説明

芝管理用車両全輪駆動システム

【課題】芝管理用車両の全輪駆動牽引制御システムで、タイヤのスリップを防止するシステム。
【解決手段】芝管理用車両10の全輪駆動牽引制御システム110が、車両を推進させる主輪を含む。第1モータが、主輪34,34’を回転させる。牽引制御システムは、第1モータ80電流要求または主輪もしくは第1モータの回転速度のいずれかを監視する第1モータと通信する第1部分を有し、牽引制御値を生成する。第2モータ90によって回転させられる副輪28は、車両を、車両非スリップ状態で操舵する。牽引制御システムの第2部分が、副輪の操舵角αの値を決定する。牽引制御値と比較され、牽引制御システムに記憶される速度限界値が、主輪牽引力損失事象を示すスリップ発生メッセージを生成する。操舵角の値とスリップ発生メッセージとを比較することによって生成された第2モータ駆動信号が、牽引力損失事象中、第2モータに電力供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年1月28日に出願された、米国仮出願第61/024,008号明細書の利益を請求するものである。該出願の全開示は、参照によって本明細書に組込まれる。
【0002】
本開示は、芝管理システム車両を操作するための駆動システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本項の記載は単に、本開示に関する背景情報を与えるだけであり、先行技術を構成するものではない。
【0004】
車輪付芝管理用車両は、一般に、フェアウェイの草や芝生を刈るために、より正確に言えば、ゴルフ場のグリーンの草丈を維持するために使用される。少なくとも1つの車輪が、芝管理用車両に付随するエンジンまたはバッテリパックなどの電源装置によって通常動力供給される。動力を与えられた車輪は、ある条件下ではスリップする可能性があり、芝に損傷をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、電源装置から通常は非駆動の車輪へ駆動力を再分配してスリップを克服することができる、油圧操作システムのようなシステムが開発された。これらのシステムは、しばしば、車両対地速度を測定し、対地速度を駆動輪の回転速度と比較しスリップ状態を確認し、通常は非駆動の車輪に対して動力を供給するように対応することによって動作する、複雑な検出装置を必要とする。よって、もし通常は非駆動の車輪に供給される動力量が不正確な場合、通常は非駆動の車輪はスリップすなわち横滑りする可能性がある。この状態は、もし通常は非駆動の車輪が車両の操舵車輪である場合、さらに悪くなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の幾つかの実施形態によれば、芝管理用車両用全輪駆動牽引制御システムが、芝管理用車両を推進させるように動作する少なくとも1つの主輪を有する。第1モータが、主輪を回転させるように動作する。牽引制御システムは、第1モータと通信している。少なくとも1つの副輪が、芝管理用車両を操舵するように動作する。第2モータが、副輪を回転させるように電力供給される。第1モータの少なくとも1つへの電流が一時的に減少し、第2モータへの電流が、主輪の車輪スリップ状態に対応して、牽引制御システムによって一時的に増大する。
【0007】
さらなる実施形態によれば、速度限界値が、牽引制御システムに記憶されている。第1信号と比較した際、速度限界値が所定値を超える場合には、牽引制御システムが、主輪のスリップ事象を示すスリップ発生メッセージを生成する。
【0008】
さらに他の実施形態によれば、芝管理用車両用全輪駆動牽引制御システムは、芝管理用車両を推進させるように動作する少なくとも1つの連続駆動主輪を有する。第1モータは、主輪を回転させるように動作する。牽引制御システムは、第1モータと通信する第1部分を有し、第1信号を監視するように動作する。少なくとも1つの副輪が、芝管理用車両を操舵するように動作可能である。第2モータは、副輪を回転させるように電力供給される。牽引制御システムの第2部分が、副輪の操舵角の値と第2信号とを監視するように動作する。速度限界値は、牽引制御システムに記憶される。牽引制御システムは、第1信号と速度限界値とを動作可能に比較し、所定量が速度限界値を超える場合には、主輪のスリップ事象を示すスリップ発生メッセージが生成される。第1モータへの電流の少なくとも1つが、動作可能に減少させられ、かつ第2モータへの電流は、スリップ事象の間、動作可能に増大させられる。
【0009】
さらに、全輪駆動牽引制御システムは、牽引制御システムによって監視される第1モータからの第1信号を含んでもよい。副輪の操舵角の値は、牽引制御システムに対する入力として機能させてもよい。所定の速度限界値は、牽引制御システムに保存されてもよい。牽引制御システムは、主輪の車輪スリップ状態の発生を決定するために、第1信号と所定の速度限界値とを比較するように動作可能である。牽引制御システムは、車輪スリップ状態を克服するために、第2モータへの電流増大および第1モータへの電流減少の少なくとも1つを行うように動作可能である。
【0010】
第2モータからの第2信号は、牽引制御システムによって監視されてもよい。牽引制御システムは、主輪の車輪スリップ状態の発生を決定するために、第1信号と第2信号とを比較するように動作可能である。牽引制御システムは、車輪スリップ状態を克服するために、第2モータへの電流を増大させることおよび第1モータへの電流を減少させることの少なくとも1つを行うように動作可能である。
【0011】
