説明

自己浄化アノードを含む閉ドリフト磁場イオン源装置および同装置による基板改質プロセス

閉ドリフトイオン源の電気絶縁アノード電極に電子を供給するステップを含む、基板の表面を改質するプロセスが、提供される。アノード電極は、正のアノード電極帯電バイアスを有するが、閉ドリフトイオン源の他の構成要素は、電気的に接地され、または電気的浮動電圧を保持する。電子は、イオン形成を誘導する閉ドリフト磁場と交差する。アノード汚染は、ガスの存在下で電極帯電バイアスを負に切り替えることによって防止され、プラズマが、アノード電極の近傍に生成され、アノード電極から汚染堆積物を浄化する。次に、電極帯電バイアスは、反復電子源の存在下で正に戻され、反復イオン形成を誘導し、基板の表面を再び改質する。このプロセスによって基板の表面を改質する装置が、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2008年12月8日に出願した米国仮特許出願第61/120,800号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、概略的には、基板表面改質に関し、具体的には、アノード汚染堆積物を除去するために交流帯電バイアスが電気絶縁アノードに印加される、閉ドリフトイオン源に関する。
【背景技術】
【0003】
イオン源は、基板改質および薄膜の堆積に有用であることがわかった。活性化イオンは、表面をエッチングし、エネルギーを成長膜に与えるように機能する。イオン源の産業的使用で直面する課題は、アノードがプロセス副産物によって汚染される傾向であり、そのとき特に、それらの副産物は、アノード上に形成される絶縁膜になる。アノードが絶縁膜によってコーティングされるとき、電子は、アノードにもはや効率的に到達することができず、イオン源動作は、妨害される。本発明は、閉ドリフトイオン源の改善に関する。閉ドリフトイオン源は、グリッドイオン源および軸方向磁場またはミラー磁場構成を有するイオン源を含む、他の型のイオン源と混同すべきではない。グリッドイオン源は、プラズマ放電キャビティからイオンを加速するのに、一連の帯電グリッドを使用する。グリッドイオン源を動作させるのに、複数の電源が要求され、精密なグリッドを有するイオン源構造は、これらのイオン源を複雑かつ高価にする。それに加えて、グリッドの熱膨張の問題によって、これらの発生源を大きい基板に使用することは非現実的になる。閉ドリフトイオン源は、イオン加速アノードをプロセスチャンバに対して露出させ、アノードとプロセスチャンバとの間の直交磁場に干渉する。イオン形成電子が、チャンバ内に注入され、アノードに到達するために磁力線と交差する必要がある。磁場と交差するとき、電子は、ホール方向にドリフトし、閉レーストラックをもたらすように発生源を構成することによって、電子は、無限ループ内に効果的に捕獲される。側壁を浮動または接地し、プロセスチャンバとアノードとの間のチャネルを形成するとき、ブロック電子は、磁力線に沿って流れる。
【0004】
閉ドリフトイオン源は、それらを商業的に成功させる特定の利点を有する。1)電子をアノードに到達させるのに磁力線と交差させることによって、数百ボルトのイオン加速電場を設定する、電子流に対する強いインピーダンスが、形成される。閉ドリフトイオン源から放出される結果的なイオンビームは、エネルギー的にいくつかのプロセスに有用である。この交差磁場インピーダンスは、軸方向磁場またはミラー磁場と交差するインピーダンスよりも大きい。2)直交する電場および磁場によって生じるホールドリフトは、閉ループレーストラックの周りに均一な電子流を形成する傾向があり、均一なイオンビームが、レーストラックから放出される。この効果は、大きい基板を処理するのに極めて有用であり、レーストラックを数メートルにわたって延ばすことができる。
【0005】
先行技術は、閉ドリフトイオン源を3つの分類、延長加速チャネル、アノードレイヤ型、および端部ホール(end Hall)に分けた。完全には一致しないが、延長加速チャネルとアノードレイヤ型との一般的な大きい違いは、電子閉込チャネル幅とチャネル深さの比である。チャネル深さが、チャネル幅寸法を上回れば、イオン源は、延長加速チャネル型と呼ばれる。閉ドリフトイオン源の延長加速チャネル型の代表例は、米国特許第5,646,476号である。先行技術延長加速チャネル型発生源は、正に帯電バイアスされるアノードを有する。
【0006】
アノードレイヤ型イオン源は、閉ドリフト発生源の第2の型である。アノードレイヤ型発生源において、閉チャネル深さは、通常、その幅よりも短いか、または等しい。閉ドリフトイオン源のアノードレイヤ型の代表的構成は、米国特許第5,763,989号、第5,838,120号、および第7,241,360号である。米国特許第7,241,360号は、イオン源をスパッタリング浄化するために、負のACサイクルで負帯電バイアスされた全イオン源を有することを特徴とする。
【0007】
端部ホールイオン源は、様々な閉ドリフトイオン源を示す。端部ホール発生源において、内側磁極が、環状アノードの側面に対して露出するために、外側磁極に対してより低い。この幾何形状で、第2の電子閉込領域は、閉ドリフトイオン源のペニング型閉込めと結合する。第2の閉込領域は、電子が傾斜磁場によって磁力線に沿って部分的に閉じ込められる、ミラー電子閉込めである。そうした発生源の代表例は、米国特許第6,750,600号および第6,870,164号である。具体的には、米国特許第6,750,600号は、アノード上の汚染堆積物に関連するアノード伝導率の損失を低減しようとするものである。米国特許第6,870,164号は、動作不安定性を避けるために、アノードにパルス状の正帯電バイアスを印加することによって、その上の汚染堆積物によるアノード劣化に対処するが、プラズマがアノード上に生成されるように、アノードに負のバイアスをかけない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,646,476号
