通報センタに送信されることになる。
【0085】
画像処理装置用自己動作診断部52は、画像処理装置用システムバス48を通じて、自車周辺画像生成部50、覚醒度判定部51、各周辺カメラ54〜57および表情カメラ59に異常が発生しているか否かを診断するようになっている。
【0086】
そして、画像処理装置用CPU47は、画像処理装置用自己動作診断部52によって自車周辺画像生成部50に異常が発生していると診断された場合には、この自車周辺画像生成部50によって生成された自車周辺画像情報(事故後自車周辺画像情報を含む)を交通事故通報装置3に出力しないようになっている。また、画像処理装置用CPU47は、画像処理装置用自己動作診断部52によって異常が発生していると診断された周辺カメラ54〜57によって出力された周辺撮影映像情報に基づいて自車周辺画像生成部50によって生成された自車周辺画像情報(事故後自車周辺画像情報を含む)については、交通事故通報装置3に出力しないようになっている。さらに、画像処理装置用CPU47は、画像処理装置用自己動作診断部52によって覚醒度判定部51または表情カメラ59に異常が発生していると診断された場合には、覚醒度情報を交通事故通報装置3に出力しないようになっている。
【0087】
これにより、交通事故の衝撃によって故障が発生した情報取得手段50,51,54〜57,59によって、故障後に誤った情報が取得されて、この誤った情報を原因として、誤った利用可能情報(ドライブレコーダ情報、事故後自車周辺画像情報または覚醒度情報)が緊急通報センタに送信されることを防止することが可能となる。
【0088】
上記構成以外にも、車載LAN2に、情報取得手段として、自車両の周辺の状況を検出するミリ波レーダ等のレーダ装置を接続し、このレーダ装置によって取得されたレーダ検出結果を、利用可能情報として緊急通報センタに送信するようにしてもよい。
【0089】
また、通報装置用CPU7は、エアバック信号の入力の有無を用いずに、衝撃センサ18の検出値のみに基づいて、交通事故の程度(小破、中破または大破の別)を判定するようにしてもよい。
【0090】
あるいは、通報装置用CPU7は、エアバック信号が入力されていない状態において、運転者による事故発生の通報指示が入力されることによって、交通事故が小破であるとの判定を行うようにしてもよい。この場合には、衝撃センサ18を設ける必要はなくなる。ただし、この場合には、運転者が通報指示を行うことができる操作画面を、事故発生の有無に関わりなくメインメニューあるいはサブメニューとして常時提供することが必要となる。
【0091】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0092】
なお、初期状態において、ドライブレコーダ部15(映像記録部19および車両運動データ記録部20)には、ドライブレコーダ情報が蓄積されているものとする。
【0093】
本実施形態においては、まず、図2のステップ1(ST1)において、通報装置用CPU7により、衝撃センサ18の検出結果が所定の閾値以上であるか否かを判定し、当該検出結果が閾値以上の場合にはステップ2(ST2)に進み、閾値未満の場合には、一切の交通事故が発生していないものとみなして処理を終了する。
【0094】
次いで、ステップ2(ST2)において、通報装置用自己動作診断部14、ナビ用自己動作診断部34および画像処理装置用自己動作診断部52により、情報取得手段12,15(19,20),40〜44,50,51,54〜57,59に異常が発生しているか否かを自己診断する。この自己診断は、自車両のバッテリと交通事故通報装置3、車載用ナビゲーション装置5または画像処理装置6とを結ぶ電源供給ラインが接続されているか否かの診断をともなうものであってもよい。
【0095】
そして、ナビ用CPU28は、ナビ用自己動作診断部34による自己診断によって、周辺交通情報生成部40に異常が発生していないと診断された場合には、ナビ用自己動作診断部34による自己診断によって異常が発生していないと診断された受信部41〜44のみによって取得された元情報に基づいて周辺交通情報生成部40が生成した正常な自車周辺交通情報を、交通事故通報装置3に出力する。交通事故通報装置3に出力された正常な自車周辺交通情報は、交通情報用バッファ12に格納される。
【0096】
また、このとき、画像処理装置用CPU47は、画像処理装置用自己動作診断部52による自己診断によって周辺カメラ54〜57および自車周辺画像生成部50に異常が発生していないと診断された場合には、自車周辺画像生成部50によって生成された正常な事故後自車周辺画像情報を、交通事故通報装置3に出力する。交通事故通報装置3に出力された正常な事故後自車周辺画像情報は、映像記録部19に格納される。