さらなる実施形態によれば、芝管理用車両用全輪駆動牽引制御システムは、芝管理用車両を推進させるように動作可能な少なくとも1つの連続駆動主輪と、主輪を回転させるように動作する第1モータと、第1モータと通信する第1部分を有する牽引制御システムであって、第1信号を監視するように動作する牽引制御システムとを有してもよい。少なくとも1つの副輪が、芝管理用車両を操舵するように動作可能である。第2モータは、副輪を回転させるように電力供給される。牽引制御システムの第2部分が、副輪の操舵角の値と第2信号とを監視するように動作する。速度限界値は、牽引制御システムに記憶されてもよい。牽引制御システムは、第1信号と速度限界値とを比較するように動作可能であり、所定量が速度限界値を超える場合には、主輪のスリップ事象を示すスリップ発生メッセージが生成される。牽引制御システムは、スリップ事象の間、第2モータへの電流増大および第1モータへの電流減少の少なくとも1つを行うように動作可能である。
【0012】
さらに、全輪駆動牽引制御システムには、副輪の操舵動作を制御し、かつ操舵角の値を受取るように動作するパワーステアリング制御装置を含んでもよい。パワーステアリング制御装置と電気的に通信し、副輪と機械的に連結している操舵制御モータは、パワーステアリング制御装置からの操舵制御信号を受け取り、副輪の操舵動作を物理的に方向付けるように動作する。牽引制御システムと通信するスロットル制御システムが、第1モータの動作速度を速く、または遅くするように動作してもよい。発電装置は、第1および第2モータと牽引制御システムとに電力供給するために、車両バスを通じて転送可能な電力を作るように動作可能である。第2モータへの電流は、操舵角の値がゼロ位置へと減少していくにつれて減少し、操舵角の値がゼロ位置に対して増大するにつれて増大する。少なくとも1つの主輪は、第1モータと差動装置によって回転可能に結合された第1および第2駆動輪を有する。第1信号は、第1モータ電流要求であってもよい。第1信号はまた、第1モータの加速率であってもよい。第2信号は、第2モータ電流要求であってもよい。第2信号はまた、第2モータの加速率であってもよい。
【0013】
さらなる適用分野が、本明細書中に与えられた記載から明らかとなるであろう。本記載および具体例は、単に説明するためだけの目的に意図されたものであり、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】全輪駆動システムを備える芝管理用車両の斜視図である。
【図2】明瞭化のために電源装置カバーを外した、図1の芝管理用車両の側面斜視図である。
【図3】操舵可能な車輪駆動モータを一緒に取付けたモータ/発電機装置を示す、図1の芝管理用車両の背面斜視図である。
【図4】明瞭化のために電源装置を外した、図3の芝管理用車両の背面斜視図である。
【図5】電源装置を形成する複数のバッテリを有するモジュラー電源の斜視図である。
【図6】本開示の全輪駆動システムの構成要素の線図である。
【図7】本開示の芝管理用車両のフレームおよび前輪駆動トレーンアセンブリの斜視図である。
【図8】全輪駆動システムのパワーステアリングおよび制御特性をさらに含む、図7のアセンブリの背面部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に記載される図面は、説明を目的とするものに過ぎず、決して本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0016】
以下の記載は単なる例であり、本開示、用途または使用を限定することを意図していない。図面を通じて、対応する参照符号は、同様の、または対応する部品および特徴を示すことを理解されたい。
【0017】
概ね図1を参照し、かつ種々の実施形態によれば、第1構成において、芝管理用車両10は、作業者を支持するように働く座席14を支えるフレーム12、ハンドルなどの操舵装置16およびフレーム12によって支えられる複数の裁断装置18,20,22を有する。裁断装置18,20,22は巻取り刃装置として図示されているが、裁断装置は、巻取り刃装置を含む他の種類のものであってもよく、または、例えば裁断装置、くま手、グルーマなどのようなものを含む、芝手入れ作業中に動作するいかなる種類の器具であってもよい。芝管理用車両10を推進するのに使用される、主輪すなわち第1および第2駆動輪24,26が、フレーム12と連結している。芝管理用車両10を推進させかつ操舵するのに使用される第2車輪すなわち操舵可能車輪28もまたフレーム12に連結される。さらなる実施形態(不図示)によれば、2つ以上の第2すなわち操舵可能車輪28が設けられてもよい。電源装置30が、カバー32を備えられるフレーム12と連結される。電源装置30は、少なくとも1つの車軸34を経由して、第1および第2駆動輪24,26を回転させる電源を供給する。フットコントロールペダルによって動作され得るスロットル制御装置36が、前後進速度を制御し、または芝管理用車両10を停止させるために設けられている。
【0018】
電源装置30は複数の電気モータ38,40,42のそれぞれと電気的に連結されていて、各モータは複数の第1、第2および第3裁断装置18,20,22の1つと接続している。電気モータ38,40,42は、第1、第2および第3裁断装置18,20,22の個々に、回転可能に取付けられた複数の第1、第2および第3巻取り刃アセンブリ(第3裁断装置22の第3リールブレードアセンブリ48は、本図でははっきりと見えない)を動作させる回転駆動力を与える。さらなる実施形態において、図示されてはいないが、第1、第2および第3裁断装置18,20,22は、回転式の刃裁断装置であってもよい。