【特許文献2】米国特許第5,763,989号
【特許文献3】米国特許第5,838,120号
【特許文献4】米国特許第7,241,360号
【特許文献5】米国特許第6,750,600号
【特許文献6】米国特許第6,870,164号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
すべての型の閉ドリフトイオン源におけるアノード汚染の問題に対処するために、いくつかの方策がとられてきた。これにもかかわらず、長期間にわたってアノード伝導率を損失することなく連続的に動作することができる、閉ドリフトイオン源用のプロセスおよび装置の必要性は残っている。理想的には、解決策は、さらに数十時間の延長プロセス時間にわたって絶縁堆積物がないままにする自己浄化アノードを含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
閉ドリフトイオン源の電気絶縁アノード電極に電子を供給するステップを含む、基板の表面を改質するプロセスが、提供される。アノード電極は、正のアノード電極帯電バイアスを有するが、閉ドリフトイオン源の他の構成要素は、電気的に接地され、または電気的浮動電圧を保持する。電子は、第1のアノード電極を含む真空チャンバ内に存在するガスからイオン形成を誘導する閉ドリフト磁場と交差する。次に、イオンは、ビームとして加速され、基板の表面に作用し、表面を改質する。表面改質は、エッチング、アシスト、マグネトロンスパッタリング堆積プロセス、イオン増強熱堆積、およびプラズマ増強化学蒸着を含む。アノード汚染は、ガスの存在下で電極帯電バイアスを負に切り替えることによって防止され、プラズマが、アノード電極の近傍に生成され、アノード電極から汚染堆積物を浄化する。次に、電極帯電バイアスは、反復電子源の存在下で正に戻され、反復イオン形成を誘導し、基板の表面を再び改質する。
【0011】
電気絶縁アノード電極を有する閉ドリフトイオン源を含む、基板の表面を改質する装置が、提供され、他の構成要素は、閉ドリフト磁場を形成する、強磁性磁極および磁石を含む。他の構成要素は、電気的に接地され、または電気的浮動電圧を保持する。電源は、正帯電バイアス時間および負帯電バイアス時間を有する帯電バイアスをアノード電極に選択的に電力を供給する。電子放出器は、電極帯電バイアスが正のとき、アノード電極に電子を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】左の閉ドリフトスパッタリングイオン源が負にバイアスされ、右の閉ドリフトスパッタリングイオン源が正にバイアスされる例を示す、交流電源を有する発明装置の断面図である。
【図1B】左の閉ドリフトスパッタリングイオン源が正にバイアスされ、右の閉ドリフトスパッタリングイオン源が負にバイアスされる別の例における、図1Aの発明装置の断面図である。
【図2】図1Aに示される発明装置の斜視図である。
【図3】短い加速チャネルおよび電源切替え概略図によって構成される発明装置の断面図である。
【図4】第2の閉ドリフト発生源が同様に図示され、装置の近傍の基板は、視覚的に明瞭にするために省略され、負のアノードバイアス中にアノードの内側でプラズマ放電を保持する発明装置の断面図である。
【図5】周囲の真空チャンバおよび基板に対して完全に露出する電極を示す、スパッタリング堆積に特によく適合する発明装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、エッチングまたは堆積を含む基板の表面改質用、具体的には、絶縁膜の基板上への堆積用の装置としての有用性を有する。閉ドリフトスパッタリングイオン源の電極は、本明細書では、アノードまたはアノード電極と同義に用いられる。本発明により、アノードからのイオン形成を抑制し、代わりにアノードから汚染堆積物を除去するスパッタリングプラズマを保持するのに十分な時間、間隔をおいて、閉ドリフトイオン源の電気絶縁アノード上に負帯電バイアスを印加することによって、延長された動作期間の間の安定的かつ再現可能な基板表面の改質が、達成される。アノードを清浄状態に保つ結果、再現可能な表面改質特性および最終的な装置のメンテナンス間のより長い期間が、達成される。
【0014】
本発明は、先行技術とは対照的に、閉ドリフトイオン源の磁極およびアノード電極の両方に負のバイアスを印加することが、基板の表面上に汚染物としてカソード磁極材料をスパッタリング堆積させることに帰着するという認識を前提とする。アノードにのみ負帯電バイアスを印加することによって、アノード材料は、所与の基板の表面に汚染物を与えないように容易に選択される。そうした材料の制限をハウジングに与えるとき、閉ドリフトイオン源のカソードおよび他の構成要素は、基板表面汚染物ならびにそうした仮想デバイスの極めて複雑な製造および動作を排除する。それに加えて、閉ドリフトイオン源のアノードにのみ負のバイアスを印加することにより、アノードのスパッタリング除去が達成され、ガス管および水管、磁極カバー、シールドならびにその類などの、閉ドリフトイオン源の他の電気絶縁構成要素に関する多大な努力が省かれる。
【0015】