【0097】
さらに、このとき、画像処理装置用CPU47は、画像処理装置用自己動作診断部52による自己診断によって表情カメラ59および覚醒度判定部51に異常が発生していないと診断された場合には、覚醒度判定部51によって生成された正常な覚醒度情報を、交通事故通報装置3に出力する。
【0098】
次いで、ステップ3(ST3)において、通報装置用CPU7により、車両運動データ記録部20にエアバック信号が入力されたか否かを判定し、エアバック信号が入力されていない場合には、交通事故が小破であると判定してステップ4(ST4)に進み、入力された場合には、(ST9)に進む。
【0099】
交通事故が小破の場合には、まず、ステップ4(ST4)において、通報装置用CPU7により、自車両の運転者からの通報指示が入力されたか否かを判定する。
【0100】
そして、ステップ4(ST4)において、通報指示が入力された場合には、ステップ5(ST5)に進み、入力されていない場合には、ステップ8(ST8)に進む。ステップ8(ST8)に進む場合には、通報装置用CPU7は、交通事故の発生を緊急通報センタに通報せずに処理を終了する。
【0101】
次いで、ステップ5(ST5)において、通報装置用CPU7により、交通事故の発生を緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに通報する。また、このとき、通報装置用CPU7により、交通情報用バッファ12に格納された自車位置情報を読み出し、読み出された自車位置情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信する。
【0102】
次いで、ステップ6(ST6)において、通報装置用CPU7により、交通情報用バッファ12から正常な自車周辺交通情報を読み出し、この読み出された正常な自車周辺交通情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信する。このステップ6(ST6)の処理は、自車位置に緊急車両が到着するまで継続して行う。ただし、このステップ6(ST6)の処理は、ステップ2(ST2)において、交通情報用バッファ12に異常が発生していないと診断されたことが前提となる。
【0103】
次いで、ステップ7(ST7)においては、通報装置用CPU7により、ドライブレコーダ部15に格納されたドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報を読み出し、読み出されたドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信して処理を終了する。ただし、ステップ7(ST7)の処理は、ステップ2(ST2)において、ドライブレコーダ部15における映像記録部19および車両運動データ記録部20に異常が発生していないと診断されたことが前提となる。
【0104】
一方、ステップ9(ST9)においては、通報装置用CPU7により、交通事故通報装置3が自車両のバッテリによって駆動されているか否かを判定し、バッテリによって駆動されている場合には、交通事故が中破であると判定してステップ10(ST10)に進み、そうでない場合(バックアップ電源部24による駆動の場合)には、交通事故が大破であると判定してステップ14(ST14)に進む。ステップ9(ST9)の判定には、通報装置用自己動作診断部14の診断結果を利用するようにしてもよい。
【0105】
交通事故が中破の場合には、まず、ステップ10(ST10)において、通報装置用CPU7により、運転者からの通報中止指令が入力されているか否かを判定し、通報中止指令が入力されている場合には、ステップ8(ST8)に進み、入力されていない場合には、ステップ11(ST11)に進む。
【0106】
次いで、ステップ11(ST11)において、通報装置用CPU7により、交通事故の発生を緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに通報する。また、通報装置用CPU7により、交通情報用バッファ12から自車位置情報を読み出し、読み出された自車位置情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信する。
【0107】
次いで、ステップ12(ST12)において、通報装置用CPU7により、交通情報用バッファ12から正常な自車周辺交通情報を読み出し、この読み出された正常な自車周辺交通情報を、緊急センタ通信装置10を介して緊急通報センタに送信する。ただし、このステップ12(ST12)の処理は、ステップ2(ST2)において、交通情報用バッファ12に異常が発生していないと診断されたことが前提となる。