【0019】
支持アーム50が、操舵装置16を取付けるための支持部材52を設けるためにフレーム12と連結してもよい。支持部材52は、作業者が操舵装置16の位置を調整できるように、支持アーム50から調整可能に支持されてもよい。制御装置54が、座席14に近い支持アーム50に取付けられてもよい。制御装置54には、草の切取り高さ、リールブレードアセンブリまたは回転刃の回転速度などの芝管理用車両10の運転パラメータ、およびライトなどの部品の動作を作業者が選択するのを助ける複数のスイッチ56を設けてもよい。電力バス58が、電源装置30から芝管理用車両10を通して配電する。
【0020】
次に図2を参照すると、フレーム12は、さらにフレーム第1部材60とフレーム第2部材62とを含む。電源装置支持部材64が、フレーム第1部材60とフレーム第2部材62との間で連結可能である。電源装置支持部材64は、本開示の一態様ではガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジンなどの往復エンジン66、またはロータリエンジンを有するエンジン65である電源装置30を支持する。エンジン65は、発電機68を駆動させて電力を発生させる回転力を与える。幾つかの実施形態によれば、約48ボルトの直流の出力電圧が発電機68によって供給される。
【0021】
駆動装置70が、電源装置支持部材64から別個に支持されてもよく、電源装置30から電力を受取る。幾つかの実施形態では、駆動装置70は、操舵装置16と電気的に接続可能であり、操舵装置16の特定の回転角度に対応して操舵可能車輪28を回転させる、電気操舵モータである。駆動装置70が操舵装置16から電気的な操舵信号を受信した場合、駆動装置70で駆動されるチェーン72が、操舵可能車輪28を回転させるギアアセンブリ74を回転させるのに使用されてもよい。駆動装置70およびギアアセンブリ74は、駆動装置70またはギアアセンブリ74を外さずに電源装置30の構成要素を保守できるように、電源装置支持部材64から別個にフレーム12に支持されてもよい。
【0022】
他の実施形態では、駆動装置70は機械式または連動式駆動システム(不図示)と置換えられてもよい。操舵装置16の特定回転角度の決定は、機械式または連動式駆動システムに接続された1つ以上のセンサによって生じた電気信号から依然得られる。機械式または連動式駆動システムは、これらの実施形態では、操舵可能車輪28と接続される。ギアアセンブリ74は、操舵可能車輪28を回転させるのに動作トルクを上げることが望ましい場合を除き、これらの実施形態では除外されてもよい。
【0023】
芝管理用車両10は、種々の実施形態においてアクセルペダル77と、ブレーキおよび/またはパーキングブレーキペダルとして機能するブレーキペダル78とを有するスロットル制御装置36を支持する、フットサポート構造76も含んでもよい。図2および再度図1を参照すると、差動装置79が、第1および第2駆動輪24,26を回転可能に駆動する車軸34と連結されている。第1電気モータ80が、差動装置79と連結されている。第1電気モータ80の軸(不図示)の回転は、差動装置79に駆動力を与える。電源装置30は、第1、第2および第3電気モータ38,40,42、制御装置54、操舵装置16、スロットル制御装置36、第1電気モータ80を有する芝管理用車両10の全ての電気的に動作する装置へ、および電力バス58のワイヤハーネス82を経由して、1つ以上のヘッドライト81へ、電力を供給する。電源装置30のために往復エンジン66と発電機68とを有することが示された実施形態では、往復エンジン66には、電源装置支持部材64によって支持された燃料タンク84からは燃料が、そしてエアーフィルタ86を経由してはろ過空気が、供給される。
【0024】
概ね図3を参照するとともに再度図2を参照すると、電源装置支持部材64によって支持された構成要素が、よりはっきりと見られる。支持アーム50は、フレーム12に固定して、または回転可能に支持されてもよい。パワーステアリング制御装置88が、操舵装置16と駆動装置70との間で電気的に接続されている。パワーステアリング制御装置88は、操舵装置16から電気制御信号を受信して、操舵可能車輪28に連結されたヨーク89を回転させるために、反時計回りまたは時計回りのどちらかに、駆動装置70のシャフトを回転させるように動作可能な変位信号へこれらの信号を変換する。第2電気モータ90が、ヨーク89から支持され、操舵可能車輪28に回転可能に連結されている。電源装置30からの電力は、可撓性の電力/データ移送ライン92によって第2電気モータ90へ供給される。駆動装置70による操舵可能車輪28の回転は、電力/データ移送ライン92の損傷を防ぐように、機械的または電気的に制限されている。
【0025】
図4を参照すると一番よく見えるように、明確にするために電源装置30と電源装置支持部材64とを外しており、後部フレーム部94が、第1および第2フレーム部材60,62の各々の遠位末端に、溶接または締結などによって連結されている様子が見て取れる。電源装置支持部材64(不図示)は、幾つかの実施形態では、支持面98を規定する長方形状フレーム部96である受け部材内に部分的に着座させられ、かつ受け部材によって支持されている。駆動装置70、ギアアセンブリ74およびパワーステアリング制御装置88は、電源装置30に関して独立して支持されてもよく、従ってフレーム12によって別個に支持されてもよい。複数のワイヤハーネス100が、電力および信号電送ラインを、駆動装置70およびパワーステアリング制御装置88などの部品へ供給している。電源装置30および電源装置支持部材64を取除く能力を含む、図4およびそれに続く図5の実施形態の配置が、本開示の出願人に共同所有されている、2005年11月1日に出願された米国特許出願第11/265,224号明細書、名称「乗用芝刈り機用組立式動力装置」に開示されており、この主題は参照によって本明細書に組込まれている。