発明装置の電極への電子流を阻止する閉ドリフトインピーダンスパスを、ミラーインピーダンス(mirror impedance)と混同するべきでない。本発明の閉ドリフトインピーダンスは、ミラーインピーダンスよりも大きい。たとえば、閉ドリフト領域に発生する電圧は、約300ボルトであるが、磁気ミラーに発生する電圧は、80Vにより近い。これは、これら2つの電子閉込方法の間の重要かつ基本的な差異である。本発明の場合には、より高いインピーダンスおよびより高いイオンエネルギーに帰着する閉ドリフト閉込めが、もたらされる。このより高いイオンエネルギーは、具体的には、一定の膜堆積およびエッチングプロセスに有用である。たとえば、ダイヤモンド様コーティング(DLC)の成長は、閉ドリフト型イオン源のより高いエネルギーによって促進される。より高いイオンエネルギーから利益を得る、他の膜形成プロセスは、酸素および水透過遮断膜である。
【0016】
交流電源によって通電される2つの閉ドリフトイオン源を結合することによって、第1の発生源のアノードが負帯電バイアスされると、その発生源は、閉ドリフト磁場によって、正帯電バイアスアノードを有する他の発生源に電子を供給するスパッタリングマグネトロンとして動作し、第2の発生源が、表面の改質をもたらすために基板の表面に作用するイオンを生成するようにする。結合された発生源の電気絶縁アノードのみの帯電バイアスを切り替えることによって、両アノードは、清浄に保たれ、定常状態基板表面改質環境が得られる。
【0017】
ここで、図1A、1B、および2を参照すると、発明装置は、全体的には、電源11に接続する2つの閉ドリフトイオン源10aおよび10bを有する100で示される。図1A、1B、および2を通して表示されるように、イオン源10aおよび10bのそれぞれに関する同様の符号は、イオン源10aに関する符号には文字aを付加した所与の参照番号、およびイオン源10bに関する符号には文字bを付加した対応する参照番号によって、それぞれ表示される。アノード電極1aおよび1bは、矩形環として形成され、図2に最もよく示すように、発生源10aの長さ102は、基板Sの幅Wの±10%内にあるのが好ましい。長さ102は、基板Sを収容するのに数メートルまで延在することができることを理解されたい。さらに、発生源10aの長さ102は、発生源10aおよび10bにおける磁場エッジ効果に関連する、幅Wを画定するエッジの基板改質形状を制限するために、幅Wよりも長くなるのがより好ましい。各発生源10aおよび10bは、他の形状で、たとえば、楕円もしくは円環、あるいは楕円もしくは円板、あるいは2つの発生源の入れ子形状を含む他の形状で、基板の性質によって別個に構成されることを理解されたい。同心環発生源は、そうした2つの発生源の入れ子構成の例である。両発生源10aおよび10bが、それらの間に互換性構成要素を有する場合に、製造および動作の両方において高い効率性が得られることを理解されたい。各発生源10aおよび10bは、それぞれ、アノード電極1aおよび1bを有する。電極1aおよび1bは、どちらも、11で概略的に示される電源に接続される。電源11の性質は、アノードスパッタリング自己浄化を誘導するために、場合により十分な時間アノードに対するバイアスを負に切り替える装置能力にのみ限定される。電源11は、交流(AC)、高周波(RF)、直流パルス(DCパルス)、および他の波形パルス源などの、あらゆる市販の電源を含む。AC電源は、それらの低コスト性および数10キロワットの高出力型の容易な入手可能性のために、表面改質プロセスに最も好ましい。AC電源11の通常の交流周波数は、1キロヘルツから1メガヘルツの範囲にあり、10から100キロヘルツの範囲にあるのが好ましい。図示される電極1aおよび1bは、環形状であり、それによって、閉ドリフトイオン源に従来からある閉レーストラック形状を形成する。電極1aおよび1bのそれぞれは、離隔絶縁器104aおよび104bによって、それぞれ電気絶縁される。離隔絶縁器104aおよび104bは、電極1aおよび1bを発生源10aおよび10bの他の構成要素から絶縁し、さらに、電極1aおよび1bに接触するように源ガス18を通過させる電気絶縁器である。発明装置100の持続的動作を保持するために、電極1aおよび1bは、電極1aおよび1bと熱的に連通する閉ループで循環する水によって冷却されるのが好ましい。水冷却チャネルは、視覚的に明瞭にするために図示されない。
【0018】
プラズマ放電領域24aおよび24bは、電極1aおよび1bと、外側強磁性磁極2aおよび2bならびに内側強磁性磁極4aおよび4bとによって、それぞれ幾何学的に閉じ込められ、プラズマ放電領域24aおよび24bは、基板Sの表面Tに向かって延在する。9aで集合的に示される磁石、背面シャント12a、ならびに強磁性磁極2aおよび4aの相互作用が、共に、プラズマ領域24a内の磁場13aを画定する。対応する磁場13bが、対応する構成要素9b、12b、磁極2bおよび4bによって画定されるプラズマ領域24b内に形成される。任意選択肢として、各発生源10aまたは10bは、それぞれ別個に熱シールド21aまたは21bを設けられる。シールド(21aまたは21b)は、それぞれ、電極(1aまたは1b)から放射され、磁石(9aまたは9b)に作用する熱放射線を低減する。熱シールドに特によく適合する材料は、実質的に、強磁性でないあらゆる材料を含み、アルミニウムが、熱シールドを形成する好ましい材料を構成する。任意選択肢として、内側強磁性磁極4aおよび4bの側面は、それぞれ、カバー6aおよび6bと嵌合している。同様に、任意選択肢として、外側強磁性磁極2aおよび2bの側面は、それぞれ、カバー3aおよび3bと嵌合している。カバー3a、3b、6a、および6bの材料は、存在する場合は、動作中に発明装置100によって作られる環境からそれぞれの磁極を保護するように選択され、特定の基板表面改質化学特性に適合するように選択される。