【0108】
次いで、ステップ13(ST13)において、通報装置用CPU7により、ドライブレコーダ部15に格納されたドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報を読み出して緊急通報センタに送信するとともに、ステップ2(ST2)において交通事故通報装置3に出力された正常な覚醒度情報を緊急センタに送信して処理を終了する。ただし、ステップ13(ST13)におけるドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報の送信処理は、ステップ2(ST2)においてドライブレコーダ部15における映像記録部19および車両運動データ記録部20に異常が発生していないと診断されたことが前提となる。
【0109】
交通事故が大破の場合には、中破の場合におけるステップ11(ST11)以降の処理と同様の処理を行う。
【0110】
すなわち、まず、ステップ14(ST14)において、通報装置用CPU7により、交通事故の発生および自車位置情報を緊急通報センタに送信する。
【0111】
次いで、ステップ15(ST15)において、通報装置用CPU7により、ステップ2(ST2)において異常が発生していないと診断された交通情報用バッファ12から読み出された正常な自車周辺交通情報を緊急通報センタに送信する。
【0112】
次いで、ステップ16(ST16)において、通報装置用CPU7により、ステップ2(ST2)において異常が発生していないと診断されたドライブレコーダ部15から読み出されたドライブレコーダ情報および事故後自車周辺画像情報ならびに交通事故通報装置3に出力された正常な覚醒度情報を緊急センタに送信して処理を終了する。
(緊急車両案内システムの実施形態)
次に、本発明に係る緊急車両案内システムの実施形態について、図3を参照して説明する。
【0113】
図3に示すように、本実施形態における緊急車両案内システム60は、前述した交通事故通報システム1と、緊急通報センタに備えられた緊急車両管理装置61と、緊急車両に搭載された緊急車両用ナビゲーション装置62とによって構成されている。緊急車両用ナビゲーション装置62は、前述した車載用ナビゲーション装置5と同様の基本構成を有するものであってもよい。
【0114】
緊急車両管理装置61は、受信部63を有しており、この受信部63は、交通事故通報システム1から送信された事故発生の通報、自車位置情報および利用可能情報(自車周辺交通情報およびドライブレコーダ情報等)を受信するようになっている。
【0115】
また、受信部63は、緊急車両管理装置61によって管理されている複数台の緊急車両における各緊急車両用ナビゲーション装置62からそれぞれ送信された各緊急車両の現在位置を示す情報(以下、緊急車両位置情報と称する)を受信するようになっている。
【0116】
受信部63には、緊急車両選出部65が接続されており、この緊急車両選出部65には、受信部63によって受信された自車位置情報および複数台分の緊急車両位置情報が入力されるようになっている。
【0117】
そして、緊急車両選出部65は、入力された自車位置情報と複数台分の緊急車両位置情報とを用いて、事故現場に最も近い位置を走行している緊急車両を選出するようになっている。
【0118】
緊急車両選出部65および受信部63には、経路探索部66が接続されており、この経路探索部66には、緊急車両選出部65から、緊急車両選出部65によって選出された緊急車両(以下、選出車両と称する)についての緊急車両位置情報が入力され、また、受信部63から、自車位置情報と利用可能情報における自車周辺交通情報とが入力されるようになっている。
【0119】
また、経路探索部66には、地図データが格納された記憶装置67が接続されている。
【0120】
経路探索部66は、入力された自車位置情報、緊急車両位置情報および自車周辺交通情報に基づいて、選出車両の現在位置から自車位置(事故現場)に最短時間で到着することができる経路(以下、最短経路と称する)を、地図データを用いて探索するようになっている。この最短経路は、交通事故通報システム1から送信される自車周辺交通情報の変化にともなって変動する場合もある。
【0121】
なお、緊急車両管理装置61によって管理されている複数台分の緊急車両のそれぞれに対して、各緊急車両の現在位置から事故現場までの最短経路を経路探索部66によって探索し、その上で、最短経路が最も短い緊急車両を、緊急車両選出部65によって選出車両として選出するようにしてもよい。
【0122】
経路探索部66および受信部63には、送信部68が接続されており、この送信部68には、経路探索部66から、最短経路の情報(以下、最短経路情報と称する)が入力され、また、受信部63から、自車位置情報および利用可能情報が入力されるようになっている。