【0026】
次に、図5を参照するとともに再度図4を参照すると、種々の実施形態に従って、電源装置30は、直流電圧および電流をそれぞれ生じさせる複数のバッテリ104を有するバッテリ装置102として構成されてもよい。バッテリ104は、電源装置支持部材64と同寸法のフレーム106上にまとめて支持されているので、長方形状フレーム部96の支持面98上に支持できる。組合わせると約48ボルトの直流の出力電圧が、バッテリ装置102によって供給される。種々の実施形態において、バッテリ104の各々は、直列/並列の形態か、その別の種々の形態で電気的に接続され、かつコネクタ108を用いて電力バス58に一緒に接続されている。種々の実施形態において、図3に示された発電機68などの発電機は、バッテリ装置102が使用される場合、必要とされない。
【0027】
図1および図5の双方を参照すると、電源装置30およびバッテリ装置102は、他のエネルギ源と置換えられてもよい。このエネルギ源には、もしモータ電流要求量がこの装置の出力範囲内であれば、燃料電池の利用、およびコンデンサまたは太陽電池を含む別のエネルギ蓄積装置が含まれてもよいが、これらに限定するものではない。また、発電機68に代えて、交流発電機を使用してもよい。よって、本開示は、使用する電源の実施形態によって限定されるものではない。
【0028】
図6を参照すると、芝管理用車両10用の全輪駆動牽引制御システム110には、前輪駆動部111および後輪駆動部112が含まれる。前輪駆動部111には、差動装置79と接続される車軸34,34’によって回転可能に駆動される第1および第2駆動車輪24,26が含まれる。差動装置79は、電力/データ移送ライン116を経由して1次すなわち第1牽引制御装置114から電力を受け、第1牽引制御装置114との間で操作データを転送する第1電気モータ80によって駆動される。第1牽引制御装置114とともに、後輪駆動部112に付随する2次すなわち第2牽引制御装置118は、両者とも、牽引制御装置TCU120として認識される単体で供給されてもよい。前輪駆動部111には、アクセルペダル77およびブレーキペダル78の位置または位置の変化を示す信号を第1牽引制御装置114に供給するスロットル制御装置36のアクセルペダル77およびブレーキペダル78も含まれる。
【0029】
全輪駆動牽引制御システム110の後輪駆動部112は、操舵可能車輪28と第2モータ90とを含み、第2モータは電力/データ移送ライン92を経由して第2牽引制御装置118から電力を受け、第2牽引制御装置118との間で操作データを転送する。もし第1および第2牽引制御装置114,118が空間的に離れた装置であるならば、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス122などのデータ転送すなわちバスが、第1および第2牽引制御装置114,118間でデータの通信を可能とするように、設けられてもよい。後輪駆動部112は、電力/データ移送ライン124を経由してパワーステアリング制御装置88から電力を受け、パワーステアリング制御装置88との間で操作データを転送する駆動装置70も含む。パワーステアリング制御装置88は、電力/データ移送ライン126を経由して第1牽引制御装置114から電力を受け、第1牽引制御装置114との間で操作データを転送する。TCU120の第1および第2の牽引制御装置は双方とも、電源ライン128を経由して電力バス58から電力を受取る。
【0030】
全輪駆動牽引制御システム110は、次のように機能する。最初、非スリップ状態の間に、差動装置79と第1および第2駆動輪24,26とを駆動させる第1モータ80へ、電流が供給される。第1モータ80の電流要求値または第1モータ回転加速値などの第1の信号「A」が、電力/データ移送ライン116によって、第1牽引制御装置114へ送信される。第2モータ90の電流要求値または第2モータ回転加速値などの第2の信号「B」が、電力/データ移送ライン92によって、第2牽引制御装置118へ送信される。第2牽引制御装置118は、第2の信号「B」の値を監視する。速度限界値「C」が、TCU120に記憶される。TCU120は、第1モータ80の第1の信号「A」として与えられた速度と速度限界値「C」との間に速度差「ΔS」が生じたとき、決定する(ΔS=速度A−C)。TCU120が速度差「ΔS」が所定値「V」よりも高いことを検出した場合(ΔS>V)、TCU120は、スリップ事象が生じていると認識し、スリップの度合いを記憶する。種々の実施形態において、閾値と比較した第1モータ80の設定時間帯に対する加速変化率を示す信号が、スリップ状態を決定するのに速度差「ΔS」の代わりに使用されてもよい。
【0031】
この場合、パワーステアリング制御装置88は、操舵可能車輪28の操舵角度αの値についてクエリが行われる。操舵角度αは、非回転すなわちゼロ基準線130から測定された車輪回転の角度として決定され、操舵装置16の回転から受信されたセンサ信号に基づいたパワーステアリング制御装置88からの電気信号として得られ得る。TCU120は、スリップ発生メッセージを生成してから、増加電流値を計算して計算上操舵角度αを含む第2モータ90へ供給し、減少電流値を計算してスリップ状態を軽減または消滅させる第1モータ80へ供給する。TCU120は電力バスから電力を回収し、第2モータ90への電流を増大させ、第1モータ80への電流を減少させ、かつ例えばΔS≦Vである場合、スリップ事象が終わるまで、第1モータ80と第2モータ90との両方に送られる電流を変化させ続ける。