【0019】
電極のスパッタリング効果は、電極材料の選択によって制御される。たとえば、電極材料は、低いスパッタリング速度および高い2次電子放出速度を有するように選択することができる。アルミニウムは、酸素源ガスが使用されるときの例示的な材料である。この場合に、電極表面は酸化され、アルミナが形成される。アルミナは、遅いスパッタリング速度を有し、高い2次電子放出比を有する。電極材料は、基板およびプロセスに対するあらゆる悪影響を最小化するように選択することもできる。たとえば、材料を含むすべての鉄は、電子的グレードのシリコン膜を堆積するとき、避けられる。この場合に、電極は、シリコン膜でコーティングされるのが好ましい。電極材料に加えて、磁極カバー材料も検討されるべきである。磁極カバーも高エネルギープラズマによって浸食される。これらの材料は、電極と同様の検討に基づいて選択される。
【0020】
源ガスは、様々な場所で発明装置100に供給される。図1A、1B、および2に示されるように、源ガス18は、ガスマニホールド17bと流体連通する孔19bを通して閉ドリフトイオン源10bに入るのが示される。マニホールド17bは、図1Aおよび1Bに示される2つの部分17bが流体連通する状態の連続する環状溝であるのが好ましい。マニホールド17bは、発生源10aの対応するマニホールド17aと流体連通するか、または代わりに、マニホールド17aは、組成、流量、またはそれらの組合せが異なる別個の源ガスを供給される。マニホールド17bにおいて、源ガス18は、背面シャント12bを貫通する開口部20bを通過し、放熱体プレート21b内のガス排出孔23によって形成される通路を介して、アノード電極1bと離隔絶縁器104bを含む周囲の構造との間の暗部14内に至る。同様のガス通路が、「a」の添字を有する共通参照番号によって図示されるマニホールド17aに存在する。暗部14から、発生源10bの源ガス18の分子が、プラズマ領域24bに流入する。任意選択肢として、外部ガス15が、マニホールド16によって供給される。マニホールド16は、イオン源10aと10bとの中間に図示されているが、外部ガス15は、発明装置の近傍の真空チャンバ内への流入を通して容易に反応し、たとえば、他の場所は、たとえば図1A、1B、および2の左側の基板Sの表面Tの近傍を含むことを理解されたい。
【0021】
発明装置100は、真空チャンバ内に取り付けられ、基板Sは、ある状態のもとで窒素が窒化物を形成する条件を備える動作状態のもとで不活性であるのが好ましい。装置100を活性化するために、源ガス18は、暗部14b内および電極1aおよび1bの近傍に現れるまで、孔19内に吸入される。次に、電源11が活性化され、第1のアノード電極1aおよび第2のアノード電極1bに帯電バイアスを印加する。電源11は、交流電源であるのが好ましい。例として、基板Sの表面Tは、表面Tの所望の表面改質均一性をもたらすために、プラズマ、ならびに誘導電子8およびイオンビーム7を生成している装置表面103にわたって横方向に動かされる。発明装置100によって容易に行われる表面改質は、表面Tのエッチング、材料の島の堆積、または材料の膜の堆積を含む。発明装置100の放出面103と基板Sの表面Tとの間の分離距離dは、プロセスの詳細によって異なる可能性があることを理解されたい。例として、線プラズマ増強化学蒸着(PECVD)および大領域基板において、分離距離dは、通常、25から100ミリメートルの間である。
【0022】
動作中に、源ガス18が、発明装置100に供給され、局所プラズマ領域24aまたは24bが、電極1aまたは1b上で、それぞれマグネトロンスパッタリングプラズマ5aまたは5bを点火するのに十分な源ガス圧力を有するようにする。源ガス18の通常の圧力は、1から50ミリTorrである。源ガス18は、たとえば、酸素、ヘリウム、アルゴン、窒素、またはそれらの組合せなどの非凝縮性ガスを含み、酸素は反応源ガスを構成し、他のガスが列挙され、20から70キロヘルツの間で動作する交流電源が使用される。第1のアノード電極1aが、負帯電バイアスを有するとき、マグネトロンスパッタリングプラズマ5aは、電極1aの近傍でそれに点火する。アノード電極1aおよび1bは、それぞれ、スパッタリングプラズマの空間範囲を画定するように機能する表面凹部26aおよび26bを有するのが好ましい。アノード電極1aが負の帯電バイアスを有する図1Aに示されるように、プラズマ5aは、点火し、イオン源10bに電子(e-)8を供給し、イオン源10bは、第1のアノード電極の帯電バイアスと反対の帯電バイアスを有する第2のアノード電極1bを有し、すなわち、アノード電極1bは、正の帯電バイアスを有する。電子8は、電源電流ループを完成させるために正にバイアスされたアノード電極1bに到達する必要があるので、電子8aは、プラズマ領域24b内の閉ドリフト磁場を通過する必要があり、図1Aに示されるように、イオン源10bだけが、当技術に従来からある典型的な閉ドリフトイオン源として機能している。発明装置100は、所与のアノード電極上への正負の間の帯電バイアスの切替えを組合せることによって得られ、少なくとも一定の部分時間、マグネトロンスパッタリングプラズマは、電極1aまたは1b内に保持されるが、強磁性磁極2a、2b、4a、および4bならびに磁極カバー3a、3b、6a、および6bを含む他のイオン源構成要素は、電源アノード電気回路から除外されるようにする。閉ドリフトイオン源のこれらの他の構成要素は、電気的に接地されているか、または電気的浮動電圧を保持する。これらの他の構成要素は、電気的に浮動しているのが好ましい。図1Aに示されるように、電子8は、イオン源10bからイオン形成を誘導する。これらのイオンは、イオンビーム7として表面Tに向かって加速される。イオン