【0123】
送信部68は、最短経路情報、自車位置情報および利用可能情報が入力されると、選出車両に対して、事故現場に向かう旨の指令(出動指令)、自車位置情報の送信、最短経路情報の送信および利用可能情報の送信を行うようになっている。このとき、送信部68は、緊急通報センタが独自に取得した広域の交通情報をあわせて送信するようにしてもよい。
【0124】
選出車両の緊急車両用ナビゲーション装置62は、送信部68から送信された最短経路情報を受信し、受信した最短経路情報によって示された最短経路に沿って、選出車両をルート案内するようになっている。
【0125】
このような構成を有する緊急車両案内システム60によれば、緊急通報センタが、自車両から送信された自車周辺交通情報を利用して最短経路を探索し、選出車両が、最短経路に沿ったルート案内を受けることができるので、事故現場までの選出車両の到着時間を短縮することができる。
【0126】
また、緊急通報センタが、利用可能情報として、ドライブレコーダ情報、事故後自車周辺画像情報および覚醒度情報を選出車両に送信することができるので、選出車両の乗員が、交通事故の状況を推測したり、また、自車両の運転者の意識の覚醒度を把握したりすることができる。
【0127】
これにより、選出車両の乗員は、選出車両が事故現場に到着する前から、予め、推測された交通事故の状況や、把握された自車両の運転者の意識の覚醒度に適合した対処の方法を考えることができる。
【0128】
この結果、選出車両が事故現場に到着した後における対処(自車両の運転者の救出等)に要する所要時間を短縮することができる。
【0129】
以上述べたように、本発明によれば、自車両が交通事故に遭った場合に、通報装置用CPU7によって、緊急通報先に自車周辺交通情報等の利用可能情報を送信することができる結果、交通事故に対処する際の所要時間を短縮することができる。これにより、負傷者を迅速に救出することができ、救命率の向上および後遺症の軽減を図ることができる。
【0130】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0131】
例えば、前述した緊急車両案内システム60では、緊急通報センタにおいて、最短経路を探索するようになっていたが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、選出車両の緊急車両用ナビゲーション装置62が、独自に最短経路を探索するようにしてもよい。
【0132】
また、本発明は、例えば、自走中の車両故障等の交通事故以外の緊急事態に適用するようにしてもよい。その場合には、ユーザによる入力操作を契機として緊急事態の発生を緊急通報センタに通報する緊急事態発生通報手段を設けるようにすればよい。
【0133】
さらに、近年においては、自走中に車載カメラ(全方位カメラ等)によって撮影された自車両の周辺の映像を用いて、自車両の周辺の実世界を模した三次元地図データを生成して地図データベースを構築する技術が提案されているが、このような三次元地図データを、利用可能情報として緊急通報センタに送信するようにしてもよい。このようにすれば、緊急車両が、緊急通報センタから送信された前記三次元地図データを頼りに、自車位置まで円滑に走行することができ、到着時間をさらに短縮することが可能となる。
【0134】
さらにまた、交通事故通報装置3は、可能な限り衝撃を受けにくい位置(例えば、ガソリンタンク付近)に配設することが好ましい。また、交通事故通報装置3を、強度の良好なケース内に格納するようにしてもよく、あるいは、ダンパなどの緩衝部材を介して自車両に固定するようにしてもよい。
【0135】
また、GPS受信部39のアンテナやVICSビーコン受信部41のアンテナ等のアンテナとしては、通常使用するもの以外に、交通事故を想定して非常用のアンテナを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明に係る緊急通報装置および緊急通報システムの実施形態としての交通事故通報装置および交通事故通報システムの実施形態を示すブロック図
【図2】本実施形態における交通事故通報装置および交通事故通報システムの動作を示すフローチャート
【図3】本発明に係る緊急車両案内システムの実施形態を示す構成図
【符号の説明】
【0137】
1 交通事故通報システム
3 交通事故通報装置
7 通報装置用CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報して緊急車両の出動を要請する緊急事態発生通報手段と、