【0032】
操舵角度αを当該システムで使用し、スリップ事象を克服する。第2モータ90が回転しているときの第2モータ90の電流(またはトルク)の増加が、芝管理用車両10の回転率を不所望に増大させることによって、芝制御システム110の有効性を減少させるため、ならびに/または操舵可能車輪28が、第1および第2駆動輪24,26の配置からずれたときにスピンし得る、もしくは牽引しなくなり得るからである。非スリップ状態における動作として定義される、芝管理用車両10の「通常」の動作中、第1および第2駆動輪24,26は、第1モータ80からの出力で、正しく駆動させられる。また、正常動作中、連続的に第2モータ90に電力供給するために電流が連続的に送られるので、操舵可能車輪28の回転速度は、実質的に、第1および第2駆動輪24,26の回転速度と一致する。このことは、「中立牽引状態」として定義される。こうして、第2モータ90の摩擦または「バックドライブ」によって第2モータ90を逆回転させる傾向にある地面に対して、操舵可能車輪28が引きずったりスリップしたりするのを防ぐ。操舵可能車輪28の速度はまた、第1および第2モータ80,90両方に不所望に負荷を与えるので、第1および第2駆動輪24,26よりも速く回転するのを防ぐように制御される。よって、牽引制御システム110は、順方向または逆方向に動作させる場合、連続して「全輪駆動モード」になる。スリップ事象中の第2モータ90へ送られる電流の増大は、それ故、一時的なものであり、スリップ事象が終わるまで続くだけである。
【0033】
他の実施形態においては、第2信号「B」がTCU120によって使用されてもよい。TCU120が、第1モータ80の信号「A」と第2モータ90の第2信号「B」として与えられた速度(または加速変化率)との間の所定値よりも高い、信号「A」として与えられた速度(または加速変化率)の速度差「ΔS1」を検出すると、TCU120は、スリップ事象が生じていると認識し、スリップの度合いを記録することになる。先に認められるように、パワーステアリング制御装置88は、このとき、操舵可能車輪28の操舵角度αの値についてクエリが行われる。すると、TCU120は、スリップ発生メッセージを生成してから、増加電流値を計算して、計算上操舵角度αを含む第2モータ90へ供給し、減少電流値を計算して、スリップ状態を取除く第1モータ80へ供給する。
【0034】
車輪のスリップが前述の所定閾値条件以下で生じることもある動作も含み得る、通常の動作中、TCU120は、スリップ発生メッセージを送信せず、追加の動力は操舵可能車輪28へと供給されない。操舵可能車輪28は、そのため、中立の牽引状態のままであることになる。また、もし差動装置79が、第1および第2駆動輪24,26間の車輪回転速度差を許容する、差動制限装置またはクラッチ式差動装置であれば、牽引制御システム110への衝撃は、第1および第2駆動輪24,26間の個々の車輪速度差ではなく、第1モータ80の速度または加速率が牽引制御システム110によって使われるので、最小となる。
【0035】
他の実施形態においては、第2信号「B」および操舵可能車輪28の速度が、第1および第2駆動輪24,26の速度を設定または決定するのに、TCU120によって使用されてもよい。TCU120が、第2モータ90の信号B1と第1モータ80の信号「A1」との間の所定値よりも低い信号「B1」として与えられた速度(または加速変化率)の速度差「ΔS2」を検出すると、TCU120は、スリップ事象が発生していると認識し、スリップの度合いを記録することになる。すると、TCU120は、スリップ発生メッセージを生成する。TCU120は、減少電流値を計算して第1モータ80へ供給して、第1モータ80の速度と第2モータ90の速度とを一致させることができる。もし、非スリップ状態が操舵可能車輪28について決定または推測されたなら、操舵角度αは計算が要求されない。もし操舵可能車輪28のスリップ状態が、例えば単位時間あたりの所定値を超える第2モータ90の加速率によって決定されたり、または操舵可能車輪28のスリップ状態が推測されたなら、TCU120はさらに、増加電流値を計算して、スリップ状態を低減または解消させることになる第2モータ90へ供給してもよい。以上から判るように、パワーステアリング制御装置88は、操舵可能車輪28の操舵角度αの値についてクエリが行われてもよく、操舵角度αは増加電流値の計算に含まれて、第2モータ90へ供給してもよい。
【0036】
本開示の芝管理用車両全輪駆動牽引制御システム110は、オーバーラン状態を防止し得る。オーバーラン状態は、スリップしている第1駆動車輪24,26に追いつこうとした副輪28のモータ90への電流増大と相まったユーザ要求に応えた、第1駆動車輪24,26の車輪スリップの増加に相当する。オーバーラン状態を防ぐために、TCS120には、主輪24,26がスリップしているときを示す制御論理が含まれてもよい。制御論理は、主輪24,26の回転速度の変化率、または関連するモータ79の回転速度の変化率を、非限定の例として、所定の閾値と比較して、スリップ状態を確定してもよい。変化率が所定の閾値を超える場合、スリップ状態が存在し、TCS120は、変化率が所定の閾値未満となるまでモータ79への電流を減少させることができる。副輪28の動作は、中立牽引状態を達成しようとする場合に、起こることになる。所定の閾値は、牽引制御システム110が利用されている特定のアプリケーションの関数であってもよい。所定値は、速度限界値とは異なる。