ビーム(i)7は、表面Tをエッチングし、その上に堆積物を形成するために、単独で、または前駆体ガスと組み合わせて表面Tと反応させるのに使用することができることを、当業者は容易に理解できよう。
【0023】
図1Aに示される電圧が反転すると、図1Bに示されるように、電極1aおよび1bは、帯電バイアスを反転させ、ここでイオン源として動作し、かつイオンビーム7を生成するイオン源10aに、イオン化および中和を行う電子を供給するイオン源10bと共に機能する。
【0024】
イオン源10aおよび10bが、アノード電極帯電バイアスを切り替えるとき、各イオン源は、電子源とイオン源との間で切り替わり、その結果、高密度プラズマおよびイオンビームが、イオン源10aおよび10bのそれぞれから交互に放出される。発明装置のイオンのrms速度は、電子のrms速度よりも大幅に遅く、したがって、帯電バイアスが適当な周波数で効果的に切り替えられるそうした発明装置100は、効果的な定常状態表面改質イオンビーム生成の場合に、図1Aおよび1Bに示される状況の総和として機能することを理解されたい。定常状態動作のプロセスにおいて、各アノード電極1aおよび1bは、電子源として機能中に持続的に自己浄化を行っている。アノード電極の持続的自己浄化によって、装置動作制御安定性は、大幅に改善される。
【0025】
発明装置100は、外部マニホールド16を通る前駆体ガス15の導入によってPECVDプロセスに特に有用であることを理解されたい。イオン源10a、10b間の高密度プラズマおよびイオン源領域と、基板Sの表面Tとの中間にマニホールド16を配置するのが、好ましいことを理解されたい。プラズマ領域24aおよび24bの外側での反応性前駆体ガス15の供給は、発生源10aおよび10b内の前駆体ガス分子の分解に関連する汚染堆積物を低減することに留意されたい。動作中にアノード電極1aおよび1bを自己浄化する発明装置100の能力は、前駆体ガス15の分子が、装置100の表面と表面Tとの間の間隙距離で反応体分子を活性化し、この間隙距離dで反応中間体を形成する、エネルギーを与えられたイオンおよび電子に衝突するとき特に、PECVDを極めて容易にする。表面Tに衝突する反応中間体において、前駆体ガス15のこれらの活性中間体は、表面T上に凝縮する。発明装置100のイオンビーム7のエネルギーは、CVD堆積中にイオンビーム衝突なしに生成されたエネルギーと比較して、高密度高品質のPECVD膜を促進することに留意されたい。図1Aおよび1Bの長い加速チャネル型発生源は、反応性凝縮ガスの発生源10aまたは10bへの排出を遅延させるように機能することを理解されたい。
【0026】
発明装置が、電気絶縁アノード自己浄化をもたらした結果、発明装置は、反応性源ガスとしての酸素の存在下の真空のもとで、アルゴンまたは他の不活性カバーガスを必要とすることなく容易に動作する。非同期でタンデムイオン源に電力を供給する10から100キロヘルツの間の動作周波数を有するACは、アノード上への絶縁汚染堆積物を排除するのに特に好ましい実施形態を示すことを理解されたい。キロヘルツACは、電流を容量結合させるのに十分に高い周波数となるが、いずれかの薄い酸化物が、正帯電バイアスサイクル(電子がアノードに到達する)、または負帯電バイアスサイクル(イオンがアノードに衝突する)の間に、アノード上に堆積する。これは、直流電源を有する従来のイオン源動作と対照的である。それに加えて、タンデム構成において、電極ターゲット材料は、純粋な酸素環境に適合するように選択することができる。たとえば、アルミニウムターゲットを使用することができる。動作中に、アルミニウムターゲット表面が酸化され、アルミナになる。カソードで電子を生成する動作モードにおいて、アルミナ表面は、徐々にスパッタリングし、高い2次電子放出を行う。これらは、スパッタリングイオン源電極の理想的属性である。純粋な反応性ガス中で動作する能力は、アノード表面の汚染、または中空カソードもしくはフィラメント電子源の早い時期の消耗を避けるために、発生源を通してアルゴンを供給することを要求する従来のイオン源と異なる。アルゴンまたは他の不活性カバーガスを流す要求の除去は、ポンプシステムのガス負荷を低減し、より低い処理量のポンプの使用および簡素化した全体動作を可能にする。
【0027】
図2は、図1Aおよび1Bの装置100の斜視図を示す。この図は、ガラス板またはプラスチック膜のロールのような大領域基板に適用される本発明の能力を示す。発明装置イオン源は、円形または他の寸法の環状電極配置でも容易に形成されることを理解されたい。閉ドリフトイオン源を異なる長さまで拡張することは、当技術でよく知られている。重要な特徴は、レーストラックの周りに閉ドリフト電子ホール電流経路を形成することである。
【0028】
自己浄化アノードを含む閉ドリフトイオン源は、図3に全体的に40で示され、外側強磁性磁極32と内側強磁性磁極34との間に形成される加速チャネルは、図1Aおよび1Bにおいて示される加速チャネルと比較して短い。図3で使用される同様の番号は、先にそれらの番号に備わった意味を有する。発生源40は、イオン源10aおよび10bに関して詳述された材料構成要素に対する同様の材料構成要素を有する。短い加速チャネルを有する発生源40は、アノードレイヤ型イオン源である。内側磁極34は、磁極キャップ61によって覆われ、外側磁極32は、対応する磁極キャップ60によって覆われる。任意選択肢として、キャップ60および61が、付加的な磁場強度62を電極31上に集中させるように設けられる。磁石39および背面シャント42が、磁場線63および62を含む閉ドリフト磁場を生成する。電極31は、隔離がいし134によって周囲の電気的浮動表面から離間して保持される。源ガス18は、背面カバー55内のタップ孔50、背面シャント42内のガス排出孔53、ガスマニホールド領域57、および暗部44内への供給孔54を通して、スパッタリング領域35およびプラズマ領域64内に供給される。任意選択肢として、電極31および他の構成要素が、必要に応じ、よく知られた方法を使用して水冷却される。