前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報を送信する自車位置情報送信手段と、
前記緊急通報先に、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報を送信する利用可能情報送信手段と
を備えたことを特徴とする緊急通報装置。
【請求項2】
前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生後に取得された前記自車両の取得情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の緊急通報装置。
【請求項3】
前記利用可能情報が、前記緊急事態に対処する際の所要時間に含まれる前記自車両の現在位置までの前記緊急車両の到着時間を短縮するために利用可能な情報とされていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の緊急通報装置。
【請求項4】
前記利用可能情報が、前記自車両の現在位置の周辺の交通情報を含むこと
を特徴とする請求項3に記載の緊急通報装置。
【請求項5】
前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生直前における所定時間分のドライブレコーダ情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の緊急通報装置。
【請求項6】
前記利用可能情報が、前記緊急事態の発生後における前記自車両の利用者の意識の覚醒度を示す情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の緊急通報装置。
【請求項7】
自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報して緊急車両の出動を要請する緊急事態発生通報手段と、前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報を送信する自車位置情報送信手段と、前記緊急通報先に、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報を送信する利用可能情報送信手段とを有する緊急通報装置と、
前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報または前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報の生成に用いられる元情報を取得する少なくとも1個の情報取得手段と、
この少なくとも1個の情報取得手段に異常が発生しているか否かを診断する自己診断手段と
を備え、
前記利用可能情報送信手段が、前記自己診断手段によって異常が発生していると診断された前記情報取得手段が取得した前記自車両の取得情報、または、前記自己診断手段によって異常が発生していると診断された前記情報取得手段が取得した前記元情報に基づいて生成された前記自車両の取得情報については、前記利用可能情報として前記緊急通報先に送信しないように形成されていること
を特徴とする緊急通報システム。
【請求項8】
自車両に搭載され、前記自車両に緊急事態が発生したことを緊急通報先に通報するとともに、前記緊急通報先に、前記自車両の現在位置を示す情報である自車位置情報と、前記自車位置情報以外の前記自車両の取得情報における前記緊急事態に対処する際の所要時間を短縮するために利用可能な情報である利用可能情報とを送信する緊急通報装置を備え、
前記緊急通報装置からの前記緊急事態の発生の通報を受けた前記緊急通報先が、前記緊急通報装置から送信された前記自車位置情報および前記利用可能情報の少なくとも一方を利用して、前記自車両の現在位置まで最短時間で到着することができる前記緊急車両の選出と、選出された緊急車両に対する前記自車両の現在位置への出動の指令と、前記選出された緊急車両に対する前記自車両の現在位置まで最短時間で到着することができる経路を示す情報の送信とを行うように形成されていること
を特徴とする緊急車両案内システム。
【請求項9】
前記緊急通報先が、前記緊急車両に対して、前記利用可能情報を送信するように形成されていること
を特徴とする請求項8に記載の緊急車両案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−334574(P2007−334574A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164852(P2006−164852)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】