【0037】
他の実施形態においては、牽引制御システム110は、芝管理用車両10の非全輪動作を許容してもよい。具体的に言うと、牽引制御システム110は、操舵可能車輪28が全く駆動力を与えず、芝管理用車両10が当面全輪駆動モードで動作しないように、操舵可能車輪28を自由に回転させてもよい。この場合、第2モータ90は電流によって連続して電力供給されることがなく、操舵可能車輪28は、第1および第2駆動輪24,26によって駆動される芝管理用車両10の動きに応じて表面に沿って受動的に回転する。第2牽引制御装置118は、操舵可能車輪28を、直接、または第2モータ90を通じて監視するなどして、操舵可能車輪28の回転を監視し得、一方で、第1牽引制御装置114は、第1モータ80および/または第1および第2駆動車輪24,26を監視する。TCU120は、前述したように、スリップ状態を測定し得る。スリップ事象がTCU120によって検出される場合、TCU120は、前述したように、第2モータ90に電流を供給することによって、操舵可能車輪28に芝管理用車両10を推進する補助をさせることが可能である。結果として、芝管理用車両10は全輪駆動モードで動作することとなる。TCU120は、スリップ状態を是正するための適当な対応を決定する際、操舵角度αを使用してもよい。全輪駆動モードは、スリップ事象が是正されるか存在しなくなるまで続き得る。次に、TCU120は、第2モータ90に連続して電力供給するのを止め、非全輪駆動モードへ戻り得る。よって、牽引制御システム110は、非全輪駆動モードと全輪駆動モードとの間で、芝管理用車両10の動作を切り換えることができる。非全輪駆動モードは、電力消費量の低減、効率性の増大など、非限定の例を目的として、TCU120によって実行されてもよい。非全輪駆動モードは、定常状態での動作中に実行されてもよい。
【0038】
図7を参照すると、フレーム12の第1および第2フレーム部材60,62に連結された後部フレーム部94は、ヨーク89と固定連結されたシャフト136を回転可能に受けるように設けられた軸受スリーブ134を有する支持板132を含んでもよい。シャフト136は、ヨーク89が回転できるように軸受スリーブ134内に配置されている。車軸アセンブリ138が、操舵可能車輪28に固定され、ヨーク89の遠位末端に取付けられている。第1モータ80には、差動装置79の受けフランジ142と固定可能に係合するよう構成された取付けフランジ140が含まれる。電気的に制御されるブレーキ144が、第1モータ80のスプラインシャフト146の回転を防止するための正のブレーキ力を与える第1モータ80用に設けられてもよい。
【0039】
図8を参照すると、軸受スリーブ134内に配置されたシャフト136とともに、歯状スプロケット148がシャフト136に連結されている。歯車150が、駆動装置70の出力シャフト152に連結されており、チェーン72は、歯車150と歯状スプロケット148の複数の歯154との間で係合されて、駆動装置70の動作によってヨーク89を回転させる。駆動装置70の位置は、図3および図4の実施形態と比べて、本実施形態では、変動し、芝管理用車両10の構成要素の位置づけに利用可能な自由度を示し、例えば多様な型式を提供する、または図5に示したエンジン65もしくはバッテリ装置102のいずれかの使用に適合する。溶接ブラケット156が、支持板132に溶接されるか、示されるように固定され得る。溶接ブラケット156は、パワーステアリング制御装置88の配線板およびハードウェアアセンブリ158を受けるように構成されている。カバー160が、アセンブリ158を保護するために設けられている。操舵モータハーネス162および操舵電源ハーネス164が、複数のワイヤハーネス100の1つを経由して、駆動装置70へのデータ通信および電力をもたらす。第1近接スイッチ166および第2近接スイッチ168などの位置指示装置が、ヨーク89および/またはフレーム12の局所構造に取付けられ、ヨーク89の回転が最大点に達したとき、駆動装置70の電力供給を打切る信号をもたらすように構成されてもよい。TCU120の位置も図示されている。この位置もまた、先の駆動装置70で述べたのと同じ理由により、製造者の裁量で変更してもよい。
【0040】
本開示の芝管理用車両全輪駆動牽引制御システムには、幾つかの利点がある。主輪を駆動させる第1電気モータと副輪を駆動させる第2電気モータとを用いることによって、第1モータおよび第2モータの双方が(全輪駆動モードで)連続的に電力供給されるので、第1および第2モータを迅速に変更して、主輪スリップ状態を克服することができる。副輪は、通常、動力供給されているが中立牽引状態にあるので、主輪の動作速度に類似している。よって、第2モータへの電流は、第1モータへの電流とは独立して増大させられてもよく、主輪スリップ状態を克服する。全輪駆動牽引制御システムのすべての電気モータ駆動には、推進力用モータ/発電機か、または推進力用バッテリパックのいずれかを使用してもよい。制御システムに副輪回転角度を含ませることによって、第2モータへの電流量は、もしスリップ状態が生じたときに副輪が回転あるいは旋回状態にあるとしたら、副輪スリップを減らすか最小にするようにさらに制御するか、または強制的に車両を旋回させてもよい。
【0041】