【0029】
発生源40は、2つの電源に接続されるアノード電極31を有する単一の発生源である。スイッチ71は、電源70または72のいずれかを電極31に接続することを可能にする。電源70が接続された場合、電極31は、負にバイアスされ、プラズマ放電35は、電極31上に維持される。放電35は、電極31から汚染堆積物を浄化するように機能する。スイッチ71が、電極31を電源72に接続するように設定されるとき、電極31は、正にバイアスされ、発生源40は、イオンビーム7を生成する従来の閉ドリフトイオン源として動作する。このイオン源モードにおいて、電子8の発生源は、通常、放出イオンを中和し、電極31に電子流をもたらすように要求される。電子放出器73は、このために設けられ、たとえば、負にバイアスされた発生源10Aまたは従来の他のマグネトロンカソードなどの、フィラメント、中空カソード、またはスパッタリングマグネトロンを含む。任意選択肢として、点火源40は、基板Sに作用するイオンビームからの2次電子放出、ならびにイオン源動作に十分な電子を供給することができる磁極カバー60および61の方策によって、電子放出器73なしに動作することができることを理解されたい。
【0030】
通常、電極31は、延長された時間の間、電源72に接続され、発生源40は、イオン源として動作する。発生源電圧が、アノード電極31の汚染物を示す所定の値まで上昇するとき、電源70に切り替えられ、電極31がスパッタリング浄化される。簡単な浄化サイクルが完了すると、動作は、近傍の表面Tを改質するためにイオン源モードに戻る。
【0031】
図4は、その内側方向表面202上でスパッタリング放電105を保持するアノード電極201を有するイオン源200を示す。図4で使用される同様の番号は、先にそれらの番号に備わった意味を有する。磁石109および112は、閉込磁場を形成するために、電極201上に閉レーストラック磁場閉込め126をもたらす。任意選択肢として、電極201は、閉込め126を増強するために、凹部226を有する。電極201は、図1Aの104aなどの離隔絶縁器と電気絶縁するが、視覚的に明瞭にするために図4に示されない。凹部226は、スパッタリング放電105を画定し、特にPECVDプロセスに関連する汚染物環境において、動作中に電位絶縁コーティング構造(potential insulating coating building)から導電性電極領域をさらに隠すようにも機能する。任意選択肢として、発生源200は、側面シャント222、および/または中央シャント204を有する。ベース125は、発生源200の残りの部分を保持する。磁石112は、マグネトロン閉込磁場126および閉ドリフト閉込磁力線113の両方を形成するように機能する。閉ドライブ閉込磁力線113は、磁気カバー203と中央シャント204との間の開放放電領域を貫通する。源ガス18は、マニホールド117および開口部120に連通するタップ孔119を介して発生源200内に供給される。開口部120は、非強磁性熱シールドカバー121内に穿孔される。カバー121は、電極201の保有熱から磁石109を遮断し、さらに中央シャント204を適当な位置に保持する。源ガス18は、電極201と電気絶縁周囲構成要素との間の暗部領域114に流入する。源ガス18の暗部114への流入により、ガス18の大部分が、127におけるスパッタリングプラズマ105の近傍の領域に確実に流入する。発生源200と同一である第2の発生源200bは、電源11に接続される。
【0032】
動作中、発生源200は、中和を行う電子8を発生源200bに供給する、スパッタリングマグネトロンとして、およびアノード帯電バイアスによる閉ドリフトイオン源として切り替わる。ACサイクルの一部分などの、正アノードバイアス中に、電極201に到達しようとする電子8は、磁力線113によって妨害され、イオンビーム7を生成するために、ガス原子が、領域124内でイオン化される。アノードの負バイアス中に、プラズマ放電105は、電極201上で維持され、電極201は、中和およびイオン化を行う電子8を第2の発生源200bに供給するように機能し、汚染物が堆積した電極201の浄化も行う。
【0033】
図5は、第1のイオン源302aおよび第2の閉ドリフトイオン源302bを含む、別の自己浄化アノードイオン源装置を300で示す。図5で使用される同様の番号は、先にそれらの番号に備わった意味を有する。この場合に、電極301aおよび301bは、真空チャンバおよび基板Sに対して完全に露出している。発生源302aは、電源11を通して第2の発生源302と対になっている。発生源302bは発生源302aと同一であるが、他の発生源が、発生源302bの代わりに動作可能であることを理解されたい。これらは、従来のマグネトロンおよび発生源10b、40、および200を含む。発生源302aおよび302b内の磁石303aおよび303bは、発生源302aおよび302b内に、それぞれ、スパッタリング閉込磁力線315aおよび315b、ならびに閉ドリフト閉込磁力線314aおよび314bを形成する。さらに、磁気回路が、背面シャント305a、外側シャント304a、および内側シャント306aによって定義され、また発生源302内で背面シャント305b、外側シャント304b、および内側シャント306bによって定義される。任意選択肢として、電極301aは、矩形環、円環、または楕円である。任意選択肢として、電極301aおよび301bは、水冷却される。冷却水は、存在する場合は、背面プレート325aおよび325b内の導管311aおよび311bを貫流する。冷却水供給および戻管は、視覚的に明瞭にするために図示されない。背面カバー325aおよび325bならびに電極301aおよび301bは、他の発生源構成要素から隔離がいし104(図示せず)によって保持される。暗部領域316aおよび316bは、他の周囲の発生源構成要素を接地または浮動電圧に維持しながら、電極301aおよび301bを高電圧とするように維持される。他の周囲発生源構成要素は、浮動電圧を保持するのが好ましい。
【0034】
動作中に、AC電源11のスイッチが入ると、発生源302aはスパッタリングマグネトロン動作と閉ドリフトイオン源動作との間で交互に切り替わる。発生源302aが、電源11を通して発生源302bに対して正にバイアスされると、イオン源モードが、発生源302a上で有効になる。このモードにおいて、電極301aのターゲット表面に到達しようとする電子8が、磁力線314によって妨害される。電子8が、309において磁力線314の周りに旋回するとき、電子8は、原子と衝突し、斜線領域313においてイオンを形成する。次に、これらのイオンは、電極301aから加速電場を受け、イオンは、基板Sの表面Tに向かってイオンビーム7として推進する。領域313は、外側磁極304aおよび内側磁極306aの浮動または接地した表面からそれぞれ出る磁力線314によって形成される。磁極表面によって画定される磁力線314は、本発明の方法の閉ドリフトインピーダンス領域を形成する。
【0035】
装置300は、本発明の重要な態様を例示する。デュアルスパッタリングマグネトロンと異なり、発明装置は、入射電子8に真の閉ドリフトインピーダンスをもたらす。デュアルマグネトロンスパッタリングで知られているように、1つのマグネトロンが、正にバイアスされるとき、マグネトロンは、他のマグネトロンに対するアノードとして機能する。この場合に、電子は、電気回路を完成するために、負のカソードマグネトロンから正のマグネトロンへ流れる。先行技術デュアルマグネトロンでは、電子は、磁力線と交差することなく正のマグネトロンに到達することができる。先行技術デュアルマグネトロンでは、電極の中央は、電子が流れるのに導電性がある。この領域において、電子流は、より高いインピーダンスの交差磁力線ではなく磁気ミラーによって妨害することができる。本発明は、改善された動作イオンおよびスパッタリング源を生成するために、スパッタリングマグネトロンおよび閉ドリフトイオン源を組み合わせることができることを実現する。装置は、電極301からのスパッタリング膜で、基板の表面Tをコーティングするが、高エネルギーイオンビーム7にも衝突させる。この二重効果は、表面T上に高密度、高品質膜の堆積を行うのに理想的であることが理解されよう。
【0036】
本明細書に記載する特許文献および出版物は、発明が関係する当業者の水準を示している。これらの特許文献および出版物は、各個々の文献または出版物が、参照により具体的かつ個別に本明細書に組み込まれている場合と同じ範囲で、参照により本明細書に組み込まれている。
【0037】
以上の説明は、本発明の特定の実施形態を示しているが、それらの実施形態に限定することは意味しない。それらのすべての均等物を含む以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定することを目的とする。
【符号の説明】
【0038】
1a、1b アノード電極
2a、2b 外側強磁性磁極
4a、4b 内側強磁性磁極
7 イオンビーム
8 電子
10a、10b イオン源
11 電源
13a、13b 磁場
15 外部ガス
16 マニホールド
18 発生源ガス
21a、21b 熱シールド
24a プラズマ放電領域
100 発明装置
104a、104b 離隔絶縁器
S 基板
T 基板表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面を改質するプロセスであって、
閉ドリフトイオン源の第1の電気絶縁アノード電極に電子を供給し、前記第1のアノード電極は、正の第1のアノード電極帯電バイアスを有するが、前記第1の閉ドリフトイオン源の他の構成要素は、接地され、または電気的浮動電圧を保持し、前記電子は、前記第1のアノード電極を含む真空チャンバ内に存在するガスからイオン形成を誘導する閉ドリフト磁場と交差するステップと、
前記イオンによって前記基板の前記表面に作用し、前記表面を改質するステップと、
前記ガスの存在下で第1の電極帯電バイアスを負に切り替え、イオン形成を抑制し、前記第1のアノード電極の近傍に第1の電極プラズマを生成し、前記第1のアノード電極から汚染堆積物を浄化するステップと、
反復電子源の存在下で、前記第1の電極帯電バイアスを正に戻し、反復イオン形成を誘導し、前記基板の前記表面を改質するステップとを含む、基板の表面を改質するプロセス。
【請求項2】