本開示の全輪駆動制御システムは、互いに独立して動作可能な複数の主駆動輪がある芝管理用車両にも適用できることを理解されたい。例えば、各主駆動輪は、その車輪だけを駆動する関連電気モータを有してもよい。この場合、TCU120は、(電流要求、モータ回転加速値、モータ回転速度変化率、モータ回転加速変化率などに基づいて)個々のあらゆる車輪のスリップ状態を検出してもよく、前述したように、(主および/または副)モータへの電流を適切に変化させてスリップ状態を克服してもよい。しかしながら、かかる構成を用いても、本開示の全ての利点は、複雑性、費用などの増加のために、実現されないことがあることも理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝管理用車両であって、
前記芝管理用車両を推進させるように動作する少なくとも1つの主輪と、
電流を受けて主輪を回転させるように動作する第1モータと、
前記第1モータと通信する牽引制御システムと、
前記芝管理用車両を操舵するように動作する少なくとも1つの副輪と
前記少なくとも1つの副輪を回転させるように動作可能で、電流が付与されて、前記少なくとも1つの副輪を回転させる第2モータとを含み、
前記主輪の車輪スリップ状態に応答して、前記牽引制御システムによって、前記第1モータへの前記電流の一時的減少、および前記第2モータへの前記電流の一時的増大の少なくとも1つがもたらされることを特徴とする芝管理用車両。
【請求項2】
前記芝管理用車両によって監視される前記第1モータからの第1信号をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の芝管理用車両。
【請求項3】
前記芝管理システムに保存された所定の速度限界値をさらに含み、前記第1信号が前記所定の速度限界値を超えたときに、前記主輪の車輪スリップ状態の発生が、前記芝管理システムによって認識されることを特徴とする請求項2に記載の芝管理用車両。
【請求項4】
前記第2モータへの電流を増大させて、前記車輪スリップ状態を克服するように動作する前記牽引制御システムによって感知される前記第2モータの加速率をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の芝管理用車両。
【請求項5】
前記牽引制御システムへの入力として与えられる前記副輪の操舵角の値をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の芝管理用車両。
【請求項6】
前記第1信号が前記第1モータの電流要求値であることを特徴とする請求項2に記載の芝管理用車両。
【請求項7】
前記第1信号が前記第1モータのモータ回転加速値であることを特徴とする請求項2に記載の芝管理用車両。
【請求項8】
前記副輪の操舵角の値と第2信号とを監視するように動作する前記牽引制御システムの第2部分をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の芝管理用車両。
【請求項9】
前記第2モータへの電流が、前記操舵角の値がゼロ位置へと減少するにつれて減少し、ゼロ位置に対して増大するにつれて増大することを特徴とする請求項8に記載の芝管理用車両。
【請求項10】
前記第2信号が前記第2モータの電流要求値であることを特徴とする請求項8に記載の芝管理用車両。
【請求項11】
前記第2信号が前記第2モータのモータ回転加速値であることを特徴とする請求項8に記載の芝管理用車両。
【請求項12】
前記第2モータへの電流が前記主輪の車輪スリップ状態に応答して前記牽引制御システムによって一時的に増大されることを特徴とする請求項1に記載の芝管理用車両。
【請求項13】
前記第2モータは、前記少なくとも1つの副輪を回転させる電流によって連続的に電力供給されることを特徴とする請求項1に記載の芝管理用車両。
【請求項14】
芝管理用車両であって、
前記芝管理用車両を推進させるように動作する少なくとも1つの主輪と、
前記主輪を回転させるように動作し、第1信号を生成する第1モータと、
前記第1モータと通信し、速度限界値と所定の速度値とを記憶する牽引制御システムと、
前記芝管理用車両を操舵するように動作可能な副輪と、前記副輪を回転させるように動作可能な第2モータとを含み、
前記第1信号と比較した速度限界値が前記所定の値を超え、前記主輪の車輪スリップ状態を示したときに、前記牽引制御システムによって、前記第2モータの速度の少なくとも1つが一時的に増大され、前記第1モータの速度が一時的に減少されることを特徴とする芝管理用車両。
【請求項15】
前記第1信号と比較した速度限界値が前記所定の値を超えたときに、前記牽引制御システムによって生成される、前記主輪のスリップ事象を示すスリップ発生メッセージをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の芝管理用車両。
【請求項16】
前記少なくとも1つの副輪を回転させる前記第2モータに連続して電力供給するように動作する前記第2モータへの電流をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の芝管理用車両。
【請求項17】
前記第1信号と比較した速度限界値が前記所定の値を超え、前記主輪の車輪スリップ状態を示したときに、前記牽引制御システムによって、前記第2モータの速度が一時的に増大されることを特徴とする請求項16に記載の芝管理用車両。
【請求項18】
芝管理用車両であって、
前記芝管理用車両を推進させるように動作する連続駆動主輪と、
前記主輪を回転させるように動作する第1モータと、
前記第1モータと通信する第1部分を有し、第1信号を監視するように動作する牽引制御システムと、
前記芝管理用車両を操舵するように動作する副輪と、
前記副輪を回転させるように電力供給されるように動作可能な第2モータと、 前記副輪の操舵角の値および第2信号を監視するように動作する前記牽引制御システムの第2部分とを含むことを特徴とする芝管理用車両。
【請求項19】
前記牽引制御システムに記憶される速度限界値をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の芝管理用車両。
【請求項20】
前記牽引制御システムによって生成される、前記主輪のスリップ事象が生じていることを示すスリップ発生メッセージをさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の芝管理用車両。
【請求項21】
前記第1モータに供給される電流と、
単位時間あたりの所定値と、
前記第2モータに電力供給するために前記第2モータに供給される電流とをさらに含み、
前記牽引制御システムが前記第1信号と前記速度限界値とを動作可能に比較し、前記速度限界値が前記主輪のスリップ事象を規定する単位時間あたりの前記所定値によって超えられていると認識して、前記第2モータへの電流の少なくとも1つが動作可能に増大され、前記第1モータへの電流が動作可能に減少されることを特徴とする請求項20に記載の芝管理用車両。
【請求項22】
前記牽引制御システムが、前記第1信号と前記速度限界値とを動作可能に比較し、前記速度限界値が前記主輪のスリップ事象を規定する単位時間あたりの前記所定値によって超えられていると認識したとき、前記第2モータへの電流が動作可能に増大されることを特徴とする請求項21に記載の芝管理用車両。
【請求項23】
前記第2モータが前記副輪を回転させるように連続的に電力供給されることを特徴とする請求項21に記載の芝管理用車両。
【請求項24】
芝管理用車両の車輪牽引を制御する方法であって、該車両は、第1モータによって回転させられて該車両を推進させる主輪と、速度限界値を記憶する牽引制御システムと、第2モータによって回転させられ、かつ該車両を推進操舵させるのに使用される副輪と、前記副輪を回転させるように連結される第2モータとを有し、
前記牽引制御システムを用いて第1モータ速度の第1信号を監視することと、
前記第1信号から前記速度限界値を差引くことによって決定された速度差が所定値よりも高いときにスリップ状態が発生していることを認識することと、
前記第2モータへ供給する増加電流値と、前記第1モータへ供給する減少電流値とを計算して、前記スリップ状態を低減することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記第2輪の操舵角度の値についてパワーステアリング制御装置にクエリが行われることをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ゼロ基準線から測定された車輪回転角度として、前記操舵角度を決定することをさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記計算ステップにおいて前記操舵角度を含むことをさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記牽引制御システムを用いて第2モータ速度を示す第2信号を監視することをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第1信号と比較した前記速度限界値が前記所定値を超え、前記主輪の車輪スリップ状態を示すとき、前記牽引制御システムを用いて前記第2モータ速度を一時的に増大させることをさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
速度差が前記所定値以下になる場合と規定されるスリップ状態が終わるまで、前記第1モータに送られる電流値を減少させ、前記第2モータに送られる電流値を増大させるように変動させ続けることをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項31】
芝管理用車両の車輪牽引を制御する方法であって、該車両は、第1モータによって回転させられて該車両を推進させる主輪と、速度限界値を記憶する牽引制御システムと、第2モータによって回転させられ、かつ該車両を推進操舵させるのに使用される副輪と、前記副輪を回転させるように連結される第2モータとを有し、
前記牽引制御システムを用いて第1モータ速度の第1信号を監視することと、
前記第1モータの所定時間間隔における加速変化率が限界値よりも高いときに、スリップ状態が発生していることを認識することと、
前記第2モータへ供給する増加電流値と、前記第1モータへ供給する減少電流値とを計算して、前記スリップ状態を低減することとを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−184662(P2009−184662A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−17364(P2009−17364)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(391031890)テキストロン インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】TEXTRON INCORPORATED
【Fターム(参考)】