前記電子は、電子放出器によって供給される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記電子放出器は、イオン形成および前記反復イオン形成中に第1の電極帯電バイアスと反対の第2の電極帯電バイアスを有する、第2のアノード電極を備える第2の閉ドリフトイオン源であり、前記第2のアノード電極の近傍の第2の閉ドリフトイオン源マグネトロンスパッタリングプラズマを保持する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2のアノード電極は、正の第2の電極帯電バイアスを有し、前記第1の電極プラズマの時間中に前記基板の前記表面に作用する、第2の閉ドリフトイオン源イオンを形成する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
単一の交流電力は、前記第1の電極帯電バイアス、および交流周波数で前記第1の電極帯電バイアスと反対の前記第2の電極帯電バイアスを同時に供給する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記交流周波数は、10から100キロヘルツの間にある、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1の閉ドリフトイオン源の前記他の構成要素は、電気的浮動電圧に保持される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
反復電子源は、イオン形成からの第2の電子放出部である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の閉込ドリフトイオン源の前記他の構成要素は、カソード電極、強磁性磁極、または発生源本体ハウジングの少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記基板の前記表面の前記改質は、電気絶縁膜の堆積である、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記基板の前記表面の前記改質は、膜の堆積であり、前記堆積中に前記基板を横方向に動かすステップをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1の閉ドリフトイオン源は、延長加速チャネル型、アノードレイヤ型、または端部ホール型の形態である、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記閉ドリフト磁場は、前記第1の閉ドリフトイオン源の前記他の構成要素の少なくとも1つ貫通する、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
複数の前駆体ガス分子を分解し、前記基板の前記表面上に堆積されるコーティング物質を形成するために、前記第1の電極プラズマおよび前記イオンに接触するように前記複数の前駆体ガス分子を導入するステップをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項15】
前記複数の前駆体ガス分子は、前記第1の閉ドリフトイオン源または前記第2の閉ドリフトイオン源の少なくとも1つと前記基板の前記表面との間のプラズマ領域の外部に導入される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
基板の表面上に膜を堆積する装置であって、
第1の電気絶縁アノード電極を有し、他の構成要素は、閉ドリフト磁場を形成する、強磁性カソード磁極および磁石を含み、前記他の構成要素は、接地され、または電気的浮動電圧を保持する、第1の閉ドリフトイオン源と、
正帯電バイアス時間および負帯電バイアス時間を有する帯電バイアスを前記第1のアノード電極に選択的に電力を供給する、電源と、
前記第1の電極帯電バイアスが正のとき、前記第1のアノード電極に電子を供給する、電子放出器とを含む、基板の表面上に膜を堆積する装置。
【請求項17】
前記閉ドリフト磁場は、前記他の構成要素の少なくとも1つ貫通する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記電子放出器は、イオン形成および前記反復イオン形成中に第1の電極帯電バイアスと反対の第2の電極帯電バイアスを有する、第2のアノード電極を備える第2の閉ドリフトイオン源であり、前記第2のアノード電極の近傍の第2の閉ドリフトイオン源マグネトロンスパッタリングプラズマを保持する、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記電源は、20から70キロヘルツの出力周波数を有する交流電源である、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のアノード電極は、プラズマ閉込凹部を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のアノード電極は、動作中に閉レーストラック磁気閉込め内でスパッタリング放電を保持する、内側方向表面を有する、請求項20に記載の装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−511242(P2012−511242A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539794(P2011−539794)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/067149
【国際公開番号】WO2010/077659
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(508371024)ジェネラル・プラズマ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】